JP2001038871A - 印刷装置及び現像装置 - Google Patents

印刷装置及び現像装置

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JP2001038871A
JP2001038871A JP11217223A JP21722399A JP2001038871A JP 2001038871 A JP2001038871 A JP 2001038871A JP 11217223 A JP11217223 A JP 11217223A JP 21722399 A JP21722399 A JP 21722399A JP 2001038871 A JP2001038871 A JP 2001038871A
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Toyoo Okamoto
豊雄 岡本
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】版ドラムにインキを付与する手段として小型で
シンプルな構成の現像装置を具備し、且つその現像装置
内のインキ残量の検知を自動的に行うことができる構成
を備えた印刷装置を提供する。 【解決手段】本発明の印刷装置は、版ドラムに巻装する
印刷用版として感熱性撥水性印刷用版を用い、複数の版
ドラムと中間転写装置を用いて多色印刷を可能にしたも
のであり、現像装置は、インキの残量を検知するため
に、インキを一時的に溜めるインキ溜め部3−2のイン
キ上部近傍に設置してあるインキ残量検知部材3−5−
1を有すると共に、該インキ残量検知部材3−5−1に
連動してインキの残量を知ることができるインキ残量検
知装置3−5を有する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷装置に関し、さ
らに詳しくは、印刷用版を巻装した版ドラムと中間転写
装置を用いて単色や多色刷り印刷、フルカラー印刷を行
うことができる印刷装置、及びその印刷装置に具備され
る現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一枚の原稿から大量の画像形成が
行える装置として印刷装置があり、この印刷装置にはオ
フセット印刷や孔版印刷などの方式がある。一般にオフ
セット印刷等の印刷技術では、版ドラムに巻装された印
刷用版を被印刷物に押し付け、この圧力により版面上の
色材を被印刷物に付着転移させる機構が用いられてい
る。また、孔版印刷では、上記機械的圧力を利用してイ
ンキを被印刷物面に向け押し出すようになっている。そ
して印刷には単色印刷、多色印刷、フルカラー印刷があ
り、多色やフルカラー印刷の場合には、色重ね処理が必
要となる。
【0003】従来、カラー印刷を行う場合の方式とし
て、印刷用版を版ドラムの外部近傍の版供給装置から給
版搬送して版ドラムに巻きつけ、この巻きつけられた版
にインキング装置でインキングした後、ブランケットド
ラムの上にインキを色重ねして転写し、さらにブランケ
ットドラムから用紙に転写する方式(例えば、特公平3
−71983号公報)や、印刷用版としてシリコン系の
薄膜を基体ベースに塗布した版を使い、版はオフセット
印刷機の版胴内部に収納し、必要に応じて版胴の周面に
巻き出してレーザ光線で印刷データを書き込んだ後、こ
の版を用いてオフセット印刷する方式がある。これらの
方式に用いられる版としては、撥水性を有するものが一
例として用いられ、版のクリーニングに際しては、印刷
工による手作業によってインキの拭き取りが行われてい
る。
【0004】ところで、従来の印刷装置は、ドラムの組
み合わせであるために装置が比較的大型となる。このた
め、専用の印刷所などに設置されることが多く、オフィ
ス等の比較的狭い場所での設置が困難な場合が多い。例
えば、オフセット印刷装置の場合では、版胴、ブランケ
ット胴及び圧胴の組み合わせが必要であるので、フルカ
ラー印刷の場合、上記3胴の組み合わせに各色のインキ
供給装置を加えたものを、色分解数に応じた数だけ準備
する構成となることから、1色を対象とするオフセット
印刷部の構成に対してかなりの設置面積が必要となる。
さらにオフセット印刷の際の作業である印刷用版のセッ
ティング、インキの調合や印刷用紙の供給及び色合わせ
調整などの作業は熟練を要するために専任のオペレー
タ、いわゆる印刷工が手作業で行うことが多い。印刷工
は、このような作業の他に、印刷後の印刷機の清掃や各
胴のクリーニングなどの作業も手作業で行うことから、
このような熟練がない事務員などによる印刷は殆ど行え
ないのが現状である。しかも、印刷機自体も数百万から
数千万円というように大変高価であり、専門の印刷所な
どでしか購入できないことが多い。
【0005】さらに印刷コストの面でいうと、印刷用版
はPS版と称される版が最も多用されているものの、高
価なために印刷枚数が数千単位でないと印刷コストの点
で割に合わないことから、一般のユーザが簡単に入手す
ることができず、このことからも上述したように印刷所
などの印刷を専門とする職種に限定されるのが現状であ
る。また、印刷のための作業環境においても、インキが
独特の臭いがすることや、このインキの除去、清掃に用
いられる揮発溶剤の臭いも悪臭であることから、このイ
ンキを取り扱う環境が作業者にとって極めて悪く、作業
が苦痛となることからも一般のオフィスに設置すること
が困難である。
【0006】一方、孔版印刷機は、操作が簡便で低価
格、つまり印刷機自体の価格は数百万円であるが、消耗
品である孔版の値段が極めて低価格であるので維持コス
トが低い。しかし、孔版印刷装置は、フルカラー印刷を
行うことができず、単色印刷の場合にも穿孔を介したイ
ンキの滲みを印刷方式としている関係上、印刷品質に関
してはオフセット印刷に比べて劣ることが原因して簡易
印刷等に限られてしまい、本格的な印刷装置、つまり、
画質が高く、カラー印刷も行える装置としては用いられ
ていないのが現状である。
【0007】また、粘着性の印刷インキを利用する通常
のカラー印刷機では、複数の印刷ユニットを備え、各色
のインキに対応する印刷ユニットは個別に各色のインキ
画像を版ドラムに作成し、版ドラムからのインキは個別
の転写ブランケットドラムの胴部に転写し、その転写ブ
ランケットドラム上の各色インキ画像を、印刷用紙に順
次重ねて転写してカラー画像を印刷するという方式が通
例であるため、版ドラムとインキング装置及び転写ブラ
ンケットドラムを有する印刷ユニットを複数必要とし
(フルカラーではY(イエロー),M(マゼンタ),C
(シアン),Bk(ブラック)の各色のインキ用に4つ
の印刷ユニットが必要)、装置の大型化、高価格化の原
因となっている。また、上記のように印刷用紙上で各色
のインキ画像を重ねる方式では、複数色の重ね合わせの
精度は、印刷用紙の搬送精度や紙の伸び縮みに左右され
てしまうので、色ズレの発生等に対して不安定である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したオ
フセット印刷機、孔版印刷機などの印刷分野で、性能、
機械価格、簡便操作性などの課題を解決することを目的
としている。より詳しく述べると、本発明は上述の従来
の印刷機が長年解決できていない問題点の一部を解決す
るために提供されるものであり、本出願人の先願(例え
ば、特開平3−178478号公報、特開平8−276
663号公報)に係る感熱性撥水性印刷用版を利用し、
その版の特徴を最大限発揮できる印刷装置を提供するも
のである。この感熱性撥水性印刷用版は撥水性を有する
材料からなり、加熱されたところの撥水性が材料から失
われ、撥水性の逆、すなわち親水性に変わる性質を有し
ており、サーマルヘッド等の書き込み装置により簡易に
潜像の書き込みを行うことができる。そして現像装置に
より版の潜像部にインキを付与して現像することにより
簡易にインキ画像を形成することができる。また、感熱
性撥水性印刷用版は大変低価格で孔版に匹敵するほどで
あるため、印刷コストが低く、少部数から印刷が可能で
ある。
【0009】従って本発明は、上記の特徴を有する感熱
性撥水性印刷用版を用い、簡便操作性で低価格であり、
且つ小型、コンパクトになるように構成した多色印刷可
能な印刷装置を提供するものである。そして本発明で
は、印刷用版に形成される複数の種類のインキが順次重
ねて転写される転写材を有し、転写材上でカラー画像化
された粘着性インキ画像を一度に印刷用紙に転写する中
間転写装置を備えた印刷装置を提供し、カラー印刷を行
う印刷装置の機械価格の低減、機械の小型、コンパック
ト化を図るものである。そして本発明では、このような
新規な感熱性撥水性印刷用版を用いた印刷装置におい
て、従来にない新規な現像機能を具体化した機構を提供
することを目的とし、より詳しくは、小型でシンプルな
構成で安価に製作することができる現像装置を備えた印
刷装置を提供することを目的としている。さらに本発明
では、上記印刷装置に具備される小型、シンプルで安価
に製作できる現像装置の具体的な構成を提供することを
目的としている。また、印刷装置の現像装置のインキ残
量の検出はこの分野では従来無かったため、現像装置に
インキが無くなれば印刷工が足していたのが現状である
が、本発明では、インキの残量検出が自動的にできる手
段を備え、インキの補充も自動的に行うことができる現
像装置を提供し、現像に関する煩わしい手間を無くし
て、OA分野などにも使用できるようにした印刷装置を
提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、周面に印刷用版が巻装され
た複数の印刷用版ドラムと、各版ドラムに印刷インキを
供給する現像装置と、各版ドラムから印刷すべきインキ
を転写され受容する転写材を有する中間転写装置と、上
記転写材に転写されたインキを印刷用紙に転写する用紙
転写装置と、該用紙転写装置に印刷用紙を供給する印刷
用紙供給装置と、印刷終了後に上記転写材をクリーニン
グするクリーニング装置を基本構成として備えた印刷装
置において、上記印刷用版として感熱性撥水性印刷用版
を用い、且つ、上記現像装置は、インキの残量を検知す
るために、インキを一時的に溜めるインキ溜め部のイン
キ上部近傍に設置してあるインキ残量検知部材を有する
と共に、該インキ残量検知部材に連動してインキの残量
を知ることができるインキ残量検知装置を有する構成と
したものである。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1記載の印
刷装置に具備される現像装置であって、版ドラムに巻装
された印刷用版に印刷インキを付与する現像ローラと、
現像装置内で一時的にインキを溜めておき上記現像ロー
ラにインキを供給するインキ溜め部と、該インキ溜め部
から上記現像ローラに供給されたインキを適正厚みに整
えるブレードと、該ブレードの下流に設けられ現像ロー
ラ上のインキを均す揺動ローラと、上記インキ溜め部に
インキを補充するインキマガジンとをユニット内に備
え、且つ、インキの残量を検知するために、インキを一
時的に溜めるインキ溜め部のインキ上部近傍に設置して
あるインキ残量検知部材を有すると共に、該インキ残量
検知部材に連動してインキの残量を知ることができるイ
ンキ残量検知装置を有する構成としたものである。
【0012】さらに請求項3に係る発明は、請求項2記
載の現像装置において、インキ残量検知部材は、インキ
溜め部のインキ上部近傍を通過するように運動し、イン
キ残量が規定の量以上の時はインキの中を通過し、イン
キ残量が規定以下の場合はインキ上部を通過するように
運動している検知部材である構成としたものである。
【0013】請求項4に係る発明は、請求項2または3
記載の現像装置において、インキ残量検知装置は、イン
キ残量検知部材に連結している多数のスリットを有する
第1の円板状部材と、その円板状部材に一端部が係合し
ているねじりバネと、該ねじりバネの他端に連結してい
る多数のスリットを有する第2の円板状部材と、上記二
つの円板状部材のスリットに光を投射している光センサ
ーからなる構成としたものである。
【0014】請求項5に係る発明は、請求項4記載の現
像装置において、上記2つの円板状部材は、スリットの
代わりに多数の小穴またはエンコードを有する円板から
なる構成としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態を
示す印刷装置の概略構成図であり、感熱性撥水性印刷用
版を巻装した複数の版ドラムと現像装置及び中間転写装
置等を備えたフルカラー対応の印刷装置の一例を示すも
のである。この印刷装置は、印刷用版が巻装される印刷
用版ドラム1−1とその版ドラム1−1に収納・保持さ
れる感熱性撥水性印刷用版1−2からなる複数の版ドラ
ム装置1と、印刷用版1−2に印刷するデータを各版ド
ラム1−1上で書き込む書き込み装置2と、各版ドラム
1−1上の印刷用版1−2に印刷インキを供給する現像
装置3と、各版ドラム1−1上の印刷用版1−2に印刷
されたインキが転写され一時的に受容する転写ベルト4
−1を持つ中間転写装置(以下、転写ベルト装置と言
う)4と、転写ベルト4−1に転写されたインキを印刷
用紙Sに転写する転写ローラ5Aを有する用紙転写装置
(以下、転写ローラ装置と言う)5と、転写ローラ装置
5に印刷用紙Sを供給する印刷用紙供給装置7と、印刷
用紙Sに転写された印刷インキを定着する定着装置9
と、定着後の印刷用紙Sを排出する排紙装置10と、排
出された印刷用紙Sを受ける排紙受け装置11と、印刷
終了後に転写ベルト4−1をクリーニングするクリーニ
ング装置6などを備えている。また、この構成例では、
転写ベルト装置4を印刷装置本体の中央に一つ配置し、
複数の版ドラム装置1を転写ベルト装置4の転写ベルト
4−1にそれぞれ対応配置し、各版ドラム1−1に対し
現像装置3をそれぞれ配置し、書き込み装置2は各版ド
ラム1−1の略上部近傍にそれぞれ配置し、印刷装置本
体の下部には印刷用紙Sの搬送ルートを形成し、該搬送
ルートに、印刷用紙供給装置7、転写ローラ装置5、搬
送装置8、定着装置9、排紙装置10、排紙受け装置1
1などを順次配置している。
【0016】図1に示す構成では、従来の印刷機におけ
る問題点の幾つかを解決するため、最も有効にまたは合
理的に各装置ユニットを配置したものである。そして、
装置全体を小型・コンパクト化するために、中間転写装
置を転写ベルト4−1を用いた転写ベルト装置4にして
縦長になるように構成し、その転写ベルト装置4を印刷
装置のほぼ中央に配置し、複数の版ドラム装置1を転写
ベルト装置4の転写ベルト4−1にそれぞれ対応配置し
ていることにより、小型・コンパクト化、省スペース化
が達成できる。
【0017】さらに図1の構成では、小型化とコスト低
減のために印刷用版1−2を版ドラム1−1の中に収納
・保持している。これは版ドラムの外部に別に版供給装
置を設けてもよいのだが、図1の構成のように印刷用版
1−2を版ドラム1−1の中に収納することにより、一
般の印刷用版を版ドラムの外部から供給するタイプの印
刷装置、例えば孔版印刷機や水無し枚葉印刷機などに用
いられている版の収納スペースや版の供給装置や排版装
置などが不要となるなど、本構成は遥かに小型化やコス
ト低減化に有利である。また転写ベルト装置4と印刷用
版1−2と版ドラム1−1を有する装置全体でのさらな
る小型化とコスト低減化を図り、性能上も有利になるよ
うに、印刷用版1−2と版ドラム1−1を備えた版ドラ
ム装置1を転写ベルト4−1の左右に対称に配置し、左
右共通の構成となし、全体をバランスよく合理的に配置
している。
【0018】また、図1の構成では、印刷用紙Sのスム
ーズな搬送のためと、なるべく印刷用紙のジャムなどを
低減するためと、転写ベルトの有効な性能手段としての
曲率分離性能を有効に利用して大がかりな分離装置を排
除するためと、また印刷用紙の搬送路を用紙供給から転
写、定着、排紙までをほぼ直線的に構成するようにする
ために、印刷装置本体の下部に印刷用紙Sの搬送ルート
を直線的に形成し、該搬送ルートに、印刷用紙供給装置
7、転写ローラ装置5、搬送装置8、定着装置9、排紙
装置10、排紙受け装置11などを順次配置している。
【0019】以上のように、図1に示す構成の印刷装置
では、版ドラム装置1、書き込み装置2、並びに現像装
置3等は、転写ベルト4−1に対して左右対称に配置し
且つ構成の共通化を図り、装置の小型・コンパクト化、
低コスト化を図ると共に、印刷用紙の搬送のために、印
刷装置本体の下部に印刷用紙Sの搬送ルートを形成し、
用紙供給から転写、定着、排紙までをほぼ直線的に構成
したので、印刷用紙の搬送のためにも安定した性能を確
保できる。
【0020】尚、図1に示すような印刷装置の配置構成
にすることにより上記のような効果が得られるが、本発
明に係る印刷装置はこの構成に限るものではなく、転写
ベルトの片側に全ての版ドラムを直線的に配置し転写ベ
ルトを縦長に配置する構成や、転写ベルトを横長に配置
し、転写ベルトの上に版ドラムを並設する構成等とする
こともでき、種々の配置構成とすることができる。
【0021】次に図1に示す印刷装置の各部の構成につ
いて述べる。まず、フルカラー印刷の各色に対応する各
版ドラム装置1の版ドラム1−1内には、未使用の感熱
性撥水性印刷用版1−2が巻き付けられている版供給ロ
ール1−2−1と、使用済みの版を巻き取る巻き取りロ
ール1−2−2から構成される版供給機構が収納されて
おり、版供給ロール1−2−1から送り出された版の未
使用部分は、版ドラム1−1のスリット状の開口から外
部に出て版ドラム1−1の外周に巻き付けられて保持さ
れ、印刷終了後は、版の使用済部分が版ドラム1−1の
スリット状の開口から版ドラム内に戻り、巻き取りロー
ル1−2−2にて巻き取られる構成となっている。従っ
て版供給は、版ドラム1−1内部に収納された版供給機
構により新しい版が自動で版ドラム表面に供給され、印
刷終了後は使用済み部分の版が自動で版ドラム内に巻き
取られて、次の新しい版が版ドラム表面に供給されるよ
うになっている
【0022】この印刷用版1−2並びに版ドラム1−1
は図1から明らかなように、フルカラー印刷の基本色
(プロセス色)の分だけ、例えばイエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)の各色のインキに対応する分
だけ用意されており、さらに文字や墨入れなどのための
黒(Bk)インキのためにもう一つの版と版ドラムがあ
り、全部で4色分の版と版ドラムを具備している。ま
た、各版ドラム装置1に対応して後述する小型でコンパ
クトな構成の現像装置を配備している。
【0023】各版ドラム装置1にそれぞれ設けられた書
き込み装置2は、版ドラム1−1の上に上下昇降できる
ように構成されたサーマルヘッド(感熱書き込み装置)
であり、版ドラム1−1に巻き付けられた印刷用版1−
2に印刷用のデータを書き込む時に下降し版ドラムに接
触してデータを書き込み、その後上昇して待機している
装置である。ここで、感熱性撥水性印刷用版1−2は撥
水性を有する材料からなり、加熱されたところの撥水性
が材料の特性から失われ、撥水性の逆、すなわち親水性
に変わる性質を有しており、サーマルヘッドからなる感
熱書き込み装置2により簡易に潜像の書き込みを行うこ
とができる。より具体的に述べると、印刷用版1−2と
しては例えば本出願人が先に提案した(特開平3−17
8478号公報等)感熱性撥水性印刷用版が用いられて
おり、この感熱性撥水性印刷用版1−2は、ポリエチレ
ン・テレフタレート(PET)からなる基材上に含フッ
素アクリレート材料からなる撥水層を備え、サーマルヘ
ッドなどの書き込み装置2によって印刷データに応じて
書き込みが行われると、その書き込み内容に応じて親水
部と撥水部とが形成され、潜像となる親水部にインキを
付着させることができるようになっている。尚、上記の
例ではサーマルヘッドを用いた書き込み装置の例を示し
たが、書き込み装置としてはこの他、レーザ光による書
き込み装置等も用いることができる。また、版ドラム1
−1に印刷用版1−2を巻装してから書き込む例を示し
たが、印刷用版に書き込んでから(あるいは書き込みな
がら)版ドラムに巻き付けるなどの方法も採用すること
が可能である。
【0024】各版ドラム装置1にそれぞれ設けられた現
像装置3は、版ドラム1−1上で書き込み装置2により
印刷データを書き込まれた印刷用版1−2に対して各色
(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)の印刷インキを供
給する装置である。この現像装置3は、版ドラム1−1
上の版にインキを付与する現像ローラ3−3と、インキ
補充用のインキマガジン3−1と、インキマガジン3−
1から供給されたインキを現像ローラ3−3との間に溜
めるためのインキ溜め部3−2と、インキ溜め部3−2
から現像ローラ3−3に供給されたインキを適性の厚み
に規制するブレード3−2−3と、現像ローラ3−3上
で回転揺動しブレード3−2−3通過後のインキ層をよ
り均一に均す揺動ローラ3−4などから主に構成されて
いる。そして適正な量のインキが現像ローラ3−3に供
給されると、現像装置3の現像ローラ3−3は版ドラム
1−1に押しつけられ、印刷用版1−2の前記に説明し
た印刷データを書き込んだ潜像部分にインキが付着転移
する。このように現像装置3から印刷用版1−2の印刷
データに該当するところにインキが転移することによ
り、版ドラム1−1上には印刷インキの画像ができるわ
けである。本発明はこの現像装置3の構成に特徴を有す
るものであるが、現像装置3の構成や動作の詳細につい
ては後述する。
【0025】転写ベルト装置4は、既に述べたように各
版ドラム1−1上の版1−2に現像されたインキが転写
され一時的に受容するゴム製の転写ベルト4−1を持つ
装置であり、転写ベルト4−1は駆動ローラ4−3や従
動ローラ等の複数のローラに掛け渡されている。この転
写ベルト4−1により複数枚の印刷をするためには、転
写ベルト4−1は各版ドラム1−1から繰り返しインキ
の供給を受け、その都度転写ベルトから印刷用紙にイン
キを転写するため、転写ベルト上の前回までのインキが
乗った位置に再度版ドラムが出会わなければならない。
そのため、転写ベルトの周長は版ドラムの整数倍の長さ
である必要がある。
【0026】転写ベルト4−1を構成するゴムは一般に
はニトリルゴムまたはウレタンゴムなどの材料でできた
物である。またその表面は、インキの版ドラム1−1か
らの転移と印刷用紙へのインキの転移などを加味した表
面粗さが施されている。また、転写ベルト装置4の転写
ベルト4−1の内側には、各版ドラム1−1に対応する
位置に印刷時に転写ベルト4−1を版ドラム1−1に加
圧し、印刷終了時には転写ベルト4−1を版ドラム1−
1から解離させるプラテンローラ4−2が設けられてお
り、版ドラム1−1にインキ画像ができた後、転写ベル
ト4−1内のその画像のできた版ドラム1−1に該当す
るところのプラテンローラ4−2が版ドラム1−1に転
写ベルト4−1を押し当てるように加圧し、版ドラム1
−1上のインキ画像を転写ベルト4−1に転移させる。
【0027】尚、転写ベルト装置4の各プラテンローラ
部分には、プラテンローラ4−2と、そのプラテンロー
ラ4−2を版ドラム1−1に対して選択的に加圧する図
示しない加圧機構とを備えており、このプラテンローラ
4−2と加圧機構は各版ドラム1−1に該当する位置に
それぞれ設けられている。
【0028】版ドラム1−1上にインキによる画像が形
成されると、前述したようにプラテンローラ4−2とそ
の加圧機構の作用で転写ベルト4−1がインキの載った
版に押し付けられるから当然インキは転写ベルト4−1
に転移する。そのようにして必要な色のインキ画像の形
成及び転移が各版ドラム部分で行われる。図1の印刷装
置では、4つの版ドラム1−1に対してカラー印刷など
に必要なイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のイン
キが用意されているので、4つの版ドラム上にイエロ
ー、マゼンタ、シアン、黒の各色のインキ画像を形成し
た後、転写ベルト4−1の同じ位置に重ね合わせて転移
させればフルカラー印刷が可能となる。また、4つの版
ドラムから特定のものを選択すれば、1色刷り、2色刷
り、3色刷り等の選択印刷や特色印刷が可能となる。各
版ドラムからのインキが転移した転写ベルト4−1は、
転写ベルト装置4の最下端部分に搬送されてきて、転写
ローラ装置5により印刷用紙Sと合わされ、最終的に印
刷用紙S上にインキが転移される。
【0029】さて、転写ベルト装置4のその他の重要な
構成部分は、転写ベルト4−1を駆動する駆動ローラ4
−3と、転写ベルト4−1に張力を与えているテールロ
ーラ4−4であり、転写ベルト装置4の最下端部分に位
置するベルト駆動ローラ4−3の直下には、図1に示す
ように、転写ベルト4−1と共に印刷用紙Sを圧着搬送
する転写ローラ装置5の転写ローラ5Aが配設されてい
る。
【0030】また、その他の重要な構成として、インキ
転写後の印刷用紙Sが転写ベルト4−1に巻き付くのを
防止するために、転写ベルト4−1から印刷用紙を剥離
分離するための構成が必要である。従来の印刷機などで
は、転写ドラム等に機械的に転写前の紙を咥えさせて紙
搬送を行い転写後分離する装置とか、あるいは剥がし分
離爪などを備えた分離ドラムなどの方法が採られている
が、何れも高価で構成が複雑であり、不安定で紙ジャム
の原因にもなっている。
【0031】本構成の転写ベルト装置4ではそのような
ことの解決手段として、ベルトの特性を利用した曲率分
離部を転写ベルトの一部に備えたことが特徴の一つであ
る。すなわち図1に示す構成の転写ベルト装置4では、
転写後の印刷用紙を分離する位置に、小径の分離ローラ
4−5を備えており、この分離ローラ4−5に掛けられ
たベルト部分の曲率が非常に小さくなるようにしてい
る。このため印刷用紙Sは用紙自身の腰の強さと、転写
ベルト4−1の曲率が小さくなっている部分(分離ロー
ラ4−5に掛けられた部分:分離部)の作用により、ベ
ルトに巻き付かずに自然に剥がれるように搬送され、自
動的に印刷用紙は転写ベルト4−1から剥離分離され、
搬送装置8側に送られる。
【0032】また、図1に示す印刷装置において、転写
ベルト装置4の下部に対向して設置された転写ローラ装
置5は、転写ベルト4−1上の印刷インキを印刷用紙S
に加圧転写する転写ローラ5Aと、この転写ローラ5A
を転写ベルト4−1に対して接離する接離機構5B(転
写ローラ支持アーム、カム、スプリング等で構成され、
カムでアームを揺動してローラを接離させる機構)から
構成されている。そして転写ベルト4−1上の印刷イン
キが丁度真下に来るときに合わせて印刷用紙供給装置7
及びレジストローラ7Aにより印刷用紙Sが供給され、
そのときのタイミングに合わせて転写ローラ5Aが転写
ベルト4−1に接触され、印刷用紙Sを転写ベルト4−
1に加圧し且つ用紙を搬送し、転写ベルト4−1上の印
刷インキを印刷用紙Sに転写させる。
【0033】一方、前述のクリーニング装置6は、転写
ベルト4−1上の印刷インキが印刷用紙Sに転写され印
刷が完了した際に転写ベルト4−1を清掃する役目であ
り、次の印刷工程に備え、クリーニングローラ(あるい
はクリーニングブラシ)やクリーニングブレード等によ
り転写ベルト4−1上から前の印刷の残留インキを除去
しクリーニングする。
【0034】印刷用紙供給装置7は、印刷用紙Sの収納
部や給紙ローラ等からなり、印刷のタイミングに合わせ
て印刷用紙Sを転写部に向けて一枚づつ給紙する。搬送
装置8は図1の例では搬送ベルトからなり、印刷インキ
が転写され転写ベルト4−1から分離された印刷用紙S
を次工程の定着装置9まで搬送する。定着装置9は印刷
用紙S上の生乾き状態のインキを紙に強固に定着する装
置であり、定着ローラ9Aと、該定着ローラ9Aに圧接
する加圧ローラ9Bとからなり、印刷インキの定着で
は、定着ローラ9Aは、印刷インキの溶剤を吸収する耐
油性のゴム(例えばシリコンゴム、フッ素ゴム等)から
構成されるローラである。また、定着ローラの内部に定
着を促進するための熱源(電気ヒータ、ハロゲンランプ
等)を設けると、より良好な定着となる。上記定着後の
印刷用紙Sは、一対のローラ等からなる排紙装置10に
より機外に排出され、排出された印刷用紙Sは、印刷装
置本体側部に設置されている排紙受け装置11のトレイ
上に排紙される。
【0035】以上、本発明に係る印刷装置の一実施形態
について図1を参照して説明したが、本発明の印刷装置
はフルカラー印刷が可能な印刷装置で、フルカラーに必
要な各色のプロセスインキを印刷する4つの同じような
構成の印刷部を持つ印刷装置である。そして、その各印
刷部で印刷用版を収容する版ドラム装置1は、本発明の
先願でもある感熱性撥水性印刷用版を版ドラム内部に収
容し、必要なときに新品に自動的に交換して使用済み部
分を巻き取り、新規な版への交換を版ドラム部で自動的
に行うことができるようになっている。このような版ド
ラムを用いる印刷装置では、従来はPS版を版ドラムに
手動で巻き付け位置合わせなど全てを人手で行っていた
ので、印刷終了後は版の交換取り付けもまた大変な作業
であり、印刷の作業効率を著しく非効率にしていた点で
あるが、本発明の印刷装置ではその点を格段に改善でき
るものである。そして本発明はこのような構成の印刷装
置の中で特に版ドラム上の版に印刷インキを付与して潜
像を現像する現像装置の構成に特徴を有するものであ
り、DTP用、OA用、または小規模印刷業用などを強
く意識した印刷装置を形成するために最適な提案であ
る。また本発明に係る現像装置は、印刷装置の小型化
や、安価な印刷装置を開発するために有用であり、ま
た、容易な操作のオペレーションなどのためにも有用で
ある。
【0036】以下、本発明に係る現像装置の具体的な構
成、動作及び作用効果について詳細に説明する。図2は
本発明に係る現像装置の一例を示す概略構成図である。
この現像装置3は主に、版ドラムに巻装された印刷用版
に印刷インキを付与するための現像ローラ3−3と、現
像装置内で一時的にインキを溜めておき上記現像ローラ
3−3にインキを供給する箱状のインキ溜め部3−2
と、このインキ溜め部3−2から現像ローラ3−3に供
給されたインキを適正厚みに整えるブレード3−2−3
と、このブレード3−2−3の下流に設けられ現像ロー
ラ上のインキを均す揺動ローラ3−4と、上記インキ溜
め部3−2にインキ3−6を補充するインキマガジン3
−1とを一つのユニット3−7内に備えている。そし
て、インキマガジン3−1はインキ溜め部3−2の上部
に配置し、インキ溜め部3−2は現像ローラ3−3の上
半分の上部に配置し、ブレード3−2−3はインキ流れ
方向から見てインキ溜め部3−2の下流側に配置し、揺
動ローラ3−4はインキ流れ方向から見てブレード3−
2−3の下流の現像ローラ上に配置してある。
【0037】通常のオフセット印刷機などで版ドラムに
インキの供給を行う部分では、インキの補充部と多数の
インキ練りローラや現像ローラなどからできており装置
構成が複雑であるが、本発明では、現像装置を小型、シ
ンプルで安価な構成とするために、版ドラムにインキの
供給を行う部分を、1本の現像ローラとその現像ローラ
上でインキの適正供給をなすブレードとインキを均す揺
動ローラで主に構成した現像ローラ部で構成している。
すなわち、現像ローラ上でインキの必要機能をほとんど
成してしまう点が従来の印刷機の常識では無い点であ
る。このようにして小型化、シンプル化を成しているの
である。
【0038】さらにインキ補充用のインキマガジン3−
1を、現像ローラ3−3上のインキ溜め部3−2の上部
に配置し、インキ溜め部3−2のインキが無くなると図
3、図4に示す後述のインキ残量検知装置で検出し、イ
ンキマガジン3−1内の補充インキ3−6を吐出口3−
1−4から直下のインキ溜め部3−2に落下補充させる
ようにしてある。そのため、インキマガジン3−1はイ
ンキ溜め部3−2の上部にある必要がある。インキの残
量検知に関しては後で詳細に説明するが、インキの残量
検知はインキの自動補充に必須の技術であり、本発明に
よれば自動的にインキの残量を検出できるようにするの
で、大変簡便にインキの自動補充ができるようになる。
印刷の濃度を適正に保つためには本発明に係る現像装置
3のインキ溜め部3−2に適量の規定のインキが常に補
充されている必要があるが、本発明では現像装置にイン
キ残量検知装置を設けているので、インキの自動補充と
印刷濃度の安定などに大変寄与することができる。さら
に図3、図4からも明らかなように、粘着性のインキの
量を検出する手段としては大変シンプルで簡単な構成で
済んでいる。そのため、インキの残量検知が安定して信
頼性高く検出できるので、さらに上記の印刷品質の安
定、小型化、操作簡便などの利点がある。
【0039】従来の印刷機では、インキの補充はインキ
補充マガジンまたはカートリッジまたは補充タンクなど
からポンプなどで汲み上げたり押し出したりし、汲み上
げローラなどで受け渡して現像ローラまで補充するのが
普通であったが、本発明に係る現像装置3では、そのよ
うな複雑な構成が全くいらないようにするために、イン
キ溜め部3−2の上部にインキマガジン3−1を配置し
ているのであり、インキ補充の機構が大変小型でシンプ
ル且つ安価になるのである。また、そのために前記のよ
うにインキ溜め部3−2は必然的に現像ローラ3−3の
上半分上部に形成する必要があったのである。そしてこ
れらは全て小型、シンプルな現像装置のための配置に無
くてはならない必須の要件であり、このようなシンプル
で小型な現像装置は類例がない。
【0040】次に現像装置3の各部の構成及びインキ残
量検知装置についてさらに詳しく説明する。図2及び図
3に示すように、インキ溜め部3−2は箱状の形態で、
現像ローラ3−3の軸方向前後のサイド端部まで長手方
向に延びており、印刷に必要な幅まで延びている。この
インキ溜め部3−2を形成する箱体3−2−1の両サイ
ド端の側壁の一部はインキ溜め部3−2からさらに後方
に延びた腕部3−2−4を持っていて、その腕部3−2
−4は、現像ローラ3−3からインキ溜め部3−2が回
動近接または回避することができるように回転軸3−2
−5に回動可能に支持されており、さらにこの延びた腕
部3−2−4の端部3−2−4−1には、図示を省略し
ているが腕部3−2−4を回動してインキ溜め部3−2
を現像ローラ3−3に近接または回避させる機構が有
り、該機構を介して図示しない駆動源に結合されていて
インキ溜め部3−2を回動近接または回避させることが
できる。この駆動源は印刷装置の操作パネルなどから濃
度の変更指令として操作でき、インキ溜め部3−2の箱
体は現像ローラ3−3に対して回避または近接するよう
制御される。また、上記の機構説明から明らかなよう
に、インキ溜め部3−2に可動的に保持されているブレ
ード3−2−3は、当然インキ溜め部3−2の近接また
は回避の制御動作で現像ローラ3−3に対して加圧力を
調節制御できるようになっている。
【0041】このようにブレード3−2−3の加圧力を
調節制御できるようにすることにより、現像ローラ3−
3上のインキ膜厚を自在に且つ瞬時に外部から制御でき
るようになるので、簡単に印刷濃度を変更できるのであ
る。ブレード3−2−3によるインキ膜厚の制御は、従
来の多数のローラによりインキの受け渡しを行う方式の
濃度制御と異なり、瞬時にインキ膜厚が変更できるのが
最大の特徴である。すなわち、従来のような濃度変更方
法では多数のヤリ紙(濃度確認検査紙)を必要とした
が、このようなことは事務機OA分野や、DTP分野で
は通用しないことである。そのため本発明ではブレード
3−2−3によるインキ膜厚制御で簡単に印刷濃度を変
更できるようにして、複写機感覚で使用できる印刷装置
を実現している。
【0042】ブレード3−2−3の現像ローラ3−3に
対する加圧は上記したような基本的構造であるが、ブレ
ード3−2−3が現像ローラ3−3に均一な圧力で加圧
されるには以下のような工夫が必要である。例えば、現
像ローラ3−3の外形の精度やゴム硬度のバラツキ、ブ
レード3−2−3の真直度や平面度の狂いや保持されて
いる側壁の平面度などの狂い、箱のねじれによる狂いな
どで、箱体に一体的に保持されていては到底均一な加圧
はできない。そこで図5に一例を示すように、ブレード
3−2−3は保持されているインキ溜め部3−2の箱体
3−2−1の側壁上で、ブレードの長手方向のほぼ中央
近傍一点で加圧されるような形状と構造を成している。
この場合、ブレード3−2−3の中央一点でバネ3−2
−1−1等で加圧されるので、ブレード3−2−3は上
記の大半の狂いを吸収し、現像ローラ3−3に均一に加
圧されるのである。
【0043】ブレード3−2−3の現像ローラ3−3に
加圧される稜線の先端の形状は、鋭利な形状でないと上
記の説明の瞬時にインキ膜厚を変更する感度のよい性能
が期待できない。そのため、ブレード3−2−3の先端
形状は少なくとも曲率半径Rが0.1mm以下の鋭利さを
必要とする。また、ブレード3−2−3の板厚は、1mm
以下の板厚の場合は上記以下のRの鋭利な角を使えば良
いが、板厚の厚いブレードの場合は、図2及び図5に示
すように、ブレード3−2−3の先端形状をくさび形に
する必用がある。どちらの場合でも先端は現像ローラの
回転方向に対してカウンター方向の作用が働くようにイ
ンキ溜め部3−2の箱体側壁に保持されていないと、折
角の先端の鋭利な角もまた有効に働かない。そのためブ
レード3−2−3は現像ローラ3−3に対してカウンタ
ーの作用を成すように保持されている。図2に示す例の
場合は、ブレード3−2−3の幅方向は現像ローラ3−
3の中心軸方向で、先端が現像ローラ3−3にやや食い
込む方向の角度に保持されている。
【0044】次にインキ溜め部3−2を構成する箱体3
−2−1のインキ溜め性能に関し、インキのシール性に
ついてさらに説明する。インキ溜め部3−2を構成する
箱体3−2−1のブレード3−2−3のついた側壁を除
き、箱体3−2−1の他の3つの側壁には、現像ローラ
3−3上でインキが流れ出さないようにシール部材3−
2−6が装備されており、各々サイドシール各1個と入
口シールである。要するに上記箱体3−2−1は現像ロ
ーラ上で3方をシール部材でシールされ、残る一方をブ
レード3−2−3で仕切られたインキ溜め部を形成して
いる。このブレード以外の場所のシールで、インキの還
流してくる側では、シールはスカート状の形状で現像ロ
ーラ3−3の回転方向に対してテーリング方向、すなわ
ちインキの流れ方向に向いたシールが付けられている。
この方向にシールを取り付けると、還流インキはインキ
溜め部3−2に戻れるが、インキ溜め部のインキは逆方
向には漏れ出ないことになる。また、版ドラムから付着
してくる紙粉やゴミなどは適度なシール力によりシール
で堰き止められる効果もある。また、サイドのシールと
しては、現像ローラ3−3の端面または現像ローラ3−
3の外径面に弾性のあるシール材を押し当てて装備され
ている。これは現像ローラ3−3に対してインキ溜め部
3−2の箱体3−2−1が上下に近接または回避すると
きに、現像ローラ3−3との間が開かないようにインキ
をシールしているものであり、サイドからの漏れを防ぐ
上では当然必用なものである。
【0045】次にインキ溜め部3−2のブレード側のシ
ールに関して説明する。インキ溜め部3−2の箱体3−
2−1は腕部3−2−4によって回動可能に支持されブ
レード3−2−3と共に現像ローラ3−3に対して近接
または回避できるように設けられているのは上述した通
りであるが、近接または回避の動作のためブレード3−
2−3は現像ローラ3−3に対して加圧力を調整制御で
きるが、逆にインキ溜め部3−2でのインキのシール性
が問題になる。当然、インキ溜め部の箱体3−2−1が
現像ローラ3−3から回避した場合にもインキが漏れ出
さないようにするため、シール部材3−2−6を現像ロ
ーラ3−3に対して伸縮自在なシールとする必要があ
る。一方、ブレード3−2−3は金属体であり、シール
のように伸縮自在ではないので、上記各所で説明したよ
うにインキ溜め部の箱体3−2−1の側壁に対して可動
的に保持されている必要がある。ここで可動的というの
は、図5に示す例のように、ブレード3−2−3はその
中央部を箱体3−2−1のインキ流れ方向下流側の側壁
3−2−1−1に対して長穴3−2−3−2と段付きビ
ス3−2−3−1でスライド可能な状態に保持されてお
り、側壁3−2−1−1側にネジ3−2−1−2で固定
された軽い板バネ3−2−1−1のバネ力で現像ローラ
に軽く押し当てられている。
【0046】インキ溜め部の箱体3−2−1が現像ロー
ラに近接する場合、ブレード3−2−3は、ブレードの
スライドできる範囲が限界を超えると箱体そのものの動
きと一体的となり、インキ溜め部3−2の腕部3−2−
4に外部から作用する強力な力でブレード3−2−3は
現像ローラ3−3に加圧されるのである。また、インキ
溜め部の箱体3−2−1が現像ローラ3−3から回避す
る場合で、ブレード3−2−3のスライド状態の場合、
これは印刷準備中のエージング時や印刷終了後にブレー
ドの加圧力を脱圧してブレードによる現像ローラの圧痕
を防止するための回避であるが、その場合にはブレード
3−2−3に別途加圧力を加えている軽い板バネ3−2
−1−1のバネ力でブレードは現像ローラ3−3に軽く
加圧されるのである。これはひとえにインキ溜め部3−
2のインキがブレード側から漏れ出さないようにするた
めの構造である。
【0047】次に揺動ローラ3−4について説明する。
図2に示すように、揺動ローラ3−4はインキの流れ方
向から見てブレード3−2−3の下流に設置され、ブレ
ードにてほぼ均一にされたインキ膜厚をさらに均してブ
レードで作られた細かい筋目などを取る役目をする。こ
の揺動ローラ3−4は略L字形状のアーム3−4−1の
一端側に回転自在に軸支されており、アーム3−4−1
はその略中央の屈曲部を軸3−4−2により回動自在に
軸支されている。そしてアーム3−4−1の他端側と現
像装置のユニットとの間には引張力が付勢されたコイル
バネ3−4−3が設けられており、アーム3−4−1に
作用するバネ力により揺動ローラ3−4が現像ローラ3
−3に加圧されるようになっている。従って、揺動ロー
ラ3−4は常に現像ローラ3−3に従動的に加圧されて
いて、現像ローラ3−3から回転力を伝えられて回転す
る。本印刷装置で使用するインキは大変粘度の高いオフ
セット印刷並みのタッキーインキである。そのためイン
キもまた回転力を伝えるのに役立っている。また、揺動
ローラ3−4の揺動の動きは揺動ローラ3−4の軸端部
に揺動の動きをさせるカム(図示せず)があり、現像装
置本体側にあるカムフォロアー(図示せず)に倣ってロ
ーラが軸長手方向に前後して揺動の動きをするように成
している。また、揺動させるための駆動力はローラの上
記の回転力を利用している。
【0048】一方、インキから回転力をもらうのは揺動
ローラ3−4が金属のような表面材質の場合である。金
属にはインキが大変良く付着するので回転力は良く伝わ
る。しかし逆にその粘着性のため、揺動時に揺動ローラ
の長手方向のスライド力は大変大きなものになり、揺動
カムとカムフォロアーには大きな荷重が加わることにも
なる。また、金属ローラの場合はインキがローラ表面に
付着し、インキの均しの性能が阻害されることもある。
すなわち揺動ローラにインキが付着した場合、揺動ロー
ラの揺動の動きによりインキ層が剥離し、剥離状態の付
着インキで現像ローラの表面のインキ層を均すと荒れた
均ししかできないことがある。以上のような相反する性
能要求のため、揺動ローラ3−4の表面は適度なインキ
との付着性が求められることになる。そのため揺動ロー
ラ3−4の表面は、例えば表面粗さ1.6S以下の滑ら
かな表面で、且つ表面の材質が撥水性を有するものが望
ましく、例えばローラの表面がフッ素系ゴムやシリコン
系ゴム等の撥水性を有する材料から成るか、あるいは、
表面にフッ素系またはシリコン系の撥水性を有する材料
が塗布されたローラなどが望ましい。勿論、これらの材
質の選択はインキの性質に左右されるのは言うまでもな
い。
【0049】次にインキ補充用のインキマガジン3−1
並びにインキ残量検知装置について説明する。図2に示
すように、インキマガジン3−1の容器3−1−1の下
部には補充用インキ3−6の外部への出口である吐出口
3−1−4があり、前述したようにインキ溜め部3−2
にインキを落下させるために吐出口3−1−4は下向き
に装備されている。また、インキマガジン3−1からイ
ンキを押し出すために、インキマガジン3−1の容器3
−1−1内には、回転自在の軸3−1−2と、その回転
軸3−1−2に取り付けられているインキ押し出し部材
3−1−3としてのブレード状部材がある。インキ溜め
部3−2には図3、図4に示すような構成のインキ残量
検知装置3−5があり、インキの残量がある程度以下に
なるとインキ残量検知装置3−5が働きインキの補充を
知らせる。
【0050】図2〜4に示すように、現像装置3は、イ
ンキ溜め部3−2の箱体3−2−1内のインキ上部近傍
に設置してあるインキ残量検知部材3−5−1を有する
と共に、そのインキ残量検知部材3−5−1に連動して
インキの残量を知ることができるインキ残量検知装置3
−5を有しており、インキ残量検知部材3−5−1は、
インキ溜め部3−2のインキ上部近傍を通過するように
運動し、インキ残量が規定の量以上の時はインキの中を
通過し、インキ残量が規定以下の場合はインキ上部を通
過するように運動している検知部材である。より詳しく
述べると、インキ残量検知部材3−5−1として、イン
キ溜め部3−2の箱体3−2−1内のインキ上部には回
転自在の軸3−5−1aと、その軸3−5−1aに固定
されインキの表面近傍を通過するインキ残量検知板3−
5−1bが設けられており、該検知板3−5−1bは軸
3−5−1aにより回転されるようになっている。イン
キ残量検知部材3−5−1の軸3−5−1aは現像装置
3のインキ溜め部3−2の後部まで延びており、その軸
上には多数のスリットを有する第1の円板状部材3−5
−2が固定されていて、軸3−5−1aと共に回転する
ようになっている。また、その第1の円板状部材3−5
−2にはねじりバネ(トーションバネ)3−5−4の一
端部が固定されていて、そのトーションバネ3−5−4
の他端部は、上記と同様の多数のスリットを有する第2
の円板状部材3−5−3に固定されている。この後部側
の第2の円板状部材3−5−3は軸3−5−1aに対し
て回転自在に設けられており、第2の円板状部材3−5
−3のボス部には外部から駆動を貰うためのプーリ歯が
形成されている。そして、このプーリ歯には図示しない
駆動機構のタイミングベルト3−5−5が掛けられ、該
タイミングベルト3−5−5を介して第2の円板状部材
3−5−3が回転駆動される。また実際には上記の2つ
の円板状部材3−5−2,3−5−3はトーションバネ
3−5−4を挟んで近接して組み付けられており、この
スリットを有する2つの円板状部材を間に挟んで透過型
の光センサー3−5−6の発光素子と受光素子とが配置
されており、光センサー3−5−6の受光素子の出力か
らスリットの有る無しを検出できるようになっている。
【0051】インキ残量検知装置3−5の構造は以上で
あるが、ここで駆動伝達の流れを整理して説明する。図
3,4において、図示しない外部の駆動機構からの駆動
力がタイミングベルト3−5−5から第2の円板状部材
3−5−3のボス部のプーリ歯に伝えられ第2の円板状
部材3−5−3が回転すると、この第2の円板状部材3
−5−3に固定されているトーションバネ3−5−4が
捩じられ、トーションバネ3−5−4の他端に固定され
ている第1の円板状部材3−5−2に回転が伝えられ
る。第1の円板状部材3−5−2は軸3−5−1aに固
定されているので軸が回転し、軸3−5−1aに固定さ
れているインキ残量検知板3−5−1bが回転する。以
上のようにしてタイミングベルトからインキ残量検知板
までの駆動伝達が行われる。この駆動伝達の際、インキ
残量検知板3−5−1bは、インキ溜め部3−2のイン
キが少ない場合には何の負荷抵抗も受けないので、上記
のトーションバネ3−5−4は殆ど捩じられることなく
回転する。その際、二つの円板状部材3−5−2,3−
5−3のスリットの位置関係が互いに重なるような状態
に組み付いている場合は、光センサー3−5−6の発光
素子から発光されたセンサー検知光が二つの円板状部材
のスリットを通過して光センサー3−5−6の受光素子
に検知されるので、その場合はインキがインキ溜め部3
−2で不足している状態であることをセンサーが検出し
たことになる。しかし逆にインキ溜め部3−2の容器3
−2−1内にインキが十分ある場合は、インキ残量検知
板3−5−1bがインキから負荷を受けて上記のトーシ
ョンバネ3−5−4が適度に捩じられることになる。こ
のようにトーションバネ3−5−4が捩じられた状態に
なると、二つの円板状部材のスリットの位置は互いに向
かい合わずに食い違った状態になるので、その場合は光
センサー3−5−6の発光素子から発光されたセンサー
検知光はスリットを通過できないので、光センサー3−
5−6の受光素子は光を受光しない状態、すなわちイン
キがインキ溜め部3−2に十分あることを検出したこと
になる。
【0052】尚、二つの円板状部材3−5−2,3−5
−3はトーションバネ3−5−4を介して互いに捩じら
れた状態となると当然ある程度以上は捩じられないよう
なストッパを内部構造として有している(図示せず)。
そしてインキによるある程度以上の負荷がインキ残量検
知板3−5−1bに加われば、二つの円板状部材は上記
ストッパ位置まで捩じられるようになる。また、そうで
ない場合は、トーションバネ3−5−4の初期の捩じり
力で、二つの円板状部材は初期状態を保っている。従っ
て簡便な構成でインキ残量の検知を確実に行うことがで
きる。
【0053】以上が図3、図4に示すインキ残量検知装
置の概要説明であるが、上記の説明の中で用いているス
リットを有する二つの円板状部材は当然ながらこれに限
るものではなく、他の方式も考えられる。例えば、スリ
ットの代わりに二つの円板状部材に多数の小穴を設けて
もよい。また、透明な部材、例えばガラスからなる円板
状部材にエンコードの検出縞を印刷したような検出板と
してもよく、この場合は、エンコーダの原理と同様の検
出方式となる。また、光センサー3−5−6も透過型に
限らず反射光を利用したものでもよい。さらには光セン
サーに代えて、電気的、磁気的な検出方法等、種々の検
出方式が考えられる。
【0054】さて、以上のようなインキ残量検知装置3
−5によりインキ残量を検知した結果、インキ残量が少
なくなり補充の指令があると、図示しない電気制御系の
制御でインキマガジン3−1の吐出口3−1−4に設け
られている蓋部材3−1−9が開くと共に、インキマガ
ジン3−1の容器内に設けられている回転自在の軸3−
1−2に駆動伝達機構(図示せず)から駆動力が伝わ
り、容器内のインキ押し出し部材3−1−3が回転し、
インキ3−6を吐出口3−1−4から外部に押し出す。
このときの押し出し部材3−1−3によるインキの押し
出し量は、ブレード状の押し出し部材3−1−3の回転
量と容器内の残量インキの量で変化するので、適量が押
し出されてインキ溜め部3−2に補充されたか否かの判
断は、図示しない制御部のマイクロコンピュータ等によ
り、再度インキ残量検知装置3−5からの追加の指令が
あるか否かにより判断され、インキの補充量が制御され
る。
【0055】尚、インキマガジン3−1はインキ補充用
であるから当然、容器内のインキ3−6が空になったら
追加できるものであり、インキマガジン3−1は現像装
置3に対して抜き差しして脱着装填できるような構造と
なっている。そのため現像装置3のユニット3−7側に
はインキマガジン3−1を脱着する際のガイドとなるマ
ガジンガイド(図示せず)が設けられている。また、現
像装置内には、インキマガジン3−1の有無や適正の色
のインキであるか否かを区別する電気的検知手段が設け
られており、さらには、インキマガジン3−1の容器内
のインキ残量やインキが空になったか否かを検知する検
知手段が必要に応じて設けられているが、これらの図示
は省略している。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の印
刷装置においては、周面に印刷用版が巻装された複数の
印刷用版ドラムと、各版ドラムに印刷インキを供給する
現像装置と、各版ドラムから印刷すべきインキを転写さ
れ受容する転写材を有する中間転写装置と、上記転写材
に転写されたインキを印刷用紙に転写する用紙転写装置
と、該用紙転写装置に印刷用紙を供給する印刷用紙供給
装置と、印刷終了後に上記転写材をクリーニングするク
リーニング装置を基本構成として備え、上記印刷用版と
して感熱性撥水性印刷用版を用いているので、従来のオ
フセット印刷機などから比べて小型、コンパクトで低価
格な印刷装置を提供することができる。そして本発明の
印刷装置においては、上記現像装置は、インキの残量を
検知するために、インキを一時的に溜めるインキ溜め部
のインキ上部近傍に設置してあるインキ残量検知部材を
有すると共に、該インキ残量検知部材に連動してインキ
の残量を知ることができるインキ残量検知装置を有する
構成としたので、インキ残量検知装置によりインキの残
量検知を安定して信頼性高く行うことができ、インキの
自動補給も可能となる。従って、インキの残量検知や補
充を自動化でき、印刷品質の安定、操作簡便などを図る
ことができ、OA分野やDTP分野に用いる印刷機とし
て最適な、より小型でコンパクトな印刷装置を実現する
ことができる。
【0057】請求項2記載の現像装置においては、版ド
ラムに巻装された印刷用版に印刷インキを付与する現像
ローラと、現像装置内で一時的にインキを溜めておき上
記現像ローラにインキを供給するインキ溜め部と、該イ
ンキ溜め部から上記現像ローラに供給されたインキを適
正厚みに整えるブレードと、該ブレードの下流に設けら
れ現像ローラ上のインキを均す揺動ローラと、上記イン
キ溜め部にインキを補充するインキマガジンとをユニッ
ト内に備えた構成としたので、現像装置の構成部材をユ
ニット内にコンパクトに収納することができ、従来のオ
フセット印刷機などに用いられている複数のローラを用
いた装置構成に比べて現像装置の小型化、シンプル化を
達成することができ、印刷装置の小型化、コンパクト化
に寄与することができる。さらに、インキの残量を検知
するために、インキを一時的に溜めるインキ溜め部のイ
ンキ上部近傍に設置してあるインキ残量検知部材を有す
ると共に、該インキ残量検知部材に連動してインキの残
量を知ることができるインキ残量検知装置を有する構成
としたので、インキ残量検知装置によりインキの残量検
知を安定して信頼性高く行うことができ、インキの自動
補給も可能となる。従って、インキの残量検知や補充を
自動化することができる従来にない新規な構成の印刷機
用現像装置を提供することができる。
【0058】さらに請求項3記載の現像装置において
は、請求項2の構成に加えて、インキ残量検知部材は、
インキ溜め部のインキ上部近傍を通過するように運動
し、インキ残量が規定の量以上の時はインキの中を通過
し、インキ残量が規定以下の場合はインキ上部を通過す
るように運動している検知部材である構成としたので、
簡易な構成で確実にインキ溜め部内のインキ残量を検知
することができる。
【0059】請求項4記載の現像装置においては、請求
項2または3の構成に加えて、インキ残量検知装置は、
インキ残量検知部材に連結している多数のスリットを有
する第1の円板状部材と、その円板状部材に一端部が係
合しているねじりバネと、該ねじりバネの他端に連結し
ている多数のスリットを有する第2の円板状部材と、上
記二つの円板状部材のスリットに光を投射している光セ
ンサーからなる構成としたので、上記二つの円板状部材
のスリット位置のずれ量を透過型や反射型の光センサー
で検出することにより、容易にインキ残量の検出を行う
ことができる。また、上記の2つの円板状部材は、スリ
ットの代わりに多数の小穴またはエンコードを有する円
板からなる構成としてもよく(請求項5)、二つの円板
状部材の小穴あるいはエンコード位置のずれを透過型や
反射型の光センサーで検出することにより、容易にイン
キ残量の検出を行うことができる。
【0060】以上のように、本発明によれば、感熱性撥
水性印刷用版を用いた印刷装置においてその基本構成を
提供すると共に、その印刷装置に具備される新規な構成
の現像装置を提供したので、印刷装置の小型化、コンパ
クト化と低価格化の従来からの課題を解決することがで
きる。また、本発明によれば小型でシンプルな構成の現
像装置が提供でき、しかも小型でシンプルな構成のため
現像装置を安価に製作することができる。また、本発明
の現像装置を用いることにより、特にOA用に用いる印
刷装置として、選択印刷が可能な特色インキの入った現
像装置への迅速な切り替えが可能な、コンパクトでユニ
ット交換性などが図られた印刷装置を提供することがで
きる。また、本発明の現像装置を用いることにより、濃
度変更が複写機のように操作パネルから容易に変更でき
且つ瞬時に濃度を変更できるので、ヤリ紙などの無駄紙
が不要な、複写機感覚で使える印刷装置を実現すること
が可能となる。また、現像装置内にインキ残量検知装置
を備えているので、インキの残量検知と補充の自動化が
可能となり、より簡便操作性の印刷装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す印刷装置の概略構成
図である。
【図2】図1に示す印刷装置に具備される現像装置の構
成例を示す概略構成図である。
【図3】図2に示す現像装置のインキ残量検知装置の構
成を示す斜視図である。
【図4】図3に示すインキ残量検知装置の構成を拡大し
て示す斜視図である。
【図5】図2に示す現像装置のブレード取り付け部の構
成例を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1:版ドラム装置 1−1;版ドラム 1−2:感熱性撥水性印刷用版 2:書き込み装置 3:現像装置 3−1:インキマガジン 3−2:インキ溜め部 3−2−1:箱体 3−2−3:ブレード 3−3:現像ローラ 3−4:揺動ローラ 3−5:インキ残量検知装置 3−5−1:インキ残量検知部材 3−5−2:第1の円板状部材 3−5−3:第2の円板状部材 3−5−4:ねじりバネ(トーションバネ) 3−5−5:タイミングベルト 3−5−6:光センサー 3−6:インキ 3−7:ユニット 4:転写ベルト装置(中間転写装置) 5:転写ローラ装置(用紙転写装置) 6:クリーニング装置 7:印刷用紙供給装置 8:搬送装置 9:定着装置 10:排紙装置 11:排紙受け装置 S:印刷用紙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周面に印刷用版が巻装された複数の印刷用
    版ドラムと、各版ドラムに印刷インキを供給する現像装
    置と、各版ドラムから印刷すべきインキを転写され受容
    する転写材を有する中間転写装置と、上記転写材に転写
    されたインキを印刷用紙に転写する用紙転写装置と、該
    用紙転写装置に印刷用紙を供給する印刷用紙供給装置
    と、印刷終了後に上記転写材をクリーニングするクリー
    ニング装置を基本構成として備えた印刷装置において、 上記印刷用版として感熱性撥水性印刷用版を用い、且
    つ、上記現像装置は、インキの残量を検知するために、
    インキを一時的に溜めるインキ溜め部のインキ上部近傍
    に設置してあるインキ残量検知部材を有すると共に、該
    インキ残量検知部材に連動してインキの残量を知ること
    ができるインキ残量検知装置を有することを特徴とする
    印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の印刷装置に具備される現像
    装置であって、 版ドラムに巻装された印刷用版に印刷インキを付与する
    現像ローラと、現像装置内で一時的にインキを溜めてお
    き上記現像ローラにインキを供給するインキ溜め部と、
    該インキ溜め部から上記現像ローラに供給されたインキ
    を適正厚みに整えるブレードと、該ブレードの下流に設
    けられ現像ローラ上のインキを均す揺動ローラと、上記
    インキ溜め部にインキを補充するインキマガジンとをユ
    ニット内に備え、且つ、インキの残量を検知するため
    に、インキを一時的に溜めるインキ溜め部のインキ上部
    近傍に設置してあるインキ残量検知部材を有すると共
    に、該インキ残量検知部材に連動してインキの残量を知
    ることができるインキ残量検知装置を有することを特徴
    とする現像装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の現像装置において、インキ
    残量検知部材は、インキ溜め部のインキ上部近傍を通過
    するように運動し、インキ残量が規定の量以上の時はイ
    ンキの中を通過し、インキ残量が規定以下の場合はイン
    キ上部を通過するように運動している検知部材であるこ
    とを特徴とする現像装置。
  4. 【請求項4】請求項2または3記載の現像装置におい
    て、インキ残量検知装置は、インキ残量検知部材に連結
    している多数のスリットを有する第1の円板状部材と、
    その円板状部材に一端部が係合しているねじりバネと、
    該ねじりバネの他端に連結している多数のスリットを有
    する第2の円板状部材と、上記二つの円板状部材のスリ
    ットに光を投射している光センサーからなることを特徴
    とする現像装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の現像装置において、上記2
    つの円板状部材は、スリットの代わりに多数の小穴また
    はエンコードを有する円板からなることを特徴とする現
    像装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108237776A (zh) * 2018-02-26 2018-07-03 北京厚信印刷技术有限公司 一种印刷机橡皮滚筒的清洗方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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