JP2000340231A - リチウム二次電池用正極活物質、その製造方法、それを用いたリチウム二次電池およびその二次電池のエージング処理方法 - Google Patents

リチウム二次電池用正極活物質、その製造方法、それを用いたリチウム二次電池およびその二次電池のエージング処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶性の高いリチウムマンガン複合酸化物を
正極活物質として用いることにより、リチウム二次電池
のサイクル特性、特に高温下でのサイクル特性を向上さ
せる。 【解決手段】 リチウム二次電池用正極活物質を、組成
式Li1+xyMn2-x-y4-z(MはTi、V、Cr、F
e、Co、Ni、Zn、Cu、W、Mg、Alのうちの
1種以上、0≦x<0.2、0≦y<0.5、0≦z<
0.2)で表され、CuKα線を用いた粉末X線回折法
による(400)回折ピークの半値幅が0.02θ以上
0.1θ以下であり、1次粒子の形状が八面体をなすリ
チウムマンガン複合酸化物を含むことを特徴とするよう
に構成する。また、この正極活物質を用いたリチウム二
次電池を作製し、さらにこの二次電池を、60℃以上9
0℃以下の温度下、1時間以上以1ヶ月以下の時間、保
存してエージング処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充放電サイクル特
性、特に高温下におけるサイクル特性の良好な二次電池
を構成できるリチウム二次電池用正極活物質およびその
製造方法、さらにこの正極活物質を用いたリチウム二次
電池およびその二次電池のエージング処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】携帯電話、パソコン等の小型化に伴い、
エネルギー密度の高い二次電池が必要とされ、通信機
器、情報関連機器の分野では、リチウム二次電池が広く
普及するに至っている。また、資源問題、環境問題か
ら、自動車の分野でも電気自動車に対する要望が高ま
り,安価であってかつ容量が大きく、サイクル特性が良
好なリチウム二次電池の開発が急がれている。
【0003】現在、リチウム二次電池の正極活物質に
は、4V級の二次電池を構成できるものとして、層状岩
塩構造のLiCoO2が採用されるに至っている。Li
CoO2は、合成が容易でかつ取り扱いも比較的容易で
あることに加え、充放電サイクル特性において優れるこ
とから、LiCoO2を正極活物質に使用する二次電池
が主流となっている。
【0004】ところが、コバルトは資源量として少な
く、LiCoO2を正極活物質に使用した二次電池で
は、自動車用電池をにらんだ将来の量産化、大型化に対
応しにくく、また価格的にも極めて高価なものにならざ
るを得ない。そこでコバルトに代えて、比較的資源とし
て豊富でありかつ安価なマンガンを構成元素として含
む、スピネル構造のLiMn24を正極活物質に用いる
試みが為されている。
【0005】しかし、LiMn24は、LiCoO2
比べサイクル劣化が激しく、特に高温下においてそれが
顕著であるため、厳しい使用環境下に置かれる電気自動
車用電池としては未だ実用化されるに至っていない。L
iMn24のサイクル劣化の機構は、未だ明らかではな
いが、正極活物質と電解液との反応によるMnの溶出、
充放電を繰り返すことによる結晶構造の破壊等が考えら
れる。
【0006】このLiMn24のサイクル劣化の問題を
解決する手段として、例えば特開平9−147867号
公報等に示されるように、LiMn24の結晶のMnサ
イトを一部Co、Cr、Fe等で置換して結晶構造のを
安定化させる手段、また、G.G.Amatucci et al.,J.Powe
r Sources 69,11(1997) に示されるように、電解液との
反応を抑えるため正極をホウ素化合物で表面修飾する手
段などが検討されている。
【0007】ところが、上記他元素による置換手段、表
面修飾手段を用いて作製したLiMn24は、正極活物
質としての容量の減少が大きく、その結果、電池として
構成した場合に、電池の容量も減少してしまうという問
題があった。
【0008】一方、従来、LiMn24は、一般に、M
nO2等のマンガン化合物の粉末とLi2CO3等のリチ
ウム化合物の粉末とを乾式混合させた混合物を焼成する
といった固相反応法によって合成されている。しかし、
この方法による合成では、結晶性に優れ、かつ粒子形状
が大きい(比表面積が小さい)LiMn24を合成する
ことは困難であり、またMnを他の元素で均一に置換す
ることはさらに困難であった。
【0009】従来の方法では、焼成前の原料の混合は、
乾式のミキサーまたはプロペラ式混合機等によって行わ
れていた。そのため不均一な混合物となる可能性が高
く、この焼成前の混合物の不均一が、焼成して得られる
LiMn24の均一性、結晶性、粒子形状を粗悪なもの
としていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑みてなされたものであり、結晶性の高いリチウムマン
ガン複合酸化物を正極活物質として用いることにより、
リチウム二次電池のコストの低減を図るとともに、その
リチウム二次電池のサイクル特性、特に高温下でのサイ
クル特性を向上させることを課題としている。また、そ
の結晶性の高いリチウムマンガン複合酸化物を簡便な方
法によって製造することを課題としている。 また、本
発明者は、結晶性の高い上記正極活物質を用い、対向す
る負極活物質に炭素材料を用いたリチウム二次電池にお
いて、比較的高温度の状態にそのリチウム二次電池を保
持することで、高温サイクル特性を改善できることを見
出した。この知見に基づき、本発明は、簡便な処理によ
ってそのリチウム二次電池の高温サイクル特性をより良
好なものとする方法を提供することをも課題としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のリチウム二次電
池用正極活物質は、組成式Li1+xyMn2-x-y
4-z(MはTi、V、Cr、Fe、Co、Ni、Zn、
Cu、W、Mg、Alのうちの1種以上、0≦x<0.
2、0≦y<0.5、0≦z<0.2)で表され、Cu
Kα線を用いた粉末X線回折法による(400)回折ピ
ークの半値幅が0.02θ以上0.1θ以下(θは回折
角)であり、1次粒子の形状が八面体をなすリチウムマ
ンガン複合酸化物を含むことを特徴とする。
【0012】つまり、スピネル構造のリチウムマンガン
複合酸化物であって、非常に結晶性のよいものを正極活
物質に用いることにより、繰り返される充放電によって
も結晶構造が崩壊されることなく、リチウム二次電池の
サイクル特性が向上させられることとなる。なお、八面
体の1次粒子形状を表した走査型電子顕微鏡(SEM)
写真については、例示として、図3に掲げる。この写真
は、倍率70,000倍のもので、中央部に撮影されて
いる八面体形状の1次粒子の大きさは、約6μmであ
る。
【0013】なお、八面体形状の1次粒子を有すること
による作用は、現在のところ明らかでないが、充放電に
伴う結晶格子の膨張・収縮を粒子間で吸収しやすいもの
となり、正極を構成する要素の1つである導電材との接
触不良に伴う導電性の低下を抑制するように作用するも
のと考えられる。
【0014】また、本発明のリチウム二次電池用正極活
物質の製造方法は、Liを含有する原料と、Mnを含有
する原料と、必要に応じて前記金属Mを含有する原料と
を、湿式粉砕・混合して混合物を得る粉砕混合工程と、
前記粉砕混合工程で得られた混合物を焼成してリチウム
マンガン複合酸化物を得る焼成工程とを有することを特
徴とする。
【0015】つまり、従来の固相反応法と異なり、焼成
工程前に湿式で粉砕混合工程を行い、この工程で均一な
混合物を作製することによって、その後の焼成工程を経
たリチウムマンガン複合酸化物は、均一でかつ非常に結
晶性のよいものとなるのである。
【0016】さらに、本発明のリチウム二次電池は、上
記本発明の正極活物質を用いた正極と、リチウムイオン
を吸蔵・放出可能な炭素材料を含む負極活物質を用いた
負極とを有するように構成するものである。つまり、本
発明のリチウム二次電池は、上記本発明の正極活物質を
用いることで、安価であって、サイクル特性特に高温使
用におけるサイクル特性の良好な二次電池となる。
【0017】本発明のリチウム二次電池においては、負
極活物質となる炭素材料に、黒鉛質材料、難黒鉛化性非
晶質炭素、易黒鉛化性炭素等、種々の炭素材料を使用す
ることができる。炭素材料の種類において構成されるリ
チウム二次電池の特性を変化させることができる。した
がって、後に詳しく説明するが、本発明のリチウム二次
電池は、得ようとする電池特性に応じた炭素材料を選択
的に負極活物質として用いる形態のものとすることがで
きる。
【0018】また、本発明のエージング処理方法は、上
記本発明の正極活物質を用いた正極と、炭素材料を負極
活物質に用いた負極とを有する上記リチウム二次電池に
ついて行うエージング処理であって、組付けられた二次
電池を、60℃以上90℃以下の温度下、1時間以上以
1ヶ月以下の時間、保存することを特徴とする。
【0019】リチウム二次電池における高温サイクル特
性の悪化は、正極活物質の結晶構造の崩壊に起因するの
みでなく、負極表面に生成する被膜にも起因すると考え
られる。この被膜はLi化合物であり、使用開始後早い
時期の充放電により、電解液と負極表面が反応すること
で生成し、その後のLiイオンと電解液との必要以上の
反応を防止するものとなっている。ところが、室温付近
の温度で生成された被膜は、薄いものであり、高温環境
下で電池を使用する場合におけるLiイオンと電解液と
の必要以上の反応に対して充分な障壁となることはでき
ない。そのため、高温使用時には、電解液の分解反応等
を生じ、電池容量の低下、内部抵抗の増加等を招いてい
た。これが負極表面の被膜に起因するリチウム二次電池
の高温サイクル特性の劣化である。
【0020】したがって、使用開始後早い時期に生成さ
れる被膜の形態が、リチウム二次電池の高温サイクル特
性に大きく影響する。実験により明らかとなったことで
あるが、比較的高温の状態で生成するLi化合物の被膜
は、その厚さが厚いことに加え、イオン伝導度が高くL
iの挿入・離脱を阻害しない良質なものと考えられる。
したがって、比較的高温の状態で生成するLi化合物の
被膜は、高温使用時におけるLiイオンと電解液との必
要以上の反応が阻止されるのに充分な障壁となり、か
つ、内部抵抗を増加させず、リチウム二次電池の高温サ
イクル特性を良好なものとすることのできる被膜となる
と考えられる。
【0021】そこで、初期の段階で高温状態においてL
i化合物の被膜を生成することが考えられるが、結晶性
の悪いリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質に用い
た二次電池では、高温状態において構成元素であるMn
の溶出がみられ、溶出したMnを核とするLi化合物が
負極表面に生成すると考えられる。このMnを核とする
Li化合物は、現状では明らかにできていないが、2価
および4価のMn化合物が生成していると考えられ、こ
れは負極へのLiの挿入・離脱を阻害するものと考えら
れる。Mnの溶出に伴う正極容量の低下に加え、このM
nを核とするLi化合物による内部抵抗の増加という理
由等から、結晶性の悪いリチウムマンガン複合酸化物を
正極活物質に用いた二次電池では、高温サイクル特性を
悪化させてしまうこととなる。
【0022】つまり、本発明のエージング処理方法は、
結晶性が高く、結晶構造の強固なリチウムマンガン複合
酸化物を含む上記本発明の正極活物質を用いる二次電池
を対象とすることで、高温状態で負極表面に生成される
被膜を適切なものとすることができるのである。
【0023】また、実験から明らかとなったことである
が、上記本発明の正極活物質は、比較的高温度でエージ
ング処理した場合、比較的低電位側に新たな容量が出現
する。後に掲げる実験において詳しく説明するが、微分
容量曲線において、それを裏付けることができた。この
理由は、現在のところ定かではないが、正極活物質にお
けるリチウムの利用範囲の変化であると考えられる。例
えば、LiMn24を正極活物質に用いた場合、4.2
Vまで充電すると正極活物質の組成はLi1-aMn24
(a≒0.7)に変化し、その後4.2〜3.0Vの充
放電においてa≒0.1〜0.7の範囲でリチウムが利
用される。正極活物質におけるリチウムの利用範囲の変
化とは、エージング処理を施すことによって、充放電に
伴って利用されるリチウムの範囲、つまりaの範囲が変
化することを意味する。
【0024】以上のことを総合すれば、本発明のエージ
ング処理を行った上記本発明の二次電池は、高温状態で
負極表面に生成される適切な被膜と、低電位側に出現す
る容量との作用により、高温サイクル特性がさらに改善
された二次電池となる。また本発明のエージング処理
は、組付けられた電池を比較的高温の状態に保存つまり
存置するだけでよく、極めて簡便な処理により高温サイ
クル特性のさらに良好な二次電池を得ることのできる方
法となる。
【0025】
【発明の実施の形態】〈リチウムマンガン複合酸化物〉
本発明のリチウム二次電池用正極活物質に含まれるリチ
ウム複合酸化物(以下、「本リチウムマンガン複合酸化
物」という)は、スピネル構造のリチウムマンガン複合
酸化物である。スピネル構造リチウムマンガン複合酸化
物の基本的な組成式はLiMn24で表され、この化学
量論的なLiMn24を本正極活物質として用いること
ができる。
【0026】また、過剰のリチウムを結晶内に存在させ
たもの、結晶構造をより安定させるべくMnサイトの一
部を他の金属で置換したもの、あるいはOサイトに欠損
を生じさせたものを用いることもできる。Mnサイトを
置換させることのできる他の金属としては、Ti、V、
Cr、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、W、Mg、Al
を挙げることができ、これらのもののうち1種のものま
たは2種以上のもので置換することができる。これらの
置換可能な金属元素のうち、活物質合成の容易性、コス
トという観点からすれば、置換元素にNiを用いるのが
望ましい。
【0027】上記のすべてのリチウムマンガン酸化物を
一般的な組成式で表せば、Li1+xyMn2-x-y
4-z(Mは、上記他の金属)となるが、リチウム二次電
池の正極活物質としての特性を満足する置換および欠損
の範囲が存在する。本リチウムマンガン複合酸化物とし
ては、0≦x<0.2、0≦y<0.5、0≦z<0.
2の範囲のものを用いることができる。これは、x≧
0.2の場合やy≧0.5の場合には、固相法による製
造が困難で、スピネル相以外の不純物相が生成して結晶
性を低下させ、サイクル特性を劣化させる可能性がある
からであり、また単位重量当たりの容量が減少し過ぎる
からである。また、z≧0.2では、スピネル構造が破
壊され結晶構造が不安定になり、サイクル劣化が大きく
なるおそれがあるからである。なお、より望ましい範囲
は、0.01≦x≦0.1、0.05≦y≦0.3であ
り、zの値は0に近い程よい。
【0028】本リチウムマンガン複合酸化物は、結晶性
の高いスピネル構造である必要がある。結晶性の高さを
定義する方法として、粉末X線回折法によるピークの半
値幅を用いれば、スピネル構造固有の(400)面の反
射によるピークが、0.02θ以上0.1θ以下(θは
回折角)のものを用いる。0.1θを超えるものの場合
は、結晶性が低く、正極活物質として用いたときには、
繰り返される充放電によってスピネル構造の結晶構造が
崩壊してサイクル特性の劣化が激しいものとのなり、ま
た0.02θ未満のものは、製造時間が非常に長時間に
及ぶこととなり、かえって正極活物質のコストを引き上
げることとなるからである。ちなみに、後に詳しく説明
する図1のX線回折チャートからも判るように、(40
0)面の回折ピークは、2θで42〜45°位置に現れ
る。例えば、2θ=44°のところにピークが現れた場
合には、適正な半値幅は、0.44°以上2.2°以下
となる。結晶性により優れたリチウムマンガン複合酸化
物といった観点からは、0.05θ以下とするのがより
望ましい。なお、Wilson法による格子歪みで表現
する場合には、0.035%以下のものとするのが望ま
しい。
【0029】本リチウムマンガン複合酸化物は、上述し
た八面体形状をした1次粒子が凝集し2次粒子を形成す
る粉末状のものを用いるのが望ましいが、この2次粒子
の粒子径も電池のサイクル特性を左右する。粒子径が大
きすぎる場合は活物質内のイオン拡散性、電子伝導性が
低下し、またデンドライトの析出による内部ショートの
原因ともなる。また、粒子径が大きすぎる場合には、充
填性が悪く、密度の高い正極が得られず、高容量の電池
を構成するという点で劣るものとなる。これに対して、
粒子径が小さすぎる場合は電解液との反応性が増し、活
物質、電解液の分解を引き起こす原因となる。したがっ
て2次粒子の平均粒径が、球換算平均粒径で5μm以上
25μm以下の粉末を用いるのが望ましい。なお、この
球換算平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装
置によって求めた値である。
【0030】粉末の比表面積もサイクル特性に影響を与
える。そこで、高温でのサイクル劣化をより抑制するた
めには、比表面積が比較的小さいものを用いるのが望ま
しく、本リチウムマンガン複合酸化物では、BET比表
面積が0.2m2/g以上2m2/g以下のものを用いる
のが望ましい。上記2次粒子径との関係と同様、0.2
2/g未満の場合は、大きな容量の電池を構成するの
が難しくなり、また、2m2/gを超える場合は、電解
液の分解が起こりやすくサイクル特性の点で劣るものと
なるからである。なお、BET比表面積はN2吸着1点
法によって求めた値とする。
【0031】〈本リチウムマンガン複合酸化物の製造方
法〉本リチウムマンガン複合酸化物を製造するための原
料には、Li源となるリチウムまたはリチウム化合物、
Mn源となるマンガン化合物、Mnサイトをその他の金
属で置換する場合はその置換金属を含有する化合物を用
いる。これらの化合物は、特に限定されるものではな
く、如何なるものをも用いることができるが、これらの
金属が安定的に存在する価数となっている化合物である
ことが望ましい。例えば、マンガン化合物にはMn
2、Mn34、Mn(COOH)2等が、リチウム化合
物には、Li2CO3、Li(OH)、Li2O、Li
I、LiNO3等が挙げられる。また置換金属を含む化
合物も酸化物、水和物等如何なるでもよい。例えばNi
で置換する場合には、Ni(OH)2等を用いることが
できる。
【0032】粉砕混合工程は、上記化合物を、得ようと
するリチウムマンガン複合酸化物のLi、Mn、置換金
属の組成比に応じた割合で混合させる。混合にはボール
ミル、ビスコミル、アトライター等を用いて、湿式で行
う。ボールミル、ビスコミル、アトライター等を用いる
理由は、混合と同時に粉砕を行うことができ、しかも粉
砕混合時間等の条件を変更することにより、任意の粒径
および粒度分布をもつ混合物が得られることにある。湿
式で行うのは、均一な混合物を得るためである。なお、
ボールミル、ビスコミル、アトライター等のなかでは、
ボールの大きさ、種類を変えることによって混合粉砕条
件を容易に変更できるという理由から、ボールミルを用
いるのがより望ましい。
【0033】ボールミルで粉砕混合を行う場合、ボール
ミルのポットおよびポット内に入れるボールには、原料
と反応しにくく、重く、硬く、かつ摩耗しにくい必要が
あるという理由から、セラミック材料を用いるのが望ま
しい。中でも硬質であるSi 3Ni4、ZrO2等の材質
のものがより好ましい。また湿式とするために混入させ
る液体には、水、アルコール、ヘキサン等様々なものが
用いられる。中でも、原料と反応せず、また蒸発後に凝
固しにくいものが望ましく、コスト面等を総合的に考慮
すれば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等
の工業用アルコールを用いるのが望ましい。
【0034】ボールミルによって粉砕混合を行う場合、
粉砕混合時間は、原料化合物の粒度および得ようとする
リチウムマンガン複合酸化物の粒度等によって変化させ
る必要があるが、2時間以上100時間以下であること
が望ましい。これは、2時間未満の場合は、均一な混合
が達成できないからであり、100時間を超える場合
は、得られるリチウムマンガン複合酸化物の粒径が小さ
くなりすぎまた製造コストをいたずらに押し上げること
となるからである。混合物の均一性、製造コスト等を総
合的に勘案すれば、4時間以上24時間以下とするのが
さらに望ましい。
【0035】焼成工程は、上記粉砕混合工程によって得
られた混合物を、焼成する工程である。焼成に用いられ
る炉は、特に限定されるものではなく、通常の固相反応
法による合成で用いることができるものであればいずれ
のものをも用いることができる。焼成温度は、600℃
以上1200℃以下とするのが望ましい。600℃未満
の場合は、結晶粒の成長に時間がかかりすぎ、また12
00℃を超える場合は、スピネル構造の結晶が分解して
しまうからである。結晶性のより高いスピネル構造のリ
チウムマンガン複合酸化物を得るためには900℃以上
950℃以下の温度で焼成するのがより望ましい。焼成
時間は、焼成温度にもよるが、5時間以上50時間以下
とすることが望ましい。
【0036】〈本リチウムマンガン複合酸化物を正極活
物質に用いたリチウム二次電池〉リチウム二次電池の正
極は、上記本リチウムマンガン複合酸化物を正極活物質
とし、これに導電材および結着剤を混合し、必要に応じ
適当な溶剤を加えて、ペースト状の正極合材としたもの
を、金属箔製の集電体表面に塗布、乾燥し、その後プレ
スによって正極合材の密度を高めることによって形成す
る。上記本リチウムマンガン複合酸化物だけで正極活物
質を構成することもできるが、本リチウムマンガン複合
酸化物に、LiCoO2、LiNiO2等他のリチウム
複合酸化物、あるいは結晶性の低いスピネル構造のリチ
ウムマンガン複合酸化物を一部に含んで正極活物質とす
るものであっても構わない。
【0037】導電材は、リチウムマンガン複合酸化物が
それ自身の電気比抵抗が大きいことから、正極の電気伝
導性を確保するためのものであり、カーボンブラック、
アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質粉状体のうち1
種のものをまたは2種以上のものを混合して用いること
ができる。結着剤は、活物質粒子を繋ぎ止める役割を果
たすもので、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化
ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピ
レン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることがで
きる。正極合材としての混合比は、正極活物質80〜9
4重量部、導電材3〜15重量部、結着剤3〜15重量
部、の範囲とするのがよい。また、これら活物質、導電
材、結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2
−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0038】正極合材は金属箔製の集電体表面に塗工さ
れ、必要に応じ圧縮形成されて、シート状の正極電極を
形成する。正極集電体には、アルミニウム箔等を用いる
ことができる。正極集電体表面に形成される正極合材層
の厚さは、電池の内部抵抗を考慮して200μm以下と
するのが望ましい。
【0039】負極には、金属リチウム、リチウム化合
物、リチウム合金等を使用できるが、充放電の繰り返し
に伴うデンドライトの析出という問題があるため、これ
らに代え、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材料
を負極活物質として用いるのが望ましい。炭素材料等を
負極活物質とする場合、負極は、炭素材料に結着剤を混
合し、必要に応じて適当な溶剤を加えて、ペースト状の
負極合材としたものを、正極同様、金属箔製の集電体表
面に塗布、乾燥し、その後プレスによって負極合材の密
度を高めることによって形成する。
【0040】炭素材料には、天然黒鉛、球状あるいは繊
維状の人造黒鉛等の黒鉛質材料、難黒鉛化性非晶質炭
素、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等
の易黒鉛化性炭素等の粉状体を用いることができる。負
極活物質となる炭素材料にはそれぞれの利点があり、作
製しようとするリチウム二次電池の特性に応じて選択す
ればよい。
【0041】これらのもののうち、天然黒鉛、球状ある
いは繊維状の人造黒鉛等の黒鉛質材料は、真密度が高く
また導電性に優れるため、容量が大きく(エネルギー密
度の高い)、パワー特性の良好なリチウム二次電池を構
成できるという利点がある。したがって、サイクル特性
のみでなく、より高エネルギー密度で、高出力な特性の
電池を作製することを目的とする場合には、負極活物質
に黒鉛質材料を用いるのが望ましい。上記利点を活かし
たリチウム二次電池を作製する場合、用いる黒鉛は、結
晶性の高いことが望ましく、(002)面の面間隔d
002が3.4Å以下であり、c軸方向の結晶子厚みLc
が1000Å以上のものを用いるのがよい。なお、人造
黒鉛は、例えば、易黒鉛化性炭素を2500℃以上の高
温で熱処理して製造することができる。この場合の原料
となる易黒鉛化性炭素には、コークス、ピッチ類を40
0℃前後で加熱する過程で得られる光学異方性の小球体
(メソカーボンマイクロビーズ:MCMB)等を挙げる
ことができる。
【0042】本発明のリチウム二次電池では、負極活物
質として難黒鉛化性非晶質炭素を選択することもでき
る。難黒鉛化性非晶質炭素は、いわゆるハードカーボン
と称されるものであり、ガラス状炭素に代表される非晶
質構造に近い炭素質材料である。この難黒鉛化性非晶質
炭素は、一般的には、熱硬化性樹脂を炭素化して得られ
る材料であり、黒鉛化度が低く、さらに熱処理温度を高
くしても黒鉛化構造が発達しない。
【0043】上記黒鉛質材料は、結晶性が高く比較的高
温度で焼成することが必要で、負極活物質のコストとい
う点で劣る。さらに、黒鉛質材料は、リチウムの吸蔵・
放出に伴う膨張・収縮の度合が大きく、充放電により負
極に大きな体積変化をもたらす。このことから、黒鉛質
材料を負極活物質に用いた場合、黒鉛質材料の負極から
の脱落等に起因するサイクル特性の悪化および電極の圧
迫に起因する内部短絡等が懸念される。
【0044】黒鉛質材料が炭素網間にあるステージにリ
チウムを吸蔵するのに対して、この難黒鉛化性非晶質炭
素には明確なステージが存在しないため、リチウムイオ
ンの吸蔵・放出に伴う膨張・収縮といった体積変化が小
さい。この性質から、負極活物質として用いた場合、活
物質粒子の脱落に起因するサイクル特性の劣化を抑制す
ることができ、また、電極の圧迫による内部短絡をも抑
制することができる。したがって、よりサイクル特性を
重視し、より安全性にも配慮したリチウム二次電池を作
製する目的の場合は、負極活物質に難黒鉛化性非晶質炭
素を用いるのが望ましい。
【0045】難黒鉛化性非晶質炭素は、例えば、有機化
合物を焼成することによって生成することができる。出
発原料としては、フルフリルアルコール樹脂、フルフラ
ノール樹脂、フラン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹
脂、ハロゲン化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミ
ドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセチレン等の共
役系樹脂、セルロースおよびその誘導体等の有機高分子
系化合物等を挙げることができる。これらの出発物質
を、例えば、窒素等の不活性ガス気流中にて300〜7
00℃で炭化させた、後1〜100℃/分の速度で90
0〜1500℃まで昇温し、到達温度にて0〜30時間
保持することによって、難黒鉛化性非晶質炭素を得るこ
とができる。結晶性の高い黒鉛質材料を得る場合に30
00℃近い温度以上で焼成しなければならないのに対
し、難黒鉛化性非晶質炭素は、比較的低温で焼成でき、
製造コストの安い炭素材料となる。したがって、比較的
安価なリチウム二次電池を作製するという目的の場合に
も、負極活物質に難黒鉛化性非晶質炭素を用いることは
有効である。
【0046】負極活物質に難黒鉛化性非晶質炭素を用い
る場合、その難黒鉛化性非晶質炭素は、(002)面の
面間隔d002が3.60Å以上であり、c軸方向の結晶
子厚みLcが500Å以下であることが望ましい。d
002が3.60Å未満、あるいはLcが500Åを超え
る場合は、黒鉛構造(グラファイト構造)が発達してお
り、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴い負極の膨張収縮
が大きく、そのため内部短絡の危険性が高くなるからで
あり、また、そのような黒鉛構造の発達したものは、高
温度での熱処理が必要で、必然的に製造コストが高くな
るからである。より望ましくは、d002が3.65Å以
上、Lcが100Å以下のものがよい。
【0047】また本発明のリチウム二次電池では、負極
活物質として易黒鉛化性炭素を選択することもできる。
易黒鉛化性炭素は、一般に石油や石炭から得られるター
ルピッチを原料としたもので、コークス、MCMB、メ
ソフェーズピッチ系炭素繊維、熱分解気相成長炭素繊維
等が挙げられる。また、フェノール樹脂等の有機化合物
焼成体をも用いることができる。易黒鉛化性炭素は、安
価な炭素材料であるため、コスト面で優れたリチウム二
次電池を構成できる負極活物質となり得る。したがっ
て、よりコスト面で優れた二次電池を作製する目的であ
る場合には、負極活物質に易黒鉛化性炭素を用いること
が望ましい。
【0048】種々の易黒鉛化性炭素の中でも、コークス
は低コストであり比較的容量も大きいという利点があ
り、この点を考慮すれば、コークスを用いるのが望まし
い。コークスを用いる場合には、(002)面の面間隔
002が3.3Å以上であり、c軸方向の結晶子厚みL
cが30Å以下のものを用いるのがよい。
【0049】上記、黒鉛質材料、難黒鉛化性非晶質炭
素、易黒鉛化性炭素等は、1種のものを単独で用いるこ
ともでき、また、それぞれの特性のバランスを考慮し、
2種以上を混合して用いることもできる。
【0050】炭素材料を負極活物質に用いた場合、結着
剤としては、正極同様、ポリフッ化ビニリデン等の含フ
ッ素樹脂等を、溶剤としてはN−メチル−2−ピロリド
ン等の有機溶剤を用いることができるが、これらの材料
に代えて、結着剤としてメチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース等のグループから選ばれる1種又は2
種以上のセルロースエーテル系物質とスチレンブタジエ
ンゴムラテックス、カルボキシ変性スチレンブタジエン
ゴムラテックス等の合成ゴム系ラテックス型接着剤との
複合バインダを用い、溶剤として水を用いることもでき
る。負極合材としての混合比は、負極活物質85〜97
重量部、結着剤3〜15重量部とするのが望ましい。
【0051】炭素材料等を負極活物質に用いた場合、負
極合材は、正極合材同様、集電体表面に塗工され、必要
に応じ圧縮形成されて、シート状の負極電極を構成す
る。負極集電体には、銅箔等を用いることができる。負
極集電体表面に形成される負極合材層の厚さは、正極の
場合と同様の理由から、厚さ200μm以下とするのが
望ましい。
【0052】正極と負極の間に挟装されるセパレータ
は、正極と負極とを分離し電解液を保持するものであ
り、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を
用いることができる。また非水電解液は、有機溶媒に電
解質であるリチウム塩を溶解させたもので、有機溶媒と
しては、非プロトン性有機溶媒、例えばエチレンカーボ
ネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、1,2−ジ
メトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、
塩化メチレン等の1種またはこれらの2種以上の混合液
を用いることができる。また、溶解させる電解質として
は、LiI、LiClO4、LiAsF6、LiBF4
LiPF6、LiN(CF3SO22等のリチウム塩を用
いることができる。
【0053】以上のもので構成されるリチウム二次電池
であるが、その形状は円筒型、積層型、コイン型等、種
々のものとすることができる。いずれの形状を採る場合
であっても、正極および負極にセパレータを挟装させ電
極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ず
る正極端子および負極端子までの間を集電用リード等を
用いて接続し、この電極体を非水電解液とともに電池ケ
ースに密閉して電池が完成させられる。
【0054】〈エージング処理〉上述したように本発明
のリチウム二次電池は、正極と、負極とを組付けて完成
させる。そして、本発明のエージング処理は、この組付
けられた電池に対して行う。ここで、「組付けられた」
とは、電極体を非水電解液とともに電池ケースに密閉し
て電池を完成させた状態のみをいうのではなく、正極と
負極とを積層等して電極体を形成させた状態をも含むこ
とを意味する。電極体を電池ケースに収納する前であっ
ても、形成した電極体を、電池ケース以外の別の容器等
にて非水電解液を含浸させ、その容器等内でエージング
処理を行うことも可能である。なおこの場合、電極体に
集電用リードが接合された状態で行うことも、集電用リ
ードが接合されていない状態で行うことも可能である。
【0055】本発明のエージング処理は、組付けられた
二次電池を、60℃以上90℃以下の温度下、1時間以
上1ヶ月以下の時間、保存することによって行う。一定
範囲の環境温度雰囲気を作り出すことができ、かつ、一
定の時間、組付けられた電池を存置できるものであれば
よく、エージング処理を行う装置を特に限定するもので
はない。
【0056】エージング温度は、60℃以上90℃以下
とする。エージング温度が60℃未満の場合は、適正な
被膜の形成が不充分で、高温サイクル特性の改善効果が
得られない。また、エージング温度が90℃を超える場
合は、電解液を構成する溶媒の蒸発、セパレータの溶着
といった減少が発生する可能性があるからである。同じ
エージング時間ではエージング温度が高いほど高温サイ
クル特性の改善効果が大きいことから、エージング温度
を70℃以上とすることがさらに好ましい。
【0057】エージング時間は、1時間以上1ヶ月以下
とする。エージング時間が1時間未満の場合は、適正な
被膜の形成が不充分で、高温サイクル特性の改善効果が
得られない。また、エージング時間が1ヶ月を超える場
合は、処理工数が大きくなるばかりでなく、かえって電
池の容量低下を招くことになり好ましくない。なお、後
に説明する実験により確認できたことであるが、6時間
以上1週間以下とすることがより望ましい。
【0058】エージング処理において、電池の充電状態
(SOC)も高温サイクル特性改善効果に影響を与え
る。その時点での可逆的に充放電可能な電気量を満充電
した状態をSOC=100%と、その時点での可逆的に
充放電可能な電気量をすべて放電した状態をSOC=0
%と定義すれば、SOC=20〜100%の状態の二次
電池にエージング処理を行うことが望ましい。これは、
負極中にドープされたLiイオンと電解液との反応によ
って、効率的に良質な被膜が形成されるという理由から
である。ただし、エージング温度が70℃以上のエージ
ング処理を行う場合は、処理する二次電池をSOC=6
0%以下とするのが望ましい。70℃以上のエージング
処理を高SOC状態の二次電池に行うと、被膜生成によ
り失活するLiイオン量が増加し、高温サイクル特性改
善効果が小さくなってしまうからである。
【0059】エージング処理を行う時期は、特に限定す
るものではないが、電解液を注入し電極に充分になじま
せた後、なるべく早い時期に行うことが望ましい。これ
は、負極電位が高い状態で長期保存することを避けるた
めである。エージング前に二次電池に充電を行う場合
は、1/3C以下の低電流で行うことが望ましい。1/
3Cを超える電流で行う場合は、局所的な反応を起こし
やすく、その後のエージング処理によっても均一な被膜
を形成できないおそれがあるからである。電解液を注入
後、電池をなじませるために、1〜数回の充放電を繰り
返すコンディショニングを行い、その後にエージング処
理を行うこともできる。
【0060】
【実施例】(1)種々のリチウムマンガン複合酸化物の
正極活物質としての評価 上記実施形態に基づく種々の条件でリチウムマンガン酸
化物を実際に製造し、これらのリチウムマンガン酸化物
と、市販されているリチウムマンガン酸化物との比較を
行った。そして上記実施形態に基づくリチウムマンガン
酸化物を正極活物質に用いた二次電池を作製し、市販さ
れている二次電池または市販されているリチウムマンガ
ン複合酸化物を正極活物質として作製した二次電池との
間でサイクル特性の比較評価を行った。以下にこれらの
結果について掲げる。
【0061】〈リチウムマンガン複合酸化物の製造およ
びリチウム二次電池の製造〉上記実施形態に基づくリチ
ウムマンガン複合酸化物(以下、「本リチウムマンガン
複合酸化物」という)の製造は、Li源としてLi2
3、Mn源としてMnO2を用いた。また、Mnサイト
を置換する場合の置換金属にはNiを選択し、このNi
源としてNi(OH)2を用いた。これらの粉砕混合に
は、容量4.5lのSi3Ni4のポットを有するボール
ミルを用い、ボールはボール径13mmφおよび5mm
φのSi3Ni4製のものを体積にして約1.4l使用し
た。
【0062】作製した二次電池は、18650型の円筒
形電池であり、特に断りのない限り、構成は次のような
ものとした。正極は、活物質として本リチウムマンガン
複合酸化物を90重量部、導電材としてカーボンブラッ
クを7重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを9
重量部の割合で混合して正極合材とし、この正極合材を
アルミニウム箔集電体の両面に片面あたり40μmの厚
さで塗工して形成した。負極は、活物質として人造黒鉛
を95重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン5重
量部の割合で混合して負極合材とし、この負極合材を銅
箔集電体の両面に片面あたり45μmの厚さで塗工して
形成した。セパレータには、25μmのポリエチレン製
多孔質膜を、非水電解液には、エチレンカーボネートと
ジエチルカーボネートとを体積比1:1で混合した混合
溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解させたものを用い
た。
【0063】〈回折ピークの半値幅および粒子形状〉M
nサイトを置換していない組成式LiMn24で表され
る本リチウムマンガン複合酸化物を実施例1として製造
した。またMnサイトをNiで置換したLiNi0.05
1.954、LiNi0.1Mn1.94、LiNi0.2Mn
1.84のものを実施例2、実施例3、実施例4、として
それぞれ製造した。これらの製造において、ボールミル
による粉砕混合時間は4時間、焼成条件は900℃で1
2時間とした。これら実施例1〜4のリチウムマンガン
複合酸化物に対して粉末X線回折分析を行い、(40
0)回折ピークの半値幅およびWilson法による格
子ひずみを求めた。また比較例1として市販されている
LiMn24を、比較例2として市販されているLiC
0.1Mn1.94を選び、これらに対しても粉末X線回
折分析を行い、(400)回折ピークの半値幅およびW
ilson法による格子ひずみを求めた。これらのデー
タを下記表1に示す。また、上記実施例3のリチウムマ
ンガン複合酸化物のX線回折チャートを図1に、比較例
2のX線回折チャートを図2に示す。
【0064】
【表1】
【0065】図1および図2から明らかなように、実施
例3リチウムマンガン酸化物の各回折ピークは、比較例
2ものよりシャープであり、また表1から明らかなよう
に、実施例のリチウムマンガン複合酸化物は、半値幅お
よび格子ひずみの両者において、比較例1および比較例
2のリチウムマンガン複合酸化物より小さい値を示して
いることが判る。これにより本リチウムマンガン複合酸
化物が非常に結晶性のよいものであることが確認され
た。なお、図2に示す比較例2のリチウムマンガン複合
酸化物は、★印の位置に不純物相のピークが存在し、M
nサイトにCoが完全に置換されていないことが覗われ
る。これに対して実施例3のリチウムマンガン複合酸化
物は、スピネルの単相となっており、この点からも本リ
チウムマンガン複合酸化物が結晶性に優れているものと
いえる。
【0066】次に、実施例1および比較例1のリチウム
マンガン複合酸化物の粒子形状を走査型顕微鏡(SE
M)にて観察した。実施例1のリチウムマンガン複合酸
化物のSEM写真を図3に、比較例1のリチウムマンガ
ン複合酸化物のSEM写真を図4にそれぞれ示す。比較
例1のものが非常に小さな不規則形状の1次粒子が集合
した状態となっているのに対して、実施例1のものは、
規則的な八面体形状の粒子となっていることが判る。こ
の状態からも、本リチウムマンガン複合酸化物が結晶性
のよいものであることが確認された。なお、実施例1の
リチウムマンガン複合酸化物は、八面体形状の1次粒子
が凝集して2次粒子を形成している。
【0067】〈リチウム二次電池のサイクル特性〉上記
実施例3のリチウムマンガン複合酸化物と、比較例2の
リチウムマンガン複合酸化物とを正極活物質に用い、上
述した構成のリチウム二次電池をそれぞれ作製した。こ
れら2種の二次電池ついて、充放電サイクル試験を行い
サイクル特性を調べた。充放電サイクル試験の条件は、
電池の実使用温度範囲の上限と考えられる60℃の下、
終止電圧4.2Vまで1mA/cm2の定電流で充電を
行い、その後終止電圧3.0Vまで1mA/cm2の定
電流で放電を行うものを1サイクルとし、100サイク
ルまでの各サイクルの正極活物質単位重量当たりの放電
容量を測定するものとした。各二次電池のサイクル数と
容量維持率(そのサイクルの放電容量/初期放電容量×
100(%))の関係を図5に示す。
【0068】図5から明らかなように、100サイクル
目の容量維持率を比較すれば、本リチウムマンガン複合
酸化物LiNi0.1Mn1.94を正極活物質に用いた実
施例3のリチウム二次電池が、市販LiCo0.1Mn1.9
4を正極活物質に用いた比較例2の二次電池よりも優
れていることが判る。またこの後サイクルを重ねるにつ
れ容量維持率の差はさらに開くものと予想される。これ
らのことから、本リチウムマンガン複合酸化物を正極活
物質としたリチウム二次電池は、サイクル特性、特に高
温下におけるサイクル特性に優れていることが確認され
た。
【0069】〈リチウムマンガン複合酸化物の比表面積
と粒度〉上記実施形態に示す条件のなかで、ボールミル
粉砕混合時間、Ni置換量、焼成条件のそれぞれの条件
を変更させて、種々のリチウムマンガン複合酸化物を製
造し、それらのBET比表面積を測定した。組成式をL
iNi0.1Mn1.94で表されるものに固定し、焼成条
件を900℃、12時間に固定して、ボールミルによる
粉砕混合時間を変えたものを実施例5とし、ボールミル
での粉砕混合時間を24時間に固定し、焼成条件を90
0℃、12時間に固定して、Niの置換割合を変更させ
たものを実施例6とし、さらに、組成式をLiNi0.1
Mn1.94で表されるものに固定し、ボールミルでの粉
砕混合時間を4時間に固定して、焼成条件を変更させた
ものを実施例7とした。実施例5、実施例6、実施例7
のそれぞれのリチウム複合酸化物の比表面積の値を、表
2、表3、表4に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】表1、表2、表3から判るように、ボール
ミル粉砕混合時間、Ni置換量、焼成条件のそれぞれの
条件を変更させることによって、製造されたリチウムマ
ンガン複合酸化物の比表面積が値が変わる。しかし、い
ずれのリチウムマンガン複合酸化物も、適正範囲である
0.2m2/g以上2m2/g以下となっている。前もっ
て測定した、上記比較例1および比較例2の市販されて
いるリチウムマンガン複合酸化物の比表面積が、いずれ
も2.1m2/gであることから、本リチウムマンガン
複合酸化物が、比較的比表面積が小さいものとなってお
り、高温でのサイクル劣化を抑制し得るものであること
が確認できた。
【0074】次に、上記実施例6のリチウムマンガン複
合酸化物について2次粒子の球換算平均粒径および粒度
分布を測定により求めた。そして市販のリチウムマンガ
ン複合酸化物である上記比較例1のものと比較した。球
換算平均粒径の比較を下記表5に、実施例6のリチウム
マンガン複合酸化物の粒度分布を図6に、比較例1のリ
チウムマンガン複合酸化物の粒度分布を図7に示す。
【0075】
【表5】
【0076】表5が示すように、実施例6のいずれのリ
チウムマンガン複合酸化物は、2次粒子の球換算平均粒
径が、適正範囲である5μm以上25μm以下のものと
なっている。これに対して市販リチウムマンガン複合酸
化物である比較例1のものは、26.0μmと大きいも
のとなっている。この結果からも本リチウムマンガン複
合酸化物は、リチウム二次電池の正極活物質として好適
であることが判る。
【0077】また、図7に示す比較例1のリチウムマン
ガン複合酸化物の粒度分布は、広い範囲に分散している
のに対して、図6に示す実施例6のリチウムマンガン複
合酸化物の粒度分布は、メジアン径が約6μmで、4μ
m以上8μm以下のものが全体の60%を占め、狭い範
囲のものとなっており、粒径として均一であることが判
る。この点でも、本リチウムマンガン複合酸化物は、リ
チウム二次電池の正極活物質として好適であることが確
認できる。
【0078】〈条件変更における二次電池のサイクル特
性〉上記実施形態に示す条件の中で、ボールミル粉砕混
合時間、Ni置換量、焼成条件のそれぞれの条件を変更
させた、実施例5、実施例6、実施例7のリチウムマン
ガン複合酸化物を用いて、それぞれリチウム二次電池を
作製し、条件の変更によるサイクル特性を比較した。充
放電サイクル特性は、上記条件と同一条件とした。ボー
ルミル粉砕混合時間を変更させた実施例5のリチウムマ
ンガン複合酸化物を正極活物質に用いた二次電池のサイ
クル特性については図8に、Ni置換量を変更させた実
施例6のものについては図9に、焼成条件を変更させた
実施例7のものについては図10に、それぞれ示す。
【0079】粉砕混合時間に対するサイクル特性の変化
は、図8に示すようになっており、2〜72時間の粉砕
混合を行った実施例5のいずれの二次電池も、良好なサ
イクル特性を有するものとなっていることが確認でき
た。中でも、粉砕混合を4時間行った実施例5−2の電
池が、初期容量および容量維持率の両者に優れた二次電
池となっている。粉砕混合を2時間行った実施例5−1
の電池の容量維持率が若干劣るのは、混合が若干不十分
であり、リチウムマンガン複合酸化物の均一性が若干劣
るものとなっているためと考えられる。また、粉砕混合
を72時間行った実施例5−4のものが、サイクル特性
において若干劣るものとなっているのは、粉砕により原
料の微粉化が進み、得られたリチウムマンガン複合酸化
物粒子が小さいものとなって、電解液との反応がしやす
いためであると考えられる。したがって、より望ましい
粉砕混合時間は4〜24時間であると考えられる。
【0080】Ni置換量に対するサイクル特性の変化
は、図9に示すようになっており、置換量(LiNiy
Mn2-y4におけるyの値)が0〜0.2の実施例6の
いずれの二次電池も良好なサイクル特性を有するものと
なっていることが確認できた。中でも置換量0.1、
0.2の実施例6−3、6−4の二次電池がより優れて
いることが判る。また中でも、置換量0.1の実施例6
−3の二次電池は、初期容量においても高い値を示して
いる。この結果から、Ni置換量が0.1程度のリチウ
ムマンガン複合酸化物が、最も良好な二次電池を構成す
ることが判る。
【0081】焼成条件に対するサイクル特性の変化は、
図10に示すようになっており、実施例7−1〜7−6
のいずれの二次電池も良好な値を示すことが確認でき
た。焼成温度850℃の実施例7−1のものが、サイク
ル特性において若干劣るのは、反応が完全に進行せず、
リチウムマンガン複合酸化物の結晶性が若干低いためと
考えられる。また、焼成温度980℃の実施例7−6の
ものが、サイクル特性において若干劣るのは、スピネル
構造の分解が若干進行したためと考えられる。この結果
から、より望ましい焼成温度は900〜950℃の範囲
であると考えられる。
【0082】(2)負極活物質の選択によるサイクル特
性の違い 上記実施形態に基づく正極活物質を用いた正極に対し
て、異なる炭素材料を負極活物質に用いた負極を組み合
わせ、種々のリチウム二次電池を作製した。そして、負
極活物質の違いによるそれぞれの二次電池のサイクル特
性を評価した。以下、これについて説明する。なお、作
製した二次電池の構成は、特に指示のない限り「(1)
種々のリチウムマンガン複合酸化物の正極活物質として
の評価」の項で示した構成と同様とした。
【0083】正極活物質は、上記原料を所定割合で混合
し、930℃で12時間焼成することによって得られ
た、組成式Li1.05Ni0.1Mn1.854で表されるリチ
ウムマンガン複合酸化物である。このLi1.05Ni0.1
Mn1.854のSEM写真を図11に示す。図3に示す
上記実施例1の場合ののものと同様、1次粒子が八面体
形状をしており、この1次粒子が凝集して2次粒子を形
成している様子が確認できる。また、2次粒子の平均粒
径(球換算平均粒径)は約10μm、BET比表面積は
0.37m2/gであり、CuKα線を用いた粉末X線
回折法による(400)回折ピークの半値幅が0.08
θであった。
【0084】正極は、このLi1.05Ni0.1Mn1.854
の90重量部に対して、導電材としてカーボンブラック
(東海カーボン製)を7重量部、結着剤としてポリフッ
化ビニリデンを10重量部添加し、混練して正極合材と
し、この正極合材を用いて作製した。
【0085】負極活物質となる炭素材料は、4種類のも
のを用いた。その1つは、等方性ピッチを1000℃の
温度で10時間熱処理した難黒鉛化性非晶質炭素で、
(002)面の面間隔d002が0.38Å、c軸方向の
結晶子厚さLcが約12Åのものである。この難黒鉛化
性非晶質炭素の90重量部に対して、結着剤としてポリ
フッ化ビニリデン10重量部を添加し、混練して負極合
材を得、この負極合材を用いて負極を作製した。上記正
極と負極とを組み合わせた二次電池を、実施例8−1の
二次電池とした。
【0086】また、難黒鉛化性非晶質炭素に代え、負極
活物質に、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)を
2800℃の温度で焼成して得られた、d002が3.3
6Å、Lcが約1000Åの黒鉛質材料を用いたものを
実施例8−2の二次電池とした。同様に、炭素繊維(ガ
ラス状炭素)を2500℃の温度で焼成して得られた、
002が3.34Å、Lcが約1000Åの黒鉛質材料
を用いたものを実施例8−3の二次電池とした。さら
に、1000℃の温度で熱処理して得られた、d 002
3.34Å、Lcが24Åのコークスを負極活物質とし
て用いた二次電池を実施例8−4の二次電池とした。
【0087】この実施例8−1〜8〜4の二次電池に対
して、充放電サイクル試験を行った。充放電サイクル試
験の条件は、「(1)種々のリチウムマンガン複合酸化
物の正極活物質としての評価」の項で示した上記条件と
同一条件とした。充放電サイクル試験によって測定され
た各サイクルにおける放電容量から求めた各二次電池の
容量維持率を図12に示す。
【0088】図12の結果から判るように、黒鉛質材料
を負極活物質に用いた、実施例8−2、8−3の二次電
池より、難黒鉛化性非晶質炭素を負極活物質に用いた実
施例8−1の二次電池が、高い容量維持率を示してお
り、サイクル特性が良好であることが確認できる。な
お、負極活物質にコークスを用いた実施例8−4の二次
電池は、コークス中に残留した水素や酸素の原子が副反
応をもたらし、これらの実施例の二次電池の中では、比
較的サイクル特性が悪くなったと考えられる。これらの
結果を総合すれば、本発明の正極活物質を用いた正極を
有するリチウム二次電池において、負極活物質に難黒鉛
化性非晶質炭素を選択することが、リチウム二次電池の
サイクル特性の向上により有効であることが確認でき
る。
【0089】(3)エージング処理試験 上記実施形態に基づく正極活物質を用いた正極と、黒鉛
質材料を負極活物質に用いた負極とを組み合わせ、本発
明のリチウム二次電池を作製した。そして、この二次電
池に、上記実施形態に基づく各種条件のエージング処理
を行い、高温サイクル特性の改善効果を確認した。な
お、比較例としては、エージング処理を施さなかったも
の、適正範囲を下回る低いエージング温度でエージング
処理を施したものおよび結晶性の高くない正極活物質を
用いた二次電池に対するものに対するデータを用いた。
以下、これらについて説明する。
【0090】〈実施例9〉正極活物質は、上記実施例8
の場合と同じものであり、所定の原料を所定割合で混合
し、930℃で12時間焼成することによって得られた
組成式Li1.05Ni0.1Mn1.854で表されるリチウム
マンガン複合酸化物である。このLi1.05Ni0.1Mn
1.854は、1次粒子が八面体形状をしており、この1
次粒子が凝集して2次粒子を形成している。また、2次
粒子の平均粒径(球換算平均粒径)は約10μm、BE
T比表面積は0.37m2/gであり、CuKα線を用
いた粉末X線回折法による(400)回折ピークの半値
幅が0.08θであった。
【0091】正極は、このLi1.05Ni0.1Mn1.854
の90重量部に対して、導電材としてカーボンブラック
(東海カーボン製)を7重量部、結着剤としてポリフッ
化ビニリデンを10重量部添加し、混練してペースト状
の正極合材とし、この正極合材を厚さ20μmのアルミ
ニウム箔集電体に塗布し、乾燥後、プレスによって密度
を高めるようにして作製した。
【0092】負極活物質には、黒鉛質材料の一種である
黒鉛化メソフェーズ小球体(MCMB)を用いた。この
黒鉛化MCMBは、熱処理温度2800℃で焼成したも
のであり、(002)面の面間隔d002が3.35Å、
C軸方向の結晶子厚さLcが1200Åであった。負極
は、上記負極活物質90重量部に対して、結着剤として
ポリフッ化ビニリデン10重量部を添加し、混練してペ
ースト状の負極合材を得、この負極合材を厚さ10μm
の銅箔集電体に塗布し、乾燥後、プレスによって密度を
高めるようにして作製した。
【0093】上記正極および負極を、厚さ25μmのポ
リエチレン製セパレータを介して捲回し、電極体を作製
し、この電極体を18650型電池缶に非水電解液とと
もに封入し、リチウム二次電池を組付けた。なお、非水
電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネ
ートとを体積比1:1で混合した混合溶媒にLiPF 6
を1Mの濃度で溶解させたものを用いた。
【0094】次いで、組付けて完成した電池をコンディ
ショニングに供した。コンディショニング条件は、20
℃の温度の下、電流値100mA(約1/5Cに相当)
で、電池電圧4.2V間で充電し続いて3.0Vまで放
電することを1サイクルとし、これを3サイクル繰り返
すものとした。
【0095】コンディショニングが完了した二次電池に
対して、エージング処理をおこなった。エージング処理
の条件は、エージング温度60〜80℃、エージング時
間6〜508時間、SOC=30〜100%の範囲でそ
れぞれ変化させ、下記表6に示す13種類のものとし
た。それぞれの条件に応じ、実施例9−1〜9−13と
した。なお、SOCの調整は、コンディショニング後、
100mAの電流で想定の値となるように充電すること
によって行った。
【0096】〈比較例3〉エージング処理の対象となる
リチウム二次電池は、上記実施例9のものと同じもので
ある。比較例3−1は、エージング処理をまったく行わ
ないものとした。比較例3−2は、エージング処理時間
を24時間、エージングに供する二次電池をSOC=1
00%とし、エージング温度を適性範囲を下回る40℃
としてエージング処理を行った。下記表6に、本比較例
のエージング処理条件も併せて示す。
【0097】〈比較例4〉エージング処理の対象となる
二次電池は、正極活物質に、組成式LiCo0.1Mn1.9
4で表され、CuKα線を用いた粉末X線回折法によ
る(400)回折ピークの半値幅が0.185θとなる
リチウムマンガン複合酸化物を用いた。つまり、上記本
発明の正極活物質となるリチウムマンガン複合酸化物と
異なり、結晶性の低いものである。二次電池の他の構成
については、上記実施例9の場合の二次電池と同様とし
た。
【0098】そのリチウム二次電池に対して、比較例4
−1の場合は、エージング処理をまったく行わず、比較
例4−2の場合は、エージング処理時間を24時間、エ
ージング温度を80℃、二次電池の充電状態をSOC=
30%とする条件のエージング処理を行った。下記表6
に、本比較例のエージング処理条件も併せて示す。
【0099】
【表6】
【0100】〈充放電サイクル試験後の結果とエージン
グ処理の評価〉上記実施例9および比較例3、4のエー
ジング処理を施したそれぞれの二次電池に対して、充放
電サイクル試験を行った。充放電サイクル試験の条件
は、電池の実使用温度の上限と目される60℃の環境温
度の下、1mA/cm2の電流密度で、電池電圧4.2
Vまで定電流充電を行い続いて3.0Vまで定電流放電
を行うことを1サイクルとし、このサイクルを300サ
イクルまで行うものとした。各サイクルの放電容量を測
定し、また、初期放電容量(1サイクル目の放電容量)
に対する300サイクル時の放電容量の百分率を求め、
これを300サイクル時の容量維持率とした。
【0101】また、初期電池内部抵抗(1サイクル目の
電池内部抵抗)と、300サイクル時の電池内部抵抗を
測定し、初期電池内部抵抗に対する300サイクル時の
電池内部抵抗増加量の百分率を求め、これを300サイ
クル時の内部抵抗増加率とした。なお、本充放電サイク
ル試験の場合、充電電流値と放電電流値は等しくかつ定
電流で充放電を行っていることから、充電平均電圧と放
電平均電圧との差を採り、それを2で除することで充電
分極と放電分極との平均値とし、さらにそれを充放電電
流値で徐することにより簡易的な電池内部抵抗とした。
つまり電池内部抵抗は、次式に表す計算によって求めた
ものである。内部抵抗=(充電平均電圧−放電平均電
圧)/(充放電電流×2) 図13に、実施例9−3、比較例3−1、4−1、4−
2の場合の充放電サイクル試験におけるそれぞれの二次
電池の各サイクルの正極活物質単位重量当たりの放電容
量を示す。本発明の正極活物質を用いた二次電池である
実施例9−3および比較例3−1のデータを比較すれ
ば、エージング処理を行った実施例9−3のは、初期放
電容量については減少するものの、その後の充放電サイ
クルによっても放電容量の低下は小さく、約200サイ
クル以降でエージング処理を施していない比較例3−1
よりも放電容量が上回ることが判る。したがって、本発
明のエージング処理は、高温サイクル特性の改善に効果
があることが確認できる。
【0102】また、結晶性の低い正極活物質を用いた比
較例4−1、4−2のデータとも比較すれば、結晶性の
よい本発明の正極活物質を用いた二次電池が、高温サイ
クル特性について優ることが確認できる。なお、比較例
4の二次電池が、エージング処理を行っても高温サイク
ル特性改善の効果が見られないのは、エージング処理中
において、正極活物質からMnが溶出し、それを核とし
たLi化合物の被膜が、負極表面に生成するためである
と考えられる。
【0103】次に、実施例9の様々なデータを用いて、
エージング時間、エージング温度、エージングに供する
二次電池のSOCの違いによる高温サイクル特性の改善
効果を確認する。高温サイクル特性の改善効果は、30
0サイクル時の容量維持率および300サイクル時の内
部抵抗増加率で判断した。ちなみに、エージング処理を
施していない比較例3−1の二次電池の300サイクル
時の容量維持率は62.0%、300サイクル時の内部
抵抗増加率は56.0%であり、この値と比較すること
により改善効果の大きさを判断する。
【0104】図14に、エージング温度80℃、電池S
OC=30%の場合における、エージング時間の違いに
よる容量維持率および内部抵抗増加率の違いを示す。図
から明らかなように、エージング時間が6時間〜508
時間の間では、いずれも高温サイクル特性が改善されて
いることが判る。したがって、このデータから推し量れ
ば、エージング時間が1時間以上1ヶ月以下であれば高
温サイクル特性が充分改善されることが確認できる。ま
た、図のデータから推し量れば、エージング時間が6時
間以上1週間以下の場合がより大きな改善効果が得られ
ることが判る。
【0105】図15に、電池各SOCにおける、エージ
ング温度の違いによる容量維持率および内部抵抗増加率
の違いを示す。なお、比較のため、エージング温度40
℃でエージング処理を行った比較例3−2のデータにつ
いても併せて掲載している。図から明らかなように、6
0℃以上80℃以下の範囲では、サイクル特性改善の効
果が見られる。リチウム二次電池の構成等から推測する
に、90℃以下であればサイクル特性改善効果は期待で
きる。
【0106】また、エージング温度を高くするにつれて
高温サイクル特性改善の効果が大きくなることが判る。
したがって、70℃以上の温度でエージング処理を行う
のがより望ましいことが確認できる。なお、温度が高く
なるにつれて、SOCの違いによる改善効果の違いが顕
著になる。70℃以上のエージング温度の場合は、SO
C=60%以下とするのがより望ましいことが確認でき
る。
【0107】図16に、各エージング温度における、電
池のSOCの違いによる容量維持率および内部抵抗増加
率の違いを示す。エージング温度が低い場合は、エージ
ングに供する電池のSOCによっては、高温サイクル特
性改善効果はそれほど異ならない。しかし、図15の説
明で述べたように、エージング温度が高くなるにつれ
て、SOCを小さくした二次電池をエージング処理する
ことが望ましいことが、この図からも確認できる。
【0108】〈微分容量曲線からの評価〉本発明のエー
ジング処理による高温サイクル特性改善の効果を、微分
容量曲線から評価した。微分容量曲線は、充放電曲線か
ら求められ、どの電位(電池電圧)でどのぐらいの容量
が存在するかを確認することができる。図17に、エー
ジング処理を施した二次電池の一例として実施例9−4
の二次電池の微分容量曲線を、図18に、エージング処
理を施していないものの例として比較例3−1の二次電
池の微分容量曲線を、それぞれ示す。
【0109】2つのを比較して判るように、図17に示
すエージング処理を行った二次電池の微分容量曲線は、
図18に示すエージング処理を施していない二次電池の
微分容量曲線と比較して、全体的にピーク形状がブロー
ドになり、またピークが低電位側にシフトしている。そ
の中でも、充電時において、電池電圧3.6V付近に正
極の酸化反応若しくは負極の還元反応と思われるピーク
が見られた。このように、本発明のエージング処理を行
った二次電池は、ピークが低電位側にシフトし、低電位
側において新たな容量が観測された。エージング処理を
施した他の二次電池の微分容量曲線も同じ傾向を示して
いる。
【0110】上記のようなピーク形状を示す理由は、エ
ージング処理による正極活物質におけるリチウムの利用
範囲の変化であると考えられる。上述したように、Li
1.05Ni0.1Mn1.854を正極活物質に用いたリチウム
二次電池の場合、4.2Vまで充電すると正極活物質の
組成はLi1.05-aNi0.1Mn1.854(a≒0.7)に
変化し、その後4.2〜3.0Vの充放電においてa≒
0.1〜0.7の範囲でリチウムが利用されると考えら
れる。エージング処理を施した実施例9−4の二次電池
では、負極表面の被膜によってLiが消費されているた
めにa範囲は変化し、その後の充放電では、概ねa≒
0.2〜0.6の範囲でリチウムが利用されている考え
られる。
【0111】この結果から判断すれば、本エージング処
理は、負極表面に生成する被膜の適正化に加え、このよ
うな低電位側の容量増加をもたらすことによっても、リ
チウム二次電池の高温サイクル特性を改善するものとな
っている。
【0112】
【発明の効果】本発明のリチウム二次電池用正極活物質
は、スピネル構造であって、結晶性の高いリチウムマン
ガン複合酸化物を含むように構成するものである。この
ような構成としたことにより、本正極活物質を用いたリ
チウム二次電池は、繰り返される充放電によっても放電
容量の劣化が少ない、サイクル特性、特に高温下におけ
るサイクル特性の良好な二次電池となる。
【0113】また、本発明の正極活物質の製造方法は、
Liを含有する原料と、Mnを含有する原料と、必要に
応じて前記金属Mを含有する原料とを、ボールミル中で
湿式粉砕混合することを特徴とし、続く焼成工程とを組
み合わせることによって、均一でかつ結晶性の高いリチ
ウムマンガン複合酸化物を含む正極活物質を、簡便に製
造できる方法となる。
【0114】さらに、本発明のリチウム二次電池は、上
記正極活物質を用いた正極と、炭素材料を負極活物質と
する負極とを組み合わせたものであり、異なる種類の炭
素材料を選択することにより、目的に応じた特性のリチ
ウム二次電池となる。そしてさらに、本発明のエージン
グ処理は、上記二次電池を、比較的高温下に保存すると
いった簡便な処理方法によって、そのリチウム二次電池
高温サイクル特性を改善することができる。つまり、本
発明のエージング処理によれば、上記リチウム二次電池
を、充放電を繰り返すことによってもより容量低下の少
ないかつより電池内部抵抗の上昇の少ない二次電池とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の正極活物質を構成するリチウムマン
ガン複合酸化物のX線回折チャートを示す。
【図2】 市販されているリチウムマンガン複合酸化物
のX線回折チャートを示す。
【図3】 本発明の正極活物質を構成するリチウムマン
ガン複合酸化物のSEM写真を示す。
【図4】 市販されているリチウムマンガン複合酸化物
のSEM写真を示す。
【図5】 本発明の正極活物質を用いた実施例の二次電
池と、市販されているリチウムマンガン複合酸化物を正
極活物質に使用した比較例の二次電池と、市販電池の、
サイクル数と容量維持率の関係を示す。
【図6】 本発明の正極活物質を構成するリチウムマン
ガン複合酸化物の粒度分布を示す。
【図7】 市販されているリチウムマンガン複合酸化物
の粒度分布を示す。
【図8】 本発明の正極活物質を構成するリチウムマン
ガン複合酸化物の粉砕混合時間に対する二次電池のサイ
クル特性の変化を示す。
【図9】 本発明の正極活物質を構成するリチウムマン
ガン複合酸化物のNi置換量に対する二次電池のサイク
ル特性の変化を示す。
【図10】 本発明の正極活物質を構成するリチウムマ
ンガン複合酸化物の焼成条件に対する二次電池のサイク
ル特性の変化を示す。
【図11】 本発明の正極活物質となるリチウムマンガ
ン複合酸化物であって、図3に掲げたものとは別のリチ
ウムマンガン複合酸化物のSEM写真を示す。
【図12】 本発明のリチウム二次電池において、負極
活物質に異なる炭素材料を選択した場合の容量維持率の
比較を示す。
【図13】 エージング処理を施したまたは施さなかっ
た各種二次電池の充放電サイクル試験における各サイク
ルの正極活物質単位重量当たりの放電容量を示す。
【図14】 エージング処理試験において、エージング
温度80℃、電池SOC=30%の場合における、エー
ジング時間の違いによる容量維持率および内部抵抗増加
率の違いを示す。
【図15】 エージング処理試験において、電池各SO
Cにおける、エージング温度の違いによる容量維持率お
よび内部抵抗増加率の違いを示す。
【図16】 エージング処理試験において、各エージン
グ温度における、電池のSOCの違いによる容量維持率
および内部抵抗増加率の違いを示す。
【図17】 エージング処理を施した二次電池の微分容
量曲線を示す。
【図18】 エージング処理を施さなかった二次電池の
微分容量曲線を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月28日(1999.7.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 秀之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 伊藤 勇一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 右京 良雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4G048 AA04 AA05 AB05 AC06 AD04 AD06 AE05 5H003 AA04 BA01 BA03 BA04 BB01 BB05 BC01 BC06 BD00 BD01 BD02 5H014 AA01 AA06 BB01 BB06 EE08 EE10 HH00 HH06 HH08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式Li1+xyMn2-x-y4-z(Mは
    Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、W、
    Mg、Alのうちの1種以上、0≦x<0.2、0≦y
    <0.5、0≦z<0.2)で表され、CuKα線を用
    いた粉末X線回折法による(400)回折ピークの半値
    幅が0.02θ以上0.1θ以下(θは回折角)であ
    り、1次粒子の形状が八面体をなすリチウムマンガン複
    合酸化物を含むことを特徴とするリチウム二次電池用正
    極活物質。
  2. 【請求項2】 前記リチウムマンガン複合酸化物は、前
    記1次粒子が凝集して2次粒子を形成している請求項1
    に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
  3. 【請求項3】 前記リチウムマンガン複合酸化物は、前
    記2次粒子の球換算平均粒径が5μm以上25μm以下
    であり、かつBET比表面積が0.2m2/g以上2m2
    /g以下である請求項2に記載のリチウム二次電池用正
    極活物質。
  4. 【請求項4】 組成式Li1+xyMn2-x-y4-z(Mは
    Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、W、
    Mg、Alのうちの1種以上、0≦x<0.2、0≦y
    <0.5、0≦z<0.2)で表され、CuKα線を用
    いた粉末X線回折法による(400)回折ピークの半値
    幅が0.02θ以上0.1θ以下(θは回折角)であ
    り、1次粒子の形状が八面体をなすリチウムマンガン複
    合酸化物を含むことを特徴とするリチウム二次電池用正
    極活物質を製造する方法であって、Liを含有する原料
    と、Mnを含有する原料と、必要に応じて前記金属Mを
    含有する原料とを、湿式粉砕・混合して混合物を得る粉
    砕混合工程と、前記粉砕混合工程で得られた混合物を焼
    成してリチウムマンガン複合酸化物を得る焼成工程とを
    有することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 組成式Li1+xyMn2-x-y4-z(Mは
    Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、W、
    Mg、Alのうちの1種以上、0≦x<0.2、0≦y
    <0.5、0≦z<0.2)で表され、CuKα線を用
    いた粉末X線回折法による(400)回折ピークの半値
    幅が0.02θ以上0.1θ以下(θは回折角)であ
    り、1次粒子の形状が八面体をなすリチウムマンガン複
    合酸化物を含む正極活物質を用いた正極と、 リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材料を含む負極
    活物質を用いた負極とを有するリチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 前記炭素材料は、難黒鉛化性非晶質炭素
    である請求項5に記載のリチウム二次電池。
  7. 【請求項7】 前記難黒鉛化性非晶質炭素は、(00
    2)面の面間隔d002が3.60Å以上であり、c軸方
    向の結晶子厚みLcが500Å以下である請求項6に記
    載のリチウム二次電池。
  8. 【請求項8】 組成式Li1+xyMn2-x-y4-z(Mは
    Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、W、
    Mg、Alのうちの1種以上、0≦x<0.2、0≦y
    <0.5、0≦z<0.2)で表され、CuKα線を用
    いた粉末X線回折法による(400)回折ピークの半値
    幅が0.02θ以上0.1θ以下(θは回折角)であ
    り、1次粒子の形状が八面体をなすリチウムマンガン複
    合酸化物を含む正極活物質を用いた正極と、リチウムイ
    オンを吸蔵・放出可能な炭素材料を含む負極活物質を用
    いた負極とを有するリチウム二次電池のエージング処理
    方法であって、 組付けられた二次電池を、60℃以上90℃以下の温度
    下、1時間以上1ヶ月以下の時間、保存することを特徴
    とするリチウム二次電池のエージング処理方法。
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