JP2005310934A - 多層配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コア基板上に電気絶縁層を介して形成された配線とを備えた多層配線基板として、コア基板を、複数のスルーホールと、これらのスルーホール内に位置して表裏の導通をとる導電材料を備えたものとし、コア基板の少なくとも一方の面において、導電材料が表面から突出して上記のスルーホールの開口部よりも大きなランド部をなし、導電材料は少なくとも電解めっき部位と充填導電材料部位からなるものとする。
【選択図】 図1
Description
このため、コア基板の製造方法として種々の配線方法が提案、実施されるようになり(特許文献1、特許文献2)、これらのコア基板上に配線層を形成した多層配線基板が用いられている。
また、狭ピッチ化と多ピン化による高密度実装に伴い、配線基板と半導体チップ等との電気的接続は、従来のワイヤーボンディング技術に代わり、半導体チップをフェースダウン実装するフリップチップ技術等が用いられるようになっている。このフリップチップ技術を用いた多層配線基板においては、基板間を接続するスルーホールに空隙部が残っていると、実装時の加熱、冷却による熱衝撃によりクラックの発生や断線を引き起こし易く、信頼性の低下を生じるという問題がある。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、高密度配線が可能なようにコア基板の表裏導通がなされ信頼性に優れた多層配線基板と、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の態様として、前記コア基板は、XY方向の熱膨張係数が2〜20ppmの範囲内であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記電解めっき部位は、銅、銀、金のいずれかからなるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記充填導電材料部位は、半田からなるような構成、さらに、前記半田は、スズ−亜鉛系、スズ−銀系、スズ−ビスマス系、スズ−鉛系のいずれかであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記スルーホールの内径は10〜300μmの範囲内であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ランド部の径は前記スルーホールの開口径より20〜200μmの範囲で大きいような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ランド部のコア基板表面からの突出高さは2〜20μmの範囲内であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記スルーホールを形成した後、スルーホール内部を含むコア材表面に絶縁層を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記微細孔を形成した後、微細孔内部を含むコア材表面に絶縁層を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記電解めっき部位の形成方法は、電解銅めっき法、電解銀めっき法、電解金めっき法のいずれかであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記充填導電材料部位の形成方法は、導電性ペーストを印刷法によりスルーホール内に充填し乾燥硬化するような構成、または、半田を溶融して流し込むような構成とした。
本発明の他の態様として、前記コア材は、XY方向の熱膨張係数が2〜20ppmの範囲内であるシリコン、セラミック、ガラス、ガラス−エポキシ複合材料のいずれかであるような構成とした。
また、本発明では、コア材に形成したスルーホール内、あるいは微細孔内に段階的に導電材料を充填する、すなわち、電解めっき部位と充填導電材料部位に分けて導電材料を充填するので、空隙を生じることなくスルーホール内を導電材料で満たすことができ、上述のような高信頼性の多層配線基板を得ることができる。
多層配線基板
[多層配線基板の第1の形態]
図1は、本発明の多層配線基板の一実施形態を示す部分縦断面図である。図1において、本発明の多層配線基板1は、コア基板2と、このコア基板2の一方の面2a上に形成された配線とを備えている。
多層配線基板1を構成するコア基板2は、複数のスルーホール4が形成されたコア材2′と、各スルーホール4内を含みコア材2′全面に形成された絶縁層3と、各スルーホール4内に位置する導電材料5を備え、この導電材料5によりスルーホール4を介した表面2aと裏面2bの導通がなされている。
図2は、本発明の多層配線基板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。図2において、本発明の多層配線基板21は、コア基板22と、このコア基板22の一方の面22a上に形成された配線とを備えている。
多層配線基板21を構成するコア基板22は、複数のスルーホール24が形成されたコア材22′と、各スルーホール24内を含みコア材22′全面に形成された絶縁層23と、各スルーホール24内に位置する導電材料25を備え、この導電材料25によりスルーホール24を介した表面22aと裏面22bの導通がなされている。
コア基板22のスルーホール24内に位置する導電材料25は、スルーホール24の一方の開口端側に位置する電解めっき部位31と、スルーホール24の他方の開口端側の内壁とコア基板面に位置する電解めっき部位32と、この電解めっき部位32の内部に充填されるように位置する充填導電材料部位33からなり、内部に空隙が存在しないものである。また、導電材料25の両端部は、スルーホール24の開口部から突出してランド部25a,25bをなし、このランド部25a,25bはスルーホール24の開口部よりも大きいものである。ランド部25a,25bの形状、寸法は、上述の実施形態におけるランド部5a,5bと同様に設定することができる。
図3は、本発明の多層配線基板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。図3において、本発明の多層配線基板41は、コア基板42と、このコア基板42の一方の面42a上に形成された配線とを備えている。
多層配線基板41を構成するコア基板42は、複数のスルーホール44が形成されたコア材42′と、各スルーホール44内を含みコア材42′全面に形成された絶縁層43と、各スルーホール44内に位置する導電材料45を備え、この導電材料45によりスルーホール44を介した表面42aと裏面42bの導通がなされている。
コア基板42のスルーホール44内に位置する導電材料45は、スルーホール44の一方の開口端側に位置する電解めっき部位51,52と、この電解めっき部位51,52に挟まれるようにスルーホール44内に位置する充填導電材料部位53からなり、内部に空隙が存在しないものである。また、導電材料45の両端部は、スルーホール44の開口部から突出してランド部45a,45bをなし、このランド部45a,45bはスルーホール44の開口部よりも大きいものである。ランド部45a,45bの形状、寸法は、上述の実施形態におけるランド部5a,5bと同様に設定することができる。
図4は、本発明の多層配線基板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。図4において、本発明の多層配線基板61は、コア基板62と、このコア基板62の一方の面62a上に形成された配線とを備えている。
多層配線基板61を構成するコア基板62は、複数のスルーホール64が形成されたコア材62′と、各スルーホール64内を含みコア材62′の一方の面(面62a側)に形成された絶縁層63と、各スルーホール64内に位置する導電材料65を備え、この導電材料65によりスルーホール64を介した表面62aと裏面62bの導通がなされている。
コア基板62のスルーホール64内に位置する導電材料65は、電解めっき部位71と、この電解めっき部位71の内部に充填されるように位置する充填導電材料部位73からなり、内部に空隙が存在しないものである。電解めっき部位71は、コア基板62の面62a側の表面と、スルーホール64の内壁面とに位置し、かつ、コア基板62の面62bと同一面をなすようにスルーホール64の開口部に位置している。また、導電材料65の一方の端部は、スルーホール64の開口部から突出してランド部65aをなし、このランド部65aはスルーホール64の開口部よりも大きいものである。ランド部65aの形状、寸法は、上述の実施形態におけるランド部5a,5bと同様に設定することができる。
また、上述の絶縁層3,23,43,63は、二酸化珪素、窒化珪素等の電気絶縁膜であってよく、コア材2′,22′,42′,62′の材質が電気絶縁性のものである場合には、絶縁層3,23,43,63がなくてもよい。
また、本発明の多層配線基板は、最表面層の配線を、半導体チップ搭載用の端子パッドを有するものとすることができる。さらに、このような端子パッドの表面に半田層を備えるものであってもよい。
次に、本発明の多層配線基板の製造方法を図面を参照しながら説明する。
[製造方法の第1の形態]
図5〜図7は、本発明の多層配線基板の製造方法の一実施形態を、上述の多層配線基板1を例として説明するための工程図である。
次に、コア基板2の一方の面2aに、平坦化層を兼ねて電気絶縁層6を形成する(図7(C))。この電気絶縁層6は、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、カルド樹脂、ポリイミド樹脂等の感光性樹脂をフォトリソグラフィー法でパターニングして形成することができる。尚、コア基板2の両面に、平坦化層を兼ねて電気絶縁層6を形成してもよい。
尚、コア基板2のランド部5bが存在する面に配線を形成する場合も、上記と同様である。
図8および図9は、本発明の多層配線基板の製造方法の他の実施形態を、上述の多層配線基板21を例として説明するための工程図である。
本発明の多層配線基板の製造方法では、まず、上述の製造方法の第1の形態(図5(A)〜図6(B))と同様にして、コア基板用のコア材22′にスルーホール24を形成し、絶縁層23をコア材22′の表面およびスルーホール24の内壁面に形成する。次いで、コア材22′の一方の面22′b側から下地導電薄膜37を形成し、この下地導電薄膜37上に所望のレジストパターン38を形成し、その後、上記の下地導電薄膜37を給電層として電解めっきにより銅、銀、金等の導電材料を析出させる。これにより、スルーホール24内部を所定の深さで充填し、かつ、コア材22′の面22′b側にレジストパターン38から突出するような電解めっき部位31を形成する(図8(A))。
次に、上述の実施形態と同様にして、コア基板22の一方の面22aに、平坦化層を兼ねて電気絶縁層26を形成し、この上に電気絶縁層を介して配線を形成することにより、多層配線基板21が得られる。尚、コア基板22の両面に、平坦化層を兼ねて電気絶縁層26を形成してもよい。
尚、コア基板22のランド部25bが存在する面に配線を形成する場合も、上記と同様である。
図10および図11は、本発明の多層配線基板の製造方法の他の実施形態を、上述の多層配線基板41を例として説明するための工程図である。
本発明の多層配線基板の製造方法では、まず、上述の製造方法の第1の形態(図5(A)〜図6(B))と同様にして、コア基板用のコア材42′にスルーホール44を形成し、絶縁層43をコア材42′の表面およびスルーホール44の内壁面に形成する。次いで、コア材42′の一方の面42′b側から下地導電薄膜57を形成し、この下地導電薄膜57上に所望のレジストパターン58を形成し、その後、上記の下地導電薄膜57を給電層として電解めっきにより銅、銀、金等の導電材料を析出させる。これにより、スルーホール44内部を所定の深さまで充填し、かつ、コア材42′の面42′b側にレジストパターン58から突出するような電解めっき部位51を形成する(図10(A))。
次いで、コア材42′の面42′a側からスルーホール44内の下地導電薄膜59上に導電材料を充填して、充填導電材料部位53を形成する(図10(C))。この充填導電材料部位53は、銀ペースト、銅ペースト等の導電性ペーストを用いてスクリーン印刷法等によりスルーホール44に充填し、次いで熱処理することにより導電性を付与して形成することができる。また、スルーホール44の開口部に半田ボールを載置し、この半田ボールを溶融して流し込むことにより充填導電材料部位53を形成してもよい。ここでは、充填する導電材料の量を、スルーホール44を完全に埋めることができるような量よりも少なく設定することにより、形成された充填導電材料部位53を、スルーホール44内部において電解めっき部位51と空隙を生じることなく接触させることができる。
次に、上述の実施形態と同様にして、コア基板42の一方の面42aに、平坦化層を兼ねて電気絶縁層46を形成し、この上に電気絶縁層を介して配線を形成することにより、多層配線基板41が得られる。尚、コア基板42の両面に、平坦化層を兼ねて電気絶縁層46を形成してもよい。
尚、コア基板42のランド部45bが存在する面に配線を形成する場合も、上記と同様である。
図12〜図14は、本発明の多層配線基板の製造方法の他の実施形態を、上述の多層配線基板61を例として説明するための工程図である。
本発明の多層配線基板の製造方法では、コア基板用のコア材62′の一方の面62′aに所定のマスクパターン75を形成し、このマスクパターン75をマスクとしてICP−RIE法によるドライエッチング加工によりコア材62′に所定の大きさで微細孔64′を穿設する(図12(A))。微細孔64′の深さは、作製するコア基板の厚みを考慮して設定することができる。尚、コア材62′の片面にマスクパターンを形成し、この面からサンドブラスト法により微細孔64′を形成してもよい。
次いで、下地導電薄膜77上に所望のレジストパターン78を形成し(図12(C))、その後、上記の下地導電薄膜77を給電層として電解めっきにより銅、銀、金等の導電材料を析出させて、電解めっき部位71を形成する(図13(A))。
次に、上述の実施形態と同様にして、コア材62′の一方の面62′a側に、平坦化層を兼ねて電気絶縁層66を形成し、この電気絶縁層66上に、1層目の電気絶縁層69aを介しビア部67aにて所定のスルーホール64の導電材料65(ランド部65a)に接続された1層目の配線68aを形成し、さらに、2層目の電気絶縁層69bを介しビア部67bにて所定の1層目配線68aに接続されるように2層目の配線68bを形成する(図14(A))。
本発明の多層配線基板の製造方法は、上述の実施形態に示されるものに限定されるものではなく、配線の層構成が3層以上の多層配線基板や、コア基板の両面に配線を備える多層配線基板を製造する場合にも適用することができる。
[実施例1]
コア材として、厚み300μmのシリコンウエハを準備し、このコア材の一方の面にプラズマCVD法により窒化シリコン膜(厚み5μm)を成膜した。次いで、この窒化シリコン膜上に、ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製 OFPR−800)を塗布し、スルーホール形成用のフォトマスクを介して露光、現像することによりレジストパターンを形成した。次に、CF4をエッチングガスとして、レジストパターンから露出している窒化シリコン膜をドライエッチングし、その後、レジストパターンを専用剥離液で剥離し、窒化シリコンからなるマスクパターンを形成した。上記のシリコンウエハのXY方向(シリコンウエハの表面に平行な平面)の熱膨張係数は、3ppmであった。また、マスクパターンは、直径が30μmである円形開口が60〜1000μmピッチで形成されたものであった。
次に、アセトンを用いてマスクパターンをコア材から除去した。その後、スルーホールが形成されたコア材に熱酸化処理(1050℃、20分間)を施して、コア材の表面(スルーホール内壁面を含む)に二酸化珪素からなる絶縁膜を形成した。その後、コア材の一方の面に、チタン−銅の順にスパッタリング法により下地導電薄膜を0.2μmの厚みで形成した。次いで、この下地導電薄膜上にドライフィルムレジスト(旭化成(株)製APR)をラミネートした。次いで、ランド部形成用のフォトマスクを介し露光、現像してレジストパターン(厚み10μm)を形成した。このレジストパターンをマスクとし、上記の下地導電薄膜を給電層として、電解銅めっきを行なった。これにより、スルーホール内に約20μm侵入した状態でスルーホールの開口部を塞ぎ、かつ、レジストパターンよりも突出した電解めっき部位を形成することができた。
次に、上記のコア基板の一方の面に、感光性のベンゾシクロブテン樹脂組成物(ダウ・ケミカル社製 サイクロテン4024)をスピンナー塗布し、ランド部形成のためのフォトマスクを介して露光し、現像した後、熱硬化処理を施して、ランド部が露出した電気絶縁層(厚み10μm)を形成した。
更に、同様の操作を行い、電気絶縁層を介して配線を形成した。これにより、図1に示されるような多層配線基板を得た。
まず、実施例1と同様にして、厚み300μmのシリコンウエハをコア材として準備し、このコア材にスルーホールを形成し、コア材に二酸化珪素からなる絶縁膜を形成した。次いで、チタン−銅の下地導電薄膜を0.2μmの厚みで形成し、この下地導電薄膜上にレジストパターン(厚み10μm)を形成した。このレジストパターンをマスクとし、上記の下地導電薄膜を給電層として、電解銅めっきを行なった。これにより、スルーホール内に約50μm侵入した状態でスルーホールの開口部を塞ぎ、かつ、レジストパターンよりも突出した電解めっき部位を形成した。
次に、実施例1と同様にして、コア材の両面に突出した導電材料を研磨し、レジストパターンを除去してコア基板を得た。このコア基板は、スルーホールに充填された導電材料によって表裏の導通がなされ、導電材料は、直径40μm、突出高さ10μmのランド部をコア基板面から突出して備えるものであった。
次に、実施例1と同様に、上記のコア基板の一方の面に電気絶縁層(厚み10μm)を形成し、この電気絶縁層上に配線を形成して、図2に示されるような多層配線基板を得た。
まず、実施例1と同様にして、厚み300μmのシリコンウエハをコア材として準備し、このコア材にスルーホールを形成し、コア材に二酸化珪素からなる絶縁膜を形成した。次いで、チタン−銅の下地導電薄膜を0.2μmの厚みで形成し、この下地導電薄膜上にレジストパターン(厚み10μm)を形成した。このレジストパターンをマスクとし、上記の下地導電薄膜を給電層として、電解銅めっきを行なった。これにより、スルーホール内に約150μm侵入した状態でスルーホールの開口部を塞ぎ、かつ、レジストパターンよりも突出した電解めっき部位を形成した。
次いで、コア材の他方の面に、チタン−銅の順にスパッタリング法により下地導電薄膜を0.2μmの厚みで形成した。
次に、スルーホールの開口部が存在する面の下地導電薄膜上にドライフィルムレジスト(旭化成(株)製APR)をラミネートした。次いで、ランド部形成用のフォトマスクを介し露光、現像してレジストパターン(厚み10μm)を形成した。このレジストパターンをマスクとし、上記の下地導電薄膜を給電層として、電解銅めっきを行い、スルーホール内を充填するとともに、レジストパターンよりも突出した電解めっき部位を形成した。これにより、充填導電材料部位と、これを挟むように位置する電解めっき部位からなる導電材料によってスルーホールの内部が空隙を生じることなく充填された。
次に、実施例1と同様に、上記のコア基板の一方の面に電気絶縁層(厚み10μm)を形成し、この電気絶縁層上に配線を形成して、図3に示されるような多層配線基板を得た。
コア材として、厚み625μmのシリコンウエハを準備し、このコア材の一方の面にプラズマCVD法により窒化シリコン膜(厚み5μm)を成膜した。次いで、この窒化シリコン膜上に、ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製 OFPR−800)を塗布し、スルーホール形成用のフォトマスクを介して露光、現像することによりレジストパターンを形成した。次に、CF4をエッチングガスとして、レジストパターンから露出している窒化シリコン膜をドライエッチングし、その後、レジストパターンを専用剥離液で剥離し、窒化シリコンからなるマスクパターンを形成した。上記のシリコンウエハのXY方向(シリコンウエハの表面に平行な平面)の熱膨張係数は、3ppmであった。また、マスクパターンは、直径が28μmである円形開口が200〜1000μmピッチで形成されたものであった。
次に、アセトンを用いてマスクパターンをコア材から除去した。その後、微細孔が形成されたコア材に熱酸化処理(1050℃、20分間)を施して、コア材の表面(微細孔内壁面を含む)に二酸化珪素からなる絶縁膜を形成した。
次いで、銅粒子を分散含有する導電性ペーストをスクリーン印刷により微細孔内に充填し、硬化処理(170℃、20分間)を施した。これにより、微細孔内を充填するとともに、微細孔の開口部を塞ぎ、かつ、レジストパターンよりも突出した充填導電材料部位を形成した。これにより、電解めっき部位と充填導電材料部位からなる導電材料によって微細孔の内部が空隙を生じることなく充填された。
次に、実施例1と同様にして、コア材の片面に突出した導電材料を研磨し、レジストパターンを除去してコア基板を得た。このコア基板は、スルーホールに充填された導電材料によって表裏の導通がなされ、導電材料は、直径40μm、突出高さ10μmのランド部をコア基板の一方の面から突出して備えるものであった。
次に、実施例1と同様にして、上記のコア基板の一方の面(ランド部が存在する面)に電気絶縁層(厚み10μm)を形成し、この電気絶縁層上に配線を形成して、図4に示されるような多層配線基板を得た。
まず、実施例1と同様にして、厚み300μmのシリコンウエハをコア材として準備し、このコア材にスルーホールを形成し、コア材に二酸化珪素からなる絶縁膜を形成した。
次に、コア材上にドライフィルムレジスト(旭化成(株)製APR)をラミネートした。次いで、ランド部形成用のフォトマスクを介し露光、現像してレジストパターン(厚み10μm)を形成した。
次に、実施例1と同様に、上記のコア基板の一方の面に電気絶縁層(厚み10μm)を形成し、この電気絶縁層上に配線を形成して、比較の多層配線基板を得た。
上述の多層配線基板(実施例1〜4、比較例)について、下記の条件で熱衝撃試験を行なって、スルーホールを介した表裏導通における断線発生の有無を評価した。その結果、本発明の多層配線基板(実施例1〜4)は、いずれのスルーホールにおいても断線発生は確認されなかった。しかし、比較例の多層配線基板では、約5%の確率で断線が発生した。
(熱衝撃試験の条件)
−55℃で15分間保持した後、30分で125℃まで加熱し、125℃に15
分間保持し、次いで、30分で−55℃まで冷却するという工程を1000回繰
り返す。
2,22,42,62…コア基板
4,24,44,64…スルーホール
5,25,45,65…導電材料
5a,5b,25a,25b,45a,45b,65a…ランド部
11,12,31,32,51,52,71…電解めっき部位
13,33,53,73…充填導電材料部位
6,26,46,66…電気絶縁層
7a,7b,27a,27b,47a,47b,67a,67b…ビア部
8a,8b,28a,28b,48a,48b,68a,68b…配線
9a,9b,29a,29b,49a,49b,69a,69b…電気絶縁層
Claims (21)
- コア基板と、該コア基板上に電気絶縁層を介して形成された配線とを備えた多層配線基板において、
前記コア基板は、複数のスルーホールと、該スルーホール内に位置して表裏の導通をとる導電材料を備え、前記コア基板の少なくとも一方の面において前記導電材料がコア基板表面から突出して前記スルーホールの開口部よりも大きなランド部をなし、前記導電材料は少なくとも電解めっき部位と充填導電材料部位からなることを特徴とする多層配線基板。 - 前記コア基板は、XY方向の熱膨張係数が2〜20ppmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。
- 前記電解めっき部位は、銅、銀、金のいずれかからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多層配線基板。
- 前記充填導電材料部位は、導電性ペーストからなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の多層配線基板。
- 前記充填導電材料部位は、半田からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の多層配線基板。
- 前記半田は、スズ−亜鉛系、スズ−銀系、スズ−ビスマス系、スズ−鉛系のいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の多層配線基板。
- 前記スルーホールの内径は10〜300μmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の多層配線基板。
- 前記ランド部の径は前記スルーホールの開口径より20〜200μmの範囲で大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の多層配線基板。
- 前記ランド部のコア基板表面からの突出高さは5〜20μmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の多層配線基板。
- コア基板と、該コア基板上に電気絶縁層を介して形成された配線とを備えた多層配線基板の製造方法において、
該コア材に所定の大きさで微細孔を穿設してスルーホールを形成する工程と、
前記コア材の一方の面に下地導電薄膜を形成し、コア材上の該下地導電薄膜上に所望のレジストパターンを形成し、該面側から電解めっきを行なうことにより、前記スルーホール内の所定の深さまで達し、かつ、前記レジストパターンから突出する電解めっき部位を形成する工程と、
前記コア材の他方の面から前記スルーホール内に導電材料を充填して、スルーホール内にて前記電解めっき部位と接続する充填導電材料部位を形成し、その後、該コア材面と前記スルーホール内に下地導電薄膜を形成し、次いで、該コア材面に所望のレジストパターンを形成し、該面側から電解めっきを行なうことにより、前記スルーホール内を満たし、かつ、前記レジストパターンから突出する電解めっき部位を形成する工程と、
両面に突出する電解めっき部位を研磨し、その後、前記レジストパターンを除去してコア基板を形成する工程と、
該コア基板の少なくとも一方の面に電気絶縁層を介して配線を形成する工程と、を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。 - コア基板と、該コア基板上に電気絶縁層を介して形成された配線とを備えた多層配線基板の製造方法において、
該コア材に所定の大きさで微細孔を穿設してスルーホールを形成する工程と、
前記コア材の一方の面に下地導電薄膜を形成し、コア材上の該下地導電薄膜上に所望のレジストパターンを形成し、該面側から電解めっきを行なうことにより、前記スルーホール内の所定の深さまで達し、かつ、前記レジストパターンから突出する電解めっき部位を形成する工程と、
前記コア材の他方の面と前記スルーホール内に下地導電薄膜を形成し、コア材上の前記下地導電薄膜上に所望のレジストパターンを形成し、該面側から電解めっきを行なうことにより、スルーホール内を含む前記下地導電薄膜上に電解めっきにより電解めっき部位を形成し、その後、前記スルーホール内に導電材料を充填して、前記レジストパターンから突出する充填導電材料部位を形成する工程と、
両面に突出する電解めっき部位と充填導電材料部位とを研磨し、その後、前記レジストパターンを除去してコア基板を形成する工程と、
該コア基板の少なくとも一方の面に電気絶縁層を介して配線を形成する工程と、を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。 - コア基板と、該コア基板上に電気絶縁層を介して形成された配線とを備えた多層配線基板の製造方法において、
該コア材に所定の大きさで微細孔を穿設してスルーホールを形成する工程と、
前記コア材の一方の面に下地導電薄膜を形成し、コア材上の該下地導電薄膜上に所望のレジストパターンを形成し、該面側から電解めっきを行なうことにより、前記スルーホール内の所定の深さまで達し、かつ、前記レジストパターンから突出する電解めっき部位を形成する工程と、
前記コア材の他方の面と前記スルーホール内に下地導電薄膜を形成し、前記スルーホール内に導電材料を充填して、スルーホール内にて前記電解めっき部位と接続する充填導電材料部位を形成し、その後、該コア材面の前記下地導電薄膜上に所望のレジストパターンを形成し、該面側から電解めっきを行なうことにより、前記スルーホール内を満たし、かつ、前記レジストパターンから突出する電解めっき部位を形成する工程と、
両面に突出する電解めっき部位を研磨し、その後、前記レジストパターンを除去してコア基板を形成する工程と、
該コア基板の少なくとも一方の面に電気絶縁層を介して配線を形成する工程と、を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。 - 前記スルーホールの形成方法は、ICP−RIE法またはサンドブラスト法であることを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記スルーホールを形成した後、スルーホール内部を含むコア材表面に絶縁層を形成することを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
- コア基板と、該コア基板上に電気絶縁層を介して形成された配線とを備えた多層配線基板の製造方法において、
コア基板用のコア材の一方の面に所定の深さで微細孔を穿設する工程と、
前記コア材の微細孔形成面側に微細孔内部を含めて下地導電薄膜を形成し、コア材上の該下地導電薄膜上に所望のレジストパターンを形成し、該面側から電解めっきを行なうことにより、微細孔内部を含む前記下地導電薄膜上に電解めっきにより電解めっき部位を形成する工程と、
前記微細孔内に導電材料を充填して、前記レジストパターンから突出する充填導電材料部位を形成する工程と、
レジストパターンから突出する前記充填導電材料部位を研磨し、その後、前記レジストパターンを除去する工程と、
前記コア材の他方の面を研磨して前記微細孔内の電解めっき部位を露出させることによりスルーホールを形成する工程と、
該コア基板の少なくとも一方の面に電気絶縁層を介して配線を形成する工程と、を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。 - 前記微細孔の形成方法は、ICP−RIE法またはサンドブラスト法であることを特徴とする請求項15に記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記微細孔を形成した後、微細孔内部を含むコア材表面に絶縁層を形成することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記電解めっき部位の形成方法は、電解銅めっき法、電解銀めっき法、電解金めっき法のいずれかであることを特徴とする請求項10乃至請求項17のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記充填導電材料部位の形成方法は、導電性ペーストを印刷法により前記スルーホール内に充填し乾燥硬化する方法であることを特徴とする請求項10乃至請求項18のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記充填導電材料部位の形成方法は、半田を溶融して流し込む方法であることを特徴とする請求項10乃至請求項18のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記コア材は、XY方向の熱膨張係数が2〜20ppmの範囲内であるシリコン、セラミック、ガラス、ガラス−エポキシ複合材料のいずれかであることを特徴とする請求項10乃至請求項20のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
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