JP3034722B2 - 油圧式動力伝達装置 - Google Patents

油圧式動力伝達装置

Info

Publication number
JP3034722B2
JP3034722B2 JP5104502A JP10450293A JP3034722B2 JP 3034722 B2 JP3034722 B2 JP 3034722B2 JP 5104502 A JP5104502 A JP 5104502A JP 10450293 A JP10450293 A JP 10450293A JP 3034722 B2 JP3034722 B2 JP 3034722B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
hydraulic
reverse
hydraulic pressure
driven gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5104502A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06312627A (ja
Inventor
由典 濱岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP5104502A priority Critical patent/JP3034722B2/ja
Publication of JPH06312627A publication Critical patent/JPH06312627A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3034722B2 publication Critical patent/JP3034722B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧式動力伝達装置に
関し、詳細には簡単な構造で動力を伝達でき、かつ油漏
れを防止できるようにしたオリフィス,ワンウェイバル
ブ等の配置構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】駆動輪側の動力を従動輪側に伝達するよ
うにした車両の動力伝達装置は従来より各種提案されて
いる。その中で、前後輪間の回転数差と伝達されるトル
クとの関係が好ましいものとしてギヤポンプを用いた油
圧式動力伝達装置がある。
【0003】この種の伝達装置では、第1従来例として
図6に示すように、第1の回転軸(例えばプロペラシャ
フト)が接続されるケーシング1内に、フランジ2部分
に第2の回転軸(例えばドライブシャフト)が接続され
るリテーナ3を同軸配置し、該リテーナ3により回転可
能に支持されたドリブンギヤ4を上記ケーシング1の内
面に設けられたリングギヤ5に噛合させ、ケーシング
1,リングギヤ5,ドリブンギヤ4及びリテーナ3で油
圧発生室を形成する。そして、上記プロペラシャフトと
ドライブシャフトとの回転差に応じて、上記リングギヤ
5とドリブンギヤ4とで上記油圧発生室内の作動油を昇
圧させ、この油圧でトルクをプロペラシャフトとドライ
ブシャフトとの間で伝達するように構成されている。
【0004】ところで、このような構造では、油圧発生
室内の作動油が油圧の上昇に伴って油圧発生室外に漏れ
る問題がある。この油漏れは、主にドリブンギヤ4の軸
方向端面4aとケーシング1の内面1aとの隙間6から
が大部分を占めている。
【0005】このような油漏れの防止対策として、上記
隙間6を可能な限り狭くするために、ケーシング1のギ
ヤ配置室の幅とドリブンギヤ4の軸方向長さの寸法精度
を上げる方法がある。
【0006】しかし、上記第1従来例の方法では、各部
品の寸法精度を上げるにも限度があり、またそのため
に、特に高圧のギヤポンプでは高価になる問題もある。
【0007】そこで本出願人は、各部品の寸法精度をそ
れほど上げなくても油漏れを防止できる油圧式動力伝達
装置を提案した。該装置を図7の作動油流路を示す模式
的な系統図に基づいて説明する。本装置は上記従来例と
同様に油圧発生室(A〜F)を形成し、該各油圧発生室
(A〜F)とオイルタンク7とをオリフィス8を介して
連通させる正油路9aと、直に連通させる副油路9bと
を設け、各正,副油路9a,9b内の作動油の流動方向
をそれぞれ一方向に規制するチェックバルブ10を各油
圧発生室毎に6組配している。そして、上記ドリブンギ
ヤ4の端面に摺接するシールプレート11と、上記正油
路9aのオリフィス8,油圧発生室間の油圧を上記シー
ルプレート11に作用させるシール油圧室12とを備え
ている。
【0008】本装置では、上記シール油圧室12の油圧
がシールプレート11に作用し油漏れを防止する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本出願人が提
案した上記装置では、各部品の寸法精度をそれほど上げ
る必要はないものの、作動油の流れ方向を常にシールプ
レート11側に規制する必要があることから、6箇所の
油圧発生室(A〜F)それぞれに対して正,逆回転用の
チェックバルブ10を6組合計12個設ける構成となっ
ている。そのため、部品点数とともに加工工数が増し、
コスト増となる問題がある。また、構造上、リテーナ3
の寸法に制限が生じるため上記ドリブンギヤ4の個数,
径寸法にも制限が生じ、伝達トルクに影響を与える問題
が発生する。さらに、正,逆回転とも同じオリフィス8
を用いる構造であるため、正,逆回転時において伝達ト
ルクを変化できない問題もある。
【0010】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、簡単な構造で動力を伝達でき、かつ油漏れ
を防止できる油圧式動力伝達装置を提供することを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、第1
の回転軸が接続されるケーシング内に第2の回転軸が接
続されるリテーナを同軸配置し、該リテーナにより回転
可能に支持されたドリブンギヤを上記ケーシングの内面
に設けられたリングキヤに噛合させ、上記ケーシング,
リングギヤ,ドリブンギヤ及び上記リテーナで正,逆油
圧発生室を形成し、該油圧発生室内の作動油を第1,第
2の回転軸の回転差に応じて上記リングギヤとドリブン
ギヤとで昇圧させることにより第1の回転軸と第2の回
転軸との間で動力を伝達する油圧式動力伝達装置におい
て、上記正,逆油圧発生室とオイルタンクとをオリフィ
スを介して連通させる正,逆主油路と、該正,逆主油路
のオリフィス,油圧発生室間とオイルタンクとを連通さ
せる正,逆副油路と、該正,逆副油路に配設され、油圧
発生室からオイルタンクへの作動油の流れを阻止するワ
ンウェイバルブと、上記ドリブンギヤの軸方向一端面に
摺接し、かつ該軸方向に移動可能に配置された可動側板
と、上記正,逆主油路のオリフィス,油圧発生室間に連
通し、油圧を上記可動側板に作用させる正,逆油圧作動
室とを備えたことを特徴としている。
【0012】
【作用】本発明に係る油圧式動力伝達装置によれば、正
又は逆油圧発生室内の作動油は、第1,第2の回転軸の
回転差に応じてリングギヤとドリブンギヤとで正又は逆
主油路に吐出され、該主油路のオリフィスで絞られ、副
油路のワンウェイバルブでその流れが阻止されて昇圧
し、これにより上記両回転軸間でトルクが伝達される。
このとき上記油圧は、正又は逆油圧作動室において可動
側板にも作用し、これにより該可動側板がドリブンギヤ
の軸方向一端面を押圧し、他端面をケーシング内面に摺
接させ、その結果、該ドリブンギヤの両端面をシールす
る。
【0013】このように本発明では、正,逆主油路のオ
リフィス,油圧発生室間に連通する正,逆油圧作動室を
設け、油圧発生室で発生する油圧を可動側板に作用さ
せ、該可動側板をドリブンギヤに押圧して該ギヤの両端
面をシールするようにしたので、各油圧発生室毎にワン
ウェイバルブを設けることなく、回転方向が正,逆何れ
の場合にも常に可動側板に油圧を作用させることがで
き、上記両端面をシールできる。
【0014】また、ワンウェイバルブは正,逆2個で済
み部品点数,加工工数さらには必要な配置スペースを削
減できる。そのため、ドリブンギヤの配設個数を増加で
き、容量を増大できる。
【0015】さらにまた、正,逆回転専用のオリフィス
を設けたので、正,逆伝達トルクを任意に設定できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1〜5は本発明の一実施例による動力伝達
装置を説明するための図であり、図1は四輪駆動車の概
略構成図、図2は作動油流路を模式的に示す構成図、図
3は断面側面図、図4は図3の要部拡大図、図5は図3
の V-V線断面図である。なお、本実施例では、フロント
エンジン・リヤドライブ方式をベースとした四輪駆動車
に適用した場合を例にとって説明する。
【0017】図1において、17は本実施例装置を適用
した四輪駆動車であり、該四輪駆動車17のエンジン1
8にはクラッチを介在させてトランスミッション19が
接続されており、該トランスミッション19にはトラン
スファ20が接続されている。このトランスファ20
は、上記エンジン18からの駆動力をプロペラシャフト
21を介して後輪22に伝達するとともに、伝動軸23
を介して前輪24に伝達するもので、該前輪24と伝動
軸23との間にはフロントディファレンシャル25a
(以下フロントデフと略す)が配設されており、上記後
輪22とプロペラシャフト21との間にはリヤディファ
レンシャル25b(以下リヤデフ)が配設されている。
【0018】そして上記フロントデフ25aと伝動軸2
3との間には、走行条件に応じて上記前輪24への駆動
力を増減し、結果的に前,後輪24,22への駆動力配
分比を制御する油圧式動力伝達装置26が配設されてい
る。
【0019】上記動力伝達装置26は、図2にその全体
構成を模式的に示すように、正,逆主油路27a,27
bからなる主油路27,オイルタンク38等を内蔵する
ギヤポンプ方式のものである。この動力伝達装置26
は、ケーシング29の中にリテーナ30を回転自在にか
つ同軸をなすように配設し、該リテーナ30により回転
可能に支持された4個のドリブンギヤ31をケーシング
29の内面に軸方向移動可能に配設されたリングギヤ3
2に噛合させ、該リングギヤ32,上記ドリブンギヤ3
1,上記ケーシング29,及びリテーナ30で油圧発生
室(A〜H)を形成した構造のものである。そして、上
記リテーナ30は上記フロントデフ25aに連結されて
おり、またケーシング29は上記伝動軸23に連結され
ている。これにより上記油圧発生室(A〜H)内の作動
油を上記前,後輪間24,22の回転差に応じて上記ド
リブンギヤ31と上記リングギヤ32とで昇圧させるこ
とにより、伝動軸23とフロントデフ25aとの間で動
力を伝達するようになっている。
【0020】上記動力伝達装置26の具体的構造を示す
図3〜5において、上記ケーシング29は円盤状の底壁
部29aとこれに固着された有底円筒状の胴部29bと
からなり、該胴部29b内に上記リングギヤ32が挿入
配置されている。
【0021】また、上記リテーナ30は上記ドリブンギ
ヤ31を回転可能に支持する四葉状の本体部30aと、
これにスプライン嵌合した軸部33とからなり、該軸部
33の大径部33e及び先端部33fがころがり軸受3
4,35を介して上記ケーシング29に回転可能に支持
されている。なお、ケーシング29の胴部29bと軸部
33の大径部33eとの間は、耐圧オイルシール36で
シールされている。また上記軸部33の上記先端部33
fが挿入された上記底壁部29aの開口29cは、蓋部
材37及びシール部材38で閉塞されている。
【0022】そして、上記軸部33の大径部33eの軸
心部には、作動油を貯溜し、かつ油温上昇による作動油
の体積増加を吸収可能のオイルタンク38が形成されて
いる。このオイルタンク38はシリンダ穴38a内にピ
ストン39を摺動可能に挿入配置し、両者間をピストン
リング40でシールした構造のものである。
【0023】一方、図3において、上記ケーシング29
内のドリブンギヤ31より図示右方には、該ケーシング
29の回転による遠心力で径方向に移動するウェート4
1と、該ウェート41の径方向移動により上記胴部29
bの内面に沿って軸方向に移動するカム42とが配設さ
れている。また、該カム42の裏面には上記リテーナ3
0の本体部30a,ドリブンギヤ31,及びリングギヤ
32の右端面にシール可能に摺接するシールプレート4
3がスラストベアリング43aを介して配設されてい
る。
【0024】また、上記ケーシング29内のドリブンギ
ヤ31より図示左方には、図示左側ほど小径となる雄テ
ーパ面44aを有し、上記リテーナ30の本体部30
a,ドリブンギヤ31,及びリングギヤ32の左端面に
シール可能に摺接する可動側板44が配設されている。
該可動側板44の雄テーパ面44aはケーシング29の
内面に固着されたガイド部材47の雌テーパ面47aに
嵌合している。また、上記可動側板44には大小2つの
ピストン孔44b,44cが軸方向に並列に形成されて
おり、該両ピストン孔44b,44c内にはピストン4
6の大径ピストン部46a,小径ピストン部46bが挿
入されている。上記大径ピストン孔44b,大径ピスト
ン部46aの底面,先端面で囲まれた空間が一方の油圧
作動室aとなっており、小径ピストン孔44c,小径ピ
ストン部46bの底面,先端面で囲まれた空間が他方の
油圧作動室bとなっている。このピストン46は裏面に
配設されたスラストベアリング48を介して上記胴部2
9bの底面で支持されている。また、このピストン46
はピン45で上記可動側板44と共に上記リテーナ30
の本体部30aに係止され、該本体部30aと共に回転
するようになっている。
【0025】そして、上記ピストン46には、図4に示
すように、上記作動室a,bに連通するオリフィス46
c,46dが設けられており、また、該油圧作動室a,
bからオイルタンク方向への作動油の流れを阻止するワ
ンウェイバルブ46e,46fが設けられている。
【0026】ここで、図2,4に示すように上記正主油
路27aは、正転側油圧発生室A,C,E,Gを上記本
体部30aの油路30b,油圧作動室b,可動側板4
4,オリフィス46dを介して、上記オイルタンク38
に連通させている。
【0027】また、上記副主油路27bは、上記逆転側
油圧発生室B,D,F,Hを上記可動側板44内の油路
44d,油圧作動室a,オリフィス46cを介して、オ
イルタンク38に連通させている。
【0028】そして、上記正副油路50aは、上記ワン
ウェイバルブ46fを介して、オイルタンク38と上記
正主油路27aとを連通させている。また、上記逆副油
路50bは、上記ワンウェイバルブ46eを介して、オ
イルタンク38と逆主油路27bとを連通させている。
【0029】つまり、正転側の油圧発生室A,C,E,
Gの圧力が、該油圧発生室とオイルタンク38との間に
配設したオリフィス46d及びワンウェイバルブ46f
により、上記正側油圧作動室bに、また、逆転側油圧発
生室B,D,F,Hの圧力が、該油圧発生室とオイルタ
ンク38との間に配設したオリフィス46c及びワンウ
ェイバルブ46eにより、上記逆側油圧作動室aに各々
作用するよう構成されている。
【0030】次に作用効果について説明する。例えば、
低速走行時において、前輪回転数と後輪回転数が同じ場
合には、ケーシング29とリテーナ30とは同じ回転数
となる。そのため、ドリブンギヤ31とリングギヤ32
との間に相対的な回転はなく、油圧は発生せず、従って
前輪24へのトルク伝達の増加はない。またこの時、上
記ウェート41は、低速走行であるため十分な遠心力が
働かず径方向には移動しない。
【0031】そして、後輪22のスリップ等により後輪
回転数が前輪回転数より高くなると、ケーシング29の
回転数がリテーナ30より高くなり、リングギヤ32、
及びドリブンギヤ31はそれぞれ図2矢印a方向に回転
する。この場合、例えばドリブンギヤ31´に着目する
と、油圧発生室Aが吐出側となり、油圧発生室Hが吸込
側となる。油圧発生室Aから吐出された作動油は、油路
30bから上記正側油圧作動室bに流入する。そして、
該作動油は上記ワンウェイバルブ46fでオイルタンク
38への流れが阻止されるとともに、オリフィス46d
で絞られて昇圧し、その油圧によってトルクが前輪24
へも伝達される。また、このとき上記油圧によって可動
側板44がドリブンギヤ31,リテーナの本体部30
a,及びリングギヤ32の図示左端面を押圧し、また図
示右端面がシールプレート43を押圧し、これにより油
圧発生室の左,右端面からの油漏れが防止される。
【0032】次に、高速回転時には、図3において、上
記ウェート41は遠心力によって上記軸中心側から径方
向外方に移動し、カム42がリテーナ30の本体部30
a等を介して可動側板44を図示左方に押圧し、これに
より上記雄テーパ面44aと雌テーパ面47aとが結合
し、その結果、上記ケーシング29の回転がリテーナ3
0に伝達され、回転数差がない場合でも、前輪にトルク
がいわゆる初期トルクとして伝達される。
【0033】そして、この高速回転時において回転数差
が発生すると、上述と同様に、作動油の昇圧により伝達
トルクが増加するとともに可動側板44が図3右方に押
圧され、油圧発生室の左,右端面からの油漏れを確実に
防止する。
【0034】なお、前輪24のスリップ等によって該前
輪24の回転数が後輪22の回転数より高くなると、上
述とは逆に油圧発生室Hが吐出側となり油圧発生室Aが
吸込側となる。この場合、作動油が上記逆主油路27b
から逆油圧作動室aに作用し上記同様に可動側板44を
作動させ、油漏れを防止する。
【0035】なお、上述のように回転方向が正,逆異な
る場合において、回転数差が同じであっても、正方向の
時はオリフィス46dを、また逆方向の時はオリフィス
46cを設けたので、これらのオリフィス径を適宜設定
することにより互いに異なるトルクを伝達することがで
きる。
【0036】このように本実施例では、オリフィス46
d,46cを介して油圧発生室(A〜H)とオイルタン
ク38とを連通させる正,逆主油路27a,27bと、
上記主油路27a,27bのオリフィス46d,46c
と油圧発生室(A〜H)との間とオイルタンク38とを
ワンウェイバルブ46f,46eを介して連通させる
正,逆副油路50a,50bとを設けたので、各油圧発
生室(A〜H)それぞれに対して正回転用,逆回転用の
バルブを別個に設けることなく動力を伝達できる。
【0037】また、上記正,逆主油路27a,27bの
オリフィス46d,46cと油圧発生室(A〜H)間に
連通し、油圧を可動側板44に作用させる正,逆油圧作
動室b,aを設けたので、正,逆いずれの回転数差にお
いても作動油を常に可動側板44側に作用させることが
でき、部品点数とともに加工工数を削減してコストを抑
制しながら油漏れを確実に防止できる。
【0038】さらにまた、ワンウェイバルブの個数が少
なくなり、それだけこのバルブの配置スペースが小さく
なり、リテーナ30の寸法に自由度が増すため、ドリブ
ンギヤ31の個数,径寸法の制限を軽減でき、結果的に
伝達容量を増大でき、また同じ駆動力を伝達する際には
上記従来例に比して装置をより小型化できる。
【0039】また、正,逆回転時には異なるオリフィス
46d,46cを用いる構造であるため、正,逆回転時
において異なる伝達トルクに設定できる。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明に係る油圧式動力伝
達装置によれば、一組のワンウェイバルブ及びオリフィ
スという簡単な構造によって動力を伝達でき、また油圧
を常に可動側板に作用させることができ、部品点数とと
もに加工工数を削減して、コストを抑制しながら油漏れ
を防止できる効果がある。また、ワンウェイバルブの配
設スペースが小さくて済む分だけドリブンギヤの個数を
増加でき、伝達トルク容量を増大できる効果があり、さ
らに正,逆回転時の伝達トルクを異なる任意の値に設定
できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による油圧式動力伝達装置を
備えた四輪駆動車の概略構成図である。
【図2】上記実施例の作動油流路を示す模式的な系統図
である。
【図3】上記実施例の断面側面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図3の V-V線断面図である。
【図6】第1従来例の油圧式動力伝達装置の要部断面側
面図である。
【図7】本出願人が提案した動力伝達装置の作動油流路
を示す模式的な系統図である。
【符号の説明】
26 油圧式動力伝達装置 27a,27b 正,逆主油路 29 ケーシング 30 リテーナ 31,31´ ドリブンギヤ 32 リングキヤ 38 オイルタンク 44 可動側板 46c,46d オリフィス 46e,46f ワンウェイバルブ 50a,50b 正,逆副油路 b,a 正,逆油圧作動室 A〜H 正,逆油圧発生室

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の回転軸が接続されるケーシング
    内に第2の回転軸が接続されるリテーナを同軸配置し、
    該リテーナにより回転可能に支持されたドリブンギヤを
    上記ケーシングの内面に設けられたリングキヤに噛合さ
    せ、上記ケーシング,リングギヤ,ドリブンギヤ及び上
    記リテーナで正,逆油圧発生室を形成し、該油圧発生室
    内の作動油を第1,第2の回転軸の回転差に応じて上記
    リングギヤとドリブンギヤとで昇圧させることにより第
    1の回転軸と第2の回転軸との間で動力を伝達する油圧
    式動力伝達装置において、上記正,逆油圧発生室とオイ
    ルタンクとをオリフィスを介して連通させる正,逆主油
    路と、該正,逆主油路のオリフィス,油圧発生室間とオ
    イルタンクとを連通させる正,逆副油路と、該正,逆副
    油路に配設され、油圧発生室からオイルタンクへの作動
    油の流れを阻止するワンウェイバルブと、上記ドリブン
    ギヤの軸方向一端面に摺接し、かつ該軸方向に移動可能
    に配置された可動側板と、上記正,逆主油路のオリフィ
    ス,油圧発生室間に連通し、油圧を上記可動側板に作用
    させる正,逆油圧作動室とを備えたことを特徴とする油
    圧式動力伝達装置。
JP5104502A 1993-04-30 1993-04-30 油圧式動力伝達装置 Expired - Lifetime JP3034722B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5104502A JP3034722B2 (ja) 1993-04-30 1993-04-30 油圧式動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5104502A JP3034722B2 (ja) 1993-04-30 1993-04-30 油圧式動力伝達装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06312627A JPH06312627A (ja) 1994-11-08
JP3034722B2 true JP3034722B2 (ja) 2000-04-17

Family

ID=14382290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5104502A Expired - Lifetime JP3034722B2 (ja) 1993-04-30 1993-04-30 油圧式動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3034722B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100412393B1 (ko) * 2001-10-08 2003-12-31 현대자동차주식회사 다판 클러치의 오일 공급구조

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06312627A (ja) 1994-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4462490A (en) Control system for operation of fluid torque converter for vehicles
GB2207208A (en) Four wheel drive power transmission
US5046595A (en) Torque transmission coupling
KR930003781B1 (ko) 구동 연결장치
JPH09511319A (ja) 出力シャフトに組込まれた構成要素を作動させる伝達比コントローラを有する連続可変水圧トランスミッション
US6488606B1 (en) Limited slip differential with self contained oil supply
CN103133556A (zh) 用于车辆驱动系的离合器装置
JP3034722B2 (ja) 油圧式動力伝達装置
US4445423A (en) Hydraulic motor
JP3212764B2 (ja) 動力伝達装置用シール機構
JP3160129B2 (ja) 動力伝達装置用シール機構
KR920003233B1 (ko) 작동 유체 밀봉식 구동 연결 장치
KR920007462B1 (ko) 4륜 구동용 구동 연결 장치
JPH06179328A (ja) 油圧式動力伝達装置のシール機構
JPH06312626A (ja) 動力伝達装置
JP2885486B2 (ja) 四輪駆動車用駆動力伝達装置
JP2974357B2 (ja) 四輪駆動車用駆動力伝達装置
JPH076529U (ja) 動力伝達装置用シール機構
JPH0620827B2 (ja) 4輪駆動車用トランスフアクラツチ装置
JP3029710B2 (ja) 油圧式動力伝達装置
JPS63210441A (ja) 動力伝達装置
JP2521822Y2 (ja) 四輪駆動車用駆動力伝達装置
JPH0651567U (ja) 油圧式動力伝達装置
JPH01250624A (ja) 駆動連結装置
JPH0238142A (ja) 4輪駆動車の動力分配装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000208