JP7196611B2 - 払拭方法、及び払拭装置 - Google Patents

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Description

本発明は、払拭部材、払拭方法、及び払拭装置に関する。
インクジェットプリンターに代表される液体吐出装置における液体吐出ヘッドは、ノズル形成面の異物によって吐出不良等の不具合を起こす場合がある。例えば、液体の吐出を行わない状態で長時間放置された場合や乾燥性の高い液体を吐出する場合などにおいて、吐出口近傍の液体流路において液体が増粘し正常な吐出が行われないことがある。
このような吐出不良に対し、液体吐出装置では、吐出を行わないときに記録ヘッドの吐出口面をキャップして液体の増粘を防止するキャッピング処理、このキャッピング状態において吐出口から液体を吸引して増粘した液体を排出する液体吸引処理、液体吸収体を備える液体受けに通常の吐出時と同様に液体を吐出することで増粘した液体を排出する空吐出処理などにより、液体の吐出を良好に戻す方法が知られている。また、液体吐出ヘッドのノズル形成面に不織布や織布に代表されるシート状の払拭部材を接触させながら相対移動させてクリーニングする方法も知られている。
特許文献1には、ノズル面を払拭部材により払拭した際におけるノズルへの気泡の侵入を抑制しつつ、ノズル面に付着した液体を吸収する払拭部材の吸収容量を確保することを目的とした払拭部材が開示されている。具体的には、液滴を吐出するノズルが形成されたノズル面に対して一方の面が接触し、一方の面側から他方の面側にかけて毛細管を形成する空隙を複数有し、一方の面側に位置する空隙よりも他方の面側に位置する空隙が大きい払拭部材であって、払拭部材は、糸を束ねて構成した糸束を編み込んで形成され、他方の面側の糸束が一方の面側の糸束よりも密に束ねられて、糸束間の空隙が他方の面側で一方の面側よりも大きい払拭部材が開示されている。
しかしながら、ノズル形成面における液体固着物の除去と、ノズル形成面における余剰液体の吸収と、を効率よく同時に行うことが困難な課題がある。
請求項1に係る発明は、液体吐出ヘッドのノズル形成面を払拭する払拭部材を用いて、前記ノズル形成面を払拭する払拭工程を含む払拭方法であって、前記払拭工程の前に、前記払拭部材に対して洗浄液を付与する洗浄液付与工程を有し、前記洗浄液の表面張力は、35mN/m以下であり、前記払拭部材の前記ノズル形成面と接触する表面の垂直方向における前記払拭部材の厚みをtとし、前記垂直方向における前記表面からの距離が0からt/3までの領域である第一の領域の平均空隙率をP1とし、前記距離がt/3から2t/3までの領域である第二の領域の平均空隙率をP2とし、前記距離が2t/3からtまでの領域である第三の領域の平均空隙率をP3としたときに、P1<P2<P3を満たし、P2/P1は、1.1以上1.4以下である払拭方法である。
本発明の払拭部材は、ノズル形成面における液体固着物の除去と、ノズル形成面における余剰液体の吸収と、を効率よく同時に行うことができる優れた効果を奏する。
図1は、シート状の払拭部材の断面の一例を模式的に表した図である。 図2は、払拭装置を組み込んだ画像形成装置の一例を模式的に表した図である。 図3は、液体吐出ヘッドのノズル形成面の一例を模式的に表した図である。 図4は、払拭装置の一例を模式的に表した図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<<払拭部材>>
本実施形態の払拭部材は、ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドにおけるノズル形成面に対し、接触することでノズル形成面を払拭する払拭部材である。なお、本実施形態において「払拭」とは、払拭部材及びノズル形成面を接触させつつ、払拭部材と液体吐出ヘッドを相対移動させることを示す。本実施形態の払拭部材を用いてノズル形成面を払拭することにより、例えば、ノズル形成面を長時間キャッピングすることで生じるキャップ跡等の液体固着物をノズル形成面から除去することができる。また、例えば、空吐出することで生じるノズルから溢れ出た液体等の余剰液体を吸収することでノズル形成面から除去することができる。
まず、払拭部材について図1を用いて説明する。図1はシート状の払拭部材の断面の一例を模式的に表した図である。図1に示す払拭部材は、単層の不織布であって、液体吐出ヘッドのノズル形成面を払拭するためにノズル形成面と接触する表面と、ノズル形成面と接触しない裏面と、を有する。また、本実施形態の払拭部材においては、図1に示す通り、ノズル形成面と接触する表面の垂直方向における払拭部材の厚みをtとする。また、ノズル形成面と接触する表面の垂直方向における上記表面からの距離が0からt/3までの領域を第一の領域とし、上記表面の垂直方向における上記表面からの距離がt/3から2t/3までの領域を第二の領域とし、上記表面の垂直方向における上記表面からの距離が2t/3からtまでの領域を第三の領域とする。なお、第一の領域と第二の領域の境界値であるt/3は、第一の領域に含まれずに第二の領域に含まれる。また、第二の領域と第三の領域の境界値である2t/3は、第二の領域に含まれずに第三の領域に含まれる。このとき、第一の領域の平均空隙率をP1とし、第二の領域の平均空隙率をP2とし、第三の領域の平均空隙率をP3としたときに、P1<P2<P3を満たす。また、P2/P1は、1.1以上1.4以下を満たし、1.2以上1.3以下を満たすことが好ましい。ノズル形成面に接触する表面を有する第一の領域における平均空隙率P1を小さくすることで液体固着物のかきとり力を向上させることができる。また、平均空隙率の比P2/P1を1.1以上1.4以下として第一の領域と第二の領域の平均空隙率に差を設けた上で、平均空隙率P3を平均空隙率P2より大きくすることで、ノズル形成面上の余剰液体をすばやく払拭部材内部まで吸収させることができる。これにより、ノズル形成面における液体固着物の除去と、ノズル形成面における余剰液体の吸収と、を効率よく同時に行うことができる。
本実施形態において、各領域の平均空隙率P1、P2、及びP3は、一例として次の方法により算出される。
まず、払拭部材を1cm四方の形状で切り出し、その断面をレーザー顕微鏡で観察し、表面の垂直方向における払拭部材の厚みtを得る。次に、厚みtから特定される第一の領域において、5ヶ所の断面画像を撮影し、各画像中における「空隙部分の占める面積/払拭部材の面積」を計算することにより空隙率を算出し、5つの空隙率の平均を平均空隙率P1とする。そして、P1と同様にして、第二の領域の断面画像から平均空隙率P2を求め、第三の領域の断面画像から平均空隙率P3を求める。なお、「払拭部材の面積」は、払拭部材の材質が占める面積と払拭部材の空隙部分が占める面積との和である。また、厚みtは、レーザー顕微鏡以外に、マイクロメータ、レーザー変位計などで測定してもよい。
平均空隙率P1は、0.50以上0.84以下であることが好ましく、0.60以上0.80以下であることがより好ましく、0.60以上0.75以下であることが更に好ましく、0.65以上0.75以下であることが特に好ましい。払拭部材は、平均空隙率P1が0.50以上であることにより液体固着物を払拭部材内部に取り込みやすくなり、0.84以下であることにより払拭部材の繊維が液体固着物に接する接触面積を大きくすることができ、払拭部材による液体固着物のかきとり力を向上させることができる。
平均空隙率P2は、0.55以上0.94以下であることが好ましく、0.66以上0.94以下であることがより好ましく、0.80以上0.94以下であることが更に好ましく、0.85以上0.94以下であることが特に好ましい。払拭部材は、平均空隙率P2が0.55以上0.94以下であることにより、液体固着物のかきとり力の低下が抑制され、かつ第一の領域で吸収した余剰液体をすばやく第三の領域に導くことができる。
平均空隙率P3は、0.65以上0.99以下であることが好ましく、0.80以上0.99以下であることがより好ましく、0.85以上0.99以下であることが更に好ましく、0.90以上0.99以下であることが特に好ましい。払拭部材は、平均空隙率P3が0.65以上0.99以下であることにより、吸収できる余剰液体の量が増加する。
払拭部材の厚みtは0.1mm以上3.0mm以下であることが好ましく、0.2mm以上1.7mm以下であることがより好ましい。払拭部材の厚みtが0.1mm以上であることにより、払拭部材の単位面積あたりにおける液体の飽和吸水量が良好となり、払拭する対象である液体を十分に吸収できる。また、払拭部材の厚みtが3.0mm以下であることにより、装置の小型化が可能となる。
本実施形態における払拭部材としては、例えば、空隙率が連続的に変化する単層の払拭部材、複数の部材を接着剤などの接合材で組み合わせることにより空隙率が段階的に変化する複数層の払拭部材などから目的に応じて適宜選択して用いることができるが、上記単層の払拭部材であることが好ましい。上記単層の払拭部材を用いることで、ノズル形成面上の余剰液体を吸収する速さが向上する。また、上記単層の払拭部材であれば、払拭部材を構成する複数の部材間において接着剤などの接合材を使用して接合する必要がなくなる。そのため、接着剤などの接合材によって液体の吸収効率が低下せず、払拭部材の裏面付近まで液体をすばやく吸収させることができる。また、払拭部材使用時に接着剤などの接合材が溶け出すことがないため、ノズル形成面などの払拭部材が接触する部材に対する影響を抑制することができる。
本実施形態における払拭部材としては、不織布、織布、編付などから目的に応じて適宜選択して用いることができるが、少なくとも払拭部材の表面が不織布であることが好ましく、払拭部材全体が不織布であることがより好ましい。織布や編付は、繊維の方向が特定方向であるのに対し、不織布は、繊維の方向がランダムである。そのため、ノズル形成面上の液体固着物を払拭するときに、払拭部材と液体固着物との間の接触面積が増加し、払拭部材と液体固着物とが絡みやすくなり、液体固着物の除去効率が向上する。
払拭部材の材質としては、例えば、綿、麻、絹、パルプ、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨン、キュプラ、アクリル、ポリ乳酸、などが挙げられる。1種類の材質からなる払拭部材だけではなく、複数種類の材質が混ざった払拭部材であってもよい。
払拭部材の払拭面である表面は、レーザー顕微鏡等による表面粗さ測定によって得られる表面粗さRzが170μm以上であることが好ましい。払拭面の表面粗さRzが170μm以上であることにより、ノズル内のメニスカスを壊しにくくなり、吐出不良が生じることを抑制しつつ、ノズル形成面を払拭することができる。
払拭部材の製造方法の一例として、払拭部材が不織布である場合について説明する。不織布の形成方法としては、例えば、湿式、乾式、スパンボンド、メルトブローン、フラッシュ紡糸などの方法が挙げられる。また、不織布の結合方法としては、例えば、スパンレース、ニードルパンチ、サーマルボンド、ケミカルボンドなどの方法が挙げられる。スパンレース法とは、堆積された繊維上にジェット水流を噴射し、その圧力によって繊維同士を絡み合わせてシート状に結合させる製法である。ニードルパンチ法とは、堆積された繊維をバーブと呼ばれる突起のついた針を数10回以上突き刺すことにより繊維同士を機械的に絡ませて不織布に加工する製法である。繊維密度が順々に大きくなるように粗層、中層、密層の順に繊維層を積層し、スパンレース法やニードルパンチ法などによって構成繊維を互いに絡着し一体化することで空隙率が連続的に変化する単層の不織布を製造することができる。
なお、払拭部材は、液体払拭以外を目的とした別の部材と組み合わせてもよい。例えば、吸収した液体の裏写り防止や払拭部材の強度向上を目的として、フィルム等を裏打ちしてもよい。
<<払拭装置>>
本実施形態の払拭装置は、上記の払拭部材を有し、ノズル形成面に対して払拭部材を接触させることでノズル形成面を払拭する。また、払拭装置は、必要に応じて、払拭部材に対して洗浄液を付与する洗浄液付与手段を有する。
次に、図2及び図3を用いて、この払拭装置を組み込んだ装置の一例である画像形成装置を例に、払拭装置について説明する。画像形成装置は、液体の一例としてインクを吐出する装置である。図2は、払拭装置を組み込んだ画像形成装置の一例を模式的に表した図である。図3は、液体吐出ヘッドのノズル形成面の一例を模式的に表した図である。図4は、払拭装置の一例を模式的に表した図である。
図2に示す画像形成装置は、シリアル型の液体吐出装置である。画像形成装置は、左右の側板に横架した主ガイド部材1及び従ガイド部材でキャリッジ3を移動可能に保持している。そして、キャリッジ3は、主走査モータ5によって、駆動プーリ6と従動プーリ7との間に架け渡したタイミングベルト8を介して主走査方向(キャリッジ移動方向)に往復移動する。このキャリッジ3には、液体吐出ヘッドの一例である記録ヘッド4a、4b(区別しないときは「記録ヘッド4」という。)を搭載している。記録ヘッド4は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する。また、記録ヘッド4は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド4は、図3に示すように、ノズル形成面41に、複数のノズル4nを配列した2つのノズル列Na、Nbを有する。記録ヘッド4を構成する液体吐出ヘッドとしては、例えば、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータを用いることができる。
また、図2に示す画像形成装置は、用紙10を搬送するために、用紙を静電吸着して記録ヘッド4に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト12を備えている。この搬送ベルト12は、無端状ベルトであり、搬送ローラ13とテンションローラ14との間に掛け渡されている。そして、搬送ベルト12は、副走査モータ16によって、タイミングベルト17及びタイミングプーリ18を介して搬送ローラ13が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。この搬送ベルト12は、周回移動しながら帯電ローラによって帯電(電荷付与)される。
さらに、キャリッジ3の主走査方向の一方側には搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4の維持回復を行う維持回復機構20が配置され、他方側には搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4から空吐出を行う空吐出受け21がそれぞれ配置されている。維持回復機構20は、例えば記録ヘッド4のノズル形成面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材20a、ノズル形成面を払拭する機構20b、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出受けなどで構成されている。
また、画像形成装置は、キャリッジ3の主走査方向に沿って両側板間に、所定のパターンを形成したエンコーダスケール23を張装している。また、キャリッジ3にはエンコーダスケール23のパターンを読み取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ24が設けられている。これらのエンコーダスケール23とエンコーダセンサ24によってキャリッジ3の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
また、搬送ローラ13の軸にはコードホイール25が取り付けられており、このコードホイール25に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ26も設けられている。これらのコードホイール25とエンコーダセンサ26によって搬送ベルト12の移動量及び移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)が構成されている。
このように構成された画像形成装置において、用紙10が帯電された搬送ベルト12上に給紙されることで吸着され、搬送ベルト12の周回移動によって用紙10が副走査方向に搬送される。そこで、キャリッジ3を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド4を駆動することにより、停止している用紙10にインク滴を吐出して1行分を記録する。そして、用紙10を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙10の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙10を排紙トレイに排紙する。
また、記録ヘッド4のクリーニングを行う場合は、印字(記録)待機中にキャリッジ3を維持回復機構20に移動させ、維持回復機構20により清掃を実施する。また、記録ヘッド4は移動せず、維持回復機構20が移動してヘッドを清掃するようにしてもよい。図2で示した記録ヘッド4は、図3に示すように複数のノズル4nを配列した2つのノズル列Na、Nbを有する。記録ヘッド4aの一方のノズル列Naはブラック(K)の液滴を、他方のノズル列Nbはシアン(C)の液滴を吐出する。記録ヘッド4bの一方のノズル列Naはマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列Nbはイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
ノズル形成面を払拭する機構20bは、払拭装置の一例であって、図4に示すように、払拭部材の一例であるシート状払拭部材320とシート状払拭部材320を送り出す送り出しローラ410と、送り出されたシート状払拭部材320に洗浄液を付与する洗浄液付与手段の一例である洗浄液付与ローラ430と、洗浄液を付与されたシート状払拭部材320をノズル形成面に押し当てる押し当てローラ400と、払拭に使われたシート状払拭部材320を回収する巻き取りローラ420と、を有する。なお、ノズル形成面を払拭する機構20bは、シート状払拭部材320のほかに、ノズル形成面を払拭するゴムブレード等を備えていても良い。また、押し当てローラ400はバネを用いて、クリーニング部とノズル形成面の距離を調整することで、押し当て力を調整することができる。押し当て部材はローラに限らず、固定された樹脂やゴムの部材であっても良い。ゴムブレード等を備えている場合、シート状払拭部材320にゴムブレード等を当接させる機構を設けて、シート状払拭部材320にゴムブレード等のクリーニング機能を持たせても良い。
<洗浄液>
洗浄液は、有機溶剤、水、及び界面活性剤などを含有し、表面張力が35mN/m以下であることが好ましい。洗浄液をシート状払拭部材320に付与してから払拭することで、ノズル形成面に形成された液体固着物の粘性が低下し除去が容易になる。例えば、画像形成装置を長時間待機させたことにより生じたノズル形成面における液体固着物の一例であるインク固着物に対しては、洗浄液をシート状払拭部材320に付与し、このシート状払拭部材320でノズル形成面を複数回又は一定時間以上払拭することが好ましい。
-有機溶剤-
洗浄液に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
多価アルコール類の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。
アミド類としては、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等が挙げられる。
アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
有機溶剤として、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
有機溶剤の洗浄液中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
-水-
洗浄液における水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、洗浄液の乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
-界面活性剤-
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましい。シリコーン系界面活性剤としては、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 0007196611000001
(但し、一般式(S-1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(信越化学工業株式会社)、EMALEX-SS-5602、SS-1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ-2105、FZ-2118、FZ-2154、FZ-2161、FZ-2162、FZ-2163、FZ-2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK-33、BYK-387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2~16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4~16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 0007196611000002
上記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0~10の整数が好ましく、nは0~40の整数が好ましい。
Figure 0007196611000003
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1~6の整数、又はCHCH(OH)CH-CmF2m+1でmは4~6の整数、又はCpH2p+1でpは1~19の整数である。nは1~6の整数である。aは4~14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS-111、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141、S-145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC-93、FC-95、FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430、FC-431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF-470、F-1405、F-474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、UR、キャプストーンFS-30、FS-31、FS-3100、FS-34、FS-35(いずれも、Chemours社製);FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF-136A,PF-156A、PF-151N、PF-154、PF-159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、Chemours社製のFS-3100、FS-34、FS-300、株式会社ネオス製のFT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF-151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
洗浄液中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
洗浄液の物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
洗浄液の25℃での粘度は、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE-80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
洗浄液の表面張力としては、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
洗浄液のpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7~12が好ましく、8~11がより好ましい。
<<払拭方法>>
本実施形態の払拭方法は、上記の払拭部材を用い、ノズル形成面に対して払拭部材を接触させることでノズル形成面を払拭する払拭工程を含む。また、払拭方法は、必要に応じて、払拭工程の前に、払拭部材に対して洗浄液を付与する洗浄液付与工程を有する。この払拭方法について、図4を用いて説明する。
<洗浄液付与工程>
洗浄液付与工程は、シート状払拭部材320に対して、洗浄液付与ローラ430を用いて洗浄液を付与する工程である。洗浄液の付与量は30μl/cm以下であることが好ましい。洗浄液の付与量がこの範囲であると、P2/P1が1.1以上1.4以下のとき、シート状払拭部材320をノズル形成面に接触させることで、シート状払拭部材320に付与した洗浄液が均一にノズル形成面に滲み出る。これにより、ノズル形成面に形成された液体固着物の除去が容易になる。
<払拭工程>
払拭工程は、シート状払拭部材320に洗浄液を付与した後、払拭部材をノズル形成面に押し当てながらシート状払拭部材320と記録ヘッド4が相対的に移動することでノズル形成面に付着した異物500を払拭する工程である。ノズル形成面に付着する異物500としては、ノズルからインクを吐出した際に発生するミストインクや、クリーニング等でノズルからインクを吸引したときに付着するインク、ミストインクやキャップ部材に付着したインクがノズル形成面で乾燥した固着インク、被印刷物から発生する紙粉などが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
<洗浄液の調整>
次の各成分を混合して攪拌し、洗浄液を作製した。なお、この洗浄液の表面張力を表面張力計(CBVP-Z型、協和界面科学株式会社製)で測定したところ、28mN/mであった。
・3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール(株式会社クラレ製) 20質量%
・ポリエーテル変性シリコーン界面活性剤(商品名:WET270、エボニック・デグサ・ジャパン株式会社製) 1質量%
・イオン交換水 残量
(実施例1~13、比較例1~4)
[平均空隙率測定]
下記表1に示す構造および材質からなるシート状の払拭部材を用意した。次に、各払拭部材を1cm四方の形状で切り出し、その断面をレーザー顕微鏡(商品名:LEXT OLS4100、オリンパス社製)で観察し、表面の垂直方向における払拭部材の厚みtを得た。次に、厚みtから特定される第一の領域において、5ヶ所の断面画像を撮影し、画像解析ソフト(Image-Pro Plus、日本ローパー社製)を用いて繊維(払拭部材の材質)と隙間(空隙)に2値化した。その後、各画像中における「空隙部分の占める面積/払拭部材の面積」を計算することにより空隙率を算出し、5つの空隙率の平均である平均空隙率P1を算出した。そして、P1と同様にして、第二の領域の断面画像から平均空隙率P2を算出し、第三の領域の断面画像から平均空隙率P3を算出した。なお、「払拭部材の面積」は、払拭部材の材質が占める面積と払拭部材の空隙部分が占める面積との和である。下記表1に実施例1~13、比較例1~3の各払拭部材における平均空隙率P1、P2、P3、及びP2/P1の値を示した。なお、下記表1の実施例12における「不織布(複層)」は、複数の不織布を接着剤で結合させて得た不織布を示す。
次に、実施例1~13、比較例1~4の払拭部材に関し、下記に示す方法、評価基準に従い、液体固着物の払拭性、及び余剰液体の払拭性を評価した。評価結果を下記表1に示した。
<液体固着物の払拭性>
インクジェットヘッド(MH5440、株式会社リコー製)のノズル形成面上にRICOH Pro AR インクホワイト(株式会社リコー製)を0.1ml滴下した後、15時間放置し、ノズル形成面にインクが固着したインクジェットヘッドを作製した。次に、払拭部材に洗浄液を10μl/cmとなるように付与した後、インクが固着したインクジェットヘッドのノズル形成面を払拭部材で払拭させた。払拭する際の条件は、押し当て力3N、払拭速度50mm/sとした。払拭後のノズル形成面を目視で観察することにより固着インクが除去されるまでに要した払拭回数をカウントし、下記評価基準に基づいてランク評価した。評価がC以上である場合を実用可能であると判断した。
〔評価基準〕
A:5回以下の払拭回数でノズル形成面上の固着インクが除去された
B:6回以上7回以下の払拭回数でノズル形成面上の固着インクが除去された
C:8回以上10回以下の払拭回数でノズル形成面上の固着インクが除去された
D:10回払拭を行った際にノズル形成面上の固着インクが残存していた
<余剰液体の払拭性>
インクジェットヘッド(MH5440、株式会社リコー製)のノズル形成面上にRICOH Pro AR インクホワイト(株式会社リコー製)を1ml滴下し、ノズル形成面に余剰インクが付着したインクジェットヘッドを作製した。次に、払拭部材に洗浄液を10μl/cmとなるように付与した後、余剰インクが付着したインクジェットヘッドのノズル形成面を払拭部材で払拭させた。払拭する際の条件は、押し当て力3Nとした。また、払拭速度を30mm/sとした場合、50mm/sとした場合、70mm/sとした場合のぞれぞれにおいて、払拭後のノズル形成面を目視で観察することにより、余剰液体の払拭性を評価した。具体的には、下記評価基準に基づいてランク評価した。評価がC以上である場合を実用可能であると判断した。
〔評価基準〕
A:全ての払拭速度においてノズル形成面上の余剰インクが除去された
B:払拭速度を30mm/sとした場合および50mm/sとした場合においてノズル形成面上の余剰インクが除去されたが、70mm/sとした場合においては余剰インクが残存していた
C:払拭速度を30mm/sとした場合においてノズル形成面上の余剰インクが除去されたが、50mm/sとした場合および70mm/sとした場合においては余剰インクが残存していた
D:全ての払拭速度においてノズル形成面上の余剰インクが残存していた
Figure 0007196611000004
比較例1のように表面の垂直方向において平均空隙率の変化がない払拭部材は、液体固着物の払拭性評価において10回払拭を行っても固着インクが残存し、余剰液体の払拭性評価においては全ての払拭速度で余剰インクが残存した。
比較例2のように平均空隙率P1が平均空隙率P2及びP3より大きい払拭部材は、液体固着物の払拭性評価において10回払拭を行っても固着インクが残存し、余剰液体の払拭性評価においては全ての払拭速度で余剰インクが残存した。
比較例3のようにP2/P1が1.4より大きい払拭部材は、余剰液体の払拭性評価において、一度払拭部材で吸収した余剰インクが再度ノズル形成面に付着し、余剰インクが残存した。
比較例4のように、平均空隙率P2が平均空隙率P1及びP3より大きい払拭部材は、余剰液体の払拭性評価においては全ての払拭速度で余剰インクが残存した。
3 キャリッジ
4、4a、4b 記録ヘッド
4n ノズル
20 維持回復機構
20b ノズル形成面を払拭する機構
41 ノズル形成面
320 シート状払拭部材
400 押し当てローラ
410 送り出しローラ
420 巻き取りローラ
430 洗浄液付与ローラ
500 異物
特許第6162344号

Claims (6)

  1. 液体吐出ヘッドのノズル形成面を払拭する払拭部材を用いて、前記ノズル形成面を払拭する払拭工程を含む払拭方法であって、
    前記払拭工程の前に、前記払拭部材に対して洗浄液を付与する洗浄液付与工程を有し、
    前記洗浄液の表面張力は、35mN/m以下であり、
    前記払拭部材の前記ノズル形成面と接触する表面の垂直方向における前記払拭部材の厚みをtとし、前記垂直方向における前記表面からの距離が0からt/3までの領域である第一の領域の平均空隙率をP1とし、前記距離がt/3から2t/3までの領域である第二の領域の平均空隙率をP2とし、前記距離が2t/3からtまでの領域である第三の領域の平均空隙率をP3としたときに、P1<P2<P3を満たし、
    P2/P1は、1.1以上1.4以下である払拭方法。
  2. 前記P1は、0.60以上0.80以下である請求項1に記載の払拭方法。
  3. 前記払拭部材は、前記表面が不織布である請求項1又は2に記載の払拭方法。
  4. 前記P2/P1は、1.2以上1.3以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の払拭方法。
  5. 前記払拭部材は単層である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の払拭部方法。
  6. 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドのノズル形成面を払拭する払拭部材、洗浄液、および前記払拭部材に前記洗浄液を付与する洗浄液付与手段を有し、
    前記洗浄液の表面張力は、35mN/m以下であり、
    前記払拭部材の前記ノズル形成面と接触する表面の垂直方向における前記払拭部材の厚みをtとし、前記垂直方向における前記表面からの距離が0からt/3までの領域である第一の領域の平均空隙率をP1とし、前記距離がt/3から2t/3までの領域である第二の領域の平均空隙率をP2とし、前記距離が2t/3からtまでの領域である第三の領域の平均空隙率をP3としたときに、P1<P2<P3を満たし、
    P2/P1は、1.1以上1.4以下である払拭装置。
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