JP3159348B2 - 感熱孔版マスタの製版方法及び製版装置 - Google Patents

感熱孔版マスタの製版方法及び製版装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実質的に熱可塑性樹脂
フィルムのみから成る感熱孔版マスタに対してサーマル
ヘッドを用いてドットマトリクス式に穿孔画像を形成す
る感熱孔版製版装置及び感熱孔版マスタの製版方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、約2μmの厚さの熱可塑性樹
脂フィルム層と和紙ベースのような多孔性支持体層とを
接着剤で貼り合わせて2層に作られた感熱孔版マスタ
を、サーマルヘッドでドットマトリクス式に穿孔製版す
る感熱製版装置はよく知られている。この感熱製版装置
に使用するサーマルヘッドとしては特開平2−6713
3号公報に抵抗発熱素子の副走査方向寸法を主走査方向
ピッチよりも短くしたものが紹介されている。また、特
開平4−45936号公報には抵抗発熱素子の形状が長
方形以外のものが提案されている。
【0003】このような従来の感熱製版装置では図9に
示すように、熱可塑性樹脂フィルム層1aと多孔性支持
体層1bとを貼り合わせてなる感熱孔版マスタ1を用い
ている。感熱孔版マスタ1はプラテンローラ3とサーマ
ルヘッド4との間へ搬送され、サーマルヘッド4に設け
られた抵抗発熱素子5が熱可塑性樹脂フィルム層1aに
直接接触して穿孔製版している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の熱可
塑性樹脂フィルム層と多孔性支持体層とにより構成され
た感熱孔版マスタに製版をすると、多孔性支持体層の繊
維のバラツキ、つまり、和紙ベースの繊維間空隙が大き
すぎる場合には、熱可塑性樹脂フィルムがサーマルヘッ
ドの抵抗発熱素子に十分に密着させられないため穿孔が
不十分になったり未穿孔になったりする。逆に、和紙ベ
ースの繊維が密だったり、塊となって存在する場合には
繊維に熱が奪われて十分に孔が開かなかったり、たと
え、孔が開いたとしても、熱可塑性樹脂フィルムの溶融
カスが繊維にまとわり付いたりする。また、和紙ベース
の繊維の厚さが薄い場合には、熱可塑性樹脂フィルムが
抵抗発熱素子に強く密着しすぎて、孔が大きくなりすぎ
たりする。よって、図10に示すように、孔102が開
くべきところに開かなかったり、孔102の大きさがま
ちまちになったり、孔102が大きすぎて隣の孔とつな
がってしまったりしている。
【0005】そのため、印刷画像において文字掠れやベ
タ埋まり不良、白抜け、繊維目、裏写り等の問題が発生
している。また、和紙ベースの繊維の塊や接着剤の多い
部分ではインキの通過を阻止するためにベタ部の白抜け
や繊維目、文字掠れが発生するという問題がある。
【0006】ここで、白抜けとは黒ベタ印刷部でインキ
の転写されない白い点が発生する状態を言い、繊維目と
は白抜けが和紙ベースの繊維状の塊状態を写し採るよう
な繊維模様で発生することを言い、文字掠れとは、細文
字の一部の線が切れ切れになる現象を言う。
【0007】上記のような問題に対処すべく、不具合の
原因となっている和紙ベースを除去し実質的に熱可塑性
樹脂フィルムのみからなる感熱孔版マスタを用いること
が考えられた。ところが、従来の感熱製版装置を用い
て、この実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感
熱孔版マスタに製版をすると、感熱孔版マスタが耐刷力
不足になるという問題がある。なお、ここで実質的に熱
可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版マスタとは、
感熱孔版マスタが熱可塑性樹脂フィルムのみからなるも
のの他、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤などの微量
成分を含有してなるものや、熱可塑性樹脂フィルムの両
主面、すなわち表面及び裏面のうち少なくとも一方にオ
ーバーコート層等の薄膜層を1層又は複数層形成してな
るものを含む。
【0008】例えば横線の多い原稿100(図11参
照)を用いて製版した場合、製版済マスタ101は図1
2に示すごとくなり、図12の横線部Bを拡大すると図
13に示すように規則正しい孔102が形成されてい
る。図12に示すように製版済マスタ101を円筒状版
胴103の外周面に巻きつけマスタの一端をマスタクラ
ンパ104に固定して、これに印刷用紙をプレスローラ
で連続的に押しつけて転写し、印刷する。この時、製版
済マスタ101にはプレスローラの印刷圧により矢印X
方向への引張力が作用する。これにより、製版済マスタ
101に穿孔された孔102が図14に示すごとく、伸
びてしまい印刷された線が異常に太くなるという問題が
発生する。この線の太りは一般的に図12の横線部Bや
中央部Dで特に発生しやすい。
【0009】また、印刷を続けることにより、図12の
閉曲線部Cでは、その周囲が破れて、内部の熱可塑性樹
脂フィルムの部分が円筒状版胴103の外周面から剥が
れるという不具合も発生する。なお、図12では円筒状
版胴103を展開して平面的に示している。
【0010】本発明はかかる問題点を解決し、耐刷力が
十分にある実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみから成る
感熱孔版マスタを提供することができ、文字掠れやベタ
埋まり不良、白抜け、繊維目、裏写りのない印刷画像を
得ることができる感熱孔版製版装置及びこの感熱孔版製
版装置を用いた感熱孔版マスタの製版方法を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
主走査方向に一列に配列した複数の抵抗発熱素子を具備
して成るサーマルヘッドを実質的に熱可塑性樹脂フィル
ムのみから成る感熱孔版マスタに接触させ、上記抵抗発
熱素子の配列方向に直交する副走査方向に上記感熱孔版
マスタを上記サーマルヘッドに対し相対的に移動させ、
上記抵抗発熱素子の選択的加熱によりドットマトリクス
式に穿孔画像を形成する感熱孔版マスタの製版方法であ
って、主走査方向に隣合う上記抵抗発熱素子の間に形成
される非発熱部の主走査方向寸法が上記抵抗発熱素子の
主走査方向ピッチの30ないし65%であるサーマルヘ
ッドを用い、上記感熱孔版マスタに形成された主走査方
向に隣合う孔の間に形成される主走査方向未製版連結部
の幅寸法を上記抵抗発熱素子の主走査方向ピッチの20
ないし50%とし、上記感熱孔版マスタに形成された副
走査方向に隣合う孔の間に形成される副走査方向未製版
連結部の幅寸法を上記副走査方向に隣合う孔のピッチの
20ないし50%とするとともに、上記主走査方向未製
版連結部及び上記副走査方向未製版連結部の厚さを初期
の厚さの約2ないし3倍とすることを特徴とする。
【0012】請求項2記載の発明は、主走査方向に一列
に配列した複数の抵抗発熱素子を具備して成るサーマル
ヘッドを実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみから成る感
熱孔版マスタに接触させ、上記抵抗発熱素子の配列方向
に直交する副走査方向に上記感熱孔版マスタを上記サー
マルヘッドに対し相対的に移動させ、上記抵抗発熱素子
の選択的加熱によりドットマトリクス式に穿孔画像の形
成を行う感熱孔版マスタの製版装置であって、主走査方
向に隣合う上記抵抗発熱素子の間に形成される非発熱部
の主走査方向寸法が上記抵抗発熱素子の主走査方向ピッ
チの30ないし65%であるサーマルヘッドを用い、上
記感熱孔版マスタに形成された主走査方向に隣合う孔の
間に形成される主走査方向未製版連結部の幅寸法を上記
抵抗発熱素子の主走査方向ピッチの20ないし50%と
し、上記感熱孔版マスタに形成された副走査方向に隣合
う孔の間に形成される副走査方向未製版連結部の幅寸法
を上記副走査方向に隣合う孔のピッチの20ないし50
%とするとともに、上記主走査方向未製版連結部及び上
記副走査方向未製版連結部の厚さを初期の厚さの約2な
いし3倍とすることを特徴とする。
【0013】ここに、副走査方向とは感熱孔版マスタの
搬送方向を言い、主走査方向とは、副走査方向に直交す
る方向を言う。
【0014】
【作用】本発明の感熱孔版マスタの製版方法では、感熱
孔版マスタを実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみで形成
し、主走査方向に隣合う上記抵抗発熱素子の間に形成さ
れる非発熱部の主走査方向寸法が上記抵抗発熱素子の主
走査方向ピッチの30ないし65%であるサーマルヘッ
ドを用い、上記感熱孔版マスタに形成された主走査方向
に隣合う孔の間に形成される主走査方向未製版連結部の
幅寸法を上記抵抗発熱素子の主走査方向ピッチの20な
いし50%とし、上記感熱孔版マスタに形成された副走
査方向に隣合う孔の間に形成される副走査方向未製版連
結部の幅寸法を上記副走査方向に隣合う孔のピッチの2
0ないし50%とするとともに、上記主走査方向未製版
連結部及び上記副走査方向未製版連結部の厚さを初期の
厚さの約2ないし3倍とするので、製版済感熱孔版マス
タは十分な強度を保有することができるし、原稿に対応
する穿孔が感熱孔版マスタのしかるべき位置に確実に開
けられる。この感熱孔版マスタを印刷に供しても十分な
耐刷力があり、穿孔された孔が伸びることがなく、主走
査方向、副走査方向ともに独立した孔列を維持する。よ
って印刷された線が異常に太くなることがない。
【0015】本発明の感熱孔版マスタの製版装置では、
感熱孔版マスタを実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみで
形成し、主走査方向に隣合う上記抵抗発熱素子の間に形
成される非発熱部の主走査方向寸法が上記抵抗発熱素子
の主走査方向ピッチの30ないし65%であるサーマル
ヘッドを用い、上記感熱孔版マスタに形成された主走査
方向に隣合う孔の間に形成される主走査方向未製版連結
部の幅寸法を上記抵抗発熱素子の主走査方向ピッチの2
0ないし50%とし、上記感熱孔版マスタに形成された
副走査方向に隣合う孔の間に形成される副走査方向未製
版連結部の幅寸法を上記副走査方向に隣合う孔のピッチ
の20ないし50%とするとともに、上記主走査方向未
製版連結部及び上記副走査方向未製版連結部の厚さを初
期の厚さの約2ないし3倍とするので、製版済感熱孔版
マスタは十分な強度を保有することができるし、原稿に
対応する穿孔が感熱孔版マスタのしかるべき位置に確実
に開けられる。よって、感熱孔版マスタの製版方法と同
様の作用が得られる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。以下の図面に記載されている感熱孔版マスタ11
及び製版済マスタ11aの厚みは他の部材に対して誇張
して示されている。
【0017】図1において符号11は感熱孔版マスタを
示す。感熱孔版マスタ11は、実質的に3〜8μmの厚
さの熱可塑性樹脂フィルムのみから成り、ポリエステル
等により形成されている。感熱孔版マスタ11は、プラ
テンローラ13とサーマルヘッド14との間を通過し、
搬送ローラ対12まで送られる。この搬送ローラ対12
により、感熱孔版マスタ11は所定の張力で引っ張られ
た状態でプラテンローラ13によりサーマルヘッド14
の抵抗発熱素子15に押し当てられつつ、プラテンロー
ラ13の矢印方向の回転によって搬送される。サーマル
ヘッド14の抵抗発熱素子15は感熱孔版マスタ11に
直接接触し、抵抗発熱素子15が選択的に発熱すること
により熱溶融穿孔が行われる。
【0018】サーマルヘッド14には図2に示すよう
に、長方形の複数の抵抗発熱素子15が主走査方向Sへ
一定ピッチPaで一列に配置されている。各抵抗発熱素
子15の副走査方向両端には電極16、17がそれぞれ
接続されている。
【0019】このサーマルヘッド14によって感熱孔版
マスタ11に穿孔される網目状の孔18の主走査方向ピ
ッチPaは、図3に示すように抵抗発熱素子15の主走
査方向ピッチPaと同じであり、副走査方向のピッチP
bは感熱孔版マスタ11の副走査方向送りピッチとな
る。本実施例においては主走査方向ピッチPaと副走査
方向ピッチPbとが等しく設定されている。
【0020】感熱孔版マスタ11の主走査方向Sに隣合
う孔18の間に形成される主走査方向未製版連結部19
の幅寸法c(図3参照)が短いと、感熱孔版マスタ11
の副走査方向Fへの引張力に対する強度が低下し、感熱
孔版マスタ11の耐刷不足になる。また、逆に幅寸法c
が長すぎると、印刷時において、インキの通過しない部
分が多くなり濃度低下や白抜けが発生する。よって、幅
寸法cを主走査方向ピッチPaに対して、その20%以
上50%以下、より好ましくは20%以上40%以下に
設定することが望ましい。
【0021】感熱孔版マスタ11の副走査方向Fに隣合
う孔18の間に形成される副走査方向未製版連結部20
の幅寸法eも上記の理由により、幅寸法eを副走査方向
ピッチPbに対してその20%以上50%以下、より好
ましくは20%以上40%以下に設定するのが望まし
い。
【0022】感熱孔版マスタ11の主走査方向Sの各孔
18の間に形成される主走査方向未製版連結部19の幅
寸法cを一定以上の長さにするために、サーマルヘッド
14の主走査方向Sに隣合う各抵抗発熱素子15間のそ
れぞれの非発熱素子部21の幅寸法dを、主走査方向ピ
ッチPaの30%以上65%以下に設定するのが望まし
く、より好ましくは、45%以上65%以下である。
【0023】図4に示す如く、感熱孔版マスタ11に、
幅寸法c、eを上述の範囲にあてはめて穿孔して孔18
を形成した。その断面を拡大すると図5に示すように、
主走査方向未製版連結部19の厚さt1が、感熱孔版マ
スタ11の初期の厚さtよりも厚くなるので、主走査方
向未製版連結部19及び副走査方向未製版連結部20の
強度は、見かけよりも強くなる。孔18が形成された主
走査方向未製版連結部19及び副走査方向未製版連結部
20の厚さt1は、感熱孔版マスタ11の熱溶融収縮作
用により、その初期の厚さtの約2〜3倍になる。した
がって、主走査方向未製版連結部19及び副走査方向未
製版連結部20の強度が強くなり、感熱孔版マスタ11
の耐刷性が向上する。
【0024】感熱孔版マスタ11は、熱溶融穿孔されて
孔18を形成される時に、孔18の部分の樹脂が気化す
るのではなく、孔18の周囲に引き寄せられて盛り上が
るのでこのような現象が発生する。このように感熱孔版
マスタ11の主走査方向未製版連結部19及び副走査方
向未製版連結部20の厚さt1が厚くなることにより、
実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版マ
スタ11でも、十分な耐刷力が得られる。
【0025】図6に示す如く、感熱孔版マスタ11に、
幅寸法c、eが上述の範囲外になるように穿孔して孔1
8を形成した。その断面を拡大すると図7に示すよう
に、4つの孔18の中央部fが盛り上がるが、この中央
部fの厚さt2はそれ自体、幅寸法c、eが十分な長さ
がないので、感熱孔版マスタ11の引張り強度に影響を
与えない。
【0026】上記のように構成された抵抗発熱素子15
を有するサーマルヘッド14を用いて製版された製版済
マスタ11aは図8に示すように、多孔性円筒状の版胴
22の外周面に、その先端をマスタクランパ23により
固定され巻きつけられる。版胴22の内部には版胴22
の内周面にインキを供給するインキローラ24と、イン
キローラ24と僅かな間隙を置いて平行に配置され、イ
ンキローラ24との間にインキ溜り25を形成するドク
ターローラ26とが配置されている。
【0027】製版済マスタ11aは版胴22の外周面に
巻装された後、印刷工程が開始される。まず、図示しな
い給紙装置により1枚の印刷用紙27が図示しないレジ
ストローラに給送され、この図示しないレジストローラ
により版胴22の回転と同期した所定のタイミングで版
胴22とプレスローラ28との間に印刷用紙27が挿入
される。そして、版胴22の外周面から離間していたプ
レスローラ28が上方に移動し、矢印Y方向に回転する
版胴22の外周面に巻装された製版済マスタ11aに印
刷用紙27が押圧されることにより、製版済マスタ11
aの穿孔部分からインキが印刷用紙27の表面に転移さ
れて印刷される。なお、この時、インキローラ24も版
胴22の回転方向と同一方向に回転し、インキを版胴2
2の内周面に供給する。そして、印刷された印刷用紙2
7は剥し爪(図示せず)によって版胴22の外周面から
剥離され排紙トレイ(図示せず)に排出されて、最初の
1枚目の印刷によりいわゆる版付けが終了する。次に上
記動作と同様の動作により所定枚数の印刷が順次連続的
に行われる。
【0028】印刷時において、版胴22が矢印Y方向へ
高速回転駆動されるので製版済マスタ11aはマスタク
ランパ23から抜ける方向へ引っ張られるが、上述した
ように製版済マスタ11aの幅寸法cを主走査方向ピッ
チPaに対して、その20%以上50%以下に、また幅
寸法eを副走査方向ピッチPbに対してその20%以上
50%以下に設定したので主、副走査方向未製版連結部
19、20が伸びることがなく、孔18が連続すること
がない。
【0029】以下、本発明を実施例及び比較例に基づい
て説明する。 (実施例1) 400ドット/インチのサーマルヘッドを適用した感熱
孔版式デジタル製版印刷装置(商品名、プリポート
(株)リコー製)により次の条件のもとで、横線の多い
原稿を用いて穿孔製版を行いその後、120枚/分の速
度で連続印刷を行った。 非発熱素子部の主走査方向の幅寸法d=33.5μm 抵抗発熱素子の主走査方向寸法a=30μm 抵抗発熱素子の副走査方向寸法b=40μm 抵抗発熱素子の主走査方向ピッチPa=63.5μm 抵抗発熱素子の副走査方向ピッチPb=63.5μm 感熱孔版マスタの厚さ2μm(ポリエステルフィルムの
み) 印加電力0.09W この場合、感熱孔版マスタに形成された穿孔は完全に独
立しており、主走査方向に隣合う穿孔の間の幅寸法cが
15〜20μmになり、主走査方向ピッチPaの24〜
31%になった。副走査方向に隣合う穿孔の間の幅寸法
eも24〜31になった。この製版済マスタを版胴に
巻装して印刷したところ、3000枚印刷しても印刷物
に線の太りはほとんど発見されず、マスタ耐刷力が十分
にあることが確認された。なお、幅寸法cが主走査方向
ピッチPaの50%を超えるとインキのにじみを利用し
てもベタが全面黒にならずに濃度不足になることもわか
った。
【0030】(比較例)上記実施例1と比較するために
上記と同一の400ドット/インチのサーマルヘッドを
適用した感熱孔版式デジタル製版印刷装置(商品名、プ
リポート(株)リコー製)により次の条件のもとで、横
線の多い原稿を用いて穿孔製版を行いその後、120枚
/分の速度で連続印刷を行った。 非発熱素子部の主走査方向の幅寸法d=13.5μm 抵抗発熱素子の主走査方向寸法a=50μm 抵抗発熱素子の副走査方向寸法b=60μm 抵抗発熱素子の主走査方向ピッチPa=63.5μm 抵抗発熱素子の副走査方向ピッチPb=63.5μm 感熱孔版マスタの厚さ2μm(ポリエステルフィルムの
み) 印加電力0.16W この場合、感熱孔版マスタに形成された穿孔は完全に独
立しているものの主走査方向に隣合う穿孔の間の幅寸法
cが5〜10μmになり、主走査方向ドットピッチPa
の16%以下になった。
【0031】この製版済マスタを版胴に巻装して印刷し
たところ、約500枚印刷の時点で印刷された横線が先
頭部の中央付近で太くなってしまいマスタ耐刷力不足で
あることが確認された。
【0032】以上の実施例1、比較例1の結果を表1に
示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の感熱孔版
マスタの製版方法は、感熱孔版マスタを実質的に熱可塑
性樹脂フィルムのみで形成し、主走査方向に隣合う上記
抵抗発熱素子の間に形成される非発熱部の主走査方向寸
法が上記抵抗発熱素子の主走査方向ピッチの30ないし
65%であるサーマルヘッドを用い、上記感熱孔版マス
タに形成された主走査方向に隣合う孔の間に形成される
主走査方向未製版連結部の幅寸法を上記抵抗発熱素子の
主走査方向ピッチの20ないし50%とし、上記感熱孔
版マスタに形成された副走査方向に隣合う孔の間に形成
される副走査方向未製版連結部の幅寸法を上記副走査方
向に隣合う孔のピッチの20ないし50%とするととも
に、上記主走査方向未製版連結部及び上記副走査方向未
製版連結部の厚さを初期の厚さの約2ないし3倍とする
ので、耐刷力が十分にある実質的に熱可塑性樹脂フィル
ムのみから成る感熱孔版マスタを提供でき、製版済感熱
孔版マスタは十分な強度を保有することができるし、原
稿に対応する穿孔が感熱孔版マスタのしかるべき位置に
確実に開けられるとともに、この感熱孔版マスタを印刷
に供しても十分な耐刷力があり、穿孔された孔が伸びる
ことがなく、主走査方向、副走査方向ともに独立した孔
列を維持することができ、よって印刷された線が異常に
太くなることがなく、また文字掠れやベタ埋まり不良、
白抜け、繊維目、裏写りのない印刷画像が得られる。
【0035】また本発明の感熱孔版マスタの製版装置
は、感熱孔版マスタを実質的に熱可塑性樹脂フィルムの
みで形成し、主走査方向に隣合う上記抵抗発熱素子の間
に形成される非発熱部の主走査方向寸法が上記抵抗発熱
素子の主走査方向ピッチの30ないし65%であるサー
マルヘッドを用い、上記感熱孔版マスタに形成された主
走査方向に隣合う孔の間に形成される主走査方向未製版
連結部の幅寸法を上記抵抗発熱素子の主走査方向ピッチ
の20ないし50%とし、上記感熱孔版マスタに形成さ
れた副走査方向に隣合う孔の間に形成される副走査方向
未製版連結部の幅寸法を上記副走査方向に隣合う孔のピ
ッチの20ないし50%とするとともに、上記主走査方
向未製版連結部及び上記副走査方向未製版連結部の厚さ
を初期の厚さの約2ないし3倍とするので、上記方法と
同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す感熱孔版製版装置の要
部断面図である。
【図2】サーマルヘッドの要部平面図である。
【図3】図2に示すサーマルヘッドにより穿孔された製
版済マスタの要部平面図である。
【図4】他の製版済マスタの要部平面図である。
【図5】図4のV−V断面図である。
【図6】さらに、別の製版済マスタの要部平面図であ
る。
【図7】図6のVII−VII断面図である。
【図8】本発明の一実施例を適用した孔版印刷装置の要
部断面図である。
【図9】従来の感熱製版装置の要部断面図である。
【図10】従来の感熱製版装置を適用して製版された製
版済マスタの要部拡大平面図である。
【図11】原稿を示す図である。
【図12】製版済マスタの平面図である。
【図13】図12の要部拡大平面図である。
【図14】従来の感熱製版装置により製版された製版済
マスタを用いて印刷した後の製版済マスタの要部拡大平
面図である。
【符号の説明】
11 感熱孔版マスタ 11a 製版済マスタ 12 搬送ローラ 13 プラテンローラ 14 サーマルヘッド 15 抵抗発熱素子 16、17 電極 18 孔 19、20 未製版連結部 S 主走査方向 F 副走査方向

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主走査方向に一列に配列した複数の抵抗発
    熱素子を具備して成るサーマルヘッドを実質的に熱可塑
    性樹脂フィルムのみから成る感熱孔版マスタに接触さ
    せ、上記抵抗発熱素子の配列方向に直交する副走査方向
    に上記感熱孔版マスタを上記サーマルヘッドに対し相対
    的に移動させ、上記抵抗発熱素子の選択的加熱によりド
    ットマトリクス式に穿孔画像を形成する感熱孔版マスタ
    の製版方法であって、 主走査方向に隣合う上記抵抗発熱素子の間に形成される
    非発熱部の主走査方向寸法が上記抵抗発熱素子の主走査
    方向ピッチの30ないし65%であるサーマルヘッドを
    用い、上記感熱孔版マスタに形成された主走査方向に隣
    合う孔の間に形成される主走査方向未製版連結部の幅寸
    法を上記抵抗発熱素子の主走査方向ピッチの20ないし
    50%とし、上記感熱孔版マスタに形成された副走査方
    向に隣合う孔の間に形成される副走査方向未製版連結部
    の幅寸法を上記副走査方向に隣合う孔のピッチの20な
    いし50%とするとともに、上記主走査方向未製版連結
    部及び上記副走査方向未製版連結部の厚さを初期の厚さ
    の約2ないし3倍とすることを特徴とする感熱孔版マス
    タの製版方法。
  2. 【請求項2】主走査方向に一列に配列した複数の抵抗発
    熱素子を具備して成るサーマルヘッドを実質的に熱可塑
    性樹脂フィルムのみから成る感熱孔版マスタに接触さ
    せ、上記抵抗発熱素子の配列方向に直交する副走査方向
    に上記感熱孔版マスタを上記サーマルヘッドに対し相対
    的に移動させ、上記抵抗発熱素子の選択的加熱によりド
    ットマトリクス式に穿孔画像の形成を行う感熱孔版マス
    タの製版装置であって、 主走査方向に隣合う上記抵抗発熱素子の間に形成される
    非発熱部の主走査方向寸法が上記抵抗発熱素子の主走査
    方向ピッチの30ないし65%であるサーマルヘッドを
    用い、上記感熱孔版マスタに形成された主走査方向に隣
    合う孔の間に形成される主走査方向未製版連結部の幅寸
    法を上記抵抗発熱素子の主走査方向ピッチの20ないし
    50%とし、上記感熱孔版マスタに形成された副走査方
    向に隣合う孔の間に形成される副走査方向未製版連結部
    の幅寸法を上記副走査方向に隣合う孔のピッチの20な
    いし50%とするとともに、上記主走査方向未製版連結
    及び上記副走査方向未製版連結部の厚さを初期の厚さ
    の約2ないし3倍とすることを特徴とする感熱孔版マス
    タの製版装置。
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