JPH10149828A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JPH10149828A
JPH10149828A JP8306278A JP30627896A JPH10149828A JP H10149828 A JPH10149828 A JP H10149828A JP 8306278 A JP8306278 A JP 8306278A JP 30627896 A JP30627896 A JP 30627896A JP H10149828 A JPH10149828 A JP H10149828A
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JP
Japan
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positive electrode
lithium
active material
composite oxide
lithium manganese
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Application number
JP8306278A
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English (en)
Inventor
Kazuo Anzai
和雄 安斎
Iwao Mitsuishi
巌 三石
Shinichi Miyamoto
宮本  慎一
Sumitomo Yajima
住智 矢嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 初充電時での炭素質材料を含む負極のリチウ
ムイオンのトラップの問題を解消し、かつ充放電の繰り
返しによる劣化、つまりサイクル劣化の少ない正極活物
質を含む正極を備えたリチウムイオン二次電池を提供す
るものである。 【解決手段】 充放電時に正極活物質を含む正極と炭素
質材料を含む負極との間でリチウムイオンの吸蔵・放出
がなされるリチウムイオン二次電池において、前記正極
活物質は、(A)Li1+x Mn2-x4 (ただし、xは
0≦x<0.2を示す)で表わされるリチウムマンガン
スピネル化合物と、(B)Li2 Mn24 で表わされ
る正方晶系リチウムマンガン複合酸化物を含有するリチ
ウムマンガン複合酸化物とからなることを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
に関し、特に正極の活物質を改良したリチウム二次電池
に係わる。
【0002】
【従来の技術】リチウムコバルト複合酸化物を正極活物
質として含む正極およびコークスのような炭素質材料を
含む負極を備えたリチウムイオン二次電池は、コードレ
スホンやパーソナルコンピュータの主電源として採用さ
れている。しかしながら、前記リチウムコバルト複合酸
化物は比較的高価であるため、資源的に豊富で安価なニ
ッケルやマンガンをベースとしたリチウムとの複合酸化
物への切り替えが注目されている。
【0003】マンガン酸化物の中で、マンガンと酸素の
みで構成される二酸化マンガンは可逆性に乏しく、充放
電特性が劣るために、例えばLiMn24 のようにマ
ンガン酸化物にリチウム塩を導入したスピネル結晶構造
を持つリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質として
用いることが提案されている(米国特許第4,507,
371号明細書)。
【0004】また、LiMn24 とヨウ化リチウム
(LiI)とを150℃で反応させたり、LiMn2
4 とLiIとをアセトニトリル中、80℃付近で反応さ
せたりして合成される結晶構造がテトラゴナル構造のL
2 Mn24 のリチウムマンガン複合酸化物を正極活
物質として用いることが提案されている。
【0005】しかしながら、前記リチウムマンガン複合
酸化物のうち、スピネル結晶構造を持つリチウムマンガ
ン複合酸化物はスピネル構造において占めるリチウムの
位置が限られてるため、充放電に利用できる有効な電位
範囲が小さいという問題がある。具体的には、タラスコ
ン氏らの論文(ジャーナルオブエレクトロケミカルソサ
エティ;138巻10号2864頁−2868頁、19
91年)には前記スピネル結晶構造を持つリチウムマン
ガン複合酸化物を正極活物質として含む正極と炭素質材
料を含む負極とを備えたリチウムイオン二次電池におい
て、初充電の際に正極から負極にインターカレントされ
たリチウムイオンのうちの20%が負極にトラップさ
れ、充電に寄与しなくなるため、放電容量が著しく低下
することが開示されている。
【0006】一方、前記テトラゴナル構造のLi2 Mn
24 のリチウムマンガン複合酸化物は放電容量が前記
スピネル結晶構造を持つリチウムマンガン複合酸化物に
比べて大きい利点を有するものの、例えばサッカレー氏
らの論文(ジャーナルオブエレクトロケミカルソサエテ
ィ;142巻8号2558−2563頁、1995年)
に記載されていように充放電を繰り返すとその結晶構造
が乱れて容量が大きく低下する問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、初充電時で
の炭素質材料を含む負極のリチウムイオンのトラップの
問題を解消し、かつ充放電の繰り返しによる劣化、つま
りサイクル劣化の少ない正極活物質を含む正極を備えた
リチウムイオン二次電池を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるリチウム
二次電池は、充放電時に正極活物質を含む正極と炭素質
材料を含む負極との間でリチウムイオンの吸蔵・放出が
なされるリチウムイオン二次電池において、前記正極活
物質は、(A)Li1+x Mn2-x4 (ただし、xは0
<x<0.2を示す)で表わされるリチウムマンガンス
ピネル化合物と、(B)Li2 Mn24 で表わされる
正方晶系リチウムマンガン複合酸化物を含有するリチウ
ムマンガン複合酸化物とからなることを特徴とするもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関わるリチウム二
次電池を図1を参照して詳細に説明する。例えばステン
レス鋼製の正極缶1内には、正極2が収納されている。
セパレ―タ3は、前記正極2上配置されている。前記セ
パレータ3には、電解質を誘起溶媒で溶解した非水電解
液が含浸保持されている。負極4は、前記セパレータ3
上に配置されている。前記正極缶1の開口部には、絶縁
ガスケット5を介して負極缶6が設けられており、この
負極缶6および前記正極缶1のかしめ加工により前記正
極缶1および前記負極缶6内に前記正極2、セパレ―タ
3および負極4が密閉されている。
【0010】次に、前記正極2、負極4およびセパレー
タ3および非水電解液について詳細に説明する。 (1)正極2 この正極2は、(A)Li1+x Mn2-x4 (ただし、
xは0<x<0.2を示す)で表わされるリチウムマン
ガンスピネル化合物と、(B)Li2 Mn24 で表わ
される正方晶系リチウムマンガン複合酸化物を含むリチ
ウムマンガン複合酸化物からなる正極活物質と、黒鉛の
ような導電助剤と、ポリテトラフルオロエチレンのよう
な結着剤とを含む混合物を加圧成形することにより作製
される。
【0011】前記正極活物質の一方の成分である前記リ
チウムマンガンスピネル化合物は、充放電時に前記負極
との間でリチウムイオンの吸蔵・放出をなすものであ
る。前記正極活物質の他方の成分である前記正方晶系リ
チウムマンガン複合酸化物を含有するリチウムマンガン
複合酸化物(B)は、初放電時に負極の炭素質材料にト
ラップされるリチウムイオンを補償して充放電サイクル
寿命を向上する役目をなす。
【0012】前記リチウムマンガン複合酸化物(B)
は、Li2 Mn24 で表わされる正方晶系リチウムマ
ンガン複合酸化物単独、または正方晶系リチウムマンガ
ン複合酸化物とLiMn24 の混在物を用いることが
できる。
【0013】前記リチウムマンガンスピネル化合物
(A)および前記リチウムマンガン複合酸化物(B)
は、前記リチウムマンガンスピネル化合物(A)の初充
電容量をa、前記リチウムマンガン複合酸化物(B)の
初充電容量をb、前記負極中の炭素質材料の初充電容量
をp、前記負極中の炭素質材料の初放電容量をqとした
とき、次式(1)、(2)を満たすように配合されるこ
とが好ましい。
【0014】b≧p−q …(1) a+b≦p …(2) 前記(1)式において、bが(p−q)未満であると、
主に負極の炭素質材料へのリチウムイオンのトラップに
起因する放電容量の低下を解消することが困難になる。
前記(2)式において、(a+b)がpを越えると負極
表面にリチウムが析出してデンドライドを生じ、内部短
絡を起こす恐れがある。
【0015】前記正極活物質は、前記リチウムマンガン
スピネル化合物(A)70〜98重量%と前記リチウム
マンガン複合酸化物(B)2〜30重量%からなること
が好ましい。これは、次のような理由によるものであ
る。前記リチウムマンガンスピネル化合物(A)の配合
量を70重量%未満にすると、充放電時に前記負極との
間でリチウムイオンの吸蔵・放出をなす正極活物質の量
が低下して、サイクル特性が低下する。また、他方の正
極活物質である前記リチウムマンガン複合酸化物(B)
の量が相対的に増大するため、初充電容量は増加するも
のの、前記リチウムマンガン複合酸化物(B)中の正方
晶系リチウムマンガン複合酸化物に起因する充放電の繰
り返しによる充放電容量の劣化が比較的早くなる恐れが
ある。一方、前記リチウムマンガンスピネル化合物
(A)の配合量が98重量%を超えると他方の正極活物
質である前記リチウムマンガン複合酸化物(B)中の正
方晶系リチウムマンガン複合酸化物の量が相対的に低下
して負極の炭素質材料へのリチウムイオンのトラップに
起因する放電容量の低下を抑制することが困難になる。
特に、前記リチウムマンガンスピネル化合物(A)70
〜83重量%、前記正方晶系リチウムマンガン複合酸化
物を含むリチウムマンガン複合酸化物(B)17〜30
重量%にすることがより好ましい。
【0016】前記正極活物質と、導電助剤と、結着剤と
の混合割合は、90:7:3〜89:10:1にするこ
とが好ましい。 (2)負極4 この負極4は、炭素質材料、導電剤および結着剤からな
る混合物を加圧成形することにより作製される。
【0017】前記炭素質材料としては、例えば人造黒
鉛、天然黒鉛、熱分解炭素、コークス、樹脂焼成体、メ
ソフェーズ小球体、メソフェーズ系ピッチ等を用いるこ
とができる。
【0018】前記導電材としては、例えばアセチレンブ
ラック、カーボンブラック等を用いることができる。前
記結着剤としては、例えばスチレン・ブタジエンラテッ
クス(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CM
C)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体(EPDM)、ニトリル−ブタジエン
ゴム(NBR)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロ
プロピレン−テトラフルオロエチレン3元系共重合体、
ポリトリフルオロエチレン(PTrFE)、フッ化ビニ
リデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリ
デン−テトラフルオロエチレン共重合体等を用いること
ができる。
【0019】(3)セパレータ3 このセパレータ3は、例えばポリプロピレン不織布、微
孔性ポリエチレンフィルム等からなる。
【0020】(4)非水電解液 この非水電解液は、電解質を非水溶媒で溶解した組成を
有する。前記電解質としては、例えばホウフッ化リチウ
ム(LiBF4 )、六フッ化リン酸リチウム(LiPF
6 )、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化砒
素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメタンスル
ホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、塩化アルミニウ
ムリチウム(LiAlCl)から選ばれる1種または2
種以上のリチウム塩を挙げることができる。
【0021】前記非水溶媒としては、例えばエチレンカ
ーボネート、2−メメチルテトラヒドロフラン、1,2
−ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、1,3−ジオ
キソラン、1,3−ジメトキシプロパンから選ばれる1
種または2種以上の混合物を挙げることができる。
【0022】前記電解質の非水溶媒に対する溶解量は、
0.5〜1.5モル/lとすることが望ましい。以上説
明した本発明によれば、正極として(A)Li1+x Mn
2-x4 (ただし、xは0<x<0.2を示す)で表わ
されるリチウムマンガンスピネル化合物と(B)Li2
Mn24 )で表わされる正方晶系リチウムマンガン複
合酸化物を含有するリチウムマンガン複合酸化物とから
なる正極活物質を含み、前記リチウムマンガンスピネル
化合物(A)が主に充放電時に前記負極との間でリチウ
ムイオンの吸蔵・放出をなし、前記正方晶系リチウムマ
ンガン複合酸化物を含有するリチウムマンガン複合酸化
物(B)が初放電時に負極の炭素質材料にトラップされ
るリチウムイオンを補償するため、初充電量が大きく、
かつ充放電サイクル寿命が長いリチウムイオン二次電池
を得ることができる。
【0023】特に、前記リチウムマンガンスピネル化合
物(A)および前記正方晶系リチウムマンガン複合酸化
物を含有するリチウムマンガン複合酸化物(B)を前述
した式(1)、(2)を満たすように配合した正極活物
質を用いることによって、初充電量が大きく、かつ充放
電サイクル寿命が長い、より一層特性が向上されたリチ
ウムイオン二次電池を得ることができる。
【0024】また、前記リチウムマンガンスピネル化合
物(A)70〜98重量%と前記正方晶系リチウムマン
ガン複合酸化物を含有するリチウムマンガン複合酸化物
(B)2〜30重量%からなる正極活物質を用いること
によって、初充電量が大きく、かつ充放電サイクル寿命
が長い、より一層特性が向上されたリチウムイオン二次
電池を得ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 <リチウムマンガン複合酸化物(A1)の合成>まず、
炭酸リチウム(Li2 CO3 )と電解二酸化マンガン
(MnO2 )とをリチウムとマンガンのモル比が1.1
0:2.00になるように10g(全量)を秤量し、ア
ルミナ乳鉢で30分間粉砕混合して混合粉末を調製し
た。つづいて、この混合粉末をアルミナ製ボートに充填
し、このボートを電気炉に設置して空気雰囲気中、50
0℃まで2時間かけて昇温し、この温度を24時間保持
した。ひきつづき、800℃まで1.2時間かけて昇温
し、この温度を24時間保持した後、250℃/hrの
速度で冷却することによりリチウムマンガン複合酸化物
を合成した。
【0026】得られたリチウムマンガン複合酸化物をC
uKα線を用いてX線回折を行った。その結果、回折角
2Θが10゜〜90゜の範囲で測定された全てのX線回
折ピークが立方晶の結晶構造を持つリチウムマンガンス
ピネルに帰属するX線回折ピークが現れることが確認さ
れた。また、面指数が(511)で示されるX線回折ピ
ークより高角度側で格子指数aを算出した。その結果、
a=0.822nmであった。
【0027】<リチウムマンガン複合酸化物(B1)の
合成>まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と電解二酸
化マンガン(MnO2 )とをリチウムとマンガンのモル
比が1.00:2.00になるように10g(全量)を
秤量し、アルミナ乳鉢で30分間粉砕混合して混合粉末
を調製した。つづいて、この混合粉末をアルミナ製ボー
トに充填し、このボートを電気炉に設置して空気雰囲気
中、800℃まで約3.2時間かけて昇温し、この温度
を24時間保持した。この後、250℃/hrの速度で
冷却することによりリチウムマンガン複合酸化物を合成
した。
【0028】得られたリチウムマンガン複合酸化物をC
uKα線を用いてX線回折を行った。その結果、回折角
2Θが10゜〜90゜の範囲で測定された全てのX線回
折ピークが立方晶の結晶構造を持つリチウムマンガンス
ピネルに帰属するX線回折ピークが現れることが確認さ
れた。また、面指数が(511)で示されるX線回折ピ
ークより高角度側で格子指数aを算出した。その結果、
a=0.825nmであった。
【0029】次いで、前記リチウムマンガンスピネルを
3.1g、ヨウ化リチウム(LiI)を6.9gそれぞ
れ秤量し、これらの物質を500ccの三口フラスコに
入れた後、アセトニトリル150ccを加えた。このフ
ラスコに還流冷却器を取り付け、オイルバス中で82℃
に加熱し、6時間保持した。
【0030】得られたリチウムマンガン複合酸化物をC
uKα線を用いて回折角2Θが10゜〜90゜の範囲で
X線回折を行った。その結果、図2に示すようにタラス
コン氏らの論文(ジャーナルオブエレクトロケミカルソ
サエティ;138巻10号2865、1991年)に記
載されたLi2 Mn24 とLiMn24 の混在物で
あることがわかった。
【0031】<正極活物質の初充電容量の測定>前記リ
チウムマンガン複合酸化物(A1)からなる正極活物質
80重量部と導電材としてのアセチレンブラック17重
量部と結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末
3重量部とを秤量した。つづいて、前記正極活物質およ
びアセチレンブラックを自動乳鉢を用いて20分間混合
した後、前記ポリテトラフルオロエチレン粉末を加え、
前記ポリテトラフルオロエチレンが十分に繊維化するま
で約20分間混合した。ひきつづき、この混合物をロー
ルプレス機により0.25〜0.27mmのシート状に
延ばし、集電体であるステンレス網体に圧着した。その
後、前記集電体に付着した活物質部分が10mm×10
mmになるように余分な活物質シートを前記集電体から
除去し、Tiリードを放電溶接することにより正極を作
製した。
【0032】また、正極活物質として前記リチウムマン
ガン複合酸化物(B1)を用いた以外、前述したのと同
様な方法より正極を作製した。次いで、ニッケル網体に
リチウム金属箔を圧着した負極および前記各正極をそれ
ぞれガラス質のセパレータを介して対峙させ、これらを
照合電極と共に電解液が収容されたガラス製容器に浸漬
して2種の測定セルを組み立てた。なお、前記照合電極
はステンレス網体にリチウム金属箔を圧着した構造を有
し、前記容器内に前記正極と近接して浸漬した。また、
前記電解液としては六フッ化リン酸リチウム(LiPF
6 )をエチレンカーボネートおよびエチルメチルカーボ
ネートの混合溶媒(混合体積比率1:1)に1.0モル
/l溶解した組成のものを使用した。
【0033】前記2つの測定セルをそれぞれ20℃に保
持した恒温室内にて1mA/cm2の定電流密度で充電
し、電圧が4.3Vに達した時点で充電を終了して正極
の初充電容量を測定した。その結果、前記リチウムマン
ガン複合酸化物(A1)を正極活物質として含む正極お
よび前記リチウムマンガン複合酸化物(B1)を正極活
物質として含む正極の初充電容量(a1c 、b1c
は、それぞれ110mAh/g、173mAh/gであ
った。
【0034】<負極の初充放電容量の測定>市販のピッ
チベースのカーボン粉末97重量部と結着剤としてのポ
リテトラフルオロエチレン粉末3重量部とを秤量した。
つづいて、前記カーボン粉末および前記ポリテトラフル
オロエチレンが十分に繊維化するまで約20分間混合し
た。ひきつづき、この混合物をロールプレス機により厚
さ約0.15mmのシート状に延ばし、集電体であるス
テンレス網体に圧着した。その後、前記集電体に付着し
た活物質部分が20mm×20mmになるように余分な
活物質シートを前記集電体から除去し、Tiリードを放
電溶接することにより負極を作製した。
【0035】次いで、ニッケル網体にリチウム金属箔を
圧着した対極および前記負極をガラス質のセパレータを
介して対峙させ、これらを照合電極と共に電解液が収容
されたガラス製容器に浸漬して測定セルを組み立てた。
なお、前記照合電極はステンレス網体にリチウム金属箔
を圧着した構造を有し、前記容器内に前記負極と近接し
て浸漬した。また、前記電解液としては六フッ化リン酸
リチウム(LiPF6)をエチレンカーボネートおよび
エチルメチルカーボネートの混合溶媒(混合体積比率
1:1)に1.0モル/l溶解した組成のものを使用し
た。
【0036】前記測定セルを20℃に保持した恒温室内
にて1mA/cm2 の定電流密度で充電し、リチウムイ
オンを前記負極のカーボンにドープ(インターカレン
ト)し、電圧が0Vに達した時点で充電を終了し、10
分間休止した後、放電を1mA/cm2 の電流密度で行
い、1.0Vに達した時点で放電を終了して負極(カー
ボン)の初充電容量および初放電容量を計算した。その
結果、前記負極の初充電容量(pc1)および初放電容量
(qc1)はそれぞれ262mAh/g、189.8mA
h/gであった。
【0037】(実施例1)前記リチウムマンガン複合酸
化物(A1)からなる正極活物質62重量部、前記リチ
ウムマンガン複合酸化物(B1)からなる正極活物質1
8重量部、導電材としてのアセチレンブラック17重量
部および結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉
末3重量部をそれぞれ秤量した。つづいて、前記正極活
物質およびアセチレンブラックを自動乳鉢を用いて20
分間混合した後、前記ポリテトラフルオロエチレン粉末
を加え、前記ポリテトラフルオロエチレンが十分に繊維
化するまで約20分間混合した。ひきつづき、この混合
物をロールプレス機により0.27mmのシート状に延
ばし、集電体であるステンレス網体に圧着した。その
後、前記集電体に付着した活物質部分が20mm×20
mmになるように余分な活物質シートを前記集電体から
除去し、Tiリードを放電溶接することにより正極を作
製した。なお、前記正極に含まれる前記リチウムマンガ
ン複合酸化物(A1)からなる正極活物質および前記リ
チウムマンガン複合酸化物(B1)からなる正極活物質
の合計量は、0.2gであった。
【0038】また、市販のピッチベースのカーボン粉末
97重量部と結着剤としてのポリテトラフルオロエチレ
ン粉末3重量部とを秤量した。つづいて、前記カーボン
粉末および前記ポリテトラフルオロエチレンが十分に繊
維化するまで約20分間混合した。ひきつづき、この混
合物をロールプレス機により厚さ約0.20mmのシー
ト状に延ばし、集電体であるステンレス網体に圧着し
た。その後、前記集電体に付着した活物質部分が20m
m×20mmになるように余分な活物質シートを前記集
電体から除去し、Tiリードを放電溶接することにより
負極を作製した。なお、前記負極中のカーボン量は1.
000gであった。
【0039】次いで、前記正極および前記負極をガラス
質のセパレータを介して対向させ、これを電解液が収容
されたガラス製容器に浸漬してモデル電池を組み立て
た。なお、前記電解液としては六フッ化リン酸リチウム
(LiPF6 )をエチレンカーボネートおよびエチルメ
チルカーボネートの混合溶媒(混合体積比率1:1)に
1.0モル/l溶解した組成のものを使用した。
【0040】(実施例2)前記リチウムマンガン複合酸
化物(A1)からなる正極活物質60重量部、前記リチ
ウムマンガン複合酸化物(B1)からなる正極活物質2
0重量部、導電材としてのアセチレンブラック17重量
部および結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉
末3重量部をそれぞれ秤量した。つづいて、前記正極活
物質およびアセチレンブラックを自動乳鉢を用いて20
分間混合した後、前記ポリテトラフルオロエチレン粉末
を加え、前記ポリテトラフルオロエチレンが十分に繊維
化するまで約20分間混合した。ひきつづき、この混合
物をロールプレス機により0.27mmのシート状に延
ばし、集電体であるステンレス網体に圧着した。その
後、前記集電体に付着した活物質部分が20mm×20
mmになるように余分な活物質シートを前記集電体から
除去し、Tiリードを放電溶接することにより正極を作
製した。なお、前記正極に含まれる前記リチウムマンガ
ン複合酸化物(A1)からなる正極活物質および前記リ
チウムマンガン複合酸化物(B1)からなる正極活物質
の合計量は、0.2gであった。
【0041】次いで、前記正極および実施例1と同様な
負極をガラス質のセパレータを介して対向させ、これを
電解液が収容されたガラス製容器に浸漬してモデル電池
を組み立てた。
【0042】(実施例3)前記リチウムマンガン複合酸
化物(A1)からなる正極活物質56重量部、前記リチ
ウムマンガン複合酸化物(B1)からなる正極活物質2
4重量部、導電材としてのアセチレンブラック17重量
部および結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉
末3重量部をそれぞれ秤量した。つづいて、前記正極活
物質およびアセチレンブラックを自動乳鉢を用いて20
分間混合した後、前記ポリテトラフルオロエチレン粉末
を加え、前記ポリテトラフルオロエチレンが十分に繊維
化するまで約20分間混合した。ひきつづき、この混合
物をロールプレス機により0.27mmのシート状に延
ばし、集電体であるステンレス網体に圧着した。その
後、前記集電体に付着した活物質部分が20mm×20
mmになるように余分な活物質シートを前記集電体から
除去し、Tiリードを放電溶接することにより正極を作
製した。なお、前記正極に含まれる前記リチウムマンガ
ン複合酸化物(A1)からなる正極活物質および前記リ
チウムマンガン複合酸化物(B1)からなる正極活物質
の合計量は、0.2gであった。
【0043】次いで、前記正極および実施例1と同様な
負極をガラス質のセパレータを介して対向させ、これを
電解液が収容されたガラス製容器に浸漬してモデル電池
を組み立てた。
【0044】(比較例1)前記リチウムマンガン複合酸
化物(A1)からなる正極活物質80重量部、導電材と
してのアセチレンブラック17重量部および結着剤とし
てのポリテトラフルオロエチレン粉末3重量部をそれぞ
れ秤量した。つづいて、これらの材料を用いて実施例1
と同様な方法により正極を作製した。なお、前記正極に
含まれる前記リチウムマンガン複合酸化物(A1)から
なる正極活物質は、0.2gであった。
【0045】次いで、前記正極および実施例1と同様な
負極をガラス質のセパレータを介して対向させ、これを
電解液が収容されたガラス製容器に浸漬してモデル電池
を組み立てた。
【0046】(比較例2)前記リチウムマンガン複合酸
化物(B1)からなる正極活物質80重量部、導電材と
してのアセチレンブラック17重量部および結着剤とし
てのポリテトラフルオロエチレン粉末3重量部をそれぞ
れ秤量した。つづいて、これらの材料を用いて実施例1
と同様な方法により正極を作製した。なお、前記正極に
含まれる前記リチウムマンガン複合酸化物(B1)から
なる正極活物質は、0.2gであった。
【0047】次いで、前記正極および実施例1と同様な
負極をガラス質のセパレータを介して対向させ、これを
電解液が収容されたガラス製容器に浸漬してモデル電池
を組み立てた。
【0048】得られた実施例1〜3および比較例1、2
のモデル電池を20℃に保持した恒温室内にて2mAの
電流でそれぞれ充放電を行った。充電は、4.3Vでカ
ットオフし、10分間の休止後、放電を開始し、2.0
Vでカットオフし、10分間休止を行う充放電を繰り返
した。このような充放電サイクル試験における各モデル
電池の初放電時の放電容量および10サイクル時の放電
容量を調べた。その結果を下記表1に示す。
【0049】また、前述した正極活物質の初充電容量の
測定および負極の初充放電容量の測定の結果より、前記
リチウムマンガン複合酸化物(A1)の初充電容量(a
c)が110mAh/g、前記リチウムマンガン複合
酸化物(B1)の初充電容量(b1c )が173mAh
/g、前記負極の初充電容量(pc1)が262mAh/
g、前記負極の初放電容量(qc1)が189.8mAh
/gであるから、それぞれ前記実施例1〜3のモデル電
池の組み込まれた前記リチウムマンガン複合酸化物(A
1)の初充電容量(a)を次式(3−1)、前記リチウ
ムマンガン複合酸化物(B1)の初充電容量(b)を次
式(3−2)、前記負極中のカーボン粉末の初充電容量
(p)をは次式(3−3)、および前記負極中のカーボ
ン粉末の初充電容量(q)を次式(3−4)より求め
た。
【0050】 a=(a1c )×(活物質重量)×(A1+B1中のA1の比率)…(3-1) b=(b1c )×(活物質重量)×(A1+B1中のB1の比率)…(3-2) p=(pc1)×(カーボン重量)…(3-3) q=(qc1)×(カーボン重量)…(3-4) 前記(3-1) 〜(3-4) の式から求めた実施例1〜3のa、
b、p、q、p−q、a+bを下記表1に併記する。
【0051】
【表1】
【0052】前記表1から明らかなように実施例1〜3
のモデル電池はa、b、p、qが下記式(1)、(2)
の関係を満たすことがわかる。 b≧p−q …(1) a+b≦p …(2) このようなリチウムマンガンスピネル(A1)および正
方晶系リチウムマンガン複合酸化物(B1)の両者を正
極活物質として含む正極を備えた実施例1〜3のモデル
電池(リチウムイオン二次電池)は、リチウムマンガン
スピネル(A1)を正極活物質として含む正極を備えた
比較例1のモデル電池に比べて初放電時および10サイ
クル時の放電容量がいずれも大きく、長い充放電サイク
ル寿命を有することがわかる。
【0053】これに対し、正方晶系リチウムマンガン複
合酸化物(B1)を正極活物質として含む正極を備えた
比較例2のモデル電池は、初放電時の放電容量が大きい
が、10サイクル時の放電容量が著しく低下することが
わかる。
【0054】<リチウムマンガン複合酸化物(A2)の
合成>まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と電解二酸
化マンガン(MnO2 )とをリチウムとマンガンのモル
比が1.05:2.00になるように10g(全量)を
秤量し、アルミナ乳鉢で30分間粉砕混合して混合粉末
を調製した。つづいて、この混合粉末をアルミナ製ボー
トに充填し、このボートを電気炉に設置して空気雰囲気
中、500℃まで2時間かけて昇温し、この温度を24
時間保持した。ひきつづき、800℃まで1.2時間か
けて昇温し、この温度を24時間保持した後、250℃
/hrの速度で冷却することによりリチウムマンガン複
合酸化物を合成した。
【0055】得られたリチウムマンガン複合酸化物をC
uKα線を用いてX線回折を行った。その結果、回折角
2Θが10゜〜90゜の範囲で測定された全てのX線回
折ピークが立方晶の結晶構造を持つリチウムマンガンス
ピネルに帰属するX線回折ピークが現れることが確認さ
れた。また、面指数が(511)で示されるX線回折ピ
ークより高角度側で格子指数aを算出した。その結果、
a=0.830nmであった。
【0056】<正極活物質の初充電容量の測定>前記リ
チウムマンガン複合酸化物(A2)からなる正極活物質
80重量部と導電材としてのアセチレンブラック17重
量部と結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉末
3重量部とを秤量した。つづいて、前記正極活物質およ
びアセチレンブラックを自動乳鉢を用いて20分間混合
した後、前記ポリテトラフルオロエチレン粉末を加え、
前記ポリテトラフルオロエチレンが十分に繊維化するま
で約20分間混合した。ひきつづき、この混合物をロー
ルプレス機により0.25〜0.27mmのシート状に
延ばし、集電体であるステンレス網体に圧着した。その
後、前記集電体に付着した活物質部分が10mm×10
mmになるように余分な活物質シートを前記集電体から
除去し、Tiリードを放電溶接することにより正極を作
製した。
【0057】次いで、ニッケル網体にリチウム金属箔を
圧着した負極および前記正極をそれぞれガラス質のセパ
レータを介して対峙させ、これらを照合電極と共に電解
液が収容されたガラス製容器に浸漬して測定セルを組み
立てた。なお、前記照合電極はステンレス網体にリチウ
ム金属箔を圧着した構造を有し、前記容器内に前記正極
と近接して浸漬した。また、前記電解液としては六フッ
化リン酸リチウム(LiPF6 )をエチレンカーボネー
トおよびエチルメチルカーボネートの混合溶媒(混合体
積比率1:2)に1.0モル/l溶解した組成のものを
使用した。
【0058】前記測定セルを20℃に保持した恒温室内
にて1mA/cm2 の定電流密度で充電し、電圧が4.
3Vに達した時点で充電を終了して正極の初充電容量を
測定した。その結果、前記リチウムマンガン複合酸化物
(A2)を正極活物質として含む正極の初充電容量(a
c )は、118mAh/gであった。
【0059】<負極の初充放電容量の測定>市販の平均
径9μm、平均長さ20μmのメソフェーズカーボンフ
ァイバ粉末97重量部と結着剤としてのポリテトラフル
オロエチレン粉末3重量部とを秤量した。つづいて、前
記メソフェーズカーボンファイバ粉末および前記ポリテ
トラフルオロエチレンが十分に繊維化するまで約20分
間混合した。ひきつづき、この混合物をロールプレス機
により厚さ約0.15mmのシート状に延ばし、集電体
であるステンレス網体に圧着した。その後、前記集電体
に付着した活物質部分が20mm×20mmになるよう
に余分な活物質シートを前記集電体から除去し、Tiリ
ードを放電溶接することにより負極を作製した。
【0060】次いで、ニッケル網体にリチウム金属箔を
圧着した対極および前記負極をガラス質のセパレータを
介して対峙させ、これらを照合電極と共に電解液が収容
されたガラス製容器に浸漬して測定セルを組み立てた。
なお、前記照合電極はステンレス網体にリチウム金属箔
を圧着した構造を有し、前記容器内に前記負極と近接し
て浸漬した。また、前記電解液としては六フッ化リン酸
リチウム(LiPF6)をエチレンカーボネートおよび
エチルメチルカーボネートの混合溶媒(混合体積比率
1:1)に1.0モル/l溶解した組成のものを使用し
た。
【0061】前記測定セルを20℃に保持した恒温室内
にて1mA/cm2 の定電流密度で充電し、リチウムイ
オンを前記負極のカーボンにドープ(インターカレン
ト)し、電圧が0Vに達した時点で充電を終了し、10
分間休止した後、放電を1mA/cm2 の電流密度で行
い、1.0Vに達した時点で放電を終了して負極(カー
ボン)の初充電容量および初放電容量を計算した。その
結果、前記負極の初充電容量(pc2)および初放電容量
(qc2)はそれぞれ340mAh/g、272mAh/
gであった。
【0062】(実施例4)前記リチウムマンガン複合酸
化物(A2)からなる正極活物質66重量部、前記リチ
ウムマンガン複合酸化物(B1)からなる正極活物質1
4重量部、導電材としてのアセチレンブラック17重量
部および結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉
末3重量部をそれぞれ秤量した。つづいて、前記正極活
物質およびアセチレンブラックを自動乳鉢を用いて20
分間混合した後、前記ポリテトラフルオロエチレン粉末
を加え、前記ポリテトラフルオロエチレンが十分に繊維
化するまで約20分間混合した。ひきつづき、この混合
物をロールプレス機により0.27mmのシート状に延
ばし、集電体であるステンレス網体に圧着した。その
後、前記集電体に付着した活物質部分が20mm×20
mmになるように余分な活物質シートを前記集電体から
除去し、Tiリードを放電溶接することにより正極を作
製した。なお、前記正極に含まれる前記リチウムマンガ
ン複合酸化物(A2)からなる正極活物質および前記リ
チウムマンガン複合酸化物(B1)からなる正極活物質
の合計量は、0.2gであった。
【0063】また、平均径9μm、平均長さ20μmの
メソフェーズカーボンファイバ粉末97重量部と結着剤
としてのポリテトラフルオロエチレン粉末3重量部とを
秤量した。つづいて、前記カーボン粉末および前記ポリ
テトラフルオロエチレンが十分に繊維化するまで約20
分間混合した。ひきつづき、この混合物をロールプレス
機により厚さ約0.16mmのシート状に延ばし、集電
体であるステンレス網体に圧着した。その後、前記集電
体に付着した活物質部分が20mm×20mmになるよ
うに余分な活物質シートを前記集電体から除去し、Ti
リードを放電溶接することにより負極を作製した。な
お、前記負極中のメソフェーズカーボンファイバ粉末の
量は0.081gであった。
【0064】次いで、前記正極および前記負極をガラス
質のセパレータを介して対向させ、これを電解液が収容
されたガラス製容器に浸漬してモデル電池を組み立て
た。なお、前記電解液としては六フッ化リン酸リチウム
(LiPF6 )をエチレンカーボネートおよびエチルメ
チルカーボネートの混合溶媒(混合体積比率1:1)に
1.0モル/l溶解した組成のものを使用した。
【0065】(実施例5)前記リチウムマンガン複合酸
化物(A2)からなる正極活物質64重量部、前記リチ
ウムマンガン複合酸化物(B1)からなる正極活物質1
6重量部、導電材としてのアセチレンブラック17重量
部および結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉
末3重量部をそれぞれ秤量した。つづいて、前記正極活
物質およびアセチレンブラックを自動乳鉢を用いて20
分間混合した後、前記ポリテトラフルオロエチレン粉末
を加え、前記ポリテトラフルオロエチレンが十分に繊維
化するまで約20分間混合した。ひきつづき、この混合
物をロールプレス機により0.27mmのシート状に延
ばし、集電体であるステンレス網体に圧着した。その
後、前記集電体に付着した活物質部分が20mm×20
mmになるように余分な活物質シートを前記集電体から
除去し、Tiリードを放電溶接することにより正極を作
製した。なお、前記正極に含まれる前記リチウムマンガ
ン複合酸化物(A2)からなる正極活物質および前記リ
チウムマンガン複合酸化物(B1)からなる正極活物質
の合計量は、0.2gであった。
【0066】次いで、前記正極および実施例4と同様な
負極をガラス質のセパレータを介して対向させ、これを
電解液が収容されたガラス製容器に浸漬してモデル電池
を組み立てた。
【0067】(実施例6)前記リチウムマンガン複合酸
化物(A2)からなる正極活物質63重量部、前記リチ
ウムマンガン複合酸化物(B1)からなる正極活物質1
7重量部、導電材としてのアセチレンブラック17重量
部および結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン粉
末3重量部をそれぞれ秤量した。つづいて、前記正極活
物質およびアセチレンブラックを自動乳鉢を用いて20
分間混合した後、前記ポリテトラフルオロエチレン粉末
を加え、前記ポリテトラフルオロエチレンが十分に繊維
化するまで約20分間混合した。ひきつづき、この混合
物をロールプレス機により0.27mmのシート状に延
ばし、集電体であるステンレス網体に圧着した。その
後、前記集電体に付着した活物質部分が20mm×20
mmになるように余分な活物質シートを前記集電体から
除去し、Tiリードを放電溶接することにより正極を作
製した。なお、前記正極に含まれる前記リチウムマンガ
ン複合酸化物(A2)からなる正極活物質および前記リ
チウムマンガン複合酸化物(B1)からなる正極活物質
の合計量は、0.2gであった。
【0068】次いで、前記正極および実施例4と同様な
負極をガラス質のセパレータを介して対向させ、これを
電解液が収容されたガラス製容器に浸漬してモデル電池
を組み立てた。
【0069】(比較例3)前記リチウムマンガン複合酸
化物(A2)からなる正極活物質80重量部、導電材と
してのアセチレンブラック17重量部および結着剤とし
てのポリテトラフルオロエチレン粉末3重量部をそれぞ
れ秤量した。つづいて、これらの材料を用いて実施例1
と同様な方法により正極を作製した。なお、前記正極に
含まれる前記リチウムマンガン複合酸化物(A2)から
なる正極活物質は、0.2gであった。
【0070】次いで、前記正極および実施例4と同様な
負極をガラス質のセパレータを介して対向させ、これを
電解液が収容されたガラス製容器に浸漬してモデル電池
を組み立てた。
【0071】(比較例4)前記リチウムマンガン複合酸
化物(B1)からなる正極活物質80重量部、導電材と
してのアセチレンブラック17重量部および結着剤とし
てのポリテトラフルオロエチレン粉末3重量部をそれぞ
れ秤量した。つづいて、これらの材料を用いて実施例1
と同様な方法により正極を作製した。なお、前記正極に
含まれる前記リチウムマンガン複合酸化物(B1)から
なる正極活物質は、0.2gであった。
【0072】次いで、前記正極および実施例4と同様な
負極をガラス質のセパレータを介して対向させ、これを
電解液が収容されたガラス製容器に浸漬してモデル電池
を組み立てた。
【0073】得られた実施例4〜6および比較例3、4
のモデル電池を20℃に保持した恒温室内にて2mAの
電流でそれぞれ充放電を行った。充電は、4.3Vでカ
ットオフし、10分間の休止後、放電を開始し、2.0
Vでカットオフし、10分間休止を行う充放電を繰り返
した。このような充放電サイクル試験における各モデル
電池の初放電時の放電容量および10サイクル時の放電
容量を調べた。その結果を下記表2に示す。
【0074】また、前述した正極活物質の初充電容量の
測定および負極の初充放電容量の測定の結果より、前記
リチウムマンガン複合酸化物(A2)の初充電容量(a
c)が118mAh/g、前記リチウムマンガン複合
酸化物(B1)の初充電容量(b1c )が173mAh
/g、前記負極の初充電容量(pc2)が340mAh/
g、前記負極の初放電容量(qc2)が272mAh/g
であるから、それぞれ前記実施例4〜6のモデル電池の
組み込まれた前記リチウムマンガン複合酸化物(A2)
の初充電容量(a)を次式(4−1)、前記リチウムマ
ンガン複合酸化物(B1)の初充電容量(b)を次式
(4−2)、前記負極中のメソフェーズカーボンファイ
バ粉末の初充電容量(p)をは次式(4−3)、および
前記負極中のメソフェーズカーボンファイバ粉末の初充
電容量(q)を次式(4−4)より求めた。
【0075】 a=(a2c )×(活物質重量)×(A2+B1中のA2の比率)…(4-1) b=(b1c )×(活物質重量)×(A2+B1中のB1の比率)…(4-2) p=(pc2)×(メソフェーズカーボンファイバ重量)…(4-3) q=(qc2)×(メソフェーズカーボンファイバ重量)…(4-4) 前記(4-1) 〜(4-4) の式から求めた実施例4〜6のa、
b、p、q、p−q、a+bを下記表2に併記する。
【0076】
【表2】
【0077】前記表2から明らかなように実施例4〜6
のモデル電池はa、b、p、qが下記式(1)、(2)
の関係を満たすことがわかる。 b≧p−q …(1) a+b≦p …(2) 前記表2から明らかなようにリチウムマンガンスピネル
(A2)および正方晶系リチウムマンガン複合酸化物
(B1)の両者を正極活物質として含む正極を備えた実
施例4〜6のモデル電池(リチウムイオン二次電池)
は、リチウムマンガンスピネル(A2)を正極活物質と
して含む正極を備えた比較例3のモデル電池に比べて初
放電時および10サイクル時の放電容量がいずれも大き
く、長い充放電サイクル寿命を有することがわかる。
【0078】これに対し、正方晶系リチウムマンガン複
合酸化物(B1)を正極活物質として含む正極を備えた
比較例4のモデル電池は、初放電時の放電容量が大きい
が、10サイクル時の放電容量が著しく低下することが
わかる。
【0079】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば初充
電時での放電容量が大きく、かつ充放電サイクル寿命の
長いリチウムイオン二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるボタン型リチウム二次電池を示
す断面図。
【図2】実施例に用いられる正方晶系リチウムマンガン
複合酸化物のCuKα線を用いたX線回折図。
【符号の説明】
1…正極缶、 2…正極、 4…負極、 6…負極缶。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢嶋 住智 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充放電時に正極活物質を含む正極と炭素
    質材料を含む負極との間でリチウムイオンの吸蔵・放出
    がなされるリチウムイオン二次電池において、 前記正極活物質は、(A)Li1+x Mn2-x4 (ただ
    し、xは0≦x<0.2を示す)で表わされるリチウム
    マンガンスピネル化合物と、(B)Li2 Mn24
    表わされる正方晶系リチウムマンガン複合酸化物を含有
    するリチウムマンガン複合酸化物とからなることを特徴
    とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記リチウムマンガンスピネル化合物
    (A)の初充電容量をa、前記リチウムマンガン複合酸
    化物(B)の初充電容量をb、前記負極中の炭素質材料
    の初充電容量をp、前記負極中の炭素質材料の初放電容
    量をqとしたとき、前記リチウムマンガンスピネル化合
    物および前記リチウムマンガン複合酸化物(B)は次式
    (1)、(2)を満たすように配合されることを特徴と
    する請求項1記載のリチウム二次電池。 b≧p−q …(1) a+b≦p …(2)
  3. 【請求項3】 前記正極活物質は、前記リチウムマンガ
    ンスピネル化合物(A)70〜98重量%と前記リチウ
    ムマンガン複合酸化物(B)2〜30重量%からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池。
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