JP2013129589A - 複合酸化物及びその製造方法、リチウム二次電池用正極、並びにリチウム二次電池 - Google Patents

複合酸化物及びその製造方法、リチウム二次電池用正極、並びにリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】
ハイレート特性に優れるリチウム二次電池の正極活物質として有用な複合酸化物及びその製造方法、前記複合酸化物を用いて得られるリチウム二次電池用正極、並びに前記リチウム二次電池用正極を備えるリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】
式(I)で示される組成を有し、BET比表面積が0.1〜3.0m/g、タップ密度が0.8〜2.5g/cm、78MPaにおけるプレス密度が1.5〜3.2g/cmで、かつ、二次粒子の粒子径D50が1〜30μmであることを特徴とする複合酸化物。
【化1】
Figure 2013129589

(式中、Mは、Al、Ti、Fe、Co及びZrからなる群より選ばれる元素を表す。xは、0.35〜0.55、yは、1.20〜1.52、zは、0.0098〜0.30の数を表し、x、y及びzの合計が2である。aは、0.97〜1.20の数を表し、bは、3.97〜4.04の数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ハイレート特性に優れるリチウム二次電池の正極活物質として有用な複合酸化物及びその製造方法、前記複合酸化物を用いて得られるリチウム二次電池用正極、並びに前記リチウム二次電池用正極を備えるリチウム二次電池に関する。
スピネル構造を有する複合酸化物は、リチウム二次電池用の正極活物質として注目されてきている。なかでも、LiMnは、耐久性に優れ、毒性が低く、安価な原料を用いて製造できるという特徴を有するため、特に注目されている。
また、LiMnのMnの一部が、Cr、Fe、Co、Ni等の遷移金属成分に置換された構造を有する複合酸化物は高い電位を有することが知られている(特許文献1〜3)。そして、このものをリチウム二次電池の正極活物質として使用することで、リチウム二次電池のエネルギー密度の向上につながると期待されている。高いエネルギー密度を有するリチウム二次電池は、電気自動車やハイブリッド自動車用の電池として有用である。
しかしながら、ハイブリッド自動車のように、高負荷がかかる用途に用いられる場合(すなわち、大電流放電が行われる場合)、リチウム二次電池の放電容量が低下し易くなるという問題があった。したがって、大電流放電時においても、放電容量が低下しにくいという特性(ハイレート特性)の改善が要望されていた。
特開2004−95534号公報 特開2002−42814号公報 特開2002−158008号公報
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、ハイレート特性に優れるリチウム二次電池の正極活物質として有用な複合酸化物及びその製造方法、前記複合酸化物を用いて得られるリチウム二次電池用正極、並びに前記リチウム二次電池用正極を備えるリチウム二次電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ニッケルとマンガンを必須金属成分として含み、さらに、アルミニウム、チタン、鉄、コバルト、及びジルコニウムからなる群より選ばれる金属成分を特定割合で含み、特定の性状を有する複合酸化物を正極活物質として用いることで、ハイレート特性に優れるリチウム二次電池が得られることを見出した。
また、このような複合酸化物は、アルミニウムイオン、チタンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、及びジルコニウムイオンからなる群より選ばれる金属イオン(以下、「Mイオン」ということがある)、並びに、ニッケルイオン及びマンガンイオンを含む水溶液と、アルカリ性水溶液とを、特定の条件下で混合して、これらの金属イオンを共沈させて得られる沈殿物、又は、共沈法により析出した、ニッケル原子とマンガン原子を含有する沈殿粒子を含む懸濁液に、Mイオンを含む水溶液を特定の条件下で添加することで得られる、金属Mの化合物で表面が覆われた粒子からなる沈殿物を、原料化合物として用いることで効率よく得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明の第1によれば、下記〔1〕〜〔6〕の複合酸化物が提供される。
〔1〕式(I)
Figure 2013129589
(式中、Mは、Al、Ti、Fe、Co及びZrからなる群より選ばれる元素を表す。xは、0.35〜0.55、yは、1.20〜1.52、zは、0.0098〜0.30の数を表し、x、y及びzの合計が2である。aは、0.97〜1.20の数を表し、bは、3.97〜4.04の数を表す。)
で示される組成を有し、BET比表面積が、0.1〜3.0m/g、タップ密度が、0.8〜2.5g/cm、78MPaにおけるプレス密度が、1.5〜3.2g/cm、かつ、二次粒子の粒子径D50が1〜30μmであることを特徴とする複合酸化物。
〔2〕粉末X線回折において、42〜47°に観測されるピークの半価幅が0.2°以下である、〔1〕に記載の複合酸化物。
〔3〕微分クロノポテンシオメトリーによって得られる微分容量曲線において、充電過程の微分容量曲線中に、2つのピークが、4.6〜4.8V(vs.Li/Li)の範囲に観測され、放電過程の微分容量曲線中に、2つのピークが、4.6〜4.8V(vs.Li/Li)の範囲に観測され、かつ、前記充電過程の微分容量曲線中の2つのピークを、低電位側からピーク1、ピーク2とし、前記放電過程の微分容量曲線中の2つのピークを、低電位側からピーク3、ピーク4としたときに、ピーク1と3の間の電位差、及びピーク2と4の間の電位差が、いずれも70mV以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の複合酸化物。
〔4〕リチウム二次電池用正極活物質として用いられるものである、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の複合酸化物。
〔5〕以下の工程1〜3を含む製造方法により得られる、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の複合酸化物。
(工程1)アルミニウムイオン、チタンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、及びジルコニウムイオンからなる群より選ばれる金属イオン(Mイオン)、並びに、ニッケルイオン及びマンガンイオンを含有し、ニッケルイオンとマンガンイオンとのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン)が、1.00:2.40〜1.00:3.86であって、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕が、1:5.6〜1:203である水溶液(A)と、アルカリ性水溶液(B)とを、pHが8.5〜12.0の範囲内で一定の値となるように混合して、沈殿物を得る工程
(工程2)工程1で得られた沈殿物とリチウム塩とを、ニッケルイオン、マンガンイオン、及びMイオンの合計とリチウムイオンとのモル比〔(ニッケルイオン+マンガンイオン+Mイオン):リチウムイオン〕が、1.66:1.0〜2.06:1.0となるように混合して、混合物を得る工程
(工程3)工程2で得られた混合物を、600〜1100℃で焼成する工程
〔6〕以下の工程4〜7を含む製造方法により得られる、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の複合酸化物。
(工程4)ニッケルイオン及びマンガンイオンを含有し、ニッケルイオンとマンガンイオンとのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン)が、1.00:2.40〜1.00:3.86である水溶液(C)と、アルカリ性水溶液(B)とを、pHが8.5〜12.0の範囲内で一定の値となるように混合して、沈殿物を析出させる工程
(工程5)工程4で析出した沈殿物を含む懸濁液に、アルミニウムイオン、チタンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、及びジルコニウムイオンからなる群より選ばれる金属イオン(Mイオン)を含有する水溶液(D)と、アルカリ性水溶液(B’)とを、pHが6.0〜10.0の範囲内で一定の値となるように添加することで、前記沈殿物の粒子表面に、金属Mの化合物を析出させ、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕が、1:5.6〜1:203である沈殿粒子を形成する工程
(工程6)工程5で得られたMイオンを含む沈殿物とリチウム塩とを、ニッケルイオン、マンガンイオン、及びMイオンの合計とリチウムイオンとのモル比〔(ニッケルイオン+マンガンイオン+Mイオン):リチウムイオン〕が、1.66:1.0〜2.06:1.0となるように混合して、混合物を得る工程
(工程7)工程6で得られた混合物を、600〜1100℃で焼成する工程
本発明の第2によれば、下記〔7〕〜〔10〕の複合酸化物の製造方法が提供される。
〔7〕以下の工程1〜3を含む、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の複合酸化物の製造方法。
(工程1)アルミニウムイオン、チタンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、及びジルコニウムイオンからなる群より選ばれる金属イオン(Mイオン)、並びに、ニッケルイオン及びマンガンイオンを含有し、ニッケルイオンとマンガンイオンとのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン)が、1.00:2.40〜1.00:3.86であって、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕が、1:5.6〜1:203である水溶液(A)と、アルカリ性水溶液(B)とを、pHが8.5〜12.0の範囲内で一定の値となるように混合して、沈殿物を得る工程
(工程2)工程1で得られた沈殿物とリチウム塩とを、ニッケルイオン、マンガンイオン、及びMイオンの合計とリチウムイオンとのモル比〔(ニッケルイオン+マンガンイオン+Mイオン):リチウムイオン〕が、1.66:1.0〜2.06:1.0となるように混合して、混合物を得る工程
(工程3)工程2で得られた混合物を、600〜1100℃で焼成する工程
〔8〕以下の工程4〜7を含む、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の複合酸化物の製造方法。
(工程4)ニッケルイオン及びマンガンイオンを含有し、ニッケルイオンとマンガンイオンとのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン)が、1.00:2.40〜1.00:3.86である水溶液(C)と、アルカリ性水溶液(B)とを、pHが8.5〜12.0の範囲内で一定の値となるように混合して、沈殿物を析出させる工程
(工程5)工程4で析出した沈殿物を含む懸濁液に、アルミニウムイオン、チタンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、及びジルコニウムイオンからなる群より選ばれる金属イオン(Mイオン)を含有する水溶液(D)と、アルカリ性水溶液(B’)とを、pHが6.0〜10.0の範囲内で一定の値となるように添加することで、前記沈殿物の粒子表面に、金属Mの化合物を析出させ、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕が、1:5.6〜1:203である沈殿粒子を形成する工程
(工程6)工程5で得られたMイオンを含む沈殿物とリチウム塩とを、ニッケルイオン、マンガンイオン、及びMイオンの合計とリチウムイオンとのモル比〔(ニッケルイオン+マンガンイオン+Mイオン):リチウムイオン〕が、1.66:1.0〜2.06:1.0となるように混合して、混合物を得る工程
(工程7)工程6で得られた混合物を、600〜1100℃で焼成する工程
〔9〕前記アルカリ性水溶液(B)が、アルカリ金属の、水酸化物又は炭酸塩を含む水溶液である、〔7〕または〔8〕に記載の複合酸化物の製造方法。
〔10〕前記工程3または工程7が、酸素を含む雰囲気下で焼成する工程である、〔7〕〜〔9〕のいずれかに記載の複合酸化物の製造方法。
本発明の第3によれば、下記〔11〕のリチウム二次電池用正極が提供される。
〔11〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の複合酸化物を用いて得られるリチウム二次電池用正極。
本発明の第4によれば、下記〔12〕〜〔13〕のリチウム二次電池が提供される。
〔12〕前記〔11〕に記載のリチウム二次電池用正極を備えるリチウム二次電池。
〔13〕負極活物質が、黒鉛系炭素又はチタン含有酸化物である、〔12〕に記載のリチウム二次電池。
本発明によれば、ハイレート特性に優れるリチウム二次電池の正極活物質として有用な複合酸化物及びその製造方法、前記複合酸化物を用いて得られるリチウム二次電池用正極、並びに前記リチウム二次電池用正極を備えるリチウム二次電池が得られる。
複合酸化物のプレス密度を測定する装置の概略図である。 複合酸化物の製造工程を表す概略図である。 中和工程に用いる製造装置の概略図である。
以下、本発明を、1)複合酸化物、2)リチウムニッケルマンガン系複合酸化物の製造方法、3)リチウム二次電池用正極、及び、4)リチウム二次電池、に項分けして詳細に説明する。
1)複合酸化物
本発明の複合酸化物は、式(I)
Figure 2013129589
(式中、Mは、Al、Ti、Fe、Co及びZrからなる群より選ばれる元素を表す。xは、0.35〜0.55、yは、1.20〜1.52、zは、0.0098〜0.30の数を表し、x、y及びzの合計が2である。aは、0.97〜1.20の数を表し、bは、3.97〜4.04の数を表す。)
で示される組成を有し、BET比表面積が、0.1〜3.0m/g、タップ密度が、0.8〜2.5g/cm、78MPaにおけるプレス密度が、1.5〜3.2g/cmであり、かつ、二次粒子の粒子径D50が1〜30μmであることを特徴とする。
式(I)中、Mは、Al、Ti、Fe、Co及びZrからなる群より選ばれる元素を表す。本発明の複合酸化物は、Mイオンを含有するため、ハイレート特性に優れるリチウム二次電池の正極活物質として好ましい特性を有する。かかる観点から、Mは、Al、Fe及びZrから選ばれる元素が好ましく、Al、Feがより好ましい。
xは、0.35〜0.55、yは、1.20〜1.52、zは、0.0098〜0.30の数を表す。x、y及びzが上記範囲内の複合酸化物は、ハイレート特性に優れるリチウム二次電池の正極活物質として有用である。
また、本発明の複合酸化物が、後述する内部添加法によって得られたものである場合は、xは、0.40〜0.55、yは、1.30〜1.52、zは、0.0098〜0.20の数が好ましく、xは、0.47〜0.55、yは、1.45〜1.52、zは、0.0098〜0.051の数がより好ましい。内部添加法によって得られた複合酸化物のzの数値が大き過ぎないことで、固溶限界を超えて分相することが避けられ、活物質抵抗の上昇を抑制することができる。
また、発明の複合酸化物が、後述する外部添加法によって得られたものである場合は、xは、0.35〜0.55、yは、1.20〜1.52、zは、0.0098〜0.30の数が好ましい。外部添加法によって得られた複合酸化物のzの数値が大き過ぎないことで、後から添加した元素の多くが粒子表面に存在することになり、目的の性質を有する複合酸化物になる。
本発明の複合酸化物は、元素Mが3価の場合、典型的には、下記式(II)で示される組成を有するものである。
Figure 2013129589
式(II)中、pは、0.01〜0.30の数を表し、M、a、及びbは、それぞれ、上記と同じ意味を表す。なかでも、本発明の複合酸化物が、後述する内部添加法によって得られたものである場合は、pは、0.01〜0.20の数が好ましく、0.01〜0.05の数がより好ましい。
また、本発明の複合酸化物が、後述する外部添加法によって得られたものである場合は、pは、0.01〜0.30の数が好ましい。
また、本発明の複合酸化物は、元素Mが4価の場合、典型的には、下記式(III)で示される組成を有するものである。
Figure 2013129589
式(III)中、qは、0.01〜0.30の数を表し、M、a、及びbは、それぞれ、上記と同じ意味を表す。
本発明の複合酸化物に含まれる各元素の量は、原子吸光分析法等の公知の分析法により求めることができる。なお、分析時の誤差等を考慮すると、実際の測定結果が、式(II)から求められる理論値から若干ずれることが起こりうる。したがって、式(II)で示される組成を有する複合酸化物には、各元素量が理論値と正確に一致する複合酸化物の他に、理論値からプラスマイナス2%程度の範囲でずれた組成を有する複合酸化物が含まれる。
本発明の複合酸化物のBET比表面積は、0.1〜3.0m/g、好ましくは、0.1〜2.0m/gである。BET比表面積が0.1m/g未満の複合酸化物は焼結が過剰に進行した状態であり、かかる複合酸化物を用いて正極を作製すると、充放電の際のイオン伝導が妨げられる傾向がある。また、BET比表面積が3.0m/gを超える複合酸化物は粒子の結晶化が十分でない状態であり、かかる複合酸化物を用いて作製された正極は、サイクル特性、放電容量等に悪影響を及ぼすおそれがあり、また、水分を吸着し易いため、劣化しやすい。
本発明の複合酸化物のタップ密度は、0.8〜2.5g/cm、好ましくは、1.0〜2.5g/cmである。タップ密度が0.8g/cm未満の複合酸化物は、正極を作製する際の充填性に劣るため、電池の高容量化が困難になるおそれがある。また、タップ密度は高いほど好ましいが、通常は2.5g/cmを超えるものは得られにくい。
本発明の複合酸化物の、78MPaにおけるプレス密度は、1.5〜3.2g/cm、好ましくは、2.0〜3.0g/cmである。78MPaにおけるプレス密度が1.5g/cm未満の複合酸化物は、正極を作製する際の充填性に劣るため、電池の高容量化が困難になるおそれがある。また、プレス密度は高いほど好ましいが、通常は3.2g/cmを超えるものは得られにくい。
本発明の複合酸化物の二次粒子の粒子径D50は、1〜30μm、好ましくは、5〜15μmある。通常、1μm未満の二次粒子は得られにくい。また、D50が30μmを超える複合酸化物を用いて正極を作製すると、複合酸化物が剥離するおそれがある。
複合酸化物の、BET比表面積、タップ密度、プレス密度、及び粒子径D50は、実施例に記載した公知の測定法により求めることができる。
本発明の複合酸化物は、スピネル構造(空間群Fd−3m)を有し、CuKα線を用いて行われる粉末X線回折において、42〜47°にピークを示す。
本発明の複合酸化物は、この42〜47°に観測されるピークの半価幅が0.2°以下であることが好ましく、0.05〜0.2°がより好ましい。
前記半価幅とは、粉末X線回折測定によって得られた回折強度曲線のピーク強度の1/2の強度における回折強度曲線の幅をいう。
本発明の複合酸化物は、微分クロノポテンシオメトリーによって得られる微分容量曲線において、充電過程の微分容量曲線中に、2つのピークが、4.6〜4.8V(vs.Li/Li)の範囲に観測され、放電過程の微分容量曲線中に、2つのピークが、4.6〜4.8V(vs.Li/Li)の範囲に観測されるものである。本発明の複合酸化物は、さらに、前記充電過程の微分容量曲線中の2つのピークを、低電位側からピーク1、ピーク2として、前記放電過程の微分容量曲線中の2つのピークを、低電位側からピーク3、ピーク4としたときに、ピーク1と3の間の電位差、及びピーク2と4の間の電位差が、いずれも70mV以下であるものが好ましい。
これらのピーク1〜4がいずれも、4.6〜4.8V(vs.Li/Li)の範囲にある複合酸化物を正極活物質として用いると、作動電位が高いリチウム二次電池を得ることができる。
また、ピーク1と3の間の電位差、及びピーク2と4の間の電位差が、いずれも70mV以下である複合酸化物を正極活物質として用いると、分極が小さいリチウム二次電池を得ることができる。
「微分容量曲線」とは、充放電曲線を電圧で微分して得られるdQ/dVと、電圧との関係を表す曲線をいい、例えば、0.2Cで微分クロノポテンシオメトリーを行うことで得ることができる。
本発明の複合酸化物は、上記の特性を有するため、ハイレート特性に優れるリチウム二次電池の正極活物質として有用である。
また、本発明の複合酸化物においては、元素Mが存在することで、Mn−O結合の共有結合性が強まり、この結合が安定化されていると考えられる。この結果、本発明の複合酸化物は、高温時においてもMnイオンが溶出し難いものである。
さらに、本発明の複合酸化物においては、元素Mが存在することで、Mn3+イオンに由来する不安定化の問題の解消が期待される。すなわち、通常、Mnを含有する複合酸化物中には、微量のMn3+イオンが存在し、このMn3+イオンは、充放電の過程でMn4+へ酸化され、その際にヤーンテラー歪による構造劣化が生じ得るが、元素Mが存在することで、この問題が解消されると期待される。
2.複合酸化物の製造方法
本発明の複合酸化物は、金属イオンを共沈させる工程を有する製造方法を用いることで効率よく製造することができる。
かかる製造方法としては、アルミニウムイオン、チタンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、及びジルコニウムイオンからなる群より選ばれる金属イオン(Mイオン)、ニッケルイオン及びマンガンイオンを同時に共沈させる工程を有する内部添加法や、ニッケルイオンとマンガンイオンを共沈させて得られた沈殿粒子を含む懸濁液に、Mイオンを含む水溶液を添加して、前記沈殿粒子の表面に金属Mの化合物を析出させる工程を有する外部添加法が挙げられる。
内部添加法によれば、Mイオンを沈殿粒子の内部にまで存在させることができるため、最終的により均一な複合酸化物粒子を得ることができる。また、外部添加法に比べて、より効率よく沈殿物を得ることができる。また、外部添加法によれば、硫酸イオン等の陰イオンが不純物として沈殿粒子に含まれにくくなるため、高容量の電極活物質の製造に適する沈殿物を得ることができる。
〔内部添加法〕
内部添加法は、以下の工程1〜工程3を有するものである。
(工程1)Mイオン、並びに、ニッケルイオン及びマンガンイオンを含有し、ニッケルイオンとマンガンイオンとのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン)が、1.00:2.40〜1.00:3.86であって、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕が、1:5.6〜1:203である水溶液(A)と、アルカリ性水溶液(B)とを、pHが8.5〜12.0の範囲内で一定の値となるように混合して、沈殿物を得る工程
(工程2)工程1で得られた沈殿物とリチウム塩とを、ニッケルイオン、マンガンイオン、及びMイオンの合計とリチウムイオンとのモル比〔(ニッケルイオン+マンガンイオン+Mイオン):リチウムイオン〕が、1.66:1.0〜2.06:1.0となるように混合して、混合物を得る工程
(工程3)工程2で得られた混合物を、600〜1100℃で焼成する工程
工程1は、Mイオン、並びに、ニッケルイオン及びマンガンイオンを含有し、ニッケルイオンとマンガンイオンとのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン)が、1.00:2.40〜1.00:3.86であって、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕が、1:5.6〜1:203である水溶液(A)と、アルカリ性水溶液(B)とを、pHが8.5〜12.0の範囲内で一定の値となるように混合して、沈殿物を得る工程である。
水溶液(A)中のニッケルイオンとマンガンイオンとのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン)が、1.00:2.40〜1.00:3.86、好ましくは、1.00:2.68〜1.00:3.21、であって、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕が、1:5.6〜1:203、好ましくは、1:38〜1:203であることで、目的の複合酸化物の製造に適する前駆体(沈殿物)を得ることができる。
水溶液(A)は、ニッケルの化合物、マンガンの化合物、及びMイオンを含む化合物(以下、「金属Mの化合物」ということがある。)を、水に溶解させることで調製できる。
ニッケルの化合物としては、ニッケル(II)の化合物が好ましく用いられ、硫酸ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)等が挙げられる。
マンガンの化合物としては、マンガン(II)の化合物が好ましく用いられ、硫酸マンガン(II)、硝酸マンガン(II)、塩化マンガン(II)等が挙げられる。
金属Mの化合物としては、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム等のアルミニウムの化合物;四塩化チタン、硫酸チタン(IV)、硫酸チタニル(IV)、硝酸チタニル(IV)等のチタンの化合物;硫酸鉄(II)、硝酸鉄(II)、塩化鉄(II)等の鉄の化合物;硫酸コバルト(II)、硝酸コバルト(II)、塩化コバルト(II)等のコバルトの化合物;及び塩化ジルコニル(IV)、硝酸ジルコニル(IV)、塩化ジルコニウム(IV)、硫酸ジルコニウム(IV)等のジルコニウムの化合物が挙げられる。
水溶液(A)の調製に用いる化合物は、混合した際に沈殿が生じない組合せで用いることが好ましく、陰イオンが同じである化合物を組み合わせて用いることがより好ましい。
水溶液(A)の濃度は、金属イオンの合計が、通常、0.1〜2モル/Lであり、0.6〜1.8モル/Lが好ましい。
水溶液(A)のpHは、通常、0.5〜6.0であり、0.5〜5.0が好ましく、1.0〜5.0がより好ましい。この範囲内であることで、水溶液(A)中の成分が、使用前に沈殿することを抑制することができる。
水溶液(A)のpHは、必要に応じて、公知の酸性化合物やアルカリ性化合物を用いて調整することができる。
アルカリ性水溶液(B)は、アルカリ性化合物を水に溶解させることで調製できる。
アルカリ性化合物としては、アルカリ金属の、水酸化物や炭酸塩、アルカリ土類金属の、水酸化物や炭酸塩、が挙げられ、アルカリ金属の、水酸化物や炭酸塩が好ましい。
アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属の炭酸塩としては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。
アルカリ性水溶液(B)のpHは、通常、9〜13であり、10〜13が好ましい。
水溶液(A)と、アルカリ性水溶液(B)とを、混合液のpHが8.5〜12.0、好ましくは9.0〜11.5、より好ましくは、10.0〜11.5の範囲内で一定の値となるように混合し、撹拌することで、目的の複合酸化物の製造に適する前駆体(沈殿物)を得ることができる。混合液のpHを上記範囲内で一定にすることで、目的の性状を有し、均一な沈殿物を得ることができる。なお、「pHが一定の値」とは、上澄みのpHが、所定の値のプラスマイナス0.1以内であることをいう。
また、沈殿物を得る際に、緩衝作用を有するアンモニウム塩等を共存させてもよい。かかる塩を共存させることで、沈降条件が安定化し、均一な沈殿を得ることができる。また、ニッケルやマンガンの溶解度を制御することが容易になり、複合酸化物の二次粒子の大きさを容易に制御することができる。
用いるアンモニウム塩としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム等が挙げられる。
混合液中のアンモニウム塩の添加量は、アンモニウムイオンとして通常0〜1.2モル/Lであり、0〜0.6モル/Lが好ましい。
本発明の複合酸化物の製造方法においては、さらに、温度や撹拌条件等を調節することで、複合酸化物の一次粒子及び二次粒子の形状や大きさを制御することができる。
前記水溶液(A)とアルカリ性水溶液(B)とを混合する方法は特に制限されず、バッチ方式、連続方式のいずれも採用することができる。また、混合する順序は特に制限されないが、アルカリ性水溶液(B)によって所定のpHに調整された混合液に対し、水溶液(A)を連続的に添加することが好ましい。
工程1で得られた沈殿物に対しては、ろ過、水洗、乾燥等の公知の処理を適宜行うことができる。
工程2は、工程1で得られた沈殿物とリチウム塩とを、ニッケルイオン、マンガンイオン、及びMイオンの合計とリチウムイオンとのモル比〔(ニッケルイオン+マンガンイオン+Mイオン):リチウムイオン〕が、1.66:1.0〜2.06:1.0となるように混合して、混合物を得る工程である。
工程2において、用いるリチウム塩の量が、ニッケルイオン、マンガンイオン、及びMイオンの合計とリチウムイオンとのモル比〔(ニッケルイオン+マンガンイオン+Mイオン):リチウムイオン〕が、1.66:1.0〜2.06:1.0であることで、目的の複合酸化物を得ることができる。
用いるリチウム塩としては、水酸化リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、塩化リチウム等が挙げられる。なかでも、不純物の含有量を低減できることから、加熱除去できるアニオンを有するリチウム塩が好ましい。当該観点から、水酸化リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウムが好ましく、水酸化リチウム、炭酸リチウムがより好ましい。
工程1で得られた沈殿物とリチウム塩とを混合する際は、公知の混合装置を使用することができる。用いる装置としては、例えば、バーチカルグラニュレーター、スパルタンミキサー、スーパーミキサー等が挙げられる。
また、工程2の後に混合物を400〜800℃程度で仮焼してもよい。仮焼することで、工程3における焼成をより円滑に行うことができる。また、予めプレス成形することで固相反応をより円滑に行うことも出来る。
工程3は、工程2で得られた混合物を焼成する工程である。
焼成温度は、600〜1100℃、好ましくは850〜1100℃である。焼成時間は、通常、0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間である。なお、前記温度より室温に降温する際には、450〜750℃の温度領域に晒す時間を自然放冷時間よりも長くすることが好ましい。かかる操作により、マンガン(IV)の含有量を増加させることができる。前記温度域に晒す時間としては通常は1〜20時間、好ましくは5〜10時間である。前記温度域に晒す際には所定時間を掛けて一定の変化量で降温してもよく、また、一定温度に保持した後に降温してもよい。また、工程3の焼成後に一旦室温まで降温し、改めて前記温度域に所定時間さらしてもよい。
焼成は、酸素を含む雰囲気下で行うことが好ましい。酸素を含む雰囲気下で焼成することで、マンガン(IV)イオンが還元されることによるマンガン(III)イオンの生成を抑制することができる。酸素を含む雰囲気は、酸素分圧が高いほどマンガン(IV)イオンの還元を抑制できる点で好ましく、純酸素あるいは加圧酸素雰囲気下で焼成することが特に好ましい。また前記同様に焼成に際しては予めプレス成形を施してもよい。
マンガン(III)イオンを含む複合酸化物を正極活物質として用いると、リチウム二次電池の5V域の容量が低下する要因となる。また、充放電を繰り返すことでマンガン(III)イオンが溶出しやすいため、サイクル寿命が短くなるおそれがある。
焼成は、通常、焼成炉中で行う。用いる焼成炉は特に制限されず、公知のものを用いることができる。例えば、ボックス式の静置炉、ロータリーキルン、ローラーハースキルン等の連続炉が挙げられる。
工程3の後、得られた焼成物に対して、必要に応じて、解砕処理、粉砕処理、篩処理、分級処理等の公知の後処理を行ってもよい。
〔外部添加法〕
外部添加法は、以下の工程4〜工程7を有するものである。
(工程4)ニッケルイオン及びマンガンイオンを含有し、ニッケルイオンとマンガンイオンとのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン)が、1.00:2.40〜1.00:3.86である水溶液(C)と、アルカリ性水溶液(B)とを、pHが8.5〜12.0の範囲内で一定の値となるように混合して、沈殿物を析出させる工程
(工程5)工程4で析出した沈殿物を含む懸濁液に、Mイオンを含有する水溶液(D)と、アルカリ性水溶液(B’)とを、pHが6.0〜10.0の範囲内で一定の値となるように添加することで、前記沈殿物の粒子表面に、Mイオンの化合物を析出させ、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕が、1:5.6〜1:203である沈殿粒子を形成する工程
(工程6)工程5で得られたMイオンを含む沈殿物とリチウム塩とを、ニッケルイオン、マンガンイオン、及びMイオンの合計とリチウムイオンとのモル比〔(ニッケルイオン+マンガンイオン+Mイオン):リチウムイオン〕が、1.66:1.0〜2.06:1.0となるように混合して、混合物を得る工程
(工程7)工程6で得られた混合物を、600〜1100℃で焼成する工程
工程4は、前記工程1において、水溶液(A)に代えて水溶液(C)を用いる点を除き、工程1と同様の方法により水溶液(C)とアルカリ性水溶液(B)とを混合して、沈殿物を析出させるものである。
水溶液(C)は、Mイオンが任意の成分であることを除き、水溶液(A)と同様のものであって、ニッケルイオン及びマンガンイオンを含有し、ニッケルイオンとマンガンイオンとのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン)が、1.00:2.40〜1.00:3.86のものである。
水溶液(C)は、水溶液(A)の調製方法と同様の方法により得ることができる。
水溶液(C)の濃度は、金属イオンの合計が、通常、0.1〜2モル/Lであり、0.6〜1.8モル/Lが好ましい。
水溶液(C)のpHは、通常、0.5〜6.0であり、0.5〜5.0が好ましい。この範囲内であることで、水溶液(C)中の成分が沈殿することを抑制することができる。
水溶液(C)のpHは、必要に応じて、公知の酸性化合物やアルカリ性化合物を用いて調整することができる。
工程5は、工程4で析出した沈殿物を含む懸濁液に、Mイオンを含有する水溶液(D)と、アルカリ性水溶液(B’)とを、pHが6.0〜10.0の範囲内で一定の値となるように添加することで、前記沈殿物の粒子表面に、Mイオンの化合物を析出させ、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕が、1:5.6〜1:203である沈殿粒子を形成する工程である。
水溶液(D)は、Mイオンを含有する限り特に限定されない。ただし、工程4で用いる水溶液(C)がMイオンを含有する場合、水溶液(D)と水溶液(C)は異なるものである。
水溶液(D)中のMイオンの濃度は、通常、0.1〜2モル/Lであり、0.6〜1.8モル/Lが好ましい。
水溶液(D)のpHは、通常、0.5〜6.0であり、0.5〜5.0が好ましい。この範囲内であることで、水溶液(D)中の成分が、使用前に沈殿することを抑制することができる。
水溶液(D)のpHは、必要に応じて、公知の酸性化合物やアルカリ性化合物を用いて調整することができる。
アルカリ性水溶液(B’)の具体例としては、内部添加法の説明の中で、アルカリ性水溶液(B)として例示したものと同様のものが挙げられる。アルカリ性水溶液(B’)は、工程4で用いたアルカリ性水溶液(B)と同一のものであっても、異なるものであってもよい。
水溶液(D)と、アルカリ性水溶液(B’)とを、混合液のpHが6.0〜10.0、好ましくは7.0〜9.5の範囲内で一定の値となるように混合し、撹拌することで、沈殿物の粒子表面に、金属Mの化合物を析出させることができる。
金属Mの化合物を析出させる際に、緩衝作用を有するアンモニウム塩等を共存させてもよい。かかる塩を共存させることで、沈降条件が安定化し、金属Mの化合物を沈殿物の粒子表面に均一に析出させることができる。
用いるアンモニウム塩としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム等が挙げられる。
混合液中のアンモニウム塩の添加量は、アンモニウムイオンとして通常0〜1.2モル/Lであり、0〜0.6モル/Lが好ましい。
沈殿物を含む懸濁液に、水溶液(D)とアルカリ性水溶液(B’)とを添加する方法は特に限定されず、例えば、バッチ方式、連続方式のいずれも採用することができる。また、混合する順序は特に制限されないが、アルカリ性水溶液(B’)によって所定のpHに調整された懸濁液に対し、水溶液(D)を連続的に添加することが好ましい。
工程5で得られる沈殿粒子の、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕は、通常、1:5.6〜1:203、好ましくは、1:7〜1〜200である。
含有する金属イオンのモル比が上記範囲内の沈殿粒子を用いることで、目的の特性を有する複合酸化物を効率よく得ることができる。
工程5で得られた沈殿物に対しては、ろ過、水洗、乾燥等の公知の処理を適宜行うことができる。
工程6は、工程5で得られたMイオンを含む沈殿物とリチウム塩とを、ニッケルイオン、マンガンイオン、及びMイオンの合計とリチウムイオンとのモル比〔(ニッケルイオン+マンガンイオン+Mイオン):リチウムイオン〕が、1.66:1.0〜2.06:1.0となるように混合して、混合物を得る工程である。
工程6は、前記工程2において、工程1で得られた沈殿物に代えて工程5で得られた沈殿物を用いる点を除き、工程2と同様の方法により行うことができる。
工程7は、工程6で得られた混合物を、600〜1100℃で焼成する工程である。
工程7は、前記工程3において、工程2で得られた混合物に代えて工程6で得られた混合物を用いる点を除き、工程3と同様の方法により行うことができる。
3)リチウム二次電池用正極
本発明のリチウム二次電池用正極は、前記複合酸化物を用いて得られるものである。かかるリチウム二次電池用正極としては、例えば、集電体と、前記複合酸化物を含有する正極活物質層とを有するものが挙げられる。
集電体材料としては、アルミニウム、鉄、ステンレス、ニッケル、銅あるいはそれらの合金等が挙げられる。また、集電体の形状としては、シート状、発泡体状、焼結多孔体状、エキスパンド格子状等が挙げられる。さらに、前記集電体に任意の形状で穴を開けたものを用いることもできる。
正極活物質層の形成方法としては、前記複合酸化物を適当な溶媒に分散させて得られるスラリーを集電体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥する方法が挙げられる。
用いる溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、アクリル酸メチル等のエステル系溶媒;ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン等のアミン系溶媒;エチレンオキシド等のエポキシ系溶媒;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;等の非水系溶媒や水が挙げられる。これらの溶媒に、分散剤や増粘剤等を加えて用いてもよい。
前記スラリーは、必要に応じて、導電剤や結着剤を含有してもよい。
導電剤としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛;アセチレンブラック等のカーボンブラック;ニードルコークス等の無定形炭素;等が挙げられる。導電剤の使用量は、複合酸化物に対して10質量%以下が好ましい。
これらの導電剤は、一種単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。
結着剤としては、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、(PVDF/HFP)(ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース、又はこれらの誘導体が挙げられる。結着剤の使用量は、複合酸化物に対して10質量%以下が好ましい。これらの結着剤は、一種単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。
4)リチウム二次電池
本発明のリチウム二次電池は、前記のリチウム二次電池用正極を備えることを特徴とする。例えば、前記リチウム二次電池用正極と、負極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池が挙げられる。また、正極と負極を隔離するセパレータを備えるものであってもよい。
本発明のリチウム二次電池に用いる負極は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に制限されない。例えば、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の黒鉛系炭素や、チタン酸リチウム等のチタン含有酸化物を原料とするものが挙げられる。
本発明のリチウム二次電池に用いる非水電解質としては、非水電解液、高分子固体電解質、ゲル状電解質、無機固体電解質等を用いることができる。電解質には孔があってもよい。
非水電解液は、非水溶媒と溶質(電解質塩)とから構成されるものや、イオン液体が挙げられる。
非水電解液に用いる非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類;1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;スルホラン、3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトン等のスルトン類;等を用いることができる。
非水電解液に用いる電解質塩としては、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]、ホウ素系シュウ酸塩(例えばLiBOB:リチウムビスオキサレートボラ−ト)等のリチウム塩を用いることができる。
非水電解液に用いるイオン液体としては、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、N−メチル−N−プロピルピリジニウムカチオン、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムカチオン等のカチオンと、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン等のアニオンとからなる、室温で液体の塩を用いることができる。
高分子固体電解質としては、ポリエチレンオキシド(PEO)やポリプロピレンオキシド等の極性基を有する高分子と電解質塩とから構成されるものを用いることができる。電解質塩としては、非水電解液の成分として示したものが挙げられる。
ゲル状電解質としては、ポリマー中に電解液が保持されてなるポリマーゲルで構成されるものを用いることができる。かかるポリマーとしては、PVDF/HFP共重合体、PEO、多抗性PVDF等が挙げられる。電解液としては、上記の非水電解液が挙げられる。
無機固体電解質としては、LiS−GeS−P、(100−x)(0.6LiS・0.4SiS)・nLiSiO、Li2.9PO3.30.46等を用いることができる。
セパレータとしては、微多孔性高分子膜、合成樹脂製不織布等を用いることができる。その材質としては、ナイロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、及びポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィンが挙げられる。また、ポリエチレンとポリプロピレンとを積層した微多孔製膜を用いることもできる。
本発明のリチウム二次電池は、上記のリチウムニッケルマンガン系複合酸化物を正極活物質として用いるものであり、ハイレート特性に優れる。したがって、ハイブリッド自動車等の、高負荷がかかる用途において好適に用いられる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明する。ただし本発明は以下の実施例により何ら制限されるものではない。
得られた試料の分析は次のとおりに行った。
(a)粒子径D50
レーザー回折粒度分布計(堀場製作所社製、型番:LA−950)にて、分散媒に純水を用いて粒子径を測定した。
(b)BET比表面積
マウンテック社製、Macsorbを用い、1点BET法によって測定を行った。
(c)タップ密度
タップデンサー(セイシン社製、型番:KYT−4000)を用いて、JIS R1628に記載の手法の内、定容積測定法によって測定を行った。
(d)プレス密度
図1に示す冶具を用い、所定量の粉末を78MPaのプレス圧で一軸プレスを行った際の厚み及びプレス断面積より、以下の計算式より密度計算を行った。
Figure 2013129589
(e)粉末X線回折測定
粉末X線回析装置(リガク社製、RINT2000、X線源:CuKα線)を用いて、以下の方法により測定を行った。
実施例及び比較例で得られた複合酸化物の粉末をサンプルディッシュの窪みにのせ、ガラス板で試料をサンプルディッシュに並行になるように押し付けることで測定用試料を得た。
粉末X線回析装置のX線管球への印加電圧を40kV、印加電流を20mAに設定し、更に走査範囲を2θ=5〜90°、計数時間0.5秒、ステップ幅0.026°、受光スリット幅0.15mmで測定を行った。
(f)微分クロノポテンシオメトリー
電池充放電装置(北斗電工社製、HJ1001SM8A)を用いて、以下の方法により測定を行った。
実施例及び比較例で得られた複合酸化物と、アセチレンブラック(導電剤)と、ポリフッ化ビニリデン樹脂(クレハ社製 クレハKFポリマー W#1100)(結着剤)とを、質量比で88:6:6の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドンを適宜添加することでペーストを調製した。得られたペーストを、アルミ箔(集電体)に塗布し、これを乾燥させた。このアルミ箔とペースト乾燥膜からなる積層体を円盤状に打ち抜くことで正極を得た。
上記の方法により得られた正極とともに、円盤状の金属リチウム箔を負極として使用し、単層ポリプロピレンセパレータ(セルガード社製、製品名2500)をセパレータとして使用し、エチレンカーボネート及びジエチルカーボネートの混合溶媒(質量比3:7)にLiPFを溶解して得られた溶液(LiPF濃度:1mol/L)を電解液として使用して、2032サイズのコイン型電池を作製した。
得られたコイン電池を、0.2Cで充放電させて充放電曲線を得、次いで、容量を電圧で微分してdQ/dV曲線を得た。dQ/dV曲線における各ピーク(ピーク1〜4)の位置(電圧値)を用いて、ピーク1とピーク3の電圧差、及び、ピーク2とピーク4の電圧差を算出した。
(g)放電容量測定
上記(f)に記載の方法で作製したコイン型電池を用いて、4.9V(vs.Li/Li)まで0.2Cの定電流で充電した後、0.2Cの定電流で放電した。また、同様に、5Cの定電流で充電と放電を行った。それぞれの放電過程において、放電終始電圧を3.0Vとして、放電容量を得た。維持率(%)を、0.2C放電における放電容量に対する5C放電における放電容量として算出した。
(実施例1)
複合酸化物を以下の方法により製造した。全体の工程図を図2に、中和工程に用いた製造装置を図3に示す。
攪拌機17を備えた容積5LのSUS製円筒型反応槽18に、3Lの水を加えた。次いで、pHが10.5になるまで32%水酸化ナトリウム水溶液を加え、電熱ヒーター(図示を省略)を用いて温度を50℃に保持した。
硫酸ニッケル(II)、硫酸マンガン(II)、硫酸鉄(II)を含有し、モル比〔ニッケル(II):マンガン(II):鉄(II)〕が、0.4875:1.4875:0.025である金属イオン混合水溶液(金属量の合計が80g/L)を調製し、この混合水溶液を、金属イオン混合水溶液槽20から管19を通じて一定速度で反応槽18に連続供給した。
一方で、32%水酸化ナトリウム水溶液を調製し、この水酸化ナトリウム水溶液をアルカリ溶液槽21から管22を通じて断続的に反応槽18に供給して、反応槽18内の溶液のpHを10.5に保持し、金属イオン混合水溶液と実質的に同等のモル比を有する沈殿物を生成させた。なお、反応槽18内の溶液のpHを制御するために、pHセンサー23を使用した。
次いで、生成した沈殿物をデカンテーション法により水洗し、ろ取した後、ろ過物を、大気雰囲気下、100℃で一晩乾燥させた。
乾燥後のろ過物に、モル比(ニッケルイオン+マンガンイオン+鉄イオン:リチウムイオン)が2.00:1.02となるように炭酸リチウムを混合し、次いで、得られた混合物を、乾燥空気ガスを流通させた焼成炉で、800℃で10時間(焼成1)、前述の処理に引き続き700℃にて10時間の焼成(焼成2)を行い室温にまで自然放冷した。得られた焼成物に対して篩解砕処理及び分級処理を行い、複合酸化物1を得、上記測定を行った。複合酸化物1の特性を第1表に示す。
(実施例2)
実施例1において、焼成1の温度を900℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合酸化物2を得、上記測定を行った。複合酸化物2の特性を第1表に示す。
(実施例3)
実施例1において、焼成1の温度を1000℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合酸化物3を得、上記測定を行った。複合酸化物3の特性を第1表に示す。
(実施例4)
実施例3において、金属イオン混合水溶液中の金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II):鉄(II)〕を、0.4750:1.4750:0.050に変更したこと以外は、実施例3と同様にして複合酸化物4を得、上記測定を行った。複合酸化物4の特性を第1表に示す。
(実施例5)
実施例3において、金属イオン混合水溶液として、硫酸ニッケル(II)、硫酸マンガン(II)、硫酸アルミニウム(III)を含有し、モル比〔ニッケル(II):マンガン(II):アルミニウム(III)〕が、0.4950:1.4950:0.010である金属イオン混合水溶液(金属量の合計が80g/L)を使用したこと以外は、実施例3と同様にして複合酸化物5を得、上記測定を行った。複合酸化物5の特性を第1表に示す。
(実施例6)
実施例5において、金属イオン混合水溶液中の金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II):アルミニウム(III)〕を、0.4875:1.4875:0.025に変更したこと以外は、実施例5と同様にして複合酸化物6を得、上記測定を行った。複合酸化物6の特性を第1表に示す。
(実施例7)
実施例3において、金属イオン混合水溶液として、硫酸ニッケル(II)、硫酸マンガン(II)、硫酸チタン(IV)を含有し、モル比〔ニッケル(II):マンガン(II):チタン(IV)〕が、0.5000:1.4800:0.020である金属イオン混合水溶液(金属量の合計が80g/L)を使用したこと以外は、実施例3と同様にして複合酸化物7を得、上記測定を行った。複合酸化物7の特性を第1表に示す。
(実施例8)
実施例7において、金属イオン混合水溶液中の金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II):チタン(IV)〕を、0.5000:1.4000:0.100に変更したこと以外は、実施例7と同様にして複合酸化物8を得、上記測定を行った。複合酸化物8の特性を第1表に示す。
(実施例9)
実施例1において、金属イオン混合水溶液として、硫酸ニッケル(II)、硫酸マンガン(II)を含有し、モル比〔ニッケル(II):マンガン(II)〕が、0.995:3.005である金属イオン混合水溶液(金属量の合計が80g/L)を使用したこと以外は、実施例1と同様に、金属イオン混合水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを用いて、複合水酸化物の沈殿を反応槽18内で生成させた。
次いで、反応槽18内の溶液のpHを、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、8.5に調節しながら、硫酸アルミニウム(III)水溶液を連続的に反応槽18内の溶液に滴下し、前記複合水酸化物の沈殿粒子表面にアルミニウム化合物を析出させて、沈殿粒子を成長させた。この沈殿粒子に含まれる金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II):アルミニウム(III)〕は、0.990:2.990:0.020であった。
次いで、沈殿物をデカンテーション法により水洗し、ろ取した後、ろ過物を、大気雰囲気下、100℃で一晩乾燥させた。
乾燥後のろ過物に、モル比(ニッケルイオン+マンガンイオン+アルミニウムイオン:リチウムイオン)が2.00:1.02となるように炭酸リチウムを混合し、得られた混合物を、実施例3と同様の手法で処理し、複合酸化物9を得、上記測定を行った。複合酸化物9の特性を第2表に示す。
(実施例10)
実施例9において、金属イオン混合水溶液中の金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II)〕を、0.987:3.013に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、含有する金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II):アルミニウム(III)〕が、0.975:2.975:0.050である沈殿物を生成させ、この沈殿物を用いて、実施例9と同様の処理にて複合酸化物10を得、上記測定を行った。複合酸化物10の特性を第2表に示す。
(実施例11)
実施例9において、金属イオン混合水溶液中の金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II)〕を、1.000:3.026に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、含有する金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II):アルミニウム(III)〕が、0.950:2.950:0.100である沈殿物を生成させ、この沈殿物を用いて、実施例9と同様の処理にて複合酸化物11を得、上記測定を行った。複合酸化物11の特性を第2表に示す。
(実施例12)
実施例9において、金属イオン混合水溶液中の金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II)〕を、0.947:3.053に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、含有する金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II):アルミニウム(III)〕が、0.900:2.900:0.200である沈殿物を生成させ、この沈殿物を用いて、実施例9と同様の処理にて複合酸化物12を得、上記測定を行った。複合酸化物12の特性を第2表に示す。
(実施例13)
実施例9において、金属イオン混合水溶液中の金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II)〕を、0.864:3.136に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、含有する金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II):アルミニウム(III)〕が、0.760:2.760:0.480である沈殿物を生成させ、この沈殿物を用いて、実施例9と同様の処理にて複合酸化物13を得、上記測定を行った。複合酸化物13の特性を第2表に示す。
(実施例14)
実施例1において、金属イオン混合水溶液として、硫酸ニッケル(II)、硫酸マンガン(II)を含有し、モル比〔ニッケル(II):マンガン(II)〕が、1.02:2.98である金属イオン混合水溶液(金属量の合計が80g/L)を使用したこと以外は、実施例1と同様に、金属イオン混合水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを用いて、複合水酸化物の沈殿を反応槽18内で生成させた。
次いで、反応槽18内の溶液のpHを、0.1M硫酸を用いて6.0に調整し、反応開始後は水酸化ナトリウム水溶液を用いて、6.0に調節しながら、硫酸チタン(IV)水溶液を連続的に反応槽18内の溶液に滴下し、前記複合水酸化物の沈殿粒子表面にチタン化合物を析出させて、沈殿粒子を成長させた。この沈殿粒子に含まれる金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II):チタン(IV)〕は、1.00:2.92:0.080であった。
次いで、沈殿物をデカンテーション法により水洗し、ろ取した後、ろ過物を、大気雰囲気下、100℃で一晩乾燥させた。
乾燥後のろ過物に、モル比(ニッケルイオン+マンガンイオン+チタンイオン:リチウムイオン)が2.00:1.02となるように炭酸リチウムを混合し、得られた混合物に対して、実施例3と同様の処理を行い、複合酸化物14を得、上記測定を行った。複合酸化物14の特性を第2表に示す。
(実施例15)
金属イオン混合水溶液中の金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II)〕を、1.064:2.936に変更したこと以外は、実施例14と同様にして、含有する金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II):チタン(IV)〕が、1.00:2.760:0.24である沈殿物を生成させ、この沈殿物を用いて、実施例3と同様の処理を行い、複合酸化物15を得、上記測定を行った。複合酸化物15の特性を第2表に示す。
(実施例16)
実施例9において、金属イオン混合水溶液中の金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II)〕を、1.136:2.864に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、含有する金属イオンのモル比〔ニッケル(II):マンガン(II):アルミニウム(III)〕が、1.00:2.52:0.48である沈殿物を生成させ、この沈殿物を用いて、実施例3と同様の処理を行い、複合酸化物16を得、上記測定を行った。複合酸化物16の特性を第2表に示す。
(比較例1)
水酸化ニッケル(田中化学研究所社製)、二酸化マンガン(関東化学社製)、酸化鉄(III)(関東化学社製)、及び炭酸リチウムを、金属イオンのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン:鉄イオン:リチウムイオン)が、0.475:1.475:0.05:1.02となるように用いて、ボールミルで湿式混合し、混合物を乾燥させることで混合粉を得た。得られた混合粉を、酸素ガスを流通させた焼成炉で、900℃で10時間焼成した。得られた焼成物に対して篩解砕処理及び分級処理を行い、複合酸化物17を得、上記測定を行った。複合酸化物17の特性を第3表に示す。
(比較例2)
実施例1において、金属イオン混合水溶液として、硫酸ニッケル(II)と硫酸マンガン(II)を含有し、モル比〔ニッケル(II):マンガン(II)〕が、1.00:3.00である金属イオン混合水溶液(金属量の合計が80g)を使用したこと以外は、実施例1と同様に、金属イオン混合水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを用いて、複合水酸化物の沈殿を反応槽18内で生成させた。
次いで、生成した沈殿物をデカンテーション法により水洗し、ろ取した後、ろ過物を、大気雰囲気下、100℃で一晩乾燥させた。
乾燥後のろ過物に、モル比(ニッケルイオン+マンガンイオン:リチウムイオン)が2.00:1.02となるように炭酸リチウムを混合し、次いで、得られた混合物を、酸素ガスを流通させた焼成炉にて1000℃で5時間、その後、700℃で10時間焼成した。得られた焼成物に対して篩解砕処理及び分級処理を行い、複合酸化物18を得、上記測定を行った。複合酸化物18の特性を第3表に示す。
(比較例3)
比較例2において、焼成条件を800℃で10時間に変更したことを除き、比較例2と同様にして複合酸化物19を得、上記測定を行った。複合酸化物19の特性を第3表に示す。
Figure 2013129589
Figure 2013129589
Figure 2013129589
第1表〜第3表より、以下のことがわかる。
実施例1〜16の複合酸化物1〜16を用いた場合は、ハイレート放電時においても、高い放電容量が得られている。一方、比較例1は、固相法を用いて得られた複合酸化物17を用いた例である。比較例1においては、BET比表面積値が大きな値を示し、ハイレート放電時において、放電容量が大きく低下している。また、比較例2及び3は、鉄やアルミニウムを含有しない複合酸化物18、19を用いた例である。この場合も、ハイレート放電時において、放電容量が低下している。
1a、1b:銅製冶具
2:樹脂ホルダー
3:測定粉末(複合酸化物)
4:1軸プレス
6:金属イオン混合水溶液(水溶液(A))調製工程
7:中和工程
8:水洗・乾燥工程
9:混合工程
10:焼成工程
11:解砕・篩工程
12:硫酸ニッケル
13:硫酸マンガン
14:硫酸鉄、硫酸アルミニウム又は硫酸チタン
15:アルカリ水溶液(B)
16:炭酸リチウム
17:攪拌機
18:SUS製円筒型反応槽
19:管
20:金属イオン混合水溶液槽
21:アルカリ水溶液槽
22:管
23:pHセンサー

Claims (13)

  1. 式(I)
    Figure 2013129589
    (式中、Mは、Al、Ti、Fe、Co及びZrからなる群より選ばれる元素を表す。xは、0.35〜0.55、yは、1.20〜1.52、zは、0.0098〜0.30の数を表し、x、y及びzの合計が2である。aは、0.97〜1.20の数を表し、bは、3.97〜4.04の数を表す。)
    で示される組成を有し、
    BET比表面積が、0.1〜3.0m/g、
    タップ密度が、0.8〜2.5g/cm
    78MPaにおけるプレス密度が、1.5〜3.2g/cm、かつ、
    二次粒子の粒子径D50が、1〜30μmであること
    を特徴とする複合酸化物。
  2. 粉末X線回折において、42〜47°に観測されるピークの半価幅が0.2°以下である、請求項1に記載の複合酸化物。
  3. 微分クロノポテンシオメトリーによって得られる微分容量曲線において、
    充電過程の微分容量曲線中に、2つのピークが、4.6〜4.8V(vs.Li/Li)の範囲に観測され、
    放電過程の微分容量曲線中に、2つのピークが、4.6〜4.8V(vs.Li/Li)の範囲に観測され、かつ、
    前記充電過程の微分容量曲線中の2つのピークを、低電位側からピーク1、ピーク2とし、前記放電過程の微分容量曲線中の2つのピークを、低電位側からピーク3、ピーク4としたときに、ピーク1と3の間の電位差、及びピーク2と4の間の電位差が、いずれも70mV以下である、請求項1又は2に記載の複合酸化物。
  4. リチウム二次電池用正極活物質として用いられるものである、請求項1〜3のいずれかに記載の複合酸化物。
  5. 以下の工程1〜3を含む製造方法により得られる、請求項1〜4のいずれかに記載の複合酸化物。
    (工程1)アルミニウムイオン、チタンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、及びジルコニウムイオンからなる群より選ばれる金属イオン(Mイオン)、並びに、ニッケルイオン及びマンガンイオンを含有し、ニッケルイオンとマンガンイオンとのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン)が、1.00:2.40〜1.00:3.86であって、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕が、1:5.6〜1:203である水溶液(A)と、アルカリ性水溶液(B)とを、pHが8.5〜12.0の範囲内で一定の値となるように混合して、沈殿物を得る工程
    (工程2)工程1で得られた沈殿物とリチウム塩とを、ニッケルイオン、マンガンイオン、及びMイオンの合計とリチウムイオンとのモル比〔(ニッケルイオン+マンガンイオン+Mイオン):リチウムイオン〕が、1.66:1.0〜2.06:1.0となるように混合して、混合物を得る工程
    (工程3)工程2で得られた混合物を、600〜1100℃で焼成する工程
  6. 以下の工程4〜7を含む製造方法により得られる、請求項1〜4のいずれかに記載の複合酸化物。
    (工程4)ニッケルイオン及びマンガンイオンを含有し、ニッケルイオンとマンガンイオンとのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン)が、1.00:2.40〜1.00:3.86である水溶液(C)と、アルカリ性水溶液(B)とを、pHが9.5〜12.0の範囲内で一定の値となるように混合して、沈殿物を析出させる工程
    (工程5)工程4で析出した沈殿物を含む懸濁液に、アルミニウムイオン、チタンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、及びジルコニウムイオンからなる群より選ばれる金属イオン(Mイオン)を含有する水溶液(D)と、アルカリ性水溶液(B’)とを、pHが6.0〜10.0の範囲内で一定の値となるように添加することで、前記沈殿物の粒子表面に、金属Mの化合物を析出させ、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕が、1:5.6〜1:203である沈殿粒子を形成する工程
    (工程6)工程5で得られたMイオンを含む沈殿物とリチウム塩とを、ニッケルイオン、マンガンイオン、及びMイオンの合計とリチウムイオンとのモル比〔(ニッケルイオン+マンガンイオン+Mイオン):リチウムイオン〕が、1.66:1.0〜2.06:1.0となるように混合して、混合物を得る工程
    (工程7)工程6で得られた混合物を、600〜1100℃で焼成する工程
  7. 以下の工程1〜3を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の複合酸化物の製造方法。
    (工程1)アルミニウムイオン、チタンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、及びジルコニウムイオンからなる群より選ばれる金属イオン(Mイオン)、並びに、ニッケルイオン及びマンガンイオンを含有し、ニッケルイオンとマンガンイオンとのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン)が、1.00:2.40〜1.00:3.86であって、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕が、1:5.6〜1:203である水溶液(A)と、アルカリ性水溶液(B)とを、pHが8.5〜12.0の範囲内で一定の値となるように混合して、沈殿物を得る工程
    (工程2)工程1で得られた沈殿物とリチウム塩とを、ニッケルイオン、マンガンイオン、及びMイオンの合計とリチウムイオンとのモル比〔(ニッケルイオン+マンガンイオン+Mイオン):リチウムイオン〕が、1.66:1.0〜2.06:1.0となるように混合して、混合物を得る工程
    (工程3)工程2で得られた混合物を、600〜1100℃で焼成する工程
  8. 以下の工程4〜7を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の複合酸化物の製造方法。
    (工程4)ニッケルイオン及びマンガンイオンを含有し、ニッケルイオンとマンガンイオンとのモル比(ニッケルイオン:マンガンイオン)が、1.00:2.40〜1.00:3.86である水溶液(C)と、アルカリ性水溶液(B)とを、pHが8.5〜12.0の範囲内で一定の値となるように混合して、沈殿物を析出させる工程
    (工程5)工程4で析出した沈殿物を含む懸濁液に、アルミニウムイオン、チタンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、及びジルコニウムイオンからなる群より選ばれる金属イオン(Mイオン)を含有する水溶液(D)と、アルカリ性水溶液(B’)とを、pHが6.0〜10.0の範囲内で一定の値となるように添加することで、前記沈殿物の粒子表面に、金属Mの化合物を析出させ、Mイオンと、ニッケルイオンとマンガンイオンの合計とのモル比〔Mイオン:(ニッケルイオン+マンガンイオン)〕が、1:5.6〜1:203である沈殿粒子を形成する工程
    (工程6)工程5で得られたMイオンを含む沈殿物とリチウム塩とを、ニッケルイオン、マンガンイオン、及びMイオンの合計とリチウムイオンとのモル比〔(ニッケルイオン+マンガンイオン+Mイオン):リチウムイオン〕が、1.66:1.0〜2.06:1.0となるように混合して、混合物を得る工程
    (工程7)工程6で得られた混合物を、600〜1100℃で焼成する工程
  9. 前記アルカリ性水溶液(B)が、アルカリ金属の、水酸化物又は炭酸塩を含む水溶液である、請求項7または8に記載の複合酸化物の製造方法。
  10. 前記工程3または工程7が、酸素を含む雰囲気下で焼成する工程である、請求項7〜9のいずれかに記載の複合酸化物の製造方法。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載の複合酸化物を用いて得られるリチウム二次電池用正極。
  12. 請求項11に記載のリチウム二次電池用正極を備えるリチウム二次電池。
  13. 負極活物質が、黒鉛系炭素又はチタン含有酸化物である、請求項12に記載のリチウム二次電池。
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