JP3841631B2 - 工作機械の主軸装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主軸冷却流路を備える工作機械の主軸装置に関し、特に主軸前部を効率良く冷却するための機構を備えた工作機械の主軸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械の主軸装置では、一般に、主軸の回転により、主軸自体、それを回転可能に支持する軸受、及びハウジング(モータを含む)に発熱を生じる。この発熱による主軸、ハウジング及び軸受の温度上昇は、これに伴って主軸及びハウジングの熱変形を起こさせ、工作機械における被加工物の加工精度を悪化させる。
【0003】
この温度上昇を抑制するべく主軸を冷却するために、主軸の後部からその内部に冷却液源の冷却液を供給して循環させ、主軸をその内部から冷却した後、冷却液を主軸後部から冷却液源に吸引回収する主軸装置が、特公平7−106534公報に開示されている。また、主軸の後部からその内部に冷却液(潤滑液)を供給して循環させ、主軸をその内部から冷却した後、冷却液を主軸後部から冷却液源へ吸引、回収し、主軸内部に供給された冷却液の一部を潤滑液として軸受に供給してアンダレース潤滑を行い且つ冷却効果も得られるようにした主軸装置が、特許第2677505号公報に開示されている。なお、主軸の前部とは工具を把持する側を指し、主軸の後部とは前部と反対側を指すものとする。
【0004】
上記の主軸装置では、主軸の後方部から前方部に向けて延びる冷却液供給流路を主軸の中央部で、主軸後方部に向かう主軸冷却流路と主軸前方部に向かう主軸冷却流路とに分岐させている。そして、主軸後方部に向かう主軸冷却流路を流通して主軸を冷却した冷却液を主軸後部から冷却液源へ回収している。一方、主軸前方部に向かう主軸冷却流路は、主軸冷却流路を流通する冷却液によりアンダレース潤滑を行わない場合には、主軸前端部で主軸後方部へ向かって折り返し、そこを流通する冷却液を主軸の中間部又は後方部から冷却液源へ吸引、回収する。また、主軸冷却流路を流通する冷却液によりアンダレース潤滑を行う場合、主軸前方部に向かう主軸冷却流路は、主軸装置前部に設けられた軸受に潤滑液(この場合、冷却液を潤滑液として共用している)を供給する各潤滑液供給流路と連通しており、主軸前方部に向かう主軸冷却流路を流通する冷却液は、全て軸受の転動体(ボールやローラなど)周りを経由して冷却液源へ回収される。この場合、主軸前方部に向かう主軸冷却流路の前端部(末端部)は最前に位置する軸受に潤滑液を供給する潤滑液供給流路と接続して終端している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した主軸装置の主軸前方部に向かう主軸冷却流路では、以下のような問題が生じる。
主軸冷却流路を流通する冷却液によってアンダレース潤滑を行わない場合には、主軸前方部に向かう主軸冷却流路は主軸後方部へ向かって主軸前端部で折り返して主軸冷却流路の分岐部近傍まで延び、そこからその主軸冷却流路を流通する冷却液を冷却液源に吸引、回収している。ところが、主軸装置の軽量化のために主軸は細い方が好ましい一方で、主軸前部には、工具把持部が存在し、ドローバーの外周には案内スリーブが設けられているため、主軸前部では、主軸冷却流路を設けるスペースを十分に確保することが困難で、主軸冷却流路の流路断面積は小さくせざるを得ないことが多い。流路断面積が小さいと、主軸冷却流路の流動抵抗が大きくなり、主軸前方部に向かう主軸冷却流路に十分な冷却液を流通させることができないため、主軸及び軸受の冷却効果が十分には得られない問題が発生する。
【0006】
また、主軸冷却流路を流通する冷却液によってアンダレース潤滑を行う場合には、主軸前方部に向かう主軸冷却流路は全て潤滑液供給流路に接続していて、そこを流通する冷却液は軸受の転動体を経由してしか冷却液源へ回収されない。ところが、軸受に供給する潤滑液は、供給量が多すぎても軸受は焼き付けを起こし、焼き付けを起こさない程度の量しか供給されないので、少量とせざるを得ない。したがって、主軸前方部に向かう主軸冷却流路を流通する冷却液の量は、上記のアンダレース潤滑を行わない場合と比較して、さらに少量となり、主軸(及び間接的な軸受)の冷却効果を十分に得ることができないという問題が存在する。
【0007】
よって、本発明の目的は、上記従来技術に存する問題を解消して、主軸及び軸受、特に主軸装置前部に位置する主軸部分及び軸受に対する十分な冷却作用を発揮できる工作機械の主軸装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的に鑑み、主軸の後方部から前方部に向けて延びる冷却液供給流路を主軸後方部に向かう主軸冷却流路と主軸前方部に向かう主軸冷却流路とに分岐させている工作機械の主軸装置において、主軸前方部に向かう主軸冷却流路を流通する冷却液を折り返して主軸前方部から後方部へ向かって流通させたり軸受に潤滑液として供給することなく、主軸前方部に向かう主軸冷却流路を流通する冷却液の一部を主軸の最前部の軸受よりも前方に位置する主軸冷却流路の末端部から直接吸引回収するようにしたものである。
【0009】
すなわち、本発明によれば、主軸をその軸線方向の前後位置に設けられた軸受により主軸頭に回転可能に支持した工作機械の主軸装置において、軸受を介して前記主軸を回転可能に支持したハウジングと、前記主軸の内部に主軸後方から主軸前方にわたって設けられ、冷却液源から冷却液を前記主軸の内部に供給する冷却液供給流路と、前記冷却液供給流路に連通し前記主軸後方に分岐するよう形成された第1の主軸冷却流路と、前記冷却液供給流路に連通し前記主軸前方に分岐するよう形成された第2の主軸冷却流路とで成り、前記主軸の内周面に沿って冷却液を流通させ前記主軸をその内部から冷却する軸芯冷却流路と、前記軸芯冷却流路の第1の主軸冷却流路を流通した冷却液を前記冷却液源に回収する第1の冷却液吸引排出流路と、前記軸芯冷却流路の第2の主軸冷却流路の前部から前記ハウジングを経由して前記主軸の外部に連通するように、前記主軸の最前部の軸受の転動体より前方に且つ前記主軸を回転支持する転動体周りを経由せずに形成され、前記第2の主軸冷却流路を流通した冷却液を前記冷却液源に回収する第2の冷却液吸引排出流路とで成る冷却液回収流路と、を具備した工作機械の主軸装置が提供される。
【0010】
上記工作機械の主軸装置は、好ましくは、前記軸芯冷却流路の第1の主軸冷却流路及び第2の主軸冷却流路から前記主軸の半径方向にそれぞれ分岐し、各軸受の内輪に穿設した半径方向孔に連通する軸受潤滑流路をさらに具備する。
【0011】
さらに、上記工作機械の主軸装置において、前記冷却液供給流路は前記主軸の内部に挿入されたドローバーの内部にその軸線方向に設けられた管路で成り、前記軸芯冷却流路の第1の主軸冷却流路は前記主軸の内周面と前記ドローバーの外周面との間に形成された環状隙間を含んで成ってもよい。また、前記冷却液供給流路は前記主軸の内部に挿入されたドローバーの内周面と前記ドローバーの内部に挿入された管部材の外周面との間に形成された環状隙間で成り、前記軸芯冷却流路の第1の主軸冷却流路は前記主軸の内周面と前記ドローバーの外周面との間に形成された環状隙間を含んで成ってもよい。
【0012】
本発明の工作機械の主軸装置においては、主軸の後方部から前方部に向けて延びる冷却液供給流路から分岐した第2の主軸冷却流路の前端部(主軸装置において工具が把持される側に位置する端部)が、冷却液回収流路に連結しているため、冷却液供給流路は折り返して主軸後方に延びることがないので、第2の主軸冷却流路の管路長が短く、流動抵抗が少なくなっている。したがって、冷却液源からの吸引力が同じであっても、第2の主軸冷却流路を流通する冷却液に関し、主軸及び軸受を冷却するに十分な量を確保することが可能となる。
【0013】
また、第2の主軸冷却流路の前端部は前方部の軸受の転動体周りを経由しないので、第2の主軸冷却流路を流通する冷却液が転動体により妨げられることもなく、冷却液の良好な流通性が確保され、主軸及び軸受の十分な冷却作用を奏することができる。
主軸冷却流路を流通する冷却液が前方部の軸受内を流通しても転動体周りを経由しなければ、同様に冷却液の流通性は確保される。
【0014】
また、前方部の軸受の転動体が第2の主軸冷却流路の前方端部から流通する冷却液(この場合は潤滑液を兼ねている)の流動を妨害することがないので、上記作用効果は、第2の主軸冷却流路を流通する冷却液が前方部の軸受のアンダレース潤滑に使用されるときに特に顕著となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施態様を説明する。
なお、以下の説明では、主軸装置において工具を把持し加工を行う側を前方、その反対側を後方と呼称している。すなわち、「前」という用語は主軸装置の加工を行う側、「後」という用語はその反対側を意味している。
【0016】
図1は、本発明による工作機械の主軸装置の第1実施態様を示している断面図である。
図1を参照すると、本発明の主軸装置11は、主軸13と、これを包囲し、全体的に筒形の中空体として形成されたハウジング15とを具備している。
主軸13は、その前方部外周面とハウジング15の内周面との間に挿設された前方軸受17と、主軸13の後方部外周面とハウジング15の内周面との間に挿設された後方軸受19とによって、ハウジング15の内部に回転可能に支持されている。前方軸受17は、間座21によって離間された適宜の数の回転軸受から成り、その前後方向端部にそれぞれ設けた軸受押え23と軸受押えナット25とによって、定位置に固定されている。また、後方軸受19は、主軸13の後方部に形成された肩部に一端を当接させ他端側に軸受押えナット27を設けることによって、定位置に固定されている。図1に示されている実施態様では、前方軸受17は最も前方側に位置する1つのころ軸受17aとその後方に間座21によってそれぞれ離間して位置する2つの玉軸受17b、17cとの3つの回転軸受から成り、後方軸受19は1つのころ軸受から成っている。しかしながら、各軸受17、19は適宜の軸受を使用することも可能である。
【0017】
主軸13の前端部とハウジング15との間にはラビリンスシールなどが設けられ、主軸装置11の内部を流通する冷却液(潤滑液)が外部に漏出しないようになっている。
軸受17、19によってハウジング15に回転可能に支持された主軸13の先端部(前方端部)には、テーパシャンクを有した工具ホルダ(不図示)を引き込んで装着するためのテーパ状の装着孔29が設けられている。また、主軸13の中心貫通孔31には回転軸線に沿ってドローバー33が挿通されており、このドローバー33は工具ホルダのテーパシャンクの後端部に設けられたプルスタッドと協働して、工具を保持した工具ホルダを装着孔29に着脱自在に装着させることを可能とさせるものである。
【0018】
ドローバー33が主軸13の後方に設けられた作動手段により前方に向かって押込まれると、テーパシャンク後端部のプルスタッドの把持が解放され、工具ホルダを装着孔29から取り外すことができるようになる。一方、作動手段による押込みが解除され、ばね室35内に配設された皿ばねなどの戻しばね37によってドローバー33が後方に向かって引き戻されると、テーパシャンクのプルスタッドを介して工具ホルダを装着孔29の内方に引き付けて装着状態とさせる。こうして、工具を工具ホルダと共に取り外し、新しい工具を固定した工具ホルダと交換することが可能となる。
【0019】
主軸13の前方部では、ドローバー33の外周に案内スリーブ39が設けられており、その先端にはドローバー33の先端に設けられたコレット41のための逃げ穴43が形成されている。テーパシャンクのプルスタッドの把持を解放する際にこの逃げ穴43にコレット41が受容、退避されるようになっている。主軸13の後方部でも、同様に、ドローバー33の外周に可動スリーブ45が螺合され一体化されており、この可動スリーブ45は主軸13の内周面に対して可動になっている。
【0020】
案内スリーブ39は円筒形状を有し、後述する主軸13の前方側の主軸冷却流路(第2の主軸冷却流路)の一部を形成している。そして、主軸13の前端部に形成された肩部にその一方の端面が当接し、他方の端面すなわち後端面は戻しばね37の受座を形成している。また、可動スリーブ45も同様に円筒形状を有し、後述する主軸13の後方側の主軸冷却流路(第1の主軸冷却流路)の一部を形成しており、その前端面は戻しばね37の受座を形成している。上述したばね室35は主軸13の内周面、ドローバー33の外周面、案内スリーブ39の後端面、及び可動スリーブ45の前端面によって周囲を包囲されて形成された環状空間である。
【0021】
図1に示されている実施態様では、作動手段は、シリンダ47と、ピストン49と、油圧源51とから構成されている。シリンダ47の内部に配設されたピストン49は、主軸装置11の外部に設けられた油圧源51による圧力流体の供給又は排出に応じて、前進又は後退するようになっている。ピストン49が前進すると、その前端によってドローバー33が前方に押圧され、ドローバー33に螺合、一体化された可動スリーブ45が前進してその前端面で戻しばね37を押圧し、ばね反力を蓄積する。ピストン49が後退すると、戻しばね37に蓄積されたばね反力によって、可動スリーブ45が後退して、可動スリーブ45と一体化したドローバー33が後方へ後退する。こうして、作動手段によって、上記のようなドローバー33への工具ホルダ(不図示)の脱着動作が可能になる。
【0022】
主軸装置11は、さらに、主軸13の外周面の中央部に固着されたロータM1と、ハウジング15の内周面に同ロータM1と半径方向に所定の間隔を隔てて対向して配設されたステータM2とを備えており、ロータM1とステータM2との電磁相互作用によって主軸13をハウジング15に対して回転作動させることができるようになっている。
【0023】
このようにして構成された主軸装置11には、主軸13を回転させることによって、主軸13自体、軸受17、19、モータ(ロータM1、ステータM2)、ハウジング15に発熱を生じるので、冷却手段が設けられる。図1においては、説明の簡単化のために省略しているが、ハウジング15には、従来の主軸装置と同様に、特に軸受17、19やステータM2の外側の近傍に、例えば螺旋形状の冷却流路が形成され、この冷却流路に冷却液が供給されている。本発明の主軸装置11によれば、さらに、主軸13の内部にも冷却手段を設け、冷却を行っている。
【0024】
図1に示されている実施態様では、ドローバー33の中心孔内に冷却液導入管53が挿着されており、冷却液導入管53の内部には冷却液供給流路55が形成されている。冷却液導入管53の後方端は、ピストン49を貫通して主軸装置11の外部に突出し、ロータリジョイント57に接続されている。ロータリジョイント57は冷却液圧送機能を有した冷却液源59の吐出側に接続されており、冷却液源59から供給される冷却液がロータリジョイント57を経て冷却液導入管53の冷却液供給流路55に送給されている。
【0025】
冷却液供給流路55は、冷却液導入管53の内部を後方部から前方部に向けて延びた後、前方軸受17と後方軸受19との間において、後方軸受19方向に向かって延びる第1の主軸冷却流路61と、前方軸受17方向に向かって延びる第2の主軸冷却流路63とに分岐する。
図1に示されている実施態様では、第1の主軸冷却流路61が、ドローバー33の外周面と主軸13の内周面との間に形成された環状隙間すなわちばね室35によって形成されている一方、第2の主軸冷却流路63が、主軸13の軸線方向に延び且つ案内スリーブ39の外周面に沿って周方向に所定の間隔で設けられた複数の溝と、主軸13の内周面とによって形成されている。すなわち、冷却液供給流路55は、冷却液導入管53の前端部で半径方向に分岐して、冷却液導入管53及びドローバー33を貫通して延びる分岐路65を経た後、案内スリーブ39内を主軸13の軸線方向に延びて戻しばね37のばね受座を形成する案内スリーブ39の端面まで貫通する連絡流路67を経て、主軸13の後方に向かって延びる第1の主軸冷却流路61に連通し、案内スリーブ39を半径方向に貫通する連絡流路69を経て、主軸13の前方に向かって延びる第2の主軸冷却流路63に連通している。
【0026】
上記実施態様では、第2の主軸冷却流路63が軸線方向に延びる複数の流路によって構成されているが、案内スリーブ39の外周面に設けられた環状の凹所と主軸13の外周面とによって形成される環状流路によって構成することも可能である。
第1の主軸冷却流路61は、ばね室35内を後方軸受19方向に向かって延びた後、主軸13の後方側で、可動スリーブ45内に設けらればね受座を形成する可動スリーブ45の前端面から後方軸受19を越えて後方に延びる流路71を経て、可動スリーブ45の後端部で主軸13を半径方向に貫通する半径方向流路73に連通している。なお、可動スリーブ45は軸線方向に可動であるので、可動スリーブ45の流路71と主軸13の半径方向流路73との連通状態を常に保つために、その接続部には軸線方向に長い環状のポケット75が設けられている。主軸13の半径方向流路73は、さらに、主軸13の後端部の外周面とハウジング15の後方部の内周面との間に介挿されハウジング15に固定された環体77及びハウジング15を半径方向に延びる後方冷却液吸引排出流路79を経て、冷却液吸引機能を有した冷却液源59の回収側に接続された冷却液回収流路81に接続している。
【0027】
一方、主軸13の前方に向かって延びる第2の主軸冷却流路63は、主軸13を半径方向に向かって延びる接続流路83を経て、前方軸受17aよりも前方のハウジング15に形成された前方冷却液吸引排出流路85に、前方軸受17を経由することなく、連通している。
図1に示されている実施態様では、前方冷却液吸引排出流路85は、軸受押え23の端面に形成されたポケット87とそこから軸受押え23及びハウジング15を通って延びる半径方向流路とによって形成されている。なお、前方冷却液吸引排出流路85が前方軸受17aよりも前方に設けられているのは、第2の主軸冷却流路63及び主軸13内を半径方向に延びる接続流路83が前方軸受17の内輪側を冷却する機能をも果たすためであり、別に軸受冷却用の流路を設ける場合には前方冷却液吸引排出流路85を前方軸受17aよりも前方に設ける必要はない。例えば、最前の軸受17aと前方から2番目の軸受17bとの間に前方冷却液吸引排出流路85を形成することも可能である。
【0028】
前方冷却液吸引排出流路85は、後方冷却液吸引排出流路79と同様に、冷却液回収流路81に接続されており、前方冷却液吸引排出流路85を流通する冷却液は冷却液源59によって吸引、回収される。
主軸装置11の前部には、ドローバー33の把持機構や前方軸受17などが配置されており、十分な断面積の冷却流路を設けることができない一方、第1の主軸冷却流路61は、ばね室35を利用するなどして流路を設けることによって、十分な流路断面積を確保することができる。このため、冷却液は主として第1の主軸冷却流路61に流れてしまうことから、小さい断面の流路である第2の主軸冷却流路63において流動抵抗を少なくすることが特に有効となる。上記のように、主軸13の前方に向かって延びる第2の主軸冷却流路63の前端部を前方冷却液吸引排出流路85を経て冷却液回収流路81に接続すれば、第2の主軸冷却流路63の管路長を短くして、流動抵抗を小さくすることが可能となり、同じ吸引力で第2の主軸冷却流路63内により多量の冷却液を流通させることができるようになる。その結果、より優れた主軸冷却を行うことが可能となり、工作機械の加工精度を向上させることができるようになる。
【0029】
なお、図1に示されている実施態様では、簡単化のために省略されているが、各軸受17、19には潤滑のために潤滑液が供給されているものとする。
図2は、図1に示されている第1実施態様と主軸装置11の前部の構造のみが異なる第2実施態様の主軸装置11の断面図を示している。第2実施態様の主軸装置11では、第2の主軸冷却流路63から各前方軸受17に向かって主軸13内を延びる複数の軸受潤滑流路91が形成されており、各軸受潤滑流路91を流通する冷却液が各軸受の内輪に形成された潤滑流路93を経て各軸受に供給され、各前方軸受17をアンダレース潤滑すると同時に各前方軸受17の回転時に発生する熱を奪熱して冷却を行っている。なお、後方軸受19にも同様にして第1の主軸冷却流路61を流通する冷却液を潤滑液として供給することができる。
【0030】
このように第2の主軸冷却流路63を流通する冷却液を用いて各前方軸受17のアンダレース潤滑を行う場合、第2の主軸冷却流路63を流通する冷却液の流出口は各軸受潤滑流路91に限定されるので、第2の主軸冷却流路63の流量は各前方軸受17に潤滑を兼ねて供給される冷却液の量によって定まる。ところが、軸受に供給する冷却液を必要以上に多量にすると却って軸受の焼き付けを引き起こす恐れがあるため、前方軸受17に供給する冷却液の量は少量とせざるを得ない。したがって、第2の主軸冷却流路63を流通する冷却液の量は少なくなり、主軸装置11の前部に対する十分な冷却作用を得ることができなくなる。そこで、本発明の主軸装置11では、第1実施態様の主軸装置11と同様に、第2の主軸冷却流路63の先端部に、主軸13内を半径方向に向かって延び、前方軸受17aよりも前方に形成された前方冷却液吸引排出流路85に前方軸受17aの転動体(ボールやローラ)周りを経由することなく連通している接続流路83を設け、第2の主軸冷却流路63の前端部を前方冷却液吸引排出流路85に連結させている。
【0031】
なお、各軸受17に供給された冷却液は間座21やハウジング15を半径方向に貫通して延びる流路95を介して、冷却液回収流路81に流入し、冷却液源59に吸引、回収される。
図2に示されている実施態様では、接続流路83が、前方軸受17a内に転動体周りを回避して設けられているが、図1に示されている実施態様と同様に、前方軸受17aを通らないように設けられてもよい。
【0032】
このように構成することによって、第2の主軸冷却流路63の前端部と流通していながら、冷却液の流通が前方軸受17aの転動体によって妨げられて流動抵抗が大きくなることがない流路が存在するようになり、主軸装置11の前部に対する十分な冷却作用を得ることができる十分な流量を第2の主軸冷却流路63にて得ることができるようになる。
【0033】
図2に示されている実施態様の他の構成は図1に示されている実施態様と同様であるので、ここでは特に説明しない。
図3は、本発明の主軸装置11の第3実施態様の断面図を示しており、主軸装置11の主軸13の内部の中心領域を軸線方向に後方から前方へ切削液を流通して主軸前端に装着された工具ホルダ(不図示)を貫通し、工具ホルダに保持された切削工具(不図示)へ切削液やエアなどを供給可能にした、いわゆる、スルースピンドル方式の切削液供給機構を有した主軸装置11である。
【0034】
図3に示されている第3実施態様の主軸装置11は、図1に示されている第1実施態様の主軸装置11とほぼ同様の構成を有しているが、主軸13の中心貫通孔31に回転軸線に沿って挿通されたドローバー33の中心孔内に、切削液導入のための管部材すなわち切削液導入管97がさらに挿入されている点において異なっている。
【0035】
切削液導入管97は、主軸装置11の後方端部から突出して、ロータリジョイント57′に接続されている。ロータリジョイント57′は適宜の管路を経て切削液源99に接続されており、切削液源99から供給される切削液が、ロータリジョイント57′を経て切削液導入管97の切削液供給流路101に送給され、ドローバー33の前端領域で、工具ホルダのテーパシャンクやプルスタッド等を貫通した切削液流路から工具ホルダの先端まで供給されるように形成されている。したがって、こうして供給される切削液により、工具ホルダに保持された工具(不図示)は、切削加工時に、常時、切削液を工具中心部から供給されながら、被加工物の切削を遂行することができる。
【0036】
また、図1に示されている実施態様と同様に、図3に示されている実施態様でも、主軸13の後方には作動手段が設けられており、この作動手段と戻しばね37が協働することによって、ドローバー33を介した主軸13への工具ホルダの着脱及び工具の交換が可能になっている。
図3に示されている実施態様では、作動手段の後方にさらに切削液導入管97の進退を行うための導入管進退手段が設けられている。図3を参照すると、導入管進退手段は、シリンダ103と、ピストン105と、油圧源51とによって構成されている。切削液導入管97は、シリンダ103とピストン105との間に設けられたばね107によって、常時前方へ付勢され、切削液導入管97の前端面はプルスタッドの後端面に密着し切削液が漏出しないようになっている。自動工具交換装置(不図示)によって工具ホルダ又は工具が交換されるとき、油圧源51からシリンダ103へ圧力流体を送出しピストン105を後退させる。それによって、切削液導入管97を後退、退避させ、プルスタッドの後端面と切削液導入管97の前端面とが衝突しないようにしている。工具交換が完了すると、シリンダ103から圧力流体が抜かれ、シリンダ103内に設けられたばね107の力で切削液導入管97とプルスタッドが再び密着するようになる。
【0037】
さらに、第3実施態様の主軸装置11では、切削液導入管97の外周面とドローバー33の中心孔の内周面との間に軸線方向に延びる環状隙間が形成されており、この環状隙間が冷却液供給流路55をなしている。この冷却液供給流路55には、ハウジング15の後端部、ハウジング15の後端部の内周面と主軸13の後端部の外周面との間に挿設されハウジング15に固定された環体77、主軸13の後端部、及び可動スリーブ45を通って半径方向に向かって延びる半径方向流路109を経て、主軸装置11の外部に設置された冷却液源59から冷却液が供給される。可動スリーブ45は主軸13に対して軸線方向に可動であるので、可動スリーブ45内の半径方向流路109と主軸内の半径方向流路109との連通状態を保つために、その接続部には軸線方向に長い環状のポケット111が設けられている。
【0038】
図3に示されている実施態様の主軸装置の他の構造は、図1に示されている実施態様と同じであり、ここでは、説明しない。
図4は同様に、スルースピンドル方式の切削液供給機構を有した主軸装置11において、第2の主軸冷却流路63を流通する冷却液を利用してアンダレース潤滑を行う場合である第4実施態様の主軸装置11の前部の断面図を示している。図1に示されている第1実施態様と図2に示されている実施態様との構造の差と図3に示されている第3実施態様と図4に示されている第4実施態様との構造の差は、同一で、アンダレース潤滑のための流路が設けられていることであるので、ここでは詳しくは説明しない。
【0039】
図3及び図4に示されているようなスルースピンドル方式の切削液供給機構を有した主軸装置11においても、図1及び図2に示されている主軸装置11と同様に、第2の主軸冷却流路63を流通する冷却液の流動抵抗を少なくし、冷却液源59からの吸引力が一定であっても、そこを流通する冷却液の流量を増加させることができ、冷却液による十分な主軸冷却作用を得ることが可能となる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、主軸の後方部から前方部に向けて延びる冷却液供給流路から分岐した第2の主軸冷却流路の前端部が、冷却液吸引排出流路に連結しているため、冷却液供給流路は主軸後方に折り返すことがなく、第2の主軸冷却流路の管路長が短くなり、流動抵抗が少なくなるので、吸引による冷却液の流動が容易になっている。したがって、第2の主軸冷却流路を流通する冷却液に関し、主軸及び軸受を冷却するのに十分な量を確保することが可能となる。
【0041】
また、第2の主軸冷却流路の前端部は前方部の軸受の転動体周りを経由しないので、第2の主軸冷却流路を流通する冷却液が転動体により妨げられることもなく、冷却液の良好な流通性が確保され、主軸及び軸受の十分な冷却作用を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による工作機械の主軸装置の第1の実施態様を示している断面図である。
【図2】本発明による工作機械の主軸装置の第2の実施態様における主軸装置前部を示している断面図である。
【図3】本発明による工作機械の主軸装置の第3の実施態様を示している断面図である。
【図4】本発明による工作機械の主軸装置の第4の実施態様における主軸装置前部を示している断面図である。
【符号の説明】
11…主軸装置
13…主軸
15…ハウジング
17…前方軸受
17a…前方軸受
17b…前方軸受
17c…前方軸受
19…後方軸受
33…ドローバー
55…冷却液供給流路
59…冷却液源
61…第1の主軸冷却流路
63…第2の主軸冷却流路
79…後方冷却液吸引排出流路
85…前方冷却液吸引排出流路
93…潤滑流路
97…切削液導入管
Claims (4)
- 主軸をその軸線方向の前後位置に設けられた軸受により主軸頭に回転可能に支持した工作機械の主軸装置において、
軸受を介して前記主軸を回転可能に支持したハウジングと、
前記主軸の内部に主軸後方から主軸前方にわたって設けられ、冷却液源から冷却液を前記主軸の内部に供給する冷却液供給流路と、
前記冷却液供給流路に連通し前記主軸後方に分岐するよう形成された第1の主軸冷却流路と、前記冷却液供給流路に連通し前記主軸前方に分岐するよう形成された第2の主軸冷却流路とで成り、前記主軸の内周面に沿って冷却液を流通させ前記主軸をその内部から冷却する軸芯冷却流路と、
前記軸芯冷却流路の第1の主軸冷却流路を流通した冷却液を前記冷却液源に回収する第1の冷却液吸引排出流路と、前記軸芯冷却流路の第2の主軸冷却流路の前部から前記ハウジングを経由して前記主軸の外部に連通するように、前記主軸の最前部の軸受の転動体より前方に且つ前記主軸を回転支持する軸受の転動体周りを経由せずに形成され、前記第2の主軸冷却流路を流通した冷却液を前記冷却液源に回収する第2の冷却液吸引排出流路とで成る冷却液回収流路と、
を具備したことを特徴とする工作機械の主軸装置。 - 前記軸芯冷却流路の第1の主軸冷却流路及び第2の主軸冷却流路から前記主軸の半径方向にそれぞれ分岐し、各軸受の内輪に穿設した半径方向孔に連通する軸受潤滑流路をさらに具備する請求項1に記載の工作機械の主軸装置。
- 前記冷却液供給流路は前記主軸の内部に挿入されたドローバーの内部にその軸線方向に設けられた管路で成り、前記軸芯冷却流路の第1の主軸冷却流路は前記主軸の内周面と前記ドローバーの外周面との間に形成された環状隙間を含んで成る請求項1または2に記載の工作機械の主軸装置。
- 前記冷却液供給流路は前記主軸の内部に挿入されたドローバーの内周面と前記ドローバーの内部に挿入された管部材の外周面との間に形成された環状隙間で成り、前記軸芯冷却流路の第1の主軸冷却流路は前記主軸の内周面と前記ドローバーの外周面との間に形成された環状隙間を含んで成る請求項1または2に記載の工作機械の主軸装置。
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