JP2003089163A - バリアフィルムとこれを用いた積層材、包装用容器、画像表示媒体およびバリアフィルムの製造方法 - Google Patents

バリアフィルムとこれを用いた積層材、包装用容器、画像表示媒体およびバリアフィルムの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて高いガスバリア性を有し、透明性が高
く、柔軟性、耐候性にも優れ、かつ、種々の後加工適性
に必要な耐熱性、耐薬品性を有するバリアフィルムとそ
の製造方法、上記のバリアフィルムを用いた積層材、包
装用容器、画像表示媒体を提供する。 【解決手段】 バリアフィルムを、基材フィルムの少な
くとも一方の面に、ガスバリア層と樹脂層とがこの順に
積層されてなる繰り返し単位を1単位以上有するものと
し、上記の樹脂層が二官能エポキシ樹脂と二官能フェノ
ール類との重合体である高分子量エポキシ重合体を含有
するものであり、ガスバリア層が無機酸化物膜であるよ
うな構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品や医療品等の
包装材料や電子デバイス等のパッケージ材料、基板材料
として用いられるバリア性の極めて高いバリアフィルム
とその製造方法、および、このバリアフィルムを用いた
積層材、包装用容器、画像表示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、酸素ガスおよび水蒸気等に対
するバリア性を備え、食品や医薬品等の良好な保存適性
を有する包装用材料として、種々のものが開発され提案
されており、例えば、可撓性プラスチック基材の上にポ
リ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合体
のコーテンィグ層を設けた構成からなるバリアフィルム
が提案されている。しかし、これらのバリアフィルムに
おいては、酸素、水蒸気に対するバリア性が十分でな
く、特に高温での殺菌処理においてバリア性の著しい低
下が生じるという問題があった。さらに、ポリ塩化ビニ
リデンのコーティング層を設けたバリアフィルムは、焼
却時に有毒なダイオキシンを発生し、環境への悪影響が
懸念されている。そこで、近年、基材フィルムの上に酸
化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設
けた構成からなるバリアフィルムが提案されている。ま
た、エポキシ樹脂やその混合物からなる樹脂層と上記の
蒸着膜との積層化(特開平8−164595号等)が提
案されている。
【0003】一方、電子デバイス、例えば、フレキシブ
ルディスプレイのような画像表示装置において、ガラス
基材代替であるプラスチックフィルムベースの基材とし
てバリアフィルムが使用される場合、あるいは、太陽電
池モジュールのカバーフィルムとしてバリアフィルムが
使用される場合、従来の包装用の用途に比べてより高い
ガスバリア性がバリアフィルムに要求される。また、デ
ィスプレイ素子作製時の高温度や種々の処理薬剤に耐え
るような耐熱性、耐薬品性がバリアフィルムに要求さ
れ、さらに、製品となった後も、耐湿熱試験のような過
酷な環境下において高いガスバリア性を維持することが
要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】酸化珪素、酸化アルミ
ニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた従来のバリアフ
ィルムは、透明性に優れ、環境への影響もほとんどな
く、包装用材料等にその需要が大いに期待される。しか
し、これらのバリアフィルムのバリア性は、アルミニウ
ム箔を使用した包装用積層材に比べて未だ低いものであ
り、特に高いガスバリア性が要求される電子デバイス用
途においては、実用性に問題があった。また、基材フィ
ルムとガスバリア層との密着性が不十分であったり、耐
熱性、耐候性が低いという問題があった。
【0005】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、極めて高いガスバリア性を有し、透明性
が高く、柔軟性、耐候性にも優れ、かつ、種々の後加工
適性に必要な耐熱性、耐薬品性を有するバリアフィルム
とその製造方法、上記のバリアフィルムを用いた積層
材、包装用容器、画像表示媒体を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明のバリアフィルムは、基材フィルムの
少なくとも一方の面に、ガスバリア層と樹脂層とがこの
順に積層されてなる繰り返し単位を1単位以上有し、前
記樹脂層は二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類と
の重合体である高分子量エポキシ重合体を含有し、前記
ガスバリア層は無機酸化物膜であるような構成とした。
【0007】本発明の他の態様として、前記基材フィル
ムと前記ガスバリア層の間に樹脂層を有し、該樹脂層は
二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類との重合体で
ある高分子量エポキシ重合体を含有するものであるよう
な構成とした。本発明の他の態様として、前記無機酸化
物膜はSiOx(Xは1.7〜2.0の範囲)で示され
る酸化珪素膜であるような構成とした。本発明の他の態
様として、前記高分子量エポキシ重合体のスチレン換算
重量平均分子量が70000以上であるような構成とし
た。本発明の他の態様として、前記ガスバリア層は樹脂
層との界面側にメチル基含有無機骨格薄膜を有するよう
な構成、前記メチル基含有無機骨格薄膜はSix(C
3yあるいは(SiO)x(CH3yで示される重合
膜であるような構成とした。本発明の他の態様として、
酸素透過率が0.5cc/m2/day以下であり、水
蒸気透過率が0.5g/m2/dayであるような構成
とした。
【0008】本発明の積層材は、上記のバリアフィルム
の少なくとも一方の面にヒートシール性樹脂層を設けた
ような構成とした。本発明の包装用容器は、上記の積層
材を用い、前記ヒートシール性樹脂層を熱融着して製袋
または製函したような構成とした。また、本発明の積層
材は、上記のバリアフィルムの少なくとも一方の面に導
電性層を設けたような構成とした。本発明の画像表示媒
体は、上記の積層材を基材として用い、前記導電性層上
に画像表示層を備えるような構成とした。
【0009】本発明のバリアフィルムの製造方法は、真
空成膜法により無機酸化物膜を基材フィルム上に形成し
てガスバリア層とするガスバリア層形成工程と、二官能
エポキシ樹脂と二官能フェノール類との重合体である高
分子量エポキシ重合体を含有する硬化性エポキシ樹脂組
成物を用いて前記ガスバリア層上に樹脂層を形成する樹
脂層形成工程と、を有するような構成とした。本発明の
他の態様として、前記高分子量エポキシ重合体は、スチ
レン換算重量平均分子量が70000以上であるような
構成とした。本発明の他の態様として、前記硬化性エポ
キシ樹脂組成物は、さらに多官能エポキシ樹脂、硬化
剤、架橋剤の少なくとも1種を含有するような構成と
し、前記架橋剤は、2個以上のイソシアネート基を有す
るイソシアネート類のイソシアネート基をマスク(ブロ
ック)したマスクイソシアネート類を含むような構成と
した。本発明の他の態様として、前記樹脂層形成工程に
おいて、前記硬化性エポキシ樹脂組成物に平均粒径が
0.8〜5μmの範囲にある非繊維状の無機充填材を配
合した組成物を使用して樹脂層を形成するような構成、
前記組成物は、無機充填材を10〜60体積%の範囲で
含有するような構成とした。本発明の他の態様として、
前記二官能フェノール類は、ハロゲン化された二官能フ
ェノール類であるような構成とした。本発明の他の態様
として、前記ガスバリア層形成工程において、分子内に
炭素−珪素結合をもたない有機珪素化合物を原料として
プラズマCVD法によりSiOx(Xは1.7〜2.0
の範囲)で示される酸化珪素膜を基材フィルム上に形成
してガスバリア層とするような構成とした。
【0010】本発明の他の態様として、前記ガスバリア
層形成工程において、分子内に炭素−珪素結合をもたな
い有機珪素化合物を原料としてプラズマCVD法により
SiOx(Xは1.7〜2.0の範囲)で示される酸化
珪素膜を基材フィルム上に形成した後、分子内に炭素−
珪素結合をもつ有機珪素化合物を原料としてプラズマC
VD法によりメチル基含有無機骨格薄膜を前記酸化珪素
膜上に積層してガスバリア層とするような構成とした。
本発明の他の態様として、前記樹脂層形成工程の後に、
さらにガスバリア層形成工程と樹脂層形成工程とを、こ
の順序で1回以上繰り返すような構成とした。本発明の
他の態様として、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノー
ル類との重合体である高分子量エポキシ重合体を含有す
る硬化性エポキシ樹脂組成物を用いて基材フィルム上に
予め樹脂層を形成した後、前記ガスバリア層形成工程を
行うような構成とした。
【0011】本発明の他の態様として、前記ガスバリア
層形成工程において、分子内に炭素−珪素結合をもつ有
機珪素化合物を原料としてプラズマCVD法によりメチ
ル基含有無機骨格薄膜を樹脂層上に形成し、次いで、分
子内に炭素−珪素結合をもたない有機珪素化合物を原料
としてプラズマCVD法によりSiOx(Xは1.7〜
2.0の範囲)で示される酸化珪素膜を前記メチル基含
有無機骨格薄膜上に形成した後、分子内に炭素−珪素結
合をもつ有機珪素化合物を原料としてプラズマCVD法
によりメチル基含有無機骨格薄膜を前記酸化珪素膜上に
積層してガスバリア層とするような構成とした。
【0012】このような本発明では、無機酸化物膜から
なるガスバリア層が高いガスバリア性を有し、このガス
バリア層上に形成された樹脂層が保護膜として機能して
耐熱性、耐薬品性、耐候性をバリアフィルムに付与する
とともに、バリア性も向上させる作用をなす。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。バリアフィルム 本発明のバリアフィルムは、基材フィルムの少なくとも
一方の面に、ガスバリア層と樹脂層とがこの順に積層さ
れてなる繰り返し単位を1単位以上有するものである。
図1は本発明のバリアフィルムの一実施形態を示す概略
断面図であり、バリアフィルム1は基材フィルム2と、
この基材フィルム2の一方の面に形成されたガスバリア
層3と樹脂層4とを備えている。すなわち、バリアフィ
ルム1は、ガスバリア層3と樹脂層4とがこの順に積層
された繰り返し単位を基材フィルム2上に1単位備えた
構造となっている。また、図2は本発明のバリアフィル
ムの他の実施形態を示す概略断面図であり、バリアフィ
ルム11は基材フィルム12と、この基材フィルム12
の一方の面に、ガスバリア層と樹脂層とがこの順に積層
されてなる繰り返し単位を3単位備えた構造、すなわ
ち、ガスバリア層13aと樹脂層14a、ガスバリア層
13bと樹脂層14b、ガスバリア層13cと樹脂層1
4cがこの順に積層された構造となっている。このよう
に、ガスバリア層と樹脂層とがこの順に積層されてなる
繰り返し単位を複数備える場合、20単位以下、好まし
くは10単位以下であることがガスバリア性と製造効率
等の観点から好ましい。
【0014】上記のような本発明のバリアフィルムにお
いて、ガスバリア層3は無機酸化物膜であり、樹脂層4
は二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類との重合体
である高分子量エポキシ重合体を含有するものである。
次に、上述の本発明のバリアフィルムの各構成部材につ
いて説明する。
【0015】(ガスバリア層)本発明のバリアフィルム
を構成するガスバリア層は、無機酸化物膜であり、具体
的には、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化
アンチモン、酸化インジウム、酸化セリウム、酸化カル
シウム、酸化カドミウム、酸化銀、酸化金、酸化クロ
ム、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化
チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化白金、酸
化パラジウム、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化
マンガン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化バリ
ウム等の1種または2種以上の組み合わせからなる無機
酸化物膜である。この中で、ガスバリア性、透明性の点
から、SiOx(Xは1.7〜2.0の範囲)で示され
る酸化珪素膜が、いわゆるガラスライクで緻密な膜であ
り、特に好ましく用いられる。
【0016】このようなガスバリア層は、CVD(化学
気相蒸着)法、プラズマCVD法、スパッタリング法、
物理蒸着法、イオンプレーティング法等の真空成膜法に
より形成することができる。この中で、特にプラズマC
VD法は、基材フィルムに熱的なダメージを与えること
が少ないので、基材フィルムの選択の幅が広がり、好ま
しく使用することができる。上記のSiOxで示される
酸化珪素膜を形成する場合、ガラスライクで緻密な膜と
するために、炭素の混入(Si−C結合の存在)を抑制
することが好ましい。このため、例えば、分子内に炭素
−珪素結合をもたない有機珪素化合物ガスを使用した
り、有機珪素化合物ガスと酸素ガスの流量比や有機珪素
化合物ガスの単位流量当たりの投入電力の大きさ等を調
整して、炭素混入を抑制(Si−C結合を切断)するこ
とができる。
【0017】ガスバリア層の厚みは、図1に示されるバ
リアフィルム1のように、ガスバリア層と樹脂層とがこ
の順に積層されてなる繰り返し単位を1単位備える場
合、5〜300nm、好ましくは10〜100nmの範
囲で適宜設定することができる。また、図2に示される
バリアフィルム11のように、ガスバリア層と樹脂層と
がこの順に積層されてなる繰り返し単位を複数単位備え
る場合、各ガスバリア層の厚みは、5〜300nm、好
ましくは10〜100nmの範囲で適宜設定することが
できる。ガスバリア層の厚みが上記の範囲未満である
と、極めて高いバリア性(酸素透過率が0.5cc/m
2/day以下、水蒸気透過率が0.5g/m2/day
以下程度を指す)を発現できない。また、ガスバリア層
の厚みが上記の範囲を超えると、逆にガスバリア性が低
下するとともに、成膜に要する時間が長くなり好ましく
ない。
【0018】本発明では、ガスバリア層が樹脂層との界
面側にメチル基含有無機骨格薄膜を有するものであって
もよい。すなわち、上述のバリアフィルム1では、ガス
バリア層3のうち、樹脂層4側にメチル基含有無機骨格
薄膜を有するものであってよい。また、上述のバリアフ
ィルム11では、ガスバリア層13aのうち、樹脂層1
4a側にメチル基含有無機骨格薄膜を有し、ガスバリア
層13bの両側(樹脂層14a側と樹脂層14b側)に
メチル基含有無機骨格薄膜を有し、さらに、ガスバリア
層13cの両側(樹脂層14b側と樹脂層14c側)に
メチル基含有無機骨格薄膜を有するものであってよい。
このように樹脂層との界面側のガスバリア層にメチル基
含有無機骨格薄膜が存在することにより、ガスバリア層
と樹脂層との密着性がより向上し、バリアフィルムのガ
スバリア性を更に高いものとすることができる。
【0019】上記のメチル基含有無機骨格薄膜は、Si
x(CH3yあるいは(SiO)x(CH3yで示される
重合膜であることが好ましい。このようなメチル基含有
無機骨格薄膜は、CVD法、プラズマCVD法、スパッ
タリング法、物理蒸着法、イオンプレーティング法等の
真空成膜法により形成することができる。この中で、特
に分子内に炭素−珪素結合をもつ有機珪素化合物を原料
としたプラズマCVD法による重合膜形成は、基材フィ
ルムに熱的なダメージを与えることが少ないので、基材
フィルムの選択の幅が広がり、好ましく使用することが
できる。
【0020】ガスバリア層に存在するメチル基含有無機
骨格薄膜の厚みは、1〜100nm、好ましくは5〜5
0nmの範囲で適宜設定することができる。メチル基含
有無機骨格薄膜の厚みが1nm未満であると、ガスバリ
ア層と樹脂層との密着性向上の効果が十分得られず、厚
みが100nmを超えると、ガスバリア層のバリア性を
低下させることになり、また、生産性が低くなり好まし
くない。
【0021】(樹脂層)本発明のバリアフィルムを構成
する樹脂層は、保護膜として機能して耐熱性、耐薬品
性、耐候性をバリアフィルムに付与するとともに、ガス
バリア層に欠損部位があっても、それを埋めることによ
りガスバリア性を向上させるためのものである。このよ
うな樹脂層は、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール
類との重合体である高分子量エポキシ重合体を含有する
ものである。
【0022】上記の高分子量エポキシ重合体は、二官能
エポキシ樹脂と二官能フェノール類とを触媒の存在下、
溶媒中で加熱して重合させたものであり、ゲル浸透クロ
マトグラフィー法によるスチレン換算重量平均分子量が
70000以上の重合体である。高分子量エポキシ重合
体の重量平均分子量が70000未満であると、ガスバ
リア層の欠陥部分が存在した場合、この欠陥部分を完全
に埋める(塞ぐ)ことができず、ガスバリア性を向上さ
せる十分な性能が得られない。二官能フェノール類とし
ては、例えば、ハロゲン化された二官能フェノール類を
使用することができる。
【0023】このような樹脂層は、上記の高分子量エポ
キシ重合体を含有する硬化性エポキシ樹脂組成物を用い
て、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、デ
ィップコート、スプレイコート等のコーティング法でコ
ーティングし、その後、溶剤や希釈剤等を乾燥除去して
形成することができる。使用する硬化性エポキシ樹脂組
成物には、高分子量エポキシ重合体に加えて、多官能エ
ポキシ樹脂、硬化剤、架橋剤の少なくとも1種を含有さ
せてもよい。架橋剤としては、2個以上のイソシアネー
ト基を有するイソシアネート類のイソシアネート基をマ
スク(ブロック)したマスクイソシアネート類を使用す
ることができる。
【0024】樹脂層の厚みは、図1に示されるバリアフ
ィルム1のように、ガスバリア層と樹脂層とがこの順に
積層されてなる繰り返し単位を1単位備える場合、0.
01μm(10nm)〜50μm、好ましくは0.1〜
10μmの範囲で適宜設定することができる。また、図
2に示されるバリアフィルム11のように、ガスバリア
層と樹脂層とがこの順に積層されてなる繰り返し単位を
複数単位備える場合、各樹脂層の厚みは、0.01μm
(10nm)〜50μm、好ましくは0.1〜10μm
の範囲で適宜設定することができる。樹脂層の厚みが上
記の範囲未満であると、良好な耐熱性、耐薬品性、耐候
性をバリアフィルムに付与することが困難となり、ま
た、極めて高いバリア性(酸素透過率が0.5cc/m
2/day以下、水蒸気透過率が0.5g/m2/day
以下程度を指す)を発現できない場合がある。また、樹
脂層の厚みが上記の範囲を超えると、生産性の低下、光
透過率の低下、膜応力によるカールの発生が生じ、好ま
しくない。
【0025】本発明では、基材フィルムとガスバリア層
の間に上記のような樹脂層を介在させてもよい。このよ
うな構成とすることにより、ガスバリア層の形成時にお
ける基材フィルムの寸法変化が防止される。また、樹脂
層はベンゼン環を多数有しているので、ガスバリア層の
形成時にエッチングを受け難く、炭素混入が抑制され、
欠損箇所のないガラスライクで緻密な無機酸化物膜をも
つガスバリア層が得られ、また、基材フィルムとガスバ
リア層との密着性も高くなるので、バリアフィルムのガ
スバリア性を更に向上させることができる。
【0026】(基材フィルム)本発明のバリアフィルム
を構成する基材フィルムは、ガスバリア層と樹脂層を保
持し得るフィルムであれば特に制限はなく、バリアフィ
ルムの使用目的等から適宜選択することができる。具体
的には、基材フィルムとしてポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂;環状ポリ
オレフィン等の非晶質ポリオレフィン系樹脂;(メタ)
アクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリスチレン
系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物;ポリ
ビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共
重合体等のポリビニルアルコール系樹脂;ポリカーボネ
ート系樹脂;ポリビニルブチラート樹脂;ポリアリレー
ト樹脂;エチレン−四フッ化エチレン共重合体、三フッ
化塩化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン、フッ
化ビニル、パーフルオロ−パーフロロプロピレン−パー
フロロビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂;ポリ
酢酸ビニル系樹脂;アセタール系樹脂;ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、ポリエチレン2,6−ナフタ
レート(PEN)等のポリエステル系樹脂;ナイロン
6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド系樹
脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリサ
ルホン樹脂;ポリエーテルサルホン樹脂;ポリエーテル
エーテルケトン樹脂等の延伸(一軸ないし二軸)または
未延伸の可撓性透明樹脂フィルムを用いることができ
る。基材フィルムの厚さとしては、5〜500μm、好
ましくは10〜100μmの範囲内で適宜設定すること
ができる。
【0027】バリアフィルムの製造方法 次に、本発明のバリアフィルムの製造方法について、図
1に示したバリアフィルムの実施形態を例として説明す
る。 (ガスバリア層形成工程)本発明の製造方法は、まず、
ガスバリア層形成工程において、真空成膜法により無機
酸化物膜を基材フィルム2上に形成してガスバリア層3
とする。ガスバリア層形成工程において用いる真空成膜
法は、CVD法、プラズマCVD法、スパッタリング
法、物理蒸着法、イオンプレーティング法等の真空成膜
法により形成することができる。この中で、特にプラズ
マCVD法は、基材フィルムに熱的なダメージを与える
ことが少なく、基材フィルムの選択の幅が広がるので好
ましく使用することができる。また、真空成膜法により
形成する無機酸化物膜としては、酸化珪素、酸化アルミ
ニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジウム、
酸化セリウム、酸化カルシウム、酸化カドミウム、酸化
銀、酸化金、酸化クロム、酸化コバルト、酸化ジルコニ
ウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニ
ッケル、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ビスマス、酸
化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化
バナジウム、酸化バリウム等の1種または2種以上の組
み合わせからなる無機酸化物膜等を挙げることができ
る。
【0028】ここで、SiOx(Xは1.7〜2.0の
範囲)で示される酸化珪素膜をプラズマCVD法により
形成してガスバリア層とする場合を例として説明する。
酸化珪素膜を形成する際のプラズマCVD法の好ましい
成膜条件としては、例えば、成膜時の基材フィルムの温
度を−20℃〜100℃、好ましくは−10℃〜30℃
の範囲内とすることである。また、原料ガスとして有機
珪素化合物ガスおよび酸素原子を含むガスを用い、これ
らの原料ガスの流量比は、有機珪素化合物ガスを1とし
た場合に、酸素ガスが3〜50、好ましくは3〜10の
範囲内となるように設定することができる。また、プラ
ズマCVD装置のプラズマ発生手段における単位面積当
たりの投入電力を大きく設定したり、マグネット等によ
りプラズマの閉じ込め空間を形成して反応性を高めるこ
とにより、プラズマによる効果をより高いものとするこ
とができる。
【0029】上記の有機珪素化合物ガスとしては、ヘキ
サメチルジシロキサン(HMDSO)、1,1,3,3
−テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、テトラメ
チルシラン(TMS)、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメチルシラン、テトラメトキシシラン(TMO
S)、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、トリメチルメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン(TEOS)、ジメチルジエトキシシラン、メチル
ジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキサメ
チルジシラザン、テトラメチルジシロキサン、ノルマル
メチルトリメトキシシラン等を挙げることができ、これ
らを単独、あるいは、2種以上の組み合わせで使用する
ことができる。
【0030】但し、SiOx(Xは1.7〜2.0の範
囲)で示されるガラスライクで緻密な酸化珪素膜を成膜
する場合、炭素の混入(炭素−珪素結合の存在)を抑制
することが好ましく、特に分子内に炭素−珪素結合をも
たない有機珪素化合物が好適に用いられる。具体的に
は、テトラメトキシシラン(TMOS)、メチルトリメ
トキシシラン、メチルジメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン(TEOS)、メチルトリエトキシシラン、メ
チルジエトキシシラン、メチルジエトキシシラン等を挙
げることができ、この中で特にテトラメトキシシラン
(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)を用
いることが好ましい。また、酸素原子を含むガスとして
は、N2O、酸素、CO、CO2等を挙げることができ、
中でも酸素ガスが好適に用いられる。
【0031】このように、原料ガスのうち有機珪素化合
物ガスとして炭素−珪素結合をもたない有機珪素化合物
ガスを用い、さらに、上述したような成膜時の基材フィ
ルムの温度、原料ガスの流量比、さらには、プラズマ発
生手段における投入電力を制御することにより、有機珪
素化合物ガスの分解性が高くなり、膜中に酸素原子が取
り込まれ易くなって、結果としてガラスライクで緻密な
酸化珪素膜が形成される。
【0032】次に、バリアフィルムの実施形態の一例と
して上述したように、ガスバリア層が樹脂層との界面側
にメチル基含有無機骨格薄膜を有する場合の、メチル基
含有無機骨格薄膜の形成方法について説明する。メチル
基含有無機骨格薄膜を形成するための真空成膜法は、C
VD法、プラズマCVD法、スパッタリング法、物理蒸
着法、イオンプレーティング法等の真空成膜法により形
成することができる。この中で、特にプラズマCVD法
は、基材フィルムに熱的なダメージを与えることが少な
いので、基材フィルムの選択の幅が広がり、好ましく使
用することができる。
【0033】ここでは、Six(CH3yあるいは(S
iO)x(CH3yで示されるメチル基含有無機骨格薄
膜をプラズマCVD法により形成する場合を例として説
明する。メチル基含有無機骨格薄膜を形成する際のプラ
ズマCVD法の好ましい成膜条件としては、例えば、成
膜時の基材フィルムの温度を−20℃〜100℃、好ま
しくは−10℃〜30℃の範囲内とすることである。原
料ガスとして有機珪素化合物ガスを用い、プラズマCV
D装置のプラズマ発生手段における単位面積当たりの投
入電力を有機薄膜が形成可能な範囲で設定する。また、
成膜圧力をパーティクルの発生がない程度の高い圧力範
囲(6.65〜39.90Pa(50〜300mTor
r))で設定したり、マグネット等によりプラズマの閉
じ込め空間を形成して反応性を高めることにより、プラ
ズマによる効果をより高いものとすることができる。
【0034】上記の有機珪素化合物ガスとしては、分子
内に炭素−珪素結合を多くもつ有機珪素化合物ガスが好
ましく用いられる。具体的には、ヘキサメチルジシロキ
サン(HMDSO)、1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン(TMDSO)、テトラメチルシラン(TM
S)、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメチルシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシ
シラン、ヘキサメチルジシラザン等を挙げることがで
き、これらを単独、あるいは、2種以上の組み合わせで
使用することができる。特に、上記の中でヘキサメチル
ジシロキサン(HMDSO)、1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン(TMDSO)、テトラメチルシラ
ン(TMS)が有機珪素化合物ガスとして好ましく用い
られる。
【0035】上述のバリアフィルム1のように、ガスバ
リア層3が樹脂層4側にメチル基含有無機骨格薄膜を有
する場合、まず、上述の無機酸化膜形成方法によって基
材フィルム上に無機酸化物膜を形成し、次に、上記の形
成方法によってメチル基含有無機骨格薄膜を無機酸化物
膜上に形成して、積層構造のガスバリア層3を形成する
ことができる。また、上述のバリアフィルム11におい
て、ガスバリア層13aが樹脂層14a側にメチル基含
有無機骨格薄膜を有する場合も同様である。一方、上述
のバリアフィルム11のように、ガスバリア層13bが
両側(樹脂層14a側と樹脂層14b側)にメチル基含
有無機骨格薄膜を有し、ガスバリア層13cが両側(樹
脂層14b側と樹脂層14c側)にメチル基含有無機骨
格薄膜を有する場合、まず、上記の形成方法によってメ
チル基含有無機骨格薄膜を下層である樹脂層上に形成
し、次いで、上述の無機酸化膜形成方法によって無機酸
化物膜をメチル基含有無機骨格薄膜上に形成し、その
後、上記の形成方法によってメチル基含有無機骨格薄膜
を無機酸化物膜上に形成して、3層構造のガスバリア層
13b,13cを形成することができる。
【0036】(樹脂層形成工程)本発明の製造方法は、
上記のガスバリア層形成工程の次に、樹脂層形成工程に
おいて、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類との
重合体である高分子量エポキシ重合体を含有する硬化性
エポキシ樹脂組成物を用いてガスバリア層3上に樹脂層
4を形成する
【0037】使用する高分子量エポキシ重合体は、二官
能エポキシ樹脂と二官能フェノール類とを触媒の存在
下、溶媒中で加熱して重合させたものであり、ゲル浸透
クロマトグラフィー法によるスチレン換算重量平均分子
量が70000以上の重合体である。
【0038】上記の二官能エポキシ樹脂としては、分子
内に2個のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限
はなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エ
ポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ
樹脂、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化
物、あるいは、二官能アルコール類のジグリシジルエー
テル化物、および、それらのハロゲン化物、水素添加物
等が挙げられる。これらの二官能エポキシ樹脂は、単独
で、あるいは、2種以上の組み合わせで使用することが
できる。
【0039】また、上記の二官能フェノール類として
は、分子内に2個のフェノール性水酸基を有する化合物
であれば特に制限はなく、特にハロゲン化された二官能
フェノール類が好ましい。具体的には、単環二官能フェ
ノールであるヒドロキノン、レゾルシノール、カテコー
ル、多環二官能フェノールであるビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ナフタレンジオール類、ビフェノール
類、および、これらのアルキル置換体、ハロゲン化物等
が挙げられる。これらの二官能フェノール類は、単独
で、あるいは、2種以上の組み合わせで使用することが
できる。
【0040】高分子量エポキシ重合体を合成するときの
二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類との当量比
は、エポキシ基/フェノール性水酸基=1/0.9〜1
/1.1の範囲が好ましい。
【0041】また、高分子量エポキシ重合体の合成に用
いる触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ金属
元素非含有化合物を挙げることができ、これらを単独で
使用、あるいは、併用することができる。アルカリ金属
化合物としては、ナトリウム、リチウム、カリウムの水
酸化物、ハロゲン化物、有機酸塩、アルコラート、フェ
ノラート、水素化物、ホウ水素化物、アミド等を挙げる
ことができる。また、アルカリ金属元素非含有化合物と
しては、アルカリ金属元素を含まず、エポキシ基とフェ
ノール性水酸基のエーテル化反応を促進させる触媒能を
もつ化合物であれば特に制限はなく、例えば、イミダゾ
ール類、アミン類、有機リン化合物等が挙げられる。
【0042】高分子量エポキシ重合体の合成における上
記の触媒の配合量は、アルカリ金属化合物とアルカリ金
属元素非含有化合物を併用する場合、二官能エポキシ樹
脂1モルに対してアルカリ金属化合物0.005〜0.
20モル、アルカリ金属元素非含有化合物0.005〜
0.20モルの範囲であり、かつ、二官能エポキシ樹脂
1モルに対して触媒の合計が0.01〜0.30モルの
範囲である。また、アルカリ金属化合物とアルカリ金属
元素非含有化合物のいずれかを単独で用いる場合、二官
能エポキシ樹脂1モルに対して0.01〜0.30モル
の範囲である。二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール
類とを触媒の存在下で重合させる溶媒としては、二官能
エポキシ樹脂と二官能フェノール類を溶解することがで
きるアミド系溶媒等を使用することができる。重合反応
の際の固形分濃度は10〜50重量%、好ましくは10
〜30重量%の範囲である。また、重合反応温度は60
〜150℃の範囲とする。
【0043】樹脂層形成に使用する硬化性エポキシ樹脂
組成物には、上記の高分子量エポキシ重合体に加えて、
多官能エポキシ樹脂、硬化剤、架橋剤の少なくとも1種
を含有させてもよい。多官能エポキシ樹脂は、分子内に
2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限
はなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA
ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラッ
ク型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エ
ポキシ樹脂、多官能フェノール類のジグリシジルエーテ
ル化物、あるいは、多官能アルコール類のジグリシジル
エーテル化物、および、それらのハロゲン化物、水素添
加物等が挙げられる。これらの多官能エポキシ樹脂は、
単独で、あるいは、2種以上の組み合わせで使用するこ
とができ、高分子量エポキシ重合体100重量部に対し
て、1〜200重量部の範囲で含有させることができ
る。
【0044】また、上記の硬化剤は、多官能フェノー
ル、アミン類、イミダゾール化合物、酸無水物等を使用
することができ、高分子量エポキシ重合体100重量部
に対して、1〜70重量部の範囲で含有させることがで
きる。また、上記の架橋剤としては、2個以上のイソシ
アネート基を有するイソシアネート類のイソシアネート
基をマスク(ブロック)したマスクイソシアネート類を
使用することができる。2個以上のイソシアネート基を
有するイソシアネート類としては、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイ
ソシアネート、ジフェニルプロパンジイソシアネート、
ビフェニルジイソシアネート等のジイソシアネート類、
および、これらの異性体、アルキル置換体、ハロゲン化
物、ベンゼン環への水素添加物、3個のイソシアネート
基を有するトリイソシアネート類、4個のイソシアネー
ト基を有するテトライソシアネート類等を挙げることが
できる。また、イソシアネート基のマスク(ブロック)
剤としては、イソシアネート基と反応する活性水素をも
つ化合物であれば制限されず、アセトンオキシム、メチ
ルエチルケトンオキシム等のケトンオキシム類、メチル
アルコール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、
エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコ
ール類、フェノール、クレゾール、トリメチルフェノー
ル、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノール
F等のフェノール類、n−プロピルアミン、イソブチル
アミン等のアミン類等が挙げられる。上記のような架橋
剤は単独で、あるいは、2種以上の組み合わせで使用す
ることができ、高分子量エポキシ重合体のアルコール性
水酸基当量1に対して、イソシアネート基当量0.1〜
2の範囲となるように添加させることができる。
【0045】本発明では、上記の硬化性エポキシ樹脂組
成物に、平均粒径が0.8〜5μmの範囲にある非繊維
状の無機充填材を配合した組成物を使用して樹脂層を形
成することができる。使用する非繊維状の無機充填材と
しては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タ
ルク、アルミナ、マグネシア、シリカ、二酸化チタン、
クレイ等を挙げることができ、特に焼成されたクレイが
好ましく使用できる。このような無機充填材は、硬化性
エポキシ樹脂に対して10〜60体積%、好ましくは2
5〜45重量%の範囲で含有させることができる。本発
明の樹脂層形成工程では、上記のような組成物をロール
コート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコー
ト、スプレイコート等のコーティング法で基材フィルム
上にコーティングし、その後、熱、紫外線、電子線のい
ずれか1つ以上の手段により硬化性エポキシ樹脂を硬化
させて樹脂層を形成することができる。
【0046】積層材 次に、本発明の積層材について、上述の本発明のバリア
フィルム1を用いた例を挙げて説明する。図3は、本発
明の積層材の実施形態を示す概略断面図である。図3に
おいて積層材21は、基材フィルム2の一方の面にガス
バリア層3と樹脂層4をこの順に積層して備えたバリア
フィルム1と、このバリアフィルム1の樹脂層4上にア
ンカーコート剤層および/または接着剤層22を介して
形成したヒートシール性樹脂層23とを備えている。
【0047】積層材21を構成するアンカーコート剤層
22は、例えば、アルキルチタネート等の有機チタン系
アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート
剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブタ
ジエン系アンカーコート剤等を使用して形成することが
できる。アンカーコート剤層22の形成は、上記のよう
なアンカーコート剤を、例えば、ロールコート、グラビ
アコート、ナイフコート、ディップコート、スプレイコ
ート等の公知のコーティング法でコーティングし、溶
剤、希釈剤等を乾燥除去して行うことができる。上記の
アンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m
2(乾燥状態)程度が好ましい。
【0048】また、積層材21を構成する接着剤層22
は、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリア
ミド系、エポキシ系、ポリ(メタ)アクリル系、ポリ酢
酸ビニル系、ポリオレフィン系、カゼイン、ワックス、
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリブタジエ
ン系等のビヒクルを主成分とする溶剤型、水性型、無溶
剤型、あるいは、熱溶融型等の各種のラミネート用接着
剤を使用して形成することができる。接着剤層22の形
成は、上記のようなラミネート用接着剤を、例えば、ロ
ールコート、グラビアコート、ナイフコート、デッブコ
ート、スプレイコート、その他のコーティング法でコー
ティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥除去して行うことが
できる。上記のラミネート用接着剤の塗布量としては
0.1〜5g/m2(乾燥状態)程度が好ましい。
【0049】積層材21を構成するヒートシール性樹脂
層23に用いるヒートシール性樹脂としては、熱によっ
て溶融し相互に融着し得る樹脂を挙げることができる。
具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレンーメタ
クリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポ
リエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系
樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン
酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂等を使用することができる。ヒートシール性樹
脂層23は、上述のようなヒートシール性樹脂を塗布し
て形成してもよく、また、上述のようなヒートシール性
樹脂からなるフィルムないしシートをラミネートして形
成してもよい。このようなヒートシール性樹脂層23の
厚みは、5〜300μm、好ましくは10〜100μm
の範囲内で設定することができる。
【0050】図4は、本発明の積層材の他の実施形態を
示す概略断面図である。図4において積層材31は、基
材フィルム2の一方の面にガスバリア層3と樹脂層4を
この順に積層して備えたバリアフィルム1と、このバリ
アフィルム1の樹脂層4上にアンカーコート剤層および
/または接着剤層32を介して形成したヒートシール性
樹脂層33と、バリアフィルム1の基材フィルム2の他
方の面(樹脂層非形成面)に設けられた基材34とを備
えている。積層材31を構成するアンカーコート剤層、
接着剤層32およびヒートシール性樹脂層33は、上述
の積層材21を構成するアンカーコート剤層、接着剤層
22およびヒートシール性樹脂層23と同様とすること
ができ、ここでの説明は省略する。
【0051】積層材31を構成する基材34としては、
例えば、積層材31が包装用容器を構成する場合、基材
34が基本素材となることから、機械的、物理的、化学
的、その他等において優れた性質を有し、特に、強度を
有して強靭であり、かつ耐熱性を有する樹脂のフィルム
ないしシートを使用することができる。具体的には、ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ
素系樹脂等の強籾な樹脂の延伸(一軸ないし二軸)また
は未延伸のフィルムないしシートを挙げることができ
る。この基材34の厚みは、5〜100μm、好ましく
は10〜50μm程度が望ましい。また、本発明におい
ては、基材34に、例えば、文字、図形、記号、絵柄、
模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あ
るいは裏刷り印刷が施されていてもよい。このような文
字等は、積層材31を構成するバリアフィルム1を介し
て視認することができる。
【0052】図5は、本発明の積層材の他の実施形態を
示す概略断面図である。図5において積層材41は、基
材フィルム2の一方の面にガスバリア層3と樹脂層4を
この順に積層して備えたバリアフィルム1と、このバリ
アフィルム1の樹脂層4上にアンカーコート剤層および
/または接着剤層42を介して形成したヒートシール性
樹脂層43と、バリアフィルム1の基材フィルム2の他
方の面(樹脂層非形成面)に設けられた基材44と、こ
の基材44上に形成したヒートシール性樹脂層45とを
備えている。
【0053】積層材41を構成するアンカーコート剤
層、接着剤層42およびヒートシール性樹脂層43,4
5は、上述の積層材21を構成するアンカーコート剤
層、接着剤層22およびヒートシール性樹脂層23と同
様とすることができ、また、積層材41を構成する基材
44は、上述の積層材31を構成する基材34と同様と
することができるので、ここでの説明は省略する。
【0054】尚、本発明の積層材には、さらに、例え
ば、水蒸気、水等のバリア性を有する低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシート、ある
いは、酸素、水蒸気等に対するバリア性を有するポリビ
ニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物等の樹脂のフィルムないしシート、樹脂に顔料等の着
色剤、その他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム
化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムな
いしシート等を使用することができる。これらの材料
は、1種または2種以上を組み合わせて使用することが
でき、厚みは任意であるが、通常、5〜300μm、好
ましくは10〜100μm程度である。
【0055】さらに、包装用容器の用途に本発明の積層
材が使用される場合、通常、包装用容器は物理的にも化
学的にも過酷な条件におかれることから、積層材にも厳
しい包装適性が要求される。具体的には、変形防止強
度、落下衝撃強度、耐ピンホール性、耐熱性、密封性、
品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が
要求され、このため、本発明の積層材には、上記のよう
な諸条件を充足する材料を任意に選択して、基材フィル
ム1、基材34,44、あるいは、他の構成部材として
使用することができる。具体的には、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオ
ノマ一樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エ
チレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチ
ルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリ
ル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系
樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコ
ール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタール系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロース等の公知の
樹脂のフィルムまたはシートから任意に選択して使用す
ることができる。その他、例えば、セロハン等のフィル
ムも使用することができる。
【0056】上記のフィルムまたはシートは、未延伸、
一軸あるいは二軸方向に延伸されたもの等のいずれも使
用することができる。また、その厚さは、任意である
が、数μmから300μm程度の範囲から選択して使用
することができ、積層位置は特に制限はない。また、本
発明において、上記のフィルムやシートは、押し出し成
膜、インフレーション成膜、コーティング膜等のいずれ
の性状の膜でもよい。上述の積層材21,31,41の
ような本発明の積層材は、通常の包装材料をラミネート
する方法、例えば、ウエットラミネーション法、ドライ
ラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、
押し出しラミネーション法、Tダイ押し出し成形法、共
押し出しラミネーション法、インフレーション法、共押
し出しインフレーション法等を用いて製造することがで
きる。
【0057】尚、上記の積層を行う際に、必要ならば、
例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルム
に施すことができ、また、例えば、イソシアネート系
(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエ
ン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、ある
いはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル
系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系等の
ラミネート用接着剤等の公知の接着剤等を使用すること
ができる。
【0058】包装用容器 次に、本発明の包装用容器について説明する。本発明の
包装用容器は、本発明の積層材を用いて熱融着により製
袋または製函したものである。具体的には、包装用容器
が軟包装袋の場合、本発明の積層材のヒートシール性樹
脂層の面を対向させて折り重ねるか、あるいは、本発明
の積層材二枚を重ね合わせ、その周辺端部を、例えば、
側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シー
ル型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシ
ール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール
型、その他等のヒートシール形態により熱融着してシー
ル部を形成するこにより、本発明にかかる種々の形態の
包装用容器を製造することができる。上記において、熱
融着は、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベル
トシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シ
ール等の公知の方法で行うことができる。
【0059】図6は、上記のような本発明の包装用容器
の一実施形態を示す斜視図である。図6において包装用
容器51は、1組の本発明の積層材21を、そのヒート
シール性樹脂層23が対向するように重ね合わせ、この
状態で周辺部の三方において熱融着を行ってシール部5
2を形成したものである。この包装用容器は51は、周
辺部の残りの一方に形成された開口部53から内容物を
充填することができる。そして、内容物を充填した後
に、上記開口部53を熱融着してシール部を形成するこ
とにより、内容物を充填包装した包装用容器とすること
ができる。本発明の包装用容器は、上記の他に、例え
ば、自立性包装袋(スタンデイングパウチ)等も可能で
あり、さらに、本発明の積層材を使用してチューブ容器
等も製造することができる。尚、本発明においては、上
記のような包装用容器に、例えば、ワンピースタイプ、
ツウーピースタイプ、その他の注出ロ、あるいは開閉用
ジッパー等を任意に取り付けることができる。
【0060】また、本発明の包装用容器は、まず本発明
の積層材を使用して所望の容器を製造するためのブラン
ク板を作製し、このブランク板を使用して胴部、底部、
頭部等を形成することにより、例えば、ブリックタイ
プ、フラットタイプあるいはゲーベルトップタイプの液
体用容器等を製造することができる。また、その形状
は、角形容器、丸形等の円筒状の缶等、いずれの形状で
も製造することができる。
【0061】図7は、本発明の包装用容器である上記の
液体充填用紙容器の一実施形態を示す斜視図であり、図
8は、図7に示される包容用容器に用いるブランク板の
平面図である。ブランク板70は、例えば、図5に示さ
れる本発明の積層材41を使用し、容器形成における折
り曲げ加工用の押圧線m,m・・・と、容器61の胴部
62を構成する胴部パネル71,72,73,74と、
容器61の頂部63を構成する頂部パネル71a,72
a,73a,74aと、容器61の底部64を構成する
底部パネル71b,72b,73b,74bと、筒体形
成用の熱融着用パネル75とを備えるように打ち抜き加
工して作製されたものである。このブランク板70を押
圧線m,m・・・で折り曲げ、胴部パネル71の端部内
側と熱融着用パネル75の外側とを熱融着して筒体を形
成し、その後、底部パネル71b,72b,73b,7
4bを押圧線m,m・・・で折り曲げ熱融着し、頂部の
開口から液体を充填した後に、頂部パネル71a,72
a,73a,74aを押圧線m,m・・・で折り曲げ熱
融着することにより、液体を充填包装した包装用容器6
1とすることができる。本発明の包装用容器は、種々の
飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品、
ケミカルカイロ等の雑貨品、その他等の種々の物品に使
用されるものである。
【0062】積層材 次に、本発明の積層材の他の実施形態について、上述の
本発明のバリアフィルム1を用いた例を挙げて説明す
る。図9は、本発明の積層材の他の実施形態を示す概略
断面図である。図9において積層材81は、基材フィル
ム2の一方の面にガスバリア層3と樹脂層4をこの順に
積層して備えたバリアフィルム1と、このバリアフィル
ム1の樹脂層4上に形成した導電性層82を備えてい
る。
【0063】積層材81を構成する導電性層82は、例
えば、酸化インジウムスズ(ITO)膜とすることがで
きる。ITO膜は、スパッタリング法、PVD法、イオ
ンプレーティング法等により形成することができ、特に
スパッタリング法により形成されたITO膜は導電性の
面内均一性に優れるため、好ましく用いられる。
【0064】導電性層82の膜厚は、その材質、積層材
81の用途等により適宜設定することができ、通常、1
00〜200nmの範囲内で設定される。また、導電性
層82は、表面抵抗値が0〜50Ω/□、全光線透過率
が85%以上であることが好ましい。このような導電性
層82は、例えば、液晶表示装置であれば、液晶駆動用
の透明電極として用いることができる。
【0065】画像表示媒体 本発明の画像表示媒体は、上記の積層材81を基材とし
て用い、導電性層82上に画像表示層を備えたものであ
る。このような画像表示媒体としては、液晶表示装置の
ようなバックライトの明るさをシャッターすることによ
り階調をつけて表示を行う非発光型ディスプレイと、プ
ラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッショ
ンディスプレイ(FED)、エレクトロルミネッセンス
ディスプレイ(EL)のような蛍光体を何等かのエネル
ギーにより発光させて表示を行う自己発光型ディスプレ
イとを挙げることができる。
【0066】本発明の画像表示媒体が液晶表示装置であ
る場合、上記画像表示層は液晶層を示すものであり、ま
た、自己発光型ディスプレイである場合は、蛍光体を有
する蛍光体層が上記の画像表示層に該当する。尚、本発
明は、上述の各実施形態に限定されるものではない。
【0067】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。
【0068】[実施例1] (ガスバリア層の形成)基材フィルム2としてシート状
の2軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製E
5101、厚み100μm、大きさ30cm×21c
m)を準備し、図10に示すような構成のプラズマCV
D装置101のチャンバー102内の下部電極114に
コロナ未処理面を上側(成膜面側)として装着した。次
いで、チャンバー102内を、油回転ポンプおよびター
ボ分子ポンプにより、到達真空度4.0×10-3Pa
(3.0×10-5Torr)まで減圧した。上記のプラ
ズマCVD装置101は、チャンバー102とともに、
原料ガス供給源112、ガス導入口109、プラズマ発
生装置107、排気装置108、排気弁110を備えて
いる。
【0069】また、原料ガスとして、テトラメトキシシ
ラン(TMOS)ガス(信越化学工業(株)製KBM−
04)と酸素ガス(太陽東洋酸素(株)製(純度99.
9999%以上))、ヘリウムガス(太陽東洋酸素
(株)製(純度99.999%以上))を準備した。
【0070】次に、下部電極114に90kHzの周波
数を有する電力(投入電力150W)を印加した。そし
て、電極近傍に設けられたガス導入口109からチャン
バー102内に、テトラメトキシシラン10sccm、
酸素10sccm、ヘリウム30sccmを導入し、真
空ポンプ108とチャンバー102との間にあるバルブ
113の開閉度を制御することにより、成膜チャンバー
内圧力を33.25Pa(250mTorr)に保ち、
基材フィルム2上に厚み100nmの珪素酸化膜からな
るガスバリア層3を形成した。尚、sccmとは、stan
dard cubic centimeter per minuteの略であり、以下の
実施例、比較例においても同様である。
【0071】上記のように形成した珪素酸化膜の成分を
下記の条件で測定した結果、Si原子数100に対し
て、O原子数190、C原子数20であり、SiO1.9
で示される珪素酸化膜であった。珪素酸化膜の成分測定 ESCA(英国 VG Scientific社製ES
CA LAB220i−XL)により測定した。X線源
としては、Ag−3d−5/2ピーク強度が300Kc
ps〜1McpsとなるモノクロAlX線源、および、
直径約1mmのスリットを使用した。測定は、測定に供
した試料面の法線上に検出器をセットした状態で行い、
適正な帯電補正を行った。測定後の解析は、上述のES
CA装置に付属されたソフトウエアEclipseバー
ジョン2.1を使用し、Si:2p、C:1s、O:1
sのバインディングエネルギーに相当するピークを用い
て行った。このとき、各ピークに対して、シャーリーの
バックグラウンド除去を行い、ピーク面積に各元素の感
度係数補正(C=1に対して、Si=0.817、O=
2.930)を行い、原子数比を求めた。
【0072】(樹脂層の形成)まず、二官能エポキシ樹
脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当
量:172)を用い、ハロゲン化二官能フェノール類と
してテトラブロモビスフェノールA(水酸基当量:27
2)を用い、エポキシ基/フェノール性水酸基=1.0
0/1.00となるように配合した。これに、触媒とし
て二官能エポキシ樹脂1モルに対して水素化リチウムを
0.05モル、イミダゾールを0.05モル添加し、溶
媒としてN,N−ジメチルアセトアミドを用い、溶液の
固形分濃度が20重量%となるように配合を調整し、溶
媒中で加熱(120℃、10時間)して重合させて、高
分子量エポキシ重合体を合成した。
【0073】このようにして得た高分子量エポキシ重合
体について、下記の各条件で粘度、分子量、還元粘度を
測定した結果、粘度が3800mPa・sであり、ゲル
浸透クロマトグラフィー法によるスチレン換算重量平均
分子量が150000であり、還元粘度は1.12dl
/gであった。粘度の測定 EMD型粘度計((株)トキメック製)を用いて、25
℃で測定した。
【0074】分子量の測定 ゲル浸透クロマトグラフィー法において、カラムとして
TSKgelG6000+G5000+G4000+G
3000+G2000(東ソー(株)製を用い、溶離液
にはN,N−ジメチルアセトアミドを使用し、試料濃度
は2%とした。種々のスチレンを用いて分子量と溶出時
間との関係を予め求めた後、該当する試料について測定
した溶出時間から分子量を算出し、スチレン換算重量平
均分子量とした。
【0075】還元粘度の測定 N,N−ジメチルアセトアミドを溶剤とし、25℃でウ
ベローデ粘度計を用いて測定した。
【0076】次に、上記の高分子量エポキシ重合体をメ
チルエチルケトンで希釈して、硬化性エポキシ樹脂組成
物とした。次いで、上述のガスバリア層を形成した基材
フィルムを、ガスバリア層が上側となるようにガラス基
板上に固定し、ガスバリア層上にスピンコーターを用い
て上記の硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布し、その後、
100℃のオーブン中で1時間熱処理を施した。これに
より、ガスバリア層上に樹脂層を形成し、本発明のバリ
アフィルム(実施例1)を得た。
【0077】このように作製したバリアフィルムについ
て、下記の条件で酸素透過率および水蒸気透過率を測定
して、結果を下記の表1に示した。また、バリアフィル
ムを65℃、相対湿度90%RHの環境試験機(湿熱オ
ーブン)に500時間保管した後に、同様の条件で酸素
透過率および水蒸気透過率を測定して、結果を下記の表
1に示した。さらに、バリアフィルムについて下記の条
件で耐薬品性試験を行い、結果を下記の表1に示した。酸素透過率の測定 酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製OX−TRA
N 2/20)を用いて、温度23℃、湿度50%RH
で測定した。水蒸気透過率の測定 水蒸気透過率測定装置(MOCON社製PERMATR
AN−W 3/31)を用いて、温度37.8℃、湿度
100%RHで測定した。
【0078】耐薬品性試験 3重量%NaOH水溶液(液温40℃)中に、5分間バ
リアフィルムを浸漬し、その後、流水で5分間洗浄を行
い、精製水で置換した後、ガーゼで水切りを行い、外観
を顕微鏡で観察して下記の基準で評価した。また、15
体積%HCl水溶液(液温40℃)中に、5分間バリア
フィルムを浸漬し、その後、流水で5分間洗浄を行い、
精製水で置換した後、ガーゼで水切りを行い、外観を顕
微鏡で観察して下記の基準で評価した。 ○:外観の変化がなく良好 △:表面に白濁が生じる
【0079】[実施例2] (ガスバリア層の形成)基材フィルム2としてシート状
の2軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製E
5101、厚み100μm、大きさ30cm×21c
m)を準備し、まず、実施例1と同様の条件で、基材フ
ィルム2上に厚み100nmの珪素酸化膜を形成した。
次いで、チャンバー102内を、油回転ポンプおよびタ
ーボ分子ポンプにより、到達真空度4.0×10-3Pa
(3.0×10-5Torr)まで減圧した。また、原料
ガスとして、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)
ガス(東レ・ダウ・コーニングシリコーン(株)製SH
200 0.65cSt)と酸素ガス(太陽東洋酸素
(株)製(純度99.9999%以上))、ヘリウムガ
ス(太陽東洋酸素(株)製(純度99.999%以
上))を準備した。
【0080】次に、下部電極114に90kHzの周波
数を有する電力(投入電力150W)を印加した。そし
て、電極近傍に設けられたガス導入口109からチャン
バー102内に、ヘキサメチルジシロキサン10scc
m、酸素10sccm、ヘリウム10sccmを導入
し、真空ポンプ108とチャンバー102との間にある
バルブ113の開閉度を制御することにより、成膜チャ
ンバー内圧力を33.25Pa(250mTorr)に
保ち、珪素酸化膜上に5nmでメチル基含有無機骨格薄
膜を形成して、2層構造のガスバリア層3を形成した。
上記のメチル基含有無機骨格薄膜の成分を実施例1にお
ける成分測定と同様に測定した結果、Si原子数100
に対して、O原子数100、C原子数150であり、
(SiO)0.7(CH31.4で示される薄膜であった。
【0081】(樹脂層の形成)次に、上記のガスバリア
層上に、実施例1と同様の条件で樹脂層を形成し、本発
明のバリアフィルム(実施例2)を得た。このように作
製したバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件
で酸素透過率、水蒸気透過率を測定し、また、耐薬品性
試験を行って、結果を下記の表1に示した。
【0082】[実施例3]実施例1におけるガスバリア
層形成工程と、樹脂層形成工程を、この順序で2回繰り
返して、本発明のバリアフィルム(実施例3)を得た。
このように作製したバリアフィルムについて、実施例1
と同様の条件で酸素透過率、水蒸気透過率を測定し、ま
た、耐薬品性試験を行って、結果を下記の表1に示し
た。
【0083】[実施例4] (ガスバリア層の形成)実施例1と同様の条件で、基材
フィルム2上に厚み100nmの珪素酸化膜からなるガ
スバリア層3を形成した。
【0084】(樹脂層の形成)まず、実施例1と同様に
して、高分子量エポキシ重合体を合成した。次に、上記
の高分子量エポキシ重合体に、架橋剤として、含有する
2個以上のイソシアネート基をフェノールでマスクした
トリレンジイソシアネートを、高分子量エポキシ重合体
のアルコール性水酸基1当量に対してイソシアネート基
0.5当量となるように配合した。さらに、高分子量エ
ポキシ重合体100重量部に対し、多官能エポキシ樹脂
としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ
当量:195)を30重量部、硬化剤としてフェノール
ノボラック樹脂(水酸基当量:106)を20重量部配
合した。さらに、非繊維状の無機充填材として平均粒径
1.0μmのアルミナを30体積%となるように配合し
た。そして、これらを室温で機械的に2時間攪拌して、
硬化性エポキシ樹脂組成物とした。
【0085】次いで、上述のガスバリア層を形成した基
材フィルムを、ガスバリア層が上側となるようにガラス
基板上に固定し、ガスバリア層上にスピンコーターを用
いて上記の硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布し、その
後、100℃のオーブン中で1時間熱処理を施した。こ
れにより、ガスバリア層上に樹脂層を形成し、本発明の
バリアフィルム(実施例4)を得た。このように作製し
たバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件で酸
素透過率、水蒸気透過率を測定し、また、耐薬品性試験
を行って、結果を下記の表1に示した。
【0086】[実施例5] (ガスバリア層の形成)実施例1と同様の条件で、基材
フィルム2上に厚み100nmの珪素酸化膜からなるガ
スバリア層3を形成した。
【0087】(樹脂層の形成) 高分子量エポキシ重合体Aの合成:二官能エポキシ樹脂
としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当
量:172)を用い、ハロゲン化二官能フェノール類と
してテトラブロモビスフェノールA(水酸基当量:27
2)を用い、エポキシ基/フェノール性水酸基=1.0
0/1.00となるように配合した。これに、触媒とし
て二官能エポキシ樹脂1モルに対してアルカリ金属化合
物である水素化リチウムを0.05モル添加し、溶媒と
してN,N−ジメチルアセトアミドを用い、溶液の固形
分濃度が20重量%となるように配合を調整し、溶媒中
で加熱(120℃、10時間)して重合させて、高分子
量エポキシ重合体Aを合成した。このようにして得た高
分子量エポキシ重合体Aについて、実施例1と同条件で
粘度、分子量、還元粘度を測定した結果、粘度が300
0mPa・sであり、ゲル浸透クロマトグラフィー法に
よるスチレン換算重量平均分子量が110000であ
り、還元粘度は1.21dl/gであった。
【0088】高分子量エポキシ重合体Bの合成:二官能
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂
(エポキシ当量:172)を用い、ハロゲン化二官能フ
ェノール類としてテトラブロモビスフェノールA(水酸
基当量:272)を用い、エポキシ基/フェノール性水
酸基=1.00/1.00となるように配合した。これ
に、触媒として二官能エポキシ樹脂1モルに対してアル
カリ金属非含有化合物であるイミダゾールを0.05モ
ル添加し、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミドを
用い、溶液の固形分濃度が20重量%となるように配合
を調整し、溶媒中で加熱(120℃、10時間)して重
合させて、高分子量エポキシ重合体Bを合成した。この
ようにして得た高分子量エポキシ重合体Bについて、実
施例1と同条件で粘度、分子量、還元粘度を測定した結
果、粘度が800mPa・sであり、ゲル浸透クロマト
グラフィー法によるスチレン換算重量平均分子量が68
000であり、還元粘度は0.43dl/gであった。
次に、上記の高分子量エポキシ重合体A、Bを同量混合
して高分子量エポキシ重合体とし、これをメチルエチル
ケトンで希釈して、硬化性エポキシ樹脂組成物とした。
【0089】次いで、上述のガスバリア層を形成した基
材フィルムを、ガスバリア層が上側となるようにガラス
基板上に固定し、ガスバリア層上にスピンコーターを用
いて上記の硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布し、その
後、100℃のオーブン中で1時間熱処理を施した。こ
れにより、ガスバリア層上に樹脂層を形成し、本発明の
バリアフィルム(実施例5)を得た。このように作製し
たバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件で酸
素透過率、水蒸気透過率を測定し、また、耐薬品性試験
を行って、結果を下記の表1に示した。
【0090】[実施例6] (ガスバリア層の形成)実施例1と同様の条件で、基材
フィルム2上に厚み100nmの珪素酸化膜からなるガ
スバリア層3を形成した。
【0091】(樹脂層の形成)まず、実施例5と同様に
して、高分子量エポキシ重合体Aと高分子量エポキシ重
合体Bとの同量混合物である高分子量エポキシ重合体を
得た。次に、上記の高分子量エポキシ重合体に、架橋剤
として、含有する2個以上のイソシアネート基をフェノ
ールでマスクしたトリレンジイソシアネートを、高分子
量エポキシ重合体のアルコール性水酸基1当量に対して
イソシアネート基0.5当量となるように配合した。ま
た、高分子量エポキシ重合体100重量部に対し、多官
能エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂(エポキシ当量:195)を30重量部、硬化剤と
してフェノールノボラック樹脂(水酸基当量:106)
を20重量部配合した。さらに、非繊維状の無機充填材
として平均粒径1.0μmのアルミナを30体積%とな
るように配合した。そして、これらを室温で機械的に2
時間攪拌して、硬化性エポキシ樹脂組成物とした。
【0092】次いで、上述のガスバリア層を形成した基
材フィルムを、ガスバリア層が上側となるようにガラス
基板上に固定し、ガスバリア層上にスピンコーターを用
いて上記の硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布し、その
後、100℃のオーブン中で1時間熱処理を施した。こ
れにより、ガスバリア層上に樹脂層を形成し、本発明の
バリアフィルム(実施例6)を得た。このように作製し
たバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件で酸
素透過率、水蒸気透過率を測定し、また、耐薬品性試験
を行って、結果を下記の表1に示した。
【0093】[実施例7] (ガスバリア層の形成)実施例1と同様の条件で、基材
フィルム2上に厚み100nmの珪素酸化膜からなるガ
スバリア層3を形成した。
【0094】(樹脂層の形成)二官能エポキシ樹脂とし
てビスフェノールAグリシジルエーテル340.4g
(1.00モル)を用い、二官能フェノール類としてビ
スフェノールA228.3g(1.00モル)を用い、
これらと、触媒として水素化リチウム0.40g(0.
05モル)およびイミダゾール3.40g(0.05モ
ル)とを、アミド系溶媒であるN,N−ジメチルアセト
アミド2290gに溶解させ、溶液の固形分濃度を20
重量%とした。この溶液を機械的に攪拌しながら加熱
(120℃、8時間)して重合させて、高分子量エポキ
シ重合体を合成した。
【0095】このようにして得た高分子量エポキシ重合
体について、実施例1と同条件で粘度、分子量、還元粘
度を測定した結果、粘度が3720mPa・sであり、
ゲル浸透クロマトグラフィー法によるスチレン換算重量
平均分子量が113000であり、還元粘度は1.15
dl/gであった。次に、上記の高分子量エポキシ重合
体をメチルエチルケトンで希釈して、硬化性エポキシ樹
脂組成物とした。
【0096】次いで、上述のガスバリア層を形成した基
材フィルムを、ガスバリア層が上側となるようにガラス
基板上に固定し、ガスバリア層上にスピンコーターを用
いて上記の硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布し、その
後、100℃のオーブン中で1時間熱処理を施した。こ
れにより、ガスバリア層上に樹脂層を形成し、本発明の
バリアフィルム(実施例7)を得た。このように作製し
たバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件で酸
素透過率、水蒸気透過率を測定し、また、耐薬品性試験
を行って、結果を下記の表1に示した。
【0097】[実施例8] (ガスバリア層の形成)実施例1と同様の条件で、基材
フィルム2上に厚み100nmの珪素酸化膜からなるガ
スバリア層3を形成した。
【0098】(樹脂層の形成)まず、実施例7と同様に
して、高分子量エポキシ重合体を合成した。次に、上記
の高分子量エポキシ重合体全量に、多官能エポキシ樹脂
としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ
当量:198)292g、硬化剤としてフェノールノボ
ラック樹脂(水酸基当量:106)156g、硬化促進
剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール1.46
g、架橋剤としてフェノールでイソシアネート基をマス
クしたトリレンジイソシアネート144gを配合し、希
釈溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミドを加えて固
形分濃度を20重量%とした後、室温で機械的に1時間
攪拌して、硬化性エポキシ樹脂組成物とした。
【0099】次いで、上述のガスバリア層を形成した基
材フィルムを、ガスバリア層が上側となるようにガラス
基板上に固定し、ガスバリア層上にスピンコーターを用
いて上記の硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布し、その
後、100℃のオーブン中で1時間減圧乾燥を行った。
これにより、ガスバリア層上に樹脂層を形成し、本発明
のバリアフィルム(実施例8)を得た。このように作製
したバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件で
酸素透過率、水蒸気透過率を測定し、また、耐薬品性試
験を行って、結果を下記の表1に示した。
【0100】[実施例9] (ガスバリア層の形成)実施例1と同様の条件で、基材
フィルム2上に厚み100nmの珪素酸化膜からなるガ
スバリア層3を形成した。
【0101】(樹脂層の形成) 高分子量エポキシ重合体Aの合成:二官能エポキシ樹脂
としてビスフェノールAグリシジルエーテル340.4
g(1.00モル)を用い、二官能フェノール類として
ビスフェノールA228.3g(1.00モル)を用
い、これらと、触媒としてアルカリ金属化合物である水
素化リチウム0.40g(0.05モル)とを、アミド
系溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミド2290g
に溶解させ、溶液の固形分濃度を20重量%とした。こ
の溶液を機械的に攪拌しながら加熱(120℃、8時
間)して重合させて、高分子量エポキシ重合体Aを合成
した。このようにして得た高分子量エポキシ重合体Aに
ついて、実施例1と同条件で粘度、分子量、還元粘度を
測定した結果、粘度が2970mPa・sであり、ゲル
浸透クロマトグラフィー法によるスチレン換算重量平均
分子量が107000であり、還元粘度は1.13dl
/gであった。
【0102】高分子量エポキシ重合体Bの合成:二官能
エポキシ樹脂としてビスフェノールAグリシジルエーテ
ル340.4g(1.00モル)を用い、二官能フェノ
ール類としてビスフェノールA228.3g(1.00
モル)を用い、これらと、触媒としてアルカリ金属非含
有化合物であるイミダゾール3.40g(0.05モ
ル)とを、アミド系溶媒であるN,N−ジメチルアセト
アミド2290gに溶解させ、溶液の固形分濃度を20
重量%とした。この溶液を機械的に攪拌しながら加熱
(120℃、8時間)して重合させて、高分子量エポキ
シ重合体Bを合成した。このようにして得た高分子量エ
ポキシ重合体Bについて、実施例1と同条件で粘度、分
子量、還元粘度を測定した結果、粘度が830mPa・
sであり、ゲル浸透クロマトグラフィー法によるスチレ
ン換算重量平均分子量が64000であり、還元粘度は
0.44dl/gであった。次に、上記の高分子量エポ
キシ重合体A、Bを同量混合して高分子量エポキシ重合
体とし、これをメチルエチルケトンで希釈して、硬化性
エポキシ樹脂組成物とした。
【0103】次いで、上述のガスバリア層を形成した基
材フィルムを、ガスバリア層が上側となるようにガラス
基板上に固定し、ガスバリア層上にスピンコーターを用
いて上記の硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布し、その
後、100℃のオーブン中で1時間熱処理を施した。こ
れにより、ガスバリア層上に樹脂層を形成し、本発明の
バリアフィルム(実施例9)を得た。このように作製し
たバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件で酸
素透過率、水蒸気透過率を測定し、また、耐薬品性試験
を行って、結果を下記の表1に示した。
【0104】[実施例10] (ガスバリア層の形成)実施例1と同様の条件で、基材
フィルム2上に厚み100nmの珪素酸化膜からなるガ
スバリア層3を形成した。
【0105】(樹脂層の形成)まず、実施例9と同様に
して、高分子量エポキシ重合体Aと高分子量エポキシ重
合体Bとの同量混合物である高分子量エポキシ重合体を
得た。次に、上記の高分子量エポキシ重合体全量に、多
官能エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂(エポキシ当量:198)292g、硬化剤とし
てフェノールノボラック樹脂(水酸基当量:106)1
56g、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール1.46g、架橋剤としてフェノールでイソシ
アネート基をマスクしたトリレンジイソシアネート14
4gを配合し、希釈溶剤としてN,N−ジメチルアセト
アミドを加えて固形分濃度を20重量%とした後、これ
らを室温で機械的に1時間攪拌して、硬化性エポキシ樹
脂組成物とした。
【0106】次いで、上述のガスバリア層を形成した基
材フィルムを、ガスバリア層が上側となるようにガラス
基板上に固定し、ガスバリア層上にスピンコーターを用
いて上記の硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布し、その
後、100℃のオーブン中で1時間減圧乾燥を行った。
これにより、ガスバリア層上に樹脂層を形成し、本発明
のバリアフィルム(実施例10)を得た。このように作
製したバリアフィルムについて、実施例1と同様の条件
で酸素透過率、水蒸気透過率を測定し、また、耐薬品性
試験を行って、結果を下記の表1に示した。
【0107】[比較例1]実施例1におけるガスバリア
層形成工程と樹脂層形成工程の順序を逆にして、基材フ
ィルム上に樹脂層とガスバリア層をこの順序で備えたバ
リアフィルム(比較例1)を得た。このように作製した
バリアフィルムについて、実施例1と同様の条件で酸素
透過率、水蒸気透過率を測定し、また、耐薬品性試験を
行って、結果を下記の表1に示した。
【0108】[比較例2]実施例1におけるガスバリア
層形成工程のみを行い、基材フィルム上にガスバリア層
のみを備えたバリアフィルム(比較例2)を得た。この
ように作製したバリアフィルムについて、実施例1と同
様の条件で酸素透過率、水蒸気透過率を測定し、また、
耐薬品性試験を行って、結果を下記の表1に示した。
【0109】[比較例3] (ガスバリア層の形成)実施例1と同様の条件で、基材
フィルム2上に厚み100nmの珪素酸化膜からなるガ
スバリア層3を形成した。
【0110】(樹脂層の形成)高分子量エポキシ重合体
として、フェノキシ樹脂(東都化成(株)製YP50
P)を使用し、この高分子量エポキシ重合体をメチルエ
チルケトンで希釈して、硬化性エポキシ樹脂組成物とし
た。尚、上記の高分子量エポキシ重合体について、実施
例1と同条件で分子量、還元粘度を測定した結果、ゲル
浸透クロマトグラフィー法によるスチレン換算重量平均
分子量が68000であり、還元粘度は0.48dl/
gであった。また、N,N−ジメチルアセトアミドを加
えて固形分濃度を20重量%とした溶液の粘度は200
mPa・sであった。
【0111】次いで、上述のガスバリア層を形成した基
材フィルムを、ガスバリア層が上側となるようにガラス
基板上に固定し、ガスバリア層上にスピンコーターを用
いて上記の硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布し、その
後、100℃のオーブン中で1時間熱処理を施した。こ
れにより、ガスバリア層上に樹脂層を形成してバリアフ
ィルム(比較例3)を得た。このように作製したバリア
フィルムについて、実施例1と同様の条件で酸素透過
率、水蒸気透過率を測定し、また、耐薬品性試験を行っ
て、結果を下記の表1に示した。
【0112】[比較例4] (ガスバリア層の形成)実施例1と同様の条件で、基材
フィルム2上に厚み100nmの珪素酸化膜からなるガ
スバリア層3を形成した。
【0113】(樹脂層の形成)まず、架橋剤として、含
有する2個以上のイソシアネート基を、イソシアネート
基1当量に対して、メチルエチルケトンオキシム1当量
を用いてマスクしたイソホロンジイソシアネートを調製
した。次に、高分子量エポキシ重合体として、フェノキ
シ樹脂(東都化成(株)製YP50P)を使用し、この
高分子量エポキシ重合体に上記の架橋剤を、高分子量エ
ポキシ重合体のアルコール性水酸基1当量に対してイソ
シアネート基0.5当量となるように配合した。また、
高分子量エポキシ重合体100重量部に対し、多官能エ
ポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(エポキシ当量:195)を30重量部、硬化剤として
フェノールノボラック樹脂(水酸基当量:106)を2
0重量部配合した。さらに、非繊維状の無機充填材とし
て平均粒径2μmのクレイを30体積%となるように配
合し、これらを室温で機械的に2時間攪拌して、硬化性
エポキシ樹脂組成物とした。
【0114】次いで、上述のガスバリア層を形成した基
材フィルムを、ガスバリア層が上側となるようにガラス
基板上に固定し、ガスバリア層上にスピンコーターを用
いて上記の硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布し、その
後、100℃のオーブン中で1時間熱処理を施した。こ
れにより、ガスバリア層上に樹脂層を形成してバリアフ
ィルム(比較例4)を得た。このように作製したバリア
フィルムについて、実施例1と同様の条件で酸素透過
率、水蒸気透過率を測定し、また、耐薬品性試験を行っ
て、結果を下記の表1に示した。
【0115】[比較例5] (ガスバリア層の形成)実施例1と同様の条件で、基材
フィルム2上に厚み100nmの珪素酸化膜からなるガ
スバリア層3を形成した。
【0116】(樹脂層の形成)プリプレグ用のエポキシ
樹脂である臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量:470)100重量部と、硬化剤であるジ
シアンジアミド5重量部と、硬化促進剤であるベンジル
メチルアミン0.2重量部とをメチルエチルケトンで希
釈し、これに非繊維状の無機充填材として平均粒径2μ
mのクレイを30体積%となるように配合し、これらを
室温で機械的に90分間攪拌して、硬化性エポキシ樹脂
組成物とした。
【0117】次いで、上述のガスバリア層を形成した基
材フィルムを、ガスバリア層が上側となるようにガラス
基板上に固定し、ガスバリア層上にスピンコーターを用
いて上記の硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布し、その
後、100℃のオーブン中で1時間熱処理を施した。こ
れにより、ガスバリア層上に樹脂層を形成してバリアフ
ィルム(比較例5)を得た。このように作製したバリア
フィルムについて、実施例1と同様の条件で酸素透過
率、水蒸気透過率を測定し、また、耐薬品性試験を行っ
て、結果を下記の表1に示した。
【0118】
【表1】 表1に示されるように、本発明のバリアフィルムは、5
00時間の湿熱処理が行なわれた後であっても、酸素透
過率が0.5cc/m2/day以下であり、水蒸気透
過率が0.5g/m2/dayであり、優れたガスバリ
ア性を備えるとともに、耐薬品性も良好であることが確
認された。
【0119】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によればバ
リアフィルムが、基材フィルムの少なくとも一方の面
に、ガスバリア層と樹脂層とがこの順に積層されてなる
繰り返し単位を1単位以上有し、樹脂層は二官能エポキ
シ樹脂と二官能フェノール類との重合体である高分子量
エポキシ重合体を含有し、ガスバリア層が無機酸化物膜
であるので、ガスバリア層が高いガスバリア性を発現
し、このガスバリア層上に形成された樹脂層が保護膜と
して機能して耐熱性、耐薬品性、耐候性をバリアフィル
ムに付与するとともに、ガスバリア層に欠損部位があっ
ても、それを埋めることによりガスバリア性を向上さ
せ、これにより、極めて高いバリア性を有し、透明性が
高く、柔軟性、耐候性にも優れ、かつ、種々の後加工適
性に必要な耐熱性、耐薬品性を有するバリアフィルムが
可能となる。また、基材フィルムとガスバリア層の間に
樹脂層を介在させることにより、ガスバリア層の形成時
における基材フィルムの寸法変化が防止されるととも
に、樹脂層はベンゼン環を多数有しているので、ガスバ
リア層の形成時にエッチングを受け難く、炭素混入が抑
制され、欠損箇所のない緻密なガスバリア層が得られ、
かつ、基材フィルムとガスバリア層との密着性も高くな
り、ガスバリア性が向上したバリアフィルムが可能とな
る。さらに、ガスバリア層を、樹脂層との界面側にメチ
ル基含有無機骨格薄膜を有するものとすることにより、
ガスバリア層と樹脂層との密着性がより高くなり、ガス
バリア性が更に向上したバリアフィルムが可能となる。
そして、本発明の製造方法により、本発明のバリアフィ
ルムを簡便に製造することができ、本発明のバリアフィ
ルムは、極めて高いガスバリア性と耐熱性、耐薬品性、
耐候性が要求される用途、例えば、食品や医薬品等の包
装材料、電子デバイス等のパッケージ材料等に好ましく
用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバリアフィルムの一実施形態を示す概
略断面図である。
【図2】本発明のバリアフィルムの他の実施形態を示す
概略断面図である。
【図3】本発明のバリアフィルムを用いた積層材の一実
施形態を示す概略断面図である。
【図4】本発明のバリアフィルムを用いた積層材の他の
実施形態を示す概略断面図である。
【図5】本発明のバリアフィルムを用いた積層材の他の
実施形態を示す概略断面図である。
【図6】本発明のバリアフィルムを用いた包装用容器の
一実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明のバリアフィルムを用いた包装用容器の
他の実施形態を示す斜視図である。
【図8】図7に示される包装用容器の製造に使用するブ
ランク板の平面図である。
【図9】本発明のバリアフィルムを用いた積層材の他の
実施形態を示す概略断面図である。
【図10】実施例において使用したプラズマCVD装置
の構成を示す図面である。
【符号の説明】
1,11…バリアフィルム 1,12…基材フィルム 3,13a,13b,13c…ガスバリア層 4,14a,14b,14c…バリア層 21,31,41…積層材 22,32,42…アンカーコート剤層、接着剤層 23,33,43…ヒートシール性樹脂層 34,44…基材 45…ヒートシール性樹脂層 51,61…包装用容器 81…積層材 82…導電性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E067 AA03 AA11 AB01 AB26 AB81 AB96 BA05A BA12A BB14A BB25A BB26A CA05 CA06 CA24 EA06 FA01 FC01 GD01 3E086 AB01 AD01 BA04 BA15 BA24 BB02 BB05 BB41 BB74 CA01 CA28 CA29 4F100 AA01C AA01D AA17B AA20B AH06B AK01A AK01C AK53C AK53D AT00A BA03 BA04 BA05 BA10A BA10C BA10E CA02C CA02D CA23D EH662 GB15 GB16 JA07C JA07D JD02B JD03 JG01E JL12E JM02B YY00 YY00C YY00D 4K030 BA44 BA61 BB12 CA07 CA12 FA01 FA03 LA01 LA24

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの少なくとも一方の面に、
    ガスバリア層と樹脂層とがこの順に積層されてなる繰り
    返し単位を1単位以上有し、前記樹脂層は二官能エポキ
    シ樹脂と二官能フェノール類との重合体である高分子量
    エポキシ重合体を含有し、前記ガスバリア層は無機酸化
    物膜であることを特徴とするバリアフィルム。
  2. 【請求項2】 前記基材フィルムと前記ガスバリア層の
    間に樹脂層を有し、該樹脂層は二官能エポキシ樹脂と二
    官能フェノール類との重合体である高分子量エポキシ重
    合体を含有するものであることを特徴とする請求項1に
    記載のバリアフィルム。
  3. 【請求項3】 前記無機酸化物膜はSiOx(Xは1.
    7〜2.0の範囲)で示される酸化珪素膜であることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載のバリアフィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 前記高分子量エポキシ重合体のスチレン
    換算重量平均分子量が70000以上であることを特徴
    とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のバリア
    フィルム。
  5. 【請求項5】 前記ガスバリア層は樹脂層との界面側に
    メチル基含有無機骨格薄膜を有することを特徴とする請
    求項1乃至請求項4のいずれかに記載のバリアフィル
    ム。
  6. 【請求項6】 前記メチル基含有無機骨格薄膜はSix
    (CH3yあるいは(SiO)x(CH3yで示される
    重合膜であることを特徴とする請求項5に記載のバリア
    フィルム。
  7. 【請求項7】 酸素透過率が0.5cc/m2/day
    以下であり、水蒸気透過率が0.5g/m2/dayで
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか
    に記載のバリアフィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    のバリアフィルムの少なくとも一方の面にヒートシール
    性樹脂層を設けたことを特徴とする積層材。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の積層材を用い、前記ヒ
    ートシール性樹脂層を熱融着して製袋または製函したこ
    とを特徴とする包装用容器。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記
    載のバリアフィルムの少なくとも一方の面に導電性層を
    設けたことを特徴とする積層材。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の積層材を基材とし
    て用い、前記導電性層上に画像表示層を備えることを特
    徴とする画像表示媒体。
  12. 【請求項12】 真空成膜法により無機酸化物膜を基材
    フィルム上に形成してガスバリア層とするガスバリア層
    形成工程と、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類
    との重合体である高分子量エポキシ重合体を含有する硬
    化性エポキシ樹脂組成物を用いて前記ガスバリア層上に
    樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、を有することを特
    徴とするバリアフィルムの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記高分子量エポキシ重合体は、スチ
    レン換算重量平均分子量が70000以上であることを
    特徴とする請求項12に記載のバリアフィルムの製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記硬化性エポキシ樹脂組成物は、さ
    らに多官能エポキシ樹脂、硬化剤、架橋剤の少なくとも
    1種を含有することを特徴とする請求項12または請求
    項13に記載のバリアフィルムの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記架橋剤は、2個以上のイソシアネ
    ート基を有するイソシアネート類のイソシアネート基を
    マスク(ブロック)したマスクイソシアネート類を含む
    ことを特徴とする請求項14に記載のバリアフィルムの
    製造方法。
  16. 【請求項16】 前記樹脂層形成工程において、前記硬
    化性エポキシ樹脂組成物に平均粒径が0.8〜5μmの
    範囲にある非繊維状の無機充填材を配合した組成物を使
    用して樹脂層を形成することを特徴とする請求項12乃
    至請求項15のいずれかに記載のバリアフィルムの製造
    方法。
  17. 【請求項17】 前記組成物は、無機充填材を10〜6
    0体積%の範囲で含有することを特徴とする請求項16
    に記載のバリアフィルムの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記二官能フェノール類は、ハロゲン
    化された二官能フェノール類であることを特徴とする請
    求項12乃至請求項17のいずれかに記載のバリアフィ
    ルムの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記ガスバリア層形成工程において、
    分子内に炭素−珪素結合をもたない有機珪素化合物を原
    料としてプラズマCVD法によりSiOx(Xは1.7
    〜2.0の範囲)で示される酸化珪素膜を基材フィルム
    上に形成してガスバリア層とすることを特徴とする請求
    項12乃至請求項18のいずれかに記載のバリアフィル
    ムの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記ガスバリア層形成工程において、
    分子内に炭素−珪素結合をもたない有機珪素化合物を原
    料としてプラズマCVD法によりSiOx(Xは1.7
    〜2.0の範囲)で示される酸化珪素膜を基材フィルム
    上に形成した後、分子内に炭素−珪素結合をもつ有機珪
    素化合物を原料としてプラズマCVD法によりメチル基
    含有無機骨格薄膜を前記酸化珪素膜上に積層してガスバ
    リア層とすることを特徴とする請求項12乃至請求項1
    8のいずれかに記載のバリアフィルムの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記樹脂層形成工程の後に、さらにガ
    スバリア層形成工程と樹脂層形成工程とを、この順序で
    1回以上繰り返すことを特徴とする請求項12乃至請求
    項20のいずれかに記載のバリアフィルムの製造方法。
  22. 【請求項22】 二官能エポキシ樹脂と二官能フェノー
    ル類との重合体である高分子量エポキシ重合体を含有す
    る硬化性エポキシ樹脂組成物を用いて基材フィルム上に
    予め樹脂層を形成した後、前記ガスバリア層形成工程を
    行うことを特徴とする請求項12乃至請求項21のいず
    れかに記載のバリアフィルムの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記ガスバリア層形成工程において、
    分子内に炭素−珪素結合をもつ有機珪素化合物を原料と
    してプラズマCVD法によりメチル基含有無機骨格薄膜
    を樹脂層上に形成し、次いで、分子内に炭素−珪素結合
    をもたない有機珪素化合物を原料としてプラズマCVD
    法によりSiOx(Xは1.7〜2.0の範囲)で示さ
    れる酸化珪素膜を前記メチル基含有無機骨格薄膜上に形
    成した後、分子内に炭素−珪素結合をもつ有機珪素化合
    物を原料としてプラズマCVD法によりメチル基含有無
    機骨格薄膜を前記酸化珪素膜上に積層してガスバリア層
    とすることを特徴とする請求項21または請求項22に
    記載のバリアフィルムの製造方法。
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