JP2007508949A - 工作機械変速機 - Google Patents

Abstract

本発明は、工作機械変速機、特にはスピンドル変速機、に関している。そこでは、パワー及び／またはトルクが、変速機（１）の出力軸（３）から直接にスピンドル（１５）に伝達される。スピンドル（１５）は、出力軸（３）に対して同軸状に配置されており、回転伝達貫通案内部が一体化されている。回転伝達貫通案内部は、変速機出力部とスピンドル（１５）との間の、冷却液体、オイル、エアの供給装置として作用する。

Description

本発明は、特許請求の範囲の請求項１の上位概念に従う、工作機械変速機、特にはスピンドル変速機、に関している。

特には、本発明は、スピンドル変速機に関しており、そこでは、パワー及び／またはトルクの伝達が、変速機の出力軸から直接にスピンドルに対して行われる。この場合、スピンドルは、好ましくは、出力軸に対して同軸状に配置されている。このような変速機においては、出力軸はスピンドルに直接接続されており、スピンドルと出力軸との間の回転しない結合が、噛み合い結合（formschluessig）や接着結合（Kraftschluessig）によって形成され得る。この場合、変速機出力部とスピンドルとの間に、冷却液体、オイルまたはエアのための供給装置（Uebergabeeinrichtung）の必要性が生じる。

本発明は、変速機出力部とスピンドルとの間に冷却液体、オイルまたはエアの供給のための装置が設けられた工作機械、特には冒頭部分で述べられたタイプのスピンドル変速機、を提供することを課題とする。

この課題は、特許請求の範囲の請求項１の特徴部分によって解決される。更なる実施の形態及び利点が、下位請求項から明らかである。

これに従って、パワー及び／またはトルクの伝達が変速機の出力軸から直接にスピンドルに対して行われ、変速機内に回転伝達貫通案内部（Drehdurchfuehrung：rotary transmission leadthrough）が一体化されていて、当該回転伝達貫通案内部は変速機出力部とスピンドルとの間の冷却液体、オイルまたはエアの供給装置として作用する、というスピンドル変速機が提案される。

通常、このようなタイプの変速機は、二段の遊星歯車変速機と対応する切換装置とを有しており、駆動軸ないしモータ軸と出力軸との間の回転数差が、伝達比の中で生じる。このため、本発明によれば、動的シール部が、体積量（Volumenmengen）及びその結果としての圧力の受容（吸収）のために設けられている。

本発明のある好適な実施の形態では、回転伝達貫通案内部が、出力軸内に軸支されており、二つのシーリングワッシャを有しており、それらがシール部として及び回転数差の受容（吸収）のための装置として作用する。シーリングワッシャは、媒体、発生する圧力、及び、体積流に依存して、種々の材料を含み得る、及び／または、種々の幾何形状を有し得る。

本発明の有利な別の実施の形態によれば、回転伝達貫通案内部がバネを有していて、それはシール部を圧縮している。このために、媒体の圧力増大時でも、漏れが生じないか、極めて僅かな漏れしか生じない。シーリングワッシャの摩耗を最小にするために、二つのシーリングワッシャは、例えば更なるバネのような装置によって、媒体が全く流れない場合には、互いから離れるように案内され得る。

本発明の概念によって、シール部は、変速機の外側に移動され得る。これは、漏れが許容されてタンクに直接戻され得る、という利点に帰結する。従来技術における解決法では、シール部は１００％シールしなければならない。そうでなければ、例えば冷却流体による変速機オイルの汚染が、変速機の故障を導いてしまうからである。

本発明は、本発明に従う変速機の好適な実施の形態の概略断面図である添付の図面に基づいて、以下に例示的に詳細に説明される。工作機械変速機、特にはスピンドル変速機の場合に通常投入（適用）されるような遊星歯車変速機が、例えば本件出願人によるＥＰ１１６９５８２Ｂ１から、当業者に知られている。図面に示されたスピンドル変速機は、遊星歯車変速機を有している。従来技術から知られているように、更に別の変速機タイプにも、それは投入（適用）可能である。

図面は、スピンドル変速機１を示しており、それは、駆動軸２と、出力軸３と、駆動軸及び出力軸の間のパワーフロー方向に配置された二段の遊星歯車変速機と、を備えている。この遊星歯車変速機は、駆動軸２に結合された太陽歯車４と、内歯歯車ベアリング６に軸支された内歯歯車５と、遊星歯車（Planeten）８を伴う遊星キャリア７と、を有している。遊星歯車８を伴う遊星キャリア７が、遊星歯車変速機の出力部を形成している。

変速機の切換装置は、ソレノイド（Hubmagneten）９を有しており、それは切換フォーク１０に作用し、それは切換軸１１上に移動可能に配置されている。出力軸３は、軸受ハウジング１２内に配置された軸受１３、１４によって軸支されていて、スピンドル１５と接続されている。

本発明によれば、変速機１内において、回転伝達貫通案内部が一体化されており、それは、変速機出力軸３とスピンドル１５との間で、冷却液体、オイルまたはエアの供給装置として作用する。

この回転伝達貫通案内部は、出力軸３内に軸支され、二つのシーリングワッシャ１６，１７を含んでいる。それらは、シール部として、及び、回転数差の受容（吸収）のための装置として作用する。この場合、シーリングワッシャ１６が、モータ側シーリングワッシャとして形成され、シーリングワッシャ１７が、スピンドル側シーリングワッシャとして形成されている。

モータ側シーリングワッシャ１６は、図面に示すように、管１８、太陽歯車４及びハブ１９を介して、モータ軸ないし駆動軸２と結合されている。スピンドル側シーリングワッシャ１７は、スピンドル１５内に直接、あるいは、追加の接続部材内（例えばクラッチ内）に、配置されている。

回転伝達貫通案内部のハウジングは、好適には、軸受２０によって追加的に、単一あるいは並列に、軸支されている。それは、玉軸受、転がり軸受、滑り軸受またはハイドローリック軸受として形成され得る。図から読み取れるように、回転伝達貫通案内部は、逆止弁２１を有している。それは、管１８の無負荷動作（Leerlaufen）、及び、無圧状態での結合（Verbindungsleitungen）を防止する。

図面に示された実施の形態では、回転伝達貫通案内部は、バネ２２を有しており、それはシーリングワッシャ１６、１７を圧縮している。直接段では、シール部において、回転数差は存在しない。もっとも、同様に回転するシーリングワッシャ１６、１７が静的にシールしなければならない。

本発明によるシール部の変速機の外側の配置によれば、漏れが許容されてしまうので、少なくともタンク（図示せず）への漏れ戻し流路（Leckagerueckfluss）２３が設けられる。

本発明に従う変速機の好適な実施の形態の概略断面図。

Claims (10)

1. パワー及び／またはトルクの伝達が変速機（１）の出力軸（３）から直接にスピンドル（１５）に対して行われ、スピンドル（１５）は出力軸（３）に対して同軸状に配置されている、という工作機械変速機、特にはスピンドル変速機、において、
   変速機（１）内に回転伝達貫通案内部（Drehdurchfuehrung）が一体化されており、
   当該回転伝達貫通案内部は、変速機出力部とスピンドル（１５）との間の、冷却液体、オイルまたはエアの供給装置として作用する
   ことを特徴とする工作機械変速機。
2. 前記回転伝達貫通案内部は、変速機（１）の出力軸（３）内に軸支されており、モータ側シーリングワッシャ（１６）とスピンドル側シーリングワッシャ（１７）とを有している
   ことを特徴とする請求項１に記載の工作機械変速機。
3. モータ側シーリングワッシャ（１６）は、管（１８）及び変速機の構成部材を介して、駆動軸（２）と接続されており、スピンドル側シーリングワッシャ（１７）は、スピンドル（１５）内に直接に、あるいは、ある追加の結合部内に配置されている
   ことを特徴とする請求項２に記載の工作機械変速機。
4. 前記変速機が遊星歯車装置を有している場合、モータ側シーリングワッシャ（１６）は、管（１８）、太陽歯車（４）及びハブ（１９）を介して、駆動軸（２）と結合されている
   ことを特徴とする請求項３に記載の工作機械変速機。
5. 前記回転伝達貫通案内部は、軸受（２０）によってハウジング内に軸支されており、
   当該軸受（２０）は、玉軸受、転がり軸受、滑り軸受またはハイドローリック軸受として形成されている
   ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の工作機械変速機。
6. 前記回転伝達貫通案内部は、逆止弁（２１）を有しており、
   当該逆止弁（２１）は、管（１８）の無負荷動作、及び、無圧状態での結合を防止する
   ことを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の工作機械変速機。
7. 前記回転伝達貫通案内部は、バネ（２２）を有しており、
   当該バネ（２２）は、シーリングワッシャ（１６、１７）を圧縮している
   ことを特徴とする請求項２乃至６のいずれかに記載の工作機械変速機。
8. 前記回転伝達貫通案内部は、ある装置を有しており、
   当該装置は、媒体が全く流れない時に、シーリングワッシャ（１６、１７）を互いから離れるように案内する
   ことを特徴とする請求項２乃至７のいずれかに記載の工作機械変速機。
9. 前記ある装置は、更なるバネである
   ことを特徴とする請求項８に記載の工作機械変速機。
10. 前記回転伝達貫通案内部は、タンクに至る少なくとも一つの漏れ戻り流路（２３）を有している
    ことを特徴とする請求項１乃至９のいずれかに記載の工作機械変速機。

Images