JP2013121687A - 高防湿性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

高防湿性フィルム及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013121687A
JP2013121687A JP2011270837A JP2011270837A JP2013121687A JP 2013121687 A JP2013121687 A JP 2013121687A JP 2011270837 A JP2011270837 A JP 2011270837A JP 2011270837 A JP2011270837 A JP 2011270837A JP 2013121687 A JP2013121687 A JP 2013121687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
layer
silicon
containing hydrocarbon
moisture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011270837A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5961993B2 (ja
Inventor
Shigeki Matsui
茂樹 松井
Makoto Arata
真琴 新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2011270837A priority Critical patent/JP5961993B2/ja
Publication of JP2013121687A publication Critical patent/JP2013121687A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5961993B2 publication Critical patent/JP5961993B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】
本発明は、高い透明性と水蒸気バリア性とを有するフィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】
基材フィルムの少なくとも片面に、有機珪素化合物及び鎖式炭化水素を蒸着用モノマーガスとして使用するプラズマ化学気相成長法により、1層またはそれ以上の珪素含有炭化水素層を設けてなる高防湿性フィルムを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高防湿性フィルム及びその製造方法に関し、より詳細には、プラズマ化学気相成長法(以下「プラズマCVD法」と呼ぶ)を用いて得られる、高い透明性と水蒸気バリア性を有するフィルム、及びその製造方法に関する。
従来、フィルムにガスバリア性を付与する手段として、プラズマCVD法等により、基材フィルム上に有機珪素化合物の薄膜を設けることが知られている(例えば特許文献1及び2参照)。また、プラズマCVD法により、基材フィルム上に、非晶質のダイヤモンド状炭素(ダイヤモンドライクカーボン、以下「DLC」と呼ぶ)の薄膜を設けることも知られている(例えば特許文献3及び4参照)。さらに、プラズマCVD法により、基材フィルム上に、DLC膜を設け、次いで、有機珪素化合物の薄膜を設けることも知られている(特許文献5)。
しかしながら、これらのフィルムは、水蒸気バリア性に劣り、近年、より優れた水蒸気バリア性を示す高防湿性フィルムが求められている。
特開平10−156998号公報 特開2001−162713号公報 特開平6−344495号公報 特許第3176558号公報 特開2005−88452号公報
本発明は、上記の問題点を解決して、良好な透明性を有し、且つ、優れた水蒸気バリア性を示す高防湿性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、種々研究の結果、基材フィルムの少なくとも片面に、有機珪素化合物及び鎖式炭化水素を蒸着用モノマーガスとして使用するプラズマCVD法により、1層またはそれ以上の珪素含有炭化水素層を設けてなる高防湿性フィルムが、上記の目的を達成することを見出した。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.基材フィルムの少なくとも片面に、有機珪素化合物及び鎖式炭化水素を蒸着用モノマーガスとして使用するプラズマCVD法により、1層またはそれ以上の珪素含有炭化水素層を設けてなる高防湿性フィルム。
2.前記1層またはそれ以上の珪素含有炭化水素層の層厚の合計が5〜200nmであって、該層中に存在する珪素の原子数(Si)に対する、鎖式炭化水素由来の炭素の原子数(CH)の比(CH/Si)が、0.30〜3.00であることを特徴とする、上記1に記載の高防湿性フィルム。
3.L*a*b*表色系におけるL*が78〜90であり、a*が0.1〜2.0であり、b*が0〜30であることを特徴とする、上記1または2に記載の高防湿性フィルム。
4.40℃・相対湿度100%における水蒸気透過率が1.0g/m2・day・atm以下であることを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載の高防湿性フィルム。
5.少なくとも、上記1〜4のいずれかに記載の高防湿性フィルムからなる層と、最表層となるヒートシール性樹脂層とを有することを特徴とする、積層材。
6.上記5に記載の積層材を用い、ヒートシール性樹脂層を熱融着して製袋または製函したことを特徴とする包装用容器。
有機珪素化合物を蒸着用モノマーガスとして使用するプラズマCVD法により形成される蒸着膜は、その表面に、原料である有機珪素化合物の分解生成物由来の水酸基を有する。この水酸基の存在により、比較的高い親水性を示すこととなるため、酸化珪素蒸着層のみを有する蒸着フィルムは、水蒸気バリア性に劣ることが知られていた。
また、炭化水素を蒸着用モノマーガスとして使用するプラズマCVD法により形成されるDLC膜は、良好な酸素バリア性を示すが、水蒸気に対してはバリア能を有しないことが知られていた。さらに、グラファイト構造に由来する着色があるため、透明性に劣ることが知られていた。
これに対し、本発明の高防湿性フィルムは、基材フィルム上に、有機珪素化合物と鎖式炭化水素とを蒸着用モノマーガスとして使用して、プラズマCVD法により、珪素含有炭化水素層を設けることを特徴とする。
この蒸着層において、有機珪素化合物由来の珪素原子と、鎖式炭化水素由来の炭素原子とが、適切な割合で混在することにより、具体的には、層中に存在する珪素の原子数(Si)に対する、鎖式炭化水素由来の炭素の原子数(CH)の比(CH/Si)が0.30〜3.00の範囲となる割合で混在する結果、本発明のフィルムは、高い酸素バリア性に加え、優れた水蒸気バリア性及び透明性を示す。
本発明の高防湿性フィルムの層構成について、その一例を示す概略的断面図である。 本発明の高防湿性フィルムの層構成について、別の一例を示す概略的断面図である。 本発明において使用されるプラズマCVD装置について、その一例を示す概略的構成図である。
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
<I>本発明の高防湿性フィルムの層構成
図1は、本発明の高防湿性フィルムの層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
図1に示されるように、本発明の高防湿性フィルムは、基材フィルム1、及び珪素含有炭化水素層2からなる構成を基本とする。
別の態様において、図2に示されるように、本発明の高防湿性フィルムは、膜中の原子組成の異なる2層以上の珪素含有炭化水素層を有してもよく、例えば、基材フィルム1、珪素含有炭化水素層2a及び珪素含有炭化水素層2bからなる3層構成であってもよい。
また、珪素含有炭化水素層2上に、さらなる機能層を積層してもよく、例えば、製袋又は製函のために、最表層としてヒートシール性樹脂層を積層して、包装材とすることができる。
また、珪素含有炭化水素層2は、基材フィルム1の両面に設けてもよい。
以下、本発明において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものが用いられる
<II>基材フィルム
本発明において、基材フィルムとしては、化学的ないし物理的強度に優れ、珪素含有炭化水素層を形成する条件に耐え、この層の特性を損なうことなく良好に保持し得ることができる任意の透明樹脂フィルムを使用することができる。
基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)等のポリアミドフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム等を好適に使用することができるが、これらに限定されない。これらのフィルムは、一軸延伸または二軸延伸されていてもよく、また、単独で使用しても、複数を組み合わせて積層して使用してもよい。
本発明において、珪素含有炭化水素層との密接着性を向上させるために、必要に応じて、基材フィルム表面に予め所望の表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等の前処理を施すことができる。
基材フィルムと珪素含有炭化水素層との密接着性を一層高めるために、基材フィルム上に、例えば、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層等を設けてもよい。
基材フィルムの厚さは特に限定されないが、取り扱い性や強度等の観点から、通常は10〜300μm、より好ましくは10〜150μmのものが使用される。
<III>珪素含有炭化水素層
本発明の高防湿性フィルムの製造において、基材フィルムの少なくとも片面に、有機珪素化合物及び炭化水素を蒸着用モノマーガスとして使用するプラズマCVD法により、1層またはそれ以上の珪素含有炭化水素層を積層する。
このようにして形成される珪素含有炭化水素層は、非晶質の膜であって、主に、炭素、水素、並びに、有機珪素化合物由来の珪素及び酸素からなる。
上記有機珪素化合物と炭化水素との混合比は、用いる原料化合物の種類、成膜条件等に応じて変化し、当業者が適宜決定することができるが、珪素含有炭化水素層の成膜後に、この層中に存在する珪素の原子数(Si)に対する、炭化水素由来の炭素の原子数(CH)の比(CH/Si)が0.30〜3.00、より好ましくは0.50〜2.80となるように、混合比を調製することが重要である。
上記において、CH/Siが0.30より小さいと、水蒸気バリア性が得られない。また、3.00より大きい場合も、水蒸気バリア性は発揮されず、また、フィルムに着色が生じ、透明性が損なわれる。
なお、本発明において、「高防湿性」または「水蒸気バリア性」とは、40℃、相対湿度100%において、1.0g/m2・day・atm以下、さらに好ましくは0.5g/m2・day・atm以下という極めて低い水蒸気透過率を達成し得ることを意味する。
また、本発明において「透明性」とは、L*a*b*表色系におけるL*が78〜90であり、a*が0.1〜2.0であり、b*が0〜30の範囲で着色が抑えられているもの
を意味し、さらに好適には、L*a*b*表色系におけるL*が80〜90であり、a*が0.3〜1.5であり、b*が0〜30の範囲を示すものである。
本発明において、各層中の珪素原子数(Si)及び炭化水素由来の炭素原子数(CH)の比は、X線光電子分光分析装置(島津製作所製ESCA)により計測される。
また、水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製 PERMATRAN3/33)を用いて、測定温度40℃、相対湿度100%で測定される値である。
また、L*a*b*表色系における各値は、JIS Z 8722に記載された方法に準拠し、コニカミノルタ製分光測色計CM−2600dを用いて測定される値である。
本発明の高防湿性フィルムにおいて、1層またはそれ以上設けられる珪素含有炭化水素層の厚さは、複数層設けられる場合はそれらの合計として、5〜200nm、好ましくは10〜150nmであることが望ましい。
その厚さが5nm以下であると、緻密な連続膜を形成することができず、基材フィルムが表面に露出し、バリア膜を形成することができない。一方、200nmより厚くなると、炭素原子に由来する着色が強くなり、透明性が損なわれる。また、剛性が高まり、可撓性が損なわれ、クラック等が発生し易くなるので好ましくない。また必要以上に厚くすることは、蒸着膜の形成速度と関係し、生産性の低下、コスト高にもなる。
なお、本発明において、珪素含有炭化水素層の厚さは、米国SLOAN社製、表面形状測定器DEKTAK3030によって測定することができる。
本発明において、珪素含有炭化水素層は、具体的には、プラズマCVD装置において、成膜室内に、原料となる有機珪素化合物及び炭化水素の蒸着用モノマーガスを供給し、プラズマCVD法により、非晶質の膜を成膜することにより形成される。
蒸着用モノマーガスの供給は、場合により、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス、キセノンガス等の不活性ガスをキャリアガスとして使用してもよい。これらの不活性ガスを使用することにより、プラズマの電子密度が大きくなり、成膜速度が速くなる傾向がある。
本発明の珪素含有炭化水素層を形成するために使用する有機珪素化合物としては、Si原子を含む有機珪素化合物で、常温で適当な蒸気圧を持ち、CVD法を実施することが可能な材料であれば、どのような材料でも構わないが、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン(MTMOS)、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
安全性の理由から、ヘキサメチルジシロキサンを使用することが特に好ましい。
本発明の珪素含有炭化水素層を形成するために使用する炭化水素としては、炭素及び水素を有する任意の化合物、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等のアルカン系、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のアルケン系、ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン系、アセチレン、メチルアセチレン等のアルキン系、ベンゼン、トルエン、キシレン、インデン、ナフタレン、フェナントレン等の芳香属炭化水素系、シクロプロパン、シクロヘキサン等のシクロアルカン系、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロアルケン系等が挙げられる。上記化合物は単独で使用しても良い
し、二種以上を併用しても良い。
本発明において、緻密な膜質を形成可能でありながら、コスト面でも利点を有するため、鎖式炭化水素、例えばアルカン系、アルケン系、アルカジエン系及びアルキン系化合物が特に好ましい。
<IV>製造
本発明の高防湿性フィルムは、基材フィルム上に、上記珪素含有炭化水素層を、プラズマCVD装置を用いて、プラズマCVD法により積層することにより製造される。
本発明においては、具体的には、基材フィルムの表面に、有機珪素化合物及び炭化水素の蒸着用モノマーガスを原料とし、場合により、キャリアガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、低温プラズマ発生装置等を利用するプラズマCVD法を用いて、珪素含有炭化水素層を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することができるが、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るために、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
プラズマCVD法による本発明の高防湿性フィルムの製造方法について、その一例を挙げて説明する。
図3は、上記のプラズマCVD法において使用されるプラズマCVD装置の概略的構成図である。
本発明においては、図3に示すように、プラズマCVD装置21の成膜室22内に配置された巻き出しロール23から、基材フィルム1を繰り出し、更に、基材フィルム1を、補助ロール24を介して所定の速度で冷却・電極ドラム25周面上に搬送する。ガス供給装置または原料揮発供給装置26、27及び28等から有機珪素化合物及び炭化水素の蒸着用モノマーガス、並びに不活性ガス等を供給し、それらからなる蒸着用ガス組成物を調整しながら原料供給ノズル29を通して成膜室22内に該蒸着用ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム25周面上に搬送された、基材フィルム1上に、グロー放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これを照射して、珪素含有炭化水素層を形成する。その際に、冷却・電極ドラム25は、成膜室22の外に配置されている電源31から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム25の近傍には、マグネット32を配置してプラズマの発生が促進されている。次いで、基材フィルム1は、その一方の面上に珪素含有炭化水素層を形成した後、補助ロール33を介して巻き取りロール34に巻き取られる。なお、図中、35は真空ポンプを表す。
上記の例示は、本発明において使用できるプラズマCVD装置の一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではない。
図示しないが、本発明において、珪素含有炭化水素層は、単層であっても、2層以上からなる多層であってもよく、多層である場合は、各層中の原子組成は同じでも、異なっていてもよい。
珪素含有炭化水素層を形成する蒸着用ガス組成物において、各ガス成分の混合比は、用いる原料化合物の種類、成膜室内に残留する酸素ガス及び水、プラズマのエネルギー等種々の条件に応じて変化し、当業者が、形成される膜のCH/Siを測定しながら、適宜に決定することができる。また、キャリアガスとしての不活性ガスは、成膜速度の観点から、好適には、0〜90vol%の範囲で混入される。
<V>用途
本発明の高防湿性フィルムは、任意の機能層をさらに積層したり、任意の機能フィルムとラミネートしたりすることにより、積層材を形成することができる。
本発明の高防湿性フィルムを含む積層材は、優れた水蒸気バリア性、酸素バリア性及び透明性が要求される種々の用途に使用することができる。
例えば、本発明の高防湿性フィルムからなる層と、最表層となるヒートシール性樹脂層とを有する積層材を用いて、このヒートシール性樹脂層を熱融着して製袋または製函することにより、優れた水蒸気バリア性、酸素バリア性及び透明性を示す包装用容器を製造することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1]
厚さ12μmのPETフィルム(ユニチカ製エンブレット)を、巻き取り式プラズマCVD装置に装着し、そのコロナ処理面上に、下記条件にて、厚さ50nmの珪素含有炭化水素を形成し、本発明の高防湿性フィルムを製造した。
(成膜条件)
供給ガス: HMDSO:エチレン=1:9(単位:slm)のガス組成物
成膜室の真空度: 3.0Pa
供給電力: 22kW
フィルム搬送速度: 50m/min
[実施例2]
厚さ12μmのPETフィルム(ユニチカ製エンブレット)を、実施例1と同じプラズマCVD装置に装着し、そのコロナ処理面上に、下記条件にて、厚さ50nmの珪素含有炭化水素層を形成し、本発明の高防湿性フィルムを製造した。
(成膜条件)
供給ガス: HMDSO:エチレン=1:4.5(単位:slm)のガス組成物
成膜室の真空度: 3.0Pa
供給電力: 22kW
フィルム搬送速度: 50m/min
[実施例3]
厚さ12μmのPETフィルム(ユニチカ製エンブレット)を、実施例1と同じプラズマCVD装置に装着し、そのコロナ処理面上に、下記条件にて、厚さ50nmの珪素含有炭化水素層を形成し、本発明の高防湿性フィルムを製造した。
(成膜条件)
供給ガス: HMDSO:エチレン=1:1(単位:slm)のガス組成物
成膜室の真空度: 3.0Pa
供給電力: 22kW
フィルム搬送速度: 50m/min
[実施例4]
厚さ12μmのPETフィルム(ユニチカ製エンブレット)を、実施例1と同じプラズマCVD装置に装着し、そのコロナ処理面上に、下記条件にて、厚さ50nmの珪素含有炭化水素層を形成し、本発明の高防湿性フィルムを製造した。
(成膜条件)
供給ガス: HMDSO:アセチレン=1:1(単位:slm)のガス組成物
成膜室の真空度: 3.0Pa
供給電力: 22kW
フィルム搬送速度: 50m/min
[比較例1]
厚さ12μmのPETフィルム(ユニチカ製エンブレット)を、実施例1と同じプラズマCVD装置に装着し、そのコロナ処理面上に、下記条件にて、厚さ50nmの炭化水素層を形成し、積層フィルムを製造した。
(成膜条件)
供給ガス: アルゴン:エチレン=1:6(単位:slm)のガス組成物
成膜室の真空度: 3.0Pa
供給電力: 22kW
フィルム搬送速度: 50m/min
[比較例2]
厚さ12μmのPETフィルム(ユニチカ製エンブレット)を、実施例1と同じプラズマCVD装置に装着し、そのコロナ処理面上に、下記条件にて、厚さ50nmの酸化珪素蒸着層を積層し、積層フィルムを製造した。
(成膜条件)
供給ガス: HMDSO:酸素=1:3(単位:slm)のガス組成物
成膜室の真空度: 3.0Pa
供給電力: 22kW
フィルム搬送速度: 50m/min
[評価]
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られたフィルムについて、層の厚さ、層中の珪素原子数に対する炭化水素由来の炭素原子数の比(CH/Si)、色相(L*a*b*表色系におけるL*値、a*値、b*値)及び水蒸気透過率を、下記の方法により測定した。結果を以下の表1に示す。
(層の厚さの測定)
PET基材フィルムに、珪素含有炭化水素層または酸化珪素蒸着層を積層し、その厚さを、Sloan社製表面形状測定器(DEKTAK3030)で測定した。
(CH/Siの測定)
X線光電子分光分析装置(島津製作所製 製品名「ESCA−3400」)を用いて、励起X源;AlKα(15kV、120W)、検出角度:90°、測定面積:6.0mmΦの条件下でスペクトルを測定し、得られた炭素含有率からHMDSO由来の炭素含有率を差し引いたものを炭化水素由来の炭素含有率とした。次いで得られた同炭化水素由来の炭素含有率と珪素含有率の比をCH/Siとした。
(色相の測定)
色相は、JIS Z 8722に記載された方法に準拠し、コニカミノルタ製分光測色計CM−2600dを用いて、光源として標準イルミナントD65(色温度が6504Kに近似する昼光。平均的な昼色の分光分布を持つ光。紫外域を比較的多く含んでいる)を用いて、視野角10°で、専用白色板使用条件下で反射光により測定した。
(水蒸気透過率の測定)
水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製 PERMATRAN3/33)を用いて、測定温度40℃、相対湿度100%で、珪素含有炭化水素層の側から浸入し、基材フィルムの側へ透過する水蒸気の量を測定した。
Figure 2013121687
実施例1〜4の高防湿性フィルムは、良好な透明性を有し、且つ、極めて高い水蒸気バリア性を示した。これに対し、比較例1のフィルムは、炭素に由来する着色があり、透明性を損なっていた。また、比較例1及び2のフィルムはいずれも、本発明のフィルムに比較して、水蒸気バリア性に劣っていた。
1 基材フィルム
2、2a、2b 珪素含有炭化水素層
21 プラズマCVD装置
22、42 成膜室
23、43 巻き出しロール
24、33 補助ロール
25 冷却・電極ドラム
26 ガス供給装置
27、28 原料揮発供給装置
29 原料供給ノズル
30 グロー放電プラズマ
31 電源
32 マグネット
34、53 巻き取りロール
35 真空ポンプ

Claims (6)

  1. 基材フィルムの少なくとも片面に、有機珪素化合物及び鎖式炭化水素を蒸着用モノマーガスとして使用するプラズマ化学気相成長法により、1層またはそれ以上の珪素含有炭化水素層を設けてなる高防湿性フィルム。
  2. 前記1層またはそれ以上の珪素含有炭化水素層の層厚の合計が5〜200nmであって、該層中に存在する珪素の原子数(Si)に対する、鎖式炭化水素由来の炭素の原子数(CH)の比(CH/Si)が、0.30〜3.00であることを特徴とする、請求項1に記載の高防湿性フィルム。
  3. L*a*b*表色系におけるL*が78〜90であり、a*が0.1〜2.0であり、b*が0〜30であることを特徴とする、請求項1または2に記載の高防湿性フィルム。
  4. 40℃・相対湿度100%における水蒸気透過率が1.0g/m2・day・atm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高防湿性フィルム。
  5. 少なくとも、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高防湿性フィルムからなる層と、最表層となるヒートシール性樹脂層とを有することを特徴とする、積層材。
  6. 請求項5に記載の積層材を用い、ヒートシール性樹脂層を熱融着して製袋または製函したことを特徴とする包装用容器。
JP2011270837A 2011-12-12 2011-12-12 高防湿性フィルム及びその製造方法 Active JP5961993B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011270837A JP5961993B2 (ja) 2011-12-12 2011-12-12 高防湿性フィルム及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011270837A JP5961993B2 (ja) 2011-12-12 2011-12-12 高防湿性フィルム及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013121687A true JP2013121687A (ja) 2013-06-20
JP5961993B2 JP5961993B2 (ja) 2016-08-03

Family

ID=48773976

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011270837A Active JP5961993B2 (ja) 2011-12-12 2011-12-12 高防湿性フィルム及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5961993B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003053873A (ja) * 2001-06-08 2003-02-26 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリアフィルム
JP2005089859A (ja) * 2003-08-08 2005-04-07 Toyo Seikan Kaisha Ltd プラズマcvd法による蒸着膜
JP2008069407A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Toyo Seikan Kaisha Ltd ポリ乳酸成形品の製造方法
JP2009083511A (ja) * 2008-12-25 2009-04-23 Toyo Seikan Kaisha Ltd 蒸着膜を備えたプラスチック成形品
WO2010093041A1 (ja) * 2009-02-16 2010-08-19 三菱樹脂株式会社 ガスバリア性積層フィルムの製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003053873A (ja) * 2001-06-08 2003-02-26 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリアフィルム
JP2005089859A (ja) * 2003-08-08 2005-04-07 Toyo Seikan Kaisha Ltd プラズマcvd法による蒸着膜
JP2008069407A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Toyo Seikan Kaisha Ltd ポリ乳酸成形品の製造方法
JP2009083511A (ja) * 2008-12-25 2009-04-23 Toyo Seikan Kaisha Ltd 蒸着膜を備えたプラスチック成形品
WO2010093041A1 (ja) * 2009-02-16 2010-08-19 三菱樹脂株式会社 ガスバリア性積層フィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5961993B2 (ja) 2016-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6585226B2 (ja) 積層フィルム
JP5513959B2 (ja) ガスバリア性積層フィルム
JP3734724B2 (ja) ガスバリアフィルム
JP4121619B2 (ja) 透明バリア性フィルムおよびそれを使用した積層体
JP2005088452A (ja) ガスバリア性フィルム及びそれを用いてなる積層体
JP2004160836A (ja) ガスバリアフィルムの製造方法
JP5673926B2 (ja) 積層フィルム
JP6834230B2 (ja) バリア性フィルム
JP5961993B2 (ja) 高防湿性フィルム及びその製造方法
JP6392494B2 (ja) 高防湿性フィルム及びその製造方法
JP6607279B2 (ja) 高防湿性フィルム及びその製造方法
JP5782671B2 (ja) 撥水性離型薄膜形成方法
JP5961994B2 (ja) 高防湿性フィルム及びその製造方法
JP6007488B2 (ja) 高防湿性フィルム及びその製造方法
JP5250958B2 (ja) プラスチック容器及びプラスチック容器の製造方法
JP4090571B2 (ja) 透明バリア性フィルムおよびそれを使用した積層体
JP2006116737A (ja) ガスバリア性積層フィルム
JPH11240102A (ja) 透明バリア性フィルム
JP6846008B2 (ja) バリア性フィルムの製造方法
JP5843425B2 (ja) フッ素化合物を含有する有機成分含有有機珪素化合物の蒸着膜積層フィルム及びその製造方法
JP5719106B2 (ja) 透明ガスバリア性フィルム及び透明ガスバリア性フィルムの製造方法
JP6818250B2 (ja) バリア性フィルム
JP2009190747A (ja) 薄膜被覆されたプラスチック容器
JP2012081633A (ja) 積層フィルム
JP6660647B1 (ja) 複合酸化珪素膜又は複合金属酸化膜を有する樹脂製包装容器、及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150728

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150925

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160502

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5961993

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150