JP2001502369A - 染料前駆体としてのジアミノ安息香酸誘導体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般式Ｉ：

Description

【発明の詳細な説明】 染料前駆体としてのジアミノ安息香酸誘導体 発明の分野 本発明は、ペルオキシダーゼに基づく分析における例えばｏ−フェニレンジア ミン(OPD)のための基質及び染色組成物中の染色性基質（即ち染料前駆体として 、並びに編物、糸及びヤーンを含む天然及び合成繊維を染色するための基質とし てのアミノ安息香酸（DABA）の使用に関する。本発明は、ケラチン性繊維、例え ば毛、ウール、下毛及び獣の皮を染色するのに適合した組成物、及びこれらのケ ラチン性繊維を染色するための方法に関する。 発明の背景 免疫化学アッセイ ペルオキシダーゼベースの免疫化学アッセイ、例えばELISAを伴う酵素システ ムのためにいくつかの異なる基質が一部、用いられることが知られている。これ らの基質はしばしば毒性、変異原性又は発癌性である。 ELISA(Enzyme Linked Immuno Sorbent Assay)は、血清中の抗体の量を評価す るために用いる方法である。その主な原理は、かなり希釈した溶液中で、多くの 抗原がプラスチックの表面に結合するであろうことである。これにより、抗原の かなり希釈した溶液がプラスチックトレー内で所定時間、インキュベートされる なら、緩衝溶液中で空洞を洗い、抗原のフィルムをプラスチックの表面上になお 保持することが可能である。例えば血清中での抗体の量を決定することが必要と されるなら、抗原の析出したトレーは血清と共にイン キュベートされる。抗体はそれら自体を抗原に結合させ、洗った後、そのトレー は再びこの時、マーカー、例えば抗免疫グロブリン血清とインキュベートされる 。ここでそれは、共有結合により適切な酵素に結合している。この特定の場合、 ペルオキシダーゼが用いられる。 ペルオキシダーゼ−マーカー複合体は、それ自体を、すでに抗体が析出してい るこれらの位置に結合させるであろう。全ての結合していない材料を除去するた めに洗浄した後、酵素活性は、通常、適切な色指示体の使用により測定される。 酵素活性は、色原基質（即ち色形成化合物）及び過酸化水素の添加により決定す ることができる。酵素は、基質の色のある化合物への還元を触媒し、生じた吸光 度の程度は酵素活性の基質を供する。血清が抗体を含まないなら、酵素活性はな いであろうし、他方多くの抗体が存在するなら、かなりの酵素活性が存在するで あろう。抗体の濃度の関数として酵素活性を示す標準曲線を描くことができる。 これは、補外により未知の血清サンプル中の抗体の濃度を評価するのに用いるこ とができる。 ペルオキシダーゼ基質の多くは芳香族アミンであり、ジアミノベンジデン(DAB )、３，３’−ジアミノベンジドテトラヒドロクロライド、３，３’，５，５’ −テトラメチルベンジジン(TMD)を含む。芳香族アミンの群に属さない他のペル オキシダーゼ基質は２，２−アジノージ（３−エチハ−ベンゾチアゾリン−６− スルホン酸）（ABIS）であり、これは、ペルオキシダーゼ調製物の活性の評価の ための標準として用いられている。Voogd，Van der Stel及びJacobs（1980）に よれば、この材料は突然変異誘発体でもある。 ｏ−フェニレンジアミン(OPD)は、病院及び開発研究室において広く用いられ ている他のペルオキシダーゼ基質である。OPDは変異原性及び発癌性の両方であ ることが知られている。 毒性、変異原性又は発癌性材料の使用に関する分析が行われている研究室のス タッフは、これらの材料と直接、接触するかなりの危険にさらされる。安全な作 業環境を供するために、これらの危険な材料をより危険の少ないものに置換する ことにかなりの努力が払われている。 毛染色組成物 免疫化学アッセイにおいて基質として用いることに加えて、OPDは毛を染色す るのに用いられる。この関連においても、使用者がそれと接触することによる危 険にさらされないように、危険な材料をより危険性の少ないものに置換すること が要求される。危険な材料に対して手を保護するため、毛染料を適用する間に手 袋を用いることが普通である。手袋は、もちろん、染料が適用されるヒトの頭皮 を保護しない。 一般に、今日の市場における毛染色組成物は、３つの主なグループに分けるこ とができる。それは、 − 一時的な毛染料 − 半永久的毛染料、及び − 永久酸化性毛染料 である。 一時的な毛染料は自然の毛の色を短い期間、変化させることのみを意図し、通 常、染料を髪の表面に析出させることにより機能する。このような毛染料は、通 常のシャンプーで容易に除去される。 半永久的毛染料を用いる場合、染色された毛の色は５又はそれ超のシャンプー のために生きのびることができる。これは、毛のケラチンについて高いアフィニ ティーを有し、毛幹の内部にも浸透することができる染料を用いることにより達 成される。 永久毛染料は、日光、シャンプー及び他の毛処理に対して極めて 耐久性があり、新しい毛が芽生える一ヶ月に１回、新に行うことだけを必要とす る。これらの染色システムで、染料は毛の中で及びそれ上で直接形成される。小 さな芳香性無色染料前駆体（例えばｐ−フェニレン−ジアミン、ｏ−アミノフェ ノール、ｏ−フェニレンジアミン(OPD))は、前記染料前駆体が酸化剤により色色 ポリマー化合物に酸化される場所である毛に深く浸透する。これらの有色化合物 は、染料前駆体よりかなり大きく、毛から洗い落とすことができない。 毛染色組成物中のモディファイアー（又はカップラー）として言及される化合 物を含むことにより、毛染め料を得ることができる。カテコール及びレソルシノ ールはこのようなモディファイアーの例である。 今日、最も広く用いられている染料前駆体、例えばOPDのいくつかは変異原性 かつ発癌性であることが知られている。 更に、伝統的なH₂O₂は酸化剤（色ビルダー）として用いられているが、漂白剤 としても用いられる。H₂O₂を含む染色組成物はしばしば、H₂O₂のこの淡色化効果 のため“淡色化染料”としても言及される。 染色組成物におけるH₂O₂の使用は、H₂O₂は毛に損傷を与えるのでいくらか不利 である。更に、酸化的に染色することは、しばしば高いpH（通常、約pH９〜10） を要求し、それも毛及び皮膚に損害を与える。結果として、H₂O₂を含む染色組成 物を用いる場合、しばしば毛を染色することが推奨されない。 H₂O₂を用いる欠点を克服するために、H₂O₂を置換するために酸化酵素を用いる ことが示唆されている。 米国特許第3,251,742(Revlon)は、その場で（即ち毛の上で）染料形成により ヒトの毛を染色するための方法を記述する。酸化酵素 は、実質的に中性pH(７〜8.5)において色形成反応のために用いられる。ラッカ ーゼ、チロシナーゼ、ポリフェノラーゼ及びカタコラーゼが適切な酸化酵素とし て言及される。毛色素は、自然の外観の色素を形成するように、種々のキノン形 成化合物及びアミノ基上に芳香環を有するモノ又はポリ芳香族アミンの制御され た酸化により形成される。特に言及される染料前駆体は、マーアミノ−４−ニト ロフェノール、ｐ−フェリレンジアミン、ｍ−フェニレンジアミン、ｏ−フェニ レンジアミン、２−アミノ−１，４−ナフトキノン、ｍ−アミノフェノール、ｐ −アミノフェノール、ｏ−アミノフェノール、２−アミノレソルシノール、１， ２，４−ベンゼントリアミン、ニトロ−ｐ−フェニレンジアミン、２−アミノ− ５−ジエチルアミノトルエンである。 EP特許第504,005号（Perma S.A.）は、H₂O₂（過酸化水素）の存在を要求しな いケラチン繊維、特に毛のための染色組成物に関する。その組成物は、緩衝液中 でポリマー染料及び染料前駆体、例えば塩基及びカプラーの形成を触媒すること ができる酵素を含み、ここで該組成物のpHは6.5〜８であり、前記酵素は6.5〜８ のpH域に至適活性を有する。リゾクトニア・プラチコラ（Rhizoctonia praticol a ）ラッカーゼ及びルス・ベルニシフェラ（Rhus vernicifera）ラッカーゼが染 料前駆体を酸化するために酸化酵素として例示される。次の染料前駆体：ｐ−フ ェニレンジアミン、ｏ−アミノフェノール、ｐ−メチルアミノフェノール、ｐ− アミノフェノール、ｐ−トルイレンジアミン及びＮ−フェニル−ｐ−フェニレン ジアミンが特に言及される。 本発明の目的は、全ての意図及び目的が非毒性、非変異原性及び／又は非発癌 性であり、免疫化学アッセイに、ケラチン繊維、特に毛の染色のため、及び天然 及び合成繊維、例えば編物を染色するた めに用いることができる利用できる基質を作り出すために本発見を用いることで ある。この目的は、一般式（Ｉ）： （式中、Ｒは、アミノ、１もしくは２個置換されたアミノ又はOR’（ここでＲ ’はＨ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲノアルキル、ニトロ、ベン ジル、フェニル又は置換されたフェニルである）であり、Ｘ，Ｙ及びＺは各々、 次：アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキル、ニトロ、ベンジル 、フェニル、置換されたフェニル、アミノ、ヒドロキシ又はメルカプトのいずれ か一であり得、但し基Ｘ，Ｙ及びＺのうちの１つはアミノ基又はアミノ塩である ） の群を含む基質の発見を利用することにより達成される。 本発明の特定の実施形態において、基質は、Ｒ’がメチル、エチル又はイソプ ロピル基である式Ｉの化合物を含むものが利用できる。 好ましい実施形態において、基質は、安息香酸エステル、特に３，４−ジアミ ノ安息香酸メチルエステル（DABA−Me）、３，４−ジアミノ安息香酸エチルエス テル及び３，４−ジアミノ安息香酸イソプロピルエステルである。 極めて毒性のアニリンの、アニリンのカルボン酸誘導体ｐ−アミノ安息香酸（ PABA）との比較は、分子の毒性がカルボギル基の添加により根本的に変えられる ことを示す。PABAは、一般に非毒性であ ると考えられており、他の適用の中でも、サンローションにおける紫外フィルタ ーとして用いられる。基質OPDが同じ系列のものであると考えられるなら、可能 性あるアナログは３，４−ジアミノ安息香酸（３，４−DABA）であることがわか る。この材料は、比較的安価で直ちに得ることができる。 酵素を用いる研究は、３，４−DABAはペルオキシダーゼについてOPDよりかな り弱い基質である。換言すれば、３，４−DABAはOPDと比較した時、同じＶ_maxに おいてより高いＫ_m値を有する。これは、明らかに、芳香環へのカルボキシル基 の誘導的（不活性化）効果のためである。この効果は、カルボキシル基を修飾す ることにより、例えばアルコールとのエステル化により計ることができる。好ま しいアルコールは、メタノール、エタノール及びイソプロパノールである。メチ ル、エチル及びイソプロピルエステルを酵素と一緒に検査し、その材料が３，４ −DABAよりかなり改良された特性を有することが示された。特に、エチルエステ ルは、極めて高いＶ_max を有することが見い出され、即ち、同じ濃度でそれはOPDよりかなり高い反応速 度を供する。 OPDの、例えば過酸化水素での、酵素あり及びなしでの酸化についての反応メ カニズムを以下に示す。 これから、酸化の生成物は２，３−ジアミノフェナジンであることがわかる。 本明細書に記載される化合物の１つが用いられる場合、その酸化の生成物は、 アミノフェナジンでもある。３，４−DABAの場合、酸化生成物は、次式で示され るように４，７−ジカルボキシ−１，２−ジアミノフェナジンである。 その基質は、その反応がおこるために３，４−位に２つのアミノ基を有するべ きである。しかしながら、２，３−位又は２，３，４−位にアミノ基を有する基 質は、カルボキシル基がその反応を妨げ ない限り用いることができる。 パラ位にアミノ基を有する基質も有色生成物を作るために用いることができる 。この例は３，６−DABAである。 カルボキシル基誘導効果（即ち電子への基の求引効果により引きおこされる芳 香環の不活性化）を打ち消すために、カルボキシル基のエステル化を、不活性化 が非変異原特性を保持すると同時に打ち消され得るか否かを見るために電子供与 基を用いて研究した。材料の酵素特性及び可能性ある変異原特性への異なるアル キル基の効果を研究するために、３，４−DABAのメチル、エチル及びイソプロピ ルエステルを合成した。 一般式Ｉの化合物は、好ましくはDMF（ジメチルホルムアミド）に溶かされる が、他の有機溶媒をこの目的のために用いることができる。一般式Ｉの化合物が 塩の形態であるなら、それは水にとかすことができ、これは、有機溶媒を用いる 場合に好ましい。 他の態様において、本発明は、生物学的に関心の材料の定量的及び／又は定性 的分析のための方法に関する。この場合マーカーを伴うラベルオキシダーゼ酵素 は問題の化合物に結合される。次に過酸化水素はペルオキシダーゼの存在下で色 原基質（即ち色形成化合物）と共に変換され、その基質は一般式Ｉとの結合を含 む。 本発明の方法の好ましい実施形態において、次の基質：アミノ安息香酸のメチ ル、プロピル又はイソプロピルエステルを用いる。 生物学的に関心の材料が抗原である場合、関連する抗体が用いられる。この関 連において、他の組合せはそれら自体を当業者に示唆するであろう。 本発明の方法により作られた色のある生成物は、特に、編物、糸、ヤーン、ウ ール、獣の皮及び皮膚並びにヒトの毛の染色に適する。他の天然の繊維、例えば 綿及びシルクも、合成繊維、例えばポリ アミド、ポリウレタン及びポリエステルでそうであるように、その生成物で染色 することができる。 色のある生成物は、それが染色のために用いられ、又はそれが染色されるべき 基質のすぐ近くで合成され得る直前に作ることができる。例えば、これは、ヒト の毛の中で基質及び酸化システムを混合することにより行うことができる。 染色方法は、ヒトの毛を本発明の基質及び過酸化水素又は酸化酵素の混合物で そそぐことによって行うことができる。次にペルオキシダーゼが添加され、毛の 中に分散される。要求される程度の色が得られた時に、毛は水でそそがれる。 基質は、それが毛に適用される前に酸化システムと混合させることができる。 上述の通り、基質は、ペルオキシダーゼの存在下で過酸化水素又は過酸化水素を 作り出す酸化酵素で酸化させることができる。 ペルオキシダーゼは酸化還元酵素として知られる酵素のグループに属する。そ のグループは、酵素デヒドロゲナーゼ、オキシゲナーゼ、オキシダーゼ、ラッカ ーゼ及び関連する酵素のクラスも含む。これらの酵素は、例えばケラチン繊維、 例えば毛、ウール、下毛及び獣の皮膚を染色するための酸化システム／剤として も用いることができる。染色組成物及び好ましい酸化酵素は以下に更に詳述され よう。 酵素、ペルオキシダーゼにより触媒される酸化反応において、酵素供与体は、 電子受容体として用いられる過酸化水素である。オキシダーゼは電子受容体とし て酸素を用いる。 適切なオキシダーゼの例は、カテコールオキシダーゼ、ラッカーゼ及びｏ−ア ミノフェノールオキシダーゼを含む。 それゆえ、この関連で基質の酸化のために用いることができる酸 化システムは、ペルオキシダーゼ及び過酸化水素並びにオキシダーゼ、ラッカー ゼ及び関連する化合物及び酵素を含む。そのシステムがオキシダーゼ及び酵素の みからなる場合、空気中の酸素が酸化体として用いられるように基質にオキシダ ーゼを加えることのみが必要である。 染色組成物 一態様において、本発明は、例えば毛、下毛、獣の皮又はウールを含むケラチ ン繊維を染色するために特に適合した組成物であって、１）少なくとも１の酸化 酵素、２）式Ｉで定義される少なくとも１の基質及び任意に３）少なくとも１の モデファイアーを含む組成物に関する。 本組成物の好ましい使用は、ヒトの毛の染色のための永久染料としての使用で ある。 酸化酵素は、先にも示されるように、酸化還元反応を触媒するRecommendation s（1992）of the International Union of Biochemistry and Molecular Biolog y（IUBMB）に従うオキシドレダクターゼ、即ち酵素分類番号E.C.I（オキシドレ ダクターゼ類）に分類される酵素である。 オキシドレダクターゼ酵素のクラス内で、受容体として酵素(Ｏ₂)及び／又は ペルオキシドに作用することにより基質（電子又は水素供与体）の酸化を触媒す る酵素が好ましい。このような酵素は、オキシダーゼを含む酵素のクラス内に分 類される酵素、例えばE.C.1.1.3．E.C．1.2.3，E.C．1.3.3，E.C．1.4.3，E.C． 1.5.3，E.C.1.7.3，E.C．1.8.3及びE.C．1.9.3，E.C．1.10.3におけるラッカー ゼ及び関連する酵素、並びにE.C．1.11におけるペルオキシダーゼを含む。 本発明によれば、次の３つの型のオキシドレダクターゼが特に考 慮される： ａ）分子の酸素に作用し、いずれのペルオキシド（例えばH₂O₂）も必要とせず に水(H₂O)を作り出すラッカーゼ又は関連する酵素、 ｂ）分子の酸素(Ｏ₂)に作用し、ペルオキシド（H₂O₂）を作り出すオキシダー ゼ類、 ｃ）ペルオキシド（例えばH₂O₂）に作用し、水(H₂O)を作り出すペルオキシダ ーゼ。 また、３つの型の酵素のうちの１つのクラスから又は異なるクラスからの１超 の酵素の組合せを含む酵素システムが考えられる。本明細書において、簡単さの ためしばしば単一酵素を引用するであろうが、本記述は酵素の１超の組合せにも 一般に適用できることが理解されるはずである。更に、本発明は毛の染色に関す る好ましい態様に関して一般に記述されるが、その記述は一般に、他の型のケラ チン繊維の染色に適合した本発明による組成物に適用できることが理解されるは ずである。 特に好ましい酵素はラッカーゼ及び関連酵素であり、ここで用語“ラッカーゼ 及び関連酵素”は、酵素分類E.C．1.10.3.2(ラッカーゼ)に含まれる酵素及びE.C ．1.10.3.1に含まれるカテコールオキシダーゼ酵素、酵素分類E.C．1.3.3.5に含 まれるビリルビンオキシダーゼ酵素及び酵素分類E.C．1.14.99.1に含まれるモノ フェノールモノオキシゲナーゼ酵素を含む。ラッカーゼは、フェノール及び芳香 族アミンの酸化を触媒する多重銅原子含有酵素である。ラッカーゼが媒介する酸 化は、適切なフェノール基質からの中間体を生産し；このように生産された中間 体の最終的なカップリングは、ダイマー、オリゴマー、及びポリマー反応産物の 組合せを作り出す。特定の反応産物が、毛を染色するのに適した染料を形成する のに用いることができる。 好ましくは、用いるラッカーゼは、ポリポルス種(Polyporus Sp.)の株、特に Ｐ．ピンシツス(P ．pinsitus)又はＰ．ベルシコロル(P ．versicolor)の株、マイ セリオフトラ種（Myceliophthora Sp.）の株、例えばＭ．サーモフィラ（M．the rmophila）、リゾクトニア種(Rhizoctonia Sp.)の株、特にRh．プラチコラ(Rh ． praticola )又はRh．ソラニ（Rh ．solani）の株、ルス種（Rhus Sp.）の株、特に ルス・ベルニシフェラ（Rhus vernicifera）、ピリクラリア種(Pyricularia Sp. )の株、特にＰ．オリザエ(P ．oryzae)、又はスキタリジウム(Scytalidium)の株 、例えばＳ．サーモフィリウム（S ．thermophilium）から得ることができる。 本発明の特定の実施形態において、オキシドレダクターゼはラッカーゼ、例え ばポリポルス種ラッカーゼ、特に（Novo Nordisk Biotec Inc.からの）WO96／00 290に記載されるポリポルス−ピニシツス(Polyporus pinisitus)ラッカーゼ（ト ラメーテス・ビルロサ（Trametes villosa）ラッカーゼとも呼ばれる）又はマイ セリオフトラ種ラッカーゼ、特に（Novo Nordisk Biotech．Inc.からの）WO95／ 33836に記載されるマイセリオフトラ・サーモフィララッカーゼである。 更に、ラッカーゼは、スキタリジウム種ラッカーゼ、例えばその内容が引用に より本明細書に組み込まれるWO95／33837及びWO97／1998(Novo Nordisk Biotech Inc.)に記載されるＳ．サーモフィリウムラッカーゼ、又はピリクラリア性ラッ カーゼ、例えば商標名SIGMA No．L5510でSIGMAから購入できるピリクラリア・キ リザエラッカーゼ、又はコプリヌス株（Coprinus Sp.）ラッカーゼ、例えばＣ． シネレウス(C ．cinereus)ラッカーゼ、特にＣ．シネレウスIF0 30116ラッカーゼ 、又はソゾクトニア種ラッカーゼ、例えばRh.ソラニラッカーゼ、特に6.0〜8.5 の範囲の至適pHを有する（Novo Nordisk Alsからの）WO95／07988に記載される中性Rh．ソラニラッカーゼであり 得る。 ラッカーゼは、真菌、例えばコルリビア（Collybia）、ホメス(Fomes)、レン チヌス（Lentinus）、プレウロツス(Pleurotus)、アスペルギルス(Aspergillus) 、ニューロスポラ（Neurospora）、ポドスポラ(Podospora)、フレビア(Phlebia) 、例えばＰ．ラジアタ(P ．radiata)(WO92／01046)、コリオルス（Coriolus）種 、例えばＣ．ヒルシトウス（C ．hirsitus）（JP2−238885）、又はボトリチス（Botrytis ）からも得ることができる。 ビリルビンオキシダーゼは、好ましくは、マイロテシウム種(Myrothecium Sp. )、例えばＭ．ベルルカラァ(M ．verrucaria)から得ることができる。 その基質（即ち染料前駆体）は、本発明の染色組成物により、一般式Ｉの中の 上述のいずれかであり得る。 好ましい染料前駆体（即ち基質）は安息香酸エステル、特にジアミノ安息香酸 エステル、特に３，４−ジアミノ安息香酸メチルエステル（DABA−Me）、３，４ −ジアミノ安息香酸エチルエステル及び３，４−ジアミノ安息香酸イソプロピル エステルである。 他の酸化剤 基質は、いくつかの無機化合物によっても酸化することができ、これらの中の 化合物には、次亜塩素酸塩(ClO^-)、次亜臭素酸塩(BrO^-)、過マンガン酸塩(MnO₄ ^- )、ニクロム酸塩(Cr₂On^2-)及び鉄イオン(Fe³⁺)を含む。 酸化システムは、それ自体酸化体であるか又は酵素及び酸化体の組合せである 。 モディファイアー 染色組成物中に典型的に組み込まれるモディファイアーは、ｍ− 芳香族ジアミン、ｍ−アミノフェノール、ポリフェノール、アミノナフタリン又 はナフトールを含む。モディファイアー（カプラー）は酸化酵素等の存在下で染 料前駆体と反応させられ、それを色のある化合物に変換する。特定のモディファ イアー（カプラー）の例は、ｍ−フェリレン−ジアミン、２，４−ジアミノアニ ソール、１−ヒドロキシナフタレン（α−ナフトール）、１，４−ジヒドロキシ ベンゼン（ヒドロキソン）、１，５−ジヒドロキシナフタレン、１，２−ジヒド ロキシベンゼン（ピロカテコール）、１，３−ジヒドロキシベンゼン（レソルシ リール）、１，３−ジヒドロキシ−２−メチルベンゼン、１，３−ジヒドロキシ −４−クロロベンゼン（４−クロロレソルシノール）、１，２，３−トリヒドロ キシベンゼン、１，２，４−トリヒドロキシベンゼン、１，２，４−トリヒドロ キシ−５−メチルベンゼン、及び１，２，４−トリヒドロキシトルエンを含む。 ケラチン繊維を染色する方法 更なる態様において、本発明は、ケラチン繊維、特に髪、下毛、獣の皮及びウ ールを、上述の組成物を用いて染色するための方法に関する。その染色法は、１ 又は複数の染色前駆体（即ち本発明の基質）及び任意に１又は複数のモディファ イアーとの組合せであり得る。この目的のために本発明の組成物中に用いられる 染色前駆体及び他の成分の量は通常の商業的な量に従い、それゆえ当業者に周知 である。毛染料は、典型的には、室温において又は室温の近くで行われるが、好 ましくは酵素の至適温度近くが用いられ、3.0〜9.0、好ましくは4.0〜8.5、特に 6.0〜8.0の範囲のpHにおいて行われる。染色前駆体（即ち本発明の基質）及び任 意のモディファイアーは上述される。 本発明は以下の非限定例に更に詳述される。 実施例１ ３，４−ジアミノ安息香酸エステルの合成 ４−アミノ−３−ニトロトルエンから出発して、エステル化によりエステルを 作り、次に４−アミノ−３−ニトロ安息香酸エステルの３，４−ジアミノ安息香 酸エステルへの還元を行った。反応を以下に示す。 ４−アミノ−３−ニトロトルエン中のアミノ基は、酢酸中の無水酢酸中での煮 沸により保護される。そのメチル基は硫酸マグネシウムを含む水溶液中の過マン ガン酸塩で酸化される。アセチル基は、0.1Ｍ塩酸での煮沸により除去される。 単離及び乾燥の後、４−アミノ−３−ニトロ安息香酸を無水アルコールに溶かし 、濃硫酸を加える。２〜５時間、煮沸した後、その酸基をエステル化する。その 正確な煮沸時間はアルコールの型による。最後の段階は、その単離された生成物 の、約５時間の煮沸中のベンジン中での活性化鉄及び水での還元である。 還元を完了した時、その鉄粒子をろ過して除き、その残留物を無水硫酸ナトリ ウム上で24〜48時間、乾燥させる。ろ過及びエバポレーションの後、エステルを １：10の比でｎ−ブタノール及びベンジンの混合物中で再結晶化した。 上述の手順を、酵素の測定のため及び変異誘発テストのために３，４−DABAエ ステルを作るのに用いた。合理的な価格でより大量のものが必要とされるなら、 ３，４−DABAの直接のエステル化が好ましいであろう。これにより、メチルエス テルは、メタノールを含む３，４−DABの溶液を通して塩酸ガスを発泡させるこ とにより調製することができる。この最後の方法は、エチルエステルの生産にお ける限られた使用のみに見い出され、イソプロピルエステルを作り出すのに用い ることができない。 ３，４−DABAエステルのキャラクタリゼーション 薄層クロマトグラフィー 調製したDABAエステルを分析し、タイプMERC 60F₂₅₄のシリカゲルプレートを 用いて薄層クロマトグラフィー(TLC)により比較した。その濃度のゾーンの保存 数は5583であった。容量ベースで90：5：5の比のクロロホルムメタノール及び酢 酸の混合物を溶媒として用いた。比較の目的のため、OPD及び３，４−DABAを同 じプレート上で分析した。得られたRt値を表１に示す。 より大きなアルキル基はクロロホルムを含む溶媒中で測定可能なより大きな置 換を供することが表１からわかる。遊離カルボキシル基を含む３，４−DABAで、 予想されるように最も小さな置換が見られる。テストした全ての組合せは、それ らの純度の示度であるパッチの形態で移かした。 ３，４−DABAエステルが脂質であるという事実は、基質の溶液を作る時に水へ の可溶性に関して問題とならない。ジメチルホルムアミドの標準溶液を5.0のpH で水性緩衝液中に希釈した。高濃度の基質において、酵素の作用により形成され た基質酸化産物は、溶液中にわずかな濁りを引きおこし得る。１Ｍ硫酸でそのpH を約１に下げることにより、完全に透明な溶液が作られる。これは、アミノ基へ のプロトンの付加による。 融点の決定 合成した材料が文献に記載されるものと同一であることを確認するために、そ れらの融点を決定し、Chapman and Hall's Dictionary of Organic Compounds， Fifth Edition，Volume 2のページ1532の表に供される値と比較した。融点は、 シリコーン油浴を用いる毛管法の使用により決定した。 融点を表２に示す。 実験により決定した融点と文献に供される融点との間は極めて一 致していることが上記の表からわかる。それゆえ、合成した材料は文献記載のも のと同一であることが合理的に仮定される。文献中のイソプロピルエステルにつ いての値を見い出すことはできなかった。 紫外分光法 UVスペクトルをOPD並びにメチル、エチル及びイソプロピルエステルからとっ た。 メタノール中の化合物の溶液を用いて、360nm〜210nmベステセンを行った。濃 度は0.1／1であった。表３は、研究した化合物についての最大吸光度及び吸光係 数を示す。 上記表から見ることができるように、全ての３つのエステルが同じ波長におい て吸収がある。237.5nmにおいて、アルキル基の分子 量の増加に伴う励起のわずかな増加がある。３，４−DABA−エステルは、277.5n mにおいて典型的に最大を示す。この最大はエステルカルボニル基のためOPDにお いては見い出せない。 ペルオキシダーゼにより触媒される酸化に関する３，４−DABA及び３つのエス テルの特性を研究するために、基質の濃度の増加に伴う最初速度について酵素反 応において一連の測定を行った。測定は、OPD、３，４−DABA、３，４−DABA− メチルエステル、３，４−DABA−エチルエステル、及び３，４−DABAイソプロピ ルエステルで行った。 492nmにおける吸光度を反応の経過の基質として用いた。初速度は、pH5.0の緩 衝液中の基質及び過酸化水素の混合物にペルオキシダーゼを加えた後２分に、49 2nmにおける吸光度でとった。492nmの波長は、それがOPDのための標準アッセイ 手順に用いられるので、選択した。この波長で特に高い吸光度を有する基質はな かった。 基質の濃度を変化させ、同時にその反応の初速度を測定することにより、シス テムにシカエリス／メンテン等式を適用することが可能である。 理想的な条件下で実験的に決定された値は、次の式の値となろう： ここで、（Ｓ）は基質の濃度であり、Ｖ_maxは特定のアッセイにおいて達する 最大初濃度である。Ｋ_mはＶ_max／２における基質の濃度として定義される。それ ゆえ小さなＫ_m値は、低濃度の基質が酵素の飽和を作り出す酵素システムのため に特徴的であろう。 その式は、初速度は基質の濃度の増加に伴って増加するであろう が、その速度についての曲線は横ばいになり、極めて高濃度の基質についてＶ_{ma x} に達するであろうことを包含する。実際、パラメータＫ_katは、Ｖ_max／Ｅ（式 中、（Ｅ）はその反応における酵素のモル濃度である）として計算される。Ｋ_{ka t} はmin^-1と同じであり、基質に基づく飽和溶液中での酵素の活性を反映する。 ペルオキシダーゼシステムは、１分未満の短い期間について極めて複雑なエネ ルギーバランスを有する(Arnoaら(1990))が、上述の式に関して記述することが できる。 実施例２ 酵素的測定 以下の溶液を酵素アッセイに用いるために調製した： ａ）アッセイ緩衝液： pH5.0の50mMリン酸／クエン酸緩衝液を、50mM Na₂HPO₄溶液及びクエン酸の50m M溶液を混合することにより作った。そのpHを、混合中に測定した。 ｂ）１：10に希釈したDMF： ビペットにより、10mlを目盛り付きフラスコ内に入れ、次にそれに100ml中で アッセイ緩衝液を加えた。 ｃ）過酸化水素0.018％溶液 15μｌの過酸化水素の30％溶液（PERHYDROL，Merck）を25μｌのアッセイ緩衝 液でうすめた。 ｄ）ペルオキシダーゼのための安定化緩衝液： ペルオキシダーゼのための安定化緩衝液、即ちその酵素を安定化させる緩衝液 をOlsen及びLittle（1983）の方法に従って調製した。CaCl₂に関して0.5Ｍであ る0.1Ｍ Na−アセテート緩衝液をpH5.6に調節した。 37.5mgのＮ−アセチル−トリメチル−アンモニウム−プロミドを 75mlの緩衝液に溶かした。この溶液に、25mlのグリセロールを加えた。その酵素 活性は、その酵素は凝集が防がれるので、この緩衝液中に維持される。 ｅ）ペルオキシダーゼの標準溶液： 10mgのセイヨウワサビペルオキシダーゼタイプVI−A(Sigmanu.6782)を10mlの 安定化溶液に溶かした。これを−15℃に保存した。これは、数ヶ月、維持されよ う(Olsen and Little(1983))。 ｆ）ぺルオキシダーゼのベンチ溶液： 標準ペルオキシダーゼ溶液を10μｌの標準溶液中10μｌのアッセイ緩衝液で１ ：1000に希釈した。 ｇ）基質の標準溶液： 5ml DMF中0.5mmolの各々の基質。これらの溶液は−15℃で数週間、維持されよ う。 ｈ）基質のベンチ溶液 標準溶液をアッセイ緩衝液で１：10に希釈した。用いる前に、基質溶液を１： 10で希釈した。0.5mlの標準溶液を4.5mlのアッセイ緩衝液でうすめた。 基質の濃度の関数としての反応の速度の測定 化合物OPD、３，４−DABA−、並びに３，４−DABAのメチル、エチル、及びイ ソプロピルエステルの各々について、15の測定を行い、各々の場合、100μｌの 希釈ペルオキシダーゼ溶液（ベンチ溶液）の添加後１分に、492nmにおいて吸光 度を２回、測定した。ペルオキシダーゼの濃度は全体の研究の間、50mg／mlに一 定に維持した。表４に供される基質の容量及び10容量％溶液の容量を用いること により、DMFの一定の反応容量及び一定の濃度を用いることができた。全ての測 定について、1550μｌ緩衝液及び50μｌのペルオキシダーゼのベンチ溶液を用い た。その全容量は次の通りである：300 μｌ DMF及び基質溶液、1550μｌ緩衝液、ペルオキシダーゼの100μｌベンチ溶 液及び50μｌ過酸化水素溶液。それは全部で2000μｌである。 表５は５つの化合物についてのＫ_m，Ｖ_max及びＫ_katについて測定した値につ いての情報を含む。 初速度の測定の結果を吸光度の単位で示し、モル単位では示さない。反応の“ 真の”速度を測定することができるように、各々の基質について酸化産物を単離 し、モル吸光係数を決定することが必要である。Ｋ_katの値は50,000g／molのペ ルオキシダーゼ１molから解ける。 図１〜５は、OPD，３，４−DABA，３，４−DABA−メチルエステル、３，４−D ABA−エチルエステル、３，４−DABA−イソプロピルエステルでの初速度の測定 の結果のグラフである。 表５及び図１〜６に示すように、３，４−DABAのカルボキシルエステルはペル オキシダーゼ／過酸化水素システムにおいて有効な基質である。OPDでよりこれ らの化合物でかなり高い初速度を得ることが可能である。Ｋ_m自体は問題の基質 の酵素アッセイにおいて有効性の乏しい指示体である。なぜならそれは、実際に 、低濃度の基質においてシステムの感度を示すだけだからである。実際、基質濃 度は、異なる濃度の酵素で最大かつ一次的な色の展開を許容するように選択され よう。換言すれば、Ｖ_max及びＫ_katは異なる基質の比較のためのより関連するパ ラメータである。全ての研究したエステルについて、Ｖ_max及びＫ_katの値はOPD についての値と比べて かなり大きいことが見い出された。 全ての反応速度は吸光度単位として表す。これは、部分的に、ほとんどの実用 的な酵素アッセイは吸光度の測定に基づくから、及び反応の産物が反応混合物か ら単離されないからである。 実施例３ 化合物の変異原性の測定 Amesテスト(Maron及びAmes(1983))を、化合物の変異原特性を決定するために 用いた。栄養培地をVenitt及びParry(1984)に記載される方法で調製した。45℃ の３×２ml溶融寒天に、DMSO中に溶かした50，100及び200mmの溶液100μｌを加 えた。ピペットにより、サルモネラ・トフィムリウム（Salmonella tphimurium ）TA98（BIO-TEST ge．skolevey 47，6731 Tiaereborg）の十分に増殖した培養 物100μｌをテストチューブに加えた。バクテリアは、ヒスチノール−デヒドロ ゲナーゼ遺伝子上にフレームシフト変異を含み、増殖するためにヒスチジンを必 要とする。変異誘発性芳香族アミンは、バクテリアをHistに変異させることがで き、それらは栄養培地上で増殖することができる。それゆえ、インキュベーショ ン後のコロニーの数は、添加された化合物が変異を引きおこす能力の定量的基質 を供する。全ての試験において、自発的な変異は変異体の欠如下でおこる。これ らは、“バックグラウンド”変異の基準を供する。 OPDは直接の変異原であり、それは、最良な、肝臓酵素システムＰ450により活 性化される。それゆえ、全ての試験はラットの肝臓からの“Ｓ９−mix”の添加 あり及びなしで行い、これは、Ｐ450システムを含む。0.5mlの“59−mix”を各 々のテストチューブに加えた。変異の基準は研究下での化合物の濃度の増加がHi s＋変異体の数を著しく増加させることである。これらの試験の結果を図７〜11 に示す。この図から、OPDのみが変異原特性を有することがわ かる。 実施例４ 本発明の染色前駆体の染色効果 反応物１ml当り0.05mgの活性酵素タンパク質マイセリオフトラサーモフィララ ッカーゼ（Novo Nordisk;WO95／33836に記載）を用いて異なる染料前駆体の永久 的酸化的染色効果をテストした。 テストした染料前駆体は： 0.1Ｍリン酸カリウム緩衝液pH7.0中0.1％ｗ／ｗ、３，４−ジアミノ安息香 酸（DABA） 0.1Ｍリン酸カリウム緩衝液pH7.0中0.1％ｗ／ｗ、３，４−ジアミノ安息香 酸メチルエステル（DABA−Me） 用いたモディファイアー： 0.1Ｍリン酸カリウム緩衝液、pH7.0中0.1％ｗ／ｗ、ｍ−フェニレンジアミ ン(MPD) 乾燥前駆体溶液を、染色溶液中の最終濃度が染料前駆体（即ち本発明の基質） に関して0.1％ｗ／ｗ及びモディファイアーに関して0.1％ｗ／ｗであるように示 されるモディファイアーを混合することにより調製した。 毛の染色 １グラムの６”De Meo Virginナチュラル・ホワイト・ヘア・トレス（De Meo Brothers Inc．USA）を用いた。 （モディファイアーを含む）4mlの染料前駆体溶液をWhirleyミキサーで１mlの ラッカーゼと混合し、髪のふさに適用し、30分、30℃でインキュベートした。 次その髪のふさを水を流してそそぎ、シャンプーで洗い、水でそそいでくしを かけ、空気乾燥させた。 ａ^*，ｂ^*及びｃ^*をChroma Meterで決定し、次に△Ｅ^*を以下 の通り計算した。 酵素なしで処理した髪のふさのサンプルをブラインドとして用いた。 テストの結果を表６に示す。 毛の色の評価 髪のふさの定量的な色を、パラメータＬ^*（“ｏ”＝黒及び“100”＝色）、ａ^* （“−”＝縁及び“＋“＝赤）、及びｂ^*（“−”＝青及び“＋”＝黄）を用い ることによりMinolta CR200 Chroma Meterで決定した。 ΔＬ^*、Δａ^*及びΔｂ^*は各々、未処理の毛のＬ^*，ａ^*及びｂ^*と比較したＬ^* ，ａ^*及びｂ^*のデルタ値である。（例えばΔＬ^*＝Ｌ^*サンプル−Ｌ^*未処理の髪 ）。 ΔＥ^*をΔＥ^*＝（ΔＬ^*2＋Δａ^*2＋Δｂ^*2）の平方根として計算し、全体の定 量的色変化のための式である。 実施例５ DAB−Me及び種々のモディファイアーの染色効果 実施例４に記載される手順を用いて、種々のモディファイアーを 伴う染料前駆体（即ち基質）DADB−Meの永久的染色効果をテストした。但し、0. 2％ｗ／ｗ染料前駆体及び0.2％モディファイアーを用いた。 見られるように、ケラチン繊維はDABA−Me及びモディファイアーを用いて染色 することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ， ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，Ｍ Ｗ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 ロルック，リッケ デンマーク国，デーコー―2880 バグスバ エルト，ノボ アレ，ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (72)発明者 デスレウォ，トーベン デンマーク国，デーコー―2100 コペンハ ーゲン エー，ノードレ フリハウンスガ ーデ 67，４．テーベー.

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 酸化に基づき色を発生させる基質であって、一般式Ｉ： 〔式中、Ｒはアミノ、１もしくは２個置換されたアミノ又はOR’（ここで、Ｒ ’はＨ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲンアルキル、ニトロ、ベン ジル、フェニル又は置換されたフェニルである）であり、 Ｘ，Ｙ及びＺは各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハ ロゲンアルキル、ニトロ、ベンジル、フェニル、置換されたフェニル、アミノ、 ヒドロキシ又はメルカプトであり、但し基Ｘ，Ｙ及びＺのうち少なくとも１つは アミノ基である〕のアミノ安息香酸化合物又はその塩を包含することを特徴とす る基質。 2. Ｒ’がメチル、エチル又はイソプロピルエステルであることを特徴とする 請求項１に記載の基質。 3. ペルオキシダーゼの使用に基づく分析における色形成基質としての一般式 Ｉのアミノ安息香酸化合物及びその塩の使用。 4. 毛を染色する組成物中の色形成基質として並びに編物、糸及びヤーンを含 む、天然及び合成繊維の染色のための組成物のための一般式１のアミノ安息香酸 化合物及びその塩の使用。 5. 前記化合物が、アミノ安息香酸のメチル、エチル又はイソプロピルエステ ルの群から選択されることを特徴とする請求項３又は４に記載の使用。 6. 生物学的に関心のある材料の定量的及び／又は定性的分析のための方法で あって、マーカーを伴うペルオキシダーゼ酵素を関心の化合物に結合させ、次に 過酸化水素を前記ペルオキシダーゼの存在下で色形成基質で変換することにおい て、一般式Ｉのアミノ安息香酸化合物及びその塩からなる群から選択される基質 を用いることを特徴とする方法。 7. 前記化合物がアミノ安息香酸のメチル、エチル又はイソプロピルエステル 並びにそれらの塩からなる基から選択されることを特徴とする請求項８に記載の 方法。 8. 前記ペルオキシダーゼマーカーが前記生物学的に関心のある材料への免疫 学的結合を形成することができることを特徴とする請求項６に記載の方法。 9. 前記生物学的に関心のある材料が抗原であり、前記マーカーが該抗原に対 する抗体であることを特徴とする請求項６に記載の方法。 10．請求項１又は２に記載の基質を酸化システムにより変換することを特徴と する色のある産物を作り出すための方法。 11．前記酸化システムが、無機化合物、好ましくは化合物次亜塩素酸塩、次亜 臭素酸塩、過マンガン酸塩、二クロム酸塩又はFe³⁺としての鉄のうちの１つを含 むことを特徴とする請求項10に記載の方法。 12．前記酸化システムが酵素及び電子受容体を含むことを特徴とする請求項10 に記載の方法。 13．前記酵素がオキシダーゼであり、前記電子受容体が過酸化水素であるか、 又は前記酵素がオキシダーゼである前記電子受容体が酸素であることを特徴とす る請求項12に記載の方法。 14．前記オキシダーゼがカテコールオキシダーゼ、ラッカーゼ及 び関連酵素、ｏ−アミノフェノールオキシダーゼの群から選択されることを特徴 とする請求項13に記載の方法。 15．ケラチン繊維を染色するために適合した組成物であって、１）少なくとも １の酸化酵素と、２）少なくとも１の請求項１又は２に記載の基質と、任意に３ ）少なくとも１のモディファイアーと、を含む組成物。 16．前記酸化酵素が、ラッカーゼ及び関連酵素、オキシダーゼ又はペルオキシ ダーゼから選択されるオキシドレダクターゼであることを特徴とする請求項15に 記載の組成物。 17．前記酵素が、ラッカーゼ、特に、ポリポルス種の株、特にＰ．ピンシトラ ス又はＰ．ベルシコロルの株、マイセリオフトラ種の株、特にＭ．サーモフィラ 、リゾクトニア種の株、特にRh．プラチコラ又はRh．ソラン、ルス種の株、特に ルス・ベルニシフェラ、又はスキタソジウムの株、特にＳ．サーモフィリウム、 ピリクラリア種の株、特にＰ．オリザエから得られるラッカーゼであることを特 徴とする請求項16に記載の組成物。 18．ケラチン繊維を染色するための方法であって、１）少なくとも１の酸化酵 素と、２）少なくとも１の請求項１又は２に記載の基質と、任意に３）少なくと も１のモディファイアーと、を含む組成物を、前記繊維に、前記基質の色のある 化合物への酸化を許容するのに十分な時間及び条件下で接触させることを含む方 法。 19．前記染色が3.0〜9.0、好ましくは4.0〜8.5、特に6.0〜8.0の範囲のpHで行 われることを特徴とする請求項18に記載の方法。 20．前記組成物が請求項15〜17のいずれか一に記載の組成物であることを特徴 とする請求項18又は19に記載の方法。