JP2003053873A - ガスバリアフィルム - Google Patents

ガスバリアフィルム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ガスバリア層の表面の水等に対す
る吸着性を低下させることにより、さらにガスバリア性
を向上させたガスバリアフィルムを提供することを主目
的とする。 【解決手段】 本発明は、基材と、上記基材の片面また
は両面に形成された蒸着膜からなるガスバリア層と、上
記ガスバリア層上に形成され、撥水性を有する膜からな
る撥水層とを有することを特徴とするガスバリアフィル
ムを提供することにより上記目的を達成するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品や医薬品等の
包装材料や電子デバイス等のパッケージ材料として主に
用いられるガスバリアフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ガスバリアフィルムは、主に、内容物の
品質を変化させる原因となる酸素や水蒸気等の影響を防
ぐために、食品や医薬品等の包装材料として用いられた
り、液晶表示パネルやEL表示パネル等に形成されてい
る素子が、酸素や水蒸気に触れて性能劣化するのを避け
るために、電子デバイス等のパッケージ材料として用い
られている。また、近年においては、従来ガラス等を用
いていた部分にフレキシブル性や耐衝撃性を持たせる等
の理由から、ガスバリアフィルムが用いられる場合もあ
る。
【0003】このようなガスバリアフィルムは、プラス
チックフィルムを基材として、その片面または両面にガ
スバリア層を形成する構成をとるのが一般的である。そ
して、当該ガスバリアフィルムは、CVD法、PVD
法、スパッタリング法等の様々な方法で形成されている
が、何れの方法を用いた場合であっても、従来のガスバ
リアフィルムは、2cc/m/day程度の酸素透過
率(OTR)や、2g/m/day程度の水蒸気透過
率(WVTR)を有するにすぎず、より高いガスバリア
性を必要とする用途に使用される場合には、未だ不十分
なものであった。
【0004】ガスバリア性を有する膜を高分子樹脂基材
上に乾式成膜する方法として、プラズマCVD法等の乾
式成膜法を用いて酸化珪素膜(シリカ膜)や酸化アルミ
ニウム膜(アルミナ膜)を形成する方法が知られている
(例えば、特開平8−176326号、特開平11−3
09815号、特開2000−6301等)。特に、プ
ラズマCVD法は、高分子樹脂基材に熱的ダメージを与
えることなく、ガスバリア性と屈曲性に優れた酸化珪素
膜や酸化アルミニウム膜を形成できるという利点があ
る。
【0005】しかしながら、このような酸化珪素膜や酸
化アルミニウム膜は、その表面が親水性であることか
ら、酸素透過率(OTR)や水蒸気透過率(WVTR)
のさらなる向上が難しいという問題点があった。すなわ
ち、一般に、上記酸素透過率(OTR)や水蒸気透過率
(WVTR)は、ガスバリア層表面の水に対する吸着性
とガスバリア層自体の拡散係数によって決定されるとさ
れている。ここで、上記酸化珪素膜や酸化アルミニウム
膜は、拡散係数の面では極めてガスバリア性に寄与する
ものである。しかしながら、通常酸化珪素膜等の無機酸
化物の蒸着膜は親水性であり、よって表面に水が吸着し
易く、したがってガスバリア性に悪影響を与えてしまう
という問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、ガスバリア層の表面の水
等に対する吸着性を低下させることにより、さらにガス
バリア性を向上させたガスバリアフィルムを提供するこ
とを主目的とする。
【0007】
【課題が解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1に記載するように、基材と、上
記基材の片面または両面に形成された蒸着膜からなるガ
スバリア層と、上記ガスバリア層上に形成され、撥水性
を有する膜からなる撥水層とを有することを特徴とする
ガスバリアフィルムを提供する。
【0008】この発明によれば、ガスバリア層表面に撥
水性を有する撥水層が形成されているので、ガスバリア
層の表面の水等に対する吸着性を低下させることがで
き、これにより全体としてのガスバリア性を向上させる
ことができる。
【0009】上記請求項1に記載された発明において
は、請求項2に記載するように、前記基材と前記ガスバ
リア層との間に、さらに撥水性を有する膜からなる撥水
層が形成されていることが好ましい。このように、ガス
バリア層と基材との間に撥水層を形成することにより、
基材側からの水分がガスバリア層に浸入することを防止
することができる。これにより、ガスバリア層の劣化を
防止し、湿熱環境下においてもガスバリア性を維持する
ことが可能となる。
【0010】上記請求項1または請求項2に記載された
発明において、請求項3に記載するように、上記撥水層
表面における水との接触角が60°以上(測定温度23
℃)であることが好ましい。この程度の撥水性を有する
ものであれば、表面に水等が吸着することによるガスバ
リア性の低下を防止することができるからである。
【0011】上記請求項1から請求項3までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項4に記載
するように、上記撥水層が蒸着法により形成された層で
あることが好ましい。本発明におけるガスバリア層は蒸
着法により形成されるものであるので、撥水層も蒸着法
により形成することにより効率的にガスバリアフィルム
を形成することができるからである。また、撥水層も蒸
着膜とすることにより、全体としての膜厚を低減するこ
とが可能であり、後述するようにガスバリア層と撥水層
とを積層する場合や、用途によっては薄膜の方が好まし
い場合もあるからである。
【0012】上記請求項4に記載された発明において
は、請求項5に記載するように、上記撥水層が、金属骨
格からなりメチル基を有する有機膜、炭素および水素
(CおよびH)のみから構成される有機膜、またはフッ
素(F)を含む膜であることが好ましい。
【0013】具体的には、請求項6に記載するように、
上記金属骨格からなりメチル基を有する有機膜が、Si
(CHもしくは(SiO)(CHで示
される有機シリコン系材料またはその重合膜であり、請
求項7に記載するように、上記フッ素(F)を含む膜
が、Siで示される有機フッ化シリコン材料
またはその重合膜、Siで示されるフッ化シリコ
ン系材料またはその重合膜、もしくはCで示され
るフッ素含有炭化水素系材料またはその重合膜である。
【0014】上記請求項4から請求項7までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項8に記載
するように、上記撥水層の膜厚が、1nm〜1000n
mの範囲内であることが好ましい。上記範囲より撥水層
の膜厚が薄い場合は十分な撥水性を得ることができない
ことから好ましくなく、上記範囲より撥水層の膜厚が厚
くしても撥水性が向上するものではなく、むしろコスト
面でデメリットが生じるからである。
【0015】一方、上記請求項1から請求項3までのい
ずれかの請求項に記載された発明においては、請求項9
に記載するように、上記撥水層が、撥水性を有する熱可
塑性樹脂を溶融して塗布した層であってもよく、また請
求項10に記載するように、上記撥水層が、撥水性を有
する撥水層形成材料を溶媒に溶解もしくは懸濁させた撥
水層形成用塗工液を塗布した層であってもよい。上述し
た蒸着法により形成される撥水層よりも、撥水層の形成
に際して簡便に形成することが可能であり、また従来よ
り撥水性の材料として用いられてきた材料をそのまま用
いることができるからである。
【0016】上記請求項1から請求項10までのいずれ
かの請求項に記載の発明においては、請求項11に記載
するように、上記ガスバリア層が、無機酸化物からなる
透明な層であることが好ましい。例えば包装用の用途等
においては包装材にガスバリア性と共に透明性が要求さ
れる場合があり、このような用途においては無機酸化物
からなる透明な層をガスバリア層とすることが好ましい
からである。
【0017】上記請求項11に記載の発明においては、
請求項12に記載するように、上記ガスバリア層が、C
VD法により形成された酸化珪素膜であることが好まし
い。CVD法を用いれば、基材に対して熱的なダメージ
を与えることなくガスバリア層を形成することができる
からであり、さらにガスバリア性の面から酸化珪素膜と
することが好ましいからである。
【0018】上記請求項12に記載の発明においては、
請求項13に記載するように、上記酸化珪素膜が、Si
原子数100に対してO原子数170〜200およびC
原子数30以下の成分割合からなっており、さらに10
55〜1065cm−1の間にSi−O−Si伸縮振動
に基づくIR吸収があることが好ましい。
【0019】ガスバリア層として作用する酸化珪素膜の
成分割合とIR吸収とからなる特性を、上記の範囲内に
制御したことによって、極めてガスバリア性に優れたガ
スバリアフィルムとすることができる。こうした特性を
有する酸化珪素膜は、緻密で不純物の少ないSiO
イクな膜であるといえる。
【0020】上記請求項13に記載の発明においては、
請求項14に記載するように、上記酸化珪素膜は、屈折
率が1.45〜1.48であることが好ましい。ガスバ
リア膜として作用する酸化珪素膜の屈折率を、上記の範
囲内に制御することによって、ガスバリア性をより一層
向上させることができるからである。
【0021】上記請求項12から請求項14までのいず
れかの請求項に記載された発明においては、請求項15
に記載するように、上記酸化珪素膜は、厚さが5〜30
0nmであることが好ましい。本発明によれば、5〜3
00nmという極めて薄い蒸着膜を形成した場合であっ
ても、優れたガスバリア性を発揮することができ、蒸着
膜にクラックが入りづらくすることができるからであ
る。さらに、上記範囲の厚さで蒸着膜を形成したガスバ
リアフィルムは透明性や外観等を損なうことがなく、ま
たフィルムのカールの増大を抑制することもできるため
生産性においても好ましいからである。
【0022】上記請求項1から請求項15までのいずれ
かの請求項に記載された発明においては、請求項16に
記載するように、上記ガスバリア層および撥水層が、さ
らに複数層積層されていることが好ましい。複数層積層
することにより、さらにガスバリア性を向上させること
ができるからである。
【0023】上記請求項16に記載の発明においては、
請求項17に記載するように、上記撥水層およびガスバ
リア層がこの順序で、5層積層されていることが好まし
い。この順序で上記の層が5層積層されていることによ
り、ガスバリア性、製造効率、またはコストの面等から
好ましいからである。
【0024】上記請求項1から請求項17までのいずれ
かの請求項に記載された発明においては、請求項18に
記載するように、酸素透過率が0.5cc/m/da
y以下で、水蒸気透過率が0.5g/m/day以下
であることが好ましい。酸素透過率および水蒸気透過率
を上記の範囲内とすることにより、内容物の品質を変化
させる原因となる酸素と水蒸気とを殆ど透過させないの
で、高いガスバリア性が要求される用途に好ましく用い
ることができるからである。
【0025】さらに、本発明においては、請求項19に
記載するように、上記請求項1から請求項18までのい
ずれかの請求項に記載のガスバリアフィルムにおける少
なくとも一方側の表面にヒートシール性樹脂層を設けた
ことを特徴とする積層材を提供する。このような積層材
を用いると、請求項20に記載するように、上記積層材
のヒートシール性樹脂層を熱融着して製袋または製函す
ることにより包装容器を得ることができ、この包装容器
はガスバリア性に優れていることから、食品や医薬品、
さらには電子デバイス等の包装材料として好適に用いる
ことができる。
【0026】また、本発明においては、請求項21に記
載するように、上記請求項1から請求項18までのいず
れかの請求項に記載のガスバリアフィルムにおける少な
くとも一方側の表面に導電性層が形成されていることを
特徴とする積層材を提供する。このような積層材を用い
ると、請求項22に記載するように、上記導電性層上に
画像表示層を形成することにより画像表示媒体とするこ
とができる。この画像表示媒体は、基材がガスバリア性
に優れたものであるので、耐候性等に優れたものとする
ことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のガスバリアフィ
ルムについて図面を用いて具体的に説明する。
【0028】図1は、本発明のガスバリアフィルムの構
成の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、
この例のガスバリアフィルム1は、基材2と、当該基材
2の両面または片面に形成されたガスバリア層3と、こ
のガスバリア層3上に形成された撥水層4とから構成さ
れている。また、本発明のガスバリアフィルムにおいて
は、例えば図2に示すように、さらに基材2とガスバリ
ア層3との間にも撥水層4を設けてもよい。以下、この
撥水層4、ガスバリア層3、および基材2、さらには、
このガスバリアフィルムの製造方法に分けて、それぞれ
説明する。
【0029】A.撥水層 本発明に用いられる撥水層は、ガスバリア層上に形成さ
れ、かつ撥水性を有する層であれば特に限定されるもの
ではない。撥水性を有することにより、表面に吸着する
水や酸素の量を低下させることができ、その結果、ガス
バリア性を向上させることができる。
【0030】本発明に用いられる撥水層は、その表面の
撥水性が、撥水層表面における水との接触角が、測定温
度23℃において、60°以上、特に80°以上となる
ような撥水性であることが好ましい。水との接触角がこ
の程度以上あれば、表面に水等が吸着することによるガ
スバリア性の低下を防止することができるからである。
【0031】本発明において接触角とは、図14に示す
ように、液体−気体界面が固体表面と接する点において
なす角度、すなわち固体表面上に置かれた液滴がとる安
定な状態における角度θのことである。
【0032】この接触角θの物理的意味を説明する。図
14の安定状態において、固体−液体、固体−気体、気
体−液体の3つの界面が交わる点(接触点0)における
界面張力の力学的釣り合いを考えると、接触点0に3つ
の界面張力α12、α13、α23、が作用している
が、接触点0が左右に動かないためには、3つの界面張
力の合力の作用方向成分がゼロでなければならない。し
たがって α13=α12+α23cosθ (式1) すなわち cosθ = (α13−α12)/α23 (式2) が得られる。式2はヤングの式あるいはヤングーデュプ
レの式と呼ばれており、接触角θと固体−液体界面張力
α12、固体−液体界面張力α13、気体−液体界面張
力α23の関係を表している。
【0033】式2は −1<(α13−α12)/α23<1 のときにのみ適用でき、1≦(α13−α12)/α
23のときはθ=0となり、液体は固体表面上に無限に
広がって固体表面を完全にぬらす状態である。一方、
(α13−α12)/α23≦−1のときは、θ=18
0°となり液体は完全にはじかれた状態となる。
【0034】ここで、この水との接触角の測定方法は、
協和界面化学社の接触角測定装置(型番CA−Z)を用
いて求めた値である。すなわち、被測定対象物の表面上
に、純水を一滴(一定量)滴下させ、一定時間経過後、
顕微鏡やCCDカメラを用い水滴形状を観察し、物理的
に接触角を求める方法を用い、この方法により測定され
た水との接触角を本発明における水との接触角とするこ
ととする。
【0035】このような撥水層は、上述したような撥水
性を有する層であればどのような方法により形成された
ものであってもよい。具体的には、蒸着法により形成さ
れたものであってもよいし、撥水層形成材料を溶媒に溶
解もしくは懸濁させた撥水層形成用塗工液を塗布するこ
とにより形成したものであってもよい。また熱可塑性樹
脂を用い、この樹脂を溶融させて塗布することにより形
成したものや、ドライフィルムを貼り合せる方法等によ
り形成されたものであってもよい。
【0036】本発明においては、後述するガスバリア層
が蒸着法により形成されるものであり、同一の真空装置
内で連続してガスバリア層と撥水層とを形成することが
できる点を考慮すると、蒸着法により形成された撥水層
が好ましい。さらに、基材に対して熱的なダメージを与
えずに形成できる点からCVD法により形成された撥水
層であることが特に好ましいといえる。
【0037】一方、従来の撥水性材料をそのまま用いる
ことができる点、また蒸着法に適用できない材料であっ
ても用いることができる点等を考慮すると、上述したよ
うな撥水層形成用塗工液を塗布する方法、もしくは熱可
塑性樹脂を溶融塗布する方法により形成された撥水層で
あることが好ましい。
【0038】このような撥水層を構成する物質として
は、上述したような撥水層の形成方法により大きく異な
るものである。具体的には、蒸着法により撥水層を形成
する場合の撥水層を構成する材料としては、金属骨格か
らなりメチル基を有する有機膜、炭素および水素(Cお
よびH)のみから構成される有機膜、およびフッ素
(F)を含む膜を挙げることができる。以下、それぞれ
の膜について説明する。
【0039】1.金属骨格からなりメチル基を有する有
機膜 このような有機膜の金属骨格としては、SiおよびAl
等を上げることができる。具体的な材料としては、Si
(CHもしくは(SiO)(CHで示
される有機シリコン系材料、またはプラズマCVD法、プ
ラズマ重合法を用いたこれら重合膜を挙げることができ
る。
【0040】2.炭素および水素(CおよびH)のみか
ら構成される有機膜 具体的には、炭化水素系材料またはその重合膜を挙げる
ことができる。このような膜の製造方法としては、プラ
ズマCVD法(プラズマ重合法)を用いてもよく、また
ポリエチレン等のポリオレフィン材料をPVD法により
蒸着するようにしたものであってもよい。
【0041】3.フッ素(F)を含む膜 Fを含む膜としては、例えばSiで示される
有機フッ化シリコン材料またはその重合膜、Si
で示されるフッ化シリコン系材料またはその重合膜、も
しくはCで示されるフッ素含有炭化水素系材料ま
たはその重合膜、SiO膜またはSiO
(CH)z膜等を挙げることができる。
【0042】また、上述したような撥水層形成用塗工液
を塗布して形成する場合の撥水層を構成する材料として
は、フッ素系有機材料、ポリオレフィン系有機材料、メ
チル基含有珪素材料等を挙げることができる。
【0043】さらに、熱可塑性樹脂を溶融させて塗布す
ることにより撥水層を形成する場合の撥水層を構成する
材料としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系
樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂等のオレフィン系樹脂
等を挙げることができる。
【0044】その他、例えばフッ素樹脂フィルムやポリ
エチレンフィルム等ポリオレフィンフィルムを接着剤を
用いたドライラミネーション法による貼り合わせ等を挙
げることができる。
【0045】本発明においては、上述した撥水層を構成
する材料の中でも、蒸着法により形成される場合に用い
られる材料が好ましく、特に好ましい材料としては、ヘ
キサメチルジシロキサン(HMDSO;(CH3)3SiOSi(CH
3)3)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO;(CH3)
2HSiOSiH(CH3)2)、テトラメチルシラン(TMS;Si(C
H3)4)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、P
VDF(ポリビニリデンフルオロエチレン)、PVF
(ポリビニルフルオリド)、ETFE(エチレン/テト
ラフルオロエチレン共重合体)、C、C
CH、C 、CF、C、C、C
、ポリエチレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等を
挙げることができる。
【0046】このような撥水層における好適な膜厚は、
その製造方法により大きく異なる。具体的には、蒸着法
により撥水層が形成された場合の好ましい膜厚として
は、1nm〜1000nmの範囲内、特に5nm〜10
0nmの範囲内が好ましい。一方、他の方法、すなわち
撥水層形成用塗工液を塗布することにより形成する方法
や、熱可塑性樹脂を溶融させて塗布する方法等の蒸着法
以外の方法における好ましい膜厚は、1μm〜100μ
mの範囲内であり、特に1μm〜50μmの範囲内であ
ることが好ましい。
【0047】撥水層の膜厚が、上記範囲より薄い場合
は、例えば撥水層が形成されない部分が生じる等の撥水
層としての機能を発揮できない可能性が生じることから
好ましくなく、上記範囲より膜厚を厚くしても、撥水性
に影響を与えないことからコスト面で問題となる可能性
があるため好ましくない。
【0048】また、本発明のガスバリアフィルムは、用
途によって透明性を要求される場合がある。したがっ
て、上述した撥水層も透明であることが好ましい。
【0049】B.ガスバリア層 本発明に用いられるガスバリア層は、ガスバリア性を付
与するために基材上に形成された蒸着膜であれば特に限
定されるものはなく、透明膜であっても、不透明膜であ
ってもよい。
【0050】蒸着膜を透明膜とする場合の膜種として
は、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸
化インジウム、酸化セリウム、酸化カルシウム、酸化カ
ドミウム、酸化銀、酸化金、酸化クロム、酸化珪素、酸
化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化スズ,酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化白金、酸化パ
ラジウム、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化マン
ガン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化バリウム
等が挙げられる。また、これら無機酸化膜が窒化された
無機窒化酸化化合物、例えば、酸窒化珪素化合物(Si
ON)、酸窒化アルミニウム化合物(AlON)等を用
いることも可能である。さらにITO膜なども本発明の
蒸着膜として用いることができる。
【0051】一方、不透明膜とする場合の膜種として
は、アルミニウム、シリコン、窒化珪素(SiN4)、
窒化アルミニウム(AlN)等を挙げることができ、ま
た金属は全て、本発明の蒸着膜として用いることができ
る。
【0052】本発明においては、例えば包装材として用
いる場合等のようにガスバリアフィルムに透明性が要求
される用途が多い。したがって、本発明においてはガス
バリア層が透明層であることが好ましく、具体的には上
述したような金属酸化物の蒸着層であることが好まし
い。
【0053】本発明においては、中でもCVD法により
形成された酸化珪素膜であることが好ましい。CVD法
により形成することにより、基材に熱的なダメージを与
えること無く形成することができるからであり、基材の
選択の幅が広がるからである。また、酸化珪素膜は製造
の容易性および用途の汎用性等の観点から好ましい材料
であるといえる。
【0054】このような酸化珪素膜において、本発明に
おいては特に、Si原子数100に対してO原子数17
0〜200およびC原子数30以下の成分割合からな
り、1055〜1065cm−1の間にSi−O−Si
伸縮振動に基づくIR吸収がある酸化珪素膜であること
が好ましい。このような特徴を有することにより、ガス
バリア性が向上し、表面に撥水層を形成した際のガスバ
リアフィルムとしてのガスバリア性を極めて高いものと
することができるからである。
【0055】さらに、このとき、1.45〜1.48の
屈折率を有するように形成することがより好ましい。こ
のような特性の酸化珪素膜を備えるガスバリアフィルム
は、極めて優れたガスバリア性を発揮することができる
からである。
【0056】Si、O、Cの各成分割合を、Si原子数
100に対してO原子数170〜200およびC原子数
30以下にするには、有機珪素化合物ガスと酸素ガスの
流量比や有機珪素化合物ガスの単位流量当たりの投入電
力の大きさ等を調節して上記の範囲内に制御することが
できる。特に、Cの混入を抑制するように制御すること
が好ましい。例えば、(酸素ガス/有機珪素化合物ガ
ス)の流量比を3〜50程度の範囲で調整することによ
って、SiO ライクな膜にしてCの混入を抑制した
り、有機珪素化合物ガスの単位流量当たりの投入電力を
大きくすることによって、Si−C結合の切断を容易に
して膜中へのCの混入を抑制することができる。なお、
流量比の上限は便宜上規定したものであり、50を超え
ても特に問題はない。
【0057】この範囲の成分組成を有する酸化珪素膜
は、Si−C結合が少ないので、SiOライクな均質
膜となり、極めて優れたガスバリア性を発揮する。こう
した成分割合は、Si、O、Cの各成分を定量的に測定
できる装置であればよく、代表的な測定装置としては、
ESCA(Electron spectroscopy for chemical analy
sis)や、RBS(Rutherford back scattering)、オー
ジェ電子分光法によって測定された結果によって評価さ
れる。
【0058】Oの成分割合が170未満となる場合は、
(酸素ガス/有機珪素化合物ガス)の流量比が小さい場
合(酸素ガス流量が相対的に少ない場合)や有機珪素化
合物ガスの単位流量当たりの投入電力が小さい場合にし
ばしば見られ、結果的にCの成分割合が大きくなる。そ
の結果、膜中に多くのSi−C結合を有し、SiO
イクな均質膜ではなくなって、酸素透過率と水蒸気透過
率が大きくなり十分なガスバリア性を発揮することがで
きない。なお、O原子数は化学量論的に200を超えに
くい。また、Cの成分割合が30を超える場合は、Oの
成分割合が170未満となる場合と同じ条件、すなわち
(酸素ガス/有機珪素化合物ガス)の流量比が小さい場
合(酸素ガス流量が相対的に少ない場合)や有機珪素化
合物ガスの単位流量当たりの投入電力が小さい場合にし
ばしば見られ、膜中にSi−C結合がそのまま残る。そ
の結果、SiO ライクな均質膜ではなくなって、酸
素透過率と水蒸気透過率が大きくなり十分なガスバリア
性を発揮することができない。一方、Cの成分割合の下
限は特に規定しないが、実際の成膜工程上の下限値とし
て10に規定することができる。なお、Cの成分割合を
10未満とすることは現実問題として容易ではないが、
Cの成分割合が10未満であってもよく、SiO
イクな均質膜が得られる。
【0059】IR測定において、1055〜1065c
−1の間にSi−O−Si伸縮振動に基づく吸収があ
るようにするには、酸化珪素膜をできるだけSiO
イクな均質膜とするように、有機珪素化合物ガスと酸素
ガスの流量比や有機珪素化合物ガスの単位流量当たりの
投入電力の大きさ等を調節して上記の範囲内に制御する
ことができる。例えば、(酸素ガス/有機珪素化合物ガ
ス)の流量比を3〜50程度の範囲で調整したり、有機
珪素化合物ガスの単位流量当たりの投入電力を大きくし
てSi−C結合の切断を容易にすることによって、Si
ライクな膜とすることができる。なお、流量比の上
限は便宜上規定したものであり、50を超えても特に問
題はない。こうしたIR吸収が現れる酸化珪素膜は、S
iOライクな均質膜特有のSi−O結合を有するの
で、極めて優れたガスバリア性を発揮する。
【0060】IR吸収は、IR測定用の赤外分光光度計
で測定して評価される。好ましくは、赤外分光光度計に
ATR(多重反射)測定装置を取り付けて赤外吸収スペ
クトルを測定する。このとき、プリズムにはゲルマニウ
ム結晶を用い、入射角45度で測定することが好まし
い。
【0061】この範囲にIR吸収がない場合は、(酸素
ガス/有機珪素化合物ガス)の流量比が小さい場合(酸
素ガス流量が相対的に少ない場合)や有機珪素化合物ガ
スの単位流量当たりの投入電力が小さい場合にしばしば
見られ、結果的にCの成分割合が大きくなる。その結
果、膜中にSi−C結合を有することとなって、SiO
ライクな均質膜特有のSi−O結合が相対的に少なく
なり、上記範囲内にIR吸収が現れない。そうして得ら
れた酸化珪素膜は、酸素透過率と水蒸気透過率が大き
く、十分なガスバリア性を発揮することができない。
【0062】酸化珪素膜の屈折率を1.45〜1.48
にするには、有機珪素化合物ガスと酸素ガスの流量比
や、有機珪素化合物ガスの単位流量当たりの投入電力の
大きさ等を調節することによって上記範囲内に制御する
ことができる。例えば、(酸素ガス/有機珪素化合物ガ
ス)の流量比を3〜50程度の範囲で調整して制御する
ことができる。なお、流量比の上限は便宜上規定したも
のであり、50を超えても特に問題はない。この範囲の
屈折率を有する酸化珪素膜は、緻密で不純物の少ないS
iOライクな膜となり、極めて優れたガスバリア性を
発揮する。こうした屈折率は、光学分光器によって測定
された透過率と反射率とを測定し、光学干渉法を用いて
633nmでの屈折率で評価したものである。
【0063】屈折率が1.45未満となる場合は、有機
珪素化合物ガスと酸素ガスの流量比が上記の範囲外とな
る場合や、有機珪素化合物ガスの単位流量当たりの投入
電力が小さく、低密度で疎な酸化珪素膜が得られる場合
にしばしば見られ、成膜された酸化珪素膜が疎になっ
て、酸素透過率と水蒸気透過率が大きくなり十分なガス
バリア性を発揮することができない。一方、屈折率が
1.48を超える場合は、有機珪素化合物ガスと酸素ガ
スの流量比が上記の範囲外となる場合や、C(炭素)等
の不純物質が混入した場合にしばしば見られ、成膜され
た酸化珪素膜が疎になって、酸素透過率と水蒸気透過率
が大きくなり十分なガスバリア性を発揮することができ
ない。
【0064】上述した各特性を有する酸化珪素膜を、5
〜300nmの厚さという薄い厚さで形成したガスバリ
アフィルムは、優れたガスバリア性を発揮することがで
き、酸化珪素膜にクラックが入りづらい。酸化珪素膜の
厚さが5nm未満の場合は、酸化珪素膜が基材の全面を
覆うことができないことがあり、ガスバリア性を向上さ
せることができない。一方、酸化珪素膜の厚さが300
nmを超えると、クラックが入り易くなること、透明性
や外観が低下すること、フィルムのカールが増大するこ
と、さらに、量産し難く生産性が低下してコストが増大
すること、等の不具合が起こり易くなる。
【0065】また、本発明のガスバリアフィルムを包装
材料等、フレキシブル性が要求される用途として用いる
場合には、形成される酸化珪素膜の機械的特性や用途を
勘案し、その厚さを5〜30nmとすることがより好ま
しい。酸化珪素膜の厚さを5〜30nmとすることによ
って、軟包装材料としてのフレキシブル性を持たせるこ
とができ、フィルムを曲げた際のクラックの発生を防ぐ
ことができる。また、本発明のガスバリアフィルムが比
較的薄さを要求されない用途、例えば、フィルム液晶デ
ィスプレイ用ガスバリア膜、フィルム有機ELディスプ
レイ用ガスバリア膜またはフィルム太陽電池用ガスバリ
ア膜等の用途、に用いられる場合には、ガスバリア性が
優先して要求されるので、前述の5〜30nmの範囲よ
りも厚めにすることが好ましく、その厚さを30〜20
0nmとすることが生産性等も考慮した場合により好ま
しい。
【0066】本発明のガスバリアフィルムを上記の用途
に用いることにより、同程度のガスバリア性を有する従
来品よりもさらに薄膜化が可能となる。
【0067】上記ガスバリア層に用いられる酸化珪素膜
は、上述したようにCVD法により形成されることが好
ましいのであるが、特にプラズマCVD法によって形成
されることが好ましい。
【0068】プラズマCVD法は、一定圧力の原料ガス
を放電させてプラズマ状態にし、そのプラズマ中で生成
された活性粒子によって基材表面での化学反応を促進し
て形成する方法である。このプラズマCVD法は、高分
子樹脂に熱的ダメージが加わらない程度の低温(およそ
−10〜200℃程度の範囲)で所望の材料を成膜で
き、さらに原料ガスの種類・流量、成膜圧力、投入電力
等によって得られる膜の種類や物性を制御できるという
利点がある。
【0069】上記酸化珪素膜は、プラズマCVD装置の
反応室内に、有機珪素化合物ガスと酸素ガスとの混合ガ
スを所定の流量で供給すると共に、電極に直流電力また
は低周波から高周波の範囲内での一定周波数を持つ電力
を印加してプラズマを発生させ、そのプラズマ中で有機
珪素化合物ガスと、酸素原子を有するガス、中でも酸素
ガスとが反応することによって基材上に形成される。使
用されるプラズマCVD装置のタイプは特に限定され
ず、種々のタイプのプラズマCVD装置を用いることが
できる。通常は、長尺の高分子樹脂フィルムを基材とし
て用い、それを搬送させながら連続的に酸化珪素膜を形
成することができる連続成膜可能な装置が好ましく用い
られる。
【0070】なお、本発明において、酸化珪素膜は透明
であることが好ましいが、各種の用途に供するために、
基材やその他積層材料のうち、透明性が劣る層を任意に
積層させることは自由であり、最終製品として求められ
るガスバリアフィルムの透明性およびその程度は、各種
の用途によって異なる。例えば、本発明の酸化珪素膜を
用いたガスバリアフィルムを包装材料として用いる場合
には、内容物を光線から保護するために、有色インキ等
で印刷して遮光性を出してもかまわない。その他帯電防
止剤やフィラー等、ガスバリアフィルム全体の透明性を
悪くする要因がある添加物を練り混んだ層を積層した
り、透明性がない金属箔等を積層したりすることができ
る。ただし、フィルム液晶ディスプレイ用ガスバリア
膜、フィルム有機ELディスプレイ用ガスバリア膜また
はフィルム太陽電池用ガスバリア膜等の用途に用いられ
る場合には、ガスバリアフィルム全体の透明性が要求さ
れるので、本発明における酸化珪素膜の透明性による効
果が大である。
【0071】C.基材次に、本発明のガスバリアフィル
ムを構成する基材について説明する。
【0072】本発明のガスバリアフィルムにおける基材
は、上述したバリア性を有する蒸着膜を保持することが
できるフィルムであれば特に限定されるものではなく、
いかなるフィルムをも用いることができる。
【0073】具体的には、 ・エチレン、ポリプロピレン、ブテン等の単独重合体ま
たは共重合体または共重合体等のポリオレフィン(P
O)樹脂、 ・環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂
(APO)、 ・ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレ
ン2,6−ナフタレート(PEN)等のポリエステル系
樹脂、 ・ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリ
アミド系(PA)樹脂、ポリビニルアルコール(PV
A)樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EV
OH)等のポリビニルアルコール系樹脂、 ・ポリイミド(PI)樹脂、 ・ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、 ・ポリサルホン(PS)樹脂、 ・ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、 ・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、 ・ポリカーボネート(PC)樹脂、 ・ポリビニルブチラート(PVB)樹脂、 ・ポリアリレート(PAR)樹脂、 ・エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、
三フッ化塩化エチレン(PFA)、四フッ化エチレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(FE
P)、フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニル
(PVF)、パーフルオロエチレン−パーフロロプロピ
レン−パーフロロビニルエーテル−共重合体(EPA)
等のフッ素系樹脂、 等を用いることができる。
【0074】また、上記に挙げた樹脂以外にも、ラジカ
ル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物によ
りなる樹脂組成物や、上記アクリルレート化合物とチオ
ール基を有するメルカプト化合物よりなる樹脂組成物、
エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエ
ステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート等のオ
リゴマーを多官能アクリレートモノマーに溶解せしめた
樹脂組成物等の光硬化性樹脂およびこれらの混合物等を
用いることも可能である。さらに、これらの樹脂の1ま
たは2種以上をラミネート、コーティング等の手段によ
って積層させたものを基材フィルムとして用いることも
可能である。
【0075】上記に挙げた樹脂等を用いた本発明の基材
は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
【0076】本発明の基材は、従来公知の一般的な方法
により製造することが可能である。例えば、材料となる
樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイによ
り押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配
向していない未延伸の基材を製造することができる。ま
た、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延
伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸
延伸などの公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方
向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸す
ることにより延伸基材を製造することができる。この場
合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜
選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれ
ぞれ2〜10倍が好ましい。
【0077】また、本発明の基材においては、蒸着膜を
形成する前にコロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、グ
ロー放電処理、粗面化処理、薬品処理などの表面処理を
行ってもよい。
【0078】さらに、本発明の基材の表面には、蒸着膜
との密着性の向上を目的としてアンカーコート剤層を形
成してもよい。このアンカーコート剤層に用いられるア
ンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、イソシア
ネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビ
ニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、
変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂、およびアルキル
チタネート等を、1または2種以上併せて使用すること
ができる。これらのアンカーコート剤には、従来公知の
添加剤を加えることもできる。そして、上記のアンカー
コート剤は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコ
ート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法
により基材上にコーティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥
除去することによりアンカーコーティングすることがで
きる。上記のアンカーコート剤の塗布量としては、0.
1〜5g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
【0079】基材は、ロール状に巻き上げられた長尺品
が便利である。基材の厚さは、得られるガスバリアフィ
ルムの用途によって異なるので一概には規定できない
が、一般的な包装材料やパッケージ材料用の基材として
用いる場合には、3〜188μmが好ましい。
【0080】D.製造方法 本発明のガスバリアフィルムは、上述したように基材
と、基材上の蒸着層からなるガスバリア層と、このガス
バリア層上に形成された撥水層とからなるものであり、
必要に応じて基材とガスバリア層との間にも撥水層を形
成してもよいものである。このような本発明のガスバリ
アフィルムにおいては、上述したように上記ガスバリア
層と撥水層とが共にプラズマCVD法により形成されて
いることが好ましい。
【0081】まず、ガスバリア層を形成する際のプラズ
マCVD法の好ましい成膜条件としては、まず成膜時の
基材の温度が−20〜100℃の範囲内、好ましくは−
10〜30℃の範囲内であることである。
【0082】次に、原料ガスとして有機珪素ガスおよび
酸素原子を含むガスを用い、この有機珪素化合物ガスと
酸素原子を含むガスとの流量比を、有機珪素化合物ガス
を1とした場合に、3〜50の範囲内、好ましくは3〜
10の範囲内とすることである。
【0083】そして、プラズマCVD装置のプラズマ発
生手段における単位面積当たりの投入電力を大きく設定
したり、マグネット等プラズマの閉じ込め空間を形成し
その反応性を高めることにより、その効果がより高く得
られる。
【0084】また、本発明においては、上記原料ガスの
内、有機珪素化合物ガスとしては、ヘキサメチルジシロ
キサン(HMDSO)、1,1,3,3−テトラメチル
ジシロキサン(TMDSO)、テトラメチルシラン(T
MS)、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメチル
シラン、テトラメトキシシラン(TMOS)、メチルト
リメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメ
チルメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEO
S)、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシ
ラン、メチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザ
ンを好ましく用いることができる他、テトラメチルジシ
ロキサン、ノルマルメチルトリメトキシシラン等の従来
公知のものを、一種または二種以上用いることができ
る。
【0085】しかしながら、本発明においては、SiO
ライクな膜を形成する目的から、特に分子内に炭素−
珪素結合を有さない有機珪素化合物が好適に用いられ
る。具体的には、テトラメトキシシラン(TMOS)、
メチルトリメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、
テトラエトキシシラン(TEOS)、メチルトリエトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキ
シシラン、メチルジエトキシシラン等を挙げることがで
き、中でも分子内に炭素−珪素結合が存在しないテトラ
メトキシシラン(TMOS)およびテトラエトキシシラ
ン(TEOS)を用いることが好ましい。
【0086】また、酸素原子を含むガスとしては、N
O、酸素、CO、CO等を挙げることができるが、中
でも酸素ガスが好適に用いられる。
【0087】このように、原料ガスのうち有機珪素化合
物ガスとして炭素−珪素結合を有さない有機化合物を用
い、さらに上述したような開始時の基材の温度、原料ガ
スの流量比、さらにはプラズマ発生手段における投入電
力を上述した範囲内とすることにより、よりガスバリア
性の良好なガスバリアフィルムが得られるのは、有機珪
素化合物ガスの分解性が高くなり、膜の中に酸素原子が
取り込まれやすくなり結果としてSiOライクな膜が
形成されるためと考えられる。
【0088】次に、撥水層を形成する際のプラズマCV
D法(プラズマ重合法)の好ましい成膜条件としては、
まず成膜時の基材の温度が−20〜100℃の範囲内、
好ましくは−10〜30℃の範囲内であることである。
【0089】次に、原料ガスとして有機珪素ガス、炭化
水素ガス、炭化フッ化ガスのいずれかを用い、プラズマ
CVD装置のプラズマ発生手段における単位面積当たり
の投入電力を有機薄膜が形成可能な大きさで設定した
り、成膜圧力をパーティクルの発生がない程度の高い圧
力(50〜300mTorr)の範囲で設定したり、マグネ
ット等プラズマの閉じ込め空間を形成しその反応性を高
めることにより、その効果がより高く得られる。
【0090】また、本発明においては、上記原料ガスの
内、 メチル基のリッチな薄膜を形成する 炭素および水素のみで構成される炭化水素膜を形成す
る フッ素を含む薄膜を形成する のいずれかの方法で撥水性の高い膜を形成できる。以
下、これらに用いられる原料ガスについて説明する。
【0091】メチルリッチ有機膜形成の場合 有機珪素化合物ガスとしては、ヘキサメチルジシロキサ
ン(HMDSO)、1,1,3,3−テトラメチルジシ
ロキサン(TMDSO)、テトラメチルシラン(TM
S)、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメチルシ
ラン、テトラメトキシシラン(TMOS)、メチルトリ
メトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチ
ルメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEO
S)、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシ
ラン、メチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザ
ンを好ましく用いることができる他、テトラメチルジシ
ロキサン、ノルマルメチルトリメトキシシラン等の従来
公知のものを、一種または二種以上用いることができ
る。
【0092】しかしながら、この場合は、メチルリッチ
な膜を形成する目的から、特に分子内に炭素−珪素結合
を多くもつ有機珪素化合物が好適に用いられる。具体的
には、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TMDS
O)、テトラメチルシラン(TMS)、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメ
トキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキサメチル
ジシラザン等を挙げることができ、中でも分子内に炭素
−珪素結合を多く有するヘキサメチルジシロキサン(H
MDSO;(CH3)3SiOSi(CH3)3)、1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサン(TMDSO;(CH3)2HSiOSiH
(CH3)2)、テトラメチルシラン(TMS;Si(CH3)4)が
好ましいといえる。
【0093】炭化水素系材料の場合 炭化水素系材料として、好ましい材料は、CH、C
、C、およびCを挙げることができ、
特に好ましくは、C、およびCを挙げるこ
とができる。
【0094】フッ素含有有機材料の場合 フッ素含有有機材料としては、CF、C、C
、C,C,C、PTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデン
フルオロエチレン)、PVF(ポリビニルフルオリ
ド)、ETFE(エチレン/テトラフルオロエチレン共
重合体)等を挙げることができ、特に、C、C
およびPTFEが特に好ましい。
【0095】このように、原料ガスのうち有機珪素化合
物ガスとして炭素−珪素結合を多く有する有機化合物を
用い、さらに上述したような開始時の基材の温度、原料
ガスの流量比、さらにはプラズマ発生手段における投入
電力、成膜圧力を上述した範囲内とすることにより、よ
り優れた撥水性膜が得られるのは、有機珪素化合物ガス
の分解性が低く、膜の中にメチル基またはフッ素が取り
込まれやすくなるから(、の場合)、もしくは膜が
CH結合のみで構成される結果として撥水効果の高い膜
が得られるから(の場合)と考えられる。
【0096】E.ガスバリアフィルムの層構成 本発明においては、上述した図1に示すように、基材2
上にガスバリア層3を形成し、その上に撥水層4を設け
てガスバリアフィルムとしてもよいが、この場合は、高
湿熱環境下で長時間使用した場合に、ガスバリア性が劣
化する可能性がある。
【0097】また、ガスバリアフィルムの用途によって
は、耐湿熱性を要求される場合がある。具体的には、例
えばフレキシブルディスプレイ部材の場合は、65℃、
90%Rh(相対湿度)、500時間の耐湿熱試験を行った
場合でもガスバリア性を維持する必要があり、また太陽
電池用カバー等の場合には、85℃、93%Rh、1000時
間の耐湿熱試験後においても、ガスバリア性が要求され
る。さらに、食品包装材においては、レトルトもしくは
ボイル等の後でもガスバリア性が要求される。
【0098】本発明においては、このような耐湿熱性を
向上させるガスバリアフィルムの層構成として、図1に
示すようなガスバリアフィルムにおいて、上記基材とガ
スバリア層との間に撥水層を有するものが好ましい。
【0099】例えば、図2に示すように、基材2上に撥
水層4を形成し、この撥水層4上にガスバリア層3を形
成し、さらにその表面に撥水層4を形成した例を挙げる
ことができる。
【0100】このように、基材上に撥水層を形成するこ
とにより、高湿熱環境において、基材側からガスバリア
層内に侵入する水分をこの撥水層により遮断することが
可能であり、その結果、ガスバリアフィルムとして高湿
熱環境下で長時間用いた場合でも、ガスバリア層が水分
により劣化する可能性が少なく、高いガスバリア性を維
持することが可能となるのである。
【0101】また、本発明のガスバリアフィルムは、基
材上に上記ガスバリア層と撥水層とが複数層積層されて
なるものであってもよい。この場合、ガスバリア層と撥
水層の順序は特に限定されるものではない。図3は、基
材2上にガスバリア層3および撥水層4がこの順序にそ
れぞれ4層づつ積層されて形成されたガスバリアフィル
ム1を示すものである。このようにガスバリア層と撥水
層とを複数層積層することにより、さらにガスバリア性
を向上させることができる。
【0102】さらに、この場合も、基材上に撥水層を形
成し、その上にガスバリア層と撥水層とをこの順序で複
数層積層されてなるものであってもよい。図4は、その
一例を示すものであり、基材2上に撥水層4が形成さ
れ、その上にガスバリア層3および撥水層4がこの順序
にそれぞれ4層づつ積層されて形成されたガスバリアフ
ィルム1を示すものである。このような構成とすること
により、より高いガスバリア性を高湿熱環境下でも維持
することが可能となる。
【0103】本発明においては、このようなガスバリア
層および撥水層の積層が、それぞれ少なくとも2層以上
20層以下であることが好ましく、特に2層以上10層
以下であることがガスバリア性および製造効率等の観点
から好ましいといえる。
【0104】特には、基材上に撥水層およびガスバリア
層がこの順序で5層積層されていることがより好まし
い。上記の順序で撥水層およびガスバリア層が積層され
ることにより、高いガスバリア性を付与することが可能
であり、また製造効率やコストの面からも好ましいから
である。
【0105】このような本発明のガスバリアフィルム
は、酸素透過率が0.5cc/m/day以下で水蒸
気透過率が0.5g/m/day以下、より好ましく
は酸素透過率が0.1cc/m/day以下で水蒸気
透過率が0.1g/m/day以下の極めて優れたガ
スバリア性を発揮する。本発明のガスバリアフィルム
は、内容物の品質を変化させる原因となる酸素と水蒸気
をほとんど透過させないので、高いガスバリア性が要求
される用途、例えば食品や医薬品等の包装材料や電子デ
バイス等のパッケージ材料用に好ましく用いることがで
きる。また、その高度なガスバリア性および耐衝撃性を
共に有する点から、例えば各種ディスプレイ用の基材と
して用いることが可能である。また、太陽電池のカバー
フィルム等にも用いることができる。
【0106】F.積層材 上述したガスバリアフィルムに、さらに他の層を積層し
て積層材とすることにより、上述したような種々の用途
にガスバリアフィルムを展開することが可能となる。こ
こに積層される他の層は、用いられる用途に応じて種々
のものを用いることが可能であり特に限定されるもので
はないが、上述したガスバリアフィルムの特性を有効に
活かすことができる積層材として、上記ガスバリアフィ
ルムにヒートシール性樹脂層を積層した第1実施態様、
および導電性層を積層した第2実施態様について、以下
説明する。
【0107】1.第1実施態様 (積層材)図5は、本発明の第1実施態様を示す概略断
面図である。図5において積層材11は、基材2の一方
の面にガスバリア層3を備え、さらにその表面に撥水層
4を有するガスバリアフィルム1と、このガスバリアフ
ィルム1のは撥水層4上にアンカーコート剤層および/
または接着剤層12を介して形成したヒートシール性樹
脂層13とを備えている。
【0108】積層材11を構成するアンカーコート剤層
12は、例えば、アルキルチタネート等の有機チタン系
アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート
剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブタ
ジエン系アンカーコート剤等を使用して形成することが
できる。アンカーコート剤層12の形成は、上記のよう
なアンカーコート剤を、例えば、ロールコート、グラビ
アコート、ナイフコート、ディップコート、スプレイコ
ート等の公知のコーティング法でコーティングし、溶
剤、希釈剤等を乾燥除去して行うことができる。上記の
アンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m
(乾燥状態)程度が好ましい。
【0109】また、積層材11を構成する接着剤層12
は、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリア
ミド系、エポキシ系、ポリ(メタ)アクリル系、ポリ酢
酸ビニル系、ポリオレフィン系、カゼイン、ワックス、
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリブタジエ
ン系等のビヒクルを主成分とする溶剤型、水性型、無溶
剤型、あるいは、熱溶融型等の各種のラミネート用接着
剤を使用して形成することができる。接着剤層12の形
成は、上記のようなラミネート用接着剤を、例えば、ロ
ールコート、グラビアコート、ナイフコート、デッブコ
ート、スプレイコート、その他のコーティング法でコー
ティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥除去して行うことが
できる。上記のラミネート用接着剤の塗布量としては
0.1〜5g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
【0110】積層材11を構成するヒートシール性樹脂
層13に用いるヒートシール性樹脂としては、熱によっ
て溶融し相互に融着し得る樹脂を挙げることができる。
具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタ
クリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポ
リエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系
樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン
酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル系樹脂、ポリ(メタ) アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂等を使用することができる。ヒートシール性樹
脂層13は、上述のようなヒートシール性樹脂を塗布し
て形成してもよく、また、上述のようなヒートシール性
樹脂からなるフィルムないしシートをラミネートして形
成してもよい。このようなヒートシール性樹脂層13の
厚みは、5〜300μm、好ましくは10〜100μm
の範囲内で設定することができる。
【0111】図6は、本実施態様における積層材の他の
例を示す概略断面図である。図6において積層材21
は、基材2の一方の面にガスバリア層3を備え、さらに
その表面に撥水層4を有するガスバリアフィルム1と、
このガスバリアフィルム1の撥水層4上にアンカーコー
ト剤層および/または接着剤層22を介して形成したヒ
ートシール性樹脂層23と、ガスバリアフィルム1の基
材2の他方の面(ガスバリア層非形成面)に設けられた
基材層24とを備えている。
【0112】積層材21を構成するアンカーコート剤
層、接着剤層22およびヒートシール性樹脂層23は、
上述の積層材11を構成するアンカーコート剤層、接着
剤層12およびヒートシール性樹脂層13と同様とする
ことができ、ここでの説明は省略する。
【0113】積層材21を構成する基材層24として
は、例えば、積層材21が包装用容器を構成する場合、
基材層24が基本素材となることから、機械的、物理
的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特
に、強度を有して強靭であり、かつ耐熱性を有する樹脂
のフィルムないしシートを使用することができる。具体
的には、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
アラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹
脂、フッ素系樹脂等の強籾な樹脂の延伸(一軸ないし二
軸)または未延伸のフィルムないしシートを挙げること
ができる。この基材層24の厚みは、5〜100μm、
好ましくは10〜50μm程度が望ましい。
【0114】また、本実施態様においては、基材層24
に、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の
印刷絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印
刷が施されていてもよい。このような文字等は、積層材
21を構成するガスバリアフィルム1が優れた透明性を
有するので、このガスバリアフィルム1を介して極めて
良好に視認することができる。
【0115】さらに、本実施態様では、基材層24とし
て、例えば、紙層を構成する各種の紙基材を使用するこ
とができる。具体的には、賦形性、耐屈曲性、剛性等を
もたせた紙基材であり、例えば、強サイズ性の晒または
未晒の紙基材、あるいは純白ロール紙、クラフト紙、板
紙、加工紙等の紙基材を使用することができる。このよ
うな紙基材としては、坪量約80〜600g/m程度
のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/m
度のものを使用することが望ましい。
【0116】また、本実施態様では、基材層24とし
て、上述の樹脂のフィルムないしシートと上述の紙基材
とを併用して使用することもできる。
【0117】図7は、本実施態様の積層材における他の
例を示す概略断面図である。図7において積層材31
は、基材2の一方の面にガスバリア層3を備え、さらに
その表面に撥水層4を有するガスバリアフィルム1と、
このガスバリアフィルム1の撥水層4上にアンカーコー
ト剤層および/または接着剤層32を介して形成したヒ
ートシール性樹脂層33と、ガスバリアフィルム1の基
材2の他方の面(ガスバリア層非形成面)に設けられた
基材層34と、この基材層34上に形成したヒートシー
ル性樹脂層35とを備えている。
【0118】積層材31を構成するアンカーコート剤
層、接着剤層32およびヒートシール性樹脂層33,3
5は、上述の積層材11を構成するアンカーコート剤
層、接着剤層12およびヒートシール性樹脂層13と同
様とすることができ、また、積層材31を構成する基材
層34は、上述の積層材21を構成する基材層24と同
様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0119】なお、本実施態様における積層材には、さ
らに、例えば、水蒸気、水等のバリア性を有する低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシ
ート、あるいは、酸素、水蒸気等に対するバリア性を有
するポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィルム
ないしシート、樹脂に顔料等の着色剤、その他、所望の
添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有
する各種の着色樹脂のフィルムないしシート等を使用す
ることができる。
【0120】これらの材料は、1種または2種以上を組
み合わせて使用することができ、厚みは任意であるが、
通常、5〜300μm、好ましくは10〜100μm程
度である。
【0121】さらに、包装用容器の用途に本実施態様の
積層材が使用される場合、通常、包装用容器は物理的に
も化学的にも過酷な条件におかれることから、積層材に
も厳しい包装適性が要求される。具体的には、変形防止
強度、落下衝撃強度、耐ピンホール性、耐熱性、密封
性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条
件が要求され、このため、本実施態様の積層材には、上
記のような諸条件を充足する材料を任意に選択して、基
材2、基材層24,34、あるいは、他の構成部材とし
て使用することができる。具体的には、低密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイ
オノマ一樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、
エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メ
チルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ
(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン
共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリ
アセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ
ース等の公知の樹脂のフィルムないしシートから任意に
選択して使用することができる。その他、例えば、セロ
ハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
【0122】上記のフィルムないしシートは、未延伸、
一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれも使用
することができる。また、その厚さは、任意であるが、
数μmから300μm程度の範囲から選択して使用する
ことができ、積層位置は特に制限はない。また、本発明
においては、フィルムないしシートは、押し出し成膜、
インフレーション成膜、コーティング膜等のいずれの性
状の膜でもよい。
【0123】上述の積層材11,21,31のような本
実施態様における積層材は、通常の包装材料をラミネー
トする方法、例えば、ウエットラミネーション法、ドラ
イラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション
法、押し出しラミネーション法、Tダイ押し出し成形
法、共押し出しラミネーション法、インフレーション
法、共押し出しインフレーション法等を用いて製造する
ことができる。
【0124】なお、上記の積層を行う際に、必要なら
ば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィ
ルムに施すことができ、また、例えば、イソシアネート
系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジ
エン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、あ
るいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル
系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系等の
ラミネート用接着剤等の公知の接着剤等を使用すること
ができる。
【0125】(包装用容器)次に、上記積層材を用いた
包装用容器について説明する。この包装用容器は、上記
第1実施態様の積層材を用いて熱融着により製袋または
製函したものである。
【0126】具体的には、包装用容器が軟包装袋の場
合、第1実施態様の積層材のヒートシール性樹脂層の面
を対向させて折り重ねるか、あるいは、本発明の積層材
二枚を重ね合わせ、その周辺端部を、例えば、側面シー
ル型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封
筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール
型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、
その他等のヒートシール形態により熱融着してシール部
を形成することにより、本発明にかかる種々の形態の包
装用容器を製造することができる。
【0127】上記において、熱融着は、例えば、バーシ
ール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシ
ール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行
うことができる。
【0128】図8は、上記のような包装用容器の一例を
示す斜視図である。図8において包装用容器51は、1
組の本発明の積層材11を、そのヒートシール性樹脂層
13が対向するように重ね合わせ、この状態で周辺部の
三方において熱融着を行ってシール部52を形成したも
のである。この包装用容器51は、周辺部の残りの一方
に形成された開口部53から内容物を充填することがで
きる。そして、内容物を充填した後に、上記開口部53
を熱融着してシール部を形成することにより、内容物を
充填包装した包装用容器とすることができる。
【0129】本発明の包装用容器は、上記の他に、例え
ば、自立性包装袋(スタンデイングパウチ)等も可能で
あり、さらに、本発明の積層材を使用してチューブ容器
等も製造することができる。
【0130】なお、本発明においては、上記のような包
装用容器に、例えば、ワンピースタイプ、ツーピースタ
イプ、その他の注出口、あるいは開閉用ジッパー等を任
意に取り付けることができる。
【0131】また、本発明の包装用容器が紙基材を含む
液体充填用紙容器の場合、紙基材を積層した本発明の積
層材を使用して、所望の紙容器を製造するためのブラン
ク板を作製し、このブランク板を使用して胴部、底部、
頭部等を形成することにより、例えば、ブリックタイ
プ、フラットタイプあるいはゲーベルトップタイプの液
体用紙容器等を製造することができる。また、その形状
は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれのもの
でも製造することができる。
【0132】図9は、本発明の包装用容器である上記の
液体充填用紙容器の一例を示す斜視図であり、図10
は、図9に示される包容用容器に用いるブランク板の平
面図である。ブランク板70は、例えば、図7に示され
る本発明の積層材31を使用し、容器形成における折り
曲げ加工用の押圧線m,m・・・と、容器61の胴部6
2を構成する胴部パネル71,72,73,74と、容
器61の頂部63を構成する頂部パネル71a,72
a,73a,74aと、容器61の底部64を構成する
底部パネル71b,72b,73b,74bと、筒体形
成用の熱融着用パネル75とを備えるように打ち抜き加
工して作製されたものである。このブランク板70を押
圧線m,m・・・で折り曲げ、胴部パネル71の端部内
側と熱融着用パネル75の外側とを熱融着して筒体を形
成し、その後、底部パネル71b,72b,73b,7
4bを押圧線m,m・・・で折り曲げ熱融着し、頂部の
開口から液体を充填した後に、頂部パネル71a,72
a,73a,74aを押圧線m,m・・・で折り曲げ熱
融着することにより、液体を充填包装した包装用容器6
1とすることができる。
【0133】本発明の包装用容器は、種々の飲食品、接
着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品、ケミカルカ
イロ等の雑貨品、その他等の種々の物品の充填包装に使
用されるものである。
【0134】2.第2実施態様 (積層材)本発明における第2実施態様は、上記ガスバ
リアフィルムの少なくとも一方側の表面に導電性層が形
成されていることを特徴とする積層材である。図11
は、本実施態様の一例を示すものである。本実施態様に
おける積層材は、基材2と基材2上に形成されたガスバ
リア層(酸化珪素膜)3と、さらにその表面に形成され
た撥水層4とからなるガスバリアフィルム1上に導電性
層41が形成されてなるものであるが、図11に示すよ
うにガスバリア層3と基材2との間に上述したようにガ
スバリア層3の密着性を向上させるためのアンカーコー
ト剤層42が形成されていてもよい。また、撥水層4上
にオーバーコート層43が形成されていてもよい。
【0135】本実施態様に用いられるガスバリアフィル
ム1は、上述したガスバリアフィルムと同様であるの
で、ここでの説明は省略する。
【0136】本実施態様に用いられる導電性層41は、
例えばITO膜が用いられ、これらはスパッタリング
法、PVD法、イオンプレーティング法により形成され
る。本実施態様においては、中でも導電性の面内均一性
を得るためにスパッタ法で得られたITO膜が好まし
い。
【0137】この導電性層41の膜厚は組成および用途
等により大幅に変化するものであるが、通常100nm
〜200nmの範囲内で形成される。
【0138】この導電性層41は、抵抗値が0〜50Ω
/□、全光線透過率が85%以上といった特性を有する
ものであることが好ましい。
【0139】このような導電性層41は、例えば液晶表
示装置であれば液晶駆動用の透明電極として用いること
ができる。
【0140】さらに、本発明に用いられるオーバーコー
ト層43としては、融点50℃以上のエポキシアクリレ
ートプレポリマーあるいは融点50℃以上のウレタンア
クリレートプレポリマーの紫外線硬化膜等を用いること
ができ、液晶等の表示媒体用途としての特性を満足出来
れば、熱的により安定な熱硬化型を用いても良い。しか
しながら、生産性に優れた紫外線硬化型樹脂がより好ま
しい。当然ながら、高分子フィルムや無機層との密着力
は不可欠であり、可撓性、耐薬品性が優れている事が必
要である。この目的のためには、通常行われているプラ
イマー層を設けても良い。
【0141】(画像表示媒体)本発明の画像表示媒体
は、上記第2実施態様に示す積層材を基材として用い、
上記導電性層上に画像表示層が形成されてなるものであ
る。
【0142】このような画像表示装置としては、液晶表
示装置のようなバックライトの明るさをシャッターする
ことにより階調をつけて表示を行う非発光型ディスプレ
イと、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエ
ミッションディスプレイ(FED)、エレクトロルミネ
ッセンスディスプレイ(EL)のように蛍光体を何らか
のエネルギーによって光らせて表示を行う自己発光型デ
ィスプレイとを挙げることができる。
【0143】上記画像表示媒体が液晶表示装置である場
合、上記画像表示層は液晶層を示すものであり、また上
記画像表示媒体が上述したような自己発光型のディスプ
レイの場合は、蛍光体を有する蛍光体層が上記画像表示
層に該当する。
【0144】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0145】例えば、上記「F.積層材」の欄における
説明において、ガスバリアフィルムが、基材上に直接ガ
スバリア層を形成し、その上に撥水層が形成された構成
のものを用いて説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、基材上に撥水層を形成し、その上にガス
バリア層を形成し、さらにその表面に撥水層が形成され
たガスバリアフィルムを用いたものも含まれるものであ
る。
【0146】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して、本発明
をさらに具体的に説明する。
【0147】A.ガスバリア性に関する実施例 [実施例1〜5] (ガスバリア層の形成)図12に示すように、基材20
としてシート状(30cm×21cm)の2軸延伸ポリ
エステルフィルム(東洋紡績社製、E5101、厚さ1
00μm)を準備し、プラズマCVD装置101のチャ
ンバー102内の下部電極114にコロナ未処理面を上
側(成膜面側)として装着した。
【0148】次に、CVD装置101のチャンバー内1
02内を、油回転ポンプおよびターボ分子ポンプにより
到達真空度3.0×10−5Torr(4.0×10−3P
a)まで減圧した。
【0149】材料としてテトラメトキシシラン(TMO
S)ガス(信越化学工業(株)製、KBM−04)と酸
素ガス(太陽東洋酸素(株)、純度99.9999%以
上)、ヘリウムガス(太陽東洋酸素(株)、純度99.
999%以上)を準備した。
【0150】次に下部電極114に90kHzの周波数を
有する電力(投入電力150W)を印加した。そしてチャン
バー102内の電極近傍に設けられたガス導入口109
から、テトラメトキシシラン10sccm、酸素10s
ccm、ヘリウム30sccmを導入し、真空ポンプ1
08とチャンバー102との間にあるバルブ113の開
閉度を制御することにより、成膜チャンバー内圧力を
0.25Torr(33.25Pa)に保ち、バリア層付き
基材フィルム3の上に撥水層4の成膜を行った。ここで
sccmとはstandard cubic centimeter per minuteの
略である。膜厚が50nmとなるまで成膜を行い、基材
上のガスバリア層を形成した。
【0151】(撥水層の形成)ガスバリア層を形成した
基材をプラズマCVD装置101(図12)のチャンバ
ー内の下部電極に装着した。
【0152】次にCVD装置101のチャンバー内10
2を、油回転ポンプおよびターボ分子ポンプにより到達
真空度3.0×10−5Torr(4.0×10−3Pa)ま
で減圧した。
【0153】以下の材料をそれぞれ準備した。
【0154】HMDSO(ヘキサメチルジシロキサ
ン)ガス、ヘリウムガス HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)ガス、酸素
ガス、ヘリウムガス C(テトラフロロエチレン)ガス C(アセチレン)ガス PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)ガス 次に、下部電極114に90kHzの周波数を有する電力
(投入電力150W)を印加した。そして、チャンバー10
2内の電極近傍に設けられたガス導入口109から、上
記〜のいずれかのガスを、表1に示す条件で導入
し、真空ポンプ108とチャンバー102との間にある
バルブ113の開閉度を制御することにより、成膜チャ
ンバー内圧力を0.25Torr(33.25Pa)に保
ち、ガスバリア層が形成された基材上に撥水層の成膜を
行った。ここでsccmとはstandardcubic centimeter
per minuteの略である。膜厚が5nmとなるまで成膜
を行い、実施例1〜5のガスバリアフィルムを得た。
【0155】[実施例6]実施例1〜実施例5と同様に
ガスバリア層を形成し、撥水層としてポリエチレン樹脂
(三井化学社製、ミラソン11P)を樹脂押し出し塗工機
を用い、リップ内温度350度に溶融させてコーティン
グした層とした以外は、上記実施例1と同様にして実施
例5のガスバリアフィルムを形成した。
【0156】[実施例7]実施例1〜実施例5と同様に
ガスバリア層を形成し、撥水層として環状ポリオレフィ
ン樹脂(日本ゼオン製、ゼオネックス)をシクロヘキサ
ン溶媒に3wt%の濃度で溶解させ、コーティング用バ
ーを用いて塗布した後、80℃30分間乾燥させコーテ
ィング層とした以外は、上記実施例1と同様にして実施
例6のガスバリアフィルムを形成した。
【0157】[実施例8] (ガスバリア層の形成)実施例1と同様にしてガスバリ
ア層を成膜した。
【0158】(撥水層の形成)図13に示すような蒸着
装置を用いて撥水層を通常の蒸着法により形成した。す
なわち、まずガスバリア層を形成した基材を蒸着装置2
01の基板ホルダー210に装着した。次いで、材料と
してPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を蒸着材
料セル211に充填した。そして、蒸着装置201のチ
ャンバー205内を、油回転ポンプおよび油拡散ポンプ
を用いて到達真空度1.0×10−6Torr(1.33×
10−4Pa)以下まで減圧した。次いで、蒸着材料セ
ル211を、230℃まで加熱し、材料加熱を行った
後、シャッター212を開け、PTFEの膜厚が10n
mとなるまで蒸着を行った。
【0159】[比較例1]撥水層形成時のHMDSOガ
スおよび酸素ガスの流量を下記の表1のように変更した
以外は、実施例2と同様にしてガスバリアフィルムを形
成した。
【0160】[比較例2]撥水層を形成しなかったこと
以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを形
成した。
【0161】(評価方法) 1.成分割合の測定 酸化珪素膜の成分は、ESCA(英国、VG Scie
ntific社製、ESCA LAB220i−XL)
によって測定した。X線源としては、Ag−3d−5/
2ピーク強度、300K〜1McpsとなるモノクロA
lX線源、および直径約1mmφのスリットを使用し
た。測定は、測定に供した試料面に対して法線上に検出
器をセットした状態で行い、適正な帯電補正を行った。
測定後の解析は、上述のESCA装置に付属されたソフ
トウエアEclipseバージョン2.1(英国、VG Sc
ientific社製)を使用し、Si:2p、C:1
s、O:1sのバインディングエネルギー(Bindi
ng Energy)に相当するピークを用いて行っ
た。このとき、各ピークに対し、シャーリーのバックグ
ラウンド除去を行い、ピーク面積に各元素の感度係数補
正(C=1に対して、Si=0.817、O=2.93
0)を行い、原子数比を求めた。得られた原子数比につ
いて、Si原子数を100とし、他の成分であるOとC
の原子数を算出して成分割合として評価した。
【0162】2.IR測定 IR測定は、ATR(多重反射)測定装置(日本分光
製、ATR−300/H)を備えたフーリエ変換型赤外
分光光度計(日本分光製、Herschel FT/I
R−610)によって測定した。赤外吸収スペクトル
は、プリズムとしてゲルマニウム結晶を用い、入射角4
5度で測定した。
【0163】3.屈折率の測定 酸化珪素膜の屈折率は、光学分光器(島津製作所製、U
V−3100PC)によって測定した。得られた透過率
と反射率との測定結果から、光学干渉法を用いて633
nmにおける屈折率で評価した。
【0164】4.ガス透過試験 酸素ガス透過率は、酸素ガス透過率測定装置(MOCO
N社製、OX−TRAN 2/20)を用い、23℃、
ドライ(0%Rh)の条件で測定した。水蒸気透過率
は、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、PERM
ATRAN−W3/31)を用い、37.8℃、100
%Rhの条件で測定した。
【0165】5.水との接触角の測定 協和界面化学社の接触角測定装置(型番CA−Z)を用
いて求めて測定した。すなわち、被測定対象物の表面上
に、純水を一滴(一定量)滴下させ、一定時間(10
秒)経過後、顕微鏡やCCDカメラを用い水滴形状を観
察し、物理的に接触角を求めた。
【0166】(評価結果)結果を表1にまとめる。な
お、いずれの例においてもガスバリア層の膜質は以下の
通りである。 ・Si:O:C 100:190:20 ・IR測定におけるSi−O−Siピーク位置 1060cm−1 ・屈折率 1.48
【0167】
【表1】 B.湿熱劣化後のガスバリア性に関する実施例 [実施例9] (基材側撥水層の形成)図12に示すように、基材20
としてシート状(30cm×21cm)の2軸延伸ポリ
エステルフィルム(東洋紡績社製、E5101、厚さ1
00μm)を準備し、プラズマCVD装置101のチャ
ンバー102内の下部電極114にコロナ未処理面を上
側(成膜面側)として装着した。
【0168】次にCVD装置101のチャンバー内10
2を、油回転ポンプおよびターボ分子ポンプにより到達
真空度3.0×10−5Torr(4.0×10−3Pa)ま
で減圧した。
【0169】HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン、
東レダウコーニングシリコーン(株)SH200−0.
65CSt)ガス、ヘリウムガス(太陽東洋酸素
(株)、純度99.999%以上)を準備した。
【0170】次に、下部電極114に90kHzの周波数
を有する電力(投入電力150W)を印加した。そして、チ
ャンバー102内の電極近傍に設けられたガス導入口1
09から、HMDSOを10sccm、ヘリウムガスを30
sccm導入し、真空ポンプ108とチャンバー102
との間にあるバルブ113の開閉度を制御することによ
り、成膜チャンバー内圧力を0.25Torr(33.25
Pa)に保ち、基材上に撥水層の成膜を行った。ここで
sccmとはstandard cubic centimeter perminuteの
略である。膜厚が5nmとなるまで成膜を行い、撥水層
1を形成した。
【0171】なおこの膜(基材側撥水膜)について、以
下の通りに水の接触角測定を行った。協和界面化学社の
接触角測定装置(型番CA-Z)を用いて測定した。被測定
対象物の表面上に、純水を一滴(一定量)滴下させ、一
定時間(10秒間)経過後顕微鏡またはCCDカメラを用い
て水滴形状を観察し、物理的に接触角を求めた。実施例
9(基材側撥水膜)の水の接触角は90°であった。
【0172】(ガスバリア層の形成)撥水層を形成した
基材をプラズマCVD装置101(図12)のチャンバ
ー内の下部電極に装着した。
【0173】次に、CVD装置101のチャンバー内1
02内を、油回転ポンプおよびターボ分子ポンプにより
到達真空度3.0×10−5Torr(4.0×10−3P
a)まで減圧した。
【0174】材料としてテトラメトキシシラン(TMO
S)ガス(信越化学工業(株)製、KBM−04)と酸
素ガス(太陽東洋酸素(株)、純度99.9999%以
上)、ヘリウムガス(太陽東洋酸素(株)、純度99.
999%以上)を準備した。
【0175】次に下部電極114に90kHzの周波数を
有する電力(投入電力150W)を印加した。そしてチャン
バー102内の電極近傍に設けられたガス導入口109
から、テトラメトキシシラン10sccm、酸素10s
ccm、ヘリウム30sccmを導入し、真空ポンプ1
08とチャンバー102との間にあるバルブ113の開
閉度を制御することにより、成膜チャンバー内圧力を
0.25Torr(33.25Pa)に保ち、基材上に製膜
された撥水層上にガスバリア層の成膜を行った。ここで
sccmとはstandard cubic centimeter per minuteの
略である。膜厚が50nmとなるまで成膜を行い、撥水
層上のガスバリア層を形成した。
【0176】(表面側撥水層の形成)上記ガスバリア層
上に、上記「基材側撥水層の形成」と同様にして、表面
側撥水層を形成し、ガスバリアフィルムとした。なおこ
の膜(表面側撥水膜)についても同様に接触角測定を行
った。すなわち、協和界面化学社の接触角測定装置(型
番CA-Z)を用い、被測定対象物の表面上に、純水を一滴
(一定量)滴下させ、一定時間(10秒間)経過後顕微鏡
またはCCDカメラを用いて水滴形状を観察し、物理的に
接触角を求めた。実施例9(表面側撥水膜)の水の接触
角は90°であった。
【0177】[実施例10]基材側撥水層および表面側
撥水層を下記の方法により形成したPTFE撥水層とし
た以外は、実施例9と同様にしてガスバリアフィルムを
製造した。
【0178】(PTFE撥水層の形成)図13に示すよ
うな蒸着装置を用いて撥水層を通常の蒸着法により形成
した。すなわち、まずガスバリア層を形成した基材を蒸
着装置201の基板ホルダー210に装着した。次い
で、材料としてPTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)を蒸着材料セル211に充填した。そして、蒸着装
置201のチャンバー205内を油回転ポンプおよび油
拡散ポンプを用いて到達真空度1.0×10−6Torr
(1.33×10−4Pa)以下まで減圧した。次い
で、蒸着材料セル211を、230℃まで加熱し、材料
加熱を行った後、シャッター212を開け、PTFEの
膜厚が10nmとなるまで蒸着を行った。
【0179】なお、この膜についても、実施例9と同様
に水の接触角測定を行った。
【0180】[実施例11]基材側撥水層を形成しなか
った点を除いては、実施例9と同様にしてガスバリアフ
ィルムを形成し、上記と同様に水の接触角測定を行っ
た。
【0181】[実施例12]基材側撥水層を形成しなか
った点を除いては、実施例10と同様にしてガスバリア
フィルムを形成し、上記と同様に水の接触角測定を行っ
た。
【0182】[比較例3]いずれの撥水層も形成しなか
った点を除いては、実施例7と同様にしてガスバリアフ
ィルムを形成し、上記と同様に水の接触角測定を行っ
た。
【0183】[評価] (環境負荷試験)作製したサンプルを、65℃、相対湿度
90%Rhの環境試験機(湿熱オーブン)に保管し、経過
時間を変えて測定した。
【0184】(ガス透過試験)酸素ガス透過率は、酸素
ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN
2/20)を用い、23℃、90%Rhの条件で測定
した。水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(MOC
ON社製、PERMATRAN−W 3/31)を用
い、37.8℃、100%Rhの条件で測定した。
【0185】(評価結果)結果を表2および表3にまと
める。なお、いずれの例においてもガスバリア層の膜質
は「A.ガスバリア性に関する実施例」のものと同様で
ある。
【0186】
【表2】
【表3】 基材側撥液層が設けられた実施例9および実施例10で
形成した試料ではいずれもほぼ初期のガスバリア性が維
持されており、かつ酸素透過率で0.5cc、水蒸気透
過率で0.5gを維持している。一方、基材側撥液層が
形成されていない実施例11および実施例12で形成し
た試料ではいずれの場合も維持できていなかった。さら
に、撥水層が全く形成されていない比較例3ではさらに
悪い結果であった。
【0187】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガスバリア層表面に撥水性を有する撥水層が形成されて
いるので、ガスバリア層の表面の水等に対する吸着性を
低下させることができ、これにより全体としてのガスバ
リア性を向上させることができる。したがって、極めて
高いガスバリア性が要求される用途、例えば、食品や医
薬品等の包装材料や電子デバイス等のパッケージ材料に
好ましく用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリアフィルムの構成の一例を示
す概略断面図である。
【図2】本発明のガスバリアフィルムの他の例を示す概
略断面図である。
【図3】本発明のガスバリアフィルムの他の例を示す概
略断面図である。
【図4】本発明のガスバリアフィルムの他の例を示す概
略断面図である。
【図5】本発明のガスバリアフィルムを用いた積層材
(第1実施態様)の一例を示す概略断面図である。
【図6】本発明のガスバリアフィルムを用いた積層材
(第1実施態様)の他の例を示す概略断面図である。
【図7】本発明のガスバリアフィルムを用いた積層材
(第1実施態様)の他の例を示す概略断面図である。
【図8】本発明のガスバリアフィルムを用いた包装用容
器の一例を示す概略平面図である。
【図9】本発明のガスバリアフィルムを用いた包装用容
器の他の例を示す概略斜視図である。
【図10】図6に示される包装用容器の製造に使用する
ブランク板の平面図である。
【図11】本発明のガスバリアフィルムを用いた積層材
(第2実施態様)の一例を示す概略断面図である。
【図12】プラズマCVD装置の一例を示す構成図であ
る。
【図13】蒸着装置の一例を示す構成図である。
【図14】接触角を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…ガスバリアフィルム 2…基材 3…ガスバリア層 4…撥水層 11,21,31…積層材 13,23,33…ヒートシール性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E067 AB01 AB41 AB81 BA12A BB03A BB14A BB26A CA05 CA06 CA21 CA30 EA06 EE01 3E086 AB02 AC05 AC07 AD01 AD02 AD03 AD08 BA04 BA14 BA15 BA40 BB02 BB05 BB22 BB51 BB90 CA01 CA11 CA28 CA29 DA01 4F100 AA17B AA20B AK01E AK04 AK17C AK17D AK41 AK52C AK52D AT00A BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10E DA01 EH66B EH66C EH66D GB15 GB16 GB41 JB06C JB06D JD02B JD03B JK14C JL12E JN01B YY00B YY00C YY00D

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、前記基材の片面または両面に形
    成された蒸着膜からなるガスバリア層と、前記ガスバリ
    ア層上に形成され、撥水性を有する膜からなる撥水層と
    を有することを特徴とするガスバリアフィルム。
  2. 【請求項2】 前記基材と前記ガスバリア層との間に、
    さらに撥水性を有する膜からなる撥水層が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィル
    ム。
  3. 【請求項3】 前記撥水層表面における水との接触角が
    60°以上(測定温度23℃)であることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のガスバリアフィルム。
  4. 【請求項4】 前記撥水層が蒸着法により形成された層
    であることを特徴とする請求項1から請求項3までのい
    ずれかの請求項に記載のガスバリアフィルム。
  5. 【請求項5】 前記撥水層が、金属骨格からなりメチル
    基を有する有機膜、炭素および水素(CおよびH)のみ
    から構成される有機膜、またはフッ素(F)を含む膜で
    あることを特徴とする請求項4に記載のガスバリアフィ
    ルム。
  6. 【請求項6】 前記金属骨格からなりメチル基を有する
    有機膜が、Si(CHもしくは(SiO)
    (CHで示される有機シリコン系材料またはそ
    の重合膜であることを特徴とする請求項5に記載のガス
    バリアフィルム。
  7. 【請求項7】 前記フッ素(F)を含む膜が、Si
    で示される有機フッ化シリコン材料またはその重
    合膜、Siで示されるフッ化シリコン系材料また
    はその重合膜、もしくはCで示されるフッ素含有
    炭化水素系材料またはその重合膜であることを特徴とす
    る請求項5記載のガスバリアフィルム。
  8. 【請求項8】 前記撥水層の膜厚が、1nm〜1000
    nmの範囲内であることを特徴とする請求項4から請求
    項7までのいずれかの請求項に記載のガスバリアフィル
    ム。
  9. 【請求項9】 前記撥水層が、撥水性を有する熱可塑性
    樹脂を溶融して塗布した層であることを特徴とする請求
    項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のガス
    バリアフィルム。
  10. 【請求項10】 前記撥水層が、撥水性を有する撥水層
    形成材料を溶媒に溶解もしくは懸濁させた撥水層形成用
    塗工液を塗布した層であることを特徴とする請求項1か
    ら請求項3までのいずれかの請求項に記載のガスバリア
    フィルム。
  11. 【請求項11】 前記ガスバリア層が、無機酸化物から
    なる透明な層であることを特徴とする請求項1から請求
    項10までのいずれかの請求項に記載のガスバリアフィ
    ルム。
  12. 【請求項12】 前記ガスバリア層が、CVD法により
    形成された酸化珪素膜であることを特徴とする請求項1
    1に記載のガスバリアフィルム。
  13. 【請求項13】 前記酸化珪素膜が、Si原子数100
    に対してO原子数170〜200およびC原子数30以
    下の成分割合からなっており、さらに1055〜106
    5cm−1の間にSi−O−Si伸縮振動に基づくIR
    吸収があることを特徴とする請求項12に記載のガスバ
    リアフィルム。
  14. 【請求項14】 前記酸化珪素膜は、屈折率が1.45
    〜1.48であることを特徴とする請求項13に記載の
    ガスバリアフィルム。
  15. 【請求項15】 前記酸化珪素膜は、厚さが5〜300
    nmであることを特徴とする請求項12から請求項14
    までのいずれかの請求項に記載のガスバリアフィルム。
  16. 【請求項16】 前記ガスバリア層および撥水層が、複
    数層積層されていることを特徴とする請求項1から請求
    項15までのいずれかの請求項に記載のガスバリアフィ
    ルム。
  17. 【請求項17】 前記撥水層およびガスバリア層がこの
    順序で、5層積層されていることを特徴とする請求項1
    6に記載のガスバリアフィルム。
  18. 【請求項18】 酸素透過率が0.5cc/m/da
    y以下で、水蒸気透過率が0.5g/m/day以下
    であることを特徴とする請求項1から請求項17までの
    いずれかの請求項に記載のガスバリアフィルム。
  19. 【請求項19】 前記請求項1から請求項18までのい
    ずれかの請求項に記載のガスバリアフィルムにおける少
    なくとも一方側の表面にヒートシール性樹脂層を設けた
    ことを特徴とする積層材。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の積層材を用い、前
    記ヒートシール性樹脂層を熱融着して製袋または製函し
    たことを特徴とする包装容器。
  21. 【請求項21】 前記請求項1から請求項18までのい
    ずれかの請求項に記載のガスバリアフィルムにおける少
    なくとも一方側の表面に導電性層が形成されていること
    を特徴とする積層材。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載した積層材を基材と
    して用い、前記導電性層上に画像表示層が形成されてな
    ることを特徴とする画像表示媒体。
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