JP2017100349A - 液体を吐出する装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体吐出ヘッドのクリーニングにおける吸引動作によりキャップ内に溜まった液体が、デキャップ時に垂れ難い液体を吐出する装置を提供する。【解決手段】液体が吐出されるノズルを有する液体吐出ヘッド14と、液体吐出ヘッド14のノズルが形成されたノズル面14bに対して相対的に移動してノズル面14bをキャッピングするキャップ部材70と、を備え、キャップ部材70は、ノズル面14bと接触してノズル面14bを密封するニップ部72hと、ニップ部72hの内側に配設され、液体吐出ヘッド14のノズル面14bに接触してノズル面14bのインクを吸収する吸収部材74と、を有し、吸収部材74の先端は、キャップ部材70の移動方向においてニップ部72hの先端よりも突出して形成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、液体吐出ヘッドを駆動して液体を吐出する装置(以下、液体吐出装置という)に関する。
この種の液体吐出装置として、液体吐出ヘッドである記録ヘッドからインク液滴を吐出して、搬送される記録用紙に画像を形成するインクジェット記録装置がある。インクジェット記録装置には、記録ヘッドが主走査方向に移動しながらノズルからインク液滴を吐出して画像を形成するシリアル型や、主走査方向に複数設けられた記録ヘッドのノズルからインク液滴を吐出して画像を形成するライン型が知られている。これらのインクジェット記録装置においては、形成される画像の品質を保つために、ノズルの目詰まりや欠損などの不具合を解消するようクリーニング装置を備えたものがある。
このようなクリーニング装置として、例えば、記録ヘッドのノズル面にキャップ部材を密着させてキャップ部材内を負圧にすることでノイズ内の異物や気泡を除去するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、吸引ポンプからの負圧を受けて記録ヘッドからインクを吸引排出するためのキャッピング手段を備えたインクジェット記録装置が開示されており、インク吸収部材がキャップ部材を囲繞するようにキャップホルダに取り付けられている。このインク吸収部材は、クリーニング時に記録ヘッド周辺部に廻り込んだ廃インクを吸収するものである。また、キャップ部材内にはインク吸収シートが収容され、記録ヘッドからのインクを吸収して一時的に保持する構成である。
しかしながら、回転する搬送ドラムにより記録用紙を搬送し、この搬送ドラムの周面に近接して配置した複数の記録ヘッドよりインクを吐出して記録用紙上に画像を形成するインクジェット記録装置においては、搬送ドラムの周面に沿って傾斜して配置される記録ヘッドが存在するものがある。
メンテナンス用のクリーニング装置は、各記録ヘッドに対向して設置される。よって、傾斜配置の記録ヘッドに対しては、同様に傾斜して配置されるクリーニング装置が対向して設けられる。
このクリーニング装置は、上述のように、液体吐出ヘッドである記録ヘッドのノズル面にキャップ部材を密着させて吸引ポンプ等により吸引してキャップ部材内を負圧にするものである(図11(a)、(b)参照)。よって、吸引後のキャップ部材内にはノズル等から吸い出されたインクが入っている。そのため、傾斜していないキャップ部材はもとより、傾斜配置されたキャップ部材では特に、図11(c)に示すように、吸引後にデキャップ(キャップ部材をノズル面から離間)すると、インクKが垂れてインクジェット記録装置内を汚してしまうという問題があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、液体吐出ヘッドのクリーニングにおける吸引動作によりキャップ部材内に溜まった液体が、デキャップ時に垂れ難い液体吐出装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液体吐出装置は、上述した課題を解決するために、液体が吐出されるノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドの前記ノズルが形成されたノズル面に対して相対的に移動して前記ノズル面をキャッピングするキャップ部材と、を備え、前記キャップ部材は、前記ノズル面と接触して前記ノズル面を密封するニップ部と、前記ニップ部の内側に配設され、前記液体吐出ヘッドの前記ノズル面に接触してノズル面のインクを吸収する吸収部材と、を有し、前記吸収部材の先端は、前記キャップ部材の移動方向において前記ニップ部の先端よりも突出して形成されている。
本発明によれば、液体吐出ヘッドのクリーニングにおける吸引動作によりキャップ部材内に溜まった液体が、デキャップ時に垂れ難い液体吐出装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置に係り、図2(a)は記録ヘッドのモジュール構成を示す平面説明図であり、図2(b)はインクジェット記録装置の要部構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像形成部を示し、図3(a)は印刷時の斜視説明図であり、図3(b)はメンテナンス時の斜視説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るインク分配システムを示す構成図である。 本発明の第1の実施形態に係り、図5(a)はデキャップ状態の記録ヘッドとクリーニング装置の一部縦断面図であり、図5(b)は一部横断面図である。 図5のA−A断面図である。 図7(a)は、図5に示す記録ヘッドおよびクリーニング装置がキャッピング状態になる様子を示す正面説明図であり、図7(b)はその側面説明図であり、図7(c)は傾斜配置においてデキャップ状態に移行したときの様子を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係り、図8(a)はデキャップ状態の記録ヘッドとクリーニング装置の一部縦断面図であり、図8(b)は一部横断面図である。 図8のB−B断面図である。 図10(a)は、図8に示す記録ヘッドおよびクリーニング装置がキャッピング状態になる様子を示す正面説明図であり、図10(b)はその側面説明図であり、図10(c)は傾斜配置においてデキャップ状態に移行したときの様子を示す説明図である。 従来技術に係り、図11(a)は記録ヘッドがクリーニング装置によりキャッピングされているときの様子を示す正面説明図であり、図11(b)はその側面説明図であり、図11(c)は傾斜配置においてデキャップ状態に移行したときの様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本発明に係る液体吐出装置の第1の実施形態に関し、インクジェット記録装置を例にして、その構成について説明する。
なお、本実施形態においてインクジェット記録装置1は、インクジェット方式のプリンタ装置として構成しているが、ファクシミリ装置、印刷機、または複合機から構成してもよい。
図1に示すように、インクジェット記録装置1は、給紙部20と、レジスト調整部30と、画像形成部10と、乾燥部40と、排紙部50と、を備えている。
給紙部20は、記録用紙22を積載し給紙する給紙トレイ26と、給紙トレイ26に積載された記録用紙22を1枚ずつピックアップするエアー分離部24と、を備えている。エアー分離部24により1枚ずつピックアップされた記録用紙22はレジスト調整部30へ送られる。エアーを吹き付けて記録用紙22を1枚ずつに分離するエアー分離方式の代わりに、給紙ローラでピックアップされた記録用紙22を分離ローラで1枚ずつに分離する方式を用いてもよい。
レジスト調整部30は、給紙部20から送られてきた記録用紙22のレジスト補正(タイミング調整)を行うレジストローラ32を備えている。
図1および図2に示すように、画像形成部10は、記録用紙22を搬送する搬送ドラム12と、搬送ドラム12による搬送中に記録用紙22にインク液滴を吐出し印字する液体吐出ヘッド(以下、実施の形態では記録ヘッドという)14と、記録ヘッド14のノズルをクリーニングするクリーニング手段であるキャップ部材70(図3参照)と、を備えている。液体吐出ヘッド14は、インクが吐出されるノズル14aを有している。キャップ部材70は、液体吐出ヘッド14のノズル14aが形成されたノズル面14bに対して相対的に移動してノズル面14bをキャッピングするよう構成されている。
搬送ドラム12は、円筒形状であり、レジスト調整部30から送られてきた記録用紙22の先端を用紙グリッパ16でくわえて、回転しながら搬送する構成になっている。用紙グリッパ16は、搬送ドラム12の外周上3か所に設けられている。これにより、ドラム1回転で3枚の記録用紙22に画像形成が可能である。ドラム表面には複数のエアー吸引孔が形成されており、吸引ポンプにより搬送中の記録用紙22をその裏面から吸引し、ドラム表面に密着、固定するようになっている。
搬送ドラム12の上部には記録用紙22に印字するインク液滴を吐出する記録ヘッド14が設けられている。記録ヘッド14は、インクを吐出するノズル14aを有し、ノズル面14bが平面形状に形成され、ノズル面14bの中程のエリアに対応しノズル面14bより内方へ穿設された複数のノズル14aを有し(図6参照)、各ノズル14aに供給されるインク液滴を吐出するよう構成されている。
図3に示すように、この記録ヘッド14は、記録用紙22の通紙面(印刷される側の面)に対して離れる方向に上下移動自在であり、後のメンテナンス(クリーニング)時にキャップ部材70が記録ヘッド14の下部に入れるぐらいまで上昇することができる。
記録ヘッド14は、図3に示すように、搬送ドラム12の表面に沿って記録用紙22のほぼ全幅にわたり構成されており、具体的には、図2(a)に示すように、1つの記録ヘッドモジュール15が、記録ヘッド14を千鳥に11個並べた構成になっている。図2(a)では、ブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)のインクごとに、1つの記録ヘッドモジュール15があり、計4個の記録ヘッドモジュール15が設けられている。このように、記録ヘッドモジュール15を色毎に複数個並べることで、画像を形成するようになっており、よって、記録用紙22に印刷される画像の解像度は記録ヘッド14の解像度に依存している。
図3(a)に示すように、搬送ドラム12の上方後部には、記録ヘッド14のノズル面14bをクリーニングするキャップ部材70が前後に移動可能に設けられている。キャップ部材70は、各記録ヘッド14に合わせて、記録ヘッド14と同様に記録用紙22のほぼ全幅にわたり千鳥配列に構成されている。それぞれのキャップ部材70の下部には記録ヘッド14からインクを吸引するため吸引ポンプ76(図5(a)参照)が配置されている。
印刷終了後、メンテナンス時に、記録ヘッド14をキャッピングし残存インクを吸引する場合や、記録ヘッド14のノズル面14bに付着したインクをワイパーブレードで清掃する場合には、印刷停止後、記録ヘッド14が記録用紙22の通紙面に対して離れる方向に上昇し、キャップ部材70の挿入スペースを確保するようになっている(図3(b)参照)。
次いで、図3(b)に示すように、キャップ部材70が、記録ヘッド14の下部まで前方にスライドし、記録ヘッド14が下降して、各記録ヘッド14のクリーニング動作に移るよう構成されている。クリーニングが完了したら再び記録ヘッド14が上部に退避し、キャップ部材70が後方の位置に戻る。そして、記録ヘッド14が搬送ドラム12上の印字位置に下降し、印字可能な状態となる。
記録ヘッド14の上部には、インクをそれぞれの記録ヘッド14に供給するインク分配管90が各色に配列されている。図4に示すように、記録ヘッドモジュール15を構成する各記録ヘッド14は、故障時に交換可能なようにカップリング92等によりインク分配管90に接続されている。インク分配管90の上流側にはサブタンク94が配置され、サブタンク94と記録ヘッド14との水頭差(−20〜−70mmAq)によって、記録ヘッド14のノズルのメニスカスを保持するのに適切な負圧に保たれる。
サブタンク94は、可撓性のパックとして構成されている。可撓性のパックを使用することにより、インクと大気を直接触れさせないようにして、インクの水分蒸発による粘度上昇を防ぐことができると共に、インク中の溶存酸素量を一定に保って記録ヘッド14のノズル内に気泡が溜まるのを防ぐことができる。パックの材料としては、ガスバリア性の高いフィルム、或いはアルミニウムを利用することができる。
また、サブタンク94の上流側にはインクを貯蔵するメインタンクが配置されている。サブタンク94とメインタンクとは、チューブにより接続されており、供給経路を形成している。サブタンク94には、パック内のインク量を検知するセンサ(例えば、パックのふくらみ具合を検知するセンサフィラー等)が設置されており、パック内のインク残量に応じて、メインタンクからサブタンク94にインクが供給されるようになっている。
乾燥部40は、図1に示すように、乾燥ユニット42を備えている。画像形成部10から送られてくる画像形成済みの記録用紙22が、この乾燥ユニット42の下を通過することによってインク中の水分を蒸発させ、記録用紙22のカールを防止している。
また、乾燥部40には両面印刷のための用紙反転部60と用紙反転搬送部62が設けられている(図1参照)。両面印刷時に、用紙反転部60が、記録用紙22の搬送方向を切り替え、用紙反転搬送部62が、搬送方向が切り換えられた記録用紙22を画像形成部10へ搬送するよう構成されている。また、この反転搬送路には搬送ドラム12の手前側にレジストローラ64が設けられ、タイミング調整を行うようになっている。
排紙部50は、印刷された記録用紙22を排紙し積載する排紙トレイ52を備えている。排紙トレイ52は、記録用紙22の幅方向に規制する一対のサイドフェンスと記録用紙22の先端を規制するエンドフェンスとを備えて構成されている。
なお、インクジェット記録装置1は、上述したように、ノズルからインク液滴を吐出する記録ヘッド14が記録用紙22のほぼ全幅にわたりライン構成をしたライン型インクジェット記録装置であるが、シリアル型であってもよいことは勿論である。また、インクジェット記録装置1は、サブタンク94と記録ヘッド14との水頭差によって記録ヘッド14内のインクを負圧に維持する水頭差方式インクジェット記録装置であるが、サブタンク94内に収容したスポンジ状のインク吸収部材の毛細管現象を利用して負圧を形成する方式や、サブタンク14内を負圧に維持するように、サブタンク94の少なくとも一部を形成する可撓性部材をサブタンク94外方に付勢するばねなどの付勢手段を備えた方式により負圧を発生するなど他の方式であってもよい。
次に、インクジェット記録装置1の動作を説明する。
まず、給紙部20の給紙トレイ26に積載された記録用紙22が、エアー分離部24によって1枚ずつピックアップされてレジスト調整部30に送られる。
レジスト調整部30では、レジストローラ32によって記録用紙22のレジスト補正(タイミング調整)が行われる。
タイミング調整された記録用紙22は、画像形成部10に送られる。画像形成部10では、円筒形状の搬送ドラム12の表面に設けられた用紙グリッパ16によって記録用紙22がその先端を挟まれ、記録ヘッド14の方向へ搬送される。この際、搬送ドラム12の表面に開けられたエアー吸引孔から、記録用紙22の全体が裏面からエアー吸引されドラム表面に密着させた状態で、搬送される。
記録用紙22が、所定のインク色を充填した状態の記録ヘッド14の下部に送られると、記録ヘッド14のノズルから記録用紙22に向けてインクが吐出され、記録用紙22に画像が形成される。
記録用紙22は、その表面上に画像形成が行われた後、乾燥部40に送られる。乾燥部40に設けられた乾燥ユニット42の下を記録用紙22が通過することでインク中の水分が蒸発し、記録用紙22のカールを防止している。
両面印刷時には、乾燥部40に設けられた用紙反転部60により、記録用紙22の搬送方向が切り替えられ、用紙反転搬送部62によって画像形成部10の方向に送られる。搬送ドラム12に達する前にレジストローラ64によって記録用紙のレジスト(タイミング)が調整される。画像形成部10では、前述と同様に記録用紙22の裏面に画像形成が行なわれる。
乾燥部40を通過した記録用紙22は排紙部50に搬送され、記録用紙22が整然と揃えられた状態で積載される。
次に、キャップ部材70について詳細に説明する。
キャップ部材70は、ノズル面14bと接触してノズル面14bを密封するニップ部72hと、ニップ部72hの内側に配設され、液体吐出ヘッド14のノズル面14bに接触してノズル面14bのインクを吸収する吸収部材74と、を有し、吸収部材74の先端は、キャップ部材70の移動方向においてニップ部72hの先端よりも突出して形成されている。
具体的には、キャップ部材70がノズル面14bから離れる方向に移動したときに、ニップ部材72hがノズル面14bから離れた後でも、吸収部材74の少なくとも一部が液体吐出ヘッド14のノズル面14bに接触しているように構成されている。
また、キャップ部材70のキャップ本体72には、負圧発生手段である吸引ポンプ76に接続された吸引口72fを一側面に有している。吸収部材74は、キャップ部材70のキャップ本体72のニップ部72hよりも外方に突出している連続多孔質でかつ弾性変形可能な有底筒状である。
キャップ部材70は、クリーニング時に、吸収部材74が記録ヘッド14のノズル14aを囲んだ状態に記録ヘッド14のノズル面14bに当接して圧縮され、かつ、キャップ本体72のニップ部72hが記録ヘッド14のノズル面14bに密着してキャップ本体72内に密閉空間を形成し、吸引口72fからノズル面14bに残存するインクを吸収部材74に吸引するようになっている。
ここで、ノズル面14bにおいて吸収部材74が当接する領域は、図7に示すように、全てのノズル14aを囲んだ矩形枠状の領域であり、ノズル面14bにおいてキャップ本体72が密着する領域は、吸収部材74が密接する矩形枠状の領域を、若干の間隔を開けて更に取り囲んだ矩形枠状の領域である。
このような構成にすることで、クリーニング後にキャップ部材70を記録ヘッド14から離間した時に、吸収部材74が元の形状に膨張するので、その膨張した吸収部材74がキャップ本体72内のインクを吸収することができる。これにより、比較的簡単な構成で、デキャップ時にキャップ本体72内のインクが垂れることを防止することができる。
キャップ部材70は、そのニップ部72hをノズル面14bに密着させて、ノズルから残留インクを吸引する機能を有する他にも、ノズルを外気から遮断して、ノズルの乾燥を防ぐ保湿機能も有している。
キャップ本体72は、全体が合成樹脂からなるが、ニップ部72hの記録ヘッド側の端部はゴム等の弾性体で構成されていてもよい。このように構成すると、吸引時に、キャップ本体72のニップ部72hを記録ヘッド14のノズル面14bにしっかり密着させることができ、負圧を付与して残存インクを確実に吸引することができる。
吸収部材74は、具体的には、筒壁部74a〜74dとその一端側を閉じる底壁部74eとを備えた有底筒状であり、キャップ本体72の側壁部72a〜72dの内周面から内方に突出した凸形状の吸収部材受部72g上に配置している。また、吸収部材74の底面と吸収部材受部72gとの間、あるいは、吸収部材74の外周面とキャップ本体72の側壁部72a〜72dの内周面との間を接着剤やシール充填剤などで密着接合している。吸収部材74の底壁部74eの下部は吸引されたインクを一時的に貯留しおく貯留空間75が形成されている。
吸収部材74に吸収されたインクは、吸収部材74が連続多孔質から構成されているためメニスカスが張っており、漏れることはない。また、吸収部材74を有底筒状ではなく柱状にしてその先端全面をノズル面14bの密着させておけば、吸収部材74の上部に残留インクは溜まらなくなるので、吸収部材74からインクが漏れることはなくなる。しかしながら、吸収部材74をノズル面14bのノズル14aに密着させるのは、ノズルに異物が入り、あるいは吸収部材74が離れるときに気泡が発生するなどの理由から、好ましくない。
吸収部材74は、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリエチレン(PE)、ポリウレタン(PU)などからなり、吸引時はインクを通過させ、インク通過後もインクを保持するようになっている。これにより、キャッピング(キャップ部材70をノズル面14bに密着)後、吸引しない状態のときに、保湿機能を発揮するのでノズル面14bの乾燥を防ぐことができる。
キャップ本体72の吸引口72fには、チューブ78を介して吸引ポンプ76が接続されている。
この構成において、記録ヘッド14のメンテナンス(ノズル内の気泡や異物を除去)のため、残存インクを吸引する場合、記録ヘッド14のノズル面14bにキャップ本体72を密着させ、吸引ポンプ76を作動させて吸引を行う。吸引後、デキャップ(キャップ部材70を記録ヘッド14から離間)し、ワイパーブレードでノズル面14bに残存するインクを拭き取るようになっている。次いで、ノズルにメニスカスを形成し、印字を行うようになっている。
また、図3、図5に示すように、記録ヘッド14とキャップ部材70とが水平面に対して傾斜配置され、吸収部材74は、その筒壁部のうち傾斜配置で相対的に上側に位置する部分(筒壁部74a)と下側に位置する部分(筒壁部74b)との形状が相異なっている。
具体的には、吸収部材74の筒壁部のうち傾斜配置で相対的に下側に位置する部分(筒壁部74a)の体積が、上側に位置する部分(筒壁部74b)の体積よりも大きくなっている。
図5に示すデキャップ状態のキャップ部材70は、実際には、水平面に対して傾斜して配置される記録ヘッド14に対向し、同様に傾斜して配置されている。具体的には、キャップ部材70は、図5(b)の横断面図において左側が上がる(或いは右側が下がる)ように所定の傾斜角度だけ傾斜した状態で設置されている。
図5では、吸収部材74の筒壁部74a〜74dのうち傾斜配置で相対的に下側に位置する部分(筒壁部74a)の幅が、上側に位置する部分(筒壁部74b)の幅よりも厚くなっている。
また、図5に示すように、吸収部材74はデキャップ状態のときキャップ部材70より例えば2〜5mm程度出っ張っており、キャッピング時には、キャップ本体72だけでなく吸収部材74もノズル面14bに密着する構成になっている。また、図6に示すように、キャップ本体72と吸収部材74とは、ノズル面14bに密着しているが、その際、ノズル14aには接触しない構成になっている。また、吸収部材74の筒壁部74a〜74dの幅を厚くする度合いは、傾斜角度に応じて変更するようにしてもよい。例えば、傾斜角度が10°のキャップ部材70で、吸収部材74の筒壁部74aの幅を筒壁部74bの幅より2mm厚くしている場合、傾斜角度が20°のキャップ部材70では、吸収部材74の筒壁部74aの幅を筒壁部74bの幅より4mm厚くするようにしてもよい。
このような構成により、図7(c)に示すように、吸引後、デキャップ時に、吸収部材74が膨れ上がり、その分体積が増えるため、吸収部材74上部のインクをせき止め、吸収することができる。しかも、吸収部材74の筒壁部74a〜74dのうち傾斜配置で相対的に下側に位置する筒壁部74aの幅(体積)が、上側に位置する筒壁部74bの幅(体積)よりも大きいので、デキャップ時に下側の体積の増加分が上側より大きくなってより多くのインクを吸収するので、傾斜配置であっても、デキャップ時にキャップ本体72内のインクが垂れることを効果的に防止することができる。
上述のように、吸収部材74は、キャッピング時にノズル面14bに押し付けられて、つぶされる構成である。しかし、吸収部材74はまったくインクを保持できないほどつぶされるものではなく、ある程度のインクを保持している。また、外側のキャップ本体72でノズル面14bを外気から遮断している。よって、吸収部材74はノズルを保湿するという機能を十分に発揮することができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。
図8〜10は、本発明の第2の実施形態に係るキャップ部材80を示している。第2の実施形態は、吸収部材84の形状が第1の実施形態と相違しているのみであり、その他の構成要素については、第1の実施形態と同一の符号を付して、構成、作用、効果の説明を省略する。
図8に示すデキャップ時のキャップ部材80は、実際には、水平面に対して傾斜して配置される記録ヘッド14に対向し、同様に傾斜して配置されている。具体的には、キャップ部材80は、図8(b)の横断面図において左側が上がる(或いは右側が下がる)ように所定の傾斜角度だけ傾斜した状態で設置されている。
第2の実施形態では、図8に示すように、吸収部材84は、その筒壁部84a〜84dのうち、傾斜配置で相対的に下側に位置する部分(筒壁部84a)の高さが、上側に位置する部分(筒壁部84b)の高さよりも高くなっている。例えば、筒壁部84aは筒壁部84bよりも3〜5mmほど高くなっている。
図8に示すように、吸収部材84は、デキャップ状態のときキャップ本体72より2〜5mm程度突出しており、キャッピング時には、キャップ本体72だけでなく吸収部材84もノズル面14bに密着する構成になっている。また、図9に示すように、キャップ本体72と吸収部材84がノズル面14bに密着していても、ノズル14aには触れない構成になっている。また、吸収部材84の筒壁部84c、84dの高さは傾斜下側にくるほど高くなる構成になっている。その高さは低い部分から3〜5mmほど徐々に高くなるようになっている。また、底壁部84eについても、傾斜下側にくるほど徐々に厚くなるようにしてもよい。また、吸収部材84の筒壁部84a〜84dを高くする度合いは、傾斜角度に応じて変更するようにしてもよい。例えば、傾斜角度が10°のキャップ部材80で、吸収部材84の筒壁部84aの高さを筒壁部84bの高さより2mm高くしている場合、傾斜角度が20°のキャップ部材80では、吸収部材84の筒壁部84aの高さを筒壁部84bの高さより4mm高くするようにしてもよい。
このような構成にすることで、図10(c)に示すように、吸引後、デキャップ時に、吸収部材84が膨れ上がり、その分体積が増えることに加え、傾斜下側の吸収部材84の筒壁部84aの高さが高いので、吸収部材84上部に残留しているインクを効果的にせき止め、かつより多く吸収することができる。よって、キャップ部材80が傾斜していてもデキャップ時にインクが垂れることはない。
[変形例]
また、キャップ部材70、80の傾斜配置に応じて吸収部材74、84の形状を上記のように変形させることに加えて、キャップ部材70のキャップ本体72に関して、傾斜配置で相対的に下側に位置する部分(側壁部72a)の肉厚が、上側に位置する部分(側壁部72b)の肉厚よりも薄くなるようにしてもよい。
このような構成により、キャップ部材70のキャップ本体72において傾斜配置で相対的に下側に位置する側壁部72aの肉厚が、上側に位置する側壁部72bの肉厚よりも薄いので、吸収部材74、84の体積が変化するスペースを確保し、吸収力を高めることができるとともに、吸収部材74、84を圧縮する際に妨げとなるキャップ本体72の弾性力を小さくすることができる。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「液体を吐出する装置」または「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体吐出装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体吐出装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体吐出装置」として、インクを吐出させて記録用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体吐出装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録用紙、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、液体吐出ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体吐出装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
以上説明したように、本発明に係る液体吐出装置は、液体吐出ヘッドのクリーニングにおける吸引動作によりキャップ内に溜まった液体が、デキャップ時に垂れ難いという効果を有し、液体吐出ヘッドを駆動して液体を吐出する液体吐出装置の全般に有用である。
1 インクジェット記録装置(液体を吐出する装置)
14 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
14a ノズル
14b ノズル面
70 キャップ部材
72h ニップ部
74、84 吸収部材
80 キャップ部材
特許第3603303号公報

Claims (7)

  1. 液体が吐出されるノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドの前記ノズルが形成されたノズル面に対して相対的に移動して前記ノズル面をキャッピングするキャップ部材と、
    を備え、
    前記キャップ部材は、
    前記ノズル面と接触して前記ノズル面を密封するニップ部と、
    前記ニップ部の内側に配設され、前記液体吐出ヘッドの前記ノズル面に接触してノズル面のインクを吸収する吸収部材と、
    を有し、
    前記吸収部材の先端は、前記キャップ部材の移動方向において前記ニップ部の先端よりも突出して形成されていることを特徴とする液体を吐出する装置。
  2. 前記キャップ部材が前記ノズル面から離れる方向に移動したときに、前記ニップ部材が前記ノズル面から離れた後でも、前記吸収部材の少なくとも一部が前記液体吐出ヘッドの前記ノズル面に接触していることを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
  3. 前記液体吐出ヘッドと前記キャップ部材とが水平面に対して傾斜配置され、前記吸収部材は、前記傾斜配置で相対的に上側に位置する部分と下側に位置する部分との形状が相異なっていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体を吐出する装置。
  4. 前記吸収部材は、前記傾斜配置で相対的に下側に位置する部分の体積が、上側に位置する部分の体積よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体を吐出する装置。
  5. 前記吸収部材は、前記傾斜配置で相対的に下側に位置する部分の幅が、上側に位置する部分の幅よりも厚くなっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液体を吐出する装置。
  6. 前記吸収部材は、前記傾斜配置で相対的に下側に位置する部分の高さが、上側に位置する部分の高さよりも高くなっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体を吐出する装置。
  7. 前記キャップ部材は、前記傾斜配置で相対的に下側に位置する部分の肉厚が、上側に位置する部分の肉厚よりも薄くなっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液体を吐出する装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020082457A (ja) * 2018-11-21 2020-06-04 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インク吐出装置及び画像形成装置

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