JP4379351B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、確実に搬送ベルトに洗浄液を塗布することができる画像形成装置を提供することを目的としている。
従来より、記録ヘッドに穿設されているノズルから、搬送ベルト上に載置されている記録媒体に向けてインクを吐出することで、記録媒体に画像を形成する画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置において、例えば、縁なし印刷を行った場合、記録媒体を搬送する搬送ベルトにインクが付着し、その付着したインクが記録媒体に転写してしまうという問題があった。
この問題を解決すべく、例えば、次の特許文献1には、洗浄液を貯留するタンクと吸収体とをチューブを介して連結し、タンクからチューブを介して吸収体に洗浄液を吸収させて、その洗浄液が吸収されている吸収体を搬送ベルトの表面に接触させることで、搬送ベルトに洗浄液を塗布し、塗布した洗浄液をブレードによって払拭することで、搬送ベルトに付着したインクを除去する技術が開示されている。
特開2004−196505号(第0023段落等)
しかしながら、上述した特許文献1に開示される技術では、タンクから吸収体に洗浄液を供給する途中でチューブからエアーが侵入することがあり、例えば、吸収体としてスポンジ等の多孔質体を使用した場合には、その侵入したエアーが吸収体に詰まり、エアーが詰まった部分では搬送ベルトに洗浄液を塗布することができず、結果的に、搬送ベルトのインクを除去することができないという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、確実に搬送ベルトに洗浄液を塗布することができる画像形成装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の画像形成装置は、インクを吐出するノズルが形成されたノズル形成面を有する記録ヘッドと、その記録ヘッドのノズル形成面と対面する位置に記録媒体を搬送するために循環する無端状の搬送ベルトと、その搬送ベルトに当接可能であって、且つ、その搬送ベルトに塗布する洗浄液を吸収可能な吸収体と、その吸収体に供給する洗浄液を貯留する第1貯留部とを備えたものであって、前記吸収体と前記第1貯留部とに連結され、前記第1貯留部に貯留されている洗浄液を前記吸収体に供給する流路を形成する流路形成部材と、その流路形成部材に配設され、前記洗浄液中に含まれるエアーを外部排出するエアー排出孔と、前記流路形成部材の途中に配設され、前記吸収体に供給する洗浄液の液量を調節する第1調節手段とを備えている。
請求項2記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記流路形成部材は、前記第1貯留部と連結され前記第1貯留部に貯留されている洗浄液が流入する第1流路を形成する第1流路形成部材と、その第1流路形成部材と前記吸収体とに連結され前記第1流路から流入した洗浄液を前記吸収体に供給する第2流路を形成する第2流路形成部材とを備え、前記エアー排出孔は、前記第2流路形成部材に形成されている。
請求項3記載の画像形成装置は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記第2流路形成部材は、その一面に形成された開口と開口に繋がる内部空間を有し、前記吸収体は、内部空間の一部を占めるとともに前記開口から露出するように配設され、前記一面と反対側の他面において前記第1流路形成部材と連結される。
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項2又は3に記載の画像形成装置において、前記エアー排出孔は、前記第1流路形成部材と前記第2流路形成部材との連結部分から可及的に離れた位置に形成されている。
請求項5記載の画像形成装置は、請求項2から4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記吸収体は前記洗浄液を吸収可能な多孔質体で構成されており、前記エアー排出孔は、洗浄液がメニスカスを形成可能な大きさであって、前記吸収体の孔径よりも大きく構成されている。
請求項6記載の画像形成装置は、請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記エアー排出孔は、前記第2流路の流路径よりも小さく構成されている。
請求項7記載の画像形成装置は、請求項2から6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第2流路は、前記搬送ベルトに当接する前記吸収体の当接面の反対側の面に沿って、その当接面よりも広い範囲に亘って形成されている。
請求項記載の画像形成装置は、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1調節手段は、前記吸収体と略同一なレベルに配置され前記洗浄液を貯留可能な可撓性を有する第2貯留部と、その第2貯留部を所定圧力で押圧する押圧部材とを備えている。
請求項記載の画像形成装置は、請求項に記載の画像形成装置において、前記第2貯留部に貯留されている洗浄液の液量を検出する検出手段と、前記第1貯留部と前記第2貯留部との途中に配設され、前記検出手段の検出結果に応じて前記第1貯留部から前記第2貯留部に供給する洗浄液の液量を調節する第2調節手段とを備えている。
請求項10記載の画像形成装置は、請求項1からのいずれかに記載の画像形成装置において、画像形成装置に着脱自在に構成され前記記録ヘッドに供給するインクを貯留するインクタンクを備え、前記第1貯留部は、そのインクタンク内に配設されている。
請求項1記載の画像形成装置によれば、第1貯留部に貯留されている洗浄液は、流路形成部材に形成部材に形成されている流路を介して吸収体に吸収され、吸収体が搬送ベルトに当接することで搬送ベルトに塗布される。ここで、吸収体に供給される洗浄液中にエアーが侵入したとしても、そのエアーはエアー排出孔から外部に排出される。よって、洗浄液中に侵入したエアーが吸収体に詰まって吸収体から十分に搬送ベルトに洗浄液が塗布されないという不具合が発生するのを抑制することができる。従って、十分に洗浄液を搬送ベルトに塗布することができ、搬送ベルトの汚れを除去することができるという効果がある。また、流路形成部材の途中には、吸収体に供給する洗浄液の液量を調節する第1調節手段を備えているので、適当量の洗浄液を吸収体に供給することができ、洗浄液が無駄に消費されるのを抑制することができるという効果がある。
請求項2記載の画像形成装置によれば、請求項1に記載の画像形成装置の奏する効果に加え、第1貯留部に貯留されている洗浄液は、第1流路形成部材に形成されている第1流路に流入し、その第1流路から第2流路形成部材に形成されている第2流路に流入する。そして、第2流路を通過して吸収体に供給される。ここで、エアー排出孔は、第2流路形成部材に形成されているので、少なくとも第1流路の途中で洗浄液中に侵入したエアーをエアー排出孔から外部に排出することができるという効果がある。
請求項3記載の画像形成装置によれば、請求項2に記載の画像形成装置の奏する効果に加え、吸収体は、第2流路形成部材の一面に形成された開口から露出しつつ、その開口に繋がる内部空間の一部を占めるように第2流路形成部材に配設され、第1流路形成部材は第2流路形成部材の開口が形成された一面とは反対側の他面に連結される。よって、第1貯留部から第1流路形成部材の流路を通って供給される洗浄液は、第2流路形成部材の内部空間を介して吸収体に供給されるので洗浄液を吸収体に略均等に供給することができるという効果がある。
請求項4に記載の画像形成装置によれば、請求項2又は3に記載の画像形成装置の奏する効果に加えて、エアー排出孔は、第1流路形成部材と前記第2流路形成部材との連結部分から可及的に離れた位置に形成されているので、洗浄液に含まれるエアーを洗浄液の流れに沿って押し出すようにエアー排出孔から外部に排出することができるという効果がある。
請求項5記載の画像形成装置によれば、請求項2から4のいずれかに記載の画像形成装置の奏する効果に加え、エアー排出孔は、洗浄液がメニスカスを形成可能な大きさであって、多孔質体である吸収体の孔径よりも大きく構成されているので、洗浄液がエアー排出孔から漏れるのを防止しつつ、円滑にエアーをエアー排出孔から外部に排出することができるという効果がある。
請求項6記載の画像形成装置によれば、請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置の奏する効果に加え、エアー排出孔は、第2流路の流路径よりも小さく構成されているので、第2流路を介して供給される洗浄液を円滑に吸収体に供給させつつ、エアーをエアー排出孔から円滑に外部に排出することができるという効果がある。
請求項7記載の画像形成装置によれば、請求項2から6のいずれかに記載の画像形成装置の奏する効果に加え、第2流路は、搬送ベルトに当接する前記吸収体の当接面の反対側の面に沿って、その当接面よりも広い範囲に亘って形成されているので、洗浄液を略均等に吸収体に供給することができるという効果がある。
請求項記載の画像形成装置によれば、請求項1から7のいずれかに記載の画像形装置の奏する効果に加え、吸収体に供給される洗浄液は、吸収体と略同一なレベルに配置され洗浄液を貯留可能な可撓性を有する第2貯留部を、押圧部材によって所定圧力で押圧することで調節される。よって、消費された洗浄液量を強制的に吸収体に供給することができ、吸収体に所定量の洗浄液を常に吸収させておくことができるという効果がある。
請求項記載の画像形成装置によれば、請求項に記載の画像形装置の奏する効果に加え、第1貯留部から第2貯留部に供給される洗浄液量は、第2貯留部に貯留されている洗浄液の液量を検出する検出手段の検出結果に応じて第2調節手段によって調節されているので、第2貯留部に洗浄液が貯留されておらず、結果的に、吸収体に洗浄液が供給されないという事態が発生するのを防止することができるという効果がある。
請求項10記載の画像形成装置によれば、請求項1からのいずれかに記載の画像形装置の奏する効果に加え、第1貯留部はインクタンク内に配設されているので、第1貯留部とインクタンクとを別々に構成する場合に比べて省スペースで第1貯留部の配置スペースを確保することができるという効果がある。また、インクの交換と同時に洗浄液の交換もすることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明の画像形成装置としてのインクジェットプリンタ1(以下「プリンタ1」と称す)の内部構成を示す概略図である。プリンタ1は、ヘッドユニット3を有するカラーインクジェットプリンタであり、ヘッドユニット3は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクにそれぞれに対応して、4つの記録ヘッド3a〜3dを備えている。
各記録ヘッド3a〜3dは、それぞれ、断面視略矩形状に形成され、記録媒体の搬送方向に交差する幅方向に沿って延出されると共に、互いに近接配置された状態で位置決めされている。また、各記録ヘッド3a〜3dは、それぞれ、その下端にヘッド本体12を有している。ヘッド本体12は、記録媒体の搬送方向に交差する幅方向に沿って延在しており、その下面は搬送ベルト8に対向するように配置されている。ヘッド本体12の下面には、搬送される記録媒体の全幅に亘るようにヘッド本体12の長手方向に沿って微小径を有する多数のノズルが設けられている。つまり、このプリンタ1は、ライン式プリンタである。尚、各記録ヘッド3a〜3dは、記録動作と後述するフラッシング動作が行われる際に、上述した位置に位置決めされていればよく、それ以外の場合には、他の位置に移動していても良い。
インクジェット方式では、ノズルからのインクの吐出性能を維持または回復するために、記録動作以外にノズルからインクの吐き出しを行うフラッシング処理を実行する。このフラッシング処理により、乾燥したインクに起因するノズルの目詰まりを解消し、また、インク内に混入した気泡の排出を行う。本実施の形態においては、このフラッシング処理は、ノズルから搬送ベルト8上にインクを吐出させてを行う。フラッシング処理にて搬送ベルト上に吐出されたインクは、後述するスポンジ13により搬送ベルト8に洗浄液が塗布され、ブレード16によって、付着したインクと洗浄液とが払拭されて、搬送ベルト8上から除去される。尚、このフラッシング処理の他にも、縁なし記録をした場合には、搬送ベルト8上にインクが付着することがあるが、この付着したインクも上述したのと同様な方法で除去される。
よって、ヘッドユニット3を搬送ベルト8上から退避させることなく、フラッシング処理を行うことができる。また、ノズルから吐出されるインクを受容するためのメンテナンスユニットをヘッド本体12の下面と搬送ベルト8との間に挿入するために、搬送ベルト8(ベルトローラ7a,7bなど)をヘッド本体12から下方に移動させる機構を設けることなく、フラッシング処理を行うことができる。よって、ヘッドユニット3あるいは搬送ベルト8を移動させるための大がかりな機構や、その退避スペースを不要にでき、装置本体を小型化することができる。
ヘッド本体12は、その下面と搬送ベルト8の搬送面との間に少量の隙間が形成されるように配置されており、この隙間部分に記録媒体搬送経路が形成されている。この構成で、搬送ベルト8上を搬送される記録媒体が4つのヘッド本体12のすぐ下方側を順に通過する際、この記録媒体の上面すなわち印刷面に向けてノズルから各色のインク滴が吐出されることで、記録媒体上に所望のカラー画像を形成できるようになっている。
また、記録媒体搬送経路において、ヘッドユニット3よりも上流側(図1中右方)には、給紙トレー4が設けられている。給紙トレー4は、複数枚の記録媒体を収納可能に形成されており、給紙トレー4のすぐ下流側には一対の送りローラ6a,6bが設けられている。給紙トレー4に収納される記録媒体は、送りローラ6a,6bにより挟持搬送され図中右方から左方へ送られる。
送りローラ6a,6bの下流側には、一対のローラ部材で構成された押さえ部材10a,10bが、搬送ベルト8を挟んで上下にそれぞれ配置されている。押さえ部材10a,10bは、搬送ベルト8上の記録媒体が搬送面から浮かないように、搬送ベルト8の搬送面に記録媒体を押し付けて搬送面上に確実に粘着させるためのものである。
搬送ベルト8は、環状に循環する無端状のベルトであり、ヘッドユニット3を挟んで記録媒体搬送経路の上流側と下流側とにそれぞれ配置された二つのベルトローラ7a,7bに架け渡されるように巻回されている。搬送ベルト8の外周面すなわち搬送面にはシリコン処理が施されており、一対の送りローラ6a,6bによって搬送されてくる記録媒体を、搬送ベルト8の搬送面にその粘着力により保持させながら、一方のベルトローラ7aの反時計回りへの回転駆動によって下流側(図1中左方)に向けて搬送できるようになっている。
給紙トレー4から搬送ベルト8上に給送された記録媒体は、この搬送ベルト8に搬送されてヘッドユニット3の対向面(ヘッド本体12の下面)を通過し、図示しない排紙部へ向けて送られる。一方、搬送ベルト8は、記録媒体を搬送後、記録媒体搬送経路の下流側のベルトローラ7aに沿って移送され、ベルトローラ7a,7bの下側を、ベルトローラ7b方向へ向かって搬送(返送)される。
ベルトローラ7aの左側には、洗浄液供給ユニット5が配置されている。洗浄液供給ユニット5は、搬送ベルト8に洗浄液を塗布するものであり、主に、洗浄液を貯留する第1貯留タンク10と、その第1貯留タンク10と一端が連結されたチューブ11と、そのチューブ11の他端側と連結されたホルダ12と、そのホルダ12に保持され、且つ、搬送ベルト8に当接するように配設されるスポンジ13とを備えている。尚、洗浄液としては、水や洗剤等を使用することができる。
この洗浄液供給ユニット5によれば、第1貯留タンク10は、スポンジ13より上方に配置されているので、第1貯留タンク10に貯流されている洗浄液は、その水頭差により、チューブ11によって形成される流路、ホルダ12内に形成される流路を通ってスポンジ13に吸収される。
一方、スポンジ13は搬送ベルト8に当接するように配設されているので、スポンジ13に吸収されている洗浄液は、搬送ベルト8に塗布され、後述するブレード16によって搬送ベルト8に付着したインクと共に払拭される。よって、単に、ブレード16によって搬送ベルト8に付着したインクを払拭するよりも、搬送ベルト8の汚れを綺麗に除去することができる。
尚、洗浄液供給ユニット5の第1貯留タンク10とホルダ12との間には、バルブ15が配設されており、例えば、ホルダ12やスポンジ13に何らかの故障が生じた場合には、このバルブ15を閉めることで第1貯留タンク10からの洗浄液の供給が遮断される。よって、第1貯留タンク10に貯留されている洗浄液を無駄に消費することなく、ホルダ12やスポンジ13の交換や修理をすることができる。
ここで、図2を参照してホルダ12とスポンジ13とについて詳細に説明する。図2(a)は、図1のIIa−IIa断面線におけるホルダ12とスポンジ13との断面図であり、図2(b)は、図2の矢印IIb方向視におけるホルダ12とスポンジ13との平面図である。
図2に示すように、ホルダ12は、中空箱状に形成されており、搬送ベルト8と対面する面に形成された開口12aと、その開口12aに繋がる内部空間12bと、その内部空間12bと繋がり開口12aが形成されている面とは反対面に形成される供給口12cと、内部空間12bと繋がり開口12aが形成されている面と同じ面に形成されるエアー排出孔12dとを備えている。
開口12aは、スポンジ13を搬送ベルト8側に露出させるためのものである。スポンジ13の当接面は、この開口12aから露出して搬送ベルト8に当接するように配設される。
内部空間12bは、スポンジ13に洗浄液を供給する流路の一部を形成する空間である。スポンジ13の一部は、内部空間12bの一部を占有するようにホルダ12に保持されており、内部空間12bのうち、スポンジ13に占有されていない空間(流路形成空間)が、スポンジ13に洗浄液を供給する流路の一部として構成されている。この流路形成空間に貯留される洗浄液がスポンジ13に供給される。
また、この流路形成空間は、スポンジ13の当接面の反対面に沿って、その当接面よりも広い範囲に亘って形成されており、更に、この流路形成空間の流路径はエアー排出孔12dよりも大きく構成されているので、スポンジ13全体に略均等に十分な量の洗浄液を供給することができ、結果的に、搬送ベルト8に十分な量の洗浄液を塗布することができる。
供給口12cは、開口12aが形成されている面とは反対面から突出する連結部14によって形成され、チューブ11を介して供給される洗浄液を内部空間12bに供給するものである。連結部14は、図2(a)における内部空間12bの長手方向の略中央部に配設され、この連結部14にはチューブ11の一端が差込まれており、これにより、チューブ11によって形成される流路と、供給口12cとが連通されている。よって、第1貯留タンク10からチューブ11を介して供給される洗浄液は、供給口12cを介して内部空間12b内に供給される。
エアー排出孔12dは、スポンジ13やチューブ11の壁面を透過して洗浄液内に侵入したエアーを外部に排出するための孔である。エアー排出孔12dは、チューブ11と連結部14との連結部分から可及的に離れた位置に形成されている。換言すれば、供給口12cと内部空間12bとによって形成される流路の略先端部に形成されている。
これにより、チューブ11、供給口12cを介して内部空間12b内に供給される洗浄液は、抵抗の少ない両端に流れるので(図2中矢印A参照)、洗浄液中に侵入したエアーを内部空間12b内に滞留させることなく、洗浄液の流れに沿ってエアー排出孔12dから押出すように円滑に外部に排出することができる。
また、エアー排出孔12dの孔径は、洗浄液がメニスカスを形成可能な大きさに構成されているので洗浄液がエアー排出孔12dから漏れるのを防止することができる。更に、エアー排出孔12dの孔径は、スポンジ13の孔径よりも大きく構成されているので、スポンジ13の孔にエアーが詰まることなく、円滑に洗浄液内に侵入したエアーをエアー排出孔12dから外部に排出することができる。
スポンジ13は、洗浄液を吸収可能な多孔質体であって、略直方体状に形成されている。また、搬送ベルト8に当接する当接面は、搬送ベルト8の幅以上に延び、図1に示すように、断面視山状に形成されている。よって、搬送ベルト8にスポンジ13を密着させて確実に洗浄液を搬送ベルト8に塗布することができる。
再び、図1に戻って説明を続ける。洗浄液供給ユニット5に含まれるスポンジ13よりも搬送ベルト8の搬送方向下流側(移動方向下流側)であって、ベルトローラ7aとベルトローラ7bとの間には、ブレード16が配設されている。ブレード16は、インクおよび洗浄液に耐性を有する樹脂にて形成され、搬送ベルト8の下方から搬送ベルト8に向けて立設されており、その先端部が、返送される搬送ベルト8の外周に当接する位置に配置されている。
また、ブレード16は、搬送ベルト8の幅に亘って延設されており、その先端部が他の部分に比べて薄肉となる箆状に形成されている。箆の先端側は、搬送ベルト8に対し密着するように、立設方向に対し搬送方向下流側に湾曲して形成されている。これにより、箆の先端の所定幅を搬送ベルト8に密着させることができ、払拭したインクや洗浄液が、ブレード16よりも搬送方向下流側へ搬送されてしまうことを抑制することができる。
ブレード16の左側には、各記録ヘッド3a〜3dに供給するインクを貯留するインクカートリッジ17が配置されている。インクカートリッジ17は、4つの記録ヘッド3a〜3dの各々に供給するシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクを、それぞれ貯留する4つのインクカートリッジ17a〜17dによって構成されている。各インクカートリッジ17a〜17dは、プリンタ1に着脱自在に構成されており、プリンタ1に装着された状態で、図示しないポンプと連結され、インクカートリッジ17a〜17dに貯留されているインクは、この図示しないポンプを連結されているチューブ18を介して、各記録ヘッド3a〜3dに供給される。
次に、図3を参照して、上述した洗浄液供給ユニット5に関する第2実施例について説明する。図3は、第2実施例の洗浄液供給ユニット9を搭載したプリンタ100の内部構成を示す概略図である。尚、上述した構成と同一の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
第2実施例の洗浄液供給ユニット9は、第1実施例の洗浄液供給ユニット5と同じ第1貯留タンク10と、チューブ11と、ホルダ12と、スポンジ13とを備え、更に、その第1貯留タンク10と連結されるチューブ11の途中に配設されるポンプ19と、チューブ11とホルダ12との間に配設される洗浄液を貯留する第2貯留タンク20と、その第2貯留タンク20と連結される変動板21と、その変動板21を押圧するコイルバネ22と、変動板21の変位を検出する変位センサ23とを備えている。
ポンプ19は、第1貯留タンク10に貯留されている洗浄液を強制的に第2貯留タンク20に供給するもであり、後述する変位センサ23の検出結果に応じて、所定量の洗浄液を第2貯留タンク20に供給する。第2実施例の洗浄液供給ユニット9では、第1実施例の洗浄液供給ユニット5とは異なり、第1貯留タンク10が下流側よりも下方に配置されているため、第1貯留タンク10に貯留されている洗浄液は、このポンプ19によって下流側に強制的に供給される。このように、ポンプ19を備えることで、第1実施例の場合に比べて第1貯留タンク10の配設位置の自由度を向上させることができる。
第2貯留タンク20は、可撓性を有する2枚のシート体の縁部を張合わせた袋状に構成されており、その幅広面がスポンジ13と略同一なレベルになるように水平に配置されている。変動板21は、その第2貯留タンク20の上面に連結されており、その反対面には第2貯留部側に向けて変動板21を付勢するコイルバネ22が連結されている。
そして、スポンジ13に吸収されている洗浄液が消費されると、コイルバネ22の押圧力によって変動板21が下方に変位し、第2貯留タンク20に貯留されている洗浄液が強制的にスポンジ13に供給される。
また、この変動板21の変位は、変位センサ23によって検出されており、上述したように変動板21が下方に変位した場合には、第2貯留タンク20内の洗浄液の液量が、再び所定量の洗浄液で満たされるように、変位センサ23の検出結果に応じてポンプ19が駆動される。すると、所定量の洗浄液が第2貯留タンク20に供給され、再び、変動板21が上方に押し上げられる。この変動板21の変位は変位センサ23によって検出されているので、変動板21が所定位置まで押し上げられると、ポンプ19が停止する。
このように、洗浄液供給ユニット9を構成することで、第1実施例の洗浄液供給ユニット5で説明したように単に水頭差を利用してスポンジ13に洗浄液を供給する場合には、第1貯留タンク10に貯留されている洗浄液の液量によって供給圧が変化するようなことがなく、必要十分な洗浄液を所定の圧力でスポンジ13に供給することができる。即ち、安定して洗浄液をスポンジ13に供給することができる。
次に、図4を参照して、上述したホルダ12に関する第2実施例について説明する。図4(a)は、図2(a)に相当する図であって、第2実施例のホルダ25とスポンジ13との断面図であり、図4(b)は、図2(b)に相当する図であって、図4(a)の矢印IVb方向視における第2実施例のホルダ25とスポンジ13との平面図である。尚、上述した構成と同一の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
第1実施例のホルダ12では、内部空間12b内を洗浄液が2手方向(図2の矢印A参照)に分かれて流れるように、供給口12cを内部空間23の略中央部に配設し、その両側の両端にエアー排出孔12dを形成する場合について説明した。
この第2実施例のホルダ25では、図4に示すように、供給口12cを、内部空間23の一端側に配置し、エアー排出孔12dを供給口12cから可及的に離れた位置(換言すれば、流路の略先端位置)である供給口12cの反対端に形成したものである。
このようにホルダ25を構成した場合であっても、上述したのと同様に、チューブ11、供給口12cを介して内部空間12b内に供給される洗浄液は、抵抗の少ない他端側に流れるので(図4(a)中矢印B参照)、洗浄液中に侵入したエアーを内部空間12b内に滞留させることなく、洗浄液の流れに沿ってエアー排出孔12dから押出すように円滑に外部に排出することができる。
次に、図5を参照して、上述したインクカートリッジ17a〜17dに関する第2実施例について説明する。図5は、第2実施例のインクカートリッジ30の内部構造を示す断面図である。上述したインクカートリッジ17a〜17dは、各記録ヘッド3a〜3dに供給するためのインクだけを貯留するように構成されていたのに対して、この第2実施例のインクカートリッジ30は、インクに加え、洗浄液をも貯留可能に構成されている。
具体的には、インクカートリッジ30は、略中空箱状に形成されており、その内部は、区画壁31によって2つの空間に区画されている。そして、一方の空間には洗浄液が貯留されており、他方の空間にはインクが貯留されている。また、各空間に対応する側壁には、ゴム製のキャップ32,33が圧入されている。
このインクカートリッジ30をプリンタ1に装着すると、ポンプ35,38に連結されている注射針34,37の各々が、キャップ32,33の各々に突き刺さり、インクカートリッジ30内に貯留されている洗浄液は、注射針34、ポンプ35、チューブ11を介してスポンジ13に供給される。一方、インクカートリッジ30内に貯留されているインクは、注射針37、ポンプ38、チューブ18を介して各記録ヘッド3a〜3dに供給される。このインクカートリッジ30によれば、インクカートリッジ30の交換と同時に洗浄液の交換をすることができるので、インクと洗浄液との交換を別々に行う場合に比べて、交換に伴う手間を軽減することができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上述した第1実施例の洗浄液供給ユニット5のバルブ15に代えてポンプを配設し、そのポンプとホルダ12との間に洗浄液を貯留可能なサブタンクをスポンジ13よりも上方に配設し、そのサブタンク内の液量を検出するセンサを配設する。この場合には、センサによって検出されるサブタンク内の液量の変化に応じてポンプを駆動して、所定量の洗浄液をサブタンク内に供給する。このように構成したとしても、第1貯留タンク10から直接にスポンジ13に洗浄液を供給する場合に比べて、スポンジ13に安定して洗浄液を供給することができる。
また、上述した実施例では、エアー排出孔12dを1つ、又は、2つ設ける場合について説明したが、その数は、1つ、又は、2つに限定されるものではなく、エアーを排出可能であれば3つ以上であっても良い。
また、第2実施例のインクカートリッジ30では、インクカートリッジ30内を上下に区分けして、上方に洗浄液を、下方にインクを貯留させる場合について説明したが、区分け方法は、左右であっても良く、また、洗浄液を貯留する空間とインクを貯留する空間との大きさは、洗浄液の消費量やインクの消費量に基づいて異にするように構成しても良く、また、ポンプ35,38の能力を異にするように構成しても良い。かかる場合には、無駄になる洗浄液やインクの量を減少させることができる。
本発明の画像形成装置としてのインクジェットプリンタ1の内部構成を示す概略図である。 (a)は、図1のIIa−IIa断面線におけるホルダとスポンジとの断面図であり、(b)は、図2の矢印IIb方向視におけるホルダとスポンジとの平面図である。 第2実施例の洗浄液供給ユニットを搭載したプリンタの内部構成を示す概略図である。 (a)は、図2(a)に相当する図であって、第2実施例のホルダとスポンジ13との断面図であり、(b)は、図2(b)に相当する図であって、図4(a)の矢印IVb方向視における第2実施例のホルダとスポンジとの平面図である。 第2実施例のインクカートリッジの内部構造を示す断面図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ(画像形成装置)
3a〜3d 記録ヘッド
8 搬送ベルト
13 スポンジ吸収体
10 第1貯留タンク(第1貯留部)
11 チューブ(第1流路形成部材、流路形成部材の一部)
12 ホルダ(第2流路形成部材、流路形成部材の一部)
12a 開口
12b 内部空間
12d エアー排出孔
19 ポンプ(第2調節手段の一部)
20 第2貯留タンク(第2貯留部、第1調節手段の一部)
22 コイルバネ(押圧部材、第1調節手段の一部)
23 変位センサ(検出手段)

Claims (10)

  1. インクを吐出するノズルが形成されたノズル形成面を有する記録ヘッドと、その記録ヘッドのノズル形成面と対面する位置に記録媒体を搬送するために循環する無端状の搬送ベルトと、その搬送ベルトに当接可能であって、且つ、その搬送ベルトに塗布する洗浄液を吸収可能な吸収体と、その吸収体に供給する洗浄液を貯留する第1貯留部とを備えた画像形成装置において、
    前記吸収体と前記第1貯留部とに連結され、前記第1貯留部に貯留されている洗浄液を前記吸収体に供給する流路を形成する流路形成部材と、
    その流路形成部材に配設され、前記洗浄液中に含まれるエアーを外部排出するエアー排出孔と
    前記流路形成部材の途中に配設され、前記吸収体に供給する洗浄液の液量を調節する第1調節手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記流路形成部材は、前記第1貯留部と連結され前記第1貯留部に貯留されている洗浄液が流入する第1流路を形成する第1流路形成部材と、その第1流路形成部材と前記吸収体とに連結され前記第1流路から流入した洗浄液を前記吸収体に供給する第2流路を形成する第2流路形成部材とを備え、
    前記エアー排出孔は、前記第2流路形成部材に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2流路形成部材は、その一面に形成された開口と開口に繋がる内部空間を有し、前記吸収体は、内部空間の一部を占めるとともに前記開口から露出するように配設され、前記一面と反対側の他面において前記第1流路形成部材と連結されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記エアー排出孔は、前記第1流路形成部材と前記第2流路形成部材との連結部分から可及的に離れた位置に形成されていることを特徴とする請求項2又3に記載の画像形成装置。
  5. 前記吸収体は前記洗浄液を吸収可能な多孔質体で構成されており、
    前記エアー排出孔は、洗浄液がメニスカスを形成可能な大きさであって、前記吸収体の孔径よりも大きく構成されていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記エアー排出孔は、前記第2流路の流路径よりも小さく構成されていることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記第2流路は、前記搬送ベルトに当接する前記吸収体の当接面の反対側の面に沿って、その当接面よりも広い範囲に亘って形成されていることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記第1調節手段は、前記吸収体と略同一なレベルに配置され前記洗浄液を貯留可能な可撓性を有する第2貯留部と、その第2貯留部を所定圧力で押圧する押圧部材とを備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記第2貯留部に貯留されている洗浄液の液量を検出する検出手段と、
    前記第1貯留部と前記第2貯留部との途中に配設され、前記検出手段の検出結果に応じて前記第1貯留部から前記第2貯留部に供給する洗浄液の液量を調節する第2調節手段とを備えていることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  10. 画像形成装置に着脱自在に構成され前記記録ヘッドに供給するインクを貯留するインクタンクを備え、
    前記第1貯留部は、そのインクタンク内に配設されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の画像形成装置。
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