JP2001071520A - インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法 - Google Patents
インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法Info
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- JP2001071520A JP2001071520A JP25409099A JP25409099A JP2001071520A JP 2001071520 A JP2001071520 A JP 2001071520A JP 25409099 A JP25409099 A JP 25409099A JP 25409099 A JP25409099 A JP 25409099A JP 2001071520 A JP2001071520 A JP 2001071520A
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- discharge
- ink jet
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Abstract
(57)【要約】
【課題】キャップ部材が不要であるため小型化の促進に
極めて好都合であり且つ非印字時のみならず印字中も不
使用吐出ノズルのインクの乾燥を防止できるインクジェ
ットプリンタを提供する。 【解決手段】インクジェットプリンタがクリーニングモ
ードに設定されるとキャリッジ9が矢印E方向へ往路の
移動を開始し、ワイパーブレード12の払拭層とフェル
ト材13の塗布層とから成る二層構造の摺擦部材10の
ワイパーブレード12によって、印字ヘッド2の吐出面
2−1がクリーニングされる。続いてキャリッジ9が矢
印E方向とは反対側へ復路の移動を行うことにより、摺
擦部材10のフェルト材13によってシリコンオイルの
塗膜が行われ、吐出ノズルのインク表面がシリコンオイ
ルのバリア層で覆われる。ページ毎に画像データを参照
し、使用吐出ノズルのみ回復吐出を行ってバリア層を取
り除いた後印字を開始する。
極めて好都合であり且つ非印字時のみならず印字中も不
使用吐出ノズルのインクの乾燥を防止できるインクジェ
ットプリンタを提供する。 【解決手段】インクジェットプリンタがクリーニングモ
ードに設定されるとキャリッジ9が矢印E方向へ往路の
移動を開始し、ワイパーブレード12の払拭層とフェル
ト材13の塗布層とから成る二層構造の摺擦部材10の
ワイパーブレード12によって、印字ヘッド2の吐出面
2−1がクリーニングされる。続いてキャリッジ9が矢
印E方向とは反対側へ復路の移動を行うことにより、摺
擦部材10のフェルト材13によってシリコンオイルの
塗膜が行われ、吐出ノズルのインク表面がシリコンオイ
ルのバリア層で覆われる。ページ毎に画像データを参照
し、使用吐出ノズルのみ回復吐出を行ってバリア層を取
り除いた後印字を開始する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャッピング部材
を用いずに吐出ノズルの目詰まりを防止するインクジェ
ットプリンタ及びインクジェット記録方法に関する。
を用いずに吐出ノズルの目詰まりを防止するインクジェ
ットプリンタ及びインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット方式のプリン
タが広く用いられている。このインクジェット方式によ
るプリンタには、ピエゾ抵抗素子(圧電素子)の変形に
よってインク滴を飛ばすピエゾ方式や、膜気泡の発生す
る力でインク滴を飛ばすサーマル方式等がある。
タが広く用いられている。このインクジェット方式によ
るプリンタには、ピエゾ抵抗素子(圧電素子)の変形に
よってインク滴を飛ばすピエゾ方式や、膜気泡の発生す
る力でインク滴を飛ばすサーマル方式等がある。
【0003】上記のサーマル方式のインクジェットヘッ
ドには、インク滴の吐出方向により二通りの構成があ
る。すなわち、発熱部の発熱面に平行な方向へインクを
吐出する構成のサイドシュータ型を呼称されるものと、
発熱部の発熱面に垂直な方向にインクを吐出する構成の
ルーフシュータ型(又はトップシュータ型ともいう)と
呼称されるものである。ルーフシュータ型インクジェッ
トヘッドは、サイドシュータ型インクジェットヘッドに
比較して、消費電力が極めて小さくて済むことが知られ
ている。
ドには、インク滴の吐出方向により二通りの構成があ
る。すなわち、発熱部の発熱面に平行な方向へインクを
吐出する構成のサイドシュータ型を呼称されるものと、
発熱部の発熱面に垂直な方向にインクを吐出する構成の
ルーフシュータ型(又はトップシュータ型ともいう)と
呼称されるものである。ルーフシュータ型インクジェッ
トヘッドは、サイドシュータ型インクジェットヘッドに
比較して、消費電力が極めて小さくて済むことが知られ
ている。
【0004】また、家庭で個人的に使用される小型のプ
リンタとしては、比較的軽便なシリアル式のプリンタが
主流となって広く用いられている。シリアル式のプリン
タは、小型のインクジェットヘッドとインクカートリッ
ジが一体になって用紙の幅方向に往復移動しながら、縦
方向に搬送される用紙面に文字や画像を印字(印刷)す
る。
リンタとしては、比較的軽便なシリアル式のプリンタが
主流となって広く用いられている。シリアル式のプリン
タは、小型のインクジェットヘッドとインクカートリッ
ジが一体になって用紙の幅方向に往復移動しながら、縦
方向に搬送される用紙面に文字や画像を印字(印刷)す
る。
【0005】ところで、近年、情報機器の普及に伴って
印字を高速に行うプリンタの要望が強くなり、上記のシ
リアル式のプリンタでは印字速度が遅いという不満が高
まっている。これに対処すべく、インクジェットプリン
タにおいても、インクジェットヘッドの吐出ノズルが印
字主走査領域の略全域に対応して設けられるライン式の
プリンタが実用化の段階に入っている。
印字を高速に行うプリンタの要望が強くなり、上記のシ
リアル式のプリンタでは印字速度が遅いという不満が高
まっている。これに対処すべく、インクジェットプリン
タにおいても、インクジェットヘッドの吐出ノズルが印
字主走査領域の略全域に対応して設けられるライン式の
プリンタが実用化の段階に入っている。
【0006】ところが、インクジェットプリンタは、ピ
エゾ方式であれサーマル方式であれ又はシリアル式ある
いはライン式であっても、印字時は勿論、非印字時にお
いてもインクジェットヘッドの吐出ノズル内にインクが
滞留している。そして、この吐出ノズル内のインクは極
めて乾燥し易い傾向がある。インクが乾燥すると、イン
クの粘度が増加して流動性が低下し、又はインクが固ま
って、吐出ノズルが目詰まりを起してしまう。
エゾ方式であれサーマル方式であれ又はシリアル式ある
いはライン式であっても、印字時は勿論、非印字時にお
いてもインクジェットヘッドの吐出ノズル内にインクが
滞留している。そして、この吐出ノズル内のインクは極
めて乾燥し易い傾向がある。インクが乾燥すると、イン
クの粘度が増加して流動性が低下し、又はインクが固ま
って、吐出ノズルが目詰まりを起してしまう。
【0007】このように吐出ノズルが目詰まりを起した
のでは正常な画像を印字することができないから、その
ような不具合を防止するために、上記いずれの方式のイ
ンクジェットプリンタにおいても、印字を停止または休
止している非印字時にインクジェットヘッドのインクを
吐出する面を覆ってこれを外気から密封することにより
インクの乾燥を防止するためのキャップ部材を備えてい
る。また、そのキャップ部材を印字時/非印字時に応じ
てインクジェットヘッドに着脱させるためのキャッピン
グ機構も備えている。
のでは正常な画像を印字することができないから、その
ような不具合を防止するために、上記いずれの方式のイ
ンクジェットプリンタにおいても、印字を停止または休
止している非印字時にインクジェットヘッドのインクを
吐出する面を覆ってこれを外気から密封することにより
インクの乾燥を防止するためのキャップ部材を備えてい
る。また、そのキャップ部材を印字時/非印字時に応じ
てインクジェットヘッドに着脱させるためのキャッピン
グ機構も備えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェットヘッド(以下、印字ヘッドという)の表面全体
を覆うキャップ部材やそのキャップ部材を印字ヘッドに
着脱させるキャッピング機構を備えることは、特にライ
ン式のインクジェットプリンタにおいて、用紙の幅と同
等な大きな幅の印字ヘッドに対応するキャップ部材及び
キャッピング機構を備えなければならないから、このた
め装置が大型化して、プリンタの小型化を阻害するとい
う問題を有していた。
ジェットヘッド(以下、印字ヘッドという)の表面全体
を覆うキャップ部材やそのキャップ部材を印字ヘッドに
着脱させるキャッピング機構を備えることは、特にライ
ン式のインクジェットプリンタにおいて、用紙の幅と同
等な大きな幅の印字ヘッドに対応するキャップ部材及び
キャッピング機構を備えなければならないから、このた
め装置が大型化して、プリンタの小型化を阻害するとい
う問題を有していた。
【0009】また、キャップ部材の本来の目的は非印字
時における吐出ノズル内のインクの乾燥を防ぐことにあ
り、また、印字ヘッドも印字時には常に吐出ノズルを記
録材(一般的には用紙)に対向させてインクを吐出する
体勢を維持している必要があるから、いずれにしても印
字時には、キャップ部材は印字ヘッドの吐出面から外さ
れている。したがって、印字時には吐出ノズルの吐出口
は常に外気に晒されている。
時における吐出ノズル内のインクの乾燥を防ぐことにあ
り、また、印字ヘッドも印字時には常に吐出ノズルを記
録材(一般的には用紙)に対向させてインクを吐出する
体勢を維持している必要があるから、いずれにしても印
字時には、キャップ部材は印字ヘッドの吐出面から外さ
れている。したがって、印字時には吐出ノズルの吐出口
は常に外気に晒されている。
【0010】ところが、印字時には、全ての吐出ノズル
が印字動作を行っている訳ではなく、印字画像の態様に
よっては、印字中に、長時間にわたりインクが吐出され
ない吐出ノズルが発生することは珍しくない。特に印字
ヘッドがライン式の印字ヘッドのように長尺の印字ヘッ
ドになるとシリアル式の印字ヘッドに比較して1吐出ノ
ズル当りの吐出回数が少なく(吐出確率が低く)なり、
印字データによっては、1ページの印字中に1度もイン
クを吐出しない吐出ノズルも発生する。
が印字動作を行っている訳ではなく、印字画像の態様に
よっては、印字中に、長時間にわたりインクが吐出され
ない吐出ノズルが発生することは珍しくない。特に印字
ヘッドがライン式の印字ヘッドのように長尺の印字ヘッ
ドになるとシリアル式の印字ヘッドに比較して1吐出ノ
ズル当りの吐出回数が少なく(吐出確率が低く)なり、
印字データによっては、1ページの印字中に1度もイン
クを吐出しない吐出ノズルも発生する。
【0011】そうすると、上記のように印字中はキャッ
プ部材による乾燥防止機構が働かないため、インクの吐
出が行われない吐出ノズル内に長時間にわたり静止して
滞留しているインクが乾燥し、その吐出ノズルが目詰ま
りを起こすという問題が発生する。
プ部材による乾燥防止機構が働かないため、インクの吐
出が行われない吐出ノズル内に長時間にわたり静止して
滞留しているインクが乾燥し、その吐出ノズルが目詰ま
りを起こすという問題が発生する。
【0012】この目詰まりを解消するために、インクジ
ェットプリンタは、印字開始時は勿論、印字中も、印字
に関与しないインクの吐出を行って乾燥して固まりかけ
たインクを吐出ノズルから排除するいわゆる回復吐出
(プライミング)という動作を比較的頻繁に行ってい
る。このため、特にライン式の印字ヘッドのように長尺
の印字ヘッドではプライミングによって多量のインクが
消費され、インクの使用効率が低下するという問題も有
していた。
ェットプリンタは、印字開始時は勿論、印字中も、印字
に関与しないインクの吐出を行って乾燥して固まりかけ
たインクを吐出ノズルから排除するいわゆる回復吐出
(プライミング)という動作を比較的頻繁に行ってい
る。このため、特にライン式の印字ヘッドのように長尺
の印字ヘッドではプライミングによって多量のインクが
消費され、インクの使用効率が低下するという問題も有
していた。
【0013】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
キャップ部材が不要であるため小型化の促進に極めて好
都合であり且つ非印字時のみならず印字中も不使用吐出
ノズルのインクの乾燥を防止できるインクジェットプリ
ンタを提供することである。
キャップ部材が不要であるため小型化の促進に極めて好
都合であり且つ非印字時のみならず印字中も不使用吐出
ノズルのインクの乾燥を防止できるインクジェットプリ
ンタを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】先ず、請求項1記載の発
明のインクジェットプリンタは、インクを吐出させるた
めの圧カエネルギーを発生させる複数のエネルギー発生
素子と、該エネルギー発生素子に対応して設けられ該エ
ネルギー発生素子が発生させた圧力によりインク滴を所
定方向に吐出させる複数の吐出ノズルと、を有するイン
クジェットプリンタであって、上記吐出ノズルの吐出口
が並ぶ吐出面を摺擦して該吐出面をクリーニングすると
共に、該吐出面に塗膜剤を塗布して少なくとも上記吐出
ノズルに滞留するインク表面にインクと外気の接触を遮
断するバリア膜を形成する摺擦部材を有して構成され
る。
明のインクジェットプリンタは、インクを吐出させるた
めの圧カエネルギーを発生させる複数のエネルギー発生
素子と、該エネルギー発生素子に対応して設けられ該エ
ネルギー発生素子が発生させた圧力によりインク滴を所
定方向に吐出させる複数の吐出ノズルと、を有するイン
クジェットプリンタであって、上記吐出ノズルの吐出口
が並ぶ吐出面を摺擦して該吐出面をクリーニングすると
共に、該吐出面に塗膜剤を塗布して少なくとも上記吐出
ノズルに滞留するインク表面にインクと外気の接触を遮
断するバリア膜を形成する摺擦部材を有して構成され
る。
【0015】上記塗膜剤は、例えば請求項2記載のよう
に、シリコンオイルであることが好ましい。また、上記
摺擦部材は、例えば請求項3記載のように、上記吐出面
を払拭してクリーニングする払拭層と上記塗膜剤を塗布
する塗布層とを積層して形成され、そして、摺擦部材
は、例えば請求項4記載のように、上記塗布層の先端が
上記払拭層の先端よりも突出して形成されていることが
好ましい。また、上記塗布層は、例えば請求項5記載の
ように、該塗布層が上記塗膜剤を上記吐出面に塗布する
ときに上記払拭層が上記吐出面に接触しないような厚さ
に形成するようにしても良い。また、上記吐出ノズル
は、例えば請求項6記載のように、印字主走査領域の略
全域に対応して設けられている構成であると、より一層
プリンタの小型化に貢献できる。
に、シリコンオイルであることが好ましい。また、上記
摺擦部材は、例えば請求項3記載のように、上記吐出面
を払拭してクリーニングする払拭層と上記塗膜剤を塗布
する塗布層とを積層して形成され、そして、摺擦部材
は、例えば請求項4記載のように、上記塗布層の先端が
上記払拭層の先端よりも突出して形成されていることが
好ましい。また、上記塗布層は、例えば請求項5記載の
ように、該塗布層が上記塗膜剤を上記吐出面に塗布する
ときに上記払拭層が上記吐出面に接触しないような厚さ
に形成するようにしても良い。また、上記吐出ノズル
は、例えば請求項6記載のように、印字主走査領域の略
全域に対応して設けられている構成であると、より一層
プリンタの小型化に貢献できる。
【0016】次に、請求項7記載の発明のインクジェッ
ト記録方法は、エネルギー発生素子を駆動して得られる
圧カエネルギーによりインク滴を吐出ノズルから所定方
向へ吐出して記録材上に所望の画像を得るインクジェッ
ト記録方法であって、上記吐出ノズルの吐出口が並ぶ吐
出面を払拭してクリーニングするクリーニング工程と、
少なくとも上記吐出ノズル内のインク表面にインクと外
気の接触を遮断するバリア膜を形成するために塗膜剤を
塗布するバリア膜形成工程と、上記吐出ノズルから滞留
インクと共に上記バリア膜も吐出させる回復吐出工程
と、該回復吐出工程を終えた吐出ノズルから駆動信号に
従ってインクを吐出させて上記記録材上に画像を形成す
る印字工程とを含んで成る。
ト記録方法は、エネルギー発生素子を駆動して得られる
圧カエネルギーによりインク滴を吐出ノズルから所定方
向へ吐出して記録材上に所望の画像を得るインクジェッ
ト記録方法であって、上記吐出ノズルの吐出口が並ぶ吐
出面を払拭してクリーニングするクリーニング工程と、
少なくとも上記吐出ノズル内のインク表面にインクと外
気の接触を遮断するバリア膜を形成するために塗膜剤を
塗布するバリア膜形成工程と、上記吐出ノズルから滞留
インクと共に上記バリア膜も吐出させる回復吐出工程
と、該回復吐出工程を終えた吐出ノズルから駆動信号に
従ってインクを吐出させて上記記録材上に画像を形成す
る印字工程とを含んで成る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
を参照しながら説明する。
【0018】図1(a) は、一実施の形態におけるインク
ジェットプリンタの印字時の状態を模式的に示す側断面
図であり、同図(b) は、その一部正面断面図、同図(c)
は、キャッピング、プライミング及びワイピング等の正
常なインク吐出を行わせるためのメンテナンス作業を行
う非印字時の状態を模式的に示す側断面、同図(d) は、
その一部正面断面図である。
ジェットプリンタの印字時の状態を模式的に示す側断面
図であり、同図(b) は、その一部正面断面図、同図(c)
は、キャッピング、プライミング及びワイピング等の正
常なインク吐出を行わせるためのメンテナンス作業を行
う非印字時の状態を模式的に示す側断面、同図(d) は、
その一部正面断面図である。
【0019】同図(a),(b) に示すように、インクジェッ
トプリンタ1は、印字ヘッド2と、この印字ヘッド2の
対向領域に進退自在に設けられた折り畳み式プラテン3
を備え、これら印字ヘッド2と折り畳み式プラテン3の
前方(図の右方)には、給紙ローラ対4、及び更にその
前方に給紙ガイド5が配置されている。また、印字ヘッ
ド2と折り畳み式プラテン3の後方(図の左方)には、
排紙ローラ対6、及び更にその後方に排紙ガイド7が配
置されている。
トプリンタ1は、印字ヘッド2と、この印字ヘッド2の
対向領域に進退自在に設けられた折り畳み式プラテン3
を備え、これら印字ヘッド2と折り畳み式プラテン3の
前方(図の右方)には、給紙ローラ対4、及び更にその
前方に給紙ガイド5が配置されている。また、印字ヘッ
ド2と折り畳み式プラテン3の後方(図の左方)には、
排紙ローラ対6、及び更にその後方に排紙ガイド7が配
置されている。
【0020】そして、折り畳み式プラテン3の下方にス
ライドシャフト8が配設され、このスライドシャフト8
に、キャリッジ9が摺動自在に支持されて、このキャリ
ッジ9に、詳しくは後述する摺擦部材10が取り付けら
れている。また、この摺擦部材10の摺擦移動領域の下
方に、廃インク吸収体11が配設されている。
ライドシャフト8が配設され、このスライドシャフト8
に、キャリッジ9が摺動自在に支持されて、このキャリ
ッジ9に、詳しくは後述する摺擦部材10が取り付けら
れている。また、この摺擦部材10の摺擦移動領域の下
方に、廃インク吸収体11が配設されている。
【0021】同図(a),(b) の折り畳み式プラテン3が広
げられて印字ヘッド2の対向領域に進出した印字待機状
態において、先ず、電源が投入され、所定の初期設定の
処理が行われ、外部から印字開始の指示が入力される
と、先ず給紙ローラ対4が不図示の駆動機構によって駆
動される。給紙ローラ対4は、前方から矢印aに示すよ
うに給紙ガイド5に案内されて給紙される用紙を挟持し
て搬送する。
げられて印字ヘッド2の対向領域に進出した印字待機状
態において、先ず、電源が投入され、所定の初期設定の
処理が行われ、外部から印字開始の指示が入力される
と、先ず給紙ローラ対4が不図示の駆動機構によって駆
動される。給紙ローラ対4は、前方から矢印aに示すよ
うに給紙ガイド5に案内されて給紙される用紙を挟持し
て搬送する。
【0022】この搬送により、用紙は矢印bに示すよう
に印字ヘッド2と広げられた折り畳み式プラテン3との
間を通過する。印字ヘッド2は、例えばパーソナルコン
ピュータ又はデジタルカメラ等の不図示のホスト機器か
ら出力された印字情報にもとづいて吐出ノズルからイン
ク滴を吐出して、印字ヘッド2とプラテン4間を搬送さ
れて行く用紙上に印字画像を形成していく。画像を印字
された用紙は、排紙ローラ対6に挟持されて搬送を引き
継がれ、矢印cに示すように、排紙ガイド7に案内され
て機外に排出される。
に印字ヘッド2と広げられた折り畳み式プラテン3との
間を通過する。印字ヘッド2は、例えばパーソナルコン
ピュータ又はデジタルカメラ等の不図示のホスト機器か
ら出力された印字情報にもとづいて吐出ノズルからイン
ク滴を吐出して、印字ヘッド2とプラテン4間を搬送さ
れて行く用紙上に印字画像を形成していく。画像を印字
された用紙は、排紙ローラ対6に挟持されて搬送を引き
継がれ、矢印cに示すように、排紙ガイド7に案内され
て機外に排出される。
【0023】ところで、上記のようにインク滴を吐出し
て用紙に印字画像を形成していく過程において、インク
滴の形成時に発生するインクミストや用紙に対するイン
ク滴の着弾時に発生するインクのはね返り等で、印字ヘ
ッド2の吐出面2−1には不要なインクが付着してい
る。その付着した不要なインクは、乾燥して印字ヘッド
2の吐出面2−1の吐出ノズルの周囲に固着する。
て用紙に印字画像を形成していく過程において、インク
滴の形成時に発生するインクミストや用紙に対するイン
ク滴の着弾時に発生するインクのはね返り等で、印字ヘ
ッド2の吐出面2−1には不要なインクが付着してい
る。その付着した不要なインクは、乾燥して印字ヘッド
2の吐出面2−1の吐出ノズルの周囲に固着する。
【0024】このように固着したインクを放置しておく
と、吐出ノズルからの適正なインク滴の吐出が妨げられ
て、印字画像が劣化する。したがって、印字ヘッド2の
吐出面2−1を非印字時に適宜クリーニングする必要が
ある。このクリーニングには通常単体のワイパーブレー
ドが用いられているが、本例では、特別な構成の摺擦部
材を用い、印字ヘッド2の吐出面2−1をクリーニング
するだけでなく、吐出面2−1に乾燥防止のバリア層を
塗膜している。以下、これについて説明する。
と、吐出ノズルからの適正なインク滴の吐出が妨げられ
て、印字画像が劣化する。したがって、印字ヘッド2の
吐出面2−1を非印字時に適宜クリーニングする必要が
ある。このクリーニングには通常単体のワイパーブレー
ドが用いられているが、本例では、特別な構成の摺擦部
材を用い、印字ヘッド2の吐出面2−1をクリーニング
するだけでなく、吐出面2−1に乾燥防止のバリア層を
塗膜している。以下、これについて説明する。
【0025】本発明の吐出面のクリーニング及び塗膜時
には、同図(b) に示すように、折り畳み式プラテン3が
折り畳まれて、摺擦部材10の摺擦移動路が開放され
る。これにより、キャリッジ9、つまり摺擦部材10
が、図の両方向矢印dに示すように本体装置の左右方向
に摺動可能となり、不図示の駆動機構に駆動されて往復
移動し、印字ヘッド2の吐出面2−1を摺擦する。
には、同図(b) に示すように、折り畳み式プラテン3が
折り畳まれて、摺擦部材10の摺擦移動路が開放され
る。これにより、キャリッジ9、つまり摺擦部材10
が、図の両方向矢印dに示すように本体装置の左右方向
に摺動可能となり、不図示の駆動機構に駆動されて往復
移動し、印字ヘッド2の吐出面2−1を摺擦する。
【0026】図2(a) 〜(d) は、上記の摺擦部材10の
往路の摺擦動作状態を示す図である。尚、同図(b) に丸
Qで示す部分は後述する図4(a) に拡大して示されてい
る。また、この往路の摺擦動作によって形成される印字
ヘッド2の吐出面2−1の状態は後述する図5(a) に拡
大して示されている。
往路の摺擦動作状態を示す図である。尚、同図(b) に丸
Qで示す部分は後述する図4(a) に拡大して示されてい
る。また、この往路の摺擦動作によって形成される印字
ヘッド2の吐出面2−1の状態は後述する図5(a) に拡
大して示されている。
【0027】図2(a) に示すように、摺擦部材10は印
字ヘッド2の吐出面をクリーニングする払拭層としての
ワイパーブレード12と、印字ヘッド2の吐出面に塗膜
剤を塗布する塗布層としてのフェルト材13とを貼り合
わせた二層構造で構成されている。フェルト材13は、
インクに対して不活性で且つ不揮発性であり更に経時変
化の少ない液性の塗膜剤、例えばシリコンオイルを含浸
している。
字ヘッド2の吐出面をクリーニングする払拭層としての
ワイパーブレード12と、印字ヘッド2の吐出面に塗膜
剤を塗布する塗布層としてのフェルト材13とを貼り合
わせた二層構造で構成されている。フェルト材13は、
インクに対して不活性で且つ不揮発性であり更に経時変
化の少ない液性の塗膜剤、例えばシリコンオイルを含浸
している。
【0028】このフェルト材13の下部には、このフェ
ルト材13が上記のシリコンオイル等を常時含浸してい
ることが可能なように、ここには図示していないが、後
述する図6の変形例の場合と同様なシリコンオイルを収
容するタンク部が設置されている。
ルト材13が上記のシリコンオイル等を常時含浸してい
ることが可能なように、ここには図示していないが、後
述する図6の変形例の場合と同様なシリコンオイルを収
容するタンク部が設置されている。
【0029】インクジェットプリンタ1が、クリーニン
グモードに設定されると、キャリッジ9は、図2(a) に
示す印字ヘッド2の右方にやや離れた位置のホームポジ
ションから、不図示の駆動機構により駆動制御されて、
同図(a) の矢印Eで示す左方向へ往路の移動を開始す
る。これにより、摺擦部材10による印字ヘッド2表面
のクリーニングが開始される。
グモードに設定されると、キャリッジ9は、図2(a) に
示す印字ヘッド2の右方にやや離れた位置のホームポジ
ションから、不図示の駆動機構により駆動制御されて、
同図(a) の矢印Eで示す左方向へ往路の移動を開始す
る。これにより、摺擦部材10による印字ヘッド2表面
のクリーニングが開始される。
【0030】すなわち、同図(b),(c) に示すように、摺
擦部材10は、その先端部が印字ヘッド2の表面すなわ
ち吐出面2−1に押圧されて撓み、この撓みにより摺擦
部材10の進行方向に対して前部となるワイパーブレー
ド12の先端腹部が適度の押圧力で印字ヘッド2の吐出
面2−1に接触し、キャリッジ9の移動に伴われて吐出
面2−1を押圧しながら摺擦し、印字ヘッド2の表面に
付着した跳ね返りインク等の汚れを掻き取りながら移動
して、印字ヘッド2の吐出面2−1をクリーニングし、
最終的には同図(d) に示すように、印字ヘッド2の左端
部からやや離れた位置で停止する。これに続いて、キャ
リッジ9は、反対方向に駆動制御されて、復路の移動を
開始する。
擦部材10は、その先端部が印字ヘッド2の表面すなわ
ち吐出面2−1に押圧されて撓み、この撓みにより摺擦
部材10の進行方向に対して前部となるワイパーブレー
ド12の先端腹部が適度の押圧力で印字ヘッド2の吐出
面2−1に接触し、キャリッジ9の移動に伴われて吐出
面2−1を押圧しながら摺擦し、印字ヘッド2の表面に
付着した跳ね返りインク等の汚れを掻き取りながら移動
して、印字ヘッド2の吐出面2−1をクリーニングし、
最終的には同図(d) に示すように、印字ヘッド2の左端
部からやや離れた位置で停止する。これに続いて、キャ
リッジ9は、反対方向に駆動制御されて、復路の移動を
開始する。
【0031】図3(a) 〜(d) は、摺擦部材10の復路の
摺擦動作状態を示す図である。尚、同図(b) に丸Q′で
示す部分は後述する図4(b) に拡大して示されており、
この復路の摺擦動作によって形成される印字ヘッド2の
吐出面2−1の状態は後述する図5(b) に拡大して示さ
れている。
摺擦動作状態を示す図である。尚、同図(b) に丸Q′で
示す部分は後述する図4(b) に拡大して示されており、
この復路の摺擦動作によって形成される印字ヘッド2の
吐出面2−1の状態は後述する図5(b) に拡大して示さ
れている。
【0032】図3(b),(c) に示すように、摺擦部材10
は、左から右方に復路を摺擦移動するときは、往路とは
逆に進行方向に対して前部となるフェルト材13が印字
ヘッド2の吐出面2−1を押圧摺擦して、印字ヘッド2
の表面に詳しくは後述するバリア膜を形成し、同図(d)
に示すように、摺擦往復移動開始前のホームポジション
に停止する。
は、左から右方に復路を摺擦移動するときは、往路とは
逆に進行方向に対して前部となるフェルト材13が印字
ヘッド2の吐出面2−1を押圧摺擦して、印字ヘッド2
の表面に詳しくは後述するバリア膜を形成し、同図(d)
に示すように、摺擦往復移動開始前のホームポジション
に停止する。
【0033】図4(a) は、摺擦部材10の上記図2(b)
の丸Qで示した部分の拡大図であり図4(b) は同じく上
記図3(b) の丸Q′で示した部分の拡大図である。同図
(a),(b) に示すように、摺擦部材10が往路を摺擦移動
してワイパーブレード12が印字ヘッド2の吐出面2−
1を摺擦するときは、フェルト材13が印字ヘッド2の
吐出面2−1に接触しない形態となるように、ワイパー
ブレード12の厚さが設定されている。
の丸Qで示した部分の拡大図であり図4(b) は同じく上
記図3(b) の丸Q′で示した部分の拡大図である。同図
(a),(b) に示すように、摺擦部材10が往路を摺擦移動
してワイパーブレード12が印字ヘッド2の吐出面2−
1を摺擦するときは、フェルト材13が印字ヘッド2の
吐出面2−1に接触しない形態となるように、ワイパー
ブレード12の厚さが設定されている。
【0034】一方、摺擦部材10が復路を摺擦移動して
フェルト材13が印字ヘッド2の吐出面2−1に塗膜す
なわちバリア層を形成するときは、同図(b) に示すよう
に、ワイパーブレード12が吐出面2−1に接触しない
形態となるように、フェルト材13の厚さが設定されて
いる。
フェルト材13が印字ヘッド2の吐出面2−1に塗膜す
なわちバリア層を形成するときは、同図(b) に示すよう
に、ワイパーブレード12が吐出面2−1に接触しない
形態となるように、フェルト材13の厚さが設定されて
いる。
【0035】ここで、往路のワイパークリーニング工程
にはフェルト材13が吐出面2−1に多少接触してもク
リーニング効果に支障を及ぼさないが、復路のバリア膜
形成工程においては、ワイパーブレード12が吐出面2
−1に接触すると塗膜形成されたバリア膜が払拭され、
バリア膜によるインク乾燥防止効果に支障を来すことに
なる。そこで、上述したように本実施形態では、バリア
膜形成工程におけるワイパーブレード12の吐出面2−
1への接触を確実に防止できるようにフェルト材13の
厚さを十分に厚くすると共に必要な弾性を備えた材料を
選定して使用してある。
にはフェルト材13が吐出面2−1に多少接触してもク
リーニング効果に支障を及ぼさないが、復路のバリア膜
形成工程においては、ワイパーブレード12が吐出面2
−1に接触すると塗膜形成されたバリア膜が払拭され、
バリア膜によるインク乾燥防止効果に支障を来すことに
なる。そこで、上述したように本実施形態では、バリア
膜形成工程におけるワイパーブレード12の吐出面2−
1への接触を確実に防止できるようにフェルト材13の
厚さを十分に厚くすると共に必要な弾性を備えた材料を
選定して使用してある。
【0036】図5(a) は、摺擦部材10の上記往路の摺
擦移動でワイパーブレード12が印字ヘッド2の吐出面
2−1を摺擦して払拭した後(図2(d) 参照)の印字ヘ
ッド2の吐出面2−1の状態を示す断面図である。同図
(a) に示すように、印字ヘッド2の吐出面2−1は、汚
れや付着インク等が払拭されて、吐出ノズル14の吐出
口には、インク15が適正なメニスカスを形成してい
る。
擦移動でワイパーブレード12が印字ヘッド2の吐出面
2−1を摺擦して払拭した後(図2(d) 参照)の印字ヘ
ッド2の吐出面2−1の状態を示す断面図である。同図
(a) に示すように、印字ヘッド2の吐出面2−1は、汚
れや付着インク等が払拭されて、吐出ノズル14の吐出
口には、インク15が適正なメニスカスを形成してい
る。
【0037】また、図5(b) は、摺擦部材10の上記復
路の摺擦移動でフェルト材13が印字ヘッド2の吐出面
2−1を摺擦してバリア層を形成した後(図3(d) 参
照)の印字ヘッド2の吐出面2−1の状態を示す断面図
である。同図(a) に示すように、印字ヘッド2の吐出面
2−1は、一面にバリア層16で覆われている。
路の摺擦移動でフェルト材13が印字ヘッド2の吐出面
2−1を摺擦してバリア層を形成した後(図3(d) 参
照)の印字ヘッド2の吐出面2−1の状態を示す断面図
である。同図(a) に示すように、印字ヘッド2の吐出面
2−1は、一面にバリア層16で覆われている。
【0038】本例で用いているインク15の表面張力は
30〜40mN/mであり、これに対してバリア膜16
を形成するシリコンオイルの表面張力は18〜20mN
/mであるの。このため、シリコンオイルは、吐出ノズ
ル14の吐出口にメニスカスを形成しているインク15
の表面にも一様に広がっていく。これにより、インク1
5の表面もバリア層16で覆われて、インク15が外気
から遮断される。
30〜40mN/mであり、これに対してバリア膜16
を形成するシリコンオイルの表面張力は18〜20mN
/mであるの。このため、シリコンオイルは、吐出ノズ
ル14の吐出口にメニスカスを形成しているインク15
の表面にも一様に広がっていく。これにより、インク1
5の表面もバリア層16で覆われて、インク15が外気
から遮断される。
【0039】したがって、インク15が蒸発して乾燥
し、粘性が増したり固化したりして変質を起こすことが
無い。つまり、吐出ノズル14が目詰まりを引き起こす
ことが無い。このような印字ヘッド2の吐出面2−1の
クリーニングとバリア層の形成を、インクジェットプリ
ンタ1の非印字期間中の印字待機時や電源オフ時の前動
作として行なっていく。
し、粘性が増したり固化したりして変質を起こすことが
無い。つまり、吐出ノズル14が目詰まりを引き起こす
ことが無い。このような印字ヘッド2の吐出面2−1の
クリーニングとバリア層の形成を、インクジェットプリ
ンタ1の非印字期間中の印字待機時や電源オフ時の前動
作として行なっていく。
【0040】そして、印字に際しては、画像データを調
べて、印字に使用する吐出ノズル14のみを図1(c) に
示す廃インク吸収体11に向けて回復吐出させる。これ
により、印字中において、長時間使用されない吐出ノズ
ル14があっても、その乾燥を防止することができ、従
来は印字中も行っていた回復吐出を廃止或いは実施回数
を低減させることができる。
べて、印字に使用する吐出ノズル14のみを図1(c) に
示す廃インク吸収体11に向けて回復吐出させる。これ
により、印字中において、長時間使用されない吐出ノズ
ル14があっても、その乾燥を防止することができ、従
来は印字中も行っていた回復吐出を廃止或いは実施回数
を低減させることができる。
【0041】図6は、摺擦部材の変形例を示す図であ
る。尚、同図には、図2〜図4では図示を省略したが、
キャリッジ9に設けられている塗膜剤を収容するタンク
部も示している。同図に示すように、この摺擦部材1
0′も、払拭層としてのワイパーブレード12′と、塗
布層としてのフェルト材13′とを貼り合わせた二層構
造で構成されている。そして、この場合は摺擦部材1
0′は、フェルト材13′の先端がワイパーブレード1
2′の先端よりも突出するように構成されている。ま
た、フェルト材13′の下部側面は、キャリッジ9のタ
ンク部9−1内に収容されてシリコンオイル17に接触
している。
る。尚、同図には、図2〜図4では図示を省略したが、
キャリッジ9に設けられている塗膜剤を収容するタンク
部も示している。同図に示すように、この摺擦部材1
0′も、払拭層としてのワイパーブレード12′と、塗
布層としてのフェルト材13′とを貼り合わせた二層構
造で構成されている。そして、この場合は摺擦部材1
0′は、フェルト材13′の先端がワイパーブレード1
2′の先端よりも突出するように構成されている。ま
た、フェルト材13′の下部側面は、キャリッジ9のタ
ンク部9−1内に収容されてシリコンオイル17に接触
している。
【0042】図7(a) は、摺擦部材10′が往路を摺擦
移動してワイパーブレード12′が印字ヘッド2の吐出
面2−1を摺擦するときの状態を示す図であり、同図
(b) は、摺擦部材10′が復路を摺擦移動してフェルト
材13′が印字ヘッド2の吐出面2−1にバリア層を形
成するときの状態を示す図である。
移動してワイパーブレード12′が印字ヘッド2の吐出
面2−1を摺擦するときの状態を示す図であり、同図
(b) は、摺擦部材10′が復路を摺擦移動してフェルト
材13′が印字ヘッド2の吐出面2−1にバリア層を形
成するときの状態を示す図である。
【0043】この場合も、同図(a) に示すように、摺擦
部材10′が往路を摺擦移動するときは、進行方向の前
側に位置するワイパーブレード12′が先行して印字ヘ
ッド2の吐出面2−1を摺擦して汚れ等を取り除く。そ
して、同図(b) に示すように、摺擦部材10′が復路を
摺擦移動するときは、ワイパーブレード12′の先端よ
りも突出して形成されているフェルト材13′の先端の
みが印字ヘッド2の吐出面2−1を摺擦してバリア層を
形成する。
部材10′が往路を摺擦移動するときは、進行方向の前
側に位置するワイパーブレード12′が先行して印字ヘ
ッド2の吐出面2−1を摺擦して汚れ等を取り除く。そ
して、同図(b) に示すように、摺擦部材10′が復路を
摺擦移動するときは、ワイパーブレード12′の先端よ
りも突出して形成されているフェルト材13′の先端の
みが印字ヘッド2の吐出面2−1を摺擦してバリア層を
形成する。
【0044】ワイパーブレード12′の先端はフェルト
材13′の先端よりも低いので、復路においてワイパー
ブレード12′が吐出面2−1に接触することは無い。
この構成であると、フェルト材13′を図4(a),(b) に
示したように厚く形成する必要は無く、インクのメニス
カス面に十分な厚さのバリア層16(図5(b) 参照)を
形成するのに支障のない適度の厚さに構成すれば良い。
材13′の先端よりも低いので、復路においてワイパー
ブレード12′が吐出面2−1に接触することは無い。
この構成であると、フェルト材13′を図4(a),(b) に
示したように厚く形成する必要は無く、インクのメニス
カス面に十分な厚さのバリア層16(図5(b) 参照)を
形成するのに支障のない適度の厚さに構成すれば良い。
【0045】いずれにしても、クリーニングを目的とし
たワイパーブレードとシリコンオイル塗布部材を一体に
構成することで、従来の印字ヘッドのクリーニングを目
的とした構成と略同様の大きさで、キャップ部材及びそ
の駆動機構によるインクの乾燥防止効果と同等の効果が
得られるバリア層の形成が実施可能であり、これによ
り、インクジェットプリンタ本体の小型化が実現する。
たワイパーブレードとシリコンオイル塗布部材を一体に
構成することで、従来の印字ヘッドのクリーニングを目
的とした構成と略同様の大きさで、キャップ部材及びそ
の駆動機構によるインクの乾燥防止効果と同等の効果が
得られるバリア層の形成が実施可能であり、これによ
り、インクジェットプリンタ本体の小型化が実現する。
【0046】また、本発明のメンテナンス用摺擦部材に
よれば、インク吐出面にシリコンオイルを塗布すること
によりインク吐出面の離型性が格段に向上するから、イ
ンク吐出面に付着した汚染インクの払拭クリーニングが
極めて容易となる。
よれば、インク吐出面にシリコンオイルを塗布すること
によりインク吐出面の離型性が格段に向上するから、イ
ンク吐出面に付着した汚染インクの払拭クリーニングが
極めて容易となる。
【0047】尚、図4(b) に示した摺擦部材10の復路
の摺擦移動で、ワイパーブレード12が吐出面2−1に
接触したのでは塗布したばかりのバリア層が払拭されて
しまうから、ワイパーブレード12が進行方向に対して
後側となるバリア膜形成時に吐出面2−1に接触しない
形態とすることは必須な構成であるが、往路の摺擦移動
で吐出面2−1をクリーニングするに際しては、ワイパ
ーブレード12がクリーニングした後に続いてフェルト
材13が吐出面2−1に接触しても別段の支障は無いか
ら、フェルト材13が進行方向に対して後側となるクリ
ーニング時に印字ヘッド2の吐出面2−1に接触しない
形態とすることは必須の構成ではない。
の摺擦移動で、ワイパーブレード12が吐出面2−1に
接触したのでは塗布したばかりのバリア層が払拭されて
しまうから、ワイパーブレード12が進行方向に対して
後側となるバリア膜形成時に吐出面2−1に接触しない
形態とすることは必須な構成であるが、往路の摺擦移動
で吐出面2−1をクリーニングするに際しては、ワイパ
ーブレード12がクリーニングした後に続いてフェルト
材13が吐出面2−1に接触しても別段の支障は無いか
ら、フェルト材13が進行方向に対して後側となるクリ
ーニング時に印字ヘッド2の吐出面2−1に接触しない
形態とすることは必須の構成ではない。
【0048】また、装置の大型化を避ける必要が無いと
きは、バリア膜の形成とキャップ部材とを併用するよう
にしてもよい。このようにすると、プリンタの不使用時
におけるインクの乾燥をより確実に防止することができ
る。この場合、電源の入力中は本発明のバリア膜のみに
よる乾操防止を行い、電源切断時にはバリア膜の形成と
通常のキャップ部材の被装による乾燥防止を行うように
すると良い。
きは、バリア膜の形成とキャップ部材とを併用するよう
にしてもよい。このようにすると、プリンタの不使用時
におけるインクの乾燥をより確実に防止することができ
る。この場合、電源の入力中は本発明のバリア膜のみに
よる乾操防止を行い、電源切断時にはバリア膜の形成と
通常のキャップ部材の被装による乾燥防止を行うように
すると良い。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、吐出ノズルの吐出口のインク表面に塗膜剤による
バリア膜を形成するので、吐出ノズルのインク表面をバ
リア膜により外気から遮断してインクの乾燥を防止し、
吐出ノズルの目詰まりを回避することができ、これによ
り、キャップ部材とキャッピング機構を廃止することが
可能となり、したがって、特にライン式インクジェット
プリンタの小型・簡素化の促進に貢献することができ
る。
れば、吐出ノズルの吐出口のインク表面に塗膜剤による
バリア膜を形成するので、吐出ノズルのインク表面をバ
リア膜により外気から遮断してインクの乾燥を防止し、
吐出ノズルの目詰まりを回避することができ、これによ
り、キャップ部材とキャッピング機構を廃止することが
可能となり、したがって、特にライン式インクジェット
プリンタの小型・簡素化の促進に貢献することができ
る。
【0050】また、ページ毎に不使用の吐出ノズルにバ
リア膜を形成したまま、印字に使用する吐出ノズルのみ
を回復吐出することにより、印字中における不使用吐出
ノズルの目詰まりを防止することができるので、印字中
の回復吐出を廃止し又は回復吐出の回数を低減させるこ
とができ、したがって、インクの使用効率が向上する。
リア膜を形成したまま、印字に使用する吐出ノズルのみ
を回復吐出することにより、印字中における不使用吐出
ノズルの目詰まりを防止することができるので、印字中
の回復吐出を廃止し又は回復吐出の回数を低減させるこ
とができ、したがって、インクの使用効率が向上する。
【0051】更に、離型作用の高いシリコンオイルでバ
リア膜を形成することにより、吐出面に付着する跳ね返
りインク等の汚れを除去する際の離型剤として乾燥防止
と兼用でバリア層を働かせることができ、これにより、
印字ヘッドの吐出面に無理な圧力を付加すること容易に
汚れの除去ができるので吐出面払拭時のクリーニング効
率が向上する。
リア膜を形成することにより、吐出面に付着する跳ね返
りインク等の汚れを除去する際の離型剤として乾燥防止
と兼用でバリア層を働かせることができ、これにより、
印字ヘッドの吐出面に無理な圧力を付加すること容易に
汚れの除去ができるので吐出面払拭時のクリーニング効
率が向上する。
【図1】(a) は一実施の形態におけるインクジェットプ
リンタの平時の状態を模式的に示す側断面図、(b) はそ
の一部正面断面図、(c) はその吐出面塗膜時の状態を模
式的に示す側断面、(d) はその一部正面断面図である。
リンタの平時の状態を模式的に示す側断面図、(b) はそ
の一部正面断面図、(c) はその吐出面塗膜時の状態を模
式的に示す側断面、(d) はその一部正面断面図である。
【図2】(a) 〜(d) は一実施の形態におけるインクジェ
ットプリンタの摺擦部材の往路の摺擦動作状態を示す図
である。
ットプリンタの摺擦部材の往路の摺擦動作状態を示す図
である。
【図3】(a) 〜(d) は一実施の形態におけるインクジェ
ットプリンタの摺擦部材の復路の摺擦動作状態を示す図
である。
ットプリンタの摺擦部材の復路の摺擦動作状態を示す図
である。
【図4】(a) は摺擦部材の図2(b) の丸Qで示した部分
の拡大図、(b) は同じく図3(b) の丸Q′で示した部分
の拡大図である。
の拡大図、(b) は同じく図3(b) の丸Q′で示した部分
の拡大図である。
【図5】(a) は摺擦部材のワイパーブレードによって払
拭された後の印字ヘッドの吐出面の状態を示す断面図、
(b) は摺擦部材のフェルト材によってバリア層を形成さ
れた後の印字ヘッドの吐出面の状態を示す断面図であ
る。
拭された後の印字ヘッドの吐出面の状態を示す断面図、
(b) は摺擦部材のフェルト材によってバリア層を形成さ
れた後の印字ヘッドの吐出面の状態を示す断面図であ
る。
【図6】摺擦部材の変形例を塗膜剤収容のタンク部と共
に示す図である。
に示す図である。
【図7】(a) は図6の摺擦部材のワイパーブレードが印
字ヘッドの吐出面をクリーニングするときの動作状態
図、(b) は同じく摺擦部材のフェルト材が印字ヘッドの
吐出面にバリア層を形成するときの動作状態図である。
字ヘッドの吐出面をクリーニングするときの動作状態
図、(b) は同じく摺擦部材のフェルト材が印字ヘッドの
吐出面にバリア層を形成するときの動作状態図である。
1 インクジェットプリンタ 2 印字ヘッド 2−1 吐出面 3 折り畳み式プラテン 4 給紙ローラ対 5 給紙ガイド 6 排紙ローラ対 7 排紙ガイド 8 スライドシャフト 9 キャリッジ 9−1 タンク部 10、10′ 摺擦部材 11 廃インク吸収体 12、12′ ワイパープレード 13、13′ フェルト材 14 吐出ノズル 15 インク 16 バリア層 17 シリコンオイル
Claims (7)
- 【請求項1】 インクを吐出させるための圧カエネルギ
ーを発生させる複数のエネルギー発生素子と、該エネル
ギー発生素子に対応して設けられ該エネルギー発生素子
が発生させた圧力によりインク滴を所定方向に吐出させ
る複数の吐出ノズルと、を有するインクジェットプリン
タであって、 前記吐出ノズルの吐出口が並ぶ吐出面を摺擦して該吐出
面をクリーニングすると共に、該吐出面に塗膜剤を塗布
して少なくとも前記吐出ノズルに滞留するインク表面に
インクと外気の接触を遮断するバリア膜を形成する摺擦
部材を有することを特徴とするインクジェットプリン
タ。 - 【請求項2】 前記塗膜剤は、シリコンオイルであるこ
とを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリン
タ。 - 【請求項3】 前記摺擦部材は、前記吐出面を払拭して
クリーニングする払拭層と前記塗膜剤を塗布する塗布層
とを積層して形成されていることを特徴とする請求項1
又は2記載のインクジェットプリンタ。 - 【請求項4】 前記摺擦部材は、前記塗布層の先端が前
記払拭層の先端よりも突出して形成されていることを特
徴とする請求項3記載のインクジェットプリンタ。 - 【請求項5】 前記塗布層は、該塗布層が前記塗膜剤を
前記吐出面に塗布するときに前記払拭層が前記吐出面に
接触しないような厚さに形成されていることを特徴とす
る請求項3記載のインクジェットプリンタ。 - 【請求項6】 前記吐出ノズルは、印字主走査領域の略
全域に対応して設けられていることを特徴とする請求項
1、2、3、4又は5記載のインクジェットプリンタ。 - 【請求項7】 エネルギー発生素子を駆動して得られる
圧カエネルギーによりインク滴を吐出ノズルから所定方
向へ吐出して記録材上に所望の画像を得るインクジェッ
ト記録方法であって、 前記吐出ノズルの吐出口が並ぶ吐出面を払拭してクリー
ニングするクリーニング工程と、 少なくとも前記吐出ノズル内のインク表面にインクと外
気の接触を遮断するバリア膜を形成するために塗膜剤を
塗布するバリア膜形成工程と、 前記吐出ノズルから滞留インクと共に前記バリア膜も吐
出させる回復吐出工程と、 該回復吐出工程を終えた吐出ノズルから駆動信号に従っ
てインクを吐出させて前記記録材上に画像を形成する印
字工程と、 を含んで成ることを特徴とするインクジェット記録方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25409099A JP2001071520A (ja) | 1999-09-08 | 1999-09-08 | インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25409099A JP2001071520A (ja) | 1999-09-08 | 1999-09-08 | インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001071520A true JP2001071520A (ja) | 2001-03-21 |
Family
ID=17260093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25409099A Withdrawn JP2001071520A (ja) | 1999-09-08 | 1999-09-08 | インクジェットプリンタ及びインクジェット記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001071520A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7347531B2 (en) | 2003-09-12 | 2008-03-25 | Fujifilm Corporation | Inkjet recording head and image formation apparatus |
KR101171400B1 (ko) * | 2006-06-26 | 2012-08-08 | 주식회사 케이씨텍 | 노즐 건조 방지 장치 |
JP2014159118A (ja) * | 2013-02-20 | 2014-09-04 | Ricoh Co Ltd | インクジェット記録ヘッドのクリーニング方法、インクジェット記録ヘッド用クリーニング部材およびインクジェット記録装置 |
-
1999
- 1999-09-08 JP JP25409099A patent/JP2001071520A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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