JP2001062982A - 感熱製版方法 - Google Patents

感熱製版方法

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JP2001062982A
JP2001062982A JP24584499A JP24584499A JP2001062982A JP 2001062982 A JP2001062982 A JP 2001062982A JP 24584499 A JP24584499 A JP 24584499A JP 24584499 A JP24584499 A JP 24584499A JP 2001062982 A JP2001062982 A JP 2001062982A
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heating resistor
heat
electrodes
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淳 中村
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Riso Kagaku Corp
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    • B41J2202/32Thermal head for perforating stencil

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷物において高画質を実現し、裏移りを軽
減するための廉価な厚膜プロセスによるサーマルヘッド
を用いた感熱製版方法を提供する。 【解決手段】 放熱板2上に絶縁性基板3、グレーズ層
4、主走査方向Xに連続する発熱抵抗体6を少なくとも
この順で積層し、発熱抵抗体6に接して主走査方向Xと
交差する方向に延びる少なくとも2系統の電極群5a,5b
を主走査方向Xに交互に形成し、保護層7を形成してな
り、発熱抵抗体6の厚さtを1〜10μm、発熱抵抗体
6に隣り合う各電極5a,5bの間隔Lxを両電極の中心線間
の距離dの20〜60%とした厚膜プロセスによるサー
マルヘッド1に感熱孔版原紙12を接触させた状態で搬送
手段14により該原紙12を搬送させ、発熱抵抗体6の副走
査方向長さLyが副走査ピッチpの100〜250%とな
るように、サーマルヘッド1と搬送手段14とを制御部15
により制御し、感熱孔版原紙12を穿孔製版する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、孔版印刷に用いら
れる感熱孔版原紙(マスター)に穿孔製版を施すための
感熱製版方法に関し、特に、厚膜プロセスによる廉価な
サーマルヘッドを用いる感熱製版方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在実用化されている、孔版印刷用の版
を製版する孔版製版装置は、感熱孔版原紙を用い、その
製版方式には、カーボンを含む画線部をもつ原稿表面に
感熱孔版原紙を密着させてフラッシュバルブやキセノン
管などを閃光させ感熱孔版原紙を穿孔製版する、いわゆ
るフラッシュ方式と、原稿画像からイメージセンサーな
どを通して、またはコンピューターなどによって作成さ
れた文書/画像データを画素の集合として、サーマルヘ
ッドの微小な発熱素子の発熱によって感熱孔版原紙を穿
孔製版する、いわゆるディジタル方式とがある。これら
のうちでは、文書編集や画像加工の可能な後者のディジ
タル方式が主流である。サーマルヘッドはかつてはファ
クシミリや感熱記録プリンターなどに専ら用いられたデ
バイスであったが、後述する感熱孔版製版(以下、感熱
製版とよぶ)用としてのアレンジがなされ、ディジタル
方式感熱製版装置にも利用されてきている。なお、感熱
孔版原紙としては、熱可塑性樹脂フィルム(以下、単に
“フィルム”とよぶ)と多孔性支持体を貼り合わせたも
のと、多孔性支持体を有さずフィルム単体でなるものと
がある。
【0003】サーマルヘッドを感熱製版用に応用する技
術について、サーマルヘッドの具体的な構造に言及した
文献としては、例えば以下の例がある。
【0004】特開昭63-191654号,特開平6-191003号に
は保護層の厚さを規定した装置が、特開平2-67133号,
特開平4-71847号,特開平4-265759号,特開平5-345401
〜3号,特開平6-115042号には発熱素子の主走査方向長
さおよび/または副走査方向長さを各方向のピッチに対
して規定した装置が、特開平4-45936号,特開平7-68807
号,特開平7-171940号には発熱素子形状を矩形から他の
形状に変更した装置が、特開平4-314552号,特開平8-14
2299号には隣接する発熱素子間に冷却部材を形成した装
置が、特開平4-369575号,特開平8-132584号にはグレー
ズ層の形状または厚さを規定した装置が、特開平5-1855
74号には発熱素子の主走査方向長さと副走査方向長さの
比を規定した装置が、それぞれ提案されている。
【0005】上記文献による技術のうち、特開平5-3454
01〜3号を除く全ては、特に明示されていないものの、
サーマルヘッドの構造図からみて、薄膜サーマルヘッド
によるものと判断できる。実際、サーマルヘッドを用い
て現在実用化されている感熱製版装置は、薄膜サーマル
ヘッドを使用するものが圧倒的に多く、厚膜サーマルヘ
ッドを用いるものは、わずかにはがき用製版機やワープ
ロ兼用機、熱転写ラベル兼用機などにすぎず、実用され
ているディジタル方式感熱製版装置全体に対するこれら
の比率は微々たるものである。
【0006】感熱製版における感熱孔版原紙のフィルム
への穿孔形態は、上記文献の多くが指摘しているよう
に、画素に対応する穿孔が互いに独立し、隣接する穿孔
と連結していない状態が望ましい。それは粘弾性流体で
あるインクが版胴内部から穿孔を通して紙へ転移すると
きに、紙上の転移像は穿孔形状よりも拡がること、さら
に穿孔が連結・拡大するとインクの転移量や転移膜厚が
加速度的に増加して裏移りを生ずること、といった孔版
印刷特有の性質に起因している。この点が、記録画素が
重なりあう状態が望ましいとされている感熱紙や熱転写
による感熱記録の場合と異なっている。
【0007】ディジタル方式感熱製版では、画素に対応
する穿孔が互いに独立し、隣接する穿孔と連結していな
い状態とし、印刷物の画線部の濃度を確保するために一
定の開孔率(開孔率とは、感熱孔版原紙のフィルムの単
位面積あたりの穿孔による開孔面積をいう。この値は、
インクの粘度や機械の圧力条件や用紙の種類によるが、
約30〜40%程度とすることが多い)を確保し、さら
にベタ部分など大面積の画線部の各部の濃度を均一化す
るために個々の穿孔形状や穿孔面積をほぼ等しくし、ベ
タ部分の穿孔の間隙部分を画素配列に対応した規則的な
パターンとすることが望ましい。
【0008】一般的な薄膜サーマルヘッドの構造は、金
属放熱板上に絶縁性基板、その上にグレーズ層、その上
に発熱抵抗層、その上に電極層が形成され、1画素に対
応する発熱抵抗層の発熱領域(以下、この領域を、薄膜
サーマルヘッドにおける“発熱素子”とよぶ)を主走査
方向に延長した領域上の電極層が除去され、主走査方向
における発熱素子の間隙部分を副走査方向に延長した領
域上の発熱抵抗層と電極層がともに除去され、発熱素子
から一方の副走査方向への電極層が個別電極として各発
熱素子の通電を制御するスイッチング素子に接続され、
発熱素子から他方の副走査方向への電極層が共通電極と
して一体化され、露出した個別電極、共通電極、発熱抵
抗層を覆うように保護層が形成されている。1画素が記
録されるとき、記録画素に対応する個別電極は、共通電
極と異なる電位が与えられ、その個別電極と副走査方向
に対向する共通電極との間にある発熱素子が通電され発
熱する。
【0009】一般に薄膜サーマルヘッドは厚膜サーマル
ヘッドに比較して、発熱素子の熱容量が非常に小さく、
各発熱素子が熱的に互いに独立しているので、発熱時の
発熱素子の温度分布が明確で、高温部分と低温部分の温
度差(以下、“温度コントラスト”とよぶ)が大きく、
したがってフィルムは明確な温度分布のパターンにした
がって、ばらつきの少ない穿孔形状を実現することがで
きる。この理由によって、高画質が望まれる孔版製版印
刷装置は、そのほとんどすべてが薄膜サーマルヘッドを
採用していると考えられる。
【0010】一方、サーマルヘッドの感熱製版以外の用
途である感熱記録には、薄膜サーマルヘッドだけでな
く、厚膜サーマルヘッドも多く使用されている。一般的
な厚膜サーマルヘッドの構造は、金属放熱板上に絶縁性
基板、その上にグレーズ層、その上に個別電極と共通電
極が主走査方向に交互に、副走査方向の反対側から延長
されて設けられ、個別電極と共通電極にまたがるように
発熱抵抗体が主走査方向に延長されて設けられ、露出し
た個別電極、共通電極、発熱抵抗体を覆うように保護層
が形成されている。
【0011】1画素が記録されるとき、記録画素に対応
する個別電極は、共通電極と異なる電位が与えられ、そ
の個別電極と両側の共通電極との間にある発熱抵抗体が
通電され発熱する。すなわち1画素は個別電極とその両
隣の共通電極との間の発熱抵抗体の発熱領域に対応し、
例えば感熱記録媒体に記録される1記録画素は、発熱抵
抗体の2つの発熱領域に対応して基本的には2つのドッ
トとなる(以下、この記録方法を“2ドット記録法”と
よぶ。“ドット”とはシンボリックな名称であって、感
熱記録では1つの発色/転写要素を、感熱製版では1つ
の穿孔をいう)。また、1記録画素を2ドットではなく
1ドットとする、つまり1画素を個別電極とそれに隣り
合うどちらか一方の共通電極との間にある発熱抵抗体の
発熱領域に対応させるために、共通電極のかわりに、異
なるタイミングで導通する2系統の第1共通電極および
第2共通電極を交互に配置する方法もある(以下、この
記録方法を“1ドット記録法”とよぶ)。また以下、1
ドットに対応する発熱抵抗体の発熱領域を、厚膜サーマ
ルヘッドにおける“発熱素子”とよぶ。1画素に対して
1ドット記録法では1つの発熱素子が、2ドット記録法
では2つの発熱素子が対応する。
【0012】特開平5-345401〜3号は、その実施例にお
いて厚膜サーマルヘッドを図示しており、1画素に対応
する発熱素子の主走査方向長さおよび副走査方向長さが
各走査のピッチより小さい、ほぼ等しい比率に設定され
ている。さらに、1画素に対応する発熱素子の主走査方
向長さおよび副走査方向長さは穿孔の各方向における直
径に等しい、と記載されている。しかし、このような厚
膜サーマルヘッドを用いた感熱製版装置は、後述する性
能上の問題があり、普及していない。
【0013】以上のように、感熱製版装置に用いられる
サーマルヘッドは、実質的に薄膜サーマルヘッドに限定
されている。
【0014】厚膜サーマルヘッドの薄膜サーマルヘッド
に対する利点は、第1に製造設備とその管理が簡単で、
製品すなわちサーマルヘッドのコストが下げられる、第
2に発熱抵抗体の形成はサーマルヘッドを収容するスパ
ッター装置を用いずに開放系でできるので、長尺サーマ
ルヘッドを容易に製造することができる、などである。
したがって感熱製版においても厚膜サーマルヘッドを採
用することができれば、上記の利点を享受することがで
きる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところが、厚膜サーマ
ルヘッドを感熱製版用途にそのまま用いると、薄膜サー
マルヘッドを用いた感熱製版に比べて印刷物の画質が劣
るという問題がある。すでに述べたように、厚膜サーマ
ルヘッドは薄膜サーマルヘッドに対して温度コントラス
トが低い、すなわち、位置に対する温度の勾配が小さ
い。厚膜サーマルヘッドでは発熱抵抗体は主走査方向に
連続しており、発熱素子で発生した熱は主走査方向に伝
播しやすい。したがって主走査方向の温度コントラスト
は、薄膜サーマルヘッドに比べて小さい。また、厚膜サ
ーマルヘッドは薄膜サーマルヘッドに比べて発熱素子が
大きい。特に、副走査方向長さは副走査ピッチの3倍程
度にとることが多く、したがって同時刻における副走査
方向の温度勾配が小さい。発熱素子の体積は薄膜サーマ
ルヘッドの同解像度品と比較すると100倍のオーダー
であり、熱容量が大きいために、印加パルスの断続に対
して発熱素子の温度のレスポンスが遅い。これも副走査
方向の温度コントラストが低いことに相当する。
【0016】穿孔形状は、概念的に、フィルム上の履歴
温度が一定のしきい値以上となる領域の形状に対応する
と考えられるが、実際には個々の発熱素子の温度にはば
らつきがあり、穿孔形状は発熱素子の温度コントラスト
が小さいほど、そのばらつきに影響されやすい。したが
って厚膜サーマルヘッドの場合は薄膜サーマルヘッドの
場合に比べ、穿孔形状のばらつきが大きくなる。これは
印刷物においては、微視的な濃度むらとなり、画質の評
価が悪くなる。また、穿孔形状のばらつきは画素に対応
する穿孔を連結・拡大させやすく、すでに述べたように
裏移りを発生させることになる。
【0017】特開平5-345401〜3号における実施例は、
感熱製版用厚膜サーマルヘッドについて記述している。
これらの実施例では、主走査方向および副走査方向の解
像度がいずれも明記されていないが、現在のディジタル
方式孔版印刷機の主流は、ともに300〜600dpiで
ある。つまり、副走査ピッチは42.3〜84.7μm
の程度である。厚膜サーマルヘッドは一般に発熱抵抗体
をスクリーン印刷によって主走査方向に連続するパター
ンとして形成するが、この場合、発熱抵抗体の幅すなわ
ち副走査方向長さを42.3〜84.7μmまたはこれ
以下の寸法に形成することは、現在の量産技術では非常
に難しい。
【0018】また、特開平5-345401〜3号で述べられて
いる、発熱素子の主走査方向長さおよび副走査方向長さ
が穿孔の各方向における直径に等しくなる状態は、非常
に特殊なケースだといえる。なぜなら、発熱素子の主走
査方向と直交する断面の形状は、副走査方向における発
熱素子の中心が最も厚いかまぼこ状となっており、この
中心位置から副走査方向に離れるほど、発熱素子の表面
と感熱孔版原紙のフィルム面は離れ、伝熱効率が悪くな
る。発熱抵抗体の厚さは3〜20μm程度であり、した
がって副走査方向における発熱素子の端部と感熱孔版原
紙のフィルム面とは、ほぼこの距離だけ離れる。現実的
な製版設定において発熱素子が最高温度を与えるタイミ
ングにおいても、発熱素子の端部は中心部(350〜4
00℃)に比べ温度が低く、フィルムの融点程度(20
0〜250℃)にしか達しない。この場所から主走査方
向および副走査方向に垂直な方向(以下、この方向を
“鉛直方向”とよぶ)に例えば10μm離れたフィルム
面にまで穿孔が拡大することは一般には難しい。
【0019】一方、発熱素子の副走査方向と直交する断
面の形状は、0.5〜2μm程度の電極の厚さ分の凸凹
はあるものの、ほぼフラットな厚さを示す。すでに述べ
たように、厚膜サーマルヘッドでは発熱抵抗体は主走査
方向に連続しており、発熱素子で発生した熱は主走査方
向に伝播しやすい。しかもベタ部分においては隣接する
発熱素子が同時に発熱するから、発熱抵抗体における隣
接する発熱素子の間隙部分の温度は、発熱素子の中心部
の温度に比べ、50℃程度しか下がらない(すなわち3
00〜350℃)。
【0020】上記のように、厚膜サーマルヘッドの温度
コントラストの異方性は非常に強い。このような条件
で、発熱素子の主走査方向長さおよび副走査方向長さが
各走査ピッチに対して、1より小さいほぼ等しい比率に
あって、穿孔の各方向の直径に等しくなるためには、フ
ィルムの熱収縮応力に相当な異方性がなければならない
が、現実には非常にまれである。
【0021】以上により、厚膜サーマルヘッドによる感
熱製版は、特開平5-345401〜3号に記述があるものの、
主として穿孔の品質上の理由から、その実施には困難な
部分が大きい。
【0022】そこで本発明は上記点に鑑みてなされたも
のであり、印刷物において高画質を実現し、裏移りを軽
減するための廉価な厚膜プロセスによるサーマルヘッド
を用いる感熱製版方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の感熱製版方法は、放熱板上に絶縁性基板、グレーズ
層、主走査方向に連続する発熱抵抗体が少なくともこの
順で積層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交
差する方向に延びる少なくとも2系統の電極群が主走査
方向に交互に形成され、前記発熱抵抗体と前記各電極の
露出部分を覆う保護層が形成されてなり、前記発熱抵抗
体の厚さは1μm以上、10μm以下であり、該発熱抵
抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隔は
両電極の中心線間の距離の20%以上、60%以下であ
る厚膜プロセスによるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙
を接触させた状態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬
送させ、前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接して
主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における前
記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの10
0%以上、250%以下となるように、前記サーマルヘ
ッドと前記搬送手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿
孔製版を行うことを特徴とするものである。
【0024】本発明の他の感熱製版方法は、放熱板上に
絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続する発熱抵
抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵抗体に
接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電極と共
通電極とが主走査方向に交互に形成され、前記共通電極
は主走査方向に交互に第1共通電極および第2共通電極
としてそれぞれが共通に接続され、前記発熱抵抗体と前
記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなり、該
発熱抵抗体の厚さは1μm以上、10μm以下であり、
前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電
極の間隔は両電極の中心線間の距離の20%以上、60
%以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッドに、感
熱孔版原紙を接触させた状態で搬送手段により該感熱孔
版原紙を搬送させ、前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗
体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分
における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピ
ッチの100%以上、250%以下となるように、前記
サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御し、前記感熱孔
版原紙の穿孔製版を行うことを特徴とするものである。
【0025】本発明のさらに他の感熱製版方法は、放熱
板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続する
発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵
抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電
極と共通電極とが主走査方向に交互に形成され、前記共
通電極は1系統として共通に接続され、前記発熱抵抗体
と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてな
り、前記発熱抵抗体の厚さは1μm以上、10μm以下
であり、該発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方お
よび他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極と
の間隔の和は前記2つの共通電極の中心線間の距離の2
0%以上、60%以下である厚膜プロセスによるサーマ
ルヘッドに、感熱孔版原紙を接触させた状態で搬送手段
により該感熱孔版原紙を搬送させ、前記サーマルヘッド
の前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および
他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間
隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副
走査ピッチの100%以上、250%以下となるよう
に、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御し、前
記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うことを特徴とするもの
である。
【0026】本発明のさらに他の感熱製版方法は、放熱
板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続する
発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵
抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる少なく
とも2系統の電極群が主走査方向に交互に形成され、前
記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形
成されてなる厚膜プロセスによるサーマルヘッドに、感
熱孔版原紙を接触させた状態で搬送手段により該感熱孔
版原紙を搬送させ、主走査方向と副走査方向を含む平面
上の位置が、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り
合う前記各電極の間隙部分における、前記発熱抵抗体の
体積をVμm3、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に
隣り合う前記各電極の中心線間の距離をdμm、副走査
ピッチをpμmとしたとき、 0.2μm≦V/(dp)≦10μm [1] の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送
手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うこ
とを特徴とするものである。
【0027】本発明のさらに他の感熱製版方法は、放熱
板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続する
発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵
抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電
極と共通電極とが主走査方向に交互に形成され、前記共
通電極は主走査方向に交互に第1共通電極および第2共
通電極としてそれぞれが共通に接続され、前記発熱抵抗
体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてな
る厚膜プロセスによるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙
を接触させた状態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬
送させ、主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置
が、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記
各電極の間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をV
μm3、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う
前記各電極の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチを
pμmとしたとき、 0.2μm≦V/(dp)≦10μm [1] の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送
手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うこ
とを特徴とするものである。
【0028】本発明のさらに他の感熱製版方法は、放熱
板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続する
発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵
抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電
極と共通電極とが主走査方向に交互に形成され、前記共
通電極は1系統として共通に接続され、前記発熱抵抗体
と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなる
厚膜プロセスによるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙を
接触させた状態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬送
させ、主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、
前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他
方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隙
部分における、前記発熱抵抗体の体積の和をVμm3
前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他
方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極の中心線
間の距離をDμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、 0.2μm≦V/(Dp)≦10μm [2] の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送
手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うこ
とを特徴とするものである。
【0029】本発明のさらに他の感熱製版方法は、放熱
板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続する
発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵
抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる少なく
とも2系統の電極群が形成され、主走査方向に隣り合う
2つの電極は互いに異なる系統となるように配置され、
前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が
形成されてなり、前記発熱抵抗体の厚さは1μm以上、
10μm以下であり、該発熱抵抗体に接して主走査方向
に隣り合う前記各電極の間隔は両電極の中心線間の距離
の20%以上、60%以下である厚膜プロセスによるサ
ーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接触させた状態で搬送
手段により該感熱孔版原紙を搬送させ、前記サーマルヘ
ッドの前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前
記各電極の間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方
向の長さが副走査ピッチの100%以上、250%以下
となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを
制御するとともに、主走査方向と副走査方向を含む平面
上の位置が、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り
合う前記各電極の間隙部分における、前記発熱抵抗体の
体積をVμm3、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に
隣り合う前記各電極の中心線間の距離をdμm、副走査
ピッチをpμmとしたとき、 0.2μm≦V/(dp)≦10μm [1] の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送
手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うこ
とを特徴とするものである。
【0030】本発明のさらに他の感熱製版方法は、放熱
板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続する
発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵
抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電
極と共通電極とが形成され、前記個別電極と前記共通電
極は主走査方向に互いに隣り合うように配置され、前記
共通電極は主走査方向に交互に第1共通電極および第2
共通電極としてそれぞれが共通に接続され、前記発熱抵
抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されて
なり、該発熱抵抗体の厚さは1μm以上、10μm以下
であり、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う
前記各電極の間隔は両電極の中心線間の距離の20%以
上、60%以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッ
ドに、感熱孔版原紙を接触させた状態で搬送手段により
該感熱孔版原紙を搬送させ、前記サーマルヘッドの前記
発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の
間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが
副走査ピッチの100%以上、250%以下となるよう
に、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御すると
ともに、主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置
が、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記
各電極の間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をV
μm3、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う
前記各電極の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチを
pμmとしたとき、 0.2μm≦V/(dp)≦10μm [1] の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送
手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うこ
とを特徴とするものである。
【0031】本発明のさらに他の感熱製版方法は、放熱
板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続する
発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵
抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電
極と共通電極とが形成され、前記個別電極と前記共通電
極は主走査方向に互いに隣り合うように配置され、前記
共通電極は1系統として共通に接続され、前記発熱抵抗
体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてな
り、前記発熱抵抗体の厚さは1μm以上、10μm以下
であり、該発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方お
よび他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極と
の間隔の和は前記2つの共通電極の中心線間の距離の2
0%以上、60%以下である厚膜プロセスによるサーマ
ルヘッドに、感熱孔版原紙を接触させた状態で搬送手段
により該感熱孔版原紙を搬送させ、前記サーマルヘッド
の前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および
他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間
隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副
走査ピッチの100%以上、250%以下となるよう
に、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御すると
ともに、主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置
が、前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方およ
び他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との
間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積の和をVμm
3、前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方およ
び他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極の中
心線間の距離をDμm、副走査ピッチをpμmとしたと
き、 0.2μm≦V/(Dp)≦10μm [2] の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送
手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うこ
とを特徴とするものである。
【0032】つまり、本発明は、感熱製版方法におい
て、厚膜サーマルヘッドが薄膜サーマルヘッドに対して
温度レスポンスや温度コントラストが低い点を解決すれ
ば、発熱時の発熱素子の温度分布が明確になり、フィル
ムは明確な温度分布のパターンにしたがって、ばらつき
の少ない穿孔形状を実現することができることに基づ
く。そして、温度レスポンスや温度コントラストを改善
するためには、発熱領域を小さくし、発熱素子の体積を
制限すればよいことを見い出した。これらは、厚膜サー
マルヘッドにおける発熱素子が薄膜サーマルヘッドにお
ける発熱素子と異なる一定の体積をもち、そのため特有
の発熱状態を示すという知見と、感熱製版が発熱素子に
要求する特有の発熱条件についての知見とを考慮するこ
とによって得られた。
【0033】
【発明の効果】上記のような本発明の感熱製版方法によ
れば、サーマルヘッドの発熱抵抗体と電極との関係にお
ける各種数値の限定により、感熱孔版原紙の熱可塑性樹
脂フィルム上に穿孔を施して感熱孔版印刷版を作製する
際に、印刷物において高画質を実現し、裏移りを軽減
し、さらに低価格なサーマルヘッドが使用可能になるこ
とによって、感熱製版方法のコストを抑えることができ
る。
【0034】特に、サーマルヘッドの発熱抵抗体の厚さ
(“発熱抵抗体の厚さ”または“発熱素子の厚さ”と
は、鉛直方向における発熱抵抗体または発熱素子の長さ
の最大値をいう)に関する特定により、以下の効果があ
る。発熱抵抗体(発熱素子)の厚さを10μm以下(好
ましくは6μm以下)とすることによって熱容量が小さ
くなるために、印加パルスの断続に対して発熱素子の温
度のレスポンスが向上し、発熱素子の副走査方向の温度
コントラストが高まり、副走査方向の穿孔形状のばらつ
きを抑えることができる。同時に、穿孔に必要な発熱素
子の温度を与えるためのエネルギーが小さくなり、消費
電力を減らすことができる。また、発熱素子の総発熱量
が減ることで、製版を連続したときの蓄熱量が小さくな
り、印刷物における濃度変化や裏移りの現象を抑えるこ
とができる。また、発熱抵抗体の厚さを1μm以上(好
ましくは2μm以上)とすることで、これより薄くした
際に、厚膜印刷プロセスの精度上、主走査方向の位置に
対する発熱抵抗体形状の均一性が大きく低下し、したが
って発熱素子の形状、抵抗値、発熱状態がばらつき、得
られる穿孔形状もばらつく、等の現象を避けることがで
きる。
【0035】また、サーマルヘッドの発熱抵抗体上の主
走査方向の電極間寸法に関する特定により、以下の効果
がある。1ドット記録法において、または、1画素に対
応する2つの穿孔を独立させる場合の2ドット記録法に
おいて(これらの条件を以下、“1ドット独立穿孔”と
よぶ)、発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う各電
極の間隔を、両電極の中心線間の距離の60%以下(好
ましくは50%以下)とすることによって、発熱素子の
主走査方向長さを主走査ピッチの60%以下(好ましく
は50%以下)とし、これによって発熱素子の主走査方
向の温度コントラストが高まり、主走査方向の穿孔形状
のばらつきを抑え、主走査方向の穿孔の連結を防ぐこと
ができる。また、1画素に対応する2つの穿孔は連結す
るが、画素ごとに穿孔を独立させる場合の2ドット記録
法において(この条件を以下、“2ドット独立穿孔”と
よぶ)、発熱抵抗体に接する、個別電極と一方および他
方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隔
の和を、2つの共通電極の中心線間の距離の60%以下
(好ましくは50%以下)とすることによって、2つの
発熱素子の主走査方向長さの和を主走査ピッチの60%
以下(好ましくは50%以下)とし、これによって、各
画素間において、発熱素子の主走査方向の温度コントラ
ストが高まり、主走査方向の穿孔形状のばらつきを抑
え、主走査方向の穿孔の連結を防ぐことができる。同時
に、穿孔に必要な発熱素子の温度を与えるためのエネル
ギーが小さくなり、消費電力を減らすことができる。ま
た、発熱素子の総発熱量が減ることで、製版を連続した
ときの蓄熱量が小さくなり、印刷物における濃度変化や
裏移りの現象を抑えることができる。また、1ドット独
立穿孔時において、発熱抵抗体に接して主走査方向に隣
り合う各電極の間隔を、両電極の中心線間の距離の20
%以上(好ましくは25%以上)とすることで、あるい
は、2ドット独立穿孔時において、発熱抵抗体に接す
る、個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う
2つの共通電極との間隔の和を、2つの共通電極の中心
線間の距離の20%以上(好ましくは25%以上)とす
ることで、これより下まわる値とした場合における、フ
ィルムを適正な大きさ(開孔率で30〜40%程度)で
穿孔するに必要な主走査方向の温度領域が確保できず、
主走査方向における穿孔の大きさが適正値に達せず、印
刷物の濃度が不足する、等の現象を解消することができ
る。
【0036】さらに、サーマルヘッドの発熱抵抗体の副
走査方向の長さに関する特定により、以下の効果があ
る。1ドット独立穿孔時においては、発熱抵抗体に接し
て主走査方向に隣り合う各電極の間隙部分における発熱
抵抗体の副走査方向長さを、副走査ピッチの250%以
下(好ましくは200%以下)とし、2ドット独立穿孔
時においては、発熱抵抗体に接する、個別電極と一方お
よび他方の主走査方向に隣り合う2つの共通電極との間
隙部分における発熱抵抗体の副走査方向長さを、副走査
ピッチの250%以下(好ましくは200%以下)とす
ることによって、発熱素子の副走査方向長さを副走査ピ
ッチの250%以下(好ましくは200%以下)とし、
これによって副走査方向長さが副走査ピッチの3倍程度
である従来の発熱素子に比較して発熱素子の副走査方向
の温度コントラストが高まり、副走査方向の穿孔形状の
ばらつきを抑え、副走査方向の穿孔の連結を防ぐことが
できる。同時に、穿孔に必要な発熱素子の温度を与える
ためのエネルギーが小さくなり、消費電力を減らすこと
ができる。また、発熱素子の総発熱量が減ることで、製
版を連続したときの蓄熱量が小さくなり、印刷物におけ
る濃度変化や裏移りの現象を抑えることができる。ま
た、1ドット独立穿孔時においては、発熱抵抗体に接し
て主走査方向に隣り合う各電極の間隙部分における発熱
抵抗体の副走査方向長さを副走査ピッチの100%以上
(好ましくは120%以上)とし、2ドット独立穿孔時
においては、発熱抵抗体に接する、個別電極と一方およ
び他方の主走査方向に隣り合う共通電極との間隙部分に
おける発熱抵抗体の副走査方向長さを、副走査ピッチの
100%以上(好ましくは120%以上)とすること
で、発熱素子の副走査方向長さを副走査ピッチの100
%以上(好ましくは120%以上)とし、これによって
副走査方向長さが副走査ピッチの100%を下まわる値
とした際の、フィルムを適正な大きさ(開孔率で30〜
40%程度)で穿孔するに必要な副走査方向の温度領域
が確保できず、副走査方向における穿孔の大きさが適正
値に達せず、印刷物の濃度が不足する、等の現象を解消
することができる。
【0037】一方、サーマルヘッドの発熱素子の体積に
関する特定により、以下の効果がある。1ドット独立穿
孔時においては、主走査方向と副走査方向を含む平面上
の位置が発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う各電
極の間隙部分における発熱抵抗体すなわち発熱素子の体
積Vμm3と、発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合
う各電極の中心線間の距離dμmと、副走査ピッチpμ
mとが、前記式[1]の関係を満たすことによって、ま
た、2ドット独立穿孔時においては、主走査方向と副走
査方向を含む平面上の位置が発熱抵抗体に接する個別電
極と一方および他方の主走査方向に隣り合う共通電極と
の間隙部分における発熱抵抗体すなわち発熱素子の体積
の和Vμm3と、発熱抵抗体に接する個別電極と一方お
よび他方の主走査方向に隣り合う2つの共通電極の中心
線間の距離Dμmと、副走査ピッチpμmとが、前記式
[2]の関係を満たすことによって、任意の解像度に対し
て最適な発熱素子の大きさを実現し、発熱素子の温度レ
スポンスや温度コントラストを高く保ち、発熱抵抗体の
形状精度を確保し、穿孔に必要な発熱領域を確保するこ
とができる。具体的には、V/(dp)またはV/(Dp)
を10μm以下(好ましくは5μm以下)にすることに
よって、任意の解像度に対して発熱素子の温度レスポン
スや温度コントラストを高く保つことができ、0.2μ
m以上(好ましくは0.5μm以上)とすることによっ
て、発熱抵抗体の形状精度を確保し、穿孔に必要な発熱
領域を確保することができる。
【0038】さらに、従来、感熱製版デバイスとして画
質上の性能で劣っているという理由で採用できなかった
厚膜サーマルヘッドを感熱製版方法に使用することが可
能となり、薄膜サーマルヘッドを使用する場合に比較し
て感熱製版装置のコストを下げることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基
づいて本発明を詳細に説明する。図1は一つの実施の形
態の感熱製版方法を実施するための感熱製版装置の概略
機構図、図2はサーマルヘッドの要部平面図、図3及び
図4は図2のA−A断面図及びB−B断面図である。
【0040】図1に示す感熱製版装置10において、感
熱孔版原紙ロール11から繰り出された感熱孔版原紙1
2は、搬送経路に沿ってサーマルヘッド1とプラテンロ
ーラー14の間に挿入され、プラテンローラー14の回
転によって搬送される。
【0041】前記サーマルヘッド1は、感熱孔版原紙1
2の幅方向となる主走査方向に配設された発熱抵抗体6
を備え、感熱孔版原紙12のフィルム面に接触しなが
ら、原稿画像に対応して、上記発熱抵抗体6に接続され
た後述の電極に通電され、この電極間の発熱素子が選択
的に発熱し、感熱孔版原紙12が送られて副走査方向に
順に穿孔する。これにより感熱孔版原紙12のフィルム
面に画像状の穿孔像が形成される。なお、ここで感熱孔
版原紙12は、熱可塑性樹脂フィルムと支持体とを貼り
合わせたものの例で説明しているが、多孔性支持体を有
さずフィルム単体でなるものもそのまま適用できるのは
言うまでもない。
【0042】制御部15は、サーマルヘッド1の各発熱
素子6a(図2参照)に対する通電を制御するととも
に、プラテンローラー14の駆動を図示しないモーター
を通じて制御する。したがって、各発熱素子6aに印加
する電圧や印加時間および副走査方向のピッチを制御す
ることができる。
【0043】前記サーマルヘッド1は厚膜プロセスで形
成される。その構造は、図2〜図4に概略的に示すよう
に、金属放熱板2上にセラミック等による絶縁性基板
3、その上にグレーズ層4が積層される。その上に薄板
状の個別電極5aと共通電極5bが、主走査方向Xに交
互に、副走査方向Yに延びて設けられている。個別電極
5aと共通電極5bは、それぞれ中央部に向けて反対側
から延長されて設けられ、この個別電極5aと共通電極
5bにまたがるように発熱抵抗体6が主走査方向Xに延
長されて設けられる。さらに、露出した個別電極5a、
共通電極5b、および、発熱抵抗体6の上面を覆うよう
にガラス等による保護層7が形成されている。この保護
層7の表面が前記感熱孔版原紙12と接触する。
【0044】また、前記個別電極5aおよび共通電極5
bはワイヤーボンディング等により配線され、ドライバ
ーIC等からの通電制御により、隣接する電極5a,5
b間における発熱抵抗体6(図2にハッチングで示す発
熱領域)が発熱するものであり、この発熱領域が発熱素
子6aとなる。
【0045】なお、前記各個別電極5aおよび/または
共通電極5bの、前記発熱抵抗体6に接して延長される
方向は、図示のように副走査方向Yとするほかに、主走
査方向Xと交差する任意の角度であってもよい。また、
前記各個別電極5aおよび/または共通電極5bは、図
示のように発熱抵抗体6を貫通して設けるほかに、貫通
せずに発熱抵抗体6の途中まで挿入された構造としても
よい。同様に、前記各個別電極5aおよび/または共通
電極5bは、図示のように発熱抵抗体6に接してその下
層に設けるほかに、発熱抵抗体6に接してその上層に設
ける構造としてもよい。いずれにしても、異なる電位が
与えられる電極5a,5b間の電流経路が発熱素子6a
として発熱する。
【0046】また、本実施の形態では、プラテンローラ
14が感熱孔版原紙12の搬送速度を決定する搬送手段
として機能しているが、これに限らず、サーマルヘッド
1と対向しない他のローラなどが搬送手段として機能し
ても全く構わない。そのときは、後述する制御部15は
そのローラの搬送を制御することとなる。
【0047】上記サーマルヘッド1を1ドット記録法ま
たは2ドット記録法で駆動し、1ドット独立穿孔を行う
ためには、少なくとも2系統の電極群すなわち前記個別
電極5aおよび前記共通電極5bが、主走査方向Xに交
互に配設される。各個別電極5aは、スイッチング素子
により、画像の各画素のオン/オフ情報に対応して、パ
ルスが印加されて通電される。これにより、前記個別電
極5aとこの個別電極5aに隣り合う前記共通電極5b
との間の発熱抵抗体6、すなわち発熱素子6aが各画素
に(1ドット記録法では1画素が1つの発熱素子6a
に、2ドット記録法では1画素が2つの発熱素子6a
に)対応して発熱し、発熱素子6a上の保護層7に接触
した感熱孔版原紙12のフィルムが穿孔される。このと
き、隣り合う前記電極5a,5bの中心線間の距離dが
主走査方向Xの穿孔のピッチに相当し、以下の例ではこ
の距離dが全て一定の値として設定されている。また、
副走査ピッチpも一定の値として設定されている。そし
て、前記発熱抵抗体6(特に発熱素子6a)の厚さt
は、1μm〜10μm好ましくは2μm〜6μmの範囲
にあるように形成されている。また、発熱抵抗体6に接
して主走査方向Xに隣り合う電極5a,5bの間隔Lx
(発熱素子6aの主走査方向長さ)が、両電極5a,5
bの中心線間の距離d(主走査方向Xの発熱素子6aの
ピッチ)の20%〜60%好ましくは25%〜50%の
範囲にあるように、電極5a,5bの幅および配設間隔
が設定されている。さらに、発熱抵抗体6に接して主走
査方向Xに隣り合う各電極5a,5bの間隙部分におけ
る発熱抵抗体6(発熱素子6a)の副走査方向Yの長さ
Lyが、副走査ピッチpの100%〜250%好ましく
は120%〜200%の範囲にあるように形成されてい
る。一方、前記発熱抵抗体6において、図2のように平
面的に見て隣接する電極5a,5bの間隙部分に相当す
る部分(発熱素子6a)の体積Vμm3を、前記間隙部
分を挟んで主走査方向Xに隣り合う各電極5a,5bの
中心線間の距離dμmと副走査ピッチpμmとの積で除
した値V/(dp)が、0.2μm〜10μm好ましくは
0.5μm〜5μmの範囲にあるように設定されてい
る。すなわち、前記式[1]の関係にある。
【0048】上記サーマルヘッド1を1ドット記録法で
駆動し、1ドット独立穿孔を行うためには、前記共通電
極5bとして第1共通電極と第2共通電極の2系統の電
極が、主走査方向Xに交互に配設される。この第1共通
電極と第2共通電極は、異なるタイミングでパルスが印
加されて通電される。また、各個別電極5aは、スイッ
チング素子により、画像の各画素のオン/オフ情報と、
第1および第2共通電極の時分割駆動とに対応して、パ
ルスが印加されて通電される。これにより、個別電極5
aと第1または第2共通電極5bとの間の発熱抵抗体
6、すなわち発熱素子6aが各画素に1対1で対応して
発熱し、発熱素子6a上の保護層7に接触した感熱孔版
原紙12のフィルムが穿孔される。このとき、隣り合う
前記電極5a,5bの中心線間の距離dが主走査ピッチ
に相当し、以下の例ではこの距離dが全て一定の値とし
て設定されている。また、副走査ピッチpも一定の値と
して設定されている。そして、前記発熱抵抗体6(特に
発熱素子6a)の厚さtは、1μm〜10μm好ましく
は2μm〜6μmの範囲にあるように形成されている。
また、発熱抵抗体6に接して主走査方向Xに隣り合う電
極5a,5bの間隔Lx(発熱素子6aの主走査方向長
さ)が、両電極5a,5bの中心線間の距離d(主走査
ピッチ)の20%〜60%好ましくは25%〜50%の
範囲にあるように、電極5a,5bの幅および配設間隔
が設定されている。さらに、発熱抵抗体6に接して主走
査方向Xに隣り合う各電極5a,5bの間隙部分におけ
る発熱抵抗体6(発熱素子6a)の副走査方向Yの長さ
Lyが、副走査ピッチpの100%〜250%好ましく
は120%〜200%の範囲にあるように形成されてい
る。一方、前記発熱抵抗体6において、図2のように平
面的に見て隣接する電極5a,5bの間隙部分に相当す
る部分(発熱素子6a)の体積Vμm3を、前記間隙部
分を挟んで主走査方向Xに隣り合う各電極5a,5bの
中心線間の距離dμmと副走査ピッチpμmとの積で除
した値V/(dp)が、0.2μm〜10μm好ましくは
0.5μm〜5μmの範囲にあるように設定されてい
る。すなわち、前記式[1]の関係にある。
【0049】上記サーマルヘッド1を2ドット記録法で
駆動し、1ドット独立穿孔を行うためには、前記共通電
極5bが1つの系統に共通に接続され、通電される。ま
た、各個別電極5aは、スイッチング素子により、画像
の各画素のオン/オフ情報に対応して、パルスが印加さ
れて通電される。これにより、個別電極5aとその両側
の共通電極5bとの間の2つの発熱抵抗体6、すなわち
2つの発熱素子6aが1画素に対応して発熱し、発熱素
子6a上の保護層7に接触した感熱孔版原紙12のフィ
ルムが穿孔される。このとき、隣り合う前記電極5a,
5bの中心線間の距離dの2倍が主走査ピッチに相当
し、以下の例ではこの距離dが全て一定の値として設定
されている。また、副走査ピッチpも一定の値として設
定されている。そして、前記発熱抵抗体6(特に発熱素
子6a)の厚さtは、1μm〜10μm好ましくは2μ
m〜6μmの範囲に形成されている。また、発熱抵抗体
6に接する、前記個別電極5aと一方および他方の主走
査方向Xに隣り合う2つの前記共通電極5bとの間隔の
和Lx+L'x(2つの発熱素子6aの主走査方向長さ
の和)が、前記2つの共通電極5bの中心線間の距離D
(主走査ピッチ)の20%〜60%好ましくは25%〜
50%の範囲にあるように、電極5a,5bの幅および
配設間隔が設定されている。さらに、発熱抵抗体6に接
する、前記個別電極5aと一方および他方の主走査方向
Xに隣り合う2つの前記共通電極5bとの間隙部分にお
ける発熱抵抗体6(2つの発熱素子6a)の副走査方向
Yの長さLyがともに、副走査ピッチpの100%〜2
50%好ましくは120%〜200%の範囲にあるよう
に形成されている。一方、前記発熱抵抗体6において、
図2のように平面的に見て前記個別電極5aと一方およ
び他方の主走査方向Xに隣り合う2つの前記共通電極5
bとの間隙部分に相当する部分(2つの発熱素子6a)
の体積の和Vμm3を、前記2つの間隙部分を挟んで主
走査方向Xに隣り合う前記共通電極5bの中心線間の距
離Dμmと副走査ピッチpμmとの積で除した値V/
(Dp)が、0.2μm〜10μm好ましくは0.5μm
〜5μmの範囲にあるように設定されている。すなわ
ち、前記式[2]の関係にある。
【0050】上記のような感熱製版装置10に用いるサ
ーマルヘッド1において、その発熱抵抗体6、電極5
a,5bの形状寸法等の設定により得られる特性を、図
5〜図8に基づき説明する。
【0051】まず、前記発熱抵抗体6の厚さtに関し、
発熱抵抗体6の厚さ特に隣接する電極5a,5b間の発
熱素子6aの厚さを10μm以下としている。これによ
り、図5に示すように、発熱素子6a中央での保護層7
表面の温度T1は、印加パルスのオン・オフに応じて応
答性よく温度変化が生起する。この図5では、実線で本
発明実施形態による厚さの小さい発熱抵抗体6の例を、
破線で厚さの大きい発熱抵抗体6による比較例を示して
いる。
【0052】また、印加パルスが繰り返し作用した際の
蓄熱効果に伴い、比較例の厚さが大きいものではこの蓄
熱によって温度が徐々に上昇する特性を有するのに対
し、本発明の厚さが小さいものではこの温度上昇が小さ
いという特性を有している。
【0053】つまり、前述のように、発熱抵抗体6の発
熱素子6aの厚さtを小さくしていることで、厚さが1
0μmを越える従来の発熱素子に比較して熱容量が小さ
くなるために、印加パルスの断続に対して発熱素子6a
の温度のレスポンスが向上し、発熱素子6aの副走査方
向Yの温度コントラストが高まり、副走査方向Yの穿孔
形状のばらつきを抑えることができる。同時に、穿孔に
必要な発熱素子6aの温度を与えるためのエネルギーが
小さくなり、消費電力を減らすことができる。また、一
般に蓄熱量が大きいと、副走査方向Yに連続する画線部
の穿孔の大きさが先端部から後端部にかけて徐々に拡大
し、印刷物における濃度変化や裏移りの増加が発生する
ことになるが、発熱素子6aの総発熱量が減ることで、
製版を連続したときの蓄熱量が小さくなり、この現象を
抑制できる。
【0054】ただし、発熱素子6aの熱容量を小さくす
るという観点では発熱抵抗体6の厚さは小さいほどよい
が、1μmより小さくすると、厚膜印刷プロセスの精度
上、主走査方向Xの位置に対する発熱抵抗体形状の均一
性が大きく低下する。発熱抵抗体形状が不均一であれば
発熱素子6aの形状、抵抗値、発熱状態がばらつき、得
られる穿孔形状もばらつく。この発熱抵抗体形状の不均
一を避ける点から、発熱抵抗体6の厚さを1μm以上と
する。特に、発熱抵抗体6の厚さtを、2μm以上、6
μm以下とすることで、より安定で高品位な穿孔を実現
することができる。
【0055】次に、1ドット独立穿孔時における、前記
発熱抵抗体6上の主走査方向Xの電極間寸法Lxすなわ
ち発熱素子6aの主走査方向長さに関し、隣接する電極
5a,5bの中心線間の距離dを場所によらず一定とし
た際に、図7(A)の隣り合う電極5a,5bの間隔Lx
が上記距離dに対し60%を越える比較例に対して、図
7(B)の本発明のように60%以下とすると、図6に示
すように、発熱素子6aの最高温度を与えるタイミング
における発熱素子6aの主走査方向Xの温度分布T2
は、最高温度と最低温度の差すなわち温度コントラスト
が大きくなる。図6には、図7(B)の本発明によるもの
を実線で、図7(A)に示す比較例のものを破線で示して
いる。
【0056】つまり、発熱素子6aの主走査方向長さ
(Lxに相当)を主走査方向の穿孔のピッチ(dに相
当)の60%以下とすることで、発熱素子6aの主走査
方向Xの温度コントラストが高まり、主走査方向Xの穿
孔形状のばらつきを抑え、主走査方向Xの穿孔の連結を
防ぐことができる。同時に、穿孔に必要な発熱素子6a
の温度を与えるためのエネルギーが小さくなり、消費電
力を減らすことができる。また、発熱素子6aの総発熱
量が減ることで、製版を連続したときの蓄熱量が小さく
なり、例えば副走査方向Yに連続する画線部の穿孔の大
きさが先端部から後端部にかけて徐々に拡大していき、
印刷物における濃度変化や裏移りの増加が発生するとい
う現象を抑えることができる。
【0057】ただし、発熱素子6aの主走査方向Xの温
度コントラストを高めるという観点では、前記間隔Lx
は短いほどよいが、前記距離dの20%より小さい値と
した場合、フィルムを適正な大きさ(開孔率で30〜4
0%程度)で穿孔するに必要な主走査方向Xの温度領域
が確保できず、主走査方向Xにおける穿孔の大きさが適
正値に達せず、印刷物の濃度が不足する。これに対し、
前記間隔Lxを前記距離dの20%以上とすることで主
走査方向Xにおける穿孔の大きさの低下を避けることが
できる。特に、前記間隔Lxを前記距離dの25%以
上、50%以下とすることで、より安定で高品位な穿孔
を実現することができる。
【0058】次に、2ドット独立穿孔時における、前記
発熱抵抗体6上の主走査方向Xの電極間寸法の和Lx+
L'xすなわち2つの発熱素子6aの主走査方向長さの
和に関し、2つの発熱素子6aを挟んで隣接する電極5
bの中心線間の距離Dを場所によらず一定とした際に、
図7(A)の個別電極5aと一方および他方の主走査方向
Xに隣り合う共通電極5bとの間隔の和Lx+L'xが
上記距離Dに対し60%を越える比較例に対して、図7
(B)の本発明のように60%以下とすると、図6に示す
ように、発熱素子6aの最高温度を与えるタイミングに
おける発熱素子6aの主走査方向Xの温度分布T2は、
最高温度と最低温度の差すなわち温度コントラストが大
きくなる。図6には、図7(B)の本発明によるものを実
線で、図7(A)に示す比較例のものを破線で示してい
る。
【0059】つまり、2つの発熱素子6aの主走査方向
長さの和(Lx+L'xに相当)を主走査ピッチ(Dに
相当)の60%以下とすることで、発熱素子6aの主走
査方向Xの温度コントラストが高まり、主走査方向Xの
穿孔形状のばらつきを抑え、主走査方向Xの穿孔の連結
を防ぐことができる。同時に、穿孔に必要な発熱素子6
aの温度を与えるためのエネルギーが小さくなり、消費
電力を減らすことができる。また、発熱素子6aの総発
熱量が減ることで、製版を連続したときの蓄熱量が小さ
くなり、例えば副走査方向Yに連続する画線部の穿孔の
大きさが先端部から後端部にかけて徐々に拡大してい
き、印刷物における濃度変化や裏移りの増加が発生する
という現象を抑えることができる。
【0060】ただし、発熱素子6aの主走査方向Xの温
度コントラストを高めるという観点では、前記間隔の和
Lx+L'xは短いほどよいが、前記距離Dの20%よ
り小さい値とした場合、フィルムを適正な大きさ(開孔
率で30〜40%程度)で穿孔するに必要な主走査方向
Xの温度領域が確保できず、主走査方向Xにおける穿孔
の大きさが適正値に達せず、印刷物の濃度が不足する。
これに対し、前記間隔の和Lx+L'xを前記距離Dの
20%以上とすることで主走査方向Xにおける穿孔の大
きさの低下を避けることができる。特に、前記間隔の和
Lx+L'xを前記距離Dの25%以上、50%以下と
することで、より安定で高品位な穿孔を実現することが
できる。
【0061】次に、発熱抵抗体6の副走査方向Yの長さ
Lyを、副走査ピッチpの250%以下としていること
により、発熱抵抗体6の副走査方向Yの長さLyが副走
査ピッチpの250%を越える比較例に対して、発熱素
子6aの最高温度を与えるタイミングにおける発熱素子
6aの中央を通る副走査方向Yの温度分布T3は、発熱
素子6aの中央から離れるにしたがって温度が低下する
際の温度勾配が大きくなる。図8は、横軸の副走査方向
Yの位置において、中央に現画素(n番目画素)の、左
側に前画素(n−1番目画素)の、右側に次画素(n+
1番目画素)のそれぞれ前記温度分布T3を示し、実線
で示す本発明によるものでは、画素の間隙部分の温度が
低く、破線で示す比較例のものでは画素の間隙部分の温
度が高くなっている。
【0062】つまり、発熱素子6aの副走査方向長さL
yを副走査ピッチpの250%以下とし、これによって
発熱素子6aの副走査方向長さLyが副走査ピッチpの
3倍程度である比較例に対して、発熱素子6aの副走査
方向Yの温度コントラストが高まり、副走査方向Yの穿
孔形状のばらつきを抑え、副走査方向Yの穿孔の連結を
防ぐことができる。同時に、穿孔に必要な発熱素子6a
の温度を与えるためのエネルギーが小さくなり、消費電
力を減らすことができる。また、発熱素子6aの総発熱
量が減ることで、製版を連続したときの蓄熱量が小さく
なり、例えば副走査方向Yに連続する画線部の穿孔の大
きさが先端部から後端部にかけて徐々に拡大していき、
印刷物における濃度変化や裏移りの増加が発生するとい
う現象を抑えることができる。
【0063】ただし、発熱素子6aの副走査方向Yの温
度コントラストを高めるという観点では、発熱抵抗体6
の副走査方向長さLyは短いほどよいが、副走査ピッチ
pの100%より小さい値とした場合、フィルムを適正
な大きさ(開孔率で30〜40%程度)で穿孔するに必
要な副走査方向Yの温度領域が確保できず、前述のよう
に副走査方向Yにおける穿孔の大きさが適正値に達せ
ず、印刷物の濃度が不足する。これに対し、発熱抵抗体
6の副走査方向長さLyを副走査ピッチpの100%以
上とすることで、副走査方向Yにおける穿孔の大きさの
低下を避けることができる。特に、発熱抵抗体6の副走
査方向長さLyを副走査ピッチpの120%以上、20
0%以下とすることで、より高品位な穿孔を実現するこ
とができる。
【0064】次に、発熱素子6aの体積を前記式[1]
(1ドット独立穿孔時)または前記式[2](2ドット独
立穿孔時)の関係を満たすように設定することで、任意
の解像度に対して最適な発熱素子6aの大きさを実現
し、発熱素子6aの温度レスポンスや温度コントラスト
を高く保ち、発熱素子6aの形状精度を確保し、穿孔に
必要な発熱領域を確保することができる。ここで、V/
(dp)を設定するのは、発熱素子6aの水平投影面積を
理論上の画素面積dpに比例させ、発熱素子6aの厚さ
をdpにかかわらず一定とすべきと考えるためである。
前者(投影面積を画素面積に比例させる)の根拠は平面
上の穿孔形態が解像度によらず相似であるということ、
後者(厚さを一定にする)の根拠は発熱素子6aからフ
ィルムへの熱の伝播が(主走査方向Xと副走査方向Yに
直交する)鉛直方向であって(主走査方向Xと副走査方
向Yを含む)水平方向の形状には(発熱素子6aのエッ
ジ部の水平方向の伝播を無視すれば)依存しないこと、
また現在実用されている感熱製版装置の多くにおいてフ
ィルムの厚さは解像度によらずほぼ一定値で与えられて
いること、によっている。後述する実施例において前記
式[1]または前記式[2]の妥当性を裏づけるデータが得
られている。具体的には、V/(dp)またはV/(Dp)
を10μm以下にすることによって、任意の解像度に対
して発熱素子6aの温度レスポンスや温度コントラスト
を高く保つことができ、V/(dp)またはV/(Dp)を
0.2μm以上とすることによって、発熱素子6aの形
状精度を確保し、穿孔に必要な発熱領域を確保すること
ができる。特に、V/(dp)またはV/(Dp)を0.5
μm以上、5μm以下とすることで、より安定で高品位
な穿孔を実現することができる。
【0065】以下に各実施例、比較例を示し、その設定
条件と評価結果を表1および表2に示す。比較例1、比
較例2および実施例1は、主走査方向解像度および副走
査方向解像度が300dpi、1ドット記録法、1ドット
独立穿孔の例で、目標開孔率が40%である。比較例3
および実施例2は、主走査方向解像度が300dpi、副
走査方向解像度が600dpi、2ドット記録法、1ドッ
ト独立穿孔の例で、目標開孔率が30%である。この場
合、主走査方向解像度は300dpiだが、各穿孔は主走
査方向、副走査方向ともに600個/インチで形成され
る。比較例4、比較例5および実施例3は、主走査方向
解像度および副走査方向解像度が300dpi、2ドット
記録法、2ドット独立穿孔の例で、目標開孔率が40%
である。この場合、1画素に対応する2つの発熱素子に
よる2つの穿孔は連結し、各画素と各連結した穿孔は
1:1で対応する。比較例6、比較例7および実施例4
は、主走査方向解像度が300dpi、副走査方向解像度
が400dpi、1ドット記録法、1ドット独立穿孔の例
で、目標開孔率が37%である。比較例8、比較例9お
よび実施例5は、主走査方向解像度および副走査方向解
像度が400dpi、1ドット記録法、1ドット独立穿孔
の例で、目標開孔率が35%である。比較例10および
実施例6は、主走査方向解像度および副走査方向解像度
が600dpi、1ドット記録法、1ドット独立穿孔の例
で、目標開孔率が30%である。そして、各実施例およ
び比較例では、上記解像度に応じて電極の中心線間距離
dまたはD、および副走査ピッチpが設定され、発熱素
子の主走査方向の長さLxまたはLx+L'x(この両
者を以下“Lx(+L'x)”と表記する)、副走査方向
の長さLy、厚さtが異なる値に設定され、製版条件が
調整されている。
【0066】表1および表2には、上記発熱素子の主走
査方向の長さLx(+L'x)、副走査方向の長さLy、
厚さtの設定と、主走査方向の記録方式(1ドット記録
法/2ドット記録法の別、および1ドット独立穿孔/2
ドット独立穿孔の別)を示す。電極の中心線間距離d;
Dは、1ドット独立穿孔時(1ドット記録法または2ド
ット記録法)においては前記距離dを示し、2ドット独
立穿孔時(2ドット記録法)においては前記距離Dを示
す。主走査方向の発熱素子の長さLx(+L'x)は、1
ドット独立穿孔時(1ドット記録法または2ドット記録
法)においては1つの発熱素子の長さLxを示し、2ド
ット独立穿孔時(2ドット記録法)においては1画素に
相当する2つの発熱素子の長さの和Lx+L'xを示
す。また、それらの設定に伴う、前述の各種条件との適
合関係を示す(各種条件の下限値を下回るものを
“−”、上限値を上回るものを“+”、下限値から上限
値までの範囲に含まれるものを“○”で示す)ととも
に、製版された原紙の穿孔の評価および印刷物の評価を
示している。表1および表2における各種特性の測定方
法を説明する。
【0067】(1)製版条件 いずれの実施例および比較例も、製版は表1および表2
に示すそれぞれの条件を満たす実験製版装置によって行
った。なお、感熱孔版原紙は理想科学工業社製リソグラ
フGRマスター78Wを使用した。環境温度は23℃であ
る。
【0068】(2)式[1]または式[2]の値 式[1]の中辺すなわちV/(dp)、または式[2]の中辺
すなわちV/(Dp)の値をμmの単位で示す。式[1]ま
たは式[2]は、これらの値が0.2μm以上、10μm
以下であることを規定している。
【0069】(3)穿孔の直径、穿孔面積のSN比、蓄熱
の影響 穿孔形状の評価として、穿孔の直径、穿孔面積のSN
比、蓄熱の影響を測定する。ここに、穿孔は1画素に対
応した独立した開孔部とする。主走査方向または副走査
方向における“穿孔の直径”とは、穿孔による感熱孔版
原紙のフィルム上の貫通部分の、各々の方向に平行な直
線に対する正射影の長さとする。また、“穿孔面積”と
は、穿孔による感熱孔版原紙のフィルム上の貫通部分
の、フィルム面上に投影される面積とする。“蓄熱の影
響”とは、1画面内における、非蓄熱状態での穿孔面積
に対する蓄熱状態での穿孔面積の比を%の単位で示す。
【0070】それぞれの具体的な測定方法は、サーマル
ヘッドの各部分に蓄熱していない状態(実験はA3版の
製版を約5分程度のインターバルで行ったので、非蓄熱
状態とみなした)で、A3版1画面の長手方向(この方
向を副走査方向とする)に連続するベタのパターンを含
む画像を製版し、製版物上のベタパターンの製版開始直
後の領域(製版開始ラインから副走査方向の下流に5mm
以上、15mm以内。以下、“非蓄熱領域”という)と、
1画面内での蓄熱部分の領域(製版開始ラインから副走
査方向の下流に300mm以上、310mm以内。以下、
“蓄熱領域”という)における、光学顕微鏡を通してC
CDカメラで取り込んだ画像から、三谷商事社製の画像
解析パッケージMacSCOPEを使用し、フィルム上の100
個の穿孔の貫通部分を2値化によって切り出した。
【0071】穿孔の直径は、非蓄熱領域における各穿孔
の直径の平均値とした。穿孔面積のSN比は、非蓄熱領
域における各穿孔の面積の望目特性のSN比を求めた。
この値が大きいほど、穿孔面積のばらつきが少ない。穿
孔面積のSN比は、測定条件によって値が異なるので一
元的には評価しにくいが、経験的に、それぞれの穿孔か
らの均一な転移状態を得るために、現実的には10db以
上が必要で、13db以上であれば望ましく、10dbに満
たない場合は問題が大きいといえる。
【0072】蓄熱の影響は、蓄熱領域での穿孔の面積の
平均値を、非蓄熱領域での穿孔の面積の平均値で割って
求めた。ただし、比較例において、穿孔が副走査方向に
連結して独立穿孔が実現できない場合は、穿孔の面積の
平均値のかわりに、10×10画素のエリアの平均開孔
率を用いた計算値を( )内に記した。いずれも単位は
%である。これらの値は、100%に近いほど蓄熱の影
響が小さく、100%より大きいほど蓄熱の影響が大き
いといえる。
【0073】(4)印刷条件 いずれの実施例および比較例も、得られた版を手作業で
印刷ドラムに着版し、印刷は理想科学工業社製孔版印刷
機リソグラフGR377の標準条件(電源オン時の設定)で
リソグラフインクGR-HDを使用して行った。印刷用紙は
上質紙、環境温度は23℃である。
【0074】(5)濃度 濃度は、印刷物のベタ部分における光学反射濃度を、印
刷物内に配置した10個所の測定部分についてマクベス
社製反射濃度計RD-918Sにて測定し、平均値を求めた。
【0075】(6)ベタの均一性 ベタの均一性は、印刷物のベタ部分において、穿孔形状
のばらつきに起因する微視的(周期が1mm程度以下)な
場所による濃度のばらつきの程度を主観評価で以下の基
準により示す。 ◎:まったく濃度ばらつきが感じられない。 ○:わずかに濃度ばらつきはあるが、文字原稿のベタ再
現性、写真原稿の階調再現性ともに問題ないレベルであ
る。 △:文字原稿のベタ再現性は問題ないが、写真原稿のシ
ャドウ部の階調再現性が劣っている。 ×:濃度ばらつきが顕著で、文字原稿のベタ再現性、写
真原稿の階調再現性ともに劣っている。
【0076】(7)細字のかすれ 細字のかすれは、印刷物の細字部分において、穿孔形状
のばらつきに起因するかすれ(連続するべきパターンの
欠損)の程度を主観評価で以下の基準により示す。 ◎:まったくかすれが感じられない。 ○:わずかにかすれがあるが、文字原稿の細字(白地に
黒文字)の再現性、写真原稿のハイライト部分の階調再
現性ともに問題ないレベルである。 △:文字原稿の細字(白地に黒文字)の再現性は問題な
いが、写真原稿のハイライト部分の階調再現性が劣って
いる。 ×:かすれが顕著で、文字原稿の細字(白地に黒文字)
の再現性、写真原稿のハイライト部分の階調再現性とも
に劣っている。
【0077】(8)細字のつぶれ 細字のつぶれは、印刷物の細字部分において、穿孔形状
のばらつきに起因するつぶれ(近接した2つのパターン
間にあるべき白地の欠損)の程度を主観評価で以下の基
準により示す。 ◎:まったくつぶれが感じられない。 ○:わずかにつぶれがあるが、文字原稿の細字(黒地に
白文字)の再現性、写真原稿のシャドウ部分の階調再現
性ともに問題ないレベルである。 △:文字原稿の細字(黒地に白文字)の再現性は問題な
いが、写真原稿のシャドウ部分の階調再現性が劣ってい
る。 ×:つぶれが顕著で、文字原稿の細字(黒地に白文字)
の再現性、写真原稿のシャドウ部分の階調再現性ともに
劣っている。
【0078】(9)裏移り 裏移りは、印刷により積み重ねられた印刷物の裏面が、
それに接する直前の印刷物の印刷面に転移したインクに
よって汚れる程度を主観評価で以下の基準により示す。 ◎:まったく裏移りが感じられない。 ○:わずかに裏移りがあるが、ベタ部分が大きくインク
の転移量が多い原稿においても問題なく、公式な印刷物
として許容できるレベルである。 △:細字(白地に黒文字)やハイライトなどのインクの
転移量が少ない部分では問題ないが、大きなベタなどの
インクの転移量が多い部分においては汚れが目立つ。公
式な印刷物としては許容できないが、非公式な印刷物と
しては使える。 ×:裏移りが顕著で、ほとんどすべての原稿部分におい
て汚れが目立つ。非公式な印刷物としても許容できな
い。
【0079】表1および表2の結果、(実施例1)は、
細字のつぶれについての評価で、わずかにパターンが太
くなっている部分があるが、文字の判別や階調再現に問
題とはならない。その他の項目はすべて非常に良好な結
果を得た。(実施例2)は、細字のかすれについての評
価で、わずかにパターンの欠けが生じる傾向があるが、
文字の判別や階調再現に問題とはならない。その他の項
目は全て非常に良好な結果を得た。(実施例3)は、細
字のつぶれについての評価で、わずかにパターンが太く
なっている部分があるが、文字の判別や階調再現に問題
とはならない。その他の項目は全て非常に良好な結果を
得た。(実施例4)は、すべての項目で非常に良好な結
果を得た。(実施例5)は、すべての項目で非常に良好
な結果を得た。(実施例6)は、細字のかすれについて
の評価で、わずかにパターンの欠けが生じる傾向がある
が、文字の判別や階調再現に問題とはならない。その他
の項目はすべて非常に良好な結果を得た。
【0080】一方、(比較例1)は、穿孔が副走査方向
に連結している。したがって、目標の開孔率を実現する
ために、主走査方向の穿孔の直径が小さくなり、ベタ部
分での穿孔状態は副走査方向にのびる縞模様のようにな
る。また、穿孔が画素毎に独立しないので、穿孔面積の
SN比を求めることができないが、発熱素子の温度コン
トラストや温度レスポンスが悪いために、溶融したフィ
ルムの樹脂(残さ)が支持体繊維や発熱素子との接触が
悪い部分に停滞し、局所的な開孔率のばらつきは非常に
大きい。また、1画面における総発熱量が大きいため
に、蓄熱の影響も非常に大きい。これらにより、印刷物
上の細字や細かいパターンの再現では、主走査方向と副
走査方向の異方性が強く、パターン再現性が劣る。ま
た、印刷物上のベタ部分の再現では、版における局所的
な開孔率のばらつきが非常に大きいために、場所による
濃度の均一性が劣る。さらに、ベタ部分など印刷物の画
像率の高い領域では、連続した穿孔によりインク転移量
が過多になり、裏移りが目立つ。また、蓄熱の影響によ
り画面の上部と下部とでベタ部分の濃度の変化が顕著で
ある。
【0081】(比較例2)は、目標の開孔率の穿孔を得
るには発熱素子が小さすぎ、製版の電気的条件(印加エ
ネルギーなど)を強めても、発熱素子の抵抗値変化など
の劣化が進行するだけで、穿孔形状は表1の値でほぼ飽
和している。したがって穿孔は小さく、開孔率は目標の
値に全く及ばない。そのため印刷物の濃度も非常に不足
している。
【0082】(比較例3)は、比較例1とほぼ同様の評
価結果である。穿孔は副走査方向に連結してしまい、目
標の開孔率を実現するために、主走査方向の穿孔の直径
が小さくなり、ベタ部分での穿孔状態は副走査方向にの
びる縞模様のようになる。穿孔面積のSN比は求められ
ないが、局所的な開孔率のばらつきは非常に大きい。ま
た、蓄熱の影響も非常に大きい。これらにより、印刷物
上の細字や細かいパターンの再現性が劣る。印刷物上の
ベタ部分の再現では場所による濃度の均一性が劣る。蓄
熱の影響により画面の上部と下部とでベタ部分の濃度の
変化が認められる。
【0083】(比較例4)は、比較例1、比較例3とほ
ぼ同様の評価結果である。穿孔は副走査方向に連結して
しまい、目標の開孔率を実現するために、主走査方向の
穿孔の直径が小さくなり、ベタ部分での穿孔状態は副走
査方向にのびる縞模様のようになる。穿孔面積のSN比
は求められないが、局所的な開孔率のばらつきは非常に
大きい。また、蓄熱の影響も非常に大きい。これらによ
り、印刷物上の細字や細かいパターンの再現性が劣る。
ベタ部分など印刷物の画像率の高い領域では、裏移りが
目立つ。印刷物上のベタ部分の再現では場所による濃度
の均一性が劣る。蓄熱の影響により画面の上部と下部と
でベタ部分の濃度の変化が顕著である。
【0084】(比較例5)は、比較例2とほぼ同様の評
価結果である。目標の開孔率の穿孔を得るには発熱素子
が小さすぎ、製版の電気的条件を強めても、発熱素子の
劣化が進行するだけで、穿孔形状はほぼ飽和している。
穿孔は小さく、開孔率は目標の値に全く及ばず、印刷物
の濃度も非常に不足している。
【0085】(比較例6)は、比較例1、比較例3、比
較例4とほぼ同様の評価結果である。穿孔は副走査方向
に連結してしまい、目標の開孔率を実現するために、主
走査方向の穿孔の直径が小さくなり、ベタ部分での穿孔
状態は副走査方向にのびる縞模様のようになる。穿孔面
積のSN比は求められないが、局所的な開孔率のばらつ
きは非常に大きい。また、蓄熱の影響も非常に大きい。
これらにより、印刷物上の細字や細かいパターンの再現
性が劣る。印刷物上のベタ部分の再現では場所による濃
度の均一性が劣る。ベタ部分など印刷物の画像率の高い
領域では裏移りが目立つ。蓄熱の影響により画面の上部
と下部とでベタ部分の濃度の変化が顕著である。
【0086】(比較例7)は、比較例2、比較例5とほ
ぼ同様の評価結果である。目標の開孔率の穿孔を得るに
は発熱素子が小さすぎ、製版の電気的条件を強めても、
発熱素子の劣化が進行するだけで、穿孔形状はほぼ飽和
している。穿孔は小さく、開孔率は目標の値に全く及ば
ず、印刷物の濃度も非常に不足している。
【0087】(比較例8)は、比較例1、比較例3、比
較例4、比較例6とほぼ同様の評価結果である。穿孔は
副走査方向に連結してしまい、目標の開孔率を実現する
ために、主走査方向の穿孔の直径が小さくなり、ベタ部
分での穿孔状態は副走査方向にのびる縞模様のようにな
る。穿孔面積のSN比は求められないが、局所的な開孔
率のばらつきは非常に大きい。また、蓄熱の影響も非常
に大きい。これらにより、印刷物上の細字や細かいパタ
ーンの再現性が劣る。印刷物上のベタ部分の再現では場
所による濃度の均一性が劣る。ベタ部分など印刷物の画
像率の高い領域では裏移りが目立つ。蓄熱の影響により
画面の上部と下部とでベタ部分の濃度の変化が顕著であ
る。
【0088】(比較例9)は、比較例2、比較例5、比
較例7とほぼ同様の評価結果である。目標の開孔率の穿
孔を得るには発熱素子が小さすぎ、製版の電気的条件を
強めても、発熱素子の劣化が進行するだけで、穿孔形状
はほぼ飽和している。穿孔は小さく、開孔率は目標の値
に全く及ばず、印刷物の濃度も非常に不足している。ま
た、発熱素子の厚さを0.9μmと薄くしたために、発
熱素子の形状のばらつきが非常に大きく、したがって穿
孔形状のSN比も大きく劣っている。
【0089】(比較例10)は、比較例1、比較例3、
比較例4、比較例6、比較例8とほぼ同様の評価結果で
ある。穿孔は副走査方向に連結してしまい、目標の開孔
率を実現するために、主走査方向の穿孔の直径が小さく
なり、ベタ部分での穿孔状態は副走査方向にのびる縞模
様のようになる。穿孔面積のSN比は求められないが、
局所的な開孔率のばらつきは非常に大きい。また、蓄熱
の影響も非常に大きい。これらにより、印刷物上の細字
や細かいパターンの再現性が劣る。印刷物上のベタ部分
の再現では場所による濃度の均一性が劣る。蓄熱の影響
により画面の上部と下部とでベタ部分の濃度の変化が認
められる。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態による感熱製版方法
を実施するための感熱製版装置の概略機構図
【図2】サーマルヘッドの要部平面図
【図3】図2のA−A断面図
【図4】図2のB−B断面図
【図5】発熱素子の厚さに関する印加パルスのオン・オ
フに対する保護層表面温度の変化を示すグラフ
【図6】発熱素子の副走査方向の幅の大きさを(A)の比
較例と、(B)の本発明の実施の形態とで示す概略平面図
【図7】発熱素子の副走査方向の幅の大きさに関する発
熱素子の主走査方向の温度分布を示すグラフ
【図8】発熱素子の副走査方向の幅に関する発熱素子の
副走査方向の温度分布を示すグラフ
【符号の説明】
1 サーマルヘッド 2 放熱板 3 絶縁性基板 4 グレーズ層 5a 個別電極 5b 共通電極 6 発熱抵抗体 6a 発熱素子 7 保護層 10 感熱製版装置 11 原紙ロール 12 感熱孔版原紙 14 プラテンローラー(搬送手段) 15 制御部 Lx 主走査方向の長さ Ly 副走査方向の長さ t 発熱抵抗体の厚さ d,D 電極の中心線間距離 p 副走査ピッチ V 発熱素子部分の体積 X 主走査方向 Y 副走査方向

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主
    走査方向に連続する発熱抵抗体が少なくともこの順で積
    層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する
    方向に延びる少なくとも2系統の電極群が主走査方向に
    交互に形成され、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部
    分を覆う保護層が形成されてなり、前記発熱抵抗体の厚
    さは1μm以上、10μm以下であり、該発熱抵抗体に
    接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隔は両電極
    の中心線間の距離の20%以上、60%以下である厚膜
    プロセスによるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接触
    させた状態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬送さ
    せ、 前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接して主走査方
    向に隣り合う前記各電極の間隙部分における前記発熱抵
    抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以
    上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと
    前記搬送手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版
    を行うことを特徴とする感熱製版方法。
  2. 【請求項2】 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主
    走査方向に連続する発熱抵抗体が少なくともこの順で積
    層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する
    方向に延びる個別電極と共通電極とが主走査方向に交互
    に形成され、前記共通電極は主走査方向に交互に第1共
    通電極および第2共通電極としてそれぞれが共通に接続
    され、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保
    護層が形成されてなり、該発熱抵抗体の厚さは1μm以
    上、10μm以下であり、前記発熱抵抗体に接して主走
    査方向に隣り合う前記各電極の間隔は両電極の中心線間
    の距離の20%以上、60%以下である厚膜プロセスに
    よるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接触させた状態
    で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬送させ、 前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接して主走査方
    向に隣り合う前記各電極の間隙部分における前記発熱抵
    抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以
    上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと
    前記搬送手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版
    を行うことを特徴とする感熱製版方法。
  3. 【請求項3】 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主
    走査方向に連続する発熱抵抗体が少なくともこの順で積
    層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する
    方向に延びる個別電極と共通電極とが主走査方向に交互
    に形成され、前記共通電極は1系統として共通に接続さ
    れ、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護
    層が形成されてなり、前記発熱抵抗体の厚さは1μm以
    上、10μm以下であり、該発熱抵抗体に接する、前記
    個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つ
    の前記共通電極との間隔の和は前記2つの共通電極の中
    心線間の距離の20%以上、60%以下である厚膜プロ
    セスによるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接触させ
    た状態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬送させ、 前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接する、前記個
    別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの
    前記共通電極との間隙部分における前記発熱抵抗体の副
    走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250
    %以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手
    段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うこと
    を特徴とする感熱製版方法。
  4. 【請求項4】 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主
    走査方向に連続する発熱抵抗体が少なくともこの順で積
    層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する
    方向に延びる少なくとも2系統の電極群が主走査方向に
    交互に形成され、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部
    分を覆う保護層が形成されてなる厚膜プロセスによるサ
    ーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接触させた状態で搬送
    手段により該感熱孔版原紙を搬送させ、 主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発
    熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間
    隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をVμm3、前
    記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極
    の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチをpμmとし
    たとき、 0.2μm≦V/(dp)≦10μm の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送
    手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うこ
    とを特徴とする感熱製版方法。
  5. 【請求項5】 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主
    走査方向に連続する発熱抵抗体が少なくともこの順で積
    層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する
    方向に延びる個別電極と共通電極とが主走査方向に交互
    に形成され、前記共通電極は主走査方向に交互に第1共
    通電極および第2共通電極としてそれぞれが共通に接続
    され、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保
    護層が形成されてなる厚膜プロセスによるサーマルヘッ
    ドに、感熱孔版原紙を接触させた状態で搬送手段により
    該感熱孔版原紙を搬送させ、 主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発
    熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間
    隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をVμm3、前
    記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極
    の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチをpμmとし
    たとき、 0.2μm≦V/(dp)≦10μm の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送
    手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うこ
    とを特徴とする感熱製版方法。
  6. 【請求項6】 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主
    走査方向に連続する発熱抵抗体が少なくともこの順で積
    層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する
    方向に延びる個別電極と共通電極とが主走査方向に交互
    に形成され、前記共通電極は1系統として共通に接続さ
    れ、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護
    層が形成されてなる厚膜プロセスによるサーマルヘッド
    に、感熱孔版原紙を接触させた状態で搬送手段により該
    感熱孔版原紙を搬送させ、 主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発
    熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主
    走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隙部分に
    おける、前記発熱抵抗体の体積の和をVμm3、前記発
    熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主
    走査方向に隣り合う2つの前記共通電極の中心線間の距
    離をDμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、 0.2μm≦V/(Dp)≦10μm の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送
    手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うこ
    とを特徴とする感熱製版方法。
  7. 【請求項7】 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主
    走査方向に連続する発熱抵抗体が少なくともこの順で積
    層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する
    方向に延びる少なくとも2系統の電極群が形成され、主
    走査方向に隣り合う2つの電極は互いに異なる系統とな
    るように配置され、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出
    部分を覆う保護層が形成されてなり、前記発熱抵抗体の
    厚さは1μm以上、10μm以下であり、該発熱抵抗体
    に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隔は両電
    極の中心線間の距離の20%以上、60%以下である厚
    膜プロセスによるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接
    触させた状態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬送さ
    せ、 前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接して主走査方
    向に隣り合う前記各電極の間隙部分における前記発熱抵
    抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以
    上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと
    前記搬送手段とを制御するとともに、 主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発
    熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間
    隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をVμm3、前
    記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極
    の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチをpμmとし
    たとき、 0.2μm≦V/(dp)≦10μm の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送
    手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うこ
    とを特徴とする感熱製版方法。
  8. 【請求項8】 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主
    走査方向に連続する発熱抵抗体が少なくともこの順で積
    層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する
    方向に延びる個別電極と共通電極とが形成され、前記個
    別電極と前記共通電極は主走査方向に互いに隣り合うよ
    うに配置され、前記共通電極は主走査方向に交互に第1
    共通電極および第2共通電極としてそれぞれが共通に接
    続され、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う
    保護層が形成されてなり、該発熱抵抗体の厚さは1μm
    以上、10μm以下であり、前記発熱抵抗体に接して主
    走査方向に隣り合う前記各電極の間隔は両電極の中心線
    間の距離の20%以上、60%以下である厚膜プロセス
    によるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接触させた状
    態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬送させ、 前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接して主走査方
    向に隣り合う前記各電極の間隙部分における前記発熱抵
    抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以
    上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと
    前記搬送手段とを制御するとともに、 主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発
    熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間
    隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をVμm3、前
    記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極
    の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチをpμmとし
    たとき、 0.2μm≦V/(dp)≦10μm の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送
    手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うこ
    とを特徴とする感熱製版方法。
  9. 【請求項9】 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主
    走査方向に連続する発熱抵抗体が少なくともこの順で積
    層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する
    方向に延びる個別電極と共通電極とが形成され、前記個
    別電極と前記共通電極は主走査方向に互いに隣り合うよ
    うに配置され、前記共通電極は1系統として共通に接続
    され、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保
    護層が形成されてなり、前記発熱抵抗体の厚さは1μm
    以上、10μm以下であり、該発熱抵抗体に接する、前
    記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2
    つの前記共通電極との間隔の和は前記2つの共通電極の
    中心線間の距離の20%以上、60%以下である厚膜プ
    ロセスによるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接触さ
    せた状態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬送させ、 前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接する、前記個
    別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの
    前記共通電極との間隙部分における前記発熱抵抗体の副
    走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250
    %以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手
    段とを制御するとともに、 主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発
    熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主
    走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隙部分に
    おける、前記発熱抵抗体の体積の和をVμm3、前記発
    熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主
    走査方向に隣り合う2つの前記共通電極の中心線間の距
    離をDμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、 0.2μm≦V/(Dp)≦10μm の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送
    手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うこ
    とを特徴とする感熱製版方法。
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