JP2000334912A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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JP2000334912A
JP2000334912A JP11148417A JP14841799A JP2000334912A JP 2000334912 A JP2000334912 A JP 2000334912A JP 11148417 A JP11148417 A JP 11148417A JP 14841799 A JP14841799 A JP 14841799A JP 2000334912 A JP2000334912 A JP 2000334912A
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JP11148417A
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Toyoo Okamoto
豊雄 岡本
Yasuo Katano
泰男 片野
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便操作性で低価格であり、小型、コンパクト
で且つ画像品質の向上や清掃性の改善を図ることができ
る印刷装置を提供する。 【解決手段】本発明は、周面に印刷用版1Bが巻装され
た複数の印刷用版ドラム1Aと、各版ドラムに印刷イン
クを供給する現像装置3と、各版ドラムから印刷すべき
インクを転写され受容する転写材4−1を有する中間転
写装置4と、上記転写材に転写されたインクを印刷用紙
Sに転写する用紙転写装置5と、該用紙転写装置に印刷
用紙を供給する印刷用紙供給装置7と、印刷終了後に上
記転写材をクリーニングするクリーニング装置6を備え
た印刷装置において、上記中間転写装置4の転写材4−
1は、その表面が印刷インクの転写性が良好なゴム材質
からなり、且つその表面粗さが約1〜20ミクロンの粗
さであり、表面エネルギーが10〜30dyn/cmの
表面性を有する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷装置に関し、さ
らに詳しくは、感熱性撥水性印刷用版を巻装した版ドラ
ムと中間転写装置を用いて単色や多色刷り印刷、フルカ
ラー印刷を行うことができる印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一枚の原稿から大量の画像形成が
行える装置として印刷装置があり、この印刷装置にはオ
フセット印刷や孔版印刷などの方式がある。一般にオフ
セット印刷等の印刷技術では、版ドラムに巻装された印
刷用版を被印刷物に押し付け、この圧力により版面上の
色材を被印刷物に付着転移させる機構が用いられてい
る。また、孔版印刷では、上記機械的圧力を利用してイ
ンクを被印刷物面に向け押し出すようになっている。そ
して印刷には単色印刷、多色印刷、フルカラー印刷があ
り、多色やフルカラー印刷の場合には、色重ね処理が必
要となる。
【0003】従来、カラー印刷を行う場合の方式とし
て、印刷用版を版ドラムの外部近傍の版供給装置から版
ドラムに給版搬送し、版ドラムに巻き付けて印刷する際
に、ブランケットドラムの上にインクを色重ねして用紙
に転写する方式(例えば、特公平3−71983号公
報)や、印刷用版としてシリコン系の薄膜を基体ベース
に塗布した版を使い、版はオフセット印刷機の版胴内部
に収納し、必要に応じて版胴の周面に巻き出してレーザ
光線で印刷データを書き込んだ後、この版を用いてオフ
セット印刷する方式がある。これらの方式に用いられる
版としては、撥水性を有するものが一例として用いら
れ、版のクリーニングに際しては、印刷工による手作業
によってインクの拭き取りが行われている。
【0004】ところで、従来の印刷装置は、ドラムの組
み合わせであるために装置が比較的大型となる。このた
め、専用の印刷所などに設置されることが多く、オフィ
ス等の比較的狭い場所での設置が困難な場合が多い。例
えば、オフセット印刷装置の場合では、版胴、ブランケ
ット胴及び圧胴の組み合わせが必要であるので、フルカ
ラー印刷の場合、上記3胴の組み合わせを色分解数に応
じた数だけ準備する構成となることから、1色を対象と
するオフセット印刷部の構成に対してかなりの設置面積
が必要となる。さらにオフセット印刷の際の作業である
印刷用版のセッティング、インクの調合や印刷用紙の供
給及び色合わせ調整などの作業は熟練を要するために専
任のオペレータ、いわゆる印刷工が手作業で行うことが
多い。印刷工は、このような作業の他に、印刷後の印刷
機の清掃や各胴のクリーニングなどの作業も手作業で行
うことから、このような熟練がない事務員などによる印
刷は殆ど行えないのが現状である。しかも、印刷機自体
も数百万から数千万という大変高価であり、専門の印刷
所などでしか購入できないことが多い。
【0005】さらに印刷コストの面でいうと、印刷用版
はPS版と称される版が最も多用されているものの、高
価なために印刷枚数が数千単位でないと印刷コストの点
で割に合わないことから、一般のユーザが簡単に入手す
ることができず、このことからも上述したように印刷所
などの印刷を専門とする職種に限定されるのが現状であ
る。また、印刷のための作業環境においても、インクが
独特の臭いがすることや、このインクの除去、清掃に用
いられる揮発溶剤の臭いも悪臭であることから、このイ
ンクを取り扱う環境が作業者にとって極めて悪く、作業
が苦痛となることからも一般のオフィスに設置すること
が困難である。
【0006】一方、孔版印刷機は、操作が簡便で低価
格、つまり印刷機自体の価格は数百万円であるが、消耗
品である孔版の値段が極めて低価格であるので維持コス
トが低い。しかし、孔版印刷装置は、フルカラー印刷を
行うことができず、単色印刷の場合にも穿孔を介したイ
ンクの滲みを印刷方式としている関係上、印刷品質に関
してはオフセット印刷に比べて劣ることが原因して簡易
印刷等に限られてしまい、本格的な印刷装置、つまり、
画質が高く、カラー印刷も行える装置としては用いられ
ていないのが現状である。
【0007】また、粘着性の印刷インクを利用する通常
のカラー印刷機では、複数の印刷ユニットを備え、各色
のインクに対応する印刷ユニットは個別に各色のインク
画像を版ドラムに作成し、版ドラムからのインクは個別
の転写ブランケットドラムの胴部に転写し、その転写ブ
ランケットドラム上の各色インク画像を、印刷用紙に順
次重ねて転写してカラー画像を印刷するという方式が通
例であるため、版ドラムと転写ブランケットドラムを有
する印刷ユニットを複数必要とし(フルカラーではY
(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),Bk
(ブラック)の各色のインク用に4つの印刷ユニットが
必要)、装置の大型化、高価格化の原因となっている。
また、上記のように印刷用紙上で各色のインク画像を重
ねる方式では、複数色の重ね合わせの精度は、印刷用紙
の搬送精度や紙の伸び縮みに左右されてしまうので、色
ズレの発生等に対して不安定である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したオ
フセット印刷機、孔版印刷機などの印刷分野で、性能、
機械価格、簡便操作性などの課題を解決することを目的
としている。より詳しく述べると、本発明は上述の従来
の印刷機が長年解決できていない問題点の一部を解決す
るために提供されるものであり、感熱性撥水性印刷用版
を利用し、その版の特徴を最大限発揮できる印刷装置を
提供するものである。この感熱性撥水性印刷用版は撥水
性を有する材料からなり、加熱されたところの撥水性が
材料から失われ、撥水性の逆、すなわち親水性に変わる
性質を有しており、サーマルヘッド等の書き込み装置に
より簡易に書き込みを行うことができる。また、感熱性
撥水性印刷用版は大変低価格で孔版に匹敵するほどであ
るため、印刷コストが低く、少部数から印刷が可能であ
る。
【0009】従って本発明は、上記の特徴を有する感熱
性撥水性印刷用版を利用し、簡便操作性で低価格であ
り、且つ小型、コンパクトになるように構成した多色印
刷可能な印刷装置を提供することを目的としている。そ
して本発明では、印刷用版に形成される複数の種類のイ
ンクが順次重ねて転写される転写材を有し、転写材上で
カラー画像化された粘着性インク画像を一度に印刷用紙
に転写する新規な構成の転写装置を備えた印刷装置を提
供し、カラー印刷を行う印刷装置の機械価格の低減、機
械の小型、コンパックト化を図ることを目的としてい
る。
【0010】さらに本発明は、上記転写材の表面性等を
改善し、転写材に必要な版ドラムからのインクの着肉性
や印刷後のクリーニング性などの向上、画像品質の向
上、印刷装置の清掃性の改善などを図ることを目的とし
ている。また、転写材にベルト材を使用する場合には、
ベルトの搬送時に発生する問題点の内、ベルト材特有の
蛇行、滑りなどは版を使う印刷装置では大変困難な技術
課題であるが、本発明では、印刷中もある程度のベルト
のクリーニングを行い、用紙への転写後の残留インクが
再度印刷に寄与しないようにすること、さらにはベルト
材特有の問題である静電気の発生や滑りの発生を防止
し、搬送性や転写性の向上などを図ることを目的として
いる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、周面に印刷用版が巻装され
た複数の印刷用版ドラムと、各版ドラムに印刷インクを
供給する現像装置と、各版ドラムから印刷すべきインク
を転写され受容する転写材を有する中間転写装置と、上
記転写材に転写されたインクを印刷用紙に転写する用紙
転写装置と、該用紙転写装置に印刷用紙を供給する印刷
用紙供給装置と、印刷終了後に上記転写材をクリーニン
グするクリーニング装置を基本構成として備えた印刷装
置において、上記中間転写装置の転写材は、その表面が
印刷インクの転写性が良好なゴム材質からなり、且つそ
の表面粗さが約1〜20ミクロンの粗さであり、表面エ
ネルギーが10〜30dyn/cmの表面性を有するこ
とを特徴としている。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1記載の印
刷装置において、上記転写材は、その表面材質のゴムが
撥水性または潤滑性の性質を持つフッ素系またはシリコ
ン系の材質であるか、もしくは表面に撥水性の材質を塗
布コートしてあることを特徴としている。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項1記載の印
刷装置において、上記転写材は、静電気防止のための導
電性処理を施してあることを特徴としている。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項1記載の印
刷装置において、上記転写材は少なくとも2層の構造か
らなり、その外側の層の表面は、撥水性または潤滑性の
性質を持つフッ素系またはシリコン系の材質からなる
か、もしくは撥水性の材質を塗布コートしてあり、印刷
インクの転写性の良好な材質からなり、内側の層の面
は、駆動ローラとの駆動に良好な表面性を持つ材質から
なる構造をしていることを特徴としている。
【0015】請求項5に係る発明は、請求項1〜4のい
ずれか一つに記載の印刷装置において、上記転写材はベ
ルト状の形態であることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態を
示す印刷装置の概略構成図であり、感熱性撥水性印刷用
版を巻装した複数の版ドラムと中間転写装置を備えたフ
ルカラー対応の印刷装置の一例を示すものである。この
印刷装置は、印刷用版が巻装される印刷用版ドラム1A
とその版ドラム1Aに収納・保持される感熱性撥水性印
刷用版1Bからなる複数の版ドラム装置1と、印刷用版
1Bに印刷するデータを各版ドラム1A上で書き込む書
き込み装置2と、各版ドラム1A上の印刷用版1Bに印
刷インクを供給する現像装置3と、各版ドラム1A上の
印刷用版1Bに印刷されたインクが転写され一時的に受
容する転写ベルト4−1を持つ中間転写装置(以下、転
写ベルト装置と言う)4と、転写ベルト4−1に転写さ
れたインクを印刷用紙Sに転写する転写ローラ5Aを有
する用紙転写装置(以下、転写ローラ装置と言う)5
と、転写ローラ装置5に印刷用紙Sを供給する印刷用紙
供給装置7と、印刷用紙Sに転写された印刷インクを定
着する定着装置9と、定着後の印刷用紙Sを排出する排
紙装置10と、排出された印刷用紙Sを受ける排紙受け
装置11と、印刷終了後に転写ベルト4−1をクリーニ
ングするクリーニング装置6などを備えている。また、
この構成例では、転写ベルト装置4を印刷装置本体の中
央に一つ配置し、複数の版ドラム装置1を転写ベルト装
置4の転写ベルト4−1にそれぞれ対応配置し、各版ド
ラム1Aに対し現像装置3をそれぞれ配置し、書き込み
装置2は各版ドラム1Aの略上部近傍にそれぞれ配置
し、印刷装置本体の下部には印刷用紙Sの搬送ルートを
形成し、該搬送ルートに、印刷用紙供給装置7、転写ロ
ーラ装置5、搬送装置8、定着装置9、排紙装置10、
排紙受け装置11などを順次配置している。
【0017】図1に示す構成では、従来の印刷機におけ
る問題点の幾つかを解決するため、最も有効にまたは合
理的に各装置ユニットを配置したものである。そして、
装置全体を小型・コンパクト化するために、中間転写装
置を転写ベルト4−1を用いた転写ベルト装置4にして
縦長になるように構成し、その転写ベルト装置4を印刷
装置のほぼ中央に配置し、複数の版ドラム装置1を転写
ベルト装置4の転写ベルト4−1にそれぞれ対応配置し
ていることにより、小型・コンパクト化、省スペース化
が達成できる。
【0018】さらに図1の構成では、小型化とコスト低
減のために印刷用版1Bを版ドラム1Aの中に収納・保
持している。これは版ドラムの外部に別に版供給装置を
設けてもよいのだが、図1の構成のように印刷用版1B
を版ドラム1Aの中に収納することにより、一般の印刷
用版を版ドラムの外部から供給するタイプの印刷装置、
例えば孔版印刷機や水無し枚葉印刷機などに用いられて
いる版の収納スペースや版の供給装置や排版装置などが
不要となるなど、本構成は遥かに小型化やコスト低減化
に有利である。また転写ベルト装置4と印刷用版1Bと
版ドラム1Aを有する装置全体でのさらなる小型化とコ
スト低減化を図り、性能上も有利になるように、印刷用
版1Bと版ドラム1Aを備えた版ドラム装置1を転写ベ
ルト4−1の左右に対称に配置し、左右共通の構成とな
し、全体をバランスよく合理的に配置している。
【0019】また、図1の構成では、印刷用紙Sのスム
ーズな搬送のためと、なるべく印刷用紙のジャムなどを
低減するためと、転写ベルトの有効な性能手段としての
曲率分離性能を有効に利用して大がかりな分離装置を排
除するためと、また印刷用紙の搬送路を用紙供給から転
写、定着、排紙までをほぼ直線的に構成するようにする
ために、印刷装置本体の下部に印刷用紙Sの搬送ルート
を直線的に形成し、該搬送ルートに、印刷用紙供給装置
7、転写ローラ装置5、搬送装置8、定着装置9、排紙
装置10、排紙受け装置11などを順次配置している。
【0020】以上のように、図1に示す構成の印刷装置
では、版ドラム装置1、書き込み装置2、並びに現像装
置3等は、転写ベルト4−1に対して左右対称に配置し
且つ構成の共通化を図り、装置の小型・コンパクト化、
低コスト化を図ると共に、印刷用紙の搬送のために、印
刷装置本体の下部に印刷用紙Sの搬送ルートを形成し、
用紙供給から転写、定着、排紙までをほぼ直線的に構成
したので、印刷用紙の搬送のためにも安定した性能を確
保できる。
【0021】次に図1に示す印刷装置の各部の構成につ
いて述べる。まず、フルカラー印刷の各色に対応する各
版ドラム装置1の版ドラム1A内には、未使用の感熱性
撥水性印刷用版1Bが巻き付けられている版供給ロール
1B−1と、使用済みの版を巻き取る巻き取りロール1
B−2から構成される版供給機構が収納されており、版
供給ロール1B−1から送り出された版の未使用部分
は、版ドラム1Aのスリット状の開口から外部に出て版
ドラム1Aの外周に巻き付けられて保持され、印刷終了
後は、版の使用済部分が版ドラム1Aのスリット状の開
口から版ドラム内に戻り、巻き取りロール1B−2にて
巻き取られる構成となっている。従って版供給は、版ド
ラム1A内部に収納された版供給機構により新しい版が
自動で版ドラム表面に供給され、印刷終了後は使用済み
部分の版が自動で版ドラム内に巻き取られて、次の新し
い版が版ドラム表面に供給されるようになっている
【0022】この印刷用版1B並びに版ドラム1Aは図
1から明らかなように、フルカラー印刷の基本色(プロ
セス色)の分だけ、例えばイエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)の各色のインクに対応する分だけ
用意されており、さらに文字や墨入れなどのための黒
(Bk)インクのためにもう一つの版と版ドラムがあ
り、全部で4色分の版と版ドラム、並びに後述の現像装
置を具備している。
【0023】各版ドラム装置1にそれぞれ設けられた書
き込み装置2は、版ドラム1Aの上に上下昇降できるよ
うに構成されたサーマルヘッド(感熱書き込み装置)で
あり、版ドラム1Aに巻き付けられた印刷用版1Bに印
刷用のデータを書き込む時に下降し版ドラムに接触して
データを書き込み、その後上昇して待機している装置で
ある。ここで、感熱性撥水性印刷用版1Bは撥水性を有
する材料からなり、加熱されたところの撥水性が材料の
特性から失われ、撥水性の逆、すなわち親水性に変わる
性質を有しており、サーマルヘッドからなる感熱書き込
み装置2により簡易に書き込みを行うことができる。よ
り具体的に述べると、印刷用版1Bとしては例えば本出
願人が先に提案した(特開平3−178478号公報)
感熱性撥水性印刷用版が用いられており、この感熱性撥
水性印刷用版1Bは、ポリエチレン・テレフタレート
(PET)からなる基材上に含フッ素アクリレート材料
からなる撥水層を備え、サーマルヘッドなどの書き込み
装置によって印刷データに応じて書き込みが行われる
と、その書き込み内容に応じて親水部と撥水部とが形成
され、親水部にインクを付着させることができるように
なっている。尚、上記の例ではサーマルヘッドを用いた
書き込み装置の例を示したが、書き込み装置としてはこ
の他、レーザ光による書き込み装置等も用いることがで
きる。また、版ドラム1Aに印刷用版1Bを巻装してか
ら書き込む例を示したが、印刷用版に書き込んでから
(あるいは書き込みながら)版ドラムに巻き付けるなど
の方法も採用することが可能である。
【0024】各版ドラム装置1にそれぞれ設けられた現
像装置3は、版ドラム1A上で書き込み装置2により印
刷データを書き込まれた印刷用版1Bに対して各色(イ
エロー、マゼンタ、シアン、黒)の印刷インクを供給す
る装置である。この現像装置3は、現像ローラ3aと、
インク補充用のインクマガジン3eと、インクマガジン
3eから供給されたインクを現像ローラ3aとの間に溜
めるためのインク溜3dと、インク溜3dのインクを適
性の厚みに規制して現像ローラ3aに供給する現像ブレ
ード3cと、現像ローラ3a上で回転揺動し現像ブレー
ド通過後のインク層をより均一にならすならし揺動ロー
ラ3bなどから構成されている。そして適正な量のイン
クが現像ローラ3aに供給されると、現像装置3の現像
ローラ3aは版ドラム1Aに押しつけられ、印刷用版1
Bの前記に説明した印刷データを書き込んだ部分にイン
クが付着転移する。このように現像装置3から印刷用版
1Bの印刷データに該当するところにインクが転移する
ことにより、版ドラム1A上には印刷インクの画像がで
きるわけである。
【0025】本発明の特徴である転写ベルト装置4は、
既に述べたように各版ドラム1A上の版1Bに現像され
たインクが転写され一時的に受容するゴム製の転写ベル
ト4−1を持つ装置であり、転写ベルト4−1は駆動ロ
ーラや従動ローラ等の複数のローラに掛け渡されてい
る。ここで図2は転写ベルト装置の構成を示す概略構成
図である。
【0026】転写ベルト4−1を構成するゴムは、基材
がニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどの材料
でできた物であるが、その表面は、インクの版ドラム1
Aからの転移と印刷用紙へのインクの転移、及びクリー
ニング性などを加味した表面性を有している。また、転
写ベルト装置4の転写ベルト4−1の内側には、各版ド
ラム1Aに対応する位置に印刷時に転写ベルト4−1を
版ドラム1Aに加圧し、印刷終了時には転写ベルト4−
1を版ドラム1Aから解離させるプラテンローラ4−2
が設けられており、版ドラム1Aにインク画像ができた
後、転写ベルト4−1内のその画像のできた版ドラム1
Aに該当するところのプラテンローラ4−2が版ドラム
1Aに転写ベルト4−1を押し当てるように加圧し、版
ドラム1A上のインク画像を転写ベルト4−1に転移さ
せる。
【0027】転写ベルト装置4の各プラテンローラ部分
には、プラテンローラ4−2と、そのプラテンローラ4
−2を版ドラム1Aに対して選択的に加圧する加圧機構
とを備えており、加圧機構は、転写ベルト装置の側板等
に固定された軸4−3に揺動自在に軸支され一端側でプ
ラテンローラ4−2を軸支するレバー4−4と、該レバ
ー4−4の他端側に軸支され選択加圧される際にカムが
当接されるカムフォロアー4−5と、該カムフォロアー
4−5に当接しレバー4−4を介してプラテンローラ4
−2を版ドラム1Aに対して選択加圧するためのカム4
−6などから構成されている(尚、カムを回転するモー
タ等の駆動装置の図示は省略する)。このプラテンロー
ラ4−2と加圧機構は各版ドラム1Aに該当する位置に
それぞれ設けられており、図1,2に示す例は、全部で
4組のプラテンローラ4−2とその加圧機構を備えた転
写ベルト装置4の例である。
【0028】版ドラム1A上にインクによる画像が形成
されると、前述したようにプラテンローラ4−2とその
加圧機構の作用で転写ベルト4−1がインクの載った版
に押し付けられるから当然インクは転写ベルト4−1に
転移する。そのようにして必要な色のインク画像の形成
及び転移が各版ドラム部分で行われる。図1の印刷装置
では、4つの版ドラム1Aに対してカラー印刷などに必
要なイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のインクが
用意されているので、4つの版ドラム上にイエロー、マ
ゼンタ、シアン、黒の各色のインク画像を形成した後、
転写ベルト4−1の同じ位置に重ね合わせて転移させれ
ばフルカラー印刷が可能となる。また、4つの版ドラム
から特定のものを選択すれば、1色刷り、2色刷り、3
色刷り等の選択印刷や特色印刷が可能となる。各版ドラ
ムからのインクが転移した転写ベルト4−1は、転写ベ
ルト装置4の最下端部分に搬送されてきて、転写ローラ
装置5により印刷用紙Sと合わされ、最終的に印刷用紙
S上にインクが転移される。
【0029】さて図1,2に示す構成の印刷装置におい
て複数枚の印刷を行うためには、転写ベルト装置4の転
写ベルト4−1は、各版ドラム1Aから繰り返しインク
の供給を受け、またその都度印刷用紙Sが給紙され、転
写ベルト4−1から印刷用紙Sへのインクの転写が行わ
れる。しかし問題として、印刷用紙にインクを転写後も
残留インクが転写ベルト4−1に残るため、次の画像を
用紙に転写する際に、その残留インクも再度転写に寄与
してしまうということがある。そのため前回までの印刷
インクの乗った位置に次のインクを乗せなければならな
いため、転写ベルト4−1は各版ドラム1Aと正確にド
ット単位の精度で位置を合わせて出会わなければならな
い。そして前回の印刷に寄与した位置である残留インク
の部分に版ドラムから正確に次のインクを供給する必要
がある。
【0030】そのため、転写ベルトの長さにも制約を受
け(例えば、転写ベルトの周長を版ドラムの周長の約整
数倍の長さにする等)、また、転写ベルトの搬送制御の
性能も相当の精度で行わなければならない。特に転写ベ
ルト装置4の場合は、転写ベルト4−1の搬送駆動時に
おける蛇行搬送と、駆動ローラ4−7との滑りによる搬
送方向のレジストのため、印刷に必要な精度を得るのは
大変困難で従来はできなかった。そのため、実際の印刷
機(オフセット印刷機等)で具現化している中間転写装
置は、転写ドラム(ブランケット胴)の形態しか存在し
ていなかった。因みに、転写ベルトの長さが1000m
m(A3用印刷機)程度の長さだと画像の画素が50ミ
クロン(μm)程度なので、 (0.050/1000)×100%=0.005% 程度の搬送レジスト再現性が必要で、これは不可能に近
い性能である。
【0031】そこで本発明では、転写ベルトの持つ利点
(印刷装置の小型、コンパクト化と装置価格の低減、及
び紙分離性能の改善など)を生かし、転写ベルトを用い
た場合の上記の不具合(蛇行、滑り等による位置ずれの
問題)を改善するため、印刷中にハーフクリーニング方
法(後述する)を用いて転写ベルト上の残留インクを除
去し、残留インクが用紙に再度転写されることを防止す
るものである。そのため、転写ベルトに求められる性質
としては、表面のクリーニング性が良好となるように、
ベルト表面の表面エネルギーが10〜30dyn/cm
の表面性を有することである。また、転写ベルトの表面
は着肉性のために、基材としてはニトリルゴム、ウレタ
ンゴム、フッ素ゴムなどでよいが、表面粗さは印刷の画
質(濃度、ベタ埋りなど)の向上のため、1〜20ミク
ロン程度の粗さが必要である。すなわち着肉のために
は、適度な粗さが着肉性の性能を左右し、ある程度の表
面粗さの目にインクが入り込む必要がある。しかし印刷
用紙への転写性などのためには逆に相当のきめ細かさが
必要である。また、印刷後のクリーニングを行う場合
に、ベルト表面が粗すぎると、その目の中に入り込んだ
インクを清掃できないという問題が生じる。そのため、
上記のような表面粗さの範囲が必要である。
【0032】上述のように、転写ベルトの着肉性とクリ
ーニング性は相反する性質であり、どちらが有利でもい
けないが、従来は画質が優先でクリーニングは大変難し
い表面性となっていた。このため従来のオフセット印刷
などの印刷機では、オペレータである印刷工が印刷後に
手作業で清掃しなければならず、取り扱いに手間や労力
を要していた。そこで本発明では、画質を落さずにクリ
ーニング性を改善できるようにするために、ベルト表面
の表面エネルギーが10〜30dyn/cmの材質を選
択するか、あるいは上記表面エネルギーを有する別の材
質をベルト表面に塗布コートするなどの方法を採用して
いる。ここで材質により表面性を改善する場合には、シ
リコンゴム、フッ素ゴムなどの表面エネルギーの低い材
質を用いるのがよく、また表面コートする場合には、フ
ッ素系の材料をベルト表面にコートするのがよい。そし
てこれらの材質は、一般的には撥水性のある材質という
ことになる。
【0033】本発明に係る転写ベルト4−1は、表面が
撥水性のある材質からなりクリーニングが容易なため、
図1に示すように転写ベルトのクリーニング装置6を設
けることにより、クリーニング装置6で印刷後だけでな
く、印刷中もクリーニングすることが可能となる。尚、
印刷中は転写ベルト4−1の搬送速度は大変速く、10
00mm/sec程度にもなるため、クリーニング装置
6によるクリーニング性が低下するが、印刷中のクリー
ニングは、残留インクが再度印刷用紙に転写されない程
度まで除去できればよいので、本発明では、残留インク
が再度印刷に寄与しない程度にクリーニングを行うハー
フクリーニングを行う。また、完全にクリーニングする
と、印刷の量にもよるが、インクの使用量が倍増すると
か、クリーニング装置6に残留インクが大量に溜り、そ
の処置が大変になるなどの不具合が生じる恐れがあるの
で、印刷中のクリーニングは必要最小限が有利であり、
上記のハーフクリーニングは利にかなった方式でもあ
る。
【0034】印刷中の転写ベルト4−1のハーフクリー
ニングにより残留インクが再度転写に寄与しない場合
は、転写ベルト4−1の高精度の搬送性能は不要とな
り、ごく普通のベルト搬送性能でよく、ベルト転写の最
も困難な技術の問題が解決することになる。従って、転
写ベルトを用いた中間転写装置が容易に実現可能とな
る。尚、転写ベルト上の残留インクは転写前のインク厚
さが0.5ミクロン程度の厚さであるが、ハーフクリー
ニングでその半分の0.25ミクロン以下になれば上記
の目的が達成されることが実験で確かめられた。もちろ
んこの数値はインクの種類と性能、クリーニング装置6
とその機構、方式、転写ベルトの表面性などに左右され
るが、インクの中のタック値が7〜18、粘度では10
~2〜10~4ポアズの性質なら問題無く達成できる。ま
た、肝心の転写ベルト4−1の表面エネルギーは前述し
たように10〜30dyn/cmのものが必要となる。
【0035】次に本発明に係る転写ベルト装置4では、
上記以外の転写ベルト特有の問題、例えば静電気の発
生、駆動ローラ7との摩擦滑りなどの問題を解決する必
要がある。そのため静電気の発生防止に対しては、転写
ベルト4−1の材料に静電気防止剤として界面活性剤や
導電性微粒子フィラーを練り込むとか、ベルトの芯材に
静電気防止が可能な繊維の芯材を用いるとか、ベルトの
表裏面に静電気防止材を塗布コートするなどで実現可能
である。また、駆動ローラ7との滑りに対しては、滑り
の少ない摩擦係数の高いゴムラテックス、例えばウレタ
ンゴム、アクリルゴムなどを転写ベルトの内側の面(ベ
ルト裏面)に塗布コートするか、または転写ベルトを2
層構造にして、転写ベルトの裏面側の層に摩擦係数の高
い材質を使用するか、あるいは転写ベルトの裏面を滑り
にくい裏面粗さ、例えば0.2〜3s程度の粗さにする
等で実現することができる。尚、転写ベルトを2層構造
にする場合は、上記の摩擦係数の高い材質の層の上に、
前述のインクの着肉性やクリーニング性を考慮した表面
性を有する層が積層され、その外側の層の表面は、撥水
性または潤滑性の性質を持つフッ素系またはシリコン系
の材質からなるか、もしくは撥水性の材質を塗布コート
してなり、印刷インクの転写性の良好な材質から構成さ
れる。
【0036】さて、転写ベルト装置4のその他の重要な
構成部分は、転写ベルト4−1を駆動するベルト駆動ロ
ーラ4−7と、転写ベルト4−1に張力を与えているテ
ールローラ4−8であり、転写ベルト装置4の最下端部
分に位置するベルト駆動ローラ4−7の直下には、図1
に示したように、転写ベルト4−1と共に印刷用紙Sを
圧着搬送する転写ローラ装置5の転写ローラ5Aが配設
されている。
【0037】また、その他の重要な構成として、インク
転写後の印刷用紙Sが転写ベルト4−1に巻き付くのを
防止するために、転写ベルト4−1から印刷用紙を剥離
分離するための構成が必要である。従来の印刷機などで
は、転写ドラム等に機械的に転写前の紙を咥えさせて紙
搬送を行い転写後分離する装置とか、あるいは剥がし分
離爪などを備えた分離ドラムなどの方法が採られている
が、何れも高価で構成が複雑であり、不安定で紙ジャム
の原因にもなっている。
【0038】本構成の転写ベルト装置4ではそのような
ことの解決手段として、ベルトの特性を利用した曲率分
離部を転写ベルトの一部に備えたことが特徴の一つであ
る。すなわち図2に示すように、本構成の転写ベルト装
置4では、転写後の印刷用紙を分離する位置に、できる
限り小径の分離用ローラ4−9を備えており、この分離
用ローラ4−9に掛けられたベルト部分の曲率が非常に
小さくなるようにしている。このため印刷用紙Sは用紙
自身の腰の強さと、転写ベルト4−1の曲率が小さくな
っている部分(分離用ローラ4−9に掛けられた部分:
分離部)の作用により、ベルトに巻き付かずに自然に剥
がれるように搬送され、自動的に印刷用紙は転写ベルト
4−1から剥離分離され、搬送装置8側に送られる。
【0039】さて図1に示す印刷装置において、転写ベ
ルト装置4の下部に対向して設置された転写ローラ装置
5は、転写ベルト4−1上の印刷インクを印刷用紙Sに
加圧転写する転写ローラ5Aと、この転写ローラ5Aを
転写ベルト4−1に対して接離する接離機構5B(転写
ローラ支持アーム、カム、スプリング等で構成され、カ
ムでアームを揺動してローラを接離させる機構)から構
成されている。そして転写ベルト4−1上の印刷インク
が丁度真下に来るときに合わせて印刷用紙供給装置7及
びレジストローラ7Aにより印刷用紙Sが供給され、そ
のときのタイミングに合わせて転写ローラ5Aが転写ベ
ルト4−1に接触され、印刷用紙Sを転写ベルト4−1
に加圧し且つ用紙を搬送し、転写ベルト4−1上の印刷
インクを印刷用紙Sに転写させる。
【0040】一方、前述のクリーニング装置6は、連続
印刷中のハーフクリーニングの他、転写ベルト4−1上
の印刷インクが印刷用紙Sに転写され印刷が完了した際
に転写ベルト4−1を清掃する役目であり、次の印刷工
程に備え、クリーニングローラ(あるいはクリーニング
ブラシ)やクリーニングブレード等により転写ベルト4
−1上から前の印刷の残留インクを除去しクリーニング
する。
【0041】印刷用紙供給装置7は、印刷用紙Sの収納
部や給紙ローラ等からなり、印刷のタイミングに合わせ
て印刷用紙Sを転写部に向けて一枚づつ給紙する。搬送
装置8は図1の例では搬送ベルトからなり、印刷インク
が転写され転写ベルト4−1から分離された印刷用紙S
を次工程の定着装置9まで搬送する。定着装置9は印刷
用紙S上の生乾き状態のインクを紙に強固に定着する装
置であり、定着ローラ9Aと、該定着ローラ9Aに圧接
する加圧ローラ9Bとからなり、印刷インクの定着で
は、定着ローラ9Aは、印刷インクの溶剤を吸収する耐
油性のゴム(例えばシリコンゴーム、フッ素ゴム等)か
ら構成されるローラである。また、定着ローラの内部に
定着を促進するための熱源(電気ヒータ、ハロゲンラン
プ等)を設けると、より良好な定着となる。上記定着後
の印刷用紙Sは、一対のローラ等からなる排紙装置10
により機外に排出され、排出された印刷用紙Sは、印刷
装置本体側部に設置されている排紙受け装置11のトレ
イ上に排紙される。
【0042】尚、以上の実施形態では、転写ベルトを用
いた中間転写装置の例を示したが、本発明は、転写ベル
トで無く、従来の丸胴に転写材を巻き付けたブランケッ
ト胴方式の中間転写装置を用いた印刷装置においても同
様に適用することができ、この場合には、ブランケット
胴の表面に巻き付けられる転写材の材質や表面性を前述
のように規定することにより、転写性、クリーニング性
の良好な転写ドラムを構成することができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の印
刷装置においては、周面に印刷用版が巻装された複数の
印刷用版ドラムと、各版ドラムに印刷インクを供給する
現像装置と、各版ドラムから印刷すべきインクを転写さ
れ受容する転写材を有する中間転写装置と、上記転写材
に転写されたインクを印刷用紙に転写する用紙転写装置
と、該用紙転写装置に印刷用紙を供給する印刷用紙供給
装置と、印刷終了後に上記転写材をクリーニングするク
リーニング装置を基本構成として備えているので、小
型、コンパクトで低価格な印刷装置を提供することがで
きる。そして本発明の印刷装置においては、上記中間転
写装置の転写材は、その表面が印刷インクの転写性が良
好なゴム材質からなり、且つその表面粗さが約1〜20
ミクロンの粗さであり、表面エネルギーが10〜30d
yn/cmの表面性を有することにより、版ドラムから
のインクの着肉性や印刷後のクリーニング性などが向上
されるので、画像品質の向上や、清掃性の改善などを図
ることができる。
【0044】請求項2記載の印刷装置においては、請求
項1の構成に加えて、上記転写材は、その表面材質のゴ
ムが撥水性または潤滑性の性質を持つフッ素系またはシ
リコン系の材質であるか、もしくは表面に撥水性の材質
を塗布コートしてあることにより、上記の表面性の条件
を容易に具現化することができ、版ドラムからの着肉性
や印刷後のクリーニング性などを向上することができ
る。
【0045】請求項3記載の印刷装置においては、請求
項1の構成に加えて、上記転写材に、静電気防止のため
の導電性処理を施すことにより、転写材に静電気が発生
することを防止でき、静電気の発生による搬送不良や、
印刷用紙の巻き付き等を防止することができる。
【0046】請求項4記載の印刷装置においては、請求
項1の構成に加えて、上記転写材は少なくとも2層の構
造からなり、その外側の層の表面は、撥水性または潤滑
性の性質を持つフッ素系またはシリコン系の材質からな
るか、もしくは撥水性の材質を塗布コートしてあり、印
刷インクの転写性の良好な材質からなり、内側の層の面
は、駆動ローラとの駆動に良好な表面性を持つ材質から
なる構造をしていることにより、上記の表面性の条件を
容易に具現化することができ版ドラムからの着肉性や印
刷後のクリーニング性などを向上することができると共
に、転写材をベルトの形態にした際の駆動ローラとの滑
りの問題を解消でき、搬送性の向上を図ることができ、
画像品質を向上することができる。
【0047】請求項5記載の印刷装置においては、請求
項1〜4のいずれかの構成に加えて、上記転写材はベル
ト状の形態であることにより、中間転写装置に対する版
ドラムのレイアウトの自由度が増し、印刷装置のさらな
る小型、コンパクト化、省スペース化を図ることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す印刷装置の概略構成
図である。
【図2】図1に示す印刷装置に具備される転写装置の概
略構成図である。
【符号の説明】
1:版ドラム装置 1A:版ドラム 1B:感熱性撥水性印刷用版 1B−1:版供給ローラ 1B−2:巻き取りローラ 2:書き込み装置 3:現像装置 4:転写ベルト装置(転写装置) 4−1:転写ベルト(転写体) 4−2:プラテンローラ 4−3:軸 4−4:レバー 4−5:カムフォロアー 4−6:カム 4−7:ベルト駆動ローラ 4−8:テールローラ 4−9:分離用ローラ 5:転写ローラ装置 5A:転写ローラ 6:転写ベルトのクリーニング装置 7:印刷用紙供給装置 8:搬送装置 9:定着装置 10:排紙装置 11:排紙受け装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C034 AA08 AA44 BA02 2H114 AA04 CA04 CA05 DA46 DA49 DA62 DA73 DA78 EA02 EA04 FA14 FA16 GA12 GA34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周面に印刷用版が巻装された複数の印刷用
    版ドラムと、各版ドラムに印刷インクを供給する現像装
    置と、各版ドラムから印刷すべきインクを転写され受容
    する転写材を有する中間転写装置と、上記転写材に転写
    されたインクを印刷用紙に転写する用紙転写装置と、該
    用紙転写装置に印刷用紙を供給する印刷用紙供給装置
    と、印刷終了後に上記転写材をクリーニングするクリー
    ニング装置を基本構成として備えた印刷装置において、 上記中間転写装置の転写材は、その表面が印刷インクの
    転写性が良好なゴム材質からなり、且つその表面粗さが
    約1〜20ミクロンの粗さであり、表面エネルギーが1
    0〜30dyn/cmの表面性を有することを特徴とす
    る印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の印刷装置において、上記転
    写材は、その表面材質のゴムが撥水性または潤滑性の性
    質を持つフッ素系またはシリコン系の材質であるか、も
    しくは表面に撥水性の材質を塗布コートしてあることを
    特徴とする印刷装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の印刷装置において、上記転
    写材は、静電気防止のための導電性処理を施してあるこ
    とを特徴とする印刷装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の印刷装置において、上記転
    写材は少なくとも2層の構造からなり、その外側の層の
    表面は、撥水性または潤滑性の性質を持つフッ素系また
    はシリコン系の材質からなるか、もしくは撥水性の材質
    を塗布コートしてあり、印刷インクの転写性の良好な材
    質からなり、内側の層の面は、駆動ローラとの駆動に良
    好な表面性を持つ材質からなる構造をしていることを特
    徴とする印刷装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか一つに記載の印刷
    装置において、上記転写材はベルト状の形態であること
    を特徴とする印刷装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010076188A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Fujikura Rubber Ltd 印刷用ブランケット、印刷用ブランケットの製造方法及びオフセット印刷機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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