JPH10166705A - 孔版印刷機 - Google Patents

孔版印刷機

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JPH10166705A
JPH10166705A JP33097296A JP33097296A JPH10166705A JP H10166705 A JPH10166705 A JP H10166705A JP 33097296 A JP33097296 A JP 33097296A JP 33097296 A JP33097296 A JP 33097296A JP H10166705 A JPH10166705 A JP H10166705A
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JP33097296A
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English (en)
Inventor
Akihiro Ito
昭宏 伊藤
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Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M1/00Inking and printing with a printer's forme
    • B41M1/12Stencil printing; Silk-screen printing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 にじみ画像やオフセット現象、裏移り等の印
刷物の品質上の問題を解消することができるとともに、
中間転写体の表面をクリーニングするクリーニング手段
の複雑化、大型化を回避できる孔版印刷機の提供。 【解決手段】 中間転写体4の少なくとも表面を溶剤浸
透特性を有する材料としてのシリコンゴム層28で形成
し、クリーニング液を使用しないクリーニング手段10
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外周面に孔版原紙
が装着された印刷版胴でインキ画像を形成し、このイン
キ画像を中間転写体を介して用紙に間接転写する孔版印
刷機に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の孔版印刷機は、図10に示すよ
うに、外周面に孔版原紙が装着された印刷版胴70と、
押圧手段としての転写加圧ローラ72と、印刷版胴70
の内部に設けられたインキ供給手段74とから概略構成
されている。インキ供給手段74は、印刷版胴70の内
周面に接するインキローラ76と、このインキローラ7
6へのインキ量を規制するドクターローラ78を備えて
おり、インキは印刷版胴70の版胴回転軸80を介して
供給されるようになっている。用紙搬送経路82を通過
する用紙が転写加圧ローラ72で印刷版胴70の外周面
に押圧されると、インキローラ76によって送り出され
たインキは用紙の表面に転移し、これによってインキ画
像が形成される。インキとしては、一般的に水系成分と
油系成分のエマルジョンを形成するエマルジョン型イン
キが用いられている。これは、印刷版胴70や孔版原紙
を通過する過程で固化しないように組成配分がなされて
おり、安定度の高い特性を有している。
【0003】しかしながら、この固化が遅いインキ特性
に加えて、用紙に転移したインキの厚みが通常数十ミク
ロンと厚いため、乾燥時間が長く、これによっていろい
ろな問題を抱えている。すなわち、用紙に転写された時
点で水系成分の揮発によって乾燥工程が始まるわけであ
るが、油系成分はそのまま用紙上にとどまるため、画像
定着性があまり良くなく、にじみ画像や裏抜け現象(イ
ンキが用紙の裏側まで浸透すること)が発生し易い。ま
た、用紙を連続的に搬送して高速多量印刷を行う場合に
は1枚当たりの乾燥時間が非常に短いため、排紙トレイ
に積層排紙された場合、ある用紙の画像がすぐ上の用紙
の裏面に転移する、いわゆる裏移り現象が生じ、印刷物
の品質低下を来していた。
【0004】また、図11に示すように、上述の印刷構
成が複数並列配置された多色印刷対応の孔版印刷機の場
合、印刷部Aで1色目のインキ画像を転写した用紙に印
刷部Bで2色目のインキ画像を転写する際に、1色目の
インキが用紙を介して2色目の孔版原紙に付着し、その
付着インキが再度次の用紙に付着して地汚れや2重画像
となる、いわゆるオフセット現象を生じていた。
【0005】このようなインキ画像の低乾燥性に起因す
る問題に対処する方法としては、熱又は熱風等で用紙に
転移したインキ画像を強制的に急速乾燥する等、いろい
ろ考えられるが、製造コストや画像品質の観点から、例
えば特開平5−318898号公報に開示される間接印
刷方式(オフセット印刷方式)のものが知られている。
これは、印刷版胴で形成されたインキ画像を一旦中間転
写体に転写し、この中間転写体に転写されたインキ画像
を押圧手段による加圧力で用紙に転写するものである。
中間転写体の表面には耐油性の弾性シートが貼り付けら
れており、印刷後の弾性シートに残留したインキをクリ
ーニング装置で除去するようになっている。クリーニン
グはクリーニングローラにクリーニング液を供給する化
学洗浄方式となっている。この方式によれば、中間転写
体への転写工程自体による乾燥促進作用を得ることがで
きることに加え、中間転写体へ転移したインキ画像を用
紙に十分に押し込んで浸透させることができ、インキ画
像の盛り上がり(厚み)を少なくして乾燥を速めること
ができる。
【0006】これと同様な間接印刷方式によるものとし
て、特開平8−142302号公報に記載の印刷装置が
ある。この装置の場合、中間転写体から用紙へのインキ
の転写性をより良くするため、また、転写後に中間転写
体に残留するインキを除去し易くするため、中間転写体
の少なくとも表面は、撥インキ性を示す材料で平滑に形
成されている。また、残留インキを除去するため、中間
転写体の表面にインキ除去液を供給するインキ除去液供
給手段が備えられている。撥インキ性を示す材料として
は、4フッ化エチレン(PTFE)、シリコンゴム等が
例示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の間接印刷方式の場合、いずれも中間転写体の表面
(特開平5−318898号公報では弾性シート表面、
以下同じ)に残留したインキをクリーニング液を使用し
て除去する構成であるため、中間転写体表面に微量なク
リーニング液の薄膜が形成され、これによってにじみ画
像が発生する、という新たな問題が生じている。また、
このような画像品質上の問題に加え、クリーニング液の
供給、回収手段、タンク等の機構が不可欠となるために
クリーニング装置が複雑・大型化する、という構成上の
問題も生じている。
【0008】本発明は、にじみ画像やオフセット現象、
裏移り等の印刷物の品質上の問題を解消することができ
るとともに、クリーニング装置の複雑・大型化を回避で
きる孔版印刷機の提供を、その主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】特開平5−318898
号公報や特開平8−142302号公報に開示された技
術では、印刷版胴で形成されたインキ画像を中間転写体
によってそのまま受け止め、これをそのままの状態で用
紙に転写するという考えに基づいている。これは、特開
平8−142302号公報の場合、中間転写体の少なく
とも表面を撥インキ性を示す材料で形成し、その材料と
して4フッ化エチレン(PTFE)を筆頭に挙げている
点から明らかである。すなわち、4フッ化エチレン(P
TFE)は、撥水・撥油性の両特性を高水準に備えた機
能材料としてよく知られており、この材料で中間転写体
の表面を形成した場合、印刷版胴から転写されたインキ
画像の水系成分はもちろんのこと、油系成分もそのまま
中間転写体の表面に保持されることになる。換言すれ
ば、転写後に中間転写体の表面に残る残留インキも油系
成分がそのまま保持されているからクリーニング液を使
用するクリーニング装置が必要となるのである。なお、
撥インキ性を示す材料として、他にシリコンゴムが例示
されているが、これも同様の観点から採用されるもので
ある。また、特開平5−318898号公報の場合に
は、「耐油性の弾性シート」という記載があることか
ら、特開平8−142302号公報と同様の考えに基づ
くことは明らかである。
【0010】裏移り等の問題の根本的原因は、既述の通
り、用紙に転写されたインキ画像の油系成分が保持さ
れ、これによって転写されたインキ画像の乾燥に時間が
かかることにある。インキ画像の水系成分は中間転写体
から用紙への転写時に揮発又は用紙に吸収されて揮発す
るから、油系成分を中間転写体で吸収してやれば用紙へ
の転写と同時にインキ画像の速乾性を得ることができる
とともに、中間転写体の表面に残留したインキ(未転写
インキ)も油系成分が少ないから、インキの顔料を主体
とした粉末状態で残り、このためクリーニング液を用い
ることなく単なる機械的な掻き取り態様で除去できるこ
とになる。これが本発明の趣旨である。具体的には、請
求項1記載の発明では、インキ画像を形成する印刷版胴
と、該印刷版胴に圧接され上記インキ画像を転写される
中間転写体と、該中間転写体に用紙を押圧する押圧手段
とを備え、上記インキ画像を上記中間転写体に一旦転写
した後に上記用紙に転写する孔版印刷機において、上記
中間転写体の少なくとも表面が溶剤浸透特性を有する材
料で形成されているとともに、上記中間転写体の転写後
の表面をクリーニング液を使用せずにクリーニングする
クリーニング手段を備えている、という構成を採ってい
る。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
構成において、上記中間転写体の表面に、上記印刷版胴
が両面同時印刷可能に2つ圧接され、一方の印刷版胴が
上記押圧手段の機能を兼ねる、という構成を採ってい
る。請求項3記載の発明では、請求項2記載の構成にお
いて、上記印刷版胴のうち、上記押圧手段の機能を兼ね
ない方の印刷版胴が上記中間転写体に対して接離自在に
設けられている、という構成を採っている。請求項4記
載の発明では、請求項1記載の構成において、上記中間
転写体の表面周囲に、上記印刷版胴が多色印刷可能に複
数個圧接されている、という構成を採っている。
【0012】請求項5記載の発明では、インキ画像を形
成する印刷版胴が多色印刷の各色に対応して複数個並列
配置されているとともに、上記インキ画像を転写される
中間転写体がこれらの印刷版胴の全部もしくは2版目以
降の印刷版胴に個別に圧接され、且つ、上記印刷版胴も
しくは上記中間転写体に用紙を押圧して該用紙に上記イ
ンキ画像を転写するための押圧手段を備え、上記中間転
写体の少なくとも表面は溶剤浸透特性を有する材料で形
成されており、上記用紙への転写位置下流側に上記中間
転写体の表面をクリーニング液を使用せずにクリーニン
グするクリーニング手段を備えている、という構成を採
っている。
【0013】請求項6記載の発明では、請求項1又は2
又は3又は5記載の構成において、上記用紙への転写工
程前に、上記中間転写体の表面に溶剤浸透特性を有する
部材を圧接する、という構成を採っている。請求項7記
載の発明では、請求項4記載の構成において、上記各々
の印刷版胴の下流側における上記中間転写体の表面に、
溶剤浸透特性を有する部材を圧接する、という構成を採
っている。請求項8記載の発明では、請求項1又は4又
は5記載の構成において、上記押圧手段が熱源を有して
いる、という構成を採っている。請求項9記載の発明で
は、請求項1又は4又は5記載の構成において、上記中
間転写体の内部に蓄積するインキの油系成分を上記押圧
手段に一旦転移させた後、上記用紙の裏面に転移させて
排出する、という構成を採っている。請求項10記載の
発明では、請求項1又は4又は5記載の構成において、
上記押圧手段を、上記中間転写体に圧接した位置に保持
する、という構成を採っている。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1及び図2に基
づいて説明する。孔版印刷機には、図1に示すように、
印刷版胴2と、この印刷版胴2の外周面に圧接された中
間転写体4と、この中間転写体4に用紙6を押圧する押
圧手段としての転写加圧ローラ8と、用紙6に対する中
間転写体4の転写後の表面をクリーニングするクリーニ
ング装置10が備えられている。転写加圧ローラ8は中
間転写体4に圧接され、且つ、その状態を保持するよう
に設けられている(請求項10)。
【0015】印刷版胴2は、多孔構造のスクリーンドラ
ム12と、このスクリーンドラム12の内部に装備され
たインキ供給手段14と、スクリーンドラム12の外周
面に巻き付け状態で装着される孔版原紙16とから概略
構成されている。インキ供給手段14は、スクリーンド
ラム12の回転軸としてのインキ供給パイプ18と、ス
クリーンドラム12の内周面にエマルジョン型インキを
供給するインキローラ20と、このインキローラ20と
の間に形成されるインキ溜まり22からのインキ量を規
制するドクターローラ24とから構成されている。孔版
原紙16は、図示しない製版・給版部で原稿の画像情報
に基づいてサーマルヘッドで溶融穿孔方式で画像を形成
された後、ロール状態から所定長さに切断され、スクリ
ーンドラム12の外周面に備えられたクランパ26でそ
の先端を挟持されてスクリーンドラム12に装着され
る。印刷完了後の孔版原紙16は、所定の排版工程に基
づいて処理されるようになっている。
【0016】インキ供給手段14から供給されたインキ
はスクリーンドラム12をその径方向に通り抜けて孔版
原紙16の穿孔部から中間転写体4の圧接力によって滲
み出し、これによって中間転写体4の表面にインキ画像
が転写される。中間転写体4に転写されたインキ画像
は、転写加圧ローラ8の押圧作用によって用紙6の表面
6aに転写される。
【0017】中間転写体4は、図2に示すように、その
表面が溶剤浸透特性を有する材料としてのシリコンゴム
層28で形成されている(請求項1)。シリコンゴムは
撥水性に優れるが、撥油性においては4フッ化エチレン
(PTFE)等よりも劣ることが知られている。このシ
リコンゴムの撥油性における特性低下に着目し、これを
溶剤浸透特性として利用するものである。インキ画像の
一部分について模式的に説明すると、印刷版胴2から転
写された直後のインキ画像30は、図2の第1過程に示
すように、水系成分と油系成分がともに表面に存在し、
大きな盛り上がり状態となっている。時間が経過する
と、第2過程に示すように、シリコンゴム層28の溶剤
浸透特性によってインキ画像30のある程度の油系成分
30aはシリコンゴム層28内に取り込まれ、表面には
少ない油系成分と、撥水性によって水系成分30b等が
残る。かかる状態で用紙6への転写がなされるため、イ
ンキ画像30は油系成分の少ない状態で用紙6の表面に
転写される。水系成分30bは揮発又は用紙6に吸収さ
れて急激に減少する。このため、第3過程に示すよう
に、転写後の中間転写体4の表面に残存する未転写のイ
ンキは、油系成分と水系成分が共に少ない、顔料を主体
とした粉末状態となる。
【0018】この残存インキを除去するためのクリーニ
ング装置10は、クリーニングローラ32と、このクリ
ーニングローラ32に接触する絞りローラ34と、除去
したインキを収容するケーシング36とから構成されて
いる。クリーニングローラ32にはブラシローラを使用
している。上述のように、残存インキが粉末状態であ
り、且つ、油系成分が極めて少ないために、機械的除去
手段としてのブラシローラで十分であり、クリーニング
液による化学的洗浄は必要ない。クリーニングローラ3
2で掻き取ったインキは絞りローラ34により掻き取ら
れ、ケーシング36内に回収される。
【0019】シリコンゴム層28内に蓄積する油系成分
は、中間転写体4と転写加圧ローラ8との間に用紙6が
送られる前の圧接によって転写加圧ローラ8に転移し、
用紙6への転写時に、転写加圧ローラ8からさらに用紙
6の裏面6bに転移する(請求項9)。このため、中間
転写体4の表面層部分のみを溶剤浸透特性を有する材料
で形成しても、油系成分の蓄積による飽和状態は起こら
ず、常に溶剤浸透特性を発揮させることができる。ま
た、エマルジョン型インキを使用することによって、シ
リコンゴム層28の表面でも十分な量のインキを載せる
ことができ、すなわち、適正な画像濃度を得るに十分な
量のインキを載せることができ、その油系成分を吸収す
ることによって、上述のようにクリーニングも容易とな
る。
【0020】このように、中間転写体4の少なくとも表
面を溶剤浸透特性を有する材料で形成すると、印刷版胴
2から中間転写体4に転写され中間転写体4の表面に残
存するインキ画像の油系成分を少なくすることができる
ので、用紙6へ転写されたインキ画像の乾燥速度を大幅
に速めることができ、にじみ画像や裏抜け、裏移りを防
止することができる。従って、高品質、高速印刷が可能
となる。なお、上記実施例では中間転写体4の表面層の
みを溶剤浸透特性を有する材料で形成したが、全体をこ
の材料で形成してもよい。また、溶剤浸透特性を有する
材料としてはシリコンゴムに限らず、撥水性をも備える
ものであれば適宜に採用できる。また、転写加圧ローラ
8を常に中間転写体4へ圧接する構成であるので、転写
加圧ローラ8が中間転写体4へ衝突することによる騒音
を防止できるとともに、接離機構が不要になるのでコス
トダウンを図ることができ、さらには、転写加圧ローラ
8と中間転写体4の耐久性の向上を図ることができる。
もちろん、接離機構によって転写加圧ローラ8を中間転
写体4へ接離自在に設けても上記溶剤浸透特性に基づく
機能が得られることに変わりはない。
【0021】図3及び図4は、請求項2及び3に対応す
る実施例を示すものである。本実施例は、「にじみ画像
やオフセット現象、裏移り等の印刷物の品質上の問題を
解消することができるとともに、クリーニング手段の複
雑・大型化を回避できる孔版印刷機の提供」という主目
的に加え、両面同時印刷方式の孔版印刷機における片面
のみを印刷する場合の孔版原紙の無駄な使用の回避を目
的としている。なお、上記実施例と符号が同じものにつ
いては、簡略化して示す(以下、同じ)。また、その構
成及び機能についての説明は上記実施例と同一であるの
で特に必要がない限り省略する(以下、同じ)。本実施
例における両面同時印刷対応の孔版印刷機は、図3に示
すように、中間転写体4と、この中間転写体4の上下に
おいてそれぞれ圧接される上側の印刷版胴40と、下側
の印刷版胴42と、クリーニング手段10とから概略構
成されている(請求項2)。下側の印刷版胴42におけ
るインキの供給方向は矢印Nの方向である。便宜上、上
側の印刷版胴40のインキカラーを赤色、下側の印刷版
胴42のインキカラーを青色とすると、中間転写体4を
介した中間印刷は用紙6の裏面6bに転写される青色の
インキ画像のみであり、用紙6の表面6aに転写される
赤色のインキ画像は従前方式と同様に、印刷版胴40か
ら直接に転写される。従って、この場合、青色のインキ
画像の転写においては印刷版胴40が上記実施例におけ
る転写加圧ローラ8として機能し、赤色のインキ画像の
転写においては中間転写体4が同様の機能を呈すること
になる。転写後の未転写インキは上記実施例で説明した
のと同様に、クリーニング手段10で掻き取られ、中間
転写体4の表面は常に新しい表面に維持される。
【0022】また、下側の印刷版胴42は図示しない駆
動手段によって、中間転写体4に対して接離自在に設け
られている(請求項3)。片面印刷を行う場合には、図
4に示すように、下側の印刷版胴42が中間転写体4か
ら離される。これによって、中間転写体4を転写加圧ロ
ーラとする直接転写方式によって片面印刷を行うことが
できる。従来において、両面同時印刷対応の孔版印刷機
で片面印刷を行う場合には、使用しない印刷版胴のイン
キによって用紙裏面が汚れないように、わざわざ使用し
ない印刷版胴の表面に未製版の孔版原紙を装着する必要
があったが、本実施例のものによれば、インキ汚れの心
配は無くなるので、孔版原紙の無駄な消費を回避するこ
とができる。
【0023】図5は、請求項4及び7に対応する実施例
を示すものである。本実施例における孔版印刷機は、同
時多色印刷機能を有するもので、一つの中間転写体4の
表面の周囲に二つの印刷版胴44,46が圧接されてお
り、それぞれの印刷版胴44,46の下流側には溶剤吸
収手段48,50が設けられている。 印刷版胴44の
下流側に位置する溶剤吸収手段48は、溶剤浸透特性を
有する部材で形成されたブロッターローラ52と、ブロ
ッターローラ52に付着したインキを掻き落すブロッタ
ー絞りローラ54と、掻き落されたインキを収容するケ
ーシング56とから構成されている。同様に、印刷版胴
46の下流側に位置する溶剤吸収手段50は、ブロッタ
ーローラ52と、ブロッター絞りローラ54と、ケーシ
ング58とから構成されている。ここで言う溶剤とは、
エマルジョン型インキに含まれる油系成分を指し、流動
パラフィンである。中間転写体4に転写されたインキ画
像は、中間転写体4の表面から外方へ遠い部分はまだ中
間転写体4の溶剤浸透特性が十分に行き届かないため、
油系成分が多く存在する。転写工程前にこの油系成分を
吸収することによって、また、余分なインキを掻き取る
と同時に中間転写体4の表面上に形成された山形状のイ
ンキを平にすることによって、にじみのない良好な印刷
画像を得ることができる。また、油系成分が少なくなる
ことによってインキの粘着力が上がるため、転写効率の
向上を図ることができる。かかる観点から溶剤吸収手段
48,50が設けられている。なお、各ブロッターロー
ラ52は、中間転写体4と連れ回りするようになってい
る。また、各ブロッターローラ52は、中間転写体4と
同様に、シリコンゴムで形成されている。
【0024】便宜上、第1版目の印刷版胴44のインキ
カラーを赤色、第2版目の印刷版胴46のインキカラー
を青色とすると、赤色インキで中間転写体4上に形成さ
れたインキ画像は溶剤吸収手段48のブロッターローラ
52によって余分なインキと油系成分を吸収される。こ
れによって、下流側における青色インキ対応の印刷版胴
46の孔版原紙に赤色のインキが再転写されるオフセッ
ト現象が防止される。その後、中間転写体4には青色の
インキ画像が形成されるが、転写前に溶剤吸収手段50
のブロッターローラ52によって余分なインキと油系成
分が吸収される。次いで転写加圧ローラ8の押圧作用に
よって用紙6上に2色のインキ画像が転写される。転写
しきれなかった未転写インキはクリーニング手段10に
よって掻き落され、中間転写体4の表面は新しくなって
次の印刷に備えられる。このような構成とすることによ
って、一つの中間転写体4で同時に2色の印刷物を得る
ことが可能となる。本実施例においては2色同時印刷対
応の例を示したが、印刷版胴の数を増やすことにより、
その数に見合った複数の色の印刷物を同時に得ることが
できる。
【0025】図6及び図7は、請求項5に対応する実施
例を示すものである。本実施例における孔版印刷機は、
最初の実施例で示した中間転写体4を有する印刷構成部
を用紙6の搬送方向に2個並列配置して構成されてい
る。この例によれば、第1版目の赤色インキは転写体4
の溶剤吸収特性によって油系成分を吸収されるので、第
2版目までの過程で十分に乾燥し、また、第2版目の青
色インキを同様に転写体4の溶剤吸収特性によって油系
成分を吸収されるので図11の従来構成で生じていたオ
フセット現象や裏移り現象を防止することができる。図
7は、第2版目の印刷構成部にのみ中間転写体4を設け
た例である。この例の場合には、第1版目は従来方式の
直接転写構成であるが、第1版目の赤色インキが載った
用紙6に第2版目の青色インキを載せる際に、中間転写
体4に移った赤色インキはそこで油系成分を吸収される
とともにクリーニング手段10で掻き取られる。従っ
て、用紙6上にはオフセット画像は発生せず、また、用
紙6上の余分な赤色インキが結果的に中間転写体4によ
って掻き取られることになるので、にじみ画像の発生も
抑制される。
【0026】図8は、請求項6,8に対応する実施例を
示すものである。図6で示した並列配置構成による多色
印刷対応の例であるが、図5で示した例と同様の観点か
ら、用紙への転写工程前に中間転写体4に転写されたイ
ンキ画像の油系成分を吸収可能に溶剤吸収手段58が設
けられている(請求項6)。溶剤吸収手段58は、ブロ
ッターローラ52と、このブロッターローラ52に付着
したインキを掻き取るブラシローラ60と、ブロッター
絞りローラ54と、ケーシング62とから構成されてい
る。また、本実施例における転写加圧ローラ64は熱源
を有しており(請求項8)、100℃に加熱できるよう
になっている。これによって中間転写体4上のインキは
加熱されるので、用紙6への転写率が向上し、クリーニ
ング手段10の負担が軽減されるとともに、より高濃度
の印刷画像を得ることができる。この転写加圧ローラ6
4の温度は、インキ組成に応じて予め実験等によって得
られた最適値が設定されることになる。
【0027】上記各実施例では、ブラシローラ32を有
するクリーニング手段10を用いたが、図9に示すよう
に、繊維シート68を繰り出しローラ69、加圧ローラ
70、巻き取りローラ71によって矢印方向に移動させ
るクリーニング手段66を用いてもよい。なお、上記各
実施例では、説明上、インキの組成成分で油系成分と称
したのは主成分である流動パラフィンを指しているが、
これに限定されるものではなく、他の溶剤、例えば炭化
水素系一般等についても同様の溶剤浸透特性による上記
効果を得ることができるものである。
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、中間転写
体の少なくとも表面を溶剤浸透特性を有する材料で形成
する構成としたので、印刷版胴から中間転写体に転写さ
れ中間転写体の表面に残存するインキ画像の油系成分を
少なくすることができるので、用紙へ転写されたインキ
画像の乾燥速度を大幅に速めることができ、にじみ画像
や裏抜け、裏移り、オフセット現象を防止することがで
きる。従って、高品質、高速印刷が可能となる。また、
クリーニング液を使用しないクリーニング手段を用いる
構成であるので、クリーニング液の供給、回収手段、タ
ンク等の機構を必要とせず、よってクリーニング手段の
複雑化、大型化を回避することができる。また、クリー
ニング液を使用しないために残存したクリーニング液の
薄膜によるにじみ画像を回避することができる。
【0029】請求項2記載の発明によれば、上記中間転
写体の表面に両面同時印刷可能に2つの印刷版胴を圧接
する構成としたので、上記基本効果に加え、裏移り現象
の発生のない高品質の同時両面印刷画像を得ることがで
き、また、にじみの少ない高品質の同時両面印刷画像を
得ることができる。請求項3記載の発明によれば、両面
同時印刷構成において一方の印刷版胴を中間転写体に対
して接離自在な構成としたので、上記基本効果に加え、
片面印刷の場合における孔版原紙の無駄な消費を回避す
ることができる。請求項4記載の発明によれば、一つの
中間転写体の回りに複数の印刷版胴を配置した多色印刷
構成としたので、上記基本効果に加え、多色印刷構成の
コンパクト化を図ることができる。請求項5記載の発明
によれば、印刷版胴を複数個並列配置し、少なくとも2
版目以降の印刷版胴に上記中間転写体を圧接する構成と
したので、上記基本効果に加え、オフセット画像、裏移
り現象の発生のない高品質の多色印刷画像を得ることが
できる。
【0030】請求項6、7記載の発明によれば、用紙へ
の転写前に溶剤を吸収する構成としたので、転写率の向
上を図ることができるとともに、クリーニングに対する
負荷の減少によってクリーニング部材の長寿命化を図る
ことができる。また、基本効果におけるにじみ画像の防
止精度をさらに向上させることができる。請求項8記載
の発明によれば、押圧手段が熱源を有する構成としたの
で、上記基本効果に加え、転写率の向上を図ることがで
きるとともに、クリーニングに対する負荷の減少によっ
てクリーニング部材の長寿命化を図ることができる。請
求項9記載の構成によれば、中間転写体に蓄積する油系
成分を押圧手段を経由して排出する構成としたので、上
記基本効果に加え、中間転写体の溶剤浸透特性による溶
剤吸収機能を常に同レベルで発揮させることができる。
請求項10記載の構成によれば、押圧手段を中間転写体
に圧接した状態に保持する構成としたので、押圧手段が
中間転写体に衝突することによる騒音を防止することが
できるとともに、接離機構が不要になるのでコストダウ
ンを図ることができ、さらには衝突しない構成によって
押圧手段と中間転写体の耐久性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す孔版印刷機の概要図で
ある。
【図2】中間転写体の溶剤浸透特性を示す模式図であ
る。
【図3】両面同時印刷対応の例を示す概要図である。
【図4】両面同時印刷対応の例における片面印刷の場合
の構成を示す図である。
【図5】中間転写体を一つ用いた多色印刷対応の例を示
す概要図である。
【図6】印刷版胴を並列配置した多色印刷対応の例を示
す概要図である。
【図7】印刷版胴を並列配置した多色印刷対応の例にお
いて、一方のみに中間転写体を備える場合の概要図であ
る。
【図8】印刷版胴を並列配置した多色印刷対応の例にお
いて、押圧手段が熱源を有する場合の概要図である。
【図9】クリーニング手段の変形例を示す概要図であ
る。
【図10】従来例を示す概要図である。
【図11】印刷版胴を並列配置した多色印刷対応の従来
例を示す概要図である。
【符号の説明】
2、40、42、44、46 印刷版胴 4 中間転写体 6 用紙 10 クリーニング手段 28 溶剤浸透特性を有する材料としてのシリコンゴム

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インキ画像を形成する印刷版胴と、該印刷
    版胴に圧接され上記インキ画像を転写される中間転写体
    と、該中間転写体に用紙を押圧する押圧手段とを備え、
    上記インキ画像を上記中間転写体に一旦転写した後に上
    記用紙に転写する孔版印刷機において、 上記中間転写体の少なくとも表面が溶剤浸透特性を有す
    る材料で形成されているとともに、上記中間転写体の転
    写後の表面をクリーニング液を使用せずにクリーニング
    するクリーニング手段を備えていることを特徴とする孔
    版印刷機。
  2. 【請求項2】上記中間転写体の表面に、上記印刷版胴が
    両面同時印刷可能に2つ圧接され、一方の印刷版胴が上
    記押圧手段の機能を兼ねることを特徴とする請求項1記
    載の孔版印刷機。
  3. 【請求項3】上記印刷版胴のうち、上記押圧手段の機能
    を兼ねない方の印刷版胴が上記中間転写体に対して接離
    自在に設けられていることを特徴とする請求項2記載の
    孔版印刷機。
  4. 【請求項4】上記中間転写体の表面周囲に、上記印刷版
    胴が多色印刷可能に複数個圧接されていることを特徴と
    する請求項1記載の孔版印刷機。
  5. 【請求項5】インキ画像を形成する印刷版胴が多色印刷
    の各色に対応して複数個並列配置されているとともに、
    上記インキ画像を転写される中間転写体がこれらの印刷
    版胴の全部もしくは2版目以降の印刷版胴に個別に圧接
    され、且つ、上記印刷版胴もしくは上記中間転写体に用
    紙を押圧して該用紙に上記インキ画像を転写するための
    押圧手段を備え、上記中間転写体の少なくとも表面は溶
    剤浸透特性を有する材料で形成されているとともに、上
    記中間転写体の転写後の表面をクリーニング液を使用せ
    ずにクリーニングするクリーニング手段を備えているこ
    とを特徴とする孔版印刷機。
  6. 【請求項6】上記用紙への転写工程前に、上記中間転写
    体の表面に溶剤浸透特性を有する部材を圧接することを
    特徴とする請求項1又は2又は3又は5記載の孔版印刷
    機。
  7. 【請求項7】上記各々の印刷版胴の下流側における上記
    中間転写体の表面に、溶剤浸透特性を有する部材を圧接
    することを特徴とする請求項4記載の孔版印刷機。
  8. 【請求項8】上記押圧手段が熱源を有していることを特
    徴とする請求項1又は4又は5記載の孔版印刷機。
  9. 【請求項9】上記中間転写体の内部に蓄積するインキの
    油系成分を上記押圧手段に一旦転移させた後、上記用紙
    の裏面に転移させて排出することを特徴とする請求項1
    又は4又は5記載の孔版印刷機。
  10. 【請求項10】上記押圧手段を、上記中間転写体に圧接
    した位置に保持したことを特徴とする請求項1又は4又
    は5記載の孔版印刷機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6736560B2 (en) * 1999-06-09 2004-05-18 Tohoku Ricoh Co., Ltd. Printer
JP2006150754A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷装置
US7284479B2 (en) * 2002-07-26 2007-10-23 Tohoku Ricoh Co., Ltd. Printer operable in duplex print mode

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