JPH07329407A - 孔版印刷装置 - Google Patents

孔版印刷装置

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JPH07329407A
JPH07329407A JP13186494A JP13186494A JPH07329407A JP H07329407 A JPH07329407 A JP H07329407A JP 13186494 A JP13186494 A JP 13186494A JP 13186494 A JP13186494 A JP 13186494A JP H07329407 A JPH07329407 A JP H07329407A
Authority
JP
Japan
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master
roll
plate
plate cylinder
thermal head
Prior art date
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Pending
Application number
JP13186494A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Kobayashi
一喜 小林
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Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実質的にフィルムのみから成るマスタや支持
体が薄いマスタであっても、弛んだり斜行して生じるシ
ワ及び加熱穿孔時の収縮によるシワが発生しにくく、コ
ストアップすることのない孔版印刷装置を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂フィルムを備えたマスタ1が巻
き付けられたマスタロール1aを回転自在に支持する支
持手段から繰り出されるマスタ1を、画像信号に応じて
サーマルヘッド2で加熱穿孔製版し、この製版済マスタ
1sをマスタ搬送手段としての搬送ローラ対3,4でマ
スタ搬送方向Aの下流側へ搬送し、製版済マスタ1sを
インキパイプ11の周りに回転する版胴7の外周面に巻
装し、版胴7の内周側からインキを供給し、前記製版済
マスタ1sを介して版胴7に対して印刷用紙を押圧手段
としてのプレスローラ14で押圧して印刷を行う孔版印
刷装置において、サーマルヘッド2をマスタロール1a
に押圧させたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂フィルム
を備えたマスタをサーマルヘッド等で穿孔製版し、版胴
に巻装して印刷を行なう孔版印刷装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】簡便な印刷方式としてデジタル式感熱孔
版印刷が良く知られている。それに使用されている孔版
マスタは、厚さ約1〜3μm程度のポリエステル等の熱
可塑性樹脂フィルム(以下単に「フィルム」という)
と、インキ通過性の多孔性の支持体として和紙繊維とか
合成繊維、あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄したも
のを貼り合わせたラミネート構造となっている。このマ
スタのフィルム面を微細発熱素子が一列に並んだサーマ
ルヘッドをプラテンローラを用いて孔版マスタに押圧さ
せ、画像情報に基づいて加熱穿孔させた後、その製版済
みの孔版マスタを自動搬送して多孔性円筒状の版胴の外
周面に巻装し、版胴の内周側からインキを供給してその
孔版マスタに対してプレスローラ等の押圧手段で印刷用
紙を介して連続的に押し付けて版胴の開孔部、マスタの
穿孔部分からインキを滲み出させ印刷用紙に転移させる
ことで印刷を行なっている。
【0003】上記マスタの穿孔部において、支持体の繊
維が複雑に絡み合って固まりダマになっている部分と
か、太い繊維が穿孔部を横切っている部分では、インキ
の通過が阻害されインキが印刷用紙に転移せずに、ベタ
部に繊維模様が現われたり、あるいは細線や文字等の画
像部がかすれたり切れてしてしまう俗に繊維目と呼ばれ
る不良現象が発生し、画質が悪化する不具合があった。
そこで、繊維目の元となる和紙等の支持体を薄くした
り、あるいは支持体を除去した実質的にフィルムのみか
ら成る感熱性孔版印刷用のマスタ(以下単に「マスタ」
という)を用いて印刷を行うようにすることで、繊維目
を低減させる試みがなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
孔版マスタの見かけの強度はその支持体である和紙等が
受け持っているので、支持体を除去するとその強度が大
幅に低下し、いわゆるマスタ自体の腰が無くなる。従来
であれば、搬送するローラ間で多少の撓みとか曲がりが
発生しても、あるいは撓みとか曲がりを発生させたまま
セットしても、マスタが搬送される途中でマスタ自体の
腰により撓みや曲がりが徐々に修正され、シワ等の発生
が防止されていた。ところが、マスタから支持体を除去
して腰が無くなるとマスタ自体で撓みや曲がりが修正さ
れることは望めないので、上記ローラ間の平行度やロー
ラ自体の形状精度等を向上しない限り、わずかにずれて
いてもマスタが弛んだり斜行してシワが発生してしまう
ことがあり、結局、装置を精度良くかつ堅固に作ること
となり、コストアップとなる。
【0005】また、フィルムは加熱すると収縮する性質
を持っており、従来のように和紙繊維等の支持体を貼着
したラミネート構造の孔版マスタの場合には、前記フィ
ルムが和紙等に貼り付いてフィルムの収縮が防止されて
いたが、支持体の無いマスタの場合には収縮を抑えるも
のが無いのでマスタの加熱穿孔時に収縮が発生し、この
収縮により原稿画像の寸法再現性が悪くなったり、シワ
が発生してしまう問題があった。マスタは、マスタ搬送
方向と直交するマスタの幅方向にはプラテンローラとサ
ーマルヘッドとで押さえられているので収縮しにくい
が、マスタ搬送方向にはプラテンローラを通過するとフ
リーとなってしまうためマスタの収縮によるシワが発生
しやすい。そのために、プラテンローラによる搬送速度
よりも速い速度で、引張りローラ等によりその間のマス
タに張力を付与しながら加熱穿孔することが必要とな
り、さらに装置が高価になってしまう問題があった。
【0006】したがって、本発明はかかる問題点を解決
するために、実質的にフィルムのみから成るマスタや支
持体が薄いマスタであっても、弛んだり斜行して生じる
シワ、あるいは加熱穿孔時の収縮によるシワが発生しに
くく、コストアップすることのない孔版印刷装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明では、熱可塑性樹脂フィル
ムを備えたマスタが巻き付けられたマスタロールを回転
自在に支持する支持手段から繰り出される前記マスタ
を、画像信号に応じてサーマルヘッドで加熱穿孔製版
し、このマスタをマスタ搬送手段でマスタ搬送方向の下
流側へ搬送し、前記マスタを回転中心軸の周りに回転す
る版胴の外周面に巻装し、前記版胴の内周側からインキ
を供給し、前記マスタを介して前記版胴に対して印刷用
紙を押圧手段で押圧して印刷を行う孔版印刷装置におい
て、前記サーマルヘッドを前記マスタロールに押圧させ
たことを特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
孔版印刷装置において、前記マスタ搬送手段は搬送ロー
ラ対と該搬送ローラ対を回転駆動する駆動手段とからな
り、前記マスタのセット時に、前記搬送ローラ対による
前記マスタの搬送力が、前記マスタロールから前記マス
タを引き出す引出力よりも小さい範囲で、前記搬送ロー
ラ対を回転させることを特徴としている。
【0009】請求項3記載の発明は、外周面に熱可塑性
樹脂フィルムを備えたマスタが巻き付けられ回転中心軸
の周りに回転する版胴と、前記版胴の内周面にインキを
供給するインキ供給手段と、前記マスタの一端が巻き付
けられ該マスタを前記版胴に供給するマスタロールを支
持するマスタロール支持手段と、前記マスタを加熱穿孔
製版するサーマルヘッドと、前記マスタの他端が巻き付
けられ使用済マスタを前記版胴から巻き取る排版ロール
を支持する排版ロール支持手段と、前記回転中心軸の周
りに前記版胴に対して回動自在であり、前記マスタロー
ル支持手段及び前記排版ロール支持手段を有する給排版
ユニットとを具備する孔版印刷装置において、前記サー
マルヘッドを前記マスタロールに押圧させたことを特徴
としている。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の孔版印刷装置において、前記マスタロールには
前記マスタを巻き付けるためのロール芯が設けられてお
り、前記ロール芯の外周面に弾性体を設けたことを特徴
としている。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の孔版印刷装置において、前記マスタロールにお
けるマスタ搬送方向の下流側に前記マスタに張力を付与
するための伸張部材を配設したことを特徴としている。
【0012】請求項6記載の発明は、請求項5記載の孔
版印刷装置において、前記伸張部材が、その外周面に、
前記マスタの両側方への偏倚力を付与するための偏倚力
付与手段を備えたことを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明によれば、サーマルヘッド
がマスタロールに直接押圧・接触して、マスタが加熱穿
孔製版される。この状態で、マスタが、サーマルヘッド
によりマスタロールが押圧されて生じる摩擦力に抗し
て、マスタ搬送手段によりマスタ搬送方向の下流側へ張
力を付与されながら搬送される。
【0014】請求項2記載の発明によれば、マスタのセ
ット時に、搬送ローラ対によるマスタの搬送力が、マス
タロールからマスタを引き出す引出力よりも小さい範囲
で、駆動手段により搬送ローラ対が回転されるので、マ
スタロールと搬送ローラ対との間のマスタに張力が付与
される。
【0015】請求項3記載の発明によれば、サーマルヘ
ッドがマスタロールに直接押圧・接触して、マスタが加
熱穿孔製版される。この状態で、排版ロールにより使用
済マスタが順次巻き取られつつ、版胴の回転により版胴
の外周面上に製版済マスタが巻き付けられる。
【0016】請求項4記載の発明によれば、マスタロー
ルにはマスタを巻き付けるためのロール芯が設けられて
おり、ロール芯の外周面に弾性体を設けたので、マスタ
ロールのマスタが消費されてロール芯が露出したとき
に、サーマルヘッドとロール芯との押圧でサーマルヘッ
ドがダメージを受けない。
【0017】請求項5記載の発明によれば、マスタロー
ルにおけるマスタ搬送方向の下流側に前記マスタに張力
を付与するための伸張部材を配設したので、この伸張部
材により、請求項1記載の発明においてはマスタロール
とマスタ搬送手段との間のマスタに、請求項3記載の発
明においてはマスタロールと版胴との間のマスタにそれ
ぞれ発生する局部的な弛みとかマスタ搬送方向の弛みが
修正され、マスタ搬送手段での又は版胴でのマスタへの
シワの発生が防止される。
【0018】請求項6記載の発明によれば、伸張部材
が、その外周面に、マスタの両側方への偏倚力を付与す
るための偏倚力付与手段を備えたので、偏倚力付与手段
によりマスタの両側方がその偏倚力を受けてマスタの弛
みが修正され、マスタ搬送手段での又は版胴でのマスタ
へのシワの発生が防止される。
【0019】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて詳述する。
【0020】図1において、符号50は孔版印刷装置を
示す。孔版印刷装置50は、実質的に熱可塑性樹脂フィ
ルムのみから成るマスタ1が巻き付けられたマスタロー
ル1aを回転自在に支持する支持手段(図示せず)と、
画像信号に応じてマスタ1を加熱穿孔製版するサーマル
ヘッド2と、マスタ1をマスタ搬送方向Aの下流側へ搬
送するマスタ搬送手段としての搬送ローラ対3,4と、
外周面にマスタ(図示せず)を巻装し回転中心軸として
のインキパイプ11の周りに回転する版胴7と、版胴1
の内周側からインキを供給するインキ供給手段48と、
前記マスタを介して版胴7に図示しない印刷用紙を押圧
する押圧手段としてのプレスローラ14とから主に構成
されている。
【0021】以下、マスタロール1a、前記支持手段、
サーマルヘッド2、搬送ローラ対3,4、版胴7、イン
キ供給手段48、プレスローラ14について順次説明す
る。
【0022】図1及び図2に示すように、連続シート状
のマスタ1は、ロール芯1bに所定の範囲の巻き締め硬
度をもって巻き付けられてマスタロール1aが形成され
ている。ロール芯1bは巻き付けられたマスタ1の幅よ
りも長く形成されている。前記した所定の範囲の巻き締
め硬度とは、後述するように、サーマルヘッド2により
マスタロール1aの外周面が所定の押圧力をもって押圧
されたときに、適正な範囲で撓んで加熱穿孔できる範囲
の硬度である。このマスタロール1aのマスタ1は、例
えばJIS硬度A40〜90度の巻き締め硬度をもって
巻き締められている。ロール芯1bの内部の芯部は合成
樹脂できていて、その芯部の外周面には平滑なゴム1c
でなる弾性体が巻着されている。このゴム1cは、例え
ばJIS硬度A30〜90度の硬度を有していて、例え
ば0.1〜0.5mmの層の厚さで形成されている。な
お、前記弾性体としては、ゴムに限らず、例えばサーマ
ルヘッド2の表面にダメージを与えない程度の硬度を有
する合成樹脂等であってもよい。
【0023】なお、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみ
から成るマスタ(以下単に「マスタ」という)とは、マ
スタが熱可塑性樹脂フィルムのみから成るものの他、熱
可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤等の微量成分を含有し
て成るもの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの両主面、
すなわち表面又は裏面のうち少なくとも一方に、オーバ
ーコート層等の薄膜層を1層又は複数層形成して成るも
のを含む。
【0024】図2に示すように、支持手段49は、ロー
ル芯1bの両側を図示しない軸受を介して回転可能に支
持するロール保持部49aと、ロール芯1bを着脱自在
に嵌入するための嵌入口49bと、ロール芯1bの各端
部を抜け止めするストッパ49sと、両側のロール保持
部49aを連結する連結部49jとを備えていて、これ
らが一体的に形成されている。支持手段49は、アルミ
ニウム合金でできていて、孔版印刷装置50の図示しな
い側板に固設されている。
【0025】サーマルヘッド2は、支持手段49に支持
されたロール芯1bと平行に延在して設けられており、
図示しない機構によりマスタロール1aに接離自在とな
っている。サーマルヘッド2は、孔版印刷装置50の図
示しない側板とサーマルヘッド2の両側部に設けられた
引張りコイルばね(図示せず)により、マスタロール1
aの外周面に所定の押圧力をもって押圧・接触されてい
る。サーマルヘッド2は、マスタロール1aのマスタ1
に対して接触する面に、微細かつ多数の抵抗発熱素子
(図示せず)がその主走査方向に一列に並んで配置され
ていて、原稿読取部のA/D変換回路及びサーマルヘッ
ド制御部(共に図示せず)で処理されて送出されるデジ
タル画像信号に応じてマスタ1を選択的に加熱溶融し穿
孔する周知の機能を有する。
【0026】ここで、サーマルヘッド2の前記各抵抗発
熱素子へ供給する穿孔用エネルギーの制御について述べ
る。サーマルヘッド2の前記各抵抗発熱素子は、穿孔用
エネルギーを供給する図示しない電源が接続されたサー
マルヘッド制御回路を介して、これらに所定の印加電圧
又は印加パルス幅をもって、穿孔用エネルギーとしての
電気エネルギーが供給されることにより所定の温度に発
熱される。マスタ1は、サーマルヘッド2の前記各抵抗
発熱素子に押圧・接触され、かつ、加熱溶融されて所定
の穿孔パターンが形成されつつ、搬送ローラ対3,4に
より前記主走査方向と直交するマスタ搬送方向Aへ所定
の搬送速度で搬送される。したがって、製版時における
サーマルヘッド2の前記抵抗発熱素子の一素子当たりに
供給される印加エネルギーは、サーマルヘッド2の前記
各抵抗発熱素子に押圧・接触されるマスタロール1aの
外周面のマスタ1の面のみに穿孔パターンを形成するよ
うに、図示しない制御手段により制御されるようになっ
ている。すなわち、サーマルヘッド2の前記各抵抗発熱
素子の一素子当たりに供給される印加エネルギーが、マ
スタロール1aに巻き締められている内側のマスタ1を
加熱溶融穿孔させない発熱温度になるように制御される
のである。
【0027】搬送ローラ対3,4は、共に、前記側板に
図中方向に回転自在に支持されている。搬送ローラ3
は、前記側板に固設された駆動手段としての搬送モータ
3Mに図示しないプーリ、無端ベルト及び変速機構を備
えたギヤボックス(図示せず)等を介して連結されてい
て、駆動ローラ(図中梨地模様で示す)として時計回り
方向に回転駆動される。搬送ローラ4は、従動ローラと
して搬送ローラ3の下方に配設されていて、その両軸と
前記側板との間に設けられた図示しない引張りコイルば
ねにより搬送ローラ3に圧接されている。搬送ローラ対
3,4は、JIS硬度A20〜40度の合成ゴムででき
ている。搬送モータ3Mは、例えばステッピングモータ
である。
【0028】前記構成のとおり、製版済マスタ1s若し
くはマスタ1は、従動ローラとしての搬送ローラ4で駆
動ローラとしての搬送ローラ3に圧接・挾持されてお
り、搬送ローラ3が搬送モータ3Mにより回転駆動され
ることによりマスタ搬送方向Aの下流側へ所定範囲の搬
送速度で引き出される。なお、製版時における前記所定
範囲の搬送速度は、サーマルヘッド2の前記各抵抗発熱
素子に押圧・接触されるマスタロール1aの外周面のマ
スタ1の面のみに穿孔パターンを形成するように、図示
しない制御手段により制御されるようにしてもよい。
【0029】マスタ1の初期セット時及び装置の動作中
においてマスタ1がジャムして再セットするようなマス
タ1のセット時に、搬送ローラ対3,4による製版済マ
スタ1s若しくはマスタ1の搬送力が、マスタロール1
aからマスタ1を引き出す引出力よりも小さい範囲で、
搬送ローラ対3,4を回転させるように、搬送ローラ3
と搬送モータ3Mとの間には摩擦力方式の図示しないト
ルクリミッタが設けられている。搬送ローラ対3,4
は、搬送モータ3Mにより前記トルクリミッタを介して
マスタロール1aから引き出される搬送速度よりも速い
周速度で回転駆動され、マスタロール1aと搬送ローラ
対3,4との間の製版済マスタ1s若しくはマスタ1に
予め設定された張力が付与される。このとき、搬送ロー
ラ対3,4は製版済マスタ1s若しくはマスタ1に対
し、スリップ(空転)している。
【0030】なお、マスタ1のセット時に、搬送ローラ
対3,4による製版済マスタ1s若しくはマスタ1の搬
送力が、マスタロール1aからマスタ1を引き出す引出
力よりも小さい範囲で、搬送ローラ対3,4を回転させ
る手段としては、前記トルクリミッタに限らず、搬送ロ
ーラ3と搬送ローラ4との間の圧接力、すなわち前記引
張りコイルばねの付勢力を図示しないソレノイド等によ
り弱める方向に動作制御し、製版済マスタ1s若しくは
マスタ1に対して搬送ローラ対3,4を滑らせる構成の
ものであってもよい。なお、前記トルクリミッタは、上
記摩擦力方式に限らず、マグネットと磁性体から成る磁
力方式或いは電磁石と磁性粉体を用いた磁性パウダ方式
等を用いてもよい。
【0031】搬送ローラ対3,4のマスタ搬送方向Aの
下流側には、製版済マスタ1s若しくはマスタ1を所定
の長さに切断するための、可動刃5a及び固定刃5bを
備えたカッタ5が配設されている。カッタ5のマスタ搬
送方向Aの下流側には、製版済マスタ1s若しくはマス
タ1の先端部を後述するクランパ12へ案内するための
ガイド板6が配設されている。
【0032】なお、前述した支持手段49、サーマルヘ
ッド2、搬送ローラ対3,4、カッタ5及びガイド板6
が、製版装置を構成する。
【0033】ガイド板6の図において左側には、その内
周面を形成する多孔性で円筒状の支持円筒体7aと、そ
の支持円筒体7aの外周面に巻き付けられた、樹脂ある
いは金属網体製のメッシュスクリーン(図示せず)との
2層構造から成る版胴7が配設されている。版胴7は、
インキパイプ11を兼ねる回転中心軸の周りに回転可能
に支持されていて、図示しないモータによって矢印B方
向(反時計回り方向)及び時計回り方向に回転駆動され
る。
【0034】版胴7の外周面上の一部分には、版胴7の
母線に沿ってインキパイプ11と平行に延在されて設け
られた磁性体製のステージ13と、このステージ13の
一側端に回転自在に設けられたクランパ軸12aと、ク
ランパ軸12aに取り付けられステージ13の平面部に
対して開閉自在なゴム磁石を有するクランパ12とがそ
れぞれ設けられている。版胴7はクランパ12が図に示
す略真上の状態、すなわち給版位置において停止される
ようになっている。クランパ12は、前記給版位置等の
所定位置で図示しない開閉手段により開閉される。
【0035】版胴7の内部には、後述するように、イン
キローラ8、ドクタローラ9及びインキパイプ11を具
備したインキ供給手段48が配設されている。すなわ
ち、インキ供給手段48は、図示しないインキローラ側
板に矢印B方向に回転支持され版胴7の内周面に接触し
てインキを供給するインキローラ8と、インキローラ8
とわずかな間隙を置いて平行に配置され、インキローラ
8との間にインキ溜り10を形成するドクタローラ9
と、インキ溜り10へインキを供給するインキパイプ1
1とを具備している。インキローラ8は、図示しない歯
車及び無端ベルト等の回転駆動手段により版胴7と同期
して矢印B方向へ回転駆動されるようになっている。イ
ンキローラ8に対向する版胴7の外周面の下方近傍に
は、印刷用紙(図示せず)の給送に同期して版胴7に揺
動し圧接する印刷位置と、この印刷位置から離間した非
印刷位置とを選択的に占めるプレスローラ14が配置さ
れている。
【0036】版胴7の図において左下方には、給紙装置
を構成する、プレスローラ14と版胴7との間へ所定の
タイミングで前記印刷用紙を給送するレジストローラ対
16a,16bと、図示しない給紙台に載置されている
前記印刷用紙を配紙する配紙ローラ(図示せず)と、配
紙ローラ(図示せず)に圧接していて前記印刷用紙を1
枚に分離する分離ローラ(図示せず)とが配設されてい
る。
【0037】版胴7の図において右下方には、排紙装置
を構成する、版胴7の外周面の近傍に配置され印刷済の
印刷用紙(図示せず)を版胴7から剥離する排紙位置及
びこの排紙位置から離間した非排紙位置を選択的に占め
る排紙爪15と、印刷済の印刷用紙を順次積載する図示
しない排紙トレイとが配設されている。
【0038】版胴7の図において右側方には、排版装置
を構成する、版胴7の外周面から剥離された使用済のマ
スタ(図示せず)を収容する排版ボックス(図示せず)
と、使用済のマスタ(図示せず)を版胴7の外周面から
剥離、移送する排版コロ対(図示せず)とが配設されて
いる。
【0039】次に、動作を説明する。始めに、先ず、原
稿読取部に原稿(共に図示せず)がセットされ、図示し
ない製版スタートキーが押下されて図示しない制御装置
からスタート信号が送出されることにより、図示しない
排版装置により、版胴7の外周面上に巻装されている使
用済マスタ(図示せず)が剥離廃棄される。次いで、版
胴7が給版位置で停止され、クランパ12が図示しない
開閉装置で開放されて給版待機状態となる。このとき、
製版済マスタ1s又はマスタ1の先端部は、カッタ5の
切断位置に保持されている。この排版工程と並行して製
版工程が開始される。
【0040】すなわち、版胴7が給版位置で停止される
と、搬送モータ3Mに通電されることにより、搬送ロー
ラ3及び搬送ローラ4が回転され始め、マスタロール1
aからマスタ1が引き出されつつ所定範囲の搬送速度で
搬送される。これと同時に、前記原稿が前記原稿読取部
に送出されると、前記原稿の画像がCCD(光電変換素
子)等で電気信号に変換され、A/D変換回路及びサー
マルヘッド制御部(共に図示せず)で処理されて送出さ
れるデジタル画像信号に基づいて、サーマルヘッド2の
抵抗発熱素子がパルス選択的に通電されて発熱され、マ
スタ1が画像情報に応じて選択的に加熱溶融され穿孔さ
れ始める。この時、サーマルヘッド2とマスタロール1
aとの摩擦力による負荷により、サーマルヘッド2と搬
送ローラ対3,4との間の製版済マスタ1sは、予め設
定された張力が付与された状態で加熱穿孔され搬送され
ていく。こうして、製版済マスタ1sが、搬送ローラ対
3,4の回転によりマスタ搬送方向Aの下流側へ搬送さ
れ、製版済マスタ1sの先端部が、ガイド板6により案
内され給版待機状態で拡開しているクランパ12に送出
される。搬送モータ3Mのステップ数がある設定値に達
すると、クランパ12とステージ13との間に製版済マ
スタ1sの先端部が届いたと判断され、クランパ12が
図示しない開閉手段により閉じられて、製版済マスタ1
sの先端部がクランパ12とステージ13との間に挾持
される。
【0041】クランプ後、版胴7が、図示しないモータ
の駆動により、製版済マスタ1sの搬送速度と実質的に
同一の周速度で図中矢印B方向に回転され始め、製版済
マスタ1sがその外周面に巻装されていく。
【0042】搬送モータ3Mの所定ステップ数の回転駆
動により、設定量の製版済マスタ1sの搬送が完了した
と判断されると、カッタ5が作動して製版済マスタ1s
が切断されると共に、搬送モータ3Mの駆動が停止され
る。そして切断された製版済マスタ1sの後端が、前記
製版装置から引き出されて版胴7の外周面に完全に巻き
取られた段階で製版は終了する。
【0043】製版済マスタ1sが版胴7の外周面に巻装
された後、印刷工程が開始される。すなわち、前記給紙
装置から前記印刷用紙が送られ、レジストローラ対16
a,16bにより所定のタイミングが取られ、版胴7と
プレスローラ14との間に搬送される。前記印刷用紙
は、プレスローラ14により、版胴7の外周面に巻装さ
れている製版済マスタ(図示せず)に連続的に押圧され
ながら回転することで、インキローラ8の外周面のイン
キが、版胴7の前記開孔部、前記メッシュスクリーン及
び前記製版済マスタの穿孔部より滲み出して前記印刷用
紙に転移すると共に、製版済マスタ1sが滲み出したイ
ンキにより版胴7の外周面上に貼着されて、いわゆる版
付けが行われる。前記印刷用紙は、版胴7に排紙位置を
占めるべく接近する排紙爪15により剥離され、前記排
紙トレイ上に排出積載される。こうして、印刷待機状態
となる。以後、前述したと同様に、給紙、印刷、排紙の
各工程が行われ、所定の印刷枚数分印刷用紙に印刷が行
われる。
【0044】図3に前記実施例の変形例を示す。この変
形例は、前記実施例に対して、マスタロール1aにおけ
るマスタ搬送方向Aの下流側に製版済マスタ1s若しく
はマスタ1に所定の張力を付与するための伸張部材とし
ての張りローラ17を配設したことのみ相違する。張り
ローラ17は合成ゴムからなる弾性部材、あるいは金属
でできている。張りローラ17の軸17sの両端部は、
図示しない軸受を介して前記側板に回転自在に、かつ、
張りローラ17が製版済マスタ1s若しくはマスタ1に
接触する方向において、略、マスタロール1aと搬送ロ
ーラ対3、4との間で製版済マスタ1s若しくはマスタ
1がくの字形になる接触位置に支持されている。張りロ
ーラ17は、製版済マスタ1s若しくはマスタ1との摩
擦力で従動回転される。前記張りローラ17により、マ
スタロール1aと搬送ローラ対3、4との間の製版済マ
スタ1s若しくはマスタ1は、張りローラ17表面に接
触することで伸張される。それ故に、張りローラ17に
よりマスタロール1aから張りローラ17までマスタ搬
送方向Aに搬送される加熱溶融穿孔された製版済マスタ
1sの進行方向に発生する縦シワとか弛みが伸張され、
製版済マスタ1sの熱収縮によるシワ発生を抑制するこ
とができる。
【0045】図4乃至図7に前記実施例の別の変形例を
示す。図4乃至図7において、前記実施例の孔版印刷装
置50の構成要素と同一の構成及び機能を有するものに
ついては、同一符号を付すにとどめ、その説明をできる
限り省略する。
【0046】図4乃至図7において、符号50Aは孔版
印刷装置を示す。この孔版印刷装置50Aは、外周面に
熱可塑性樹脂フィルムを備えた製版済マスタ1s若しく
はマスタ1が巻き付けられ回転中心軸としてのインキパ
イプ11の周りに回転する版胴7と、版胴7の内周面に
インキを供給するインキ供給手段48と、マスタ1の一
端が巻き付けられマスタ1を版胴7に供給するマスタロ
ール1aを支持するマスタロール支持手段49Aと、マ
スタ1を加熱穿孔製版するサーマルヘッド2と、マスタ
1の他端が巻き付けられ使用済マスタ1uを版胴7から
巻き取る排版ロールとしての巻取りロール18を支持す
る排版ロール支持手段31と、インキパイプ11の周り
に版胴7に対して回動自在であり、マスタロール支持手
段49A及び排版ロール支持手段31を有する給排版ユ
ニット20とから主に構成されている。
【0047】以下、給排版ユニット20、マスタロール
支持手段49A、巻取りロール18、及び排版ロール支
持手段31の構成について説明する。
【0048】後述するように、給排版ユニット20は、
ロールアーム対19a,19b、バランサウェイト44
a,44b、マスタロール1a、マスタロール支持手段
49A、巻取りロール18、排版ロール支持手段31、
及び図示しない連結部材から主に構成されている。ま
た、版胴7、インキ供給手段48及び給排版ユニット2
0等は、ドラムユニットを形成していて、孔版印刷装置
本体側に対して着脱自在な構造となっている。
【0049】版胴7の両端にはドラムフランジ43a,
43bが取り付けられている。ドラムフランジ43a,
43bの両端には、一対のロールアーム19a,19b
が電磁クラッチをそれぞれ内在する一対のドラム軸受
(共に図示しない)を介してインキパイプ11の周りに
回動自在に設けられている。一対のロールアーム19
a,19bは、以下、ロールアーム対19a,19bと
いうときがある。前記一対のドラム軸受の一端には、図
示しないドラム歯車が固設されている。一方、孔版印刷
装置本体側には、前記ドラム歯車と選択的に噛合する駆
動歯車及びこれに連結された駆動モータを有する駆動機
構(共に図示せず)が配設されている。また前記駆動機
構には、マスタロール1aから繰り出される製版済マス
タ1s若しくはマスタ1に所定の張力を付与するための
図示しないスリッピング機構が設けられている。版胴7
及び/又はロールアーム対19a,19bは、前記駆動
機構により回動される。前記電磁クラッチは、マスタの
初期セット時やマスタのジャム時において手動で外せる
ようになっている。
【0050】前記構成のとおり、スリッピング機構を介
した前記駆動モータによる版胴7の回転により、製版済
マスタ1sは、所定の張力を付与されつつマスタ搬送方
向Aの下流側へ所定範囲の搬送速度で引き出され版胴7
の外周面に巻き付けられていく。
【0051】各ロールアーム19a,19bの基部に
は、インキパイプ11を挾んで各ロールアーム19a,
19bに対して略対称な位置に、回転バランスを保持す
るためのバランサウェイト44a,44bがそれぞれ固
設されている。バランサウェイト44a,44bは、比
重大の材料からできていて、給排版ユニット20が回転
した場合に干渉しないように配置されている。バランサ
ウェイト44a,44bは、略扇状を成し、インキパイ
プ11に対する給排版ユニット20の各回転モーメント
成分と釣り合うようにその大きさ及び重量が設定されて
いる。後述する印刷工程において、給排版ユニット20
及び版胴7は、一体となって高速で回転する。このと
き、上記のように、バランサウェイト44a,44bが
設けられているため、これらの一体化した物体の全体と
しては、回転バランスが良くなって回転時の負荷変動が
小さくなるので、より安定した高速印刷を行なえる。
【0052】図6において、符号49Aはマスタロール
支持手段を示す。マスタロール支持手段49Aは、後述
する、一対の軸受及び溝部49Aa,49Abから主に
構成されている。各ロールアーム19a,19bの自由
端部には、図示しない軸受を有する溝部49Aa,49
Abがそれぞれ形成されている。マスタロール1aのロ
ール芯1bの各端部は、前記各軸受を介して溝部49A
aと溝部49Abとの間に着脱自在、かつ、回動自在に
保持される。このように、マスタロール支持手段49A
により、マスタロール1aは、各ロールアーム19a,
19bの自由端部上において、インキパイプ11と平行
に配置される。各ロールアーム19a,19bの内側の
溝部49Aa,49Ab近傍には、ロール芯1bの外周
面に摺接することによって、マスタロール1aから繰り
出されるマスタ1に所定のブレーキ力を付与するための
ブレーキゴム47,47がそれぞれ設けられている。こ
れらのブレーキゴム47,47は、マスタロール1aを
マスタロール支持手段49Aにセットするときのマスタ
ロール1aの緩み止めを兼ねている。したがって、マス
タロール1aから引き出されるマスタ1には、初期セッ
ト時や製版時を問わず、常に適度な張力が付与され、マ
スタ1の緩みや弛みによるシワが防止される。なお、前
記ブレーキゴム47,47は、これに限らず、ロールア
ーム対19a,19bの何れか一方に設けるだけでもよ
く、また前記ブレーキゴムに代えてばね等の弾性部材に
よりブレーキ力を付与するものであってもよい。
【0053】巻取りロール18は、合成樹脂製のパイプ
材から成る芯管18bでできていて、マスタロール1a
から繰り出されたマスタ1の他端が予め芯管18bに貼
着されている。芯管18bの一端には、切欠き溝18a
が形成されている。
【0054】図6において、符号31は排版ロール支持
手段を示す。排版ロール支持手段31は、後述する、連
結軸34s、スライド連結軸39及び図示しない2つの
軸受から主に構成されている。連結軸34sは、棒状に
形成されていて、ロールアーム19aの自由端部に図示
しない軸受を介して図において反時計回り方向にのみ回
転可能に支持されている。ロールアーム19aの内側に
おける連結軸34sの端部には、巻取りロール18の切
欠き溝18aと嵌合して連結・支持するための係合突起
34bが一体的に設けられている。ロールアーム19a
の外側における連結軸34sの軸端には、歯車34が固
設されている。歯車34と係合突起34bとの間の連結
軸34sには、トルクリミッタ38が設けられている。
後述するように、巻取りロール18はトルクリミッタ3
8を介して図中反時計回り方向に回転され、パルスモー
タ37の回転力が伝達される。したがって、版胴7の外
周にインキの粘着力により貼り付いている使用済マスタ
1uは、トルクリミッタ38により適度な一定の張力が
掛けられて、巻取りロール18が回転されることにより
剥離されつつ巻き取られる。また巻取りロール18は、
インキが付着した使用済マスタ1uの巻き取りによりそ
の直径が大きくなって変化するが、使用済マスタ1uの
巻取速度は、トルクリミッタ38の作用により版胴7の
回転による製版済マスタ1s若しくはマスタ1の搬送速
度に倣い同じとなる利点がある。
【0055】一方、スライド連結軸39は、棒状に形成
されていて、ロールアーム19bの自由端部に図示しな
い軸受を介して回転可能、かつ、スライド連結軸39の
軸方向(図中LR方向)に摺動可能に支持されている。
巻取りロール18は、ロールアーム19aとロールアー
ム19bとの間に、芯管18bの一端側の切欠き溝18
aに連結軸34sの係合突起34bを嵌合させ、また芯
管18bの他端側の中空内にスライド連結軸39を嵌入
させることによって、連結軸34s及びスライド連結軸
39を中心として回転可能に配設される。このように、
排版ロール支持手段31により、巻取りロール18は、
各ロールアーム19a,19bの自由端部上において、
マスタロール1aのロール芯1bと平行な方向に配置さ
れる。
【0056】ロールアーム19aとロールアーム19b
との間には図示しない連結部材が配設されていて、この
連結部材によりロールアーム19aとロールアーム19
bとが剛体的に連結されている。前記連結部材は、版胴
7の外側であってマスタロール支持手段49A及び排版
ロール支持手段31の下部に、マスタロール1a及び巻
取りロール18に干渉しないように設けられている。
【0057】給排版ユニット20は、図7に示すよう
に、給排版ユニット停止手段40により、排版及び製版
時において図4及び図5に示す製版位置に対応した位置
で停止されるようになっている。給排版ユニット停止手
段40は、孔版印刷装置本体側に配設された一対の側板
51a,51bにそれぞれ設けられた、インキパイプ1
1と平行な方向に突出可能なガイドピン41を有するソ
レノイド42,42と、各ロールアーム19a,19b
の自由端部に設けられた、ガイドピン41,41が突出
して嵌合するための係止孔19ah,19bhとから構
成される。ソレノイド42はプランジャ突出型のもので
なる。
【0058】サーマルヘッド2は、図4に示すように、
後述するサーマルヘッド接離機構25により、製版時に
所定の押圧力をもってマスタロール1aの外周面のマス
タ1に押圧・接触する製版位置と非製版時に前記製版位
置から離間する非製版位置とに変位自在となっていて、
孔版印刷装置本体側に支持されている。前記実施例と同
様に、製版時におけるサーマルヘッド2の前記抵抗発熱
素子の一素子当たりに供給される印加エネルギーは、サ
ーマルヘッド2の前記各抵抗発熱素子に押圧・接触され
るマスタロール1aの外周面のマスタ1の面のみに穿孔
パターンを形成するように、図示しない制御手段により
制御されるようになっている。すなわち、サーマルヘッ
ド2の前記各抵抗発熱素子の一素子当たりに供給される
印加エネルギーが、マスタロール1aに巻き締められて
いる内側のマスタ1を加熱溶融穿孔させない発熱温度に
なるように制御されるのである。なお、製版時における
前記所定範囲の搬送速度は、サーマルヘッド2の前記各
抵抗発熱素子に押圧・接触されるマスタロール1aの外
周面のマスタ1の面のみに穿孔パターンを形成するよう
に、図示しない制御手段により制御されるようになって
いてもよい。
【0059】サーマルヘッド接離機構25は、後述する
ように、図示しないDCモータ、カム21、カムフォロ
アブラケット23、ばね22及びサーマルヘッド2から
主に構成される。
【0060】図4において、孔版印刷装置本体側の図示
しない側板には、回転駆動軸36sに連結された1個の
小さいDCモータ(図示せず)が固設されている。回転
駆動軸36sは前記側板に回転自在に支持されていて、
回転駆動軸36sには板カム21が実質一体的に設けら
れている。また孔版印刷装置本体側におけるカム21の
近傍において、カム21の輪郭周面と接するローラ23
a付きのカムフォロアブラケット23が配設されてい
る。カムフォロアブラケット23は、腕状をなしてい
て、その中央部において前記側板に軸23sで枢着され
ている。カムフォロアブラケット23の基端にはローラ
23a取付部が形成されており、その自由端にはインキ
パイプ11の軸方向に延在したサーマルヘッド2が取り
付けられている。また、カムフォロアブラケット23の
基端側の中央部には、その一端が前記側板に係止された
引張りコイルばね22の他端が係止されていて、このば
ね22により、カムフォロアブラケット23には図にお
いて反時計回り方向の回動習性が与えられている。
【0061】孔版印刷装置本体側には、図5に示すよう
に、排版及び製版時において、製版位置を占めた給排版
ユニット20の歯車34に噛合する排版巻取位置と、印
刷及びマスタ1のセット時において、前記排版巻取位置
から離間して歯車34との噛合を解除する非排版巻取位
置とに選択的に変位自在な巻取駆動手段接離機構30が
配設されている。
【0062】巻取駆動手段接離機構30は、後述するよ
うに、図示しないDCモータ、カム36、カムフォロア
ブラケット37A、ばね37B、歯車35及びパルスモ
ータ37から主に構成される。
【0063】前記した回転駆動軸36sには、板カム3
6が実質一体的に取り付けられている。また孔版印刷装
置本体側におけるカム36の近傍において、カム36の
輪郭周面と接するローラ37a付きのカムフォロアブラ
ケット37Aが配設されている。カムフォロアブラケッ
ト37Aは、3角形状の板に腕が突出した形状をなし、
その3角形の一端がローラ37a取付部を形成してい
て、その基端が軸37sで前記側板に枢着されている。
また、カムフォロアブラケット37Aの突出した腕状の
自由端は、前記側板に係止された引張りコイルばね37
Bにより図において時計回り方向の回動習性が与えられ
ている。また、カムフォロアブラケット37Aの突出し
た腕の一側端には、巻取駆動手段としてのパルスモータ
37が取り付けられている。パルスモータ37には、そ
の回転駆動軸35sに連結された歯車35が取り付けら
れていて、排版及び製版時において、歯車34と噛合す
るようになっている。なお、図5においては、図面の簡
明化を図るためサーマルヘッド2の一部のみを図示し、
他の部分は省略している。
【0064】次に、孔版印刷装置50Aの動作を説明す
る。
【0065】先ず、未使用の新しいマスタロール1a及
び巻取りロール18を給排版ユニット20にセットする
初期セット時の動作について説明する。図6において、
孔版印刷装置本体側から前記ドラムユニットを手動で取
り外し、次いで使用済みのマスタロールと使用済マスタ
で満杯になった使用済み巻取りロール(共に図示せず)
とを取り外す。次に、前記電磁クラッチを手動で外して
から、代わりに未使用の新しいマスタロール1aを各マ
スタロール支持手段49Aを介して、未使用の巻取りロ
ール18、すなわち芯管18bを各排版ロール支持手段
31を介して各ロールアーム19a,19bの間にセッ
トする。次いで、マスタロール1aからマスタ1の先端
部を引き出して版胴7の外周面に弛みやシワが発生しな
いように版胴7を回転させながら巻き付け、その先端部
を芯管18bに接着等により貼着・固定する。このと
き、前記電磁クラッチが外されているので、矢印B方向
に版胴7を容易に回転させて版胴7の外周面にマスタ1
を巻き付けることができる。また、マスタロール1aの
ロール芯1bはブレーキゴム47,47により適度なブ
レーキ力が負荷されているので、マスタロール1aから
引き出されるマスタ1には適度な張力が付与されてい
て、弛みやシワを発生させることなく版胴7の外周面に
巻き付けることができる。こうしてマスタ1のセットが
終了した後、前記電磁クラッチを元どおりにセットして
から、初期セットを完了した前記ドラムユニットを孔版
印刷装置本体側へ装着する。このとき、サーマルヘッド
接離機構25に支持されているサーマルヘッド2は非製
版位置を、巻取駆動手段接離機構30に支持されている
歯車35は非排版巻取位置を、排紙爪15は非排紙位置
を、またプレスローラ14は非印刷位置をそれぞれ占め
ているため、前記ドラムユニットと干渉等の不具合は発
生しない。
【0066】次に、前記実施例と同様に、原稿読取部に
原稿(共に図示せず)がセットされ、図示しない製版ス
タートキーが押下されると、前記電磁クラッチがオンさ
れている状態で、すなわち版胴7及び給版ユニット20
とが一体となって回転され、図4及び図5に示す製版位
置付近に停止される。
【0067】次いで、図7において、各ソレノイド4
2,42が駆動されて各ガイドピン41,41が突出
し、係止孔19ah,19bhに嵌合して、給排版ユニ
ット20が孔版印刷装置本体に対して位置決め停止され
る。また前記電磁クラッチがオフされて、版胴7のみが
前記駆動機構により回転駆動される状態に切り換えられ
る。また、各ソレノイド42,42がオフされることに
よりその停止が解除されるが、以降の動作において、給
排版ユニット停止手段40による給排版ユニット20の
停止及びその解除動作の説明はできる限り省略する。
【0068】次いで、排版工程及び製版工程が同時に行
われる。すなわち、排版は、図5に示すように、図示し
ないDCモータの回転駆動によりカム21とその回転駆
動軸36sを共有するカム36が矢印方向(時計回り方
向)に回転され、ローラ37aにカム36の輪郭周面の
大径部が当接することによって、ばね37Bの付勢力に
抗してカムフォロアブラケット37Aが軸37sを中心
として回動されて、歯車35が歯車34に噛合すること
となる。このとき、パルスモータ37が回転駆動される
ことによって、歯車34及び巻取りロール18が図中矢
印方向(反時計回り方向)に回転されて、版胴7の外周
面上に巻装されている使用済マスタ1uが順次巻き取ら
れると共にマスタロール1aからマスタ1が順次繰り出
される。
【0069】前記動作と同時に、版胴7は、前記駆動機
構により図中矢印B方向に回転される。このとき、版胴
7と巻取りロール18との間の使用済マスタ1uの部分
には、トルクリミッタ38の作用により、版胴7の周速
度よりも若干大きい周速度でパルスモータ37を駆動す
ることで巻取りロール18を回転させて、一定の均一な
張力が付与される。これと共に、巻取りロール18は、
インキが付着した使用済マスタ1uを巻き取ることによ
りその直径が大きくなって変化するが、使用済マスタ1
uの巻取速度はトルクリミッタ38により、版胴7の回
転による製版済マスタ1s若しくはマスタ1の搬送速度
に倣い同じとなって、版胴7及び巻取りロール18によ
る製版済マスタ1s若しくはマスタ1の副走査搬送が精
度高く行われる。
【0070】前記排版と同時に、図4に示すように、図
示しないDCモータの回転駆動によりカム21が回転さ
れると共に、ばね22の付勢力によってカムフォロアブ
ラケット23が、軸23sを中心に図中矢印方向(反時
計回り方向)に回動し、カムフォロアブラケット23に
おけるサーマルヘッド2の抵抗発熱素子が、マスタロー
ル1aの外周面のマスタ1に押圧・接触されることにな
る。この状態から製版済マスタ1sの巻き付けがスター
トし、製版工程が始まる。すなわち、前記実施例と同様
に、前記原稿が前記原稿読取部に送出されると、前記原
稿の画像がCCD等で電気信号に変換され、A/D変換
回路及びサーマルヘッド制御部(共に図示せず)で処理
されて送出されるデジタル画像信号に基づいて、サーマ
ルヘッド2の抵抗発熱素子がパルス選択的に通電されて
発熱され、マスタ1が画像情報に応じて選択的に加熱溶
融され穿孔され始める。
【0071】こうして、前記駆動機構により前記スリッ
ピリング機構を介して版胴7が、図4及び図5に示す図
中矢印B方向に回転されることで、所定範囲の搬送速度
をもってマスタロール1aからマスタ1が順次引き出さ
れつつサーマルヘッド2により加熱穿孔製版されて版胴
7の外周面上に巻装されていく。一方、巻取りロール1
8の回転により、使用済マスタ1uが版胴7の外周面上
から所定の張力を付与されつつ順次巻き取られていく。
このとき、マスタロール1aとサーマルヘッド2により
挾持され版胴7の外周面上に供給される製版済マスタ1
sの部分には、前記駆動機構の前記スリッピリング機構
を介して版胴7が回転されることによって一定の張力が
付与される。こうして、版胴7が、製版済マスタ1sの
部分に一定の張力を保持したまま回転され、製版済マス
タ1sが版胴7の外周面上に巻き付けられていくことと
なる。
【0072】製版及び製版済マスタ1sの巻き付けが終
了して、版胴7が1回転した時点、すなわち図4及び図
5に示す定位置状態で版胴7の回転が停止される。同時
に、サーマルヘッド接離機構25の動作により、サーマ
ルヘッド2は、カム21のさらなる回転でマスタロール
1aの外周面から仮想線で示す非製版位置へ離間され
る。これと同時に、巻取駆動手段接離機構30の動作に
より、歯車34への歯車35の噛合状態が解除されて、
歯車35が非排版巻取位置を占める位置へ離間される。
【0073】次いで、給排版ユニット停止手段40によ
る給排版ユニット20の停止状態が解除され、版胴7及
び給排版ユニット20は、前記電磁クラッチのオン動作
により再び一体的に接続されるように切り換えられる。
【0074】図4及び図5の定位置状態から印刷工程が
開始される。この印刷工程は前記実施例と同様であり、
重複説明を避けるためその説明を省略する。
【0075】図8に、図4乃至図7に示した前記変形例
のさらに別の変形例を示す。この変形例は、図4乃至図
7に示した前記変形例に対して、図3に示した変形例と
同様に、マスタロール1aにおけるマスタ搬送方向Aの
下流側に製版済マスタ1s若しくはマスタ1に張力を付
与するための伸張部材としての張りローラ17を配設し
たことのみ相違する。張りローラ17の軸17sの両端
部は、図示しない軸受を介して各ロールアーム19a,
19bに回転自在に支持されている。また張りローラ1
7の軸17sの両端部は、張りローラ17が製版済マス
タ1s若しくはマスタ1に接触する方向において、略、
マスタロール1aと版胴7の外周面との間で製版済マス
タ1s若しくはマスタ1がくの字形になる接触位置に支
持されている。張りローラ17は、製版済マスタ1s若
しくはマスタ1との摩擦力で従動回転される。張りロー
ラ17により、マスタロール1aと版胴7の外周面との
間の製版済マスタ1s若しくはマスタ1の進行方向に発
生する縦シワとか弛みが張りローラ17表面により伸張
される。
【0076】前記各変形例の伸張部材は、張りローラ1
7に限らず、図9に示すように、偏倚力付与手段として
の溝17Aaを有する張りローラ17Aや、図10に示
すように、偏倚力付与手段としての高摩擦抵抗部17B
aと低摩擦抵抗部17Bbとを交互に有する張りローラ
17Bを用いることにより、製版済マスタ1s若しくは
マスタ1に、その両側方への偏倚力fを伴う張力を付与
してもよい。高摩擦抵抗部17Ba及び低摩擦抵抗部1
7Bbは、表面の粗さの程度で形成したり、硬度の差で
形成する。また、偏倚力付与手段は、溝状のものに限ら
ず、突起状のものであってもよく、要するに各々の張り
ローラ上に形成された、八の字状の偏倚力付与手段のそ
の末広がりの部分がマスタ搬送方向Aに対して下流側に
位置するように設けられたものでものであればよい。
【0077】なお、張りローラ17,17A,17B
は、合成ゴム製の弾性ローラに限らず、樹脂や金属等か
らなるローラを用いてもよく、その外周面には、マスタ
に適度の張力を付与するゴム等の弾性体層、粘着層、高
摩擦層を形成することが望ましい。 なお、前記各変形
例の伸張部材は、1個の張りローラ17に限らず、ばね
等により互いに圧接され接離自在に構成された一対の張
りローラでもよく、この場合には前記偏倚力付与手段を
その何れか一方に設ければよい。
【0078】なお、張りローラ17,17A,17B及
び一対の張りローラは、その軸端にプーリ及び無端ベル
ト(共に図示せず)等を介して図示しないモータを連結
して回転駆動させるようにしてもよく、この場合、前記
各張りローラ滑り回転伝達手段としての摩擦クラッチや
トルクリミッタを前記モータと前記軸との間に配設して
もよい。このように前記摩擦クラッチや前記トルクリミ
ッタを配設することにより、版胴7の回転によるマスタ
搬送方向Aの下流側に搬送される製版済マスタ1s若し
くはマスタ1に所定の張力が付与されることとなり、製
版済マスタ1sの収縮によるしわ発生を抑制することが
できる。ここで、上記所定の張力の大きさは、搬送ロー
ラ対3,4により挾持される押圧による摩擦力、あるい
はマスタロール1aとサーマルヘッド2とで挾持される
押圧による摩擦力よりは小さく設定する。
【0079】また、前記各変形例の伸張部材は、前記各
張りローラに限らず、製版済マスタ1s若しくはマスタ
1へ圧接する向きにばね等により付勢された、ロール芯
1bの長さ方向と略平行に配設された板状部材、あるい
は板ばね部材のようなものでもよく、この場合にも前記
偏倚力付与手段をその製版済マスタ1s若しくはマスタ
1との圧接面に設けることが望ましく、また前記圧接面
にフッ素樹脂等の皮膜をコーティングすることがさらに
好ましい。
【0080】なお、前記押圧手段は、プレスローラ14
に限らず、版胴7上に突出したクランパ部や給排版ユニ
ット20等に干渉しないようにその外周部が一部切り欠
かれて形成されたもの、例えば特開平5−201115
号公報に記載されているようなプレス胴等であってもよ
い。
【0081】なお、この実施例においては、実質的に熱
可塑性樹脂フィルムのみから成るマスタを用いたが、こ
れに限らず、熱可塑性樹脂フィルムとインキ通過性の多
孔質支持体として、例えば和紙等を貼り合わせた従来の
孔版マスタやこれを薄くした孔版マスタも使用できるこ
とはいうまでもない。
【0082】また、請求項3記載の発明において、給版
ロール支持手段及び排版ロール支持手段を有する給排版
ユニットとは、前記変形例のものに限らず、例えば本願
出願人から既に提案されている、給版ユニット及び排版
ユニットを具備する特願平5−275690号及び特願
平5−132164号等に記載した構成をも含み、ある
いは特公平5−70595号公報に記載された着排版ユ
ニット等をも含む。これらに本発明の特徴的な構成、す
なわちプラテンローラを除去し、サーマルヘッドをマス
タロールに押圧させる構成を適用してもよい。
【0083】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
によれば、前記構成及び作用により、マスタが加熱穿孔
されるときに収縮し、画像寸法再現性が悪化するのを防
止するために従来必要であった、プラテンローラにおけ
るマスタ搬送方向の下流側に配設されマスタに張力を加
える張力発生手段及びプラテンローラそのものを除去す
ることができ、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみから
成るマスタや支持体が薄いマスタであっても、加熱穿孔
時の収縮によるシワが発生しにくく、装置をコンパクト
・簡素化してコストアップすることのない孔版印刷装置
を提供することができる。
【0084】請求項2記載の発明によれば、マスタのセ
ット時に、搬送ローラ対によるマスタの搬送力が、マス
タロールからマスタを引き出す引出力よりも小さい範囲
で、駆動手段により搬送ローラ対が回転されることによ
り、マスタロールと搬送ローラ対との間のマスタに張力
が付与されるので、弛んだり斜行して生じるシワの発生
を防止することができる。
【0085】請求項3記載の発明によれば、サーマルヘ
ッドがマスタロールに直接押圧・接触して、マスタが加
熱穿孔製版される。この状態で、排版ロールにより使用
済マスタが順次巻き取られつつ、版胴の回転により版胴
の外周面上に製版済マスタが巻き付けられるので、プラ
テンローラにおけるマスタ搬送方向の下流側に配設され
マスタに張力を加える張力発生手段及びプラテンローラ
そのものを除去することができ、実質的に熱可塑性樹脂
フィルムのみから成るマスタや支持体が薄いマスタであ
っても、加熱穿孔時の収縮によるシワが発生しにくく、
装置をコンパクト・簡素化してコストアップすることの
ない孔版印刷装置を提供することができる。さらにこれ
により、マスタロールを含めた製版及び排版部をコンパ
クト・簡素化できるので、給排版ユニットの回転バラン
スの悪化を軽減できる。
【0086】請求項4記載の発明によれば、マスタロー
ルにはマスタを巻き付けるためのロール芯が設けられて
おり、ロール芯の外周面に弾性体を設けたので、マスタ
ロールのマスタが消費されてロール芯が露出したとき
に、サーマルヘッドとロール芯との押圧でサーマルヘッ
ドがダメージを受けるのを防止することができる。
【0087】請求項5記載の発明によれば、さらに、マ
スタロールにおけるマスタ搬送方向の下流側に前記マス
タに張力を付与するための伸張部材を配設したので、こ
の伸張部材により、請求項1記載の発明においてはマス
タロールとマスタ搬送手段との間のマスタに、請求項3
記載の発明においてはマスタロールと版胴との間のマス
タに発生する局部的な弛みとかマスタ搬送方向の弛みが
修正され、マスタ搬送手段での又は版胴でのマスタへの
シワの発生を防止することができる。
【0088】請求項6記載の発明によれば、さらに、伸
張部材が、その外周面に、マスタの両側方への偏倚力を
付与するための偏倚力付与手段を備えたので、偏倚力付
与手段によりマスタの両側方がその偏倚力を受けてマス
タの弛みが修正され、マスタ搬送手段での又は版胴での
マスタへのシワの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す孔版印刷装置の正面図
である。
【図2】前記実施例の支持手段を示す要部の斜視図であ
る。
【図3】前記実施例の変形例を示す製版装置の要部の正
面図である。
【図4】前記実施例の別の変形例を示す孔版印刷装置の
一部断面図である。
【図5】図4の孔版印刷装置における巻取駆動手段接離
機構廻りの構成を示す正面図である。
【図6】図4の孔版印刷装置におけるマスタロール支持
手段及び排版ロール支持手段廻りの構成を示す斜視図で
ある。
【図7】図4の孔版印刷装置における給排版ユニット停
止手段廻りの構成を示す要部の側面図である。
【図8】前記実施例のさらに別の変形例を示す孔版印刷
装置の拡大一部断面図である。
【図9】張りローラの変形例を示す平面図である。
【図10】張りローラの別の変形例を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1 マスタ 1a マスタロール 1b ロール芯 1c 弾性体としてのゴム 1s 製版済マスタ 1u 使用済マスタ 2 サーマルヘッド 3,4 マスタ搬送手段を構成する搬送ローラ対 3M マスタ搬送手段を構成する駆動手段とし
ての搬送モータ 7 版胴 11 回転中心軸を兼ねるインキパイプ 17,17A,17B 伸張部材としての張りローラ 17Aa 偏倚力付与手段としての溝 17Ba 偏倚力付与手段を構成する高摩擦抵抗部 17Bb 偏倚力付与手段を構成する低摩擦抵抗部 20 給排版ユニット 31 排版ロール支持手段 49 支持手段 49A マスタロール支持手段 50,50A 孔版印刷装置 A マスタ搬送方向

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルムを備えたマスタが巻
    き付けられたマスタロールを回転自在に支持する支持手
    段から繰り出される前記マスタを、画像信号に応じてサ
    ーマルヘッドで加熱穿孔製版し、このマスタをマスタ搬
    送手段でマスタ搬送方向の下流側へ搬送し、前記マスタ
    を回転中心軸の周りに回転する版胴の外周面に巻装し、
    前記版胴の内周側からインキを供給し、前記マスタを介
    して前記版胴に対して印刷用紙を押圧手段で押圧して印
    刷を行う孔版印刷装置において、 前記サーマルヘッドを前記マスタロールに押圧させたこ
    とを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の孔版印刷装置において、 前記マスタ搬送手段は搬送ローラ対と該搬送ローラ対を
    回転駆動する駆動手段とからなり、 前記マスタのセット時に、前記搬送ローラ対による前記
    マスタの搬送力が、前記マスタロールから前記マスタを
    引き出す引出力よりも小さい範囲で、前記搬送ローラ対
    を回転させることを特徴とする孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】外周面に熱可塑性樹脂フィルムを備えたマ
    スタが巻き付けられ回転中心軸の周りに回転する版胴
    と、 前記版胴の内周面にインキを供給するインキ供給手段
    と、 前記マスタの一端が巻き付けられ該マスタを前記版胴に
    供給するマスタロールを支持するマスタロール支持手段
    と、 前記マスタを加熱穿孔製版するサーマルヘッドと、 前記マスタの他端が巻き付けられ使用済マスタを前記版
    胴から巻き取る排版ロールを支持する排版ロール支持手
    段と、 前記回転中心軸の周りに前記版胴に対して回動自在であ
    り、前記マスタロール支持手段及び前記排版ロール支持
    手段を有する給排版ユニットとを具備する孔版印刷装置
    において、 前記サーマルヘッドを前記マスタロールに押圧させたこ
    とを特徴とする孔版印刷装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2又は3記載の孔版印刷装置に
    おいて、 前記マスタロールには前記マスタを巻き付けるためのロ
    ール芯が設けられており、 前記ロール芯の外周面に弾性体を設けたことを特徴とす
    る孔版印刷装置。
  5. 【請求項5】請求項1,2又は3記載の孔版印刷装置に
    おいて、 前記マスタロールにおけるマスタ搬送方向の下流側に前
    記マスタに張力を付与するための伸張部材を配設したこ
    とを特徴とする孔版印刷装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の孔版印刷装置において、 前記伸張部材が、その外周面に、前記マスタの両側方へ
    の偏倚力を付与するための偏倚力付与手段を備えたこと
    を特徴とする孔版印刷装置。
JP13186494A 1994-06-14 1994-06-14 孔版印刷装置 Pending JPH07329407A (ja)

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JP13186494A JPH07329407A (ja) 1994-06-14 1994-06-14 孔版印刷装置

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012135886A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Ricoh Co Ltd 排版装置及び孔版印刷装置

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