JP3668056B2 - 印刷装置及び現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷装置に関し、さらに詳しくは、印刷用版を巻装した版ドラムと中間転写装置を用いて単色や多色刷り印刷、フルカラー印刷を行うことができる印刷装置、及びその印刷装置に具備される現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一枚の原稿から大量の画像形成が行える装置として印刷装置があり、この印刷装置にはオフセット印刷や孔版印刷などの方式がある。
一般にオフセット印刷等の印刷技術では、版ドラムに巻装された印刷用版を被印刷物に押し付け、この圧力により版面上の色材を被印刷物に付着転移させる機構が用いられている。また、孔版印刷では、上記機械的圧力を利用してインキを被印刷物面に向け押し出すようになっている。そして印刷には単色印刷、多色印刷、フルカラー印刷があり、多色やフルカラー印刷の場合には、色重ね処理が必要となる。
【0003】
従来、カラー印刷を行う場合の方式として、印刷用版を版ドラムの外部近傍の版供給装置から給版搬送して版ドラムに巻きつけ、この巻きつけられた版にインキング装置でインキングした後、ブランケットドラムの上にインキを色重ねして転写し、さらにブランケットドラムから用紙に転写する方式(例えば、特公平3−71983号公報)や、印刷用版としてシリコン系の薄膜を基体ベースに塗布した版を使い、版はオフセット印刷機の版胴内部に収納し、必要に応じて版胴の周面に巻き出してレーザ光線で印刷データを書き込んだ後、この版を用いてオフセット印刷する方式がある。これらの方式に用いられる版としては、撥水性を有するものが一例として用いられ、版のクリーニングに際しては、印刷工による手作業によってインキの拭き取りが行われている。
【0004】
ところで、従来の印刷装置は、ドラムの組み合わせであるために装置が比較的大型となる。このため、専用の印刷所などに設置されることが多く、オフィス等の比較的狭い場所での設置が困難な場合が多い。
例えば、オフセット印刷装置の場合では、版胴、ブランケット胴及び圧胴の組み合わせが必要であるので、フルカラー印刷の場合、上記3胴の組み合わせに各色のインキ供給装置を加えたものを、色分解数に応じた数だけ準備する構成となることから、1色を対象とするオフセット印刷部の構成に対してかなりの設置面積が必要となる。さらにオフセット印刷の際の作業である印刷用版のセッティング、インキの調合や印刷用紙の供給及び色合わせ調整などの作業は熟練を要するために専任のオペレータ、いわゆる印刷工が手作業で行うことが多い。印刷工は、このような作業の他に、印刷後の印刷機の清掃や各胴のクリーニングなどの作業も手作業で行うことから、このような熟練がない事務員などによる印刷は殆ど行えないのが現状である。しかも、印刷機自体も数百万から数千万円というように大変高価であり、専門の印刷所などでしか購入できないことが多い。
【0005】
さらに印刷コストの面でいうと、印刷用版はPS版と称される版が最も多用されているものの、高価なために印刷枚数が数千単位でないと印刷コストの点で割に合わないことから、一般のユーザが簡単に入手することができず、このことからも上述したように印刷所などの印刷を専門とする職種に限定されるのが現状である。
また、印刷のための作業環境においても、インキが独特の臭いがすることや、このインキの除去、清掃に用いられる揮発溶剤の臭いも悪臭であることから、このインキを取り扱う環境が作業者にとって極めて悪く、作業が苦痛となることからも一般のオフィスに設置することが困難である。
【0006】
一方、孔版印刷機は、操作が簡便で低価格、つまり印刷機自体の価格は数百万円であるが、消耗品である孔版の値段が極めて低価格であるので維持コストが低い。しかし、孔版印刷装置は、フルカラー印刷を行うことができず、単色印刷の場合にも穿孔を介したインキの滲みを印刷方式としている関係上、印刷品質に関してはオフセット印刷に比べて劣ることが原因して簡易印刷等に限られてしまい、本格的な印刷装置、つまり、画質が高く、カラー印刷も行える装置としては用いられていないのが現状である。
【0007】
また、粘着性の印刷インキを利用する通常のカラー印刷機では、複数の印刷ユニットを備え、各色のインキに対応する印刷ユニットは個別に各色のインキ画像を版ドラムに作成し、版ドラムからのインキは個別の転写ブランケットドラムの胴部に転写し、その転写ブランケットドラム上の各色インキ画像を、印刷用紙に順次重ねて転写してカラー画像を印刷するという方式が通例であるため、版ドラムとインキング装置及び転写ブランケットドラムを有する印刷ユニットを複数必要とし(フルカラーではY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),Bk(ブラック)の各色のインキ用に4つの印刷ユニットが必要)、装置の大型化、高価格化の原因となっている。また、上記のように印刷用紙上で各色のインキ画像を重ねる方式では、複数色の重ね合わせの精度は、印刷用紙の搬送精度や紙の伸び縮みに左右されてしまうので、色ズレの発生等に対して不安定である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したオフセット印刷機、孔版印刷機などの印刷分野で、性能、機械価格、簡便操作性などの課題を解決することを目的としている。より詳しく述べると、本発明は上述の従来の印刷機が長年解決できていない問題点の一部を解決するために提供されるものであり、本出願人の先願(例えば、特開平3−178478号公報、特開平8−276663号公報)に係る感熱性撥水性印刷用版を利用し、その版の特徴を最大限発揮できる印刷装置を提供するものである。この感熱性撥水性印刷用版は撥水性を有する材料からなり、加熱されたところの撥水性が材料から失われ、撥水性の逆、すなわち親水性に変わる性質を有しており、サーマルヘッド等の書き込み装置により簡易に潜像の書き込みを行うことができる。そして現像装置により版の潜像部にインキを付与して現像することにより簡易にインキ画像を形成することができる。また、感熱性撥水性印刷用版は大変低価格で孔版に匹敵するほどであるため、印刷コストが低く、少部数から印刷が可能である。
【0009】
従って本発明は、上記の特徴を有する感熱性撥水性印刷用版を用い、簡便操作性で低価格であり、且つ小型、コンパクトになるように構成した多色印刷可能な印刷装置を提供するものである。そして本発明では、印刷用版に形成される複数の種類のインキが順次重ねて転写される転写材を有し、転写材上でカラー画像化された粘着性インキ画像を一度に印刷用紙に転写する中間転写装置を備えた印刷装置を提供し、カラー印刷を行う印刷装置の機械価格の低減、機械の小型、コンパックト化を図るものである。
そして本発明では、このような新規な感熱性撥水性印刷用版を用いた印刷装置において、従来にない新規な現像機能を具体化した機構を提供することを目的とし、より詳しくは、小型でシンプルな構成で安価に製作することができる現像装置を備えた印刷装置を提供することを目的としている。
さらに本発明では、上記印刷装置に具備される小型でシンプルな現像装置の具体的な構成を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、周面に印刷用版が巻装された複数の印刷用版ドラムと、各版ドラムに印刷インキを供給する現像装置と、各版ドラムから印刷すべきインキを転写され受容する転写材を有する中間転写装置と、上記転写材に転写されたインキを印刷用紙に転写する用紙転写装置と、該用紙転写装置に印刷用紙を供給する印刷用紙供給装置と、印刷終了後に上記転写材をクリーニングするクリーニング装置を基本構成として備えた印刷装置において、上記印刷用版として感熱性撥水性印刷用版を用い、且つ、上記現像装置は、版ドラムに巻装された印刷用版に印刷インキを付与する現像ローラと、現像装置内で一時的にインキを溜めておき上記現像ローラにインキを供給するインキ溜め部と、該インキ溜め部から上記現像ローラに供給されたインキを適正厚みに整えるブレードと、該ブレードの下流に設けられ現像ローラ上のインキを均す揺動ローラと、上記インキ溜め部にインキを補充するインキマガジンとから主に構成され、上記インキマガジンは、上記インキ溜め部の上部に配置され、上記現像装置に着脱自在な構造を持つ構成としたものである。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の印刷装置に具備される現像装置であって、版ドラムに巻装された印刷用版に印刷インキを付与する現像ローラと、現像装置内で一時的にインキを溜めておき上記現像ローラにインキを供給するインキ溜め部と、該インキ溜め部から上記現像ローラに供給されたインキを適正厚みに整えるブレードと、該ブレードの下流に設けられ現像ローラ上のインキを均す揺動ローラと、上記インキ溜め部にインキを補充するインキマガジンとを現像ユニット内に備え、上記インキマガジンは上記インキ溜め部の上部に配置され、上記現像ユニットに着脱自在な構造を持つと共に、上記インキマガジンは、内部のインキを吐出する吐出口と、インキマガジン内部からインキを押し出す押し出し部材と、該押し出し部材の駆動系に設けられた部材でありインキマガジン外部から押し出し部材を駆動する駆動機構に係合する係合部材を備えた構成としたものである。
【0012】
さらに請求項3に係る発明は、請求項2記載の現像装置において、上記インキマガジンの吐出口には開閉自在の弁装置があり、該弁装置はインキの吐出時には駆動装置にて開放し、インキの吐出を行わないときは閉じるようになっている構成としたものである。
また請求項4に係る発明は、請求項2または3記載の現像装置において、上記インキマガジンには、該インキマガジンが現像ユニットに装着されたことを検知するユニット側のセンサーに感応する部材を有し、且つインキの種類を特定できるようにインキマガジンの種類を識別検知するセンサーに感応する部材を有する構成としたものである。
【0013】
さらに請求項5に係る発明は、請求項2,3または4記載の現像装置において、上記インキマガジンには内部のインキの残量が目視できるための透明な部材を嵌めた窓が有るか、あるいは上記インキマガジン自体が透明部材から形成されている構成としたものである。
また請求項6に係る発明は、請求項2,3,4または5記載の現像装置において、上記インキマガジンには、該インキマガジンを現像ユニットに挿入脱着するための取っ手部材、あるいは取っ手の機能を持つ形状が備わっている構成としたものである。
【0014】
さらに請求項7に係る発明は、請求項2,3,4,5または6記載の現像装置において、上記インキマガジンの内部からインキを押し出す押し出し部材は、インキマガジンの現像ユニットへの挿入方向と同じ長手方向の軸と、その軸の周りに回転自在なブレード部材などからなる構成としたものである。
また請求項8に係る発明は、請求項2,3,4,5,6または7記載の現像装置において、上記インキマガジンの吐出口は、該インキマガジンの長手方向に延びたスリット状の開口あるいは上記長手方向に配列された小穴などから形成された吐出口である構成としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す印刷装置の概略構成図であり、感熱性撥水性印刷用版を巻装した複数の版ドラムと現像装置及び中間転写装置等を備えたフルカラー対応の印刷装置の一例を示すものである。この印刷装置は、印刷用版が巻装される印刷用版ドラム1−1とその版ドラム1−1に収納・保持される感熱性撥水性印刷用版1−2からなる複数の版ドラム装置1と、印刷用版1−2に印刷するデータを各版ドラム1−1上で書き込む書き込み装置2と、各版ドラム1−1上の印刷用版1−2に印刷インキを供給する現像装置3と、各版ドラム1−1上の印刷用版1−2に印刷されたインキが転写され一時的に受容する転写ベルト4−1を持つ中間転写装置(以下、転写ベルト装置と言う)4と、転写ベルト4−1に転写されたインキを印刷用紙Sに転写する転写ローラ5Aを有する用紙転写装置(以下、転写ローラ装置と言う)5と、転写ローラ装置5に印刷用紙Sを供給する印刷用紙供給装置7と、印刷用紙Sに転写された印刷インキを定着する定着装置9と、定着後の印刷用紙Sを排出する排紙装置10と、排出された印刷用紙Sを受ける排紙受け装置11と、印刷終了後に転写ベルト4−1をクリーニングするクリーニング装置6などを備えている。
また、この構成例では、転写ベルト装置4を印刷装置本体の中央に一つ配置し、複数の版ドラム装置1を転写ベルト装置4の転写ベルト4−1にそれぞれ対応配置し、各版ドラム1−1に対し現像装置3をそれぞれ配置し、書き込み装置2は各版ドラム1−1の略上部近傍にそれぞれ配置し、印刷装置本体の下部には印刷用紙Sの搬送ルートを形成し、該搬送ルートに、印刷用紙供給装置7、転写ローラ装置5、搬送装置8、定着装置9、排紙装置10、排紙受け装置11などを順次配置している。
【0016】
図1に示す構成では、従来の印刷機における問題点の幾つかを解決するため、最も有効にまたは合理的に各装置ユニットを配置したものである。そして、装置全体を小型・コンパクト化するために、中間転写装置を転写ベルト4−1を用いた転写ベルト装置4にして縦長になるように構成し、その転写ベルト装置4を印刷装置のほぼ中央に配置し、複数の版ドラム装置1を転写ベルト装置4の転写ベルト4−1にそれぞれ対応配置していることにより、小型・コンパクト化、省スペース化が達成できる。
【0017】
さらに図1の構成では、小型化とコスト低減のために印刷用版1−2を版ドラム1−1の中に収納・保持している。これは版ドラムの外部に別に版供給装置を設けてもよいのだが、図1の構成のように印刷用版1−2を版ドラム1−1の中に収納することにより、一般の印刷用版を版ドラムの外部から供給するタイプの印刷装置、例えば孔版印刷機や水無し枚葉印刷機などに用いられている版の収納スペースや版の供給装置や排版装置などが不要となるなど、本構成は遥かに小型化やコスト低減化に有利である。また転写ベルト装置4と印刷用版1−2と版ドラム1−1を有する装置全体でのさらなる小型化とコスト低減化を図り、性能上も有利になるように、印刷用版1−2と版ドラム1−1を備えた版ドラム装置1を転写ベルト4−1の左右に対称に配置し、左右共通の構成となし、全体をバランスよく合理的に配置している。
【0018】
また、図1の構成では、印刷用紙Sのスムーズな搬送のためと、なるべく印刷用紙のジャムなどを低減するためと、転写ベルトの有効な性能手段としての曲率分離性能を有効に利用して大がかりな分離装置を排除するためと、また印刷用紙の搬送路を用紙供給から転写、定着、排紙までをほぼ直線的に構成するようにするために、印刷装置本体の下部に印刷用紙Sの搬送ルートを直線的に形成し、該搬送ルートに、印刷用紙供給装置7、転写ローラ装置5、搬送装置8、定着装置9、排紙装置10、排紙受け装置11などを順次配置している。
【0019】
以上のように、図1に示す構成の印刷装置では、版ドラム装置1、書き込み装置2、並びに現像装置3等は、転写ベルト4−1に対して左右対称に配置し且つ構成の共通化を図り、装置の小型・コンパクト化、低コスト化を図ると共に、印刷用紙の搬送のために、印刷装置本体の下部に印刷用紙Sの搬送ルートを形成し、用紙供給から転写、定着、排紙までをほぼ直線的に構成したので、印刷用紙の搬送のためにも安定した性能を確保できる。
【0020】
尚、図1に示すような印刷装置の配置構成にすることにより上記のような効果が得られるが、本発明に係る印刷装置はこの構成に限るものではなく、転写ベルトの片側に全ての版ドラムを直線的に配置し転写ベルトを縦長に配置する構成や、転写ベルトを横長に配置し、転写ベルトの上に版ドラムを並設する構成等とすることもでき、種々の配置構成とすることができる。
【0021】
次に図1に示す印刷装置の各部の構成について述べる。
まず、フルカラー印刷の各色に対応する各版ドラム装置1の版ドラム1−1内には、未使用の感熱性撥水性印刷用版1−2が巻き付けられている版供給ロール1−2−1と、使用済みの版を巻き取る巻き取りロール1−2−2から構成される版供給機構が収納されており、版供給ロール1−2−1から送り出された版の未使用部分は、版ドラム1−1のスリット状の開口から外部に出て版ドラム1−1の外周に巻き付けられて保持され、印刷終了後は、版の使用済部分が版ドラム1−1のスリット状の開口から版ドラム内に戻り、巻き取りロール1−2−2にて巻き取られる構成となっている。従って版供給は、版ドラム1−1内部に収納された版供給機構により新しい版が自動で版ドラム表面に供給され、印刷終了後は使用済み部分の版が自動で版ドラム内に巻き取られて、次の新しい版が版ドラム表面に供給されるようになっている
【0022】
この印刷用版1−2並びに版ドラム1−1は図1から明らかなように、フルカラー印刷の基本色(プロセス色)の分だけ、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のインキに対応する分だけ用意されており、さらに文字や墨入れなどのための黒(Bk)インキのためにもう一つの版と版ドラムがあり、全部で4色分の版と版ドラムを具備している。また、各版ドラム装置1に対応して後述する小型でコンパクトな構成の現像装置を配備している。
【0023】
各版ドラム装置1にそれぞれ設けられた書き込み装置2は、版ドラム1−1の上に上下昇降できるように構成されたサーマルヘッド(感熱書き込み装置)であり、版ドラム1−1に巻き付けられた印刷用版1−2に印刷用のデータを書き込む時に下降し版ドラムに接触してデータを書き込み、その後上昇して待機している装置である。
ここで、感熱性撥水性印刷用版1−2は撥水性を有する材料からなり、加熱されたところの撥水性が材料の特性から失われ、撥水性の逆、すなわち親水性に変わる性質を有しており、サーマルヘッドからなる感熱書き込み装置2により簡易に潜像の書き込みを行うことができる。より具体的に述べると、印刷用版1−2としては例えば本出願人が先に提案した(特開平3−178478号公報等)感熱性撥水性印刷用版が用いられており、この感熱性撥水性印刷用版1−2は、ポリエチレン・テレフタレート(PET)からなる基材上に含フッ素アクリレート材料からなる撥水層を備え、サーマルヘッドなどの書き込み装置2によって印刷データに応じて書き込みが行われると、その書き込み内容に応じて親水部と撥水部とが形成され、潜像となる親水部にインキを付着させることができるようになっている。尚、上記の例ではサーマルヘッドを用いた書き込み装置の例を示したが、書き込み装置としてはこの他、レーザ光による書き込み装置等も用いることができる。また、版ドラム1−1に印刷用版1−2を巻装してから書き込む例を示したが、印刷用版に書き込んでから(あるいは書き込みながら)版ドラムに巻き付けるなどの方法も採用することが可能である。
【0024】
各版ドラム装置1にそれぞれ設けられた現像装置3は、版ドラム1−1上で書き込み装置2により印刷データを書き込まれた印刷用版1−2に対して各色(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)の印刷インキを供給する装置である。この現像装置3は、版ドラム1−1上の版にインキを付与する現像ローラ3−3と、インキ補充用のインキマガジン3−1と、インキマガジン3−1から供給されたインキを現像ローラ3−3との間に溜めるためのインキ溜め部3−2と、インキ溜め部3−2から現像ローラ3−3に供給されたインキを適性の厚みに規制するブレード3−2−3と、現像ローラ3−3上で回転揺動しブレード3−2−3通過後のインキ層をより均一に均す揺動ローラ3−4などから主に構成されている。そして適正な量のインキが現像ローラ3−3に供給されると、現像装置3の現像ローラ3−3は版ドラム1−1に押しつけられ、印刷用版1−2の前記に説明した印刷データを書き込んだ潜像部分にインキが付着転移する。このように現像装置3から印刷用版1−2の印刷データに該当するところにインキが転移することにより、版ドラム1−1上には印刷インキの画像ができるわけである。本発明はこの現像装置3の構成に特徴を有するものであるが、現像装置3の構成や動作の詳細については後述する。
【0025】
転写ベルト装置4は、既に述べたように各版ドラム1−1上の版1−2に現像されたインキが転写され一時的に受容するゴム製の転写ベルト4−1を持つ装置であり、転写ベルト4−1は駆動ローラ4−3や従動ローラ等の複数のローラに掛け渡されている。この転写ベルト4−1により複数枚の印刷をするためには、転写ベルト4−1は各版ドラム1−1から繰り返しインキの供給を受け、その都度転写ベルトから印刷用紙にインキを転写するため、転写ベルト上の前回までのインキが乗った位置に再度版ドラムが出会わなければならない。そのため、転写ベルトの周長は版ドラムの整数倍の長さである必要がある。
【0026】
転写ベルト4−1を構成するゴムは一般にはニトリルゴムまたはウレタンゴムなどの材料でできた物である。またその表面は、インキの版ドラム1−1からの転移と印刷用紙へのインキの転移などを加味した表面粗さが施されている。また、転写ベルト装置4の転写ベルト4−1の内側には、各版ドラム1−1に対応する位置に印刷時に転写ベルト4−1を版ドラム1−1に加圧し、印刷終了時には転写ベルト4−1を版ドラム1−1から解離させるプラテンローラ4−2が設けられており、版ドラム1−1にインキ画像ができた後、転写ベルト4−1内のその画像のできた版ドラム1−1に該当するところのプラテンローラ4−2が版ドラム1−1に転写ベルト4−1を押し当てるように加圧し、版ドラム1−1上のインキ画像を転写ベルト4−1に転移させる。
【0027】
尚、転写ベルト装置4の各プラテンローラ部分には、プラテンローラ4−2と、そのプラテンローラ4−2を版ドラム1−1に対して選択的に加圧する図示しない加圧機構とを備えており、このプラテンローラ4−2と加圧機構は各版ドラム1−1に該当する位置にそれぞれ設けられている。
【0028】
版ドラム1−1上にインキによる画像が形成されると、前述したようにプラテンローラ4−2とその加圧機構の作用で転写ベルト4−1がインキの載った版に押し付けられるから当然インキは転写ベルト4−1に転移する。そのようにして必要な色のインキ画像の形成及び転移が各版ドラム部分で行われる。図1の印刷装置では、4つの版ドラム1−1に対してカラー印刷などに必要なイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のインキが用意されているので、4つの版ドラム上にイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のインキ画像を形成した後、転写ベルト4−1の同じ位置に重ね合わせて転移させればフルカラー印刷が可能となる。また、4つの版ドラムから特定のものを選択すれば、1色刷り、2色刷り、3色刷り等の選択印刷や特色印刷が可能となる。
各版ドラムからのインキが転移した転写ベルト4−1は、転写ベルト装置4の最下端部分に搬送されてきて、転写ローラ装置5により印刷用紙Sと合わされ、最終的に印刷用紙S上にインキが転移される。
【0029】
さて、転写ベルト装置4のその他の重要な構成部分は、転写ベルト4−1を駆動する駆動ローラ4−3と、転写ベルト4−1に張力を与えているテールローラ4−4であり、転写ベルト装置4の最下端部分に位置するベルト駆動ローラ4−3の直下には、図1に示すように、転写ベルト4−1と共に印刷用紙Sを圧着搬送する転写ローラ装置5の転写ローラ5Aが配設されている。
【0030】
また、その他の重要な構成として、インキ転写後の印刷用紙Sが転写ベルト4−1に巻き付くのを防止するために、転写ベルト4−1から印刷用紙を剥離分離するための構成が必要である。従来の印刷機などでは、転写ドラム等に機械的に転写前の紙を咥えさせて紙搬送を行い転写後分離する装置とか、あるいは剥がし分離爪などを備えた分離ドラムなどの方法が採られているが、何れも高価で構成が複雑であり、不安定で紙ジャムの原因にもなっている。
【0031】
本構成の転写ベルト装置4ではそのようなことの解決手段として、ベルトの特性を利用した曲率分離部を転写ベルトの一部に備えたことが特徴の一つである。すなわち図1に示す構成の転写ベルト装置4では、転写後の印刷用紙を分離する位置に、小径の分離ローラ4−5を備えており、この分離ローラ4−5に掛けられたベルト部分の曲率が非常に小さくなるようにしている。このため印刷用紙Sは用紙自身の腰の強さと、転写ベルト4−1の曲率が小さくなっている部分(分離ローラ4−5に掛けられた部分:分離部)の作用により、ベルトに巻き付かずに自然に剥がれるように搬送され、自動的に印刷用紙は転写ベルト4−1から剥離分離され、搬送装置8側に送られる。
【0032】
また、図1に示す印刷装置において、転写ベルト装置4の下部に対向して設置された転写ローラ装置5は、転写ベルト4−1上の印刷インキを印刷用紙Sに加圧転写する転写ローラ5Aと、この転写ローラ5Aを転写ベルト4−1に対して接離する接離機構5B(転写ローラ支持アーム、カム、スプリング等で構成され、カムでアームを揺動してローラを接離させる機構)から構成されている。そして転写ベルト4−1上の印刷インキが丁度真下に来るときに合わせて印刷用紙供給装置7及びレジストローラ7Aにより印刷用紙Sが供給され、そのときのタイミングに合わせて転写ローラ5Aが転写ベルト4−1に接触され、印刷用紙Sを転写ベルト4−1に加圧し且つ用紙を搬送し、転写ベルト4−1上の印刷インキを印刷用紙Sに転写させる。
【0033】
一方、前述のクリーニング装置6は、転写ベルト4−1上の印刷インキが印刷用紙Sに転写され印刷が完了した際に転写ベルト4−1を清掃する役目であり、次の印刷工程に備え、クリーニングローラ(あるいはクリーニングブラシ)やクリーニングブレード等により転写ベルト4−1上から前の印刷の残留インキを除去しクリーニングする。
【0034】
印刷用紙供給装置7は、印刷用紙Sの収納部や給紙ローラ等からなり、印刷のタイミングに合わせて印刷用紙Sを転写部に向けて一枚づつ給紙する。
搬送装置8は図1の例では搬送ベルトからなり、印刷インキが転写され転写ベルト4−1から分離された印刷用紙Sを次工程の定着装置9まで搬送する。
定着装置9は印刷用紙S上の生乾き状態のインキを紙に強固に定着する装置であり、定着ローラ9Aと、該定着ローラ9Aに圧接する加圧ローラ9Bとからなり、印刷インキの定着では、定着ローラ9Aは、印刷インキの溶剤を吸収する耐油性のゴム(例えばシリコンゴム、フッ素ゴム等)から構成されるローラである。また、定着ローラの内部に定着を促進するための熱源(電気ヒータ、ハロゲンランプ等)を設けると、より良好な定着となる。
上記定着後の印刷用紙Sは、一対のローラ等からなる排紙装置10により機外に排出され、排出された印刷用紙Sは、印刷装置本体側部に設置されている排紙受け装置11のトレイ上に排紙される。
【0035】
以上、本発明に係る印刷装置の一実施形態について図1を参照して説明したが、本発明の印刷装置はフルカラー印刷が可能な印刷装置で、フルカラーに必要な各色のプロセスインキを印刷する4つの同じような構成の印刷部を持つ印刷装置である。そして、その各印刷部で印刷用版を収容する版ドラム装置1は、本発明の先願でもある感熱性撥水性印刷用版を版ドラム内部に収容し、必要なときに新品に自動的に交換して使用済み部分を巻き取り、新規な版への交換を版ドラム部で自動的に行うことができるようになっている。このような版ドラムを用いる印刷装置では、従来はPS版を版ドラムに手動で巻き付け位置合わせなど全てを人手で行っていたので、印刷終了後は版の交換取り付けもまた大変な作業であり、印刷の作業効率を著しく非効率にしていた点であるが、本発明の印刷装置ではその点を格段に改善できるものである。そして本発明はこのような構成の印刷装置の中で特に版ドラム上の版に印刷インキを付与して潜像を現像する現像装置の構成に特徴を有するものであり、DTP用、OA用、または小規模印刷業用などを強く意識した印刷装置を形成するために最適な提案である。また本発明に係る現像装置は、印刷装置の小型化や、安価な印刷装置を開発するために有用であり、また、容易な操作のオペレーションなどのためにも有用である。
【0036】
以下、本発明に係る現像装置の具体的な構成、動作及び作用効果について詳細に説明する。図2は本発明に係る現像装置の一例を示す概略構成図である。
この現像装置3は主に、版ドラムに巻装された印刷用版に印刷インキを付与するための現像ローラ3−3と、現像装置内で一時的にインキを溜めておき上記現像ローラ3−3にインキを供給する箱状のインキ溜め部3−2と、このインキ溜め部3−2から現像ローラ3−3に供給されたインキを適正厚みに整えるブレード3−2−3と、このブレード3−2−3の下流に設けられ現像ローラ上のインキを均す揺動ローラ3−4と、上記インキ溜め部3−2にインキを補充するインキマガジン3−1とを一つの現像ユニット3−5内に備えている。そして、インキマガジン3−1はインキ溜め部3−2の上部に配置し、インキ溜め部3−2は現像ローラ3−3の上半分の上部に配置し、ブレード3−2−3はインキ流れ方向から見てインキ溜め部3−2の下流側に配置し、揺動ローラ3−4はインキ流れ方向から見てブレード3−2−3の下流の現像ローラ上に配置してある。
【0037】
通常のオフセット印刷機などで版ドラムにインキの供給を行う部分では、インキの補充部と多数のインキ練りローラや現像ローラなどからできており装置構成が複雑であるが、本発明では、現像装置を小型、シンプルで安価な構成とするために、版ドラムにインキの供給を行う部分を、1本の現像ローラとその現像ローラ上でインキの適正供給をなすブレードとインキを均す揺動ローラで主に構成した現像ローラ部で構成している。すなわち、現像ローラ上でインキの必要機能をほとんど成してしまう点が従来の印刷機の常識では無い点である。このようにして小型化、シンプル化を成しているのである。
【0038】
さらにインキ補充用のインキマガジン3−1を、現像ローラ3−3上のインキ溜め部3−2の上部に配置し、インキ溜め部3−2のインキが無くなるとインキ残量検知センサー(図示せず)で検出し、インキマガジン3−1内の補充インキ3−6を吐出口3−1−4から直下のインキ溜め部3−2に落下補充させるようにしてある。そのため、インキマガジン3−1はインキ溜め部3−2の上部にある必要がある。また、簡便にインキ溜め部3−2の上部からインキを落下させるので、インキ溜め部3−2の幅、すなわち印刷幅にほぼ匹敵する幅に満遍なく均等にインキを押し出し落下させる必要がある。また、もし片側に偏った場所にインキを落下させるとインキを印刷幅に匹敵するインキ溜め部の幅に攪拌搬送させる機構が必要である。本構成ではそのような機構を省いた簡便な現像装置のために、上記インキマガジンからの吐出インキはインキ溜め部の上部全域に均等に落下させる構造にしてある。すなわち図2に示す現像装置3においては、インキマガジン3−1の吐出口3−1−4は、インキマガジンの長手方向に延びたスリット状の開口あるいは上記長手方向に配列された小穴などから形成された吐出口である構成としている。そしてインキマガジン3−1をインキ溜め部3−2の上部に配置して、上記長手方向に延びた吐出口3−1−4からインキ3−6をインキ溜め部3−2に落下補充させるようにして、特別な機構等を設けなくてもインキの補充ができるようにしている。
【0039】
従来の印刷機では、インキの補充はインキ補充マガジンまたはカートリッジまたは補充タンクなどからポンプなどで汲み上げたり押し出したりし、汲み上げローラなどで受け渡して現像ローラまで補充するのが普通であったが、本発明に係る現像装置3では、そのような複雑な構成が全くいらないようにするために、インキ溜め部3−2の上部にインキマガジン3−1を配置しているのであり、インキ補充の機構が大変小型でシンプル且つ安価になるのである。また、そのために前記のようにインキ溜め部3−2は必然的に現像ローラ3−3の上半分上部に形成する必要があったのである。そしてこれらは全て小型、シンプルな現像装置のための配置に無くてはならない必須の要件であり、このようなシンプルで小型な現像装置は類例がない。また、当然のことながらインキマガジン3−1内のインキ3−6は消耗品であるため、補充のための操作が必要なものである。ここでインキマガジンの構成について詳細に説明する。
【0040】
図2に示すように、インキマガジン3−1の容器3−1−1の下部には補充用インキ3−6の外部への出口である吐出口3−1−4があり、インキ溜め部3−2にインキを落下補充させるために吐出口3−1−5は下向きに装備されている。また、インキマガジン3−1からインキを押し出すために、インキマガジン3−1の容器3−1−1内には、該マガジンの長手方向に延設された回転自在の軸3−1−2と、その回転軸3−1−2に取り付けられているインキ押し出し部材3−1−3としてのブレード状部材がある。そしてインキ溜め部3−2には前述したようにインキ残量検知センサー(図示せず)があり、インキの残量がある程度以下になるとインキ残量検知センサーが働きインキの補充を知らせる。そしてインキ残量が少なくなり補充の指令があると、インキマガジン3−1の容器内に設けられている回転軸3−1−2に現像装置3の駆動機構(図示せず)から駆動力が伝わり、容器内のインキ押し出し部材3−1−3が回転し、インキ3−6を吐出口3−1−4から外部に押し出す。このときの押し出し部材3−1−3によるインキの押し出し量は、ブレード状の押し出し部材3−1−3の回転量と容器内の残量インキの量で変化するので、適量が押し出されてインキ溜め部3−2に補充されたか否かの判断は、図示しない制御部のマイクロコンピュータ等により、再度インキ残量検知センサーからの追加の指令があるか否かにより判断され、インキの補充量が制御される。
【0041】
尚、インキマガジン3−1はインキ補充用であるから当然、容器内のインキが空になったら追加できるものであり、インキマガジン3−1は現像ユニット3−5に対して抜き差しして脱着できるような構造となっている。そのため現像装置3のユニット3−5側には、インキマガジン3−1を脱着する際のガイドとなるマガジンガイド(図示せず)が設けられている。
また、図3,4にインキマガジンを分解した状態を示すが、上記回転軸3−1−2の後端側には、インキマガジン3−1の外部から駆動力を受けるための係合部材3−1−8が設けられている。この係合部材3−1−8は、現像装置3の図示しない駆動機構側の駆動軸3−1−13に固定された係合部材3−1−12と係合して駆動力が伝達される、いわゆる駆動伝達のカップリングで、インキマガジン3−1の着脱を阻害しないように容易に係合伝達、また着脱ができるようになっている。より詳しく述べると、駆動軸3−1−13側のカップリング3−1−12の外周部には係合用の突起が設けられ、回転軸3−1−2側のカップリング3−1−8には上記突起に係合される切り欠き部が設けられており、インキマガジン3−1を現像ユニット3−5内に挿入して奥まで押し込むと、回転軸3−1−2側のカップリング3−1−8の切り欠き部に、駆動軸3−1−13側のカップリング3−1−12の突起が係合し駆動伝達の状態となる。また、インキマガジン3−1を現像ユニット3−5から外す際は、上記カップリング3−1−8,3−1−12の部分で容易に切り離すことができる。
【0042】
ところで、インキの粘度や流動度にもよるが、印刷に使用するインキは相当の粘度のインキである。しかしインキマガジン3−1の容器3−1−1に設けた吐出口3−1−4が下向きで設置されていると、インキ3−6が吐出口3−1−4から自然落下してしまうことや、マガジン内のインキ3−6の自然乾燥による固化などの恐れがある。そこでこれらの不具合の防止のために、図2〜4に示すように、インキマガジン3−1からの出口である吐出口3−1−4には開閉自在な弁装置として蓋部材3−1−9が設けられている。この蓋部材3−1−9は図示しない駆動機構で必要なとき、すなわちインキ3−6をインキ溜め部3−2に補充するときは開放してインキの落下補充ができるようになっている。また、インキ補充後、しばらくインキを補充しないときには、次の補充までの間、蓋部材3−1−9を閉じているように制御される。
【0043】
一方、図1に示したように本実施例の印刷装置においては、転写ベルト装置4の周囲に4つの版ドラム装置1があり、各版ドラム装置1に対して現像装置3が設けられているので、印刷装置には最低4種の色のインキのインキマガジンがあることになる。ここで4種の色とは、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)である。その他、場合によっては特色としてのインキマガジンも必要に応じて用意する必要がある。そのため現像装置には正しいインキマガジンが装着される必要があり、間違って異質のインキのマガジンが現像装置に装着されることを防ぐような工夫が必要であり、例えばインキマガジンの誤装着防止手段が必要となる。そのためインキマガジンには何色のインキが入っているインキマガジンかを特定する工夫として、電気的な検出方法、または機械的な方法などが必要である。そこで本発明に係る現像装置では、インキマガジン3−1に、電気的検出方法に必要なセンサーに感応するような部材を備えている。すなわち、インキマガジン3−1は、該インキマガジンが現像ユニット3−5に装着されたことを検知するユニット側のセンサーに感応する部材や、且つインキの種類を特定できるようにインキマガジンの種類を識別検知するセンサーに感応する部材を備えている。例えば、光感応型のセンサー(ホトセンサー)を現像装置3のユニット3−5側に備えてあるなら、反射材等をインキマガジン3−1側に設け、また、機械的に現像ユニット3−5側のセンサーやスイッチを作動させるような方式の場合は、インキマガジン3−1側に上記センサーやスイッチを作動させる機械的突起などの形状の部材またはマガジン形状が備えてある。図4はその一例を示すものであり、インキマガジン3−1の容器3−1−1を構成する後部側壁材3−1−6にセンサーやスイッチを作動させるための突起3−1−10を設けた例である。そして、インキマガジン3−1側の突起3−1−10の位置と現像装置側のセンサーやスイッチの位置を、各色の現像装置で変えることにより、誤装着を完全に防止することができる。
【0044】
また、インキマガジン3−1内のインキの残量検出に関しては、例えば図3に示すように、簡便にインキマガンジン3−1の容器3−1−1内を目視してインキの残量を確認できるように、容器3−1−1の周面に透明部材を嵌め込んだ窓3−1−11を設けた構成にしてある。また、このような窓ではなく、インキマガジン3−1自体を透明部材で形成しても良い。これらの工夫により、特別な残量検知センサーをインキマガジンに設けなくてもマガジン内のインキ残量を容易に確認することができるので、安価なインキマガジンを提供することができる。
【0045】
ところで上述したように、インキマガジン3−1はインキの補充や交換のために現像装置3のユニット3−5に対して着脱自在になっている。この場合、図3に示すように、インキマガジン3−1の容器前壁3−1−5にユニット3−5への挿入着脱のための取っ手3−1−7を設けたり、あるいはインキマガジンの容器自体に着脱に便利な取っ手の機能を持つ形状を持たせるようにするとよい。
また、インキマガジン3−1を現像装置3に装着する際には、完全に正しく現像ユニット3−5にセットされる必要が有る。そのため、現像ユニット3−5側のガイド部には、図示しないがインキマガジン3−1の装着を機械的に且つ感覚的に感じるためのセット感が得られるようなクリック部材が形成されている。
以上が本発明に係る現像装置3のインキマガジン3−1の構成であり、操作性が簡便で安価なシンプルなインキマガジンである。
【0046】
次に現像装置3のその他の部分の構成について詳しく説明する。
図2に示すように、インキ溜め部3−2は箱状の形態で、現像ローラ3−3の軸方向前後のサイド端部まで長手方向に延びており、印刷に必要な幅まで延びている。このインキ溜め部3−2を形成する箱体の両サイド端の側壁の一部はインキ溜め部3−2からさらに後方に延びた腕部3−2−4を持っていて、その腕部3−2−4は、現像ローラ3−3からインキ溜め部3−2が回動近接または回避することができるように回転軸3−2−5に回動可能に支持されており、さらにこの延びた腕部3−2−4の端部3−2−4−1には、図示を省略しているが腕部3−2−4を回動してインキ溜め部3−2を現像ローラ3−3に近接または回避させる機構が有り、該機構を介して図示しない駆動源に結合されていてインキ溜め部3−2を回動近接または回避させることができる。この駆動源は印刷装置の操作パネルなどから濃度の変更指令として操作でき、インキ溜め部3−2の箱体は現像ローラ3−3に対して回避または近接するよう制御される。また、上記の機構説明から明らかなように、インキ溜め部3−2に可動的に保持されているブレード3−2−3は、当然インキ溜め部3−2の近接または回避の制御動作で現像ローラ3−3に対して加圧力を調節制御できるようになっている。
【0047】
このようにブレード3−2−3の加圧力を調節制御できるようにすることにより、現像ローラ3−3上のインキ膜厚を自在に且つ瞬時に外部から制御できるようになるので、簡単に印刷濃度を変更できるのである。ブレード3−2−3によるインキ膜厚の制御は、従来の多数のローラによりインキの受け渡しを行う方式の濃度制御と異なり、瞬時にインキ膜厚が変更できるのが最大の特徴である。すなわち、従来のような濃度変更方法では多数のヤリ紙(濃度確認検査紙)を必要としたが、このようなことは事務機OA分野や、DTP分野では通用しないことである。そのため本発明ではブレード3−2−3によるインキ膜厚制御で簡単に印刷濃度を変更できるようにして、複写機感覚で使用できる印刷装置を実現している。
【0048】
ブレード3−2−3の現像ローラ3−3に対する加圧は上記したような基本的構造であるが、ブレード3−2−3が現像ローラ3−3に均一な圧力で加圧されるには以下のような工夫が必要である。例えば、現像ローラ3−3の外形の精度やゴム硬度のバラツキ、ブレード3−2−3の真直度や平面度の狂いや保持されている側壁の平面度などの狂い、箱のねじれによる狂いなどで、箱体に一体的に保持されていては到底均一な加圧はできない。そこでブレード3−2−3は保持されているインキ溜め部3−2の箱体の側壁上で、ブレードの長手方向のほぼ中央近傍一点で加圧されるような形状と構造を成している(図5)。この場合、ブレード3−2−3の中央一点で加圧されるので、ブレード3−2−3は上記の大半の狂いを吸収し、現像ローラ3−3に均一に加圧されるのである。
【0049】
ブレード3−2−3の現像ローラ3−3に加圧される稜線の先端の形状は、鋭利な形状でないと上記の説明の瞬時にインキ膜厚を変更する感度のよい性能が期待できない。そのため、ブレード3−2−3の先端形状は少なくとも曲率半径Rが0.1mm以下の鋭利さを必要とする。また、ブレード3−2−3の板厚は、1mm以下の板厚の場合は上記以下のRの鋭利な角を使えば良いが、板厚の厚いブレードの場合は、図2及び図5に示すように、ブレード3−2−3の先端形状をくさび形にする必用がある。どちらの場合でも先端は現像ローラの回転方向に対してカウンター方向の作用が働くようにインキ溜め部3−2の箱体側壁に保持されていないと、折角の先端の鋭利な角もまた有効に働かない。そのためブレード3−2−3は現像ローラ3−3に対してカウンターの作用を成すように保持されている。図2に示す例の場合は、ブレード3−2−3の幅方向は現像ローラ3−3の中心軸方向で、先端が現像ローラ3−3にやや食い込む方向の角度に保持されている。
【0050】
一方、ブレードの形状として弾性体で形成することも可能である。図6はバネ性のある金属材で形成したブレード3−2−3’の例を示す。このような場合は、上記の剛体のブレードと異なりスライド機構は不要となり、さらに簡便な現像装置になる。図6に示す例ではブレード3−2−3’のインキを掻き落す先端部分はベロのような形状であり、現像ローラ3−3に軽く先端とベロの腹部を押し当てている。このためブレードの先端は常に現像ローラ3−3に軽く押し当てられている状態となり、且つカウンターの作用で効率の良いブレード効果を発揮することができる。尚、図2と図6の現像装置ではブレード部分の構成が異なるだけであり、その他の構成は同じである。
【0051】
次にインキ溜め部3−2を構成する箱体のインキ溜め性能に関し、インキのシール性についてさらに説明する。
インキ溜め部3−2を構成する箱体3−2−1のブレード3−2−3(または3−2−3’)のついた側壁を除き、箱体3−2−1の他の3つの側壁には、現像ローラ3−3上でインキが流れ出さないようにシール部材3−2−6が装備されており、各々サイドシール各1個と入口シールである。要するに上記箱体3−2−1は現像ローラ上で3方をシール部材でシールされ、残る一方をブレード3−2−3で仕切られたインキ溜め部を形成している。
このブレード以外の場所のシールで、インキの還流してくる側では、シールはスカート状の形状で現像ローラ3−3の回転方向に対してテーリング方向、すなわちインキの流れ方向に向いたシールが付けられている。この方向にシールを取り付けると、還流インキはインキ溜め部3−2に戻れるが、インキ溜め部のインキは逆方向には漏れ出ないことになる。また、版ドラムから付着してくる紙粉やゴミなどは適度なシール力によりシールで堰き止められる効果もある。また、サイドのシールとしては、現像ローラ3−3の端面または現像ローラ3−3の外径面に弾性のあるシール材を押し当てて装備されている。これは現像ローラ3−3に対してインキ溜め部3−2の箱体3−2−1が上下に近接または回避するときに、現像ローラ3−3との間が開かないようにインキをシールしているものであり、サイドからの漏れを防ぐ上では当然必用なものである。
【0052】
次にインキ溜め部3−2のブレード側のシールに関して説明する。インキ溜め部3−2の箱体3−2−1は腕部3−2−4によって回動可能に支持されブレード3−2−3と共に現像ローラ3−3に対して近接または回避できるように設けられているのは上述した通りであるが、近接または回避の動作のためブレード3−2−3は現像ローラ3−3に対して加圧力を調整制御できるが、逆にインキ溜め部3−2でのインキのシール性が問題になる。当然、インキ溜め部の箱体3−2−1が現像ローラ3−3から回避した場合にもインキが漏れ出さないようにするため、シール部材3−2−6を現像ローラ3−3に対して伸縮自在なシールとする必要がある。
一方、ブレード3−2−3は金属体であり、シールのように伸縮自在ではないので、上記各所で説明したようにインキ溜め部の箱体3−2−1の側壁に対して可動的に保持されている必要がある。ここで可動的というのは、図5に示す例のように、ブレード3−2−3はその中央部を箱体3−2−1のインキ流れ方向下流側の側壁3−2−1−1に対して長穴3−2−3−2と段付きビス3−2−3−1でスライド可能な状態に保持されており、側壁3−2−1−1側にネジ3−2−1−2で固定された軽い板バネ3−2−1−1のバネ力で現像ローラに軽く押し当てられている。
【0053】
インキ溜め部の箱体3−2−1が現像ローラに近接する場合、ブレード3−2−3は、ブレードのスライドできる範囲が限界を超えると箱体そのものの動きと一体的となり、インキ溜め部3−2の腕部3−2−4に外部から作用する強力な力でブレード3−2−3は現像ローラ3−3に加圧されるのである。また、インキ溜め部の箱体3−2−1が現像ローラ3−3から回避する場合で、ブレード3−2−3のスライド状態の場合、これは印刷準備中のエージング時や印刷終了後にブレードの加圧力を脱圧してブレードによる現像ローラの圧痕を防止するための回避であるが、その場合にはブレード3−2−3に別途加圧力を加えている軽い板バネ3−2−1−1のバネ力でブレードは現像ローラ3−3に軽く加圧されるのである。これはひとえにインキ溜め部3−2のインキがブレード側から漏れ出さないようにするための構造である。
【0054】
次に揺動ローラ3−4について説明する。図2(または図6)に示すように、揺動ローラ3−4はインキの流れ方向から見てブレード3−2−3の下流に設置され、ブレードにてほぼ均一にされたインキ膜厚をさらに均してブレードで作られた細かい筋目などを取る役目をする。この揺動ローラ3−4は略L字形状のアーム3−4−1の一端側に回転自在に軸支されており、アーム3−4−1はその略中央の屈曲部を軸3−4−2により回動自在に軸支されている。そしてアーム3−4−1の他端側と現像装置のユニットとの間には引張力が付勢されたコイルバネ3−4−3が設けられており、アーム3−4−1に作用するバネ力により揺動ローラ3−4が現像ローラ3−3に加圧されるようになっている。従って、揺動ローラ3−4は常に現像ローラ3−3に従動的に加圧されていて、現像ローラ3−3から回転力を伝えられて回転する。本印刷装置で使用するインキは大変粘度の高いオフセット印刷並みのタッキーインキである。そのためインキもまた回転力を伝えるのに役立っている。また、揺動ローラ3−4の揺動の動きは揺動ローラ3−4の軸端部に揺動の動きをさせるカム(図示せず)があり、現像装置本体側にあるカムフォロアー(図示せず)に倣ってローラが軸長手方向に前後して揺動の動きをするように成している。また、揺動させるための駆動力はローラの上記の回転力を利用している。
【0055】
一方、インキから回転力をもらうのは揺動ローラ3−4が金属のような表面材質の場合である。金属にはインキが大変良く付着するので回転力は良く伝わる。しかし逆にその粘着性のため、揺動時に揺動ローラの長手方向のスライド力は大変大きなものになり、揺動カムとカムフォロアーには大きな荷重が加わることにもなる。また、金属ローラの場合はインキがローラ表面に付着し、インキの均しの性能が阻害されることもある。すなわち揺動ローラにインキが付着した場合、揺動ローラの揺動の動きによりインキ層が剥離し、剥離状態の付着インキで現像ローラの表面のインキ層を均すと荒れた均ししかできないことがある。以上のような相反する性能要求のため、揺動ローラ3−4の表面は適度なインキとの付着性が求められることになる。そのため揺動ローラ3−4の表面は、例えば表面粗さ1.6S以下の滑らかな表面で、且つ表面の材質が撥水性を有するものが望ましく、例えばローラの表面がフッ素系ゴムやシリコン系ゴム等の撥水性を有する材料から成るか、あるいは、表面にフッ素系またはシリコン系の撥水性を有する材料が塗布されたローラなどが望ましい。勿論、これらの材質の選択はインキの性質に左右されるのは言うまでもない。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の印刷装置においては、周面に印刷用版が巻装された複数の印刷用版ドラムと、各版ドラムに印刷インキを供給する現像装置と、各版ドラムから印刷すべきインキを転写され受容する転写材を有する中間転写装置と、上記転写材に転写されたインキを印刷用紙に転写する用紙転写装置と、該用紙転写装置に印刷用紙を供給する印刷用紙供給装置と、印刷終了後に上記転写材をクリーニングするクリーニング装置を基本構成として備え、上記印刷用版として感熱性撥水性印刷用版を用いているので、従来のオフセット印刷機などから比べて小型、コンパクトで低価格な印刷装置を提供することができる。そして本発明の印刷装置においては、上記現像装置は、版ドラムに巻装された印刷用版に印刷インキを付与する現像ローラと、現像装置内で一時的にインキを溜めておき上記現像ローラにインキを供給するインキ溜め部と、該インキ溜め部から上記現像ローラに供給されたインキを適正厚みに整えるブレードと、該ブレードの下流に設けられ現像ローラ上のインキを均す揺動ローラと、上記インキ溜め部にインキを補充するインキマガジンとから主に構成され、上記インキマガジンは、上記インキ溜め部の上部に配置され、上記現像装置に着脱自在な構造を持つ構成としたので、従来のオフセット印刷機などから比べて版ドラムにインキを供給する部分の構成を小型化でき、OA分野やDTP分野に用いる印刷機として最適な、より小型でコンパクトな印刷装置を実現することができる。
【0057】
請求項2記載の現像装置においては、版ドラムに巻装された印刷用版に印刷インキを付与する現像ローラと、現像装置内で一時的にインキを溜めておき上記現像ローラにインキを供給するインキ溜め部と、該インキ溜め部から上記現像ローラに供給されたインキを適正厚みに整えるブレードと、該ブレードの下流に設けられ現像ローラ上のインキを均す揺動ローラと、上記インキ溜め部にインキを補充するインキマガジンとを現像ユニット内に備え、上記インキマガジンは上記インキ溜め部の上部に配置され、上記現像ユニットに着脱自在な構造を持つと共に、上記インキマガジンは、内部のインキを吐出する吐出口と、インキマガジン内部からインキを押し出す押し出し部材と、該押し出し部材の駆動系に設けられた部材でありインキマガジン外部から押し出し部材を駆動する駆動機構に係合する係合部材を備えた構成としたので、現像装置の構成部材をユニット内にコンパクトに収納することができ、従来のオフセット印刷機などに用いられている複数のローラを用いた装置構成に比べて現像装置の小型化、シンプル化を達成することができ、印刷装置の小型化、コンパクト化に寄与することができる。さらには、押し出し部材により吐出口からインキを押し出してインキ溜め部に落下させるので、インキマガジンからインキ溜め部へのインキ補充が容易且つ確実に行えると共に、インキマガジンが現像ユニットに着脱自在な構造を持つので、インキの補充や交換も容易となる。
【0058】
さらに請求項3記載の現像装置においては、請求項2の構成に加えて、上記インキマガジンの吐出口には開閉自在の弁装置があり、該弁装置はインキの吐出時には駆動装置にて開放し、インキの吐出を行わないときは閉じるようになっている構成としたので、補充時以外に吐出口からインキが漏れることを防止でき、且つインキマガジン内のインキの自然乾燥や固化などを防止することができる。
また請求項4記載の現像装置においては、請求項2または3の構成に加えて、上記インキマガジンには、該インキマガジンが現像ユニットに装着されたことを検知するユニット側のセンサーに感応する部材を有し、且つインキの種類を特定できるようにインキマガジンの種類を識別検知するセンサーに感応する部材を有する構成としたので、インキマガジンの装着忘れや誤装着などを防止することができる。
【0059】
さらに請求項5記載の現像装置においては、請求項2,3または4の構成に加えて、上記インキマガジンには内部のインキの残量が目視できるための透明な部材を嵌めた窓が有るか、あるいは上記インキマガジン自体が透明部材から形成されている構成としたので、マガジン内のインキ残量を検知する特別なセンサー等を設けずにインキ残量を目視できるので、安価にインキマガジンを形成することができる。
また請求項6記載の現像装置においては、請求項2,3,4または5の構成に加えて、上記インキマガジンには、該インキマガジンを現像ユニットに挿入脱着するための取っ手部材、あるいは取っ手の機能を持つ形状が備わっている構成としたので、現像ユニットに対するインキマガジンの挿入脱着を容易に行うことができる。
【0060】
さらに請求項7記載の現像装置においては、請求項2,3,4,5または6の構成に加えて、上記インキマガジンの内部からインキを押し出す押し出し部材は、インキマガジンの現像ユニットへの挿入方向と同じ長手方向の軸と、その軸の周りに回転自在なブレード部材などからなる構成としたので、簡易な構成で粘着性のインキを吐出口から押し出すことができる。
また請求項8記載の現像装置においては、請求項2,3,4,5,6または7の構成に加えて、上記インキマガジンの吐出口は、該インキマガジンの長手方向に延びたスリット状の開口あるいは上記長手方向に配列された小穴などから形成された吐出口である構成としたので、インキマガジンからの吐出インキをインキ溜め部の上部全域に均等に落下させることができ、インキ溜め部内のインキ量に偏りが生じることを防止できる。
【0061】
以上のように、本発明によれば、感熱性撥水性印刷用版を用いた印刷装置においてその基本構成を提供すると共に、その印刷装置に具備される新規な構成の現像装置を提供したので、印刷装置の小型化、コンパクト化と低価格化の従来からの課題を解決することができる。また、本発明によれば小型でシンプルな構成の現像装置が提供でき、しかも小型でシンプルな構成のため現像装置を安価に製作することができる。また、本発明の現像装置を用いることにより、特にOA用に用いる印刷装置として、選択印刷が可能な特色インキの入った現像装置への迅速な切り替えが可能な、コンパクトでユニット交換性などが図られた印刷装置を提供することができる。また、本発明の現像装置を用いることにより、濃度変更が複写機のように操作パネルから容易に変更でき且つ瞬時に濃度を変更できるので、ヤリ紙などの無駄紙が不要な、複写機感覚で使える印刷装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す印刷装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す印刷装置に具備される現像装置の構成例を示す概略構成図である。
【図3】図2に示す現像装置のインキマガジンの構成を分解して示す斜視図である。
【図4】図2に示す現像装置のインキマガジンの要部構成を分解して示す斜視図である。
【図5】図2に示す現像装置のブレード取り付け部の構成例を示す要部斜視図である。
【図6】図1に示す印刷装置に具備される現像装置の別の構成例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1:版ドラム装置
1−1;版ドラム
1−2:感熱性撥水性印刷用版
2:書き込み装置
3:現像装置
3−1:インキマガジン
3−1−1:容器
3−1−2:回転軸
3−1−3:押し出し部材
3−1−4:吐出口
3−1−7:取っ手
3−1−8,3−1−12:係合部材(カップリング)
3−1−9:蓋部材(弁装置)
3−2:インキ溜め部
3−2−1:箱体
3−2−3,3−2−3’:ブレード
3−3:現像ローラ
3−4:揺動ローラ
3−5:現像ユニット
3−6:インキ
4:転写ベルト装置(中間転写装置)
5:転写ローラ装置(用紙転写装置)
6:クリーニング装置
7:印刷用紙供給装置
8:搬送装置
9:定着装置
10:排紙装置
11:排紙受け装置
S:印刷用紙
Claims (8)
- 周面に印刷用版が巻装された複数の印刷用版ドラムと、各版ドラムに印刷インキを供給する現像装置と、各版ドラムから印刷すべきインキを転写され受容する転写材を有する中間転写装置と、上記転写材に転写されたインキを印刷用紙に転写する用紙転写装置と、該用紙転写装置に印刷用紙を供給する印刷用紙供給装置と、印刷終了後に上記転写材をクリーニングするクリーニング装置を基本構成として備えた印刷装置において、
上記印刷用版として感熱性撥水性印刷用版を用い、且つ、上記現像装置は、版ドラムに巻装された印刷用版に印刷インキを付与する現像ローラと、現像装置内で一時的にインキを溜めておき上記現像ローラにインキを供給するインキ溜め部と、該インキ溜め部から上記現像ローラに供給されたインキを適正厚みに整えるブレードと、該ブレードの下流に設けられ現像ローラ上のインキを均す揺動ローラと、上記インキ溜め部にインキを補充するインキマガジンとから主に構成され、上記インキマガジンは、上記インキ溜め部の上部に配置され、上記現像装置に着脱自在な構造を持つことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置に具備される現像装置であって、
版ドラムに巻装された印刷用版に印刷インキを付与する現像ローラと、現像装置内で一時的にインキを溜めておき上記現像ローラにインキを供給するインキ溜め部と、該インキ溜め部から上記現像ローラに供給されたインキを適正厚みに整えるブレードと、該ブレードの下流に設けられ現像ローラ上のインキを均す揺動ローラと、上記インキ溜め部にインキを補充するインキマガジンとを現像ユニット内に備え、上記インキマガジンは上記インキ溜め部の上部に配置され、上記現像ユニットに着脱自在な構造を持つと共に、上記インキマガジンは、内部のインキを吐出する吐出口と、インキマガジン内部からインキを押し出す押し出し部材と、該押し出し部材の駆動系に設けられた部材でありインキマガジン外部から押し出し部材を駆動する駆動機構に係合する係合部材を備えたことを特徴とする現像装置。 - 請求項2記載の現像装置において、上記インキマガジンの吐出口には開閉自在の弁装置があり、該弁装置はインキの吐出時には駆動装置にて開放し、インキの吐出を行わないときは閉じるようになっていることを特徴とする現像装置。
- 請求項2または3記載の現像装置において、上記インキマガジンには、該インキマガジンが現像ユニットに装着されたことを検知するユニット側のセンサーに感応する部材を有し、且つインキの種類を特定できるようにインキマガジンの種類を識別検知するセンサーに感応する部材を有することを特徴とする現像装置。
- 請求項2,3または4記載の現像装置において、上記インキマガジンには内部のインキの残量が目視できるための透明な部材を嵌めた窓が有るか、あるいは上記インキマガジン自体が透明部材から形成されていることを特徴とする現像装置。
- 請求項2,3,4または5記載の現像装置において、上記インキマガジンには、該インキマガジンを現像ユニットに挿入脱着するための取っ手部材、あるいは取っ手の機能を持つ形状が備わっていることを特徴とする現像装置。
- 請求項2,3,4,5または6記載の現像装置において、上記インキマガジンの内部からインキを押し出す押し出し部材は、インキマガジンの現像ユニットへの挿入方向と同じ長手方向の軸と、その軸の周りに回転自在なブレード部材などからなることを特徴とする現像装置。
- 請求項2,3,4,5,6または7記載の現像装置において、上記インキマガジンの吐出口は、該インキマガジンの長手方向に延びたスリット状の開口あるいは上記長手方向に配列された小穴などから形成された吐出口であることを特徴とする現像装置。
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