JP2002193024A - リフレクター可動型自動車用ヘッドランプ - Google Patents
リフレクター可動型自動車用ヘッドランプInfo
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Abstract
リューのスムーズな回動ができるコンパクトなリフレク
ター可動型自動車用ヘッドランプの提供。 【解決手段】 リフレクター14側のブラケット150
aに装着され、かつスクリュー30に螺合し、スクリュ
ー30の回動に連係して進退するナット部材130をガ
イドするナット摺動ガイド230をランプボディに設
け、エイミング点P1を構成するナット部材130とブ
ラケット150aとの装着部に玉継手構造の応力解放手
段を設けたヘッドランプである。摺動ガイド230がリ
フレクター14の重量を担持し、ナット部材130の摺
動を保証し、ナット部材130にねじりモーメントも生
じないので、リフレクター14の震動が抑制され、スク
リューのスムーズな回動を確保できる。
Description
フレクターがエイミング機構によってランプボディに対
し傾動可能に支持されたリフレクター可動型の自動車用
ヘッドランプに係わり、特に、エイミング機構構成部材
であるエイミングスクリューに螺合するエイミング点構
成部材であるナット部材がランプボディに形成したナッ
ト摺動ガイドによって支持された構造のリフレクター可
動型の自動車用ヘッドランプに関する。
ッドランプは、図19に示すように、光源を装着一体化
した合成樹脂製リフレクター2が合成樹脂製ランプボデ
ィ1の前面側において、1個の傾動支点である玉継ぎ手
と、2本のエイミングスクリューにそれぞれ螺合して軸
方向に進退可能な移動支点である2個のナット部材とか
ら構成されたエイミング機構によって支持されている。
ボディ1に設けられたスクリュー挿通孔1aに回転可能
に支承されるとともに、ランプボディ1の前方に延出す
るエイミングスクリュー4のねじ部4aには、リフレク
ター2に延出形成されたブラケット2aに取着された合
成樹脂製ナット部材5が螺合している。そして、エイミ
ングスクリュー4を回動することで、ナット部材5がエ
イミングスクリュー4に沿って進退し、玉継手と他のエ
イミングスクリューに螺合するナット部材とを結ぶ傾動
軸周りにリフレクター2が傾動し、これによってランプ
の光軸を調整できる。
後端部には冠状歯車7が一体に形成されており、ドライ
バーDを使ってエイミングスクリュー4を回動操作でき
る。また、ランプボディ1の後方からスクリュー挿通孔
1aに挿通されたエイミングスクリュー4は、金属製の
プッシュオンフィクス8によって前後方向に弾性支持さ
れて位置決め固定されている。
に支承するスクリュー挿通孔1aには、シール材である
Oリング9が介装されて、エイミングスクリュー4の回
転支承部における防水がとられている。
のエイミング機構を備えたヘッドランプでは、スクリュ
ー挿通孔1aによって片持ち支持されたエイミングスク
リュー4の先端部にリフレクター2の重量Wが作用し、
エイミングスクリュー4がスクリュー挿通孔1aに対し
揺動してリフレクター2が震動するおそれがある。そこ
で、金属製のプッシュオンフィクス8によって、エイミ
ングスクリュー4をスクリュー挿通孔1aの周縁部に強
く圧接保持するようにして、エイミングスクリュー4の
揺動(リフレクター2の震動)を防止している。
イミングスクリュー4の挟持力を高めると、エイミング
スクリュー4の回動性が損なわれてエイミング操作しに
くいという問題があった。
437号(平成12年6月2日出願)を提案した。これ
は、図20に示すように、ナット部材を、エイミングス
クリュー4と螺合する雌ねじ部の形成されたナット部材
本体5の側方に、リフレクター2側のブラケット2aと
の装着部である係合突起6と、エイミングスクリュー4
と平行にランプボディ1に設けた摺動ガイド8とのスラ
イド係合部であるスライダー部7とを正面視直交するよ
うに一体に形成した構造とし、スライダー部7を摺動ガ
イド8で支持しかつ担持することで、エイミングスクリ
ュー4に作用するリフレクター2側の重量負荷を軽減
し、リフレクター2の揺動(震動)を抑制するというも
のである。符号9は前面レンズ、符号aはエイミング支
点、符号Lxは水平傾動軸、符号Lyは垂直傾動軸を示
す。
−165437号)では、リフレクター2側の重量負荷
が摺動ガイド8で担持されるため、エイミングスクリュ
ー4にリフレクター2側の重量負荷が曲げモーメントと
して作用しないものの、エイミングスクリュー4に螺合
しているナット部材本体5の側方にオフセットして設け
られた係合突起6に作用するリフレクター側の慣性重量
によって、ねじりモーメントがナット部材に生じ、リフ
レクターの震動を確実に抑制することが困難である。ま
た、図20白抜き矢印に示すように、このねじりモーメ
ントが繰り返しナット部材に作用すると、ナット部材が
エイミングスクリューに対し勝手に回動して、適正なエ
イミングができないおそれもある、という問題も提起さ
れた。
L字型のため、それだけ嵩張り、ランプボディが大型化
するという問題も生じた。
れたもので、その目的は、リフレクターの震動を確実に
防止できるとともに、エイミングスクリューのスムーズ
な回動を確保できるコンパクトなリフレクター可動型自
動車用ヘッドランプを提供することにある。
成するために、請求項1に係るリフレクター可動型自動
車用ヘッドランプにおいては、容器状のランプボディ
と、灯室を画成するべく前記ランプボディの前面開口部
に組み付けられた前面レンズと、前記灯室に収容され
た、光源を装着したリフレクターと、前記ランプボディ
とリフレクター間に介装されて、前記リフレクターをラ
ンプボディに対し傾動可能に支持するエイミング機構と
を備え、前記エイミング機構は、前記リフレクターの傾
動支点を構成するエイミング支点と、前記ランプボディ
に設けられたスクリュー挿通孔に回転可能に支承されて
前方に延出するエイミングスクリューと、前記リフレク
ターに延出形成されたブラケットに装着されるととも
に、前記エイミングスクリューに螺合し、エイミングス
クリューの回動に連係して前後進退する合成樹脂製ナッ
ト部材とから構成され、前記ランプボディには、前記ナ
ット部材を担持しかつ前後方向摺動可能に支持するナッ
ト摺動ガイドが一体に延出形成され、エイミング点を構
成する前記ナット部材と前記ブラケットとの装着部に
は、ナット部材の進退に伴って前記装着部に生ずる応力
を解放する玉継手構造の応力解放手段が設けられたリフ
レクター可動型自動車用ヘッドランプであって、前記ナ
ット摺動ガイドを、前記エイミングスクリュー配設位置
の前記エイミング支点と反対側の側方にオフセットした
位置に設けるとともに、前記ナット部材を、前記エイミ
ングスクリューに螺合する雌ねじ部の形成されたナット
部材本体自体が前記玉継手の玉部を構成するとともに、
前記ナット部材本体の側方に前記ナット摺動ガイドによ
って支持されるスライダー部を一体に形成した構造と
し、前記ブラケット側には、前記ナット摺動ガイド側に
開口し、前記ナット部材本体を支承して前記玉継手の玉
受け部を構成する係合穴を設けるように構成した。 (作用) ランプボディに一体形成されたナット摺動ガ
イドが、エイミングスクリューに螺合するナット部材
(に作用するリフレクターの重量)を担持するので、エ
イミングスクリューにはリフレクターの重量による曲げ
モーメントが作用しない。このため、エイミングスクリ
ューのスクリュー挿通孔に対する揺動、即ちリフレクタ
ーの震動が抑制されるので、プッシュオンフィックス等
によるエイミングスクリューの回転支承部における挟持
力を従来よりも弱めて、エイミングスクリューのスムー
ズな回動を確保できる。
の重量の作用点がナット部材とエイミングスクリューと
の螺合部に一致するので、リフレクター側の重量に起因
したねじりモーメントがナット部材に作用しない。この
ため、リフレクターが震動したり、ナット部材がエイミ
ングスクリューに対し勝手に回動するおそれがない。
ターがランプボディに対し傾動する際や、光源の発熱に
起因してリフレクターが熱膨張する際等に、ナット部材
とブラケットとの装着部(エイミングスクリューとリフ
レクター間)に発生しようとする応力は、ナット部材と
ブラケットとの装着部に設けられた玉継手構造の応力解
放手段によって解放される。
て前後方向に進退するナット部材は、ナット摺動ガイド
によって、エイミングスクリューに沿った方向にガイド
されるので、ナット部材とエイミングスクリューとの螺
合部の摩擦トルクが一定に保持される。
リュー配設位置の側方にオフセットした位置(であるラ
ンプボディとリフレクター間の広いスペース位置)に配
設することで、傾動するリフレクターとナット摺動ガイ
ドとの干渉を回避できる。
方にスライダー部を一体に形成したコンパクトな構造
で、それだけランプボディとリフレクター間の狭いスペ
ースにナット部材を配置できる。
フレクター可動型自動車用ヘッドランプにおいて、前記
玉継手の玉受け部を構成する前記ブラケットの係合穴の
周辺領域を、前記係合穴に支承された前記ナット部材本
体の雌ねじ部に螺合して前後に延出するエイミングスク
リューと干渉しない縦断面U字型に形成した。 (作用)係合穴に係合するナット部材本体に螺合して前
後に延出するエイミングスクリューは、係合穴周辺領域
の前後の開口部(スリット)を貫通することで、ブラケ
ットとエイミングスクリューが干渉しない。
記載のリフレクター可動型自動車用ヘッドランプにおい
て、前記ナット部材本体と係合穴とを、係合穴の開口方
向前後に相対摺動可能で、前記エイミング支点と前記エ
イミングスクリューを含む平面に沿って相対揺動可能
で、かつ前記係合孔の周方向に相対回動可能な、玉継手
構造の応力解放手段で構成するようにした。 (作用) 即ち、例えば、図17に示すように、エイミ
ングスクリュー30の回動に伴って、ナット部材130
は、矢印Aに示すように、スクリュー30に沿って前後
進退(直線運動)し、一方、リフレクター14(のブラ
ケット150aの係合孔152)は、矢印Bに示すよう
に、エイミング支点P(垂直傾動軸Ly)周りに回転
(傾動)する。このため、移動軌跡が異なる両者(直線
運動をするナット部材130と回転運動をするブラケッ
ト150a)間の係合部(ナット部材本体131と係合
孔152)には、移動軌跡の差(ずれ)相当の応力が発
生することになる。
0に沿った前後進退動作に伴って、ナット部材本体13
1とブラケット150a側の係合孔152が係合方向
(係合孔152延在方向)に相対摺動して、ナット部材
130とブラケット150a間の装着部における、エイ
ミング支点Pを通る水平傾動軸Lxに沿った方向のずれ
δに対応する引張応力(圧縮応力)を解放する。
2が水平方向に相対揺動(図9,10の軸L10周りに
相対揺動)して、ナット部材130とブラケット150
a間の装着部における、係合孔152の延在方向L2と
ナット部材本体131の突出方向L3の角度ずれθに対
応するトルクを解放する。即ち、リフレクター14がエ
イミング支点Pを通る垂直傾動軸Ly周りに傾動する際
の、装着部に生じる応力を解放する。
2が係合孔152の周方向に相対回動して、リフレクタ
ー14がエイミング支点Pを通る水平傾動軸Lx周りに
傾動する際の、ナット部材130とブラケット150a
間の装着部に生じる応力を解放する。
4が熱膨張するするなどの場合にも、ナット部材130
とブラケット150a間の装着部には、リフレクター1
4の変形に伴う応力が生じようとするが、ナット部材本
体131と係合孔152から構成されたユニバーサルジ
ョイント構造によって、解放される。
フレクター可動型自動車用ヘッドランプにおいて、前記
ナット部材本体を、円筒型に形成された前記係合穴の内
周面に整合する球形状に形成するとともに、前記ナット
部材本体外周における前記雌ねじ部を挟んだ対向位置
に、前記係合穴の内周面に圧接して、前記ナット部材本
体と係合穴間の相対揺動軸を構成する一対の弾性突起を
設けるように構成した。 (作用)ナット部材本体側の一対の弾性突起は、係合穴
の内周面に圧接保持されて、この一対の弾性突起を結ぶ
軸周りにナット部材と係合穴がスムーズに相対摺動でき
る。
フレクター可動型自動車用ヘッドランプにおいて、前記
弾性突起を、前記雌ねじ部を横切る方向に延在する門型
の弾性係合枠と、前記弾性係合枠の水平梁部に突設され
た球状微小突起とを備えた構成とし、前記係合穴の内周
面には、係合穴の延在方向に沿って延び、前記弾性係合
枠が係合穴半径方向に圧接しかつ係合穴周方向に遊合す
る一対の係合溝を対向して設けるようにした。 (作用)門型弾性係合枠の水平梁部が係合穴の係合溝の
底面に圧接して、ナット部材本体は係合穴に対しがたつ
かないとともに、ナット部材本体と係合穴とは、係合穴
延在方向に相対摺動できる。係合溝に対し溝幅方向に遊
合する門型の弾性係合枠は、係合溝と弾性係合枠間の隙
間相当だけ、ナット部材本体と係合穴の係合穴周方向へ
の相対回動を可能にする。係合溝底面に圧接する門型弾
性係合枠の水平梁部の微小突起位置での圧接力が最も大
きいので、一対の微小突起を通る軸周りにナット部材本
体と係合穴が相対回動する。
た形状とし、門型弾性係合枠の水平梁部の外側表面を横
断面円弧形状とすることで、ナット部材本体と係合穴の
係合穴周方向への相対回動を円滑にするとともに、係合
穴周方向への相対回動範囲を拡大できる。
れかに記載のリフレクター可動型自動車用ヘッドランプ
において、前記ナット摺動ガイドに、前記エイミングス
クリューに臨む側が開口する幅広の蟻溝を形成するとと
もに、前記スライダー部を、前記蟻溝に収容される偏平
なスライドプレート部と、前記蟻溝内壁面に圧接されて
前記スライドプレート部を蟻溝深さ方向に弾支する板ば
ね状弾性摺接部とを備えた構成とした。
ト摺動ガイド)の底面に圧接して、スライドプレート部
は蟻溝(ナット摺動ガイド)内においてガタなく弾支さ
れるとともに、ナット部材のナット摺動ガイド(エイミ
ングスクリュー)に沿ったスムーズな摺動が確保され
る。
れかに記載のリフレクター可動型自動車用ヘッドランプ
において、前記エイミングスクリューを、前記エイミン
グ支点と上下方向に離間する位置に配設した上下エイミ
ングスクリューと、前記エイミング支点と左右方向に離
間する位置に配設した左右エイミングスクリューとから
構成した。
によりナット部材が上下エイミングスクリューに沿って
進退し、リフレクターがエイミング支点と左右エイミン
グスクリューに螺合するナット部材・ブラケット間装着
部(左右エイミング点)とを通る水平傾動軸周りに傾動
する。
ット部材が左右エイミングスクリューに沿って進退し、
リフレクターがエイミング支点と上下エイミングスクリ
ューに螺合するナット部材・ブラケット間装着部(上下
エイミング点)を通る垂直傾動軸周りに傾動する。
摺動ガイドが、リフレクターの重量を担持するととも
に、リフレクターの上下方向の震動を抑制する。また、
上下エイミング点に対応するナット摺動ガイドが、リフ
レクターの左右方向の震動を抑制する。
れかに記載のリフレクター可動型自動車用ヘッドランプ
において、前記リフレクターおよびエイミングスクリュ
ーを合成樹脂製とし、前記エイミング支点を、リフレク
ター側またはランプボディ側のいずれか一方に突設され
た合成樹脂製の玉部と、他方に形成された、前記玉部が
係合可能な合成樹脂製玉受け部とからなる玉継手により
構成するようにした。
クリューと、エイミング支点を構成する玉部と玉受け部
からなる玉継手とを合成樹脂製とすることで、エイミン
グ機構全体を合成樹脂で構成できる。
フレクター可動型自動車用ヘッドランプにおいて、前記
スクリュー挿通孔を、ランプボディに一体に形成されラ
ンプボディを貫通して前方に延出する筒状部によって構
成するとともに、前記エイミングスクリューのスクリュ
ー挿通孔によって支承される被支承部の前端側には、半
径方向内側に弾性変形してスクリュー挿通孔を通過でき
るとともに、前記スクリュー挿通孔の前端側の周縁部に
係合してエイミングスクリューを後方に抜け止めする弾
性掛止部が一体に形成され、一方、前記被支承部の後端
側には、前記スクリュー挿通孔の後端側の周縁部に圧接
して、エイミングスクリューを前後方向に位置決め固定
するスカート状の弾性リブが一体に形成された構成とし
てもよい。
プボディの後方からエイミングスクリューをスクリュー
挿通孔に押し込むと、エイミングスクリューにおける被
支承部の弾性掛止部が、スクリュー挿通孔の後端側の周
縁部に押されて半径方向内方に縮径するように弾性変形
して筒状部を通過し、弾性掛止部が前端側の周縁部に係
合し、かつスカート状弾性リブがスクリュー挿通孔の後
端側の周縁部に圧接することで、スクリュー挿通孔に対
しエイミングスクリューが軸方向に位置決め固定され
る。
端側に形成されたスカート状の弾性リブは、スクリュー
挿通孔の周縁部に圧接かつ摺接し、エイミングスクリュ
ー被支承部内への水の侵入を多少なりとも阻止するとと
もに、エイミングスクリューを前後方向に弾性支持す
る。
も合成樹脂製で、弾性リブとスクリュー挿通孔周縁部間
の摺接部では両者の滑動が確保されて、エイミングスク
リューの回動を妨げるものでもない。また、合成樹脂製
弾性リブは、ゴム製のOリングに比べ、水によって劣化
しにくい。
形成されてスクリュー挿通孔の周縁部に圧接かつ摺接す
るスカート状の弾性リブによって、エイミングスクリュ
ーは回転支承部において前後方向にガタなく弾性支持さ
れるとともに、エイミングスクリューの回転支承部にお
ける防水がある程度確保されるので、エイミングスクリ
ューの回転支承部にプッシュオンフィックス等の弾性部
材やOリングなどのシール部材を介装する必要がなくな
り、それだけエイミング機構を構成する部品点数が減っ
て、エイミング機構の構成が簡潔となるとともに、エイ
ミング機構の組み付け作業も簡単となる。
ても水による劣化はなく、エイミングスクリューの回転
支承部における長期にわたる弾性支持とある程度の防水
が保証される。
に、スクリュー挿通孔の内周面に摺接する円環状の弾性
防水リブを一体に形成するように構成してもよい。
ミングスクリューの被支承部に形成されてスクリュー挿
通孔の内周面に摺接する円環状の弾性防水リブは、スク
リュー挿通孔内周面に圧接状態に保持されて、エイミン
グスクリューの回転支承部における防水を確保する。
撓性)をもつことから、エイミングスクリューの被支承
部を筒状部(スクリュー挿通孔)に挿入する際には、弾
性防水リブが弾性変形して、エイミングスクリューのス
クリュー挿通孔への組付けを妨げず、また弾性防水リブ
とスクリュー挿通孔内周面間の摺接部が、エイミングス
クリューの回動を妨げるものでもない。
製のOリングに比べ水によって劣化しにくい。
承部は、ランプボディ外側のスクリュー挿通孔周縁部に
おける弾性リブによる防水手段と、スクリュー挿通孔内
部における弾性防水リブによる防水手段の2カ所によっ
て防水がとられているので、それだけエイミングスクリ
ューの回転支承部における防水を確実なものとすること
ができる。
施例に基づいて説明する。
し、図1は本発明の第1の実施例であるリフレクター可
動型の自動車用ヘッドランプの正面図、図2は同ヘッド
ランプの水平断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面
図)、図3は同ヘッドランプの縦断面図(図1に示す線
III−IIIに沿う断面図)、図4はランプボディ,リフレ
クタおよびエイミング機構の分解斜視図、図5はエイミ
ングスクリューの回転支承部を構成する筒状部を示し、
(a)は同筒状部の拡大斜視図、(b)は同筒状部の拡
大縦断面図である。図6はエイミングスクリューを示
し、(a)はエイミングスクリューの拡大斜視図、
(b)はエイミングスクリューの拡大側面図、(c)は
エイミングスクリューの横断面図(図6(b)に示す線
VI-VIに沿う断面図)である。図7はエイミングスクリ
ューの回転支承部の拡大縦断面図、図1はエイミングス
クリューがスクリュー挿通孔に挿入される様子を説明す
る説明図、図9はナット部材とブラケット間の装着部の
分解斜視図、図10はナット部材を示し、(a)はナッ
ト部材の正面図、(b)はナット部材の縦断面図、
(c)はナット部材の水平断面図、図11はブラケット
側のナット係合穴の正面図、図12はナット係合穴の水
平断面図(図11に示す線XII−XIIに沿う断面図)、図
13は左右エイミング点を構成するナット部材とブラケ
ット間の装着部の断面図、図14は上下エイミング点を
構成するナット部材とブラケット間の装着部の断面図、
図15はナット部材がナット係合穴に係合している形態
の断面図(図13に示す線XV−XVに沿う断面図)、図1
6はナット部材がナット係合穴に係合している形態の断
面図(図13に示す線XVI−XVIに沿う断面図)、図17
は左右エイミング点であるナット部材とブラケット間の
装着部における応力解放作用を説明する説明図である。
ロピレン樹脂製の容器状ランプボディで、ランプボディ
10の前面開口部には前面レンズ12が組み付けられて
灯室Sが画成されている。灯室S内には、光源であるバ
ルブ18を装着一体化したリフレクター14が、エイミ
ング機構Eによって傾動可能に設けられている。符号1
3は、リフレクター14と前面レンズ12間に配置され
て、リフレクター14とランプボディ10間の隙間を隠
すとともに、灯室S内全体を鏡面色に見せるエクステン
ションリフレクターである。
リフレクター14間に介装されたエイミング支点Pを構
成する玉継手20と、ランプボディ10に設けられたス
クリュー挿通孔10a,10bにそれぞれ回転可能に支
承された一対のエイミングスクリュー30,40と、リ
フレクター14の背面側に突出するブラケット150
a,150bにそれぞれ取着されるとともに、エイミン
グスクリュー30,40のねじ部32,42にそれぞれ
螺合してエイミング点P1,P2を構成する一対のナッ
ト部材130,140と、を備えて構成されている。
設されたブラケット150cに装着された合成樹脂製の
玉部材で、ランプボディ10の内側に一体に形成された
玉受け部24に、この玉部材22の玉部23が支承され
て、玉継手20が構成されている。玉受部24は円筒形
状で、円筒部の先端側には周方向等間隔に縦スリットが
設けられて、玉部23の玉受部24への装脱着ができ
る。
0に一体形成された蟻溝構造のナット摺動ガイドで、エ
イミングスクリュー30(40)に螺合するナット部材
130(140)は、この摺動ガイド230(240)
に担持かつガイドされて、前後方向に進退動作できる。
すると、ナット部材130(とブラケット150a間の
装着部である左右エイミング点P1)がエイミングスク
リューのねじ部32に沿って進退し、エイミング支点P
(玉継手20)とナット部材140(とブラケット15
0b間の装着部である上下エイミング点P2)を結ぶ垂
直傾動軸Ly周りにリフレクター14が傾動する。ま
た、エイミングスクリュー40を回動すると、ナット部
材140(とブラケット150b間の装着部である上下
エイミング点P2)がエイミングスクリューのねじ部4
2に沿って進退し、エイミング支点P(玉継手20)と
ナット部材130(とブラケット150a間の装着部で
ある左右エイミング点P1)を結ぶ傾動軸Lx周りにリ
フレクター14が傾動する。即ち、エイミングスクリュ
ー30は、ランプの光軸を傾動軸Ly周りに傾動調整す
る左右エイミングスクリューを構成し、エイミングスク
リュー40は、ランプの光軸を水平傾動軸Lx周りに傾
動調整する上下エイミングスクリューを構成している。
について、詳細に説明する。
(a)(b)に示すように、ランプボディ10に一体に
形成されて前後方向に延出する円筒形状の筒状部50に
よって構成されている。
リュー30(40)を回転可能に支承しかつがたつかな
いように保持できるに十分の長さに形成されている。ま
た、後方延出部50Bの延出量は、図7に示すように、
ランプボディ10に沿って配設したエイミングスクリュ
ー回動操作用のドライバDの先端部を担持できる大きさ
に形成されている。また、後方延出部50Bの上側面に
は、ドライバDの先端部が当接したときに、ドライバD
の歯が冠状歯車の歯に噛み合った状態となる位置決め用
の平坦面51が形成されており、ドライバDを回動する
際に、ドライバDの先端部が筒状部50外周面に沿って
滑動しないようになっている。
成形されるが、その形状が簡潔であるため、成形用の金
型の構造も金型の成形面もシンプルで、成形も簡単であ
る。
は、図6,7に示すように、雄ねじ部32(42)の形
成された前端側のスクリュー本体31(41)は勿論の
こと、後端の冠状歯車部35(45)を含む全体が、例
えばポリアセタール樹脂等の合成樹脂で構成されてい
る。
ー30(40)のうち、筒状部50によって支承される
部位、即ち被支承部で、この被支承部34(44)の後
端側には、筒状部50の後方延出部の端面50bに当接
する冠状歯車部35(45)が一体に形成されており、
被支承部34(44)の前端側には、筒状部50の前方
延出部50Aの内フランジ状の前端部の端面(筒状部の
前端面)50aに係合する弾性掛止片38(48)が設
けられている。
すように、被支承部34(44)前端側の左右の側面3
6a(46a)が対向するように面取りされた横断面矩
形状の基部36(46)の両側に、L字型に形成され、
その後方に延出する水平延出部が半径方向に弾性変形可
能に構成されている。弾性掛止片38(48)の水平延
出部は、先端側ほど厚く形成されて、板ばねとしての剛
性強度が高められるとともに、筒状部50の端面50a
との係合が外れにくいようになっている。
(40)における被支承部後端側の冠状歯車35(4
5)の付根側には、筒状部50の後端面50bに摺接す
るスカート状の弾性リブ35b(45b)が設けられて
いる。そして、この弾性リブ35b(45b)が筒状部
50の後端面50bに当接し、かつ被支承部34(4
4)の前端側の弾性掛止片38(48)が筒状部50の
前端面50aに係合することで、エイミングスクリュー
30(40)はスクリュー挿通孔10a(10b)に対
し軸方向に位置決め固定される。この弾性リブ35b
(45b)は、筒状部50の後端面50bに圧接状態に
保持されて、エイミングスクリュー30(40)を軸方
向に弾性支持して、エイミングスクリュー30(40)
が回転支承部においてがたつかないように保持する。ま
た、この弾性リブ35b(45b)は、エイミングスク
リュー30(40)の回転支承部における防水を多少確
保する作用もある。
a)は、前方(ランプボディ10に臨む側)に設けられ
ており、図7に示すように、ランプボディ10に沿って
配設したエイミングスクリュー回動操作用のドライバD
の先端部を筒状部50の平坦面51に当接させると、ド
ライバDの歯が冠状歯車部35(45)の歯35a(4
5a)にちょうど噛み合って、ドライバD側の回転力が
冠状歯車部35(45)側に伝達されるようになってい
る。
の後端部(冠状歯車部35(45)の後方)には、外形
が断面正六角形で、端面に角溝37a(47a)の設け
られた回動操作部37(47)が一体に形成されてお
り、ドライバDに代えて、スパナなどの工具を使ってエ
イミングスクリュー30(40)を回動操作することも
できる。
(45b)は適度の弾性(可撓性)をもつとともに、合
成樹脂製の筒状部50の後端面50bが平滑面であるこ
とから、弾性リブ35b(45b)と筒状後端面50b
間の摺接部が、エイミングスクリュー30(40)の回
動を妨げるものではない。
4(44)には、筒状部50(スクリュー挿通孔10
a,(10b))の内周面に摺接する円環状の弾性防水
リブ34a(44a)が一体に形成されている。防水リ
ブ34a(44a)の外径は、スクリュー挿通孔10a
(10b)の内径よりわずかに大きく形成されて、防水
リブ34a(44a)の先端部が常にスクリュー挿通孔
10a(10b)の内周面に圧接されるようになってい
る。
性防水リブ34a(44a)の両側には、防水リブ34
a(44a)に沿って延びる環状溝34b(44b)が
形成されて、エイミングスクリューの被支承部34(4
4)とスクリュー挿通孔10a(10b)間における隙
を拡げることなく、弾性防水リブ34a(44a)の半
径方向の突出量を大きくすることで、弾性防水リブ34
a(44a)の弾性(可撓性)が高められ、これによっ
て弾性防水リブ34a(44a)とスクリュー挿通孔1
0a(10b)内周面との間に適度の圧接力が作用する
ようになっている。
と、弾性防水リブの突出量(半径方向高さ)がそれだけ小
さく、弾性(可撓性)が不十分なため、弾性防水リブと
スクリュー挿通孔内周面との間に過大な圧接力が作用
し、エイミングスクリューの回動トルクが大きくなっ
て、エイミングスクリューをスムーズに回動させたり、
エイミングスクリューをスムーズにスクリュー挿通孔に
挿着できないおそれがある。また、弾性防水リブ34a
(44a)の弾性(可撓性)を高めるには、被支承部3
4(44)とスクリュー挿通孔10a,(10b)間の
隙を拡げて防水リブの突出量を大きくすればよいが、こ
の隙が大きくなるに従って防水性が低下し、かつ回転支
承部におけるがたも大きくなるため、好ましいことでは
ない。
(44a)の付け根に沿って環状溝34b(44b)を
形成し、被支承部34(44)とスクリュー挿通孔10
a(10b)内周面間における隙を拡げることなく、即
ち防水性を低下させることなく、弾性防水リブ34a
(44a)の突出量を大きくして、弾性防水リブ34a
(44a)とスクリュー挿通孔10a(10b)内周面
間に生じる圧接力や摺動摩擦抵抗を軽減するようになっ
ている。したがって、エイミングスクリュー30(4
0)のスムーズな回動と、エイミングスクリュー30
(40)のスクリュー挿通孔10a(10b)へのスム
ーズな挿着が可能となっている。
向に2カ所並設されており、防水リブ34a(44a)
とスクリュー挿通孔10a(10b)内周面間の円環状
の摺接部が2段となって、それだけエイミングスクリュ
ー30(40)の回転支承部における防水性が高められ
ている。
の被支承部34(44)より前方の部分は、図6(c)
の白抜き矢印に示すように、半径方向に分割された一対
の分割金型60A,60Bを用いて、またエイミングス
クリュー30(40)の冠状歯車部35(45)は、図
6(b)の白抜き矢印に示すように、軸方向に分割され
た一対の分割金型61A,61Bを用いて、それぞれ射
出成形することができる。図6(b)、(c)における
符号60C,61Cは、分割金型のパーティングライン
を示す。次に、エイミングスクリュー30,40をラン
プボディ10の筒状部50(スクリュー挿通孔10a,
10b)に組み付ける方法について説明する。
をランプボディ10の後方側からスクリュー挿通孔10
a(10b)に押し込む。スクリュー挿通孔10a(1
0b)の孔径より小さい外径の雄ねじ部32(42)
は、スムーズにスクリュー挿通孔10a(10b)に挿
通される。エイミングスクリュー30(40)の被支承
部34(44)は、前端側の一対の弾性掛止片38(4
8)間距離がスクリュー挿通孔10a(10b)より大
きいため、弾性掛止片38(48)が筒状部50後端面
50bに当たって挿入が一旦妨げられることになるが、
エイミングスクリュー30(40)を弾性掛止片38
(48)に作用する反力に抗してスクリュー挿通孔10
a(10b)に押し込めば、図8に示すように、弾性掛
止片38(48)が後端側筒状部50Bの後端面50b
およびスクリュー挿通孔10a(10b)の内周面に押
されて半径方向内側に縮径するように弾性変形して、筒
状部50内をスライドする。そして、スカート状弾性リ
ブ35b(45b)が筒状部後端面50bから受ける弾
発力以上の力で、被支承部34(44)をスクリュー挿
通孔10a(10b)に押し込んで、弾性掛止片38
(48)の先端部38a(48a)がスクリュー挿通孔
10a(10b)を通過した形態となると、弾性掛止片
38(48)が半径方向外側に復元して筒状部前端面5
0aに係合して、エイミングスクリュー30(40)が
後方に抜け止めされるとともに、被支承部34(44)
後端側のスカート状弾性リブ35b(45b)が筒状部
後端面50bに圧接状態となって、スクリュー挿通孔1
0a(10b)に対しエイミングスクリュー30(4
0)が軸方向に位置決め固定される。
厚の舌片状に形成されて、板ばねとしての断面係数が小
さいので、それだけ半径方向内側に弾性変形し易い。ま
た、弾性掛止片38(48)は縦断面L字型で、その水
平延出部の先端側ほど厚肉に形成されて、弾性掛止片3
8(48)の外周面38b(48b)は、図6(c)に
示すように、スクリュー挿通孔10a(10b)の内周
面に倣った横断面円弧形状に形成されるとともに、その
基端部程、先すぼまり型に形成されている。したがっ
て、被支承部34(44)をスクリュー挿通孔10a
(10b)に挿入する際に、弾性掛止片38(48)の
外周面38b(48b)がスクリュー挿通孔10a(1
0b)の周縁部に当たって、弾性掛止片38(48)が
スムーズに半径方向内側に弾性変形し、スクリュー挿通
孔10a(10b)内にスムーズに挿入されてスライド
して前進する。
厚肉である分、弾性掛止片38(48)の筒状部前端面
50aとの係合面積が大きく、それだけ弾性掛止片38
(48)が筒状部前端面50aから外れにくいといえ
る。
に螺合するナット部材130(140)と、ナット部材
130(140)が装着されるブラケット150a(1
50b)側の係合孔152と、ナット部材130(14
0)を回り止めするとともに、ナット部材130(14
0)を担持し、かつ摺動可能に支持するナット摺動ガイ
ド230(240)のそれぞれの構造について、説明す
る。
1〜4,13,14に示されるように、左右(上下)エ
イミングスクリュー30(40)の側方(下方)のラン
プボディ壁面近傍位置において前後に延びて、エイミン
グスクリュー30(40)に臨む側面が開口する幅広の
蟻溝232(242)を備えた矩形枠状に形成されてい
る。符号231(241)は、蟻溝232(242)の
開口部を示す。また、ナット摺動ガイド230(24
0)は、ランプボディ10の壁面に一体に形成されて、
ナット摺動ガイドとしての強度が確保されている。そし
て、ナット摺動ガイド230は、ランプボディ10を正
面視した右上隅に、ナット摺動ガイド240は、ランプ
ボディ10を正面視した左下隅にそれぞれ設けられてい
る。
1〜4,9,10,13〜16に示されるように、エイ
ミングスクリュー30(40)に螺合する雌ねじ部13
2(142)が形成されたほぼ球状のナット部材本体1
31(141)の側方に、軸部136(146)を介し
てスライダー部137(147)が一体に形成されてお
り、矩形プレート状のスライダー部137(147)の
ほぼ中央部から球状のナット部材本体131(141)
が突出する形態に構成されている。
P2)を構成するナット部材本体131(141)は、
後に詳しく説明するブラケット150a(150b)に
形成されたナット係合穴152に支承されて、ユニバー
サルジョイント構造のブラケット150a(150b)
・ナット部材130(140)間装着部を構成してい
る。
のスライドプレート137a(148)と、その底面側
に形成された左右一対の板ばね状弾性延出片138(1
48)とから構成されている。弾性延出片138(14
8)は、スライドプレート137a(147a)の幅方
向外側から内側に向かって断面円弧状に湾曲して延出す
るとともに、スライドプレート137a(147a)の
幅方向中央部には、前後に延びる縦リブ137b(14
7b)が形成されており、スライダー部137(14
7)がナット摺動ガイド230(240)に組み付けら
れると、弾性変形した左右一対の弾性延出片138(1
48)の先端部が図10(a)仮想線に示されるよう
に、縦リブ137b(147b)に当接するようになっ
ている。即ち、スライダー部137(147)がナット
摺動ガイド230(240)の蟻溝232(242)に
係合した形態では、内壁面234(244)に圧接する
弾性延出片138(148)の先端部が縦リブ137b
(147b)の両側に当接し、弾性延出片138(14
8)がアーチを形成して、スライダー部137(14
7)がナット摺動ガイド230(240)において上下
左右方向にがた無く支持されるとともに、ナット摺動ガ
イド230(240)の延在方向である前後方向にスラ
イド可能に保持される。
側における弾性延出片138(148)の側縁は、符号
138a(148a)に示すように、斜めにカットされ
た形状で、スライダー部137(147)のナット摺動
ガイド230(240)内への挿入が容易となってい
る。
点Pである玉継手20において担持されることは勿論で
あるが、ナット摺動ガイド230がナット部材130の
スライダー部137を担持することで、リフレクター1
4の重量を支えるとともに、ナット部材130を上下方
向に位置決めし、エイミングスクリュー30の上下方向
の揺動(リフレクター14の上下方向の震動)を抑制す
る。
部材140のスライダー部147を左右方向に位置決め
保持し、エイミングスクリュー40の左右方向の揺動
(リフレクター12の左右方向の震動)を抑制する。な
お、エイミング支点Pを構成する玉継手20と、ナット
部材130の摺動ガイド230とがリフレクター14の
重量を支持するため、リフレクター14の重量がナット
部材130を介してエイミングスクリュー30に作用す
ることはない。
スライダー部147から上方に突出するナット部材本体
141と、ブラケット150b下方に開口するナット係
合穴152とは、上下方向摺動可能に係合していること
から、リフレクタ14の重量がエイミングスクリュー4
0に作用することもない。
右方向にがたつくことなく支持されて、エイミングスク
リュー30(40)の回動に連係してスムーズに傾動す
る。
7号に示すように、ナット部材本体の側方に玉部である
係合突起が設けられ、ブラケットに設けられた玉受け部
である係合穴に玉部である係合突起が係合するブラケッ
ト・ナット部材間の装着構造では、リフレクター側の重
量負荷がねじりモーメントとしてナット部材に作用し
て、リフレクターの震動につながるおそれがあるが、本
実施例では、ナット部材本体131(141)自体がユ
ニバーサルジョイントの玉部を構成して、玉受け部であ
る係合穴152に支承された構造であるため、このよう
な不都合がない。即ち、リフレクター14側の慣性重量
負荷は、ナット部材本体131(141)の雌ねじ部1
32(142)に螺合するエイミングスクリュー30
(40)の軸心位置に作用するため、リフレクター14
側の重量負荷がねじりモーメントとしてナット部材に作
用するようなことがなく、それだけリフレクター14が
上下左右方向に震動することもない。
背面側には、エイミングスクリュー30(40)を雌ね
じ部に螺合させ易いように、雌ねじ部132(142)
に収れんするテーパ状の開口部132a(142a)が
形成されている。
面取りされた上下の側面には、雌ねじ部132(14
2)を直交してまたぐ弾性突起である門型の弾性係合枠
133(143)がそれぞれ形成され、上下の弾性係合
枠133(143)の水平梁部133a(143a)に
は、先端面が球面である微小突起133b(143b)
が雌ねじ部132(142)の中心軸を挟んで設けられ
ている。
先端部に設けられているナット係合穴152は、ほぼ球
状のナット部材本体131(141)に整合する断面円
形の筒型に形成されている。そして、ブラケット150
aでは、図13に示すようにリフレクター14の左右方
向外側に向けて開口する穴152に、側方からナット部
材本体131が係合し、ブラケット150bでは、図1
4に示すようにリフレクター14の下方に向けて開口す
る穴152に、下方からナット部材本体141が係合で
きるようになっている。
置には、図11,12に示すように、門型の弾性係合枠
133(143)の水平梁部133a(143a)に対
応する係合溝154が穴152の延在方向に延びてい
る。また、ブラケット150a(150b)における係
合穴152の周壁の前後の対向する位置には、エイミン
グスクリュー30(40)挿通用のスリット153、1
53が設けられて、係合穴152の周辺領域が縦断面U
字型(図13,14参照)に形成されている。
溝154は、係合穴152の半径方向に圧接するととも
に、係合穴152の周方向(溝154の溝幅方向)に遊
合して、ナット部材本体131(141)と係合穴15
2とが、係合穴152の延在方向に相対摺動可能で、係
合穴152の周方向に相対回動可能に構成されている。
33(143)の幅が係合溝154の溝幅より狭く形成
されている。このため、弾性係合枠133(143)
は、その水平梁部133a(143a)を係合溝154
の底面154aに圧接させたまま、係合溝154に沿っ
て摺動できる。また、弾性係合枠133(143)と係
合溝154間に隙間155が形成されて、この隙間15
5相当だけ、ナット部材本体131(141)と係合穴
152が係合穴152周方向に相対回動できる。
の水平梁部133a(143a)を係合溝154の底面
154aに圧接した形態に保持されるので、ナット部材
本体131(141)が係合穴152に対しがたつくこ
ともない。
合穴152の内周面に整合する円弧形状に形成されると
ともに、微小突起133b(143b)の先端面は球状
に形成され、一方、図15に示すように、弾性係合枠1
33の水平梁部133a(143a)の外側表面も円弧
状に形成されている。これによって、圧接状態の水平梁
部133a(143a)と係合溝底面154a間の滑動
性が高められるとともに、弾性係合枠133の係合溝1
54に対する相対回動量(ナット部材130(140)
とブラケット150a(150b)間の係合穴152周
方向の相対回動量)が大きくとれるように構成されてい
る。
体131(141)とは、係合穴152の延在方向に相
対摺動可能で、水平傾動軸Lx周りに相対回動可能で、
上下の微小突起133b,133b(143b,143
b)を通る軸L10(図9,10参照)周りに相対揺動
可能なユニバーサルジョイント構造になっている。
ミングスクリュー30の回動に伴って、ナット部材13
0は、矢印Aに示すように、スクリュー30に沿って前
後進退(直線運動)し、一方、リフレクター14(のブ
ラケット150aの係合孔152)は、矢印Bに示すよ
うに、エイミング支点P(垂直傾動軸Ly)周りに回転
(傾動)する。このため、移動軌跡が異なる両者(直線
運動をするナット部材130と回転運動をするブラケッ
ト150a)間の係合部(ナット部材本体131と係合
孔152)には、移動軌跡の差(ずれ)相当の応力が発
生することになる。
0に沿った前後進退動作に伴って、ナット部材本体13
1とブラケット150a側の係合孔152が係合方向
(係合孔152延在方向)に相対摺動して、ナット部材
130とブラケット150a間の装着部における、エイ
ミング支点Pを通る水平傾動軸Lxに沿った方向のずれ
δに対応する引張応力(圧縮応力)を解放する。
2が水平方向に相対揺動(図9,10の軸L10周りに
相対揺動)して、ナット部材130とブラケット150
a間の装着部における、係合孔152の延在方向L2と
ナット部材本体131の突出方向L3の角度ずれθに対
応するトルクを解放する。即ち、リフレクター14がエ
イミング支点Pを通る垂直傾動軸Ly周りに傾動する際
の、装着部に生じる応力を解放する。
2が係合孔152の周方向に相対回動して、リフレクタ
ー14がエイミング支点Pを通る水平傾動軸Lx周りに
傾動する際の、ナット部材130とブラケット150a
間の装着部に生じる応力を解放する。
4が熱膨張するするなどの場合にも、ナット部材130
とブラケット150a間の装着部には、リフレクター1
4の変形に伴う応力が生じようとするが、ナット部材本
体131と係合孔152から構成されたユニバーサルジ
ョイント構造によって、解放される。
0b間の装着部においても、同様にして、ナット部材本
体141と係合孔152から構成されるユニバーサルジ
ョイント構造によって、装着部に発生しようとする応力
が解放される。
ー14をランプボディ10に組み付ける手順を説明す
る。先ず、エイミングスクリュー30,40を組み付け
たランプボディ10を上向きにしておく。次ぎに、ブラ
ケット150cに玉部材22を取り付け、ブラケット1
50a,150bの係合孔152にそれぞれナット部材
130,140のナット部材本体131,141を係合
する。そして、ブラケット150a,150b,150
cを下向きにして、ランプボディ10の上方からリフレ
クター14を下降させ、ナット部材130,140の雌
ねじ部132(142)をエイミングスクリュー30,
40の先端に位置合わせする。そして、エイミングスク
リュー30,40を回動することで、ナット部材13
0,140の雌ねじ部132(142)をエイミングス
クリュー30,40にそれぞれ螺合させるとともに、ス
ライダー部137(147)をナット摺動ガイド23
0,240内に挿入し、さらに玉部材22の玉部23を
ランプボディ10に一体に形成されている玉受け部24
に圧入することで、リフレクター14をエイミング機構
Eを介してランプボディ10に一体化することができ
る。
ランプの正面図である。
点Pがリフレクター14の左隅上方に配置されたエイミ
ング機構を備えたヘッドランプについて説明したが、こ
の第2の実施例では、エイミング支点Pがリフレクター
14の左隅下方に配置されたエイミング機構を備えた構
造で、左右エイミング点P1は右下隅に、上下エイミン
グ点P2は左上隅に、それぞれ設けられている。
ため、同一の符号を付すことで、その重複した説明は、
省略する。
ボディ10はポリプロピレン樹脂で構成され、エイミン
グスクリュー30,40は、適度な弾力があり、耐摩耗
性に優れ、しかもポリプロピレン樹脂との摺動性のよい
ポリアセタール樹脂で構成されているが、ポリアセター
ル樹脂に代えて、ナイロン樹脂で構成してもよい。
クリュー30,40全体が合成樹脂製として説明されて
いるが、少なくとも被支承部34(44)を合成樹脂製
で、その他の部分を金属製としてもよい。さらに、エイ
ミングスクリュー30,40を従来公知の金属製とし、
プッシュオンフィックスによるエイミングスクリュー3
0,40の挟持力を弱めて、エイミングスクリュー3
0,40の回動操作性を高めた構造であってもよい。
1に係るリフレクター可動型自動車用ヘッドランプによ
れば、リフレクター側の重量負荷が曲げモーメントとし
てエイミングスクリューに作用することも、リフレクタ
ー側の重量負荷がねじりモーメントとしてナット部材に
作用することもないので、リフレクターの震動が確実に
抑制されて、適正なエイミングが保証される。また、エ
イミングスクリューの回転支承部における挟持力を適切
にすることで、エイミングスクリューのスムーズで軽快
な回動操作が可能となる。
め、それだけンプボディをリフレクターに接近させるこ
とで、ヘッドランプ全体を小型化できる。
がナット部材を支承するブラケットと干渉しないので、
エイミング点配置位置の自由度、ひいてはエイミング機
構のレイアウトの自由度が向上する。
の回動の際や、光源の発熱に起因してリフレクターが熱
膨張する際に、ナット部材とブラケット間の装着部(エ
イミングスクリューとリフレクター間)に応力が全く生
じないので、適正なエイミングが可能となる。
トがスムーズに相対揺動して、ナット部材とブラケット
間の装着部(エイミングスクリューとリフレクター間)
に応力が全く生じないので、適正なエイミングが可能と
なる。
トとは、スムーズな相対揺動に加えて、係合穴延在方向
へのスムーズな相対摺動および係合穴周方向へのスムー
ズな相対回動が確保されて、ナット部材とブラケット間
の装着部(エイミングスクリューとリフレクター間)に
応力が全く生じないので、適正なエイミングが可能とな
る。
く支持されるとともに、ナット部材がナット摺動ガイド
(エイミングスクリュー)に沿ってスムーズに摺動する
ので、適正なエイミングが確保される。
応するナット摺動ガイドがリフレクターの重量を担持す
るとともに、リフレクターの上下方向の震動を抑制し、
上下エイミング点に対応するナット摺動ガイドがリフレ
クターの左右方向の震動を抑制するので、リフレクター
の震動が効果的に抑制されて、適正な配光が得られると
ともに、エイミングスクリューの軽快な回動によりスム
ーズなエイミングが可能となる。
イミング機構全体を合成樹脂で構成することで、ヘッド
ランプの軽量化を達成でき、ひいては光源を除くヘッド
ランプ全体を合成樹脂で構成することで、さらなるヘッ
ドランプの軽量化を達成できる。
ンプの正面図である。
−IIに沿う断面図)である。
−IIIに沿う断面図)である。
構の分解斜視図である。
成する筒状部の拡大斜視図、(b)は同筒状部の拡大縦
断面図である。
(b)エイミングスクリューの拡大側面図、(c)エイ
ミングスクリューの横断面図(図6(b)に示す線VI-V
Iに沿う断面図)である。
面図である。
入される様子を説明する説明図である。
図である。
ト部材の縦断面図、(c)はナット部材の水平断面図で
ある。
る。
XII−XIIに沿う断面図)である。
ラケット間の装着部の断面図である。
ラケット間の装着部の断面図である。
態の断面図(図13に示す線XV−XVに沿う断面図)であ
る。
態の断面図(図13に示す線XVI−XVIに沿う断面図)で
ある。
ット間の装着部における応力解放作用を説明する説明図
である。
ランプの正面図である。
辺の断面図である。
る。
による被支承部 34a、44a 円環状の弾性防水リブ 35b、45b スカート状の弾性リブ 38(48)板ばね状弾性掛止片 40 上下エイミングスクリュー 50 エイミングスクリュー回転支承部を構成する筒状
部 50A 筒状部の前方延出部 50B 筒状部の後方延出部 50a 筒状部前端面 50b 筒状部後端面 130、140 ナット部材 131、141 ナット部材本体 132、142 雌ねじ部 133、143 弾性突起である門型弾性係合枠 133a,143a 水平梁部 133b,143b 微小突起 137,147 スライダー部 137a,147a スライドプレート 138,148 板ばね状弾性延出片 150a、150b ブラケット 152 係合孔 154 係合溝 230、240 ナット摺動ガイド 232,242 蟻溝 E エイミング機構 P エイミング支点 P1 左右エイミング点 P2 上下エイミング点 S 灯室 LX 水平傾動軸 LY 垂直傾動軸
Claims (8)
- 【請求項1】 容器状のランプボディと、灯室を画成す
るべく前記ランプボディの前面開口部に組み付けられた
前面レンズと、前記灯室に収容された、光源を装着した
リフレクターと、前記ランプボディとリフレクター間に
介装されて、前記リフレクターをランプボディに対し傾
動可能に支持するエイミング機構とを備え、 前記エイミング機構は、前記リフレクターの傾動支点を
構成するエイミング支点と、前記ランプボディに設けら
れたスクリュー挿通孔に回転可能に支承されて前方に延
出するエイミングスクリューと、前記リフレクターに延
出形成されたブラケットに装着されるとともに、前記エ
イミングスクリューに螺合し、エイミングスクリューの
回動に連係して前後進退するエイミング点構成部材であ
る合成樹脂製ナット部材とから構成され、 前記ランプボディには、前記ナット部材を担持しかつ前
後方向摺動可能に支持するナット摺動ガイドが一体に延
出形成され、 エイミング点を構成する前記ナット部材と前記ブラケッ
トとの装着部には、ナット部材の進退に伴って前記装着
部に生ずる応力を解放する玉継手構造の応力解放手段が
設けられたリフレクター可動型自動車用ヘッドランプで
あって、 前記ナット摺動ガイドは、前記エイミングスクリュー配
設位置の前記エイミング支点と反対側の側方にオフセッ
トした位置に設けられるとともに、 前記ナット部材は、前記エイミングスクリューに螺合す
るナット部材本体自体が前記玉継手の玉部を構成すると
ともに、前記ナット部材本体の側方に、前記ナット摺動
ガイドによって支持されるスライダー部が一体に形成さ
れた構造で、 前記ブラケット側には、前記ナット摺動ガイド側に開口
し、前記ナット部材本体を支承して前記前記玉継手の玉
受け部を構成する係合穴が設けられたことを特徴とする
リフレクター可動型自動車用ヘッドランプ。 - 【請求項2】 前記玉継手の玉受け部を構成する前記ブ
ラケットの係合穴の周辺領域は、前記係合穴に支承され
た前記ナット部材本体の雌ねじ部に螺合して前後に延出
するエイミングスクリューと干渉しない縦断面U字型に
形成されたことを特徴とする請求項1に記載のリフレク
ター可動型自動車用ヘッドランプ。 - 【請求項3】 前記ナット部材本体と前記係合穴とは、
係合穴の開口方向前後に相対摺動可能で、前記エイミン
グ支点と前記エイミングスクリューを含む平面に沿って
相対揺動可能で、かつ前記係合孔の周方向に相対回動可
能に構成されて、前記玉継手構造の応力解放手段が構成
されたことを特徴とする請求項1または2に記載のリフ
レクター可動型自動車用ヘッドランプ。 - 【請求項4】 前記ナット部材本体は、円筒型に形成さ
れた前記係合穴の内周面に整合する球形状に形成される
とともに、前記ナット部材本体外周における前記雌ねじ
部を挟んだ対向位置には、前記係合穴の内周面に圧接し
て、前記ナット部材本体と係合穴間の相対揺動軸を構成
する一対の弾性突起が設けられたことを特徴とする請求
項3に記載のリフレクター可動型自動車用ヘッドラン
プ。 - 【請求項5】 前記弾性突起は、前記雌ねじ部を横切る
方向に延在する門型の弾性係合枠と、前記弾性係合枠の
水平梁部に突設された球状微小突起とを備え、前記係合
穴の内周面には、係合穴の延在方向に沿って延び、前記
弾性係合枠が係合穴半径方向に圧接しかつ係合穴周方向
に遊合する一対の係合溝が対向して設けられたことを特
徴とする請求項4に記載のリフレクター可動型自動車用
ヘッドランプ。 - 【請求項6】 前記ナット摺動ガイドには、前記エイミ
ングスクリューに臨む側が開口する幅広の蟻溝が形成さ
れるとともに、前記スライダー部は、前記蟻溝に収容さ
れる偏平なスライドプレート部と、前記蟻溝底面に圧接
されて前記スライドプレート部を蟻溝深さ方向に弾支す
る板ばね状弾性摺接部とを備えたことを特徴とする請求
項1〜5のいずれかに記載のリフレクター可動型自動車
用ヘッドランプ。 - 【請求項7】 前記エイミングスクリューは、前記エイ
ミング支点と上下方向に離間する位置に配設された上下
エイミングスクリューと、前記エイミング支点と左右方
向に離間する位置に配設された左右エイミングスクリュ
ーとから構成されたことを特徴とする請求項1〜6のい
ずれかに記載のリフレクター可動型自動車用ヘッドラン
プ。 - 【請求項8】 前記リフレクタおよびエイミングスクリ
ューは合成樹脂製で、前記エイミング支点は、リフレク
ター側またはランプボディ側のいずれか一方に突設され
た合成樹脂製の玉部と、他方に形成された、前記玉部が
係合可能な合成樹脂製玉受け部とからなる玉継手により
構成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
記載のリフレクター可動型自動車用ヘッドランプ。
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