JP3545817B2 - 感熱孔版製版装置及びそのマスタ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版用のマスタに対してサーマルヘッドを用いて穿孔画像を形成する感熱孔版製版装置及び感熱孔版用のマスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
簡便な印刷方式として、図4に示すような、デジタル式感熱孔版印刷装置がよく知られている。この印刷装置は、マスタロール41から繰り出される感熱孔版用のマスタ41aに主走査方向に1列に配列された抵抗発熱素子48を有するサーマルヘッド42を接触させ、抵抗発熱素子48の配列方向に直交する副走査方向へマスタ41aをプラテンローラ43によりサーマルヘッド42と相対的に移動させ、抵抗発熱素子48の選択的加熱によりドットマトリクス式に穿孔画像を形成し、この穿孔画像が形成されたマスタ41aを搬送ローラ対44により搬送して版胴47の外周面に自動的に巻き付け、カッタ手段49の回転刃によりマスタ41aを切断し、マスタ41aに印刷用紙45をプレスローラ46によって連続的に押し付けて、マスタ41aの穿孔部よりインキを滲み出させて印刷を行っている。
【0003】
同図において、符号47aは、マスタ41aをクランプするクランプ手段を表している。印刷された印刷用紙45は、版胴47の外周面より剥離搬送手段60で剥離され、排紙トレイ上に積載される。一方、版胴47上の使用済みマスタは排版手段70で、版胴47上から剥離され排版ボックスへ廃棄される。また、符号50は、原稿を読み取る原稿読取手段を表している。
【0004】
上記マスタは、非常に薄いポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルム(以下、単に「フィルム」という)と、多孔質の可撓性の支持体として合成繊維や和紙、或いは和紙及び合成繊維を混抄したものとを貼り合わせたラミネート構造となっており、フィルムの表面にはサーマルヘッド表面との融着と、帯電防止のためにオーバーコート層が設けられている。このようなマスタを使用する感熱孔版製版装置の一例としては、特開平5−221108号公報に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記マスタは、その支持体として和紙等を使用しているため和紙繊維が絡み合った部分においてはインキの通過が阻害されインキが印刷用紙に転移せずに、ベタ部に繊維模様が出たり、細線等がかすれる俗に言う繊維目という不具合が発生する。また印刷時において、インキの通過が和紙により遮られるので、画像の立上りが悪く、無駄なヤレ紙が発生するという問題がある。
【0006】
そこで、特開平5−220919号公報に示されている如く、支持体となる和紙等を使用しないでフィルム単体のみからなるマスタで印刷を行うと、繊維目の発生を防止できるると共に画像の立上りを良くすることができるが、穿孔画像形成時において、マスタに熱的なストレスがかかるために、マスタに縮みやシワが発生する。この縮みやシワは、とくにベタ画像が多い場合に顕著に発生する。この縮みやシワのあるマスタを用いて印刷を行うと、印刷画像のベタ部の端部が鋸状になったり、ベタ部に白抜けが発生するという問題がある。
【0007】
このようなマスタに発生する縮みやシワを防止する方法として、マスタの副走査方向に張力を与える方法や、製版後のマスタをプラテンローラとサーマルヘッドのニップ、或いは、外部冷却器で冷却する方法が考え出されている。
【0008】
しかしながら、上述の張力を与える方法には、複雑なテンション機構が必要となり、また、そのテンション値も大きな値を均等にマスタに付与しなければならず機構が複雑になるという問題がある。上述の冷却する方法には、マスタの送り精度が悪くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであり、製版時にマスタに縮みやシワの発生しない感熱孔版製版装置及びそのマスタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、主走査方向に配列した複数の抵抗発熱素子を有するサーマルヘッドを、上記抵抗発熱素子に対向し、上記抵抗発熱素子と略平行に配置されたプラテンローラの押圧により、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版用のマスタに接触させ、上記抵抗発熱素子の配列方向に直交する副走査方向に上記マスタを上記サーマルヘッドに相対的に移動させ、上記抵抗発熱素子の選択的加熱により穿孔画像の形成を行う感熱孔版製版装置において、上記プラテンローラの表面に熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を有する材料で多孔性層を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の感熱孔版製版装置において、上記多孔性層の実質的な目の細かさσ(DPI)が、上記サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rであることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、主走査方向に配列した複数の抵抗発熱素子を有するサーマルヘッドを、上記抵抗発熱素子に対向し、上記抵抗発熱素子と略平行に配置されたプラテンローラの押圧により、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版用のマスタに接触させ、上記抵抗発熱素子の配列方向に直交する副走査方向に上記マスタを上記サーマルヘッドに相対的に移動させ、上記抵抗発熱素子の選択的加熱により穿孔画像の形成を行う感熱孔版製版装置において、上記プラテンローラは、その表面に熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であり、かつ、その目の細かさσ(DPI)が、上記サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rである多孔性層を有することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の感熱孔版製版装置において、上記サーマルヘッドに接触する面にのみ、帯電防止及び熱融着を防止する機能層を有する感熱孔版用のマスタを用いることを特徴とする。
【0015】
ここに、副走査方向とは感熱孔版用のマスタの搬送方向をいい、主走査方向とは、副走査方向に直交する方向をいう。
【0016】
本発明の感熱孔版製版装置及びそのマスタに適用される熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステル系、ナイロン系、塩化ビニル系等の熱可塑性樹脂を押し出し法や流延法等でフィルム状に形成したものであれば良い。また、このマスタは、厚さが範囲が2μm〜10μm、溶融開始点が260°C以下、結晶融解熱が50J/g以下の特性値を持つものが穿孔性の観点から望ましい。
【0017】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタの機能層に適用される融着防止剤又は帯電防止剤としては、リン酸エステル型界面活性剤、シリコン系滑剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩、第4アンモニウム塩等の組成から成る一般的なものであって、少なくとも融着防止又は帯電防止の何れか一方の機能を有する。また、機能層は、マスタのサーマルヘッド面側に、塗布等の手段により形成されていても、マスタ内部にサーマルヘッド面側に偏在する形で、存在していてもかまわない。
【0018】
本発明の感熱孔版製版装置に適用されるサーマルヘッドとしては、その抵抗発熱素子の発熱体材質がTa−N系、Ta−SiO2系等からなる一般的なサーマルヘッドであって、発熱体面積、発熱体解像度や発熱体形状なども特に制約されない。また、発熱量を制御するための熱履歴制御機構や温度制御機構が付随されていても構わない。
【0019】
本発明の感熱孔版製版装置に適用されるプラテンローラとしては、その材質がシリコンゴム系、フッ素ゴム系等からなる一般的なローラであって、大きさ、形状、硬度や表面加工(例えば、コーティング処理や発泡処理)等も特に制約されない。
【0020】
請求項1記載の発明によれば、熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であるプラテンローラの多孔性層は、穿孔時にマスタに伝導される熱を逃がす。
【0021】
請求項2記載の発明によれば、熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であり、かつ、その目の細かさσ(DPI)が、サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rであるプラテンローラの多孔性層は、穿孔時にマスタに伝導される熱を逃がす。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、表面に熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であり、かつ、その目の細かさσ(DPI)が、サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rであるプラテンローラの多孔性層は、穿孔時にマスタに伝導される熱を逃がす。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1において、符号100は孔版印刷装置における感熱孔版製版装置を、符号7は版胴をそれぞれ表す。
感熱孔版製版装置100は、マスタ1を支持する軸1sと、マスタ1を副走査方向Fへ搬送するプラテンローラ3と、プラテンローラ3と平行に延在していて、プラテンローラ3に対して接離自在に設けられたサーマルヘッド2と、マスタ1を巻き取る巻取軸4とから主に構成されている。
【0026】
軸1sと巻取軸4とプラテンローラ3とは、版胴7に付随して回転する一体型の構造になっている。
【0027】
マスタ1は、厚さ3.5μm、幅320mmのポリエステル等により形成されロール状に巻かれ、軸1sに繰り出し可能に支持されている。マスタ1のサーマルヘッド2と接する面には、図2に示すように、帯電防止又は熱融着を防止する機能層1aが形成されている。機能層1aは、シリコン系の滑剤とリン酸エステル系界面活性剤との混合液をマスタ1に塗布して形成される。
【0028】
機能層1aを設けることにより、マスタ1のプラテンローラ3側の面における帯電電圧が0〜500Vであるのに対し、マスタ1の機能層1aの面における帯電電圧が0〜50V程度まで抑えられ、サーマルヘッド2に悪影響、例えば、絶縁破壊による耐圧低下や寿命低下を防止できる。さらに、マスタ1とプラテンローラ3との間に発生する静電気を利用して、製版時にマスタ1をミクロ的に保持、固定できる。
【0029】
なお、帯電防止又は熱融着を防止する機能層1aを全く設けないと、マスタ1の搬送時に、スティッキングや貼り付きを起こすだけでなく、帯電電圧も0〜2kV程度まで上がり、サーマルヘッド2に上述の悪影響を及ぼす可能性があり、実用にならない。
【0030】
プラテンローラ3は、硬度43°のシリコンゴムを径10mmの芯金に、主走査方向の長さを320mm、ゴム厚を5mm、中心線平均粗さを0.8Raに形成され、図示しないステッピングモータにより回転駆動される。
【0031】
サーマルヘッド2は、主走査方向に1列に配列された複数の抵抗発熱素子8と、この抵抗発熱素子8を保持・冷却するホルダ部とにより主に構成されている。サーマルヘッド2は、図示しない手段により、プラテンローラ3に対して接離自在に設けられている。サーマルヘッド2は、原稿読取部30のA/D変換部及び制御手段で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づきマスタ1を選択的に溶融、穿孔し、穿孔画像を形成する周知の機能を有する。
【0032】
なお、本実施例において、サーマルヘッド2は、400DPI(dot/inch)の画素密度の矩形の抵抗発熱素子8を有し、これらの抵抗発熱素子8が主走査方向に293mm(A3対応)の長さにわたって4608個、1列に一定ピッチで配列され、第1乃至第4のブロックに分割されている。抵抗発熱素子8の発熱体面積は30μm×40μmである。
【0033】
版胴7の内部には、版胴7の内周面にインキを供給するインキロ−ラ9とインキロ−ラ9との間にインキ溜り10を形成するドクタローラ11とからなるインキ供給手段が設けられている。
【0034】
インキローラ9と対向する版胴7の外周面には、印刷用紙Pを版胴7にマスタ1を介して押し付ける圧胴12が配置されている。圧胴12には、版胴7の回転時に版胴7と一体の軸1s、プラテンローラ3、巻取軸4との干渉を避けるために凹部12aが形成されている。
【0035】
図1において、圧胴12の右側には、圧胴12に印刷用紙Pを供給する給紙装置110が配置されている。給紙装置110は、印刷用紙Pを載置する台13と、台13に載置された印刷用紙Pを給紙する給紙ローラ14と、給紙ローラ14により給紙された印刷用紙Pを一枚づつに分離する上下分離コロ15、16とから主に構成されている。同図において符号17は、印刷された印刷用紙Pを積載する排紙トレイを表している。
【0036】
次に、この感熱孔版製版装置100の動作について以下に記す。
マスタ1は、図1に示すように、その先端部を軸1sから繰り出されて、版胴7の外周面を通して巻取軸4に巻きつけられた状態で待機している。図示しない製版スタートキーを押すことにより製版指令が図示しないステッピングモータに送出されてプラテンローラ3及び巻取軸4が回転を始めると共に、原稿読取部30から送出されるデジタル画像信号によって、マスタ1を挾んでプラテンローラ3に圧接しているサーマルヘッド2の抵抗発熱素子8が選択的に発熱され、マスタ1が選択的に溶融、穿孔され、穿孔画像が形成される。この時、マスタ1は、プラテンローラ3とマスタ1との間に発生する静電気により、プラテンローラ3の表面にミクロ的に保持、固定される。
【0037】
プラテンローラ3及び巻取軸4の更なる回転により、マスタ1が版胴7の外周面に巻装された後、印刷工程が開始される。
【0038】
まず、給紙装置110の台13上の印刷用紙Pは、給紙ローラ14により上下分離コロ15、16間に給送され、一枚ずつに分離されて、所定のタイミングで圧胴12に向けて搬送される。
【0039】
版胴7の外周面に巻装しているマスタ1に、印刷用紙Pが圧胴12により押しつけられる。この時、インキ溜り10のインキはインキローラ9の回転によりインキローラ9の表面に付着され、インキローラ9とドクターローラ11との間隙を通過する際にその量を規制されマスタ1に供給される。
【0040】
マスタ1に供給されたインキは、矢印方向に回転する版胴7のマスタ1に印刷用紙Pが押圧されることにより、マスタ1の穿孔部分から印刷用紙Pの表面に転移し印刷に供される。そして、印刷された印刷用紙Pは、圧胴12の外周面から剥離され排紙トレイ17に排出されて、最初の1枚目の印刷が終了する。次に上記動作と同様の動作により所定枚数の印刷が順次連続的に行われる。
【0041】
プラテンローラ3の表面粗さRaとマスタ1に対する機能層1aの形成の有無とを組み合わせて実験を行なった結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1に示されているように、プラテンローラ3の表面の中心線平均粗さRaが12.5を超えた場合と、マスタ1のプラテンローラ3側にも機能層を形成した場合には、プラテンローラ3によるマスタ1のミクロ的な保持、固定が効かなくなり、製版シワが増加してくる。従って、マスタ1の機能層1aは、サーマルヘッド2側のみに形成し、プラテンローラ3の表面の中心線平均粗さRaは、12.5以下が望ましい。
【0044】
図3に別のプラテンローラ20の例を示す。
プラテンローラ20の表面には、良好な熱伝導率を持つ多孔性の材料で形成された多孔性層21が形成されている。多孔性層21は、本例において、金属製の材料のメッシュが用いられているが、これに縛られるものではなく、例えば、発泡させたプラテンローラ20の表面に金属薄膜を蒸着させたものなどでも良い。
【0045】
多孔性層21の熱伝導率W/(m・K)と多孔性層21の目の細かさσとを変化させて実験を行なった結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
表2に示されているように、熱伝導率W/(m・K)の低い材料で多孔性層21を形成した場合には、サーマルヘッド2の熱の拡散が適度に均等化されず、製版シワがあまり抑制されない。しかし、熱伝導率W/(m・K)が良好な材料を使用しても、目の細かさσが細か過ぎると、熱拡散による損失が大きくなり過ぎ、穿孔できなくなり、目の細かさσが粗過ぎると、穿孔ムラを引き起こしてしまう。従って、多孔性層21を形成する材料の熱伝導率W/(m・K)は、10[W/(m・K)]以上であり、かつ、その目の細かさσ(DPI)は、r≦σ≦10×rであることが必要である。ここでrはサーマルヘッド2の記録密度DPI、σは多孔性層21の実質的な目の細かさDPIを表している。
【0048】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であるプラテンローラの多孔性層が、穿孔時にマスタに伝導される熱を逃がすので、熱収縮による製版シワを抑制することができ、製版シワの少ない良好な製版を行なえる。
【0049】
請求項2記載の発明によれば、熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であり、かつ、その目の細かさσ(DPI)が、サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rであるプラテンローラの多孔性層が穿孔時にマスタに伝導される熱を逃がすので、熱収縮による製版シワを抑制することができ、製版シワの少ない良好な製版を行なえる。
【0050】
請求項3記載の発明によれば、表面に熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であり、かつ、その目の細かさσ(DPI)が、サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rであるプラテンローラの多孔性層が、穿孔時にマスタに伝導される熱を逃がすので、熱収縮による製版シワを抑制することができ、製版シワの少ない良好な製版を行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す感熱孔版製版装置が適用される印刷装置の概略側面図である。
【図2】図1に示す感熱孔版製版装置の要部を示す側面図である。
【図3】他の感熱孔版製版装置のプラテンローラを示す側面図である。
【図4】従来の感熱孔版製版装置が適用された印刷装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1 マスタ
1a 機能層
2 サーマルヘッド
3、20 プラテンローラ
4 巻取軸
7 版胴
8 抵抗発熱素子
21 多孔性層
30 原稿読取部
100 感熱製版装置
【産業上の利用分野】
本発明は、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版用のマスタに対してサーマルヘッドを用いて穿孔画像を形成する感熱孔版製版装置及び感熱孔版用のマスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
簡便な印刷方式として、図4に示すような、デジタル式感熱孔版印刷装置がよく知られている。この印刷装置は、マスタロール41から繰り出される感熱孔版用のマスタ41aに主走査方向に1列に配列された抵抗発熱素子48を有するサーマルヘッド42を接触させ、抵抗発熱素子48の配列方向に直交する副走査方向へマスタ41aをプラテンローラ43によりサーマルヘッド42と相対的に移動させ、抵抗発熱素子48の選択的加熱によりドットマトリクス式に穿孔画像を形成し、この穿孔画像が形成されたマスタ41aを搬送ローラ対44により搬送して版胴47の外周面に自動的に巻き付け、カッタ手段49の回転刃によりマスタ41aを切断し、マスタ41aに印刷用紙45をプレスローラ46によって連続的に押し付けて、マスタ41aの穿孔部よりインキを滲み出させて印刷を行っている。
【0003】
同図において、符号47aは、マスタ41aをクランプするクランプ手段を表している。印刷された印刷用紙45は、版胴47の外周面より剥離搬送手段60で剥離され、排紙トレイ上に積載される。一方、版胴47上の使用済みマスタは排版手段70で、版胴47上から剥離され排版ボックスへ廃棄される。また、符号50は、原稿を読み取る原稿読取手段を表している。
【0004】
上記マスタは、非常に薄いポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルム(以下、単に「フィルム」という)と、多孔質の可撓性の支持体として合成繊維や和紙、或いは和紙及び合成繊維を混抄したものとを貼り合わせたラミネート構造となっており、フィルムの表面にはサーマルヘッド表面との融着と、帯電防止のためにオーバーコート層が設けられている。このようなマスタを使用する感熱孔版製版装置の一例としては、特開平5−221108号公報に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記マスタは、その支持体として和紙等を使用しているため和紙繊維が絡み合った部分においてはインキの通過が阻害されインキが印刷用紙に転移せずに、ベタ部に繊維模様が出たり、細線等がかすれる俗に言う繊維目という不具合が発生する。また印刷時において、インキの通過が和紙により遮られるので、画像の立上りが悪く、無駄なヤレ紙が発生するという問題がある。
【0006】
そこで、特開平5−220919号公報に示されている如く、支持体となる和紙等を使用しないでフィルム単体のみからなるマスタで印刷を行うと、繊維目の発生を防止できるると共に画像の立上りを良くすることができるが、穿孔画像形成時において、マスタに熱的なストレスがかかるために、マスタに縮みやシワが発生する。この縮みやシワは、とくにベタ画像が多い場合に顕著に発生する。この縮みやシワのあるマスタを用いて印刷を行うと、印刷画像のベタ部の端部が鋸状になったり、ベタ部に白抜けが発生するという問題がある。
【0007】
このようなマスタに発生する縮みやシワを防止する方法として、マスタの副走査方向に張力を与える方法や、製版後のマスタをプラテンローラとサーマルヘッドのニップ、或いは、外部冷却器で冷却する方法が考え出されている。
【0008】
しかしながら、上述の張力を与える方法には、複雑なテンション機構が必要となり、また、そのテンション値も大きな値を均等にマスタに付与しなければならず機構が複雑になるという問題がある。上述の冷却する方法には、マスタの送り精度が悪くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであり、製版時にマスタに縮みやシワの発生しない感熱孔版製版装置及びそのマスタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、主走査方向に配列した複数の抵抗発熱素子を有するサーマルヘッドを、上記抵抗発熱素子に対向し、上記抵抗発熱素子と略平行に配置されたプラテンローラの押圧により、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版用のマスタに接触させ、上記抵抗発熱素子の配列方向に直交する副走査方向に上記マスタを上記サーマルヘッドに相対的に移動させ、上記抵抗発熱素子の選択的加熱により穿孔画像の形成を行う感熱孔版製版装置において、上記プラテンローラの表面に熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を有する材料で多孔性層を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の感熱孔版製版装置において、上記多孔性層の実質的な目の細かさσ(DPI)が、上記サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rであることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、主走査方向に配列した複数の抵抗発熱素子を有するサーマルヘッドを、上記抵抗発熱素子に対向し、上記抵抗発熱素子と略平行に配置されたプラテンローラの押圧により、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版用のマスタに接触させ、上記抵抗発熱素子の配列方向に直交する副走査方向に上記マスタを上記サーマルヘッドに相対的に移動させ、上記抵抗発熱素子の選択的加熱により穿孔画像の形成を行う感熱孔版製版装置において、上記プラテンローラは、その表面に熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であり、かつ、その目の細かさσ(DPI)が、上記サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rである多孔性層を有することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の感熱孔版製版装置において、上記サーマルヘッドに接触する面にのみ、帯電防止及び熱融着を防止する機能層を有する感熱孔版用のマスタを用いることを特徴とする。
【0015】
ここに、副走査方向とは感熱孔版用のマスタの搬送方向をいい、主走査方向とは、副走査方向に直交する方向をいう。
【0016】
本発明の感熱孔版製版装置及びそのマスタに適用される熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステル系、ナイロン系、塩化ビニル系等の熱可塑性樹脂を押し出し法や流延法等でフィルム状に形成したものであれば良い。また、このマスタは、厚さが範囲が2μm〜10μm、溶融開始点が260°C以下、結晶融解熱が50J/g以下の特性値を持つものが穿孔性の観点から望ましい。
【0017】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタの機能層に適用される融着防止剤又は帯電防止剤としては、リン酸エステル型界面活性剤、シリコン系滑剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩、第4アンモニウム塩等の組成から成る一般的なものであって、少なくとも融着防止又は帯電防止の何れか一方の機能を有する。また、機能層は、マスタのサーマルヘッド面側に、塗布等の手段により形成されていても、マスタ内部にサーマルヘッド面側に偏在する形で、存在していてもかまわない。
【0018】
本発明の感熱孔版製版装置に適用されるサーマルヘッドとしては、その抵抗発熱素子の発熱体材質がTa−N系、Ta−SiO2系等からなる一般的なサーマルヘッドであって、発熱体面積、発熱体解像度や発熱体形状なども特に制約されない。また、発熱量を制御するための熱履歴制御機構や温度制御機構が付随されていても構わない。
【0019】
本発明の感熱孔版製版装置に適用されるプラテンローラとしては、その材質がシリコンゴム系、フッ素ゴム系等からなる一般的なローラであって、大きさ、形状、硬度や表面加工(例えば、コーティング処理や発泡処理)等も特に制約されない。
【0020】
請求項1記載の発明によれば、熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であるプラテンローラの多孔性層は、穿孔時にマスタに伝導される熱を逃がす。
【0021】
請求項2記載の発明によれば、熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であり、かつ、その目の細かさσ(DPI)が、サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rであるプラテンローラの多孔性層は、穿孔時にマスタに伝導される熱を逃がす。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、表面に熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であり、かつ、その目の細かさσ(DPI)が、サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rであるプラテンローラの多孔性層は、穿孔時にマスタに伝導される熱を逃がす。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1において、符号100は孔版印刷装置における感熱孔版製版装置を、符号7は版胴をそれぞれ表す。
感熱孔版製版装置100は、マスタ1を支持する軸1sと、マスタ1を副走査方向Fへ搬送するプラテンローラ3と、プラテンローラ3と平行に延在していて、プラテンローラ3に対して接離自在に設けられたサーマルヘッド2と、マスタ1を巻き取る巻取軸4とから主に構成されている。
【0026】
軸1sと巻取軸4とプラテンローラ3とは、版胴7に付随して回転する一体型の構造になっている。
【0027】
マスタ1は、厚さ3.5μm、幅320mmのポリエステル等により形成されロール状に巻かれ、軸1sに繰り出し可能に支持されている。マスタ1のサーマルヘッド2と接する面には、図2に示すように、帯電防止又は熱融着を防止する機能層1aが形成されている。機能層1aは、シリコン系の滑剤とリン酸エステル系界面活性剤との混合液をマスタ1に塗布して形成される。
【0028】
機能層1aを設けることにより、マスタ1のプラテンローラ3側の面における帯電電圧が0〜500Vであるのに対し、マスタ1の機能層1aの面における帯電電圧が0〜50V程度まで抑えられ、サーマルヘッド2に悪影響、例えば、絶縁破壊による耐圧低下や寿命低下を防止できる。さらに、マスタ1とプラテンローラ3との間に発生する静電気を利用して、製版時にマスタ1をミクロ的に保持、固定できる。
【0029】
なお、帯電防止又は熱融着を防止する機能層1aを全く設けないと、マスタ1の搬送時に、スティッキングや貼り付きを起こすだけでなく、帯電電圧も0〜2kV程度まで上がり、サーマルヘッド2に上述の悪影響を及ぼす可能性があり、実用にならない。
【0030】
プラテンローラ3は、硬度43°のシリコンゴムを径10mmの芯金に、主走査方向の長さを320mm、ゴム厚を5mm、中心線平均粗さを0.8Raに形成され、図示しないステッピングモータにより回転駆動される。
【0031】
サーマルヘッド2は、主走査方向に1列に配列された複数の抵抗発熱素子8と、この抵抗発熱素子8を保持・冷却するホルダ部とにより主に構成されている。サーマルヘッド2は、図示しない手段により、プラテンローラ3に対して接離自在に設けられている。サーマルヘッド2は、原稿読取部30のA/D変換部及び制御手段で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づきマスタ1を選択的に溶融、穿孔し、穿孔画像を形成する周知の機能を有する。
【0032】
なお、本実施例において、サーマルヘッド2は、400DPI(dot/inch)の画素密度の矩形の抵抗発熱素子8を有し、これらの抵抗発熱素子8が主走査方向に293mm(A3対応)の長さにわたって4608個、1列に一定ピッチで配列され、第1乃至第4のブロックに分割されている。抵抗発熱素子8の発熱体面積は30μm×40μmである。
【0033】
版胴7の内部には、版胴7の内周面にインキを供給するインキロ−ラ9とインキロ−ラ9との間にインキ溜り10を形成するドクタローラ11とからなるインキ供給手段が設けられている。
【0034】
インキローラ9と対向する版胴7の外周面には、印刷用紙Pを版胴7にマスタ1を介して押し付ける圧胴12が配置されている。圧胴12には、版胴7の回転時に版胴7と一体の軸1s、プラテンローラ3、巻取軸4との干渉を避けるために凹部12aが形成されている。
【0035】
図1において、圧胴12の右側には、圧胴12に印刷用紙Pを供給する給紙装置110が配置されている。給紙装置110は、印刷用紙Pを載置する台13と、台13に載置された印刷用紙Pを給紙する給紙ローラ14と、給紙ローラ14により給紙された印刷用紙Pを一枚づつに分離する上下分離コロ15、16とから主に構成されている。同図において符号17は、印刷された印刷用紙Pを積載する排紙トレイを表している。
【0036】
次に、この感熱孔版製版装置100の動作について以下に記す。
マスタ1は、図1に示すように、その先端部を軸1sから繰り出されて、版胴7の外周面を通して巻取軸4に巻きつけられた状態で待機している。図示しない製版スタートキーを押すことにより製版指令が図示しないステッピングモータに送出されてプラテンローラ3及び巻取軸4が回転を始めると共に、原稿読取部30から送出されるデジタル画像信号によって、マスタ1を挾んでプラテンローラ3に圧接しているサーマルヘッド2の抵抗発熱素子8が選択的に発熱され、マスタ1が選択的に溶融、穿孔され、穿孔画像が形成される。この時、マスタ1は、プラテンローラ3とマスタ1との間に発生する静電気により、プラテンローラ3の表面にミクロ的に保持、固定される。
【0037】
プラテンローラ3及び巻取軸4の更なる回転により、マスタ1が版胴7の外周面に巻装された後、印刷工程が開始される。
【0038】
まず、給紙装置110の台13上の印刷用紙Pは、給紙ローラ14により上下分離コロ15、16間に給送され、一枚ずつに分離されて、所定のタイミングで圧胴12に向けて搬送される。
【0039】
版胴7の外周面に巻装しているマスタ1に、印刷用紙Pが圧胴12により押しつけられる。この時、インキ溜り10のインキはインキローラ9の回転によりインキローラ9の表面に付着され、インキローラ9とドクターローラ11との間隙を通過する際にその量を規制されマスタ1に供給される。
【0040】
マスタ1に供給されたインキは、矢印方向に回転する版胴7のマスタ1に印刷用紙Pが押圧されることにより、マスタ1の穿孔部分から印刷用紙Pの表面に転移し印刷に供される。そして、印刷された印刷用紙Pは、圧胴12の外周面から剥離され排紙トレイ17に排出されて、最初の1枚目の印刷が終了する。次に上記動作と同様の動作により所定枚数の印刷が順次連続的に行われる。
【0041】
プラテンローラ3の表面粗さRaとマスタ1に対する機能層1aの形成の有無とを組み合わせて実験を行なった結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1に示されているように、プラテンローラ3の表面の中心線平均粗さRaが12.5を超えた場合と、マスタ1のプラテンローラ3側にも機能層を形成した場合には、プラテンローラ3によるマスタ1のミクロ的な保持、固定が効かなくなり、製版シワが増加してくる。従って、マスタ1の機能層1aは、サーマルヘッド2側のみに形成し、プラテンローラ3の表面の中心線平均粗さRaは、12.5以下が望ましい。
【0044】
図3に別のプラテンローラ20の例を示す。
プラテンローラ20の表面には、良好な熱伝導率を持つ多孔性の材料で形成された多孔性層21が形成されている。多孔性層21は、本例において、金属製の材料のメッシュが用いられているが、これに縛られるものではなく、例えば、発泡させたプラテンローラ20の表面に金属薄膜を蒸着させたものなどでも良い。
【0045】
多孔性層21の熱伝導率W/(m・K)と多孔性層21の目の細かさσとを変化させて実験を行なった結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
表2に示されているように、熱伝導率W/(m・K)の低い材料で多孔性層21を形成した場合には、サーマルヘッド2の熱の拡散が適度に均等化されず、製版シワがあまり抑制されない。しかし、熱伝導率W/(m・K)が良好な材料を使用しても、目の細かさσが細か過ぎると、熱拡散による損失が大きくなり過ぎ、穿孔できなくなり、目の細かさσが粗過ぎると、穿孔ムラを引き起こしてしまう。従って、多孔性層21を形成する材料の熱伝導率W/(m・K)は、10[W/(m・K)]以上であり、かつ、その目の細かさσ(DPI)は、r≦σ≦10×rであることが必要である。ここでrはサーマルヘッド2の記録密度DPI、σは多孔性層21の実質的な目の細かさDPIを表している。
【0048】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であるプラテンローラの多孔性層が、穿孔時にマスタに伝導される熱を逃がすので、熱収縮による製版シワを抑制することができ、製版シワの少ない良好な製版を行なえる。
【0049】
請求項2記載の発明によれば、熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であり、かつ、その目の細かさσ(DPI)が、サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rであるプラテンローラの多孔性層が穿孔時にマスタに伝導される熱を逃がすので、熱収縮による製版シワを抑制することができ、製版シワの少ない良好な製版を行なえる。
【0050】
請求項3記載の発明によれば、表面に熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であり、かつ、その目の細かさσ(DPI)が、サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rであるプラテンローラの多孔性層が、穿孔時にマスタに伝導される熱を逃がすので、熱収縮による製版シワを抑制することができ、製版シワの少ない良好な製版を行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す感熱孔版製版装置が適用される印刷装置の概略側面図である。
【図2】図1に示す感熱孔版製版装置の要部を示す側面図である。
【図3】他の感熱孔版製版装置のプラテンローラを示す側面図である。
【図4】従来の感熱孔版製版装置が適用された印刷装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1 マスタ
1a 機能層
2 サーマルヘッド
3、20 プラテンローラ
4 巻取軸
7 版胴
8 抵抗発熱素子
21 多孔性層
30 原稿読取部
100 感熱製版装置
Claims (4)
- 主走査方向に配列した複数の抵抗発熱素子を有するサーマルヘッドを、上記抵抗発熱素子に対向し、上記抵抗発熱素子と略平行に配置されたプラテンローラの押圧により、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版用のマスタに接触させ、上記抵抗発熱素子の配列方向に直交する副走査方向に上記マスタを上記サーマルヘッドに相対的に移動させ、上記抵抗発熱素子の選択的加熱により穿孔画像の形成を行う感熱孔版製版装置において、
上記プラテンローラの表面に熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を有する材料で多孔性層を設けたことを特徴とする感熱孔版製版装置。 - 上記多孔性層の実質的な目の細かさσ(DPI)が、上記サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rであることを特徴とする請求項1記載の感熱孔版製版装置。
- 主走査方向に配列した複数の抵抗発熱素子を有するサーマルヘッドを、上記抵抗発熱素子に対向し、上記抵抗発熱素子と略平行に配置されたプラテンローラの押圧により、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる感熱孔版用のマスタに接触させ、上記抵抗発熱素子の配列方向に直交する副走査方向に上記マスタを上記サーマルヘッドに相対的に移動させ、上記抵抗発熱素子の選択的加熱により穿孔画像の形成を行う感熱孔版製版装置において、
上記プラテンローラは、その表面に熱伝導率10[W/(m・K)]以上の物性値を持つ材料であり、かつ、その目の細かさσ(DPI)が、上記サーマルヘッドの記録密度をr(DPI)としたとき、r≦σ≦10×rである多孔性層を有することを特徴とする感熱孔版製版装置。 - 上記サーマルヘッドに接触する面にのみ、帯電防止及び熱融着を防止する機能層を有する感熱孔版用のマスタを用いることを特徴とする請求項3記載の感熱孔版製版装置。
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