JP2001010025A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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JP2001010025A
JP2001010025A JP11189308A JP18930899A JP2001010025A JP 2001010025 A JP2001010025 A JP 2001010025A JP 11189308 A JP11189308 A JP 11189308A JP 18930899 A JP18930899 A JP 18930899A JP 2001010025 A JP2001010025 A JP 2001010025A
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ink
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cleaning
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JP11189308A
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Toyoo Okamoto
豊雄 岡本
Yasuo Katano
泰男 片野
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】省スペースでの設置が可能で、且つ中間転写材
の清掃を確実に行うことができるクリーニング方法及び
装置を備えた印刷装置を提供する。 【解決手段】本発明の印刷装置は、印刷用版ドラム1−
1と、版ドラムに印刷インキを供給する現像装置3と、
版ドラムからインキを転写され受容する中間転写材4−
1を有する中間転写装置4と、中間転写材上のインキを
用紙Sに転写する用紙転写装置5と、用紙転写装置に用
紙を供給する用紙供給装置7と、転写終了後に中間転写
材上の残留インキを清掃するクリーニング装置6を備
え、且つクリーニング装置よりも中間転写材の搬送方向
上流側で中間転写材の近傍に配置された熱源装置5Cを
備え、転写終了後に中間転写材上の残留インキをクリー
ニングする際には、中間転写材の近傍に配置された熱源
装置にて転写材上の残留インキを室温以上に温めた後、
クリーニング装置6のクリーニング部材にてクリーニン
グする構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中間転写材を用い
て単色や多色刷り印刷、フルカラー印刷を行うことがで
きる印刷装置に関し、さらに詳しくは、上記中間転写材
のクリーニング方法及び装置に特徴を有する印刷装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一枚の原稿から大量の画像形成が
行える装置として印刷装置があり、この印刷装置にはオ
フセット印刷や孔版印刷などの方式がある。一般にオフ
セット印刷等の印刷技術では、版ドラムに巻装された印
刷用版を被印刷物に押し付け、この圧力により版面上の
色材を被印刷物に付着転移させる機構が用いられてい
る。また、孔版印刷では、上記機械的圧力を利用してイ
ンキを被印刷物面に向け押し出すようになっている。そ
して印刷には単色印刷、多色印刷、フルカラー印刷があ
り、多色やフルカラー印刷の場合には、色重ね処理が必
要となる。
【0003】従来、カラー印刷を行う場合の方式とし
て、印刷用版を版ドラムの外部近傍の版供給装置から給
版搬送して版ドラムに巻き付け、この巻きつけられた版
にインキング装置でインキングした後、ブランケットド
ラムの上にインキを色重ねして転写し、さらにブランケ
ットドラムから用紙に転写する方式(例えば、特公平3
−71983号公報)や、印刷用版としてシリコン系の
薄膜を基体ベースに塗布した版を使い、版はオフセット
印刷機の版胴内部に収納し、必要に応じて版胴の周面に
巻き出してレーザ光線で印刷データを書き込んだ後、こ
の版を用いてオフセット印刷する方式がある。これらの
方式に用いられる版としては、撥水性を有するものが一
例として用いられ、版のクリーニングに際しては、印刷
工による手作業によってインキの拭き取りが行われた
り、手作業でない場合にはインキを溶かす溶剤をかけて
インキを除去することなどが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来の印刷装
置は、ドラムの組み合わせであるために装置が比較的大
型となる。このため、専用の印刷所などに設置されるこ
とが多く、オフィス等の比較的狭い場所での設置が困難
な場合が多い。例えば、オフセット印刷装置の場合で
は、版胴、ブランケット胴及び圧胴の組み合わせが必要
であるので、フルカラー印刷の場合、上記3胴の組み合
わせに各色のインキ供給装置を加えたものを、色分解数
に応じた数だけ準備する構成となることから、1色を対
象とするオフセット印刷部の構成に対してかなりの設置
面積が必要となる。さらにオフセット印刷の際の作業で
ある印刷用版のセッティング、インキの調合や印刷用紙
の供給及び色合わせ調整などの作業は熟練を要するため
に専任のオペレータ、いわゆる印刷工が手作業で行うこ
とが多い。印刷工は、このような作業の他に、印刷後の
印刷機の清掃や各胴のクリーニングなどの作業も手作業
で行うことから、このような熟練がない事務員などによ
る印刷は殆ど行えないのが現状である。
【0005】また、従来は印刷後の印刷機のブランケッ
ト胴等のクリーニングにはウエブによるクリーニングな
どが最もポピュラーで知られているが、ウエブだけでは
クリーニングは大変困難なので、揮発性溶剤をウエブ背
後などから吹き付けてインキを溶かしながらウエブでク
リーニングしている。そのためインキの独特な匂いに加
えて揮発溶剤の匂いが印刷機の周辺にばらまかれ大変悪
臭を伴うことになり、このインキを取り扱う環境が作業
者にとって極めて悪く、作業環境の上でも大変問題にな
っているため、脱臭装置や排気ダクトなどを印刷機の設
置場所に設けることが必要となり、印刷装置を一般のオ
フィスに設置することをより困難にしている。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、オフセット印刷機、孔版印刷機などの分野で性能、
機械価格、簡便操作性などの問題を解決することを目的
とし、より具体的には、印刷用版上の現像されたインキ
を一旦中間転写材に転写し、その後、中間転写材上のイ
ンキを印刷用紙に転写するタイプの新規な構成の印刷装
置を提供することを目的としている。さらには、その印
刷装置の中間転写材のクリーニングを簡易に且つ確実に
行うことができる新規なクリーニング方法及び装置を備
えた印刷装置を提供することを目的とし、より詳しく
は、中間転写材上の残留インキを揮発溶剤を使用せずに
除去することを可能にして悪臭の問題を解消すると共
に、揮発溶剤の処置用の機構等も不要にして装置のコン
パクト化、機械価格の低減を図り、一般のオフィス等に
も設置することができ、OA分野にも利用できるように
した印刷装置を実現することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、印刷用版上の現像されたイ
ンキを一旦中間転写材に転写し、その後、中間転写材上
のインキを印刷用紙に転写する印刷装置において、周面
に印刷用版が巻装された印刷用版ドラムと、版ドラムに
印刷インキを供給する現像装置と、版ドラムから印刷す
べきインキを転写され受容する中間転写材を有する中間
転写装置と、上記中間転写材に転写されたインキを印刷
用紙に転写する用紙転写装置と、該用紙転写装置に印刷
用紙を供給する印刷用紙供給装置と、上記印刷用紙にイ
ンキを転写終了後に上記中間転写材上の残留インキをク
リーニングするクリーニング装置を基本構成として備
え、且つ、上記クリーニング装置よりも中間転写材の搬
送方向上流側で該中間転写材の近傍に配置された熱源装
置を備え、上記印刷用紙にインキを転写終了後に上記中
間転写材上の残留インキをクリーニングする際には、上
記中間転写材の近傍に配置された熱源装置にて転写材上
の残留インキを室温以上に温めた後、上記クリーニング
装置のクリーニング部材にてクリーニングする構成とし
たものである。
【0008】そして請求項2に係る発明では、請求項1
記載の印刷装置において、上記中間転写材は、撥水・撥
油性の物質が塗布コートされている転写材であることを
特徴としている。請求項3に係る発明では、請求項1記
載の印刷装置において、上記中間転写材の近傍に配置さ
れている熱源装置は、中間転写材に接触する機会がある
部材を加熱するように設置したことを特徴としている。
また請求項4に係る発明では、請求項1記載の印刷装置
において、上記中間転写材の近傍に配置されている熱源
装置は、中間転写材に接触する機会があるローラの内部
に設置することを特徴としている。さらにまた請求項5
に係る発明では、請求項1記載の印刷装置において、上
記中間転写材の近傍に配置されている熱源装置は、赤外
線を発するヒータと、該ヒータからの赤外線を中間転写
材に反射させる反射鏡を備えた装置であることを特徴と
している。
【0009】請求項6に係る発明では、請求項1記載の
印刷装置において、上記クリーニング装置は、ウエブ状
のクリーニング部材を備えたことを特徴としている。ま
た請求項7に係る発明では、請求項1記載の印刷装置に
おいて、上記クリーニング装置は、ブレード状のクリー
ニング部材を備えたことを特徴としている。さらに請求
項8に係る発明では、請求項1記載の印刷装置におい
て、上記クリーニング装置は、ウエブ状のクリーニング
部材とブレード状のクリーニング部材の両方を備えたこ
とを特徴としている。さらに請求項9に係る発明では、
請求項7または8記載の印刷装置において、ブレード状
のクリーニング部材は、中間転写材に対して適度な滑り
性及び撥水・撥油性を持つ部材であるか、あるいは滑り
性及び撥水・撥油性を持つ材料を塗布したブレードであ
ることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態を
示す印刷装置の概略構成図であり、印刷用版を巻装した
複数の版ドラムと現像装置及び中間転写装置等を備えた
フルカラー対応の印刷装置の一例を示すものである。こ
の印刷装置は、印刷用版が巻装される印刷用版ドラム1
−1とその版ドラム1−1に収納・保持される印刷用版
1−2からなる複数の版ドラム装置1と、印刷用版1−
2に印刷するデータを各版ドラム1−1上で書き込む書
き込み装置2と、各版ドラム1−1上の印刷用版1−2
に印刷インキを供給する現像装置3と、各版ドラム1−
1上の印刷用版1−2に印刷されたインキが転写され一
時的に受容する中間転写材である転写ベルト4−1を持
つ中間転写装置(以下、転写ベルト装置と言う)4と、
転写ベルト4−1に転写されたインキを印刷用紙Sに転
写する転写ローラ5Aを有する用紙転写装置(以下、転
写ローラ装置と言う)5と、転写ローラ装置5に印刷用
紙Sを供給する印刷用紙供給装置7と、印刷用紙Sに転
写された印刷インキを定着する定着装置9と、定着後の
印刷用紙Sを排出する排紙装置10と、排出された印刷
用紙Sを受ける排紙受け装置11と、印刷終了後に転写
ベルト4−1をクリーニングするクリーニング装置6な
どを備えている。また、この構成例では、転写ベルト装
置4を印刷装置本体の中央に一つ配置し、複数の版ドラ
ム装置1を転写ベルト装置4の転写ベルト4−1にそれ
ぞれ対応配置し、各版ドラム1−1に対し現像装置3を
それぞれ配置し、書き込み装置2は各版ドラム1−1の
略上部近傍にそれぞれ配置し、印刷装置本体の下部には
印刷用紙Sの搬送ルートを形成し、該搬送ルートに、印
刷用紙供給装置7、転写ローラ装置5、搬送装置8、定
着装置9、排紙装置10、排紙受け装置11などを順次
配置している。
【0011】図1に示す構成では、従来の印刷機におけ
る問題点の幾つかを解決するため、最も有効にまたは合
理的に各装置ユニットを配置したものである。そして、
装置全体を小型・コンパクト化するために、中間転写装
置を転写ベルト4−1を用いた転写ベルト装置4にして
縦長になるように構成し、その転写ベルト装置4を印刷
装置のほぼ中央に配置し、複数の版ドラム装置1を転写
ベルト装置4の転写ベルト4−1にそれぞれ対応配置し
ていることにより、小型・コンパクト化、省スペース化
が達成できる。
【0012】さらに図1の構成では、小型化とコスト低
減のために印刷用版1−2を版ドラム1−1の中に収納
・保持している。これは版ドラムの外部に別に版供給装
置を設けてもよいのだが、図1の構成のように印刷用版
1−2を版ドラム1−1の中に収納することにより、一
般の印刷用版を版ドラムの外部から供給するタイプの印
刷装置、例えば孔版印刷機や水無し枚葉印刷機などに用
いられている版の収納スペースや版の供給装置や排版装
置などが不要となるなど、本構成は遥かに小型化やコス
ト低減化に有利である。また転写ベルト装置4と印刷用
版1−2と版ドラム1−1を有する装置全体でのさらな
る小型化とコスト低減化を図り、性能上も有利になるよ
うに、印刷用版1−2と版ドラム1−1を備えた版ドラ
ム装置1を転写ベルト4−1の左右に対称に配置し、左
右共通の構成となし、全体をバランスよく合理的に配置
している。
【0013】また、図1の構成では、印刷用紙Sのスム
ーズな搬送のためと、なるべく印刷用紙のジャムなどを
低減するためと、転写ベルトの有効な性能手段としての
曲率分離性能を有効に利用して大がかりな分離装置を排
除するためと、また印刷用紙の搬送路を用紙供給から転
写、定着、排紙までをほぼ直線的に構成するようにする
ために、印刷装置本体の下部に印刷用紙Sの搬送ルート
を直線的に形成し、該搬送ルートに、印刷用紙供給装置
7、転写ローラ装置5、搬送装置8、定着装置9、排紙
装置10、排紙受け装置11などを順次配置している。
【0014】以上のように、図1に示す構成の印刷装置
では、版ドラム装置1、書き込み装置2、並びに現像装
置3等は、転写ベルト4−1に対して左右対称に配置し
且つ構成の共通化を図り、装置の小型・コンパクト化、
低コスト化を図ると共に、印刷用紙の搬送のために、印
刷装置本体の下部に印刷用紙Sの搬送ルートを形成し、
用紙供給から転写、定着、排紙までをほぼ直線的に構成
したので、印刷用紙の搬送のためにも安定した性能を確
保できる。
【0015】尚、図1に示すような印刷装置の配置構成
にすることにより上記のような効果が得られるが、本発
明に係る印刷装置はこの構成に限るものではなく、転写
ベルトの片側に全ての版ドラムを直線的に配置し転写ベ
ルトを縦長に配置する構成や、転写ベルトを横長に配置
し、転写ベルトの上に版ドラムを並設する構成等とする
こともでき、種々の配置構成とすることができる。
【0016】次に図1に示す印刷装置の各部の構成につ
いて述べる。まず、フルカラー印刷の各色に対応する各
版ドラム装置1の版ドラム1−1内には、未使用の印刷
用版1−2が巻き付けられている版供給ロール1−2−
1と、使用済みの版を巻き取る巻き取りロール1−2−
2から構成される版供給機構が収納されており、版供給
ロール1−2−1から送り出された版の未使用部分は、
版ドラム1−1のスリット状の開口から外部に出て版ド
ラム1−1の外周に巻き付けられて保持され、印刷終了
後は、版の使用済部分が版ドラム1−1のスリット状の
開口から版ドラム内に戻り、巻き取りロール1−2−2
にて巻き取られる構成となっている。従って版供給は、
版ドラム1−1内部に収納された版供給機構により新し
い版が自動で版ドラム表面に供給され、印刷終了後は使
用済み部分の版が自動で版ドラム内に巻き取られて、次
の新しい版が版ドラム表面に供給されるようになってい
【0017】この印刷用版1−2並びに版ドラム1−1
は図1から明らかなように、フルカラー印刷の基本色
(プロセス色)の分だけ、例えばイエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)の各色のインキに対応する分
だけ用意されており、さらに文字や墨入れなどのための
黒(Bk)インキのためにもう一つの版と版ドラムがあ
り、全部で4色分の版と版ドラムを具備している。ま
た、各版ドラム装置1に対応して小型でコンパクトな構
成の現像装置を配備している。
【0018】各版ドラム装置1にそれぞれ設けられた書
き込み装置2は、版ドラム1−1の上に上下昇降できる
ように構成されたサーマルヘッド(感熱書き込み装置)
であり、版ドラム1−1に巻き付けられた印刷用版1−
2に印刷用のデータを書き込む時に下降し版ドラムに接
触してデータを書き込み、その後上昇して待機している
装置である。ここで、印刷用版1−2としては例えば感
熱性で撥水性の印刷用版が用いられ、この感熱性撥水性
印刷用版1−2は撥水性を有する材料からなり、加熱さ
れたところの撥水性が材料の特性から失われ、撥水性の
逆、すなわち親水性に変わる性質を有しており、サーマ
ルヘッドからなる感熱書き込み装置2により簡易に潜像
の書き込みを行うことができる。より具体的に述べる
と、印刷用版1−2としては例えば本出願人が先に提案
した(特開平3−178478号公報等)感熱性撥水性
印刷用版が用いられており、この感熱性撥水性印刷用版
1−2は、ポリエチレン・テレフタレート(PET)か
らなる基材上に含フッ素アクリレート材料からなる撥水
層を備え、サーマルヘッドなどの書き込み装置2によっ
て印刷データに応じて書き込みが行われると、その書き
込み内容に応じて親水部と撥水部とが形成され、潜像と
なる親水部にインキを付着させることができるようにな
っている。尚、上記の例ではサーマルヘッドを用いた書
き込み装置の例を示したが、書き込み装置としてはこの
他、レーザ光による書き込み装置等も用いることができ
る。また、版ドラム1−1に印刷用版1−2を巻装して
から書き込む例を示したが、印刷用版に書き込んでから
(あるいは書き込みながら)版ドラムに巻き付けるなど
の方法も採用することが可能である。
【0019】各版ドラム装置1にそれぞれ設けられた現
像装置3は、版ドラム1−1上で書き込み装置2により
印刷データを書き込まれた印刷用版1−2に対して各色
(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)の印刷インキを供
給する装置である。この現像装置3は、版ドラム1−1
上の版にインキを付与する現像ローラ3−3と、インキ
補充用のインキマガジン3−1と、インキマガジン3−
1から供給されたインキを現像ローラ3−3との間に溜
めるためのインキ溜め部3−2と、インキ溜め部3−2
の下部に設けられ該インキ溜め部3−2から現像ローラ
3−3に供給されたインキを適性の厚みに規制するブレ
ード3−4と、現像ローラ3−3上で回転揺動しブレー
ド3−4通過後のインキ層をより均一に均す揺動ローラ
3−5などから主に構成されている。そして適正な量の
インキが現像ローラ3−3に供給されると、現像装置3
の現像ローラ3−3は版ドラム1−1に押しつけられ、
印刷用版1−2の前記に説明した印刷データを書き込ん
だ潜像部分にインキが付着転移する。このように現像装
置3から印刷用版1−2の印刷データに該当するところ
にインキが転移することにより、版ドラム1−1上には
印刷インキの画像ができるわけである。
【0020】転写ベルト装置4は、既に述べたように各
版ドラム1−1上の版1−2に現像されたインキが転写
され一時的に受容するゴム製の転写ベルト4−1を持つ
装置であり、転写ベルト4−1は駆動ローラ4−3や従
動ローラ等の複数のローラに掛け渡されている。この転
写ベルト4−1により複数枚の印刷をするためには、転
写ベルト4−1は各版ドラム1−1から繰り返しインキ
の供給を受け、その都度転写ベルトから印刷用紙にイン
キを転写するため、転写ベルト上の前回までのインキが
乗った位置に再度版ドラムが出会わなければならない。
そのため、転写ベルトの周長は版ドラムの整数倍の長さ
に設定されている。
【0021】転写ベルト4−1を構成するゴムは一般に
はニトリルゴムまたはウレタンゴムなどの材料でできた
物である。またその表面は、インキの版ドラム1−1か
らの転移と印刷用紙へのインキの転移などを加味した表
面粗さが施されている。また、転写ベルト装置4の転写
ベルト4−1の内側には、各版ドラム1−1に対応する
位置に印刷時に転写ベルト4−1を版ドラム1−1に加
圧し、印刷終了時には転写ベルト4−1を版ドラム1−
1から解離させるプラテンローラ4−2が設けられてお
り、版ドラム1−1にインキ画像ができた後、転写ベル
ト4−1内のその画像のできた版ドラム1−1に該当す
るところのプラテンローラ4−2が版ドラム1−1に転
写ベルト4−1を押し当てるように加圧し、版ドラム1
−1上のインキ画像を転写ベルト4−1に転移させる。
【0022】尚、転写ベルト装置4の各プラテンローラ
部分には、プラテンローラ4−2と、そのプラテンロー
ラ4−2を版ドラム1−1に対して選択的に加圧する図
示しない加圧機構とを備えており、このプラテンローラ
4−2と加圧機構は各版ドラム1−1に該当する位置に
それぞれ設けられている。
【0023】版ドラム1−1上にインキによる画像が形
成されると、前述したようにプラテンローラ4−2とそ
の加圧機構の作用で転写ベルト4−1がインキの載った
版に押し付けられるから当然インキは転写ベルト4−1
に転移する。そのようにして必要な色のインキ画像の形
成及び転移が各版ドラム部分で行われる。図1の印刷装
置では、4つの版ドラム1−1に対してカラー印刷など
に必要なイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のイン
キが用意されているので、4つの版ドラム上にイエロ
ー、マゼンタ、シアン、黒の各色のインキ画像を形成し
た後、転写ベルト4−1の同じ位置に重ね合わせて転移
させればフルカラー印刷が可能となる。また、4つの版
ドラムから特定のものを選択すれば、1色刷り、2色刷
り、3色刷り等の選択印刷や特色印刷が可能となる。各
版ドラムからのインキが転移した転写ベルト4−1は、
転写ベルト装置4の最下端部分に搬送されてきて、転写
ローラ装置5により印刷用紙Sと合わされ、最終的に印
刷用紙S上にインキが転移される。
【0024】さて、転写ベルト装置4のその他の重要な
構成部分は、転写ベルト4−1を駆動する駆動ローラ4
−3と、転写ベルト4−1に張力を与えているテールロ
ーラ4−4であり、転写ベルト装置4の最下端部分に位
置するベルト駆動ローラ4−3の直下には、図1に示す
ように、転写ベルト4−1と共に印刷用紙Sを圧着搬送
する転写ローラ装置5の転写ローラ5Aが配設されてい
る。
【0025】また、その他の重要な構成として、インキ
転写後の印刷用紙Sが転写ベルト4−1に巻き付くのを
防止するために、転写ベルト4−1から印刷用紙を剥離
分離するための構成が必要である。従来の印刷機などで
は、転写ドラム等に機械的に転写前の紙を咥えさせて紙
搬送を行い転写後分離する装置とか、あるいは剥がし分
離爪などを備えた分離ドラムなどの方法が採られている
が、何れも高価で構成が複雑であり、不安定で紙ジャム
の原因にもなっている。
【0026】本構成の転写ベルト装置4ではそのような
ことの解決手段として、ベルトの特性を利用した曲率分
離部を転写ベルトの一部に備えたことが特徴の一つであ
る。すなわち図1に示す構成の転写ベルト装置4では、
転写後の印刷用紙を分離する位置に、小径の分離ローラ
4−5を備えており、この分離ローラ4−5に掛けられ
たベルト部分の曲率が非常に小さくなるようにしてい
る。このため印刷用紙Sは用紙自身の腰の強さと、転写
ベルト4−1の曲率が小さくなっている部分(分離ロー
ラ4−5に掛けられた部分:分離部)の作用により、ベ
ルトに巻き付かずに自然に剥がれるように搬送され、自
動的に印刷用紙は転写ベルト4−1から剥離分離され、
搬送装置8側に送られる。
【0027】また、図1に示す印刷装置において、転写
ベルト装置4の下部に対向して設置された転写ローラ装
置5は、転写ベルト4−1上の印刷インキを印刷用紙S
に加圧転写する転写ローラ5Aと、この転写ローラ5A
を転写ベルト4−1に対して接離する接離機構5B(転
写ローラ支持アーム、カム、スプリング等で構成され、
カムでアームを揺動してローラを接離させる機構)から
構成されている。そして転写ベルト4−1上の印刷イン
キが丁度真下に来るときに合わせて印刷用紙供給装置7
及びレジストローラ7Aにより印刷用紙Sが供給され、
そのときのタイミングに合わせて転写ローラ5Aが転写
ベルト4−1に接触され、印刷用紙Sを転写ベルト4−
1に加圧し且つ用紙を搬送し、転写ベルト4−1上の印
刷インキを印刷用紙Sに転写させる。
【0028】一方、前述のクリーニング装置6は、転写
ベルト4−1上の印刷インキが印刷用紙Sに転写され印
刷が完了した際に転写ベルト4−1を清掃する役目であ
り、次の印刷工程に備え、ウエブやクリーニングブレー
ド等のクリーニング部材により転写ベルト4−1上から
前の印刷の残留インキを除去しクリーニングする。尚、
本発明の印刷装置では、この転写ベルト4−1をクリー
ニングする際のクリーニング方法及び装置に特徴を有す
るものであるが、そのクリーニング方法及び装置の詳細
については後述する。
【0029】印刷用紙供給装置7は、印刷用紙Sの収納
部や給紙ローラ等からなり、印刷のタイミングに合わせ
て印刷用紙Sを転写部に向けて一枚づつ給紙する。搬送
装置8は図1の例では搬送ベルトからなり、印刷インキ
が転写され転写ベルト4−1から分離された印刷用紙S
を次工程の定着装置9まで搬送する。定着装置9は印刷
用紙S上の生乾き状態のインキを紙に強固に定着する装
置であり、定着ローラ9Aと、該定着ローラ9Aに圧接
する加圧ローラ9Bとからなり、印刷インキの定着で
は、定着ローラ9Aは、印刷インキの溶剤を吸収する耐
油性のゴム(例えばシリコンゴーム、フッ素ゴム等)か
ら構成されるローラである。また、定着ローラの内部に
定着を促進するための熱源(電気ヒータ、ハロゲンラン
プ等)を設けると、より良好な定着となる。上記定着後
の印刷用紙Sは、一対のローラ等からなる排紙装置10
により機外に排出され、排出された印刷用紙Sは、印刷
装置本体側部に設置されている排紙受け装置11のトレ
イ上に排紙される。
【0030】以上、本発明に係る印刷装置の一実施形態
について図1を参照して説明したが、本発明の印刷装置
はフルカラー印刷が可能な印刷装置で、フルカラーに必
要な各色のプロセスインキを印刷する4つの同じような
構成の印刷部を持つ印刷装置である。そして、その各印
刷部で印刷用版を収容する版ドラム装置1は、印刷用版
を版ドラム内部に収容し、必要なときに新品に自動的に
交換して使用済み部分を巻き取り、新規な版への交換を
版ドラム部で自動的に行うことができるようになってい
る。このような版ドラムを用いる印刷装置では、従来は
PS版を版ドラムに手動で巻き付け位置合わせなど全て
を人手で行っていたので、印刷終了後は版の交換取り付
けもまた大変な作業であり、印刷の作業効率を著しく非
効率にしていた点であるが、本発明の印刷装置ではその
点を格段に改善できるものである。
【0031】また従来のオフセット印刷機などでは、中
間転写材として各色毎にブランケットドラムを具備して
おり、例えばフルカラー印刷の場合には4つのブランケ
ットドラムを必要としていた。そして現状のオフセット
印刷機等では、印刷用紙の上で4つのブランケットドラ
ム上の印刷インキを重ね合わせてフルカラー印刷を行っ
ている。これに対して本発明では、中間転写材である転
写ベルト4−1上で4色のインキを重ね合わせた後、一
度に印刷用紙に転写する原理である。そのためにはプロ
セス上のインキの特性、転写ベルトの性質などがそれを
可能ならしめるような性質と性能を備えているのは言う
までもない。上記のように本発明の印刷装置では転写ベ
ルト4−1は一つの装置で済むため、印刷装置の小型化
に大変寄与している。また中間転写装置が一つで済んで
いるため、機械価格の低減化にも大変寄与していること
になる。
【0032】以上のように、中間転写材に転写ベルトを
用いたタイプの印刷装置は従来のオフセット印刷機等に
比べて小型化でき、機械価格も低減できるため、今まで
以上に市場性を広げることができる。従って専門の印刷
業だけでなく、OA分野、事務機分野でも使用できるこ
とになる。しかし、印刷用版を使った印刷装置は一般に
は粘着性のインキを使うため、次の印刷用版を印刷する
時は、転写ベルト等の中間転写材上に残留している前の
印刷用版のインキをクリーニングする必要がある。
【0033】粘着性のインキの中間転写材からのクリー
ニングには、現在、揮発溶剤を中間転写材につけ、イン
キをある程度溶かしてからウエブのような物で拭き取る
ことしかできていない。しかし、揮発溶剤を用いるクリ
ーニング法では、特に揮発溶剤の臭気が強く、作業環境
を悪化させる恐れがあるため、OA分野、事務機分野で
の使用はできなかった。そこで本発明では、新規な乾式
クリーニング方法と装置を新たに提案することでその点
を解決するものである。また、前述のような機械の価格
やコンパクト性のためにも、乾式クリーニングはコンパ
クトで低コストなクリーニング装置として寄与すること
ができ、印刷装置全体の目的にもかなうものである。
尚、本発明は印刷用版上の現像されたインキを一旦中間
転写材に転写し、その後、中間転写材上のインキを印刷
用紙に転写する印刷装置であり、図1の実施例では中間
転写材に転写ベルトを用い、クリーニング装置は転写ベ
ルト上の残留インキをクリーニングするクリーニング装
置であるが、以下に示すクリーニング装置は、転写ドラ
ムを用いた中間転写装置のクリーニング装置としても有
効に使用することが可能である。
【0034】以下、本発明の印刷装置に適用されるクリ
ーニング方法及び装置の具体例についてさらに詳細に説
明する。図2にクリーニング装置6の構成例を示す。図
2のクリーニング装置6は、クリーニング部材としてウ
エブ部材6−8並びにブレード部材6−9の両方を使用
し、一つの画像の印刷完了後、中間転写材である転写ベ
ルト4−1をウエブ部材6−8とブレード部材6−9で
クリーニングする装置である。勿論、ウエブ部材6−8
やブレード部材6−9の性能が良ければウエブ部材6−
8あるいはブレード部材6−9のどちらか一方だけでも
よい。
【0035】ウエブ部材6−8には不織布等の布、また
はパルプなどからなるウエブ等を使用する。図2に示す
ように、クリーニング装置6のケーシング6−10内に
は、ウエブ部材6−8の未使用部分側が巻き付けられて
いる繰り出しウエブロール6−1と、ウエブ部材6−8
のクリーニング後の使用済み部分を巻き取る巻き取りウ
エブロール6−2が設けられており、両ロールから転写
ベルト4−1に向けて引き出されたウエブ部材6−8の
転写ベルト4−1をクリーニングする位置には、該ウエ
ブ部材6−8を掛け渡されたウエブ加圧ロール6−5が
設けられている。この加圧ローラ6−5は、ケーシング
(マガジンとも言う)6−10に略中央部を揺動自在に
軸支されたへの字型形状の揺動レバー6−6の揺動端側
において回転自在に支持されており、揺動レバー6−6
の他端側は図示しない加圧駆動手段に連結されている。
そして、印刷完了後のクリーニングの際には、揺動レバ
ー6−6が図示しない加圧駆動手段により転写ベルト4
−1側に揺動されることでウエブが加圧ローラ6−5と
共に転写ベルト4−1に当接され、ウエブによる転写ベ
ルト上の残留インキの拭き取りが行われるように構成さ
れている。また、揺動レバー6−6にはブレード部材6
−9も固定されており、揺動レバー6−6が図示しない
加圧駆動手段により転写ベルト4−1側に揺動されるこ
とでブレード部材6−9の先端部が転写ベルト4−1に
当接し、加圧ローラ6−5側のウエブと共に転写ベルト
上の残留インキを掻き取るように構成されている。尚、
中間転写装置側の転写ベルト4−1の裏面には、クリー
ニング装置6のウエブ加圧ローラ6−5の圧力を受ける
加圧受けローラ4−6,4−7が配設されており、クリ
ーニング装置6のウエブ加圧ローラ6−5と中間転写装
置側の加圧受けローラ4−6,4−7の間に転写ベルト
4−1を挟むことによりウエブによるクリーニングが行
われる。また、ブレード部材6−9の先端部は図に対し
て上側の加圧受けローラ4−7の位置で転写ベルト4−
1に当接しているので、ブレードによるクリーニング時
のベルトの逃げが防止される。
【0036】本発明に係るクリーニング装置6は、粘着
性の印刷インキを転写ベルト4−1からクリーニングす
る際に、インキを溶かす溶剤を使わない乾式クリーニン
グ方式のため、転写ベルト4−1側にも工夫が施されて
いる。すなわち転写ベルト4−1の表面にはインキを適
当に付着するが、インキを程よく拭き取ることができる
ような撥水性・撥油性の材料が塗布されている。この塗
布材としてはフッ素系の材料やシリコン系の材料が適当
である。インキの付着と撥水性・撥油性の度合いは塗布
材の材料の表面エネルギーが30dyn/cm以下ならばよ
い。本発明の印刷装置では、上記のような材料を表面に
塗布された転写ベルト4−1を用いているので、インキ
を拭き取るのに揮発性の溶剤などを使用することなく乾
式のクリーニング装置6のウエブ部材6−8及び/又は
ブレード部材6−9で拭き取ることができる。
【0037】一方、インキの粘度はその温度により大変
変化する。そして粘度の高いものをウエブやブレード等
のクリーニング部材で拭き取る(又は掻き取る)には、
拭き取りや掻き取りの抵抗力が大きいので、より大きな
力で拭き取りや掻き取りを行うことが必要となり、軽く
拭き取りや掻き取りを行うことは大変困難である。その
ため本発明では、クリーニング部材でクリーニングする
前に、まずインキを温めてインキの粘度を低くしてから
拭き取るように工夫を施している。すなわち、オフセッ
ト印刷などのインキは50℃程度に温めると急速に粘度
が下がり、大変拭き取りや掻き取りやすくなる。実際の
インキの粘度は10℃では300PaS、20℃では15
0PaS、30℃では70PaS、50℃では10PaSと急激
に粘度が下がるのである。
【0038】従って本発明の印刷装置では、転写ベルト
の表面に撥水性・撥油性を持たせることに加えて、クリ
ーニング装置6のクリーニング部材(ウエブ及び/又は
ブレード)でクリーニングする前にインキを温めるよう
に構成するという構成要件で転写ベルトの良好なクリー
ニングが達成できるようにしている。そして、本発明の
印刷装置においては、上記クリーニング装置6よりも転
写ベルト4−1の搬送方向上流側で該転写ベルトの近傍
に配置された熱源装置を設け、印刷用紙にインキを転写
終了後に転写ベルト4−1上の残留インキをクリーニン
グする際には、転写ベルト4−1の近傍に配置された熱
源装置にて転写ベルト上の残留インキを室温以上に温め
た後、クリーニング装置6のクリーニング部材(ウエブ
及び/又はブレード)にてクリーニングするように構成
している。
【0039】ここで上記熱源装置の具体的な実施例を示
す。図3は、クリーニングに先立ち転写ベルト4−1上
の残留インキを温めて程よい粘度にするための熱源装置
の一例として、転写ローラ装置5の転写ローラ5Aの軸
5A−1内部にヒータ5Cを設置した例を示している。
このヒータ装置は当然転写ベルト4−1上の残留インキ
を単に温めるためのものであるので、転写ローラ5Aに
設置するものとは限らず、クリーニング装置6よりも転
写ベルト4−1の搬送方向上流側で転写ベルトの近傍で
あれば、転写ベルト周辺のどこに設けてもよい。また、
ヒータの種類や加熱方法も様々考えられる。例えば転写
ローラ5A内のヒータの一例としては抵抗加熱式の電気
ヒータなどが一例として用いられるが、ハロゲンランプ
や赤外線ヒータ等を設置することも可能である。また、
図4に示す別の実施例のように、熱源装置12を赤外線
ヒータ12−1と反射鏡12−2で構成して、赤外線を
転写ベルト4−1に照射して直接インキを加熱する方法
などでもよい。
【0040】図3に示したように転写ローラ5Aの内部
に熱源を設置して過熱する構成の場合、熱源としては抵
抗加熱ヒータの他、ハロゲンランプヒータや赤外ヒータ
などを用いることができ、これらのヒータ5Cによりロ
ーラ5Aの温度を50〜70℃程度に加温するが、この
際、ローラ5Aには表面温度を検出する検出器、例えば
サーミスタや熱伝対などを設けて表面温度を検出すれ
ば、しかるべき温度制御回路でヒータの温度制御をする
ことができる。また、転写ローラ5Aをクリーニングに
先立つ加温装置として使用する場合は、ローラ表面にイ
ンキが付着しない特別の材料をコートする必要があり、
このコート材としては、例えばフッ素系のテトラフルオ
ロエチレン(商品名:テフロン)やフッ素樹脂やシリコ
ン樹脂が最適である。
【0041】次に図2のクリーニング装置6のより具体
的な構成について説明する。クリーニング装置6は前述
したようにウエブ部材6−8を使用して転写ベルト4−
1から残留インキを拭き取るわけであるが、ウエブは当
然、消耗材であるので、消耗材であるウエブの交換が必
要になる。そのためウエブ部材6−8は、印刷装置に対
して着脱自在で交換可能なケーシング(マガジン)6−
10に収納してある。そして交換の際には、ケーシング
6−10を印刷装置から外して機外に取り出し、ウエブ
部材6−8をロールごと交換する。また、クリーニング
装置のコストにもよるが、低価格に製作できる場合は、
ケーシング6−10ごと交換するのもよい。いずれにし
ても印刷装置本体に対して交換可能なケーシング内に消
耗品であるウエブ部材を収容してあるクリーニング装置
6であり、ウエブ部材6−8の交換を容易に行えるよう
になっている。
【0042】さて、クリーニング装置6のケーシング6
−10内に収納されているウエブ部材6−8で転写ベル
ト4−1をクリーニングする際には、転写ベルト4−1
とウエブ部材6−8を搬送しながらクリーニングする
が、ウエブ部材6−8の適度な搬送速度は、拭き取った
インキを適度に移動し、ウエブ部材6−8の新しい面を
転写ベルト4−1に供給しながら拭き取ることができる
速度である。既に述べたように、ウエブ部材6−8は布
製の材料で不織布などが最適であるが、転写ベルト4−
1に押し当てるには加圧できる構成のローラなどの部材
に掛け渡されている必要があり、図2に示す実施例では
加圧ローラ6−5が設置してある。また、この加圧ロー
ラ6−5による加圧は、当然最適な加圧力が必要であ
り、5kgf/mm2程度の加圧力が最適である。
【0043】図2に示すようにウエブ部材6−8はロー
ル状に巻かれている状態に製作されているのが一番理想
的ではあるが、場合によっては折り畳んだ状態のウエブ
部材でもよい。図2のように繰り出しウエブロール6−
1に巻かれたり、あるいは折り畳まれたウエブ部材を一
定量ずつ繰り出すために、本実施例では、ケーシング6
−10内に一対の送り出しローラ6−3,6−4を備え
ている。すなわち、単に繰り出しウエブロール6−1の
一定量回転でウエブを繰り出すと、当然ながら使用と共
にロール径は減少するため、一定の量のウエブを繰り出
すことができなくなる。そのため、一定速度で回転する
一対の送り出しローラ6−3,6−4を設けてウエブの
送り出し量を制御する構成が必要である。また、送り出
し量をより正確に制御するために、送り出しローラの位
置に送り出し量検知用のセンサ6−7を設けるとよい。
【0044】また、送り出し性能と同じく、巻き取る側
の巻き取りウエブローラ6−2の方もウエブを巻き取る
につれてロール外径が段々大きくなるため、巻き取りも
一定量ずつ巻き取る必要があるが、ウエブ材6−8は繰
り出しウエブロール6−1から送り出しローラ6−3,
6−4、加圧ローラ6−5などを経由して巻き取りウエ
ブロール6−2に至る間、ピンと張っている必要がある
ため、巻き取り側のロール6−2はウエブの送り出し側
よりも必ず速い速度で巻き取っている必要がある。その
ため、巻き取り側のロール6−2の駆動系には必ず前記
の送り出し速度と巻き取り速度の差を吸収する機構とし
てトルクリミッタ装置等を設けておくことが必要であ
る。
【0045】以上の構成により、繰り出しウエブロール
6−1から繰り出されたウエブ部材6−8は送り出しロ
ーラ6−3,6−4により一定量ずつ加圧ローラ6−5
側に送り出されて転写ベルト4−1上の残留インキを拭
き取り、拭き取り後の使用済み部分は巻取りウエブロー
ラ6−2に巻き取られるので、常に新しいウエブ部分で
残留インキを拭き取ることができ、クリーニング性能を
常に良好な状態に維持することができる。また、図2に
示す構成のクリーニング装置では、ウエブが掛けられた
加圧ローラ6−5の下流側にはブレード部材6−9が設
けられているため、ウエブによる拭き残しが生じた場合
にもブレード部材6−9により残留インキが掻き落され
るので、良好にクリーニングを行うことができる。尚、
ブレード部材6−9は、転写ベルト4−1に対して滑り
性及び撥水性・撥油性を持つ部材からなるか、あるいは
滑り性及び撥水性・撥油性を持つ材料を塗布したブレー
ドであり、クリーニング時に転写ベルトを傷つけたり、
掻き取ったインキが付着しない様な構成となっている。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の印
刷装置においては、周面に印刷用版が巻装された印刷用
版ドラムと、版ドラムに印刷インキを供給する現像装置
と、版ドラムから印刷すべきインキを転写され受容する
中間転写材を有する中間転写装置と、上記中間転写材に
転写されたインキを印刷用紙に転写する用紙転写装置
と、該用紙転写装置に印刷用紙を供給する印刷用紙供給
装置と、上記印刷用紙にインキを転写終了後に上記中間
転写材上の残留インキをクリーニングするクリーニング
装置を基本構成として備えているので、従来のオフセッ
ト印刷機などから比べて小型、コンパクトで低価格な印
刷装置を提供することができる。そして請求項1記載の
印刷装置においては、上記クリーニング装置よりも中間
転写材の搬送方向上流側で該中間転写材の近傍に配置さ
れた熱源装置を備え、上記印刷用紙にインキを転写終了
後に上記中間転写材上の残留インキをクリーニングする
際には、上記中間転写材の近傍に配置された熱源装置に
て転写材上の残留インキを室温以上に温めた後、上記ク
リーニング装置のクリーニング部材にてクリーニングす
る構成としたので、従来のオフセット印刷機等のように
溶剤を用いることなく中間転写材上の残留インキを乾式
のクリーニンング方式で確実に除去することができる。
これにより、悪臭を放つような作業環境を無くして一般
のオフィスに印刷装置を設置することが可能となる。さ
らに、クリーニング作業を特別な溶剤などを用いないで
自動的に行うことができるので、熟練を要しなくても印
刷作業を容易に行うことができるので、オフィス等の一
般的な場所での印刷作業が容易に可能となる。また、オ
フィス等の限定された空間スペースに設置する場合にお
いても、上記中間転写材をベルト状とし、さらに縦型に
配置した場合には、印刷装置内での中間転写材の占有ス
ペースを従来のブランケット胴方式等と比べて大幅に低
減して印刷装置を小型化できるので、限られた設置スペ
ースを利用して設置することが可能となる。従って、本
発明の印刷装置は、オフセット印刷や孔版印刷等の印刷
分野の他、一般のOA分野等、広い範囲で利用すること
ができる。
【0047】請求項2記載の印刷装置においては、上記
中間転写材は、撥水・撥油性の物質が塗布コートされて
いる転写材であることにより、残留インキの拭き取りや
掻き取りによるクリーニングを良好に行うことができ
る。請求項3記載の印刷装置においては、上記中間転写
材の近傍に配置されている熱源装置は、中間転写材に接
触する機会がある部材を加熱するように設置したことに
より、加熱した上記部材を中間転写材に接触して中間転
写材上の残留インキを確実に加熱することができる。ま
た請求項4記載の印刷装置においては、上記中間転写材
の近傍に配置されている熱源装置は、中間転写材に接触
する機会があるローラの内部に設置することにより、例
えば既存の用紙転写ローラ等を用いて残留インクの加熱
を行うことができるので、熱源装置を新たに設けるスペ
ース等が必要無く、印刷装置の小型化に寄与することが
できる。さらにまた請求項5記載の印刷装置において
は、上記中間転写材の近傍に配置されている熱源装置
は、赤外線を発するヒータと、該ヒータからの赤外線を
中間転写材に反射させる反射鏡を備えた装置であること
により、中間転写材上の残留インキに赤外線を照射して
直接加熱することができるので、残留インキの加熱を迅
速に且つ省エネルギーで行うことができる。
【0048】請求項6記載の印刷装置においては、上記
クリーニング装置は、ウエブ状のクリーニング部材を備
えたことにより、中間転写材上で温められた残留インキ
をウエブにより拭き取って確実にクリーニングすること
ができる。また請求項7記載の印刷装置においては、上
記クリーニング装置は、ブレード状のクリーニング部材
を備えたことにより、中間転写材上で温められた残留イ
ンキをブレードにより掻き取って確実にクリーニングす
ることができる。さらに請求項8記載の印刷装置におい
ては、上記クリーニング装置は、ウエブ状のクリーニン
グ部材とブレード状のクリーニング部材の両方を備えた
ことにより、中間転写材上で温められた残留インキをウ
エブによる拭き取りとブレードによる掻き取りにより、
さらに確実にクリーニングすることができる。また、請
求項9記載の印刷装置においては、ブレード状のクリー
ニング部材は、中間転写材に対して適度な滑り性及び撥
水・撥油性を持つ部材であるか、あるいは滑り性及び撥
水・撥油性を持つ材料を塗布したブレードであることに
より、クリーニング時に中間転写材を傷つけたり、掻き
取ったインキが付着しない様な構成となっているので、
良好にクリーニングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す印刷装置の概略構成
図である。
【図2】図1に示す印刷装置に具備されるクリーニング
装置の構成例を示す概略構成図である。
【図3】図1に示す印刷装置に設けられる熱源装置の一
例を示す図であって、軸内にヒータを設けた転写ローラ
の構成説明図である。
【図4】図1に示す印刷装置に設けられる熱源装置の別
の例を示す図であって、クリーニング装置よりベルト搬
送方向上流側で転写ベルトに対向して配置された赤外線
照射式の熱源装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1:版ドラム装置 1−1:版ドラム 1−2:印刷用版 2:書き込み装置 3:現像装置 4:転写ベルト装置(中間転写装置) 4−1:転写ベルト(中間転写材) 4−6,4−7:加圧受けローラ 5:転写ローラ装置(用紙転写装置) 5A:転写ローラ 6:クリーニング装置 6−1:繰り出しウエブロール 6−2:巻き取りウエブロール 6−3,6−4:送り出しウエブローラ 6−5:ウエブ加圧ローラ 6−6:揺動レバー 6−7:送り出し量検知センサ 6−8:ウエブ部材 6−9:ブレード部材 6−10:ケーシング 7:印刷用紙供給装置 8:搬送装置 9:定着装置 10:排紙装置 11:排紙受け装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印刷用版上の現像されたインキを一旦中間
    転写材に転写し、その後、中間転写材上のインキを印刷
    用紙に転写する印刷装置において、 周面に印刷用版が巻装された印刷用版ドラムと、版ドラ
    ムに印刷インキを供給する現像装置と、版ドラムから印
    刷すべきインキを転写され受容する中間転写材を有する
    中間転写装置と、上記中間転写材に転写されたインキを
    印刷用紙に転写する用紙転写装置と、該用紙転写装置に
    印刷用紙を供給する印刷用紙供給装置と、上記印刷用紙
    にインキを転写終了後に上記中間転写材上の残留インキ
    をクリーニングするクリーニング装置を基本構成として
    備え、且つ、上記クリーニング装置よりも中間転写材の
    搬送方向上流側で該中間転写材の近傍に配置された熱源
    装置を備え、上記印刷用紙にインキを転写終了後に上記
    中間転写材上の残留インキをクリーニングする際には、
    上記中間転写材の近傍に配置された熱源装置にて転写材
    上の残留インキを室温以上に温めた後、上記クリーニン
    グ装置のクリーニング部材にてクリーニングすることを
    特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の印刷装置において、上記中
    間転写材は、撥水・撥油性の物質が塗布コートされてい
    る転写材であることを特徴とする印刷装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の印刷装置において、上記中
    間転写材の近傍に配置されている熱源装置は、中間転写
    材に接触する機会がある部材を加熱するように設置した
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の印刷装置において、上記中
    間転写材の近傍に配置されている熱源装置は、中間転写
    材に接触する機会があるローラの内部に設置したことを
    特徴とする印刷装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載の印刷装置において、上記中
    間転写材の近傍に配置されている熱源装置は、赤外線を
    発するヒータと、該ヒータからの赤外線を中間転写材に
    反射させる反射鏡を備えた装置であることを特徴とする
    印刷装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の印刷装置において、上記ク
    リーニング装置は、ウエブ状のクリーニング部材を備え
    たことを特徴とする印刷装置。
  7. 【請求項7】請求項1記載の印刷装置において、上記ク
    リーニング装置は、ブレード状のクリーニング部材を備
    えたことを特徴とする印刷装置。
  8. 【請求項8】請求項1記載の印刷装置において、上記ク
    リーニング装置は、ウエブ状のクリーニング部材とブレ
    ード状のクリーニング部材の両方を備えたことを特徴と
    する印刷装置。
  9. 【請求項9】請求項7または8記載の印刷装置におい
    て、ブレード状のクリーニング部材は、中間転写材に対
    して適度な滑り性及び撥水・撥油性を持つ部材である
    か、あるいは滑り性及び撥水・撥油性を持つ材料を塗布
    したブレードであることを特徴とする印刷装置。
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