JP2001063119A - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JP2001063119A
JP2001063119A JP24297999A JP24297999A JP2001063119A JP 2001063119 A JP2001063119 A JP 2001063119A JP 24297999 A JP24297999 A JP 24297999A JP 24297999 A JP24297999 A JP 24297999A JP 2001063119 A JP2001063119 A JP 2001063119A
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heat
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Shuichi Inose
修一 猪瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーマルヘッドを用いた孔版原紙に対する穿
孔の高精細化および連続穿孔不良の低減、並びに感熱記
録紙等に対する印字のさらなる高精細化を達成する。 【解決手段】 このサーマルヘッドでは、第1の電極4
aおよび第2の電極4bの延びる方向と発熱抵抗体5の
長手方向とのなす角が25度ないし65度のいずれかの
角度で斜めになるように設定されているので、発熱に有
効な平行電界が狭い領域内に形成されてこの部分に発熱
が集中し、発熱領域6の大きさをさらに微細化すること
ができる。その結果、微細な穿孔8が穿設された高精細
な孔版原紙を穿孔製版して印刷品質の高い印刷を達成す
る。あるいは普通紙に対する印字品質の高い高精細な印
字を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は孔版印刷等における
孔版原紙の穿孔製版あるいは感熱記録紙や普通紙に対す
る印字記録に使用されるサーマルヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】各種記録装置の画像形成に使用されてい
るサーマルヘッドには、薄膜形成技術による薄膜式サー
マルヘッドと、これによらない厚膜式サーマルヘッドと
がある。このようなサーマルヘッドを利用して孔版印刷
用の孔版原紙の穿孔製版を行うにあたっては、隣り合う
穿孔どうしの間に離間部を確実に形成し、きめ細かい穿
孔を形成することが印刷品質を高める上で要求されてい
る。また、A2判あるいはさらに大判の孔版印刷を可能
とするために、サーマルヘッドの大判化対応が要求され
ている。また、一般に穿孔製版装置の製造プロセス中に
おいてサーマルヘッドの製造プロセスの煩雑さや製造コ
ストが高い比率を占めていることから、そのようなサー
マルヘッドの製造プロセスの簡易化および製造コストの
低廉化も要求されている。
【0003】ところで、一般に薄膜式サーマルヘッドは
半導体製造工程と同様のスパッタリング装置や真空蒸着
装置などの高価な半導体製造装置を用いた高度なプロセ
スで作製されるので、電極や発熱素子のパターン寸法の
微細化に好適である反面、その製造工程が煩雑で製造コ
ストも高価なものとなり、しかも高々8〜12インチ程
度の大きさのものまでしか一度に作製できない。また一
方、厚膜式サーマルヘッドは、簡易な製造方法であるス
クリーン印刷法によって作製されるので低コストで製造
することができ、また大判のものを簡易に作製可能であ
る。このように薄膜式サーマルヘッドと厚膜式サーマル
ヘッドとは相違点がある。
【0004】厚膜式サーマルヘッドは一般に、セラミッ
ク等の絶縁性基板上に電極が複数本所定の間隔を置いて
配列形成され、それら電極の上面に直線状パターンの発
熱抵抗体が積層されて、その主要部が構成されている。
電極に対して印字内容に対応した駆動電圧が印加される
と、隣り合う電極どうしの間で所定の電位差が生じ、そ
の間の発熱抵抗体に電流が流れて、その通電エネルギに
応じた熱が発熱抵抗体から発せられる。その熱が記録媒
体に接触する表面部分に向かって拡散しつつ伝搬して行
き、記録媒体に対して感熱印字あるいはリボン転写印字
が行なわれる。このようなサーマルヘッドによれば、電
極間に形成される個々の発熱素子の発熱領域よりも広い
範囲で連続した画像(印字ドット)が形成されるので、
感熱記録紙印字方式あるいはリボン転写印字方式の印字
装置による高品質な印字品質の印字画像を得ることがで
きる。しかも、前述のようにサーマルヘッド全体の大判
化対応や低コスト化が可能であるという利点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような厚膜式サーマルヘッドを孔版印刷に用いた場合、
その主走査方向(孔版原紙の幅方向)においては電極の
配列間隔を調整することで穿孔寸法を微細化することが
可能だが、副走査方向(孔版原紙の走行方向)において
は、発熱抵抗体の幅を 100μmよりも狭い寸法に形成す
ることが極めて困難である。このため、従来の厚膜式サ
ーマルヘッドでは、一般に孔版原紙の穿孔寸法の微細化
が極めて困難であるという問題がある。
【0006】しかも、発熱抵抗体から発せられた熱は記
録媒体に対する印字(熱印加)の行なわれる表面まで拡
散しつつ伝搬するので、最終的に記録媒体に対して印加
される熱の1ドットあたりの大きさ(つまり表面におけ
る見かけの発熱領域の大きさ)はさらに大きくなり、本
来は1個1個が離間部を隔てて離れて形成されなければ
ならない穿孔が複数個連続してしまい、連続穿孔不良が
発生するという問題がある。このような連続穿孔不良が
発生した孔版原紙を用いて印刷を行うと、印刷用紙に裏
抜けや裏移りといった印刷不良が発生することになる。
このような印刷不良の発生を防ぐためには、発熱抵抗体
による発熱領域を従来よりさらに小さくしなければなら
ないが、従来の厚膜式サーマルヘッドでは上記のように
発熱抵抗体の幅方向の寸法の微細化が既に限界に達して
いることから、そのような発熱領域のさらなる微細化が
極めて困難であった。
【0007】また、一般的な感熱記録紙に対する加熱印
字方式あるいはインクリボンなどを用いた転写印字方式
の印字装置に厚膜式サーマルヘッドを用いる場合にも、
発熱抵抗体の幅を 100μmよりも狭い寸法に形成するこ
とが困難であることに起因して、印字解像度のさらなる
向上(換言すれば印字画像のさらなる高精細化)が極め
て困難であるという問題がある。
【0008】一方、上記のような孔版原紙の穿孔寸法の
微細化や印字画像のさらなる高精細化という点では、薄
膜式サーマルヘッドが有利である。薄膜式サーマルヘッ
ドは、その製造プロセス上、発熱抵抗体の幅や形状を厚
膜式と比較して極めて微細に形成することができるから
である。しかしその反面、前述したように製造プロセス
が煩雑で製造コストも高価となり、また大判化対応が困
難である。特にこの大判化対応という点においては、1
個1個が小さく製造された複数のサーマルヘッドをつな
ぎ合わせることによって大判のサーマルヘッドを構成す
ることになるので、そのつなぎ目の部分に発熱不良が発
生することが避けられず、その部分における印刷に白ス
ジ欠陥が発生するという問題がある。あるいは、つなぎ
合わせに極めて高度な位置合せ精度が要求されるが、そ
のように高精度な位置合わせに成功する確率が低くなっ
て歩留まりが低下し、製造コストがさらに高価なものと
なるという問題がある。
【0009】このように、従来の厚膜式サーマルヘッド
は、薄膜式サーマルヘッドでは実質的に極めて困難な大
判化対応も可能であり、しかも製造プロセスが簡易で製
造コストの低廉化を図ることが可能であるという大きな
利点を有しているものの、孔版原紙の穿孔のさらなる高
精細化や連続穿孔不良の低減、あるいは感熱記録紙や普
通紙に対する直接印字のさらなる高精細化などが極めて
困難であるという問題があった。
【0010】本発明はこのような問題に鑑みて成された
もので、孔版原紙に対する穿孔の高精細化および連続穿
孔不良の低減、並びに感熱記録紙等に対する印字のさら
なる高精細化を達成し得たサーマルヘッドを提供せんと
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明によるサーマルヘッドは、基板上に形成された直線状
パターンの発熱抵抗体に対して接するように複数の電極
が所定の間隔を置いて列設されており、隣り合う前記電
極間に電位差を与えることにより前記発熱抵抗体を発熱
させるサーマルヘッドにおいて、前記電極の延びる方向
が、前記発熱抵抗体の長手方向に対して斜めに設定され
ていることを特徴としている。
【0012】また、前記発熱抵抗体は、厚膜発熱抵抗体
であることが好適である。すなわち、本発明は厚膜式サ
ーマルヘッドに特に好適である。
【0013】さらに、前記電極の延びる方向は、前記発
熱抵抗体の長手方向に対して25度乃至65度の角度と
なるように設定されていることが好適である。
【0014】なお、基板上における電極と発熱抵抗体と
の積層の上下関係は、基板の表面上に前記電極が形成さ
れており、さらにその上に発熱抵抗体が形成されている
ようにしてもよく、あるいは逆に、基板の表面上に発熱
抵抗体が形成されており、さらにその上に電極が配列形
成されているようにしてもよい。
【0015】また、本発明のサーマルヘッドは孔版印刷
用の孔版原紙の穿孔用に特に好適なものであるが、用途
としてはこれのみには限定しないことは言うまでもな
い。この他にも、感熱記録紙に対して感熱方式で印字を
行う印字装置や普通紙に対してリボン転写方式で印字を
行う印字装置などに対しても適用可能である。
【0016】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、電極の延
びる方向を発熱抵抗体の長手方向に対して斜めに設定す
ることにより、電極間に個々に形成される平行電界の領
域を従来のものよりも小さくすることができる。すなわ
ち、電極の延びる方向を発熱抵抗体の長手方向に対して
斜めに設定する、さらに好ましくは25度ないし65度
の角度に設定することにより、隣り合う電極間に生じる
平行電界が狭い領域に集中するので、発熱抵抗体の幅を
小さくしなくとも、発熱に有効な領域を狭い領域に集中
させることができる。これにより、孔版原紙における連
続穿孔などの穿孔不良の発生を解消することができ、ま
た孔版原紙の穿孔のさらなる高精細化を図ることができ
る。そしてそのような高精細な孔版原紙を用いて、印刷
品質の高い高精細な印刷を実現することができる。
【0017】また、感熱記録紙に対する印字やインクリ
ボンを用いた普通紙に対する印字を行う場合にも、各発
熱素子ごとの有効発熱領域を狭い領域に集中することが
できるので印字品質の高い高精細な印字を実現すること
ができる。
【0018】しかも、従来の厚膜式サーマルヘッドにお
いては発熱抵抗体の幅の微細化が困難であるために穿孔
や印字のさらなる高精細化が実質的に極めて困難であっ
たが、本発明によれば発熱抵抗体の幅を小さくしなくと
も上記のように有効発熱領域を狭い領域に制限すること
ができるので、厚膜式サーマルヘッドにおける穿孔ある
いは印字のさらなる高精細化を可能とすることができ
る。
【0019】また、発熱領域は各発熱素子の中心部に集
中するので、これが発熱領域の微細化に対してさらに寄
与することになり、また有効発熱領域が発熱抵抗体に対
して斜め方向であることとあいまって、スクリーン印刷
法に起因して発熱抵抗体の幅のばらつきが大きい場合で
もそのような発熱抵抗体の幅のばらつきの悪影響を受け
ることがなくなり、副走査方向のスジ状の濃度ムラの発
生を防ぐことが可能となる。
【0020】その結果、本発明によれば、大判化対応が
可能であり、製造コストも低廉で、しかも孔版原紙に対
する高精細な穿孔あるいは感熱記録紙や普通紙に対する
高精細な直接印字を実現することが可能な厚膜式サーマ
ルヘッドを提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基
づいて本発明を詳細に説明する。図1はこの一実施の形
態のサーマルヘッドの平面的な構成の要部を模式的に示
す平面図、図2は図1におけるA−A断面図であって、
このサーマルヘッドの積層構造を示す図である。
【0022】このサーマルヘッド1は、酸化アルミニウ
ム焼成体のような材料から形成されたセラミック基板2
上を覆うようにガラスグレーズ層3が形成されており、
その上にアルミ材料膜あるいは銅材料膜または金ペース
トなどの導電性材料膜をパターニングしてなる第1の電
極4aおよび第2の電極4bが、複数本互いに平行に配
列形成されており、それら第1の電極4aおよび第2の
電極4bの上に、それらの延びる方向に対して斜めに長
手方向が交わるように直線状の発熱抵抗体5が形成され
ている。この発熱抵抗体5は、酸化ルテニウムのような
抵抗体材料を用いて、いわゆる厚膜形成プロセスによっ
て形成されている。この発熱抵抗体5の長手方向と第1
の電極4aおよび第2の電極4bの延びる方向とのなす
角θは、θ=45度となるように設定されている。そし
てその発熱抵抗体5および第1の電極4aならびに第2
の電極4bを含んでガラスグレーズ層3の表面を覆うよ
うに保護層7が形成されている。
【0023】なお、このサーマルヘッド1を印字装置や
穿孔製版装置などに装着する際には、その保持状態の機
械的強度を補強するため、および放熱効果をさらに向上
するために、アルミ放熱支持板(図示省略)などに取り
付けてもよいことは言うまでもない。またここで、図1
において発熱抵抗体5の延びる方向(X方向)が主走査
方向であり、これと直交する方向(Y方向)が副走査方
向つまり孔版原紙や感熱記録紙の走行方向(いわゆる紙
送り方向)に相当する。
【0024】上記のような積層構造の製造およびパター
ニングのプロセスは、基本的には一般的な厚膜方式のサ
ーマルヘッドの製造プロセスを用いて、特に第1の電極
4a及び第2の電極4bのパターニングを発熱抵抗体5
の長手方向に対して斜め方向に設定することで、後述す
るように発熱領域6を狭い領域に集中させることができ
る。従って、このサーマルヘッド1は一般的な厚膜式サ
ーマルヘッドと同様の簡易な製造プロセスによって低コ
ストかつ高い歩留りで製造することができ、しかもA2
判あるいはさらに大判の印刷対応可能な継ぎ目のない大
型サーマルヘッドを製造することが可能である。
【0025】図3は、このサーマルヘッド1における各
発熱素子ごとの発熱抵抗体5から発せられる熱の分布状
態についてを模式的に示す図である。第1の電極4aと
第2の電極4bとの間に電位差が生じるように、そのそ
れぞれに対して電圧を印加すると、その両電極間に挟ま
れた部分つまり1つの発熱素子における発熱抵抗体5に
電流が流れて、その部分が発熱する。ここで発生した熱
は発熱抵抗体5の表面にまで伝搬し、その表面に接して
いる孔版原紙(図示省略)あるいは感熱記録紙などに対
して穿孔あるいは印字が行われる。
【0026】このとき、発熱抵抗体5の幅(副走査方向
の寸法)がスクリーン印刷法を用いた厚膜式発熱抵抗体
のパターニング精度の一般的な限界である 100μm以上
であっても、発熱抵抗体5における実質的な個々の発熱
領域6の大きさは、比較例として図7に示すような従来
のサーマルヘッドの場合に電極104a,104bどう
しの間の発熱抵抗体(各発熱素子)105に生じる発熱
領域106よりも微細なものとなる。すなわち、本実施
の形態のサーマルヘッド1は、発熱抵抗体5の長手方向
と第1の電極4aおよび第2の電極4bの延びる方向と
のなす角θが45度となるように設定されているので、
発熱に有効な平行電界が図3中に網点を付して示したよ
うな狭い領域内に形成されて、この部分に発熱が集中
し、発熱領域6の大きさをさらに微細化することができ
る。
【0027】さらに詳細には、θ=45度となってお
り、発熱抵抗体5の幅をL1 、第1の電極4aと第2の
電極4bとの間隙をW1 とすると、平行電界が形成され
る領域の長さつまり実質的に穿孔や印字に有効な発熱領
域6の長さL2 は、図7に示すような従来の発熱領域1
06の長さつまり発熱抵抗体5の幅L1 よりも小さな寸
法とすることができる。例えば間隙W1 =60μm、発熱
抵抗体5の幅L1 = 100μmの場合について示すと、L
2 =1.41L1 −W1 = 141−60=81となるから、発熱抵
抗体5の幅L1 の 100μmに対して実質的な発熱領域6
の長さL2 は81μmと、約20%の微細化が達成できるこ
とになる。これにより、発熱抵抗体5の幅を狭幅化しな
くとも、図6(a)に示すように穿孔8あるいは感熱印
字の1ドットの大きさをさらに微細なものとすることが
できる。また、比較例として従来の厚膜式サーマルヘッ
ドにおける発熱領域106の大きさおよびそれによって
形成される穿孔108の1ドットの大きさおよび形状を
図6(b)に示す。なお、図6においては本発明および
従来のいずれの場合も副走査方向の発熱ピッチを共通の
値Pとしているが、図6(b)に示す従来の穿孔の場合
には副走査方向の発熱領域の大きさに起因して連続穿孔
不良が発生するのに対して、図6(a)に示す本発明に
よる穿孔の場合には隣り合う穿孔間に確実に離間部分を
形成することができるので、連続穿孔不良を解消するこ
とができる。
【0028】しかも、各発熱素子の中央部分に発熱が集
中するので、これにより穿孔8の1ドットの大きさの微
細化をさらに進めることができ、またスクリーン印刷法
に起因して発熱抵抗体5の幅のばらつきが大きい場合で
も、そのような発熱抵抗体5の幅のばらつきの悪影響を
受けることがなくなり、副走査方向のスジ状の濃度ムラ
の発生を防ぐことが可能となる。
【0029】また、電極間に形成された各発熱素子が発
する熱の分布をそれぞれ狭い領域に集中させることがで
き、隣り合う穿孔どうしの間に確実に離間部を設けるこ
とができるので、隣り合う複数の穿孔が繋がって大きな
穿孔が形成されるという連続穿孔不良の発生を防いで、
そのようにして穿孔製版された孔版原紙を用いて印刷を
行う際の裏移りや裏抜けなどの発生を防ぐことができ
る。
【0030】また、基板や各電極などからの放熱性をさ
らに高めて、孔版原紙や感熱記録紙などに対する加熱に
寄与しない熱を積極的に放熱させることにより、上記の
ような各発熱素子における熱分布が狭い領域に集中する
こととあいまって、サーマルヘッドとしての熱応答特性
を向上させることができ、さらなる高速動作を達成する
ことも可能となる。
【0031】またさらには、1個の発熱素子内における
発熱強度分布は図5(a)に示すように中央部に集中し
た分布となっているので、図5(b)に示すような発熱
強度分布を示す従来の厚膜式サーマルヘッドでは実質的
に困難であった穿孔寸法や印字ドットサイズの印加電圧
に対応した精密な制御も可能となる。
【0032】ところで、発熱抵抗体5の長手方向と第1
の電極4aおよび第2の電極4bの延びる方向とのなす
角θは、上記実施の形態では45度としたが、この角度θ
は、実質的に発熱領域6の微細化が実現可能な角度とし
て、45±20度すなわち25度から65度の間のいずれかの角
度に設定することが好適である。これは、角度θが65度
を越えて余りにも90度(直角)に近いと、実質的な発熱
領域6の長さL2 が発熱抵抗体5の幅L1 とほとんど同
じになり、本発明による十分な効果を得ることができ
ず、また角度θが25度よりも小さく 0度(平行)に近い
と、電極や発熱抵抗体5のパターニングおよびアライメ
ントが極めて困難となることや1ドットの形状が主走査
方向に長くなり過ぎて、結局、穿孔あるいは印字の実質
的な1ドットあたりの寸法が大きくなってしまうことに
なるためである。このように実質的な効果の点で、角度
θを25度から65度の間のいずれかの角度に設定すること
が望ましい。
【0033】なお、上記実施の形態では孔版原紙に穿孔
製版を行う厚膜式サーマルヘッドに本発明を適用する場
合の一例を示したが、この他にも、感熱記録紙に直接印
字を行う厚膜式サーマルヘッドや、インクリボンを用い
て普通紙に直接印字を行うに厚膜式サーマルヘッドにも
本発明を適用可能である。
【0034】また、上記実施の形態では第1の電極と第
2の電極とが交互に列設されているものに基づいて説明
したが、本発明はこれのみには限定されず、電極パター
ン自体やその駆動方式については周知の種々の構造や方
式が適用可能である。
【0035】また、上記実施の形態では、基板の表面上
に電極が形成され、その上に発熱抵抗体が形成されてい
る一般的な積層構造の厚膜式サーマルヘッドに本発明を
適用した場合についてを示したが、電極と発熱抵抗体と
の積層構造はこれのみには限定されない。この他にも、
例えば基板に溝を刻設するなどしてその溝に発熱抵抗体
を埋め込むように配置しその上に電極を配設した構造の
厚膜式サーマルヘッドに本発明を適用することなども可
能である。
【0036】また、本発明は厚膜式サーマルヘッドにお
いて特に好適なものであるが、これのみには限定され
ず、薄膜式サーマルヘッドなどにも適用可能であること
は言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施の形態のサーマルヘッドの
平面的な構成の要部を模式的に示す平面図
【図2】本発明に係る一実施の形態のサーマルヘッドの
積層構造を示す、図1におけるA−A断面図
【図3】本発明に係る一実施の形態のサーマルヘッドに
おける各発熱素子から発せられる熱の分布状態について
を模式的に示す図
【図4】本発明によって微細化された発熱領域の一例を
示す図
【図5】1個の発熱素子内における発熱強度分布を示す
【図6】本発明に係る厚膜式サーマルヘッドにより孔版
原紙に形成される穿孔8の1ドットの大きさの一例を示
す図(a)および従来の厚膜式サーマルヘッドにより形
成される穿孔108の1ドットの大きさの一例を示す図
(b)
【図7】従来の厚膜式サーマルヘッドにおける個々の発
熱領域の大きさおよびその形状の一例を示す図
【符号の説明】
1 サーマルヘッド 2 セラミック基板 3 ガラスグレーズ層 4a 第1の電極 4b 第2の電極 5 発熱抵抗体 6 発熱領域 7 保護層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された直線状パターンの発
    熱抵抗体に対して接するように複数の電極が所定の間隔
    を置いて列設されており、隣り合う前記電極間に電位差
    を与えることにより前記発熱抵抗体を発熱させるサーマ
    ルヘッドにおいて、 前記電極の延びる方向が、前記発熱抵抗体の長手方向に
    対して斜めに設定されていることを特徴とするサーマル
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記発熱抵抗体が、厚膜発熱抵抗体であ
    ることを特徴とする請求項1記載のサーマルヘッド。
  3. 【請求項3】 前記電極の延びる方向が、前記発熱抵抗
    体の長手方向に対して25度乃至65度の角度となるよ
    うに設定されていることを特徴とするサーマルヘッド。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014087938A (ja) * 2012-10-29 2014-05-15 Rohm Co Ltd サーマルプリントヘッド
JP2018012341A (ja) * 2017-10-04 2018-01-25 ローム株式会社 サーマルプリントヘッド

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