JP2005036234A - ウレタンポリオールプレポリマー、多孔性ポリウレタン体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 貯蔵及び取り扱いが容易なウレタンポリオールプレポリマーを含む多孔性ポリウレタン体及びこの製造方法が開示されている。
【解決手段】 前記ウレタンポリオールプレポリマーは、常温で半固体状態又は固体状態であり、ポリマーの主鎖にウレタン基を有し、作用基として水酸基を少なくとも2つ含んでいる。前記方法は、前記ウレタンポリオールプレポリマーを加熱溶融させて、ウレタンポリオールプレポリマーの水酸基と反応するイソシアネート基を含むイソシアネート化合物及びウレタン硬化触媒剤を投入及び高速攪拌して、機械発泡物を形成する。形成された機械発泡物を常温冷却又は圧縮冷却して、多孔性ポリウレタン体を形成する。前述した方法で形成された多孔性ポリウレタンは、溶剤や乾燥機を使用せず溶融攪拌で収得され、化学的物性及び物理的物性も優れた特性を有している。
【選択図】 図1
Description
本発明のウレタンポリオールプレポリマーは、常温で半固体状態又は固体状態であり、ポリマーの主鎖にウレタン基を有し、作用基として水酸基(Hydroxyl;−OH)を少なくとも2つ含み、120℃で溶融粘度が500〜100000cpsである特性を有する。
本発明の多孔性ポリウレタン体は、厚さの調節が容易であり、耐溶剤性、耐熱性、剥離強度、及び引裂強度等の物理的性能と化学的性能面でも優れ、従来方法の問題点であった厚さの均一性問題を解決することができる。又、このような多孔性ポリウレタン体は、発泡シート形状物、無発泡シート形状物、又は不織布及び繊維に塗布して用いる場合にも同じ特徴を有する。
ウレタンポリオールプレポリマーの合成
丸底フラスクに温度計、窒素投入装置、混合器、及び加熱装置を装着して反応器を設ける。ここに、ポリテトラメチレングリコール(PolyTetraMethyleneGlycol;PTMG、Mw=2000、BASF)400gと、1,6−ヘキサンジオールアジピン酸エステル(Hexanediol adipic acid ester、Mw=2000、デウォンポリマー(株))400gを投入した後、110℃に昇温して1時間真空脱泡した。次いで、窒素ガスを投入すると共に、真空を除去して温度を50℃に冷却した。ここに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(diphenyMethane diisocyanate;p−MDI、錦湖ミツイ化学)50gを投入した後、温度を75℃に昇温して1時間窒素を通過させながら反応させた。反応1時間後、試料を採取して、FT−IR装置を用いて、イソシアネート官能基に由来する2200cm−1付近のピークが完全に無くなることを確認した。前記イソシアネート官能基が無くなることが確認された後、反応物を離型紙上に広げて冷却させて、常温では半固体又は固体状態であり、主鎖にウレタン基を有し、作用基として水酸基を2〜4つ含むウレタンポリオールプレポリマーを合成した。ここで、収得されたウレタンポリオールプレポリマーの粘度は、120℃で3900cps(Brookfield LVDV−II+、#3、12rpm)である。
多孔性ポリウレタン体の合成
前記実施例1で収得されたウレタンポリオールプレポリマーを120℃で加熱溶融させた後、保温容器内で120℃に維持した。次いで、イソシアネート化合物(商品名:COSMONATE LL(錦湖ミツイ化学))及びアミン系硬化触媒剤(商品名:PC CAT TD 33(ドイツNitroil社))と整泡剤(商品名:DC−193(ダウコーニング))が5:30の重量%で混合された混合物を、保温容器内で30℃に維持した。次いで、120℃に保温される保温容器に、ウレタンポリオールプレポリマー、イソシアネート化合物、及びアミン系硬化触媒剤と整泡剤混合物を、全体100重量%に対して、85:17:1.8の重量%になるように、投入した後、5000rpmで1秒間高速攪拌した。続けて、窒素ガスを注入すると共に、クリーム形状の気泡が発生されるように、5000rpmで2秒間高速攪拌して、密度が0.3である機械発泡物を形成した。次いで、形成された機械発泡物を柔らかい離型紙上に広げて、コーティングバーを用いて塗布厚さが450μmになるように均一に塗布した。次いで、室温で冷却して、均一で微細な連続多孔を有し、厚さが450μmであり、物性が高いシート形状の多孔性ポリウレタン体を収得した。前記多孔性ポリウレタン体の物性は、表1に記載されており、この断面構造を示す電子顕微鏡写真が図1に図示されている。
前記実施例2と同じ方法で形成された発泡混合物を離型紙上に塗布した後、塗布物上に別の離型紙を差し込んで塗布厚さが400μmになるようにマングルロール(mangle roll)を用いて圧縮し、室温で冷却させて均一で微細な多孔を有し、厚さが400μmであり、物性が高いシート形状の多孔性ポリウレタン体を収得した。前記多孔性ポリウレタン体の物性は表1に記載されている。
前記実施例2と同じ方法で形成された発泡混合物を離型紙上に塗布した後、塗布物上に別の離型紙を差し込んで塗布厚さが300μmになるようにマングルロールを用いて圧縮塗布した。そして、室温で冷却させて均一で微細な多孔を有し、厚さが300μmであり、物性が高いシート形状の多孔性ポリウレタン体を収得した。前記多孔性ポリウレタン体の物性は表1に記載されている。
実施例2と同じ方法で発泡混合物を形成するが、前記ウレタンポリオールプレポリマーを常温で6日間(25℃、75RH%)放置した後に使用し、コーティング厚さが450μmになるようにコーティングバーを用いて均一に塗布した。次いで、室温で冷却させて均一で微細な多孔を有し、厚さが450μmであり、物性が高いシート形状の多孔性ポリウレタン体を収得した。前記多孔性ポリウレタン体の物性は、表1に記載されており、この断面の構造を示す電子顕微鏡写真が図2に図示されている。
実施例1のウレタンポリオールプレポリマーの代わりに、特許文献1に公知されたイソシアネート含有熱可塑性ウレタン樹脂であるエステル系ウレタンプレポリマーを常温で6日間(25℃、75RH%)放置した後に使用した。
市販中で、湿式法により形成され、厚さが300μmであるポリウレタン多孔性シートを準備した後、前記ポリウレタン多孔性シートの物性を測定して表1に記載した。
多孔性ポリウレタン体を適用した人造皮革の製造
前記実施例1で収得されたウレタンポリオールプレポリマーを120℃で加熱溶融させた後、保温容器内で120℃に維持した。次いで、イソシアネート化合物(商品名:SP−120V、(株)ヘプスケム(HEPCE CHEM CO., Ltd.、NCO=19%)、及びアミン系硬化触媒剤(商品名:PC CAT TD 33(ドイツNitroil社))と整泡剤(商品名:DC−193(ダウコーニング))が5:30の重量%に混合された混合物を保温容器内で30℃に維持した。次いで、120℃に保温した保温容器にウレタンポリオールプレポリマー、イソシアネート化合物、及びアミン系硬化触媒剤と整泡剤混合物を全体100重量%に対して、85:17:1.8の重量%になるように、投入した後、5000rpmで1秒間高速攪拌した。次いで、窒素ガスを注入すると共に、クリーム形状の気泡が発生されるように、5000rpmで2秒間高速攪拌して密度が0.3である機械発泡物を形成した。次いで、形成された機械発泡物を、着色させた厚さ30μmのウレタン弾性重合体の表皮を塗布乾燥させたエンボシング離型紙上に広げて、コーティングバーを用いて塗布厚さが300μmになるように均一に塗布した。次いで、ウレタン含浸不織布を接合させて室温で冷却させた。室温で1日間放置した後に離型紙を剥離して、運動靴用規格を満足させる、常温屈曲性20万回以上、剥離強度2.5kg/cm以上であり、天然皮革の外観が優れ、均一で微細な連続多孔を有する人工皮革を収得した。この断面構造を示す電子顕微鏡写真が図4に図示されている。
前記実施例6の方法を適用して収得された人工皮革を95℃で加熱した後、エンボスロールを用いてエンボス加工することにより、鋭いエンボシングを有する天然皮革と類似なエンボシング人工皮革を収得した。この断面電子顕微鏡写真を図5に図示する。
Claims (25)
- 常温で半固体又は固体状態であり、ポリマーの主鎖にウレタン基を有し、作用基として水酸基(Hydroxyl)を少なくとも2つ含むウレタンポリオールプレポリマー(Urethane Polyol Prepolymer)。
- 前記ウレタンポリオールプレポリマーは、120℃で溶融粘度が500〜100000mPasであり、ポリオールとイソシアネートが70〜120℃下で添加反応することにより形成されることを特徴とする請求項1記載のウレタンポリオールプレポリマー。
- 前記ポリオールと前記イソシアネートの混合比は、前記イソシアネート1当量に対して、ポリオール1.1〜2.5当量を混合することを特徴とする請求項2記載のウレタンポリオールプレポリマー。
- 前記ポリオールは、ポリエステル系ポリオール、ラクトン系ポリオール、ポリカボネート系ポリオール、及びポリエーテル系ポリオールからなる群から選択された少なくとも一つの物質であることを特徴とする請求項2記載のウレタンポリオールプレポリマー。
- 前記イソシアネートは、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リシンイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、カルボジイミド基を含むポリイソシアネート、アロファネート基を含むポリイソシアネート、及びイソシアヌレート基を含むポリイソシアネートからなる群から選択された少なくとも一つの物質であることを特徴とする請求項2記載のウレタンポリオールプレポリマー。
- ポリマーの主鎖にウレタン基を有し、作用基として水酸基を少なくとも2つ含むウレタンポリオールプレポリマーに、前記水酸基と反応するイソシアネート基(−NCO)を含むイソシアネート化合物及びウレタン硬化触媒剤を投入混合した後、高速攪拌又は気体を導入してクリームのような機械発泡物を形成させ、これを常温で冷却又は常温で圧縮冷却することにより収得される多孔性ポリウレタン体。
- 前記ウレタンポリオールプレポリマーと前記イソシアネート化合物の混合比は、前記ウレタンポリオールプレポリマー1当量に対して、前記イソシアネート0.8〜3当量を混合することを特徴とする請求項6記載の多孔性ポリウレタン体。
- 前記ウレタンポリオールプレポリマーは、常温で半固体又は固体状態を有し、120℃で溶融粘度が500〜100000mPasであり、ポリオールとイソシアネートが70〜120℃下で添加反応されることにより形成されることを特徴とする請求項6記載の多孔性ポリウレタン体。
- 前記ポリオールとイソシアネートの混合比は、前記イソシアネート1当量に対して、ポリオール1.1〜2.5当量を混合することを特徴とする請求項8記載の多孔性ポリウレタン体。
- 前記ポリオールは、ポリエステル系ポリオール、ラクトン系ポリオール、ポリカボネート系ポリオール、及びポリエーテル系ポリオールからなる群から選択された少なくとも一つの物質であることを特徴とする請求項8記載の多孔性ポリウレタン体。
- 前記イソシアネートは、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リシンイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、カルボジイミド基を含むポリイソシアネート、アロファネート基を含むポリイソシアネート、及びイソシアヌレート基を含むポリイソシアネートからなる群から選択された少なくとも一つの物質であることを特徴とする請求項8記載の多孔性ポリウレタン体。
- 前記イソシアネート化合物は、単分子型イソシアネート又は前記単分子型イソシアネートを含むイソシアネートプレポリマーであることを特徴とする請求項6記載の多孔性ポリウレタン体。
- 前記イソシアネート化合物及びウレタン硬化触媒の投入時、整泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候性向上剤、消臭剤、透湿性向上剤、伝導性付与剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、カップリング剤、発水剤、加水分解防止剤、染料、顔料、充填剤、中空発泡剤、熱分解型発泡剤、結晶水含有化合物、ジオクチルフタル酸エステル、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂からなる群のうち、少なくとも一つの物質が更に添加されることを特徴とする請求項6記載の多孔性ポリウレタン体。
- (a)常温で半固体又は固体状態であり、ポリマーの主鎖にウレタン基を有し、作用基として水酸基を少なくとも2つ含むウレタンポリオールプレポリマーを準備する段階と、
(b)前記ウレタンポリオールプレポリマーを40〜250℃で溶融させる段階と、
(c)前記溶融されたウレタンポリオールプレポリマーに、前記水酸基と反応するイソシアネート基を少なくとも2つ含むイソシアネート化合物及びウレタン硬化触媒剤を添加して攪拌混合させる段階と、
(d)前記攪拌混合された物質を高速攪拌又は気体を導入することにより、クリームのような機械発泡物を形成する段階と、
(e)前記機械発泡物を常温で冷却又は常温で圧縮冷却させる段階と、を含む多孔性ポリウレタン体の製造方法。 - 前記ウレタンポリオールプレポリマーと前記イソシアネート化合物の混合比は、前記ウレタンポリオールプレポリマー1当量に対して、前記イソシアネート0.8〜3当量を混合することを特徴とする請求項14記載の多孔性ポリウレタン体の製造方法。
- 前記ウレタンポリオールプレポリマーは、120℃での溶融粘度が500〜100000mPasであり、ポリオールとイソシアネートを70〜120℃で添加反応させることにより形成されることを特徴とする請求項14記載の多孔性ポリウレタン体の製造方法。
- 前記ポリオールとイソシアネートの混合比は、前記イソシアネート1当量に対して、ポリオール1.1〜2.5当量を混合することを特徴とする請求項16記載の多孔性ポリウレタン体の製造方法。
- 前記ポリオールは、ポリエステル系ポリオール、ラクトン系ポリオール、ポリカボネート系ポリオール、及びポリエーテル系ポリオールからなる群から選択された少なくとも一つの物質であることを特徴とする請求項16記載の多孔性ポリウレタン体の製造方法。
- 前記イソシアネートは、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リシンイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、カルボジイミド基を含むポリイソシアネート、アロファネート基を含むポリイソシアネート、及びイソシアヌレート基を含むポリイソシアネートからなる群から選択された少なくとも一つの物質であることを特徴とする請求項16記載の多孔性ポリウレタン体の製造方法。
- 前記イソシアネート化合物は、イソシアネート基を少なくとも2つ含む単分子型イソシアネート又は前記単分子型イソシアネートとポリオールの添加反応により収得されるイソシアネートプレポリマーを含むことを特徴とする請求項14記載の多孔性ポリウレタン体の製造方法。
- 前記イソシアネートプレポリマーは、20〜120℃の温度条件で添加反応することにより収得されることを特徴とする請求項20記載の多孔性ポリウレタンの製造方法。
- 前記攪拌混合する段階は、
前記溶融されたウレタンポリオールプレポリマーに、前記ウレタン硬化触媒剤を添加して第1攪拌混合させる段階と、
前記第1攪拌混合された混合物に、水酸基と反応するイソシアネート基を少なくとも2つ含むイソシアネート化合物を添加して第2攪拌混合させる段階と、を含むことを特徴とする請求項14記載の多孔性ポリウレタン体の製造方法。 - 前記(c)段階において、整泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候性向上剤、消臭剤、透湿性向上剤、伝導性付与剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、カップリング剤、発水剤、加水分解防止剤、染料、顔料、充填剤、中空発泡剤、熱分解型発泡剤、結晶水含有化合物、ジオクチルフタル酸エステル、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂からなる群から選択された少なくとも一つの物質が更に添加されることを特徴とする請求項14記載の多孔性ポリウレタン体の製造方法。
- 前記(d)段階の以後に、機械発泡物をシート形状物上に塗布する段階を更に含むことを特徴とする請求項14記載の多孔性ポリウレタン体の製造方法。
- 前記シート形状物は、不織布、繊維織物、プラスチックシート、及び編物で構成された群から選択された一つであることを特徴とする請求項24記載の多孔性ポリウレタン体の製造方法。
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