JPH08142302A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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JPH08142302A
JPH08142302A JP6285158A JP28515894A JPH08142302A JP H08142302 A JPH08142302 A JP H08142302A JP 6285158 A JP6285158 A JP 6285158A JP 28515894 A JP28515894 A JP 28515894A JP H08142302 A JPH08142302 A JP H08142302A
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JP6285158A
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English (en)
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Sadanao Okuda
貞直 奥田
Takahito Toshima
隆人 戸島
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Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】裏移り、滲み、裏抜け等の少ない印刷物が得ら
れる小型で使い勝手が良い間接印刷方式の印刷装置を得
る。 【構成】製版部7で製版された原紙Sは版胴13に巻か
れる。回転駆動される版胴13の内部にはインキ供給手
段11がある。版胴13の下には版胴13よりも小径の
転写胴15が接触する。転写胴15の回転数は版胴13
よりも大きい。転写胴15の表面は撥インキ性を示す材
料からなる。転写胴15の下には昇降自在の圧胴23が
ある。版胴13の版画像は転写胴15に転移する。被印
刷体Pは転写胴15と圧胴23の間に供給され、圧胴2
3によって転写胴15に押圧される。転写胴15の画像
が被印刷体Pに転移する。転写胴15の表面に残留した
インキはインキ除去手段30によって回転毎に除去され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平板印刷装置、孔版印刷
装置などの印刷装置に係り、特に小形で狭い場所にも容
易に設置でき、印刷物に裏移り・滲み・裏抜け等の不具
合が生じにくい印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3を参照して従来の孔版式・直接印刷
方式の製版印刷装置の構造を説明する。原稿画像読み取
り部5はイメージスキャナ3を有し、印刷すべき原稿の
画像を読み取る。製版部9は製版デバイス7を有し、原
稿読み取り部5が読み取った原稿画像データに応じて孔
版印刷用原紙Sに穿孔画像を形成する。円筒状の版胴1
3の外周面には、製版部9により穿孔された孔版印刷用
原紙Sが巻き付けられる。版胴13の内部にはインク供
給装置11があり、版胴13の内周面にインクを供給す
る。版胴13の下方には上下動する圧胴23がある。圧
胴23は、版胴13と圧胴23の間に供給される被印刷
体Pを版胴13との間で挟持搬送し、被印刷体Pに画像
を形成させる。給紙台25上の被印刷体Pは紙捌きロー
ラ27により1枚ずつ送りだされ、給紙タイミングロー
ラ29によって圧胴23と版胴13の間に送りこまれ
る。印刷された被印刷体は分離爪37によって版胴13
から剥ぎ取られ、ベルトコンベア機構の搬送装置31に
よって排紙台33に排出される。印刷が終了した孔版印
刷用原紙Sは、排版部35によって版胴13から剥ぎ取
られて廃棄される。
【0003】前述したような製版印刷装置のように液状
のインキを使用する印刷に於いては、印刷済みの被印刷
体を印刷直後に重ねると、印刷画像を形成しているイン
キが一枚上の被印刷体の裏面に付着する裏移りが生じる
ことがあった。また印刷されたインキが滲んだり、印刷
されたインキが被印刷体の反対側の面に透き通る裏抜け
が発生することもあった。これらの不都合は、被印刷体
上の印刷画像を形成しているインキ量が多いと発生し易
い。
【0004】また、前述した製版印刷装置のように、版
胴13の孔版印刷用原紙Sと圧胴23の間に被印刷体P
を挟んで該被印刷体Pに版胴13から直接インクを転移
させて印刷を行う直接印刷方式の印刷装置では、被印刷
体Pの表面平滑性やインキ吸収性により、転移するイン
キ量が変化して均一な画像が形成されにくいという問題
があった。また図4に示すようにインキの糸曳き性によ
って被印刷体P上に形成された印刷画像が盛り上がった
状態になってしまうことがあった。
【0005】また、前述した製版印刷装置のように、印
刷済みの被印刷体Pを分離爪37で版胴13から剥がす
構造とした場合、この分離爪37は版胴13に接触させ
ることができない。このため、印刷済みの被印刷体Pを
版胴13の周面から確実に剥がすことができず、該被印
刷体Pは回転する版胴13の周面に接着された状態とな
って版胴と共に上方に舞い上がってしまうことがあっ
た。さらに、被印刷体Pの印刷画像面に分離爪37が接
触すると、特にベタ部分の多い印刷の場合には分離爪3
7の接触跡が残りやすく、原稿に忠実な印刷物が得にく
いという問題があった。
【0006】前述した直接印刷方式において被印刷体に
生じていた裏移り・滲み・裏抜け等の不都合を少なくす
るために、印刷画像を形成するインキを必要最小限に抑
える方法が試みられている。周知の間接印刷方式である
オフセット印刷方式もその一つである。この印刷法は版
胴の近傍に転写胴を設け、必要最小限の量のインキを版
胴から転写胴に移して被印刷体に印刷するため、裏移り
・滲み・裏抜けを少なくすることができる。
【0007】これら裏移り等の問題は、被印刷体上にて
印刷画像を形成するインキ量、即ち着肉量が多い孔版印
刷に於いて特に顕著である。これは、一般に孔版印刷で
は、直接印刷方式(直刷り)で印刷を行っているためで
ある。被印刷体に直接印刷を行うと、被印刷体の表面状
態によっては、印刷画像を形成するインキ量が変化し、
相当量の裏移り、滲み、裏抜けが発生する。
【0008】このような孔版式の直接印刷法における裏
移り等の問題を解決する手段として、孔版式の間接印刷
が提案されている。このような技術は特開平5−318
898で示されている。
【0009】図5を参照して孔版式・間接印刷方式の製
版印刷装置の構造を説明する。但し、図3を参照して説
明した装置と同一の部分については図3と同一の符号を
付してその説明を省略する。版胴13の下方には転写胴
15が設けられている。転写胴15と版胴13は外径が
同一であり、回転速度が等しい。転写胴15は版胴13
に接触してその周面にインクの版画像を転写される。こ
の転写胴15に対して圧胴23が被印刷体Pを押しつ
け、転写胴15上のインクの版画像が被印刷体Pに転写
されて印刷が行われる。
【0010】しかしながら、従来の間接印刷方式では、
上述した孔版式・間接印刷方式の製版印刷装置の例に見
るように、版胴と転写胴の大きさ(直径)と回転速度が
等しく設定されていた。このために装置全体が大きくな
り、小型化できないという他の問題が発生していた。
【0011】また、前述した間接印刷方式では、転写胴
と版胴の回転速度が等しいため、連続印刷時には毎回転
写胴上の全く同じ位置に印刷画像が転写される。従っ
て、転写胴が回転するたびに転写胴の周面を清掃する必
要はなく、印刷が終了した時点で転写胴の周面に残った
インキを除去すればよかった。しかしながら、一般に転
写胴は洗浄しにくいゴム部材で構成されているため、転
写胴上の余剰のインキを除去して清掃するためには、大
掛かりなインキ除去装置が必要となり、このインキ除去
装置によって印刷装置自体が大きくなるという新たな問
題が生じていた。
【0012】以上説明したような事情から、間接印刷方
式であるオフセット印刷方式は、一般のオフィスに設置
されることはなく、専門の印刷業者によって使用される
のが一般的であった。また、孔版式・間接印刷方式の製
版印刷装置も、同様の理由によって一般に普及するには
至らなかった。
【0013】なお、裏移り、滲み、裏抜け等の不都合を
少なくする他の方法として、特に裏移りを低減する手段
として、ハロゲンランプや、ヒータ、ヒートローラ等を
用いて、印刷された用紙の転移インキを熱または熱風に
より乾燥させる方法がある。しかしながら被印刷体上に
転移したインキを完全に乾燥させるためには、相当大き
な乾燥装置が必要となり、この乾燥装置を装着した場合
にもやはり印刷装置が更に大きくなってしまうという問
題が生じる。
【0014】直接印刷方式(直刷り)では、被印刷体が
硬い場合、刷版の耐久性(耐刷性)が悪くなることがあ
る。また直接被印刷体にインクを転移させるために圧胴
から版胴への加圧量が大きくなるので、騒音が発生する
などの問題が生じる場合がある。このような問題点に鑑
みれば、前記間接印刷方式の方が有効な印刷手段である
と考えられるが、前述したように、間接印刷方式を採用
するためには転写胴を装置内に設置した場合の装置の大
型化という問題があり、この点を解決する必要があっ
た。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記従
来の技術における問題点を解決することにより、裏移
り、滲み、裏抜け等の少ない印刷物が得られると共に、
刷版の耐久性・静音化に優れ、小型で使い勝手が良好な
間接印刷方式の印刷装置を提供することにある。
【発明が解決するための手段】
【0016】請求項1に記載された印刷装置は、インキ
による版画像が形成されて回転する版胴と、前記版胴に
接触しながら前記版胴と異なる回転速度で回転して前記
版画像が転移する転写胴と、前記転写胴に被印刷体を接
触させて被印刷体に印刷画像を形成する圧胴とを有する
ことを特徴としている。
【0017】請求項2に記載された印刷装置は、請求項
1記載の印刷装置において、前記版胴から前記転写胴に
転移したインキのうち前記被印刷体に転移せずに該転写
胴に残った余剰のインキを除去するインキ除去手段を備
えたことを特徴としている。
【0018】請求項3に記載された印刷装置は、請求項
2記載の印刷装置において、前記インキ除去手段が、前
記転写胴の周面に残留した余剰のインキを集めるクリー
ニング部材と、クリーニング部材が集めた余剰のインキ
を収納する収納部と、前記余剰のインキを除去するため
に前記転写胴の表面にインキ除去液を供給するインキ除
去液供給手段とを有することを特徴としている。
【0019】請求項4に記載された印刷装置は、請求項
3記載の印刷装置において、前記転写胴の少なくとも表
面を構成する材質が、用いられる印刷インキに対して撥
インキ性を示す材料であることを特徴としている
【0020】請求項5に記載された印刷装置は、請求項
4記載の印刷装置において、前記版胴は、凹版、凸版、
平板、孔版のいずれかの製版方式によって作製された刷
版を有することを特徴としている。
【0021】請求項6に記載された印刷装置は、請求項
5記載の印刷装置において、孔版印刷用原紙の製版機構
を備え、前記版胴には製版された孔版印刷用原紙が装着
されることを特徴としている。
【0022】
【作用】本印刷装置の版胴に設ける刷版としては、凹
版、凸版、平板、孔版のいずれかの製版方式によって作
製された刷版を使用できる。この刷版上には、版画像を
形成する線画部及び非線画部が形成される。版胴上に形
成されたインキによる版画像は、被印刷体へ転移する前
に、版胴と接触して回転する転写胴に転写される。
【0023】インキが転移した転写胴と圧胴との間に被
印刷体が供給され、被印刷体は転写胴と圧胴に挟まれて
搬送される。転写胴のインキは、圧胴によって圧力を加
えられて転写胴に押しつけられた被印刷体に転移し、被
印刷体上に印刷画像を形成する。
【0024】転写胴の回転速度は版胴の回転速度とは異
なり、転写胴に転移した印刷画像の位置は回転毎に異な
る。転写胴から被印刷体にインキが転移した後、被印刷
体に転移しなかった余剰分のインキは、インキ除去手段
によって転写胴から除去される。即ち、インキ除去液供
給手段がインキ除去液を転写胴の周面に塗布し、この転
写胴の周面に版胴からインキが転移するので、印刷後に
転写胴に残留したインキはクリーニング手段によって完
全に集められ、収納部に回収される。
【0025】転写胴の少なくとも表面の材質を、インキ
を弾く撥インキ性の材料で構成すれば、上記インキ除去
手段による転写胴上のインキの除去はより良く行われ
る。
【0026】
【実施例】図1及び図2を参照して本実施例の孔版式・
間接印刷方式の製版印刷装置の構造を説明する。原稿画
像読み取り部5はイメージスキャナ3を有し、印刷すべ
き原稿の画像を読み取る。製版部9は製版デバイス7を
有し、原稿読み取り部5が読み取った原稿画像データに
応じて孔版印刷用原紙Sに穿孔画像を形成する。インキ
通過性の周壁を有する円筒状の版胴13は、図示しない
回転駆動手段により自身の中心軸線の周りに図にて時計
廻り方向に回転駆動される。版胴13の外周面には孔版
印刷用原紙Sの先端を保持する保持手段がある。版胴1
3の内部にはインク供給装置11がある。
【0027】製版された孔版印刷用原紙Sの先端を保持
手段が保持し、版胴13が図1中時計回り方向に回転す
れば、刷版である製版済みの孔版印刷用原紙Sは版胴1
3の周面に巻きつけられる。インク供給装置11が版胴
13の内周面にインクを供給して版胴13の表面に版画
像を形成する。
【0028】版胴13の下方には転写胴15が設けられ
ている。転写胴15は版胴13に接触して図1中反時計
回り方向に回転し、版胴13に形成された版画像は該転
写胴15に一時的に転移する。転写胴15は版胴13よ
りも小径であり、版胴13とは異なる回転速度で回転す
る。
【0029】転写胴15の少なくとも表面は、本装置で
用いられる印刷インキに対して撥インキ性を示す材料に
より平滑に形成されている。このような材料としては、
4フッ化エチレン(PTFE)、4フッ化エチレン−6
フッ化プロピレン共重合体(FEP)、4フッ化エチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(P
FA)、シリコーンゴムなどを例示することができる
が、使用されるインキに応じて適宜選定するのが好まし
い。転写胴15の少なくとも表面を、このような撥イン
キ性を示す材料で構成しておけば、転写胴15から被印
刷体Pへのインキの転写がより良く行われ、転写後に転
写胴15に残留したインキを除去しやすい。
【0030】本実施例の転写胴15は、弾性材料である
ゴム材料及び/又は金属材料が使用された内部層と、前
記撥インキ性を示す材料からなる表面層とによって構成
される。そして表面層の膜厚は、内部層の弾性材料の性
質を活かすため、薄手のものが好ましい。
【0031】転写胴15の下方には上下動する圧胴23
がある。圧胴23は、転写胴15との間に供給される被
印刷体Pを転写胴15との間に挟んで搬送し、被印刷体
Pに印刷画像を形成する。給紙台25上の被印刷体Pは
紙捌きローラ27により1枚ずつ送りだされ、給紙タイ
ミングローラ29によって圧胴23と転写胴15の間に
送りこまれる。印刷された被印刷体Pは転写胴15から
分離し、ベルトコンベア機構の搬送装置31によって排
紙台33に排出される。印刷が終了した孔版印刷用原紙
Sは、排版部35によって版胴13から剥ぎ取られて廃
棄される。
【0032】本実施例のように転写胴15が弾性を示す
場合、前記圧胴23は弾性を示さない材料を用いて構成
する。転写胴15が弾性を示さない場合、圧胴23は弾
性を示す材料で構成する。
【0033】本実施例によれば、転写胴の回転速度が版
胴の回転速度とは異なっているため、被印刷体にインキ
が転移した後、被印刷体に転移しなかった余剰分のイン
キを完全に除去しなければならない。これは、転写胴が
一回転した後の二回転目には、一回転目に転写胴上に形
成された印刷画像とは異なる印刷画像が転写胴上に形成
されるためである。
【0034】このため、印刷された被印刷体Pが排出さ
れる側である前記転写胴15の右側隣部には、インキ除
去手段30が設けられている。インキ除去手段30は、
前記版胴13から前記転写胴15に転移したインキのう
ち、前記被印刷体Pに転移せずに該転写胴15に残った
余剰のインキを除去する。
【0035】インキ除去手段30は、前記転写胴15の
周面に残留した余剰のインキを集めるクリーニング部材
17を、転写胴15の回転方向に関して圧胴23の後方
に有している。また、クリーニング部材17が集めた余
剰のインキを収納する収納部19と、前記余剰のインキ
をより効果的に除去するために前記転写胴15の表面に
インキ除去液を供給するインキ除去液供給手段21を有
している。
【0036】本実施例のクリーニング部材17は、転写
胴15の周面に接するブレード形状の部材である。転写
胴15の周面に残留する余剰分のインキが比較的少ない
場合には、クリーニング部材17として不織布、織布、
インキ吸収紙などを用いることも有効である。
【0037】本実施例のインキ除去液供給手段21は、
転写胴15の回転方向についてクリーニング部材17の
後方に隣接して設けられている。このインキ除去液供給
手段21は、インキ除去液の液量を自動で制御して転写
胴15の周面に供給する。液量を自動で制御できないイ
ンキ供給手段を用いる場合には、転写胴15の回転方向
についてクリーニング部材17の前方にインキ供給手段
を取り付け、転写胴15の周面に塗布されるインキ除去
液の液量をクリーニング部材17によって制御すること
もできる。
【0038】インキ除去液としては、本装置に使用され
るインキと相溶せず、同インキの表面張力よりも低い液
体が用いられる。例えば、ジメチルシリコーンオイル、
及びフェニル、ポリエーテル、フッ素、アミノ、エポキ
シ、カルボキシ、カルビノール、メタクリル、メルカプ
ト、フェノールなどの変成シリコーンオイル、界面活性
剤、有機溶剤などを添加した水溶液がインキ除去液とし
て使用しうる。
【0039】水に添加する界面活性剤としては、アニオ
ン、カチオン、及び両性のイオン系ならびに非イオン系
の界面活性剤がある。水に添加する有機溶剤は、水と相
溶する有機溶剤であり、これには、メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、エチレングリコール、グリセンリンなどがある。
【0040】本実施例の製版印刷装置は、孔版印刷用原
紙Sが製版部9で正像で穿孔されて版胴13に装着され
た後、印刷動作に移行する。図1において版胴13は時
計回り方向に回転駆動される。版胴13に接触している
転写胴15は、版胴13とは異なる回転速度で反時計廻
り方向に回転駆動される。被印刷体Pは、転写胴15の
回転に同期して給紙タイミングローラ29により所定の
タイミングで搬送され、転写胴15と圧胴23との間に
供給される。図2に示すように、版胴13から転写胴1
5に転移した版画像のインキ39は、圧胴23によって
被印刷体P上に転移する。
【0041】本実施例の製版印刷装置は、従来の製版印
刷装置のように被印刷体を版胴から剥ぎ取るための分離
爪を持たないが、本実施例では転写胴15の径は版胴1
3の径よりも小さく、転写胴15の回転速度は版胴13
の回転速度よりも大きいので、印刷済みの被印刷体Pは
転写胴15の周面から容易に剥がれる。印刷済みの被印
刷体Pは、印刷画像面を上にして排紙搬送装置31によ
って排紙台33に送られる。
【0042】従来の孔版印刷装置に於いては、分離爪に
よって版胴と被印刷体、又は転写胴と被印刷体を分離す
るが、本実施例の製版印刷装置によれば、転写胴15の
径は版胴13の径よりも小さく、転写胴15の回転速度
は版胴13の回転速度よりも大きいので、分離爪が無く
ても被印刷体は転写胴より剥ぎ取ることができる。更
に、舞い上がりを完全に無くすため、この分離爪を設け
て転写胴15に接触させて印刷を行うこともできる。こ
れは、分離爪が転写胴に接触すると転写胴の表面に分離
爪の跡が発生するが、本実施例ではインキ除去手段30
のクリーニング部材17によって転写胴15上の前記跡
を完全に除去することができるからである。
【0043】図2に示すように、被印刷体P上に転移し
なかった転写胴15上の余剰分のインキ41は、インキ
除去手段30のクリーニング部材17によって完全に掻
き取られ、この余剰分のインキ41は収納部19に集め
られる。本実施例のインキ除去手段30はインキ除去液
供給手段21を有しており、転写胴15の周面にインキ
除去液を供給することができるので、クリーニング部材
17による余剰分のインキ41の除去はインキ除去液供
給手段がない場合に比べてより完全に行われる。
【0044】前述したように、図4に示した従来の直接
印刷方式の孔版印刷装置では、版胴13から被印刷体P
に転移するインキの量は、被印刷体Pの表面平滑性、イ
ンキ吸収性によって変化する。また、孔版印刷に用いら
れるインキの糸曳き性によって、被印刷体P上に形成さ
れた印刷画像は盛り上がった状態になっている。
【0045】これに対し、図2で示す本実施例の製版印
刷装置では、まず転写胴15が均一な表面平滑性と撥イ
ンキ性を示す材料を用いているため、版胴13上で版画
像を構成するインクは余分な糸曳きを示すことなく版胴
13から転写胴15の表面に転移する。続けてこのイン
キは圧胴23によって被印刷体Pに加圧される。本実施
例のように、転写胴15が弾性を示し、圧胴23が弾性
を示さない場合には、転写胴15の表面に存在するイン
キ39は、圧胴23による加圧によって被印刷体Pの内
部に押し込まれ、被印刷体Pの印刷画像表面には盛り上
がったインキは存在しないことになる。本実施例とは逆
に転写胴15に弾性がなく、圧胴23が弾性を示す場合
にも、同様の作用・効果が得られる。
【0046】本実施例の製版印刷装置と従来の孔版式の
製版印刷装置に関し、得られた印刷画像の裏移り性、排
紙台に排出させた時のインキの定着性、滲み性、裏抜け
性、刷版の耐久性(耐刷性)、及び印刷時の騒音の評価
を行い、その結果を表1に示した。
【0047】
【表1】
【0048】評価基準は以下の取りである。 1.裏移り性:連続して20枚印刷を行った時の裏移り
状態において評価を行った。裏移りが発生していなかっ
た場合を○、多少でも裏移りが発生していた場合を×で
表示。 2.インキ定着性:印刷されて排紙台に排出された印刷
画像を指で擦った時、印刷画像が崩れなった場合を○、
崩れた場合を×で表示。 3.滲み性: 印刷されて排紙台に排出された印刷画像
を顕微鏡(x100)で観察を行い、滲みが発生してい
なかった場合を○、滲みが顕著に発生していた場合を×
で表示。 4.裏抜け性:印刷されて排紙台に排出された印刷画像
を裏側より印刷濃度の測定を行った時の数値で表示。印
刷濃度の測定にはマクベス社製RD−920を使用し
た。 5.刷版の耐久性:連続で印刷を行い、原稿に対して忠
実な印刷画像が得られる印刷可能枚数で表示。 6.騒音: 印刷時の騒音を、耳で判断して騒音を評
価。印刷時に圧胴から加圧される時の音が静かな場合を
○、うるさい場合を×で表示。
【0049】
【発明の効果】請求項1に記載の印刷装置によれば、転
写胴と版胴の回転速度が異なり、転写胴の径を版胴の径
よりも小さくできるので、装置全体を小さくできるとい
う効果がある。請求項2及び3に記載の印刷装置によれ
ば、転写胴上の余剰分のインキを転写胴からほぼ完全に
除去できるので、印刷の品質が良好である。請求項4に
記載の印刷装置によれば、転写胴の少なくとも表面が撥
インキ性を示す部材で構成されているため、転写胴上か
ら完全に余剰分のインキを除去することができる。請求
項5に記載の印刷装置によれば、版胴に、凹版、凸版、
平板、孔版の各製版方式により得られた刷版を用いるこ
とができ、必要に応じて様々な製版方式を利用すること
ができる。請求項6に記載の印刷装置によれば、孔版式
の製版機構を装着した孔版印刷装置であるため、製版及
び印刷を一貫して簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の構造を示す断面図である。
【図2】一実施例における転写胴付近の拡大図である。
【図3】従来の孔版印刷装置を示す断面図である。
【図4】従来の孔版印刷装置における圧胴付近の拡大図
である。
【図5】従来の転写式の孔版印刷装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
7 製版部 13 版胴 15 転写胴 17 クリーニング部材 19 収納部 21 インキ除去液供給手段 23 圧胴 30 インキ除去手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41L 13/04 K 13/18 M G03G 15/14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インキによる版画像が形成されて回転す
    る版胴と、前記版胴に接触しながら前記版胴と異なる回
    転速度で回転して前記版画像が転移する転写胴と、前記
    転写胴に被印刷体を接触させて被印刷体に印刷画像を形
    成する圧胴とを有する印刷装置。
  2. 【請求項2】 前記版胴から前記転写胴に転移したイン
    キのうち前記被印刷体に転移せずに該転写胴に残った余
    剰のインキを除去するインキ除去手段を備えた請求項1
    記載の印刷装置。
  3. 【請求項3】 前記インキ除去手段が、前記転写胴の周
    面に残留した余剰のインキを集めるクリーニング部材
    と、クリーニング部材が集めた余剰のインキを収納する
    収納部と、前記余剰のインキを除去するために前記転写
    胴の表面にインキ除去液を供給するインキ除去液供給手
    段とを有する請求項2記載の印刷装置。
  4. 【請求項4】 前記転写胴の少なくとも表面を構成する
    材質が、用いられる印刷インキに対して撥インキ性を示
    す材料であることを特徴とする請求項3記載の印刷装
    置。
  5. 【請求項5】 前記版胴は、凹版、凸版、平板、孔版の
    いずれかの製版方式によって作製された刷版を有するこ
    とを特徴とする請求項4記載の印刷装置。
  6. 【請求項6】 孔版印刷用原紙の製版機構を備え、前記
    版胴には製版された孔版印刷用原紙が装着される請求項
    5記載の印刷装置。
JP6285158A 1994-10-28 1994-11-18 印刷装置 Pending JPH08142302A (ja)

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JP6285158A JPH08142302A (ja) 1994-11-18 1994-11-18 印刷装置
EP19950307666 EP0710553B1 (en) 1994-10-28 1995-10-27 Transfer printing machine
DE1995607570 DE69507570T2 (de) 1994-10-28 1995-10-27 Transfer-Druckmaschine

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009184306A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 General Technology Co Ltd 段ボール・ラフ紙用感熱孔版印刷装置

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