JP4208214B2 - 感熱製版装置および感熱製版方法 - Google Patents

感熱製版装置および感熱製版方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷に用いられる感熱孔版原紙(マスター)に穿孔製版を施すための感熱製版装置および感熱製版方法に関し、特に、厚膜プロセスによる廉価なサーマルヘッドを用いる感熱製版装置および感熱製版方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在実用化されている、孔版印刷用の版を製版する孔版製版装置は、感熱孔版原紙を用い、その製版方式には、カーボンを含む画線部をもつ原稿表面に感熱孔版原紙を密着させてフラッシュバルブやキセノン管などを閃光させ感熱孔版原紙を穿孔製版する、いわゆるフラッシュ方式と、原稿画像からイメージセンサーなどを通して、またはコンピューターなどによって作成された文書/画像データを画素の集合として、サーマルヘッドの微小な発熱素子の発熱によって感熱孔版原紙を穿孔製版する、いわゆるディジタル方式とがある。これらのうちでは、文書編集や画像加工の可能な後者のディジタル方式が主流である。サーマルヘッドはかつてはファクシミリや感熱記録プリンターなどに専ら用いられたデバイスであったが、後述する感熱孔版製版(以下、感熱製版とよぶ)用としてのアレンジがなされ、ディジタル方式感熱製版装置にも利用されてきている。なお、感熱孔版原紙としては、熱可塑性樹脂フィルム(以下、単に“フィルム”とよぶ)と多孔性支持体を貼り合わせたものと、多孔性支持体を有さずフィルム単体でなるものとがある。
【0003】
サーマルヘッドを感熱製版用に応用する技術について、サーマルヘッドの具体的な構造に言及した文献としては、例えば以下の例がある。
【0004】
特開昭63-191654号,特開平6-191003号には保護層の厚さを規定した装置が、特開平2-67133号,特開平4-71847号,特開平4-265759号,特開平5-345401〜3号,特開平6-115042号には発熱素子の主走査方向長さおよび/または副走査方向長さを各方向のピッチに対して規定した装置が、特開平4-45936号,特開平7-68807号,特開平7-171940号には発熱素子形状を矩形から他の形状に変更した装置が、特開平4-314552号,特開平8-142299号には隣接する発熱素子間に冷却部材を形成した装置が、特開平4-369575号,特開平8-132584号にはグレーズ層の形状または厚さを規定した装置が、特開平5-185574号には発熱素子の主走査方向長さと副走査方向長さの比を規定した装置が、それぞれ提案されている。
【0005】
上記文献による技術のうち、特開平5-345401〜3号を除く全ては、特に明示されていないものの、サーマルヘッドの構造図からみて、薄膜サーマルヘッドによるものと判断できる。実際、サーマルヘッドを用いて現在実用化されている感熱製版装置は、薄膜サーマルヘッドを使用するものが圧倒的に多く、厚膜サーマルヘッドを用いるものは、わずかにはがき用製版機やワープロ兼用機、熱転写ラベル兼用機などにすぎず、実用されているディジタル方式感熱製版装置全体に対するこれらの比率は微々たるものである。
【0006】
感熱製版における感熱孔版原紙のフィルムへの穿孔形態は、上記文献の多くが指摘しているように、画素に対応する穿孔が互いに独立し、隣接する穿孔と連結していない状態が望ましい。それは粘弾性流体であるインクが版胴内部から穿孔を通して紙へ転移するときに、紙上の転移像は穿孔形状よりも拡がること、さらに穿孔が連結・拡大するとインクの転移量や転移膜厚が加速度的に増加して裏移りを生ずること、といった孔版印刷特有の性質に起因している。この点が、記録画素が重なりあう状態が望ましいとされている感熱紙や熱転写による感熱記録の場合と異なっている。
【0007】
ディジタル方式感熱製版では、画素に対応する穿孔が互いに独立し、隣接する穿孔と連結していない状態とし、印刷物の画線部の濃度を確保するために一定の開孔率(開孔率とは、感熱孔版原紙のフィルムの単位面積あたりの穿孔による開孔面積をいう。この値は、インクの粘度や機械の圧力条件や用紙の種類によるが、約30〜40%程度とすることが多い)を確保し、さらにベタ部分など大面積の画線部の各部の濃度を均一化するために個々の穿孔形状や穿孔面積をほぼ等しくし、ベタ部分の穿孔の間隙部分を画素配列に対応した規則的なパターンとすることが望ましい。
【0008】
一般的な薄膜サーマルヘッドの構造は、金属放熱板上に絶縁性基板、その上にグレーズ層、その上に発熱抵抗層、その上に電極層が形成され、1画素に対応する発熱抵抗層の発熱領域(以下、この領域を、薄膜サーマルヘッドにおける“発熱素子”とよぶ)を主走査方向に延長した領域上の電極層が除去され、主走査方向における発熱素子の間隙部分を副走査方向に延長した領域上の発熱抵抗層と電極層がともに除去され、発熱素子から一方の副走査方向への電極層が個別電極として各発熱素子の通電を制御するスイッチング素子に接続され、発熱素子から他方の副走査方向への電極層が共通電極として一体化され、露出した個別電極、共通電極、発熱抵抗層を覆うように保護層が形成されている。1画素が記録されるとき、記録画素に対応する個別電極は、共通電極と異なる電位が与えられ、その個別電極と副走査方向に対向する共通電極との間にある発熱素子が通電され発熱する。
【0009】
一般に薄膜サーマルヘッドは厚膜サーマルヘッドに比較して、発熱素子の熱容量が非常に小さく、各発熱素子が熱的に互いに独立しているので、発熱時の発熱素子の温度分布が明確で、高温部分と低温部分の温度差(以下、“温度コントラスト”とよぶ)が大きく、したがってフィルムは明確な温度分布のパターンにしたがって、ばらつきの少ない穿孔形状を実現することができる。この理由によって、高画質が望まれる孔版製版印刷装置は、そのほとんどすべてが薄膜サーマルヘッドを採用していると考えられる。
【0010】
一方、サーマルヘッドの感熱製版以外の用途である感熱記録には、薄膜サーマルヘッドだけでなく、厚膜サーマルヘッドも多く使用されている。一般的な厚膜サーマルヘッドの構造は、金属放熱板上に絶縁性基板、その上にグレーズ層、その上に個別電極と共通電極が主走査方向に交互に、副走査方向の反対側から延長されて設けられ、個別電極と共通電極にまたがるように発熱抵抗体が主走査方向に延長されて設けられ、露出した個別電極、共通電極、発熱抵抗体を覆うように保護層が形成されている。
【0011】
1画素が記録されるとき、記録画素に対応する個別電極は、共通電極と異なる電位が与えられ、その個別電極と両側の共通電極との間にある発熱抵抗体が通電され発熱する。すなわち1画素は個別電極とその両隣の共通電極との間の発熱抵抗体の発熱領域に対応し、例えば感熱記録媒体に記録される1記録画素は、発熱抵抗体の2つの発熱領域に対応して基本的には2つのドットとなる(以下、この記録方法を“2ドット記録法”とよぶ。“ドット”とはシンボリックな名称であって、感熱記録では1つの発色/転写要素を、感熱製版では1つの穿孔をいう)。また、1記録画素を2ドットではなく1ドットとする、つまり1画素を個別電極とそれに隣り合うどちらか一方の共通電極との間にある発熱抵抗体の発熱領域に対応させるために、共通電極のかわりに、異なるタイミングで導通する2系統の第1共通電極および第2共通電極を交互に配置する方法もある(以下、この記録方法を“1ドット記録法”とよぶ)。また以下、1ドットに対応する発熱抵抗体の発熱領域を、厚膜サーマルヘッドにおける“発熱素子”とよぶ。1画素に対して1ドット記録法では1つの発熱素子が、2ドット記録法では2つの発熱素子が対応する。
【0012】
特開平5-345401〜3号は、その実施例において厚膜サーマルヘッドを図示しており、1画素に対応する発熱素子の主走査方向長さおよび副走査方向長さが各走査のピッチより小さい、ほぼ等しい比率に設定されている。さらに、1画素に対応する発熱素子の主走査方向長さおよび副走査方向長さは穿孔の各方向における直径に等しい、と記載されている。しかし、このような厚膜サーマルヘッドを用いた感熱製版装置は、後述する性能上の問題があり、普及していない。
【0013】
以上のように、感熱製版装置に用いられるサーマルヘッドは、実質的に薄膜サーマルヘッドに限定されている。
【0014】
厚膜サーマルヘッドの薄膜サーマルヘッドに対する利点は、第1に製造設備とその管理が簡単で、製品すなわちサーマルヘッドのコストが下げられる、第2に発熱抵抗体の形成はサーマルヘッドを収容するスパッター装置を用いずに開放系でできるので、長尺サーマルヘッドを容易に製造することができる、などである。したがって感熱製版においても厚膜サーマルヘッドを採用することができれば、上記の利点を享受することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、厚膜サーマルヘッドを感熱製版用途にそのまま用いると、薄膜サーマルヘッドを用いた感熱製版に比べて印刷物の画質が劣るという問題がある。すでに述べたように、厚膜サーマルヘッドは薄膜サーマルヘッドに対して温度コントラストが低い、すなわち、位置に対する温度の勾配が小さい。厚膜サーマルヘッドでは発熱抵抗体は主走査方向に連続しており、発熱素子で発生した熱は主走査方向に伝播しやすい。したがって主走査方向の温度コントラストは、薄膜サーマルヘッドに比べて小さい。また、厚膜サーマルヘッドは薄膜サーマルヘッドに比べて発熱素子が大きい。特に、副走査方向長さは副走査ピッチの3倍程度にとることが多く、したがって同時刻における副走査方向の温度勾配が小さい。発熱素子の体積は薄膜サーマルヘッドの同解像度品と比較すると100倍のオーダーであり、熱容量が大きいために、印加パルスの断続に対して発熱素子の温度のレスポンスが遅い。これも副走査方向の温度コントラストが低いことに相当する。
【0016】
穿孔形状は、概念的に、フィルム上の履歴温度が一定のしきい値以上となる領域の形状に対応すると考えられるが、実際には個々の発熱素子の温度にはばらつきがあり、穿孔形状は発熱素子の温度コントラストが小さいほど、そのばらつきに影響されやすい。したがって厚膜サーマルヘッドの場合は薄膜サーマルヘッドの場合に比べ、穿孔形状のばらつきが大きくなる。これは印刷物においては、微視的な濃度むらとなり、画質の評価が悪くなる。また、穿孔形状のばらつきは画素に対応する穿孔を連結・拡大させやすく、すでに述べたように裏移りを発生させることになる。
【0017】
特開平5-345401〜3号における実施例は、感熱製版用厚膜サーマルヘッドについて記述している。これらの実施例では、主走査方向および副走査方向の解像度がいずれも明記されていないが、現在のディジタル方式孔版印刷機の主流は、ともに300〜600dpiである。つまり、副走査ピッチは42.3〜84.7μmの程度である。厚膜サーマルヘッドは一般に発熱抵抗体をスクリーン印刷によって主走査方向に連続するパターンとして形成するが、この場合、発熱抵抗体の幅すなわち副走査方向長さを42.3〜84.7μmまたはこれ以下の寸法に形成することは、現在の量産技術では非常に難しい。
【0018】
また、特開平5-345401〜3号で述べられている、発熱素子の主走査方向長さおよび副走査方向長さが穿孔の各方向における直径に等しくなる状態は、非常に特殊なケースだといえる。なぜなら、発熱素子の主走査方向と直交する断面の形状は、副走査方向における発熱素子の中心が最も厚いかまぼこ状となっており、この中心位置から副走査方向に離れるほど、発熱素子の表面と感熱孔版原紙のフィルム面は離れ、伝熱効率が悪くなる。発熱抵抗体の厚さは3〜20μm程度であり、したがって副走査方向における発熱素子の端部と感熱孔版原紙のフィルム面とは、ほぼこの距離だけ離れる。現実的な製版設定において発熱素子が最高温度を与えるタイミングにおいても、発熱素子の端部は中心部(350〜400℃)に比べ温度が低く、フィルムの融点程度(200〜250℃)にしか達しない。この場所から主走査方向および副走査方向に垂直な方向(以下、この方向を“鉛直方向”とよぶ)に例えば10μm離れたフィルム面にまで穿孔が拡大することは一般には難しい。
【0019】
一方、発熱素子の副走査方向と直交する断面の形状は、0.5〜2μm程度の電極の厚さ分の凸凹はあるものの、ほぼフラットな厚さを示す。すでに述べたように、厚膜サーマルヘッドでは発熱抵抗体は主走査方向に連続しており、発熱素子で発生した熱は主走査方向に伝播しやすい。しかもベタ部分においては隣接する発熱素子が同時に発熱するから、発熱抵抗体における隣接する発熱素子の間隙部分の温度は、発熱素子の中心部の温度に比べ、50℃程度しか下がらない(すなわち300〜350℃)。
【0020】
上記のように、厚膜サーマルヘッドの温度コントラストの異方性は非常に強い。このような条件で、発熱素子の主走査方向長さおよび副走査方向長さが各走査ピッチに対して、1より小さいほぼ等しい比率にあって、穿孔の各方向の直径に等しくなるためには、フィルムの熱収縮応力に相当な異方性がなければならないが、現実には非常にまれである。
【0021】
以上により、厚膜サーマルヘッドによる感熱製版は、特開平5-345401〜3号に記述があるものの、主として穿孔の品質上の理由から、その実施には困難な部分が大きい。
【0022】
そこで本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、印刷物において高画質を実現し、裏移りを軽減するための廉価な厚膜プロセスによるサーマルヘッドを用いる感熱製版装置および感熱製版方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明の感熱製版装置は、放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続し副走査方向の断面形状が中心が最も厚いかまぼこ状である発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる少なくとも2系統の電極群が形成され、主走査方向に隣り合う2つの電極は互いに異なる系統となるように配置され、前記発熱抵抗体に接する各電極の形状は平面的に見て直線状であり、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなり、前記発熱抵抗体の中央部の厚さは1μm以上、10μm以下であり、該発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隔は両電極の中心線間の距離の25%以上、50%以下であり、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300 dpi 以上、600 dpi 以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドと感熱孔版原紙とを接触させた状態で該感熱孔版原紙を搬送させる搬送手段と、前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御するとともに、主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をVμm、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、
0.2μm≦V/(dp)≦10μm [1]
の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御する制御部とを有することを特徴とするものである。
【0024】
本発明の他の感熱製版装置は、放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続し副走査方向の断面形状が中心が最も厚いかまぼこ状である発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電極と共通電極とが形成され、前記個別電極と前記共通電極は主走査方向に互いに隣り合うように配置され、前記共通電極は主走査方向に交互に第1共通電極および第2共通電極としてそれぞれが共通に接続され、前記発熱抵抗体に接する各電極の形状は平面的に見て直線状であり、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなり、該発熱抵抗体の中央部の厚さは1μm以上、10μm以下であり、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隔は両電極の中心線間の距離の25%以上、50%以下であり、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300 dpi 以上、600 dpi 以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドと感熱孔版原紙とを接触させた状態で該感熱孔版原紙を搬送させる搬送手段と、前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御するとともに、主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をVμm、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、
0.2μm≦V/(dp)≦10μm [1]
の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御する制御部とを有することを特徴とするものである。
【0025】
本発明のさらに他の感熱製版装置は、放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続し副走査方向の断面形状が中心が最も厚いかまぼこ状である発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電極と共通電極とが形成され、前記個別電極と前記共通電極は主走査方向に互いに隣り合うように配置され、前記共通電極は1系統として共通に接続され、前記発熱抵抗体に接する各電極の形状は平面的に見て直線状であり、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなり、前記発熱抵抗体の中央部の厚さは1μm以上、10μm以下であり、該発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隔の和は前記2つの共通電極の中心線間の距離の25%以上、50%以下であり、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300 dpi 以上、600 dpi 以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドと感熱孔版原紙とを接触させた状態で該感熱孔版原紙を搬送させる搬送手段と、前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御するとともに、主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積の和をVμm、前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極の中心線間の距離をDμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、
0.2μm≦V/(Dp)≦10μm [2]
の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御する制御部とを有することを特徴とするものである。
【0029】
本発明の感熱製版方法は、放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続し副走査方向の断面形状が中心が最も厚いかまぼこ状である発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる少なくとも2系統の電極群が形成され、主走査方向に隣り合う2つの電極は互いに異なる系統となるように配置され、前記発熱抵抗体に接する各電極の形状は平面的に見て直線状であり、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなり、前記発熱抵抗体の中央部の厚さは1μm以上、10μm以下であり、該発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隔は両電極の中心線間の距離の25%以上、50%以下であり、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300 dpi 以上、600 dpi 以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接触させた状態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬送させ、前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御するとともに、主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をVμm、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、
0.2μm≦V/(dp)≦10μm [1]
の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うことを特徴とするものである。
【0030】
本発明の他の感熱製版方法は、放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続し副走査方向の断面形状が中心が最も厚いかまぼこ状である発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電極と共通電極とが形成され、前記個別電極と前記共通電極は主走査方向に互いに隣り合うように配置され、前記共通電極は主走査方向に交互に第1共通電極および第2共通電極としてそれぞれが共通に接続され、前記発熱抵抗体に接する各電極の形状は平面的に見て直線状であり、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなり、該発熱抵抗体の中央部の厚さは1μm以上、10μm以下であり、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隔は両電極の中心線間の距離の25%以上、50%以下であり、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300 dpi 以上、600 dpi 以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接触させた状態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬送させ、前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御するとともに、主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をVμm、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、
0.2μm≦V/(dp)≦10μm [1]
の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うことを特徴とするものである。
【0031】
本発明のさらに他の感熱製版方法は、放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続し副走査方向の断面形状が中心が最も厚いかまぼこ状である発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電極と共通電極とが形成され、前記個別電極と前記共通電極は主走査方向に互いに隣り合うように配置され、前記共通電極は1系統として共通に接続され、前記発熱抵抗体に接する各電極の形状は平面的に見て直線状であり、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなり、前記発熱抵抗体の中央部の厚さは1μm以上、10μm以下であり、該発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隔の和は前記2つの共通電極の中心線間の距離の25%以上、50%以下であり、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300 dpi 以上、600 dpi 以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接触させた状態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬送させ、前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御するとともに、主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積の和をVμm、前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極の中心線間の距離をDμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、
0.2μm≦V/(Dp)≦10μm [2]
の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うことを特徴とするものである。
【0032】
つまり、本発明は、感熱製版装置および感熱製版方法において、厚膜サーマルヘッドが薄膜サーマルヘッドに対して温度レスポンスや温度コントラストが低い点を解決すれば、発熱時の発熱素子の温度分布が明確になり、フィルムは明確な温度分布のパターンにしたがって、ばらつきの少ない穿孔形状を実現することができることに基づく。そして、温度レスポンスや温度コントラストを改善するためには、発熱領域を小さくし、発熱素子の体積を制限すればよいことを見い出した。これらは、厚膜サーマルヘッドにおける発熱素子が薄膜サーマルヘッドにおける発熱素子と異なる一定の体積をもち、そのため特有の発熱状態を示すという知見と、感熱製版が発熱素子に要求する特有の発熱条件についての知見とを考慮することによって得られた。
【0033】
【発明の効果】
上記のような本発明の感熱製版装置および感熱製版方法によれば、サーマルヘッドの発熱抵抗体と電極との関係における各種数値の限定により、感熱孔版原紙の熱可塑性樹脂フィルム上に穿孔を施して感熱孔版印刷版を作製する際に、印刷物において高画質を実現し、裏移りを軽減し、さらに低価格なサーマルヘッドが使用可能になることによって、感熱製版装置および感熱製版方法のコストを抑えることができる。
【0034】
特に、サーマルヘッドの発熱抵抗体の厚さ(“発熱抵抗体の厚さ”または“発熱素子の厚さ”とは、鉛直方向における発熱抵抗体または発熱素子の長さの最大値をいう)に関する特定により、以下の効果がある。発熱抵抗体(発熱素子)の厚さを10μm以下(好ましくは6μm以下)とすることによって熱容量が小さくなるために、印加パルスの断続に対して発熱素子の温度のレスポンスが向上し、発熱素子の副走査方向の温度コントラストが高まり、副走査方向の穿孔形状のばらつきを抑えることができる。同時に、穿孔に必要な発熱素子の温度を与えるためのエネルギーが小さくなり、消費電力を減らすことができる。また、発熱素子の総発熱量が減ることで、製版を連続したときの蓄熱量が小さくなり、印刷物における濃度変化や裏移りの現象を抑えることができる。また、発熱抵抗体の厚さを1μm以上(好ましくは2μm以上)とすることで、これより薄くした際に、厚膜印刷プロセスの精度上、主走査方向の位置に対する発熱抵抗体形状の均一性が大きく低下し、したがって発熱素子の形状、抵抗値、発熱状態がばらつき、得られる穿孔形状もばらつく、等の現象を避けることができる。
【0035】
また、サーマルヘッドの発熱抵抗体上の主走査方向の電極間寸法に関する特定により、以下の効果がある。1ドット記録法において、または、1画素に対応する2つの穿孔を独立させる場合の2ドット記録法において(これらの条件を以下、“1ドット独立穿孔”とよぶ)、発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う各電極の間隔を、両電極の中心線間の距離の60%以下(好ましくは50%以下)とすることによって、発熱素子の主走査方向長さを主走査ピッチの60%以下(好ましくは50%以下)とし、これによって発熱素子の主走査方向の温度コントラストが高まり、主走査方向の穿孔形状のばらつきを抑え、主走査方向の穿孔の連結を防ぐことができる。また、1画素に対応する2つの穿孔は連結するが、画素ごとに穿孔を独立させる場合の2ドット記録法において(この条件を以下、“2ドット独立穿孔”とよぶ)、発熱抵抗体に接する、個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隔の和を、2つの共通電極の中心線間の距離の60%以下(好ましくは50%以下)とすることによって、2つの発熱素子の主走査方向長さの和を主走査ピッチの60%以下(好ましくは50%以下)とし、これによって、各画素間において、発熱素子の主走査方向の温度コントラストが高まり、主走査方向の穿孔形状のばらつきを抑え、主走査方向の穿孔の連結を防ぐことができる。同時に、穿孔に必要な発熱素子の温度を与えるためのエネルギーが小さくなり、消費電力を減らすことができる。また、発熱素子の総発熱量が減ることで、製版を連続したときの蓄熱量が小さくなり、印刷物における濃度変化や裏移りの現象を抑えることができる。また、1ドット独立穿孔時において、発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う各電極の間隔を、両電極の中心線間の距離の20%以上(好ましくは25%以上)とすることで、あるいは、2ドット独立穿孔時において、発熱抵抗体に接する、個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの共通電極との間隔の和を、2つの共通電極の中心線間の距離の20%以上(好ましくは25%以上)とすることで、これより下まわる値とした場合における、フィルムを適正な大きさ(開孔率で30〜40%程度)で穿孔するに必要な主走査方向の温度領域が確保できず、主走査方向における穿孔の大きさが適正値に達せず、印刷物の濃度が不足する、等の現象を解消することができる。
【0036】
さらに、サーマルヘッドの発熱抵抗体の副走査方向の長さに関する特定により、以下の効果がある。1ドット独立穿孔時においては、発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う各電極の間隙部分における発熱抵抗体の副走査方向長さを、副走査ピッチの250%以下(好ましくは200%以下)とし、2ドット独立穿孔時においては、発熱抵抗体に接する、個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの共通電極との間隙部分における発熱抵抗体の副走査方向長さを、副走査ピッチの250%以下(好ましくは200%以下)とすることによって、発熱素子の副走査方向長さを副走査ピッチの250%以下(好ましくは200%以下)とし、これによって副走査方向長さが副走査ピッチの3倍程度である従来の発熱素子に比較して発熱素子の副走査方向の温度コントラストが高まり、副走査方向の穿孔形状のばらつきを抑え、副走査方向の穿孔の連結を防ぐことができる。同時に、穿孔に必要な発熱素子の温度を与えるためのエネルギーが小さくなり、消費電力を減らすことができる。また、発熱素子の総発熱量が減ることで、製版を連続したときの蓄熱量が小さくなり、印刷物における濃度変化や裏移りの現象を抑えることができる。また、1ドット独立穿孔時においては、発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う各電極の間隙部分における発熱抵抗体の副走査方向長さを副走査ピッチの100%以上(好ましくは120%以上)とし、2ドット独立穿孔時においては、発熱抵抗体に接する、個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う共通電極との間隙部分における発熱抵抗体の副走査方向長さを、副走査ピッチの100%以上(好ましくは120%以上)とすることで、発熱素子の副走査方向長さを副走査ピッチの100%以上(好ましくは120%以上)とし、これによって副走査方向長さが副走査ピッチの100%を下まわる値とした際の、フィルムを適正な大きさ(開孔率で30〜40%程度)で穿孔するに必要な副走査方向の温度領域が確保できず、副走査方向における穿孔の大きさが適正値に達せず、印刷物の濃度が不足する、等の現象を解消することができる。
【0037】
一方、サーマルヘッドの発熱素子の体積に関する特定により、以下の効果がある。1ドット独立穿孔時においては、主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う各電極の間隙部分における発熱抵抗体すなわち発熱素子の体積Vμm3と、発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う各電極の中心線間の距離dμmと、副走査ピッチpμmとが、前記式[1]の関係を満たすことによって、また、2ドット独立穿孔時においては、主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が発熱抵抗体に接する個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う共通電極との間隙部分における発熱抵抗体すなわち発熱素子の体積の和Vμm3と、発熱抵抗体に接する個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの共通電極の中心線間の距離Dμmと、副走査ピッチpμmとが、前記式[2]の関係を満たすことによって、任意の解像度に対して最適な発熱素子の大きさを実現し、発熱素子の温度レスポンスや温度コントラストを高く保ち、発熱抵抗体の形状精度を確保し、穿孔に必要な発熱領域を確保することができる。具体的には、V/(dp)またはV/(Dp)を10μm以下(好ましくは5μm以下)にすることによって、任意の解像度に対して発熱素子の温度レスポンスや温度コントラストを高く保つことができ、0.2μm以上(好ましくは0.5μm以上)とすることによって、発熱抵抗体の形状精度を確保し、穿孔に必要な発熱領域を確保することができる。
【0038】
さらに、従来、感熱製版デバイスとして画質上の性能で劣っているという理由で採用できなかった厚膜サーマルヘッドを感熱製版装置および感熱製版方法に使用することが可能となり、薄膜サーマルヘッドを使用する場合に比較して感熱製版装置および感熱製版方法のコストを下げることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は一つの実施の形態の感熱製版装置の概略機構図、図2はサーマルヘッドの要部平面図、図3及び図4は図2のA−A断面図及びB−B断面図である。
【0040】
図1に示す感熱製版装置10において、感熱孔版原紙ロール11から繰り出された感熱孔版原紙12は、搬送経路に沿ってサーマルヘッド1とプラテンローラー14の間に挿入され、プラテンローラー14の回転によって搬送される。
【0041】
前記サーマルヘッド1は、感熱孔版原紙12の幅方向となる主走査方向に配設された発熱抵抗体6を備え、感熱孔版原紙12のフィルム面に接触しながら、原稿画像に対応して、上記発熱抵抗体6に接続された後述の電極に通電され、この電極間の発熱素子が選択的に発熱し、感熱孔版原紙12が送られて副走査方向に順に穿孔する。これにより感熱孔版原紙12のフィルム面に画像状の穿孔像が形成される。なお、ここで感熱孔版原紙12は、熱可塑性樹脂フィルムと支持体とを貼り合わせたものの例で説明しているが、多孔性支持体を有さずフィルム単体でなるものもそのまま適用できるのは言うまでもない。
【0042】
制御部15は、サーマルヘッド1の各発熱素子6a(図2参照)に対する通電を制御するとともに、プラテンローラー14の駆動を図示しないモーターを通じて制御する。したがって、各発熱素子6aに印加する電圧や印加時間および副走査方向のピッチを制御することができる。
【0043】
前記サーマルヘッド1は厚膜プロセスで形成される。その構造は、図2〜図4に概略的に示すように、金属放熱板2上にセラミック等による絶縁性基板3、その上にグレーズ層4が積層される。その上に薄板状の個別電極5aと共通電極5bが、主走査方向Xに交互に、副走査方向Yに延びて設けられている。個別電極5aと共通電極5bは、それぞれ中央部に向けて反対側から延長されて設けられ、この個別電極5aと共通電極5bにまたがるように発熱抵抗体6が主走査方向Xに延長されて設けられる。さらに、露出した個別電極5a、共通電極5b、および、発熱抵抗体6の上面を覆うようにガラス等による保護層7が形成されている。この保護層7の表面が前記感熱孔版原紙12と接触する。
【0044】
また、前記個別電極5aおよび共通電極5bはワイヤーボンディング等により配線され、ドライバーIC等からの通電制御により、隣接する電極5a,5b間における発熱抵抗体6(図2にハッチングで示す発熱領域)が発熱するものであり、この発熱領域が発熱素子6aとなる。
【0045】
なお、前記各個別電極5aおよび/または共通電極5bの、発熱抵抗体6に接して延長される方向は、図示のように副走査方向Yとするほかに、主走査方向Xと交差する任意の角度であってもよい。また、前記各個別電極5aおよび/または共通電極5bは、図示のように発熱抵抗体6を貫通して設けるほかに、貫通せずに発熱抵抗体6の途中まで挿入された構造としてもよい。同様に、前記各個別電極5aおよび/または共通電極5bは、図示のように発熱抵抗体6に接してその下層に設けるほかに、発熱抵抗体6に接してその上層に設ける構造としてもよい。いずれにしても、異なる電位が与えられる電極5a,5b間の電流経路が発熱素子6aとして発熱する。
【0046】
また、本実施の形態では、プラテンローラ14が感熱孔版原紙12の搬送速度を決定する搬送手段として機能しているが、これに限らず、サーマルヘッド1と対向しない他のローラなどが搬送手段として機能しても全く構わない。そのときは、後述する制御部15はそのローラの搬送を制御することとなる。
【0047】
上記サーマルヘッド1を1ドット記録法または2ドット記録法で駆動し、1ドット独立穿孔を行うためには、少なくとも2系統の電極群すなわち前記個別電極5aおよび前記共通電極5bが、主走査方向Xに交互に配設される。各個別電極5aは、スイッチング素子により、画像の各画素のオン/オフ情報に対応して、パルスが印加されて通電される。これにより、前記個別電極5aとこの個別電極5aに隣り合う前記共通電極5bとの間の発熱抵抗体6、すなわち発熱素子6aが各画素に(1ドット記録法では1画素が1つの発熱素子6aに、2ドット記録法では1画素が2つの発熱素子6aに)対応して発熱し、発熱素子6a上の保護層7に接触した感熱孔版原紙12のフィルムが穿孔される。このとき、隣り合う前記電極5a,5bの中心線間の距離dが主走査方向Xの穿孔のピッチに相当し、以下の例ではこの距離dが全て一定の値として設定されている。また、副走査ピッチpも一定の値として設定されている。そして、前記発熱抵抗体6(特に発熱素子6a)の厚さtは、1μm〜10μm好ましくは2μm〜6μmの範囲にあるように形成されている。また、発熱抵抗体6に接して主走査方向Xに隣り合う電極5a,5bの間隔Lx(発熱素子6aの主走査方向長さ)が、両電極5a,5bの中心線間の距離d(主走査方向Xの発熱素子6aのピッチ)の20%〜60%好ましくは25%〜50%の範囲にあるように、電極5a,5bの幅および配設間隔が設定されている。さらに、発熱抵抗体6に接して主走査方向Xに隣り合う各電極5a,5bの間隙部分における発熱抵抗体6(発熱素子6a)の副走査方向Yの長さLyが、副走査ピッチpの100%〜250%好ましくは120%〜200%の範囲にあるように形成されている。一方、前記発熱抵抗体6において、図2のように平面的に見て隣接する電極5a,5bの間隙部分に相当する部分(発熱素子6a)の体積Vμm3を、前記間隙部分を挟んで主走査方向Xに隣り合う各電極5a,5bの中心線間の距離dμmと副走査ピッチpμmとの積で除した値V/(dp)が、0.2μm〜10μm好ましくは0.5μm〜5μmの範囲にあるように設定されている。すなわち、前記式[1]の関係にある。
【0048】
上記サーマルヘッド1を1ドット記録法で駆動し、1ドット独立穿孔を行うためには、前記共通電極5bとして第1共通電極と第2共通電極の2系統の電極が、主走査方向Xに交互に配設される。この第1共通電極と第2共通電極は、異なるタイミングでパルスが印加されて通電される。また、各個別電極5aは、スイッチング素子により、画像の各画素のオン/オフ情報と、第1および第2共通電極の時分割駆動とに対応して、パルスが印加されて通電される。これにより、個別電極5aと第1または第2共通電極5bとの間の発熱抵抗体6、すなわち発熱素子6aが各画素に1対1で対応して発熱し、発熱素子6a上の保護層7に接触した感熱孔版原紙12のフィルムが穿孔される。このとき、隣り合う前記電極5a,5bの中心線間の距離dが主走査ピッチに相当し、以下の例ではこの距離dが全て一定の値として設定されている。また、副走査ピッチpも一定の値として設定されている。そして、前記発熱抵抗体6(特に発熱素子6a)の厚さtは、1μm〜10μm好ましくは2μm〜6μmの範囲にあるように形成されている。また、発熱抵抗体6に接して主走査方向Xに隣り合う電極5a,5bの間隔Lx(発熱素子6aの主走査方向長さ)が、両電極5a,5bの中心線間の距離d(主走査ピッチ)の20%〜60%好ましくは25%〜50%の範囲にあるように、電極5a,5bの幅および配設間隔が設定されている。さらに、発熱抵抗体6に接して主走査方向Xに隣り合う各電極5a,5bの間隙部分における発熱抵抗体6(発熱素子6a)の副走査方向Yの長さLyが、副走査ピッチpの100%〜250%好ましくは120%〜200%の範囲にあるように形成されている。一方、前記発熱抵抗体6において、図2のように平面的に見て隣接する電極5a,5bの間隙部分に相当する部分(発熱素子6a)の体積Vμm3を、前記間隙部分を挟んで主走査方向Xに隣り合う各電極5a,5bの中心線間の距離dμmと副走査ピッチpμmとの積で除した値V/(dp)が、0.2μm〜10μm好ましくは0.5μm〜5μmの範囲にあるように設定されている。すなわち、前記式[1]の関係にある。
【0049】
上記サーマルヘッド1を2ドット記録法で駆動し、1ドット独立穿孔を行うためには、前記共通電極5bが1つの系統に共通に接続され、通電される。また、各個別電極5aは、スイッチング素子により、画像の各画素のオン/オフ情報に対応して、パルスが印加されて通電される。これにより、個別電極5aとその両側の共通電極5bとの間の2つの発熱抵抗体6、すなわち2つの発熱素子6aが1画素に対応して発熱し、発熱素子6a上の保護層7に接触した感熱孔版原紙12のフィルムが穿孔される。このとき、隣り合う前記電極5a,5bの中心線間の距離dの2倍が主走査ピッチに相当し、以下の例ではこの距離dが全て一定の値として設定されている。また、副走査ピッチpも一定の値として設定されている。そして、前記発熱抵抗体6(特に発熱素子6a)の厚さtは、1μm〜10μm好ましくは2μm〜6μmの範囲に形成されている。また、発熱抵抗体6に接する、前記個別電極5aと一方および他方の主走査方向Xに隣り合う2つの前記共通電極5bとの間隔の和Lx+L'x(2つの発熱素子6aの主走査方向長さの和)が、前記2つの共通電極5bの中心線間の距離D(主走査ピッチ)の20%〜60%好ましくは25%〜50%の範囲にあるように、電極5a,5bの幅および配設間隔が設定されている。さらに、発熱抵抗体6に接する、前記個別電極5aと一方および他方の主走査方向Xに隣り合う2つの前記共通電極5bとの間隙部分における発熱抵抗体6(2つの発熱素子6a)の副走査方向Yの長さLyがともに、副走査ピッチpの100%〜250%好ましくは120%〜200%の範囲にあるように形成されている。一方、前記発熱抵抗体6において、図2のように平面的に見て前記個別電極5aと一方および他方の主走査方向Xに隣り合う2つの前記共通電極5bとの間隙部分に相当する部分(2つの発熱素子6a)の体積の和Vμm3を、前記2つの間隙部分を挟んで主走査方向Xに隣り合う前記共通電極5bの中心線間の距離Dμmと副走査ピッチpμmとの積で除した値V/(Dp)が、0.2μm〜10μm好ましくは0.5μm〜5μmの範囲にあるように設定されている。すなわち、前記式[2]の関係にある。
【0050】
上記のような感熱製版装置10に用いるサーマルヘッド1において、その発熱抵抗体6、電極5a,5bの形状寸法等の設定により得られる特性を、図5〜図8に基づき説明する。
【0051】
まず、前記発熱抵抗体6の厚さtに関し、発熱抵抗体6の厚さ特に隣接する電極5a,5b間の発熱素子6aの厚さを10μm以下としている。これにより、図5に示すように、発熱素子6a中央での保護層7表面の温度T1は、印加パルスのオン・オフに応じて応答性よく温度変化が生起する。この図5では、実線で本発明実施形態による厚さの小さい発熱抵抗体6の例を、破線で厚さの大きい発熱抵抗体6による比較例を示している。
【0052】
また、印加パルスが繰り返し作用した際の蓄熱効果に伴い、比較例の厚さが大きいものではこの蓄熱によって温度が徐々に上昇する特性を有するのに対し、本発明の厚さが小さいものではこの温度上昇が小さいという特性を有している。
【0053】
つまり、前述のように、発熱抵抗体6の発熱素子6aの厚さtを小さくしていることで、厚さが10μmを越える従来の発熱素子に比較して熱容量が小さくなるために、印加パルスの断続に対して発熱素子6aの温度のレスポンスが向上し、発熱素子6aの副走査方向Yの温度コントラストが高まり、副走査方向Yの穿孔形状のばらつきを抑えることができる。同時に、穿孔に必要な発熱素子6aの温度を与えるためのエネルギーが小さくなり、消費電力を減らすことができる。また、一般に蓄熱量が大きいと、副走査方向Yに連続する画線部の穿孔の大きさが先端部から後端部にかけて徐々に拡大し、印刷物における濃度変化や裏移りの増加が発生することになるが、発熱素子6aの総発熱量が減ることで、製版を連続したときの蓄熱量が小さくなり、この現象を抑制できる。
【0054】
ただし、発熱素子6aの熱容量を小さくするという観点では発熱抵抗体6の厚さは小さいほどよいが、1μmより小さくすると、厚膜印刷プロセスの精度上、主走査方向Xの位置に対する発熱抵抗体形状の均一性が大きく低下する。発熱抵抗体形状が不均一であれば発熱素子6aの形状、抵抗値、発熱状態がばらつき、得られる穿孔形状もばらつく。この発熱抵抗体形状の不均一を避ける点から、発熱抵抗体6の厚さを1μm以上とする。特に、発熱抵抗体6の厚さtを、2μm以上、6μm以下とすることで、より安定で高品位な穿孔を実現することができる。
【0055】
次に、1ドット独立穿孔時における、前記発熱抵抗体6上の主走査方向Xの電極間寸法Lxすなわち発熱素子6aの主走査方向長さに関し、隣接する電極5a,5bの中心線間の距離dを場所によらず一定とした際に、図7(A)の隣り合う電極5a,5bの間隔Lxが上記距離dに対し60%を越える比較例に対して、図7(B)の本発明のように60%以下とすると、図6に示すように、発熱素子6aの最高温度を与えるタイミングにおける発熱素子6aの主走査方向Xの温度分布T2は、最高温度と最低温度の差すなわち温度コントラストが大きくなる。図6には、図7(B)の本発明によるものを実線で、図7(A)に示す比較例のものを破線で示している。
【0056】
つまり、発熱素子6aの主走査方向長さ(Lxに相当)を主走査方向の穿孔のピッチ(dに相当)の60%以下とすることで、発熱素子6aの主走査方向Xの温度コントラストが高まり、主走査方向Xの穿孔形状のばらつきを抑え、主走査方向Xの穿孔の連結を防ぐことができる。同時に、穿孔に必要な発熱素子6aの温度を与えるためのエネルギーが小さくなり、消費電力を減らすことができる。また、発熱素子6aの総発熱量が減ることで、製版を連続したときの蓄熱量が小さくなり、例えば副走査方向Yに連続する画線部の穿孔の大きさが先端部から後端部にかけて徐々に拡大していき、印刷物における濃度変化や裏移りの増加が発生するという現象を抑えることができる。
【0057】
ただし、発熱素子6aの主走査方向Xの温度コントラストを高めるという観点では、前記間隔Lxは短いほどよいが、前記距離dの20%より小さい値とした場合、フィルムを適正な大きさ(開孔率で30〜40%程度)で穿孔するに必要な主走査方向Xの温度領域が確保できず、主走査方向Xにおける穿孔の大きさが適正値に達せず、印刷物の濃度が不足する。これに対し、前記間隔Lxを前記距離dの20%以上とすることで主走査方向Xにおける穿孔の大きさの低下を避けることができる。特に、前記間隔Lxを前記距離dの25%以上、50%以下とすることで、より安定で高品位な穿孔を実現することができる。
【0058】
次に、2ドット独立穿孔時における、前記発熱抵抗体6上の主走査方向Xの電極間寸法の和Lx+L'xすなわち2つの発熱素子6aの主走査方向長さの和に関し、2つの発熱素子6aを挟んで隣接する電極5bの中心線間の距離Dを場所によらず一定とした際に、図7(A)の個別電極5aと一方および他方の主走査方向Xに隣り合う共通電極5bとの間隔の和Lx+L'xが上記距離Dに対し60%を越える比較例に対して、図7(B)の本発明のように60%以下とすると、図6に示すように、発熱素子6aの最高温度を与えるタイミングにおける発熱素子6aの主走査方向Xの温度分布T2は、最高温度と最低温度の差すなわち温度コントラストが大きくなる。図6には、図7(B)の本発明によるものを実線で、図7(A)に示す比較例のものを破線で示している。
【0059】
つまり、2つの発熱素子6aの主走査方向長さの和(Lx+L'xに相当)を主走査ピッチ(Dに相当)の60%以下とすることで、発熱素子6aの主走査方向Xの温度コントラストが高まり、主走査方向Xの穿孔形状のばらつきを抑え、主走査方向Xの穿孔の連結を防ぐことができる。同時に、穿孔に必要な発熱素子6aの温度を与えるためのエネルギーが小さくなり、消費電力を減らすことができる。また、発熱素子6aの総発熱量が減ることで、製版を連続したときの蓄熱量が小さくなり、例えば副走査方向Yに連続する画線部の穿孔の大きさが先端部から後端部にかけて徐々に拡大していき、印刷物における濃度変化や裏移りの増加が発生するという現象を抑えることができる。
【0060】
ただし、発熱素子6aの主走査方向Xの温度コントラストを高めるという観点では、前記間隔の和Lx+L'xは短いほどよいが、前記距離Dの20%より小さい値とした場合、フィルムを適正な大きさ(開孔率で30〜40%程度)で穿孔するに必要な主走査方向Xの温度領域が確保できず、主走査方向Xにおける穿孔の大きさが適正値に達せず、印刷物の濃度が不足する。これに対し、前記間隔の和Lx+L'xを前記距離Dの20%以上とすることで主走査方向Xにおける穿孔の大きさの低下を避けることができる。特に、前記間隔の和Lx+L'xを前記距離Dの25%以上、50%以下とすることで、より安定で高品位な穿孔を実現することができる。
【0061】
次に、発熱抵抗体6の副走査方向Yの長さLyを、副走査ピッチpの250%以下としていることにより、発熱抵抗体6の副走査方向Yの長さLyが副走査ピッチpの250%を越える比較例に対して、発熱素子6aの最高温度を与えるタイミングにおける発熱素子6aの中央を通る副走査方向Yの温度分布T3は、発熱素子6aの中央から離れるにしたがって温度が低下する際の温度勾配が大きくなる。図8は、横軸の副走査方向Yの位置において、中央に現画素(n番目画素)の、左側に前画素(n−1番目画素)の、右側に次画素(n+1番目画素)のそれぞれ前記温度分布T3を示し、実線で示す本発明によるものでは、画素の間隙部分の温度が低く、破線で示す比較例のものでは画素の間隙部分の温度が高くなっている。
【0062】
つまり、発熱素子6aの副走査方向長さLyを副走査ピッチpの250%以下とし、これによって発熱素子6aの副走査方向長さLyが副走査ピッチpの3倍程度である比較例に対して、発熱素子6aの副走査方向Yの温度コントラストが高まり、副走査方向Yの穿孔形状のばらつきを抑え、副走査方向Yの穿孔の連結を防ぐことができる。同時に、穿孔に必要な発熱素子6aの温度を与えるためのエネルギーが小さくなり、消費電力を減らすことができる。また、発熱素子6aの総発熱量が減ることで、製版を連続したときの蓄熱量が小さくなり、例えば副走査方向Yに連続する画線部の穿孔の大きさが先端部から後端部にかけて徐々に拡大していき、印刷物における濃度変化や裏移りの増加が発生するという現象を抑えることができる。
【0063】
ただし、発熱素子6aの副走査方向Yの温度コントラストを高めるという観点では、発熱抵抗体6の副走査方向長さLyは短いほどよいが、副走査ピッチpの100%より小さい値とした場合、フィルムを適正な大きさ(開孔率で30〜40%程度)で穿孔するに必要な副走査方向Yの温度領域が確保できず、前述のように副走査方向Yにおける穿孔の大きさが適正値に達せず、印刷物の濃度が不足する。これに対し、発熱抵抗体6の副走査方向長さLyを副走査ピッチpの100%以上とすることで、副走査方向Yにおける穿孔の大きさの低下を避けることができる。特に、発熱抵抗体6の副走査方向長さLyを副走査ピッチpの120%以上、200%以下とすることで、より高品位な穿孔を実現することができる。
【0064】
次に、発熱素子6aの体積を前記式[1](1ドット独立穿孔時)または前記式[2](2ドット独立穿孔時)の関係を満たすように設定することで、任意の解像度に対して最適な発熱素子6aの大きさを実現し、発熱素子6aの温度レスポンスや温度コントラストを高く保ち、発熱素子6aの形状精度を確保し、穿孔に必要な発熱領域を確保することができる。ここで、V/(dp)を設定するのは、発熱素子6aの水平投影面積を理論上の画素面積dpに比例させ、発熱素子6aの厚さをdpにかかわらず一定とすべきと考えるためである。前者(投影面積を画素面積に比例させる)の根拠は平面上の穿孔形態が解像度によらず相似であるということ、後者(厚さを一定にする)の根拠は発熱素子6aからフィルムへの熱の伝播が(主走査方向Xと副走査方向Yに直交する)鉛直方向であって(主走査方向Xと副走査方向Yを含む)水平方向の形状には(発熱素子6aのエッジ部の水平方向の伝播を無視すれば)依存しないこと、また現在実用されている感熱製版装置の多くにおいてフィルムの厚さは解像度によらずほぼ一定値で与えられていること、によっている。後述する実施例において前記式[1]または前記式[2]の妥当性を裏づけるデータが得られている。具体的には、V/(dp)またはV/(Dp)を10μm以下にすることによって、任意の解像度に対して発熱素子6aの温度レスポンスや温度コントラストを高く保つことができ、V/(dp)またはV/(Dp)を0.2μm以上とすることによって、発熱素子6aの形状精度を確保し、穿孔に必要な発熱領域を確保することができる。特に、V/(dp)またはV/(Dp)を0.5μm以上、5μm以下とすることで、より安定で高品位な穿孔を実現することができる。
【0065】
以下に各実施例、比較例を示し、その設定条件と評価結果を表1および表2に示す。比較例1、比較例2および実施例1は、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300dpi、1ドット記録法、1ドット独立穿孔の例で、目標開孔率が40%である。比較例3および実施例2は、主走査方向解像度が300dpi、副走査方向解像度が600dpi、2ドット記録法、1ドット独立穿孔の例で、目標開孔率が30%である。この場合、主走査方向解像度は300dpiだが、各穿孔は主走査方向、副走査方向ともに600個/インチで形成される。比較例4、比較例5および実施例3は、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300dpi、2ドット記録法、2ドット独立穿孔の例で、目標開孔率が40%である。この場合、1画素に対応する2つの発熱素子による2つの穿孔は連結し、各画素と各連結した穿孔は1:1で対応する。比較例6、比較例7および実施例4は、主走査方向解像度が300dpi、副走査方向解像度が400dpi、1ドット記録法、1ドット独立穿孔の例で、目標開孔率が37%である。比較例8、比較例9および実施例5は、主走査方向解像度および副走査方向解像度が400dpi、1ドット記録法、1ドット独立穿孔の例で、目標開孔率が35%である。比較例10および実施例6は、主走査方向解像度および副走査方向解像度が600dpi、1ドット記録法、1ドット独立穿孔の例で、目標開孔率が30%である。そして、各実施例および比較例では、上記解像度に応じて電極の中心線間距離dまたはD、および副走査ピッチpが設定され、発熱素子の主走査方向の長さLxまたはLx+L'x(この両者を以下“Lx(+L'x)”と表記する)、副走査方向の長さLy、厚さtが異なる値に設定され、製版条件が調整されている。
【0066】
表1および表2には、上記発熱素子の主走査方向の長さLx(+L'x)、副走査方向の長さLy、厚さtの設定と、主走査方向の記録方式(1ドット記録法/2ドット記録法の別、および1ドット独立穿孔/2ドット独立穿孔の別)を示す。電極の中心線間距離d;Dは、1ドット独立穿孔時(1ドット記録法または2ドット記録法)においては前記距離dを示し、2ドット独立穿孔時(2ドット記録法)においては前記距離Dを示す。主走査方向の発熱素子の長さLx(+L'x)は、1ドット独立穿孔時(1ドット記録法または2ドット記録法)においては1つの発熱素子の長さLxを示し、2ドット独立穿孔時(2ドット記録法)においては1画素に相当する2つの発熱素子の長さの和Lx+L'xを示す。また、それらの設定に伴う、前述の各種条件との適合関係を示す(各種条件の下限値を下回るものを“−”、上限値を上回るものを“+”、下限値から上限値までの範囲に含まれるものを“○”で示す)とともに、製版された原紙の穿孔の評価および印刷物の評価を示している。表1および表2における各種特性の測定方法を説明する。
【0067】
(1)製版条件
いずれの実施例および比較例も、製版は表1および表2に示すそれぞれの条件を満たす実験製版装置によって行った。なお、感熱孔版原紙は理想科学工業社製リソグラフGRマスター78Wを使用した。環境温度は23℃である。
【0068】
(2)式[1]または式[2]の値
式[1]の中辺すなわちV/(dp)、または式[2]の中辺すなわちV/(Dp)の値をμmの単位で示す。式[1]または式[2]は、これらの値が0.2μm以上、10μm以下であることを規定している。
【0069】
(3)穿孔の直径、穿孔面積のSN比、蓄熱の影響
穿孔形状の評価として、穿孔の直径、穿孔面積のSN比、蓄熱の影響を測定する。ここに、穿孔は1画素に対応した独立した開孔部とする。主走査方向または副走査方向における“穿孔の直径”とは、穿孔による感熱孔版原紙のフィルム上の貫通部分の、各々の方向に平行な直線に対する正射影の長さとする。また、“穿孔面積”とは、穿孔による感熱孔版原紙のフィルム上の貫通部分の、フィルム面上に投影される面積とする。“蓄熱の影響”とは、1画面内における、非蓄熱状態での穿孔面積に対する蓄熱状態での穿孔面積の比を%の単位で示す。
【0070】
それぞれの具体的な測定方法は、サーマルヘッドの各部分に蓄熱していない状態(実験はA3版の製版を約5分程度のインターバルで行ったので、非蓄熱状態とみなした)で、A3版1画面の長手方向(この方向を副走査方向とする)に連続するベタのパターンを含む画像を製版し、製版物上のベタパターンの製版開始直後の領域(製版開始ラインから副走査方向の下流に5mm以上、15mm以内。以下、“非蓄熱領域”という)と、1画面内での蓄熱部分の領域(製版開始ラインから副走査方向の下流に300mm以上、310mm以内。以下、“蓄熱領域”という)における、光学顕微鏡を通してCCDカメラで取り込んだ画像から、三谷商事社製の画像解析パッケージMacSCOPEを使用し、フィルム上の100個の穿孔の貫通部分を2値化によって切り出した。
【0071】
穿孔の直径は、非蓄熱領域における各穿孔の直径の平均値とした。穿孔面積のSN比は、非蓄熱領域における各穿孔の面積の望目特性のSN比を求めた。この値が大きいほど、穿孔面積のばらつきが少ない。穿孔面積のSN比は、測定条件によって値が異なるので一元的には評価しにくいが、経験的に、それぞれの穿孔からの均一な転移状態を得るために、現実的には10db以上が必要で、13db以上であれば望ましく、10dbに満たない場合は問題が大きいといえる。
【0072】
蓄熱の影響は、蓄熱領域での穿孔の面積の平均値を、非蓄熱領域での穿孔の面積の平均値で割って求めた。ただし、比較例において、穿孔が副走査方向に連結して独立穿孔が実現できない場合は、穿孔の面積の平均値のかわりに、10×10画素のエリアの平均開孔率を用いた計算値を( )内に記した。いずれも単位は%である。これらの値は、100%に近いほど蓄熱の影響が小さく、100%より大きいほど蓄熱の影響が大きいといえる。
【0073】
(4)印刷条件
いずれの実施例および比較例も、得られた版を手作業で印刷ドラムに着版し、印刷は理想科学工業社製孔版印刷機リソグラフGR377の標準条件(電源オン時の設定)でリソグラフインクGR-HDを使用して行った。印刷用紙は上質紙、環境温度は23℃である。
【0074】
(5)濃度
濃度は、印刷物のベタ部分における光学反射濃度を、印刷物内に配置した10個所の測定部分についてマクベス社製反射濃度計RD-918Sにて測定し、平均値を求めた。
【0075】
(6)ベタの均一性
ベタの均一性は、印刷物のベタ部分において、穿孔形状のばらつきに起因する微視的(周期が1mm程度以下)な場所による濃度のばらつきの程度を主観評価で以下の基準により示す。
◎:まったく濃度ばらつきが感じられない。
○:わずかに濃度ばらつきはあるが、文字原稿のベタ再現性、写真原稿の階調再現性ともに問題ないレベルである。
△:文字原稿のベタ再現性は問題ないが、写真原稿のシャドウ部の階調再現性が劣っている。
×:濃度ばらつきが顕著で、文字原稿のベタ再現性、写真原稿の階調再現性ともに劣っている。
【0076】
(7)細字のかすれ
細字のかすれは、印刷物の細字部分において、穿孔形状のばらつきに起因するかすれ(連続するべきパターンの欠損)の程度を主観評価で以下の基準により示す。
◎:まったくかすれが感じられない。
○:わずかにかすれがあるが、文字原稿の細字(白地に黒文字)の再現性、写真原稿のハイライト部分の階調再現性ともに問題ないレベルである。
△:文字原稿の細字(白地に黒文字)の再現性は問題ないが、写真原稿のハイライト部分の階調再現性が劣っている。
×:かすれが顕著で、文字原稿の細字(白地に黒文字)の再現性、写真原稿のハイライト部分の階調再現性ともに劣っている。
【0077】
(8)細字のつぶれ
細字のつぶれは、印刷物の細字部分において、穿孔形状のばらつきに起因するつぶれ(近接した2つのパターン間にあるべき白地の欠損)の程度を主観評価で以下の基準により示す。
◎:まったくつぶれが感じられない。
○:わずかにつぶれがあるが、文字原稿の細字(黒地に白文字)の再現性、写真原稿のシャドウ部分の階調再現性ともに問題ないレベルである。
△:文字原稿の細字(黒地に白文字)の再現性は問題ないが、写真原稿のシャドウ部分の階調再現性が劣っている。
×:つぶれが顕著で、文字原稿の細字(黒地に白文字)の再現性、写真原稿のシャドウ部分の階調再現性ともに劣っている。
【0078】
(9)裏移り
裏移りは、印刷により積み重ねられた印刷物の裏面が、それに接する直前の印刷物の印刷面に転移したインクによって汚れる程度を主観評価で以下の基準により示す。
◎:まったく裏移りが感じられない。
○:わずかに裏移りがあるが、ベタ部分が大きくインクの転移量が多い原稿においても問題なく、公式な印刷物として許容できるレベルである。
△:細字(白地に黒文字)やハイライトなどのインクの転移量が少ない部分では問題ないが、大きなベタなどのインクの転移量が多い部分においては汚れが目立つ。公式な印刷物としては許容できないが、非公式な印刷物としては使える。
×:裏移りが顕著で、ほとんどすべての原稿部分において汚れが目立つ。非公式な印刷物としても許容できない。
【0079】
表1および表2の結果、(実施例1)は、細字のつぶれについての評価で、わずかにパターンが太くなっている部分があるが、文字の判別や階調再現に問題とはならない。その他の項目はすべて非常に良好な結果を得た。(実施例2)は、細字のかすれについての評価で、わずかにパターンの欠けが生じる傾向があるが、文字の判別や階調再現に問題とはならない。その他の項目は全て非常に良好な結果を得た。(実施例3)は、細字のつぶれについての評価で、わずかにパターンが太くなっている部分があるが、文字の判別や階調再現に問題とはならない。その他の項目は全て非常に良好な結果を得た。(実施例4)は、すべての項目で非常に良好な結果を得た。(実施例5)は、すべての項目で非常に良好な結果を得た。(実施例6)は、細字のかすれについての評価で、わずかにパターンの欠けが生じる傾向があるが、文字の判別や階調再現に問題とはならない。その他の項目はすべて非常に良好な結果を得た。
【0080】
一方、(比較例1)は、穿孔が副走査方向に連結している。したがって、目標の開孔率を実現するために、主走査方向の穿孔の直径が小さくなり、ベタ部分での穿孔状態は副走査方向にのびる縞模様のようになる。また、穿孔が画素毎に独立しないので、穿孔面積のSN比を求めることができないが、発熱素子の温度コントラストや温度レスポンスが悪いために、溶融したフィルムの樹脂(残さ)が支持体繊維や発熱素子との接触が悪い部分に停滞し、局所的な開孔率のばらつきは非常に大きい。また、1画面における総発熱量が大きいために、蓄熱の影響も非常に大きい。これらにより、印刷物上の細字や細かいパターンの再現では、主走査方向と副走査方向の異方性が強く、パターン再現性が劣る。また、印刷物上のベタ部分の再現では、版における局所的な開孔率のばらつきが非常に大きいために、場所による濃度の均一性が劣る。さらに、ベタ部分など印刷物の画像率の高い領域では、連続した穿孔によりインク転移量が過多になり、裏移りが目立つ。また、蓄熱の影響により画面の上部と下部とでベタ部分の濃度の変化が顕著である。
【0081】
(比較例2)は、目標の開孔率の穿孔を得るには発熱素子が小さすぎ、製版の電気的条件(印加エネルギーなど)を強めても、発熱素子の抵抗値変化などの劣化が進行するだけで、穿孔形状は表1の値でほぼ飽和している。したがって穿孔は小さく、開孔率は目標の値に全く及ばない。そのため印刷物の濃度も非常に不足している。
【0082】
(比較例3)は、比較例1とほぼ同様の評価結果である。穿孔は副走査方向に連結してしまい、目標の開孔率を実現するために、主走査方向の穿孔の直径が小さくなり、ベタ部分での穿孔状態は副走査方向にのびる縞模様のようになる。穿孔面積のSN比は求められないが、局所的な開孔率のばらつきは非常に大きい。また、蓄熱の影響も非常に大きい。これらにより、印刷物上の細字や細かいパターンの再現性が劣る。印刷物上のベタ部分の再現では場所による濃度の均一性が劣る。蓄熱の影響により画面の上部と下部とでベタ部分の濃度の変化が認められる。
【0083】
(比較例4)は、比較例1、比較例3とほぼ同様の評価結果である。穿孔は副走査方向に連結してしまい、目標の開孔率を実現するために、主走査方向の穿孔の直径が小さくなり、ベタ部分での穿孔状態は副走査方向にのびる縞模様のようになる。穿孔面積のSN比は求められないが、局所的な開孔率のばらつきは非常に大きい。また、蓄熱の影響も非常に大きい。これらにより、印刷物上の細字や細かいパターンの再現性が劣る。ベタ部分など印刷物の画像率の高い領域では、裏移りが目立つ。印刷物上のベタ部分の再現では場所による濃度の均一性が劣る。蓄熱の影響により画面の上部と下部とでベタ部分の濃度の変化が顕著である。
【0084】
(比較例5)は、比較例2とほぼ同様の評価結果である。目標の開孔率の穿孔を得るには発熱素子が小さすぎ、製版の電気的条件を強めても、発熱素子の劣化が進行するだけで、穿孔形状はほぼ飽和している。穿孔は小さく、開孔率は目標の値に全く及ばず、印刷物の濃度も非常に不足している。
【0085】
(比較例6)は、比較例1、比較例3、比較例4とほぼ同様の評価結果である。穿孔は副走査方向に連結してしまい、目標の開孔率を実現するために、主走査方向の穿孔の直径が小さくなり、ベタ部分での穿孔状態は副走査方向にのびる縞模様のようになる。穿孔面積のSN比は求められないが、局所的な開孔率のばらつきは非常に大きい。また、蓄熱の影響も非常に大きい。これらにより、印刷物上の細字や細かいパターンの再現性が劣る。印刷物上のベタ部分の再現では場所による濃度の均一性が劣る。ベタ部分など印刷物の画像率の高い領域では裏移りが目立つ。蓄熱の影響により画面の上部と下部とでベタ部分の濃度の変化が顕著である。
【0086】
(比較例7)は、比較例2、比較例5とほぼ同様の評価結果である。目標の開孔率の穿孔を得るには発熱素子が小さすぎ、製版の電気的条件を強めても、発熱素子の劣化が進行するだけで、穿孔形状はほぼ飽和している。穿孔は小さく、開孔率は目標の値に全く及ばず、印刷物の濃度も非常に不足している。
【0087】
(比較例8)は、比較例1、比較例3、比較例4、比較例6とほぼ同様の評価結果である。穿孔は副走査方向に連結してしまい、目標の開孔率を実現するために、主走査方向の穿孔の直径が小さくなり、ベタ部分での穿孔状態は副走査方向にのびる縞模様のようになる。穿孔面積のSN比は求められないが、局所的な開孔率のばらつきは非常に大きい。また、蓄熱の影響も非常に大きい。これらにより、印刷物上の細字や細かいパターンの再現性が劣る。印刷物上のベタ部分の再現では場所による濃度の均一性が劣る。ベタ部分など印刷物の画像率の高い領域では裏移りが目立つ。蓄熱の影響により画面の上部と下部とでベタ部分の濃度の変化が顕著である。
【0088】
(比較例9)は、比較例2、比較例5、比較例7とほぼ同様の評価結果である。目標の開孔率の穿孔を得るには発熱素子が小さすぎ、製版の電気的条件を強めても、発熱素子の劣化が進行するだけで、穿孔形状はほぼ飽和している。穿孔は小さく、開孔率は目標の値に全く及ばず、印刷物の濃度も非常に不足している。また、発熱素子の厚さを0.9μmと薄くしたために、発熱素子の形状のばらつきが非常に大きく、したがって穿孔形状のSN比も大きく劣っている。
【0089】
(比較例10)は、比較例1、比較例3、比較例4、比較例6、比較例8とほぼ同様の評価結果である。穿孔は副走査方向に連結してしまい、目標の開孔率を実現するために、主走査方向の穿孔の直径が小さくなり、ベタ部分での穿孔状態は副走査方向にのびる縞模様のようになる。穿孔面積のSN比は求められないが、局所的な開孔率のばらつきは非常に大きい。また、蓄熱の影響も非常に大きい。これらにより、印刷物上の細字や細かいパターンの再現性が劣る。印刷物上のベタ部分の再現では場所による濃度の均一性が劣る。蓄熱の影響により画面の上部と下部とでベタ部分の濃度の変化が認められる。
【0090】
【表1】
Figure 0004208214
【0091】
【表2】
Figure 0004208214

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態による感熱製版装置の概略機構図
【図2】サーマルヘッドの要部平面図
【図3】図2のA−A断面図
【図4】図2のB−B断面図
【図5】発熱素子の厚さに関する印加パルスのオン・オフに対する保護層表面温度の変化を示すグラフ
【図6】発熱素子の副走査方向の幅の大きさを(A)の比較例と、(B)の本発明の実施の形態とで示す概略平面図
【図7】発熱素子の副走査方向の幅の大きさに関する発熱素子の主走査方向の温度分布を示すグラフ
【図8】発熱素子の副走査方向の幅に関する発熱素子の副走査方向の温度分布を示すグラフ
【符号の説明】
1 サーマルヘッド
2 放熱板
3 絶縁性基板
4 グレーズ層
5a 個別電極
5b 共通電極
6 発熱抵抗体
6a 発熱素子
7 保護層
10 感熱製版装置
11 原紙ロール
12 感熱孔版原紙
14 プラテンローラ(搬送手段)
15 制御部
Lx 主走査方向の長さ
Ly 副走査方向の長さ
t 発熱抵抗体の厚さ
d,D 電極の中心線間距離
p 副走査ピッチ
V 発熱素子部分の体積
X 主走査方向
Y 副走査方向

Claims (6)

  1. 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続し副走査方向の断面形状が中心が最も厚いかまぼこ状である発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる少なくとも2系統の電極群が形成され、主走査方向に隣り合う2つの電極は互いに異なる系統となるように配置され、前記発熱抵抗体に接する各電極の形状は平面的に見て直線状であり、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなり、前記発熱抵抗体の中央部の厚さは1μm以上、10μm以下であり、該発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隔は両電極の中心線間の距離の25%以上、50%以下であり、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300 dpi 以上、600 dpi 以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドと感熱孔版原紙とを接触させた状態で該感熱孔版原紙を搬送させる搬送手段と、
    前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御するとともに、
    主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をVμm、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、
    0.2μm≦V/(dp)≦10μm
    の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御する制御部とを有することを特徴とする感熱製版装置。
  2. 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続し副走査方向の断面形状が中心が最も厚いかまぼこ状である発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電極と共通電極とが形成され、前記個別電極と前記共通電極は主走査方向に互いに隣り合うように配置され、前記共通電極は主走査方向に交互に第1共通電極および第2共通電極としてそれぞれが共通に接続され、前記発熱抵抗体に接する各電極の形状は平面的に見て直線状であり、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなり、該発熱抵抗体の中央部の厚さは1μm以上、10μm以下であり、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隔は両電極の中心線間の距離の25%以上、50%以下であり、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300 dpi 以上、600 dpi 以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドと感熱孔版原紙とを接触させた状態で該感熱孔版原紙を搬送させる搬送手段と、
    前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御するとともに、
    主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をVμm、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、
    0.2μm≦V/(dp)≦10μm
    の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御する制御部とを有することを特徴とする感熱製版装置。
  3. 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続し副走査方向の断面形状が中心が最も厚いかまぼこ状である発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電極と共通電極とが形成され、前記個別電極と前記共通電極は主走査方向に互いに隣り合うように配置され、前記共通電極は1系統として共通に接続され、前記発熱抵抗体に接する各電極の形状は平面的に見て直線状であり、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなり、前記発熱抵抗体の中央部の厚さは1μm以上、10μm以下であり、該発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隔の和は前記2つの共通電極の中心線間の距離の25%以上、50%以下であり、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300 dpi 以上、600 dpi 以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドと感熱孔版原紙とを接触させた状態で該感熱孔版原紙を搬送させる搬送手段と、
    前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御するとともに、
    主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積の和をVμm、前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極の中心線間の距離をDμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、
    0.2μm≦V/(Dp)≦10μm
    の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御する制御部とを有することを特徴とする感熱製版装置。
  4. 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続し副走査方向の断面形状が中心が最も厚いかまぼこ状である発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる少なくとも2系統の電極群が形成され、主走査方向に隣り合う2つの電極は互いに異なる系統となるように配置され、前記発熱抵抗体に接する各電極の形状は平面的に見て直線状であり、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなり、前記発熱抵抗体の中央部の厚さは1μm以上、10μm以下であり、該発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隔は両電極の中心線間の距離の25%以上、50%以下であり、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300 dpi 以上、600 dpi 以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接触させた状態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬送させ、
    前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御するとともに、
    主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をVμm、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、
    0.2μm≦V/(dp)≦10μm
    の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うことを特徴とする感熱製版方法。
  5. 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続し副走査方向の断面形状が中心が最も厚いかまぼこ状である発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電極と共通電極とが形成され、前記個別電極と前記共通電極は主走査方向に互いに隣り合うように配置され、前記共通電極は主走査方向に交互に第1共通電極および第2共通電極としてそれぞれが共通に接続され、前記発熱抵抗体に接する各電極の形状は平面的に見て直線状であり、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなり、該発熱抵抗体の中央部の厚さは1μm以上、10μm以下であり、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隔は両電極の中心線間の距離の25%以上、50%以下であり、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300 dpi 以上、600 dpi 以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接触させた状態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬送させ、
    前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御するとともに、
    主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積をVμm、前記発熱抵抗体に接して主走査方向に隣り合う前記各電極の中心線間の距離をdμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、
    0.2μm≦V/(dp)≦10μm
    の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うことを特徴とする感熱製版方法。
  6. 放熱板上に絶縁性基板、グレーズ層、主走査方向に連続し副走査方向の断面形状が中心が最も厚いかまぼこ状である発熱抵抗体が少なくともこの順で積層され、前記発熱抵抗体に接して主走査方向と交差する方向に延びる個別電極と共通電極とが形成され、前記個別電極と前記共通電極は主走査方向に互いに隣り合うように配置され、前記共通電極は1系統として共通に接続され、前記発熱抵抗体に接する各電極の形状は平面的に見て直線状であり、前記発熱抵抗体と前記各電極の露出部分を覆う保護層が形成されてなり、前記発熱抵抗体の中央部の厚さは1μm以上、10μm以下であり、該発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隔の和は前記2つの共通電極の中心線間の距離の25%以上、50%以下であり、主走査方向解像度および副走査方向解像度が300 dpi 以上、600 dpi 以下である厚膜プロセスによるサーマルヘッドに、感熱孔版原紙を接触させた状態で搬送手段により該感熱孔版原紙を搬送させ、
    前記サーマルヘッドの前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隙部分における前記発熱抵抗体の副走査方向の長さが副走査ピッチの100%以上、250%以下となるように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御するとともに、
    主走査方向と副走査方向を含む平面上の位置が、前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極との間隙部分における、前記発熱抵抗体の体積の和をVμm、前記発熱抵抗体に接する、前記個別電極と一方および他方の主走査方向に隣り合う2つの前記共通電極の中心線間の距離をDμm、副走査ピッチをpμmとしたとき、
    0.2μm≦V/(Dp)≦10μm
    の関係を満たすように、前記サーマルヘッドと前記搬送手段とを制御し、前記感熱孔版原紙の穿孔製版を行うことを特徴とする感熱製版方法。
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