JP2001290095A - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

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JP2001290095A
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    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防塵や防音を実現した上でゴースト光を除去す
ることができ、且つ走査線曲がりやシェーディングを低
減することができる光走査装置を提供する。 【解決手段】光源1、光偏向器5、走査結像素子6等を
光学ハウジング9内に備えた光走査装置において、両面
とも略平面となる2つの透過光学素子4,7を備え、該
透過光学素子4,7は走査結像素子6を挟んで配備さ
れ、一方の透過光学素子4は光偏向器5を覆うカバー1
1の光出射口に取付けられ、他方の透過光学素子7は光
学ハウジング9の光出射口に取付けられ、且つ2つの透
過光学素子4,7は被走査面8に垂直な直線Oを含む副
走査断面内で同じ方向に傾いており、光偏向器5に近い
側の透過光学素子4は被走査面8に対し偏向走査面内で
傾いており、光偏向器5から遠い側の透過光学素子7は
被走査面8に対し偏向走査面内で略平行となり、光偏向
器5に向かう光束の偏光方向が偏向走査方向に対し略垂
直となっている構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザプリンタ、
デジタル複写機、レーザファクシミリ、レーザプロッタ
等の電子写真方式の画像形成装置の光書き込み部等に応
用される光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ等の光源から出射された光
束を、回転多面鏡等の光偏向器により偏向し、この偏向
光束を走査結像素子により感光体等の被走査面上に光ス
ポットとして集光させて該被走査面を光走査する光走査
装置が知られており、レーザプリンタ、デジタル複写
機、レーザファクシミリ、レーザプロッタ等の電子写真
方式の画像形成装置の光書き込み部等に応用されてい
る。
【0003】光走査装置を用いた電子写真方式の画像形
成装置においては、帯電された感光体に対して光走査装
置により画像情報に応じて変調された光束を光走査し、
静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置のトナーで
現像して顕像化し、この顕像を記録用紙等に転写し定着
して記録画像が得られるが、このような画像形成装置の
作像部内では、浮遊トナーが発生したり、トナー画像が
転写される記録用紙の紙粉が浮遊したりし、これら浮遊
塵が光走査装置に入り込むと、走査結像素子や光偏向器
等に付着して光走査に支障を来すという問題がある。そ
こでこの問題を解消するため、光走査装置の光源や光偏
向器、走査結像素子等の構成部材を光学ハウジングに収
納し、光学ハウジングの光出射口を防塵用の透明な平行
平板で密閉することが行われている。また、このような
光走査装置では、回転多面鏡等の光偏向器での騒音の発
生、光偏向器の反射面の汚れ等を防止するため、光偏向
器をハウジングやカバーで覆い、光偏向器への光束の入
射口や光偏向器からの光束の出射口を防音や防塵用の透
明な平行平板で密閉することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光走査装置の
全体を覆う光学ハウジングや、光偏向器のハウジング等
に防塵や防音用の平行平板を設けた場合、この平行平板
により反射された光束が偏向反射面に戻りゴースト光と
なってしまうという問題や、平行平板の非点隔差による
走査結像素子の結像性能への影響等の問題ある。そこ
で、この問題を解決するため、防塵用や防音用の平行平
板を光軸に対して傾けて配置し、平行平板による反射光
が偏向反射面に戻らないようにすることが行われてい
る。しかし、単に平行平板を光軸に対して傾けて配置し
た場合、被走査面上で走査線曲がりが発生するという問
題がある。また、平行平板等の透過光学素子はできるだ
け小さいほうが望ましく、さらには、透過光学素子より
被走査面上での光量むら(シェーディング)が発生し、
画像が劣化する可能性がある。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、光走査装置において、防塵や防音を実現した上
で、ゴースト光を除去すること、及び走査線曲がりを低
減することを目的(課題)とする。また、本発明のもう
一つの目的(課題)は、被走査面上での光量むら(シェ
ーディング)を低減することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、光源と、該光源からの光束を反射により
偏向走査する光偏向器と、該光偏向器により偏向走査さ
れる光束を被走査面上に集光させる少なくとも1つの走
査結像素子を備え、これらの構成部材が光学ハウジング
に収納された光走査装置において、両面とも略平面とな
る2つの透過光学素子を備え、その2つの透過光学素子
は前記走査結像素子を挟んで配備され、且つ、2つの透
過光学素子のうちの一方の透過光学素子は前記光偏向器
を覆うカバーの光出射口に取り付けられ、他方の透過光
学素子は前記光学ハウジングの光出射口に取り付けられ
ており、尚且つ、前記2つの透過光学素子は、被走査面
に垂直な直線を含む副走査断面内で同じ方向に傾いてい
る構成としたものである。また、光偏向器に近い透過光
学素子(光偏向器を覆うカバーの光出射口に取り付けら
れた透過光学素子)が、被走査面に対し偏向走査面内で
傾いており、光偏向器から遠い透過光学素子(光学ハウ
ジングの光出射口に取り付けられた透過光学素子)が、
被走査面に対し偏向走査面内で略平行となっている。さ
らに、光偏向器に向かう光束の偏光方向が、偏向走査方
向に対し略垂直となっている(請求項1)。このよう
に、光偏向器を覆うカバーの光出射口や、光学ハウジン
グの光出射口に取り付けられた2つの透過光学素子が、
被走査面に垂直な直線を含む副走査断面内で同じ方向に
傾いている構成とすることにより、透過光学素子による
反射光が光偏向器の偏向反射面や走査結像素子に戻され
ることがなくなり、光走査装置の防塵や防音を実現した
上で、ゴースト光を除去することが可能になる。また、
光偏向器による各画角での反射率特性と、光偏向器に近
い透過光学素子の透過率特性が相殺され、被走査面上で
の光量むら(シェーディング)を低減することができ
る。また、光偏向器に近い透過光学素子、光偏向器から
遠い透過光学素子とも小型化でき、性能面、コスト面で
も有利になる。
【0007】さらに本発明では、上記の構成の光走査装
置において、光偏向器に近い側の両面とも略平面となる
透過光学素子の回転角をθ1、光偏向器から遠い側の両
面とも略平面となる透過光学素子の回転角をθ2、光偏
向器と被走査面の間の副走査横倍率をβ、光偏向器に近
い側の両面とも略平面となる透過光学素子の厚さをd
1、光偏向器から遠い側の両面とも略平面となる透過光
学素子の厚さをd2、としたとき、次の条件式: 2.5<(d2×sinθ2)/(d1×sinθ1×|β|)<
7.0 を満足するように構成したので(請求項2)、被走査面
上での走査線曲がりの低減が可能となる。
【0008】尚、本発明に係る光走査装置において、光
源としては、例えば半導体レーザ(LD)等のレーザ光
源が主として用いられるが、発光ダイオード(LED)
等を用いることもできる。光源からの光束はカップリン
グレンズ等によりカップリングされ、平行光束あるいは
発散性の光束もしくは集束性の光束となって光偏向器に
入射する。光偏向器としては、複数の偏向反射面を有す
る回転多面鏡や、ピラミダルミラー、ほぞ型ミラー等の
回転単面鏡、あるいはガルバノミラー等の揺動鏡を用い
ることができる。また、光偏向器における所謂面倒れ補
正を行うために、カップリングされた光束を副走査方向
にのみ集光して光偏向器の偏向反射面位置に主走査方向
に長い線像として結像させるような光学系、例えばシリ
ンドリカルレンズ等をカップリングレンズと光偏向器の
間の光路に配置してもよい。
【0009】走査結像素子は、光偏向器により偏向走査
される光束を被走査面上に微小な光スポットとして集光
させるものであり、主走査方向及び/又は副走査方向に
パワーを有する少なくとも1つのレンズやミラー等から
なり、光偏向器が回転多面鏡等の回転性のものである場
合には、fθレンズ等の走査結像レンズやfθミラー等
を好適に用いることができ、光偏向器が揺動鏡の場合に
は、fsinθレンズ等の走査結像レンズを用いること
ができる。このような走査結像素子を用いることによ
り、主走査速度を等速化することができる。また、上述
のように面倒れ補正のために、カップリングされた光束
を副走査方向にのみ集光して光偏向器の偏向反射面位置
に主走査方向に長い線像として結像させる場合には、走
査結像素子は、副走査方向に関し、偏向反射面位置と被
走査面位置とを副走査方向に関して幾何光学的に略共役
関係にする機能を持つ。光偏向器を覆うカバーの光出射
口に取り付けられた透過光学素子や、光学ハウジングの
光出射口に取り付けられた透過光学素子は、両面とも略
平面で透明なガラスや樹脂の平行平板が好適に用いら
れ、防塵、防音部材として機能するが、平行平板に限ら
ず、両面が若干の角度を有している透明な板材などでも
問題ない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成、動作及び作
用について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発
明の一実施形態を示す光走査装置の構成説明図であり、
(A)は光偏向器による光束の偏向走査方向(主走査方
向)に平行で光軸を含む断面(主走査断面)内の光学系
配置を示す図、(B)は主走査断面に直交し光軸を含む
断面(副走査断面)内の光学系配置を示す図、(C)は
光走査装置の光学系を光学ハウジングに収納した際の副
走査断面内の配置構成を示す図である。
【0011】図1に示す構成の光走査装置は、半導体レ
ーザ等からなる光源1と、光源1からの光束を平行光束
あるいは発散性の光束もしくは集束性の光束としてカッ
プリングするカップリングレンズ2と、カップリングレ
ンズ2によりカップリングされた光束を副走査方向にの
み集光して光偏向器の偏向反射面位置に主走査方向に長
い線像として結像させるシリンドリカルレンズ3と、シ
リンドリカルレンズ3通過後の光束を偏向走査する回転
多面鏡(ポリゴンミラー)等からなる光偏向器5と、光
偏向器5により偏向走査される光束を感光体等の被走査
面上に集光させる走査結像レンズ6とを備えている。そ
して、これらの構成部材は、光学ハウジング9に収納さ
れ、光学ハウジング9の上部はカバー10で覆われてい
る。さらに、図1に示す構成の光走査装置では、両面と
も略平面となる2つの透過光学素子として第1、第2の
平行平板4,7を備えており、その2つの平行平板4,
7は走査結像レンズ6を挟んで配備され、且つ、2つの
平行平板のうちの第1の平行平板4は、光偏向器5を覆
うカバー11の光出射口に取り付けられて、その光出射
口を密閉し、第2の平行平板7は光学ハウジング9の光
出射口に取り付けられて、その光出射口を密閉してい
る。また、2つの平行平板4,7は、被走査面8に垂直
な直線(走査結像レンズの光軸Oに相当する)を含む副
走査断面内で同じ方向に傾いて配置されている。さら
に、光偏向器5に近い平行平板(光偏向器5を覆うカバ
ー11の光出射口に取り付けられた第1の平行平板)4
は、被走査面8に対し偏向走査面内(主走査断面内)で
傾いており、光偏向器5から遠い平行平板(光学ハウジ
ング9の光出射口に取り付けられた第2の平行平板)7
は、被走査面8に対し偏向走査面内で略平行となってい
る。また、光偏向器5に向かう光束の偏光方向は、偏向
走査方向(主走査方向)に対し略垂直となっている。
【0012】図1に示す構成の光走査装置においては、
光源1から出射された光束はカップリングレンズ2によ
り例えば略平行な光束としてカップリングされ、シリン
ドリカルレンズ3により副走査方向にのみ集光して光偏
向器5の偏向反射面位置に主走査方向に長い線像として
結像された後、光偏向器5の偏向反射面により偏向走査
され、第1の平行平板4を透過し、走査結像レンズ6に
より集束性の光束となって第2の平行平板7を透過し、
被走査面8上に光スポットとして集光され、主走査方向
に等速走査される。
【0013】このような構成の光走査装置の場合、光偏
向器5のカバーの光出射口を塞ぐ平行平板4や、光学ハ
ウジング9の光出射口を塞ぐ平行平板7の配置の仕方に
よっては、これら平行平板4,7からの反射光によりゴ
ースト光が発生する虞があるが、本発明に係る光走査装
置においては、図1(B)に示すように、2つの平行平
板4,7が被走査面に垂直な直線(走査結像レンズの光
軸)Oを含む副走査断面内で同じ方向に傾いて配置され
ているので、これにより2つの平行平板4,7による反
射光は、光軸Oから副走査方向にずれた方向に反射さ
れ、光偏向器5の偏向反射面や走査結像レンズ6に戻さ
れることがなく、ゴースト光を除去することができる。
【0014】さらに、本発明に係る光走査装置では、図
1(C)に示すように、第2の平行平板7は、光学ハウ
ジング9の光出射口を塞ぐように取り付けられているの
で、この第2の平行平板7により、外部から光走査装置
の光学ハウジング9内に入り込む塵埃の侵入を防ぐこと
ができる。また、第1の平行平板4は、光学ハウジング
9内の光偏向器5を覆うカバー11の光出射口を塞ぐよ
うに取り付けられているので、光偏向器5の周辺部が密
閉され、光偏向器5への塵埃の侵入を防ぐと共に、光偏
向器5の回転による騒音を低減することができる。ま
た、上記の2つの平行平板4,7を副走査断面内で同じ
方向に傾けたことにより、被走査面8上での走査線曲が
りを有効に補正することが可能である。ここで、第1、
第2の平行平板4,7は、透明なガラスや樹脂等からな
る平行平板であり、両面とも略平面となる透過光学素子
の一例であるが、このような平行平板に限らず、両面が
若干の角度を有している透明な板材等でも問題は無い。
【0015】
【実施例】次に、本発明に係る光走査装置の光学系のよ
り具体的な実施例について説明する。
【0016】 1.光学系A(走査結像レンズ:1枚構成): 面番号 Rm(mm) Rs(0)(mm) X(mm) N 備考 0 ∞ ∞ 33.1 ポリゴンミラー 1 160.3 -108.6 13.5 1.5193 走査結像レンズ 2 -139.3 -15.2 128.6 3 − − − 被走査面
【0017】上記において、面番号0は光偏向器の偏向
反射面であり、面番号1は走査結像レンズの光入射側の
面、面番号2は走査結像レンズの光出射側の面である。
また、Nは走査結像レンズの屈折率である。また、Rm
は主走査方向の曲率半径、Rs(0)は光軸位置での副走
査方向の曲率半径であり、走査結像レンズの面番号1と
面番号2の面は、主走査方向の形状が非円弧形状であ
り、副走査方向の曲率半径Rs(Y)はレンズ高さにより
連続的に変化する。尚、主走査方向の面形状は下記の式
で表現される。 X=((Y^2)/Rm)/(1+√{1−(1+K)×(Y/Rm)^2} +AY^4+BY^6+CY^8+DY^10 (1)
【0018】ここで、上記(1)式において各係数は、
面番号1の面では、 K=-58.38,A=-9.23E-07,B=3.66E-10,C=-8.34
E-14,D=1.11E-17 であり、面番号2の面では、 K=4.83,A=-9.71E-07,B=2.37E-10,C=-8.06E-
14,D=2.65E-17 である。尚、上記において、「Y^2」は、「Y2」の
意味であり、他も同様である。また、「E-07」は、「×
10-7」の意味であり、他も同様である。
【0019】主走査対応方向における光軸からの距離:
Yを変数とする偏向方向に直交する面内の曲率半径(副
走査曲率半径)をRs(Y)とした時、これらRs(Y)を
特定するのに、下記の多項式で表わす。 Rs(Y)=Rs(0)+Σbj・Y^j (j=1,2,3・・・) (2)
【0020】ここで、上記(2)式において各係数は、
面番号1の面では、 b2=7.80E-02,b4=-3.15E-04,b6=8.17E-07,b8
=-1.10E-09,b10=7.35E-13,b12=-1.88E-16,(他
の係数は全て0である) であり、面番号2の面では、 b2=-1.69E-03,b4=3.42E-06,b6=-4.29E-09,b8
=5.63E-12,b10=-4.19E-15,b12=1.30E-18,(他
の係数は全て0である) である。
【0021】尚、この光走査光学系では、第1の平行平
板が光偏向器の偏向反射面と走査結像レンズの間に配備
されており、この第1の平行平板は、偏向反射面から1
6.0mmの位置で、偏向走査面(主走査断面)内で6deg
(図1(A)における角度α)傾いて配置されている。
また、第2の平行平板は、走査結像レンズと被走査面の
間に配備され、走査結像レンズから79.5mmの位置にあ
る。この第2の平行平板7は、被走査面に対し偏向走査
面(主走査断面)内で略平行となっている。
【0022】 2.光学系B(走査結像レンズ:2枚構成): 面番号 Rm(mm) Rs(0)(mm) X(mm) N 備考 0 ∞ ∞ 52.6 ポリゴンミラー 1 -312.6 -312.6 31.4 1.524 第1走査結像レンズ 2 -83.0 -83.0 78.0 3 -500 -47.7 3.5 1.524 第2走査結像レンズ 4 -1000 -23.38 143.6 5 − − − 被走査面
【0023】上記において、面番号0は光偏向器の偏向
反射面であり、面番号1は光偏向器に近い側の第1走査
結像レンズの光入射側の面、面番号2は第1走査結像レ
ンズの光出射側の面、面番号3は第2走査結像レンズの
光入射側の面、面番号4は第2走査結像レンズの光出射
側の面である。また、Nは第1、第2の走査結像レンズ
の屈折率である。また、Rmは主走査方向の曲率半径、
Rs(0)は光軸位置での副走査方向の曲率半径であり、
第1走査結像レンズの面番号1と面番号2の面は、共軸
非球面であり、その面形状は下記の式で表現される。 X=((Y^2)/R)/(1+√{1−(1+K)×(Y/R)^2} +AY^4+BY^6+CY^8+DY^10 (3)
【0024】ここで、上記(3)式において各係数は、
面番号1の面では、 K=2.667,A=1.79E-07,B=-1.08E-12,C=-3.18E
-14,D=3.74E-18 であり、面番号2の面では、 K=0.02,A=2.50E-07,B=9.61E-12,C=4.54E-1
5,D=-3.03E-18 である。
【0025】また、第2走査結像レンズの面番号3の面
は、主走査方向の形状が非円弧形状であり、副走査方向
の曲率半径Rs(Y)はレンズ高さにより連続的に変化す
る。そして面番号3の面の主走査形状は前記(1)式で
表現され、各係数は、 K=-71.73,A=4.33E-08,B=-5.97E-13,C=-1.28
E-16,D=5.73E-21 である。この面番号3の面の副走査曲率半径Rs(Y)
は、前記(2)式で表現され、各係数は、 b2=1.60E-03,b4=-2.32E-07,b6=1.60E-11,b8
=-5.61E-16,b10=2.18E-20,b12=-1.25E-24,(他
の係数は全て0である) である。
【0026】尚、この光走査光学系では、第1の平行平
板が光偏向器の偏向反射面と第1走査結像レンズの間に
配備されており、この第1の平行平板は、偏向反射面か
ら12.0mmの位置で、偏向走査面(主走査断面)内で8deg
(図1(A)における角度α)傾いて配置されている。
また、第2の平行平板は、第2走査結像レンズと被走査
面の間に配備され、第2走査結像レンズから8.0mmの位
置にある。この第2の平行平板7は、被走査面に対し偏
向走査面(主走査断面)内で略平行となっている。
【0027】次に上記の光学系Aと光学系Bにおいて、
偏向走査方向の断面(主走査断面)内の回転軸を中心と
した第1の平行平板の回転角をθ1、偏向走査方向の断
面(主走査断面)内の回転軸を中心とした第2の平行平
板の回転角をθ2(θ1、θ2とも反時計回りを正とす
る)、偏向反射面と被走査面の副走査方向の横倍率を
β、第1の平行平板の厚さをd1、第2の平行平板の厚
さをd2とし、第1、第2の平行平板の回転角を変化さ
せた時に、下記の式の値:Dを計算し、 D=(d2×sinθ2)/(d1×sinθ1×|β|) (4) その結果が、次の条件式: 2.5<(d2×sinθ2)/(d1×sinθ1×|β|)<7.0 (5) を満足する場合を実施例とし、満足しない場合を比較例
として、その結果を下記の表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】光偏向器と走査結像レンズの間に配備され
た第1の平行平板が傾くと走査線曲がりが発生するが、
その量はd1,sinθ1,|β|が大きくなるほど大き
くなる。第1の平行平板によって発生した走査線曲がり
は、走査結像レンズと被走査面の間に配備された第2の
平行平板を同じ方向に傾けることによって補正できる
が、その補正量は、d2,sinθ2が大きくなるほど大
きくなる。比較例1のように、式(4)に示すDの値が
上記の条件式(5)の下限を越えた場合は、第1の平行
平板によって発生した走査線曲がりを第2の平行平板で
補正しきれていない状態であり、従って比較例1の場合
は図2の(A)に示す通り走査線曲がりが大きくなる。
また、比較例2のように、式(4)に示すDの値が上記
の条件式(5)の上限を越えた場合は、第1の平行平板
によって発生した走査線曲がりを第2の平行平板で補正
しすぎた状態であり、従って比較例2の場合は図2の
(B)に示す通り走査線曲がりが大きくなる。尚、この
場合は、比較例1と逆側に走査線曲がりが発生する。
【0030】ここで、実施例1の走査線曲がりを図3
に、実施例2,3の走査線曲がりを図4(A),(B)
に、実施例4,5の走査線曲がりを図5(A),(B)
に、実施例6,7,8の走査線曲がりを図6(A),
(B),(C)にそれぞれ示すが、実施例1〜8の場合
は、式(4)に示すDの値が上記の条件式(5)の範囲
内にあるため、走査線曲がりはどれも良好に補正されて
いる。
【0031】また、さらに走査線曲がり量を低減するた
めには、光偏向器に近い側の両面とも略平面となる透過
光学素子の回転角をθ1、光偏向器から遠い側の両面と
も略平面となる透過光学素子の回転角をθ2、光偏向器
と被走査面の間の副走査横倍率をβ、光偏向器に近い側
の両面とも略平面となる透過光学素子の厚さをd1、光
偏向器から遠い側の両面とも略平面となる透過光学素子
の厚さをd2、としたとき、次の条件式: 3.0<(d2×sinθ2)/(d1×sinθ1×|β|)<
6.0 を満足することが望ましい。
【0032】尚、両面とも略平面となる透過光学素子は
ガラス製または樹脂製でもよく、両面が平行でなかった
り、平面でなく若干の曲率があっても本発明の範疇に入
るものである。
【0033】次にシェーディングの低減に関して説明す
る。実施例6〜9の場合における下記の表2に示す条件
1,2のもとでの対応像高に対する、光偏向器の反射率
差、防音ガラス(第1の平行平板4)の透過率差、シェ
ーディングの関係を図7に示す。
【0034】
【表2】
【0035】光偏向器に向う光束の偏光方向は、偏向走
査方向(主走査方向)に対し略垂直になっている場合、
防音ガラス(第1の平行平板4)を被走査面に対して偏
向走査面内(主走査断面内)で所定の角度α(例えば、
α=8deg)傾けることにより、図7(a),(b)に
示すように、光偏向器による反射率差と防音ガラスによ
る透過率差が相殺され、シェーディング(被走査面上で
の像高による光量差)が良好に補正されている。また、
比較例として、条件1において、防音ガラスを被走査面
に対して偏向走査面内で傾けない場合の計算結果を図7
(c)に示すが、図7(a),(b)に比べてシェーデ
ィングが増大している。従って、光偏向器に向う光束の
偏光方向が、偏向走査方向(主走査方向)に対し略垂直
になっている場合には、光偏向器に近い側に配置される
第1の平行平板4(防音ガラス)を、被走査面8に対し
て偏向走査面内(主走査断面内)で所定の角度α傾けて
配置することにより、シェーディングを良好に補正する
ことができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の光
走査装置においては、両面とも略平面となる2つの透過
光学素子を備え、その2つの透過光学素子は前記走査結
像素子を挟んで配備され、且つ、2つの透過光学素子の
うちの一方の透過光学素子は前記光偏向器を覆うカバー
の光出射口に取り付けられ、他方の透過光学素子は前記
光学ハウジングの光出射口に取り付けられており、尚且
つ、前記2つの透過光学素子は、被走査面に垂直な直線
を含む副走査断面内で同じ方向に傾いており、前記光偏
向器を覆うカバーの光出射口に取り付けられた透過光学
素子が、被走査面に対し偏向走査面内で傾いており、前
記光学ハウジングの光出射口に取り付けられた透過光学
素子が、被走査面に対し偏向走査面内で略平行となり、
尚且つ、光偏向器に向かう光束の偏光方向が、偏向走査
方向に対し略垂直となっている構成としたので、透過光
学素子による反射光が光偏向器の偏向反射面や走査結像
素子に戻されることがなくなり、光走査装置の防塵や防
音を実現した上で、ゴースト光を除去することができ、
且つ、被走査面上での走査線曲がりを低減することがで
きる。また、被走査面上でのシェーディングを良好に補
正することができる。
【0037】請求項2記載の光走査装置においては、請
求項1の構成に加えて、光偏向器に近い側の両面とも略
平面となる透過光学素子の回転角をθ1、光偏向器から
遠い側の両面とも略平面となる透過光学素子の回転角を
θ2、光偏向器と被走査面の間の副走査横倍率をβ、光
偏向器に近い側の両面とも略平面となる透過光学素子の
厚さをd1、光偏向器から遠い側の両面とも略平面とな
る透過光学素子の厚さをd2、としたとき、次の条件
式: 2.5<(d2×sinθ2)/(d1×sinθ1×|β|)<
7.0 を満足するように構成したので、光走査装置の防塵や防
音を実現した上で、ゴースト光を除去することができ、
且つ、被走査面上での走査線曲がりを確実に低減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す光走査装置の構成説
明図であり、(A)は光偏向器による光束の偏向走査方
向(主走査方向)に平行で光軸を含む断面(主走査断
面)内の光学系配置を示す図、(B)は主走査断面に直
交し光軸を含む断面(副走査断面)内の光学系配置を示
す図、(C)は光走査装置の光学系を光学ハウジングに
収納した際の副走査断面内の配置構成を示す図である。
【図2】比較例1、比較例2の走査線曲がりを示す図で
ある。
【図3】実施例1の走査線曲がりを示す図である。
【図4】実施例2、実施例3の走査線曲がりを示す図で
ある。
【図5】実施例4、実施例5の走査線曲がりを示す図で
ある。
【図6】実施例6、実施例7、実施例8の走査線曲がり
を示す図である。
【図7】(a),(b)は、光偏向器に近い側に配置さ
れる防音ガラス(透過光学素子)を、被走査面に対して
偏向走査面内(主走査断面内)で所定の角度傾けて配置
した場合の、光偏向器の反射率差、防音ガラスの透過率
差、シェーディングの関係を示す図であり、(c)は、
光偏向器に近い側に配置される防音ガラス(透過光学素
子)を、被走査面に対して偏向走査面内で傾けないで配
置した場合の、光偏向器の反射率差、防音ガラスの透過
率差、シェーディングの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 光源 2 カップリングレンズ 3 シリンドリカルレンズ 4 第1の平行平板(透過光学素子) 5 光偏向器 6 走査結像レンズ(走査結像素子) 7 第2の平行平板(透過光学素子) 8 被走査面 9 光学ハウジング 10 カバー 11 光偏向器を覆うカバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C362 BA13 BB14 DA12 DA22 DA28 2H045 AA01 AA71 AB01 BA02 CA33 CB35 CB63 DA02 2H087 KA08 KA18 KA19 LA22 NA18 PA01 PA17 PB01 QA02 QA03 QA07 QA12 QA14 QA32 QA34 RA05 RA12 RA13 RA42 5C072 AA03 BA08 BA15 BA17 DA02 DA21 HA02 HA08 HA12 HA13 HA14 HA20 XA01 XA05 9A001 GG01 JJ35 KK16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、該光源からの光束を反射により偏
    向走査する光偏向器と、該光偏向器により偏向走査され
    る光束を被走査面上に集光させる少なくとも1つの走査
    結像素子を備え、これらの構成部材が光学ハウジングに
    収納された光走査装置において、 両面とも略平面となる2つの透過光学素子を備え、その
    2つの透過光学素子は前記走査結像素子を挟んで配備さ
    れ、且つ、2つの透過光学素子のうちの一方の透過光学
    素子は前記光偏向器を覆うカバーの光出射口に取り付け
    られ、他方の透過光学素子は前記光学ハウジングの光出
    射口に取り付けられており、尚且つ、前記2つの透過光
    学素子は、被走査面に垂直な直線を含む副走査断面内で
    同じ方向に傾いており、前記光偏向器を覆うカバーの光
    出射口に取り付けられた透過光学素子が、被走査面に対
    し偏向走査面内で傾いており、前記光学ハウジングの光
    出射口に取り付けられた透過光学素子が、被走査面に対
    し偏向走査面内で略平行となり、尚且つ、光偏向器に向
    かう光束の偏光方向が、偏向走査方向に対し略垂直とな
    っていることを特徴とする光走査装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光走査装置において、 光偏向器に近い側の両面とも略平面となる透過光学素子
    の回転角をθ1、光偏向器から遠い側の両面とも略平面
    となる透過光学素子の回転角をθ2、光偏向器と被走査
    面の間の副走査横倍率をβ、光偏向器に近い側の両面と
    も略平面となる透過光学素子の厚さをd1、光偏向器か
    ら遠い側の両面とも略平面となる透過光学素子の厚さを
    d2、としたとき、次の条件式: 2.5<(d2×sinθ2)/(d1×sinθ1×|β|)<
    7.0 を満足することを特徴とする光走査装置。
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