JP2013169787A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク滴を横方向に吐出するノズルが上下方向に配列されたノズル列を有する記録ヘッドを有する画像形成装置において、メンテナンスインクの消費量を低減しつつ、吸引キャップ内上側でもインクを十分保持して吸引キャップ内を十分保湿し、ノズル全体にわたって良好なインク吐出性能を得る。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、インク滴を横方向に吐出する複数のノズル16が上下方向に配列されたノズル列を有する記録ヘッド7と、前記ノズル列のノズル面をキャッピングするキャップ71と、前記キャップ内に設けられてインク滴を吸収し、前記キャップ内を保湿する吸収部材73とを備え、前記吸収部材の上側におけるインク保持力が下側よりも大きい。
【選択図】図5

Description

本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像形成装置、特にインクジェット方式の画像形成装置に関する。
従来から画像形成装置としてインクジェットプリンタが知られている。インクジェットプリンタは、記録ヘッドから用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含む画像が形成されるものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙などとも称される)にインクを吐出して記録を行うものであり、高精細な画像を高速で記録することができ、ランニングコストが安く、騒音が少なく、しかも多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
このような画像形成装置において、インクが略水平に吐出されるようにエンジンをマシン内に配置することで、紙ジャム処理をマシン背面で処理する従来の構成をフロントオペレーション化し、操作性を改善する構想がある。また、エンジンを水平吐出配置とすることで、印刷面が下向きに排出されることから、文書の秘匿性も確保されるというセキュリティ上の利点も得られる。
一方、水性インクを用いた画像形成装置において、ヘッドメンテナンスのための吸引キャップ内でヘッドのインクが乾燥して固着しないような措置を講じることは非常に重要である。乾燥固着インクの発生を防止することで、吸引キャップ内にヘッドを長期間放置した場合でもヘッドのインク吐出不良が防がれるからである。すなわち、インク吐出不良とは、吸引キャップ内に付着したインクが、印刷時(=デキャップ状態)に水分を失い乾燥して、印刷後にキャッピングしたノズル面から水分を奪う吸湿剤として機能するため、ノズル内インクが本来の水分量を保てずに増粘してしまい、その結果ヘッドのインク吐出力が足りないことで引き起こされる画像かすれのことである。これは、吸引キャップ内の付着インクとノズル内インクの間の水分移動により生じる現象であり、キャッピング時間が長期間になるほど顕著に現れる。
従来から、吸引キャップ内に多孔質体からなる吸収体を設置し、多孔質体の毛管現象により吸引キャップ内にある程度の量のインクを保持し、水分蒸発によるインクの増粘を緩和する技術が既に知られている。
しかし、これまでの吸引キャップ内に多孔質体を設置する技術では、水平吐出タイプのヘッドに対向して配置された吸引キャップ内に吸収体を鉛直方向に配置せざるを得ず、重力の影響により下側よりも上側のインクを保持しにくいため、上側ノズルでインク吐出不良が比較的発生し易かった。そして、このような吐出不良を防ぐために、ヘッド放置後の印字前にメンテナンスによりヘッドから多孔質体に向かって排出するインク量を増やさざるを得ず、メンテナンスのためのインクの消費量が多くなり、印字当たりのインクコストが増加するという問題があった。
特許文献1には、縦置きの吸引キャップ内の下部のインク回収率を向上し、インク吸収体の保持能力を高め、キャップ内の状態を良好に保って、記録ヘッド自体を良好に保つことを目的として、キャップの内面側にインク吸入口と、インク吸入口に連通しインク吸入口とは他端側に位置するインク排出口とが設けられたインク路を有し、インク路はインク吸入口の面積よりインク排出口の面積の方が小さくなるようにしたキャップと、キャップの内部に設けられ、インク吸入口の一部を覆い、残りを開放するインク吸収体と、インク排出口と連通し、キャップの内部に吸引力を作用するための吸引手段とを備えた吸引回復装置が開示されている。
しかしながら、依然として吸引キャップ内で上側のインクが保持されにくい。また、水分を失ったインクは粘度が増加してしまう。すると、インク付着量の少ない上側に増粘インクが徐々に堆積し、場合によっては吸収体の細かな目が増粘インクで詰まってしまう。その結果、上側ノズルでのインク吐出不良が発生し易い。
そこで本発明は、インクを横方向に吐出するノズルが上下方向に配列されたノズル列を有する記録ヘッドを有する画像形成装置において、メンテナンスインクの消費量を低減しつつ、吸引キャップ内上側でもインクを十分保持して吸引キャップ内を十分保湿し、ノズル全体にわたって良好なインク吐出性能を得ることを課題とする。
この課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、インク滴を横方向に吐出する複数のノズルが上下方向に配列されたノズル列を有する記録ヘッドと、前記ノズル列のノズル面をキャッピングするキャップと、前記キャップ内に設けられてインク滴を吸収し、前記キャップ内を保湿する吸収部材とを備え、前記吸収部材の上側におけるインク保持力が下側よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、吸引キャップに装着した吸収体が、乾燥し易い上側ほどインクを保持し易いように構成され、キャップ内上側でもインクを十分保持することができるので、ノズル面をキャッピングしたまま長期間放置した後でも、キャップ内が十分保湿されていて少ないインク量でメンテナンスすることができるとともに、ノズルの下側だけでなく乾燥し易い上側においても良好なインク吐出が実現される。
本発明に係る画像形成装置の要部構成を示す図である。 図1における画像記録部付近の構成を示す図である。 ヘッドのノズルのクリーニング時におけるインク吸引手順を示す図である。 従来の吸収体中のインクの分布を示す図である。 本発明に係る吸収体の構成を示す図である。 本発明に係る他の吸収体の構成を示す図である。 本発明に係る他の吸収体の構成を示す図である。 本発明に係る他の吸収体の構成を示す図である。 本発明に係る他の吸収体の構成を示す図である。 吸引キャップ内における吸収体の固定手段を示す図である。 本発明に係る他の吸収体の構成を示す図である。 キャップ内を湿らせるメンテナンスの動作フローである。 ノズル面を上下方向に配置したヘッドから対峙するキャップに空吐出する際の動作フローである。 図13に示すキャップを湿らせる動作の変形例である。
図1は、本発明に係る画像形成装置の要部構成を示す図である。
この装置は、図2から明らかなように、左右の側板8,8に横架したガイド部材であるガイドロッド9でキャリッジ3を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ4で駆動プーリ6Aと従動プーリ6B間に架け渡したタイミングベルト5を介して図2の矢示方向(主走査方向)に移動走査する。なお、キャリッジ3とガイドロッド9との間には、ガイドブッシュ(軸受け)3a,3aをそれぞれ介在させている。
このキャリッジ3には、例えば、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)のインク滴を吐出する2個の記録ヘッド(以下では「ヘッド」とも言う)7における複数のノズル列を主走査方向と交差する垂直方向(副走査方向)に配列し、インク滴吐出方向を水平に向けて装着している。
ヘッド7を構成する液滴吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどのインクを吐出するためのエネルギー発生手段を備えたものを使用できる。
キャリッジ3には、ヘッド7に各色のインクを供給するための各色のヘッドタンクを搭載している。このヘッドタンクには、インク供給チューブを介して図示しないインクカートリッジからインクが補充供給される。なお、インク滴を吐出するヘッド7以外に、インクと反応してインクの定着性を高める定着用インクを吐出するヘッドを備えることもできる。
上述のように、ヘッド7のノズル16は乾燥によるノズル詰まりが発生し易く、印字中のエラー等によるマシン停止中や電源OFF時等のキャリッジ3が稼動していないときは、ノズル面に吸引キャップ71によりキャップをして保湿している。吸引キャップ71、保湿キャップ72はクリーニング機構等に取り付けられている(図2)。図示の例では、クリーニング機構はマシンの右側に位置しているが、左側に位置していてもよい。
一方、給紙カセット10などの用紙積載部11上に積載した用紙12を給紙するための給紙部として、用紙積載部11から用紙12を1枚ずつ分離給送する給紙ローラ13と、これに対向した摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド14を備えている。この分離パッド14は給紙ローラ13側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙12をヘッド7のノズル面と水平になるよう搬送するための搬送部として、用紙12を静電力で吸着して搬送するための搬送ベルト21と、給紙部から給紙された用紙12を案内するためのガイド15と、用紙12の先端を検知する第1反射型センサ(用紙有無検知センサ)200と、押え部材24で搬送ベルト21側に付勢された先端加圧コロ25と、押え部材24に固定され用紙12の先端を検知する第2反射型センサ(用紙有無検知センサ)201を備えている。また、搬送ベルト21表面を帯電させるための帯電手段を構成する帯電ローラ26を備えている。
ここで、搬送ベルト21は、無端状ベルトであり、搬送ローラ27とテンションローラ28との間に掛け渡されて、副走査モータ31からタイミングベルト32及びタイミングローラ33を介して搬送ローラ27が回転されることで、図2におけるベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成されている。なお、搬送ベルト21の裏面側にはヘッド7による画像形成領域に対応してガイド部材29を配置している。
図2は、図1における画像記録部付近の構成を示す図である。
図示のように、搬送ローラ27の軸には、光を透過する透過部と透過しない非透過部とが交互に側面に形成された円板型エンコーダシート34と、この円板型エンコーダシート34の透過部と非透過部を検知するエンコーダセンサ35が設けられ、これらの円板型エンコーダシート34及びエンコーダセンサ35によってエンコーダ36を構成している。
帯電ローラ26は、搬送ベルト21の表層に接触し、搬送ベルト21の回転に従動して回転するように配置され、軸の両端に加圧力をかけている。
また、図1に示すように、キャリッジ3の前方側には、光を透過する透過部と透過しない非透過部とが交互に側面に形成されたエンコーダシート42を設け、キャリッジ3の前面側には、エンコーダシート42の透過部と非透過部を検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサを設け、これらによってキャリッジ3の主走査方向位置を検知している。
さらに、ヘッド7で記録された用紙12を排紙するための排紙部として、搬送ベルト21から用紙12を分離するための分離爪51と、排紙ローラ52及び排紙コロ53と、排紙される用紙12をストックする排紙トレイ54とを備えている。
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙12が1枚ずつ分離給紙され、垂直方向に給紙された用紙12はガイド15で案内され、先端を用紙有無検知センサ200で検知され、搬送ベルト21上に搬送され、先端加圧コロ25で搬送ベルト21に押し付けられ、再度先端を用紙有無検知センサ201で検知される。
このとき、帯電ローラ26に対してプラス(正極)出力とマイナス(負極)出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト21には、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスの電荷が所定の幅で帯状に交互に印加される。このプラスとマイナスで交互に帯電した搬送ベルト21上に用紙12が給送されると、用紙12が搬送ベルト21に静電力で吸着され、搬送ベルト21の周回移動によって用紙12が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ3を主走査方向に移動させながら画像信号に応じてヘッド7を駆動することにより、停止している用紙12にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙12を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙12の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙12を排紙トレイ54に排紙する。
なお、キャリッジ3の走査方向と印刷との関係では、一方向の走査時にだけ画像を形成する片方向記録モードと、キャリッジ3の両方向の走査時のいずれでも画像を形成する両方向記録モードがあり、これをユーザーからの指定や印刷画像に応じて設定するか、いずれかのモードだけを行うようにするかは任意である。
ヘッドのノズルの回復やマシン停止中のノズルの保湿を行うクリーニング機構は、マシンの左右どちらかに位置するが、図2ではマシン右側に位置する例が示されている。クリーニング機構のフレーム110は、右側板8に位置決めされ、ネジで固定される。フレーム110の中には、図示しないキャッピング機構用ステッピングモータがあり、キャッピング機構用ステッピングモータが正転すると、図示しないギアとカムを通じて、吸引キャップ71と保湿キャップ72がキャッピングとデキャップ動作を実施する。キャッピング機構用ステッピングモータが逆転すると、チュービングポンプPによるポンプ駆動を実施する。
図3は、ヘッドのノズルのクリーニング時におけるインク吸引手順を示す図である。
ヘッド7は上下方向(略垂直)に配置され、ヘッド7には破線で示すノズル16が配設されている。また、吸収部材としての吸収体73を内部に上下方向(略垂直)に備えた吸引キャップ71がヘッド7に対して可動に配置され、ヘッド7のキャッピング、デキャップ(アンキャップ)を行うことができる。ノズル16からは横方向(図中左方向)にインク滴が吐出される。吸収体73は、吸引口77と大気開放口79が連通するように吸引キャップ71内に備えられている。なお、一般的なインクジェットプリンタではインクは鉛直下方向に吐出されるが、本発明における「横方向」には、吸引キャップ内のインクへの重力の影響が無視できない程度まで含まれ、具体的には45度程度の仰角から45度程度の俯角の範囲まで含まれる。
このような装置においては、ヘッド7のインク吐出具合を良好に保つために、ノズル16のクリーニングが行われる。例えば、ノズル近傍に汚れたインクが存在すると混色という異常画像が生じ、気泡が存在するとインク不吐出となり異常画像が生じてしまうため、ノズル16のクリーニングはこれらを吸い出すものである。また、印刷動作中に紙粉やインクミストがノズル面に付着し、メニスカスが乱れてインク吐出方向が曲がったり、インク吐出しなくなったりして異常画像となる場合もある。そこで、インク吸引後にインクの付着したノズル面をワイピング(清掃)することで、ノズルに正常なメニスカスを形成し、良好なインク吐出状態を確保する必要がある。
先ず、吸引キャップ71にてヘッド7のインク吐出面をキャッピングする(図3(i))。次いで、吸引口77に接続した吸引手段としてのチュービングポンプP(図1)により吸引キャップ内を減圧し、ノズル16からインクを吸引する(図3(ii))。このとき、ノズル16がクリーニングされる一方、インクは吸収体73により吸引キャップ71内に保持され、キャップ内が保湿される。ここでは、キャップを湿らせるメンテナンス動作として、ノズル16からインクを吸引する例を示している(図3(ii))。
ヘッド7が水平に配設されている場合、吸引キャップ71も上向き水平に配置されるため、インク吸引後すぐに吸引キャップとヘッドの当接状態を解除することができる。しかし、吸引キャップ71を上下方向に配置した場合、このままキャップを外すと、吸引により吸引キャップ内部に排出されたインクがキャップ内部から溢れ出して周囲を汚染するため、吸引キャップ内の余分なインクを予め外に排出する必要がある。
そこで、キャップ内大気開放(図3(iii))とキャップ内吸引(図3(iv))を行う。つまり、キャップ内吸引に先立って、吸引キャップ71の上部に設けられた閉鎖手段74を解除し、大気に通じる大気開放口79を開放してキャップ内大気開放(図3(iii))を行い、キャップ内上部に空気の入り口を形成する。空気の入り口ができたことで、キャップ内吸引(図3(iv))により矢印で示す空気・インクの流れが生じ、キャップ内の余分なインクを吸引・排出することができる。これにより、周囲を汚さずにヘッド7からキャップを外すことが可能になり(図3(v))、次いでインクの付着したノズル面をワイピング(清掃)することができる。
このとき、一般的に吸引口77はキャップの下側に設けられ、大気開放口79は上側に設けられるが、これに限定されない。また、キャップ内吸引時の空気の流れにより吸収体73の表面に気泡が発生しないように、吸引キャップ71と吸収体73がレイアウトされていてもよい。また、大気開放口79の向きは垂直方向でも水平方向でもよい。
ここで、吸引キャップ71と吸収体73に求められる機能は主に2つある。
1つは、前述のクリーニング動作時のヘッド吸引でキャップ内に排出されたインクを吸収体73により保持することである。吸収体73がない場合、キャップ内にインクが自由に存在するため、他のクリーニング動作にてインクがキャップ外に漏れ出す恐れがある。吸収体73はこれを防止するために必要である。
もう1つは、吸引キャップ71によるノズル面の保湿のためである。吸引キャップ内に設けられた吸収体73の毛管現象による保持力によって、ある程度のインクが保持されるため、キャップ表面から水分が蒸発しても十分な量のインクが保持されることになる。この吸引キャップによるノズル面の保湿性能は、キャップ内の乾燥度合いに応じてクリーニングを実行し湿度を高く保持することにより、さらに高められる。
図4は、従来の吸収体中のインクの分布を示す図である。
ヘッド7及び吸引キャップ71は上下方向に配置されているため、キャップ内に排出されて吸収体73で保持されたインクは重力の影響で下側に溜まり易く、上側では比較的少なくなる。より詳細に重力の影響を考察すると、吸引動作等によりヘッド7のノズル16から吸収体73に向かってインクが排出されたとき、吸収体73が保持しきれない分は下に流れ落ちる。また、吸収体73に保持されたインクは、重力により吸収体の表面に沿って徐々に下に落ちていく。従って、上側は下側に比べて保持されているインク量が少ないため、水分蒸発による影響を受け易く、上側のノズル16のインク吐出性能が悪化し易い。
このように、本発明者は、上側ノズルのインク吐出性能の悪化が吸引キャップ内の吸収体に保持されるインク量が上側で少ないことに起因することを見出し、本発明に至った。
具体的には、図5に示すように、上側においても十分なインク量が吸収体73で保持されるように、上側に空隙率の低い吸収体を配置し、下側に空隙率の高い吸収体を配置する。このようにインク浸透性の異なる少なくとも2種の吸収体を用いることにより、上側の吸収体での毛管現象によるインクの保持力が下側よりも高まり、上側の吸収体で保持されるインク量も増える。従って、簡単な構成で、上側のノズル16を十分に保湿することができ、ノズル全体にわたって良好なインク吐出性能が得られる。
また、図6に示すように、上側の空隙率が低く下側の空隙率が高くなるように粗密が連続的に変化する1種の吸収体73を使用しても、図5に示す吸収体と同様な効果を得ることができる。
また、図7に示すように、密な吸収体にはインクが染み込み難いため、インク吐出面であるノズル面に近い側に空隙率の高い吸収体73を設け、ノズル面から遠い奥側に空隙率の低い吸収体73を設けてもよい。インクが最初に触れる面の目を粗くすることでインクが染み込み易くなり、奥側の目の細かい吸収体によりインクが保持される。従って、上側のノズル16をも十分に保湿することができ、ノズル全体にわたって良好なインク吐出性能が得られる。
また、図8に示すように、ノズル面側には空隙率の高い粗い吸収体を配置し、キャップ奥側には空隙率の低い密な吸収体を配置してもよい。これによっても、図7に示す吸収体と同様の効果が得られる。ここでは2種の吸収体を用いているが、粗密が連続的に変化する1種の吸収体を用いてもよい。
また、図9に示すように、吸収体73の紙面垂直方向の奥行き(幅)は一定としたまま、左右方向の厚みを変化させてもよい。下側に比べて上側の吸収体73を厚くしていることにより、1種類の部材だけで上側の吸収体のインク保持力を増やすことができる。この厚みの変化は前述の吸収体73の例に組み合わせることもできる。
図10は、吸引キャップ71の正面図であって、吸引キャップ内における吸収体の固定手段を示す図である。
キャップ内には、大気開放口79と吸引口77を塞がないように吸収体73が配置されている。また、吸収体73は吸引キャップ71の側面部に両面テープ75を用いて接着されている。ここで、接着部は1箇所でも複数箇所でもよい。吸引キャップ71の縁部分は、ヘッドのノズル面と接触してこれを密閉するためのニップ部81である。
図11は、図9に示す吸収体の変形例である。
図示のように、吸収体73の紙面垂直方向の奥行き(厚み)は一定としたまま、左右方向の幅を変化させている。上側の吸収体の幅を下側よりも広くすることにより、1種類の部材だけで上側の吸収体のインク保持力を増やすことができる。この幅の変化は前述の吸収体73の例に組み合わせることもできる。
図9や図11に示すように吸収体を上下非対称に成形することで、吸収体73を吸引キャップ71内に装着するときに下側に装着爪や接着層などの特別な押さえが不要となる。例えば下側に吸収体用の装着爪を設けると、そこにインクが溜まる場合があるため、これを設けることなく吸収体を吸引キャップに装着できることは有利である。
次に、図12を参照して、キャップ内を湿らせるメンテナンスの具体的な動作を説明する。
印刷が開始されると(S1)、吸引キャップ内の乾燥度を示すカウンターによって、印刷時等のキャップ開放動作に伴いカウントを開始する(S2)。吸引キャップ内の乾燥度の判定のために、例えばキャップ開放時間を累積計測するカウンターが利用できる。印刷終了後(S3)、キャップ内の乾燥度の判定を行い(S4)、カウンターの閾値を越えたらキャップ内を湿らせる動作を実行し(S5)、常に所定レベルまでキャップ内を湿らせた状態に保持する。そして、キャップ内の乾燥度のカウンターをリセットし(S6)、ヘッドをキャッピングする(S7)。カウンターが閾値未満の場合、そのままヘッドをキャッピングし(S7)、キャップ内を湿らせるメンテナンス動作は実行しない。
また、キャップ内を湿らせるメンテナンス動作として、ノズル16からキャップに向かってインクを吐出する(「キャップ内空吐出」と称す)を実施することで、より少量のインクで効率的にキャップ内を湿らせることができる。キャップ内空吐出は、ヘッド7自体を駆動させてインクをキャップに吐出するものである。キャップ内空吐出に代えて、前述の吸引キャップを用いたノズル16からのインクの吸引を利用することもできる。
前述のように、ヘッド7を上下方向に配置した場合、キャップ内に吐出されたインクが下側に流れ出てしまうため、上側の吸収体でのインク付着量が下側よりも少なくなり、下側で乾燥度が高くなってしまう。
そこで、キャップ内空吐出の際に、上側ほど大量にインクを吐出するようにインク吐出滴数を設定する。これにより、キャップ内の吸収体に保持されずに流れ出るインクを低減して、少ないメンテナンスインク量で良好なインク吐出状態を維持することができる。このインク吐出滴数の設定を、前述の例の吸収体73を配した吸引キャップ71に適用することで、相乗効果が得られる。
図13は、ノズル面を上下方向に配置したヘッド7から対峙するキャップ71に空吐出する際の基本的な動作フローであって、図12におけるキャップを湿らせる動作(S5)の具体例である。
先ず、キャップ71でヘッド7をキャッピングし(S1)、キャップ内空吐出を行って(S2)、キャップ内を湿らせる。次いで、キャップ内大気開放を行い(S3)、キャップ内上部に空気の入り口を形成する。そして、キャップ内吸引し(S4)、キャップ内の余分なインクを吸引・排出し、デキャップする(S5)。キャップ内空吐出されたインクがキャップ内から流出しないように、キャッピングした状態での空吐出が好ましい。また、キャップ内空吐出後、吸収体に吸収されなかったインクを排出するために、大気開放後にキャップ内吸引を実施することが好ましい。また、キャップ内空吐出したインクがノズル面に付着する場合には、空吐出後にワイピングを実施することもできる。
図14は、図13に示すキャップを湿らせる動作の変形例である。
先ず、キャップ71でヘッド7をキャッピングし(S1)、少量のインクでキャップ内空吐出を行って(S2)、キャップ内を湿らせる。次いで、少量のインク吐出後に待ち時間を設けながら(S3)、吐出されたインクが所定滴数に到達するまで(S4)、キャップ内空吐出と待ち時間を繰り返す。インクの所定滴数到達後は、キャップ内大気開放(S5)、キャップ内吸引(S6)、デキャップ(S7)を行う。このように吸収部材への浸透時間である待ち時間を設けることで、一度に多くの量のインクを吐出して吸収体が吸収しきれずにインクが下に流れてしまうことを防止し、よりいっそうメンテナンスインクの消費量を低減することができる。このとき、キャップ内空吐出(S2)において、乾燥し易い上側ほどインク保持量を多くするために、空吐出滴数を上側ほど増やしてもよい。また、待ち時間を設けることは別の効果も有する。すなわち、キャップ内で空吐出を連続的に実施すると内部で気流が発生し、それがノズル面にインクを付着させるが、待ち時間を設け、定常流を発生させなければ、ノズル面へのインク付着量も低減できる。
7 記録ヘッド
16 ノズル
71 キャップ
73 吸収体(吸収部材)
74 閉鎖手段
77 吸引口
79 大気開放口
特許第2806638号公報

Claims (9)

  1. インク滴を横方向に吐出する複数のノズルが上下方向に配列されたノズル列を有する記録ヘッドと、前記ノズル列のノズル面をキャッピングするキャップと、前記キャップ内に設けられてインク滴を吸収し、前記キャップ内を保湿する吸収部材と、を備えた画像形成装置において、
    前記吸収部材の上側におけるインク保持力が下側よりも大きいことを特徴とする画像形成装置。
  2. インク滴を横方向に吐出する複数のノズルが上下方向に配列されたノズル列を有する記録ヘッドと、前記ノズル列のノズル面をキャッピングするキャップと、前記キャップ内に設けられてインク滴を吸収し、前記キャップ内を保湿する吸収部材と、を備えた画像形成装置において、
    前記吸収部材は、インク浸透性の異なる少なくとも2種の部材からなることを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記吸収部材の上側の空隙率は下側よりも低いことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記ノズル面の近くに設けられた前記吸収部材の空隙率は、前記ノズル面から遠くに設けられた前記吸収部材の空隙率よりも高いことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記吸収部材の上側の厚み及び/又は幅は下側よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記吸収部材を湿らせるために前記ノズルから前記キャップに向かってインクを吐出し、この際前記ノズルの上側からのインク吐出量を下側よりも多くすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記吸収部材を湿らせる際、少量のインク吐出後に待ち時間を設け、吐出されたインクが所定滴数に到達するまでインク吐出と待ち時間を繰り返すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記ノズル及び前記キャップ内のインク滴を吸引する吸引手段をさらに備え、
    前記キャップは、前記吸引手段に接続された吸引口と、大気に通じる大気開放口とを有し、
    前記吸引口と前記大気開放口が連通するように、前記吸収部材は前記キャップ内に設けられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記吸収部材を湿らせるために、前記吸引手段による前記ノズルのインク滴の吸引が可能であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
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