JP2000334914A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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JP2000334914A
JP2000334914A JP11148457A JP14845799A JP2000334914A JP 2000334914 A JP2000334914 A JP 2000334914A JP 11148457 A JP11148457 A JP 11148457A JP 14845799 A JP14845799 A JP 14845799A JP 2000334914 A JP2000334914 A JP 2000334914A
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JP11148457A
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Toyoo Okamoto
豊雄 岡本
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型、コンパクト、低価格で多色印刷が可能な
印刷装置を実現すると共に、印刷用紙へのインク転写性
能や、転写後の用紙の分離性能を向上する。 【解決手段】本発明の印刷装置は、周面に印刷用版1B
が巻装された複数の印刷用版ドラム1Aと、各版ドラム
に印刷インクを供給する現像装置3と、各版ドラムから
印刷すべきインクを転写され受容する転写材を有する中
間転写装置4と、上記転写材に転写されたインクを印刷
用紙に転写する用紙転写装置5と、該用紙転写装置に印
刷用紙を供給する印刷用紙供給装置7と、印刷終了後に
上記転写材をクリーニングするクリーニング装置6を基
本構成として備え、上記中間転写装置の転写材は転写ベ
ルト4−1からなり、且つ中間転写装置内に上記転写ベ
ルトを駆動する駆動ローラ4−7を有し、上記版ドラム
から転写ベルトに転写されたインクは、上記駆動ローラ
の位置で印刷用紙Sに転写されるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷装置に関し、さ
らに詳しくは、感熱性撥水性印刷用版を巻装した版ドラ
ムと中間転写装置を用いて単色や多色刷り印刷、フルカ
ラー印刷を行うことができる印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一枚の原稿から大量の画像形成が
行える装置として印刷装置があり、この印刷装置にはオ
フセット印刷や孔版印刷などの方式がある。一般にオフ
セット印刷等の印刷技術では、版ドラムに巻装された印
刷用版を被印刷物に押し付け、この圧力により版面上の
色材を被印刷物に付着転移させる機構が用いられてい
る。また、孔版印刷では、上記機械的圧力を利用してイ
ンクを被印刷物面に向け押し出すようになっている。そ
して印刷には単色印刷、多色印刷、フルカラー印刷があ
り、多色やフルカラー印刷の場合には、色重ね処理が必
要となる。
【0003】従来、カラー印刷を行う場合の方式とし
て、印刷用版を版ドラムの外部近傍の版供給装置から版
ドラムに給版搬送し、版ドラムに巻き付けて印刷する際
に、ブランケットドラムの上にインクを色重ねして用紙
に転写する方式(例えば、特公平3−71983号公
報)や、印刷用版としてシリコン系の薄膜を基体ベース
に塗布した版を使い、版はオフセット印刷機の版胴内部
に収納し、必要に応じて版胴の周面に巻き出してレーザ
光線で印刷データを書き込んだ後、この版を用いてオフ
セット印刷する方式がある。これらの方式に用いられる
版としては、撥水性を有するものが一例として用いら
れ、版のクリーニングに際しては、印刷工による手作業
によってインクの拭き取りが行われている。
【0004】ところで、従来の印刷装置は、ドラムの組
み合わせであるために装置が比較的大型となる。このた
め、専用の印刷所などに設置されることが多く、オフィ
ス等の比較的狭い場所での設置が困難な場合が多い。例
えば、オフセット印刷装置の場合では、版胴、ブランケ
ット胴及び圧胴の組み合わせが必要であるので、フルカ
ラー印刷の場合、上記3胴の組み合わせを色分解数に応
じた数だけ準備する構成となることから、1色を対象と
するオフセット印刷部の構成に対してかなりの設置面積
が必要となる。さらにオフセット印刷の際の作業である
印刷用版のセッティング、インクの調合や印刷用紙の供
給及び色合わせ調整などの作業は熟練を要するために専
任のオペレータ、いわゆる印刷工が手作業で行うことが
多い。印刷工は、このような作業の他に、印刷後の印刷
機の清掃や各胴のクリーニングなどの作業も手作業で行
うことから、このような熟練がない事務員などによる印
刷は殆ど行えないのが現状である。しかも、印刷機自体
も数百万から数千万という大変高価であり、専門の印刷
所などでしか購入できないことが多い。
【0005】さらに印刷コストの面でいうと、印刷用版
はPS版と称される版が最も多用されているものの、高
価なために印刷枚数が数千単位でないと印刷コストの点
で割に合わないことから、一般のユーザが簡単に入手す
ることができず、このことからも上述したように印刷所
などの印刷を専門とする職種に限定されるのが現状であ
る。また、印刷のための作業環境においても、インクが
独特の臭いがすることや、このインクの除去、清掃に用
いられる揮発溶剤の臭いも悪臭であることから、このイ
ンクを取り扱う環境が作業者にとって極めて悪く、作業
が苦痛となることからも一般のオフィスに設置すること
が困難である。
【0006】一方、孔版印刷機は、操作が簡便で低価
格、つまり印刷機自体の価格は数百万円であるが、消耗
品である孔版の値段が極めて低価格であるので維持コス
トが低い。しかし、孔版印刷装置は、フルカラー印刷を
行うことができず、単色印刷の場合にも穿孔を介したイ
ンクの滲みを印刷方式としている関係上、印刷品質に関
してはオフセット印刷に比べて劣ることが原因して簡易
印刷等に限られてしまい、本格的な印刷装置、つまり、
画質が高く、カラー印刷も行える装置としては用いられ
ていないのが現状である。
【0007】また、粘着性の印刷インクを利用する通常
のカラー印刷機では、複数の印刷ユニットを備え、各色
のインクに対応する印刷ユニットは個別に各色のインク
画像を版ドラムに作成し、版ドラムからのインクは個別
の転写ブランケットドラムの胴部に転写し、その転写ブ
ランケットドラム上の各色インク画像を、印刷用紙に順
次重ねて転写してカラー画像を印刷するという方式が通
例であるため、版ドラムと転写ブランケットドラムを有
する印刷ユニットを複数必要とし(フルカラーではY
(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),Bk
(ブラック)の各色のインク用に4つの印刷ユニットが
必要)、装置の大型化、高価格化の原因となっている。
また、上記のように印刷用紙上で各色のインク画像を重
ねる方式では、複数色の重ね合わせの精度は、印刷用紙
の搬送精度や紙の伸び縮みに左右されてしまうので、色
ズレの発生等に対して不安定である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したオ
フセット印刷機、孔版印刷機などの印刷分野で、性能、
機械価格、簡便操作性などの課題を解決することを目的
としている。より詳しく述べると、本発明は上述の従来
の印刷機が長年解決できていない問題点の一部を解決す
るために提供されるものであり、感熱性撥水性印刷用版
を利用し、その版の特徴を最大限発揮できる印刷装置を
提供するものである。この感熱性撥水性印刷用版は撥水
性を有する材料からなり、加熱されたところの撥水性が
材料から失われ、撥水性の逆、すなわち親水性に変わる
性質を有しており、サーマルヘッド等の書き込み装置に
より簡易に書き込みを行うことができる。また、感熱性
撥水性印刷用版は大変低価格で孔版に匹敵するほどであ
るため、印刷コストが低く、少部数から印刷が可能であ
る。
【0009】従って本発明は、上記の特徴を有する感熱
性撥水性印刷用版を利用し、簡便操作性で低価格であ
り、且つ小型、コンパクトになるように構成した多色印
刷可能な印刷装置を提供することを目的としている。そ
して本発明では、印刷用版に形成される複数の種類のイ
ンクが順次重ねて転写される転写材を有し、転写材上で
カラー画像化された粘着性インク画像を一度に印刷用紙
に転写する新規な構成の中間転写装置を備えた印刷装置
を提供し、カラー印刷を行う印刷装置の機械価格の低
減、機械の小型、コンパックト化を図ることを目的とし
ている。
【0010】さらに本発明は、印刷装置の重要な部分で
ある中間転写装置から印刷用紙への転写部の構成、及び
中間転写装置から印刷用紙の分離を行う部分の新規な構
成を提供し、印刷用紙への転写性能の向上と印刷用紙の
分離性能の向上を図り、性能の安定した信頼性の高い印
刷装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、周面に印刷用版が巻装され
た複数の印刷用版ドラムと、各版ドラムに印刷インクを
供給する現像装置と、各版ドラムから印刷すべきインク
を転写され受容する転写材を有する中間転写装置と、上
記転写材に転写されたインクを印刷用紙に転写する用紙
転写装置と、該用紙転写装置に印刷用紙を供給する印刷
用紙供給装置と、印刷終了後に上記転写材をクリーニン
グするクリーニング装置を基本構成として備えた印刷装
置において、上記中間転写装置の転写材はベルト状部材
(以下、転写ベルトと言う)からなり、且つ中間転写装
置内に上記転写ベルトを駆動する駆動ローラを有し、上
記版ドラムから転写ベルトに転写されたインクは、上記
駆動ローラの位置で印刷用紙に転写されるように構成し
たことを特徴としている。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1記載の印
刷装置において、上記用紙転写装置は、上記転写ベルト
が上記駆動ローラから最終的に離れる位置より上流側の
転写ベルト上の位置に印刷用紙を加圧し、上記転写ベル
ト上のインクを印刷用紙に転写させる転写ローラを有す
ることを特徴としている。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の印刷装置において、上記転写ベルトを駆動する駆
動ローラと上記転写ローラの接触加圧点での互いの接線
が、上記転写ベルトが駆動ローラから離れる位置のベル
ト搬送方向と離れる方向になるように転写ローラを加圧
することを特徴としている。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項1,2また
は3記載の印刷装置において、上記中間転写装置には印
刷用紙の分離を司る分離部分が駆動ローラと転写ローラ
の接触加圧点より下流近傍にあり、上記分離部分には、
駆動ローラまたは転写ローラより直径が小さい分離ロー
ラを配置したことを特徴としている。
【0015】請求項5に係る発明は、請求項4記載の印
刷装置において、転写ベルト駆動ローラと分離ローラと
を結ぶ転写ベルトの搬送方向に対して、上記分離ローラ
から離れていく転写ベルトのなす角度が90度以下の角
度となるように転写ベルトを分離ローラに対して搬送さ
せるように構成したことを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態を
示す印刷装置の概略構成図であり、感熱性撥水性印刷用
版を巻装した複数の版ドラムと中間転写装置を備えたフ
ルカラー対応の印刷装置の一例を示すものである。この
印刷装置は、印刷用版が巻装される印刷用版ドラム1A
とその版ドラム1Aに収納・保持される感熱性撥水性印
刷用版1Bからなる複数の版ドラム装置1と、印刷用版
1Bに印刷するデータを各版ドラム1A上で書き込む書
き込み装置2と、各版ドラム1A上の印刷用版1Bに印
刷インクを供給する現像装置3と、各版ドラム1A上の
印刷用版1Bに印刷されたインクが転写され一時的に受
容する転写ベルト4−1を持つ中間転写装置(以下、転
写ベルト装置と言う)4と、転写ベルト4−1に転写さ
れたインクを印刷用紙Sに転写する転写ローラ5Aを有
する用紙転写装置(以下、転写ローラ装置と言う)5
と、転写ローラ装置5に印刷用紙Sを供給する印刷用紙
供給装置7と、印刷用紙Sに転写された印刷インクを定
着する定着装置9と、定着後の印刷用紙Sを排出する排
紙装置10と、排出された印刷用紙Sを受ける排紙受け
装置11と、印刷終了後に転写ベルト4−1をクリーニ
ングするクリーニング装置6などを備えている。また、
この構成例では、転写ベルト装置4を印刷装置本体の中
央に一つ配置し、複数の版ドラム装置1を転写ベルト装
置4の転写ベルト4−1にそれぞれ対応配置し、各版ド
ラム1Aに対し現像装置3をそれぞれ配置し、書き込み
装置2は各版ドラム1Aの略上部近傍にそれぞれ配置
し、印刷装置本体の下部には印刷用紙Sの搬送ルートを
形成し、該搬送ルートに、印刷用紙供給装置7、転写ロ
ーラ装置5、搬送装置8、定着装置9、排紙装置10、
排紙受け装置11などを順次配置している。
【0017】図1に示す構成では、従来の印刷機におけ
る問題点の幾つかを解決するため、最も有効にまたは合
理的に各装置ユニットを配置したものである。そして、
装置全体を小型・コンパクト化するために、中間転写装
置を転写ベルト4−1を用いた転写ベルト装置4にして
縦長になるように構成し、その転写ベルト装置4を印刷
装置のほぼ中央に配置し、複数の版ドラム装置1を転写
ベルト装置4の転写ベルト4−1にそれぞれ対応配置し
ていることにより、小型・コンパクト化、省スペース化
が達成できる。
【0018】さらに図1の構成では、小型化とコスト低
減のために印刷用版1Bを版ドラム1Aの中に収納・保
持している。これは版ドラムの外部に別に版供給装置を
設けてもよいのだが、図1の構成のように印刷用版1B
を版ドラム1Aの中に収納することにより、一般の印刷
用版を版ドラムの外部から供給するタイプの印刷装置、
例えば孔版印刷機や水無し枚葉印刷機などに用いられて
いる版の収納スペースや版の供給装置や排版装置などが
不要となるなど、本構成は遥かに小型化やコスト低減化
に有利である。また転写ベルト装置4と印刷用版1Bと
版ドラム1Aを有する装置全体でのさらなる小型化とコ
スト低減化を図り、性能上も有利になるように、印刷用
版1Bと版ドラム1Aを備えた版ドラム装置1を転写ベ
ルト4−1の左右に対称に配置し、左右共通の構成とな
し、全体をバランスよく合理的に配置している。
【0019】また、図1の構成では、印刷用紙Sのスム
ーズな搬送のためと、なるべく印刷用紙のジャムなどを
低減するためと、転写ベルトの有効な性能手段としての
曲率分離性能を有効に利用して大がかりな分離装置を排
除するためと、また印刷用紙の搬送路を用紙供給から転
写、定着、排紙までをほぼ直線的に構成するようにする
ために、印刷装置本体の下部に印刷用紙Sの搬送ルート
を直線的に形成し、該搬送ルートに、印刷用紙供給装置
7、転写ローラ装置5、搬送装置8、定着装置9、排紙
装置10、排紙受け装置11などを順次配置している。
【0020】以上のように、図1に示す構成の印刷装置
では、版ドラム装置1、書き込み装置2、並びに現像装
置3等は、転写ベルト4−1に対して左右対称に配置し
且つ構成の共通化を図り、装置の小型・コンパクト化、
低コスト化を図ると共に、印刷用紙の搬送のために、印
刷装置本体の下部に印刷用紙Sの搬送ルートを形成し、
用紙供給から転写、定着、排紙までをほぼ直線的に構成
したので、印刷用紙の搬送のためにも安定した性能を確
保できる。
【0021】尚、図1に示すような印刷装置の配置構成
にすることにより上記のような効果が得られるが、本発
明に係る印刷装置はこの構成に限るものではなく、転写
ベルトの片側に全ての版ドラムを直線的に配置し転写ベ
ルトを縦長に配置する構成や、転写ベルトを横長に配置
し、転写ベルトの上に版ドラムを並設する構成等とする
こともでき、種々の配置構成とすることができる。
【0022】次に図1に示す印刷装置の各部の構成につ
いて述べる。まず、フルカラー印刷の各色に対応する各
版ドラム装置1の版ドラム1A内には、未使用の感熱性
撥水性印刷用版1Bが巻き付けられている版供給ロール
1B−1と、使用済みの版を巻き取る巻き取りロール1
B−2から構成される版供給機構が収納されており、版
供給ロール1B−1から送り出された版の未使用部分
は、版ドラム1Aのスリット状の開口から外部に出て版
ドラム1Aの外周に巻き付けられて保持され、印刷終了
後は、版の使用済部分が版ドラム1Aのスリット状の開
口から版ドラム内に戻り、巻き取りロール1B−2にて
巻き取られる構成となっている。従って版供給は、版ド
ラム1A内部に収納された版供給機構により新しい版が
自動で版ドラム表面に供給され、印刷終了後は使用済み
部分の版が自動で版ドラム内に巻き取られて、次の新し
い版が版ドラム表面に供給されるようになっている
【0023】この印刷用版1B並びに版ドラム1Aは図
1から明らかなように、フルカラー印刷の基本色(プロ
セス色)の分だけ、例えばイエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)の各色のインクに対応する分だけ
用意されており、さらに文字や墨入れなどのための黒
(Bk)インクのためにもう一つの版と版ドラムがあ
り、全部で4色分の版と版ドラム、並びに後述の現像装
置を具備している。
【0024】各版ドラム装置1にそれぞれ設けられた書
き込み装置2は、版ドラム1Aの上に上下昇降できるよ
うに構成されたサーマルヘッド(感熱書き込み装置)で
あり、版ドラム1Aに巻き付けられた印刷用版1Bに印
刷用のデータを書き込む時に下降し版ドラムに接触して
データを書き込み、その後上昇して待機している装置で
ある。ここで、感熱性撥水性印刷用版1Bは撥水性を有
する材料からなり、加熱されたところの撥水性が材料の
特性から失われ、撥水性の逆、すなわち親水性に変わる
性質を有しており、サーマルヘッドからなる感熱書き込
み装置2により簡易に書き込みを行うことができる。よ
り具体的に述べると、印刷用版1Bとしては例えば本出
願人が先に提案した(特開平3−178478号公報)
感熱性撥水性印刷用版が用いられており、この感熱性撥
水性印刷用版1Bは、ポリエチレン・テレフタレート
(PET)からなる基材上に含フッ素アクリレート材料
からなる撥水層を備え、サーマルヘッドなどの書き込み
装置によって印刷データに応じて書き込みが行われる
と、その書き込み内容に応じて親水部と撥水部とが形成
され、親水部にインクを付着させることができるように
なっている。尚、上記の例ではサーマルヘッドを用いた
書き込み装置の例を示したが、書き込み装置としてはこ
の他、レーザ光による書き込み装置等も用いることがで
きる。また、版ドラム1Aに印刷用版1Bを巻装してか
ら書き込む例を示したが、印刷用版に書き込んでから
(あるいは書き込みながら)版ドラムに巻き付けるなど
の方法も採用することが可能である。
【0025】各版ドラム装置1にそれぞれ設けられた現
像装置3は、版ドラム1A上で書き込み装置2により印
刷データを書き込まれた印刷用版1Bに対して各色(イ
エロー、マゼンタ、シアン、黒)の印刷インクを供給す
る装置である。この現像装置3は、現像ローラ3aと、
インク補充用のインクマガジン3eと、インクマガジン
3eから供給されたインクを現像ローラ3aとの間に溜
めるためのインク溜3dと、インク溜3dのインクを適
性の厚みに規制して現像ローラ3aに供給する現像ブレ
ード3cと、現像ローラ3a上で回転揺動し現像ブレー
ド通過後のインク層をより均一にならすならし揺動ロー
ラ3bなどから構成されている。そして適正な量のイン
クが現像ローラ3aに供給されると、現像装置3の現像
ローラ3aは版ドラム1Aに押しつけられ、印刷用版1
Bの前記に説明した印刷データを書き込んだ部分にイン
クが付着転移する。このように現像装置3から印刷用版
1Bの印刷データに該当するところにインクが転移する
ことにより、版ドラム1A上には印刷インクの画像がで
きるわけである。
【0026】本発明の特徴である転写ベルト装置4は、
既に述べたように各版ドラム1A上の版1Bに現像され
たインクが転写され一時的に受容するゴム製の転写ベル
ト4−1を持つ装置であり、転写ベルト4−1は駆動ロ
ーラや従動ローラ等の複数のローラに掛け渡されてい
る。この転写ベルト4−1により複数枚の印刷をするた
めには、転写ベルト4−1は各版ドラム1Aから繰り返
しインクの供給を受け、その都度転写ベルトから印刷用
紙にインクを転写するため、転写ベルト上の前回までの
インクが乗った位置に再度版ドラムが出会わなければな
らない。そのため、転写ベルトの周長は版ドラムの整数
倍の長さである必要がある。ここで図2は転写ベルト装
置の構成を示す概略構成図である。
【0027】転写ベルト4−1を構成するゴムは一般に
はニトリルゴムまたはウレタンゴムなどの材料でできた
物である。またその表面は、インクの版ドラム1Aから
の転移と印刷用紙へのインクの転移などを加味した表面
粗さが施されている。また、転写ベルト装置4の転写ベ
ルト4−1の内側には、各版ドラム1Aに対応する位置
に印刷時に転写ベルト4−1を版ドラム1Aに加圧し、
印刷終了時には転写ベルト4−1を版ドラム1Aから解
離させるプラテンローラ4−2が設けられており、版ド
ラム1Aにインク画像ができた後、転写ベルト4−1内
のその画像のできた版ドラム1Aに該当するところのプ
ラテンローラ4−2が版ドラム1Aに転写ベルト4−1
を押し当てるように加圧し、版ドラム1A上のインク画
像を転写ベルト4−1に転移させる。
【0028】転写ベルト装置4の各プラテンローラ部分
には、プラテンローラ4−2と、そのプラテンローラ4
−2を版ドラム1Aに対して選択的に加圧する加圧機構
とを備えており、加圧機構は、転写ベルト装置の側板等
に固定された軸4−3に揺動自在に軸支され一端側でプ
ラテンローラ4−2を軸支するレバー4−4と、該レバ
ー4−4の他端側に軸支され選択加圧される際にカムが
当接されるカムフォロアー4−5と、該カムフォロアー
4−5に当接しレバー4−4を介してプラテンローラ4
−2を版ドラム1Aに対して選択加圧するためのカム4
−6などから構成されている(尚、カムを回転するモー
タ等の駆動装置の図示は省略する)。このプラテンロー
ラ4−2と加圧機構は各版ドラム1Aに該当する位置に
それぞれ設けられており、図1,2に示す例は、全部で
4組のプラテンローラ4−2とその加圧機構を備えた転
写ベルト装置4の例である。
【0029】版ドラム1A上にインクによる画像が形成
されると、前述したようにプラテンローラ4−2とその
加圧機構の作用で転写ベルト4−1がインクの載った版
に押し付けられるから当然インクは転写ベルト4−1に
転移する。そのようにして必要な色のインク画像の形成
及び転移が各版ドラム部分で行われる。図1の印刷装置
では、4つの版ドラム1Aに対してカラー印刷などに必
要なイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のインクが
用意されているので、4つの版ドラム上にイエロー、マ
ゼンタ、シアン、黒の各色のインク画像を形成した後、
転写ベルト4−1の同じ位置に重ね合わせて転移させれ
ばフルカラー印刷が可能となる。また、4つの版ドラム
から特定のものを選択すれば、1色刷り、2色刷り、3
色刷り等の選択印刷や特色印刷が可能となる。各版ドラ
ムからのインクが転移した転写ベルト4−1は、転写ベ
ルト装置4の最下端部分に搬送されてきて、転写ローラ
装置5により印刷用紙Sと合わされ、最終的に印刷用紙
S上にインクが転移される。
【0030】さて、転写ベルト装置4のその他の重要な
構成部分は、転写ベルト4−1を駆動する駆動ローラ4
−7と、転写ベルト4−1に張力を与えているテールロ
ーラ4−8であり、転写ベルト装置4の最下端部分に位
置するベルト駆動ローラ4−7の直下には、図1,2に
示すように、転写ベルト4−1と共に印刷用紙Sを圧着
搬送する転写ローラ装置5の転写ローラ5Aが配設され
ている。
【0031】また、その他の重要な構成として、インク
転写後の印刷用紙Sが転写ベルト4−1に巻き付くのを
防止するために、転写ベルト4−1から印刷用紙を剥離
分離するための構成が必要である。従来の印刷機などで
は、転写ドラム等に機械的に転写前の紙を咥えさせて紙
搬送を行い転写後分離する装置とか、あるいは剥がし分
離爪などを備えた分離ドラムなどの方法が採られている
が、何れも高価で構成が複雑であり、不安定で紙ジャム
の原因にもなっている。
【0032】本構成の転写ベルト装置4ではそのような
ことの解決手段として、ベルトの特性を利用した曲率分
離部を転写ベルトの一部に備えたことが特徴の一つであ
る。すなわち図2に示すように、本構成の転写ベルト装
置4では、転写後の印刷用紙を分離する位置に、できる
限り小径の分離ローラ4−9を備えており、この分離ロ
ーラ4−9に掛けられたベルト部分の曲率が非常に小さ
くなるようにしている。このため印刷用紙Sは用紙自身
の腰の強さと、転写ベルト4−1の曲率が小さくなって
いる部分(分離ローラ4−9に掛けられた部分:分離
部)の作用により、ベルトに巻き付かずに自然に剥がれ
るように搬送され、自動的に印刷用紙は転写ベルト4−
1から剥離分離され、搬送装置8側に送られる。
【0033】また、図1に示す印刷装置において、転写
ベルト装置4の下部に対向して設置された転写ローラ装
置5は、転写ベルト4−1上の印刷インクを印刷用紙S
に加圧転写する転写ローラ5Aと、この転写ローラ5A
を転写ベルト4−1に対して接離する接離機構5B(転
写ローラ支持アーム、カム、スプリング等で構成され、
カムでアームを揺動してローラを接離させる機構)から
構成されている。そして転写ベルト4−1上の印刷イン
クが丁度真下に来るときに合わせて印刷用紙供給装置7
及びレジストローラ7Aにより印刷用紙Sが供給され、
そのときのタイミングに合わせて転写ローラ5Aが転写
ベルト4−1に接触され、印刷用紙Sを転写ベルト4−
1に加圧し且つ用紙を搬送し、転写ベルト4−1上の印
刷インクを印刷用紙Sに転写させる。
【0034】一方、前述のクリーニング装置6は、転写
ベルト4−1上の印刷インクが印刷用紙Sに転写され印
刷が完了した際に転写ベルト4−1を清掃する役目であ
り、次の印刷工程に備え、クリーニングローラ(あるい
はクリーニングブラシ)やクリーニングブレード等によ
り転写ベルト4−1上から前の印刷の残留インクを除去
しクリーニングする。
【0035】印刷用紙供給装置7は、印刷用紙Sの収納
部や給紙ローラ等からなり、印刷のタイミングに合わせ
て印刷用紙Sを転写部に向けて一枚づつ給紙する。搬送
装置8は図1の例では搬送ベルトからなり、印刷インク
が転写され転写ベルト4−1から分離された印刷用紙S
を次工程の定着装置9まで搬送する。定着装置9は印刷
用紙S上の生乾き状態のインクを紙に強固に定着する装
置であり、定着ローラ9Aと、該定着ローラ9Aに圧接
する加圧ローラ9Bとからなり、印刷インクの定着で
は、定着ローラ9Aは、印刷インクの溶剤を吸収する耐
油性のゴム(例えばシリコンゴーム、フッ素ゴム等)か
ら構成されるローラである。また、定着ローラの内部に
定着を促進するための熱源(電気ヒータ、ハロゲンラン
プ等)を設けると、より良好な定着となる。上記定着後
の印刷用紙Sは、一対のローラ等からなる排紙装置10
により機外に排出され、排出された印刷用紙Sは、印刷
装置本体側部に設置されている排紙受け装置11のトレ
イ上に排紙される。
【0036】以上、図1、図2に示す印刷装置及び転写
ベルト装置の構成について説明したが、このような構成
の印刷装置では、転写ベルト4−1は転写ベルト装置4
の中のどのローラ部分で駆動するかが重要である。本実
施例では図2の最下端のローラ4−7を転写ベルト4−
1の駆動ローラとしており、他端側の最上部になるロー
ラ4−8がベルトに張力を与えているテールローラであ
る。そして本実施例では、最下端のベルト駆動ローラ4
−7部分で転写ベルト上のインクを印刷用紙に転写する
ように構成している。このようにベルト駆動ローラ4−
7上で転写を行うには、必ず印刷用紙Sを転写ベルトに
加圧するための転写ローラ装置5が必要であり、印刷用
紙Sが搬送されてきたときに、転写ベルト4−1は、駆
動ローラ4−7と転写ローラ5Aに印刷用紙と共に挾ま
れた状態となり、転写ベルトの搬送上大変有利になる。
まず第1に、転写時に転写ベルト4−1の張力が変化し
ないので、安定したベルト搬送制御が可能となる。尚、
駆動ローラでないローラ部分で転写ローラを加圧するよ
うにすることも可能であるが、この場合には転写ローラ
の回転トルク負荷とか用紙搬送の負荷などが転写ローラ
を加圧した際に負荷変動となり、転写ベルトの安定した
搬送制御が大変難しくなる。そのため本発明では、転写
ベルトを駆動する駆動ローラ部分で印刷用紙にインクを
転写するように構成している。第2に転写ベルトの駆動
ローラ部分で転写するようにすると、転写ベルトはより
強く駆動ローラと転写ローラで挾まれて圧縮されるの
で、転写ベルト装置の難問であるベルトのスリップの無
い搬送を実現するのに大変有利になる。これもベルト搬
送にとっては有利に働くため、駆動ローラ部分で印刷用
紙にインクを転写することは重要である。
【0037】さて次に転写ローラ装置5の転写ローラ5
Aが転写ベルト装置4の駆動ローラ4−7部分で転写ベ
ルト4−1に加圧することは既に述べたが、どのように
どの部分で加圧するのが良いのかが問題である。転写ベ
ルト4−1は駆動ローラ4−7に対して少なくともロー
ラ中心から見て45度以上の巻き付けがあるのがスリッ
プなどの点で望ましい。本構成でも図2に示すようにお
およそそのような状態になっている。また、転写ベルト
4−1は駆動ローラ4−7に対してある程度の接触長さ
がある必要がある。当然、転写ローラ5Aによる加圧部
は、転写ベルト4−1と駆動ローラ4−7の接触部分が
一番良いように思われるが、必ずしもそうではない。印
刷用紙の転写ベルト4−1との接触長さを長くするた
め、ニップを稼ぐ方法もある。したがって、そのときの
印刷インクの状態や、駆動ローラ4−7の直径及びロー
ラの硬度、転写ローラ5Aの直径や加圧力、ローラの硬
さなどで最も良い状態の点を決定するのである。
【0038】次に本発明では、後述するが転写ベルト4
−1の特性を利用した分離性能を司る部分を転写後に作
り出している。そのため転写ベルト4−1の転写後の分
離の必要から十分な転写ベルト4−1の駆動ローラ4−
7への巻き付け角度を取れないのである。そのような状
況下で本発明では駆動ローラ4−7をゴムにして、ある
程度のゴム硬度にする。例えば駆動ローラのゴム硬度は
50度〜90度程度の硬度がよい。また、転写ローラ5
Aは金属のローラで実用化している。このような構成で
駆動ローラ4−7に転写ベルト4−1が接触している部
分に転写ローラ5Aを加圧すると、転写ローラ5Aは転
写ベルト4−1を挾んで駆動ローラ4−7に食い込む状
態になる(この状態を図3に示す)。そして、このよう
な条件の時に印刷用紙が転写ベルト4−1と共に駆動ロ
ーラ4−7と転写ローラ5Aのニップ部に挾まった場
合、印刷用紙は転写ベルト4−1から分離するような方
向(図3の用紙分離方向)に搬送される。
【0039】従って本発明では用紙分離のことも加味
し、また転写ベルト4−1の駆動ローラ4−7との接触
長さを十分に取れない場合の転写ベルトの駆動ローラと
のスリップ防止なども加味して、転写ベルト4−1が駆
動ローラ4−7と接する位置で印刷用紙にインクを転写
するように構成した。さらに言えば、転写ベルト4−1
が駆動ローラ4−7から離れる点よりも上流の位置で転
写ローラ5Aを加圧するようになした点が特徴である。
【0040】さて印刷用紙の最終的な転写ベルト4−1
からの分離の点であるが、インク転写後の印刷用紙はイ
ンクの粘性により転写ベルト4−1に強固に張り付いて
いる。通常のオフセット印刷機等では、この状態で印刷
用紙を転写ドラム等から分離するには、インク転写前か
ら印刷用紙を転写ドラムに設けたグリッパ装置の咥え爪
で掴んで離さないようにし、転写後に分離爪を内蔵する
分離ドラムで分離する等のかなり大掛かりな装置が必要
であった。
【0041】そこで本発明では、図3に示すように、第
一段で前述の転写ローラ5Aをベルト駆動ローラ4−7
に食い込ませるように構成し、印刷後の印刷用紙が少し
でも転写ベルト4−1から離れるようになしている。次
に第2段として、転写ベルト4−1を挾んで転写ローラ
5Aと駆動ローラ4−7とが接する点の接線が、転写後
の転写ベルト4−1の搬送方向から離れるように加圧し
ている点である。このように加圧すると、印刷用紙は転
写ベルト4−1から離れるような方向にさらに搬送され
る。そして本発明では、最終的には転写ベルト4−1の
最大の特徴を生かして、図1〜3からも判るように、転
写後の転写ベルト4−1の搬送方向を急角度で印刷用紙
から離すように搬送する部分を設けた構成にした点が最
も転写ベルト装置4のユニークな点であり有利な点でも
ある。
【0042】本発明では、この転写ベルト4−1の搬送
方向を急角度で変える部分を分離部と称するが、この分
離部の構成を最適にするには幾つかの要点が有ることが
判った。まず分離部には転写ベルト4−1を急角度で搬
送して曲率分離を行うため、前述したようにその分離部
に出来る限り小径の分離ローラ4−9を設けることが望
ましい。これは転写ベルト4−1の厚みや強さなどでも
小径ローラの直径を加味する必要があるが、少なくとも
ベルト駆動ローラ4−7よりも直径が小さくないと分離
性能が劣ってしまう。しかも転写ベルト4−1は分離部
において、駆動ローラ4−7と分離ローラ4−9を結ぶ
ベルト搬送方向に対して、90度以下の急角度で印刷用
紙から離すように搬送しないと曲率分離の効果がでな
い。
【0043】しかしながら、このような急角度で転写ベ
ルト4−1を搬送すると様々な副作用が発生するので、
それらを克服する必要がある。まず、転写ベルト4−1
の屈曲疲労による寿命の低下や極端なベルト搬送の負荷
の増大、異音の発生等々である。印刷に用いる転写ベル
トは通常でも搬送速度が1000mm/sec程度にな
る。そのような高速のベルトに小径のローラが追従回転
すると、例えば直径φ10mm程度のローラだと、 1000/(π×φ10)=1910(rpm) となる。これは相当の高速回転するローラであるから、
その軸受け構造や発熱の処理などが対処できなければ実
現できない。従って、分離ローラ4−9はこの点も考慮
して設計、配置せねばならない。
【0044】ところで図1,2に示すように転写ベルト
4−1を駆動ローラ4−7で走行させる構成の場合、転
写ベルト4−1が蛇行したり、転写ベルトとベルト駆動
ローラとの間の滑りによりスリップが生じるという問題
が避けられない。しかも本発明に係る転写ベルトは、イ
ンク画像の中間転写体としての機能を受け持つため、画
像の最小単位である画素の大きさ(約50μm)程度の
精度が、ベルト走行方向と横方向(ベルトの幅方向)と
も駆動時に必要な精度になる。
【0045】そこで図1,2に示す構成の転写ベルト装
置4では、ベルトの走行方向と横方向ともに駆動制御が
できるように構成してある。例えば、ベルト横方向の蛇
行制御には、ベルトの蛇行を抑える方向にテールローラ
4−8の軸をモータ等(図示せず)により傾けるような
制御をしている。また、ベルトの走行方向では、ベルト
駆動ローラ4−7に直結した別途のモータ(図示せず)
により走行速度を制御するようになっている。そしてこ
れらの制御のためには、ベルトの走行方向と横方向の位
置を電気的に検出する必要がある。そのため転写ベルト
装置4は、図4に示すように、転写ベルト4−1の有無
の検知や転写ベルト4−1の搬送速度、搬送量などを電
気的に検知・制御するための電気センサー4−13を備
えており、転写ベルト4−1の端部には、その電気セン
サー4−13による検知に必要な何らかの検知部、例え
ば小穴4−10、もしくは反射材またはマーカ4−1
1、あるいは切り欠き部4−12などのいずれかが設け
られている。そして、転写ベルト4−1の駆動時には、
これらの検知部を電気センサー4−13で検知してベル
ト横方向の蛇行制御や、ベルト走行方向の速度制御が行
われるので、色ずれや位置ずれのない良好な転写画像を
得ることができる。尚、電気センサー4−13として
は、発光素子と受光素子とからなる透過型や反射型の構
成にして上記検知部を光を利用して検知して光電変換に
より電気信号に変換するものや、検知部の通過を静電容
量の変化として検知するもの、あるいは検知部のマーカ
に磁性体を利用し、磁気的に検知して電気信号に変換す
るもの等、種々のものが利用できる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の印
刷装置においては、周面に印刷用版が巻装された複数の
印刷用版ドラムと、各版ドラムに印刷インクを供給する
現像装置と、各版ドラムから印刷すべきインクを転写さ
れ受容する転写材を有する中間転写装置と、上記転写材
に転写されたインクを印刷用紙に転写する用紙転写装置
と、該用紙転写装置に印刷用紙を供給する印刷用紙供給
装置と、印刷終了後に上記転写材をクリーニングするク
リーニング装置を基本構成として備えているので、従来
のオフセット印刷機などから比べて小型、コンパクトで
低価格な印刷装置を提供することができる。そして本発
明の印刷装置においては、上記中間転写装置の転写材は
転写ベルトからなり、且つ中間転写装置内に上記転写ベ
ルトを駆動する駆動ローラを有し、上記版ドラムから転
写ベルトに転写されたインクは、上記駆動ローラの位置
で印刷用紙に転写されるように構成したことにより、転
写ベルトの搬送が最も安定している位置で印刷用紙への
インク転写を行うことができ、印刷画像品質の向上を図
ることができる。
【0047】請求項2記載の印刷装置においては、請求
項1の構成に加えて、上記用紙転写装置は、上記転写ベ
ルトが上記駆動ローラから最終的に離れる位置より上流
側の転写ベルト上の位置に印刷用紙を加圧し、上記転写
ベルト上のインクを印刷用紙に転写させる転写ローラを
有することにより、印刷用紙への転写部では、駆動ロー
ラと転写ローラのニップ部において転写ベルトと印刷用
紙を挾持して搬送しながら転写を行うことになるので、
転写ベルトや用紙のスリップの無い安定した搬送状態で
印刷用紙への転写を行うことができ、印刷画像品質の向
上を図ることができる。
【0048】請求項3記載の印刷装置においては、請求
項1または2の構成に加えて、上記転写ベルトを駆動す
る駆動ローラと上記転写ローラの接触加圧点での互いの
接線が、上記転写ベルトが駆動ローラから離れる位置の
ベルト搬送方向と離れる方向になるように転写ローラを
加圧することにより、インク転写後の印刷用紙を転写ベ
ルトから分離し易くなるので、印刷用紙が転写ベルトに
張り付くことを防止することができる。
【0049】請求項4記載の印刷装置においては、請求
項1,2または3の構成に加えて、上記中間転写装置に
は印刷用紙の分離を司る分離部分が駆動ローラと転写ロ
ーラの接触加圧点より下流近傍にあり、上記分離部分に
は、駆動ローラまたは転写ローラより直径が小さい分離
ローラを配置したことにより、印刷用紙は用紙自身の腰
の強さと、分離ローラの位置における転写ベルトの曲率
が小さくなっている部分の作用により、ベルトに巻き付
かずに自然に剥がれるように搬送されるので、従来の印
刷機で用いられていた分離爪や分離ドラム等の特別な分
離装置を必要とせずに印刷用紙の分離を行うことがで
き、印刷装置のより低価格化を図ることができる。
【0050】請求項5記載の印刷装置においては、請求
項4の構成に加えて、転写ベルト駆動ローラと分離ロー
ラとを結ぶ転写ベルトの搬送方向に対して、上記分離ロ
ーラから離れていく転写ベルトのなす角度が90度以下
の角度となるように転写ベルトを分離ローラに対して搬
送させるように構成したことにより、分離部における分
離性能をいっそう向上することができ、印刷用紙の分離
搬送をより確実に行うことができ、信頼性の高い印刷装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す印刷装置の概略構成
図である。
【図2】図1に示す印刷装置に具備される中間転写装置
(転写ベルト装置)の概略構成図である。
【図3】図2に示す中間転写装置(転写ベルト装置)の
駆動ローラと転写ローラの加圧部を拡大して示す概略要
部構成図である。
【図4】図2に示す中間転写装置の転写ベルトと、電気
センサー及び検知部の概要を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:版ドラム装置 1A:版ドラム 1B:印刷用版 1B−1:版供給ロール 1B−2:巻き取りロール 2:書き込み装置 3:現像装置 4:転写ベルト装置(中間転写装置) 4−1:転写ベルト(転写材) 4−2:プラテンローラ 4−3:軸 4−4:レバー 4−5:カムフォロアー 4−6:カム 4−7:ベルト駆動ローラ 4−8:テールローラ 4−9:分離ローラ 4−10:小穴 4−11:反射材またはマーカ 4−12:切り欠き部 4−13:電気センサー 5:転写ローラ装置(用紙転写装置) 5A:転写ローラ 5B:接離機構 6:転写ベルトのクリーニング装置 7:印刷用紙供給装置 8:搬送装置 9:定着装置 10:排紙装置 11:排紙受け装置 S:印刷用紙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周面に印刷用版が巻装された複数の印刷用
    版ドラムと、各版ドラムに印刷インクを供給する現像装
    置と、各版ドラムから印刷すべきインクを転写され受容
    する転写材を有する中間転写装置と、上記転写材に転写
    されたインクを印刷用紙に転写する用紙転写装置と、該
    用紙転写装置に印刷用紙を供給する印刷用紙供給装置
    と、印刷終了後に上記転写材をクリーニングするクリー
    ニング装置を基本構成として備えた印刷装置において、 上記中間転写装置の転写材はベルト状部材(以下、転写
    ベルトと言う)からなり、且つ中間転写装置内に上記転
    写ベルトを駆動する駆動ローラを有し、上記版ドラムか
    ら転写ベルトに転写されたインクは、上記駆動ローラの
    位置で印刷用紙に転写されるように構成したことを特徴
    とする印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の印刷装置において、上記用
    紙転写装置は、上記転写ベルトが上記駆動ローラから最
    終的に離れる位置より上流側の転写ベルト上の位置に印
    刷用紙を加圧し、上記転写ベルト上のインクを印刷用紙
    に転写させる転写ローラを有することを特徴とする印刷
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の印刷装置におい
    て、上記転写ベルトを駆動する駆動ローラと上記転写ロ
    ーラの接触加圧点での互いの接線が、上記転写ベルトが
    駆動ローラから離れる位置のベルト搬送方向と離れる方
    向になるように転写ローラを加圧することを特徴とする
    印刷装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3記載の印刷装置にお
    いて、上記中間転写装置には印刷用紙の分離を司る分離
    部分が駆動ローラと転写ローラの接触加圧点より下流近
    傍にあり、上記分離部分には、駆動ローラまたは転写ロ
    ーラより直径が小さい分離ローラを配置したことを特徴
    とする印刷装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の印刷装置において、転写ベ
    ルト駆動ローラと分離ローラとを結ぶ転写ベルトの搬送
    方向に対して、上記分離ローラから離れていく転写ベル
    トのなす角度が90度以下の角度となるように転写ベル
    トを分離ローラに対して搬送させるように構成したこと
    を特徴とする印刷装置。
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