JP2011168050A - 可変印刷用平版印刷機 - Google Patents

Abstract

【課題】湿し水パターンが変化可能である湿し水アプリケータを提供する。
【解決手段】少なくとも１つの湿し水アプリケータ２４を有するオフセット印刷機１０のための湿し水アプリケータ２４、および画像を基板２２に付与するための方法が提供される。このア湿し水プリケータ２４を用いて、可変画像が形成されるので、その画像は頻繁に変化可能である。画像用の印刷の数は、印刷される各項目または任意の所望の数の印刷サイクルに対して変化される。
【選択図】図３

Description

本発明は可変印刷用平版印刷機に関する。

平版印刷は、水およびインクを、印刷版の非画像および画像運搬面にそれぞれ配置し、次いで印刷版の画像運搬領域から、紙などの印刷可能な基板にインクを移す印刷ブランケットにインクを移すことによって機能する。印刷版のインク運搬領域の分離は、非画像領域を親水性（水を引き付ける）にし、一方画像領域を親油性（ｏｌｉｏｐｈｉｌｉｃ）（油およびインクを引き付け、水を撥ね付ける）にすることによってなされる。異なる技術が、印刷版をこれらの分離領域にするために使用されるが、それらは全て別のインクを引き付け、水を引き付ける領域を供給し、従って、印刷版から印刷ブランケット、基質（例えば紙）に移動される鮮明な、規定されたインクの画像を提供する。

平版印刷機シリンダに取り付けられた印刷版は回転するため、湿し水（様々な添加剤を含む水）はプレートの非画像領域に引き付けられ、プレートの画像領域から撥ね付けられる。湿し水の付与においていくつかの異なる方法が存在するが、全て、プレートの非画像領域を覆うこの湿し水の薄層を生じる。プレートが回転し続ける場合、次にインクが付与され、プレートの画像領域に引き付けられるが、それは湿し水によって湿らされた領域から撥ね付けられる。従って、別のインク画像が形成され、次いで印刷可能な基板（紙、フィルムなど）にさらに移動する印刷ブランケットに移される。

湿し水は印刷版の親水性領域に引き付けられ、平版インクは、印刷版の親油性領域に引き付けられる。特に、親油性領域はまた、疎水性または撥水性であり、従って、それらは、プレートにインクを付与している間、湿し水を引き付けず、それらの領域はインクを引き付けた状態になり、画像を形成することが留意される。

平版印刷はしばしば、「オフセット」印刷とも呼ばれ、インク画像を印刷ブランケット、次いで印刷可能な基板上に「オフセットする」ことを意味する。その基本形態において、印刷版を展開させるプロセスの間に画像（インク）および非画像（湿し水）領域が設定され、固定されることを考慮すると、１つの画像のみが１つの印刷版を用いて生成され得る。物理的な版を化学的に再展開させることは不可能ではなく、これに関して、基材は典型的に、陽極酸化アルミニウムであるが、他の物質でもよく、新規のアレイの画像および非画像領域を有するが、多くの場合、新しい版を簡単に展開させることは商業的に利点がある。それにも関わらず、何万およびさらに何十万までもの印刷された折丁が、１つの印刷版を用いて生成される場合があるが、それによって、それらの折丁の全てが互いに同一の一色の印刷された画像を有する。その後に印刷ユニットまたはタワーが並べて配置され、次いで最終的な、完全な印刷操作から供給する多色印刷された形状を形成するために必要とされる異なる色における他の画像の補充が適用される。

新規の技術が、一部の場合において印刷機シリンダに取り付けられているが、印刷版を迅速に交換するか、またはそれらの画像もしくは非画像領域を迅速に展開するように開発されている。これは、商業的な柔軟性および価値を向上させるが、さらに新しく印刷される画像が望まれるごとに新しい版および／または画像を必要とする。同様に、新規の技術が、許容可能な印刷された画像の質を達成するのに関連する時間および廃棄物の両方を最小化するように、標的インクレベルを迅速に達成するために開発されている。この廃棄物はインクを含むが、短い操作計画のためのより有意な基板材料は、実際に、安定した、最終的な生成物の印刷の量を生成するのに必要とされる量を超える。関連する「作製準備」費用は通常、印刷単位ごとに商業的に許容可能な費用を可能にするか、または各々の印刷される折丁の単位コストに有意に役立つように、多くの印刷される折丁にわたって及ぶ。従って、従来の平版オフセットプロセスを用いて印刷するための最小の費用のオーダーの量は、通常、数百または数千単位であり、これより少ない量は、種々のトナーまたはインクジェット可変データ向けであるか、あるいは進歩している「デジタル」印刷プロセス向けである。

新規印刷技術が過去数十年にわたって開発されており、印刷される画像を変化させることに対して、従来の平版印刷法の柔軟性がないことに挑戦している。「デジタル」プロセスも、全ての印刷された折丁で変化した画像を印刷するそれらの能力のために確認されているか、または少なくとも少量の画像に関して、商業的な印刷市場に存在している。それらは、通常、異なるタイプのトナーまたはインクジェット印刷を含み、後者は、インクシステムに基づいた溶媒または水溶液のいずれかを含む。これらのデジタルプロセスは、通常、平版オフセット印刷機で行われるように、画像を基板に移す印刷ブランケットに移すことによってではなく、インクまたはトナーの直接付与のいくつかの手段によって印刷可能な基板上に直接画像を生成する。特に、インクジェット印刷は、基板上に直接規定されたパターンでインクの微小液滴を排出する方法を利用するので、インクを基板に供給する非接触手段を与える。

１つの簡略化した、従来の平版オフセット印刷機を図１に示す。この印刷機は、一連の従来の湿し水ローラおよび一連のインクローラ１２を備える、印刷版シリンダ１４を備える。湿し水は、従来の湿し水アプリケータ２４ｂによって、印刷版１４の表面に取り付けられた印刷版に付与される。インクは、インクローラ１２によって印刷版に付与される。次いで、画像が、シリンダ１４の表面に取り付けられた印刷版に一時的に付着される。この画像は、印刷ブランケット１６、次いで基板２２に移される。インプレッションシリンダ１８は、回転可能なシリンダの表面に取り付けられた印刷ブランケット１６とともにニップを形成するように提供される。

図１の実施形態をどのように簡略化したかを示すために、図２は、例示される印刷版シリンダ１４のみを備える従来の印刷機を示すことが含まれる。図２は、湿し水を含有するパン６０から湿し水を運搬するローラＺ、Ｗ、Ｙ、ＶおよびＸを含む、複数の湿し水ローラ２４’を備える市販の印刷機の例を示す。市販の印刷機のこの例において、印刷シリンダ１４と接触するローラＡ、Ｂ、ＣおよびＤを含む複数のインクローラ１２’も示す。さらなるローラは、Ｊ、Ｑ、Ｋ、（Ｒ）、（Ｏ）、Ｎ、Ｉ、Ｍ、Ｇ、Ｋ、（Ｈ）、Ｊ、Ｇ、Ｎ、Ｊ、Ｅ、Ｆ、（Ｐ）およびＬを含む。これらのインクローラ１２’は、印刷版シリンダ１４の表面上に取り付けられる印刷版上に効果的に均一に広がる。

本発明の目的は、印刷版を有する印刷機のための湿し水アプリケータを提供することであり、そのアプリケータは、湿し水を、可変画像形状における版に放出するための出口を有するので、画像が頻繁に変化可能である。

本発明のさらなる目的は、回転可能な印刷版、回転可能な印刷ブランケット、および回転可能なインプレッションシリンダを有する印刷機を提供することである。画像を受容するための基板用の経路は、印刷ブランケットとインプレッションシリンダとの間に形成される。この印刷機はさらに、湿し水を印刷版に付与するためのアプリケータを有する。

本発明のさらに別の目的は、画像を基板に付与するための方法を提供することである。その方法は、印刷機に回転可能な印刷版を設ける工程と、アプリケータから所定のパターンで湿し水を印刷版上に付与する工程と、インクを印刷版に供給する工程であって、そのインクは、版に付与される湿し水を含まない領域において版に一時的に付着する、工程と、インクを版から印刷ブランケット、続いて基板に移して、その上に画像を形成する、工程とを含む。

本発明の適用可能なさらなる範囲は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明および具体例は本発明の好ましい実施形態を示すが、例示のみによって与えられるため、様々な変更および修飾が本発明の精神および範囲内においてこの詳細な説明から当業者に明らかになることは理解されるべきである。

本発明の例示的な実施形態は、以下の本明細書に与えられる詳細な説明および添付の図面からより十分に理解されるだろう。図面において、同様の要素は同様の参照番号によって表さる。これらは例示の目的のみにより与えられるため、本発明の例示的な実施形態を限定するものではない。

図１は、従来の平版オフセット印刷機の簡略化した型を示す。 図２は、従来の平版オフセット印刷機をより詳細に示した一実施形態を示す。 図３は、本発明の湿し水可変パターンアプリケータを有する平版オフセット印刷機を示す。 図４は、本発明のベルト様式連続印刷版を有する平版オフセット印刷機の別の実施形態を示す。 図５は、従来の平版オフセット印刷機の構成要素と組み合わせて使用される本発明の平版オフセット印刷機の別の実施形態を示す。 図６は、本発明を使用する場合の印刷版を区切る場合の連続した印刷基板上の画像のバリエーションを図により説明する。 図７は、図３または５の実施形態の湿し水アプリケータを有する単一のローラを使用する実施形態を示す。 図８は、図３または５の実施形態の湿し水アプリケータを有する複数のローラを使用する別の実施形態を示す。 図９は、本発明の印刷機における複数のタワーを示す。

本発明は、迅速かつ可逆的に印刷版の湿し水で湿らせた非画像領域を生成するように、湿し水をオフセット印刷機の印刷版に付与する新規の方法を示す。それは、多くの場合、印刷版シリンダの回転ごとでさえも、印刷可能な画像を変化させる方法を提供し、最小の基板消費で、実際の版材料を交換せずに、基板の各折丁に印刷される画像を頻繁に変化させることができる。もちろん、任意の所望される数の画像が、画像を変化させる前に本発明を用いて印刷され得る。印刷機は、印刷版シリンダの各回転で画像を変化させることができるが、多く、すなわち数百または数千の同一の画像を生成した後に、そのようにすることができ、その後、続いて画像は非常に少ない消費で別の画像に変化する。

本発明は、個々の印刷された画像を互いの「折丁」とは異なるようにし、かつ区別することができる。最小限で、上記の方法は、印刷される画像を変化させる頻繁で低コストの方法を可能にし、それによって、動作の長さを減少させることができ、さらに設定費用および開始インクおよび基板の消費を、従来の平版オフセット印刷と比べて非常に減少させることができる。

図３に示すように、本発明はオフセット印刷機１０を含み、そのオフセット印刷機１０において、インクシステム１２、印刷版１３、印刷ブランケット１６、バッキングまたはインプレッションシリンダ１８および印刷機を通る基板（紙）経路２０は典型的に、従来の平版オフセット印刷機のものである。図３に示すインクシステム１２は、一連のインクローラであるが、単一のローラまたは任意の他のインクアプリケーション装置が利用されてもよい。図３における印刷版１３は、印刷シリンダ１４の表面上に取り付けられた印刷版の形態であるが、他の印刷構成が説明されるように使用されてもよい。印刷ブランケット１６を回転シリンダ上に示すが、再度、他の公知の構成が可能である。基板２２は、枚葉給紙または連続ウェブフォーム形態のいずれかにおいて、様々なストックの紙、紙板、厚紙、プラスチック、ガラス、金属または任意の他の公知の基板を含んでもよい。印刷版シリンダ１４、印刷ブランケット１６のためのシリンダおよびインプレッションシリンダ１８のためのドライブ４０、４２および４４、を図３に概略的に示す。別のドライブが各々のために提供されてもよいか、またはそれらが相互接続されてもよい。本発明の他のローラおよび要素もまた、公知の方法で駆動されてもよい。印刷版シリンダ１４、印刷ブランケットシリンダおよびインプレッションシリンダは、図に示す矢印によって示されるように回転するように駆動される。

オフセット印刷機１０はまた、湿し水を印刷版シリンダ１４上の印刷版１３に付与するためのシステムを備える。図３の実施形態において、このシステムは湿し水アプリケータ２４を備える。１つのアプリケータ２４を示しているが、種々の位置に配置される複数のアプリケータが提供されてもよいことは理解されるべきである。これらの配置構成の一部を以下にさらに詳細に説明する。湿し水は、印刷版シリンダ１４上で回転しながら、印刷版１３に付与され、さらに可変の画像形状に付与される。これは特に、湿し水のパターンが、印刷版シリンダ１４の各回転などで、頻繁に変化することができることを意味する。任意の順序の付与が実施されてもよい。例えば、湿し水パターンが各回転、他の回転ごと、１０回ごと、１００回ごと、または任意の回転の他の組み合わせで変化されてもよい。非常に高い柔軟性が本発明を用いて提供される。さらに、基板２２上の画像の異なる部分が、以下に説明するように選択的に変化されてもよい。湿し水の付与方法は、印刷版１３に付着し、それとともに、次に湿し水を含まない版の領域に引き付けるインクの反転画像を維持する予め規定された配列で湿し水の液滴を排出する工程を含む。液滴は制御され、それによって、鮮明な詳細な画像が生成され得る。印刷版１３上の湿し水は、画像および非画像領域が固定されることを除いて、従来の平板印刷の間に起こるように、その撥油性（ｏｌｉｏｐｈｏｂｉｃ）、インク撥水性のために、非画像領域からインクをはじく。洗浄ロールまたは他の洗浄装置３２が、湿し水アプリケータ２４の上流に提供される。この洗浄装置３２は印刷版１３に隣接し、印刷ブランケット１６とインプレッションシリンダ１８との間のニップ（ｎｉｐ）から下流にある。

図３は単一の湿し水アプリケータ２４を示すが、所望の場合、複数のアプリケータが使用されてもよい。それらは、印刷版１３の長さに沿って長手方向軸に離間されてもよいか、または印刷版の回転方向に連続して配置されてもよい。あるいは、湿し水アプリケータ２４は、図５の実施形態に関して以下に説明するように従来のアプリケータとともに使用されてもよい。もちろん、任意の組み合わせの湿し水アプリケータが使用されてもよい。

ここで図４を参照すると、本発明の別の実施形態が示される。オフセット印刷機のほとんどは図３のものと同様であり、従って、その詳細を繰り返さない。しかしながら、図３に示す印刷版シリンダ１４の表面上に取り付けられる印刷版１３上への直接的な湿し水の排出液滴の代わりに、ベルト印刷版２６が設けられる。このベルト印刷版２６は、この実施形態において印刷版１３として作用する。湿し水は、移動するベルト印刷版２６上にアプリケータ２４によって直接排出される。ドライブ４０は、以前に印刷版を有した下部のシリンダ２８に連結されているように示されているが、このドライブ４０はまた、ローラ３０に取り付けられてもよい。様々な公知のドライブの配置構成が可能である。図２を見ると、多くの異なるローラおよび／またはベルトの配置構成が、本発明の全ての実施形態での使用に意図される。

さらに、ベルト印刷版２６を用いるよりむしろ、またはこのようなベルト印刷版２６に加えて、図７に見られる単一のローラ４８または図８に見られる一連のローラ４８、５０もまた、アプリケータ２４から湿し水を受けるために使用されてもよく、次いで、この湿し水をベルト印刷版２６または印刷版シリンダ１４の表面上に取り付けられる印刷版１３に移す。図７および図８に示すように、ローラ４８および／または４８、５０は、図３に見られる１つの可変パターンアプリケータ２４のみを有するシステム、または可変パターン湿し水アプリケータ２４ａを有する図５に示す同様のシステムおよび以下により詳細に記載する従来のアプリケータ２４ｂを有するシステムに適用可能である。印刷機の一部分のみを図７および図８に示す。印刷版１３の下方の構造は例示の簡略化のために省略しているが、そのような構造はこれらの実施形態で使用することを意図する。さらに、図８に使用される２つのローラのみが任意の数のローラまたはベルトの代わりに使用されてもよい。最初に示すように、単一のローラ４８または複数のローラ４８、５０の使用もまた、図４に示すベルト印刷版２６を用いる実施形態で適用可能である。

このベルト印刷版２６は、示している種々のローラ２８、３０の周囲を覆う。もちろん、任意の数のローラが、ベルト印刷版２６を支持および駆動するために使用されてもよい。このベルト印刷版２６は、湿し水アプリケータ２４、インクローラ１２、印刷ブランケット１６および洗浄回転または他の洗浄装置３２を越えて回転する。インクローラ１２によって移されるインクは、ベルト印刷版２６から印刷ブランケット１６に付与され、続いて紙などの基板２２に移される。紙が示されているが、異なる基板が印刷画像に受け入れられてもよいことは理解されるべきである。示すように、これらの基板２２は、枚葉給紙または連続ウェブフォームのいずれかの形態で紙、板紙、厚紙、ガラス、金属または任意の他の公知の基板の種々のストックを含んでもよい。

図４に示す実施形態の利点は、湿し水アプリケータ２４および洗浄ロールまたは他の洗浄装置３２の領域に設けられる間隔があることである。この物理的空間は、新しい湿し水およびインクを得る前にベルト印刷版２６の洗浄を可能にする。ベルト印刷版２６は、限定されないが、ゴムまたはプラスチックあるいは必要な物理的強度および柔軟性を与え、湿し水およびインクに付着する適切な表面組織および化学的組成を有する物質の合成物などの物質から製造され得る。

図５を参照すると、従来のロール、ブラッシュまたはスプレータイプのアプリケータ２４ｂに加えて湿し水の可変パターンアプリケータ２４ａで改良された平板印刷機が示される。この実施形態において、図３のオフセット印刷機が、従来のアプリケータと組み合わされて使用される。図３に示されるこのような構成要素は既に記載されているものと同様であり、それらの詳細な説明は繰り返さない。オフセット印刷機は、湿し水アプリケータ２４ａ、２４ｂの１つまたは両方によって排出される湿し水を受容する印刷版シリンダ１４上に印刷版１３を備える。もちろん、印刷版シリンダ１４の表面に取り付けられる印刷版１３を用いるよりむしろ、２６などのベルト印刷版または単一のローラ４８もしくは複数のローラ４８、５０が、図７および８に示すようなアプリケータ２４ａ、２４ｂとともに使用されてもよい。単一のアプリケータ２４の代わりに、これらの分かれた湿し水アプリケータ２４ａおよび２４ｂが以下により詳細に記載される。下流にインクローラ１２、印刷ブランケット１６および洗浄ロールまたは他の洗浄装置３２もまた、以前に記載されるように設けられる。

記載されるように、図５の湿し水アプリケータの構成要素は、図４、７または８に記載されるオフセット印刷の配置構成と組み合わされて使用されてもよいが、この配置構成は示さない。図３の可変パターンアプリケータについて、湿し水は印刷版１３に直接付与されるが、図４において、ベルト様式の連続印刷版が使用される。

図５において、従来のロール、ブラッシュまたはスプレータイプのアプリケータ２４ｂが使用される。このような従来のアプリケータ２４ｂは、可変パターンの湿し水アプリケータ２４ａで変化する可能性がなく、基板に付与される同じ画像を生じる。つまり、アプリケータ２４ｂから生じるこの画像は変化され得るが、従来の方法で変化され得る。この変化は印刷動作後によってのみ起こる。つまり、従来のアプリケータ２４ｂは画像を印刷機１０の印刷動作の間変化させない。可変の湿し水アプリケータ２４ａから生じる画像は印刷ごとに変化し得るか、または記載されているように任意の所望の組み合わせにおいて変化し得る。図５において、従来のアプリケータ２４ｂが、可変パターン湿し水アプリケータ２４ａとインクローラ１２との間に示される。湿し水ローラ２４ｂが従来のアプリケータとして図５に示されるが、それらはまた、上記のような任意の従来のローラ、ブラッシュまたはスプレータイプのアプリケータであってもよい。さらに、図３は、可変パターンアプリケータ２４ａから下流にある従来のアプリケータ２４ｂを示すが、実際にはそれから上流にあってもよい。

図６を参照して、従来のアプリケータ２４ｂおよび可変パターンアプリケータ２４ａの組み合わせを説明する。一枚の紙などの基板２２は、その一方の端部に従来のアプリケータから生じる画像を受け、その他方の端部に可変パターンアプリケータから生じる画像を受ける。この例において、一連の３枚のシートにおける最後の印刷されたシート（底部のシート）は、画像の分離を示す点線を有する。基板の左端部３４の「シート」の画像は従来のアプリケータから生じる。この画像は動作中にシートから連続したシートまで変化しない。従来のアプリケータは、インクを印刷版上のインクローラ１２から受け取ることを可能にするので、この「シート」の画像は基板２２の左端部３４に配置された。基板２２の右端部３６は、湿し水可変パターンアプリケータ２４または２４ａから生じる各シートについて変化した画像を受ける。連続した３枚のシートに示されるように、この画像は数が「１」から「２」、「３」へと変化し得る。もちろん、任意の所望の画像が印刷され得る。さらに、湿し水可変パターン２４、２４ａは、所望の連続したシートがスキップされ、選択されたシートのみが可変パターンアプリケータから生じる画像を有するように選択的に作動されてもよい。さらに、記載されるように、可変パターン２４または２４ａから生じる画像は、図６のこの例に示すように各シートについて変化されなくてもよい。動作後、従来のアプリケータ２４ｂから生じる画像は通常の方法で変化され得る。しかし、可変パターンアプリケータ画像は、所望のように選択的に変化され得る。非常に高い柔軟性が、本発明の湿し水アプリケータにより可能である。

従来のアプリケータ２４ｂから得られる画像はシートの左端部３４に示され、可変パターンアプリケータから得られる画像はシートの右端部３６に示されるが、それらの端部は、アプリケータ２４ａ、２４ｂが、印刷版１４の長さに対して取り付けられる場所に応じて変化されてもよい。例えば、図５を見ると、従来の湿し水アプリケータ２４ｂは、見る人に対して近くにあるが、可変湿し水アプリケータ２４ａはさらに遠くにある。この遠近法は、その図の性質のために現在の図５において容易には見ることができない。しかし、この配置構成は上述の記載から明らかであるべきである。アプリケータ２４ａ、２４ｂのそのような配置は、この図５における可変湿し水アプリケータ２４ａよりさらに遠くにあるように従来の湿し水アプリケータ２４ｂと反対にされてもよい。基本的に、アプリケータ２４ａ、２４ｂの配置は、記載されるように印刷版１３の長さに沿って変化され得る。印刷機は、所定の位置に固定されるか、または可動式に取り付けられる種々のアプリケータ２４ａ、２４ｂを有するように配置されてもよく、これにより、印刷版１３に対するそれらの位置が変化する。あるいは、従来のアプリケータ２４ｂは、基板上の画像内の小さなボックスまたはテキスト領域以外の全ての印刷物に配置されてもよく、次いで可変パターンアプリケータが、このボックスまたはテキスト領域内を満たすように使用されてもよい。別の配置構成において、可変パターンアプリケータ２４ａは、２つの従来のアプリケータ２４ｂの間に配置され得、それによって、画像の中央部分が、可変パターンアプリケータ２４ａにより選択的に変化され得るが、画像の２つの端部は、２つの従来のアプリケータから一定に付与される。図５において、１つの従来のアプリケータ２４ｂが示される。別の従来のアプリケータは、この示されるアプリケータ２４ｂの後ろにあり、この図には見えない。あるいは、この第２のアプリケータは、印刷版１３の周囲付近の一部の他のオフセット位置にあってもよい。これは第２の従来のアプリケータが存在する状態であるが、「オフ」にスイッチされると、１つの従来のアプリケータ２４ｂおよび可変の湿し水アプリケータ２４ａのみが使用される。さらに、２つより多い従来のアプリケータ２４ｂが存在してもよい。それらは、示されるローラアプリケータなどの同じタイプのアプリケータであってもよいか、またはそれらはブラッシュもしくはスプレータイプのアプリケータであってもよい。同じまたは異なるタイプのアプリケータが使用されてもよい。従来のアプリケータ２４ａと同様に、１つまたは任意の複数の可変湿し水アプリケータ２４ａが使用されてもよい。従来のアプリケータおよび可変パターンアプリケータの他の組み合わせまたは配置構成が使用されてもよいことは理解されるべきである。従って本発明は非常に高い柔軟性を提供する。印刷機が、恒久的または一時的に取り付けられるこのようなアプリケータを有してもよいこともまた理解されるべきである。従って、印刷処理の必要性に応じて、印刷機は必要な要求に適応するように容易に改良され得る。

本発明の印刷機１０について、基板２２に画像を付与するための方法が提供される。印刷機１０は、印刷シリンダ１４またはベルト印刷版２６を備え得る回転可能な印刷版１３を有する。上記のように、印刷版が本明細書で言及される場合、印刷版シリンダまたは回転可能なベルトの表面上のいずれかに取り付けられる回転可能な印刷版が使用され得る。この方法は、２４、２４ａ、２４ｂなどのアプリケータから所定のパターンで湿し水を、印刷版１３または単一のローラ４８もしくは複数のローラ４８、５０に付与する。示されるように、ローラ４８および５０を用いる場合、任意の数のローラが実際に使用され得る。次いで、インクが、インクローラ１２または任意の他の公知の装置によって供給される。インクは、印刷版１３に付与される湿し水を含まない領域において印刷版１３に一時的に付着する。次いで、インクは、印刷版１３から印刷ブランケット１６、続いて基板２２に移されて、基板上に画像を形成する。

図９において、印刷機１０は複数のタワー６２、６４を有する。もちろん、任意の数のタワーが使用されてもよい。このような配置構成は別個のカラー印刷用であってもよい。タワーの１つ以上は、上記の湿し水アプリケータ２４および／または２４ａ、２４ｂの１つ以上を有してもよい。例えば、従来の湿し水アプリケータ１２は１つのタワー６２にあり、別のタワー６４に可変湿し水アプリケータ２４を備えてもよい。これは１つの例であり、このような印刷機１０に異なる組み合わせが利用されてもよい。例えば、本発明の湿し水アプリケータは、４色の画像の従来の印刷を使用する印刷機に使用されてもよく、その後に基板に氏名および宛先などの可変の情報を与える第５の印刷タワーが使用されてもよい。

本発明は、多くの実際の実施形態および好ましい実施形態に関連して記載されているが、本発明は開示された実施形態に限定されず、そのような改変および等価物の配置構成全てを含むように、本発明の精神および範囲の広範な解釈に含まれる様々な配置構成に及ぶことを意図することが理解される。

Claims (21)

1. 回転可能な印刷版を有する印刷機のための湿し水アプリケータであって、前記アプリケータは、可変画像における版上に湿し水を放出するための出口を有し、それにより、湿し水パターンが頻繁に変化可能である、湿し水アプリケータ。
2. 前記アプリケータは、可変パターンの湿し水を、回転可能なシリンダ上の印刷版あるいは後で可変パターンを印刷版に移すベルト印刷版またはローラ上に直接、選択的に付与する、請求項１に記載の湿し水アプリケータ。
3. 排出装置が湿し水の液滴を排出する、請求項２に記載の湿し水アプリケータ。
4. 前記湿し水のパターンが版の各回転に対して変化する、請求項２に記載の湿し水アプリケータ。
5. 前記アプリケータが、前記湿し水のパターンを、印刷動作の間、回転可能な版上に選択的に付与し、それにより、前記パターンが前記印刷版の回転を停止せずに変化可能である、請求項１に記載の湿し水アプリケータ。
6. 前記印刷版は、回転可能なシリンダ上にあるか、または回転可能なベルト印刷版である、請求項１に記載の湿し水アプリケータ。
7. 回転可能な印刷版と、
   回転可能な印刷ブランケットと、
   回転可能なインプレッションシリンダと、前記印刷ブランケットと前記インプレッションシリンダとの間に形成される画像を受けるための基板用の経路と、
   湿し水を、可変画像における前記印刷版に付与するためのアプリケータと、
   を有し、それにより、湿し水パターンが頻繁に変化可能である、印刷機。
8. 前記印刷版に隣接し、前記湿し水アプリケータから下流にあるインクローラと、
   前記印刷版に隣接し、前記印刷ブランケットおよび前記回転可能な印刷版のニップから下流にある洗浄装置と、
   をさらに備える、請求項７に記載の印刷機。
9. 前記印刷版を有する印刷版シリンダ、前記印刷ブランケットおよび前記回転可能なインプレッションシリンダを回転させるためのドライブを備え、前記アプリケータは湿し水を可変パターンにおいて前記印刷版に付与する、請求項７に記載の印刷機。
10. 前記アプリケータによって付与されるパターンは前記印刷版の各回転に対して変化する、請求項９に記載の印刷機。
11. 前記アプリケータは、前記印刷版上に湿し水を選択的に排出し、それにより、前記パターンが、前記印刷版の回転を停止せずに変化可能である、請求項９に記載の印刷機。
12. 前記印刷版は、回転可能なシリンダに取り付けられるか、または回転可能なベルト印刷版である、請求項７に記載の印刷機。
13. 湿し水を付与するための前記アプリケータと組み合わされて使用される第２の湿し水アプリケータをさらに備え、前記第２の湿し水アプリケータから得られる画像は一定であり、一方、前記湿し水を付与するための前記アプリケータからの画像は、前記印刷版の動作の間に選択的に変化され、前記第２の湿し水アプリケータはロール、ブラッシュまたはスプレーアプリケータのうちの１つである、請求項７に記載の印刷機。
14. 前記印刷機は複数のタワーを有し、前記タワーのうちの少なくとも１つは、前記可変画像において湿し水を付与するための前記アプリケータを有する、請求項７に記載の印刷機。
15. 画像を基板に付与するための方法であって、前記方法は、
    印刷機に回転可能な印刷版を設ける工程と、
    アプリケータから所定のパターンで湿し水を前記印刷版上に付与する工程であって、前記湿し水は可変画像に付与され、それにより、湿し水のパターンが頻繁に変化可能である、工程と、
    インクを前記印刷版に供給する工程であって、前記インクは、版に付与される湿し水を含まない領域において前記版に一時的に付着する、工程と、
    前記基板上に画像を形成するために、前記インクを前記版から印刷ブランケット、続いて前記基板に移す工程と、
    を含む方法。
16. 前記移す工程の後に前記印刷版から残存しているインクおよび湿し水を除去する工程をさらに含む、請求項１５に記載の方法。
17. 前記印刷版を回転させる工程と、
    前記印刷版の回転の間に前記湿し水を前記版に付与する工程と、
    前記版の回転の間、かつ前記湿し水の付与後にインクを前記印刷版に付与する工程と、
    をさらに含む、請求項１５に記載の方法。
18. 印刷機の印刷動作の間、アプリケータにより付与される湿し水のパターンを選択的に変化させる工程をさらに含む、請求項１７に記載の方法。
19. 印刷版の各回転に対して前記湿し水のパターンを変化させる工程をさらに含む、請求項１８に記載の方法。
20. 前記湿し水を付与する工程は、
    前記アプリケータから湿し水を印刷版または１つのローラもしくは複数のローラのうちの１つに排出する工程と、
    前記湿し水が前記ローラに存在する場合、前記湿し水を前記印刷版に移す工程と、
    を含む、請求項１８に記載の方法。
21. 第２の湿し水アプリケータを印刷版に適用する工程をさらに含み、湿し水の一方の付与が、可変のパターンで湿し水を排出することによって実施され、他方の付与が、前記第２の湿し水アプリケータによって実施され、前記第２の湿し水アプリケータはロール、ブラッシュまたはスプレーアプリケータであり、かつ前記印刷機の印刷動作の間に画像を変化させない、請求項１８に記載の方法。

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