JP2004512587A - 無人搬送車、その運行制御システムおよび方法、および自走車 - Google Patents

無人搬送車、その運行制御システムおよび方法、および自走車 Download PDF

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Abstract

各種情報の通信時間を大幅に短縮することで無人搬送車の待ち時間を実質的になくし、無人搬送車の搬送効率および作業ステーションや製造ライン全体の稼働率を向上させるとともに、無人搬送車の運行制御システムの柔軟性を向上させる。無人搬送車1に、ローカルエリアネットワークに接続された運行制御装置または他の無人搬送車との間で情報の受け渡しを無線で行う無線ローカルエリアネットワークアダプタ11と、少なくとも運行制御装置または他の無人搬送車からの情報および無人搬送車自体に関する情報を格納する記憶部12と、無線ローカルエリアネットワークアダプタおよび記憶部を制御する制御部14とを備えた。

Description

技術分野
【0001】
本発明は、複数台の無人搬送車または自立走行する機能を備えた自走車およびそれらの運行管理システムおよび方法に関し、特に、複数台の無人搬送車とそれらの管理装置との間、および複数台の無人搬送車間での情報伝達技術に関するものである。
【0002】
背景技術
従来、自動化や省力化を目的とした無人搬送車システムに用いられている無人搬送車の走行制御には、コスト的および技術的に有利な無軌道の固定経路による誘導方式が一般的に採用されている。かかる固定経路は、無人倉庫や工場などの床面に誘導テープの貼着などによる誘導ラインにより設定され、無人搬送車は、ライン検出用センサで誘導ラインを電磁気的または光学的な方式により検出しながら誘導ラインに沿って自動走行する。このような誘導ラインは、一般に環状の走行経路に形成されるとともに、その環状の複数箇所に短絡走行路や充電エリアを設けたレイアウトになっている。そして、環状の誘導ラインに沿った外側の適所には、被搬送物の荷積みや荷下ろしを行うための複数のワークステーションが設けられているとともに、環状路の内部に充電用ステーションが設けられている。
【0003】
また、上記の誘導ラインには複数台の無人搬送車が配置されており、これらの無人搬送車は、工場設備やワークステーションを管理する工場ホストコンピュータから、ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して、運行制御装置に搬送要求が与えられた場合に、運行制御装置から無線により走行データや搬送に関する情報が与えられた後、発車指示に基づいて走行を開始して指令された搬送や作業を行う。
【0004】
ところで、従来の運行制御装置と無人搬送車との間の情報伝達方式は、運行制御装置の制御部がRS232C準拠のケーブルで無線機と接続され、無人搬送車の制御部も同様にRS232C準拠のケーブルで無線機と接続されていて、無線機同士が例えばSS無線方式(スペクトラム拡散方式)で通信する方式を採用している。運行制御装置の制御部が、RS232Cケーブルを介してシリアル通信で無線機へコマンドを送信し、運行制御装置の無線機が、無人搬送車の無線機にSS無線方式でコマンドを無線送信することで、無人搬送車の制御部は、RS232Cケーブルを介してシリアル通信で運行制御装置からのコマンドを受信していた。
【0005】
図11に、従来の搬送開始処理において、運行制御装置と無人搬送車との間での情報(コマンド、ステータス)の受け渡し状態および処理内容を示す。
【0006】
まず、無人搬送車から運行制御装置に対して走行データダウンロード(D/L)要求が出されると、運行制御装置は走行データと搬送に関する付加情報をメモリに書き込んで、まず、無人搬送車に走行データを転送する。無人搬送車は、走行データの受取確認のために走行データ転送応答を運行制御装置に送る。これを受けて運行制御装置は、次に、付加情報を無人搬送車に転送する。無人搬送車は付加情報の受取確認のために付加情報転送応答を運行制御装置に送る。
【0007】
これにより、走行データと付加情報が無人搬送車に転送されたので、運行制御装置は、無人搬送車が発車OKの状態にあることを確認したうえで発車指示を無人搬送車に送る。無人搬送車は、発車指示の受取確認のために発車指示応答を運行制御装置に送り、走行を開始する。無人搬送車は、現在位置から指令された荷積みステーションまで空のまま走行して、荷積みステーションで被搬送物を受取った後に、その被搬送物を指示された荷下ろしステーションまで搬送して当該ステーションに供給すると、搬送完了通知を運行制御装置に送って指定された搬送を完了する。
【0008】
次に、誘導ラインが合流するエリアに進入する際の制御方法について説明する。
【0009】
図12に、従来の合流制御処理において、運行制御装置と無人搬送車との間での情報の受け渡し状態および処理内容を示す。
【0010】
無人搬送車が、誘導ラインの合流エリアに進入しようとする場合、まず発車許可要求を運行制御装置に送る。これを受けて運行制御装置は、進入要求エリアに発車許可要求を送ってきた無人搬送車以外の無人搬送車が存在するか否かを判断し、存在しなければ即座に発車許可を無人搬送車に送る。一方、進入要求エリアに発車許可要求を送ってきた無人搬送車以外の無人搬送車が存在する場合、運行制御装置は、発車許可要求を送ってきた無人搬送車以外の無人搬送車が進入要求エリアから出るまで待ち、次に、発車要求を出した無人搬送車が当該エリアを占有することを記憶して、無人搬送車に発車許可を送る。
【0011】
しかしながら、上記従来の情報伝達方式では、単位時間あたりの通信量が少なく、無人搬送車に動作を指示するまでに時間を要し、無人搬送車に待ち時間が生じるため、無人搬送車の搬送能力が低下するという問題点があった。
【0012】
例えば、従来のRS232Cによる通信の場合、データの転送レートは9.6Kbpsであり、運行制御装置から無人搬送車に、走行データの転送に約3sec、発車指示に約0.5secと合計3.5secの時間を要していた。したがって、搬送が完了してから次の搬送を開始するまで、約3.5secの待ち時間が必要であった。
【0013】
また、運行制御装置が、無人搬送車のメモリに格納されているトラブル、搬送中、移載中、停止中、充電中、手動操作中、待機中などの状態データをアクセスして、その内容を更新するには、無人搬送車が例えば20台あるとすると、約0.5×20=10secの時間を要していた。
【0014】
また、20台の無人搬送車が所定のエリアに進入しようとするときから発車許可を与えるまでに無人搬送車が走行する平均距離Lは、無人搬送車の速度を40m/分とすると、L=20×0.5sec×0.66=6.6mとなる。したがって、無人搬送車同士の衝突を回避するためブロッキング制御を行うにあたって、所定のエリアに進入する直前に、進入許可または進入不可を確認する通信を行うための約6.6m以上の確認区間を設けるか、または所定のエリアの入口で必ず無人搬送車を停止させて、進入許可または進入不可の確認を行い、発車指示を出す必要があった。そのために、確認区間を走行するスペースが余分にかかる面積生産性のロスの問題があり、または、所定のエリアの中に他の無人搬送車がいない場合でも必ず入口で停止することによる時間ロスが問題となるものであった。
【0015】
また、無人搬送車のトラブル解析のために、運行制御装置が、無人搬送車に格納されている操作履歴や動作履歴のような大容量のデータを読み出そうとすると、通信時間がかかるため、無人搬送車の待ち時間が増大し、搬送能力が低下していた。
【0016】
また、上記のトラブル解析の結果を無人搬送車に反映させるため、無人搬送車の搬送制御ソフトウェアが格納されている組み込みROMを入れ換える場合、無人搬送車毎に搬送を停止させてROM交換を行うために、無人搬送車を停止させる時間と人手による作業が必要となり、その間、製造ラインを停止しなければならないという問題点があった。
【0017】
さらに、従来の情報伝達方式の問題点として、無線通信のための処理(通信プロセス)が必要であり、通信データそれぞれについて通信プロトコルを決定しなければならず、そのため通信データの種類が増えるたびに、通信プロトコルを決定し直す必要があった。
【0018】
また、通信プロセスは運行制御装置と無人搬送車の双方に必要で、それぞれソフトウェアの開発投資が必要になる。
【0019】
また、通信効率を向上させようとすると、ポーリング方式の高速処理化や、相互競合通信方式にするなど、通信プロセスのソフトウェア上の構造が複雑になるという問題点があった。
【0020】
また、通信内容を変更する場合には、通信プロトコルおよび通信プロセスの改造や追加が必要であった。
【0021】
発明の開示
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、各種情報の通信時間を大幅に短縮することで無人搬送車の待ち時間を実質的になくし、無人搬送車の搬送効率および作業ステーション全体の稼働率を向上させるとともに、無人搬送車および運行制御装置に関して柔軟性を向上させた運行制御システムおよび方法と、無人搬送車や自走車を提供することにある。
【0022】
前記の目的を達成するため、本発明に係る無人搬送車は、所定の走行経路を走行して物品の搬送またはその他の作業を行う無人搬送車であって、ローカルエリアネットワークに接続された外部装置または他の無人搬送車との間で情報の受け渡しを無線で行う無線ローカルエリアネットワークアダプタと、少なくとも外部装置または他の無人搬送車からの情報および無人搬送車自体に関する情報を格納する記憶部と、無線ローカルエリアネットワークアダプタおよび記憶部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、外部装置と無人搬送車との間、または無人搬送車間で、無線ローカルエリアネットワーク(無線LAN)を介して大容量の情報でも高速に転送することができるので、無人搬送車の搬送能力を向上させることができる。
【0024】
本発明に係る無人搬送車において、外部装置または他の無人搬送車が記憶保持している、無人搬送車における走行に必要な情報を、無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して、適時自ら参照して取得し、取得した情報に基づき、自ら走行制御を行うことが好ましい。
【0025】
この場合、走行に必要な情報には、走行する経路を指示する走行データ、無人搬送車に対する発車指示情報、無人搬送車が走行する所定のエリアへの進入を管理するエリア進入情報、無人搬送車に対する搬送要求情報、現在の走行経路から他の走行経路への経路変更を指示する走行経路変更データが含まれる。
【0026】
外部装置が、無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して参照して、搬送要求を出力する対象の無人搬送車を判断するための、現在位置情報または搬送中、待機中をはじめとする現在の状態を示す状態情報を記憶部に保持することが好ましい。
【0027】
無人搬送車が、走行に必要な情報としてエリア進入情報を、無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して取得する場合、取得したエリア進入情報に基づき、所定のエリアに自分以外の無人搬送車が存在するか否かを判断し、判断した結果に基づいて、所定のエリアに進入するか否かを決定することが好ましい。
【0028】
その際に、所定のエリアに自分以外の無人搬送車が存在しないと判断した場合、さらに、外部装置または他の無人搬送車が保持する、所定のエリアへの進入待ちを管理するエリア進入待ち情報を取得して、進入待ち情報に基づき、優先度が上位である自分以外の無人搬送車が存在しないと判断した場合、外部装置または他の無人搬送車が保持するエリア進入情報に自己の識別情報を付加して更新し、所定のエリアに進入して所定のエリアを占有することが好ましい。
【0029】
この構成によれば、従来のように、所定のエリアに進入する直前に進入許可または進入不可を確認する通信を行うための約6.6m以上の確認区間を設けたり、または、所定のエリアの入口で必ず無人搬送車を停止させて進入許可または進入不可の確認を行う必要はないので、余分な確認区間を設けることもなく、余分なスペースを設けなくて済むので面積生産性も向上する。また、無人搬送車が所定のエリアの入口で毎回停止しないので、無人搬送車の待ち時間を大幅に短縮して、搬送効率を向上させることができる。
【0030】
一方、所定のエリアに自分以外の無人搬送車が存在すると判断した場合、外部装置または他の無人搬送車が保持する、所定のエリアへの進入待ちを管理するエリア進入待ち情報に自己の識別情報および優先度を付加して更新し、所定のエリアの手前で進入待ちすることが好ましい。
【0031】
また、無人搬送車は、所定のエリアの入口手前で停止可能な走行距離を考慮した前記入口より手前の位置に設けられた、走行路上のマークまたはその他の識別手段を検出する検出手段を備え、検出手段による識別手段の検出に基づき、エリア進入情報を走行中においても取得することが好ましい。
【0032】
また、無人搬送車が、走行に必要な情報として、現在の走行経路から他の走行経路への経路変更を指示する走行経路変更データを、無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して取得する場合、取得した走行経路変更データに基づき、指示された走行経路に変更して走行することが好ましい。
【0033】
上記の構成によれば、無人搬送車が、現在の搬送に必要な情報だけでなく、その後の搬送に必要な情報も、自らの搬送状態に応じたタイミングで外部装置から取得することで、搬送効率を向上させることができる。
【0034】
また、本発明に係る無人搬送車において、外部装置による、ローカルエリアネットワークを介したリモート処理により、記憶部に格納されている搬送制御ソフトウェアを更新する、またはデータを書き換えることを可能とすることが好ましい。
【0035】
この場合、記憶部に格納されている音データを再生するメロディ再生装置を備え、外部装置による、ローカルエリアネットワークを介したリモート処理により、音データを適宜書き換えることもできる。
【0036】
上記の構成によれば、従来のように、無人搬送車の組み込みソフトウェアが格納されたROMやメロディデータ等が格納されたICを入れ換える場合に、無人搬送車毎に搬送を停止させてROM交換やIC交換を行う必要がなく、一台の外部装置、例えばネットワークコンピュータから全無人搬送車の搬送制御ソフトウェアを更新したり、メロディデータを書き換えたりすることで、無人搬送車の停止時間と作業量が大幅に軽減され、搬送を停止させる時間を大幅に短縮して、製造ライン全体の稼働率を向上させることができる。
【0037】
また、本発明に係る無人搬送車において、外部装置または他の無人搬送車との間で受け渡しを行う発車指示情報またはその他のメッセージは、外部装置または他の無人搬送車の識別番号およびタスク識別番号の少なくとも一つを含むことが好ましい。
【0038】
この構成によれば、無線ローカルエリアネットワークに接続された運行制御に寄与しない他のネットワークコンピュータや無人搬送車からの誤りメッセージを処理するのを防止することができる。
【0039】
前記の目的を達成するため、本発明に係る自走車は、自立走行する機能を有する自走車であって、ローカルエリアネットワークに接続された外部装置または他の自走車との間で情報の受け渡しを無線で行う無線ローカルエリアネットワークアダプタと、少なくとも外部装置または他の自走車からの情報および自走車自体に関する情報を格納する記憶部と、無線ローカルエリアネットワークアダプタおよび記憶部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0040】
この構成によれば、外部装置と自走車との間、または自走車間で、無線LANを介して大容量の情報でも高速に転送することができるので、自走車の走行能力を向上させることができる。
【0041】
本発明に係る自走車において、外部装置または他の自走車が記憶保持している、自走車における走行に必要な情報を、無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して、適時自ら参照して取得し、取得した情報に基づき、自ら走行制御を行うことが好ましい。
【0042】
この構成によれば、自走車が、現在の走行に必要な情報だけでなく、その後の走行に必要な情報も、自らの走行状態に応じたタイミングで外部装置から取得することで、走行能力を向上させることができる。
【0043】
前記の目的を達成するため、本発明に係る無人搬送車の運行制御システムは、所定の走行経路を走行して物品の搬送またはその他の作業を行う無人搬送車と、無人搬送車と情報の受け渡しを無線で行う外部装置とを有する無人搬送車の運行制御システムであって、無人搬送車は、ローカルエリアネットワークに接続された外部装置または他の無人搬送車との間で情報の受け渡しを無線で行う無線ローカルエリアネットワークアダプタを備え、外部装置またはいずれか1台の無人搬送車は、無人搬送車に対する発車指示情報またはその他走行に必要な情報を記憶保持し、無人搬送車は、外部装置または他の無人搬送車が記憶保持する前記走行に必要な情報を、無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して、適時自ら参照して取得し、取得した情報に基づき、自ら走行制御を行うことを特徴とする。
【0044】
この構成によれば、無人搬送車が、現在の搬送に必要な情報だけでなく、その後の搬送に必要な情報も、自らの搬送状態に応じたタイミングで外部装置から取得することで、搬送効率を向上させることができる。
【0045】
前記の目的を達成するため、本発明に係る無人搬送車の運行制御方法は、所定の走行経路を走行して物品の搬送またはその他の作業を行う無人搬送車と、ローカルエリアネットワークに接続された外部装置との間で、無線ローカルエリアネットワークを介して、情報の受け渡しを無線で行うことにより、無人搬送車の運行を制御する方法であって、外部装置またはいずれか1台の無人搬送車において、無人搬送車に対する発車指示情報またはその他走行に必要な情報を記憶保持するステップと、無人搬送車において、外部装置または他の無人搬送車が記憶保持する走行に必要な情報を、無線ローカルエリアネットワークを介して、適時自ら参照して取得するステップと、取得した情報に基づき、自ら走行制御を行うステップと含むことを特徴とする。
【0046】
この方法によれば、無人搬送車が、現在の搬送に必要な情報だけでなく、その後の搬送に必要な情報も、自らの搬送状態に応じたタイミングで外部装置から取得することで、通信効率が向上し無人搬送車の通信待ちが発生しにくくなり、搬送効率を向上させることができる。
【0047】
本発明に係る運行制御方法においては、外部装置またはいずれか1台の無人搬送車において、無人搬送車が走行する所定のエリアへの進入を管理するエリア進入情報を保持するステップと、無人搬送車において、外部装置または他の無人搬送車から無線ローカルエリアネットワークを介してエリア進入情報を取得するステップと、取得したエリア進入情報に基づき、所定のエリアに自分以外の無人搬送車が存在するか否かを判断するステップと、判断した結果に基づいて、所定のエリアに進入するか否かを決定するステップとを含むことが好ましい。
【0048】
この方法によれば、従来のように、所定のエリアに進入する直前に進入許可または進入不可を確認する通信を行うための約6.6m以上の確認区間を設けたり、または、所定のエリアの入口で必ず無人搬送車を停止させて進入許可または進入不可の確認を行う必要はないので、余分な確認区間を設けることもなく、余分なスペースを設けなくて済むので面積生産性も向上する。また、無人搬送車が所定のエリアの入口で毎回停止しないので、無人搬送車の待ち時間を大幅に短縮して、搬送効率を向上させることができる。
【0049】
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0050】
図1は、本発明の一実施形態による無人搬送車1の主要部分を示す概略構成図である。図1において、11は、ローカルエリアネットワークに接続された工場ホストコンピュータ、運行制御装置、およびネットワークコンピュータを含む外部装置との間や、無人搬送車1間で情報の受け渡しを無線で行うための無線ローカルエリアネットワークアダプタ(以下、無線LANアダプタと略称する)である。ここで、16は無線LANアダプタに接続されたアンテナである。
【0051】
12は、外部装置から無線LANアダプタ11を介して取得した走行データ、搬送に関する情報、発車指示情報や、無人搬送車自身の状態データ(トラブル、搬送中、移載中、停止中、充電中、手動操作中、搬送要求待機中)、操作履歴および動作履歴が格納されるとともに、搬送制御ソフトウェア、メロディデータ等が格納される記憶部である。記憶部12は、書き換え可能なメモリから構成され、SRAM、フラッシュROM、ハードディスクドライブ等のいずれか、またはその組み合わせか、あるいは他の構成をとることもできる。
【0052】
13は、搬送中など必要に応じて、記憶部12に格納されているメロディデータを再生して、音楽として出力するメロディデータ再生装置である。
【0053】
14は、記憶部12に格納されている搬送制御ソフトウェアに従って、無人搬送車1の走行制御をはじめとする無人搬送車全体の制御を行うためにCPUを含んだ制御部である。制御部14は、無線LANアダプタ11と、一般的な10BASETケーブルであるイーサネットケーブル(PCMCIAなどのインターフェイスでもよい)15を介して接続され、無線LANアダプタ11および記憶部12を制御して、外部装置から無線LANアダプタ11を経由して転送された走行データ、搬送に関する情報、発車指示情報などを記憶部12に格納させたり、記憶部12から読み出した状態データ、操作履歴、動作履歴などのファイル情報を、無線LANアダプタ11を経由して外部装置に転送させる。
【0054】
また、制御部14は、外部装置から記憶部12に格納されているメロディデータを更新する要求があった場合、無線LANアダプタ11および記憶部12を制御して、外部装置から無線LANアダプタ11を経由して転送されたメロディデータを記憶部12に格納させる。
【0055】
図2は、図1の無線LANアダプタ11の概略構成を示すブロック図である。図2において、16は無線周波数信号(以下、RF信号と略称するが、RF信号に限定されるものではなく、例えば、光信号であってもよい)の送受信を行うためのアンテナ、21は不要な周波数を除去するフィルタで、フィルタ21としては例えば帯域通過フィルタ等が用いられる。22は送信・受信を切り換えるRFスイッチ、23は受信用RF信号を増幅するためのRFアンプ、24aは周波数を高域変換するためのアップコンバータとしてのミキサー、24bは周波数を低域変換するためのダウンコンバータとしてのミキサー、25は受信用中間周波数信号(以下、IF信号と略称する)を増幅するためのIFアンプ、26はスペクトル拡散信号を復調するためのSAW(Surface Acoustic Wave)マッチドフィルタ、27は復調された信号をシリアルデータに変換するための判定回路、28はシリアルデータをパラレルデータに変換するための変換回路(以下、SIOと略称する)、29はデータの加工や各部の制御を行うためのCPU、30はイーサーネットケーブル15とデータの受け渡しを行うイーサネットコントローラ(PCMCIAコントローラなどの他のインターフェイスコントローラでもよい)、31はデータ信号に4相PSK(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying)等の一次変調を行う変調回路(以下、QPSK変調回路と略称する)、32はスペクトル拡散を行うための疑似雑音符号(以下、PN符号と略称する)の発生回路(以下、PN発生回路と略称する)、33は送信信号を増幅するためのアンプ、34はIF基準信号を発生する電圧制御発振器(以下、VCOと略称する)、35はRF基準信号を発生するVCO、36は最終的にRF信号を増幅するパワーアンプである。
【0056】
次に、以上のように構成された無線LANアダプタ11の動作について説明する。
【0057】
まず、送信系では、イーサネットケーブル15を流れているパケットデータが、イーサネットコントローラ30でアドレス判定されて、無線送信が必要なデータであるか否かが判断される。無線送信が必要とされたデータは、CPU29によって無線情報を付加されSIO28に送られる。SIO28は、CPU29から送られてきたパラレルデータ信号をシリアルデータ信号に変換する。変換されたシリアルデータ信号はQPSK変調回路31で位相変調(一次変調)される。位相変調されたデータ信号は、PN発生回路32で発生されたPN符号とミキサー24によってスペクトル拡散(二次変調)される。
【0058】
スペクトル拡散されたデータ信号(以下、SSデータ信号と略称する)は、フィルタ21によってノイズが除去され、アンプ33で増幅される。増幅されたSSデータ信号は、VCO34で発生したIF基準信号によってミキサー24でアップコンバートされ、再びフィルタ21によってノイズが除去され、アンプ33で増幅される。
【0059】
アンプ33で増幅されたSSデータ信号は、VCO35で発生されたRF基準信号によりミキサー24aでアップコンバートされる。アップコンバートされたSSデータ信号は、フィルタ21によってノイズが除去され、パワーアンプ36で必要な送信電力に増幅される。電力増幅されたSSデータ信号は、RFスイッチ22を経由してフィルタ21によってノイズが除去され、アンテナ16で電波に変換されて外部装置または他の無人搬送車に送信される。
【0060】
次に、受信系では、外部装置または他の無人搬送車からアンテナ16で受信されたSSデータ信号は、フィルタ21によってノイズが除去され、RFスイッチ22を経由し、再びフィルタ21によってノイズが除去され、RFアンプ23によって信号処理に適したレベルにまで増幅される。RFアンプ23で増幅されたSSデータ信号は、再びフィルタ21によってノイズが除去され、VCO35で発生されたRF基準信号によりミキサー24bでダウンコンバートされる。
【0061】
ダウンコンバートされたSSデータ信号は、フィルタ21によってノイズが除去され、IFアンプ25で増幅され、SAWマッチドフィルタ26によってSS復調され、判定回路27で位相復調される。位相復調されたデータ信号は、SIO28でシリアルデータ信号からパラレルデータ信号に変換されて、CPU29に送られる。CPU29は、送られてきたデータ信号の無線情報からアドレス判定を行う。そのアドレス判定の結果、有線への転送が必要なデータは、CPU29で無線情報が外され、イーサネットコントローラ30を通してイーサネットケーブル15に送られる。
【0062】
以下では、上記のような無線LANアダプタ11を有する無人搬送車1の運行制御システムについて説明する。
【0063】
図3は、本発明の一実施形態による無人搬送車の運行制御システムの主要部分を模式的に示す概略構成図である。なお、図3には、1台の無人搬送車1しか示していないが、これは図面の簡略化のためであり、実際には多数の無人搬送車が配置されている。
【0064】
図3において、40は、工場設備や作業ステーションを管理するとともに、無人搬送車1の搬送要求を出す工場ホストコンピュータで、41は、工場ホストコンピュータから出された搬送要求に応答して、無人搬送車1の状況に応じて無人搬送車1に対して発車指示情報を含む走行に必要な情報を、無線LANを経由して転送する運行制御装置である。
【0065】
42は、無人搬送車1の記憶部12に格納されている搬送制御ソフトウェアを更新、リモートデバッグしたり、メロディデータを無人搬送車1に転送してデータ書き換えを行ったり、運行制御装置41のソフトウェアをデバッグするためのデバッグ用ネットワークコンピュータで、43は、無人搬送車1の管理に寄与しない一般作業用ネットワークコンピュータである。
【0066】
ここで、デバッグ用ネットワークコンピュータ42は、運行制御装置41や一般作業用ネットワークコンピュータ43と兼用であっても構わない。
【0067】
46、47は無人搬送車1の誘導ラインであり、A1、A2は誘導ライン46と47が合流する箇所に設けられ、1台の無人搬送車しか進入できない合流エリアである。
【0068】
図3に示すように、工場ホストコンピュータ40、運行制御装置41、デバッグ用ネットワークコンピュータ42、および一般作業用ネットワークコンピュータ43は全て、ローカルエリアネットワーク(LAN)44に接続されている。
【0069】
また、運行制御装置41は、図2に示したような無人搬送車1と同様の無線LANアダプタ11を備え、無人搬送車1と無線LANを介して情報の受け渡しを無線で行う。したがって、無人搬送車1は、図3に点線101で示すように、運行制御装置41に接続されたLAN102に接続されており、LAN44を介して運行制御装置41に接続された工場ホストコンピュータ40やデバッグ用ネットワークコンピュータ42からもアクセス可能となっている。しかし、無人搬送車1や運行制御装置41内に保持されている情報には、アクセス制限が設けられており、LAN44に接続された運行管理に寄与しない一般作業用ネットワークコンピュータ43からの不正アクセスを防止している。
【0070】
なお、無人搬送車1は、点線100で示すように、LAN44に接続されたものであってもよい。
【0071】
また、運行制御装置41または無人搬送車1から発信される発車指示情報またはその他のメッセージには、運行制御装置41の識別番号やタスク識別番号が含まれている。これにより、メッセージを受信した無人搬送車1等がそのメッセージ中の識別番号をチェックして、そのメッセージが正規に受けるべきメッセージか、誤りメッセージかを判断することにより、無線LANに接続された運行管理に寄与しない一般作業用ネットワークコンピュータ43や無人搬送車1からの誤りメッセージを処理するのを防止している。
【0072】
また、デバック用ネットワークコンピュータ42からネットワーク経由で全無人搬送車にアクセスすることで、無人搬送車1の搬送制御ソフトウェアその他のソフトウェアをバージョンアップするためのインストールができるので、従来のように、無人搬送車の組み込みソフトウェアが格納されたROMやメロディデータ等が格納されたICを交換する必要がなく、無人搬送車の停止時間と作業量が大幅に軽減され、搬送を停止させる時間を大幅に短縮して、製造ライン全体の稼働率を向上させることができる。
【0073】
次に、無人搬送車1が搬送を開始する際に、運行制御装置41と無人搬送車1との間の情報伝達の仕方について説明する。
【0074】
図4は、本実施形態の第1の搬送開始処理において、運行制御装置41と無人搬送車1との間での情報の受け渡し状態および処理内容を示す図である。
【0075】
図4において、まず、無人搬送車1から運行制御装置41に対して走行データダウンロード(D/L)要求メッセージが出される(ステップ1、以降のステップにおいては、例えばS1と略する)と、運行制御装置41は走行データと搬送に関する付加情報をファイルに書き込んで(S2)、発車指示メッセージを無人搬送車1に転送する(S3)。発車指示メッセージを受信した無人搬送車1は自ら、運行制御装置41がファイルに保持している走行データと付加情報を記憶部12(図1)に読み込む(S4)。この際に、無人搬送車1は、これから行う搬送用の走行データと付加情報だけでなく、その後の搬送に必要な走行データと付加情報も、自らの搬送状態に応じたタイミングで運行制御装置41から取得する。
【0076】
ただし、その後の搬送に必要な走行データと付加情報を取得しないものであってもよい。
【0077】
発車指示メッセージには、運行制御装置41の識別番号やタスク識別番号を含めて無人搬送車1に転送される。発車指示メッセージを受取った無人搬送車1は、発車指示メッセージに含まれる装置識別番号やタスク識別番号をチェックして、運行制御装置41から出された発車指示であることを確認すると、発車指示メッセージの受取確認のために運行制御装置41に発車指示メッセージ応答を転送して(S5)、走行を開始する。
【0078】
無人搬送車1は、現在位置から指令された荷積みステーションまで空のまま走行して、荷積みステーションで被搬送物を受取った後に、その被搬送物を指示された荷下ろしステーションまで搬送して当該ステーションに供給すると、次の搬送に必要な走行データと付加情報を保持している場合は続けて搬送を行い、一連の搬送が完了した後に、搬送完了通知を運行制御装置41に送る(S6)。
【0079】
このように、無人搬送車1自らが、現在の搬送に必要な情報だけでなく、その後の搬送に必要な情報も、自らの搬送状態に応じたタイミングで運行制御装置41から取得することで、無人搬送車1の搬送効率を向上させることができる。
【0080】
なお、上記では、無人搬送車1から走行データD/L要求(搬送指示要求)メッセージを発する場合について説明したが、運行制御装置41が、多数の無人搬送車の位置や状態情報をモニタして、どの無人搬送車に搬送させるかを判断してから、その判断した無人搬送車への搬送要求を自分自身のファイルまたは無人搬送車に出力することもできる。その場合の詳細について、図5および図6を参照しながら説明する。
【0081】
図5は、無人搬送車が自分の位置や状態の情報をファイルに保持する場合の一例を示し、図5Aは、無人搬送車の走行ルートおよびそれに沿って配置された移載ステーションを示す模式図である。図5Aにおいて、走行ルート中には、移載ステーションST1、ST2、ST3、ST4が配置されており、無人搬送車1は、これらの移載ステーションにおいて、搬送物の受け渡しを行う。走行ルートの各ブロックには、その位置を識別する位置番号▲1▼、▲2▼、…が付与されており、例えばST1には位置番号▲1▼、ST1とST2との間の走行ルートには位置番号▲2▼が付与されている。
【0082】
図5B、図5C、および図5Dは、それぞれ、図5Aの無人搬送車AGV1、AGV2、およびAGV3が保持する位置・状態情報のファイルの一構成例を示す。図5B、図5C、および図5Dでは、「状態」について、「搬送中」と「搬送要求待ち」を例示しているが、他には「充電中」、「トラブル停止中」等も有り得る。
【0083】
図6は、本実施形態の第2の搬送開始処理において、運行制御装置41と無人搬送車1との間での情報の受け渡し状態および処理内容を示す図である。各無人搬送車1は、自らの位置および状態を図5B、図5C、および図5Dに例示するファイルに書き込んで保持し、これを、例えば位置または状態が変更になったタイミングで随時更新する(S11)。運行制御装置41は、各無人搬送車1が保持するファイルを定期的にモニタリングし(S12)、各無人搬送車1の位置および状態を考慮して、工場ホストコンピュータ40から発行された搬送要求について、どの無人搬送車にその搬送要求を出力するかを判断する(S13)。この時、例えば、搬送物を受け渡しする移載ステーションに最も近い位置にある搬送要求待ちの無人搬送車に対して、搬送要求を出力するように決定する。
【0084】
運行制御装置41は、搬送要求を出力する無人搬送車名と共に搬送要求を自身が保持するファイルへ書き込む(S14)。無人搬送車は、運行制御装置41のファイルを定期的に参照し、自身の無人搬送車名が付された搬送要求を読み込む(S15)。そして、運行制御装置41は、走行データと付加情報をファイルに書き込む(S16)。以降の手順は、図4の第1の搬送開始処理と同じである。
【0085】
ここで、無人搬送車から運行制御装置41にメッセージで位置および状態情報を知らせるか、あるいは無人搬送車がメッセージでモニタすべきタイミングを運行制御装置41に知らせ、そのタイミングで無人搬送車が保持しているファイルを運行制御装置41が参照しても構わない。
【0086】
また、無人搬送車1は、工場ホストコンピュータ40から運行制御装置41に出された搬送要求があるか否かを自身でチェックすることもできる。この場合、無人搬送車1は、運行制御装置41が保持しているファイル中に搬送要求があるか否かを適時チェックするか、または運行制御装置41から無人搬送車1にタイミングを知らせ、そのタイミングで搬送要求があるか否かをチェックする。
【0087】
また、発車指示情報に関しても、無人搬送車1が、運行制御装置41に発車指示情報があるか否かをチェックして、発車指示情報があれば走行データを読み込むか、または運行制御装置41から無人搬送車1に発車指示したタイミングで、無人搬送車1が走行データを読み込むこともできる。
【0088】
なお、「搬送要求」とは、無人搬送車に対して搬送物の受取り場所、搬送物の搬送先を指定して搬送の要求をすることを意味する。これに対して、「発車指示」とは、搬送要求と走行データを受けた無人搬送車に対して走行開始を指示することを意味する。
【0089】
次に、誘導ライン46と47とが合流するエリアA1に無人搬送車1が進入する際の制御方法について説明する。
【0090】
図7は、本実施形態の第1の合流制御処理において、運行制御装置と無人搬送車との間での情報の受け渡し状態および処理内容を示す図である。
【0091】
無人搬送車1が、誘導ライン46と47の合流エリアA1に進入しようとする場合、まず、運行制御装置41内に保持されている図8に示すエリア進入状態ファイルのアクセス権を取得し(S31)、エリア進入状態ファイルを読み込み参照して、これから進入しようとする合流エリアA1に他の無人搬送車が存在するか否かを判断する(S32)。判断した結果、合流エリアA1に他の無人搬送車が存在する場合、エリア進入状態ファイルのアクセス権を解放し、合流エリアA1の入口の手前で停止する(S35)。無人搬送車1は、この停止中に定期的にエリア進入状態ファイルを読み込み、他の無人搬送車がいなくなったか否かを確認する。
【0092】
一方、合流エリアA1に他の無人搬送車が存在しない場合は、エリア進入状態ファイル中のエリア番号A1に対応する進入無人搬送車名に自らの無人搬送車名(AGV1)を書き込み(S33)、エリア進入状態ファイルのアクセス権を解放し、合流エリアA1に進入してそのエリアを占有する(S34)。
【0093】
このように、従来では、合流エリアA1に進入する直前に進入許可か進入不可を確認するための確認区間を設けるか、または、合流エリアA1内に自分以外の無人搬送車がいなくても、合流エリアA1の入口で毎回停止するものであったが、本実施形態によれば、無人搬送車1は、運行制御装置41が保持しているエリア進入状態ファイルのアクセス権を取得して、そのエリア進入状態ファイルを参照して、自らの判断で合流エリアA1に進入してそのエリアを占有するか否かを決定することができるので、上記のような確認区間を設け余分な走行時間がかかることなく、余分なスペースを設けなくて済むので面積生産性も向上する。また、無人搬送車が合流エリアの入口で毎回停止しないので、無人搬送車の待ち時間を大幅に短縮して、搬送効率を向上させることができる。
【0094】
ここで、エリア進入状態ファイルは合流エリア毎に別々に設けてもよい。この場合、無人搬送車が合流エリアに進入中は、ファイルのアクセス権を解放しないようにし、ファイルのアクセス権を取得できなければ、そのエリアを占有できないこととし、合流エリアの手前で待つようにしてもよい。
【0095】
なお、合流制御処理における情報の受け渡しにおいて、運行制御装置41が、無人搬送車1が合流エリアA1への進入意志を持っているか否かを確認し、進入意志を持っている場合、運行制御装置41内に保持されているブロッキングデータをチェックし、合流エリアA1に進入してもよい状態であれば、無人搬送車1に対して進入許可を与えるようにすることもできる。
【0096】
また、従来方式のように、無人搬送車1が合流エリアA1への進入可能か否かを運行制御装置41に問い合せ、運行制御装置41が、他の無人搬送車が存在するか否かを確認して進入許可を与えるものであってもかまわない。この方式でも、無線LANを介して通信することにより、通信時間は大幅に短縮されるため、合流エリアA1の手前に確認区間を設ける必要がないという効果を得ることができる。
【0097】
また、無人搬送車1が、図9に示すブロッキングデータを自らチェックすることもできる。この場合の動作について、図10を参照しながら以下で説明する。
【0098】
図10は、本実施形態の第2の合流制御処理において、運行制御装置と無人搬送車との間での情報の受け渡し状態および処理内容を示す図である。なお、このブロッキングデータには、図9に示すように、エリア番号、該当エリアを占有中の無人搬送車名(AGVn)、進入待ち無人搬送車名、およびその進入待ち無人搬送車の優先度(Pn)が含まれている。
【0099】
無人搬送車1が、運行制御装置41内に保持されているブロッキングデータをチェックした時(S41)に、該当の合流エリアA1を占有中の他の無人搬送車がいないか判断する(S42)。合流エリアA1を占有中の無人搬送車がいなければ、占有中の無人搬送車名として自身の名前(AGV1)を書き込む(S48)。
【0100】
一方、該当エリアを占有中の無人搬送車(例えば、AGV2)がある場合、進入待ち無人搬送車名として自身の名前(AGV1)と優先度(例えば、P2:2番目に優先度が高い)を書き込む(S43)。その後、再度ブロッキングデータをチェックして(S44)、ブロッキングデータから占有中の無人搬送車名(AGV2)が消去されており(S45)、且つ自身よりも優先度の高い進入待ち無人搬送車名(例えば、最も高い優先度P1のAGV3)が存在しない場合(S46)、前に書き込んだ自身の待ち無人搬送車名(AGV1)を消去し(S47)、占有中の無人搬送車名として自身の名前(AGV1)を書き込んで(S48)、合流エリアA1に進入する。
【0101】
無人搬送車1が占有していた合流エリアA1から出る時には、占有中の無人搬送車名における自身の名前(AGV1)を消去する(S49)。
【0102】
また、この場合も、従来方式のように、無人搬送車1が合流エリアA1への進入可能か否かを運行制御装置41に問い合せ、運行制御装置41が、他の無人搬送車が存在するか否かを確認して進入許可を与えるものであってもかまわない。この方式でも、無線LANを介して通信することにより、通信時間は大幅に短縮されるため、合流エリアA1の手前に確認区間を設ける必要がないという効果を得ることができる。
【0103】
なお、無人搬送車1によるブロッキングデータのチェックを、合流エリアA1の入口マークから所定の距離(例えば、60cm)だけ手前に設けられた検出マークを検出した時点で行うことで、合流エリアA1に進入できない場合は、入口マークで停止することができる。なお、上記所定の距離は、合流エリアA1の入口までに確実に停止できる距離分を考慮したものである。または、入口マークを検出マークとして用いる場合には、入口マークを合流エリアから所定の距離(例えば、1m)だけ手前にずらして配置することで、入口マークを検出した時点でブロッキングデータをチェックし、合流エリアA1に進入できない場合は、入口マークから1m以内で停止することができる。なお、上記所定の距離は、合流エリアA1の入口までに確実に停止できる距離分を考慮したものである。
【0104】
また、運行制御装置41を介在させずに、内蔵した無線LANアダプタ11を介して、複数台の無人搬送車間で情報のやりとりを行い、合流エリアに進入するか否かを判断することで、互いに相手の進路を確認したり、走行路を譲り合ったりすることもできる。これによれば、運行制御装置41側の負荷を軽減することが可能になる。
【0105】
また、本実施形態における無人搬送車1の走行に必要な情報には、今まで走行していた走行経路から他の走行経路への切換を指示する走行路変更情報がある。無人搬送車1は、トラブルや作業のために、無人搬送車1が走行しようとする走行経路を他の無人搬送車が専有している場合、運行制御装置41からの走行経路変更指示に基づいて、変更後の走行データを読み込むか、または、運行制御装置41が2つ以上の走行データを無人搬送車1に転送して、無人搬送車1はいずれか間に合った走行経路に変更するか、あるいは、無人搬送車1が自ら走行経路変更情報を取得し、取得した走行経路変更情報に基づき、トラブル等で停止中の他の無人搬送車が復帰する時間を予測して、走行経路を変更するか否かを判断するようにすることもできる。この判断をするために、例えば、無人搬送車1が移載作業に要する平均時間を始めとする運行状態データを運行制御装置41が保持しまたは各無人搬送車から収集できており、この運行状態データを無人搬送車1が参照する。
【0106】
なお、本実施形態において、無人搬送車1と運行制御装置41との間で受け渡しされる情報の形態には、ネットワークにつながったいずれかの外部装置に格納され、無人搬送車と運行制御装置とがファイルを共有する形態、ファイルを送受信する形態、メッセージでやり取りする形態等がある。特に、共有ファイルとしての情報には、▲1▼搬送に関する情報、▲2▼上記のブロッキング(交差点)制御に関する情報、▲3▼上記の地図情報(走行データ)、▲4▼移載等の作業をさせる教示データ、▲5▼無人搬送車の速度制御等に用いるパラメータ、▲6▼各無人搬送車の各作業終了予定時刻が含まれる。
【0107】
これらの共有ファイル情報は、運行制御装置が保持することも、情報内容によっては、各無人搬送車が保持することも(例えば、上記の▲3▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼の情報)、複数台の無人搬送車のいずれか1台をマスター無人搬送車として、そのマスター無人搬送車が保持することもできる。
【0108】
上記のマスター無人搬送車が共有ファイル情報を保持する場合、運行制御装置を設けても設けなくてもよい。
【0109】
また、運行制御装置を設けたとしても、運行制御装置が何らかの原因で機能ダウンした場合に、予め候補として決められた無人搬送車をマスター無人搬送車とすることもできる。この場合、マスター無人搬送車の候補は、運行制御装置が機能ダウンしていないか定期的にチェックし、機能ダウンしていなければ、チェック時の上記共有ファイル情報を自身の記憶部にバックアップし、機能ダウンしていれば、最新にバックアップした共有ファイル情報をもってマスター無人搬送車となる。
【0110】
また、本実施形態では、無人搬送車が誘導ライン(走行テープ)を検出して自動走行する場合を例にとって説明したが、本発明は、誘導ラインによる走行に限定されず、誘導ラインを必要としない、地図情報を走行データとして自動走行する場合にも適用される。ここで、地図情報とは、無人搬送車が走行する床面における走行ルート、移載ステーション、充電ポジション等の位置を2次元座標値で記憶した情報である。この場合、無人搬送車は、各ステーションの位置情報と自身の位置情報を座標データとして持ち、目的のステーションまで走行する。例えば、無人搬送車自身の位置情報は、初期位置に対して走行モータの回転量をロータリーエンコーダ等で検出し、初期位置からの移動量を算出することにより認識することができる。
【0111】
この場合、上記したブロッキング制御は、地図情報に基づいて行うことができる。例えば、地図情報を参照して合流エリア(合流エリアの領域が地図情報として保持されている)の手前でブロッキングデータをチェックするか、または地図情報に、他の無人搬送車の位置とその無人搬送車の占有エリア情報とを含め、自他の無人搬送車の移動に伴い無人搬送車の位置や無人搬送車の占有エリア情報を随時更新することで、無人搬送車は、他の無人搬送車の占有エリアと自身の占有エリアとが重複(干渉)しないように走行することができる。
【0112】
また、本実施形態では、工場での物品の搬送を含む作業を行う無人搬送車を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば遊園地の乗物など自立走行する機能を有する自走車にも適用される。
【0113】
本実施形態のように、データの転送レートが1.1Mbpsである無線LANを介して情報の受け渡しを行うことで、従来では搬送が完了してから次の搬送を開始するまで約3.5secの待ち時間を要していたが、3.5×9.6/11000=0.003secの待ち時間しか必要とせず、実質的に待ち時間なしに次の搬送を開始することができる。
【0114】
また、例えば20台の無人搬送車が配置されている場合、従来では20台全ての無人搬送車の状態データを更新するのに10secを要したが、本実施形態によれば、10×9.6/11000=0.009secしか要せず、無人搬送車の状態モニタ機能が構築し易く、しかもリアルタイム性が高いという利点がある。
【0115】
また、無人搬送車同士の衝突を回避するためブロッキング制御を行うにあたって、例えば20台の無人搬送車が配置されている場合、従来では無人搬送車が所定の合流エリアに進入しようとするときから発車許可を与えるまで無人搬送車が走行する平均距離に相当する6.6m以上の助走距離を合流エリアの前に設ける必要があったが、本実施形態によれば、必要な助走距離は6.6×9.6/11000=0.0058m=5.8mmとなり、実質的に助走距離が不要になる。これにより、無人搬送車を停止させずに発車許可を与えることができ、1台だけ進入できる合流エリアを小さくできるだけでなく、無人搬送車を停止させずにブロッキング制御を行うことが可能になり、無人搬送車の搬送能力を向上させることができる。
【0116】
以上説明したように、本発明によれば、各種情報の通信時間を大幅に短縮することで無人搬送車の待ち時間を実質的になくし、無人搬送車の搬送効率および作業ステーションや製造ライン全体の稼働率を向上させるとともに、各無人搬送車が走行に必要な情報を格納したファイルを共有化することにより、容易にシステムの構築、変更が可能となり、無人搬送車の運行制御システムの柔軟性を向上させることが可能になる、という格別の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による無人搬送車1の主要部分を示す概略構成図
【図2】図1の無線LANアダプタ11の概略構成を示すブロック図
【図3】本発明の一実施形態による無人搬送車の運行制御システムの主要部分を模式的に示す概略構成図
【図4】第1の搬送開始処理において、運行制御装置41と無人搬送車1との間での情報の受け渡し状態および処理内容を示す図
【図5A】無人搬送車の走行ルートおよび移載ステーションを示す模式図
【図5B】図5Aの無人搬送車AGV1が保持する位置・状態情報ファイルの一構成例を示す模式図
【図5C】図5Aの無人搬送車AGV2が保持する位置・状態情報ファイルの一構成例を示す模式図
【図5D】図5Aの無人搬送車AGV3が保持する位置・状態情報ファイルの一構成例を示す模式図
【図6】第2の搬送開始処理において、運行制御装置41と無人搬送車1との間での情報の受け渡し状態および処理内容を示す図
【図7】第1の合流制御処理において、運行制御装置41と無人搬送車1との間での情報の受け渡し状態および処理内容を示す図
【図8】エリア進入状態ファイルの一構成例を示す模式図
【図9】ブロッキングデータの一構成例を示す模式図
【図10】第2の合流制御処理において、運行制御装置41と無人搬送車1との間での情報の受け渡し状態および処理内容を示す図
【図11】従来の搬送開始処理において、運行制御装置と無人搬送車との間での情報の受け渡し状態および処理内容を示す図
【図12】従来の合流制御処理において、運行制御装置と無人搬送車との間での情報の受け渡し状態および処理内容を示す図

Claims (20)

  1. 所定の走行経路を走行して物品の搬送またはその他の作業を行う無人搬送車であって、
    ローカルエリアネットワークに接続された外部装置または他の無人搬送車との間で情報の受け渡しを無線で行う無線ローカルエリアネットワークアダプタと、
    少なくとも前記外部装置または前記他の無人搬送車からの情報および無人搬送車自体に関する情報を格納する記憶部と、
    前記無線ローカルエリアネットワークアダプタおよび前記記憶部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする無人搬送車。
  2. 前記外部装置または前記他の無人搬送車が記憶保持している、前記無人搬送車における走行に必要な情報を、前記無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して、適時自ら参照して取得し、前記取得した情報に基づき、自ら走行制御を行うことを特徴とする請求項1記載の無人搬送車。
  3. 前記走行に必要な情報として、走行する経路を指示する走行データを、前記無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して、適時自ら取得することを特徴とする請求項2記載の無人搬送車。
  4. 前記走行に必要な情報として、前記無人搬送車に対する搬送要求情報を、前記無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して、適時自ら取得することを特徴とする請求項2記載の無人搬送車。
  5. 前記外部装置が、前記無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して参照して、搬送要求を出力する対象の無人搬送車を判断するための、現在位置情報または搬送中、待機中をはじめとする現在の状態を示す状態情報を記憶部に保持することを特徴とする請求項2記載の無人搬送車。
  6. 前記走行に必要な情報として、前記無人搬送車に対する発車指示情報を、前記無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して、適時自ら取得することを特徴とする請求項2記載の無人搬送車。
  7. 前記走行に必要な情報として、前記無人搬送車が走行する所定のエリアへの進入を管理するエリア進入情報を、前記無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して、適時自ら取得して、前記取得したエリア進入情報に基づき、前記所定のエリアに自分以外の無人搬送車が存在するか否かを判断し、判断した結果に基づいて、前記所定のエリアに進入するか否かを決定することを特徴とする請求項2記載の無人搬送車。
  8. 前記所定のエリアに自分以外の無人搬送車が存在しないと判断した場合、前記外部装置または前記他の無人搬送車が保持するエリア進入情報に自己の識別情報を付加して更新し、前記所定のエリアに進入して前記所定のエリアを占有することを特徴とする請求項7記載の無人搬送車。
  9. 前記所定のエリアに自分以外の無人搬送車が存在すると判断した場合、前記外部装置または他の無人搬送車が保持する、前記所定のエリアへの進入待ちを管理するエリア進入待ち情報に自己の識別情報および優先度を付加して更新し、前記所定のエリアの手前で進入待ちすることを特徴とする請求項7記載の無人搬送車。
  10. 前記所定のエリアに自分以外の無人搬送車が存在しないと判断した場合、前記外部装置または前記他の無人搬送車が保持する、前記所定のエリアへの進入待ちを管理するエリア進入待ち情報を取得して、前記進入待ち情報に基づき、優先度が上位である自分以外の無人搬送車が存在しないと判断した場合、前記外部装置または前記他の無人搬送車が保持するエリア進入情報に自己の識別情報を付加して更新し、前記所定のエリアに進入して前記所定のエリアを占有することを特徴とする請求項7記載の無人搬送車。
  11. 前記無人搬送車は、前記所定のエリアの入口手前で停止可能な走行距離を考慮した前記入口より手前の位置に設けられた、走行路上のマークまたはその他の識別手段を検出する検出手段を備え、前記検出手段による前記識別手段の検出に基づき、前記エリア進入情報を取得することを特徴とする請求項7記載の無人搬送車。
  12. 前記走行に必要な情報として、現在の走行経路から他の走行経路への経路変更を指示する走行経路変更データを、前記無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して、適時自ら取得し、前記取得した走行経路変更データに基づき、指示された走行経路に変更して走行することを特徴とする請求項2記載の無人搬送車。
  13. 前記外部装置による、前記ローカルエリアネットワークを介したリモート処理により、前記記憶部に格納されている搬送制御ソフトウェアを更新する、またはデータを書き換えることを可能とした請求項1記載の無人搬送車。
  14. 前記記憶部に格納されている音データを再生するメロディ再生装置を備え、前記外部装置による、前記ローカルエリアネットワークを介したリモート処理により、前記音データを適宜書き換えることを可能とした請求項1記載の無人搬送車。
  15. 前記外部装置または前記他の無人搬送車との間で無線で行う前記発車指示情報またはその他のメッセージは、前記外部装置または前記他の無人搬送車の識別番号およびタスク識別番号の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1記載の無人搬送車。
  16. 自立走行する機能を有する自走車であって、
    ローカルエリアネットワークに接続された外部装置または他の自走車との間で情報の受け渡しを無線で行う無線ローカルエリアネットワークアダプタと、
    少なくとも前記外部装置または前記他の自走車からの情報および自走車自体に関する情報を格納する記憶部と、
    前記無線ローカルエリアネットワークアダプタおよび前記記憶部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする自走車。
  17. 前記外部装置または前記他の自走車が記憶保持している、前記自走車における走行に必要な情報を、前記無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して、適時自ら参照して取得し、前記取得した情報に基づき、自ら走行制御を行うことを特徴とする請求項16記載の自走車。
  18. 所定の走行経路を走行して物品の搬送またはその他の作業を行う無人搬送車と、前記無人搬送車と情報の受け渡しを無線で行う外部装置とを有する無人搬送車の運行制御システムであって、
    前記無人搬送車は、ローカルエリアネットワークに接続された外部装置または他の無人搬送車との間で情報の受け渡しを無線で行う無線ローカルエリアネットワークアダプタを備え、
    前記外部装置またはいずれか1台の無人搬送車は、前記無人搬送車に対する発車指示情報またはその他走行に必要な情報を記憶保持し、
    前記無人搬送車は、前記外部装置または前記他の無人搬送車が記憶保持する前記走行に必要な情報を、前記無線ローカルエリアネットワークアダプタを介して、適時自ら参照して取得し、前記取得した情報に基づき、自ら走行制御を行うことを特徴とする無人搬送車の運行制御システム。
  19. 所定の走行経路を走行して物品の搬送またはその他の作業を行う無人搬送車と、ローカルエリアネットワークに接続された外部装置との間で、無線ローカルエリアネットワークを介して、情報の受け渡しを無線で行うことにより、前記無人搬送車の運行を制御する方法であって、
    前記外部装置またはいずれか1台の無人搬送車において、前記無人搬送車に対する発車指示情報を含む走行に必要な情報を記憶保持するステップと、
    前記無人搬送車において、前記外部装置または他の無人搬送車が記憶保持する前記走行に必要な情報を、前記無線ローカルエリアネットワークを介して、適時自ら参照して取得するステップと、
    前記取得した情報に基づき、自ら走行制御を行うステップとを含むことを特徴とする無人搬送車の運行制御方法。
  20. 前記外部装置またはいずれか1台の無人搬送車において、前記無人搬送車が走行する所定のエリアへの進入を管理するエリア進入情報を保持するステップと、
    前記無人搬送車において、前記外部装置または他の無人搬送車から前記無線ローカルエリアネットワークを介して前記エリア進入情報を取得するステップと、
    前記取得したエリア進入情報に基づき、所定のエリアに自分以外の無人搬送車が存在するか否かを判断するステップと、
    前記判断した結果に基づいて、前記所定のエリアに進入するか否かを決定するステップとを含むことを特徴とする請求項19記載の無人搬送車の運行制御方法。
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