JP2004161454A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電気力を用いたベルト搬送装置を有するインクジェット記録装置におけるベルトクリーニング装置において、ベルト表面の残留インクを除去することでベルトクリーニング性能を向上させ、安定した静電気力を用いた記録紙の搬送を実現し、信頼性が向上されたインクジェット記録装置を実現する。
【解決手段】搬送ベルト表面のインクを除去するためにインク掻き取り手段であるブレード手段(クリーニングブレード)501と、その搬送方向下流第一の位置で残留インク濃度を低減させる手段と、第2の位置でインクを拭き取る手段を設ける。
【選択図】 図3
【解決手段】搬送ベルト表面のインクを除去するためにインク掻き取り手段であるブレード手段(クリーニングブレード)501と、その搬送方向下流第一の位置で残留インク濃度を低減させる手段と、第2の位置でインクを拭き取る手段を設ける。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記録媒体上にインク滴を吹き付けて記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録装置のように、インク滴を飛ばすことにより画像記録を行う装置においては、記録ヘッドの性能を維持するために、通常の記録時以外にもインクを飛翔させることが必要である。これらのインクは、通常画像記録時においては、記録紙上に吐出され、また、非記録時には、記録紙上ではなく、キャップ上、あるいはインク受け等に吐出される。
【0003】
特に記録紙搬送手段として、搬送ベルトを用いた記録装置においては、記録速度向上のために、搬送ベルト上に定期的にインクを吐出させることにより、記録ヘッドの性能が維持される装置も提案されている。
【0004】
これらの通常時(記録時・及び非記録時)とは別に、これら記録装置において考えておかなければならないことで、記録紙詰まり(以下ジャムという。)時の対応である。搬送ベルトを使用する記録装置においては、このジャム時における、ベルト上のインクの汚れに対して、そのクリーニング手段を備えることは、必須である。
【0005】
また、インクを定期的に搬送ベルト上に吐出する場合には、次に搬送されてくる記録紙への裏移りを防ぐためにインクの付着したベルトを常に清浄な状態に保つためのクリーニング手段が重要な課題となる。
【0006】
また、搬送ベルトに高電圧を供給することにより静電気力を発生させて記録紙を保持し搬送を行う場合においては、搬送ベルトにインクが付着するとインクに含まれている成分により抵抗値が変化し、安定した静電気力を発生させることが困難になり結果として、搬送ジャムの原因となる。
【0007】
図6は、搬送ベルトを有する記録装置の要部断面図である。
【0008】
本従来例は、ベルトクリーニング部材として、インク吸収体を備えたベルトクリーナを有する装置をあらわしている。
【0009】
1500は、ベルトクリーナ本体であり、インク吸収体1501は、本実施例においては図のように、ベルト表面に対し、一定接触圧力PBを保ちながら、接触される。
【0010】
インク吸収体1501は、インク吸収性の良好な、材料からなる。
【0011】
ベルト上に付着したインクは、ベルト駆動ローラを経て、図中、インク吸収体1501との接触ニップ部へと移動される。接触ニップ部において、ベルト表面の付着インクはインク吸収体1501のインク吸収能力により吸収される。これにより、ベルト上に付着されたインクが清掃される。インク吸収体側へと吸収・回収されたインクは、吸収体自身のインク保持能力によって、保持能力まで保持し続ける。
【0012】
通常、装置の寿命までクリーニング性能を持続するためには、このインク吸収体部材の交換、または、任意の送り量で不織布を搬送し常にインク保持能力のある部分で接触することが必須となる。
【0013】
また、吸収体自身の能力、および寿命をアップさせるためには、吸収体の外形を大型化することがもっとも有効な手段である。
【0014】
これらの方法を採らない場合には、定期的な清掃、吸収体の交換等のメンテナンス作業が必要となる。
【0015】
しかしながら、これらの手段を用いても、上記問題点、すなわち、上記搬送ベルト上のインク除去を完全に行うことは困難であり、ベルト上のインクのクリーニング不良や、回収インクのこぼれ、装置の大型化等を生じていた。
【0016】
上記従来例のような構成においては、対策が不十分であり、特に、印字ヘッドの印字幅が広い装置や、記録領域に配される記録媒体の搬送方向に交差する方向の記録媒体の全幅にわたってインク吐出口を配列したいわゆるフルラインタイプのインクジェット記録ヘッドにおいては、使用するインクも大量であり、回収インク(=クリーニングすべきインクの量)も多大になる。また、装置寿命も、長寿命化を達成しなければならない。
【0017】
そこで、フルラインタイプの記録ヘッドを用いた装置においては、記録速度の高速化並びにヘッド信頼性の向上のために、ベルト上への、定期的なインク吐出が行われるような装置も提案されている。
【0018】
このことは、ベルトクリーニング装置のインク回収能力も多く必要となる。その結果、インク吸収体の回収容量を超えてしまってのインクあふれや、インク吸収能力の不足によるクリーニング不良等を引き起こすこともあった。
【0019】
次に上記問題点を鑑み、提案されている実施例を図7に示す。
【0020】
ベルトクリーナ1500において、ベルト搬送方向に対して、上流側にクリーニングブレード1502が配置される。このクリーニングブレード1502に対して、搬送方向下流側に、クリーニングウェッブ1503が配置される。クリーニングブレード1502は、ウレタンゴム等のゴム系の材料で図のようにベルト表面に対し、一定角度、一定接触圧力を保ちながら、接触される。クリーニングウェッブ1503は不織布等からなる長尺の反物状の形状で、ベルト表面に対して、ウェッブローラ1506を介して、ベルト表面に対して、一定の接触圧力を保ちながら接触される。ウェッブ駆動モータは、ベルト表面に接触されたクリーニングウェッブ1503を所定タイミング、所定速度にて、巻き取っていくためのモータである。
【0021】
この構成により、ベルト上に吐出された付着インクは、まず、ブレード手段(クリーニングブレード)1502によって、掻き取られ、次にインク付着部が、クリーニングウェッブ1503ニップ部を通過することによりベルト上の残留インクを完全に、払拭され、ベルトが清浄化される構成が既に提案されている。
【0022】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながらこの構成においては、クリーニングブレードはヘッドの破壊等による突発的な大量のインクを除去に関しては有効であるが、微視的に見るとブレードをすり抜けたインクが均一的に引き伸ばされてしまう状態で完全な除去は不可能である。また、搬送速度の高速化に伴いクリーニングブレードの当接部に紙紛が溜まり、その部分での掻き取り能力が低下し、インクのすり抜けが発生してしまう現象がおこり、頻繁な清掃作業若しくはクリーニングブレードのクリーニング手段を設けなければならない。また接触時間の短縮化により不織布等による充分なインク回収が困難であり、可能にするために接触面積を拡大する、接触位置での線圧力を上げるということも考えられるが、その結果として搬送ベルトの駆動負荷が増大し、結果高精度・高速搬送の実現が困難である。また、印字速度の高速化に伴いインクの定着時間の短縮化によりクリーニング位置において既にある程度定着しているためブレードと不織布によるクリーニングの場合、結果としてインクを均一にベルト上に塗布した状態になってしまい良好なクリーニングが不可能であった。
【0023】
本発明は上述したような従来の技術が有する様々な問題点に鑑みてなされたものであって、ベルトクリーニング性能を向上させ、安定した静電気力を用いた記録紙の搬送を実現し、信頼性が向上されたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録装置は、上記課題を解決するために以下(1)〜(4)の構成を備える。
【0025】
(1)記録媒体を静電気力により保持をして記録手段へと搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体搬送手段をクリーニングするための搬送手段クリーニング手段とを有し、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録手段を用いて記録領域に配される記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
前記クリーニング手段は、該搬送手段に対して、所望の位置に接触されたブレード手段と、前記ブレード手段の下流の第1の位置、第2の位置において前記搬送手段に対して第1の位置においてインク濃度を低減し、第2の位置において低減したインクを完全に除去するようにしたインクジェット記録装置。
【0026】
(2)前記記録媒体搬送手段のクリーニング手段において、第1の位置において水を均一に塗布するようにした上記(1)に記載のインクジェット記録装置。
【0027】
(3)前記クリーニング手段のクリーニング手段において、前記第1の位置、前記第2の位置で接触する不織布が同一のものであり、前記第1の位置と前記第2の位置の間において、前記不織布に蒸留水を浸透させる蒸留水保持容器を設けた上記(1)又は(2)に記載のインクジェット記録装置。
【0028】
(4)前記記録ヘッド手段は、記録領域に配される記録媒体の搬送方向に交差する方向の記録媒体の全幅にわたってインク吐出口を配列したフルラインタイプのインクジェット記録ヘッドであるようにした(1)乃至(3)の何れかに記載のインクジェット記録装置。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照しながら説明する。
【0030】
【実施例1】
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0031】
図1は本発明の第1の実施例を説明するための画像記録装置の概略断面図である。図1を用いてまず本実施例の画像記録装置の概略について説明する。図において、301は原稿を読み取りそれを電気信号に変換するスキャナ部である。そこで変換された信号に基づいた信号がプリンタ部302の記録ヘッド部305にドライブ信号として与えられる。給紙部303に収容された被記録部材の一つとしての記録紙は、必要時一枚ずつベルト搬送部304へ向かって送り出される。記録紙は前記ベルト搬送部304を通過する際、記録ヘッド部305内に配置された各色の記録ヘッド1C,1M,1Y,1Bkにより画像記録がなされ、排紙部307を経てトレイ420へ送り出される。なお、306は回復キャップ部であり、前記記録ヘッド部305が常時印字可能な状態を維持させるための機能をもつ。
【0032】
本実施例1においてはその記録ヘッドとして、フルライン化された長尺ヘッドを用いている。
【0033】
図2はそのフルライン化された長尺記録ヘッドとインクの供給手段との構成を模式的に示す説明図である。1601はその記録ヘッド、1652は記録ヘッド1601内の共通液室、1653は記録液吐出面1654に配された液体吐出用の吐出口である。本実施例の吐出口1653は、対象とされる被記録材の記録可能幅いっぱいにその数が配されており、その個々の吐出口1653に通じる不図示の液路に設けられた発熱素子をドライブ信号により選択的に駆動させることによって記録液を吐出させ、ヘッド自体の移動走査なしに記録を実施することが可能である。1655は記録液を記録ヘッド1601に供給する記録液供給タンク、1656は供給タンク1655に記録液を補充するためのメインタンクであり、供給タンク1655から供給管1657により記録液を記録ヘッド1601の共通液室1652に供給し、また、記録液補充のときにはメインタンク1656から一方通行の補充整流弁1658を介して回復用ポンプ1659により供給タンク1655に記録液を補充可能である。また、1660は記録ヘッド1601の吐出機能回復のためになされる回復動作時に使用される一方通行の回復用整流弁、1661は回復整流弁1660が介装されている循環用管、更にまた、1662は先に述べた第1の供給管1657に介装されている電磁弁、1663は供給タンク用空気弁である。
【0034】
次に、本実施例の紙搬送について説明する。給紙ユニットより給送された記録紙は吸着ローラ52によりベルト搬送体上に吸着され各記録ヘッド1C,1M,1Y,1Bkへと順次送られる。
【0035】
そして記録紙は、各々の記録ヘッド1C,1M,1Y,1Bk下を順次通過することにより各色画像が形成され、最終色を形成後、排出される。
【0036】
本実施例に用いられるベルト搬送体について説明を行う。
【0037】
ベルト搬送体351は、駆動ローラ350、従動ローラ1(361),従動ローラ2(362),従動ローラ3(363)によって巻架されている。ベルト搬送体351は、駆動ローラ軸に接続された不図示のモータによって、回転駆動され、これによりベルトが一定速度にて搬送される。また、ベルト搬送体351の材質は、ゴムベルト、フィルムベルト等が通常用いられている。
【0038】
ベルト搬送体351上への記録紙の貼付けは、高圧(1kv程度)を印加し電力静電気力を発生させることにより、記録紙をベルト上に吸着させることにより記録紙の搬送を行う静電吸着方式を用いることで安定したヘッドと記録媒体の距離を高精度に維持した状態での高速搬送が可能となり、高精細な印字が可能である。
【0039】
ベルト搬送体351への静電吸着のための給電は、本実施例においては、ブラシ給電方式を用いている。給電ブラシには、あらかじめ決められた電圧が印加され、これにより、ベルト表面を帯電させることにより、記録紙を吸着させる。
【0040】
ベルト搬送体351の記録紙が分離されてから、次の記録紙が吸着されるまでの間、すなわち、図1において、搬送手段であるベルト装置下部分には、ベルト表面に付着した記録インクを清掃するためのベルトクリーナ500が配置されている。
【0041】
図3は、本実施例のベルトクリーナ部の要部断面図である。500は、ベルトクリーナである。ベルトクリーナ500において、ベルト搬送方向(矢印A)領域に対して、除電、分離終了後駆動ローラ350に対抗した位置にクリーニングブレード501が配置される。このクリーニングブレード501に対して、搬送方向下流側に、クリーニングウェッブ503が配置される。ベルトクリーニングブレード501は、本実施例においては図のように、ベルト表面に対し、一定角度θ、一定接触圧力Pbを保ちながら、接触される。ベルトクリーニングブレード501は、ウレタンゴム等のゴム系の材料からなる。
【0042】
503はベルトクリーニングウェッブ、506は、クリーニングウェッブローラである。ベルトクリーニングウェッブ503は、本実施例においては、図のように、ベルト表面に対して、ベルトクリーニングウェッブローラ506a、506bを介して、それぞれ駆動ローラ350に対向した第1の位置とそれより搬送方向下流側に位置し従動ローラ1(361)に対向した第2の位置でベルト表面に対して、一定の接触圧力Pw1,Pw2を保ちながら接触される。
【0043】
ベルトクリーニングウェッブ503は、不織布等からなる、長尺の反物状の形状をもち、ウェッブ軸503aにロール上に巻かれており、片側はウェッブ軸503bに固定されている。
【0044】
507は、ベルトクリーニングウェッブ駆動モータである。ウェッブ駆動モータ507は、ベルト表面に接触されたベルトクリーニングウェッブ503を所定タイミング、所定速度にて、巻き取っていくためのモータである。
【0045】
本実施例においてはベルトクリーニングウェッブ503はウェッブ駆動モータ507によりウェッブ軸503bをベルト搬送体351の移動方向に対し、正方向(順方向)、あるいは逆方向(カウンター方向)に駆動することで予め定められた一定距離だけ送れるようになっている。
【0046】
ベルトクリーニングウェッブ503は、初期状態においては、ウェッブ軸503aに巻かれた状態で、次に第2の位置でベルトクリーニングウェッブローラ506bに懸架されベルト表面に接触し、ウェッブ従動ローラ551、ウェッブ従動ローラ552に懸架され第1の位置でベルトクリーニングウェッブローラ506aにより再度ベルト表面に接触し、ウェッブ軸503bで巻き取られる。このような構成にすることで第1の位置と第2の位置で接触するベルトクリーニングウェッブ503の面がそれぞれ逆の面となり、同一のウェッブによる効率のよい完全なインクの除去が使用が可能である。本実施例においてはウェッブ軸503a,503bの中間位置において蒸留水を貯蔵する蒸留水保持容器553が配置され、ウェッブ従動ローラ551,552は貯蔵している蒸留水に浸る位置に配置されているためベルトクリーニングウェッブ503は第2の位置でベルト表面と当接した後に必ず蒸留水に浸り、浸含し水分を含んだ状態で再度第1の位置でベルト表面と当接することになる。
【0047】
図3において、ベルト上に付着したインクのクリーニングプロセスを説明する。
【0048】
まず、ベルト上に付着したインクは、ベルト駆動ローラを経て、図中、ベルトクリーニングブレード501との接触エッジ部へと移動される。接触エッジ部において、ベルト表面の付着インクはベルトクリーニングブレード501エッジ部によりその大部分が掻き落とされる。特にインクのぼた落ちと呼ばれるヘッドの破壊、インク供給時の不都合に起因して起こる大量(ノズルから吐出される量の1×104以上)の場合に特に有効で、そのほとんどが掻き落とされることになる。しかしながらクリーニングブレード501では、ベルト表面粗さ、ブレードエッジ部の粗さ、また搬送による振動、紙紛等の付着などの原因によりブレードエッジ部を通過した残留インクがベルト表面に発生する。特に印字の高速化に伴う定着時間の短縮化を促進していくとこの現象は顕著なものとなる。この残留インクは、その搬送方向下流側の第1の位置においてベルトクリーニングウェッブローラ506aにより蒸留水が含浸しているクリーニングウェッブ503との接触ニップ部へと移動される。ニップ部において、ベルト表面の付着インクはクリーニングウェッブ503に接触し、ベルト表面に残留したインクは、不織布からなるクリーニングウェッブ503に含浸している蒸留水と混合し色材濃度が減少し、不織布へと染み込み、補集、転写される。一般にインクジェット方式に用いられているインクの成分としては、色材が約5%、保湿材(グリセリン、尿素、等)が約15%、残りが蒸留水である。実験によると色材濃度、保湿材濃度ともに1/1000以下に薄められることによりインク除去が行われ安定した吸着力が発生し印字が可能となることが解かっている。そのためには0.01cc/cm2以上の含水量をベルトクリーニングウェッブ503に含ませることが必要であり、不織布を用いることで容易に実現することが可能である。ニップ部においては、残量インク内の色材、保湿材が不織布に含浸している蒸留水内に拡散することで濃度が減少し結果として転写いたような状態でふき取ることになる。しかしながら、第1の位置において蒸留水を含浸した不織布で当接させるため、結果として全てをふき取ることは不可能で、1/1000倍以上に薄められた残留インクがすり抜けてベルト表面に残ってしまう。
【0049】
次に、搬送方向下流側の第2の位置においてベルトクリーニングウェッブローラ506bにより未使用のクリーニングウェッブ503との接触ニップ部へと移動される。ニップ部において、ベルト表面の付着インクは高い保水能力を有する未使用のクリーニングウェッブ503に接触し、クリーニングウェッブ503内へと染み込み、捕集、転写される。
【0050】
不織布からなるクリーニングウェッブ503側へと転写されたインクは、クリーニングウェッブ503が、前記ウェッブ駆動モータ507により適時駆動され、巻き取られるように構成されるため、常に新しいウェッブ接触面をベルト表面に対して、送り出すことにより、クリーニングウェッブ503は常にインクを吸着し、前記ブレードにより掻き取れなかった残留インクを確実に捕集し、かつ、再び不ベルト表面側に残留インクを転写・移動することがない。
【0051】
また、第2の位置においてクリーニングウェッブ503は、ベルト表面を常に新しい面にて払拭するため、ベルト表面を常に乾燥状態に保ち、これにより、次の画像形成時の記録媒体へのインクの転写(転写材の裏汚れ等)の問題を解決できる。
【0052】
結果として、本実施例のようにベルト表面に対して電荷をかけて静電吸着する装置におけるインク付着による表面抵抗値の低下等による静電気特性の劣化を防止し信頼性のある印字が可能である。
【0053】
クリーニングウェッブ503は、ベルトクリーナ部500より、着脱自在な構成となっている。これにより、ウェッブを使い切ったときには、クリーニングウェッブ503を交換することのみにより、ベルトクリーニング効果を再び取り戻すことが可能となる。
【0054】
クリーニングウェッブ503は、インク等の液体を払拭・吸収し保持する機能を有する。この場合、クリーニングウェッブ503の材質により、あるいは、吸収するインクの組成により、すなわちこれらの組み合わせによって、インク回収量=能力が決定される。
【0055】
次に、クリーニングウェッブ503の送り駆動シーケンスについて説明する。クリーニングウェッブ503は、前述したように、ウェッブ駆動モータ507により、その送り量を制御される。
【0056】
クリーニングウェッブ駆動モータ507は、クリーニングウェッブ駆動信号が入力された時に、駆動され、その回転により、クリーニングウェッブ503の巻き取り側のローラを回転させることにより、所定量のウェッブを巻き取り、ベルトとの接触面を新しい面にするためのモータである。
【0057】
ベルト上にインクが吐出された場合のクリーニングシーケンスの一例を示す。
【0058】
当然のことながら、装置の仕様、状況等により、クリーニングシーケンスは様々なパターンがあることはいうまでもない。
【0059】
この場合の、ベルト上へのインク吐出として想定されるのは、前述したように、ジャム時等の、非通常時の場合と、例えば、記録ヘッドの吐出安定化のためのインク吐出動作(以下、ベルト上予備吐出という)等が想定される。
【0060】
ベルト上にインクが吐出されたことは、ジャム時には、ジャムが発生したという信号により、また、ベルト上予備吐出は、予備吐出信号により容易に判断できる。
【0061】
クリーニングウェッブ制御回路(不図示)は、これらの信号を検出するとまず、クリーニングウェッブ駆動モータ507に対して、一定時間の駆動をするべく、駆動信号を発する。これにより、クリーニングウェッブ503は、あらかじめ設定された量だけ回転駆動され、ベルト接触面のウェッブが新しい面となる。
【0062】
これにより、ベルト上に吐出された付着インクは、まず、クリーニングブレード501によって、掻き取られる。次に、インク付着部が、クリーニングウェッブニップ部を通過することにより、上述したように、新しい面となったウェッブにより、ベルト上の残留インクが、完全に、払拭され、ベルトが清浄化される。
【0063】
ベルト上のインクを払拭した後、クリーニングウェッブ制御回路(不図示)は、再び、クリーニングウェッブ駆動モータ507に対して、一定時間の駆動をするべく、駆動信号を発する。これにより、クリーニングウェッブ503は、あらかじめ設定された量だけ回転駆動され、さらに、ベルト接触面のウェッブが新しい面となる。以下、同様のシーケンスを繰り返すことにより、ベルト面を常に清浄化させておくことが可能となる。
【0064】
また、これらの動作とは別に、該クリーニングウェッブ503は、一定時間間隔、あるいは記録紙が一定枚数分搬送された時に、(時間、あるいは枚数)クリーニングウェッブ駆動モータ507により一定時間の駆動を行い、随時新しい面をベルト表面に対して接触されるように構成されている。
【0065】
クリーニングウェッブ503の送り量・全長は、これらのシーケンスに基づき決定される。すなわち、インクをどれだけ吸収するかにより決定されるものである。これは、装置の寿命や、クリーニングローラの交換時期をも決定するものである。
【0066】
なお、本実施例1に用いたインクジェット記録装置に用いられるインク供給系、ならびに回復系についての説明については当業者においては周知の技術のためその説明は省略する。
【0067】
【実施例2】
以下、図面に基づいて本発明の第2の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。また、第1の実施例にて説明した記録装置の概要の説明は、その共通部分は省略する。
【0068】
図5は、本実施例2のベルトクリーナ部の要部断面図である。500は、ベルトクリーナである。ベルトクリーナ500において、ベルト搬送方向に対して、上流側にクリーニングブレード501が配置される。このブレードに対して、搬送方向下流側に、クリーニングウェッブ503が配置される。
【0069】
ウレタンゴム等のゴム系の材料からなるベルトクリーニングブレード501は、本実施例においては図のように、ベルト表面に対し、一定角度θ、一定接触圧力Pbを保ちながら、接触される。
【0070】
ベルトクリーニングウェッブ503は、不織布等からなる、長尺の反物状の形状をもち、ウェッブ軸503aにロール上に巻かれており、片側はウェッブ軸503bに固定されている。
【0071】
507は、ベルトクリーニングウェッブ駆動モータである。ウェッブ駆動モータ507は、ベルト表面に接触されたベルトクリーニングウェッブ503を所定タイミング、所定速度にて、巻き取っていくためのモータである。
【0072】
本実施例においてはベルトクリーニングウェッブ503はウェッブ駆動モータ507によりウェッブ軸503bをベルト搬送体351の移動方向に対し、正方向(順方向)、あるいは逆方向(カウンター方向)に駆動することで予め定められた一定距離だけ送れるようになっている。
【0073】
前記第1の位置に実施例2においてはスポンジローラ562がベルト表面と接触するように配置されており、下部においては蒸留水保持容器561に貯蔵されている蒸留水に浸るようになっている。搬送時にはベルトクリーニングウェッブ駆動モータ507から動力を伝達し(不図示)ベルトクリーニングウェッブ503と同期して矢印Cの方向に回転する構成になっている。
【0074】
ベルトクリーニングウェッブ503は、初期状態においては、ウェッブ軸503aに巻かれた状態で、次に第2の位置でベルトクリーニングウェッブローラ506に懸架されベルト表面に接触し、ウェッブ軸503bで巻き取られる。
【0075】
本実施例においてはウェッブ軸503a,503bの中間位置において蒸留水を貯蔵する蒸留水保持容器553が配置され、ウェッブ従動ローラ551,552は貯蔵している蒸留水に浸る位置に配置されているためベルトクリーニングウェッブ503は第2の位置でベルト表面と当接した後に必ず蒸留水に浸り、浸含し水分を含んだ状態で再度第1の位置でベルト表面と当接することになる。
【0076】
ベルト上に付着したインクのクリーニングプロセスを説明する。
【0077】
まず、ベルト上に付着したインクは、ベルト駆動ローラを経て、図中、ベルトクリーニングブレード501との接触エッジ部へと移動される。接触エッジ部において、ベルト表面の付着インクはベルトクリーニングブレード501エッジ部によりその大部分が掻き落とされる。
【0078】
この残留インクは、その搬送方向下流側の第1の位置において蒸留水が含浸しているスポンジローラ562との接触ニップ部へと移動される。ニップ部において、ベルト表面の付着インクはスポンジローラ562に接触し、ベルト表面に残留したインクは、発泡ウレタンでできているスポンジローラ562が保水している蒸留水と混合し色材濃度が減少し、スポンジローラ562へと染み込み、補集、転写される。捕集されたインクはスポンジローラ562の回転により再度蒸留水保持容器561内に貯蔵されている蒸留水に浸ることで捕集したインクを捨てて、蒸留水を補給して再びニップ部へ戻る。このようにすることで、繰り返し使用することが可能でベルトクリーニングウェッブ503交換時に、手を汚すことがなく容易なメンテナンスが可能となる。
【0079】
しかしながら、第1の位置において蒸留水を含浸したスポンジローラ562で当接させても全てをふき取ることは不可能で、1/1000倍以上に薄められた残留インクがすり抜けてベルト表面に残ってしまう。
【0080】
次に、搬送方向下流側の第2の位置においてベルトクリーニングウェッブローラ506によりクリーニングウェッブ503との接触ニップ部へと移動される。ニップ部において、ベルト表面の低濃度付着インクは高い保水能力を有するクリーニングウェッブ503に接触し、クリーニングウェッブ503内へと染み込み、捕集、転写される。
【0081】
不織布からなるクリーニングウェッブ503側へと転写されたインクは、ウェッブが、前記ウェッブ駆動モータ507により適時駆動され、巻き取られるように構成されるため、常に新しいウェッブ接触面をベルト表面に対して、送り出すことにより、ウェッブは常にインクを吸着し、前記クリーニングブレード501、前記スポンジローラ562により掻き取れなかった残留インクを確実に捕集し、かつ、再びベルト表面側に残留インクを転写・移動することがない。
【0082】
また、第2の位置においてクリーニングウェッブ503は、ベルト表面を常に新しい面にて払拭するため、ベルト表面を常に乾燥状態に保ち、これにより、次の画像形成時の記録媒体へのインクの転写(転写材の裏汚れ等)の問題を解決できる。
【0083】
結果として、本実施例のようにベルト表面に対して電荷をかけて静電吸着する装置におけるインク付着による表面抵抗値の低下等による静電気特性の劣化を防止し信頼性のある印字が可能である。
【0084】
クリーニングウェッブの送り動作については、第1の実施例にて説明したと同様の動作を行う。
【0085】
なお、本実施例2に用いたインクジェット記録装置に用いられるインク供給系、ならびに回復系についての説明については当業者においては周知の技術のためその説明は省略する。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればベルト表面の残留インクを除去することで、ベルトクリーニング性能を向上させ、安定した静電気力を用いた記録紙の搬送を実現し、信頼性が向上されたインクジェット記録装置を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の概略断面図
【図2】本発明のインクジェット記録装置のフルラインヘッド供給手段の模式図
【図3】本発明のインクジェット記録装置の第1実施例のベルトクリーナ部の概略説明図
【図4】本発明のインクジェット記録装置の第1実施例のベルトクリーナ部の概略駆動説明図
【図5】本発明のインクジェット記録装置の第2実施例のベルトクリーナ部の概略説明図
【図6】従来例のインクジェット記録装置の概略断面図
【図7】従来例のインクジェット記録装置の概略断面図2
【符号の説明】
52 吸着ローラ
1C,1M,1Y,1Bk 記録ヘッド
301 スキャナ部
302 プリンタ部
303 給紙部
304 ベルト搬送部
305 記録ヘッド部
306 回復キャップ部
307 排紙部
350 駆動ローラ
351 ベルト搬送体
361 従動ローラ1
362 従動ローラ2
363 従動ローラ3
420 トレイ
500 ベルトクリーナ
501 クリーニングブレード(ベルトクリーニングブレード)
503 クリーニングウェッブ(ベルトクリーニングウェッブ)
503a,503b ウェッブ軸
506,506a,506b クリーニングウェッブローラ(ベルトクリーニングウェッブローラ)
507 ウェッブ駆動ローラ
551,552 ウェッブ従動ローラ
553 蒸留水保持容器
561 蒸留水保持容器
562 スポンジローラ
1500 ベルトクリーナ本体
1501 インク吸収体
1502 クリーニングブレード
1503 クリーニングウェッブ
1506 ウェッブローラ
1601 記録ヘッド
1652 共通液室
1653 吐出口
1654 記録液吐出面
1655 記録液供給タンク
1656 メインタンク
1657 供給管
1658 補充整流弁
1659 回復用ポンプ
1660 回復用整流弁
1661 循環用管
1662 電磁弁
1663 空気弁(空気抜弁)
【発明の属する技術分野】
本発明は記録媒体上にインク滴を吹き付けて記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録装置のように、インク滴を飛ばすことにより画像記録を行う装置においては、記録ヘッドの性能を維持するために、通常の記録時以外にもインクを飛翔させることが必要である。これらのインクは、通常画像記録時においては、記録紙上に吐出され、また、非記録時には、記録紙上ではなく、キャップ上、あるいはインク受け等に吐出される。
【0003】
特に記録紙搬送手段として、搬送ベルトを用いた記録装置においては、記録速度向上のために、搬送ベルト上に定期的にインクを吐出させることにより、記録ヘッドの性能が維持される装置も提案されている。
【0004】
これらの通常時(記録時・及び非記録時)とは別に、これら記録装置において考えておかなければならないことで、記録紙詰まり(以下ジャムという。)時の対応である。搬送ベルトを使用する記録装置においては、このジャム時における、ベルト上のインクの汚れに対して、そのクリーニング手段を備えることは、必須である。
【0005】
また、インクを定期的に搬送ベルト上に吐出する場合には、次に搬送されてくる記録紙への裏移りを防ぐためにインクの付着したベルトを常に清浄な状態に保つためのクリーニング手段が重要な課題となる。
【0006】
また、搬送ベルトに高電圧を供給することにより静電気力を発生させて記録紙を保持し搬送を行う場合においては、搬送ベルトにインクが付着するとインクに含まれている成分により抵抗値が変化し、安定した静電気力を発生させることが困難になり結果として、搬送ジャムの原因となる。
【0007】
図6は、搬送ベルトを有する記録装置の要部断面図である。
【0008】
本従来例は、ベルトクリーニング部材として、インク吸収体を備えたベルトクリーナを有する装置をあらわしている。
【0009】
1500は、ベルトクリーナ本体であり、インク吸収体1501は、本実施例においては図のように、ベルト表面に対し、一定接触圧力PBを保ちながら、接触される。
【0010】
インク吸収体1501は、インク吸収性の良好な、材料からなる。
【0011】
ベルト上に付着したインクは、ベルト駆動ローラを経て、図中、インク吸収体1501との接触ニップ部へと移動される。接触ニップ部において、ベルト表面の付着インクはインク吸収体1501のインク吸収能力により吸収される。これにより、ベルト上に付着されたインクが清掃される。インク吸収体側へと吸収・回収されたインクは、吸収体自身のインク保持能力によって、保持能力まで保持し続ける。
【0012】
通常、装置の寿命までクリーニング性能を持続するためには、このインク吸収体部材の交換、または、任意の送り量で不織布を搬送し常にインク保持能力のある部分で接触することが必須となる。
【0013】
また、吸収体自身の能力、および寿命をアップさせるためには、吸収体の外形を大型化することがもっとも有効な手段である。
【0014】
これらの方法を採らない場合には、定期的な清掃、吸収体の交換等のメンテナンス作業が必要となる。
【0015】
しかしながら、これらの手段を用いても、上記問題点、すなわち、上記搬送ベルト上のインク除去を完全に行うことは困難であり、ベルト上のインクのクリーニング不良や、回収インクのこぼれ、装置の大型化等を生じていた。
【0016】
上記従来例のような構成においては、対策が不十分であり、特に、印字ヘッドの印字幅が広い装置や、記録領域に配される記録媒体の搬送方向に交差する方向の記録媒体の全幅にわたってインク吐出口を配列したいわゆるフルラインタイプのインクジェット記録ヘッドにおいては、使用するインクも大量であり、回収インク(=クリーニングすべきインクの量)も多大になる。また、装置寿命も、長寿命化を達成しなければならない。
【0017】
そこで、フルラインタイプの記録ヘッドを用いた装置においては、記録速度の高速化並びにヘッド信頼性の向上のために、ベルト上への、定期的なインク吐出が行われるような装置も提案されている。
【0018】
このことは、ベルトクリーニング装置のインク回収能力も多く必要となる。その結果、インク吸収体の回収容量を超えてしまってのインクあふれや、インク吸収能力の不足によるクリーニング不良等を引き起こすこともあった。
【0019】
次に上記問題点を鑑み、提案されている実施例を図7に示す。
【0020】
ベルトクリーナ1500において、ベルト搬送方向に対して、上流側にクリーニングブレード1502が配置される。このクリーニングブレード1502に対して、搬送方向下流側に、クリーニングウェッブ1503が配置される。クリーニングブレード1502は、ウレタンゴム等のゴム系の材料で図のようにベルト表面に対し、一定角度、一定接触圧力を保ちながら、接触される。クリーニングウェッブ1503は不織布等からなる長尺の反物状の形状で、ベルト表面に対して、ウェッブローラ1506を介して、ベルト表面に対して、一定の接触圧力を保ちながら接触される。ウェッブ駆動モータは、ベルト表面に接触されたクリーニングウェッブ1503を所定タイミング、所定速度にて、巻き取っていくためのモータである。
【0021】
この構成により、ベルト上に吐出された付着インクは、まず、ブレード手段(クリーニングブレード)1502によって、掻き取られ、次にインク付着部が、クリーニングウェッブ1503ニップ部を通過することによりベルト上の残留インクを完全に、払拭され、ベルトが清浄化される構成が既に提案されている。
【0022】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながらこの構成においては、クリーニングブレードはヘッドの破壊等による突発的な大量のインクを除去に関しては有効であるが、微視的に見るとブレードをすり抜けたインクが均一的に引き伸ばされてしまう状態で完全な除去は不可能である。また、搬送速度の高速化に伴いクリーニングブレードの当接部に紙紛が溜まり、その部分での掻き取り能力が低下し、インクのすり抜けが発生してしまう現象がおこり、頻繁な清掃作業若しくはクリーニングブレードのクリーニング手段を設けなければならない。また接触時間の短縮化により不織布等による充分なインク回収が困難であり、可能にするために接触面積を拡大する、接触位置での線圧力を上げるということも考えられるが、その結果として搬送ベルトの駆動負荷が増大し、結果高精度・高速搬送の実現が困難である。また、印字速度の高速化に伴いインクの定着時間の短縮化によりクリーニング位置において既にある程度定着しているためブレードと不織布によるクリーニングの場合、結果としてインクを均一にベルト上に塗布した状態になってしまい良好なクリーニングが不可能であった。
【0023】
本発明は上述したような従来の技術が有する様々な問題点に鑑みてなされたものであって、ベルトクリーニング性能を向上させ、安定した静電気力を用いた記録紙の搬送を実現し、信頼性が向上されたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録装置は、上記課題を解決するために以下(1)〜(4)の構成を備える。
【0025】
(1)記録媒体を静電気力により保持をして記録手段へと搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体搬送手段をクリーニングするための搬送手段クリーニング手段とを有し、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録手段を用いて記録領域に配される記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
前記クリーニング手段は、該搬送手段に対して、所望の位置に接触されたブレード手段と、前記ブレード手段の下流の第1の位置、第2の位置において前記搬送手段に対して第1の位置においてインク濃度を低減し、第2の位置において低減したインクを完全に除去するようにしたインクジェット記録装置。
【0026】
(2)前記記録媒体搬送手段のクリーニング手段において、第1の位置において水を均一に塗布するようにした上記(1)に記載のインクジェット記録装置。
【0027】
(3)前記クリーニング手段のクリーニング手段において、前記第1の位置、前記第2の位置で接触する不織布が同一のものであり、前記第1の位置と前記第2の位置の間において、前記不織布に蒸留水を浸透させる蒸留水保持容器を設けた上記(1)又は(2)に記載のインクジェット記録装置。
【0028】
(4)前記記録ヘッド手段は、記録領域に配される記録媒体の搬送方向に交差する方向の記録媒体の全幅にわたってインク吐出口を配列したフルラインタイプのインクジェット記録ヘッドであるようにした(1)乃至(3)の何れかに記載のインクジェット記録装置。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照しながら説明する。
【0030】
【実施例1】
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0031】
図1は本発明の第1の実施例を説明するための画像記録装置の概略断面図である。図1を用いてまず本実施例の画像記録装置の概略について説明する。図において、301は原稿を読み取りそれを電気信号に変換するスキャナ部である。そこで変換された信号に基づいた信号がプリンタ部302の記録ヘッド部305にドライブ信号として与えられる。給紙部303に収容された被記録部材の一つとしての記録紙は、必要時一枚ずつベルト搬送部304へ向かって送り出される。記録紙は前記ベルト搬送部304を通過する際、記録ヘッド部305内に配置された各色の記録ヘッド1C,1M,1Y,1Bkにより画像記録がなされ、排紙部307を経てトレイ420へ送り出される。なお、306は回復キャップ部であり、前記記録ヘッド部305が常時印字可能な状態を維持させるための機能をもつ。
【0032】
本実施例1においてはその記録ヘッドとして、フルライン化された長尺ヘッドを用いている。
【0033】
図2はそのフルライン化された長尺記録ヘッドとインクの供給手段との構成を模式的に示す説明図である。1601はその記録ヘッド、1652は記録ヘッド1601内の共通液室、1653は記録液吐出面1654に配された液体吐出用の吐出口である。本実施例の吐出口1653は、対象とされる被記録材の記録可能幅いっぱいにその数が配されており、その個々の吐出口1653に通じる不図示の液路に設けられた発熱素子をドライブ信号により選択的に駆動させることによって記録液を吐出させ、ヘッド自体の移動走査なしに記録を実施することが可能である。1655は記録液を記録ヘッド1601に供給する記録液供給タンク、1656は供給タンク1655に記録液を補充するためのメインタンクであり、供給タンク1655から供給管1657により記録液を記録ヘッド1601の共通液室1652に供給し、また、記録液補充のときにはメインタンク1656から一方通行の補充整流弁1658を介して回復用ポンプ1659により供給タンク1655に記録液を補充可能である。また、1660は記録ヘッド1601の吐出機能回復のためになされる回復動作時に使用される一方通行の回復用整流弁、1661は回復整流弁1660が介装されている循環用管、更にまた、1662は先に述べた第1の供給管1657に介装されている電磁弁、1663は供給タンク用空気弁である。
【0034】
次に、本実施例の紙搬送について説明する。給紙ユニットより給送された記録紙は吸着ローラ52によりベルト搬送体上に吸着され各記録ヘッド1C,1M,1Y,1Bkへと順次送られる。
【0035】
そして記録紙は、各々の記録ヘッド1C,1M,1Y,1Bk下を順次通過することにより各色画像が形成され、最終色を形成後、排出される。
【0036】
本実施例に用いられるベルト搬送体について説明を行う。
【0037】
ベルト搬送体351は、駆動ローラ350、従動ローラ1(361),従動ローラ2(362),従動ローラ3(363)によって巻架されている。ベルト搬送体351は、駆動ローラ軸に接続された不図示のモータによって、回転駆動され、これによりベルトが一定速度にて搬送される。また、ベルト搬送体351の材質は、ゴムベルト、フィルムベルト等が通常用いられている。
【0038】
ベルト搬送体351上への記録紙の貼付けは、高圧(1kv程度)を印加し電力静電気力を発生させることにより、記録紙をベルト上に吸着させることにより記録紙の搬送を行う静電吸着方式を用いることで安定したヘッドと記録媒体の距離を高精度に維持した状態での高速搬送が可能となり、高精細な印字が可能である。
【0039】
ベルト搬送体351への静電吸着のための給電は、本実施例においては、ブラシ給電方式を用いている。給電ブラシには、あらかじめ決められた電圧が印加され、これにより、ベルト表面を帯電させることにより、記録紙を吸着させる。
【0040】
ベルト搬送体351の記録紙が分離されてから、次の記録紙が吸着されるまでの間、すなわち、図1において、搬送手段であるベルト装置下部分には、ベルト表面に付着した記録インクを清掃するためのベルトクリーナ500が配置されている。
【0041】
図3は、本実施例のベルトクリーナ部の要部断面図である。500は、ベルトクリーナである。ベルトクリーナ500において、ベルト搬送方向(矢印A)領域に対して、除電、分離終了後駆動ローラ350に対抗した位置にクリーニングブレード501が配置される。このクリーニングブレード501に対して、搬送方向下流側に、クリーニングウェッブ503が配置される。ベルトクリーニングブレード501は、本実施例においては図のように、ベルト表面に対し、一定角度θ、一定接触圧力Pbを保ちながら、接触される。ベルトクリーニングブレード501は、ウレタンゴム等のゴム系の材料からなる。
【0042】
503はベルトクリーニングウェッブ、506は、クリーニングウェッブローラである。ベルトクリーニングウェッブ503は、本実施例においては、図のように、ベルト表面に対して、ベルトクリーニングウェッブローラ506a、506bを介して、それぞれ駆動ローラ350に対向した第1の位置とそれより搬送方向下流側に位置し従動ローラ1(361)に対向した第2の位置でベルト表面に対して、一定の接触圧力Pw1,Pw2を保ちながら接触される。
【0043】
ベルトクリーニングウェッブ503は、不織布等からなる、長尺の反物状の形状をもち、ウェッブ軸503aにロール上に巻かれており、片側はウェッブ軸503bに固定されている。
【0044】
507は、ベルトクリーニングウェッブ駆動モータである。ウェッブ駆動モータ507は、ベルト表面に接触されたベルトクリーニングウェッブ503を所定タイミング、所定速度にて、巻き取っていくためのモータである。
【0045】
本実施例においてはベルトクリーニングウェッブ503はウェッブ駆動モータ507によりウェッブ軸503bをベルト搬送体351の移動方向に対し、正方向(順方向)、あるいは逆方向(カウンター方向)に駆動することで予め定められた一定距離だけ送れるようになっている。
【0046】
ベルトクリーニングウェッブ503は、初期状態においては、ウェッブ軸503aに巻かれた状態で、次に第2の位置でベルトクリーニングウェッブローラ506bに懸架されベルト表面に接触し、ウェッブ従動ローラ551、ウェッブ従動ローラ552に懸架され第1の位置でベルトクリーニングウェッブローラ506aにより再度ベルト表面に接触し、ウェッブ軸503bで巻き取られる。このような構成にすることで第1の位置と第2の位置で接触するベルトクリーニングウェッブ503の面がそれぞれ逆の面となり、同一のウェッブによる効率のよい完全なインクの除去が使用が可能である。本実施例においてはウェッブ軸503a,503bの中間位置において蒸留水を貯蔵する蒸留水保持容器553が配置され、ウェッブ従動ローラ551,552は貯蔵している蒸留水に浸る位置に配置されているためベルトクリーニングウェッブ503は第2の位置でベルト表面と当接した後に必ず蒸留水に浸り、浸含し水分を含んだ状態で再度第1の位置でベルト表面と当接することになる。
【0047】
図3において、ベルト上に付着したインクのクリーニングプロセスを説明する。
【0048】
まず、ベルト上に付着したインクは、ベルト駆動ローラを経て、図中、ベルトクリーニングブレード501との接触エッジ部へと移動される。接触エッジ部において、ベルト表面の付着インクはベルトクリーニングブレード501エッジ部によりその大部分が掻き落とされる。特にインクのぼた落ちと呼ばれるヘッドの破壊、インク供給時の不都合に起因して起こる大量(ノズルから吐出される量の1×104以上)の場合に特に有効で、そのほとんどが掻き落とされることになる。しかしながらクリーニングブレード501では、ベルト表面粗さ、ブレードエッジ部の粗さ、また搬送による振動、紙紛等の付着などの原因によりブレードエッジ部を通過した残留インクがベルト表面に発生する。特に印字の高速化に伴う定着時間の短縮化を促進していくとこの現象は顕著なものとなる。この残留インクは、その搬送方向下流側の第1の位置においてベルトクリーニングウェッブローラ506aにより蒸留水が含浸しているクリーニングウェッブ503との接触ニップ部へと移動される。ニップ部において、ベルト表面の付着インクはクリーニングウェッブ503に接触し、ベルト表面に残留したインクは、不織布からなるクリーニングウェッブ503に含浸している蒸留水と混合し色材濃度が減少し、不織布へと染み込み、補集、転写される。一般にインクジェット方式に用いられているインクの成分としては、色材が約5%、保湿材(グリセリン、尿素、等)が約15%、残りが蒸留水である。実験によると色材濃度、保湿材濃度ともに1/1000以下に薄められることによりインク除去が行われ安定した吸着力が発生し印字が可能となることが解かっている。そのためには0.01cc/cm2以上の含水量をベルトクリーニングウェッブ503に含ませることが必要であり、不織布を用いることで容易に実現することが可能である。ニップ部においては、残量インク内の色材、保湿材が不織布に含浸している蒸留水内に拡散することで濃度が減少し結果として転写いたような状態でふき取ることになる。しかしながら、第1の位置において蒸留水を含浸した不織布で当接させるため、結果として全てをふき取ることは不可能で、1/1000倍以上に薄められた残留インクがすり抜けてベルト表面に残ってしまう。
【0049】
次に、搬送方向下流側の第2の位置においてベルトクリーニングウェッブローラ506bにより未使用のクリーニングウェッブ503との接触ニップ部へと移動される。ニップ部において、ベルト表面の付着インクは高い保水能力を有する未使用のクリーニングウェッブ503に接触し、クリーニングウェッブ503内へと染み込み、捕集、転写される。
【0050】
不織布からなるクリーニングウェッブ503側へと転写されたインクは、クリーニングウェッブ503が、前記ウェッブ駆動モータ507により適時駆動され、巻き取られるように構成されるため、常に新しいウェッブ接触面をベルト表面に対して、送り出すことにより、クリーニングウェッブ503は常にインクを吸着し、前記ブレードにより掻き取れなかった残留インクを確実に捕集し、かつ、再び不ベルト表面側に残留インクを転写・移動することがない。
【0051】
また、第2の位置においてクリーニングウェッブ503は、ベルト表面を常に新しい面にて払拭するため、ベルト表面を常に乾燥状態に保ち、これにより、次の画像形成時の記録媒体へのインクの転写(転写材の裏汚れ等)の問題を解決できる。
【0052】
結果として、本実施例のようにベルト表面に対して電荷をかけて静電吸着する装置におけるインク付着による表面抵抗値の低下等による静電気特性の劣化を防止し信頼性のある印字が可能である。
【0053】
クリーニングウェッブ503は、ベルトクリーナ部500より、着脱自在な構成となっている。これにより、ウェッブを使い切ったときには、クリーニングウェッブ503を交換することのみにより、ベルトクリーニング効果を再び取り戻すことが可能となる。
【0054】
クリーニングウェッブ503は、インク等の液体を払拭・吸収し保持する機能を有する。この場合、クリーニングウェッブ503の材質により、あるいは、吸収するインクの組成により、すなわちこれらの組み合わせによって、インク回収量=能力が決定される。
【0055】
次に、クリーニングウェッブ503の送り駆動シーケンスについて説明する。クリーニングウェッブ503は、前述したように、ウェッブ駆動モータ507により、その送り量を制御される。
【0056】
クリーニングウェッブ駆動モータ507は、クリーニングウェッブ駆動信号が入力された時に、駆動され、その回転により、クリーニングウェッブ503の巻き取り側のローラを回転させることにより、所定量のウェッブを巻き取り、ベルトとの接触面を新しい面にするためのモータである。
【0057】
ベルト上にインクが吐出された場合のクリーニングシーケンスの一例を示す。
【0058】
当然のことながら、装置の仕様、状況等により、クリーニングシーケンスは様々なパターンがあることはいうまでもない。
【0059】
この場合の、ベルト上へのインク吐出として想定されるのは、前述したように、ジャム時等の、非通常時の場合と、例えば、記録ヘッドの吐出安定化のためのインク吐出動作(以下、ベルト上予備吐出という)等が想定される。
【0060】
ベルト上にインクが吐出されたことは、ジャム時には、ジャムが発生したという信号により、また、ベルト上予備吐出は、予備吐出信号により容易に判断できる。
【0061】
クリーニングウェッブ制御回路(不図示)は、これらの信号を検出するとまず、クリーニングウェッブ駆動モータ507に対して、一定時間の駆動をするべく、駆動信号を発する。これにより、クリーニングウェッブ503は、あらかじめ設定された量だけ回転駆動され、ベルト接触面のウェッブが新しい面となる。
【0062】
これにより、ベルト上に吐出された付着インクは、まず、クリーニングブレード501によって、掻き取られる。次に、インク付着部が、クリーニングウェッブニップ部を通過することにより、上述したように、新しい面となったウェッブにより、ベルト上の残留インクが、完全に、払拭され、ベルトが清浄化される。
【0063】
ベルト上のインクを払拭した後、クリーニングウェッブ制御回路(不図示)は、再び、クリーニングウェッブ駆動モータ507に対して、一定時間の駆動をするべく、駆動信号を発する。これにより、クリーニングウェッブ503は、あらかじめ設定された量だけ回転駆動され、さらに、ベルト接触面のウェッブが新しい面となる。以下、同様のシーケンスを繰り返すことにより、ベルト面を常に清浄化させておくことが可能となる。
【0064】
また、これらの動作とは別に、該クリーニングウェッブ503は、一定時間間隔、あるいは記録紙が一定枚数分搬送された時に、(時間、あるいは枚数)クリーニングウェッブ駆動モータ507により一定時間の駆動を行い、随時新しい面をベルト表面に対して接触されるように構成されている。
【0065】
クリーニングウェッブ503の送り量・全長は、これらのシーケンスに基づき決定される。すなわち、インクをどれだけ吸収するかにより決定されるものである。これは、装置の寿命や、クリーニングローラの交換時期をも決定するものである。
【0066】
なお、本実施例1に用いたインクジェット記録装置に用いられるインク供給系、ならびに回復系についての説明については当業者においては周知の技術のためその説明は省略する。
【0067】
【実施例2】
以下、図面に基づいて本発明の第2の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。また、第1の実施例にて説明した記録装置の概要の説明は、その共通部分は省略する。
【0068】
図5は、本実施例2のベルトクリーナ部の要部断面図である。500は、ベルトクリーナである。ベルトクリーナ500において、ベルト搬送方向に対して、上流側にクリーニングブレード501が配置される。このブレードに対して、搬送方向下流側に、クリーニングウェッブ503が配置される。
【0069】
ウレタンゴム等のゴム系の材料からなるベルトクリーニングブレード501は、本実施例においては図のように、ベルト表面に対し、一定角度θ、一定接触圧力Pbを保ちながら、接触される。
【0070】
ベルトクリーニングウェッブ503は、不織布等からなる、長尺の反物状の形状をもち、ウェッブ軸503aにロール上に巻かれており、片側はウェッブ軸503bに固定されている。
【0071】
507は、ベルトクリーニングウェッブ駆動モータである。ウェッブ駆動モータ507は、ベルト表面に接触されたベルトクリーニングウェッブ503を所定タイミング、所定速度にて、巻き取っていくためのモータである。
【0072】
本実施例においてはベルトクリーニングウェッブ503はウェッブ駆動モータ507によりウェッブ軸503bをベルト搬送体351の移動方向に対し、正方向(順方向)、あるいは逆方向(カウンター方向)に駆動することで予め定められた一定距離だけ送れるようになっている。
【0073】
前記第1の位置に実施例2においてはスポンジローラ562がベルト表面と接触するように配置されており、下部においては蒸留水保持容器561に貯蔵されている蒸留水に浸るようになっている。搬送時にはベルトクリーニングウェッブ駆動モータ507から動力を伝達し(不図示)ベルトクリーニングウェッブ503と同期して矢印Cの方向に回転する構成になっている。
【0074】
ベルトクリーニングウェッブ503は、初期状態においては、ウェッブ軸503aに巻かれた状態で、次に第2の位置でベルトクリーニングウェッブローラ506に懸架されベルト表面に接触し、ウェッブ軸503bで巻き取られる。
【0075】
本実施例においてはウェッブ軸503a,503bの中間位置において蒸留水を貯蔵する蒸留水保持容器553が配置され、ウェッブ従動ローラ551,552は貯蔵している蒸留水に浸る位置に配置されているためベルトクリーニングウェッブ503は第2の位置でベルト表面と当接した後に必ず蒸留水に浸り、浸含し水分を含んだ状態で再度第1の位置でベルト表面と当接することになる。
【0076】
ベルト上に付着したインクのクリーニングプロセスを説明する。
【0077】
まず、ベルト上に付着したインクは、ベルト駆動ローラを経て、図中、ベルトクリーニングブレード501との接触エッジ部へと移動される。接触エッジ部において、ベルト表面の付着インクはベルトクリーニングブレード501エッジ部によりその大部分が掻き落とされる。
【0078】
この残留インクは、その搬送方向下流側の第1の位置において蒸留水が含浸しているスポンジローラ562との接触ニップ部へと移動される。ニップ部において、ベルト表面の付着インクはスポンジローラ562に接触し、ベルト表面に残留したインクは、発泡ウレタンでできているスポンジローラ562が保水している蒸留水と混合し色材濃度が減少し、スポンジローラ562へと染み込み、補集、転写される。捕集されたインクはスポンジローラ562の回転により再度蒸留水保持容器561内に貯蔵されている蒸留水に浸ることで捕集したインクを捨てて、蒸留水を補給して再びニップ部へ戻る。このようにすることで、繰り返し使用することが可能でベルトクリーニングウェッブ503交換時に、手を汚すことがなく容易なメンテナンスが可能となる。
【0079】
しかしながら、第1の位置において蒸留水を含浸したスポンジローラ562で当接させても全てをふき取ることは不可能で、1/1000倍以上に薄められた残留インクがすり抜けてベルト表面に残ってしまう。
【0080】
次に、搬送方向下流側の第2の位置においてベルトクリーニングウェッブローラ506によりクリーニングウェッブ503との接触ニップ部へと移動される。ニップ部において、ベルト表面の低濃度付着インクは高い保水能力を有するクリーニングウェッブ503に接触し、クリーニングウェッブ503内へと染み込み、捕集、転写される。
【0081】
不織布からなるクリーニングウェッブ503側へと転写されたインクは、ウェッブが、前記ウェッブ駆動モータ507により適時駆動され、巻き取られるように構成されるため、常に新しいウェッブ接触面をベルト表面に対して、送り出すことにより、ウェッブは常にインクを吸着し、前記クリーニングブレード501、前記スポンジローラ562により掻き取れなかった残留インクを確実に捕集し、かつ、再びベルト表面側に残留インクを転写・移動することがない。
【0082】
また、第2の位置においてクリーニングウェッブ503は、ベルト表面を常に新しい面にて払拭するため、ベルト表面を常に乾燥状態に保ち、これにより、次の画像形成時の記録媒体へのインクの転写(転写材の裏汚れ等)の問題を解決できる。
【0083】
結果として、本実施例のようにベルト表面に対して電荷をかけて静電吸着する装置におけるインク付着による表面抵抗値の低下等による静電気特性の劣化を防止し信頼性のある印字が可能である。
【0084】
クリーニングウェッブの送り動作については、第1の実施例にて説明したと同様の動作を行う。
【0085】
なお、本実施例2に用いたインクジェット記録装置に用いられるインク供給系、ならびに回復系についての説明については当業者においては周知の技術のためその説明は省略する。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればベルト表面の残留インクを除去することで、ベルトクリーニング性能を向上させ、安定した静電気力を用いた記録紙の搬送を実現し、信頼性が向上されたインクジェット記録装置を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の概略断面図
【図2】本発明のインクジェット記録装置のフルラインヘッド供給手段の模式図
【図3】本発明のインクジェット記録装置の第1実施例のベルトクリーナ部の概略説明図
【図4】本発明のインクジェット記録装置の第1実施例のベルトクリーナ部の概略駆動説明図
【図5】本発明のインクジェット記録装置の第2実施例のベルトクリーナ部の概略説明図
【図6】従来例のインクジェット記録装置の概略断面図
【図7】従来例のインクジェット記録装置の概略断面図2
【符号の説明】
52 吸着ローラ
1C,1M,1Y,1Bk 記録ヘッド
301 スキャナ部
302 プリンタ部
303 給紙部
304 ベルト搬送部
305 記録ヘッド部
306 回復キャップ部
307 排紙部
350 駆動ローラ
351 ベルト搬送体
361 従動ローラ1
362 従動ローラ2
363 従動ローラ3
420 トレイ
500 ベルトクリーナ
501 クリーニングブレード(ベルトクリーニングブレード)
503 クリーニングウェッブ(ベルトクリーニングウェッブ)
503a,503b ウェッブ軸
506,506a,506b クリーニングウェッブローラ(ベルトクリーニングウェッブローラ)
507 ウェッブ駆動ローラ
551,552 ウェッブ従動ローラ
553 蒸留水保持容器
561 蒸留水保持容器
562 スポンジローラ
1500 ベルトクリーナ本体
1501 インク吸収体
1502 クリーニングブレード
1503 クリーニングウェッブ
1506 ウェッブローラ
1601 記録ヘッド
1652 共通液室
1653 吐出口
1654 記録液吐出面
1655 記録液供給タンク
1656 メインタンク
1657 供給管
1658 補充整流弁
1659 回復用ポンプ
1660 回復用整流弁
1661 循環用管
1662 電磁弁
1663 空気弁(空気抜弁)
Claims (4)
- 記録媒体を静電気力により保持をして記録手段へと搬送する記録媒体搬送手段と、該記録媒体搬送手段をクリーニングするための搬送手段クリーニング手段とを有し、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録手段を用いて記録領域に配される記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
前記クリーニング手段は、該搬送手段に対して、所望の位置に接触されたブレード手段と、前記ブレード手段の下流の第1の位置、第2の位置において前記搬送手段に対して第1の位置においてインク濃度を低減し、第2の位置において低減したインクを完全に除去することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記記録媒体搬送手段のクリーニング手段において、第1の位置において水を均一に塗布することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記クリーニング手段のクリーニング手段において、前記第1の位置、前記第2の位置で接触する不織布が同一のものであり、前記第1の位置と前記第2の位置の間において、前記不織布に蒸留水を浸透させる蒸留水保持容器を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッド手段は、記録領域に配される記録媒体の搬送方向に交差する方向の記録媒体の全幅にわたってインク吐出口を配列したフルラインタイプのインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のインクジェット記録装置。
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