JP2009136959A - 切替式回転駆動装置 - Google Patents

Abstract

【課題】小型でコンパクトな構成の切替機構を備えた回転駆動装置を提案すること。
【解決手段】回転駆動装置１の切替機構６は、モータの中空ロータ３と常に一体回転している第１連結用スリーブ６１と、遊星歯車減速機構５の遊星キャリア５３と常に一体回転している第２連結用スリーブ６２とが、軸受け６３を介して相対回転自在の状態で連結され、第１連結用スリーブ６１に太陽歯車５１が形成された構成となっている。切替機構６をスライドさせることにより出力軸４を高速回転および低速回転の状態に切り替えることができる。遊星歯車減速機構５の全体をスライドさせて切り替える場合に比べて、スライドする部位が小さくて済み、そのための移動スペースも少なくて済むので、装置の小型化、コンパクト化に有利である。
【選択図】図１

Description

本発明は、出力軸をモータに直結した高速回転モードおよび減速機構を経由した低速回転モードに切替可能な切替式回転駆動装置に関する。

出力軸の回転を、減速して増トルクとする目的で減速機が用いられているが、出力軸を高速回転させて駆動対象物を早送りさせたい場合などにおいては、切替機構を用いて、モータの回転を出力軸に直接伝達している。切替機構を備えた回転駆動装置としては、特許文献１に開示されている工作機械用スピンドル駆動装置が知られている。

ここに開示の工作機械用スピンドル駆動装置では、減速用の遊星歯車機構を含む伝動機構ユニットをスピンドル軸の中心軸線方向にスライドさせ、スピンドル軸の高速回転モードおよび低速回転モードの切替を行うようにしている。すなわち、スピンドルモータの中空ロータの後端から後方に突出しているスピンドル軸の外周にスライド可能に伝動機構ユニットが配置されている。伝動機構ユニットを前方の位置にスライドすると、スピンドル軸が中空ロータに直結されて高速回転する状態になる。伝動機構ユニットを後方の位置にスライドすると、当該伝動機構ユニットの遊星歯車が中空ロータと一体回転している太陽歯車に噛み合うと共に当該伝動機構ユニットの遊星キャリアが、中空ロータの後端から後方に突出しているスピンドル軸の後端部に連結され、スピンドル軸が遊星歯車機構を介して低速回転する状態に切り替わる。
特許第３９６３５１７号公報

しかしながら、特許文献１に開示の切替機構では、遊星歯車機構を含む伝動機構ユニットをスピンドル軸に沿って前後に移動させる必要がある。伝動機構ユニットの全体が前後に移動するので、その移動スペースを確保するために装置寸法が増加してしまう。

特に、中空ロータの後端から突出しているスピンドル軸の後端部分の外周に、前後にスライドする伝動機構ユニットが配置され、この伝動機構ユニットの後端から後方に突出しているスピンドル軸の後端部分に、当該スピンドル軸と伝動機構ユニットの遊星キャリアとを連結するための連結部分が配置されている。このように、伝動機構ユニットおよび連結部分が軸線方向に配列されているので、軸長が長くなってしまう。

さらに、遊星歯車機構を含む伝動機構ユニットの全体をスライドさせるようにしているので、それをスライドさせるための機構も大掛かりとなってしまう。

本発明の課題は、このような点に鑑みて、小型でコンパクトな構成の切替式回転駆動装置を提案することにある。

上記の課題を解決するために、本発明の切替式回転駆動装置は、
中空ロータを備えたモータと、
前記中空ロータの中空部を回転自在の状態で同軸状に貫通している出力軸と、
前記中空ロータの回転を減速して前記出力軸に伝達するための遊星歯車減速機構と、
前記出力軸の外周面に沿ってその中心軸線方向における高速モード位置および低速モード位置にスライド可能な切替機構とを有し、
前記切替機構は、外周面に前記遊星歯車減速機構の太陽歯車が形成されている第１連結用スリーブと、当該第１連結用スリーブに対して、軸受けを介して、回転自在の状態で同軸状に取り付けられている第２連結用スリーブとを備え、
前記高速モード位置では、前記第１連結用スリーブを介して前記出力軸および前記中空ロータが一体回転するように直結状態になり、
前記低速モード位置では、前記第１連結用スリーブと前記出力軸の連結が解除され、当該第１連結用スリーブが前記遊星歯車減速機構の遊星歯車に連結され、前記第２連結用スリーブが前記遊星歯車減速機構の減速回転出力要素である遊星キャリアに連結され、前記中空ロータの回転が前記遊星歯車減速機構を介して減速されて前記出力軸に伝達されることを特徴としている。

本発明では、切替機構を構成している第１連結用スリーブと、ここに軸受けを介して取り付けられている第２連結用スリーブのみをスライドさせることにより、出力軸を高速回転および低速回転に切り替えることができる。遊星歯車減速機構の全体をスライドさせる従来の切替機構に比べて、スライドする部位が少なく、スライドさせるために必要なスペースも少なくて済む。よって、装置の小型化、コンパクト化に有利である。

ここで、前記第１連結用スリーブを、前記中空ロータに対して、前記中心軸線方向にスライド可能な状態で一体回転するように連結し、前記第１連結用スリーブの円形内周面には第１スプライン溝を形成し、前記出力軸の外周面には第１スプラインを形成しておき、前記高速モード位置では、前記第１スプライン溝と前記第１スプラインを連結し、前記低速モード位置では、前記第１スプライン溝と前記第１スプラインの連結を解除すればよい。

また、前記第２連結用スリーブを、前記遊星キャリアに対して、前記中心軸線方向にスライド可能な状態で一体回転するように連結し、前記第２連結用スリーブの円形内周面には第２スプライン溝を形成し、前記出力軸の外周面には第２スプラインを形成しておき、前記高速モード位置では、前記第２スプライン溝と前記第２スプラインの連結を解除し、前記低速モード位置では、前記第２スプライン溝と前記第２スプラインを連結すればよい。

第１スプラインおよび第１スプライン溝の連結が解除されると同時に、第２スプラインおよび第２スプライン溝が連結されるようにしておけば、切替機構のスライド時（切替時）に、出力軸が中空ロータ側および遊星歯車減速機構のいずれの側にも連結されていない状態が殆ど発生しないので望ましい。

さらに、前記出力軸を、前記中空ロータの後端から後方に突出させ、当該後端に対して後側に隣接した位置において、前記出力軸を取り囲む状態に前記遊星歯車減速機構の前記遊星歯車を配置しておき、前記高速モード位置では、前記第１連結用スリーブの前記太陽歯車が前記中空ロータの内部に隠れており、前記低速モード位置では、前記太陽歯車が前記中空ロータの後端から後方に露出して前記遊星歯車に噛み合うようにすることが望ましい。このようにすれば、切替機構のスライド範囲の一部を中空ロータの中空部を利用できるので、その分、装置の軸長を短くすることができる。

次に、本発明の切替式回転駆動装置は、
中空ロータを備えたモータと、
前記中空ロータの中空部を回転自在の状態で同軸状に貫通している出力軸と、
前記中空ロータの回転を減速して前記出力軸に伝達するための遊星歯車減速機構と、
前記出力軸の外周面に沿ってその中心軸線方向における高速モード位置および低速モード位置にスライド可能であり、かつ、当該出力軸に一体回転するように連結されている切替用スリーブとを有し、
前記遊星歯車減速機構の太陽歯車は前記中空ロータと一体回転するように配置されており、
前記切替用スリーブは、前記高速モード位置においてのみ前記中空ロータに対して一体回転するように連結される第１連結部と、前記低速モード位置においてのみ前記遊星歯車減速機構の減速出力回転要素である遊星キャリアに対して一体回転するように連結される第２連結部とを備えていることを特徴としている。

本発明では、切替用スリーブのみをスライドさせることにより出力軸を高速回転および低速回転に切り替えることができ、極めて簡単な切替機構とすることができる。よって、装置の小型化、コンパクト化に有利である。

本発明の切替式回転駆動装置では、切替機構が、モータの中空ロータと常に一体回転している第１連結用スリーブと、遊星歯車減速機構の遊星キャリアと常に一体回転している第２連結用スリーブとが軸受けを介して相対回転自在の状態で連結され、第１連結用スリーブに太陽歯車が形成された構成となっている。また、この構成の切替機構をスライドさせることにより出力軸を高速回転および低速回転に切り替えることができるようになっている。

一方、本発明の切替式回転駆動装置では、出力軸に対してスライド可能かつ一体回転するように連結されている切替用スリーブをスライドさせることにより、出力軸を高速回転および低速回転に切り替えることができるようになっている。

本発明によれば、遊星歯車減速機構の全体をスライドさせて切り替える場合に比べて、スライドする部位が小さくて済み、そのための移動スペースも少なくて済むので、装置の小型化、コンパクト化に有利である。

以下に、図面を参照して、本発明を適用した切替式回転駆動装置の実施の形態を説明する。

（実施の形態１）
図１は本発明の実施の形態１に係る切替式回転駆動装置の切替機構の部分を中心に示す概略構成図である。この図において、上半部分は切替機構が高速モード位置にある状態を示し、下半部分は切替機構が低速モード位置にある状態を示す。

切替式回転駆動装置１は、筒状の装置ハウジング２内に組み込まれている中空ロータ３を備えたモータ（図示せず）と、中空ロータ３の中空部を同軸状態に回転自在に貫通して延びている出力軸４と、出力軸４における中空ロータ３の後端３ａから後方に突出している部分に配置されている遊星歯車減速機構５と、出力軸４を高速回転および低速回転の状態に切り替える切替機構６とを有している。
例えば、実施の形態１の切替式回転駆動機構を工作機械のスピンドル駆動装置に適用する場合には、スピンドルハウジング（２）内に組み込まれている中空ロータ（３）を備えたスピンドルモータ（図示せず）と、中空ロータ（３）の中空部を同軸状態に回転自在に貫通して延びているスピンドル軸（４）と、スピンドル軸（４）の先端に直接あるいは工具取り付け具を介して取り付けた切削工具などの加工工具（図示せず）と、スピンドル軸（４）における中空ロータ（３）の後端（３ａ）から後方に突出している部分に配置されている遊星歯車減速機構（５）と、スピンドル軸（４）を高速回転および低速回転の状態に切り替える切替機構（６）とを有する構成とされる。

切替式回転駆動機構１の切替機構６は、出力軸４の中心軸線１ａの方向における前側の高速モード位置６Ａと後側の低速モード位置６Ｂの間をスライド可能である。高速モード位置６Ａでは、出力軸４は切替機構６を介して中空ロータ３に直結され高速回転する。低速モード位置６Ｂでは、出力軸４は切替機構６によって遊星歯車減速機構５を介して中空ロータ３に連結され、低速回転する。

切替機構６は、第１連結用スリーブ６１と、この第１連結用スリーブ６１の後端部に、軸受け６３を介して、回転自在の状態で同軸状に取り付けられている第２連結用スリーブ６２とを備えている。第１連結用スリーブ６１の外周面には遊星歯車減速機構５の太陽歯車５１が形成されている。高速モード位置６Ａでは、第１連結用スリーブ６１を介して出力軸４が中空ロータ３に対して一体回転するように直結状態になる。低速モード位置６Ｂでは、第１連結用スリーブ６１と出力軸４の連結が解除され、第１連結用スリーブ４の太陽歯車５１が遊星歯車減速機構５の遊星歯車５２に噛み合い、第２連結用スリーブ６２が遊星歯車減速機構５の減速回転出力要素である遊星キャリア５３に連結され、中空ロータ３の回転が遊星歯車減速機構５を介して減速されて出力軸４に伝達される。

第１連結用スリーブ６１は、中空ロータ３の後端部内周面部分に対して、中心軸線１ａの方向にスライド可能な状態で一体回転するように連結されている。本例では、第１連結用スリーブ６１の外周面における軸線方向の前半部分に太陽歯車５１が形成されており、中空ロータ３の後端部内周面部分には、当該太陽歯車５１に対してスライド可能な状態で噛み合っている連結用内歯３１が形成されている。また、第１連結用スリーブ６１の円形内周面には第１スプライン溝６４ａが形成されており、出力軸４における中空ロータ３の後端部内周面部分に対峙している外周面部分には第１スプライン６４ｂが形成されている。高速モード位置６Ａにおいては、第１スプライン溝６４ａと第１スプライン６４ｂが噛み合って一体回転可能な連結状態が形成されている。低速モード位置６Ｂでは、第１スプライン溝６４ａが第１スプライン６４ｂから外れた後方側の位置にスライドしており、これらの連結が解除される。

第２連結用スリーブ６２は、遊星キャリア５３に対して、中心軸線１ａの方向にスライド可能な状態で一体回転するように連結されている。本例では、遊星キャリア５３は、遊星歯車５２を回転自在に支持している遊星軸５２ａを支持している円盤状の後側フランジ５３ａから後方に突出している円筒部５３ｂを備えており、この円筒部５３ｂの内周面部分にスプライン５３ｃが形成されている。第２連結用スリーブ６２の外周面にはスプライン溝６２ａが形成されている。スプライン５３ｃはスプライン溝６２ａにスライド可能な状態で噛み合っている。

また、第２連結用スリーブ６２の円形内周面には第２スプライン溝６５ａが形成されており、出力軸４の外周面部分には第２スプライン６５ｂが形成されている。前側の高速モード位置６Ａでは、第２スプライン溝６５ａが第２スプライン６５ｂから外れた前方に位置し、これらの連結が解除されている。低速モード位置６Ｂでは、第２スプライン溝６５ａが第２スプライン６５ｂに噛み合い、これらが連結された状態になる。

ここで、遊星歯車減速機構５の遊星歯車５２は、中空ロータ３の後端３ａに対して後側に隣接した位置において、出力軸４を中心として等角度間隔に配置されている。遊星歯車５２は、装置ハウジング２の後端部内周面部分に形成した内歯５４に噛み合っている。切替機構６が高速モード位置６Ａにある状態では、第１連結用スリーブ６１の太陽歯車５１が中空ロータ３の後端３ａからその内部に実質的に隠れており、遊星歯車５２から前方に外れている。切替機構６が低速モード位置６Ｂに切り替わると、太陽歯車５１が中空ロータ３の後端３ａから後方に露出して遊星歯車５２に噛み合った状態が形成される。

（実施の形態２）
図２は本発明を適用した実施の形態２に係る切替式回転駆動装置の切替機構の部分を示す概略構成図である。この図において、上半部分は切替用スリーブが高速モード位置にある状態を示し、下半部分は切替用スリーブが低速モード位置にある状態を示す。

切替式回転駆動装置１０１の全体構成は実施の形態１の場合と同様であり、装置ハウジング１０２内に組み込まれている中空ロータ１０３を備えたモータ（図示せず）と、中空ロータ１０３の中空部を同軸状態に回転自在に貫通して延びている出力軸１０４と、出力軸１０４における中空ロータ１０３の後端部分１０３ａから後方に突出している部分に配置されている遊星歯車減速機構１５０と、出力軸１０４を高速回転モードおよび低速回転モードに切り替える切替用スリーブ１０６とを有している。遊星歯車減速機構１５０は、中空ロータ１０３の後端部分の外周面に一体形成されている太陽歯車１５１と、これを取り囲む複数個の遊星歯車１５２と、遊星歯車１５２を回転自在の状態で支持している遊星キャリア１５３と、装置ハウジング１０２の後端部の円形内周面に形成された内歯１５４とを備えている。

切替用スリーブ１０６は、出力軸１０４の中心軸線１０１ａの方向における前側の高速モード位置１０６Ａと後側の低速モード位置１０６Ｂの間をスライド可能である。高速モード位置１０６Ａでは、出力軸１０４は切替用スリーブ１０６を介して中空ロータ１０３に直結され高速回転する。低速モード位置１０６Ｂでは、出力軸１０４は切替用スリーブ１０６によって遊星歯車減速機構１５０を介して中空ロータ１０３に連結され、低速回転する。

本例の切替用スリーブ１０６は、その内周面にスプライン溝１１１が形成されており、これが、出力軸１０４における中空ロータ１０３の後端部分１０３ａから後方の突出している部分の外周面部分に形成したスプライン１１２にスライド可能な状態で噛み合っている。また、切替用スリーブ１０６は、高速モード位置１０６Ａにおいてのみ中空ロータ１０３に対して一体回転するように連結される第１連結部１１３と、低速モード位置１０６Ｂにおいてのみ遊星歯車減速機構１５０の減速出力回転要素である遊星キャリア１５３に連結される第２連結部１１４とを備えている。

第１連結部１１３は、切替用スリーブ１０６の前側の円環状端面から前方に突出している連結歯であり、当該連結歯が円環状端面の円周方向に一定のピッチで形成されている。この第１連結部１１３に前方から対峙している中空ロータ１０３の円環状の後端面には、当該第１連結部１１３に噛み合い可能な連結歯１１５が形成されている。

第２連結部１１４は、切替用スリーブ１０６の外周面に形成されたスプライン溝である。当該第２連結部１１４は、遊星キャリア１５３における遊星軸１５２ａを支持している後側フランジ１５２ｂから後方に突出している円筒部１５３ａの内周面に形成したスプライン１１６に噛み合い可能である。

切替用スリーブ１０６を前側の高速モード位置１０６Ａにスライドすると、その第１連結部１１３が中空ロータ１０３の後端の連結歯１１５に噛み合い、切替用スリーブ１０６を介して出力軸１０４が中空ロータ１０３に直結状態になる。切替用スリーブ１０６を後側の低速モード位置１０６Ｂにスライドすると、その第１連結部１１３が中空ロータ１０３の連結歯１１５から外れ、代わりに、その第２連結部１１４が遊星歯車減速機構１５０の遊星キャリア１５３に連結される。この結果、中空ロータ１０３の回転が、遊星歯車減速機構１５０を介して減速された後に、切替用スリーブ１０６を介して出力軸１０４に伝達される低速回転モードになる。

本発明の実施の形態１に係る切替式回転駆動装置を示す概略構成図であり、上半部分は切替機構が高速モード位置にある状態を示し、下半部分は切替機構が低速モード位置にある状態を示す。 本発明の実施の形態２に係る切替式回転駆動装置を示す概略構成図であり、上半部分は切替用スリーブが高速モード位置にある状態を示し、下半部分は切替用スリーブが低速モード位置にある状態を示す。

符号の説明

１ 切替式回転駆動装置
１ａ 中心軸線
２ 装置ハウジング
３ 中空ロータ
３ａ 後端
４ 出力軸
５ 遊星歯車減速機構
６ 切替機構
６Ａ 高速モード位置
６Ｂ 低速モード位置
３１ 連結用内歯
５１ 太陽歯車
５２ 遊星歯車
５３ 遊星キャリア
５３ａ 後側フランジ
５３ｂ 円筒部
５３ｃ スプライン
５４ 内歯
６１ 第１連結用スリーブ
６２ 第２連結用スリーブ
６２ａ スプライン溝
６３ 軸受け
６４ａ 第１スプライン溝
６４ｂ 第１スプライン
６５ａ 第２スプライン溝
６５ｂ 第２スプライン
１０１ 切替式回転駆動装置
１０１ａ 中心軸線
１０２ 装置ハウジング
１０３ 中空ロータ
１０３ａ 後端部分
１０４ 出力軸
１０６ 切替用スリーブ
１０６Ａ 高速モード位置
１０６Ｂ 低速モード位置
１１１ スプライン溝
１１２ スプライン
１１３ 第１連結部
１１４ 第２連結部
１１５ 連結歯
１１６ スプライン
１５０ 遊星歯車減速機構
１５１ 太陽歯車
１５２ 遊星歯車
１５２ａ 遊星軸
１５２ｂ 後側フランジ
１５３ 遊星キャリア
１５３ａ 円筒部
１５４ 内歯

Claims (5)

1. 中空ロータを備えたモータと、
   前記中空ロータの中空部を回転自在の状態で同軸状に貫通している出力軸と、
   前記中空ロータの回転を減速して前記出力軸に伝達するための遊星歯車減速機構と、
   前記出力軸の外周面に沿ってその中心軸線方向における高速モード位置および低速モード位置にスライド可能な切替機構とを有し、
   前記切替機構は、第１連結用スリーブおよび第２連結用スリーブを備え、これら第１および第２連結用スリーブは軸受けを介して相対回転自在の状態で同軸状態に連結され、前記第１連結用スリーブの外周面には前記遊星歯車減速機構の太陽歯車が形成されており、
   前記高速モード位置では、前記第１連結用スリーブを介して前記出力軸および前記中空ロータが一体回転するように直結状態になり、
   前記低速モード位置では、前記第１連結用スリーブと前記出力軸の連結が解除され、当該第１連結用スリーブの前記太陽歯車が前記遊星歯車減速機構の遊星歯車に連結され、前記第２連結用スリーブが前記遊星歯車減速機構の減速回転出力要素である遊星キャリアに連結され、前記中空ロータの回転が前記遊星歯車減速機構を介して減速されて前記出力軸に伝達されることを特徴とする切替式回転駆動装置。
2. 請求項１に記載の切替式回転駆動装置において、
   前記第１連結用スリーブは、前記中空ロータに対して、前記中心軸線方向にスライド可能な状態で一体回転するように連結されており、
   前記第１連結用スリーブの円形内周面には第１スプライン溝が形成されており、
   前記出力軸の外周面には第１スプラインが形成されており、
   前記高速モード位置では、前記第１スプライン溝と前記第１スプラインが連結され、前記低速モード位置では、前記第１スプライン溝と前記第１スプラインの連結が解除されることを特徴とする切替式回転駆動装置。
3. 請求項２に記載の切替式回転駆動装置において、
   前記第２連結用スリーブは、前記遊星キャリアに対して、前記中心軸線方向にスライド可能な状態で一体回転するように連結されており、
   前記第２連結用スリーブの円形内周面には第２スプライン溝が形成されており、
   前記出力軸の外周面には第２スプラインが形成されており、
   前記高速モード位置では、前記第２スプライン溝と前記第２スプラインの連結が解除され、前記低速モード位置では、前記第２スプライン溝と前記第２スプラインが連結されることを特徴とする切替式回転駆動装置。
4. 請求項３に記載の切替式回転駆動装置において、
   前記出力軸は、前記中空ロータの後端から後方に突出しており、
   当該後端に対して後側に隣接した位置に、前記出力軸を取り囲む状態に前記遊星歯車減速機構の前記遊星歯車が配置されており、
   前記高速モード位置では、前記第１連結用スリーブの前記太陽歯車が前記中空ロータの内部に隠れており、前記低速モード位置では、前記太陽歯車が前記中空ロータの後端から後方に露出して前記遊星歯車に噛み合うことを特徴とする切替式回転駆動装置。
5. 中空ロータを備えたモータと、
   前記中空ロータの中空部を回転自在の状態で同軸状に貫通している出力軸と、
   前記中空ロータの回転を減速して前記出力軸に伝達するための遊星歯車減速機構と、
   前記出力軸の外周面に沿ってその中心軸線方向における高速モード位置および低速モード位置にスライド可能であると共に、当該出力に一体回転するように連結されている切替用スリーブとを有し、
   前記遊星歯車減速機構の太陽歯車は前記中空ロータと一体回転するように配置されており、
   前記切替用スリーブは、前記高速モード位置においてのみ前記中空ロータに対して一体回転するように連結される第１連結部と、前記低速モード位置においてのみ前記遊星歯車減速機構の減速出力回転要素である遊星キャリアに一体回転するように連結される第２連結部とを備えていることを特徴とする切替式回転駆動装置。

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