JP3425248B2 - 多重真空処理方法、機能性フィルムの製造方法及び機能性フィルム - Google Patents
多重真空処理方法、機能性フィルムの製造方法及び機能性フィルムInfo
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Description
タリング処理、イオンプレーティンク、プラズマ処理及
びプラズマCVD等から選ばれた複数種類の真空処理を
一つのチャンバー内で、フィルム等のウェッブに対して
真空を破ることなく継続して処理できる多重真空処理方
法に関する。
ラズマ処理、イオンプレーティング及びプラズマCVD
等の真空処理は、物質表面の被覆或いは改質等に有効な
方法として多用されている。プラスチックフィルムに対
してこれらの真空処理をすることによって、そのフィル
ム上に形成される被膜との密着性を増加させたり、薄膜
を形成させたりして新たな機能の付加されたフィルムが
得られている。
レビ等の各種ディスプレイや各種光学レンズ、光学物
品、自動車、電車等の窓ガラスの表面における光の反射
防止をするために、これらの物品の表面に、反射防止フ
ィルムを貼着することが行われている。
成された膜厚0.1μm程度のMgF2 の薄膜の場合を
説明する。入射光が薄膜に垂直に入射する場合に、特定
の波長をλ0 とし、この波長に対する反射防止膜の屈折
率をn0 、反射防止膜の厚みをh、および基板の屈折率
をng とすると、反射防止膜が光の反射を100%防止
し、光を100%透過するための条件は、次の式(1)
および式(2)の関係を満たすことが必要であることは
既に知られている(サイエンスライブラリ 物理学=9
「光学」70〜72頁、昭和55年,株式会社サイエン
ス社発行)。
gF2 膜の屈折率n0 =1.38、入射光の波長λ0 =
5500Å(基準)と既に知られているので、これらの
値を前記式(2)に代入すると、反射防止膜の厚みhは
約0.1μm前後の光学薄膜が最適であると計算され
る。したがって、従来このような厚みの光学薄膜が反射
防止膜に使用されていた。
100%防止するためには、上層塗膜の屈折率がその下
層塗膜の屈折率の約平方根の値になるような材料を選択
すればよいことが分かり、従来、このような原理を利用
して、上層膜の屈折率をその下層膜の屈折率よりも低い
値とすること、即ち、基板上に高屈折率層、低屈折率層
の順に薄膜を設けることにより光の反射防止を行うこと
が行われていた。
2号にて既に低屈折率層/高屈折率層/基材フィルムか
らなる積層構造を基本構成とする反射防止フィルムにお
いて、高屈折率層の膜厚Dは次式(3)で示される厚み
を持つ光学薄膜であることが、反射防止に優れているこ
とを提案している。
0≦λ≦780nm)、Nは0又は1の整数〕
ィルムは、低屈折率層及び高屈折率層共に、塗装により
形成することが困難な、極端に膜厚が薄い光学薄膜であ
ることが、反射防止に優れている。このような光学薄膜
の形成には、真空蒸着処理、スパッタリング処理、イオ
ンプレーティング、プラズマCVD等の真空処理が適し
ていることが知られている。
来の真空処理による薄膜の形成方法において、プラスチ
ックフィルム上に種類の異なる真空処理手段、例えば、
真空蒸着処理とスパッタリング処理を行うとすれば、真
空処理装置において、供給ロールから連続的に走行し
て、真空処理手段の作用部へ供給されて真空処理され、
次いで巻取りロールに巻き取られるので、それらの処理
における真空条件、プラズマCVDでは通常10-2〜1
0-1mmHg程度、スパッタリングでは10-3〜10-2
mmHg程度であるため、一つの真空チャンバーにおい
て、複数の真空処理を連続して行うことはできなかっ
た。
には、例えば、一つの真空処理を行った後に一端、真空
条件を破り、即ち、真空チャンバー内に空気を導入して
大気圧に戻し、処理されたプラスチックフィルムを別の
新たな真空処理ができるようにセットし直し、次いで真
空チャンバーを排気して別の真空条件を設定してから前
回とは異なる真空処理が行われていた。このように、真
空条件の異なる複数の真空処理を行うのに、途中で真空
条件が破られ空気が導入されるので、工程間の段取りの
時間が非常に長くなるという問題があった。また、この
ように真空条件が破られることにより、処理された表面
が空気に晒されて、表面の活性種が失活したり、或いは
表面が酸化されたりして、積層される界面が影響を受
け、品質の一定した積層物を得るためには問題があっ
た。
ー内において、ある真空処理が行われた後に、大気圧に
戻すことなく継続的に別の真空処理を行うことができる
多重真空処理方法、その処理方法による機能性フィルム
の製造方法を提供し、さらに得られた機能性フィルムを
提供することを目的とする。
るために、本発明の多重真空処理方法は、真空チャンバ
ー内において、走行しているウェッブに対して真空処理
を施して巻取り、大気圧に戻すことなく真空条件を変
え、次いで、次に行われる真空処理に適した走行速度に
調整してウェッブを逆に走行させ、走行中のウェッブに
対して先に施した真空処理とは異なる種類の真空処理を
施すことを特徴とする。
れる多重真空処理装置は、真空チャンバー内にウェッブ
の正走行機能と逆走行機能が付与された一対のロールか
らなる巻出巻取機構、及び該巻出巻取機構の一対のロー
ル間を走行するウェッブに対して複数種類の真空処理を
継続して施すことができる真空処理機構を含むことを特
徴とする。
条件下においてウェッブに対して表面処理、被膜形成処
理を行う操作をいい、例えば、真空蒸着、スパッタリン
グ、プラズマ処理、イオンプレーティング、プラズマC
VD等が挙げられる。
られる多重真空処理装置の1構成例を模式的に示したも
のである。図1において、1は、その内部を所望の真空
度に設定することができる真空チャンバーである。該真
空チャンバー1内に、ウェッブ2の巻出し及び巻取りを
行うことができ、ウェッブ2の正走行及び逆走行機能が
付与された一対のロール3、4を含む巻出巻取機構が配
置されている。ロール3及びロール4の間を走行するウ
ェッブ2の面に対して真空処理を行うために相異なる複
数種類の真空処理機構5、6、7が各々互いに間隔を保
つか、或いは互いに連結された状態で配置されている。
このように配置されているため、ウエッブ2の走行中に
使用したい真空処理機構のみを選択的に作動させること
が可能となる。
3が巻出し操作を行っているときに、他方のロール4は
共動して巻取り操作をする。複数の真空処理の真空条件
が異 なる場合、或いは複数の真空処理時のウエッブ2の
走行スピードが異なる場合に、複数の真空処理は次のよ
うに行われる。すなわち、最初に巻出しロール3及び巻
取りロール4間を走行中のウェッブ2に対して、真空処
理を施し、次いで真空チャンバー1内の真空条件を大気
圧に戻すことなく次の真空処理に適するような真空条件
に変え、及び/又はウエッブ2の走行スピードを変え
て、ウェッブ2を逆に走行させ、逆走中のウェッブ2に
対して先に施した真空処理とは異なる種類の真空処理を
最初の真空処理機構とは別の種類の真空処理機構にて施
す。
理されたウェッブは、種々の機能が付与される。例え
ば、プラスチックフィルムに対してプラズマ処理等を行
うことにより、表面が活性化され、その上に形成される
被膜との密着性が向上される。さらに、真空蒸着、スパ
ッタリング、イオンプレーティング、プラズマCVD等
の薄膜形成手段を用い、被膜材料として光学機能性材
料、例えば、高屈折率材料、低屈折率材料等を選択して
用いて、基材ウェッブ上に高屈折率層の被膜、低屈折率
層の被膜の順に積層すれば反射防止被膜となる。また、
被膜材料として紫外線遮断性、導電性、帯電防止性、ガ
スバリヤー性のものを選択することにより、それらの性
質が付与された機能性フィルムを形成することができ
る。
は、例えば、Sb2 O5 、ZnO、TiO2 等の超微粒
子が挙げられる。導電性又は帯電防止性を付与する被膜
材料としては、SnO2 やITO等の超微粒子が挙げら
れる。ガスバリヤー性を付与する被膜材料としては、S
iO2 が挙げられる。特に、プラズマCVD法により形
成したSiOx 膜は、通常の真空蒸着膜と比べて密度が
高く、ガスバリヤー性が高い。
率材料には、例えば、ZnO(屈折率1.90)、Ti
O2 (屈折率2.3〜2.7)、CeO2 (屈折率1.
95)、Sb2 O5 (屈折率1.71)、SnO2 、I
TO(屈折率1.95)、Y2 O3 (屈折率1.8
7)、La2 O3 (屈折率1.95)、ZrO2 (屈折
率2.05)、Al2 O3 (屈折率1.63)、HfO
2 (屈折率2.00)、Ta2 O3 等が挙げられる。反
射防止フィルムを構成するための低屈折率材料には、例
えば、LiF(屈折率1.4)、MgF2 (屈折率1.
4)、3NaF・AlF3 (屈折率1.4)、AlF3
(屈折率1.4)、Na3 AlF6 (氷晶石、屈折率
1.33)、SiOX (x:1.50≦x≦2.00)
(屈折率1.35〜1.48)等が挙げられる。
は、ロールからの巻出し、ロールへの巻取りが行え、真
空処理に耐える材料であれば何でも使用できるが、特
に、プラスチックフィルムは、前記作業に適しており、
反射防止フィルム、ガス透過防止フィルム、導電性フィ
ルム、帯電防止フィルム等の用途が多岐にわたっている
ので、種々の機能を付与するには好適なウェッブ材料で
ある。
ェッブ材料には、トリアセチルセルロースフィルム、ジ
アセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセ
ルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポ
リアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィル
ム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ト
リメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィル
ム、(メタ)アクリロニトリルフィルム等が使用できる
が、特に、トリアセチルセルロースフィルム、及び一軸
延伸ポリエステルフィルムが透明性に優れ、光学的に異
方性が無い点で好適に用いられる。その厚みは、通常は
8μm〜1000μm程度のものが好適に用いられる。
例に基づいて以下に説明する。図19は下記の実施例及
び参考例の各真空処理に共通な真空処理パスを示す概念
図である。図19において、一端の巻き出し巻き取りゾ
ーン101から他端の巻き出し巻き取りゾーン105へ
走行されるウエッブ102はスパッタゾーン103に導
入され、次いでプラズマゾーン104に導入される。こ
のプラズマゾーン104は一つのゾーンとして同一の真
空条件を保つことができ、複数のプラズマ処理、例え
ば、前処理又は後処理としてのいわゆるプラズマ処理、
或いはプラズマCVD等ができるように一個以上の小部
屋に別れている。
04においてはその真空条件及びウエッブの走行速度が
異なる。例えば、スパッタリングでは真空条件は10-3
〜10-2mmHg及び走行速度は0.8〜3.0m/分
であるのに対して、プラズマ処理或いはプラズマCVD
では真空条件は10-2〜10-1mmHg及び走行速度は
スパッタリングより10〜30倍は速い。したがって、
スパッタゾーン103とプラズマゾーン104において
はその真空条件及び走行速度が異なるので、ウェッブ1
02の一方向への走行中においては、これらのゾーンに
おいて同時に異なった処理を行うことができない。この
ような真空条件及び走行速度が異なる複数の真空処理を
行う場合には、巻き出し巻き取りゾーン101から走行
されるウエッブ102をスパッタリングゾーン103或
いはプラズマゾーン104の何れか一方を運転状態(オ
ン)にし、他方を停止状態(オフ)にし、一方の真空処
理が行われた後に巻き取りを完了し、次いで、真空条件
及び走行条件を変更して先のオン・オフ状態を変えて、
ウエッブ102を逆走行させて他方の真空処理を行う。
薄膜1層の場合) 図2は本参考例1の反射防止フィルムの層構成を示す。
図2において11は透明プラスチック基材フィルムであ
り、その材質は、トリアセチルセルロースフィルム(略
語:TACフィルム)又はポリエチレンテレフタレート
フィルム(略語:PETフィルム)である。その透明プ
ラスチック基材フィルム11上に、接着剤層12が形成
されている。さらにその接着剤層12上に透明プラスチ
ック基材フィルム11の屈折率よりも高い屈折率を持つ
ハードコート層13が、高屈折率樹脂組成物を用いて塗
布により形成されている。このハードコート層13に防
眩性を付与する目的でその表面には微細な凹凸が形成さ
れていてもよく、或いはこのハードコート層13中に防
眩性を発揮することができるビーズ等の粒子が混入され
ていてもよい。
コート層13の屈折率よりも低い屈折率を持つプラズマ
CVDによるSiOx CVD膜14が形成されている。
上記の反射防止フィルムにおいて透明プラスチック基材
フィルム11の材質がTACである場合、カラー液晶デ
ィスプレー用の反射防止フィルムに適しており、また透
明プラスチック基材フィルム11の材質がPETの場
合、CRT用の反射防止フィルムに適している。
ようにして行われる。透明プラスチック基材フィルム1
1に対して、ウエット法により接着剤組成物を塗布して
接着剤層12を形成する。次いで、透明プラスチック基
材フィルム11の屈折率よりも高い屈折率を持ち防眩性
のハードコート層用樹脂組成物を塗布し、硬化させてハ
ードコート層13を形成して積層フィルム(即ち、ハー
ドコート層13/接着剤層12/透明プラスチック基材
フィルム11からなる層構成の積層フィルム)を得る。
ようにして行われる。透明プラスチック基材フィルム1
1に対して、ウエット法により接着剤組成物を塗布して
接着剤層12を形成する。次いで、透明プラスチック基
材フィルム11の屈折率よりも高い屈折率を持ち防眩性
のハードコート層用樹脂組成物を塗布し、硬化させてハ
ードコート層13を形成して積層フィルム(即ち、ハー
ドコート層13/接着剤層12/透明プラスチック基材
フィルム11からなる層構成の積層フィルム)を得る。
図1の多重真空処理装置の真空チャンバー1内のロール
3にセットした後、真空チャンバー1内の真空度をプラ
ズマ処理に適した値に調整し、もう一方のロール4に巻
き取らせる。この積層フィルムの走行中に、最初にプラ
ズマ処理を行い積層フィルムの表面を活性化させ密着性
を増大させる。次いでこの活性化された積層フィルムの
表面上にプラズマCVDによりSiOx を成膜してSi
Ox CVD膜14を形成する。
ようにして行われる。前記の透明プラスチック基材フィ
ルム11上に接着剤層12及びハードコート層13が形
成されてなる積層フィルムを図1の多重真空処理装置の
真空チャンバー1内のロール3にセットした後、真空チ
ャンバー1内の真空度をプラズマ処理に適するように調
整し、プラズマ処理に適した走行速度でもう一方のロー
ル4に巻き取らせる。この積層フィルムの正走行中にプ
ラズマ処理を行う。次いで、ロール4を逆回転させてプ
ラズマ処理済の積層フィルムを逆方向へ走行させて、こ
の走行中に積層フィルムの表面上にプラズマCVDによ
りSiOx CVD膜14を形成し、ロール3に巻き取
る。
プラズマCVDによりCF4 、SiF4 等のガスを用い
て処理し、表面にフッ素を導入することにより、撥水
性、防汚性を付与してもよい。
ンダー樹脂には、透明性のあるものであればどのような
樹脂(例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、電離放射
線硬化型樹脂等)でも使用することができる。ハード性
能を付与するためには、ハードコート層の厚みは0.5
μm以上、好ましくは、3μm以上とすることにより、
硬度を維持することができ、反射防止フィルムにハード
性能を付与することができる。ハードコート層の硬度を
より向上させるために、ハードコート層に使用するバイ
ンダー樹脂には、反応硬化型樹脂、即ち、熱硬化型樹脂
及び/又は電離放射線硬化型樹脂を使用することが好ま
しい。前記熱硬化型樹脂には、フェノール樹脂、尿素樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミ
ン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素
共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が使用さ
れ、これらの樹脂に必要に応じて、架橋剤、重合開始剤
等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えて
使用する。
は、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比
較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッ
ド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、
ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能
化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプ
レポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)ア
クリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ス
チレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単
官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ
オール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用でき
る。
薄膜1層の場合) 図3に本実施例1の反射防止フィルムの層構成を示す。
図3において透明プラスチック基材フィルム11上に、
接着剤層12が形成されている。さらにその接着剤層1
2上に透明プラスチック基材フィルム11の屈折率より
も高い屈折率を持つハードコート層13が、高屈折率樹
脂組成物を用いて塗布により形成されている。このハー
ドコート層13に防眩性を付与する目的でその表面には
微細な凹凸が形成されていてもよく、或いはこのハード
コート層3中に防眩性を発揮することができるビーズ等
の微粒子が混入されていてもよい。
コート層13の屈折率よりも低い屈折率を持つSiO2
スパッタ膜15が形成されている。上記反射防止フィル
ムにおいて透明プラスチック基材フィルム11の材質が
TACである場合、カラー液晶ディスプレー用の反射防
止フィルムに適しており、また透明プラスチック基材フ
ィルム11の材質がPETの場合、CRT用の反射防止
フィルムに適している。
記参考例1で説明したように接着剤層12及びハードコ
ート層13の形成された積層フィルム(即ち、ハードコ
ート層13/接着剤層12/透明プラスチック基材フィ
ルム11からなる積層フィルム)を図1の多重真空処理
装置の真空チャンバー1内のロール3にセットした後、
真空チャンバー1内の真空度をプラズマ処理に適した値
に調整し、プラズマ処理に適した走行速度でもう一方の
ロール4に巻き取らせる。この積層フィルムの走行中に
プラズマ処理を行って、積層フィルム表面を活性化させ
密着性を向上させる。
パッタリングに適した値となるように調整し、ロール4
及びロール3を前回とは逆に回転させて、スパッタリン
グに適した走行速度でプラズマ処理済の積層フィルムを
逆方向へ走行させ、この走行中に積層フィルムの表面上
にSiO2 のスパッタリングによりSiO2 スパッタ膜
15を形成し、ロール3に巻き取る。前記参考例1と同
様に、SiO2 スパッタ膜15の形成後に、さらにプラ
ズマCVDによりCF4 、SiF4 等のガスを用いて処
理し、表面にフッ素を導入することにより、撥水性、防
汚性を付与してもよい。
薄膜1層の場合) 図4に本参考例2の反射防止フィルムの層構成を示す。
図4において透明プラスチック基材フィルム11上に、
接着剤層12が形成されている。さらにその接着剤層1
2上に透明プラスチック基材フィルム11の屈折率と同
等或いはそれよりも高い屈折率を持つハードコート層1
3が高屈折率樹脂組成物を用いて塗布により形成されて
いる。このハードコート層13に防眩性を付与する目的
でその表面には微細な凹凸が形成されていてもよく、或
いはこのハードコート層13中に防眩性を発揮すること
ができるビーズ等の微粒子が混入されていてもよい。該
ハードコート層13上にそのハードコート層13の屈折
率よりも高い屈折率を持つ高屈折率樹脂層16が高屈折
率超微粒子を分散したバインダー樹脂を塗布して形成さ
れている。さらに、該高屈折率樹脂層16の屈折率より
も低い屈折率を持つプラズマCVDによるSiOx CV
D膜14が形成されている。
スチック基材フィルム11の材質がTACである場合、
カラー液晶ディスプレー用の反射防止フィルムに適して
おり、また透明プラスチック基材フィルム11の材質が
PETの場合、CRT用の反射防止フィルムに適してい
る。
ようにして行われる。透明プラスチック基材フィルム1
1に対して、接着剤組成物を塗布して接着剤層12を形
成する。次いで、透明プラスチック基材フィルム11の
屈折率と同等或いはそれよりも高い屈折率を持つハード
コート層用樹脂組成物を塗布し、硬化させてハードコー
ト層13を形成する。次いで、このハードコート層13
よりも高い屈折率を持つ高屈折率超微粒子とバインダー
樹脂からなる樹脂組成物を塗布し硬化させて高屈折率樹
脂層16を形成する。この積層フィルムを前記参考例1
と同様にして図1の多重真空処理装置により積層フィル
ムの表面を活性化させ密着性を増大させ、次いで同じ走
行中或いは逆走行中において、この活性化された積層フ
ィルムの表面上にプラズマCVDによりSiOx を成膜
してSiOx CVD膜14を形成する。
14の形成後に、さらにプラズマCVDによりCF4 、
SiF4 等のガスを用いて処理し、表面にフッ素を導入
することにより、撥水性、防汚性を付与してもよい。
薄膜2層の場合) 図5に本実施例2の反射防止フィルムの層構成を示す。
図5において、透明プラスチック基材フィルム11上
に、接着剤層12が形成され、さらにその接着剤層12
上に透明プラスチック基材フィルム11の屈折率と同等
或いはそれよりも高い屈折率を持つハードコート層13
が高屈折率樹脂組成物を用いて塗布により形成されてい
る。このハードコート層13に防眩性を付与する目的で
その表面には微細な凹凸が形成されていてもよく、或い
はこのハードコート層13中に防眩性を発揮することが
できるビーズ等の微粒子が混入されていてもよい。該ハ
ードコート層13上にTiO2 のスパッタリングにより
そのハードコート層13の屈折率よりも高い屈折率を持
つTiO2 スパッタ膜17が形成されている。さらに、
該TiO2 スパッタ膜17の屈折率よりも低い屈折率を
持つプラズマCVDによるSiOx CVD膜14が形成
されている。
2 が含まれるため、UVカット性が付与される。また、
透明プラスチック基材フィルム11の材質がTACであ
る場合、カラー液晶ディスプレー用の反射防止フィルム
に適しており、また透明プラスチック基材フィルム11
の材質がPETの場合、CRT用の反射防止フィルムに
適している。
記参考例1で説明したような接着剤層12及びハードコ
ート層13の形成された積層フィルム(即ち、ハードコ
ート層13/接着剤層12/透明プラスチック基材フィ
ルム11からなる積層フィルム)を図1の多重真空処理
装置の真空チャンバー1内のロール3にセットした後、
真空チャンバー1内の真空度をプラズマ処理に適した値
に調整し、プラズマ処理に適した走行速度でもう一方の
ロール4に巻き取らせる。この積層フィルムの走行中に
プラズマ処理を行って、積層フィルム表面を活性化させ
密着性を向上させる。次いで、真空条件をスパッタリン
グに適するように調整した後、ロール4、ロール3を逆
回転させて、スパッタリングに適した走行速度でプラズ
マ処理済の積層フィルムを逆方向へ走行させ、この走行
中に積層フィルムの表面上にTiO2 のスパッタリング
によりハードコート層13の屈折率よりも高い屈折率を
持つTiO2 スパッタ膜17を形成し、ロール3に巻き
取る。次いで、真空条件をプラズマ処理に適した真空度
に調整した後、ロール3、ロール4を逆回転してプラズ
マ処理に適した走行速度で積層フィルム再び逆走行させ
る過程において、該積層フィルムに対してプラズマCV
DによりSiOx を成膜してSiOx CVD膜14を形
成する。
VD膜14の形成後にさらにプラズマCVDによりCF
4 、SiF4 等のガスを用いて処理し、表面にフッ素を
導入することにより、撥水性、防汚性を付与してもよ
い。なお、本実施例2の反射防止フィルムにおいて、前
記TiO2 の代わりにハードコート層13の屈折率より
も高い屈折率を持つITOを用いた場合、本実施例3の
反射防止フィルムは帯電防止性が付与される。
ィルムを図1に示す多重真空処理装置内の真空チャンバ
ー1内のロール3にセットした後、真空チャンバー1内
の真空度をプラズマ処理に適するように調整し、プラズ
マ処理に適した走行速度でもう一方のロール4に巻き取
らせ、この離型フィルムの走行中に、最初にプラズマC
VDを行い離型フィルム上にSiOx CVD膜14を形
成させる。次いで、真空条件をスパッタリングに適する
ように調整した後、ロール4、ロール3を逆転させてス
パッタリングに適した走行速度で離型フィルムを逆走行
させ、この離型フィルムの走行中に前記SiOx CVD
膜14上にTiO2 をスパッタリングして、TiO2 ス
パッタ膜17を形成する。次いで、離型フィルム上に形
成された2層の真空処理による薄膜を、前記ハードコー
ト層13/接着剤層12/透明プラスチック基材フィル
ム11からなる積層フィルム上に転写して、図5に示す
層構成の反射防止フィルムを得ることができる。前記離
型フィルムには微細な凹凸が形成されたものを用いても
よく、この場合、転写される表面には微細な凹凸が形成
され、防眩性が付与される。
薄膜2層の場合) 図6に本実施例3の反射防止フィルムの層構成を示す。
図6に示す反射防止フィルムは、前記実施例2の反射防
止フィルムの層構成におけるハードコート層13とTi
O2 スパッタ膜17との間に、超微粒子をバインダー樹
脂で相互に結着した機能性超微粒子層18を設けたもの
であり、その他の層構成は前記実施例2と同じである。
子には、例えば、前記した、高屈折率材料或いは低屈折
率材料等の光学機能性材料、紫外線遮断性材料、導電性
材料、帯電防止性材料、ガスバリヤー性材料、防眩性材
料等の機能性被覆材料を超微粒子としたものが挙げられ
る。本実施例3における機能性超微粒子層18は、樹脂
バインダー中に分散されたものではなく、機能性超微粒
子自体が相互に結着されているために、樹脂中に分散さ
れたものよりも機能性超微粒子の機能を高めることがで
きる。機能性超微粒子層18における機能性超微粒子と
バインダー樹脂との比率は、体積比でバインダー樹脂1
に対して、機能性超微粒子が0.2〜20、好ましくは
1〜10であることが、機能性超微粒子相互を結着さ
せ、機能性超微粒子の機能を発現させるために好まし
い。
造方法は、接着剤層12及びハードコート層13、機能
性超微粒子層18の形成された積層フィルム(即ち、機
能性超微粒子層18/ハードコート層13/接着剤層1
2/透明プラスチック基材フィルム11からなる積層フ
ィルム)に対して前記実施例2と同じ真空処理を行うこ
とにより達成される。
薄膜3層の場合) 図7に本実施例4の反射防止フィルムの層構成を示す。
図7に示す反射防止フィルムは、前記実施例2の反射防
止フィルムの層構成におけるハードコート層13とTi
O2 スパッタ膜17との間に、帯電防止層としてのIT
Oスパッタ膜19を設けたものであり、その他の層構成
は前記実施例2と同じである。
記参考例1で説明した接着剤層12及びハードコート層
13の形成された積層フィルム(即ち、ハードコート層
13/接着剤層12/透明プラスチック基材フィルム1
1からなる積層フィルム)を図1の多重真空処理装置の
真空チャンバー1内のロール3にセットした後、真空チ
ャンバー1内の真空度をスパッタリングに適するように
調整し、もう一方のロール4に巻き取らせる。この積層
フィルムの走行中にその表面上にITOのスパッタリン
グによりITOスパッタ膜19を形成し、次いでロール
4とロール3を逆回転して積層フィルムを逆走行させ、
その積層フィルムの表面上にTiO2 のスパッタリング
によりTiO2 スパッタ膜17を形成する。次いで、真
空チャンバー1内の真空度をプラズマ処理に適した値に
調整し、プラズマ処理に適した走行速度で積層フィルム
を正走行させてその走行中にプラズマCVDによりSi
Ox CVD膜14を形成する。
ィルムを図1に示す多重真空処理装置内の真空チャンバ
ー1内のロール3にセットした後、真空チャンバー1内
の真空度をプラズマ処理に適した値に調整し、プラズマ
処理に適した走行速度でもう一方のロール4に巻き取ら
せ、この離型フィルムの走行中に、最初にプラズマCV
Dを行い離型フィルム上にSiOx CVD膜14を形成
させる。次いで、真空条件をスパッリリングに適するよ
うに調整した後、ロール4、ロール3を逆転させてスパ
ッタリングに適した走行速度で離型フィルムを逆走行さ
せ、この離型フィルムの走行中に離型フィルム上のSi
Ox CVD膜14上にTiO2 をスパッタリングして、
TiO2 スパッタ膜17を形成する。次いで、離型フィ
ルムを正走行させ走行中にITOのスパッタリングによ
りITOスパッタ膜19を形成する。次いで、離型フィ
ルム上に形成された3層の真空処理による薄膜を、前記
ハードコート層13/接着剤層12/透明プラスチック
基材フィルム11からなる積層フィルム上に転写して、
図7に示す層構成の反射防止フィルムを得ることができ
る。前記離型フィルムには微細な凹凸が形成されたもの
でもよく、この場合、転写される表面には微細な凹凸が
形成され、防眩性が付与される。
CVDによるCF4 、SiF4 等のガスを用いた後処理
は、前記参考例1に準じた方法により適宜施すことがで
きる。
薄膜多層の場合) 図8に本実施例5の反射防止フィルムの層構成を示す。
図8に示す反射防止フィルムは、前記実施例2の反射防
止フィルムの層構成における最上層のSiOxCVD膜
14(低屈折率層)上にさらに、TiO2 スパッタ膜1
7(高屈折率層)、SiOx CVD膜14(低屈折率
層)を形成したものであり、最終的に低屈折率層と高屈
折率層との組合せを、(最表面側)低屈折率層/高屈折
率層/低屈折率層/高屈折率層/…(基材側)となるよ
うに何層も繰り返してもよい。本実施例5の反射防止フ
ィルムにおいてTiO2 スパッタ膜17及びSiOx C
VD膜14以外の層構成は前記実施例2と同じである。
2 に変えて、前記したような高屈折率材料、例えば、I
TO、CeO2 、HfO2 、La2 O3 等の材料を使用
してもよい。TiO2 スパッタ膜17によりUVカット
性を付与することができ、またITOスパッタ膜19に
より帯電防止性を付与することができる。
記参考例1で説明したウエット法で形成した接着剤層1
2及びハードコート層13の形成された積層フィルム
(即ち、ハードコート層13/接着剤層12/透明プラ
スチック基材フィルム11からなる積層フィルム)を図
1の多重真空処理装置の真空チャンバー1内のロール3
にセットした後、真空チャンバー1内の真空度をプラズ
マ処理に適した値に調整し、プラズマ処理に適した走行
速度でもう一方のロール4に巻き取らせる。この積層フ
ィルムの走行中にプラズマ処理を行って、積層フィルム
表面を活性化させ密着性を向上させる。
るように調整した後、ロール4、ロール3を逆回転させ
て、スパッタリングに適する走行速度でプラズマ処理済
の積層フィルムを逆方向へ走行させ、この走行中に積層
フィルムの表面上にTiO2のスパッタリングによりハ
ードコート層13の屈折率よりも高い屈折率を持つTi
O2 スパッタ膜17を形成し、ロール3に巻き取る。
プラズマ処理に適するように調整した後、ロール3、ロ
ール4を逆回転してプラズマ処理に適する走行速度で積
層フィルム再び逆走行させる過程において、該積層フィ
ルムに対してプラズマCVDによりSiOx を成膜して
SiOx CVD膜14を形成する。さらに、同様な操作
を繰り返して、TiO2 スパッタ膜(高屈折率層)17
及びSiOx CVD膜(低屈折率層)14からなる組合
せが複数個となるように、(最表面側)低屈折率層/高
屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/…(基材側)なる
層構成を形成する。
ィルムを図1に示す多重真空処理装置内の真空チャンバ
ー1内のロール3にセットした後、真空チャンバー1内
の真空度をプラズマ処理に適した値に調整し、もう一方
のロール4にプラズマ処理に適した走行速度で巻き取ら
せ、この離型フィルムの走行中に、最初にプラズマCV
Dを行い離型フィルム上にSiOx CVD膜14を形成
させる。次いで、真空条件をスパッタリングに適するよ
うに調整した後、ロール4、ロール3を逆転させてスパ
ッタリングに適した走行速度で離型フィルムを逆走行さ
せ、この離型フィルムの走行中に離型フィルム上のSi
Ox CVD膜14上にTiO2 をスパッタリングして、
TiO2 スパッタ膜17を形成する。次いで、離型フィ
ルムを正走行させ、同様に上記のプラズマCVDと上記
のスパッタリングを繰り返して、(最上層側)…TiO
2 スパッタ膜17/SiOx CVD膜/TiO2 スパッ
タ膜17/離型フィルムなる積層体を形成し、この積層
体を前記ハードコート層13/接着剤層12/透明プラ
スチック基材フィルム11からな層構成の積層フィルム
のハードコート層13側に積層して、剥離フィルムを剥
離して、真空処理による薄膜を転写してもよい。
CVDによるCF4 、SiF4 等のガスを用いた後処理
は、前記参考例1に準じた方法により適宜施すことがで
きる。
す。図9に示すガスバリアーフィルムは、透明プラスチ
ック基材フィルム11上にプラズマCVDによりSiO
X CVD膜14が形成されたものである。
次のようにして行われる。透明プラスチック基材フィル
ム11を図1の多重真空処理装置の真空チャンバー1内
のロール3にセットした後、真空チャンバー1内の真空
度をプラズマ処理に適した値に調整し、プラズマ処理に
適した走行速度でもう一方のロール4に巻き取らせる。
この透明プラスチック基材フィルム11の走行中に、該
フィルムの表面にプラズマ処理による前処理を施して密
着性を付与する。次いでこのフィルムを逆走行させて、
プラズマCVDによりSiOX を成膜してSiOX CV
D膜14を形成する。さらに、このフィルムを正走行さ
せて、プラズマ処理による後処理を行う。
別法としては、前記のガスバリアーフィルムの製造方法
において、プラズマ処理による前処理、プラズマCV
D、プラズマ処理による後処理のゾーンを走行ラインに
並べ、それらのゾーンを区画することにより、透明プラ
スチック基材フィルム11を逆走行することなく、一回
の正走行のみで、全ての真空処理を行うことができる。
導電性フィルムの層構成を示す。図10に示す透明導電
性フィルムは、透明プラスチック基材フィルム11の一
方の面にITOのスパッタリングによりITOスパッタ
膜19が形成され、透明プラスチック基材フィルム11
の他方の面に接着剤層12を介してハードコート層13
が形成されたものである。このITOスパッタ膜19に
より帯電防止性が付与される。
次のようにして行われる。透明プラスチック基材フィル
ム11上に接着剤を塗布して接着剤層12を形成し、次
いでその接着剤層12上に前記参考例1で説明した防眩
性が付与されるハードコート層用樹脂組成物を塗布して
ハードコート層13を形成する。次に、この積層フィル
ムを図1の多重真空処理装置の真空チャンバー1内のロ
ール3にセットした後、真空チャンバー1内の真空度を
プラズマ処理に適した値に調整し、もう一方のロール4
にプラズマ処理に適した走行速度で巻き取る。この積層
フィルムの走行中に、該フィルムの透明プラスチック基
材フィルム11側(ハードコート層13側とは反対側)
にプラズマ処理による前処理をして密着性を付与する。
次いで、真空チャンバー1内をスパッタリングに適した
真空度に調整し、該積層フィルムをスパッタリングに適
した走行速度で逆走行させて、前記のプラズマ処理面に
ITOのスパッタリングによりITOスパッタ膜19を
形成する。
フィルムの層構成を示す。図11において、SiOX C
VD膜14/ハードコート層13/接着剤層12/透明
プラスチック基材フィルム11からなる積層フィルム
は、前記参考例1の反射防止フィルムと同一であり、図
11の積層フィルムは、前記参考例1の反射防止フィル
ムの基材の裏面にプライマー層20と導電性を有するI
TOスパッタ膜19が形成されて帯電防止層となってい
る。
電性フィルム製造方法は、前記参考例1と同一の工程
で、図1に示す多重真空処理装置を用いSiOX CVD
膜14/ハードコート層13/接着剤層12/透明プラ
スチック基材フィルム1からなる層構成の反射防止性を
有する積層フィルムを製造する。次いでこの積層フィル
ムの透明プラスチック基材フィルム11側に、プライマ
ーを塗布して接着性が付与されたプライマー層20を形
成する。次いで、この積層フィルムを再び図1に示す多
重真空処理装置内のロール3にセットしロール4に巻き
取る。この積層フィルムの走行過程において、前記プラ
イマー層20側にITOのスパッタリングを行い、IT
Oスパッタ膜19を形成する。
す。本実施例7の透明導電性フィルムは、前記参考例4
の透明導電性フィルムの層構成において、プライマー層
20を省略したものである。
電性フィルムの製造方法は、前記参考例1と同一の製造
方法で、図1に示す多重真空処理装置を用いSiOX C
VD膜14(低屈折率層)/ハードコート層13(高屈
折率層)/接着剤層12/透明プラスチック基材フィル
ム11からなる反射防止性を有する積層フィルムを得
る。ついで、この積層フィルムを図1の多重真空処理装
置の真空チャンバー1内のロール3にセットした後、真
空チャンバー1内の真空度をプラズマ処理に適した値に
調整し、もう一方のロール4にプラズマ処理に適した走
行速度で巻き取る。この積層フィルムの走行中に、該フ
ィルムの透明プラスチック基材フィルム11側(SiO
X CVD膜14側とは反対側)に対してプラズマ処理に
よる前処理をして密着性を付与する。次いでスパッタリ
ングに適した真空度に調整し、該積層フィルムをスパッ
タリングに適した走行速度で逆走行させて、前記のプラ
ズマ処理面にITOのスパッタリングによりITOスパ
ッタ膜19を形成する。
す。本実施例8のフィルム液晶基板は、透明プラスチッ
ク基材フィルム11上にガスバリアー層としてSiOX
CVD膜14を形成し、そのSiOX CVD膜14上に
保護のためにハードコート層13を形成し、一方、透明
プラスチック基材フィルム11の裏面にプライマー層2
0を介して導電性のITOスパッタ膜19を設けたもの
である。本発明におけるハードコート層13は、防眩性
を付与する目的でその表面には微細な凹凸が形成されて
いてもよく、或いはこのハードコート層13中に防眩性
を発揮することができるビーズ等の微粒子が混入されて
いてもよい。
は、透明プラスチック基材フィルム11上にプライマー
を塗布してプライマー層20を形成する。得られた積層
フィルムを図1の多重真空処理装置の真空チャンバー1
内のロール3にセットした後、真空チャンバー1内をプ
ラズマCVDに適した真空度に調整し、もう一方のロー
ル4にプラズマ処理に適した走行速度で巻き取る。この
積層フィルムの走行中に、該積層フィルムのプライマー
層20側とは反対側の透明プラスチック基材フィルム1
1の面に対してプラズマCVDによりSiOx CVD膜
14を形成する。
空チャンバー1内の真空度を調整し、積層フィルムをス
パッタリングに適した走行速度で逆走行させてITOを
スパッタリングしてITOスパッタ膜19を形成する。
次いで、真空チャンバー1内をプラズマ処理に適した真
空度に調整し、積層フィルムをプラズマ処理に適した走
行速度で正走行させて前記のSiOx CVD膜14に対
してプラズマ処理をして接着性を向上させる。真空チャ
ンバー1から処理された積層フィルムを取出し、この積
層フィルムのSiOx CVD膜14上に、前記参考例1
に示したハードコート用樹脂組成物を塗布し、硬化させ
てハードコート層13を成形する。
す。本実施例9のフィルム液晶基板は、前記実施例8の
フィルム液晶基板の層構成においてプライマー層20を
除き、その位置にSiOx CVD膜14を設けたのもで
ある。本実施例9のフィルム液晶基板は、ガスバリアー
層としてのSiOx CVD膜14がプラスチック基材フ
ィルム11の上下に2層形成されるので、ガスバリアー
性がさらに強化され、且つITOスパッタ膜20に接触
するSiOx CVD膜14はプライマー機能を持つ。
電性フィルム製造方法は、透明プラスチック基材フィル
ム11を図1の多重真空処理装置の真空チャンバー1内
のロール3にセットした後、真空チャンバー1内をプラ
ズマCVDに適した真空度に調整し、もう一方のロール
4にプラズマ処理に適した走行速度で巻き取る。この積
層フィルムの走行中に、透明プラスチック基材フィルム
11の一方の片面にプラズマCVDによりSiOx CV
D膜14を形成し、同時或いは連続して他方の片面にさ
らにプラズマCVDによりSiOx CVD膜14を形成
する。
パッタリングに適すように調整し、積層フィルムをスパ
ッタリングに適した走行速度で逆走行させて、走行中に
SiOx CVD膜14の一方にスパッタリングにより導
電性膜としてのITOスパッタ膜19を形成する。次い
で、真空チャンバー1からこの積層フィルムを取出し、
もう一方のコーティングがなされていない方のSiOx
CVD膜14の面に、防眩性を有するハードコート層樹
脂組成物を塗布してハードコート層13を形成する。こ
のハードコート層13に防眩性を付与するには、ハード
コート層13が形成された表面に微細な凹凸を有する賦
型板により押圧するか、或いは微細なビーズ等の粒子を
バインダー樹脂中に分散させることによって達成され
る。
す。本実施例10の熱線反射フィルムは、透明プラスチ
ック基材フィルム11上に特に熱線を反射することがで
きる熱線反射層21を設けたものである。
法は、次のように行われる。まず透明プラスチック基材
フィルム11を、図1に示す多重真空処理装置の真空チ
ャンバー1内のロール3にセットした後、真空チャンバ
ー1内をプラズマ処理に適した真空度に調整し、もう一
方のロール4にプラズマ処理に適した走行速度で巻き取
る。この積層フィルムの走行中に、透明プラスチック基
材フィルム11の一方の片面にプラズマ処理を行って、
接着性を増大させる。次いで、真空チャンバー1内の真
空度をスパッタリングに適した値に調整し、前記の透明
プラスチック基材フィルム11をスパッタリングに適し
た走行速度で逆走行させてプラズマ処理された面上にP
t、Au等の金属をスパッタリングして熱線反射層21
を形成する。
す。本実施例11の熱線反射フィルムは、前記実施例1
0の熱線反射フィルム(図15参照)の熱線反射層21
上に、保護のためにハードコート層を設けたものであ
る。
法は、前記実施例10の製造方法により得られた熱線反
射フィルムに対して、その熱線反射層21上にさらに防
眩性を有する保護層としてハードコート用樹脂組成物を
塗布し、硬化させてハードコート層13を形成したもの
である。このハードコート層13に防眩性を付与するに
は、ハードコート層13が形成された表面に微細な凹凸
を有する賦型板により押圧するか、或いは微細なビーズ
等の粒子をバインダー樹脂中に分散させることによって
達成される。
本実施例12の誘電体ミラーは、透明プラスチック基材
フィルム11上に、接着剤層12を形成し、次いで前記
参考例1に説明した防眩性を有するハードコート層13
を設けた積層フィルム上に、高屈折率層としてTiO2
スパッタ膜17を設け、さらに、SiOx CVD膜14
(低屈折率層)とTiO2 スパッタ膜17(高屈折率
層)の組合せからなる層を複数回繰り返したものであ
る。このような層構成とすることにより、前記した反射
防止フィルムとは逆の屈折率の組合せとなるので、ミラ
ー効果を生ずる。
して製造される。透明プラスチック基材フィルム11上
に接着剤を塗布して接着剤層12を形成し、次いでハー
ドコート層用樹脂を塗布し、硬化させて防眩性を有する
ハードコート層13を形成する。上記のようにして得ら
れた積層フィルムを図1に示す多重真空処理装置の真空
チャンバー1内のロール3にセットした後、真空チャン
バー1内をプラズマ処理に適した真空度に調整し、もう
一方のロール4にプラズマ処理に適した走行速度で巻き
取る。この積層フィルムの走行中に、該積層フィルムの
ハードコート層13に対してプラズマ処理を行い、接着
性を増大させる。
パッタリングに適した値に調整し、前記積層フィルムを
スパッタリングに適した走行速度で逆走行させてその走
行中にTiO2 をスパッタリングしてTiO2 スパッタ
膜17を形成する。次いで、真空チャンバー1内の真空
度をプラズマCVDに適した真空度に調整して、前記工
程で処理された積層フィルムをプラズマ処理に適した走
行速度で正走行させてその走行中にSiOx のプラズマ
CVD処理を行いSiOx CVD膜14を形成する。引
き続き、再度、スパッタリングに適した真空度に調整
し、積層フィルムをスパッタリングに適した走行速度で
逆走行し、スパッタリングによるTiO2スパッタ膜1
7を形成する。前記のSiOx CVD膜14(低屈折率
層)とTiO2 スパッタ膜17(高屈折率層)の形成処
理を複数回行うことにより、本実施例12の誘電ミラー
を得る。
率層)の表面に対して、前記参考例1で行った、プラズ
マCVDによるCF4 、SiF4 等のガスを用いた後処
理を適用してもよい。なお、本実施例12の誘電体ミラ
ーにおける高屈折率層の材料として上記のTiO2 に代
えて、ITO、ZrO2 、CeO2 、HfO2 、La2
O3 等の材料を使用してもよい。また本実施例12の層
構成の誘電体ミラーは、そのSiOx CVD膜14(低
屈折率層)とTiO2 スパッタ膜17(高屈折率層)の
膜厚を調整することによって、干渉フィルターとするこ
ともできる。
本実施例13の誘電体ミラーは、透明プラスチック基材
フィルム11上に接着剤層12を介してハードコート層
13が形成され、さらにその上に、順次SiOx CVD
膜14と、Agスパッタ膜22と、SiOx CVD膜1
4を形成したものである。
して製造される。透明プラスチック基材フィルム11上
に接着剤を塗布して接着剤層12を形成し、次いでハー
ドコート層用樹脂を塗布し、硬化させて防眩性を有する
ハードコート層13を形成する。上記のようにして得ら
れた積層フィルムを図1に示す多重真空処理装置の真空
チャンバー1内のロール3にセットした後、真空チャン
バー1内をプラズマ処理に適した真空度に調整し、プラ
ズマ処理に適した走行速度でもう一方のロール4に巻き
取る。
ルムのハードコート層13に対してプラズマ処理を行
い、接着性を増大させ、同じ走行中においてSiOx の
プラズマCVD処理を行いSiOx CVD膜14を形成
する。次いで、真空チャンバー1内の真空度をスパッタ
リングに適した値に調整し、前記の積層フィルムをスパ
ッタリングに適した走行速度で逆走行させ、その走行中
にAgをスパッタリングしてAgスパッタ膜22を形成
する。次いで、真空チャンバー1内の真空度をプラズマ
CVDに適した真空度に調整して、前記工程で処理され
た積層フィルムをプラズマ処理に適した走行速度で正走
行させてその走行中にSiOx のプラズマCVD処理を
行いSiOx CVD膜14を形成する。
一の真空チャンバー内において、ある真空処理が行われ
た後にさらに真空処理が必要とされる場合、継続して真
空処理を行うのに、真空チャンバー内を大気圧に戻すこ
となく別の真空処理を行うことができる。したがって、
本発明の多重真空処理では、その処理中に、中間段階の
真空処理面が空気に晒されて表面の活性種が失活した
り、或いは表面が酸化されたりして積層される界面が影
響を受けることが無いので、品質の一定した積層物を得
ることができる。
空処理装置の1構成例の模式図である。
す。
導電性フィルムの層構成を示す。
フィルムの層構成を示す。
す。
す。
す。
す。
す。
処理パスを示す概念図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 (1)真空チャンバー内において、走行
しているウェッブに対して真空処理を施して巻取り、 (2)大気圧に戻すことなく真空条件を変え、 (3)次いで次に行われる真空処理に適した走行速度に
調整してウェッブを逆に走行させ、走行中のウェッブに
対して先に施した真空処理とは異なる種類の真空処理を
施すことを特徴とする多重真空処理方法。 - 【請求項2】 前記、ウェッブを逆に走行させ走行中の
ウェッブに対して先に施した真空処理とは異なる種類の
真空処理を施す操作を、複数回継続して行うことを特徴
とする請求項1記載の多重真空処理方法。 - 【請求項3】 前記真空処理が、真空蒸着処理、スパッ
タリング処理、プラズマ処理、イオンプレーティング及
びプラズマCVDから選ばれたものである請求項1又は
2記載の多重真空処理方法。 - 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の多重真空処理
方法をプラスチックフィルムに適用することを特徴とす
る機能性プラスチックフィルムの製造方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の方法により得られた機能
性プラスチックフィルム。 - 【請求項6】 請求項5記載の機能性プラスチックフィ
ルムが、反射防止フィルム、ガスバリアーフィルム、タ
ッチパネル用導電性フィルム、フィルム液晶基板、熱線
反射フィルム、又は誘電体ミラーであることを特徴とす
る機能性プラスチックフィルム。
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