JP2004231905A - 共役ジエン系ゴムの製造方法 - Google Patents

共役ジエン系ゴムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリカを配合したときに加工性に優れた未架橋ゴム組成物が得られ、低発熱性、ウェットグリップ性および耐摩耗性に優れる架橋物を与え得る共役ジエン系ゴムの製造方法を提供する。
【解決手段】不活性溶媒中で、共役ジエン単量体、または共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体とを有機活性金属を用いて重合して得られた、重合体鎖末端に活性金属を有する活性共役ジエン系重合体鎖に、官能基を有する特定構造のシロキサン化合物を反応させることによって共役ジエン系ゴムを製造する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共役ジエン系ゴムの製造方法に関し、さらに詳しくは、シリカを配合したときに加工性に優れた未架橋ゴム組成物が得られ、低発熱性、ウェットグリップ性および耐磨耗性に優れる架橋物を与え得る共役ジエン系ゴムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題や資源問題から、自動車用のタイヤにも低燃費性が強く求められており、さらに安全性の面からはすぐれたウェットグリップ性、耐久性の面からはすぐれた耐摩耗性が求められている。
【0003】
シリカを配合したゴム組成物は、通常使用されるカーボンブラックを配合したゴム組成物に比べ、低発熱性に優れるので、これを用いることにより低燃費のタイヤが製造できる。
しかし、通常使用されるゴムにシリカを配合しても、シリカとの親和性に劣るため、得られる未架橋ゴム組成物は加工性が劣り、低発熱性や耐摩耗性が不十分となるので、シランカップリング剤を併用することが多い。しかしながら、シランカップリング剤を併用しても、カーボンブラック配合ゴム組成物に比べ、耐磨耗性が不十分である場合があり、さらにシランカップリング剤は高価であり、配合量が多いとコストが高くなる問題がある。
【0004】
そこで、ゴム重合体そのものを変性して、シリカとの親和性を向上させる検討がされている。
例えば、特許文献1には、ジエン系ゴム重合体を有機リチウム化合物でリチオ化した後、ケイ素含有化合物を反応させて得られたゴム状重合体のシリカ配合ゴム組成物が開示され、また、特許文献2には、シラノール基を含有するジエン系重合体と表面にシリカが固定されている特殊なカーボンブラックとからなるゴム組成物が開示されている。
上記のようなゴム組成物は、低発熱性は改善されるものの、未架橋のシリカ配合ゴム組成物の加工性に劣り、ウェットグリップ性と耐摩耗性のバランスに劣る場合があった。
【0005】
また、特許文献3には、アルカリ金属重合開始剤を用い、重合して得られるアルカリ金属活性末端を有するジエン系重合体に特定の官能基を有する直鎖状のシロキサン化合物を反応させて得られるシロキサン化合物変性ジエン系重合体のシリカ配合ゴム組成物が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献4には、アルカリ金属重合開始剤を用い、重合して得られるアルカリ金属活性末端を有するジエン系重合体に多面体構造を有するシルセスキオキサン化合物を反応させて得られるシルセスキオキサン変性ジエン系重合体を含有するゴム組成物が開示されている。
【0007】
しかしながら、上記のようなシロキサン化合物変性ジエン系重合体およびシルセスキオキサン変性ジエン系重合体は、ジメチルジクロロシランで変性したジエン系重合体に比べ、低発熱性とウェットグリップ性のバランスに優れているものの、未架橋のシリカ配合ゴム組成物の加工性に劣り、また、耐摩耗性に劣る場合があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−7702号公報
【特許文献2】
特開平10−316800号公報
【特許文献3】
特開平9−110904号公報
【特許文献4】
特開2002−80534号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上の事情に鑑み、本発明の目的は、シリカを配合したときに加工性に優れた未架橋ゴム組成物が得られ、また、低発熱性、ウェットグリップ性および耐摩耗性に優れる架橋物を与え得る共役ジエン系ゴムの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意努力した結果、共役ジエン単量体、または共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体とを有機活性金属を用いて重合した後、官能基を有する特定構造のシロキサン化合物をカップリング剤として反応させて得られる共役ジエン系ゴムにシリカを配合すると、加工性に優れた未架橋ゴム組成物が得られ、さらに、低発熱性、ウェットグリップ性および耐摩耗性に優れた架橋物を与えることを見出し、この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0011】
かくして、本発明によれば、不活性溶媒中で、共役ジエン単量体、または共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体とを有機活性金属を用いて重合して得られた、重合体鎖末端に活性金属を有する活性共役ジエン系重合体鎖に、下記一般式(1)または(2)で表される少なくとも一種のシロキサン化合物を反応させることを特徴とする共役ジエン系ゴムの製造方法が提供される。
【0012】
【化3】
Figure 2004231905
(R〜Rは、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X〜Xは、活性共役ジエン系重合体鎖末端の活性金属と反応する官能基である。)
【化4】
Figure 2004231905
(R〜R11は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X〜Xは、活性共役ジエン系重合体鎖末端の活性金属と反応する官能基である。nは1〜18の整数である。)
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の共役ジエン系ゴムの製造方法においては、先ず、不活性溶媒中で、共役ジエン単量体、または共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体とを有機活性金属を用いて重合し、重合体鎖末端に活性金属を有する活性共役ジエン系重合体鎖を得る。
【0014】
共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエンおよび2−メチル−1,3−ブタジエンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、4−t−ブトキシスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジメチルアミノエチルスチレンなどが挙げられる。これらの中でも、スチレンが好ましい。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
単量体組成は、共役ジエン単量体50〜100重量%および芳香族ビニル単量体50〜0重量%の範囲にあることが好ましい。強度特性により優れる共役ジエン系ゴムを得るには、芳香族ビニル単量体を含むことが好ましく、その組成は、共役ジエン単量体50〜95重量%、好ましくは55〜90重量%、より好ましくは60〜85重量%および芳香族ビニル単量体50〜5重量%、好ましくは45〜10重量%、より好ましくは40〜15重量%の範囲である。
【0017】
単量体成分として、本発明の効果を本質的に損なわない範囲で、共役ジエン単量体および芳香族ビニル単量体以外の、その他の単量体を共重合してもよい。
その他の単量体としては、例えば、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン、ビニルシクロへキサンなどのオレフィン単量体;1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどの非共役ジエン単量体;などが挙げられる。これらの単量体の使用量は、全単量体重量に基づき、10重量%以下とするのが好ましく、5重量%以下とするのがより好ましい。
【0018】
不活性溶媒としては、溶液重合において、通常使用され、重合反応を阻害しないものであれば、特に制限なく使用できる。その具体例としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、2−ブテンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロへキサン、シクロヘキセンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;が挙げられる。不活性溶媒の使用量は、単量体濃度が、通常、1〜50重量%となるような割合であり、好ましくは10〜40重量%となるような割合である。
【0019】
有機活性金属としては、有機アルカリ金属化合物が好ましく使用され、その具体例としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムなどの有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼンなどの有機多価リチウム化合物;ナトリウムナフタレンなどの有機ナトリウム化合物;カリウムナフタレンなどの有機カリウム化合物が挙げられる。これらのなかでも、有機リチウム化合物、特に有機モノリチウム化合物が好ましい。有機アルカリ金属化合物は、予め、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミンなどの第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミド化合物として使用してもよい。これらの有機活性金属は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機活性金属の使用量は、単量体1,000g当り、好ましくは1〜50ミリモル、より好ましくは2〜20ミリモルの範囲である。
【0020】
共役ジエン系ゴムにおける共役ジエン単量体単位中のビニル結合量を調節するために、重合に際して、極性化合物を添加することが好ましい。
極性化合物としては、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミンなどの三級アミン;アルカリ金属アルコキシド;ホスフィン化合物などが挙げられる。なかでも、エーテル化合物および三級アミンが好ましく、三級アミンがより好ましく、テトラメチルエチレンジアミンが特に好ましく使用される。極性化合物の使用量は、有機活性金属1モルに対して、好ましくは0.01〜100モル、より好ましくは0.3〜30モルの範囲である。極性化合物の使用量がこの範囲にあると、共役ジエン単量体単位中のビニル結合量の調節が容易であり、かつ触媒の失活による不具合も発生し難い。
【0021】
共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体とを共重合させる場合、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位の結合様式は、例えば、ブロック状、テーパー状、ランダム状など種々の結合様式とすることができるが、より低発熱性に優れる点で、ランダム状の結合様式が好ましい。
共役ジエン系ゴムにおける共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との結合のランダム性を向上するには、重合系内の芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体の組成比における芳香族ビニル単量体の比率が特定範囲を維持するように、共役ジエン単量体または共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との混合物を、重合反応系に連続的または断続的に供給して重合することが好ましい。
【0022】
重合温度は、通常、−78〜150℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは30〜90℃の範囲である。
重合様式は、回分式、連続式などいずれの様式も採用できるが、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位の結合のランダム性を制御しやすい点で、回分式が好ましく採用できる。
【0023】
本発明の方法においては、上記のようにして得られた活性共役ジエン系重合体鎖に、前記一般式(1)または一般式(2)で表される少なくとも1種のシロキサン化合物を、反応させることが必須である。
一般式(1)および一般式(2)において、R〜RおよびR〜R11は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。
炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基などが挙げられる。
上記のなかでもメチル基が好ましい。
【0024】
〜XおよびX〜Xは、活性共役ジエン系重合体鎖末端の活性金属と反応する官能基であり、シロキサン化合物と共役ジエン系重合体鎖との結合を形成し得るものであれば、特に限定されない。また、これらの官能基は互いに同一であっても相違してもよい。
上記の官能基としては、例えば、エポキシ基、アルコキシル基、アリロキシル基、ハロゲン、ビニル基、2−ピロリドニル基、カルボニル基、などが挙げられる。なかでも、エポキシ基が好ましい。これらの官能基は、シロキサン化合物中の珪素原子に、直接結合していても、結合基を介して結合していてもよい。
【0025】
エポキシ基としては、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基が好ましく挙げられる。
エポキシ基を有する炭素数4〜12の基は、下記一般式(3)で表される。
−Z−Y−E 一般式(3)
(式中、Zは炭素数1〜10のアルキレン基またはアルキルアリーレン基であり、Yはメチレン基、硫黄原子または酸素原子であり、Eはエポキシ基を有する炭素数2〜10の炭化水素基である。)
【0026】
一般式(3)の中でも、Yが酸素原子であるものが好ましく、Yが酸素原子、かつ、Eがグリシジル基であるものがより好ましく、Zが炭素数3のアルキレン基、Yが酸素原子、かつ、Eがグリシジル基であるものが特に好ましい。
アルコキシル基としては、例えば、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。なかでも、メトキシ基が好ましい。
アリロキシル基としては、例えば、フェノキシ基、メチルフェニルオキシ基などが挙げられる。
ハロゲンとしては、例えば、塩素原子、臭素原子、沃素原子などが挙げられる。
【0027】
nは1〜18、好ましくは2〜10の整数である。この数が少ないと、得られた共役ジエン系ゴムにシリカを配合した未架橋ゴム配合物の加工性が低下したり、耐摩耗性と低発熱性とのバランスに劣ったりする。この数が多いと、該当するシロキサン化合物の製造が困難になると共に、シロキサン化合物の粘度が高くなりすぎて、取り扱い困難となる。
【0028】
上記のシロキサン化合物は、従来公知の方法により得ることができる。対応する市販品を用いることもできる。
上記のシロキサン化合物は単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
シロキサン化合物の使用量は、重合に使用した有機活性金属1モルに対して、好ましくは0.05モル〜0.5モル、より好ましくは0.1モル〜0.3モルの範囲である。上記範囲の使用量であれば、共役ジエン系ゴムにシリカを配合した未架橋ゴム配合物は加工性しやすく、耐摩耗性と低発熱性とのバランスにより優れた架橋物を与える。
【0029】
シロキサン化合物は、重合で使用する不活性溶媒に溶解して、重合系内に添加すると、活性共役ジエン系重合体鎖末端の活性金属とシロキサン化合物が均一に反応しやすくなるので好ましい。その溶液濃度は、1〜50重量%の範囲とすることが好ましい。
活性共役ジエン系重合体鎖にシロキサン化合物を反応させる時期は、重合反応がほぼ完結した時点が好ましく、重合反応がほぼ完結した後、活性共役ジエン系重合体鎖が副反応でゲル化したりする前であることがより好ましい。
【0030】
なお、活性共役ジエン系重合体鎖にシロキサン化合物を反応させる前に、本発明の効果を本質的に阻害しない範囲で、活性共役ジエン系重合体鎖末端の活性金属の一部を、アニオン重合において通常使用される、重合停止剤、重合末端変性剤およびカップリング剤などを重合系内に添加して、不活性化してもよい。
活性共役ジエン系重合体鎖にシロキサン化合物を反応させる条件は、反応温度が、通常、0〜100℃、好ましくは30〜90℃の範囲で、反応時間が、通常、1〜120分、好ましくは2〜60分の範囲である。
【0031】
活性共役ジエン系重合体鎖にシロキサン化合物を反応させた後、所望により、重合停止剤として、メタノール、イソプロパノールなどのアルコールまたは水を添加して反応を停止して重合溶液を得る。
なお、活性共役ジエン系重合体鎖にシロキサン化合物を反応させた後においても、活性共役ジエン系重合体鎖が残存している場合、重合停止剤を添加する前に、所望により、アニオン重合において通常使用される、重合末端変性剤およびカップリング剤などを重合系内に添加して反応させてもよい。
【0032】
次いで、所望により、老化防止剤、クラム化剤、スケール防止剤などを重合溶液に添加した後、直接乾燥やスチームストリッピングにより重合溶液から重合溶媒を分離して、目的とする共役ジエン系ゴムを回収する。なお、重合溶液から重合溶媒を分離する前に、重合溶液に伸展油を混合し、油展ゴムとして回収することもできる。
【0033】
上記の製造方法によって得られる共役ジエン系ゴムのムーニー粘度は、好ましくは10〜200、より好ましくは20〜150、特に好ましくは30〜100である。
共役ジエン系ゴムにおける共役ジエン単量体単位中のビニル結合量は、特に限定されず、通常、10〜95重量%、好ましくは20〜90重量%、より好ましくは35〜85重量%、特に好ましくは55〜75重量%である。共役ジエン系ゴムにおける共役ジエン単量体単位中のビニル結合量を上記範囲に調整すると、より低発熱性とウェットグリップ性のバランスに優れる架橋物が得られる。
【0034】
共役ジエン系ゴムのカップリング率は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、特に好ましくは40重量%以上である。カップリング率を上記範囲に調整すると、より低発熱性とウェットグリップ性のバランスに優れる架橋物が得られる。
カップリング率は、最終的に得られた共役ジエン系ゴムの全量に対する、シロキサン化合物と反応させる前の共役ジエン系重合体の分子量ピークの2倍以上の分子量を有する重合体分子の重量分率である。
【0035】
本発明の製造方法によって得られる共役ジエン系ゴムは、ゴム用補強剤を配合したゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」ということがある)として好適に使用できる。
ゴム組成物は、さらに、前記の共役ジエン系ゴム以外のその他のゴムを含んでいてもよい。その他のゴムとしては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴムなどが挙げられる。なかでも、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴムが好ましく用いられる。これらのゴムは、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0036】
ゴム組成物中のゴム全量に対する共役ジエン系ゴムの割合は、10重量%以上とすることが好ましく、20〜95重量%の範囲とすることがより好ましく、30〜90重量%の範囲とすることが特に好ましい。この割合が低すぎると、架橋物の物性のバランスが低下する場合がある。
【0037】
ゴム用補強剤としては、シリカおよびカーボンブラックが代表例として挙げられる。本発明の製造方法で得られる共役ジエン系ゴムは、シリカを配合したゴム組成物においてより著しい効果を発現する。
シリカとしては、例えば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられる。これらの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。シリカの窒素吸着比表面積(ASTM D3037−81に準じBET法で測定される。)は、好ましくは50〜400m/g、より好ましくは100〜220m/gである。この範囲であると、より耐摩耗性および低発熱性に優れる。
シリカの配合量は、全ゴム100重量部に対して、好ましくは10〜150重量部、より好ましくは20〜120重量部、特に好ましくは40〜100重量部である。
【0038】
シリカを配合した場合、さらにシランカップリング剤を配合することにより低発熱性および耐摩耗性をさらに改善できる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドなどを挙げることができる。なかでも、テトラスルフィド構造を有するシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤の配合量は、シリカ100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは1〜15重量部である。
【0039】
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイト、グラファイト繊維、フラーレンなどが挙げられる。これらの中でも、ファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、FEFなどが挙げられる。
【0040】
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは5〜200m/g、より好ましくは80〜130m/gであり、ジブチルフタレート(DBP)吸着量は、好ましくは5〜300ml/100g、より好ましくは80〜160ml/100gである。この範囲であると、機械的特性および耐摩耗性に優れる。
カーボンブラックの配合量は、全ゴム100重量部に対して、通常、150重量部以下であり、シリカとカーボンブラックの合計量が、全ゴム100重量部に対して、10〜150重量部であることが好ましい。
【0041】
ゴム組成物には、上記成分以外に、常法に従って、架橋剤、架橋促進剤、架橋活性化剤、老化防止剤、活性剤、プロセス油、可塑剤、滑剤、充填剤、粘着付与剤などの配合剤をそれぞれ必要量配合できる。
【0042】
架橋剤としては、例えば、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、キノンジオキシム類、有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂などが挙げられる。中でも、硫黄が好ましく使用される。
架橋剤の配合量は、全ゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
【0043】
架橋促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系架橋促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどのグアニジン系架橋促進剤;チオウレア系架橋促進剤;チアゾール系架橋促進剤;チウラム系架橋促進剤;ジチオカルバミン酸系架橋促進剤;キサントゲン酸系架橋促進剤;などが挙げられる。なかでも、スルフェンアミド系架橋促進剤を含むものが特に好ましい。これらの架橋促進剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
架橋促進剤の配合量は、全ゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
【0044】
架橋活性化剤としては、例えば、ステアリン酸などの高級脂肪酸や酸化亜鉛などを用いることができる。
架橋活性化剤の配合量は適宜選択されるが、高級脂肪酸の配合量は、全ゴム100重量部に対して、好ましくは0.05〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部であり、酸化亜鉛の配合量は、全ゴム100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。
【0045】
プロセス油としては、アロマオイル、ナフテンオイル、パラフィンオイルなどが通常用いられる。
その他の配合剤としては、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シリコーンオイルなどの活性剤;炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの充填剤;石油樹脂、クマロン樹脂などの粘着付与剤;ワックスなどが挙げられる。
【0046】
ゴム組成物は、常法に従って各成分を混練することにより得ることができる。例えば、架橋剤および架橋促進剤を除く配合剤とゴム成分を混練後、その混練物に架橋剤および架橋促進剤を混合してゴム組成物を得ることができる。
架橋剤および架橋促進剤を除く配合剤とゴム成分の混練温度は、好ましくは80〜200℃、より好ましくは120〜180℃であり、その混練時間は、好ましくは30秒〜30分である。
混練物と架橋剤および架橋促進剤との混合は、通常100℃以下、好ましくは80℃以下まで冷却後に行われる。
【0047】
ゴム組成物の架橋および成形方法は、特に限定されず、架橋物の形状、大きさなどに応じて選択すればよい。金型中に架橋剤を配合したゴム組成物を充填して加熱することにより成形と同時に架橋してもよく、架橋剤を配合したゴム組成物を予め成形した後、それを加熱して架橋してもよい。架橋温度は、好ましくは120〜200℃、より好ましくは140〜180℃であり、架橋時間は、通常、1〜120分程度である。
【0048】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り、重量基準である。
【0049】
各種の物性の測定は、下記の方法に従って行った。
(1)結合スチレン単位量およびビニル結合量
共役ジエン系ゴムの結合スチレン単位量はH−NMRで測定し、共役ジエン単量体単位中のビニル結合量はH−NMRおよび13C−NMRで測定した。(2)カップリング率
シロキサン化合物と反応させる前の共役ジエン系重合体と最終的に得られた共役ジエン系ゴムとを、以下の条件で、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ−で測定した。
測定器 :HLC−8020(東ソー社製)
カラム :GMH−HR−H(東ソー社製)二本を直列に連結したもの。
検出器 :示差屈折計RI−8020(東ソー社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
得られた分析チャートから、最終的に得られた共役ジエン系ゴムの全量に対する、シロキサン化合物と反応させる前の共役ジエン系重合体の分子量ピークの2倍以上の分子量を有する重合体分子の重量分率を求め、その割合をカップリング率として示す。
(3)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)
JIS K6300に準じて測定した。
【0050】
(4)未加硫ゴム組成物の加工性は、以下のように評価した。
(4−1)バンバリー混練後に取り出したゴム組成物の形態を、以下に示す基準で、点数をつけた。
大小のいくつもの塊がある。 :1点
大きな塊といくつかの小さな塊がある :2点
ほぼ大きな塊になっている :3点
きれいで、大きな塊になっている :4点
(4−2)ロールで混練する際のゴム組成物のロールへの巻きつき状態を、以下に示す基準で、点数をつけた。
ロールに巻きつき難い :1点
何とかロールに巻きつく :2点
ロールに巻きつく :3点
ロールに巻きつき易い :4点
【0051】
(4−3)ゴム組成物をロールに巻きつけて混練している際の、ゴム組成物の状態を、以下に示す基準で、点数をつけた。
大きな穴ができている。 :1点
小さな穴ができている。 :2点
時々、穴ができる。 :3点
ゴム組成物がロール表面を覆っている。 :4点
(4−4)ロールからシート状に取り出したゴム組成物の、シート表面の状態を、以下に示す基準で、点数をつけた。
大きい凹凸がある。 :1点
小さい凹凸がある。 :2点
ほぼ平滑である。 :3点
平滑で、艶がある。 :4点
【0052】
(4−1)〜(4−4)の点数の合計点を、さらに、以下の基準で点数をつけた。この点数が高いほど、未加硫ゴム組成物の加工性に優れている。
合計点4〜5 :1点
合計点6〜8 :2点
合計点9〜10 :3点
合計点11〜13 :4点
合計点14〜16 :5点
【0053】
(5)低発熱性は、レオメトリックス社製造RDA−IIを用い、0.5%ねじれ、20Hzの条件で60℃におけるtanδを測定した。この特性は、指数で表示した。この指数が小さいほど低発熱性に優れる。
(6)ウェットグリップ性は、レオメトリックス社製造RDA−IIを用い、0.5%ねじれ、20Hzの条件で0℃におけるtanδを測定した。この特性は、指数で表示した。この指数が大きいほど、ウェットグリップ性に優れる。
【0054】
(7)耐摩耗性は、JIS K6264に従い、ランボーン摩耗試験機を用いて測定した。この特性は、指数(耐摩耗指数)で表示した。この値は、大きいほど耐磨耗性に優れる。
(8)引張強度特性は、JIS K6301に従って、引張試験を行ない、300%伸張時の応力を測定した。この特性は、指数で表示した。この指数が大きいほど、引張強度特性に優れる。
【0055】
参考例1(シロキサン化合物Aの調製)
反応器にアリルグリシジルエーテル71部を投入して、白金金属触媒0.02部(白金金属重量8ppmに相当)を加え、80℃に昇温した。次いで、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン(アズマックス(株)製、SIT7278.0)29部を徐々に滴下し、滴下終了後、85℃で2時間反応させた。その後、130℃、30mmHgの条件で、未反応のアリルグリシジルエーテルを留去して、下記式で表されるシロキサン化合物Aを得た。
【0056】
【化5】
Figure 2004231905
シロキサン化合物Aの25℃における粘度は38mm/sであり、25℃における屈折率は1.450であり、エポキシ当量は207であった。
【0057】
参考例2(シロキサン化合物Bの調製)
反応器にアリルグリシジルエーテル71部を投入して、白金金属触媒0.02部(白金金属重量8ppmに相当)を加え、80℃に昇温した。次いで、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(アズマックス(株)製、SIT7530.0)29部を徐々に滴下し、滴下終了後、85℃で2時間反応させた。その後、130℃、30mmHgの条件で、未反応のアリルグリシジルエーテルを留去して、下記式で表されるシロキサン化合物Bを得た。
【0058】
【化6】
Figure 2004231905
シロキサン化合物Bの25℃における粘度は98mm/sであり、25℃における屈折率は1.463であり、エポキシ当量は174であった。
【0059】
実施例1
攪拌機付きオートクレーブに、シクロヘキサン6000g、スチレン150g、1,3−ブタジエン450gおよび使用するn−ブチルリチウムに対して1.5倍モル量に相当するテトラメチルエチレンジアミンを仕込んだ後、n−ブチルリチウム9.5ミリモルを加え、50℃で重合を開始した。重合を開始してから20分経過後、スチレン60gと1,3−ブタジエン340gの混合物を60分間かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は70℃であった。
連続添加終了後、さらに40分間重合反応を継続し、重合転化率が100%になったことを確認してから、少量の重合溶液をサンプリングした。サンプリングした少量の重合溶液は、過剰のメタノールを添加して、反応停止した後、風乾して、重合体を取得し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ分析の試料とした。
【0060】
少量の重合溶液をサンプリングした直後に、使用したn−ブチルリチウムの0.25倍モルに相当する量のシロキサン化合物Aを10%トルエン溶液の状態で添加し、30分間反応させた後、重合停止剤として、使用したn−ブチルリチウムの2倍モルに相当する量のメタノールを添加して共役ジエン系ゴムIを含有する重合溶液を得た。
ゴム分100部に対して、老化防止剤として、イルガノックス1520(チバガイギー社製)0.2部を、上記の重合溶液に添加した後、スチームストリッピングにより、重合溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状の共役ジエン系ゴムIを得た。
【0061】
容量250mlのブラベンダータイプミキサー中で、70部の共役ジエン系ゴムIと30部のハイシス−ポリブタジエンゴム(Nipol BR1220:日本ゼオン(株)製)とを30秒素練りした。次いで、シリカ(Nipsil AQ:日本シリカ工業(株)製)50部とシランカップリング剤(Si69、デグッサ社製)4.5部を添加して、110℃を開始温度として2分間混練後、プロセスオイル(ダイアナプロセスオイル NS−100:出光興産(株)製)10部、シリカ(Nipsil AQ:日本シリカ工業(株)製)10部、酸化亜鉛2部、ステアリン酸1.5部、および老化防止剤(ノクラック6C、大内新興社製)1.5部を添加し、さらに2分間混練し、ミキサーからゴム混練物を排出させた。混練終了時のゴム混練物の温度は150℃であった。
ゴム混練物を、室温まで冷却した後、再度ブラベンダータイプミキサー中で、110℃を開始温度として3分間混練した後、ミキサーからゴム混練物を排出させた。
【0062】
50℃のオープンロールで、上記の混練物と、硫黄1.5部および架橋促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド1.5部とジフェニルグアニジン0.9部の混合物)とを混練した後、シート状のゴム組成物を取り出した。この未架橋ゴム組成物の加工性を評価し、表1に示す。
未架橋ゴム組成物を、160℃で30分間プレス架橋して試験片を作製し、低発熱性、ウェットグリップ性、耐摩耗性および引張強度特性の測定を行なった。その結果を、表1に、比較例1を100とする指数で示す。
【0063】
実施例2、実施例3、比較例1および比較例2
重合転化率が100%になったことを確認した後に添加するシロキサン化合物および添加量を、表1に示すように変更し、表1に示すムーニー粘度を有する共役ジエン系ゴムとなるようにn−ブチルリチウム量を変えた他は、実施例1と同様に行ない、共役ジエン系ゴムII、III、VおよびVIを得た。それぞれのゴムの特性を表1に示す。
なお、シロキサン化合物Cは下記式で表される化合物である。
【0064】
【化7】
Figure 2004231905
【0065】
共役ジエン系ゴムIに代えて、それぞれ共役ジエン系ゴムII、III、VおよびVIを用いた他は、実施例1と同様にゴム組成物を調製し、未架橋ゴム組成物の加工性および架橋ゴムの特性を測定し、表1に示す。
【0066】
実施例4
反応器に最初に仕込む単量体混合物を、スチレン150g、2−メチル−1,3−ブタジエン30gおよび1,3−ブタジエン420gに変更し、連続添加する単量体混合物をスチレン60g、2−メチル−1,3−ブタジエン10gおよび1,3−ブタジエン330gに変更し、重合転化率が100%になったことを確認した後に添加するシロキサン化合物Aの添加量を表1に示すように変更し、かつ表1に示すムーニー粘度を有する共役ジエン系ゴムとなるようにn−ブチルリチウム量を変えた他は、実施例1と同様に行ない、共役ジエン系ゴムIVを得た。
共役ジエン系ゴムIに代えて、共役ジエン系ゴム系ゴムIVを用いた他は、実施例1と同様にゴム組成物を調製し、未架橋ゴム組成物の加工性および架橋ゴムの特性を測定した。結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
Figure 2004231905
【0068】
表1から、以下のようなことがわかる。
カップリング剤として通常使用されるテトラメトキシシランを用いて製造された比較例1の共役ジエン系ゴムVは、未架橋ゴム組成物の加工性は比較的良好であるものの、架橋ゴムの特性に劣る。
シロキサン化合物Cを用いて製造された比較例2の共役ジエン系ゴムVIは、架橋ゴムの特性は幾分か改善されるものの、未架橋ゴム組成物の加工性に劣る。
これらの比較例に対して、本発明で規定するシロキサン化合物を用い、本発明の方法により製造された実施例の共役ジエン系ゴムI〜IVは、未架橋ゴム組成物の加工性に優れ、かつ、架橋ゴムは低発熱性、ウェットグリップ性および耐摩耗性に優れている。
【0069】
【発明の効果】
本発明の製造方法によって得られる共役ジエン系ゴムは、シリカを配合したときに加工性に優れたゴム組成物となり、また、この共役ジエン系ゴムを含むゴム組成物は、低発熱性、ウェットグリップ性および耐摩耗性に優れるゴム架橋物を与える。
従って、その特性を活かす各種用途、例えば、トレッド、カーカス、サイドウォール、インナーライナー、ビード部などの自動車用タイヤ各部位への利用、あるいはホース、窓枠、ベルト、靴底、防振ゴム、自動車部品などのゴム製品への利用、さらには耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂などの樹脂強化ゴムとして利用が可能になる。特に低燃費タイヤのトレッド用材料として好適である。

Claims (3)

  1. 不活性溶媒中で、共役ジエン単量体、または共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体とを有機活性金属を用いて重合して得られた、重合体鎖末端に活性金属を有する活性共役ジエン系重合体鎖に、下記一般式(1)または(2)で表される少なくとも一種のシロキサン化合物を反応させることを特徴とする共役ジエン系ゴムの製造方法。
    Figure 2004231905
    Figure 2004231905
    (一般式(1)および(2)において、R〜R11は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X〜Xは、活性共役ジエン系重合体鎖末端の活性金属と反応する官能基である。nは1〜18の整数である。)
  2. シロキサン化合物の使用量が、重合に使用した有機活性金属1モルあたり、0.05〜0.5モルである請求項1記載の共役ジエン系ゴムの製造方法。
  3. シロキサン化合物中の官能基が、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基である請求項1または2記載の共役ジエン系ゴムの製造方法。
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