JPH0618704A - 反射防止性を有する耐擦傷性基材の製造方法、耐擦傷性基材及び偏光板 - Google Patents

反射防止性を有する耐擦傷性基材の製造方法、耐擦傷性基材及び偏光板

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JPH0618704A
JPH0618704A JP4314592A JP31459292A JPH0618704A JP H0618704 A JPH0618704 A JP H0618704A JP 4314592 A JP4314592 A JP 4314592A JP 31459292 A JP31459292 A JP 31459292A JP H0618704 A JPH0618704 A JP H0618704A
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scratch
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ionizing radiation
resin
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JP4314592A
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Norinaga Nakamura
典永 中村
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬化塗膜がハードで耐擦傷性があり、且つ光
線透過率が良く、製造が簡単で、層間の密着性が良い反
射防止塗膜を透明基材の表面に形成した耐擦傷性基材、
その耐擦傷性基材を使用した偏光板及びその製造方法を
提供する。 【構成】 透明基板1の片面又は両面に電離放射線硬化
型樹脂を含む樹脂組成物を塗工して下層塗膜2を形成す
る。この樹脂組成物には熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂
を含ませることができる。この塗膜を半硬化させ、その
上に前記塗膜の屈折率よりも若干低い屈折率を持つ電離
放射線硬化型樹脂を塗布して上層塗膜3を形成する。電
離放射線を照射して両塗膜を同時に硬化させて、耐擦傷
性基材を得る。この耐擦傷性基材には防湿層を設けるこ
とができる。この耐擦傷性基材を偏光素子にラミネート
して偏光板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーブミラー、バック
ミラー、ゴーグル、窓ガラスやパソコン・ワープロ等の
ディスプレイの表面において光の反射防止をすることの
できる耐擦傷性基材の製造方法、耐擦傷性基材及び偏光
板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カーブミラー、バックミラー、ゴ
ーグル、窓ガラス、パソコン・ワープロ等のディスプレ
イ、その他種々の商業ディスプレイ等には、ガラスやプ
ラスチック等の透明基板が用いられており、これらの透
明基板を通して物体や文字、図形の視覚情報を、或いは
ミラーでは透明基板を通して反射層からの像を観察する
場合に、これらの透明基板の表面が光で反射して内部の
視覚情報が見えにくいという問題があった。
【0003】特に、液晶ディスプレイ等の表示体の表面
には、光のシャッターの役目をする偏光素子が設けられ
ているが、偏光素子自体が耐擦傷性に劣るために、ガラ
ス、透明プラスチック板、又は透明プラスチックフィル
ム等の透明保護基板により保護されて、偏光板が形成さ
れている。しかしながら、透明プラスチック板又は透明
プラスチックフィルム等のプラスチックからなる透明保
護基板自体においても傷がつきやすいので、近年、この
ような偏光板の表面に耐擦傷性を持たせたものが開発さ
れている。このような技術として、例えば、特開平1−
105738号公報に記載されるものがある。
【0004】このような透明基板の反射を防止する方法
としては、従来、ガラスやプラスチック表面に反射防止
塗料を塗布する方法、ガラス等の透明基板の表面に膜厚
0.1μm程度のMgF2 等の極薄膜や金属蒸着膜を設
ける方法、プラスチックレンズ等のプラスチック表面に
電離放射線硬化型樹脂を塗工し、その上に蒸着によりS
iO2 やMgF2 の膜を形成する方法、電離放射線硬化
型樹脂の硬化膜上に低屈折率の塗膜を形成する方法等が
あった。
【0005】前記ガラス上に形成された膜厚0.1μm
程度のMgF2 の薄膜をさらに説明する。入射光が薄膜
に垂直に入射する場合に、特定の波長をλ0 とし、この
波長に対する反射防止膜の屈折率をn0 、反射防止膜の
厚みをh、および透明基板の屈折率をng とすると、反
射防止膜が光の反射を100%防止し、光を100%透
過するための条件は、次の式(1)および式(2)の関
係を満たすことが必要であることは既に知られている
(サイエンスライブラリ 物理学=9「光学」70〜7
2頁、昭和55年,株式会社サイエンス社発行)。
【0006】
【数1】
【0007】ガラスの屈折率ng =約1.5であり、M
gF2 膜の屈折率n0 =1.38、入射光の波長λ0
5500Å(基準)と既に知られているので、これらの
値を前記式(2)に代入すると、反射防止膜の厚みhは
約0.1μmが最適であると計算される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記反
射防止塗料を前記透明基板に塗布する方法は形成された
塗膜の表面に傷がつきやすく、そのため光線透過率の低
下が生じるという問題がある。また、前記透明基板の表
面に極薄膜や金属蒸着膜を形成する方法は、その膜厚が
式(2)から前記のごとく計算されるように0.1μm
程度とかなり薄く、このために耐擦傷性が悪く、しかも
透明基板から剥離し易かった。また、前記電離放射線硬
化型樹脂の塗膜と蒸着膜を積層する方法においては、連
続工程が困難で生産性が上がらずコスト高になってい
た。また、前記電離放射線硬化型樹脂の硬化膜上に低屈
折率の塗膜を形成する方法は、最初の硬化膜の表面の樹
脂には反応基がほとんど無く、低屈折率の膜の密着性が
悪かった。
【0009】また、偏光素子は水分により偏光素子とし
ての機能が劣化するという欠点があった。従来の反射防
止性フィルムを偏光素子にラミネートして形成された偏
光板は、水分の透過を十分に阻止することはできず、こ
のために偏光機能が劣化するという不都合があった。そ
こで、本発明の1番目の目的は、硬化塗膜がハードで耐
擦傷性があり、且つ光線透過率が良く、製造が簡単で、
層間の密着性が良い反射防止性を有する耐擦傷性基材の
製造方法、耐擦傷性基材及び偏光板を提供することを目
的とする。
【0010】本発明の2番目の目的は、偏光素子に対す
る防湿性に優れ、硬化塗膜がハードで耐擦傷性があり、
且つ光線透過率が良く、製造が簡単で、層間の密着性が
良い反射防止性を有する耐擦傷性基材の製造方法、耐擦
傷性基材及び偏光板を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
I.1番目の目的を達成するための発明 前記した1番目の目的を達成するために、本発明は、透
明基板の片面又は両面に、電離放射線硬化型樹脂を含む
樹脂組成物を塗工して下層塗膜を形成し、前記下層塗膜
を半硬化させ、半硬化された下層塗膜上に、下層塗膜の
電離放射線硬化型樹脂組成物の屈折率よりも若干低い屈
折率を持つ電離放射線硬化型樹脂組成物を塗工して上層
塗膜を形成し、両塗膜上に電離放射線を照射することに
より、上層塗膜及び下層塗膜を同時に硬化させることを
特徴とする反射防止性を有する耐擦傷性基材の製造方
法、及びその製造方法で得られた反射防止性を有する耐
擦傷性基材とするものである。また、1番目の目的を達
成するために本発明は、前記の反射防止性を有する耐擦
傷性基材が偏光素子にラミネートされた偏光板とするも
のである。
【0012】本発明をさらに詳細に以下に説明する。 下層塗膜を設ける意義:前記のように、塗膜の反射防止
をするためには前記式(1)を満足しなければならな
い。ところで、下層塗膜を設けずに透明基板に上層塗膜
を設けた場合には、反射防止性は透明基板の持つ屈折率
によって、上層塗膜の屈折率が限定されることになり、
その樹脂や微粒子の選択の範囲が狭まる。また、言い換
えれば、逆に、耐擦傷性の上層塗膜とするために上層塗
膜に特定の材料を使用した場合には、その下側に存在す
る透明基板の材質の選択の範囲が狭まることになる。
【0013】これに対して、本発明においては、透明基
板と上層塗膜との間に下層塗膜を設けることによって、
塗膜の反射防止性は、前記式(1)により上層塗膜と下
層塗膜との屈折率の関係になるので、透明基板の材質に
影響されずに、しかも上層塗膜は、下層塗膜に用いる材
質を適宜選択することによって、その樹脂等の選択の範
囲が広くなる利点がある。
【0014】屈折率:前記式(1)によれば、反射を1
00%防止するためには、上層塗膜の屈折率がその下層
塗膜の屈折率の約平方根の値になるような材料を選択す
ればよい。したがって、上層塗膜の屈折率は、その下層
塗膜の屈折率よりも若干低い値が好ましい。例えば、透
明基板にトリアセチルセルロースを使用した場合には、
その透明基板の屈折率が1.49程度であり、下層塗膜
が1.49以上、上層塗膜が1.49未満の屈折率であ
ることが望ましい。
【0015】透明基板:本発明でいう透明基板には、透
明ガラス板、透明樹脂板、透明樹脂シートや、透明樹脂
フィルムがある。透明樹脂フィルムとしては、トリアセ
チルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィル
ム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエ
ーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィル
ム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィル
ム、ポリエーテルフィルム、トリメチルペンテンフィル
ム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリロニ
トリルフィルム等が使用できるが、特に、トリアセチル
セルロースフィルム及び一軸延伸ポリエステルフィルム
が透明性に優れ、光学的に異方性が無い点で好適に用い
られる。
【0016】下層塗膜:この下層塗膜を形成する樹脂に
は、主として紫外線・電子線によって硬化する樹脂、即
ち、電離放射線硬化型樹脂の単独、電離放射線硬化
型樹脂に熱可塑性樹脂を混合したもの、電離放射線硬
化型樹脂に熱硬化型樹脂を混合したもの、固相反応型
電離放射線硬化型樹脂が使用される。
【0017】一般に、電離放射線硬化型樹脂の屈折率は
約1.5程度で、ガラスと同程度であるが、この樹脂よ
りも屈折率の高い微粒子である、TiO2 (屈折率:
2.3〜2.7)、Y2 3 (屈折率:1.87)、L
2 3 (屈折率:1.95)、ZrO2 (屈折率:
2.05)、Al2 3 (屈折率:1.63)等の金属
化合物を塗料に添加して、下層塗膜の屈折率を調整して
屈折率を上げることができる。
【0018】金属化合物の微粒子の添加量は、用いる樹
脂の屈折率及び用いる金属化合物の屈折率によって大幅
に異なる。例えば、樹脂100重量部に対して通常30
〜70重量部程度である。この場合、あまり多く金属化
合物の微粒子を添加すると、下層塗膜の透明性及び強度
が低下するので、これらの点を考慮する必要がある。 電離放射線硬化型樹脂:前記下層塗膜を形成する樹脂
〜に使用される電離放射線硬化型樹脂には、好ましく
は、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比
較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッ
ド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、
ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能
化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプ
レポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)ア
クリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ス
チレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単
官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ
オール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用でき
る。
【0019】さらに、上記の電離放射線硬化型樹脂組成
物を紫外線硬化型樹脂組成物とするには、この中に光重
合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン
類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシ
ムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、
チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリーn−ブチルホスフィン等
を混合して用いることができる。特に本発明では、オリ
ゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を混合する
のが好ましい。
【0020】熱可塑性樹脂:前記の電離放射線硬化型
樹脂に混合される熱可塑性樹脂には、電離放射線硬化型
樹脂に粘性を付与するものであれば、何でも使用できる
が、特に、塗膜の硬度を高く保つためにはポリメチルメ
タクリレート、ポリブチルメタクリレート等の熱可塑性
樹脂が好適に使用できる。電離放射線硬化型樹脂に熱可
塑性樹脂を混合する目的は、後記で詳述するように、下
層塗膜の低屈折率の電離放射線硬化型樹脂を塗布した際
に塗膜を半硬化させるためである。電離放射線硬化型樹
脂に対する熱可塑性樹脂の混合割合は、塗膜の半硬化の
目的のためには、電離放射線硬化型樹脂が100重量部
に対して、50重量部以下とする。
【0021】熱硬化型樹脂:前記の電離放射線硬化型
樹脂に混合される熱硬化型樹脂には、フェノール樹脂、
尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グ
アナミン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラ
ミン/尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂
等があり、必要に応じて、添加剤として、架橋剤、重合
開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤、体
質顔料等を添加する。前記硬化剤として通常、イソシア
ネートは不飽和ポリエステル系樹脂又はポリウレタン系
樹脂に、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化
物及びアゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤
が不飽和ポリエステル系樹脂によく使用される。さら
に、硬化剤としてのイソシアネートは、2価以上の脂肪
族又は芳香族イソシアネートが使用できる。
【0022】固相反応型電離放射線硬化型樹脂:前記
の固相反応型電離放射線硬化型樹脂は、未硬化の状態で
は常温で固体であり、かつ熱可塑性、溶剤溶解性を有し
ていながら、塗装、及び乾燥によって見かけ上、又は手
で触ったときにも非流動性(指触乾燥性)であり、かつ
非粘着性である塗膜を与える電離放射線硬化型樹脂を主
成分とするものである。具体的には、例えば、下記の
(イ)、(ロ)の2種類の樹脂が例示される。また、特
開平1−202492号公報にも同様な樹脂が開示され
ている。さらに、下記の(イ)及び(ロ)に示す樹脂を
混合して用いることもでき、また、それに対してラジカ
ル重合性不飽和単量体を加えて使用することもできる。
これらの樹脂には通常の電離放射線硬化型樹脂に用いら
れる反応性希釈剤、増感剤等が添加される。また、樹脂
硬化物に可撓性を付与するために非架橋性の熱可塑性樹
脂を添加してもよい。
【0023】(イ)ガラス転移温度が0〜250℃のポ
リマー中にラジカル重合性不飽和基を有する樹脂。具体
的には次の単量体を重合又は共重合させたものに対し、
後述する(a)〜(d)の方法によりラジカル共重合性
不飽和基を導入した樹脂である。水酸基を有する単量
体:例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等がある。
【0024】カルボキシル基を有する単量体:例えば、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルモノサクシネート等がある。 エポキシ基を有する単量体:例えば、グリシジル(メ
タ)アクリレート等がある。 アジリジニル基を有する単量体:2−アジリジニルエチ
ル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピオン
酸アリル等がある。
【0025】アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリ
ルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート等がある。 スルフォン基を有する単量体:2−(メタ)アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等がある。
【0026】イソシアネート基を有する単量体:2,4
−トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートの1モル対1モルの付加物などの
ジイソシアネートと活性水素を有するラジカル共重合体
の付加物等がある。 さらに,共重合体のガラス転移温度を調節したり、硬化
膜の物性を調節したりするために、上記に列挙した各単
量体と次に示す化合物を共重合させることができる。こ
のような共重合可能な単量体としては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、gt−ブチル(メタ)アクリレート、イ
ソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。
【0027】上記の各単量体を重合、もしくは共重合さ
せたものに対して、次に述べる(a)〜(d)の方法に
より、ラジカル重合性不飽和基を導入することによっ
て、紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂等の電離放
射線硬化型樹脂が得られる。 (a)水酸基を有する単量体の重合体または共重合体の
場合には、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有
する単量体などを縮合反応させる。
【0028】(b)カルボキシル基、スルフォン基を有
する単量体の重合体又は共重合体の場合には、前述の水
酸基を有する単量体を縮合反応させる。 (c)エポキシ基、イソシアネート基又はアジリジニル
基を有する単量体の重合体又は共重合体の場合には、前
述の水酸基を有する単量体又はカルボキシル基を有する
単量体を付加反応させる。
【0029】(d)水酸基又はカルボキシル基を有する
単量体の重合体又は共重合体の場合には、エポキシ基を
有する単量体又はアジリジニル基を有する単量体又はジ
イソシアネート化合物と水酸基含有アクリル酸エステル
単量体の1モル対1モルの付加物を付加反応させる。 上記反応を行うには、微量のハイドロキノンなどの重合
禁止剤を加え、乾燥空気を送りながら行うことが望まし
い。
【0030】(ロ)融点が常温(20℃)〜250℃で
あり、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂。具体的に
は、ステアリルアクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、トリアクリルイソシアネート、シクロヘキサ
ンジオール(メタ)アクリレート、スピログリコールジ
アクリレート、スピログリコール(メタ)アクリレート
等がある。
【0031】上層塗膜:本発明の耐擦傷性を有する耐擦
傷性基材の表面の上層塗膜に使用される樹脂には、前記
下層塗膜に用いる電離放射線硬化型樹脂と同様なものを
使用できるが、特に、下層塗膜よりも屈折率を低くする
ためには、例えば、屈折率が1.35〜1.41の弗素
原子を含んだアクリレート又はメタクリレート等のグラ
スファイバー用に用いられているものが好ましい。例え
ば、これらの樹脂には、F系マクロモノマー(F−20
925,新中村化学製)、トリフルオロエチルアクリレ
ート(ビスコート3F,大阪有機化学製)、トリフルオ
ロエチルメタクリレート(ビスコート3FM,大阪有機
化学製)、テトラフロロプロピルアクリレート(ビスコ
ート4F,大阪有機化学製)、テトラフロロプロピルメ
タクリレート(ビスコート4FM,大阪有機化学製)、
オクタフロロペンチルアクリレート(ビスコート8F,
大阪有機化学製)、オクタフロロペンチルメタクリレー
ト(ビスコート8FM,大阪有機化学製)、ヘプタデカ
フロロデシルアクリレート(ビスコート17F,大阪有
機化学製)、ヘプタデカフロロデシルメタクリレート
(ビスコート17FM,大阪有機化学製)がある。
【0032】上記のグラスファイバー用の樹脂は屈折率
が1.35〜1.41と低いが、下層塗膜の屈折率との
関係で、この上層塗膜の屈折率をさらに低く調整する必
要があるときには、SiO2 、MgF2 等の微粒子を透
明性を保持できる程度に上層塗膜形成用塗料に加え、塗
膜の屈折率を調整して下げることができる。これらの金
属化合物の微粒子の添加量は、望ましくは0.5〜10
重量部程度であり、特に、透明性を考慮すると1〜5重
量部が適当である。
【0033】上記のグラスファイバー用の電離放射線硬
化型樹脂以外に、通常の電離放射線硬化型樹脂を用い、
MgF2 などの金属化合物の微粒子を添加することによ
って得られる塗膜の屈折率を調節することができる。こ
の場合、通常の電離放射線硬化型樹脂の屈折率は約1.
5程度で、上記のグラスファイバー用の電離放射線硬化
型樹脂の屈折率よりも高い。そのために、下層塗膜の屈
折率よりも低くするためには、屈折率を下げるための大
量の金属化合物の微粒子を電離放射線硬化型樹脂に添加
せねばならない。例えば、樹脂100重量部に対して通
常50〜70重量部程度の金属化合物の微粒子を添加す
る。しかしながら、あまり多く金属化合物の微粒子を添
加すると塗膜の透明性及び塗膜の強度が落ちるので、こ
れらの点を考慮する必要がある。
【0034】上層塗膜形成用塗料には、このように電離
放射線硬化型樹脂が用いられるが、下層塗膜との密着を
考慮すると下層塗膜をアタックするような溶剤、例え
ば、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の溶剤を塗料に
含ませておくことが望ましい。上層塗膜の膜厚は、40
0〜900nm程度の波長の光を良好に透過させるため
には0.1〜0.15μmが望ましい。上記、透明基板
に形成する下層塗膜及び上層塗膜は、透明基板の片面だ
けではなく、両面に設ける方が望ましい。
【0035】塗膜の硬化方法:本発明は、透明基板上に
塗布された下層塗膜を指触乾燥又はハーフキュアして半
硬化層を形成し、その上に耐擦傷性の上層塗膜形成用塗
料を塗布し、両塗膜を同時に硬化させている。この両塗
膜を重塗りする際に下層塗膜を予め半硬化させる理由
は、完全に硬化させた下層塗膜上に上層塗膜形成用塗料
を塗布して塗膜を形成すれば、層間の密着性が悪く、剥
離等の欠陥が生じてしまうのに対して、下層塗膜が半硬
化の状態で上層塗膜形成用塗料を塗り重ねてから、両塗
膜を完全硬化させれば、層間の密着性が良いからであ
る。
【0036】本発明で半硬化とは用いる樹脂の種類によ
って次のように分類される。 (1)溶剤乾燥型半硬化 a.溶剤乾燥型半硬化 通常の電離放射線硬化型樹脂に、溶剤を加えたものを塗
布し、溶剤を乾燥させることによって形成される塗膜の
半硬化の状態で、且つ電離放射線硬化型樹脂が硬化反応
を完了していない状態をいう。
【0037】前記組成のみでは十分な粘度が保てないの
で、溶剤乾燥型熱可塑性樹脂を加えて塗布に適した粘度
に調整する。この樹脂組成物を用いて塗膜を形成した場
合には、溶剤が乾燥時に離脱放散され、塗膜は半硬化状
態となる。電離放射線硬化型樹脂に添加する溶剤乾燥型
熱可塑性樹脂の種類は通常用いられるものが使用される
が、特に、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタ
クリレートを使用する場合、塗膜の硬度を高く保つこと
ができる。しかも、この場合、主たる電離放射線硬化型
樹脂との屈折率が近いので塗膜の透明性を損なわず、透
明性において有利である。また、溶剤乾燥型熱可塑性樹
脂の別の例としてセルロース系ポリマーを電離放射線硬
化型樹脂に加えると、透明基板としてトリアセチルセル
ロースを使用した場合、トリアセチルセルロースの非溶
解の溶剤であるトルエンを用いて透明基板に塗布をおこ
なっても、透明基板と塗膜樹脂との密着性を良好にする
ことができる。しかもトルエンは透明基板としてのトリ
アセチルセルロースを溶解しない性質であるので、透明
基板を白化させない。
【0038】この樹脂組成物の配合割合は、電離放射線
硬化型樹脂100重量部に対して熱可塑性樹脂の添加量
が50重量部以下である。熱可塑性樹脂の添加量がこれ
以上になると上層塗膜の硬度を高く保つことはできず、
耐擦傷性が劣ってくる。 b.固相反応型電離放射線硬化型半硬化 この半硬化とは、前記固相反応型電離放射線硬化型樹脂
による半硬化の状態であり、未硬化状態において常温で
固体であり、且つ、熱可塑性及び溶剤溶解性を有し、塗
装及び乾燥によって見かけ上、あるいは、手で触ったと
きにも非流動性及び非粘着性であり、電離放射線硬化型
樹脂が硬化反応を完了していない状態をいう。
【0039】(2)ハーフキュア型半硬化 a.電離放射線硬化型樹脂半架橋型半硬化 前記下塗塗膜の項ので示した通常の電離放射線硬化型
樹脂を用いて塗布し、塗膜に紫外線又は電子線等の電離
放射線の照射条件を調整して半架橋を行うことにより形
成される半硬化の状態をいう。
【0040】b.電離放射線硬化型樹脂・熱硬化型樹脂
ブレンド型半硬化 前記下層塗膜の項ので示した電離放射線硬化型樹脂に
熱硬化型樹脂を混合して樹脂組成物を塗布し、塗膜に熱
を加えることにより形成される半硬化の状態をいう。こ
の樹脂組成物の配合割合は、電離放射線硬化型樹脂10
0重量部に対して熱硬化型樹脂の添加量が50重量部以
下である。その理由は熱硬化型樹脂の添加量がこれ以上
になると、塗膜の硬度が低下するからである。
【0041】c.溶剤乾燥型・ハーフキュア型複合半硬
化 前記(1)の溶剤乾燥型半硬化の状態にさらに電離放射
線を照射して半硬化状態とする状態をいう。この半硬化
の状態は、特開平1−20249号公報に説明されてい
る半硬化状態と同じである。 完全硬化:本発明における下層塗膜と上層塗膜の両塗膜
の完全硬化は、電離放射線の照射によって行う。電離放
射線硬化型樹脂組成物が下層塗膜上に塗布された段階で
は、下層塗膜が半硬化の状態であり、下層塗膜中に含ま
れる電離放射線硬化型樹脂成分は完全に硬化していな
い。したがって、下層塗膜と上層塗膜の両塗膜中の電離
放射線硬化型樹脂は未硬化成分を含んでいるので、電離
放射線を照射することによって、両塗膜を同時に完全硬
化させる。
【0042】照射装置:本発明で使用される電離放射線
硬化型樹脂組成物の硬化方法は通常の電離放射線硬化型
樹脂組成物の硬化方法、即ち、電子線または紫外線の照
射によって硬化することができる。例えば、電子線硬化
の場合にはコックロフトワルトン型、バンデグラフ型、
共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロ
ン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される5
0〜1000KeV、好ましくは100〜300KeV
のエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化
の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カ
ーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ
等の光線から発する紫外線等が利用できる。
【0043】本発明は上記記載に限定されず、本発明の
趣旨に基づいて種々の変形が可能である。例えば、本発
明の反射防止性を有する耐擦傷性基材の片面又は両面に
さらに防眩性を有する塗膜を形成してもよい。 II.2番目の目的を達成するための発明 本発明で使用する偏光素子は、一般に外部からの水分に
対して偏光素子が劣化する欠点があるので、耐擦傷性基
材及び/又は偏光板に防湿層を設けて偏光素子を水分の
侵入から保護する必要がある。
【0044】すなわち、前記した2番目の目的を達成す
るために本発明は、透明基板の片面又は両面に防湿層を
形成し、該防湿層の形成された透明基板の片面又は両面
に、電離放射線硬化型樹脂を含む樹脂組成物を塗工して
下層塗膜を形成し、前記下層塗膜を半硬化させ、半硬化
された下層塗膜上に、下層塗膜の電離放射線硬化型樹脂
組成物の屈折率よりも若干低い屈折率を持つ電離放射線
硬化型樹脂組成物を塗工して上層塗膜を形成し、両塗膜
上に電離放射線を照射することにより、上層塗膜及び下
層塗膜を同時に硬化させて、防湿性を有し且つ反射防止
性を有する耐擦傷性基材の製造方法、及びその製造方法
で得られた防湿性を有し且つ反射防止性を有する耐擦傷
性基材とするものである。
【0045】図2,図3及び図4は、防湿性を有し且つ
反射防止性を有する耐擦傷性基材の構成例を示す。図2
には、透明基板1上に防湿層4が形成され、該防湿層4
上に前記I.の欄で説明した下層塗膜2が形成され、さ
らにその上に上層塗膜3が形成された防湿性を有し且つ
反射防止性を有する耐擦傷性基材が示されている。図3
には、透明基板1の上下両面に防湿層4が形成され、一
方の防湿層4上に下層塗膜2が形成され、さらにその上
に上層塗膜3が形成された防湿性を有し且つ反射防止性
を有する耐擦傷性基材が示されている。また、図4に
は、透明基板1の一方の面上に防湿層4が形成され、透
明基板1の他方の面上に下層塗膜2が形成され、さらに
その上に上層塗膜3が形成された防湿性を有し且つ反射
防止性を有する耐擦傷性基材が示されている。
【0046】また、2番目の目的を達成するために本発
明は、偏光素子の一方の面に、反射防止性を有する耐擦
傷性基材が配置され、前記耐擦傷性基材及び偏光素子か
らなる層間、又は偏光素子の露出面上に、少なくとも一
つの防湿層が形成され、全体がラミネートされている偏
光板とするものである。また、2番目の目的を達成する
ために本発明は、偏光素子の一方の面上に反射防止性を
有する耐擦傷性基材が配置され、該偏光素子の他方の面
上に透明基板が配置され、前記耐擦傷性基材、偏光素子
及び透明基板からなる前記配置の各層間、並びに透明基
板の露出面上に、少なくとも一つの防湿層が形成され、
全体がラミネートされている偏光板とするものである。
【0047】図5,図6,図7,図8及び図9は偏光素
子と耐擦傷性基材及び/又は透明基板から構成される偏
光板における、防湿層の形成位置の例を示す。図5は、
偏光素子5の一方の面に、前記に説明した防湿性を有し
且つ反射防止性を有する耐擦傷性基材6が配置され、偏
光素子5の他方の面に透明基板11が配置された偏光板
において、透明基板11と偏光素子5との間に、防湿層
14が形成されたものである。
【0048】図6は、偏光素子5の一方の面に、前記に
説明した防湿性を有し且つ反射防止性を有する耐擦傷性
基材6が配置され、偏光素子5の他方の面に透明基板1
1が配置された偏光板において、透明基板11の露出面
側に防湿層14が形成されたものである。図7は、偏光
素子5の一方の面に、前記に説明した防湿性を有し且つ
反射防止性を有する耐擦傷性基材6が配置され、偏光素
子5の他方の面に透明基板11が配置された偏光板にお
いて、透明基板11と偏光素子5との間及び透明基板1
1の露出面側に防湿層14が形成されたものである。
【0049】図8は、偏光素子5の一方の面に、前記に
説明した防湿性を有し且つ反射防止性を有する耐擦傷性
基材6が配置され、偏光素子5の他方の面は露出してい
る偏光板において、偏光素子5と耐擦傷性基材6の間及
び偏光素子5の露出面上に防湿層14が形成されたもの
である。図9は、偏光素子5の一方の面に、防湿性を有
し且つ反射防止性を有する耐擦傷性基材6が配置され、
偏光素子5の他方の面に透明基板11が配置された偏光
板において、何れの層間において、少なくとも1以上の
防湿層14が形成できる位置を示している。
【0050】前記防湿層4,14の材料には、ポリテト
ラフルオロエチレン、フッ素樹脂、アクリル樹脂、二酸
化珪素、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化
アルミニウム、酸化ジルコニウム、フッ化マグネシウ
ム、酸化亜鉛等が用いられる。防湿層の形成方法には、
プラズマ重合法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法等の薄膜形成法、及び厚膜形成法が
用いられる。
【0051】本発明の防湿層を有する耐擦傷性基材の製
造方法は、前記I.の欄で説明した耐擦傷性基材の製造
方法において、あらかじめ上記の防湿層の形成方法によ
り形成された防湿層を有する透明基板を用いることによ
って製造することができる。
【0052】
【実施例1】ポリエステルアクリレートとポリウレタン
アクリレートの混合物からなる電子線硬化型樹脂(EX
G:商品名:大日精化製)100重量部に対して熱可塑
性樹脂としてポリメタクリル酸メタクリレートを50重
量部添加して塗料組成物を調製した。この下層塗膜用塗
料を厚さ100μmのポリエステルフィルム(HP−
7:商品名:帝人製)の表面に膜厚10μm(乾燥時)
となるように塗布した。その上にオクタフロロペンチル
メタクリレート(ビスコート8FM:大阪有機化学製)
をメチルエチルケトンで希釈した上層塗膜用塗料を、膜
厚0.12μm(乾燥時)となるようにグラビアリバー
スコート法により塗工した。塗膜を乾燥して溶剤を離脱
させ、さらに175KeVで加速した電子線を5Mra
dのエネルギーで照射することにより、上層塗膜と下層
塗膜を同時に完全に硬化させた。
【0053】上記処理をポリエステルフィルムの裏面に
も施して、透明基板の両面に同じ下層塗膜と上層塗膜を
形成した。本実施例1による製造方法によって得られた
反射防止性を有する耐擦傷性基材を図1に示す。1はポ
リエステルフィルム製の透明基板で、2は屈折率1.5
4の下層塗膜、3は屈折率1.38の上層塗膜である。
本実施例1で得られた反射防止性を有する耐擦傷性基材
は波長350〜700nmの光で、約5%透過率が上が
り、反射が減少した。
【0054】
【実施例2】下層塗膜用塗料には、前記実施例1におい
て使用した下層塗膜用塗料100重量部にZnO2 の微
粒子を30重量部添加したものを用い、上層塗膜用塗料
には、前記実施例1において使用した下層塗膜用塗料1
00重量部にMgF2 の微粒子を50重量部添加したも
のを使用した以外は全て前記実施例1と同じ処理を行っ
て反射防止性を有する耐擦傷性基材を製造した。得られ
た反射防止性を有する耐擦傷性基材は波長350〜70
0nmの光で、約7%透過率が上がり、反射が減少し
た。
【0055】
【実施例3】トリアセチルセルロースフィルムであるF
T−UV−80(商品名:富士写真フィルム株式会社
製)上にプラズマ重合によりポリテトラフルオロエチレ
ン薄膜を形成した。この薄膜形成面とは反対側に、前記
実施例1に記載の方法で下層塗膜及び上層塗膜を形成し
て、防湿性を有し且つ反射防止性を有する耐擦傷性基材
を得た。
【0056】一方、前記と同じ方法でトリアセチルセル
ロースフィルム上にプラズマ重合によりポリテトラフル
オロエチレン薄膜を形成して、防湿層が形成された透明
基板を得た。別に、ポリビニルアルコールフィルムから
なる偏光素子を用意し、この偏光素子を、前記防湿性を
有し且つ反射防止性を有する耐擦傷性基材と前記防湿層
が形成された透明基板とにより、それぞれの防湿層を内
側にして挟んでラミネートして防湿性を有し、しかも耐
擦傷性を有する偏光板を得た。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、光線透過率が良く、製
造が簡単で、密着の良い層構成を持った、反射防止性を
有する耐擦傷性基材を得ることができる。また本発明に
よれば、光線透過率が良く、製造が簡単で、密着の良い
層構成を持った、防湿性を有し且つ、反射防止性を有す
る耐擦傷性基材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止性を有する耐擦傷性基材の断
面を示す。
【図2】本発明の防湿層が形成された耐擦傷性基材の断
面を示す。
【図3】本発明の防湿層が形成された別の耐擦傷性基材
の断面を示す。
【図4】本発明の防湿層が形成されたさらに別の耐擦傷
性基材の断面を示す。
【図5】本発明の防湿層を形成した偏光板の断面を示
す。
【図6】本発明の防湿層を形成した別の偏光板の断面を
示す。
【図7】本発明の防湿層を形成したさらに別の偏光板の
断面を示す。
【図8】本発明の防湿層を形成したさらに別の偏光板の
断面を示す。
【図9】本発明の偏光板における防湿層の形成可能な位
置を示す。
【符号の説明】
1,11 透明基板 2 下層塗膜 3 上層塗膜 4,14 防湿層 5 偏光素子 6 耐擦傷性基材

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)透明基板の片面又は両面に電離放
    射線硬化型樹脂を含む樹脂組成物を塗工して下層塗膜を
    形成し、(2)前記下層塗膜を半硬化させ、(3)半硬
    化された下層塗膜上に、下層塗膜の電離放射線硬化型樹
    脂組成物の屈折率よりも若干低い屈折率を持つ電離放射
    線硬化型樹脂組成物を塗工して上層塗膜を形成し、
    (4)両塗膜上に電離放射線を照射することにより、上
    層塗膜及び下層塗膜を同時に硬化させることを特徴とす
    る反射防止性を有する耐擦傷性基材の製造方法。
  2. 【請求項2】 (1)透明基板の片面又は両面に防湿層
    を形成し、(2)該防湿層の形成された透明基板の片面
    又は両面に、(3)電離放射線硬化型樹脂を含む樹脂組
    成物を塗工して下層塗膜を形成し、(4)前記下層塗膜
    を半硬化させ、(5)半硬化された下層塗膜上に、下層
    塗膜の電離放射線硬化型樹脂組成物の屈折率よりも若干
    低い屈折率を持つ電離放射線硬化型樹脂組成物を塗工し
    て上層塗膜を形成し、(6)両塗膜上に電離放射線を照
    射することにより、上層塗膜及び下層塗膜を同時に硬化
    させることを特徴とする反射防止性を有する耐擦傷性基
    材の製造方法。
  3. 【請求項3】 上層塗膜は、弗素原子を含んだ電離放射
    線硬化型樹脂組成物から形成されたものである請求項1
    又は2記載の反射防止性を有する耐擦傷性基材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上層塗膜及び/又は下層塗膜は、金属化
    合物の微粒子が添加されたものである請求項1,2又は
    3記載の反射防止性を有する耐擦傷性基材の製造方法。
  5. 【請求項5】 透明基板が、トリアセチルセルロースフ
    ィルムである請求項1,2,3又は4記載の反射防止性
    を有する耐擦傷性基材の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4又は5記載の反射
    防止性を有する耐擦傷性基材の製造方法により得られた
    耐擦傷性基材。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の耐擦傷性基材が偏光素子
    にラミネートされていることを特徴とする偏光板。
  8. 【請求項8】 (1)偏光素子と、該偏光素子の一方の
    面上に配置される請求項1,2,3,4又は5記載の耐
    擦傷性基材を含み、 (2)前記耐擦傷性基材及び偏光素子の層間、並びに偏
    光素子の露出面上に、少なくとも一つの防湿層が形成さ
    れ、ラミネートされていることを特徴とする偏光板。
  9. 【請求項9】 (1)偏光素子と、該偏光素子の一方の
    面上に配置される請求項1,2,3,4又は5記載の耐
    擦傷性基材と、該偏光素子の他方の面に配置される透明
    基板とを含み、 (2)前記耐擦傷性基材、偏光素子及び透明基板からな
    る前記配置の各層間、並びに透明基板の露出面上に、少
    なくとも一つの防湿層が形成され、ラミネートされてい
    ることを特徴とする偏光板。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08254670A (ja) * 1995-03-17 1996-10-01 Tsutsunaka Plast Ind Co Ltd 偏光板
JPH09203810A (ja) * 1996-01-26 1997-08-05 Konica Corp 偏光板用保護フィルム及び偏光板
US7824740B2 (en) 2004-03-26 2010-11-02 Fujifilm Corporation Anti-reflection film, production of anti-reflection film, and multi-layer film producing apparatus
US8213086B2 (en) 2006-12-29 2012-07-03 Lg Chem, Ltd. Coating composition for antireflection with resistance and antireflection characteristic and antireflection film prepared by using the same
JP2015114531A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 大日本印刷株式会社 表示装置用前面板およびその製造方法

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