JPH10309858A - 孔版印刷機 - Google Patents
孔版印刷機Info
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- JPH10309858A JPH10309858A JP12108097A JP12108097A JPH10309858A JP H10309858 A JPH10309858 A JP H10309858A JP 12108097 A JP12108097 A JP 12108097A JP 12108097 A JP12108097 A JP 12108097A JP H10309858 A JPH10309858 A JP H10309858A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 にじみ画像やオフセット現象、裏移り等の印
刷物の品質上の問題を解消することができるとともに、
中間転写体の表面をクリーニングするクリーニング手段
の複雑化、大型化を回避でき、また、用紙搬送性の向上
を図ることができる孔版印刷機の提供。 【解決手段】 中間転写体4の少なくとも表面を溶剤浸
透特性を有し且つ導電性を有する材料としてのシリコン
ゴム層28で形成し、クリーニング液を使用しないクリ
ーニング手段10を設ける。
刷物の品質上の問題を解消することができるとともに、
中間転写体の表面をクリーニングするクリーニング手段
の複雑化、大型化を回避でき、また、用紙搬送性の向上
を図ることができる孔版印刷機の提供。 【解決手段】 中間転写体4の少なくとも表面を溶剤浸
透特性を有し且つ導電性を有する材料としてのシリコン
ゴム層28で形成し、クリーニング液を使用しないクリ
ーニング手段10を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外周面に孔版原紙
が装着された印刷版胴でインキ画像を形成し、このイン
キ画像を中間転写体を介して用紙等の被印刷体上に間接
転写する孔版印刷機に関する。
が装着された印刷版胴でインキ画像を形成し、このイン
キ画像を中間転写体を介して用紙等の被印刷体上に間接
転写する孔版印刷機に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の孔版印刷機は、図16に示すよ
うに、外周面に孔版原紙が装着された印刷版胴100
と、押圧手段としての転写加圧ローラ102と、印刷版
胴100の内部に設けられたインキ供給手段104とか
ら概略構成されている。インキ供給手段104は、印刷
版胴100の内周面に接するインキローラ106と、こ
のインキローラ106へのインキ量を規制するドクター
ローラ108を備えており、インキは印刷版胴100の
版胴回転軸110を介して供給されるようになってい
る。用紙搬送経路112を通過する用紙が転写加圧ロー
ラ102で印刷版胴100の外周面に押圧されると、イ
ンキローラ106によって送り出されたインキは用紙の
表面に転移し、これによってインキ画像が形成される。
インキとしては、一般的に水系成分と油系成分のエマル
ジョンを形成するエマルジョン型インキが用いられてい
る。これは、印刷版胴100や孔版原紙を通過する過程
で固化しないように組成配分がなされており、安定度の
高い特性を有している。
うに、外周面に孔版原紙が装着された印刷版胴100
と、押圧手段としての転写加圧ローラ102と、印刷版
胴100の内部に設けられたインキ供給手段104とか
ら概略構成されている。インキ供給手段104は、印刷
版胴100の内周面に接するインキローラ106と、こ
のインキローラ106へのインキ量を規制するドクター
ローラ108を備えており、インキは印刷版胴100の
版胴回転軸110を介して供給されるようになってい
る。用紙搬送経路112を通過する用紙が転写加圧ロー
ラ102で印刷版胴100の外周面に押圧されると、イ
ンキローラ106によって送り出されたインキは用紙の
表面に転移し、これによってインキ画像が形成される。
インキとしては、一般的に水系成分と油系成分のエマル
ジョンを形成するエマルジョン型インキが用いられてい
る。これは、印刷版胴100や孔版原紙を通過する過程
で固化しないように組成配分がなされており、安定度の
高い特性を有している。
【0003】しかしながら、この固化が遅いインキ特性
に加えて、用紙に転移したインキの厚みが通常数十ミク
ロンと厚いため、乾燥時間が長く、これによっていろい
ろな問題を抱えている。すなわち、用紙に転写された時
点で水系成分の揮発によって乾燥工程が始まるわけであ
るが、油系成分はそのまま用紙上にとどまるため、画像
定着性があまり良くなく、にじみ画像や裏抜け現象(イ
ンキが用紙の裏側まで浸透すること)が発生し易い。ま
た、用紙を連続的に搬送して高速多量印刷を行う場合に
は1枚当たりの乾燥時間が非常に短いため、排紙トレイ
に積層排紙された場合、ある用紙の画像がすぐ上の用紙
の裏面に転移する、いわゆる裏移り現象が生じ、印刷物
の品質低下を来していた。
に加えて、用紙に転移したインキの厚みが通常数十ミク
ロンと厚いため、乾燥時間が長く、これによっていろい
ろな問題を抱えている。すなわち、用紙に転写された時
点で水系成分の揮発によって乾燥工程が始まるわけであ
るが、油系成分はそのまま用紙上にとどまるため、画像
定着性があまり良くなく、にじみ画像や裏抜け現象(イ
ンキが用紙の裏側まで浸透すること)が発生し易い。ま
た、用紙を連続的に搬送して高速多量印刷を行う場合に
は1枚当たりの乾燥時間が非常に短いため、排紙トレイ
に積層排紙された場合、ある用紙の画像がすぐ上の用紙
の裏面に転移する、いわゆる裏移り現象が生じ、印刷物
の品質低下を来していた。
【0004】また、図17に示すように、上述の印刷構
成が複数並列配置された多色印刷対応の孔版印刷機の場
合、印刷部Aで1色目のインキ画像を転写した用紙に印
刷部Bで2色目のインキ画像を転写する際に、1色目の
インキが用紙を介して2色目の孔版原紙に付着し、その
付着インキが再度次の用紙に付着して地汚れや2重画像
となる、いわゆるオフセット現象を生じていた。
成が複数並列配置された多色印刷対応の孔版印刷機の場
合、印刷部Aで1色目のインキ画像を転写した用紙に印
刷部Bで2色目のインキ画像を転写する際に、1色目の
インキが用紙を介して2色目の孔版原紙に付着し、その
付着インキが再度次の用紙に付着して地汚れや2重画像
となる、いわゆるオフセット現象を生じていた。
【0005】このようなインキ画像の低乾燥性に起因す
る問題に対処する方法としては、熱又は熱風等で用紙に
転移したインキ画像を強制的に急速乾燥する等、いろい
ろ考えられるが、製造コストや画像品質の観点から、例
えば特開平5−318898号公報に開示される間接印
刷方式(オフセット印刷方式)のものが実際的と考えら
れる。これは、印刷版胴で形成されたインキ画像を一旦
中間転写体に転写し、この中間転写体に転写されたイン
キ画像を押圧手段による加圧力で用紙に転写するもので
ある。中間転写体の表面には耐油性の弾性シートが貼り
付けられており、印刷後の弾性シートに残留したインキ
をクリーニング装置で除去するようになっている。クリ
ーニングはクリーニングローラにクリーニング液を供給
する化学洗浄方式となっている。この方式によれば、中
間転写体への転写工程自体による乾燥促進作用を得るこ
とができることに加え、中間転写体へ転移したインキ画
像を用紙に十分に押し込んで浸透させることができ、イ
ンキ画像の盛り上がり(厚み)を少なくして乾燥を速め
ることができる。
る問題に対処する方法としては、熱又は熱風等で用紙に
転移したインキ画像を強制的に急速乾燥する等、いろい
ろ考えられるが、製造コストや画像品質の観点から、例
えば特開平5−318898号公報に開示される間接印
刷方式(オフセット印刷方式)のものが実際的と考えら
れる。これは、印刷版胴で形成されたインキ画像を一旦
中間転写体に転写し、この中間転写体に転写されたイン
キ画像を押圧手段による加圧力で用紙に転写するもので
ある。中間転写体の表面には耐油性の弾性シートが貼り
付けられており、印刷後の弾性シートに残留したインキ
をクリーニング装置で除去するようになっている。クリ
ーニングはクリーニングローラにクリーニング液を供給
する化学洗浄方式となっている。この方式によれば、中
間転写体への転写工程自体による乾燥促進作用を得るこ
とができることに加え、中間転写体へ転移したインキ画
像を用紙に十分に押し込んで浸透させることができ、イ
ンキ画像の盛り上がり(厚み)を少なくして乾燥を速め
ることができる。
【0006】これと同様な間接印刷方式によるものとし
て、特開平8−142302号公報に記載の印刷装置が
ある。この装置の場合、中間転写体から用紙へのインキ
の転写性をより良くするため、また、転写後に中間転写
体に残留するインキを除去し易くするため、中間転写体
の少なくとも表面は、撥インキ性を示す材料で平滑に形
成されている。また、残留インキを除去するため、中間
転写体の表面にインキ除去液を供給するインキ除去液供
給手段が備えられている。撥インキ性を示す材料として
は、4フッ化エチレン(PTFE)、シリコンゴム等が
例示されている。
て、特開平8−142302号公報に記載の印刷装置が
ある。この装置の場合、中間転写体から用紙へのインキ
の転写性をより良くするため、また、転写後に中間転写
体に残留するインキを除去し易くするため、中間転写体
の少なくとも表面は、撥インキ性を示す材料で平滑に形
成されている。また、残留インキを除去するため、中間
転写体の表面にインキ除去液を供給するインキ除去液供
給手段が備えられている。撥インキ性を示す材料として
は、4フッ化エチレン(PTFE)、シリコンゴム等が
例示されている。
【0007】しかしながら、上記従来の間接印刷方式の
場合、いずれも中間転写体の表面(特開平5−3188
98号公報では弾性シート表面、以下同じ)に残留した
インキをクリーニング液を使用して除去する構成である
ため、中間転写体表面に微量なクリーニング液の薄膜が
形成され、これによってにじみ画像が発生する、という
新たな問題が生じるようになった。また、このような画
像品質上の問題に加え、クリーニング液の供給、回収手
段、タンク等の機構が不可欠となるためにクリーニング
装置が複雑・大型化する、という構成上の問題も生じて
いる。
場合、いずれも中間転写体の表面(特開平5−3188
98号公報では弾性シート表面、以下同じ)に残留した
インキをクリーニング液を使用して除去する構成である
ため、中間転写体表面に微量なクリーニング液の薄膜が
形成され、これによってにじみ画像が発生する、という
新たな問題が生じるようになった。また、このような画
像品質上の問題に加え、クリーニング液の供給、回収手
段、タンク等の機構が不可欠となるためにクリーニング
装置が複雑・大型化する、という構成上の問題も生じて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、上記裏移
り等の諸問題の根本的原因が用紙に転写されたインキ画
像の油系成分が保持されることにあると考え、これを解
消すべく、中間転写体の少なくとも表面を溶剤浸透特性
を有する材料で形成したことを特徴とする孔版印刷機を
提案した(特願平8−330972号)。インキ画像の
水系成分は中間転写体から用紙への転写時に揮発又は用
紙に吸収されて揮発するから、油系成分を中間転写体で
吸収してやれば用紙への転写と同時にインキ画像の速乾
性を得ることができるとともに、中間転写体の表面に残
留したインキ(未転写インキ)も油系成分が少なくなっ
ているから、インキの顔料を主体とした粉末状態で残
り、このためクリーニング液を用いることなく単なる機
械的な掻き取り態様で除去できる。すなわち、油系成分
を中間転写体で吸収する構成とすることによって、画像
品質上の問題や構成上の問題を一挙的に解消することが
できるのである。
り等の諸問題の根本的原因が用紙に転写されたインキ画
像の油系成分が保持されることにあると考え、これを解
消すべく、中間転写体の少なくとも表面を溶剤浸透特性
を有する材料で形成したことを特徴とする孔版印刷機を
提案した(特願平8−330972号)。インキ画像の
水系成分は中間転写体から用紙への転写時に揮発又は用
紙に吸収されて揮発するから、油系成分を中間転写体で
吸収してやれば用紙への転写と同時にインキ画像の速乾
性を得ることができるとともに、中間転写体の表面に残
留したインキ(未転写インキ)も油系成分が少なくなっ
ているから、インキの顔料を主体とした粉末状態で残
り、このためクリーニング液を用いることなく単なる機
械的な掻き取り態様で除去できる。すなわち、油系成分
を中間転写体で吸収する構成とすることによって、画像
品質上の問題や構成上の問題を一挙的に解消することが
できるのである。
【0009】しかしながら、上記特願平8−33097
2号にて提案した孔版印刷機においても以下に述べる別
の観点からの問題が未だ存在していることが判明した。
この孔版印刷機における溶剤浸透特性を有する材料とし
ての具体的一例は、シリコンゴムであるが、通紙による
摩擦やクリーニングローラとの接触による摩擦によって
シリコンゴム層に静電気が蓄積され、印刷枚数が多くな
っていくにつれて用紙が中間転写体の表面に静電気によ
って巻き付いてしまい、物理的(機械的)方法による転
写紙(インキ画像が転写された用紙)の分離が困難にな
ってくるのが判明した。この用紙搬送性の安定度の低下
は、高速印刷になればなるほど顕著になる。これに対処
すべく物理的分離機能を高めると、シリコンゴム層の表
面を損傷し易く、結局、中間転写体の短命化を促進させ
ることになる。
2号にて提案した孔版印刷機においても以下に述べる別
の観点からの問題が未だ存在していることが判明した。
この孔版印刷機における溶剤浸透特性を有する材料とし
ての具体的一例は、シリコンゴムであるが、通紙による
摩擦やクリーニングローラとの接触による摩擦によって
シリコンゴム層に静電気が蓄積され、印刷枚数が多くな
っていくにつれて用紙が中間転写体の表面に静電気によ
って巻き付いてしまい、物理的(機械的)方法による転
写紙(インキ画像が転写された用紙)の分離が困難にな
ってくるのが判明した。この用紙搬送性の安定度の低下
は、高速印刷になればなるほど顕著になる。これに対処
すべく物理的分離機能を高めると、シリコンゴム層の表
面を損傷し易く、結局、中間転写体の短命化を促進させ
ることになる。
【0010】また、この種の孔版印刷機では、印刷物
(被印刷体)としては普通紙を用いるのが通常である
が、普通紙の場合その平滑度が均一でないため転写性に
バラツキがあり、印刷物の品質向上の観点から問題があ
った。また、普通紙による印刷物の場合、変色や褪色等
の品質劣化を早期に来し易く、印刷物の長期的品質の維
持の観点から、耐候性、耐環境性等の向上、あるいは光
沢による品位向上を求める声が強い。
(被印刷体)としては普通紙を用いるのが通常である
が、普通紙の場合その平滑度が均一でないため転写性に
バラツキがあり、印刷物の品質向上の観点から問題があ
った。また、普通紙による印刷物の場合、変色や褪色等
の品質劣化を早期に来し易く、印刷物の長期的品質の維
持の観点から、耐候性、耐環境性等の向上、あるいは光
沢による品位向上を求める声が強い。
【0011】そこで、本発明は、裏移り等による画像品
質の低下を防止できるとともにクリーニング装置の大型
化を回避でき、また高速印刷時においても安定した用紙
搬送性を得ることができる孔版印刷機の提供を、その目
的とする。また、本発明は、普通紙を使用しながらも印
刷物の耐候性、耐環境性等の向上及び光沢付与を行える
孔版印刷機の提供を、その目的とする。
質の低下を防止できるとともにクリーニング装置の大型
化を回避でき、また高速印刷時においても安定した用紙
搬送性を得ることができる孔版印刷機の提供を、その目
的とする。また、本発明は、普通紙を使用しながらも印
刷物の耐候性、耐環境性等の向上及び光沢付与を行える
孔版印刷機の提供を、その目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、印刷版胴に形成されたイ
ンキ画像を、中間転写体を介して被印刷体上に転写する
孔版印刷機において、上記中間転写体の少なくとも表面
を、溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材料で形成
する、という構成を採った。中間転写体の溶剤浸透特性
によって画像品質やクリーニングに影響を及ぼすインキ
の油系成分を吸収して少なくした状態で転写し、且つ、
導電性によって中間転写体における静電気の蓄積を抑制
しようというものである。
に、請求項1記載の発明では、印刷版胴に形成されたイ
ンキ画像を、中間転写体を介して被印刷体上に転写する
孔版印刷機において、上記中間転写体の少なくとも表面
を、溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材料で形成
する、という構成を採った。中間転写体の溶剤浸透特性
によって画像品質やクリーニングに影響を及ぼすインキ
の油系成分を吸収して少なくした状態で転写し、且つ、
導電性によって中間転写体における静電気の蓄積を抑制
しようというものである。
【0013】請求項2記載の発明では、インキ画像を形
成する印刷版胴と、該印刷版胴に圧接され上記インキ画
像を転写される中間転写体と、該中間転写体に被印刷体
を押圧する押圧手段とを備え、上記インキ画像を上記中
間転写体に一旦転写した後に上記被印刷体に転写する孔
版印刷機において、上記中間転写体の少なくとも表面は
溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材料で形成され
ているとともに、上記中間転写体の転写後の表面をクリ
ーニング液を使用せずにクリーニングするクリーニング
手段を備えている、という構成を採った。
成する印刷版胴と、該印刷版胴に圧接され上記インキ画
像を転写される中間転写体と、該中間転写体に被印刷体
を押圧する押圧手段とを備え、上記インキ画像を上記中
間転写体に一旦転写した後に上記被印刷体に転写する孔
版印刷機において、上記中間転写体の少なくとも表面は
溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材料で形成され
ているとともに、上記中間転写体の転写後の表面をクリ
ーニング液を使用せずにクリーニングするクリーニング
手段を備えている、という構成を採った。
【0014】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
構成において、上記中間転写体の表面に、上記印刷版胴
が両面同時印刷可能に2つ圧接され、一方の印刷版胴が
上記押圧手段の機能を兼ねる、という構成を採った。
構成において、上記中間転写体の表面に、上記印刷版胴
が両面同時印刷可能に2つ圧接され、一方の印刷版胴が
上記押圧手段の機能を兼ねる、という構成を採った。
【0015】請求項4記載の発明では、請求項2記載の
構成において、上記中間転写体の表面周囲に、上記印刷
版胴が多色印刷可能に複数個圧接されている、という構
成を採った。
構成において、上記中間転写体の表面周囲に、上記印刷
版胴が多色印刷可能に複数個圧接されている、という構
成を採った。
【0016】請求項5記載の発明では、請求項3記載の
構成において、上記印刷版胴のうち、上記押圧手段の機
能を兼ねない方の印刷版胴が上記中間転写体に対して接
離自在に設けられている、という構成を採った。片面印
刷を行う場合に、印刷に不要な印刷版胴を離し、該印刷
版胴に用紙裏面のインキ汚れ防止のための未製版の孔版
原紙をわざわざ巻き付けることによる不経済性を回避し
ようというものである。
構成において、上記印刷版胴のうち、上記押圧手段の機
能を兼ねない方の印刷版胴が上記中間転写体に対して接
離自在に設けられている、という構成を採った。片面印
刷を行う場合に、印刷に不要な印刷版胴を離し、該印刷
版胴に用紙裏面のインキ汚れ防止のための未製版の孔版
原紙をわざわざ巻き付けることによる不経済性を回避し
ようというものである。
【0017】請求項6記載の発明では、インキ画像を形
成する印刷版胴が多色印刷の各色に対応して複数個並列
配置されているとともに、上記インキ画像を転写される
中間転写体がこれらの印刷版胴の全部もしくは2版目以
降の印刷版胴に個別に圧接され、且つ、上記印刷版胴も
しくは上記中間転写体に被印刷体を押圧して該被印刷体
に上記インキ画像を転写するための押圧手段を備え、上
記中間転写体の少なくとも表面は溶剤浸透特性を有し且
つ導電性を有する材料で形成されているとともに、上記
中間転写体の転写後の表面をクリーニング液を使用せず
にクリーニングするクリーニング手段を備えている、と
いう構成を採った。
成する印刷版胴が多色印刷の各色に対応して複数個並列
配置されているとともに、上記インキ画像を転写される
中間転写体がこれらの印刷版胴の全部もしくは2版目以
降の印刷版胴に個別に圧接され、且つ、上記印刷版胴も
しくは上記中間転写体に被印刷体を押圧して該被印刷体
に上記インキ画像を転写するための押圧手段を備え、上
記中間転写体の少なくとも表面は溶剤浸透特性を有し且
つ導電性を有する材料で形成されているとともに、上記
中間転写体の転写後の表面をクリーニング液を使用せず
にクリーニングするクリーニング手段を備えている、と
いう構成を採った。
【0018】請求項7記載の発明では、請求項2又は3
又は5又は6記載の構成において、上記被印刷体への転
写工程前に、上記中間転写体の表面に溶剤浸透特性を有
する部材を圧接する、という構成を採った。中間転写体
の溶剤浸透特性に加えて、さらにインキの油系成分の吸
収構成を設けてオフセット現象等を確実に防止しようと
いうものである。
又は5又は6記載の構成において、上記被印刷体への転
写工程前に、上記中間転写体の表面に溶剤浸透特性を有
する部材を圧接する、という構成を採った。中間転写体
の溶剤浸透特性に加えて、さらにインキの油系成分の吸
収構成を設けてオフセット現象等を確実に防止しようと
いうものである。
【0019】請求項8記載の発明では、請求項4記載の
構成において、上記各々の印刷版胴の下流側における上
記中間転写体の表面に、溶剤浸透特性を有する部材を圧
接する、という構成を採った。
構成において、上記各々の印刷版胴の下流側における上
記中間転写体の表面に、溶剤浸透特性を有する部材を圧
接する、という構成を採った。
【0020】請求項9記載の発明では、請求項2又は4
又は6記載の構成において、上記押圧手段が熱源を有し
ている、という構成を採った。インキを加熱して転写効
率を向上させるとともに、クリーニング手段の負担を軽
減しようというものである。
又は6記載の構成において、上記押圧手段が熱源を有し
ている、という構成を採った。インキを加熱して転写効
率を向上させるとともに、クリーニング手段の負担を軽
減しようというものである。
【0021】請求項10記載の発明では、請求項2又は
4又は6記載の構成において、上記中間転写体の内部に
蓄積するインキの油系成分を上記押圧手段に一旦転移さ
せた後、上記被印刷体の裏面に転移させて排出する、と
い構成を採った。油系成分の蓄積を防止して中間転写体
の良好な溶剤浸透特性を維持しようというものである。
4又は6記載の構成において、上記中間転写体の内部に
蓄積するインキの油系成分を上記押圧手段に一旦転移さ
せた後、上記被印刷体の裏面に転移させて排出する、と
い構成を採った。油系成分の蓄積を防止して中間転写体
の良好な溶剤浸透特性を維持しようというものである。
【0022】請求項11記載の発明では、請求項2又は
4又は6記載の構成において、上記押圧手段を、上記中
間転写体に圧接した位置に保持する、という構成を採っ
た。常時圧接した構成によって中間転写体と押圧手段の
耐久性の向上を図ろうというものである。
4又は6記載の構成において、上記押圧手段を、上記中
間転写体に圧接した位置に保持する、という構成を採っ
た。常時圧接した構成によって中間転写体と押圧手段の
耐久性の向上を図ろうというものである。
【0023】請求項12記載の発明では、印刷版胴に形
成されたインキ画像を中間転写体を介して被印刷体上に
転写する孔版印刷機において、上記中間転写体の少なく
とも表面は溶剤浸透特性を有する材料で形成され、該中
間転写体に転写されたインキ画像を粘着フィルムに転写
可能に構成されている、という構成を採った。粘着フィ
ルムの接着力で中間転写体上のインキ画像を強制的に奪
う転写形態とすることによって普通紙の表面性状との関
係を無くし、インキ画像が転写された粘着フィルムを普
通紙に貼り付けることによって耐候性、耐環境性等に優
れ且つ光沢のある印刷物を得ようというものである。
成されたインキ画像を中間転写体を介して被印刷体上に
転写する孔版印刷機において、上記中間転写体の少なく
とも表面は溶剤浸透特性を有する材料で形成され、該中
間転写体に転写されたインキ画像を粘着フィルムに転写
可能に構成されている、という構成を採った。粘着フィ
ルムの接着力で中間転写体上のインキ画像を強制的に奪
う転写形態とすることによって普通紙の表面性状との関
係を無くし、インキ画像が転写された粘着フィルムを普
通紙に貼り付けることによって耐候性、耐環境性等に優
れ且つ光沢のある印刷物を得ようというものである。
【0024】請求項13記載の発明では、印刷版胴に形
成されたインキ画像を中間転写体を介して被印刷体上に
転写する孔版印刷機において、上記中間転写体の少なく
とも表面は溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材料
で形成され、該中間転写体に転写されたインキ画像を粘
着フィルムに転写可能に構成されている、という構成を
採った。転写精度の向上、耐候性、耐環境性の向上及び
光沢の付与に加えて、用紙搬送性の向上をも図ろうとい
うものである。
成されたインキ画像を中間転写体を介して被印刷体上に
転写する孔版印刷機において、上記中間転写体の少なく
とも表面は溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材料
で形成され、該中間転写体に転写されたインキ画像を粘
着フィルムに転写可能に構成されている、という構成を
採った。転写精度の向上、耐候性、耐環境性の向上及び
光沢の付与に加えて、用紙搬送性の向上をも図ろうとい
うものである。
【0025】請求項14記載の発明では、請求項12又
は13記載の構成において、上記粘着フィルムにインキ
画像を転写する印刷版胴及び中間転写体が多色印刷可能
に複数個設けられている、という構成を採った。
は13記載の構成において、上記粘着フィルムにインキ
画像を転写する印刷版胴及び中間転写体が多色印刷可能
に複数個設けられている、という構成を採った。
【0026】請求項15記載の発明では、印刷版胴に形
成されたインキ画像を中間転写体を介して粘着フィルム
に転写するとともに該インキ画像が転写された粘着フィ
ルムを用紙に貼着する印刷構成が、両面印刷可能に用紙
の表裏面側に設けられ、各印刷構成の中間転写体の少な
くとも表面は溶剤浸透特性を有する材料で形成されてい
る、という構成を採った。
成されたインキ画像を中間転写体を介して粘着フィルム
に転写するとともに該インキ画像が転写された粘着フィ
ルムを用紙に貼着する印刷構成が、両面印刷可能に用紙
の表裏面側に設けられ、各印刷構成の中間転写体の少な
くとも表面は溶剤浸透特性を有する材料で形成されてい
る、という構成を採った。
【0027】請求項16記載の発明では、印刷版胴に形
成されたインキ画像を中間転写体を介して粘着フィルム
に転写するとともに該インキ画像が転写された粘着フィ
ルムを用紙に貼着する印刷構成が、両面印刷可能に用紙
の表裏面側に設けられ、各印刷構成の中間転写体の少な
くとも表面は溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材
料で形成されている、という構成を採った。
成されたインキ画像を中間転写体を介して粘着フィルム
に転写するとともに該インキ画像が転写された粘着フィ
ルムを用紙に貼着する印刷構成が、両面印刷可能に用紙
の表裏面側に設けられ、各印刷構成の中間転写体の少な
くとも表面は溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材
料で形成されている、という構成を採った。
【0028】請求項17記載の発明では、複数の印刷版
胴に形成されたインキ画像をそれぞれに対応した中間転
写体を介して粘着フィルムに転写するとともに該インキ
画像が転写された粘着フィルムを用紙に貼着する印刷構
成が、両面多色印刷可能に用紙の表裏面側に設けられ、
各印刷構成の中間転写体の少なくとも表面は溶剤浸透特
性を有する材料で形成されている、という構成を採っ
た。
胴に形成されたインキ画像をそれぞれに対応した中間転
写体を介して粘着フィルムに転写するとともに該インキ
画像が転写された粘着フィルムを用紙に貼着する印刷構
成が、両面多色印刷可能に用紙の表裏面側に設けられ、
各印刷構成の中間転写体の少なくとも表面は溶剤浸透特
性を有する材料で形成されている、という構成を採っ
た。
【0029】請求項18記載の発明では、複数の印刷版
胴に形成されたインキ画像をそれぞれに対応した中間転
写体を介して粘着フィルムに転写するとともに該インキ
画像が転写された粘着フィルムを用紙に貼着する印刷構
成が、両面多色印刷可能に用紙の表裏面側に設けられ、
各印刷構成の中間転写体の少なくとも表面は溶剤浸透特
性を有し且つ導電性を有する材料で形成されている、と
いう構成を採った。
胴に形成されたインキ画像をそれぞれに対応した中間転
写体を介して粘着フィルムに転写するとともに該インキ
画像が転写された粘着フィルムを用紙に貼着する印刷構
成が、両面多色印刷可能に用紙の表裏面側に設けられ、
各印刷構成の中間転写体の少なくとも表面は溶剤浸透特
性を有し且つ導電性を有する材料で形成されている、と
いう構成を採った。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1に示すように、孔版印刷機には、印刷版胴2
と、この印刷版胴2の外周面に圧接された中間転写体4
と、この中間転写体4に被印刷体としての用紙6を押圧
する押圧手段としての転写加圧ローラ8と、用紙6に対
する中間転写体4のインキ画像転写後の表面をクリーニ
ングするクリーニング装置10が備えられている。転写
加圧ローラ8は中間転写体4に圧接され、且つ、その状
態を保持するように設けられている(請求項11)。
する。図1に示すように、孔版印刷機には、印刷版胴2
と、この印刷版胴2の外周面に圧接された中間転写体4
と、この中間転写体4に被印刷体としての用紙6を押圧
する押圧手段としての転写加圧ローラ8と、用紙6に対
する中間転写体4のインキ画像転写後の表面をクリーニ
ングするクリーニング装置10が備えられている。転写
加圧ローラ8は中間転写体4に圧接され、且つ、その状
態を保持するように設けられている(請求項11)。
【0031】印刷版胴2は、多孔構造のスクリーンドラ
ム12と、このスクリーンドラム12の内部に装備され
たインキ供給手段14とから概略構成され、スクリーン
ドラム12の外周面に巻き付け状態で装着される孔版原
紙16を有している。インキ供給手段14は、スクリー
ンドラム12の回転軸としてのインキ供給パイプ18
と、スクリーンドラム12の内周面にエマルジョン型イ
ンキを供給するインキローラ20と、このインキローラ
20との間に形成されるインキ溜まり22からのインキ
量を規制するドクターローラ24とから構成されてい
る。孔版原紙16は、図示しない製版・給版部で原稿の
画像情報に基づいてサーマルヘッド等により溶融穿孔方
式で画像を形成された後、ロール状態から所定長さに図
示しないカッター手段により切断され。そして、スクリ
ーンドラム12の外周面に備えられたクランパ26でそ
の先端を挟持されてスクリーンドラム12に装着され
る。印刷完了後の孔版原紙16は、所定の排版工程に基
づいて処理されるようになっている。
ム12と、このスクリーンドラム12の内部に装備され
たインキ供給手段14とから概略構成され、スクリーン
ドラム12の外周面に巻き付け状態で装着される孔版原
紙16を有している。インキ供給手段14は、スクリー
ンドラム12の回転軸としてのインキ供給パイプ18
と、スクリーンドラム12の内周面にエマルジョン型イ
ンキを供給するインキローラ20と、このインキローラ
20との間に形成されるインキ溜まり22からのインキ
量を規制するドクターローラ24とから構成されてい
る。孔版原紙16は、図示しない製版・給版部で原稿の
画像情報に基づいてサーマルヘッド等により溶融穿孔方
式で画像を形成された後、ロール状態から所定長さに図
示しないカッター手段により切断され。そして、スクリ
ーンドラム12の外周面に備えられたクランパ26でそ
の先端を挟持されてスクリーンドラム12に装着され
る。印刷完了後の孔版原紙16は、所定の排版工程に基
づいて処理されるようになっている。
【0032】インキ供給手段14から供給されたインキ
はスクリーンドラム12をその径方向に通り抜けて孔版
原紙16の穿孔部から中間転写体4の圧接力によって滲
み出し、これによって中間転写体4の表面にインキ画像
が転写される。中間転写体4に転写されたインキ画像
は、転写加圧ローラ8の押圧作用によって用紙6の表面
6aに転写される。
はスクリーンドラム12をその径方向に通り抜けて孔版
原紙16の穿孔部から中間転写体4の圧接力によって滲
み出し、これによって中間転写体4の表面にインキ画像
が転写される。中間転写体4に転写されたインキ画像
は、転写加圧ローラ8の押圧作用によって用紙6の表面
6aに転写される。
【0033】中間転写体4は、図2に示すように、その
表面が溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材料とし
てのシリコンゴム層28で形成されている(請求項
1)。本実施例におけるシリコンゴム層28はその表面
抵抗値が105〜106Ωcm以下に設定されており、図1
に示すように、回転軸4aを介してアースされている。
シリコンゴムは撥水性に優れるが、撥油性においては4
フッ化エチレン(PTFE)等よりも劣ることが知られ
ている。このシリコンゴムの撥油性における特性低下に
着目し、これを溶剤浸透特性として利用するものであ
る。インキ画像の一部分について模式的に説明すると、
印刷版胴2から転写された直後のインキ画像30は、図
2の第1過程に示すように、水系成分と油系成分がとも
に表面に存在し、大きな盛り上がり状態となっている。
時間が経過すると、第2過程に示すように、シリコンゴ
ム層28の溶剤浸透特性によってインキ画像30のある
程度の油系成分30aはシリコンゴム層28内に取り込
まれ、表面には少ない油系成分と、撥水性によって水系
成分30b等が残る。かかる状態で用紙6への転写がな
されるため、インキ画像30は油系成分の少ない状態で
用紙6の表面に転写される。水系成分30bは揮発又は
用紙6に吸収されて急激に減少する。このため、第3過
程に示すように、転写後の中間転写体4の表面に残る未
転写のインキは、油系成分と水系成分が共に少ない、顔
料を主体とした粉末状態となる。この状態のインキはシ
リコンゴム層28の表面の離型性によって非常にクリー
ニングし易い状態となっており、溶剤(一般的に用いら
れるのは各種有機溶剤、界面活性剤、シリコンオイル
等)を用いなくても十分なクリーニングが可能である。
表面が溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材料とし
てのシリコンゴム層28で形成されている(請求項
1)。本実施例におけるシリコンゴム層28はその表面
抵抗値が105〜106Ωcm以下に設定されており、図1
に示すように、回転軸4aを介してアースされている。
シリコンゴムは撥水性に優れるが、撥油性においては4
フッ化エチレン(PTFE)等よりも劣ることが知られ
ている。このシリコンゴムの撥油性における特性低下に
着目し、これを溶剤浸透特性として利用するものであ
る。インキ画像の一部分について模式的に説明すると、
印刷版胴2から転写された直後のインキ画像30は、図
2の第1過程に示すように、水系成分と油系成分がとも
に表面に存在し、大きな盛り上がり状態となっている。
時間が経過すると、第2過程に示すように、シリコンゴ
ム層28の溶剤浸透特性によってインキ画像30のある
程度の油系成分30aはシリコンゴム層28内に取り込
まれ、表面には少ない油系成分と、撥水性によって水系
成分30b等が残る。かかる状態で用紙6への転写がな
されるため、インキ画像30は油系成分の少ない状態で
用紙6の表面に転写される。水系成分30bは揮発又は
用紙6に吸収されて急激に減少する。このため、第3過
程に示すように、転写後の中間転写体4の表面に残る未
転写のインキは、油系成分と水系成分が共に少ない、顔
料を主体とした粉末状態となる。この状態のインキはシ
リコンゴム層28の表面の離型性によって非常にクリー
ニングし易い状態となっており、溶剤(一般的に用いら
れるのは各種有機溶剤、界面活性剤、シリコンオイル
等)を用いなくても十分なクリーニングが可能である。
【0034】このため、残存インキを除去するためのク
リーニング装置10は、クリーニングローラ32と、こ
のクリーニングローラ32に接触するフェルト素材の絞
りローラ34と、除去したインキを収容するケーシング
36とから構成されている。クリーニングローラ32に
はブラシローラを使用している。上述のように、残存イ
ンキが粉末状態であり、且つ、油系成分が極めて少ない
ために、機械的除去手段としてのブラシローラで十分で
あり、クリーニング液による化学的洗浄は必要ない(請
求項2)。クリーニングローラ32としては、他にスポ
ンジローラ等を採用することができる。クリーニングロ
ーラ32で掻き取ったインキは絞りローラ34により掻
き取られ、ケーシング36内に回収される。
リーニング装置10は、クリーニングローラ32と、こ
のクリーニングローラ32に接触するフェルト素材の絞
りローラ34と、除去したインキを収容するケーシング
36とから構成されている。クリーニングローラ32に
はブラシローラを使用している。上述のように、残存イ
ンキが粉末状態であり、且つ、油系成分が極めて少ない
ために、機械的除去手段としてのブラシローラで十分で
あり、クリーニング液による化学的洗浄は必要ない(請
求項2)。クリーニングローラ32としては、他にスポ
ンジローラ等を採用することができる。クリーニングロ
ーラ32で掻き取ったインキは絞りローラ34により掻
き取られ、ケーシング36内に回収される。
【0035】シリコンゴム層28内に蓄積する油系成分
は、中間転写体4と転写加圧ローラ8との間に用紙6が
送られる前の圧接によって転写加圧ローラ8に転移し、
用紙6への転写時に、転写加圧ローラ8からさらに用紙
6の裏面6bに転移する(請求項10)。このため、中
間転写体4の表面層部分のみを溶剤浸透特性を有する材
料で形成しても、油系成分の蓄積による飽和状態は起こ
らず、常に良好な溶剤浸透特性を発揮させることができ
る。また、エマルジョン型インキを使用することによっ
て、シリコンゴム層28の表面でも十分な量のインキを
載せることができ、すなわち、適正な画像濃度を得るに
十分な量のインキを載せることができ、その油系成分を
吸収することによって、上述のようにクリーニングも容
易となる。
は、中間転写体4と転写加圧ローラ8との間に用紙6が
送られる前の圧接によって転写加圧ローラ8に転移し、
用紙6への転写時に、転写加圧ローラ8からさらに用紙
6の裏面6bに転移する(請求項10)。このため、中
間転写体4の表面層部分のみを溶剤浸透特性を有する材
料で形成しても、油系成分の蓄積による飽和状態は起こ
らず、常に良好な溶剤浸透特性を発揮させることができ
る。また、エマルジョン型インキを使用することによっ
て、シリコンゴム層28の表面でも十分な量のインキを
載せることができ、すなわち、適正な画像濃度を得るに
十分な量のインキを載せることができ、その油系成分を
吸収することによって、上述のようにクリーニングも容
易となる。
【0036】このように、中間転写体4の少なくとも表
面を溶剤浸透特性を有する材料で形成すると、印刷版胴
2から中間転写体4に転写され中間転写体4の表面に残
存するインキ画像の油系成分を少なくすることができる
ので、用紙6へ転写されたインキ画像の乾燥速度を大幅
に速めることができ、にじみ画像や裏抜け、裏移りを防
止することができる。従って、高品質、高速印刷が可能
となる。また、中間転写体4の表面は導電性を有してい
るので、高速印刷で印刷枚数が多くなり、またクリーニ
ング装置10による摩擦があっても中間転写体4に静電
気は蓄積されない。このため、用紙6が中間転写体4に
巻き付いて分離されない状態は生じず、常に安定した用
紙搬送性を得ることができる。従って、剥離爪等の物理
的分離による中間転写体4の損傷も生じないので、中間
転写体4の長寿命化、ひいては孔版印刷機の長寿命化、
信頼性の維持を図ることができる。また、従来において
は、中間転写体4の静電気蓄積によって印刷版胴2に巻
着されている孔版原紙16が印刷版胴2から浮いて中間
転写体4と印刷版胴2のニップ部で挟まれてシワにな
り、印刷物の品質を損なう不具合もあったが、中間転写
体4の静電気除去機能によってこれも解消することがで
きる。
面を溶剤浸透特性を有する材料で形成すると、印刷版胴
2から中間転写体4に転写され中間転写体4の表面に残
存するインキ画像の油系成分を少なくすることができる
ので、用紙6へ転写されたインキ画像の乾燥速度を大幅
に速めることができ、にじみ画像や裏抜け、裏移りを防
止することができる。従って、高品質、高速印刷が可能
となる。また、中間転写体4の表面は導電性を有してい
るので、高速印刷で印刷枚数が多くなり、またクリーニ
ング装置10による摩擦があっても中間転写体4に静電
気は蓄積されない。このため、用紙6が中間転写体4に
巻き付いて分離されない状態は生じず、常に安定した用
紙搬送性を得ることができる。従って、剥離爪等の物理
的分離による中間転写体4の損傷も生じないので、中間
転写体4の長寿命化、ひいては孔版印刷機の長寿命化、
信頼性の維持を図ることができる。また、従来において
は、中間転写体4の静電気蓄積によって印刷版胴2に巻
着されている孔版原紙16が印刷版胴2から浮いて中間
転写体4と印刷版胴2のニップ部で挟まれてシワにな
り、印刷物の品質を損なう不具合もあったが、中間転写
体4の静電気除去機能によってこれも解消することがで
きる。
【0037】上記実施例では中間転写体4の表面層のみ
を溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材料で形成し
たが、中間転写体4全体をこの材料で形成してもよい。
また、溶剤浸透特性及び導電性を有する材料としてはシ
リコンゴムに限らず、同時に撥水性をも備えるものであ
れば適宜に採用できる。また、転写加圧ローラ8を常に
中間転写体4へ圧接する構成であるので、転写加圧ロー
ラ8が中間転写体4へ衝突することによる騒音を防止で
きるとともに、接離機構が不要になるのでコストダウン
を図ることができ、さらには、転写加圧ローラ8と中間
転写体4の耐久性の向上を図ることができる。勿論、接
離機構を備えた構成としても上記溶剤浸透特性及び導電
性に基づく機能が得られることに変わりはない。
を溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材料で形成し
たが、中間転写体4全体をこの材料で形成してもよい。
また、溶剤浸透特性及び導電性を有する材料としてはシ
リコンゴムに限らず、同時に撥水性をも備えるものであ
れば適宜に採用できる。また、転写加圧ローラ8を常に
中間転写体4へ圧接する構成であるので、転写加圧ロー
ラ8が中間転写体4へ衝突することによる騒音を防止で
きるとともに、接離機構が不要になるのでコストダウン
を図ることができ、さらには、転写加圧ローラ8と中間
転写体4の耐久性の向上を図ることができる。勿論、接
離機構を備えた構成としても上記溶剤浸透特性及び導電
性に基づく機能が得られることに変わりはない。
【0038】図3及び図4は、請求項3に対応する実施
例を示すものである。本実施例は、「にじみ画像やオフ
セット現象、裏移り等の印刷物の品質上の問題を解消す
ることができるとともに、クリーニング手段の複雑・大
型化を回避できる孔版印刷機の提供」という基本的目的
に加え、両面同時印刷方式の孔版印刷機における片面の
みを印刷する場合の孔版原紙の無駄な使用の回避を目的
としている。なお、上記実施例と符号が同じものについ
ては、簡略化して示す(以下、同じ)。また、その構成
及び機能についての説明は上記実施例と同一であるので
特に必要がない限り省略する(以下、同じ)。また、中
間転写体4の溶剤浸透特性及び導電性に基づく機能及び
効果は以下の各実施例においても同様であるので説明を
省略する。
例を示すものである。本実施例は、「にじみ画像やオフ
セット現象、裏移り等の印刷物の品質上の問題を解消す
ることができるとともに、クリーニング手段の複雑・大
型化を回避できる孔版印刷機の提供」という基本的目的
に加え、両面同時印刷方式の孔版印刷機における片面の
みを印刷する場合の孔版原紙の無駄な使用の回避を目的
としている。なお、上記実施例と符号が同じものについ
ては、簡略化して示す(以下、同じ)。また、その構成
及び機能についての説明は上記実施例と同一であるので
特に必要がない限り省略する(以下、同じ)。また、中
間転写体4の溶剤浸透特性及び導電性に基づく機能及び
効果は以下の各実施例においても同様であるので説明を
省略する。
【0039】本実施例における両面同時印刷対応の孔版
印刷機は、図3に示すように、中間転写体4と、この中
間転写体4の上下においてそれぞれ圧接される上側の印
刷版胴2aと、下側の印刷版胴2bと、クリーニング手
段10とから概略構成されている(請求項3)。下側の
印刷版胴2bにおけるインキの供給方向は矢印Nの方向
である。便宜上、上側の印刷版胴2aのインキカラーを
赤色、下側の印刷版胴2bのインキカラーを青色とする
と、中間転写体4を介した中間印刷は用紙6の裏面6b
に転写される青色のインキ画像のみであり、用紙6の表
面6aに転写される赤色のインキ画像は従前方式と同様
に、印刷版胴2aから直接に転写される。従って、この
場合、青色のインキ画像の転写においては印刷版胴2a
が上記実施例における転写加圧ローラ8として機能し、
赤色のインキ画像の転写においては中間転写体4が同様
の機能を呈することになる。転写後の未転写インキは上
記実施例で説明したのと同様に、クリーニング手段10
で掻き取られ、中間転写体4の表面は常に新しい表面に
維持される。
印刷機は、図3に示すように、中間転写体4と、この中
間転写体4の上下においてそれぞれ圧接される上側の印
刷版胴2aと、下側の印刷版胴2bと、クリーニング手
段10とから概略構成されている(請求項3)。下側の
印刷版胴2bにおけるインキの供給方向は矢印Nの方向
である。便宜上、上側の印刷版胴2aのインキカラーを
赤色、下側の印刷版胴2bのインキカラーを青色とする
と、中間転写体4を介した中間印刷は用紙6の裏面6b
に転写される青色のインキ画像のみであり、用紙6の表
面6aに転写される赤色のインキ画像は従前方式と同様
に、印刷版胴2aから直接に転写される。従って、この
場合、青色のインキ画像の転写においては印刷版胴2a
が上記実施例における転写加圧ローラ8として機能し、
赤色のインキ画像の転写においては中間転写体4が同様
の機能を呈することになる。転写後の未転写インキは上
記実施例で説明したのと同様に、クリーニング手段10
で掻き取られ、中間転写体4の表面は常に新しい表面に
維持される。
【0040】また、下側の印刷版胴2bは図示しない駆
動手段によって、中間転写体4に対して接離自在に設け
られている(請求項5)。片面印刷を行う場合には、図
4に示すように、下側の印刷版胴2bが中間転写体4か
ら離される。これによって、中間転写体4を転写加圧ロ
ーラとする直接転写方式によって片面印刷を行うことが
できる。従来において、両面同時印刷対応の孔版印刷機
で片面印刷を行う場合には、使用しない印刷版胴のイン
キによって用紙裏面が汚れないように、わざわざ使用し
ない印刷版胴の表面に未製版の孔版原紙を装着する必要
があったが、本実施例のものによれば、インキ汚れの心
配は無くなるので、孔版原紙の無駄な消費を回避するこ
とができる。
動手段によって、中間転写体4に対して接離自在に設け
られている(請求項5)。片面印刷を行う場合には、図
4に示すように、下側の印刷版胴2bが中間転写体4か
ら離される。これによって、中間転写体4を転写加圧ロ
ーラとする直接転写方式によって片面印刷を行うことが
できる。従来において、両面同時印刷対応の孔版印刷機
で片面印刷を行う場合には、使用しない印刷版胴のイン
キによって用紙裏面が汚れないように、わざわざ使用し
ない印刷版胴の表面に未製版の孔版原紙を装着する必要
があったが、本実施例のものによれば、インキ汚れの心
配は無くなるので、孔版原紙の無駄な消費を回避するこ
とができる。
【0041】両面印刷の構成としては、図3で示したも
のに限らず、例えば図5に示すように、青色の印刷版胴
26を赤色の印刷版胴2aから用紙6の搬送方向に間隔
をおいて設け、赤色の印刷版胴2aでは中間転写体4に
よる中間転写方式とし、青色の印刷版胴2bでは直接転
写方式とする構成とすることもできる。また、この場
合、図6に示すように、赤色の印刷版胴2aだけでな
く、青色の印刷版胴2bでも中間転写方式とする構成と
することもできる。
のに限らず、例えば図5に示すように、青色の印刷版胴
26を赤色の印刷版胴2aから用紙6の搬送方向に間隔
をおいて設け、赤色の印刷版胴2aでは中間転写体4に
よる中間転写方式とし、青色の印刷版胴2bでは直接転
写方式とする構成とすることもできる。また、この場
合、図6に示すように、赤色の印刷版胴2aだけでな
く、青色の印刷版胴2bでも中間転写方式とする構成と
することもできる。
【0042】図7は、請求項4及び8に対応する実施例
を示すものである。本実施例における孔版印刷機は、同
時多色印刷機能を有するもので、一つの中間転写体4の
表面の周囲に二つの印刷版胴2a,2bが圧接されてお
り、それぞれの印刷版胴2a,2bの下流側には溶剤吸
収手段48,50が設けられている。 印刷版胴2aの
下流側に位置する溶剤吸収手段48は、溶剤浸透特性を
有する部材で形成されたブロッターローラ52と、ブロ
ッターローラ52に付着したインキを掻き落すブロッタ
ー絞りローラ54と、掻き落されたインキを収容するケ
ーシング56とから構成されている。同様に、印刷版胴
2bの下流側に位置する溶剤吸収手段50は、ブロッタ
ーローラ52と、ブロッター絞りローラ54と、ケーシ
ング58とから構成されている。ここで言う溶剤とは、
エマルジョン型インキに含まれる油系成分を指し、流動
パラフィンである。中間転写体4に転写されたインキ画
像は、中間転写体4の表面から外方へ遠い部分はまだ中
間転写体4の溶剤浸透特性が十分に行き届かないため、
油系成分が多く存在する。転写工程前にこの油系成分を
吸収することによって、また、余分なインキを掻き取る
と同時に中間転写体4の表面上に形成された山形状のイ
ンキを平にすることによって、にじみのない良好な印刷
画像を得ることができる。また、油系成分が少なくなる
ことによってインキの粘着力が上がるため、転写効率の
向上を図ることができる。かかる観点から溶剤吸収手段
48,50が設けられている。なお、各ブロッターロー
ラ52は、中間転写体4と連れ回りするようになってい
る。また、各ブロッターローラ52は、中間転写体4と
同様に、シリコンゴムで形成されている。
を示すものである。本実施例における孔版印刷機は、同
時多色印刷機能を有するもので、一つの中間転写体4の
表面の周囲に二つの印刷版胴2a,2bが圧接されてお
り、それぞれの印刷版胴2a,2bの下流側には溶剤吸
収手段48,50が設けられている。 印刷版胴2aの
下流側に位置する溶剤吸収手段48は、溶剤浸透特性を
有する部材で形成されたブロッターローラ52と、ブロ
ッターローラ52に付着したインキを掻き落すブロッタ
ー絞りローラ54と、掻き落されたインキを収容するケ
ーシング56とから構成されている。同様に、印刷版胴
2bの下流側に位置する溶剤吸収手段50は、ブロッタ
ーローラ52と、ブロッター絞りローラ54と、ケーシ
ング58とから構成されている。ここで言う溶剤とは、
エマルジョン型インキに含まれる油系成分を指し、流動
パラフィンである。中間転写体4に転写されたインキ画
像は、中間転写体4の表面から外方へ遠い部分はまだ中
間転写体4の溶剤浸透特性が十分に行き届かないため、
油系成分が多く存在する。転写工程前にこの油系成分を
吸収することによって、また、余分なインキを掻き取る
と同時に中間転写体4の表面上に形成された山形状のイ
ンキを平にすることによって、にじみのない良好な印刷
画像を得ることができる。また、油系成分が少なくなる
ことによってインキの粘着力が上がるため、転写効率の
向上を図ることができる。かかる観点から溶剤吸収手段
48,50が設けられている。なお、各ブロッターロー
ラ52は、中間転写体4と連れ回りするようになってい
る。また、各ブロッターローラ52は、中間転写体4と
同様に、シリコンゴムで形成されている。
【0043】便宜上、第1版目の印刷版胴2aのインキ
カラーを赤色、第2版目の印刷版胴2bのインキカラー
を青色とすると、赤色インキで中間転写体4上に形成さ
れたインキ画像は溶剤吸収手段48のブロッターローラ
52によって余分なインキと油系成分を吸収される。こ
れによって、下流側における青色インキ対応の印刷版胴
2bの孔版原紙に赤色のインキが再転写されるオフセッ
ト現象が防止される。その後、中間転写体4には青色の
インキ画像が形成されるが、転写前に溶剤吸収手段50
のブロッターローラ52によって余分なインキと油系成
分が吸収される。次いで転写加圧ローラ8の押圧作用に
よって用紙6上に2色のインキ画像が転写される。転写
しきれなかった未転写インキはクリーニング手段10に
よって掻き落され、中間転写体4の表面は新しくなって
次の印刷に備えられる。このような構成とすることによ
って、一つの中間転写体4で同時に2色の印刷物を得る
ことが可能となる。本実施例においては2色同時印刷対
応の例を示したが、印刷版胴の数を増やすことにより、
その数に見合った複数の色の印刷物を同時に得ることが
できる。
カラーを赤色、第2版目の印刷版胴2bのインキカラー
を青色とすると、赤色インキで中間転写体4上に形成さ
れたインキ画像は溶剤吸収手段48のブロッターローラ
52によって余分なインキと油系成分を吸収される。こ
れによって、下流側における青色インキ対応の印刷版胴
2bの孔版原紙に赤色のインキが再転写されるオフセッ
ト現象が防止される。その後、中間転写体4には青色の
インキ画像が形成されるが、転写前に溶剤吸収手段50
のブロッターローラ52によって余分なインキと油系成
分が吸収される。次いで転写加圧ローラ8の押圧作用に
よって用紙6上に2色のインキ画像が転写される。転写
しきれなかった未転写インキはクリーニング手段10に
よって掻き落され、中間転写体4の表面は新しくなって
次の印刷に備えられる。このような構成とすることによ
って、一つの中間転写体4で同時に2色の印刷物を得る
ことが可能となる。本実施例においては2色同時印刷対
応の例を示したが、印刷版胴の数を増やすことにより、
その数に見合った複数の色の印刷物を同時に得ることが
できる。
【0044】図8及び図9は、請求項6に対応する実施
例を示すものである。本実施例における孔版印刷機は、
図8に示すように、最初の実施例で示した中間転写体4
を有する印刷構成部を用紙6の搬送方向に2個並列配置
して構成されている。この例によれば、第1版目の赤色
インキは転写体4の溶剤吸収特性によって油系成分を吸
収されるので、第2版目までの過程で十分に乾燥し、ま
た、第2版目の青色インキも同様に転写体4の溶剤吸収
特性によって油系成分を吸収されるので図17の従来構
成で生じていたオフセット現象や裏移り現象を防止する
ことができる。図9は、第2版目の印刷構成部にのみ中
間転写体4を設けた例である。この例の場合には、第1
版目は従来方式の直接転写構成であるが、第1版目の赤
色インキが載った用紙6に第2版目の青色インキを載せ
る際に、中間転写体4に移った赤色インキはそこで油系
成分を吸収されるとともにクリーニング手段10で掻き
取られる。従って、用紙6上にはオフセット画像は発生
せず、また、用紙6上の余分な赤色インキが結果的に中
間転写体4によって掻き取られることになるので、にじ
み画像の発生も抑制される。
例を示すものである。本実施例における孔版印刷機は、
図8に示すように、最初の実施例で示した中間転写体4
を有する印刷構成部を用紙6の搬送方向に2個並列配置
して構成されている。この例によれば、第1版目の赤色
インキは転写体4の溶剤吸収特性によって油系成分を吸
収されるので、第2版目までの過程で十分に乾燥し、ま
た、第2版目の青色インキも同様に転写体4の溶剤吸収
特性によって油系成分を吸収されるので図17の従来構
成で生じていたオフセット現象や裏移り現象を防止する
ことができる。図9は、第2版目の印刷構成部にのみ中
間転写体4を設けた例である。この例の場合には、第1
版目は従来方式の直接転写構成であるが、第1版目の赤
色インキが載った用紙6に第2版目の青色インキを載せ
る際に、中間転写体4に移った赤色インキはそこで油系
成分を吸収されるとともにクリーニング手段10で掻き
取られる。従って、用紙6上にはオフセット画像は発生
せず、また、用紙6上の余分な赤色インキが結果的に中
間転写体4によって掻き取られることになるので、にじ
み画像の発生も抑制される。
【0045】図10は、請求項7,9に対応する実施例
を示すものである。図8で示した並列配置構成による多
色印刷対応の例であるが、図7で示した例と同様の観点
から、用紙への転写工程前に中間転写体4に転写された
インキ画像の油系成分を吸収可能に溶剤吸収手段58が
設けられている(請求項7)。溶剤吸収手段58は、ブ
ロッターローラ52と、このブロッターローラ52に付
着したインキを掻き取るブラシローラ60と、ブロッタ
ー絞りローラ54と、ケーシング62とから構成されて
いる。また、本実施例における転写加圧ローラ64は熱
源を有しており(請求項9)、約100℃に加熱できる
ようになっている。これによって中間転写体4上のイン
キは加熱されるので、用紙6への転写率が向上し、クリ
ーニング手段10の負担が軽減されるとともに、より高
濃度の印刷画像を得ることができる。この転写加圧ロー
ラ64の温度は、インキ組成に応じて予め実験等によっ
て得られた最適値が設定されることになる。
を示すものである。図8で示した並列配置構成による多
色印刷対応の例であるが、図7で示した例と同様の観点
から、用紙への転写工程前に中間転写体4に転写された
インキ画像の油系成分を吸収可能に溶剤吸収手段58が
設けられている(請求項7)。溶剤吸収手段58は、ブ
ロッターローラ52と、このブロッターローラ52に付
着したインキを掻き取るブラシローラ60と、ブロッタ
ー絞りローラ54と、ケーシング62とから構成されて
いる。また、本実施例における転写加圧ローラ64は熱
源を有しており(請求項9)、約100℃に加熱できる
ようになっている。これによって中間転写体4上のイン
キは加熱されるので、用紙6への転写率が向上し、クリ
ーニング手段10の負担が軽減されるとともに、より高
濃度の印刷画像を得ることができる。この転写加圧ロー
ラ64の温度は、インキ組成に応じて予め実験等によっ
て得られた最適値が設定されることになる。
【0046】上記各実施例では、ブラシローラ32を有
するクリーニング手段10を用いたが、図11に示すよ
うに、繊維シート68を繰り出しローラ69、加圧ロー
ラ70、巻き取りローラ71によって矢印方向に移動さ
せるクリーニング手段66を用いてもよい。
するクリーニング手段10を用いたが、図11に示すよ
うに、繊維シート68を繰り出しローラ69、加圧ロー
ラ70、巻き取りローラ71によって矢印方向に移動さ
せるクリーニング手段66を用いてもよい。
【0047】図12は請求項12及び13に対応する実
施例を示すもので、印刷物の耐久性、耐環境性の向上及
び光沢付与を可能とするものである。本実施例において
は、中間転写体4から直接用紙6にインキ画像を転写す
るのではなく、一旦粘着フィルムとしての透明な粘着フ
ィルムシート80に転写し、インキ画像が転写された粘
着フィルムシート80を用紙6に貼着するものである。
このため、中間転写体4と転写加圧ローラ8との間に
は、粘着フィルムシート80が巻着されるフィルム保持
ローラ82が備えられている。粘着フィルムシート80
はその接着面が外向きになるようにロール状に巻かれて
おり、剥がした後の離型フィルム84は巻き取りローラ
85によって巻き取られる構成となっている。
施例を示すもので、印刷物の耐久性、耐環境性の向上及
び光沢付与を可能とするものである。本実施例において
は、中間転写体4から直接用紙6にインキ画像を転写す
るのではなく、一旦粘着フィルムとしての透明な粘着フ
ィルムシート80に転写し、インキ画像が転写された粘
着フィルムシート80を用紙6に貼着するものである。
このため、中間転写体4と転写加圧ローラ8との間に
は、粘着フィルムシート80が巻着されるフィルム保持
ローラ82が備えられている。粘着フィルムシート80
はその接着面が外向きになるようにロール状に巻かれて
おり、剥がした後の離型フィルム84は巻き取りローラ
85によって巻き取られる構成となっている。
【0048】フィルム保持ローラ82の外面には開閉可
能なクランパ86が備えられており、印刷版胴2におけ
る孔版原紙16と同様に、粘着フィルムシート80はそ
の先端をクランパ86で挟持されてフィルム保持ローラ
82の外面に巻き付けられていき、所定のサイズになっ
た時にカッターユニット88によって切り取られる。中
間転写体4上のインキ画像はフィルム保持ローラ82と
の圧接によって粘着フィルムシート80の接着面に転移
する。一般にはインキの油系成分によりインキ画像を粘
着フィルムシート80に転移させることは困難である
が、前記実施例で説明したように、中間転写体4のイン
キ画像は溶剤浸透特性により油系成分が少なくなってい
るので、粘着フィルムシート80の接着面に容易に転移
する。また、中間転写体4の表面素材であるシリコンゴ
ムは、溶剤浸透特性の他に非常に接着剤が付着しにくい
材料としても知られており、このため、粘着フィルムシ
ート80は中間転写体4からインキ画像のみを受取り、
接着剤のために粘着フィルムシート80が中間転写体4
に貼り付くような現象は生じない。このようにしてイン
キ画像を保持した粘着フィルムシート80は転写加圧ロ
ーラ8によって用紙6の表面6aに貼着された後排出さ
れる。
能なクランパ86が備えられており、印刷版胴2におけ
る孔版原紙16と同様に、粘着フィルムシート80はそ
の先端をクランパ86で挟持されてフィルム保持ローラ
82の外面に巻き付けられていき、所定のサイズになっ
た時にカッターユニット88によって切り取られる。中
間転写体4上のインキ画像はフィルム保持ローラ82と
の圧接によって粘着フィルムシート80の接着面に転移
する。一般にはインキの油系成分によりインキ画像を粘
着フィルムシート80に転移させることは困難である
が、前記実施例で説明したように、中間転写体4のイン
キ画像は溶剤浸透特性により油系成分が少なくなってい
るので、粘着フィルムシート80の接着面に容易に転移
する。また、中間転写体4の表面素材であるシリコンゴ
ムは、溶剤浸透特性の他に非常に接着剤が付着しにくい
材料としても知られており、このため、粘着フィルムシ
ート80は中間転写体4からインキ画像のみを受取り、
接着剤のために粘着フィルムシート80が中間転写体4
に貼り付くような現象は生じない。このようにしてイン
キ画像を保持した粘着フィルムシート80は転写加圧ロ
ーラ8によって用紙6の表面6aに貼着された後排出さ
れる。
【0049】普通紙である用紙6に直接転写する場合、
製造上不可避ともいえる用紙6の表面平滑度の不均一に
よって転写性のバラツキを避けられないが、粘着フィル
ムシート80の接着面に転写する場合には、中間転写体
4上のインキ画像は接着力によって強制的に奪い取られ
る転写形態となるので、用紙6の表面平滑度の良否に関
係なく常に一定の転写効率を得ることができる。このた
め、クリーニングレスも可能となり、図12に示すよう
に、本実施例においては中間転写体4におけるクリーニ
ング装置10は備えられていない。また、用紙6を背景
とするインキ画像はその表面側を光沢のある樹脂フィル
ムで覆われて保護されることになるので、最終的印刷物
としては耐候性、耐環境性に優れ、長期に亘って一定の
品質を保持することができるものとなる。例えば、黄ば
みや汚れが付いても簡単に拭き取ることができ、また、
長期に亘って変色等を来しにくい。また、本実施例の場
合、高速印刷に伴う中間転写体4の静電気蓄積によっ
て、中間転写体4とフィルム保持ローラ82との間のニ
ップ部で粘着フィルムシート80のシワが生じる等の懸
念があるが、中間転写体4の導電性によって静電気が除
去されるので、この懸念も一掃することができる。
製造上不可避ともいえる用紙6の表面平滑度の不均一に
よって転写性のバラツキを避けられないが、粘着フィル
ムシート80の接着面に転写する場合には、中間転写体
4上のインキ画像は接着力によって強制的に奪い取られ
る転写形態となるので、用紙6の表面平滑度の良否に関
係なく常に一定の転写効率を得ることができる。このた
め、クリーニングレスも可能となり、図12に示すよう
に、本実施例においては中間転写体4におけるクリーニ
ング装置10は備えられていない。また、用紙6を背景
とするインキ画像はその表面側を光沢のある樹脂フィル
ムで覆われて保護されることになるので、最終的印刷物
としては耐候性、耐環境性に優れ、長期に亘って一定の
品質を保持することができるものとなる。例えば、黄ば
みや汚れが付いても簡単に拭き取ることができ、また、
長期に亘って変色等を来しにくい。また、本実施例の場
合、高速印刷に伴う中間転写体4の静電気蓄積によっ
て、中間転写体4とフィルム保持ローラ82との間のニ
ップ部で粘着フィルムシート80のシワが生じる等の懸
念があるが、中間転写体4の導電性によって静電気が除
去されるので、この懸念も一掃することができる。
【0050】図13は、請求項14に対応する実施例を
示すもので、多色印刷の構成例である。フィルム保持ロ
ーラ82にはその周方向に間隔をおいて複数(本実施例
では2つ)の中間転写体4が圧接されており、各中間転
写体4には違う色を持つ印刷版胴2a(赤色)、2b
(青色)が圧接されている。粘着フィルムシート80へ
の転写、用紙6への貼着工程は上記実施例と同様であ
る。本構成とすることにより、耐候性、耐環境性に優れ
るとともに光沢を有する多色刷りの印刷物を得ることが
できる。上述のように中間転写体4の表面素材であるシ
リコンゴムは粘着フィルムシート80が付着しにくく、
また一旦粘着フィルムシート80の接着面に付着したイ
ンキは中間転写体4のシリコンゴム層28に再付着しに
くいので、図13に示すような構成とすることができ
る。すなわち、転写前に溶剤浸透特性を有する部材を圧
接する構成を設けなくてもオフセット現象は生じない。
示すもので、多色印刷の構成例である。フィルム保持ロ
ーラ82にはその周方向に間隔をおいて複数(本実施例
では2つ)の中間転写体4が圧接されており、各中間転
写体4には違う色を持つ印刷版胴2a(赤色)、2b
(青色)が圧接されている。粘着フィルムシート80へ
の転写、用紙6への貼着工程は上記実施例と同様であ
る。本構成とすることにより、耐候性、耐環境性に優れ
るとともに光沢を有する多色刷りの印刷物を得ることが
できる。上述のように中間転写体4の表面素材であるシ
リコンゴムは粘着フィルムシート80が付着しにくく、
また一旦粘着フィルムシート80の接着面に付着したイ
ンキは中間転写体4のシリコンゴム層28に再付着しに
くいので、図13に示すような構成とすることができ
る。すなわち、転写前に溶剤浸透特性を有する部材を圧
接する構成を設けなくてもオフセット現象は生じない。
【0051】図14は請求項15及び16に対応する実
施例を示すもので、両面印刷の構成例である。図12で
示した印刷構成を用紙6の表裏面側において対向配置し
たもので、各印刷構成における印刷工程は上記実施例と
同様である。本実施例では対向配置であるので、両面同
時印刷となる。なお、各印刷構成を用紙6の搬送方向に
ずらしても両面印刷が可能である。この場合には、各フ
ィルム保持ローラ82にそれぞれ転写加圧ローラ8が圧
接する構成となる。
施例を示すもので、両面印刷の構成例である。図12で
示した印刷構成を用紙6の表裏面側において対向配置し
たもので、各印刷構成における印刷工程は上記実施例と
同様である。本実施例では対向配置であるので、両面同
時印刷となる。なお、各印刷構成を用紙6の搬送方向に
ずらしても両面印刷が可能である。この場合には、各フ
ィルム保持ローラ82にそれぞれ転写加圧ローラ8が圧
接する構成となる。
【0052】図15は請求項17及び18に対応する実
施例を示すもので、両面多色印刷の構成例である。図1
3で示した印刷構成を用紙6の表裏面側において対向配
置したもので、各印刷構成における印刷工程は上記実施
例と同様である。本実施例では対向配置であるので、両
面同時多色印刷となる。なお、各印刷構成を用紙6の搬
送方向にずらしても両面多色印刷が可能である。この場
合には、各フィルム保持ローラ82にそれぞれ転写加圧
ローラ8が圧接する構成となる。
施例を示すもので、両面多色印刷の構成例である。図1
3で示した印刷構成を用紙6の表裏面側において対向配
置したもので、各印刷構成における印刷工程は上記実施
例と同様である。本実施例では対向配置であるので、両
面同時多色印刷となる。なお、各印刷構成を用紙6の搬
送方向にずらしても両面多色印刷が可能である。この場
合には、各フィルム保持ローラ82にそれぞれ転写加圧
ローラ8が圧接する構成となる。
【0053】なお、上記各実施例では、説明上、インキ
の組成成分で油系成分と称したのは主成分である流動パ
ラフィンを指しているが、これに限定されるものではな
く、他の溶剤、例えば炭化水素系一般等についても同様
の溶剤浸透特性による上記効果を得ることができるもの
である。また、上記各実施例ではエマルジョン型インキ
を使用例として用いたが、油性インキを用いても同様の
機能・効果を得ることができる。
の組成成分で油系成分と称したのは主成分である流動パ
ラフィンを指しているが、これに限定されるものではな
く、他の溶剤、例えば炭化水素系一般等についても同様
の溶剤浸透特性による上記効果を得ることができるもの
である。また、上記各実施例ではエマルジョン型インキ
を使用例として用いたが、油性インキを用いても同様の
機能・効果を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、中間転写
体の少なくとも表面を溶剤浸透特性を有し且つ導電性を
有する材料で形成する構成としたので、印刷版胴から中
間転写体に転写され中間転写体の表面に残存するインキ
画像の油系成分を少なくすることができるので、被印刷
体へ転写されたインキ画像の乾燥速度を大幅に速めるこ
とができ、にじみ画像や裏抜け、裏移り、オフセット現
象を防止することができる。従って、高品質、高速印刷
が可能となる。また、導電性によって中間転写体におけ
る静電気の蓄積が防止されるので、被印刷体が静電気力
で中間転写体に貼り付くことが防止され、安定した用紙
搬送性を得ることができる(以上、基本効果)。
体の少なくとも表面を溶剤浸透特性を有し且つ導電性を
有する材料で形成する構成としたので、印刷版胴から中
間転写体に転写され中間転写体の表面に残存するインキ
画像の油系成分を少なくすることができるので、被印刷
体へ転写されたインキ画像の乾燥速度を大幅に速めるこ
とができ、にじみ画像や裏抜け、裏移り、オフセット現
象を防止することができる。従って、高品質、高速印刷
が可能となる。また、導電性によって中間転写体におけ
る静電気の蓄積が防止されるので、被印刷体が静電気力
で中間転写体に貼り付くことが防止され、安定した用紙
搬送性を得ることができる(以上、基本効果)。
【0055】請求項2記載の発明によれば、上記基本効
果に加え、クリーニング液を使用しないクリーニング手
段を用いる構成であるので、クリーニング液の供給、回
収手段、タンク等の機構を必要とせず、よってクリーニ
ング手段の複雑化、大型化を回避することができる。ま
た、クリーニング液を使用しないために残存したクリー
ニング液の薄膜によるにじみ画像を回避することができ
る。
果に加え、クリーニング液を使用しないクリーニング手
段を用いる構成であるので、クリーニング液の供給、回
収手段、タンク等の機構を必要とせず、よってクリーニ
ング手段の複雑化、大型化を回避することができる。ま
た、クリーニング液を使用しないために残存したクリー
ニング液の薄膜によるにじみ画像を回避することができ
る。
【0056】請求項3記載の発明によれば、上記中間転
写体の表面に両面同時印刷可能に2つの印刷版胴を圧接
する構成としたので、上記基本効果に加え、裏移り現象
の発生のない高品質の同時両面印刷画像を得ることがで
き、また、にじみの少ない高品質の両面同時印刷画像を
得ることができる。
写体の表面に両面同時印刷可能に2つの印刷版胴を圧接
する構成としたので、上記基本効果に加え、裏移り現象
の発生のない高品質の同時両面印刷画像を得ることがで
き、また、にじみの少ない高品質の両面同時印刷画像を
得ることができる。
【0057】請求項4記載の発明によれば、一つの中間
転写体の回りに複数の印刷版胴を配置した多色印刷構成
としたので、上記基本効果に加え、多色印刷構成のコン
パクト化を図ることができる。
転写体の回りに複数の印刷版胴を配置した多色印刷構成
としたので、上記基本効果に加え、多色印刷構成のコン
パクト化を図ることができる。
【0058】請求項5記載の発明によれば、両面同時印
刷構成において一方の印刷版胴を中間転写体に対して接
離自在な構成としたので、上記基本効果に加え、片面印
刷の場合における孔版原紙の無駄な消費を回避すること
ができる。
刷構成において一方の印刷版胴を中間転写体に対して接
離自在な構成としたので、上記基本効果に加え、片面印
刷の場合における孔版原紙の無駄な消費を回避すること
ができる。
【0059】請求項6記載の発明によれば、印刷版胴を
複数個並列配置し、少なくとも2版目以降の印刷版胴に
上記中間転写体を圧接する構成としたので、上記基本効
果に加え、オフセット画像、裏移り現象の発生のない高
品質の多色印刷画像を得ることができる。
複数個並列配置し、少なくとも2版目以降の印刷版胴に
上記中間転写体を圧接する構成としたので、上記基本効
果に加え、オフセット画像、裏移り現象の発生のない高
品質の多色印刷画像を得ることができる。
【0060】請求項7、8記載の発明によれば、被印刷
体への転写前に溶剤を吸収する構成としたので、転写率
の向上を図ることができるとともに、クリーニングに対
する負荷の減少によってクリーニング部材の簡易化並び
に長寿命化を図ることができる。また、基本効果におけ
るにじみ画像の防止精度をさらに向上させることができ
る。
体への転写前に溶剤を吸収する構成としたので、転写率
の向上を図ることができるとともに、クリーニングに対
する負荷の減少によってクリーニング部材の簡易化並び
に長寿命化を図ることができる。また、基本効果におけ
るにじみ画像の防止精度をさらに向上させることができ
る。
【0061】請求項9記載の発明によれば、押圧手段が
熱源を有する構成としたので、上記基本効果に加え、転
写率の向上を図ることができるとともに、クリーニング
に対する負荷の減少によってクリーニング部材の簡易化
並びに長寿命化を図ることができる。
熱源を有する構成としたので、上記基本効果に加え、転
写率の向上を図ることができるとともに、クリーニング
に対する負荷の減少によってクリーニング部材の簡易化
並びに長寿命化を図ることができる。
【0062】請求項10記載の発明によれば、中間転写
体に蓄積する油系成分を押圧手段を経由して排出する構
成としたので、上記基本効果に加え、中間転写体の溶剤
浸透特性による溶剤吸収機能を常に良好に維持すること
ができる。
体に蓄積する油系成分を押圧手段を経由して排出する構
成としたので、上記基本効果に加え、中間転写体の溶剤
浸透特性による溶剤吸収機能を常に良好に維持すること
ができる。
【0063】請求項11記載の発明によれば、押圧手段
を中間転写体に圧接した状態に保持する構成としたの
で、上記基本効果に加え、押圧手段が中間転写体に衝突
することによる騒音を防止することができるとともに、
接離機構が不要になるのでコストダウンを図ることがで
き、さらには衝突しない構成によって押圧手段と中間転
写体の耐久性を向上させることができる。
を中間転写体に圧接した状態に保持する構成としたの
で、上記基本効果に加え、押圧手段が中間転写体に衝突
することによる騒音を防止することができるとともに、
接離機構が不要になるのでコストダウンを図ることがで
き、さらには衝突しない構成によって押圧手段と中間転
写体の耐久性を向上させることができる。
【0064】請求項12記載の発明によれば、溶剤浸透
特性を有する中間転写体から粘着フィルムにインキ画像
を転写可能な構成としたので、インキ画像が転写された
粘着フィルムを被印刷体に貼着することによって、被印
刷体の表面平滑度に関係なく転写効率を一定にできると
ともに、耐候性、耐環境性に優れ且つ光沢のある長期保
存可能な印刷物を得ることができる。また、混色、にじ
み等の少ない高品質の印刷物を得ることができる。ま
た、粘着フィルムの接着力による高い転写効率によっ
て、中間転写体におけるクリーニング構成を不要にでき
る。
特性を有する中間転写体から粘着フィルムにインキ画像
を転写可能な構成としたので、インキ画像が転写された
粘着フィルムを被印刷体に貼着することによって、被印
刷体の表面平滑度に関係なく転写効率を一定にできると
ともに、耐候性、耐環境性に優れ且つ光沢のある長期保
存可能な印刷物を得ることができる。また、混色、にじ
み等の少ない高品質の印刷物を得ることができる。ま
た、粘着フィルムの接着力による高い転写効率によっ
て、中間転写体におけるクリーニング構成を不要にでき
る。
【0065】請求項13記載の発明によれば、更に中間
転写体が導電性を有する構成としたので、請求項12の
効果に加え、粘着フィルムを巻くローラと中間転写体と
の間のニップ部で中間転写体の静電気によって粘着フィ
ルムがシワになるのを防止できる。
転写体が導電性を有する構成としたので、請求項12の
効果に加え、粘着フィルムを巻くローラと中間転写体と
の間のニップ部で中間転写体の静電気によって粘着フィ
ルムがシワになるのを防止できる。
【0066】請求項14記載の発明によれば、粘着フィ
ルムにインキ画像を転写する印刷版胴及び中間転写体を
複数設ける構成としたので、請求項12、13の基本効
果に加え、耐候性、耐環境性に優れ且つ光沢のある長期
保存可能な多色印刷物を得ることができる。
ルムにインキ画像を転写する印刷版胴及び中間転写体を
複数設ける構成としたので、請求項12、13の基本効
果に加え、耐候性、耐環境性に優れ且つ光沢のある長期
保存可能な多色印刷物を得ることができる。
【0067】請求項15、16記載の発明によれば、イ
ンキ画像が転写された粘着フィルムを用紙に貼着する印
刷構成を用紙の表裏面側に対応して設ける構成としたの
で、請求項12、13の基本効果に加え、耐候性、耐環
境性に優れ且つ光沢のある長期保存可能な両面印刷物を
得ることができる。
ンキ画像が転写された粘着フィルムを用紙に貼着する印
刷構成を用紙の表裏面側に対応して設ける構成としたの
で、請求項12、13の基本効果に加え、耐候性、耐環
境性に優れ且つ光沢のある長期保存可能な両面印刷物を
得ることができる。
【0068】請求項17、18記載の発明によれば、多
色インキ画像が転写された粘着フィルムを用紙に貼着す
る印刷構成を用紙の表裏面側に対応して設ける構成とし
たので、請求項12、13の基本効果に加え、耐候性、
耐環境性に優れ且つ光沢のある長期保存可能な両面多色
印刷物を得ることができる。
色インキ画像が転写された粘着フィルムを用紙に貼着す
る印刷構成を用紙の表裏面側に対応して設ける構成とし
たので、請求項12、13の基本効果に加え、耐候性、
耐環境性に優れ且つ光沢のある長期保存可能な両面多色
印刷物を得ることができる。
【図1】本発明の一実施例を示す孔版印刷機の概要図で
ある。
ある。
【図2】中間転写体の溶剤浸透特性を示す模式図であ
る。
る。
【図3】両面同時印刷対応の例を示す概要図である。
【図4】両面同時印刷対応の例における片面印刷の場合
の構成を示す図である。
の構成を示す図である。
【図5】両面印刷対応の変形例において、一方のみに中
間転写体を備える場合の概要図である。
間転写体を備える場合の概要図である。
【図6】両面印刷対応の他の変形例において両方に中間
転写体を備える場合の概要図である。
転写体を備える場合の概要図である。
【図7】中間転写体を一つ用いた多色印刷対応の例を示
す概要図である。
す概要図である。
【図8】印刷版胴を並列配置した多色印刷対応の例を示
す概要図である。
す概要図である。
【図9】印刷版胴を並列配置した多色印刷対応の例にお
いて、一方のみに中間転写体を備える場合の概要図であ
る。
いて、一方のみに中間転写体を備える場合の概要図であ
る。
【図10】印刷版胴を並列配置した多色印刷対応の例に
おいて、押圧手段が熱源を有する場合の概要図である。
おいて、押圧手段が熱源を有する場合の概要図である。
【図11】クリーニング手段の変形例を示す概要図であ
る。
る。
【図12】中間転写体から粘着フィルムに転写するタイ
プの一構成例の概要図である。
プの一構成例の概要図である。
【図13】中間転写体から粘着フィルムに転写するタイ
プの多色印刷構成例の概要図である。
プの多色印刷構成例の概要図である。
【図14】中間転写体から粘着フィルムに転写するタイ
プの両面印刷構成例の概要図である。
プの両面印刷構成例の概要図である。
【図15】中間転写体から粘着フィルムに転写するタイ
プの両面多色印刷構成例の概要図である。
プの両面多色印刷構成例の概要図である。
【図16】従来例を示す概要図である。
【図17】印刷版胴を並列配置した多色印刷対応の従来
例を示す概要図である。
例を示す概要図である。
2、2a、2b 印刷版胴 4 中間転写体 6 被印刷体としての用紙 10 クリーニング手段 28 溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材料とし
てのシリコンゴム層
てのシリコンゴム層
Claims (18)
- 【請求項1】印刷版胴に形成されたインキ画像を、中間
転写体を介して被印刷体上に転写する孔版印刷機におい
て、 上記中間転写体の少なくとも表面は、溶剤浸透特性を有
し且つ導電性を有する材料で形成されていることを特徴
とする孔版印刷機。 - 【請求項2】インキ画像を形成する印刷版胴と、該印刷
版胴に圧接され上記インキ画像を転写される中間転写体
と、該中間転写体に被印刷体を押圧する押圧手段とを備
え、上記インキ画像を上記中間転写体に一旦転写した後
に上記被印刷体に転写する孔版印刷機において、 上記中間転写体の少なくとも表面は溶剤浸透特性を有し
且つ導電性を有する材料で形成されているとともに、上
記中間転写体の転写後の表面をクリーニング液を使用せ
ずにクリーニングするクリーニング手段を備えているこ
とを特徴とする孔版印刷機。 - 【請求項3】上記中間転写体の表面に、2つの上記印刷
版胴が両面同時印刷可能に圧接され、 一方の印刷版胴が上記押圧手段の機能を兼ねることを特
徴とする請求項2記載の孔版印刷機。 - 【請求項4】上記中間転写体の表面周囲に、上記印刷版
胴が多色印刷可能に複数個圧接されていることを特徴と
する請求項2記載の孔版印刷機。 - 【請求項5】上記印刷版胴のうち、上記押圧手段の機能
を兼ねない方の印刷版胴が上記中間転写体に対して接離
自在に設けられていることを特徴とする請求項3記載の
孔版印刷機。 - 【請求項6】インキ画像を形成する印刷版胴が多色印刷
の各色に対応して複数個並列配置されているとともに、
上記インキ画像を転写される中間転写体がこれらの印刷
版胴の全部もしくは2版目以降の印刷版胴に個別に圧接
され、且つ、上記印刷版胴もしくは上記中間転写体に被
印刷体を押圧して該被印刷体に上記インキ画像を転写す
るための押圧手段を備え、上記中間転写体の少なくとも
表面は溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有する材料で形
成されているとともに、上記中間転写体の転写後の表面
をクリーニング液を使用せずにクリーニングするクリー
ニング手段を備えていることを特徴とする孔版印刷機。 - 【請求項7】上記被印刷体への転写工程前に、上記中間
転写体の表面に溶剤浸透特性を有する部材を圧接するこ
とを特徴とする請求項2又は3又は5又は6記載の孔版
印刷機。 - 【請求項8】上記各々の印刷版胴の下流側における上記
中間転写体の表面に、溶剤浸透特性を有する部材を圧接
することを特徴とする請求項4記載の孔版印刷機。 - 【請求項9】上記押圧手段が熱源を有していることを特
徴とする請求項2又は4又は6記載の孔版印刷機。 - 【請求項10】上記中間転写体の内部に蓄積するインキ
の油系成分を上記押圧手段に一旦転移させた後、上記被
印刷体の裏面に転移させて排出することを特徴とする請
求項2又は4又は6記載の孔版印刷機。 - 【請求項11】上記押圧手段を、上記中間転写体に圧接
した位置に保持したことを特徴とする請求項2又は4又
は6記載の孔版印刷機。 - 【請求項12】印刷版胴に形成されたインキ画像を中間
転写体を介して被印刷体上に転写する孔版印刷機におい
て、 上記中間転写体の少なくとも表面は溶剤浸透特性を有す
る材料で形成され、該中間転写体に転写されたインキ画
像を粘着フィルムに転写可能に構成されていることを特
徴とする孔版印刷機。 - 【請求項13】印刷版胴に形成されたインキ画像を中間
転写体を介して被印刷体上に転写する孔版印刷機におい
て、 上記中間転写体の少なくとも表面は溶剤浸透特性を有し
且つ導電性を有する材料で形成され、該中間転写体に転
写されたインキ画像を粘着フィルムに転写可能に構成さ
れていることを特徴とする孔版印刷機。 - 【請求項14】上記粘着フィルムにインキ画像を転写す
る印刷版胴及び中間転写体が多色印刷可能に複数個設け
られていることを特徴とする請求項12又は13記載の
孔版印刷機。 - 【請求項15】印刷版胴に形成されたインキ画像を中間
転写体を介して粘着フィルムに転写するとともに該イン
キ画像が転写された粘着フィルムを用紙に貼着する印刷
構成が、両面印刷可能に用紙の表裏面側に設けられ、各
印刷構成の中間転写体の少なくとも表面は溶剤浸透特性
を有する材料で形成されていることを特徴とする孔版印
刷機。 - 【請求項16】印刷版胴に形成されたインキ画像を中間
転写体を介して粘着フィルムに転写するとともに該イン
キ画像が転写された粘着フィルムを用紙に貼着する印刷
構成が、両面印刷可能に用紙の表裏面側に設けられ、各
印刷構成の中間転写体の少なくとも表面は溶剤浸透特性
を有し且つ導電性を有する材料で形成されていることを
特徴とする孔版印刷機。 - 【請求項17】複数の印刷版胴に形成されたインキ画像
をそれぞれに対応した中間転写体を介して粘着フィルム
に転写するとともに該インキ画像が転写された粘着フィ
ルムを用紙に貼着する印刷構成が、両面多色印刷可能に
用紙の表裏面側に設けられ、各印刷構成の中間転写体の
少なくとも表面は溶剤浸透特性を有する材料で形成され
ていることを特徴とする孔版印刷機。 - 【請求項18】複数の印刷版胴に形成されたインキ画像
をそれぞれに対応した中間転写体を介して粘着フィルム
に転写するとともに該インキ画像が転写された粘着フィ
ルムを用紙に貼着する印刷構成が、両面多色印刷可能に
用紙の表裏面側に設けられ、各印刷構成の中間転写体の
少なくとも表面は溶剤浸透特性を有し且つ導電性を有す
る材料で形成されていることを特徴とする孔版印刷機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12108097A JPH10309858A (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 孔版印刷機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12108097A JPH10309858A (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 孔版印刷機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10309858A true JPH10309858A (ja) | 1998-11-24 |
Family
ID=14802371
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12108097A Pending JPH10309858A (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 孔版印刷機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10309858A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006035769A (ja) * | 2004-07-29 | 2006-02-09 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 印刷装置 |
JP2006247920A (ja) * | 2005-03-09 | 2006-09-21 | Toppan Printing Co Ltd | ブランケットの洗浄方法およびその洗浄装置 |
JP2006341456A (ja) * | 2005-06-08 | 2006-12-21 | Tohoku Ricoh Co Ltd | 両面印刷装置 |
JP2014176979A (ja) * | 2013-03-13 | 2014-09-25 | Newlong Seimitsu Kogyo Co Ltd | スクリーン印刷方法およびロータリースクリーン印刷機 |
CN113682037A (zh) * | 2021-08-25 | 2021-11-23 | 武汉市宜青服装辅料有限公司 | 一种错层式双面单色水润版胶印机 |
-
1997
- 1997-05-12 JP JP12108097A patent/JPH10309858A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006035769A (ja) * | 2004-07-29 | 2006-02-09 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 印刷装置 |
JP2006247920A (ja) * | 2005-03-09 | 2006-09-21 | Toppan Printing Co Ltd | ブランケットの洗浄方法およびその洗浄装置 |
JP2006341456A (ja) * | 2005-06-08 | 2006-12-21 | Tohoku Ricoh Co Ltd | 両面印刷装置 |
JP2014176979A (ja) * | 2013-03-13 | 2014-09-25 | Newlong Seimitsu Kogyo Co Ltd | スクリーン印刷方法およびロータリースクリーン印刷機 |
CN113682037A (zh) * | 2021-08-25 | 2021-11-23 | 武汉市宜青服装辅料有限公司 | 一种错层式双面单色水润版胶印机 |
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