JP2004314599A - バリアフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、極めて高いバリア性を有するとともに、良好な透明性をもつバリアフィルムと、上記のバリアフィルムを用いた積層材、包装用容器、および画像表示媒体とを提供することを主目的とする。
【解決手段】 本発明は、基材フィルムと、上記基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられたバリア層とを少なくとも有するバリアフィルムであって、上記バリア層は少なくとも撥水層と緻密層とを有し、上記撥水層は、原子数比Si:O:Cが100:40〜120:80〜160の範囲内、厚みが2〜300nmの範囲内である酸化炭化珪素膜であり、上記緻密層は、原子数比Si:O:Cが100:100〜200:5〜100の範囲内、厚みが5〜300nmの範囲内である酸化炭化珪素膜であることを特徴とするバリアフィルムを提供することにより上記目的を達成するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、食品や医薬品等の包装材料や電子デバイス等のパッケージ材料、基板材料として用いられるバリア性の極めて高いバリアフィルム、およびこのバリアフィルムを用いた積層材、包装用容器、画像表示媒体に関する。
従来より、酸素ガスおよび水蒸気等に対するバリア性を備え、食品や医薬品等の良好な保存適性を有する包装用材料として、種々のものが開発され提案されており、例えば、プラスチック基材上にポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合体のコーティング層を設けた構成からなるバリアフィルムが提案されている。
しかし、これらのバリアフィルムにおいては、酸素、水蒸気に対するバリア性が十分でなく、特に高温での殺菌処理においてバリア性の著しい低下が生じるという問題があった。さらにポリ塩化ビニリデンのコーティング層を設けたバリアフィルムは、焼却時に有毒なダイオキシンを発生し、環境への悪影響が懸念されている。
そこで、近年、基材フィルムの上に酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた構成からなるバリアフィルムが提案されている。また、エポキシ樹脂やその混合物からなる樹脂層と上記の蒸着膜との積層化(特許文献1)が提案されている。
一方、電子デバイス、例えば、フレキシブルディスプレイのような画像表示装置において、ガラス基材代替であるプラスチックフィルムベースの基材としてバリアフィルムが使用される場合、あるいは、太陽電池モジュールのカバーフィルムとしてバリアフィルムが使用される場合、従来の包装用の用途で要求されるバリア性に比べてより高いバリア性(例えば、酸素透過率が1.0cc/m/day・atm以下、水蒸気透過率が1.0g/m/day以下)がバリアフィルムに要求される。また、ディスプレイ素子作製時の高温度や種々の処理薬剤に耐えるような耐熱性、耐薬品性がバリアフィルムに要求され、さらに、製品となった後も、耐湿熱試験のような過酷な環境下において高いバリア性を維持することが要求される。
従来の酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けたバリアフィルムは、透明性に優れ、環境への影響もほとんどなく、包装用材料等にその需要が大いに期待される。しかし、これらのバリアフィルムのバリア性は、アルミニウム箔を使用した包装用積層材に比べて未だ低いものである。また、無機酸化物の蒸着膜が単層であると、蒸着抜けがあった場合に、バリア性が劣化してしまうという問題があった。
特開平8−164595号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、極めて高いバリア性を有するとともに、良好な透明性をもつバリアフィルムと、上記のバリアフィルムを用いた積層材、包装用容器、および画像表示媒体とを提供することを主目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、基材フィルムと、上記基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられたバリア層とを有するバリアフィルムであって、上記バリア層は撥水層と緻密層とを有し、上記撥水層は、原子数比Si:O:Cが100:40〜120:80〜160の範囲内、厚みが2〜300nmの範囲内である酸化炭化珪素膜であり、上記緻密層は、原子数比Si:O:Cが100:100〜200:5〜100の範囲内、厚みが5〜300nmの範囲内である酸化炭化珪素膜であることを特徴とするバリアフィルムを提供する。
本発明によれば、バリア層を構成する撥水層が高い水蒸気バリア性を発現し、緻密層が高いガスバリア性を発現するので、バリア層全体として極めて高いバリア性が得られるという利点を有する。
また、本発明においては、上記バリア層は、上記撥水層と、上記撥水層上に形成された上記緻密層と、上記緻密層上に形成された上記撥水層とを有する積層構造であってもよい。また、上記バリア層は、上記緻密層と、上記緻密層上に形成された上記撥水層と、上記撥水層上に形成された上記緻密層とを有する積層構造であってもよい。さらに、上記バリア層は、上記撥水層と、上記撥水層上に形成された上記緻密層とを有する積層構造であってもよい。上記バリア層が、撥水層および緻密層が交互に積層された積層構造であることにより、バリア性を向上させることができるからでる。
さらに、本発明においては、上記バリア層は、上記撥水層と、上記撥水層上に形成された上記緻密層と、上記緻密層上に形成された上記撥水層とを有し、かつ、Siに対するOの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて減少し、Siに対するCの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて増加するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であってもよい。また、上記バリア層は、上記緻密層と、上記緻密層上に形成された上記撥水層と、上記撥水層上に形成された上記緻密層とを有し、かつ、Siに対するOの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて増加し、Siに対するCの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて減少するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であってもよい。
また、本発明においては、上記バリア層は、上記撥水層と、上記撥水層上に形成された上記緻密層とを有し、かつ、Siに対するOの原子数比が上記基材フィルム側から外側に向けて増加し、Siに対するCの原子数比が上記基材フィルム側から外側に向けて減少するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であってもよい。また、上記バリア層は、上記緻密層と、上記緻密層上に形成された上記撥水層とを有し、かつ、Siに対するOの原子数比が上記基材フィルム側から外側に向けて減少し、Siに対するCの原子数比が上記基材フィルム側から外側に向けて増加するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であってもよい。
さらに、本発明においては、上記バリア層が2層以上積層されていることが好ましい。バリア層を2層以上積層することにより、1層目のバリア層に欠損部位があっても、2層目のバリア層がその欠損部位を埋めることができ、バリア性を向上させることができるからである。
また、本発明においては、上記バリア層の最表面は、プラズマ処理が施されていることが好ましい。プラズマ処理を施すことにより、例えば樹脂層、ヒートシール性樹脂層等との密着性が向上するからである。
さらに本発明においては、上記バリア層は樹脂層を介して上記基材フィルムに設けられたものであっても、上記バリア層上に樹脂層を備えるものであってもよい。このように樹脂層を設けることにより、さらにバリア性を向上させることができるからである。
また本発明においては、酸素ガス透過率(OTR)が3cc/m/day・atm以下であり、水蒸気透過率(WVTR)が3g/m/day以下であることが好ましい。この程度のバリア性を有するものであれば、各種用途に用いることができるからである。
本発明は、また、上述したバリアフィルムの少なくとも一方の面にヒートシール性樹脂層を設けたことを特徴とする積層材、およびこの積層材を用い、上記ヒートシール性樹脂層を熱融着して製袋または製函したことを特徴とする包装用容器を提供する。
さらに本発明は、上述したバリアフィルムを用いたことを特徴とする画像表示媒体を提供する。
本発明によれば、バリア層を構成する撥水層は、水蒸気が吸着可能なサイトが少なく高い水蒸気バリア性を発現し、また、バリア層を構成する緻密層がその高い密度により優れたガスバリア性を発現するので、バリア層全体が極めて高いバリア性を備えるとともに、透明性が高く、柔軟性や耐侯性にも優れ、かつ、種々の後加工適性に必要な耐熱性、耐薬品性を有するバリアフィルムとすることができる。
以下、本発明のバリアフィルム、およびこれを用いた積層材、包装用容器ならびに画像表示媒体について説明する。
A.バリアフィルム
まず、本発明のバリアフィルムについて説明する。
本発明のバリアフィルムは、基材フィルムと、上記基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられたバリア層とを有するバリアフィルムであって、上記バリア層は撥水層と緻密層とを有し、上記撥水層は、所定の原子数比Si:O:Cおよび所定の厚みを有する酸化炭化珪素膜であり、上記緻密層は、所定の原子数比Si:O:Cおよび所定の厚みを有する酸化炭化珪素膜であることを特徴とするものである。
本発明のバリアフィルムについて図面を参照して説明する。図1は本発明のバリアフィルムの一例を示すものである。図1において、バリアフィルム1は基材フィルム2と、この基材フィルム2の一方の面に形成されたバリア層3とを備えており、上記バリア層3は、緻密層3aと撥水層3bとを有している。
本発明においては、緻密層は、炭素原子が少なく緻密な層となっていることから、酸素等のガスに対する高いバリア性を発現し、一方、撥水層は、炭素原子が多く存在し撥水性を有する層となっていることから、水分に対する高いバリア性を発現するので、バリア層全体として極めて高いバリア性が得られるのである。
以下、このようなバリアフィルムの各構成について説明する。
1.バリア層
本発明に用いられるバリア層は、撥水層と緻密層とを有するものである。また、上記撥水層は、所定の原子数比Si:O:Cおよび所定の厚みを有する酸化炭化珪素膜であり、上記緻密層は、所定の原子数比Si:O:Cおよび所定の厚みを有する酸化炭化珪素膜である。
以下、このようなバリア層の各構成について説明する。
(1)撥水層
本発明に用いられる撥水層は、所定の原子数比Si:O:C、および所定の厚みを有する酸化炭化珪素膜である。本発明に用いられる撥水層は、高い撥水性を有しており、水蒸気の吸着ポイントが極めて少ないため、高い水蒸気バリア性を発現するのである。
上記撥水層の原子数比Si:O:Cとしては、通常100:40〜120:80〜160の範囲内であり、中でも100:60〜120:90〜160の範囲内、特に100:80〜120:100〜160の範囲内であることが好ましい。上記原子数比をこのような範囲内とすることにより、水蒸気の吸着ポイントが極めて少ない層とすることができ、高い水蒸気バリア性を発現することができるからである。また、上記撥水層における原子数比が上記範囲外であると、撥水性が不十分となり、撥水層を設けることによるバリア性向上の効果が得られない可能性があるからである。
なお、本発明においては、上記の原子数比は光電子分光(ESCA)法により測定した値を用いるものである。
また、上記撥水層の厚みとしては、通常2nm〜300nmの範囲内であり、中でも5nm〜100nm、特に5nm〜50nmの範囲内であることが好ましい。撥水層の厚みが薄すぎると、水蒸気バリア性が低下し、撥水層を設けることによるバリア性向上の効果が得られない可能性があるからである。逆に、撥水層の厚みが厚すぎると、バリア性および透明性が低下するとともに、成膜に要する時間が長くなる場合があるからである。
さらに、上記撥水層の撥水性としては、水との接触角が60°〜140°の範囲内、中でも80°〜140°の範囲内、特に90°〜140°の範囲内であることが好ましい。なお、上記水との接触角は、協和界面科学(株)製の接触角測定装置(型番CA−Z)を用いて求めた値である。すなわち、被測定対象物の表面上に、純水を一滴(一定量)滴下させ、一定時間経過後、顕微鏡やCCDカメラを用い水滴形状を観察し、物理的に接触角を求める方法を用い、この方法により測定された水との接触角を本発明における水との接触角とすることとする。
(2)緻密層
次に、本発明に用いられる緻密層について説明する。本発明に用いられる緻密層は、所定の原子数比Si:O:C、および所定の厚みを有する酸化炭化珪素膜である。本発明に用いられる緻密層は、密度が高く緻密であるため、高いガスバリア性を発現するのである。
上記緻密層の原子数比Si:O:Cとしては、100:100〜200:5〜100の範囲内であり、中でも100:120〜200:10〜80の範囲内、特に100:140〜200:10〜60の範囲内であることが好ましい。上記原子数比をこのような範囲内とすることにより、密度が高く緻密であり、酸素等のガスに対するバリア性を高めることができるからである。また、上記緻密層における原子数比が上記範囲外であると、密度が不十分となり、十分な緻密さが得られなく、バリア性が低下する可能性があるからである。
また、上記緻密層の厚みとしては、通常5nm〜300nmの範囲内であり、中でも5nm〜100nm、特に10nm〜50nmの範囲内であることが好ましい。緻密層の厚みが薄すぎると、ガスバリア性が低下する可能性があるからである。逆に、緻密層の厚みが厚すぎると、バリア性および透明性が低下するとともに、成膜に要する時間が長くなる場合があるからである。
さらに、上記緻密層の密度としては、2.0〜3.0g/cmの範囲内、中でも2.5〜3.0g/cmの範囲内、特に2.7〜3.0g/cmの範囲内であることが好ましい。なお、上記密度は、X線反射率測定装置により測定した値とする。
(3)バリア層
本発明に用いられるバリア層は、例えば図1に示すように単層であってもよく、図2に示すように第1のバリア層3および第2のバリア層3´が積層されて構成されているものであってもよい。本発明においては、バリア層が2層以上積層されていることが好ましく、より好ましくは2層〜10層の範囲内、特に2層積層されていることが好ましい。このようにバリア層が複数積層されることにより、例えば第1のバリア層に蒸着抜け等の欠損部位がある場合においても、第2のバリア層がその欠損部位を埋めることができるため、バリア性をより向上させることができるからである。
上記バリア層は極めて高いバリア性を有するものであり、具体的なバリア性としては、酸素透過率が0.5cc/m/day・atm以下であり、水蒸気透過率が0.5g/m/day以下程度である。さらに、バリア層は耐久性にも優れているものである。
このような本発明に用いられるバリア層の膜厚は、5nm〜500nmの範囲内、好ましくは10nm〜200nmの範囲内で適宜設定することができる。バリア層の厚みが上記範囲より薄いと、極めて高いバリア性(酸素透過率が0.5cc/m/day・atm以下であり、水蒸気透過率が0.5g/m/day以下の程度を指す。)を発現できない可能性があるからである。また、バリア層の厚みが上記範囲を超えて厚いと、応力が大きくかかり、基材フィルムがフレキシブルフィルムである場合、バリア層にクラックが生じ易くバリア性が低下するとともに、成膜に要する時間が長くなるという不具合が生じる可能性があるからである。
また、本発明においては、バリア層は基材フィルムの一方の面に形成されていてもよく、基材フィルムの両面に形成されていてもよい。
さらに本発明においては、バリア層の最表面は、プラズマ処理が施されていることが好ましい。プラズマ処理を行うことにより、バリア層の最表面の濡れ性を改善したり、バリア層の最表面を粗面化したりすることができるので、後述する樹脂層、またはアンカーコート剤層、接着剤層、ヒートシール性樹脂層やその他のフィルムとの密着性を向上させることができるからである。また、これらの層を塗布により形成することができるという利点もある。このようなプラズマ処理としては、例えば酸素プラズマ、窒素プラズマ等の反応性ガスを用いた処理、およびアルゴンプラズマ、ヘリウムプラズマ等の不活性ガスを用いた処理などが挙げられる。特に、化学的処理効果を得る場合には、酸素プラズマ、窒素プラズマ等の反応性ガスを用いた処理を行うことが好ましく、一方、物理的処理効果を得る場合には、アルゴンプラズマ、ヘリウムプラズマ等の不活性ガスを用いた処理を行うことが好ましい。また、化学的処理効果および物理的処理効果の両方の効果を得る場合には、上記のプラズマ処理を2種類以上組み合わせた混合プラズマを用いてもよい。ここで、バリア層の最表面とは、基材フィルムが形成されている面と反対の面を意味するものである。
本発明において、バリア層は、上記撥水層と上記緻密層とを有するものであれば特に限定されるものではなく、一つの撥水層および一つの緻密層を有するものであってもよく、複数の撥水層および一つの緻密層を有するものであってもよく、一つの撥水層および複数の緻密層を有するものであってもよく、複数の撥水層および複数の緻密層を有するものであってもよい。
また、上記バリア層中での撥水層および緻密層の形成位置としては、特に限定されるものではなく、例えば撥水層上に緻密層が形成されていてもよく、撥水層上にさらに撥水層が形成されていてもよく、緻密層上にさらに緻密層が形成されていてもよい。さらに、例えば撥水層上に緻密層が形成されている場合、撥水層と緻密層とが直接接していてもよく、撥水層と緻密層とが直接接していなくてもよい。
このように、本発明に用いられるバリア層は、上記撥水層と上記緻密層とを有するものであれば特に限定はされないが、中でも、撥水層と緻密層とが直接接しているか、あるいはバリア層が原子数比Si:O:Cが連続的に変化する酸化炭化珪素膜であることが好ましい。
上記撥水層と緻密層とが直接接している場合、上記バリア層としては、撥水層と緻密層とが直接接しているものであれば特に限定はされないが、中でも、(1)撥水層と緻密層とが積層されているもの、(2)撥水層と緻密層と撥水層とがこの順に積層されているもの、または、(3)緻密層と撥水層と緻密層とがこの順に積層されているものであることが好ましい。
また、上記バリア層が原子数比Si:O:Cが連続的に変化する酸化炭化珪素膜である場合、上記バリア層としては、原子数比Si:O:Cが連続的に変化する酸化炭化珪素膜であれば特に限定はされないが、中でも、(4)撥水層と緻密層とを有し、Siに対するOの原子数比が基材フィルム側から外側に向けて減少し、Siに対するCの原子数比が基材フィルム側から外側に向けて増加するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜、(5)撥水層と緻密層とを有し、Siに対するOの原子数比が基材フィルム側から外側に向けて増加し、Siに対するCの原子数比が基材フィルム側から外側に向けて減少するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜、(6)撥水層と緻密層と撥水層とをこの順に有し、Siに対するOの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて減少し、Siに対するCの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて増加するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜、または、(7)緻密層と撥水層と緻密層とをこの順に有し、Siに対するOの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて増加し、Siに対するCの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて減少するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であることが好ましい。
本発明に用いられるバリア層の好ましい構成としては、上述したように、7つの実施態様に分けることができる。以下、各実施態様について説明する。
(第1実施態様)
本発明に用いられるバリア層の第1実施態様は、撥水層と、上記撥水層上に形成された緻密層と、上記緻密層上に形成された撥水層とを有する積層構造であることを特徴とする。
本実施態様のバリア層について図面を参照して説明する。図3に示すように、バリアフィルム1は基材フィルム2と、この基材フィルム2の一方の面に形成されたバリア層3とを備えており、上記バリア層3は、撥水層3bと、この撥水層3b上に形成された緻密層3aと、この緻密層3a上に形成された撥水層3bとを有し、上記の3つの層が積層された積層構造となっている。
本実施態様においては、バリア層は、両表面に撥水層が設けられており、この撥水層は炭素濃度が高く撥水性を有することから、表面において撥水性を高くすることができ、両表面において、水(水蒸気)に対するバリア性を高めることができる。一方、バリア層の中心部には緻密層が設けられており、この緻密層は炭素濃度が低く、酸素濃度の高い緻密な層であることから、中心部において酸素等のガスに対するバリア性を向上させることができる。
なお、本実施態様における撥水層の原子数比Si:O:Cとしては、特に100:40〜120:80〜160の範囲内であることが好ましい。また、本実施態様における緻密層の原子数比Si:O:Cとしては、特に100:140〜200:5〜60の範囲内であることが好ましい。
(第2実施態様)
次に、本発明に用いられるバリア層の第2実施態様について説明する。本発明に用いられるバリア層の第2実施態様は、緻密層と、上記緻密層上に形成された撥水層と、上記撥水層上に形成された緻密層とを有する積層構造であることを特徴とする。
本実施態様のバリア層について図面を参照して説明する。図4に示すように、バリアフィルム1は基材フィルム2と、この基材フィルム2の一方の面に形成されたバリア層3とを備えており、上記バリア層3は、緻密層3aと、この緻密層3a上に形成された撥水層3bと、この撥水層3b上に形成された緻密層3aとを有し、上記の3つの層が積層された積層構造となっている。
本実施態様においては、バリア層は、両表面に緻密層が設けられており、この緻密層は炭素濃度が低く、酸素濃度の高い緻密な層であることから、両表面において酸素等のガスに対するバリア性を向上させることができる。一方、バリア層の中心部には撥水層が設けられており、この撥水層は炭素濃度が高く撥水性を有することから、中心部において撥水性を高くすることができ、水(水蒸気)に対するバリア性を高めることができる。
(第3実施態様)
次に、本発明に用いられるバリア層の第3実施態様について説明する。本発明に用いられるバリア層の第3実施態様は、撥水層と、上記撥水層上に形成された緻密層とを有する積層構造であることを特徴とする。
本実施態様のバリア層について図面を参照して説明する。図1に示すように、バリアフィルム1は基材フィルム2と、この基材フィルム2の一方の面に形成されたバリア層3とを備えており、上記バリア層3は、緻密層3aと、この緻密層3a上に形成された撥水層3bとを有し、上記の2つの層が積層された積層構造となっている。
本実施態様において、例えば図1に示すようなバリア層は、基材フィルム側に緻密層が設けられており、この緻密層は炭素濃度が低く、酸素濃度の高い緻密な層であることから、基材フィルム側において酸素等のガスに対するバリア性を向上させることができる。一方、バリア層の表面には撥水層が設けられており、この撥水層は炭素濃度が高く撥水性を有することから、表面において撥水性を高くすることができ、水(水蒸気)に対するバリア性を高めることができる。
また、本実施態様に用いられるバリア層は、緻密層と撥水層とが積層された積層構造を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば図1に示すように、基材フィルム2側から緻密層3aと撥水層3bとがこの順に積層されたものであってもよく、図5に示すように、基材フィルム2側から撥水層3bと緻密層3aとがこの順に積層されたものであってもよい。
なお、本実施態様における撥水層の原子数比Si:O:Cとしては、特に100:40〜120:80〜160の範囲内であることが好ましい。また、本実施態様における緻密層の原子数比Si:O:Cとしては、特に100:140〜200:5〜60の範囲内であることが好ましい。
(第4実施態様)
次に、本発明に用いられるバリア層の第4実施態様について説明する。本発明に用いられるバリア層の第4実施態様は、撥水層と、上記撥水層上に形成された緻密層と、上記緻密層上に形成された撥水層とを有し、かつ、Siに対するOの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて減少し、Siに対するCの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて増加するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であることを特徴とする。
本実施態様のバリアフィルムについて図面を参照して説明する。図3に示すように、バリアフィルム1は基材フィルム2と、この基材フィルム2の一方の面に形成されたバリア層3とを備えており、上記バリア層3は、両表面に撥水層3bを有し、中心部に緻密層3aを有している。
本実施態様においては、バリア層は、両表面に撥水層が設けられており、この撥水層は炭素濃度が高く撥水性を有することから、表面において撥水性を高くすることができ、両表面における水(水蒸気)に対するバリア性を高めることができる。一方、バリア層の中心部には緻密層が設けられており、この緻密層は炭素濃度が低く、酸素濃度の高い緻密な層であることから、中心部において酸素等のガスに対するバリア性を向上させることができる。
上記バリア層を構成する撥水層および緻密層は、上述したように、所定の原子数比Si:O:Cを有する酸化炭化珪素膜であるが、本実施態様においては、バリア層自体が原子数比Si:O:Cが所定の値となるように連続的に変化する酸化炭化珪素膜となっている。
具体的に本実施態様におけるバリア層としては、膜厚全体を100とした場合の外表面から15の範囲の領域における原子数比Si:O:Cが、100:40〜120:80〜160の範囲内であることが好ましく、中でも100:60〜120:90〜160の範囲内、特に100:80〜120:100〜160の範囲内であることが好ましい。さらには100:100〜110:100〜110の範囲内であることが好ましい。上記原子数比をこのような範囲内とすることにより、水蒸気の吸着ポイントが極めて少ない領域とすることができ、高い水蒸気バリア性を発現することができるからである。また、上記の領域における原子数比が上記範囲外であると、撥水性が不十分となる可能性があるからである。
また、上記バリア層は、膜厚全体を100とした場合の中心部の20の範囲の領域(中心から両表面側にそれぞれ10とした領域)における原子数比Si:O:Cが、100:100〜200:5〜100の範囲内であることが好ましく、中でも100:120〜200:10〜80の範囲内、特に100:140〜200:10〜60の範囲内であることが好ましい。上記原子数比をこのような範囲内とすることにより、密度が高く緻密であり、酸素等のガスに対するバリア性を高めることができるからである。また、上記の領域における原子数比が上記範囲外であると、密度が不十分となり、十分な緻密さが得られなく、バリア性が低下するおそれがあるからである。
なお、本実施態様におけるバリア層は、膜厚全体を100とした場合の中心部の20の範囲の領域(中心から両表面側にそれぞれ10とした領域)における原子数比Si:O:Cが、100:100〜150:50〜100の範囲内、さらには100:130〜150:70〜80の範囲内であってもよい。
本実施態様に用いられるバリア層を構成する撥水層および緻密層は、例えば図3に示すように、撥水層3b上に緻密層3aが直接形成されていてもよく、図示しないが、撥水層の直上に緻密層が形成されていなくてもよい。本実施態様におけるバリア層は、原子数比Si:O:Cが所定の値となるように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であるので、上記撥水層の直上に緻密層が形成されていない場合、撥水層および緻密層の間には、原子数比Si:O:Cが所定の値となるように連続的に変化する酸化炭化珪素膜が形成されていればよい。上記緻密層と、この緻密層上に形成される撥水層との位置関係についても、上記と同様である。
(第5実施態様)
次に、本発明に用いられるバリア層の第5実施態様について説明する。本発明に用いられるバリア層の第5実施態様は、緻密層と、上記緻密層上に形成された撥水層と、上記撥水層上に形成された緻密層とを有し、かつ、Siに対するOの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて増加し、Siに対するCの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて減少するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であることを特徴とする。
本実施態様のバリアフィルムについて図面を参照して説明する。図4に示すように、バリアフィルム1は基材フィルム2と、この基材フィルム2の一方の面に形成されたバリア層3とを備えており、上記バリア層3は、両表面に緻密層3aを有し、中心部に撥水層3bを有している。
本実施態様においては、バリア層は、両表面に緻密層が設けられており、この緻密層は炭素濃度が低く、酸素濃度の高い緻密な層であることから、両表面において酸素等のガスに対するバリア性を向上させることができる。一方、バリア層の中心部には撥水層が設けられており、この撥水層は炭素濃度が高く撥水性を有することから、中心部において撥水性を高くすることができ、水(水蒸気)に対するバリア性を高めることができる。
上記バリア層を構成する撥水層および緻密層は、上述したように、所定の原子数比Si:O:Cを有する酸化炭化珪素膜であるが、本実施態様においては、バリア層自体が原子数比Si:O:Cが所定の値となるように連続的に変化する酸化炭化珪素膜となっている。
具体的に本実施態様に用いられるバリア層は、膜厚全体を100とした場合の外表面から15の範囲の領域における原子数比Si:O:Cが、100:100〜200:5〜100の範囲内であることが好ましく、中でも100:120〜200:10〜80の範囲内、特に100:140〜200:10〜60の範囲内であることが好ましい。上記原子数比をこのような範囲内とすることにより、密度が高く緻密であり、酸素等のガスに対するバリア性を高めることができるからである。また、上記の領域における原子数比が上記範囲外であると、密度が不十分となり、十分な緻密さが得られなく、バリア性が低下するおそれがあるからである。
また、上記バリア層は、膜厚全体を100とした場合の中心部の20の範囲の領域(中心から両表面側にそれぞれ10とした領域)における原子数比Si:O:Cが、100:40〜120:80〜160の範囲内であることが好ましく、中でも100:60〜120:90〜160の範囲内、特に100:80〜120:100〜160の範囲内であることが好ましい。上記原子数比をこのような範囲内とすることにより、水蒸気の吸着ポイントが極めて少ない領域とすることができ、高い水蒸気バリア性を発現することができるからである。また、上記の領域における原子数比が上記範囲外であると、撥水性が不十分となる可能性があるからである。
なお、撥水層と緻密層との位置関係については、上記第4実施態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
(第6実施態様)
次に、本発明に用いられるバリア層の第6実施態様について説明する。本発明に用いられるバリア層の第6実施態様は、撥水層と、上記撥水層上に形成された上記緻密層とを有し、かつ、Siに対するOの原子数比が上記基材フィルム側から外側に向けて増加し、Siに対するCの原子数比が上記基材フィルム側から外側に向けて減少するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であることを特徴とする。
本実施態様のバリアフィルムについて図面を参照して説明する。図5に示すように、バリアフィルム1は基材フィルム2と、この基材フィルム2の一方の面に形成されたバリア層3とを備えており、上記バリア層3は、表面側に緻密層3aを有し、基材フィルム2側に撥水層3bを有している。
本実施態様においては、バリア層は、表面側に緻密層が設けられており、この緻密層は炭素濃度が低く、酸素濃度の高い緻密な層であることから、表面側において酸素等のガスに対するバリア性を向上させることができる。一方、バリア層の基材フィルム側には撥水層が設けられており、この撥水層は炭素濃度が高く撥水性を有することから、基材フィルム側において撥水性を高くすることができ、水(水蒸気)に対するバリア性を高めることができる。
なお、撥水層と緻密層との位置関係については、上記第4実施態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
(第7実施態様)
次に、本発明に用いられるバリア層の第7実施態様について説明する。本発明に用いられるバリア層の第6実施態様は、緻密層と、上記緻密層上に形成された撥水層とを有し、かつ、Siに対するOの原子数比が上記基材フィルム側から外側に向けて減少し、Siに対するCの原子数比が上記基材フィルム側から外側に向けて増加するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であることを特徴とする。
本実施態様のバリアフィルムについて図面を参照して説明する。図1に示すように、バリアフィルム1は基材フィルム2と、この基材フィルム2の一方の面に形成されたバリア層3とを備えており、上記バリア層3は、表面側に撥水層3bを有し、基材フィルム2側に緻密層3aを有している。
本実施態様においては、バリア層は、表面側に撥水層が設けられており、この撥水層は炭素濃度が高く撥水性を有することから、表面側において撥水性を高くすることができ、水(水蒸気)に対するバリア性を高めることができる。一方、バリア層の基材フィルム側には緻密層が設けられており、この緻密層は炭素濃度が低く、酸素濃度の高い緻密な層であることから、基材フィルム側において酸素等のガスに対するバリア性を向上させることができる。
なお、撥水層と緻密層との位置関係については、上記第4実施態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
2.基材フィルム
次に、本発明に用いられる基材フィルムについて説明する。本発明に用いられる基材フィルムは、上記バリア層、あるいは上記バリア層と後述する樹脂層等とを保持し得るフィルムであり、後加工適性を有するものであれば、特に制限はなく、バリアフィルムの使用目的などから適宜選択することができる。
具体的には、基材フィルムとしてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂;環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物;ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリビニルブチラート樹脂;ポリアリレート樹脂;エチレン−四フッ化エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオロ−パーフロロプロピレン−パーフロロビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;アセタール系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン2,6−ナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂;ナイロン(商品名)6、ナイロン(商品名)12、共重合ナイロン(商品名)等のポリアミド系樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリサルホン樹脂;ポリエーテルサルホン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の延伸(一軸ないし二軸)または未延伸の透明樹脂フィルムを用いることができる。
上記基材フィルムの厚さとしては5μm〜500μm、好ましくは10μm〜200μmの範囲内で適宜設定することができる。
3.樹脂層
本発明のバリアフィルムは、樹脂層を有していてもよい。例えば図6に示すように、樹脂層4は基材フィルム2とバリア層3との間に形成されていてもよく、例えば図7に示すように、樹脂層4はバリア層3上に形成されていてもよい。前者の樹脂層は、基材フィルムとバリア層との密着性を向上させ、かつ、バリア性も向上させるためのものである。また、後者の樹脂層は、保護膜として機能して耐熱性、耐薬品性、耐候性をバリアフィルムに付与するとともに、バリア層に欠損部位があっても、それを埋めることによりバリア性を向上させるためのものである。
また、図6において、樹脂層4は基材フィルム1の一方の面に形成されているが、基材フィルムの両面に樹脂層とバリア層とをこの順に積層するものであってもよい。さらに、樹脂層とバリア層との積層を2回以上繰り返して形成してもよい。
さらに、図7において、樹脂層4は基材フィルム1の一方の面に形成されているが、この場合も同様に、基材フィルムの両面にバリア層と樹脂層とをこの順に積層するものでもよい。また、バリア層と樹脂層との積層を2回以上繰り返して形成してもよい。
このような樹脂層としては、ポリアミック酸、ポリエチレン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ尿素樹脂、ポリアゾメチン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等の市販樹脂材料、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類との重合体である高分子量エポキシ重合体を含有する硬化性エポキシ樹脂、および上述の基材フィルムに使用する樹脂材料、後述の積層材に使用するアンカーコート剤、接着剤、ヒートシール性樹脂材料等の1種、または、2種以上の組み合わせにより形成することができる。上記の中でも、ウレタンアクリレート系樹脂材料を用いることが好ましい。このウレタンアクリレート系樹脂材料は、プラズマ(エッチング)耐性を有し、かつ、密着性に優れているからである。
上記樹脂層の厚みは、使用する材料により適宜設定することが好ましいが、例えば、5nm〜5×10nm程度の範囲で設定することができる。
また、本発明においては、樹脂層に平均粒径が0.8〜5μmの範囲内にある非繊維状の無機充填材を含有させることができる。使用する非繊維状の無機充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、アルミナ、マグネシア、シリカ、二酸化チタン、クレイ等が好ましく使用できる。このような無機充填材は、樹脂層の10〜60重量%、好ましくは25〜45重量%の範囲で含有させることができる。
4.バリアフィルム
本発明のバリアフィルムは、酸素ガス透過率(OTR)は、3cc/m/day・atm以下であることが好ましく、特に1cc/m/day・atm以下であることが好ましい。一方、水蒸気透過率(WVTR)は、3g/m/day以下であることが好ましく、特に1g/m/day以下であることが好ましい。
5.バリアフィルムの製造方法
次に、本発明のバリアフィルムの製造方法について説明する。本発明のバリアフィルムは、基材フィルム上に、バリア層を化学気相蒸着法(CVD法)により成膜して製造することができる。本発明においては、上記バリア層の構成によりバリアフィルムの製造方法が異なるものとなり、上記バリア層が撥水層と緻密層とを有し、撥水層と緻密層とが直接接している場合(第1の態様)、または、上記バリア層が撥水層と緻密層とを有し、原子数比Si:O:Cが連続的に変化する酸化炭化珪素膜である場合(第2の態様)に分けることができる。以下、各態様について説明する。
(1)第1の態様
本発明のバリアフィルムの製造方法の第1の態様は、上記バリア層が撥水層と緻密層とを有し、撥水層と緻密層とが直接接している場合に用いられる方法である。本態様においては、撥水層および緻密層を個別に形成することにより、撥水層と緻密層とが直接接するようにバリア層を形成することができる。
以下、撥水層の形成方法および緻密層の形成方法について説明する。
(撥水層の形成方法)
本態様においては、分子内に炭素−珪素結合をもつ有機珪素化合物を用いて、CVD法により酸化炭化珪素膜である撥水層を形成することができる。このような有機珪素化合物のガスを用いることにより、上述したような原子数比Si:O:Cを有する酸化炭化珪素膜である撥水層を形成することができるのである。
本態様においては、撥水層はCVD法により形成されるものであり、特にプラズマCVD法により形成されることが好ましい。
また、本態様に用いられる分子内に炭素−珪素結合をもつ有機珪素化合物としては、分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物であることが好ましい。このような有機珪素化合物は、安定性が高く取扱い性が良いからである。上記の分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物としては、例えばヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、テトラメチルシラン(TMS)等を挙げることができ、中でもヘキサメチルジシロキサンが最も好適に用いられる。
また、上記撥水層の形成の際には、上述した有機珪素化合物のガスを用いると共に、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素ガス等の存在下で成膜が行われる。
(緻密層の形成方法)
本態様においては、分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物を用いて、CVD法により酸化炭化珪素膜である緻密層を形成することができる。このような有機珪素化合物のガスを用いることにより、上述したような原子数比Si:O:Cを有する酸化炭化珪素膜である緻密層を形成することができるのである。
本態様においては、緻密層はCVD法により形成されるものであり、特にプラズマCVD法により形成されることが好ましい。
上記分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物としては、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチエルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、トリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン等が挙げられる。中でも、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン(TMOS)、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、エチルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン等を用いることが好ましく、テトラメトキシシラン(TMOS)が最も好適に用いられる。
また、上記緻密層の形成の際には、上述した有機珪素化合物のガスを用いると共に、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素ガス等の存在下で成膜が行われる。
(バリアフィルムの製造方法)
図8は、本態様に用いられるプラズマCVD装置の一例を示す構造図である。図8において、プラズマCVD装置101は、チャンバー102と、このチャンバー102内に配設された下部電極103、上部電極104と、下部電極103に接続されたプラズマ発生装置105と、チャンバー102に排気弁106を介して接続された油回転ポンプ、ターボ分子ポンプ等の排気装置107と、原料ガスをチャンバー102に導入するためのガス導入口108とを備えている。上記のガス導入口108は、原料ガス供給源109a、109b、109cに接続されているとともに、モノマー流量計110、気化器111を介して有機珪素化合物供給源109d、109eに接続されている。
次に、このようなプラズマCVD装置を使用したバリアフィルムの製造方法について説明する。ここでは、撥水層と緻密層と撥水層とが積層されたバリア層を形成する場合を例とする。
下部電極103上に基材フィルム2を被成膜面を上側として装着した後、チャンバー102内を排気装置107により所定の真空度まで減圧し、下部電極103に所定の周波数を有する電力を投入する。そして、原料ガス供給源109a、109b、109cから供給される原料ガス、および、有機珪素化合物供給源109d、109eからモノマー流量計110、気化器111を介して供給される原料ガスをガス導入口108からチャンバー102内に導入し、排気装置107とチャンバー102との間にある排気弁106の開閉度を制御することにより、チャンバー102内を所定の圧力に維持する。これにより、導入された原料ガスが下部電極103と上部電極104との間でプラズマ化され、基材フィルム2に付着してバリア層が成膜される。
このようなバリア層の成膜では、まず、有機珪素化合物供給源109dからモノマー流量計110、気化器111を介して供給される原料ガスとして、分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物を主原料とするガスを使用して、基材フィルム2上に撥水層を成膜する。ここで、主原料とは、含有率が50体積%以上であることを意味するものである。
次に、有機珪素化合物供給源109eからモノマー流量計110、気化器111を介して供給される原料ガスとして、分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物を主原料とするガスを使用して、上記撥水層上に緻密層を成膜する。
さらに、分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物を主原料とするガスを使用し、かつ、上述した撥水層および緻密層の成膜時の電極投入許容電力よりも高い電力を下部電極103に投入して、上記緻密層上に撥水層を成膜する。分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物は、酸素−珪素結合において分解され易いが、分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物に比べて成膜性が悪いものであり、上記分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物の分解物がプラズマ雰囲気中に存在することによりプラズマ放電圧が低下する。したがって、最表面の撥水層の成膜時には、下部電極に投入する電力を高くすることができる。一方、分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物は、分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物に比べて分解性が悪いものであるが、上記のような高い投入電力によりプラズマ化が促進され、緻密で撥水性の高い撥水層の成膜が可能となる。また、上記分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物の分解物がプラズマ雰囲気中に存在することによりプラズマ放電圧が低下することで、黄色味の指標であるYi値(Yellowness index)を1以下とすることができ、透明度が増加するといった利点をも有する。
なお、図8に示されるプラズマCVD装置はシート形状の基材フィルムに成膜する方式であるが、巻き取り式のプラズマCVD装置を使用してもよい。
図9は、本発明に用いられるプラズマCVD装置の他の例を示す構成図である。図9において、プラズマCVD装置121は第1成膜ゾーン122A、第2成膜ゾーン122B、第3成膜ゾーン122Cの連続した3個の成膜ゾーンをもつチャンバー122と、このチャンバー122内を第1成膜ゾーン122Aから第3成膜ゾーン122Cに向けて基材フィルム2を搬送するための送出ローラー123a、巻き取りローラー123b、ガイドローラー123cからなる搬送系123とを備えている。各成膜ゾーン122A、122B、122Cには、下部電極124A、124B、124Cと、上部電極を兼ねたコーティングドラム125A、125B、125Cとが設置され、各下部電極とコーティングドラム(上部電極)とは電源126A、126B、126Cに接続されている。また、チャンバー122には排気弁127を介して接続された油回転ポンプ、ターボ分子ポンプ等の排気装置128が設置され、さらに、各成膜ゾーン122A、122B、122Cには、排気弁127を介して接続された排気装置128と、原料ガスを各成膜ゾーン内に導入するためのガス導入口129がそれぞれ設置されている。上記の各ガス導入口129は、原料ガス供給源130a、130b、130cに接続されているとともに、モノマー流量計132、気化器133を介して有機珪素化合物供給源131a、131bに接続されている。
次に、このようなプラズマCVD装置を使用したバリアフィルムの製造方法について説明する。ここでは、撥水層と緻密層と撥水層とが積層されたバリア層を形成する場合を例とする。
まず、被成膜面がコーティングドラム125A、125B、125Cの外側となるように基材フィルム2をプラズマCVD装置121内の搬送系123に装着する。次いで、チャンバー122内を各排気装置128により所定の真空度まで減圧し、3個の成膜ゾーン122A、122B、122Cの各下部電極124A、124B、124Cとコーティングドラム(上部電極)125A、125B、125Cとに所定の周波数を有する電力を電源126A、126B、126Cにより投入する。そして、原料ガス供給源130a、130b、130cから供給される原料ガス(例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス、酸素ガス)および、有機珪素化合物供給源131a、131bからモノマー流量計132、気化器133を介して供給される原料ガス(有機珪素化合物)を、各成膜ゾーン毎にガス導入口129から導入し、排気装置128と各成膜ゾーン122A、122B、122Cとの間にある排気弁127の開閉度を制御することにより、各成膜ゾーン122A、122B、122C内を所定の圧力に維持する。これにより、3個の成膜ゾーン122A、122B、122Cにおいて、導入された原料ガスが下部電極124A、124B、124Cとコーティングドラム(上部電極)125A、125B、125Cとの間でプラズマ化される。そして、搬送されている基材フィルム2上に第1成膜ゾーン122Aにて撥水層が成膜され、第2成膜ゾーン122Bにて緻密層が成膜され、第3成膜ゾーン122Cにて撥水層が成膜される。
このようなバリア層の成膜では、第2成膜ゾーン122Bにおいて、分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物を主原料としたガスを使用し、第1成膜ゾーン122Aおよび第3成膜ゾーン122Cにおいて、分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物を主原料としたガスを使用する。そして、第3成膜ゾーン122Cでは、第1成膜ゾーン122Aから第3成膜ゾーン122Cまでの全ての成膜ゾーンにて分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物を主原料としたガスのみを使用して同一の被成膜体(基材フィルム)に対して成膜するときの第3成膜ゾーン122Cにおける電極投入許容電力よりも高い電力を、電源126Cにより下部電極124Cおよびコーティングドラム(上部電極)125C間に投入する。この第3成膜ゾーン122Cにおける高い投入電力により、第3成膜ゾーン122Cにおける分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物のプラズマ化が促進され、緻密で撥水性の高い撥水層の成膜が可能となる。
本態様のバリアフィルムの製造方法は、バリア層が撥水層と緻密層とを有し、撥水層と緻密層とが直接接している場合に用いられる方法である。上述した図8および図9に示すようなプラズマCVD装置においては、バリア層が撥水層と緻密層と撥水層とがこの順に積層されたものである場合について説明したが、例えばバリア層が、緻密層と撥水層と緻密層とが積層されたものである場合、上述したプラズマCVD装置において、撥水層を成膜するために用いられる分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物を主原料とするガス、または、緻密層を成膜するために用いられる分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物を主原料とするガスを使用する順序を変えることより、基材フィルム上に、緻密層、撥水層および緻密層の順に成膜することができる。このように本態様においては、上記の2種類の有機珪素化合物を主原料とするガスの使用順序を変えることにより、基材フィルム上に例えば緻密層および撥水層の順に成膜したり、撥水層および緻密層の順に成膜したりすることができる。
また、本態様においては、バリア層を2層以上積層して形成してもよい。この場合、上述した工程を2回以上繰り返して行ってもよく、また複数の成膜ゾーンをもつチャンバーを有するプラズマCVD装置を用いてもよい。
本態様のバリアフィルムの製造方法は、上述した「1.バリア層」の第1実施態様から第3実施態様の欄で説明したバリア層を形成するのに好適に用いることができる。
(2)第2の態様
次に、本発明のバリアフィルムの製造方法の第2の態様について説明する。本発明のバリアフィルムの製造方法の第2の態様は、上記バリア層が撥水層と緻密層とを有し、原子数比Si:O:Cが連続的に変化する酸化炭化珪素膜である場合である。本態様においては、分子内に炭素−珪素結合をもつ有機珪素化合物と、分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物とを投入し、CVD法を用いて、上述したような構成の酸化炭化珪素膜を、基材フィルム上に成膜することにより形成することができる。
本態様においては、バリア層はCVD法により形成されるものであり、特にプラズマCVD法により形成されることが好ましい。
なお、分子内に炭素−珪素結合をもつ有機珪素化合物、および、分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物については、上記第1の態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本態様において、上述した2種類のガスを用いて、原子数比Si:O:Cが所定の値となるように連続的に変化する酸化炭化珪素膜を形成する際、Siに対するOおよびCの原子数比を連続的に変化させる方法としては、バリア層の形成方法により適宜選択されるものである。例えばバッチ式で形成する場合は、上述した2種類のガスのモル比を変化させる方法を用いることができる。また、連続式で形成する場合は、上述した2種類の有機珪素化合物のガス導入口の位置を変化させる方法や、成膜する位置を変化させる方法を用いることができる。
ここで、上述した2種類のガスのモル比を変化させることにより、原子数比Si:O:Cが所定の値となるように連続的に変化する酸化炭化珪素膜を形成する方法について説明する。例えば、緻密層と撥水層とを有し、Siに対するOの原子数比が基材フィルム側から外側に向けて減少し、Siに対するCの原子数比が基材フィルム側から外側に向けて増加する酸化炭化珪素膜であるバリア層を成膜する場合、まず、分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物を主原料とするガスを導入して成膜し、さらに分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物を主原料とするガスを導入しながら成膜することにより、上述したような構成のバリア層を成膜することができる。このように、分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物を主原料とするガスに対する、分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物を主原料とするガスのモル比が徐々に大きくなるようにモル比を変化させることにより、上述したような構成のバリア層を成膜することができるのである。
また、上記バリア層が撥水層と緻密層とを有し、Siに対するOの原子数比が基材フィルム側から外側に向けて増加し、Siに対するCの原子数比が基材フィルム側から外側に向けて減少する酸化炭化珪素膜である場合は、分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物を主原料とするガスに対する、分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物を主原料とするガスのモル比が徐々に大きくなるようにモル比を変化させることにより、上述したような構成のバリア層を成膜することができる。
さらに、例えば撥水層と緻密層と撥水層とをこの順に有し、Siに対するOの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて減少し、Siに対するCの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて増加する酸化炭化珪素膜であるバリア層を成膜する場合、分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物を主原料とするガスに対する、分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物を主原料とするガスのモル比が徐々に大きくなった後、徐々に小さくなるようにモル比を変化させることにより、上述したような構成のバリア層を成膜することができる。
また、上記バリア層が緻密層と撥水層と緻密層とをこの順に有し、Siに対するOの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて増加し、Siに対するCの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて減少する酸化炭化珪素膜である場合は、分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物を主原料とするガスに対する、分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物を主原料とするガスのモル比が徐々に大きくなった後、徐々に小さくなるようにモル比を変化させることにより、上述したような構成のバリア層を成膜することができる。
本態様においては、特に上記バリア層が撥水層と緻密層と撥水層とをこの順に有し、Siに対するOの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて減少し、Siに対するCの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて増加する酸化炭化珪素膜である場合、上述した2種類のガスを同時に投入することが好ましく、これにより、例えば撥水層と緻密層とを別個に設けるために必要とされる複数種類のチャンバーまたは成膜ゾーンが不要となり、効率的にバリアフィルムを製造することが可能となる。また、上述した2種類のガスを同時に投入することで、黄色味の指標であるYi値(Yellowness index)を1以下とすることができ、透明度が増加するといった利点をも有するものである。
この際、上述した2種類のガスのモル比としては、上記分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物を1とした場合に、上記分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物のモル数が、0.01〜5の範囲内とすることが好ましく、特に0.5〜1の範囲内とすることが好ましい。上記範囲内とすることにより、高いガスバリア性、水蒸気バリア性を有するバリア層とすることができるからである。
上述したようなバリア層の形成の際には、上述した2種類の有機珪素化合物のガスを一時に用いる共に、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の存在下で成膜が行われる。
次に、本態様に用いられるプラズマCVD装置を使用したバリアフィルムの製造方法について説明する。ここでは、撥水層と緻密層と撥水層とをこの順に有し、Siに対するOの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて減少し、Siに対するCの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて増加する酸化炭化珪素膜であるバリア層を形成する場合を例とする。
本態様においては、上記第1の態様に記載した、図8に示すようなプラズマCVD装置を用いることができる。このとき、バリア層の成膜では、有機珪素化合物供給源109d、109eからモノマー流量計110、気化器111を介して供給される原料ガスとして、分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物を主原料とするガス、および、分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物を主原料とするガスを同時に使用して、基材フィルム2上に撥水層および緻密層を有するバリア層を成膜する。
図10は、本態様に用いられるプラズマCVD装置の他の例を示す構成図である。図10において、プラズマCVD装置は成膜ゾーンをもつチャンバー300と、このチャンバー300内で基材フィルム200を搬送するための送出ローラー201、巻き取りローラー202、ガイドローラーからなる搬送系とを備えている。成膜ゾーンでは、下部電極203と、上部電極を兼ねたコーティングドラム(上部電極)204とが電源に接続されている。また、チャンバー300には排気弁205´を介して接続された接続された油回転ポンプ、ターボ分子ポンプ等の排気装置206´が設置され、さらに成膜ゾーンには、排気弁205を介して接続された接続された油回転ポンプ、ターボ分子ポンプ等の排気装置206と、原料ガスを成膜ゾーン内に導入するためのガス導入口207a、207b、207cとが設置されている。上記のガス導入口207a、207b、207cは、原料ガス供給源208a、208b、208cに接続されているとともに、モノマー流量計、気化器を介して有機珪素化合物供給源209a、209bに接続されている。
次に、このようなプラズマCVD装置を使用したバリアフィルムの製造方法について説明する。
まず、被成膜面がコーティングドラム204の外側となるように基材フィルム200をプラズマCVD装置の搬送系に装着する。次いで、チャンバー300内を排気装置206´により所定の真空度まで減圧し、成膜ゾーンの下部電極203とコーティングドラム(上部電極)204とに所定の周波数を有する電力を電源により投入する。そして、原料ガス供給源208a、208b、208cから供給される原料ガス(例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス、酸素ガス)および、有機珪素化合物供給源209a、209bからモノマー流量計、気化器を介して供給される原料ガス(有機珪素化合物)を、ガス導入口207a、207b、207cから導入し、排気装置206と成膜ゾーンとの間にある排気弁205の開閉度を制御することにより、成膜ゾーン内を所定の圧力に維持する。これにより、成膜ゾーンにおいて導入された原料ガスが下部電極203とコーティングドラム(上部電極)204との間でプラズマ化される。そして、搬送されている基材フィルム200上にバリア層が成膜される。
このようなバリア層の成膜では、分子内に酸素−珪素結合をもつアルコキシドを含有する有機珪素化合物を主原料としたガス、および分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物を主原料としたガスを同時に使用して、同一の被成膜体(基材フィルム)に対して成膜するときの、成膜ゾーンにおける電極投入許容電力よりも高い電力を電源により下部電極およびコーティングドラム(上部電極)間に投入する。この成膜ゾーンにおける高い投入電力により、成膜ゾーンにおける分子内に炭素−珪素結合をもち、Cを4個以上含有する有機珪素化合物のプラズマ化が促進され、緻密で撥水性の高い撥水層の成膜が可能となる。
また、本態様においては、バリア層を2層以上積層して形成してもよい。この場合、上述した工程を2回以上繰り返して行ってもよく、また複数の成膜ゾーンをもつチャンバーを有するプラズマCVD装置を用いてもよい。
本態様のバリアフィルムの製造方法は、上述した「1.バリア層」の第4実施態様から第7実施態様の欄で説明したバリア層を形成するのに好適に用いることができる。
(3)その他
本発明においては、基材フィルムとバリア層との間に樹脂層を形成してもよく、バリア層上に樹脂層を形成してもよい。
このような樹脂層の形成は、一般的な方法を用いることができ、例えば真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着法、CVD法等によるドライ形成法、あるいは、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレイコート等のコーティング法でコーティングし、その後、溶剤や希釈剤等を乾燥除去して形成するウェット形成法により行うことができ、使用する材料等により形成方法は適宜選択することができる。また、樹脂層の形成をCVD法により行うことにより、バリア層の形成と樹脂層の形成とを同一の成膜装置内でインラインで行うこともできる。
B.積層材
次に、本発明の積層材について説明する。
本発明の積層材は、上述したバリアフィルムの少なくとも一方の面にヒートシール性樹脂層を設けたことを特徴とするものである。
図11は、上述したバリアフィルム1を用いた本発明の積層材の一例を示すものである。図11において積層材31は、基材フィルム2の一方の面に形成されたバリア層3上にアンカーコート剤層および/または接着剤層32を介して形成したヒートシール性樹脂層33を備えている。
上記積層材31を構成するアンカーコート剤層32は、例えば、アルキルチタネート等の有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブタジエン系アンカーコート剤等を使用して形成することができる。上記アンカーコート剤層の形成は、上記のようなアンカーコート剤を、例えば、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレイコート等の一般的なコーティング法でコーティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥除去して行うことができる。上記のアンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
また、上記積層材31を構成する接着剤層32は、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、エポキシ系、ポリアクリル系、ポリ酢酸ビニル系、ポリオレフィン系、カゼイン、ワックス、エチレンーアクリル酸共重合体、ポリブタジエン系等のビヒクルを主成分とする溶剤型、水性型、無溶剤型、あるいは、熱溶融型等の各種のラミネート用接着剤を使用して形成することができる。上記接着剤層の形成は、上記のようなラミネート用接着剤を、例えば、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレイコート、その他のコーティング法でコーティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥除去して行うことができる。上記のラミネート用接着剤の塗布量としては、0.1〜5g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
さらに、上記積層材31を構成するヒートシール性樹脂層33に用いるヒートシール性樹脂としては、熱によって溶融し相互に融着し得る樹脂を挙げることができる。具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレン、またはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等を使用することができる。
上記ヒートシール性樹脂層は、上述のようなヒートシール性樹脂を塗布して形成してもよく、また、上述のようなヒートシール性樹脂からなるフィルムあるいはシートをラミネートして形成してもよい。このようなヒートシール性樹脂層の厚みは5〜300μm、好ましくは10〜100μmの範囲内で設定することができる。
図12は、上述したバリアフィルム1を用いた本発明の積層材の他の例を示すものである。図12において積層材41は、基材フィルム2の一方の面に樹脂層4を介してバリア層3を備えるバリアフィルム1と、このバリアフィルム1のバリア層3上にアンカーコート剤層および/または接着剤層32を介して形成したヒートシール性樹脂層33と、バリアフィルム1の基材フィルム2の他方の面(樹脂層非形成面)に設けられた基材34とを備えている。
上記積層材41を構成するアンカーコート剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層は、上述した積層材31を構成するアンカーコート剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。
また、上記積層材41を構成する基材34としては、例えば積層材41が包装用容器を構成する場合、基材34が基本基材となることから、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に、強度を有して強靭であり、かつ耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。具体的には、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂等の強靭な樹脂の延伸(一軸ないし二軸)または未延伸のフィルムないしシートを挙げることができる。この基材34の厚みは、5〜100μm、好ましくは10〜50μm程度が望ましい。
また本発明においては、基材34に、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷が施されていてもよい。このような文字等は、積層材41を構成するバリアフィルム1を介して視認することができる。
図13は、上述したバリアフィルム1を用いた本発明の積層材の他の例を示すものである。図13において積層材51は、基材フィルム2の一方の面にバリア層3および樹脂層4をこの順に積層して備えたバリアフィルム1と、このバリアフィルム1の樹脂層4上にアンカーコート剤層および/または接着剤層32を介して形成したヒートシール性樹脂層33と、バリアフィルム1の基材フィルム2の他方の面(バリア層3非形成面)に設けられた基材34と、この基材34上に形成したヒートシール性樹脂層35とを備えている。
積層材51を構成するアンカーコート剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層は、上述した積層材31を構成するアンカーコート剤層、接着剤層およびヒートシール性樹脂層と同様とすることができ、また、積層材51を構成する基材は、上述した積層材41を構成する基材と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明の積層材には、例えば、水蒸気、水等のバリア性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体、等の樹脂フィルムないしシート、あるいは、酸素、水蒸気等に対するバリア性を有するポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などの樹脂フィルムないしシート、樹脂に顔料等の着色剤、その他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂フィルムないしシート等を使用することができる。
これらの材料は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができ、厚みは任意であるが、通常、5〜300μm、好ましくは10〜200μm程度である。
C.包装用容器
次に、本発明の包装用容器について説明する。
本発明の包装用容器は、上述した積層材を用いて、ヒートシール性樹脂層を熱融着して製袋または製函したことを特徴とするものである。
具体的には、包装用容器が軟包装袋の場合、上述した積層材のヒートシール性樹脂層の面を対向させて折り重ねるか、あるいは、上述した積層材二枚を重ね合わせ、その周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型、その他等のヒートシール形態により熱融着してシール部を形成することにより、本発明に係る種々の形態の包装用容器を製造することができる。
D.画像表示媒体
次に、本発明の画像表示媒体について説明する。
本発明の画像表示媒体は、上述したバリアフィルムを用いたことを特徴とするものである。
本発明によれば、バリア性の高いバリアフィルムを用いることにより、経時でも酸素や水蒸気等の影響を受けることがなく、良好な画像表示を得ることができる高品質な画像表示媒体とすることができる。
本発明の画像表示媒体としては、液晶表示装置のようなバックライトの明るさをシャッターすることにより階調をつけて表示を行う非発光型ディスプレイと、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)のように蛍光体を何らかのエネルギーによって光らせて表示を行う自己発光型ディスプレイとを挙げることができる。これらの中でも、水分やガスの影響により発光欠陥が生じやすい画像表示媒体であることが好ましく、特に有機EL素子であることが好ましい。
また、画像表示媒体に用いられる透明基板は、ガラス基板であっても透明樹脂基板であってもよいが、画像表示媒体の大型化、軽量化、耐衝撃性向上の観点より、透明樹脂基板であることが好ましい。透明樹脂基板は軽く、フレキシブルで割れにくい反面、ガラス基板と比較してバリア性が低いという不具合があったが、本発明においては、上述したバリア性の高いバリアフィルムを用いることにより、このような不具合を解消し、良好な画像表示を得ることができる。
本発明の画像表示媒体としては、上記の中でも、透明樹脂基板を用いた有機EL素子であることが好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
基材フィルムとしてシート状の2軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製 A4100、厚み100μm、大きさ21cm×30cm)を準備し、図8に示すような構成のプラズマCVD装置のチャンバー内の下部電極に、非易接着面を上側(成膜面側)として装着した。次いで、チャンバー内を油回転ポンプ及びターボ分子ポンプからなる排気装置により、到達真空度2.5×10−4Paまで減圧した。
また、原料ガスとして、酸素ガス(大陽東洋酸素(株)製 純度99.9999%以上)、ヘリウムガス(大陽東洋酸素(株)製 純度99.999%以上)を準備した。さらに、有機珪素化合物原料として、テトラメトキシシラン(TMOS)(信越化学工業(株)製 KBM-04)と、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)製 SH200 0.65cSt)とを準備した。
次に、下部電極に90kHzの周波数を有する電力(投入電力150W)を印加した。そして、電極近傍に設けられたガス導入口からチャンバー内に、酸素ガスを12sccm、ヘリウムガスを30sccmで導入し、同時に、TMOSを4sccmで導入し、排気装置とチャンバーとの間にある排気弁の開閉度を制御することにより、チャンバー内圧力を33Paに保ち、基材フィルム上に緻密層を成膜(成膜速度25nm/分)した。
さらに、下部電極に印加する電力を250Wにまで増大させるとともに、TMOSの導入を中止し、代わりにHMDSOを24sccmで導入し、上記緻密層上に撥水層を成膜して、バリアフィルムを得た。この撥水層の成膜速度は50nm/分であった。なお、使用したプラズマCVD装置では、HMDSOを主原料とした成膜時の電極投入許容電力は200Wであった。ここで、sccmとは、standard cubic centimeter per minute の略であり、以下においても同様である。
[評価]
実施例1のバリアフィルムにおける緻密層の成分、厚み、密度、および、撥水層の成分、厚み、撥水性を下記の条件で測定した。また、実施例1のバリアフィルムについて、全光線透過率、酸素透過率、および水蒸気透過率を下記の条件で測定した。さらに、実施例1のバリアフィルムを65℃、相対湿度90%RHの環境試験機(湿熱オーブン)に500時間保管した後に、同様の条件で全光線透過率、酸素透過率、および水蒸気透過率を測定した。結果を下記の表1に示す。
(成分測定)
ESCA(英国VG Scientific社製 ESCA LAB220i-XL)により測定した。X線源としては、Ag-3d-5/2ピーク強度が300Kcps〜1McpsとなるモノクロAlX線源、および、直径約1mmのスリットを使用した。測定は、測定に供した試料面の法線上に検出器をセットした状態で行い、適正な帯電補正を行った。測定後の解析は、上述のESCA装置に付属されたソフトウェアEclipseバージョン2.1を使用し、Si:2p、C:1s、O:1sのバインディングエネルギーに相当するピークを用いて行った。このとき、各ピークに対して、シャーリーのバックグラウンド除去を行い、ピーク面積に各元素の感度係数補正(C=1に対して、Si=0.817、O=2.930)を行い、原子数比を求めた。得られた原子数比について、Si原子数を100とし、他の成分であるOとCの原子数を算出して成分割合とした。
(厚み測定)
走査型電子顕微鏡(SEM;日立製作所(株)製 S−5000H)を用い、基材断面の厚み測定を行うことにより膜厚を求めた。すなわち、まず、サンプル作製として、ウルトラミクロトーム(ダイヤモンドナイフ)を用い、基材の断面作製を行った。さらに、この断面に対して、スパッタ装置(日立製作所(株)製 E−1030型 日立イオンスパッター装置)を用いて、白金パラジウム合金(Pt−Pd)成膜による導通処理を施した。この際、成膜ターゲットおよび試料間の距離は30mm、放電電流15mA、成膜真空度10Pa、スパッタ成膜時間10秒間の条件で成膜を行った。
このように作製されたサンプルを走査型電子顕微鏡にセットし、加速電圧1.2kV、エミッション電流20μA、ビームモニタ絞り3、対物レンズ絞り3に設定し、モニター画面でドリフトがないこと(90秒間で1mm以下のドリフト量であること)を確認し、10万倍の倍率で基材断面撮影を行った。
撮影された画像に対して、さらに走査型電子顕微鏡に付属の測長期能を用い、画面中央部の画像の測長を行うことで膜厚を求めた。この際、画像の走査方向に対して被測定体の膜厚方向が90度となる方向で測長を行った。測定は各サンプル5点ずつ行い、その平均値を膜厚とした。
(密度測定)
X線反射率測定装置(理学電気(株)製 ATX−E)を用いて以下のようにして測定した。すなわち、X線源として、18kWのX線発生装置、CuターゲットによるCuKαの波長λ=1.5405Åを使用し、モノクロメーターには対物面人工多層膜ミラーとGe(220)モノクロ結晶とを使用した。また、設定条件として、スキャン速度:0.1000°/分、サンプリング幅:0.002°、走査範囲:0〜4.0000°にて設定した。そして、基板ホルダーにサンプルをマグネットにより装着し、装置の自動アライメント機能により0°位置調整を行った。その後、上記測定条件により反射率を測定した。得られた反射率測定値について、上述のX線反射率測定装置に付属の解析ソフト(RGXR)を使用して、フィッティングエリア:0.4〜4.0°の条件で解析を行った。その際、フィッティング初期値として、薄膜の元素比(Si:O:C=10:8:12)を入力した。反射率を非線形最小二乗法によりフィッティングし、膜密度を算出した。
(撥水性測定)
協和界面科学(株)製 CA−Zを用いて測定した。すなわち、測定温度23℃で、被測定対象物の表面上に純水を一滴(一定量)滴下させ、一定時間(10秒)経過後、顕微鏡やCCDカメラを用い、水滴形状を観察し、物理的に接触角を求めた。
(全光線透過率の測定)
スガ試験機(株)製 全光線透過率測定装置(COLOUR S&M COMPUTER MODEL SM−C)を用い、全光線透過率を測定した。
(酸素透過率の測定)
酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製 OX−TRAN 2/20:商品名)を用いて、測定温度23℃、湿度90%RH、バックグラウンド除去測定を行うインディビジュアルゼロ(Individual Zero)測定ありの条件で測定した。
(水蒸気透過率の測定)
水蒸気透過率測定装置(MOCON社製 PERMATRAN−W 3/31:商品名)を用いて、測定温度40℃、湿度100%RHで測定した。
[実施例2〜12]
実施例1と同じプラズマCVD装置を使用し、成膜条件を調整して、下記表1に示されるようなバリア層を有するバリアフィルムを作製した。
実施例2〜12のバリアフィルムにおけるバリア層を構成する緻密層の成分、厚み、密度、および、撥水層の成分、厚み、撥水性を実施例1と同様の条件で測定した。また、実施例2〜12のバリアフィルムについて、全光線透過率、酸素透過率、および水蒸気透過率を実施例1と同様の条件で測定した。結果を下記の表1に示す。
[比較例1〜9]
実施例1と同じプラズマCVD装置を使用し、成膜条件を調整して、下記表2に示されるようなバリア層を有するバリアフィルムを作製した。
比較例1〜9のバリアフィルムにおけるバリア層を構成する緻密層の成分、厚み、密度、および、撥水層の成分、厚み、撥水性を実施例1と同様の条件で測定した。また、比較例1〜9のバリアフィルムについて、全光線透過率、酸素透過率、および水蒸気透過率を実施例1と同様の条件で測定した。結果を下記の表2に示す。
[結果(実施例1〜12、比較例1〜9)]
実施例1〜12の評価結果を表1に、比較例1〜9の評価結果を表2に示す。
Figure 2004314599
Figure 2004314599
表1に示されるように、実施例1〜12のバリアフィルムは、いずれも全光線透過率が85%以上、酸素透過率が0.5cc/m/day・atm以下、水蒸気透過率が0.5g/m/day以下であり、高いバリア性を有することが確認された。これに対し、表2に示されるように、比較例1〜9のバリアフィルムは、全光線透過率、酸素透過率および水蒸気透過率のいずれかが実施例に比べて不十分なものであった。
[実施例13]
基材フィルムとしてロール状の2軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ製 EMBLET、厚み12μm、幅2000mm)を準備し、図9に示すような構成の連続した3個の成膜ゾーン(第1成膜ゾーンから第3成膜ゾーン)を有するプラズマCVD装置のチャンバー内に、コロナ未処理面をコーティングドラムの外側(成膜面側)として装着した。次いで、チャンバー内および各成膜ゾーン内を油回転ポンプおよびターボ分子ポンプからなる排気装置により、到達真空度2.5×10−4Paまで減圧した。
また、原料ガスとして、酸素ガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上))、ヘリウムガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.999%以上)、アルゴンガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.999%以上))を準備した。さらに、有機珪素化合物原料として、テトラメトキシシラン(TMOS)(信越化学工業(株)製 KBM-04)と、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)製 SH200 0.65cSt)を準備した。
次に、第1成膜ゾーンにおいて、下部電極とコーティングドラム(上部電極)に40kHzの周波数を有する電力(投入電力10kW(投入許容電力の限界値))を印加し、ガス導入口から第1成膜ゾーン内に、HMDSOを0.2slm、ヘリウムガス0.2slm、アルゴンガス0.4slmを導入した。(酸素ガスは導入しなかった。)
また、第2成膜ゾーンでは、下部電極とコーティングドラム(上部電極)に40kHzの周波数を有する電力(投入電力10kW(投入許容電力の限界値))を印加し、ガス導入口から第2成膜ゾーン内に、TMOSを1slm、酸素ガス0.2slm、ヘリウムガス0.2slm、アルゴンガス0.4slmを導入した。
さらに、第3成膜ゾーンでは、下部電極とコーティングドラム(上部電極)に40kHzの周波数を有する電力(投入電力13kW(第1成膜ゾーンから第3成膜ゾーンの全ての成膜ゾーンにてHMDSOを使用して同一の被成膜体に対して成膜するときの第3成膜ゾーンにおける電極投入許容電力は10kW))を印加し、ガス導入口から第3成膜ゾーン内に、HMDSOを0.2slm、ヘリウムガス0.2slm、アルゴンガス0.4slmを導入した。(酸素ガスは導入しなかった。)
そして、排気装置とチャンバーとの間にある排気弁の開閉度を制御することにより、第1成膜ゾーンから第3成膜ゾーンの各成膜圧力を2.5Paに保ち、基材フィルムを20m/分の速度で搬送しながら、第1成膜ゾーンで基材フィルム上に撥水層を成膜し、第2成膜ゾーンで上記撥水層上に緻密層を成膜し、第3成膜ゾーンで上記緻密層上に撥水層を成膜してバリア層を形成し、バリアフィルムを得た。
上記のように形成したバリア層を構成する撥水層の成分、厚み、撥水性を実施例1と同様の条件で測定した結果、いずれの撥水層においても、原子数比Si:O:Cが100:60:150であり、厚みが10nm、撥水性が110°であった。また、バリア層を構成する緻密層の成分、厚み、密度を実施例1と同様の条件で測定した結果、原子数比Si:O:Cが100:185:35であり、厚みが10nm、密度が2.9g/cmであった。
さらに、上記のように作製したバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件で全光線透過率、酸素透過率および水蒸気透過率を測定した。その結果、全光線透過率は90%であり、高い透明性を示すものであった。また、500時間保管前後のいずれにおいても、酸素透過率が0.5cc/m/day・atm以下であり、水蒸気透過率が0.5g/m/day以下であり、高いバリア性を有することが確認された。
[比較例10]
実施例13と同じプラズマCVD装置を使用し、第2成膜ゾーンのみを用いて、基材フィルム搬送速度を5m/分に変更し、緻密層のみを膜厚30nmとなるように成膜し、バリアフィルムを得た。
上記のように形成したバリア層を構成する緻密層の成分、厚み、密度を実施例1と同様の条件で測定した結果、原子数比Si:O:Cが100:185:35であり、厚みが30nm、密度が2.9g/cmであった。
さらに、このバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件で全光線透過率、酸素透過率および水蒸気透過率を測定した。その結果、全光線透過率は92%であり、高い透明性を示すものであった。一方、バリア性は、500時間保管前後のいずれにおいても、酸素透過率が0.5cc/m/day・atm以下であったが、水蒸気透過率が0.5g/m/dayよりも大きく、実施例13のバリアフィルムに比べてバリア性が劣るものであった。
[実施例14〜21]
基材フィルムとしてシート状の2軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ製 EMBLET、大きさ10cm×10cm、厚み12μm)を準備し、図8に示すような構成のプラズマCVD装置のチャンバー内の下部電極に、コロナ未処理面を上側(成膜面側)として装着した。次いで、チャンバー内を油回転ポンプ及びターボ分子ポンプからなる排気装置により、到達真空度2.5×10−4Paまで減圧した。
また、原料ガスとして、酸素ガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上))、ヘリウムガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上)、アルゴンガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上))を準備した。さらに、有機珪素化合物原料として、テトラメトキシシラン(TMOS)(信越化学工業(株)製 KBM-04)と、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)製 SH200 0.65cSt)を準備した。
次に、下部電極に90kHzの周波数を有する電力(投入電力500W)を印加した。そして、電極近傍に設けられたガス導入口からチャンバー内に、酸素ガス30sccm、ヘリウムガス10sccm、アルガンガス30sccmで導入し、同時に、HMDSOおよびTMOSを下記の表3に示す組成比で導入し、排気装置とチャンバーとの間にある排気弁の開閉度を制御することにより、チャンバー内圧力を33Paに保ち、基材フィルム上にバリア層を成膜した。
上記のように作製したバリアフィルムを実施例1と同様の条件で測定した。結果を下記の表3に示す。
[比較例11,12]
HMDSOおよびTMOSを下記の表3に示す組成比で導入した以外は、実施例14〜21と同様にしてバリアフィルムを作製した。
上記のように作製したバリアフィルムを実施例1と同様の条件で測定した。結果を下記の表3に示す。
[実施例22]
基材フィルムとしてロール状の2軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ製 EMBLET、厚み12μm)を準備し、図10に示すようなプラズマCVD装置のチャンバー内に、コロナ未処理面をコーティングドラムの外側(成膜面側)として装着した。次いで、チャンバー内および成膜ゾーン内を油回転ポンプおよびターボ分子ポンプからなる排気装置により、到達真空度2.5×10−4Paまで減圧した。
また、原料ガスとして、酸素ガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上))、ヘリウムガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上)、アルゴンガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上))を準備した。さらに、有機珪素化合物原料として、テトラメトキシシラン(TMOS)(信越化学工業(株)製 KBM-04)と、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)製 SH200 0.65cSt)を準備した。
次に、成膜ゾーンにおいて、下部電極とコーティングドラム(上部電極)に50kHzの周波数を有する電力(投入電力3kW(投入許容電力の限界値))を印加し、ガス導入口からゾーン内に酸素ガス600sccm、ヘリウムガス600sccm、アルゴンガス150sccmで導入し、同時に、HMDSO 1000sccm、TMOSをモノマー流量500sccmで気化して導入し、排気装置とチャンバーとの間にある排気弁の開閉度を制御することにより、チャンバー内圧力を4Paに保ち、基材フィルムを12m/minの速度で搬送しながら成膜ゾーンで基材フィルム上にバリア層を成膜し、バリアフィルムを得た。
上記のように形成したバリア層を構成する撥水層および緻密層の成分について、実施例1と同様の条件で測定した結果、撥水層では原子数比Si:O:Cが100:108:105であり、緻密層では原子数比Si:O:C=100:145:52であった。
また、上記のように作製したバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件で酸素透過率および水蒸気透過率を測定した。この際、バリアフィルムの幅方向に500mmの範囲を10点測定した。その結果、10点中全てにおける酸素透過率が2.5cc/m/day・atm以下、水蒸気透過率が2.5g/m/day以下の高いバリア性を示すものであった。
[実施例23]
実施例22と同様の成膜方法で、バリア層を2層連続で成膜し、バリアフィルムを得た。
上記のように形成したバリア層を構成する撥水層および緻密層の成分について、実施例1と同様の条件で測定した結果、撥水層では原子数比Si:O:Cが100:108:105であり、緻密層では原子数比Si:O:C=100:145:52であった。
また、上記のように作製したバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件で酸素透過率および水蒸気透過率を測定した。この際、バリアフィルムの幅方向に500mmの範囲を10点測定した。その結果、10点中全てにおける酸素透過率が2.5cc/m/day・atm以下、水蒸気透過率が2.5g/m/day以下となり、高いバリア性を示すものであった。
[実施例24]
実施例22と同様の成膜方法で、図9に示すような構成の連続した3個の成膜ゾーンを有するプラズマCVD装置を用いて、基材フィルムを150m/minの速度で搬送しながら基材フィルム上にバリア層を3層連続で成膜し、バリアフィルムを得た。
上記のように作製したバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件で酸素透過率および水蒸気透過率を測定した。この際、バリアフィルムの幅方向に500mmの範囲を10点測定した。その結果、10点中全てにおける酸素透過率が2.5cc/m/day・atm以下、水蒸気透過率が2.5g/m/day以下となり、高いバリア性を示すものであった。
[比較例13〜15]
有機珪素化合物としてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)製 SH200 0.65cSt)、およびテトラメトキシシラン(TMOS)(信越化学工業(株)製 KBM-04)を準備し、これを下記の表4に示す組成比で導入し、実施例14〜21と同様の成膜方法で、バリアフィルムを得た。
上記のように形成したバリア層を構成する撥水層および緻密層の成分について、実施例1と同様の条件で測定した。結果を下記の表4に示す。
[比較例16]
有機珪素化合物としてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)製 SH200 0.65cSt)を準備し、実施例22と同様の成膜方法で、基材フィルム上にバリア層を1層成膜し、バリアフィルムを得た。
上記のように作製したバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件で酸素透過率および水蒸気透過率を測定した。この際、バリアフィルムの幅方向に500mmの範囲を10点測定した。その結果、酸素透過率はそれぞれ5,20,10,8,18,2,10,8,6,10cc/m/day・atmであった。また、水蒸気透過率はそれぞれ5,10,15,8,3,5,20,10,15,10g/m/dayとなり、バリア性が悪かった。
[結果(実施例14〜21、比較例11〜15)]
実施例14〜21および比較例11,12の評価結果を表3に、比較例13〜15の評価結果を表4に示す。また、図14に、実施例15における上記「成分測定」の欄に記載された方法により得られた厚み方向の原子数比の変化を示すグラフを示す。また、図15に比較例13における同様のグラフを示す。
Figure 2004314599
Figure 2004314599
[実施例25〜28]
実施例1と同じプラズマCVD装置を使用し、成膜条件を調整して、下記表5に示されるようなバリア層を有するバリアフィルムを作製した。
上記のように作製したバリアフィルムについて、緻密層の成分、厚み、密度、および撥水層の成分、厚み、撥水性、ならびに酸素透過率、水蒸気透過率を実施例1と同様の条件で測定した。結果を下記の表5に示す。
[実施例29,30]
実施例13と同じプラズマCVD装置を使用し、成膜条件を調整して、下記表5に示されるようなバリア層を有するバリアフィルムを作製した。
上記のように作製したバリアフィルムについて、緻密層の成分、厚み、密度、および撥水層の成分、厚み、撥水性、ならびに酸素透過率、水蒸気透過率を実施例1と同様の条件で測定した。結果を下記の表5に示す。
[比較例17〜19]
実施例1と同じプラズマCVD装置を使用し、成膜条件を調整して、下記表5に示されるようなバリア層を有するバリアフィルムを作製した。
上記のように作製したバリアフィルムについて、緻密層の成分、厚み、密度、および撥水層の成分、厚み、撥水性、ならびに酸素透過率、水蒸気透過率を実施例1と同様の条件で測定した。結果を下記の表5に示す。
[比較例20〜22]
実施例13と同じプラズマCVD装置を使用し、成膜条件を調整して、下記表5に示されるようなバリア層を有するバリアフィルムを作製した。
上記のように作製したバリアフィルムについて、緻密層の成分、厚み、密度、および撥水層の成分、厚み、撥水性、ならびに酸素透過率、水蒸気透過率を実施例1と同様の条件で測定した。結果を下記の表5に示す。
Figure 2004314599
[実施例31〜33]
基材フィルムとしてシート状の2軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ製 EMBLET、厚み12μm、幅700mm)を準備し、図16に示すような1つの成膜ゾーンと4つのガス導入口207a、207b、207c、207dとを有するプラズマCVD装置のチャンバー300内に、易接着面をコーティングドラムの外側(成膜面側)として装着した。ついで、チャンバー300内および成膜ゾーン内を油回転ポンプおよびメカニカルブースターポンプからなる排気装置206、206´により、到達真空度2.5×10−3Paまで減圧した。
また、原料ガスとして、酸素ガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上))、ヘリウムガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上))、アルゴンガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上))を準備した。さらに、有機珪素化合物として、テトラメトキシシラン(TMOS)(信越化学工業(株)製 KBM−04)と、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)製 SH200 0.65cSt)とを準備した。
次に、成膜ゾーンにおいて、下部電極203とコーティングドラム(上部電極)204との間に40kHzの周波数を有する電力(3kW)を印加し、ガス導入口207a、207b、207c、207dから成膜ゾーン内に原料ガスを下記のように導入した。
ガス導入口207a:酸素ガス300sccm、ヘリウムガス200sccm、およびTMOS500sccmを気化して導入した。
ガス導入口207b:ヘリウムガス200sccm、HMDSO1000sccmを気化して導入した。
ガス導入口207c:酸素ガス300sccm、ヘリウムガス200sccm、およびTMOS500sccmを気化して導入した。
ガス導入口207d:アルゴンガス150sccmを気化して導入した。
さらに、排気装置206と成膜ゾーンとの間にある排気弁205の開閉度を制御することにより、成膜ゾーン内圧力を4Paに保ち、基材フィルム200を10m/minの速度で搬送しながら成膜ゾーンで基材フィルム200上にバリア層を成膜し、バリアフィルムを得た。
上記のように作製したバリアフィルムについて、緻密層の成分、厚み、密度、および撥水層の成分、厚み、撥水性、ならびに酸素透過率、水蒸気透過率を実施例1と同様の条件で測定した。結果を下記の表6に示す。
[比較例23,24]
有機珪素化合物として、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)製 SH200 0.65cSt)、およびテトラメトキシシラン(TMOS)(信越化学工業(株)製 KBM-04)を準備し、これを下記の表6に示す組成比で導入し、実施例31〜33と同様の成膜方法で、バリアフィルムを得た。
上記のように作製したバリアフィルムについて、緻密層の成分、厚み、密度、および撥水層の成分、厚み、撥水性、ならびに酸素透過率、水蒸気透過率を実施例1と同様の条件で測定した。結果を下記の表6に示す。
[結果(実施例31〜33、比較例23,24)]
実施例31〜33および比較例23,24の評価結果を表6に示す。
Figure 2004314599
表6に示すように、実施例31〜33のバリアフィルムは、いずれも酸素透過率が2.5cc/m/day・atm以下、水蒸気透過率が2.5g/m/day以下であり、高いガスバリア性を有することが分かった。これに対し、比較例23,24のバリアフィルムは、酸素透過率および水蒸気透過率がいずれも実施例31〜33に対して不十分であり、また、環境試験機に500時間保管した後の酸素透過率および水蒸気透過率が劣化しており、実施例31〜33に比べて不十分なものであった。
本発明のバリアフィルムの一例を示す概略断面図である。 本発明のバリアフィルムの他の例を示す概略断面図である。 本発明のバリアフィルムの他の例を示す概略断面図である。 本発明のバリアフィルムの他の例を示す概略断面図である。 本発明のバリアフィルムの他の例を示す概略断面図である。 本発明のバリアフィルムの他の例を示す概略断面図である。 本発明のバリアフィルムの他の例を示す概略断面図である。 本発明に用いられるプラズマCVD装置の一例を示す概略図である。 本発明に用いられるプラズマCVD装置の他の例を示す概略図である。 本発明に用いられるプラズマCVD装置の他の例を示す概略図である。 本発明の積層材の一例を示す概略断面図である。 本発明の積層材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の積層材の他の例を示す概略断面図である。 実施例15におけるSi、O、およびCの厚み方向の原子数比の変化を示すグラフである。 比較例13におけるSi、O、およびCの厚み方向の原子数比の変化を示すグラフである。 本発明に用いられるプラズマCVD装置の他の例を示す概略図である。
符号の説明
1 … バリアフィルム
2 … 基材フィルム
3 … バリア層
3a … 緻密層
3b … 撥水層
4 … 樹脂層
33 … ヒートシール性樹脂層

Claims (16)

  1. 基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に設けられたバリア層とを有するバリアフィルムであって、前記バリア層は撥水層と緻密層とを有し、前記撥水層は、原子数比Si:O:Cが100:40〜120:80〜160の範囲内、厚みが2〜300nmの範囲内である酸化炭化珪素膜であり、前記緻密層は、原子数比Si:O:Cが100:100〜200:5〜100の範囲内、厚みが5〜300nmの範囲内である酸化炭化珪素膜であることを特徴とするバリアフィルム。
  2. 前記バリア層は、前記撥水層と、前記撥水層上に形成された前記緻密層と、前記緻密層上に形成された前記撥水層とを有する積層構造であることを特徴とする請求項1に記載のバリアフィルム。
  3. 前記バリア層は、前記緻密層と、前記緻密層上に形成された前記撥水層と、前記撥水層上に形成された前記緻密層とを有する積層構造であることを特徴とする請求項1に記載のバリアフィルム。
  4. 前記バリア層は、前記撥水層と、前記撥水層上に形成された前記緻密層とを有する積層構造であることを特徴とする請求項1に記載のバリアフィルム。
  5. 前記バリア層は、前記撥水層と、前記撥水層上に形成された前記緻密層と、前記緻密層上に形成された前記撥水層とを有し、かつ、Siに対するOの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて減少し、Siに対するCの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて増加するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であることを特徴とする請求項1に記載のバリアフィルム。
  6. 前記バリア層は、前記緻密層と、前記緻密層上に形成された前記撥水層と、前記撥水層上に形成された前記緻密層とを有し、かつ、Siに対するOの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて増加し、Siに対するCの原子数比が厚さ方向の中心部から外側に向けて減少するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であることを特徴とする請求項1に記載のバリアフィルム。
  7. 前記バリア層は、前記撥水層と、前記撥水層上に形成された前記緻密層とを有し、かつ、Siに対するOの原子数比が前記基材フィルム側から外側に向けて増加し、Siに対するCの原子数比が前記基材フィルム側から外側に向けて減少するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であることを特徴とする請求項1に記載のバリアフィルム。
  8. 前記バリア層は、前記緻密層と、前記緻密層上に形成された前記撥水層とを有し、かつ、Siに対するOの原子数比が前記基材フィルム側から外側に向けて減少し、Siに対するCの原子数比が前記基材フィルム側から外側に向けて増加するように連続的に変化する酸化炭化珪素膜であることを特徴とする請求項1に記載のバリアフィルム。
  9. 前記バリア層が2層以上積層されていることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載のバリアフィルム。
  10. 前記バリア層の最表面は、プラズマ処理が施されていることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載のバリアフィルム。
  11. 前記バリア層は、樹脂層を介して前記基材フィルムに設けられたものであることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載のバリアフィルム。
  12. 前記バリア層上に樹脂層を備えることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれかの請求項に記載のバリアフィルム。
  13. 酸素ガス透過率(OTR)が3cc/m/day・atm以下であり、水蒸気透過率(WVTR)が3g/m/day以下であることを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかの請求項に記載のバリアフィルム。
  14. 請求項1から請求項13までのいずれかの請求項に記載のバリアフィルムの少なくとも一方の面にヒートシール性樹脂層を設けたことを特徴とする積層材。
  15. 請求項14に記載の積層材を用い、前記ヒートシール性樹脂層を熱融着して製袋または製函したことを特徴とする包装用容器。
  16. 請求項1から請求項13までのいずれかの請求項に記載のバリアフィルムを用いたことを特徴とする画像表示媒体。

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