JPH10230584A - グラビア印刷機 - Google Patents

グラビア印刷機

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JPH10230584A
JPH10230584A JP9049600A JP4960097A JPH10230584A JP H10230584 A JPH10230584 A JP H10230584A JP 9049600 A JP9049600 A JP 9049600A JP 4960097 A JP4960097 A JP 4960097A JP H10230584 A JPH10230584 A JP H10230584A
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JP
Japan
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ink
printing
plate cylinder
cylinder
plate
Prior art date
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Withdrawn
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JP9049600A
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English (en)
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Isao Matsumoto
功 松元
Masahiko Shibata
晶彦 柴田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多色グラビア印刷機において、後刷り版胴の
版面に先刷りインキや用紙の表面層の一部が付着、堆積
する現象を防止して、印刷品質を向上するとともに、印
刷機の生産性を向上する。 【解決手段】 グラビア印刷機の印刷部3において、ド
クター11によるインキ掻き取り後の版胴10の表面の
乾燥を防止する版面乾燥防止手段を設け、前記版面乾燥
防止手段として、少なくとも版胴10の表面のドクター
11との当接部と圧胴12との圧接部との間の範囲を覆
うカバー13を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多色グラビア印刷
機の印刷機構に関するものであり、特に、版胴表面のイ
ンキ乾燥を防止する手段を備えたグラビア印刷機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】グラビア印刷は、写真製版、または彫刻
によって刷版された印刷版を用いて、低粘度溶剤型のイ
ンキで印刷を行う方式である。他の印刷方式と比較し、
品質の安定は難しいが、印刷の方法は簡単である。印刷
の原理は、版面凹部の画線部にインキを詰め、印刷版と
圧胴と呼ばれるゴムローラとの間に被印刷体を通し、加
圧してインキを転移させることによって印刷が行われ
る。グラビア印刷は、その豊かな階調表現性を活用し
て、写真印刷に広く利用されており、また、インキが低
粘度の溶剤タイプであり、流動性に富み、かつ速乾性で
あるため、高速印刷が可能であり、さらに、インキを構
成する溶剤や顔料、樹脂を変えることによって広範な被
印刷体に印刷ができる。これらの特徴を利用して出版印
刷だけでなく、軟包装印刷、紙器印刷、建材印刷など、
広範囲の分野でグラビア印刷が利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このグラビア印刷にお
ける多色印刷において、用紙に先に印刷された先刷りイ
ンキ皮膜、または印刷用紙の表面層が剥離し、後から印
刷する後刷り版胴の表面に付着、堆積することにより、
後刷りインキの色調が濁ったり、先刷りインキが白抜け
するなどの印刷不良を発生することがある。この現象
は、バックトラッピング、または逆トラッピングと呼ば
れている。この後刷り版胴へのインキや用紙の剥離堆積
は、放置すると時間とともに増大する特性があり、印刷
中にこの現象が発生した場合は、一旦、印刷機の運転を
中断し、版面をインキ用溶剤で洗浄し、堆積物を取り除
いてから印刷を再開している。
【0004】グラビア印刷において、上記した版胴表面
へのインキや用紙の剥離堆積現象が生じると、第1に、
印刷品質が損なわれ印刷のやり直しが必要になり、用紙
ロスや印刷時間の増大を招く。第2に、版胴を洗浄する
ために印刷作業を中断することにより、印刷効率が低く
なり生産性が低下する。第3に、版胴に付着した堆積物
を取り除く際、版胴を傷つけるおそれがあり、印刷品質
に影響が生じる場合は、版胴を再製作しなければならな
い。
【0005】本発明は、上記グラビア印刷の問題点を解
消し、インキや用紙の版胴への剥離堆積を防止し、洗浄
のために印刷機を停止する必要がなく、また、印刷品質
を向上できるグラビア印刷機を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、版胴に付
着堆積するインキ等を分析調査の結果、この現象が下記
のような状況で生じるものとの結論を得た。すなわち、
グラビア印刷機における版胴表面は、本来、ドクターに
よってインキが掻き落とされるはずの非画線部において
も、僅かながらインキ皮膜が残留しており、何らかの原
因によってこのインキ皮膜のタック(粘着性)が増大す
ることにより、用紙に先刷りされたインキを剥ぎ取り、
版胴表面に付着堆積し、印刷不良を引き起こすことが判
明した。さらに、分析の結果、版胴の非画線部に残留す
るインキ皮膜は、膜厚が薄いので溶剤が蒸発しやすく、
インキ乾燥によって粘着力が急速に増大することがわか
った。
【0007】すなわち、従来は、先刷りインキを完全に
乾燥することで、バックトラッピングを防止しようと試
みられていたが、本発明では、後刷り印刷の版胴表面の
インキ皮膜の乾燥を抑制することによって、後刷りイン
キの粘着力の増大を抑えて、先刷りインキの剥離堆積を
防止することができるとの結論に至った。
【0008】よって、本発明のグラビア印刷機は、請求
項1に示したように、グラビア印刷機の印刷部におい
て、ドクターによるインキ掻き取り後の版胴表面の乾燥
を防止する版面乾燥防止手段を設けることによって、版
胴表面のインキの乾燥を抑えることができ、上記課題を
解決した。また、本発明のグラビア印刷機は、請求項2
に示したように、版面乾燥防止手段として、少なくとも
版胴表面のドクター当接部と圧胴圧接部との間の範囲を
覆うカバーを設けることによって本発明の目的を達成す
ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】先ず、グラビア印刷機における印
刷ユニットの構成について説明する。グラビア印刷機の
印刷ユニットは、通常、版胴、圧胴、インキ供給装置、
ドクター装置、および乾燥装置とで構成されている。
【0010】版胴は、胴部が鋼管を加工した頑丈な円筒
状のもので、外周を精度良く仕上げ、これに銅メッキを
施して研磨仕上げ後、グラビア刷版し、さらに、ドクタ
ー装置による版の磨耗を防ぐために、その表面に硬質ク
ロムメッキを施し、再度研磨仕上げしたものである。
【0011】圧胴は、版胴に対する押圧力で用紙に印刷
するので、それに耐えられる強度のもので鋼管製鉄心に
合成ゴムを巻いたものが用いられる。圧胴の直径は印圧
の効きを良くするためあまり大きくはしない。出版印刷
など被印刷体が紙の場合は、高印圧を得るために肉厚鋼
管を使用するが、包装印刷用では、印刷物の幅の変更に
伴って圧胴を交換するので、作業性を考慮し比較的肉厚
の薄い鋼管を使用する。圧胴はゴム巻きしてあり、その
厚みは10〜15mmで、ゴム硬度は被印刷体の種類に
よって適当なものを選定する。一般にプラスチックフィ
ルムの場合は軟らかく、紙や粗面のクラフト紙は硬くす
る必要がある。また、ゴムの材質はインキや溶剤に対す
る耐性が要求されるので、ニトリルゴムがよく使用され
る。
【0012】インキ供給装置は、インキパン、インキタ
ンク、インキポンプなどで構成され、方式としてはドブ
漬け式、着けローラ式、カスケード方式などがある。カ
スケード方式は、吹きつけ式とも呼ばれ、版胴表面に対
してインキを吹きつけ、または懸け流しするもので、版
面から流れ落ちたインキとドクターで掻き落とされたイ
ンキは、インキパンに設けられたオーバーフロー管から
インキタンクに戻され、再びポンプによって循環して版
胴に吹きつけられる。
【0013】着けローラ式は、着けローラ(ファニッシ
ャーローラ)によってインキを版胴に供給する方式で、
版胴の下側に回転するゴムローラを配置する。着けロー
ラは、版胴との間にわずかな隙間を設け、版胴の回転と
同方向に、版胴周速よりも遅い速度で回転させることに
より、版胴表面に形成された画線部のグラビアセルにイ
ンキを十分に押し込むのでインキの供給が安定し、高速
印刷においても優れた印刷品質を維持できる。
【0014】ドブ漬け式は、インキパンのインキの中
に、版胴を浸漬させただけのもので、装置としては簡単
であるが、画線部のグラビアセルにインキを積極的に押
し込むことができないので、版胴の周速が速く、すなわ
ち印刷速度が高速になると版面にインキが着き難くな
る。
【0015】ドクター装置は、版面に付着した非画線部
の余分なインキを掻き取る装置である。ドクター装置
は、ドクターブレードと呼ばれる薄い鋼板の刃と、この
ブレードの刃先が、版胴の表面に適切な圧力で、かつ均
等にかかるようにブレードを支えるサポートブレード
と、ドクターブレードおよびサポートブレードを平坦に
支持して印刷ユニットのフレームに固定するドクターホ
ルダーなどで構成される。
【0016】ドクターブレードは厚さ0.05〜0.2
mmで、硬度は、ブレード自身の磨耗の度合いと、版胴
を傷つけない適度な硬度のものが必要である。このブレ
ードは版胴表面の非画線部のインキを掻き落とすための
ものであるが、インキを完全に掻き落とすわけではな
く、僅かに残ったインキが、版面とブレードとの間の潤
滑剤となり、摩擦抵抗を小さくすることによってブレー
ドと版胴の磨耗を防いでいる。グラビア印刷は、ドクタ
ーブレードによって掻き落とされた後の、画線部を形成
する凹状のグラビアセルに溜まるインキの量によって階
調を再現するため、このドクター装置の良否が印刷品質
を左右する重要なポイントになる。
【0017】乾燥装置は、版胴から印刷用紙に転移して
印刷されたインキを乾燥するために用いるもので、グラ
ビア印刷のような溶剤型インキの乾燥には温度と風量が
有効である。方式としては蒸気、電熱加熱ドラム、赤外
線ランプ、熱交換器による熱風乾燥式などがある。
【0018】次に、本発明の実施の形態を、実施例の図
面を参照しながら説明する。図1は、本発明のグラビア
印刷機の印刷部の構成を模式的に示した断面図である。
図において、3は、グラビア印刷機の印刷部である。印
刷部3は、印刷する絵柄、すなわち画線部を形成する凹
状のグラビアセルを表面に形成した版胴10と、前記版
胴10にインキ7を供給するためのインキパン8、着け
ローラ9などのインキ供給装置と、版胴10に付着した
非画線部のインキを掻き落とすドクター装置11と、版
胴10のグラビアセルに埋め込まれたインキを印刷用紙
6に転移するための圧胴12などで構成される。
【0019】版胴10と圧胴12は、それぞれ図示しな
い軸受け機構によって印刷部3の枢体に軸承されるとと
もに、駆動軸を介してモータ等の原動機に連結され図示
の方向に回転する。なお圧胴12は、印刷用紙6を版胴
10に圧接したり、逆に版胴10から印刷用紙6を離間
するための図示しない着脱機構を介して枢体に軸承され
ている。印刷用紙6への印刷は、版胴10と圧胴12の
接触位置にて行われ、版胴10の表面のグラビアセルに
埋め込まれたインキが、前記接触位置に作用する押圧力
によって、圧胴12に巻き回された印刷用紙6に転移し
てなされる。
【0020】図に示すインキパン8には、インキ7が定
量蓄えられており、該インキに版胴10の下部が浸漬し
ている。図示していないが、前記インキパン8に一定量
のインキを供給するために、インキを貯蔵するインキタ
ンクと、該インキタンクからインキを吸引し、インキパ
ン8に供給するインキポンプが設けられ、それぞれ配管
を介して接続されており、さらに、インキパン8に蓄え
られたインキは、オーバーフロー管を通ってインキタン
クに回収するように構成されている。また、インキパン
8の内部には、着けローラ9が設けられ、版胴10の表
面に形成された凹状のグラビアセルにインキ7を押し込
むように版胴10の回転方向と同方向に回転している。
【0021】版胴10の回転方向には、着けローラ9に
て版胴10の表面に付着したインキ7を掻き落とすドク
ター装置11が設けられ、そのブレードが版胴10に押
し当てられている。このドクター装置11は、版胴10
に対するその当接角度、および当接圧力を調整可能な、
図示しない調節機構を介して印刷部3の枢体に固定され
ている。
【0022】さらに、本実施例の印刷部3には、図に示
すように、ドクター装置11に固定されたカバー13が
設けられている。このカバー13は、圧胴12の方向に
向けて、圧胴12に巻き回された印刷用紙6の搬送に支
障のない位置まで延びている。このカバー13とドクタ
ー装置11、および版胴10と印刷用紙6を巻き回した
圧胴12とによって、ほぼ密閉された空間が形成され
る。なお、図1の紙面に垂直な方向は、図示しない部材
で開口部を塞いでおくのが望ましい。この状態におい
て、版胴10の回転方向における、ドクター装置11と
版胴10との当接位置と、版胴10と圧胴12との圧接
位置との範囲の版胴表面が、外気と遮断されることにな
る。
【0023】本発明に用いるカバー13の材質は特に問
わないが、機械的強度があり、耐溶剤性で、かつ版胴の
表面状態を目視確認できるように、可能ならば透明な材
質が望ましい。また、構造上は、版胴10やドクター装
置11を洗浄するときに取り外しが容易であり、例え
ば、開閉機構を備えてもよい。さらに、本実施例ではカ
バー13をドクター装置11に固定したが、版胴表面を
密閉した空間に収めることができるなら他の構造を採っ
てもよい。
【0024】次に、本装置の作用動作について説明す
る。先ず、版胴10にインキ7を供給する。版胴10
は、インキパン8に蓄えられているインキ7に浸漬され
ており、版胴10の回転に伴って順次インキ中に入り、
版面のグラビアセル内にインキ7が浸入する。グラビア
セル内には用紙に転移されずに残ったインキが僅かに乾
燥して溜まっており、版胴10がインキ7中に浸漬して
いる間に、グラビアセル内に浸入した新しいインキ7
が、用紙に転移されずに残ったインキを再溶解する。版
胴10が回転しインキ7中から出る前に、着けローラ9
によって画線部のグラビアセル内にインキ7が押し込ま
れる。
【0025】次いで、版胴10の版面に付着したインキ
は、ドクター装置11との当接位置において、ブレード
によって掻き落とされる。ドクター装置11によって掻
き落とされるインキは非画線部のインキであるが、完全
に掻き落とされるのではなく、ブレードと版胴の摩擦を
減少する潤滑剤の役目を負う薄いインキ皮膜が非画線部
において形成される。このインキ皮膜は、顔料と樹脂お
よび溶剤で構成されており、この溶剤が蒸発することに
よって樹脂に粘着性が生じることになるが、本発明のグ
ラビア印刷機では、ドクター装置11で掻き落とした後
のインキ皮膜に含まれる溶剤の蒸発を、カバー13を設
けることによって抑制する。
【0026】このように溶剤の蒸発を抑えられた非画線
部のインキ皮膜は、粘着力が増大することなく、従っ
て、印刷用紙6に先刷りされたインキを剥離することが
なく、また、逆に、圧胴12による押圧力によって印刷
用紙6に、汚れとして転移することもない。
【0027】次に、本発明の印刷部を備えたグラビア印
刷機について説明する。図2は、グラビア印刷機の印刷
ユニットを側面から見たときの透視図である。グラビア
印刷機1は、通常、巻取給紙部(図示せず)と複数の印
刷ユニット2a、2b、2c、および巻き取り装置、ま
たは折り装置、断裁装置などを備えた排紙部(図示せ
ず)から構成されており、図2はそのうちの印刷ユニッ
ト部を示している。
【0028】グラビア印刷機の各印刷ユニット2a、2
b、2cは、複数の用紙搬送ローラ群5a、5b、5c
と、図1で示した圧胴、版胴、ドクター装置、およびイ
ンキパンなどのインキ供給装置とで構成される印刷部3
a、3b、3cと、印刷部3a、3b、3cにて印刷用
紙6にそれぞれ印刷されたインキを乾燥する乾燥部4
a、4b、4cとから構成され、前記用紙搬送ローラ
群、印刷部、及び乾燥部は印刷機の両側に配置された枢
体に固定されている。
【0029】図2に示す印刷ユニットは、便宜的に3色
分のみを示しているが、本発明の主旨はこれに限定され
ることなく、2色以上の多色印刷を行う場合に適用でき
る。図において、印刷部3a、3b、3cは、図示して
いないが、各印刷部同士の位相を調整するいわゆる見当
合わせ機構を介して、その版胴と圧胴とがともに共通の
駆動源に連結されている。なお、前記見当合わせ機構
は、印刷ユニット間の用紙の長さを調整する可動ローラ
(図示せず)によって構成することもできる。
【0030】次に、本発明のグラビア印刷機を用いて、
印刷用紙に多色の絵柄を印刷する方法について説明す
る。先ず、上記構成の印刷機1に、印刷用紙6を通す。
印刷用紙6は、図示しない巻取給紙部から用紙搬送ロー
ラによって引き出され、先ず第1の印刷ユニット2a内
を巻き回される。印刷ユニット2a内では、用紙搬送ロ
ーラ5aを通して印刷部3aの圧胴に巻かれ、次いで、
乾燥部4aを通って第2の印刷ユニット2bの用紙搬送
ローラ5bに導かれる。第2の印刷ユニット2bにおい
ても、印刷部3bおよび乾燥部4bに巻き回された後、
第3の印刷ユニット2cに導かれる。第3の印刷ユニッ
ト2cにおいても、他の印刷ユニットと同様に印刷用紙
6が印刷部3cおよび乾燥部4cに巻き回され、次い
で、図示しない排紙部に導かれて巻き取られる。なお、
書籍などの出版物の印刷では、折り加工装置や断裁装置
を経由して印刷用紙6が排出される。
【0031】次に、版胴の準備がなされる。多色印刷の
場合は、通常、黄赤藍墨の4色分の版胴を、また、もし
必要なら特別に調色した特色用の版胴を、グラビア刷版
機やグラビア彫刻機を用いて刷版したものを、各印刷部
3a、3b、3cの版胴軸にそれぞれ所定の順番で組み
着ける。次に、各版胴の刷り色に対応するインキを各印
刷部に供給してそれぞれ版胴へインキを供給する。各版
胴へのインキの供給は、印刷部ごとに設けられた図示し
ないインキタンクにインキを補給し、インキポンプを用
いてインキタンクからインキを吸引して、図1に示した
ようにインキパン8にインキを定量蓄えてなされる。イ
ンキパンのインキはオーバーフロー管を通ってインキタ
ンクに還流しており、インキパン8へのインキ供給が安
定したら、版胴を駆動しながらドクター装置を版胴に当
接して版胴に付着した非画線部のインキを掻き落とすと
ともに、版面のグラビアセルに適量のインキを供給す
る。
【0032】次いで、印刷機1に通した印刷用紙6を搬
送しながら、各圧胴をそれぞれ版胴に圧接して印刷を開
始する。印刷中はインキパンのインキを定量に保つた
め、インキポンプでインキタンクからインキを循環補給
する。また、必要なら、版胴に対するドクターブレード
の当接角度や当接圧力を調節し、版面へのインキの盛り
量を調整する。印刷中の各印刷部3a、3b、3cで
は、図1に示したように、ドクター装置11で掻き落と
した後の版胴表面のインキが乾燥するのを防止する版面
乾燥防止手段、すなわちカバー13を備えており、この
カバー13とドクター装置11、および版胴10と印刷
用紙6を巻き回した圧胴12とによってほぼ密閉された
空間が形成され、ドクター装置11で掻き落とした後の
版面の、特に非画線部のインキ皮膜に含まれる溶剤の蒸
発を抑えている。
【0033】上記グラビア印刷機1において、例えば、
第1の印刷ユニット2aでは、版胴の非画線部のインキ
皮膜は乾燥しておらず、圧胴との圧接位置において印刷
用紙が版胴に圧接されても、版面のインキ皮膜による過
大な粘着力が生じないので、印刷用紙の表面層が剥離さ
れることはない。同様に、例えば、第2の印刷ユニット
2bにおいて、グラビアセルの深さが深い、従ってイン
キ転移量の大きい印刷が行われ、仮に乾燥部4bでのイ
ンキ乾燥が不十分であっても、第3の印刷ユニット2c
の印刷部3cでは、版面の非画線部のインキによる粘着
力の増大がないので、先に、第2の印刷ユニット2bで
印刷された先刷りインキが、後刷り印刷ユニット2cの
版胴に剥離付着することはない。
【0034】なお、本実施例では、版胴表面の乾燥を防
止する版面乾燥防止手段として、版胴表面のドクター当
接部と圧胴圧接部との間の範囲を覆うカバー13を設け
たが、前記範囲に限らず、インキパンを含めた版胴周囲
の、圧胴圧接部を除く範囲を覆うカバーを設けてもよ
い。
【0035】
【発明の効果】以上、詳細に説明した如く、本発明のグ
ラビア印刷機は、請求項1に示したように、ドクターに
よるインキ掻き取り後の版胴表面のインキ皮膜の乾燥を
防止する版面乾燥防止手段を設けたので、先刷りインキ
皮膜、または用紙の表面層の一部が後刷り版胴の表面に
付着堆積することがなく、従って、印刷品質が損なわれ
ることもなく、また、印刷機を停止して版胴を洗浄する
必要もなくなり、長時間安定して印刷作業を進めること
ができ、生産性を向上することができる。
【0036】また、本発明のグラビア印刷機は、請求項
2に示したように、版面乾燥防止手段を、少なくとも版
胴表面のドクター当接部と圧胴圧接部との間の範囲を覆
うカバーで構成したので、簡便かつ効果的に版胴表面の
インキ乾燥を防止し、後刷りインキの色調が濁るなどの
バックトラッピングの発生を防ぐことができる。さら
に、印刷機を設置してある部屋の、例えば空調機からの
吹き出し風が版胴表面に吹きつけられるのを、カバーを
設けることで効果的に防止し、版胴表面のインキの乾燥
を抑えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 グラビア印刷機の印刷部の構成を示す断面図
である。
【図2】 グラビア印刷機の印刷ユニットの構成を示す
側面透視図である。
【符号の説明】
1 グラビア印刷機 2a、2b、2c 印刷ユニット 3、3a 3b 3c 印刷部 4a、4b、4c 乾燥部 5a、5b、5c 用紙搬送ローラ群 6 印刷用紙 7 インキ 8 インキパン 9 着けローラ 10 版胴 11 ドクター装置 12 圧胴 13 カバー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラビア印刷機の印刷部において、ドク
    ターによるインキ掻き取り後の版胴表面の乾燥を防止す
    る版面乾燥防止手段を設けたことを特徴とするグラビア
    印刷機。
  2. 【請求項2】 前記版面乾燥防止手段は、少なくとも版
    胴表面のドクター当接部と圧胴圧接部との間の範囲を覆
    うカバーで構成されていることを特徴とする請求項1に
    記載のグラビア印刷機。
JP9049600A 1997-02-19 1997-02-19 グラビア印刷機 Withdrawn JPH10230584A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002096448A (ja) * 2000-09-25 2002-04-02 Nihon Tokkyo Kanri Co Ltd 水性グラビア印刷機におけるファニッシャーロール
CN100339215C (zh) * 2005-09-20 2007-09-26 史智勇 金属卷材印刷设备及其印刷工艺

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