JP2000250627A - 無人搬送車の走行制御方法 - Google Patents

無人搬送車の走行制御方法

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JP2000250627A
JP2000250627A JP11051400A JP5140099A JP2000250627A JP 2000250627 A JP2000250627 A JP 2000250627A JP 11051400 A JP11051400 A JP 11051400A JP 5140099 A JP5140099 A JP 5140099A JP 2000250627 A JP2000250627 A JP 2000250627A
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Takahiro Yokomae
高広 横前
Yoichi Sugitomo
庸一 杉友
Osamu Sonoyama
修 園山
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2台の無人搬送車が合流ゾーン内へ同時進入す
るのを簡単な処理で確実に防止しながらも、多数台の無
人搬送車を可及的迅速に合流ゾーン内に進入させて搬送
効率を上げるように制御することのできる無人搬送車の
走行制御方法を提供する。 【解決手段】交差点Cの周囲に合流ゾーンDを設定し、
その合流ゾーンDにおける各入口I1〜I3の外側に確
認エリアd1〜d3をそれぞれ設定する。確認エリアd
1〜d3に到達した無人搬送車AGV1〜AGV3には
受信と送信を交互に行わせる。確認エリアd1〜d3内
を走行中に他車からの信号を受信したときは、送信を停
止して合流ゾーンDの入口I1〜I3まで前進させ、入
口I1〜I3で待機中に信号の受信が無くなった時点で
合流ゾーンD内に進入させる。他車からの信号を受信す
ることなく合流ゾーンDの入口に到達したときは、受信
を停止して合流ゾーンD内にそのまま進入させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数台の無人搬送
車が同一の搬送路を共用して走行するようになった無人
搬送シテスムにおける無人搬送車の走行を制御する方法
に関するもので、特に、複数の搬送路から進入が可能な
交差点での無人搬送車の走行制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、24時間稼働の生産工場では、生産
に携わる作業者の負担を軽減するための自動化および省
力化を目的として、主として無人倉庫と生産設備との間
で生産素材や製品を無人搬送車で搬送する無人搬送シス
テムが多用されている。この無人搬送車の走行制御に
は、コスト的および技術的に有利な無軌条の固定経路に
よる誘導方式が一般的に採用されており、無人搬送車
は、無人倉庫や工場などの床面に電磁気的または光学的
な方法により設定された誘導ラインを誘導センサで検出
しながら誘導ラインに沿って自動走行するようになって
いる。
【0003】上記のような無人搬送システムには、通
常、誘導ラインの分岐、合流および交差点などが存在す
るため、複数台の無人搬送車を誘導ラインによって設定
された同一の搬送路を共用して走行させる場合には、分
岐、合流、交差点などで無人搬送車同士の衝突が発生し
ないように無人搬送車の走行を制御する必要がある。上
述のような走行制御に際して、従来では、地上制御方式
で行っていたが、多くの地上諸設備や制御ソフトウエア
が必要であって、実施に要するコストおよび工数が大で
あるなどの多くの欠点があった。そこで、近年では、無
人搬送車間で無線通信機による交信を行って互いの走行
を規制し合う走行制御方式が主に採用されている。
【0004】例えば、図8に示すように、誘導ラインに
よって設定された直線状の二つの搬送路R1,R2が交
差している場合であって、その交差点Cに向かって矢印
で示すように三方から進入して一方から出ていくような
場合には、交差点Cの周囲に、三つの入口I1〜I3と
一つの出口Oとを有する合流ゾーンDを設定して、この
合流ゾーンD内に2台の無人搬送車が同時に進入しない
ように、換言すると、合流ゾーンD内には常に1台の無
人搬送車しか進入できないように無人搬送車間で相互に
制御する。なお、合流ゾーンDは、搬送路R1,R2の
近傍箇所における各入口I1〜I3および出口Oの位置
に設けられたマーカM1〜M4によって設定された仮想
的なものであり、無人搬送車は、自体に備えた誘導セン
サによってマーカM1〜M4を光学的または磁気的に検
出することにより、合流ゾーンDの入口I1〜I3また
は出口Oに位置していることを検知できる。
【0005】図9のタイミングチャートにおいて、何れ
かの入口I1〜I3まで走行した無人搬送車は、図9の
0 時にマーカM1〜M3を検出した時に、自体に備え
ている無線通信機を通信動作させて一定時間Tだけ受信
および送信を交互に繰り返す。ここで、一定時間Tの通
信動作における受信時に他の無人搬送車(以後、他車と
いう)からの送信信号を受信しなかった場合には、合流
ゾーンD内に他車が存在しないと判別して、一定時間T
経過後のt1 時に受信を停止し、且つ送信を継続して他
車が合流ゾーンD内に進入するのを排除しながら合流ゾ
ーンD内に進入する。
【0006】一方、入口I1〜I3において合流ゾーン
D内を走行中の他車から送信された信号を受信した場合
には、受信と送信を交互に繰り返しながら入口I1〜I
3で待機し、合流ゾーンD内の他車が出口Oから出て送
信を停止すると、入口I1〜I3に待機している無人搬
送車は、他車からの信号を受信しなくなった時点で送信
のみを行いながら合流ゾーンD内に進入するようになっ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
走行制御方法では、無人搬送車が合流ゾーンDの入口I
1〜I3に入った時点で僅かな一定時間Tの間において
受信と送信を繰り返す通信動作を行うだけであり、その
通信動作における受信時に合流ゾーンD内を通過中の他
車から送信する信号を正確に受信できない場合がある。
特に、合流ゾーンDを通過中の無人搬送車は図9に示す
ように常に送信しながら走行するので、このときに、2
台の無人搬送車が同時に合流ゾーンDの入口I1〜I3
に入った場合には、入口I1〜I3の各無人搬送車が合
流ゾーンD内と他の入口I1〜I3とに存在する他の2
台の無人搬送車からの送信信号を混信状態で受信するこ
とにより、混信した二つの信号は互いに打ち消しあう場
合があることから、確実な受信が一層困難となる。
【0008】そのため、従来の走行制御方法では、合流
ゾーンD内に2台の無人搬送車が同時に進入する可能性
があり、その場合には合流ゾーンD内の2台の無人搬送
車からそれぞれ常に送信される信号が混信するので、そ
のときに入口I1〜I3に入った無人搬送車がさらに受
信し難くなり、合流ゾーンD内で複数台の無人搬送車が
他の無人搬送者の存在を近接センサなどで検知して立ち
往生したり、衝突しあうトラブルが発生することがあ
る。
【0009】そこで、上述のようなトラブルの発生を未
然に防止するために、無人搬送車を入口I1〜I3の手
前で一旦停車させて一定時間の間受信を行わせ、そのと
きに他車からの信号を受信しなかった場合、または他車
からの信号が途中で途絶えた場合にも、念のためにカウ
ンタがカウントする一定の確認時間の間受信を継続し
て、確認時間の経過後に他車からの信号の受信の有無を
判別し、受信が無い場合に信号を送信しながら発車させ
る。この走行時に受信を継続して、合流ゾーンの入口に
到達するまでに他車から信号を受信した場合には、再び
停車させて上述と同様の通信動作を行い、一定時間の間
受信しなかった場合に合流ゾーンDに進入させるように
した走行制御方法が提案されている。この走行制御方法
では、合流ゾーンD内に複数台の無人搬送車が同時進入
することを防止することはできるが、合流ゾーンD内に
進入するまでに時間がかかり過ぎるので、無人搬送車の
台数が多い場合には搬送効率が極めて悪くなる問題が発
生する。
【0010】特に、複数の交差点が近接して存在して、
複数の合流ゾーンが連続するような場合において、各合
流ゾーンD内にそれぞれ複数台の無人搬送車が同時に進
入するのを防止する方法として、待機制御信号、交差点
情報、優先順位情報、合流点情報または通過情報などの
種々の内容の送信データを無線通信機から送信すること
が提案されている。しかしながら、これら従来の各走行
制御方法は、何れも合流ゾーンD内への複数台の無人搬
送車の同時進入を防止することにこだわり過ぎる余り、
複雑な処理を必要とする制御を行っているので、かなり
のコスト高になるとともに、無人搬送車の台数が多くな
る程、搬送効率が悪くなるという欠点がある。
【0011】そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑み
てなされたもので、簡単な制御処理によって2台の無人
搬送車が合流ゾーン内へ同時進入するのを確実に防止し
ながらも、多数台の無人搬送車を可及的迅速に合流ゾー
ン内に進入させて搬送効率を上げるように制御すること
のできる無人搬送車の走行制御方法を提供することを目
的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、搬送路を共用して複数台の無人搬送車を
走行させるとともに、無人搬送車間で無線による交信を
相互に行って互いの走行を規制しながら走行する無人搬
送車の走行制御方法において、前記搬送路における交差
点の周囲に合流ゾーンを設定するとともに、前記搬送路
における前記合流ゾーンの各入口の外側に確認エリアを
それぞれ設定し、前記確認エリアの入口に到達した無人
搬送車には、受信と送信を交互に行わせながら前記確認
エリアに進入させ、前記確認エリア内を走行中に、他車
からの信号を受信した場合には、送信を停止して前記合
流ゾーンの入口で前進させたのち、入口で受信を継続し
ながら待機させ、待機中に信号の受信が無くなった時点
で前記合流ゾーン内に進入させ、他車からの信号を受信
することなく前記合流ゾーンの入口に到達した場合には
待機することなく前記合流ゾーン内に進入させ、前記合
流ゾーンの出口で通信動作を停止させるようにしたこと
を特徴としている。
【0013】この無人搬送車の走行制御方法では、無線
による受信と送信とを、合流ゾーンの入口に対し確認エ
リアによって設定した一定距離だけ手前に到達した時点
から開始するので、無人搬送車を一旦停止させることな
く走行させながらも十分な受信時間を設定することがで
き、確認エリアを通過するまでの間に合流ゾーンを走行
中の他車が存在した場合には、その他車からの信号を確
実に受信することができる。また、他車からの信号を受
信した時点で送信を停止するので、確認エリアを走行中
の無人搬送車は、2台以上の他車から同時に送信するこ
とによる混信を極力防止して信号を受信でき、この点か
らも受信し損なうといった事態の発生を確実に防止する
ことができる。さらに、確認エリアを走行中に他車から
の信号を受信しなかった場合には、一旦停止することな
く迅速に合流ゾーンに進入させるので、無用な待ち時間
を設けることなく合流ゾーン内を迅速に通過させること
ができる。
【0014】したがって、この走行制御方法では、優先
順や複雑な制御用信号を用いない簡単な走行制御処理を
行いながらも、2台の無人搬送車が合流ゾーン内へ同時
に進入するのを確実に防止して、多数台の無人搬送車を
可及的迅速に合流ゾーン内に進入させて搬送効率を上げ
ることが可能となる。
【0015】上記発明において、合流ゾーンの入口で受
信しながら待機中に信号の受信が無くなったときに、再
び受信と送信とを繰り返して、その受信動作時に信号を
受信しなかったときに合流ゾーンに進入させるようにす
ることが好ましい。
【0016】これにより、合流ゾーンに進入する前に、
この合流ゾーン内および他の確認エリア内にそれぞれ無
人搬送車が存在しないか否かを再度確認できるので、複
数台の無人搬送車が合流ゾーン内に同時に進入するのを
確実に防止できる。
【0017】また、上記の走行制御手段において、合流
ゾーンの入口で受信しながら待機中に信号の受信が無く
なった時点で再び受信と送信とを繰り返して、その受信
動作時に信号を受信した場合には、送信を停止して受信
を継続し、信号を受信しなくなった時点で再び受信と送
信とを繰り返して、その受信時に信号を受信しなかった
時点で合流ゾーンに進入させるようにすることが好まし
い。
【0018】これにより、同一の合流ゾーンに対する複
数の入口に同時に複数台の無人搬送車が待機していたよ
うな場合には、これら複数台の無人搬送車が合流ゾーン
内に同時に進入するのを一層確実に防止できるととも
に、何れの通信動作時にも他車からの信号を受信した時
点で送信を停止するので、混信による受信不能を確実に
防止できる。
【0019】また、上記発明において、走行領域が確認
エリア内または合流ゾーン入口を含む合流ゾーン内の何
れであるかを区別する走行領域判別データを設定して、
確認エリア内または合流ゾーン入口を含む合流ゾーン内
を走行する場合には該当する前記走行領域判別データを
付加して送信するようにすることが好ましい。
【0020】これにより、自車が確認エリアの入口に到
達した時点で確認エリア内を走行中の他車または合流ゾ
ーンの入口で待機中の他車が存在した場合には、合流ゾ
ーンの入口で待機中の他車または自車よりも早く合流ゾ
ーンの入口に到達した他車が合流ゾーンの走行領域判別
データを送信して、自車より先に合流ゾーン内に進入す
る。したがって、先に確認エリア内に存在していた他車
が合流ゾーンを出るまで自車を合流ゾーンの入口で待機
させることができ、合流ゾーンの入口への到着の早いも
の順に迅速に合流ゾーンD内に進入させることができ
る。そのため、搬送効率の一層の向上を図ることができ
る。
【0021】さらに、上記発明において、同一の合流ゾ
ーンに対する複数の入口の外側に各々設けた各確認エリ
アにそれぞれ進入する無人搬送車には、前記確認エリア
毎に互いに異なる発信周期で送信を繰り返す通信動作を
行わせるようにすることが好ましい。
【0022】これにより、同一の合流ゾーンにおける複
数の入口にそれぞれ無人搬送車が同時に待機していた場
合においても、極めて簡単な走行制御処理により、複数
台の無人搬送車を1台ずつ順番に合流ゾーン内に進入さ
せることができる。
【0023】また、上記発明において、複数の合流ゾー
ンが存在する場合には、その各合流ゾーン毎にそれぞれ
設定した固有のゾーンコードによる通信動作を行いなが
ら走行させるようにすることが好ましい。
【0024】これにより、互いに交信可能に近接してい
る複数の合流ゾーン、特に連続した複数の合流ゾーンを
個々に独立的に取り扱って走行制御することができる。
特に、連続した複数の合流ゾーンの場合には、前方の合
流ゾーンに対し手前側の合流ゾーンを確認エリアとして
取り扱って、手前側の合流ゾーンを走行中に前方の合流
ゾーンのゾーンコードを受信した場合に、前方の合流ゾ
ーンの入口で停車させることができる。そのため、同一
合流ゾーンへの複数台の無人搬送車の同時進入の発生を
確実に防止しながら、複雑な搬送路を共用して複数台の
無人搬送車を搬送効率良く走行制御することが可能とな
る。
【0025】また、上記通信手段において、複数の各合
流ゾーン毎に割り付けた固有の各ゾーンコードを互いに
異なる送信周波数で送信するようにすることが好まし
い。
【0026】これにより、混信による受信不能を確実に
防止して、自車が進入すべき合流ゾーンのゾーンコード
を確実に受信できる。
【0027】上記の走行制御手段において、各合流ゾー
ンの各々の入口で信号の受信が無くなったことによりそ
の合流ゾーンに進入する無人搬送車には、進入する前記
合流ゾーンのゾーンコードによる送信の繰り返しと、そ
の前記合流ゾーンの前方の前記合流ゾーンのゾーンコー
ドによる受信と送信とを繰り返す通信動作を行わせるよ
うにすることが好ましい。
【0028】これにより、或る合流ゾーンの入口側につ
ながっている手前側の合流ゾーンを確認エリアとして取
り扱って走行処理し、自車が進入する合流ゾーンコード
およひ前方の合流ゾーンへの他車の進入を排除するとと
もに、前方の合流ゾーン内またはこれに対応する確認エ
リア内の他車の存在の有無を確認できる。
【0029】上記の走行制御手段において、進入する合
流ゾーンの前方の合流ゾーンのゾーンコードの1チャン
ネルの受信と、進入する前記合流ゾーンとこれの前方の
前記合流ゾーンとの2つのゾーンコードを少なくとも含
む複数のゾーンコードを時系列に複数チャンネルで送信
する送信とを繰り返す通信動作を行わせるようにするこ
とが好ましい。
【0030】これにより、1台の無線通信機で複数チャ
ンネルの送信を行うことができるとともに、受信可能な
チャンネルが一つであるから、受信時間を十分に長く設
定することができ、前方の合流ゾーン内またはこれに対
応する確認エリア内に存在する他車からの信号を受信し
損なうことがない。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本
発明の一実施の形態に係る無人搬送車の走行制御方法を
具現化するためのゾーンの設定を示す説明図である。同
図において、誘導ラインによって設定された直線状の二
つの搬送路R1,R2が交差している場合であって、そ
の単一の交差点Cに向かって矢印で示すように三方から
進入して一方から出ていくような場合には、図8と同様
に、交差点Cの周囲に三つの入口I1〜I3と一つの出
口Oとを有する合流ゾーンDを設定し、この合流ゾーン
D内に同時に2台の無人搬送車AGV1〜AGV3が進
入しないように無人搬送車AGV1〜AGV3間で無線
による交信を行って相互に制御する。それに加えて、本
発明の走行制御方法の特長は、搬送路R1,R2におけ
る各入口I1〜I3の外側にそれぞれ確認エリアd1〜
d3を設定したことである。
【0032】上記合流ゾーンDは、搬送路R1,R2の
近傍箇所における各入口I1〜I3および出口Oを設定
するためのマーカM1〜M4を結んで設定された仮想的
なものである。各確認エリアd1〜d3は、各入口I1
〜I3から一定距離だけ離れた箇所における搬送路R
1,R2の近傍箇所に設けたマーカm1〜m3によって
設定された仮想的なものである。
【0033】無人搬送車AGV1〜AGV3は、自体に
備えた誘導センサによってマーカm1〜m3、M1〜M
4を光学的または磁気的に検出することにより、確認エ
リアd1〜d3の入口または合流ゾーンDの入口I1〜
I3或いは出口Oに到達したことを検知できる。なお、
無人搬送車AGV1〜AGV3には、図示していない
が、駆動車輪および操舵輪の回転駆動源のモータ、誘導
ラインおよびマーカM1〜M4、m1〜m3を検出する
誘導センサ、他車に対する接近を検知する検知装置、微
弱電波または光信号により他車との交信を行う無線通信
機、誘導センサや検知装置などから入力される検知信号
などに基づき中央演算処理ユニットがROMに記憶の制
御プログラムおよびRAMに記憶の設定項目にしたがっ
て各モータや無線通信機を含む無人搬送車AGV1〜A
GV3の走行全般を制御する制御装置などの装置を搭載
している。これらの構成は、既存の無人搬送車が搭載し
ている周知のものと同様であり、本発明の走行制御方法
では、既存の無人搬送車AGV1〜AGV3にそのまま
適用できるので、その図示を省略する。
【0034】図2は、本発明の一実施の形態に係る走行
制御方法における無人搬送車AGV1〜AGV3が確認
エリアd1〜d3および合流ゾーンDを通過する際の無
線通信機の通信動作を示すタイミングチャートで、T1
は確認エリアd1〜d3を通過する時間、T2は合流ゾ
ーンDを通過する時間である。同図は、無人搬送車AG
V1〜AGV3が確認エリアd1〜d3および合流ゾー
ンDを全く停止することなく通過する場合を例示してあ
る。つぎに、一実施の形態に係る走行制御方法における
走行制御の処理について、図3のフローチャートを参照
しながら詳細に説明する。
【0035】図示しない制御装置は、走行中において誘
導センサからのマーカm1〜m3の検出信号の入力の有
無に基づいて確認エリアd1〜d3の入口に到着したか
否かを常時監視している(ステップS1)。いま、図1
の無人搬送車AGV1について説明すると、この無人搬
送車AGV1の制御装置は、確認エリアd1の入口に到
着したと判別したときに、無線通信機に図2に示すよう
な受信と送信とを交互に行う通信動作を開始させたの
ち、停止することなくそのまま確認エリアd1内に進入
して走行を継続させる(ステップS2)。この無人搬送
車AGV1が確認エリアd1内を走行中において、制御
装置は無線通信機が他車AGV2,AGV3からの信号
を受信したか否かを判別する(ステップS3)。
【0036】無人搬送車AGV1が合流ゾーンDの入口
I1に到達するまでの間に無線通信機が合流ゾーンDを
走行中の他車AGV3から送信されている信号を受信し
た場合には、直ちに送信を停止して、そのまま前進走行
を継続する(ステップS4)。このように、無線通信機
による受信は合流ゾーンDの入口I1に対して一定距離
だけ手前に到達した時点から開始するので、無人搬送車
AGV1を一旦停止させることなく走行させながらも十
分な受信時間を設定することができ、確認エリアd1を
通過し終えるまでに他車AGV3が合流ゾーンDを走行
中であった場合には、その他車AGV3からの信号を確
実に受信することができる。また、他車AGV3からの
信号を受信した時点で送信を停止するので、他の確認エ
リアd3を走行中の無人搬送車AGV2は、2台以上の
他車AGV1,AGV3から同時に信号を送信されるこ
とによる混信を極力防止して信号を確実に受信でき、こ
の点からも受信し損なうといった事態の発生を確実に防
止することができる。
【0037】上記の他車AGV3からの信号を受信した
時点で送信を停止した無人搬送車AGV1では、制御装
置が、走行速度を徐々に下げながら前進走行を継続させ
るとともに、誘導センサからのマーカM1の検出信号の
入力の有無に基づいて合流ゾーンDの入口I1に到着し
たか否か常時監視している(ステップS5)。制御装置
は、入口I1に到着したと判別したときに、受信状態を
継続しながら無人搬送車AGV1を一旦停車させ(ステ
ップS6)、この停車状態において無線通信機が他車A
GV3またはAGV2からの信号を受信しなくなるのを
監視する(ステップS7)。すなわち、制御装置は、合
流ゾーンDを走行中の他車AGV3またはAGV2が合
流ゾーンDから出るのを監視する。
【0038】合流ゾーンDを走行中の他車AGV3また
はAGV2が合流ゾーンDから出て無線通信機が信号を
受信していない状態が一定時間継続したと判別したとき
に(ステップS7)、無線通信機が受信と送信を交互に
行う通信動作を開始し(ステップS8)、制御装置は、
無線通信機が受信時に他車からの信号を一定時間継続し
て受信したか否かを判別する(ステップS9)。
【0039】ここで、無線通信機が一定時間の通信動作
中に再び信号を受信したと判別した場合には、制御装置
が無線通信機に対し送信動作を停止させ、且つ受信状態
のみを継続させ(ステップS10)、そののち、ステッ
プS7にリターンして、制御装置は停車状態を継続させ
ながら無線通信機が他車からの信号を一定時間継続して
受信しなくなるのを監視する。そして、制御装置は、信
号受信が再び一定時間無かったと判別したときに(ステ
ップS7)、無線通信機に再び受信と送信とを交互に行
う通信動作を開始させ(ステップS8)、その受信時に
他車からの信号受信が一定時間継続して無かったのを確
認したときに(ステップS9)、無人搬送車AGV1に
前進走行を開始させて合流ゾーンD内に進入させる(ス
テップS11)。その前進走行と同時に、図2の合流ゾ
ーンDの通過時間T2に示すように、制御装置は無線通
信機に対し受信動作を停止させ、且つ送信動作のみを継
続するように制御する(ステップS12)。
【0040】上述のような走行制御を行うことにより、
各入口I1〜I3に無人搬送車が同時に待機していた場
合、或いは複数台の無人搬送車が何れかの確認エリアd
1〜d3に同時に存在していた場合には、一定時間の間
信号を受信しなかったと判別した時点(ステップS7)
で即座に合流ゾーンD内に進入させずに、互いに受信と
送信とを再度行って確認するので、これらの無人搬送車
が合流ゾーンD内に同時に進入するのを確実に防止でき
る。なお、複数の無人搬送車が同時に入口I1〜I3で
待機する状態が生じた場合には各無人搬送車を1台ずつ
合流ゾーンD内に進入させ、また、先に異なる確認エリ
アd1〜d3内にそれぞれ無人搬送車が存在する場合に
は確認エリアd1〜d3内に進入した順番で合流ゾーン
D内に進入させるように走行制御するが、この点につい
ては後述する。
【0041】そして、上述のステップS11,S12に
おいて、送信動作のみを行いながら合流ゾーンD内に進
入した無人搬送車AGV1では、受信を行わないことか
ら、確認エリアd1〜d3内の他車から送信される信号
で停止することなく出口Oに向かって走行を継続する。
このとき、制御装置は、合流ゾーンDの出口Oに到達し
たか否かを誘導センサからのマーカM4の検出信号の入
力の有無によって監視する(ステップS13)。制御装
置は、誘導センサからマーカM4の検出信号が入力され
ることによって自車が合流ゾーンDの出口Oに到達した
と判別したときに、無線通信機に対し送信動作を停止す
るよう制御する(ステップS14)。
【0042】一方、受信と送信を交互に行う通信動作を
行いながら確認エリアd1〜d3内に進入した無人搬送
車の制御装置は、受信時に他車からの信号を受信したと
判別することなしに合流ゾーンDの入口I1〜I3の入
口まで到達したのを判別した場合(ステップS15)に
は、この無人搬送車がマーカM1〜M3を検出した時点
で受信動作を停止し(ステップS12)、且つ送信動作
を継続しながら停止することなく合流ゾーンD内に進入
する。この場合には、確認エリアd1〜d3内に進入し
て入口I1〜I3の入口に達するまでの間において合流
ゾーンD内および確認エリアd1〜d3内の何れにも他
車が全く存在しなかったと判別できる。
【0043】したがって、この状況での無人搬送車は、
停止することなく合流ゾーンD内に進入して合流ゾーン
Dを迅速に通過することになる。このように、無用な待
ち時間を設けないので、搬送効率が向上する。
【0044】なお、上記実施の形態では、合流ゾーンD
の通過時間T2中は受信動作を停止させているが、受信
は連続したままで、受信した内容を無視するように制御
してもよい。
【0045】ところで、複数台の無人搬送車AGV1〜
AGV3が合流ゾーンDの入口I1〜I3に全く同時に
到着する状態がたまに生じる場合がある。その場合に
は、図4に示すようにして対処する。いま、図1の合流
ゾーンDの三つの確認ゾーンd1〜d3からそれぞれ進
入した無人搬送車が、何れも信号を受信したと判別して
(ステップS3)、対応する各入口I1〜I3で共に受
信状態で待機している(ステップS6)ときに、図4の
3 時に一定時間の間継続して信号の受信が無かったと
判別した場合(ステップS7)、各無人搬送車の無線通
信機は、何れもt3 時から受,送信動作を開始する。
【0046】図4(a)は確認エリアd1から進入した
無人搬送車の無線通信機の通信動作を、(b)は確認エ
リアd2から進入した無人搬送車の無線通信機の通信動
作を、(c)は確認エリアd3から進入した無人搬送車
の無線通信機の通信動作をそれぞれ示す。同図から明ら
かなように、確認エリアd1から進入する無人搬送車の
(a)に示す送信周期S1が最も短く、確認エリアd3
から進入する無人搬送車の(c)に示す送信周期S3が
最も長く、確認エリアd2から進入する無人搬送車の
(b)に示す送信周期S2が上記二つの中間の長さに設
定されている。各無人搬送車では、各確認エリアd1〜
d3の入口のマーカm1〜m3を誘導センサが検出する
ことにより、その検出信号に対応する送信周期S1〜S
3を制御装置が自動的に設定するようになっている。
【0047】図4では、各無人搬送車の無線通信機が信
号を一定時間の間受信しなかったのを判別したt3 時点
で(ステップS7)、同時に受信と送信を交互に行う通
信動作を開始するが(ステップS8)、最も短い送信周
期S1で送信する確認エリアd1の無人搬送車から送信
する信号が他の確認エリアd2,d3に位置する各無人
搬送車に受信される。それにより、確認エリアd2,d
3の各無人搬送車では、(b),(c)に示すように、
信号を受信したと判別して(ステップS9)、送信動作
を中止し(ステップS10)、信号受信が一定時間無く
なるのを待つ(ステップS7)。これに対し、確認エリ
アd1の無人搬送車は、他の確認エリアd2,d3の各
無人搬送車から信号が送信されないので、(a)に示す
一定時間経過後のt4 時に、一定時間の間において受信
しなかったと判別して合流ゾーンDに進入し(ステップ
S11)、且つ受信を停止し、所定時間T2の経過後に
合流ゾーンDの出口Oに到達する(ステップS13)。
【0048】つぎに、確認エリアd2に位置する無人搬
送車は、上記の無人搬送車が合流ゾーンDから出て一定
時間の間に信号を受信しなかったと判別(ステップS
7)した時点で受信と送信を繰り返す通信動作を開始す
る(ステップS8)。確認エリアd3に位置する無人搬
送車は、確認エリアd2に位置する無人搬送車の上述の
送信動作による信号を受信することにより、(c)に示
すように送信動作をすることなく信号受信が無くなるの
を待つ。
【0049】これに対し、確認エリアd2の無人搬送車
は、他の確認エリアd3の各無人搬送車から信号が送信
されず、信号を受信しないので(ステップS9)、
(b)に示すt5 時に合流ゾーンDに進入して(ステッ
プS11)、所定時間T2の経過後に合流ゾーンDから
出る。これにより、確認エリアd3に位置する無人搬送
車は、(c)に示すように、信号受信が無くなることに
よって受信と送信を繰り返す通信動作を開始して(ステ
ップS8)、受信時に信号を受信しないことによって
(ステップS9)、(c)に示すようにt6 時に合流ゾ
ーンDに進入して、所定時間T2の経過後に合流ゾーン
Dから出る。
【0050】また、この実施の形態では、上述のように
確認エリアd1〜d3毎に送信周期の異なる信号を送信
するのに加えて、送信信号には、確認エリアd1〜d3
内または合流ゾーンD内の何れであるかを区別する走行
領域判別データを付加して送信されるようになってい
る。例えば、確認エリアd1〜d3内を走行するときに
は送信信号に「0」のデータを付加し、入口I1〜I3
を含む合流ゾーンD内を走行するときには送信信号に
「1」のデータを付加してそれぞれ送信する。この走行
領域判別データは、2種のマーカM1〜M3,m1〜m
3のうちの何れの検出信号であるかを制御装置が判別し
て送信信号に付加する。
【0051】したがって、図1に図示する状態、すなわ
ち、自車AGV1が確認エリアd1に進入する以前に、
自車AGV1よりもに早く確認エリアd3に進入した他
車AGV2および合流ゾーンDを走行中の他車AGV3
があった場合には、自車AGV1が確認エリアd1内を
進入した時点で、他車AGV2が入口I3に到達してい
る。この他車AGV2は、他車AGV3が合流ゾーンD
を出た時点で、「1」のデータを付加した信号を送信し
て自車AGV1の合流ゾーンDへの進入を規制するとと
もに、自車AGV1から送信する「0」のデータを付加
した信号を無視して合流ゾーンD内に進入する。すなわ
ち、この走行制御方法では、合流ゾーンDの入口I1〜
I3へ到着したものから迅速に合流ゾーンD内に進入さ
せることができる。
【0052】したがって、この走行制御方法では、簡単
な走行制御手段を用いながらも、複数台の無人搬送車A
GV1〜AGV3に対し確認エリアd1〜d3に早く進
入した順序にしたがって確実に1台ずつ合流ゾーンD内
に可及的に早く進入させることができるので、複数台の
無人搬送車AGV1〜AGV3を複数の入口I1〜I3
から交差点Cに進入させる場合において、何れの方向か
ら進入する無人搬送車AGV1〜AGV3に対しても待
ち時間が特に長くなることなく効率的に走行制御でき
る。そのため、従来の進入走行路毎に優先順位を設ける
走行制御の場合のような優先順位の低い進入走行路に待
ち行列ができるといった事態が生じることがない。
【0053】ところで、図1に示すような複数の合流ゾ
ーンDが、この内部に存在する無人搬送車の間で互いに
交信が可能な距離に近接している場合には、各合流ゾー
ンに固有のゾーンコードを設定して、各合流ゾーン毎に
一実施の形態で示したと同様の走行制御処理を独立的に
行うことによって対応できる。ところが、複数の合流ゾ
ーンが連続した場合には、無人搬送車の走行方向におけ
る手前側の合流ゾーンが前方側の合流ゾーンの確認エリ
アに相当するので、つぎの他の実施の形態のようにして
対応する。
【0054】図5は、本発明の他の実施の形態に係る無
人搬送車の走行制御方法を具現化するためのゾーンの設
定を示す説明図である。この実施の形態では、誘導ライ
ンによって設定された直線状の四つの搬送路R1〜R4
が交差して三つの交差点C1〜C3が連続的に存在する
場合の走行制御に関するものである。その三つの交差点
C1〜C3には、矢印で示すように各々三方から進入し
て一方から出ていくようになっている。各交差点C1〜
C3の各々の周囲には、それぞれ第1ないし第3の合流
ゾーンD1〜D3が設定されている。この各合流ゾーン
D1〜D3は、それぞれ三つの入口I1〜I3、I4〜
I6、I7〜I9を有し、第2の合流ゾーンD2の一つ
の入口I4は第1の合流ゾーンD1の出口を兼ねてお
り、第3の合流ゾーンD3の一つの入口I7は第2の合
流ゾーンD2の出口を兼ねている。
【0055】何れの合流ゾーンD1〜D3に進入した無
人搬送車も最終的には単一の出口Oから出ていく。
【0056】なお、図5において、搬送路R3では無人
搬送車をマーカM4からM5に向けて直線的に走行さ
せ、且つ搬送路R3では無人搬送車をマーカM6からM
7に向けて直線的に走行させる場合においても、以下に
説明する走行制御と同様の処理で対応できる。
【0057】各合流ゾーンD1〜D3は、搬送路R1〜
R4の近傍箇所に設定されたマーカM1〜M10によっ
て設定された仮想的なものである。第1の合流ゾーンD
1の三つの入口I1〜I3の外側には、それぞれ確認エ
リアd1〜d3が各マーカm1〜m3によって仮想的に
設定されており、第2および第3の各合流ゾーンD2,
D3の各々の側方の各二つの入口I5,I6、I8,I
9の外側には、それぞれ確認エリアd4,d5、d6,
d7、が各マーカm4〜m7によって仮想的に設定され
ている。
【0058】つぎに、上記実施の形態に係る走行制御方
法における走行制御の処理について、図6および図7の
フローチャートを参照しながら詳細に説明する。図6は
走行制御の前半の処理を示すフローチャートで、図7は
その後半の処理を示すフローチャートであり、各々のフ
ローチャートの接続ポイントP1,P2は相互に接続さ
れている。この実施の形態では、各合流ゾーンD1〜D
3毎に各々の交差点C1〜C3の情報である固有のゾー
ンコードが割り付け設定されている。このゾーンコード
は、周知のバイナリコードまたはアスキーコードによる
データとして設定される。例えば、第1の合流ゾーンD
1には「123」のデータ、第2の合流ゾーンD2には
「125」のデータ、第3の合流ゾーンD3には「12
7」のデータがそれぞれバイナリコードによって設定さ
れる。また、これら各ゾーンコードは互いに異なる送信
周波数で送信される。さらに、これらのゾーンコードに
は、一実施の形態で説明したと同様の「0」,「1」の
走行領域判別データを付加して送信される。
【0059】そして、何れかの確認エリアd1〜d7の
入口に到達した無人搬送車の制御装置は、自車が進入可
能な合流ゾーンD1〜D3に対応するゾーンコードの
受,送信のみをできるように無線通信機を設定するよう
になっており、その設定は誘導センサが検出したマーカ
m1〜m7に基づいて判別した確認エリアd1〜d7に
基づいて行われる。
【0060】いま、無人搬送車が第1の確認エリアd1
から各合流ゾーンD1〜D3を順次通過する場合につい
て説明する。図6において、自車の制御装置は、走行中
において誘導センサからのマーカm1の検出信号の入力
の有無に基づいて確認エリアd1の入口に到達したか否
かを常時監視している(ステップS21)。制御装置
は、確認エリアd1の入口に到達したと判別した場合、
無線通信機に対し自車が進入可能な合流ゾーンD1に割
り付けられた、例えば「123」のゾーンコードでの
受,送信のみが可能なように設定して、受信と送信とを
交互に行う通信動作を開始させたのち、停止することな
くそのまま確認エリアd1内に進入して走行を継続させ
る(ステップS22)。
【0061】この無人搬送車が確認エリアd1を走行中
において、制御装置は無線通信機が他車からの信号を受
信したか否かを判別する(ステップS23)。この場合
に受信が可能な信号は、自車が次に進入可能な前方の合
流ゾーンD1に存在する他車からの送信信号と、その合
流ゾーンD1に進入可能な他の確認エリアd2,d3に
存在している他車からの送信信号とである。すなわち、
自車は前々方の第2の合流ゾーンD2のゾーンコードの
受信も可能な距離に存在しているが、前方の合流ゾーン
D1のゾーンコードのみを受信可能に設定されているこ
とと、各合流ゾーンD1〜D3にそれぞれ割り付けられ
たゾーンコードが互いにことなる送信周波数で送信され
ることとにより、混信によって合流ゾーンD1のゾーン
コードの受信が不能になったり、合流ゾーンD2のゾー
ンコードを誤って受信するといったことが生じない。
【0062】無人搬送車が合流ゾーンD1の入口I1に
到達するまでの間に無線通信機が他車から送信されてい
る信号を受信した場合には、直ちに受信中の合流ゾーン
D1のゾーンコードの送信を停止して(ステップS2
4)、そのまま前進走行を継続する。このように、無線
通信機による受信は合流ゾーンD1の入口I1に対して
一定距離だけ手前の位置に到達した時点から開始するの
で、無人搬送車を一旦停止させることなく走行させなが
らも十分な受信時間を設定することができる。そのた
め、確認エリアd1を走行中において、自車が進入可能
な合流ゾーンD1またはその合流ゾーンD1に進入可能
な他の確認エリアd2,d3の何れか一方に他車が存在
した場合には、その他車からの信号を確実に受信するこ
とができる。
【0063】また、他車からの信号を受信した時点で送
信を停止するので、同じ合流ゾーンD1に進入可能な他
の確認エリアd2,d3を走行中の無人搬送車は、2台
以上の他車から同時に送信することによる混信を極力防
止して信号を受信でき、この点からも受信し損なうとい
った事態の発生を確実に防止することができる。
【0064】上記の他車からの信号を受信した時点で送
信を停止した無人搬送車では、制御装置が、走行速度を
徐々に下げながら前進走行を継続させるとともに、誘導
センサからのマーカM1の検出信号の入力の有無に基づ
いて合流ゾーンD1の入口I1に到達したか否か常時監
視している(ステップS25)。制御装置は、入口I1
に到達したと判別したときに、受信状態を継続しながら
無人搬送車を一旦停車させ(ステップS26)、この停
車状態において無線通信機が他車からの信号を一定時間
の間受信しなくなるのを監視する(ステップS27)。
すなわち、制御装置は、自車が進入可能な合流ゾーンD
1を走行中の他車または入口I2,I3で待機中の他車
がその合流ゾーンD1から出るのを監視する。
【0065】自車が進入可能な合流ゾーンD1を走行中
の他車が合流ゾーンD1から出て無線通信機への信号受
信が一定時間の間継続して無かったと判別したときに
(ステップS27)、無線通信機が前方の合流ゾーンD
1に割り付けられた「123」のゾーンコードでの受信
と送信を交互に行う通信動作を再度開始し(ステップS
28)、制御装置は、無線通信機が受信時において他車
からの信号を受信したか否かを判別する(ステップS2
9)。
【0066】ここで、無線通信機が再び信号を受信した
と判別した場合には、制御装置が無線通信機に対し受信
中の合流ゾーンD1のゾーンコードの送信動作を停止さ
せ、且つ受信状態のみを継続させ(ステップS30)、
そののち、ステップS27にリターンして、制御装置は
停車状態を継続させながら無線通信機が他車からの信号
を一定時間の間継続して受信しなくなるのを監視する。
そして、制御装置は、信号の受信が再び一定時間継続し
て無かったと判別したときに(ステップS27)、無線
通信機に再び前方の合流ゾーンD1に割り付けられたゾ
ーンコードでの受信と送信とを交互に行う通信動作を開
始させる(ステップS28)。
【0067】これにより、合流ゾーンD1に進入する前
に、この合流ゾーンD1内および他の確認エリアd2,
d3内にそれぞれ他車が存在しないか否かを再度確認で
きるので、複数台の無人搬送車が合流ゾーンD1内に同
時に進入するのを確実に防止できる。また、合流ゾーン
D1に対する複数の入口I1〜I3に同時に複数台の無
人搬送車が待機していたような場合には、これら複数台
の無人搬送車が合流ゾーンD1内に同時に進入するのを
一層確実に防止できるととともに、何れの通信動作時に
も他車からの信号を受信した時点で送信を停止するの
で、混信による受信不能を確実に防止できる。
【0068】制御装置は、その受信時に他車からの信号
の受信が一定時間継続して無かったのを確認したときに
(ステップS29)、自車が進入する前方の合流ゾーン
D1の前々方に合流ゾーンD2が有るか否かを判別する
(ステップS31)。ここでは、前々方に合流ゾーンD
2が有ると判別されるので、制御装置が、先ず、これか
ら進入する前方の合流ゾーンD1に割り付けられた「1
23」のゾーンコードの受信を停止し(ステップS3
2)、続いて、合流ゾーン出口であるか否かを判別する
(ステップS33)。この場合は、合流ゾーンD1に対
する入口I1であり、合流ゾーンの出口ではないのでス
テップS34をスキップし、前々方の合流ゾーンD2に
割り付けられた、例えば「125」のゾーンコードでの
受信と送信とを交互に繰り返す通信動作を開始させ(ス
テップS35)るよう無線通信機を設定し、前進走行を
開始して合流ゾーンD1内に進入させる(ステップS3
6)。そののち、制御装置は、ステップS23にリター
ンして上述と同様の走行制御処理を繰り返す。
【0069】ここで、合流ゾーンD1に進入した無人搬
送車の無線通信機は、合流ゾーンD2のゾーンコードの
1チャンネルの受信と、両合流ゾーンD1,D2の二つ
のゾーンコードを時系列に2チャンネルで送信する送信
とを繰り返す。これにより、1台の無線通信機で2チャ
ンネルの送信を行うことができるとともに、受信可能な
チャンネルが一つであるから、受信時間を十分に長く設
定することができ、前方の合流ゾーンD2内またはこれ
に対応する確認エリアd4,d5内に存在する他車から
の信号を受信し損なうことがない。
【0070】上記の合流ゾーンD1内を走行中の無人搬
送車の制御装置は、この合流ゾーンD1のゾーンコード
の信号を送信することによって各確認エリアd1〜d3
内を走行中の他車に対し合流ゾーンD1内に進入するの
を規制するとともに、前方の合流ゾーンD2のゾーンコ
ードでの受,送信を行うことによって、その合流ゾーン
D2内の他車の存在の有無を判別し、且つ各確認エリア
d4,d5内を走行中の他車の合流ゾーンD2への進入
を規制する。これは、走行中の合流ゾーンD1は前方の
合流ゾーンD2の確認エリアに相当するからである。
【0071】そして、合流ゾーンD1内を走行中の無人
搬送車の制御装置は、無線通信機が他車からの信号を受
信したか否かを判別する(ステップS23)。この場合
に受信が可能な信号は、自車が次に進入可能な前方の合
流ゾーンD2内に存在する他車または入口I5,I6で
待機している他車の何れかからの「125」のゾーンコ
ードの送信信号である。
【0072】無人搬送車が合流ゾーンD2の入口I4に
到達するまでの間に無線通信機が他車から送信されてい
る信号を受信した場合には、直ちに「125」のゾーン
コードでの送信を停止して、そのまま前進走行を継続す
る(ステップS24)。つぎに、制御装置が、走行速度
を徐々に下げながら前進走行を継続させるとともに、誘
導センサからのマーカM8の検出信号の入力の有無に基
づいて合流ゾーンD2の入口I4に到達したか否か常時
監視している(ステップS25)。制御装置は、入口I
4に到達したと判別したときに、受信状態を継続しなが
ら無人搬送車を一旦停車させ(ステップS26)、この
停車状態において無線通信機が他車からの信号を一定時
間の間受信しなくなるのを監視する(ステップS2
7)。
【0073】自車が進入可能な合流ゾーンD2を走行中
の他車が合流ゾーンD2から出て無線通信機への信号受
信が一定時間の間継続して無かったと判別したときに
(ステップS27)、無線通信機が前方の合流ゾーンD
2に割り付けられた「125」のゾーンコードでの受信
と送信を交互に行う通信動作を再度開始し(ステップS
28)、制御装置は、無線通信機が受信時において他車
からの信号を受信したか否かを判別する(ステップS2
9)。ここで、受信した信号に「0」の走行領域判別デ
ータが付加されていた場合には、これを無視する。すな
わち、この場合には、合流ゾーンD1を走行中の自車は
確認エリアd4,d5を走行中の他車に対し優先的に合
流ゾーンD2に進入できる。
【0074】ここで、無線通信機が再び信号を受信した
と判別した場合には、制御装置が無線通信機に対し、
「125」のゾーンコードでの送信動作を停止させ、且
つ受信状態のみを継続させ(ステップS30)、そのの
ち、ステップS27にリターンして、制御装置は停車状
態を継続させながら無線通信機が他車からの信号を一定
時間の間継続して受信しなくなるのを監視する。そし
て、制御装置は、信号の受信が再び一定時間継続して無
かったと判別したときに(ステップS27)、無線通信
機に再び前方の合流ゾーンD2に割り付けられたゾーン
コードでの受信と送信とを交互に行う通信動作を開始さ
せる(ステップS28)。制御装置は、その受信時に他
車からの信号の受信が一定時間継続して無かったのを確
認したときに(ステップS29)、自車が進入する前方
の合流ゾーンD2の前々方に合流ゾーンD3が有るか否
かを判別する(ステップS31)。
【0075】ここでは、前々方に合流ゾーンD3が有る
と判別されるので、制御装置が、先ず、これから進入す
る前方の合流ゾーンD2に割り付けられた「125」の
ゾーンコードの受信を停止し(ステップS32)、合流
ゾーンの出口でもあるか否かを判別する(ステップS3
3)。ここでは、合流ゾーンD2の入口は合流ゾーンD
1の出口でもあるので、該当ゾーンD1の「123」の
ゾーンコードの送信を停止する(ステップS34)。続
いて、前々方の合流ゾーンD3に割り付けられた、例え
ば「127」のゾーンコードでの受信と送信とを交互に
繰り返す通信動作を開始させ(ステップS35)るよう
無線通信機を設定し、前進走行を開始して合流ゾーンD
2内に進入させる(ステップS36)。そののち、制御
装置は、再びステップS23にリターンして上述と同様
の走行制御処理を繰り返す。
【0076】そして、合流ゾーンD2内を走行中の無人
搬送車の制御装置は、無線通信機が他車からの信号を受
信したか否かを判別する(ステップS23)。この場合
に受信が可能な信号は、自車が次に進入可能な前方の合
流ゾーンD3内に存在する他車または入口I8,I9で
待機している他車い何れかからの送信信号である。
【0077】無人搬送車が合流ゾーンD3の入口I7に
到達するまでの間に無線通信機が他車から送信されてい
る信号を受信した場合には、直ちに「127」のゾーン
コードでの送信を停止して、そのまま前進走行を継続す
る(ステップS24)。つぎに、制御装置が、走行速度
を徐々に下げながら前進走行を継続させるとともに、誘
導センサからのマーカM9の検出信号の入力の有無に基
づいて合流ゾーンD3の入口I7に到達したか否か常時
監視している(ステップS25)。制御装置は、入口I
7に到達したと判別したときに、受信状態を継続しなが
ら無人搬送車を一旦停車させ(ステップS26)、この
停車状態において無線通信機が他車からの信号を一定時
間の間受信しなくなるのを監視する(ステップS2
7)。
【0078】自車が進入可能な合流ゾーンD3を走行中
の他車が合流ゾーンD3から出て無線通信機への信号受
信が一定時間の間継続して無かったと判別したときに
(ステップS27)、無線通信機が前方の合流ゾーンD
3に割り付けられた「127」のゾーンコードでの受信
と送信を交互に行う通信動作を再度開始し(ステップS
28)、制御装置は、無線通信機が受信時において他車
からの信号を受信したか否かを判別する(ステップS2
9)。ここで、受信した信号に「0」の走行領域判別デ
ータが付加されていた場合には、これを無視する。すな
わち、この場合には、合流ゾーンD2を走行中の自車は
確認エリアd6,d7を走行中の他車に対し優先的に合
流ゾーンD3に進入できる。
【0079】ここで、無線通信機が再び信号を受信した
と判別した場合には、制御装置が無線通信機に対し「1
27」のゾーンコードでの送信動作を停止させ、且つ受
信状態のみを継続させ(ステップS30)、そののち、
ステップS27にリターンして、制御装置は停車状態を
継続させながら無線通信機が他車からの信号を一定時間
の間継続して受信しなくなるのを監視する。そして、制
御装置は、信号の受信が再び一定時間継続して無かった
と判別したときに(ステップS27)、無線通信機に再
び前方の合流ゾーンD3に割り付けられたゾーンコード
での受信と送信とを交互に行う通信動作を開始させる
(ステップS28)。制御装置は、その受信時に他車か
らの信号の受信が一定時間継続して無かったのを確認し
たときに(ステップS29)、自車が進入する前方の合
流ゾーンD3の前々方に合流ゾーンが有るか否かを判別
する(ステップS31)。
【0080】ここでは、前々方に合流ゾーンが無いと判
別されるので、受信を停止する(ステップS37)。続
いて、合流の出口でもあるか否かを判別され(ステップ
S38)、この場合は、合流ゾーンD3の入口I7は合
流ゾーンD2の出口でもあるから、合流ゾーンD2のゾ
ーンコードの送信を停止し(ステップS39)、前進走
行を開始して合流ゾーンD3内に進入する(ステップS
40)。合流ゾーンD3内に進入した無人搬送車では、
制御装置がマーカM10の検出信号の入力の有無に基づ
いて出口Oに到達したか否かを判別し(ステップS4
1)、出口Oに到達したと判別した時点で、送信を停止
する(ステップS42)。
【0081】したがって、この走行制御方法では、複数
台の無人搬送車を複数(この実施の形態では三つ)の交
差点C1〜C3が連続するような複雑な搬送路を共用し
て走行させる場合においても、各交差点C1〜C3の周
囲にそれぞれ設定した合流ゾーンD1〜D3毎に異なる
ゾーンコードに、走行領域が確認エリアd1〜d7内ま
たは合流ゾーンD1〜D3内の何れであるかを区別する
走行領域判別データを付加して送信する簡単な制御手段
を用いながらも、複数台の無人搬送車に対し確認エリア
d1〜d7および前段側の合流ゾーンD1,D2に早く
進入した順序にしたがって確実に1台ずつ合流ゾーンD
1〜D3内に可及的に早く進入させることができるの
で、何れの方向から進入する無人搬送車に対しても待ち
時間が特に長くなることなく効率的に走行制御でき、搬
送効率の格段の向上を図ることができる。
【0082】一方、制御装置は、確認エリアd1を通過
中に他車から前方の合流ゾーンであるD1のゾーンコー
ドの信号を全く受信することなく前方の合流ゾーンD1
の入口I1に到達したと判別した場合には(ステップS
43)、その前方の合流ゾーンの前々方に合流ゾーンが
存在するか否かを判別する(ステップS31)。この場
合、前々方に合流ゾーンD2が存在するため、前方の合
流ゾーンD1のゾーンコードの受信を停止して(ステッ
プS32)、前方の合流ゾーンD1のゾーンコードの送
信を継続し、前々方の合流ゾーンD2のゾーンコードの
受、送信を開始して(ステップS35)、前方の合流ゾ
ーンD1の入口I1で停車することなく、前方の合流ゾ
ーンD1への前進走行を継続する(ステップS36)。
【0083】つづいて、合流ゾーンD1を通過中に他車
から前方の合流ゾーンD2のゾーンコードの信号を全く
受信することなく前方の合流ゾーンD2の入口I4に到
達したと判別した場合には(ステップS43)、その前
方の合流ゾーンの前々方に合流ゾーンが存在するか否か
を判別する(ステップS31)、この場合、前々方に合
流ゾーンD3が存在するため、前方の合流ゾーンD2の
ゾーンコードの受信を停止して(ステップS32)、前
方の合流ゾーンD2のゾーンコードの送信を継続し、入
口I4は合流ゾーンD1の出口でもあるため合流ゾーン
D1のゾーンコードの送信を停止して(ステップS3
4)、前々方の合流ゾーンD3のゾーンコードの受、送
信を開始して(ステップS35)、前方の合流ゾーンD
2の入口I4で停車することなく、前方の合流ゾーンD
2への前進走行を継続する(ステップS36)。
【0084】またつづいて、合流ゾーンD2を通過中に
他車から前方の合流ゾーンD3のゾーンコードの信号を
全く受信することなく、前方の合流ゾーンD3の入口I
7に到達したと判別した場合には(ステップS43)、
その前方の合流ゾーンの前々方に合流ゾーンが存在する
か否かを判別する(ステップS31)。この場合、前々
方に合流ゾーンは存在しないため、前方の合流ゾーンD
3のゾーンコードの受信を停止して(ステップS3
7)、前々方の合流ゾーンD3のゾーンコードの送信を
継続し、入口I7は合流ゾーンD2の出口でもあるため
合流ゾーンD2のゾーンコードの送信を停止して(ステ
ップS39)、前方の合流ゾーンD3の入口I7で停車
することなく、前方の合流ゾーンD3への前進走行を継
続する(ステップS40)。合流ゾーンD3の出口Oに
到達したと判別したら(ステップS41)、送信を停止
して(ステップS42)、出口Oを通過する。
【0085】上述のように、自車の走行時に各合流ゾー
ンD1〜D3および各確認エリアd1〜d7に全く他車
が存在しなかった場合には、合流ゾーンD1,D2、D
3の入口I1,I4、I7で停車させることなく、前方
の合流ゾーンD1〜D3に迅速に進入させることができ
るので、無用な待ち時間を設けることなく可及的に早く
合流ゾーンD1〜D3内に進入させることができる。
【0086】なお、本実施の形態では、図5における確
認エリアd1から進入し、D1、D2、D3を通過する
事例について図6、図7のフローチャートに基づき説明
したが、確認エリアd2〜d7から進入する場合につい
ても、同様の方法で制御することができる。
【0087】
【発明の効果】以上のように本発明の無人搬送車の走行
制御方法によれば、無線による受信と送信を、合流ゾー
ン入口に対して確認エリアにより設定した一定距離だけ
手前に到達した時点から開始するようにしたので、無人
搬送車を一旦停止させることなく走行させながらも十分
な受信時間を設定できるから、他車からの信号を確実に
受信して合流ゾーンの入口で停止させることができる。
また、他車からの信号を受信した時点で送信を停止させ
るので、2台以上の他車から同時に送信することによる
混信を極力防止して信号を受信でき、受信し損なうとい
った事態の発生を一層確実に防止できる。また、確認エ
リアを走行中に他車からの信号を受信しなかった場合に
は、一旦停止することなく迅速に合流ゾーンに進入させ
ることができる。これにより、優先順や複雑な制御用信
号を用いない簡単な走行制御処理を行いながらも、2台
の無人搬送車が合流ゾーン内へ同時進入するのを確実に
防止して、多数台の無人搬送車を可及的迅速に合流ゾー
ン内に進入させて搬送効率を上げることが可能となる。
【0088】また、走行領域が確認エリア内または合流
ゾーン入口を含む流ゾーン内の何れであるかを区別する
走行領域判別データを設定して、確認エリア内または合
流ゾーン入口を含む合流ゾーン内を走行する場合には該
当する前記走行領域判別データを付加して送信するよう
にすれば、先に確認エリア内に存在していた他車が合流
ゾーンを出るまで自車を合流ゾーンの入口で待機させる
ことができ、合流ゾーンの入口への到着の早いものを優
先して合流ゾーンD内に進入させることができるため、
搬送効率の一層の向上を図ることができるまた、複数の
合流ゾーンが存在する場合には、その各合流ゾーン毎に
それぞれ設定した固有のゾーンコードによる通信動作を
行いながら走行させるようにすれば、互いに交信可能に
近接している複数の合流ゾーン、特に連続した複数の合
流ゾーンを個々に独立的に取り扱って走行制御すること
ができる。特に、連続した複数の合流ゾーンの場合に
は、前方の合流ゾーンに対し手前側の合流ゾーンを確認
エリアとして取り扱って、手前側の合流ゾーンを走行中
に前方の合流ゾーンのゾーンコードを受信した場合に、
前方の合流ゾーンの入口で停車させることができる。そ
のため、同一合流ゾーンへの複数台の無人搬送車の同時
進入の発生を確実に防止しながら、複雑な搬送路を共用
して複数台の無人搬送車を搬送効率良く走行制御するこ
とが可能となる。
【0089】さらに、各合流ゾーンの各々の入口で信号
の受信が無くなったことによりその合流ゾーンに進入す
る無人搬送車には、進入する前記合流ゾーンのゾーンコ
ードによる送信の繰り返しと、その前記合流ゾーンの前
方の前記合流ゾーンのゾーンコードによる受信と送信と
を繰り返す通信動作を行わせるようにすれば、或る合流
ゾーンの入口側につながっている手前側の合流ゾーンを
確認エリアとして取り扱って走行処理し、自車が進入す
る合流ゾーンコードおよひ前方の合流ゾーンへの他車の
進入を排除するとともに、前方の合流ゾーン内またはこ
れに対応する確認エリア内の他車の存在の有無を確認で
きる。
【0090】また、進入する合流ゾーンの前方の合流ゾ
ーンのゾーンコードの1チャンネルの受信と、進入する
前記合流ゾーンとこれの前方の前記合流ゾーンとの2つ
のゾーンコードを少なくとも含む複数のゾーンコードを
時系列に複数チャンネルで送信する送信とを繰り返す通
信動作を行わせるようにしたので、1台の無線通信機で
複数チャンネルの送信を行うことができるとともに、受
信可能なチャンネルが一つであるから、受信時間を十分
に長く設定することができ、前方の合流ゾーン内または
これに対応する確認エリア内に存在する他車からの信号
を受信し損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る無人搬送車の走行
制御方法を具現化するためのゾーンの設定を示す説明
図。
【図2】同上の走行制御方法によって確認エリアおよび
合流ゾーンを通過させる際の無人搬送車の受,送信のタ
イミングチャート。
【図3】同上の走行制御方法による走行制御の処理を示
すフローチャート。
【図4】同上の走行制御方法における合流ゾーンの三つ
の入口に3台の無人搬送車が同時に待機状態となった場
合の処理を示すタイミングチャート。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る無人搬送車の走
行制御方法を具現化するためのゾーンの設定を示す説明
図。
【図6】同上の走行制御方法による走行制御の前半の処
理を示すフローチャート。
【図7】同上の走行制御方法による走行制御の後半の処
理を示すフローチャート。
【図8】従来の無人搬送車の走行制御方法による合流ゾ
ーンの設定を示す説明図。
【図9】同上の走行制御方法によって合流ゾーンを通過
する際の無人搬送車の受,送信のタイミングチャート。
【符号の説明】
C,C1〜C3 交差点 D,D1〜D3 合流ゾーン I1〜I9 合流ゾーンの入口 O 合流ゾーンの出口 R1〜R4 搬送路 AGV1〜AGV3 無人搬送車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 園山 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H301 AA02 AA09 BB05 CC03 CC06 DD05 DD08 DD17 EE03 EE12 EE16 FF01 FF15 KK03 KK08 KK18 LL04 LL06 LL08 LL11 LL12 LL16 MM09 MM10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送路を共用して複数台の無人搬送車を
    走行させるとともに、無人搬送車間で無線による交信を
    相互に行って互いの走行を規制しながら走行する無人搬
    送車の走行制御方法において、 前記搬送路における交差点の周囲に合流ゾーンを設定す
    るとともに、前記搬送路における前記合流ゾーンの各入
    口の外側に確認エリアをそれぞれ設定し、 前記確認エリアの入口に到達した無人搬送車には、受信
    と送信を交互に行わせながら前記確認エリアに進入さ
    せ、 前記確認エリア内を走行中に、他車からの信号を受信し
    た場合には、送信を停止して前記合流ゾーンの入口まで
    前進させたのち、入口で受信を継続しながら待機させ、
    待機中に信号の受信が無くなった時点で前記合流ゾーン
    内に進入させ、 他車からの信号を受信することなく前記合流ゾーンの入
    口に到達した場合には待機することなく前記合流ゾーン
    内に進入させ、 前記合流ゾーンの出口で通信動作を停止させるようにし
    たことを特徴とする無人搬送車の走行制御方法。
  2. 【請求項2】 合流ゾーンの入口で受信しながら待機中
    に信号の受信が無くなったときに、再び受信と送信とを
    繰り返して、その受信動作時に信号を受信しなかったと
    きに前記合流ゾーンに進入させるようにした請求項1に
    記載の無人搬送車の走行制御方法。
  3. 【請求項3】 合流ゾーンの入口で受信しながら待機中
    に信号の受信が無くなった時点で再び受信と送信とを繰
    り返して、その受信動作時に信号を受信した場合には、
    送信を停止して受信を継続し、信号を受信しなくなった
    時点で再び受信と送信とを繰り返して、その受信時に信
    号を受信しなかった時点で前記合流ゾーンに進入させる
    ようにした請求項2に記載の無人搬送車の走行制御方
    法。
  4. 【請求項4】 走行領域が確認エリア内または合流ゾー
    ン入口を含む合流ゾーン内の何れであるかを区別する走
    行領域判別データを設定して、確認エリア内または合流
    ゾーン入口を含む合流ゾーン内を走行する場合には該当
    する前記走行領域判別データを付加して送信するように
    した請求項1ないし請求項3の何れかに記載の無人搬送
    車の走行制御方法。
  5. 【請求項5】 同一の合流ゾーンに対する複数の入口の
    外側に各々設けた各確認エリアにそれぞれ進入する無人
    搬送車には、前記確認エリア毎に互いに異なる発信周期
    で送信を繰り返す通信動作を行わせるようにした請求項
    1ないし請求項4の何れかに記載の無人搬送車の走行制
    御方法。
  6. 【請求項6】 複数の合流ゾーンが存在する場合には、
    その各合流ゾーン毎にそれぞれ設定した固有のゾーンコ
    ードによる通信動作を行いながら走行させるようにした
    請求項1ないし請求項5の何れかに記載の無人搬送車の
    走行制御方法。
  7. 【請求項7】 複数の各合流ゾーン毎に割り付けた固有
    の各ゾーンコードを互いに異なる送信周波数で送信する
    ようにした請求項6に記載の無人搬送車の走行制御方
    法。
  8. 【請求項8】 各合流ゾーンの各々の入口で信号の受信
    が無くなったことによりその合流ゾーンに進入する無人
    搬送車には、進入する前記合流ゾーンのゾーンコードに
    よる送信の繰り返しと、その前記合流ゾーンの前方の前
    記合流ゾーンのゾーンコードによる受信と送信とを繰り
    返す通信動作を行わせるようにした請求項6または請求
    項7に記載の無人搬送車の走行制御方法。
  9. 【請求項9】 進入する合流ゾーンの前方の合流ゾーン
    のゾーンコードの1チャンネルの受信と、進入する前記
    合流ゾーンとこれの前方の前記合流ゾーンとの2つのゾ
    ーンコードを少なくとも含む複数のゾーンコードを時系
    列に複数チャンネルで送信する送信とを繰り返す通信動
    作を行わせるようにした請求項8に記載の無人搬送車の
    走行制御方法。
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