WO2007004513A1

WO2007004513A1 - ドライビングレコーダ

Info

Publication number: WO2007004513A1
Application number: PCT/JP2006/313000
Authority: WO
Inventors: Tsuyoshi Katayama; Akihiro Hashimoto; Hiroji Kohsaka; Masatomo Ishikura
Original assignee: Japan Automobile Research Institute; Horiba, Ltd.
Priority date: 2005-07-01
Filing date: 2006-06-29
Publication date: 2007-01-11
Also published as: EP2495701A2; EP1914691A1; EP1914691A4; US8452502B2; CN101176121B; CN101176121A; EP2495701A3; KR101300924B1; KR20080025685A; US20100318258A1

Abstract

　事故時の状況データのみならず、ヒヤリハットのような、事故になりかけた状況データの事後分析を容易化でき、事故予防に寄与し得る車両搭載型ドライビングレコーダを提供することを目的としており、車両の挙動や周囲状況、操作状況等を示すデータである状況データを受信するデータ受信部と、受信した状況データの内容に基づいて、当該状況データを予め定めた複数の区分の１つに分類し、メモリの所定領域に設定した状況データ格納部に格納するデータ管理部と、を備えるようにした。

Description

明細書

ドライビングレコーダ技術分野

[0001] この発明は、事故発生あるいはヒヤリハットといった、事故発生に至らないまでも事故になり得た場合の、前後一定期間における車両の挙動や周囲状況等を記録して、そのような状況に至った原因解析等を事後に好適に行えるようにしたドライビングレコーダに関するものである。背景技術

[0002] 近時、運転中の車両（自動車)の外部や内部の映像を自動的に記録して、事故やヒヤリハット等の際の客観的な状況を事後分析できるようにした車両搭載型のドライビングレコーダが開発されてきており、例えばタクシーなどでは、日常運転の事後分析による事故予防対策や、事故が起こったときにはその原因の客観的な証拠、究明等のために、この種のドライビングレコーダを搭載する動きも出てきている。

[0003] 具体的に、このようなドライビングレコーダは、車両に搭載して走行中の外部画像データ、加速度データ、速度データ、位置データ等の状況データを、時系列的に順次メモリ内に格納しておき、そのメモリ内の状況データを参照することで事後分析ができるように構成されている。

[0004] ところで、従来は、力かる状況データの記録 (メモリへの格納）にあたって、メモリが一杯になるまで走行中の全ての状況データを格納するようにしたもの、いわゆるリングバッファメモリ方式にして、メモリが一杯になると、古い状況データ力順に新しいデータに書き換えていくようにしたもの、車両の加速度 (減速度）が一定以上の数値を示したときに、ヒヤリハットや事故、異常等が発生したとして、その前後一定期間における状況データのみを、一時メモリから事後分析にもちいるための不揮発メモリ等に記録するようにしたもの（特許文献 1参照）などが知られて!/ヽる。

[0005] し力しながら、上述した従来のものは、事故やヒヤリハットでもない通常の運転での状況データをも記録してしまうために、事後の分析に難が生じる。すなわち前者 2つに関して言えば、状況データを全て記録するのであるから、事故のように時間から特定できるものならともかぐヒヤリハットのように事故になりかけたときの状況データを事後に抽出するのは極めて難しい。

[0006] また後者のものであれば、加速度によってある程度のフィルタリングは施されているものの、やはりドアの単なる開け閉めや運転者 (ドライバ）の運転嗜好による急加減速などで加速度センサが反応し、不要な状況データを多く取得してしまうため、そのような不要な状況データを事後に選別する手間が非常に大変なものになる。

[0007] 一方、重要度の高い状況データのみを選択して記録媒体に保存するドライビングレコーダでは、その検出トリガーとしては一般的に加速度データが用いられており、カロ速度が一定の大きさ以上であった場合にその加速度が検出された時点を含む前後の状況データが記録媒体に保存される (特許文献 1参照)。

[0008] し力しながら、加速度データを検出トリガーとして状況データの取捨選択を行うと、加速度が小さ、軽度の接触事故等に関する状況データは記録されな、と、う問題がある。

特許文献 1：特開平 5— 197858号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] そこで本発明は、事故時の状況データのみならず、ヒヤリハットのような、事故になりかけた状況データの事後分析を容易化でき、事故予防に寄与し得る車両搭載型ドラィビングレコーダを提供すること、又は事故に関連する状況データを漏れなく記録することができるドライビングレコーダを提供することをその主たる所期課題としたものである。

課題を解決するための手段

[0010] すなわち本発明に係る車両搭載型ドライビングレコーダは、車両の挙動や周囲状況、操作状況等を示すデータである状況データを受信するデータ受信部と、受信した状況データの内容に基づ!/、て、当該状況データを予め定めた複数の区分の 1つに分類し、メモリの所定領域に設定した状況データ格納部に格納するデータ管理部と、を備えていることを特徴とする。

[0011] ここで区分は、例えば事故、ヒヤリハット等のように、生じたと推定される事象に応じたものにしてもよいし、記録重要度に応じたものにしてもよいし、それらの組み合わせや他の区分方式でも構わない。また分類するとは、状況データを状況データ格納部に設定したフォルダ（区分）に分けて格納する動作や、あるいは、各状況データに、区分に応じた識別子を付与する動作等のことである。

[0012] 事故力ヒヤリハットかの判断や、記録重要度の判断には、状況データとして、車両に作用する加速度を示す加速度データ、車両の位置を示す位置データ、車両の速度を示す速度データ、車両のブレーキが作用して、るか否かを示すブレーキデータ、ドアが開閉しているか否かを示すドア開閉データ、車両側電源から電力が供給されて!ヽるか否かを示す主電源状態データ等を複合的に用いればょヽ。

[0013] つまり、複数の状況データの内容の組み合わせ力予め定めたいくつかの基準のどれに該当するかで、その状況データの内容から自動的に分類して記録することが可能である

[0014] 具体的には、例えば、ブレーキなく車両が急停止した場合であれば、事故の蓋然性が極めて高!、として、その前後の状況データを例えば事故及び最重要と!/、う区分にすればよいし、あるいは、一定以上の加速度が一定期間以上続き、その後、ドア等の開閉無く運転が再開されれば、ヒヤリハットの蓋然性があるとして、その前後の状況データを例えばヒヤリハット及び重要と、う区分にして記録すればょ、。

[0015] したがって、このような構成であれば、状況データが記録時に自動分類されるため、事後分析が非常に容易かつ的確にできるようになる。また、メモリが仮に一杯になつたとしても、より重要度の低いデータを自動的に消去して書き換えるようにすれば、重要なデータを消してしまうことなぐメモリを有効に使用できる。

[0016] 一方、従来、タクシーなどでは、そう、つた状況データを、着脱式の不揮発メモリ (C Fメモリカード等）に格納しておき、例えば終業後、そのメモリをレコーダ本体力も抜き取り、配車センターにあるセンタコンピュータに装着することにより、当該センタコンビユータ内のメモリに状況データを移すという作業を行っている力、その作業を忘れるという人為的なミスによって、 CFメモリカード等の状況データ力次の乗車時に書き換えられてしまう場合もある。

[0017] 力かる不具合を解決するには、車両とは別の場所に設けられたセンタコンピュータに対し、車両が無線通信可能な特定場所にある時に、前記状況データ格納部内の状況データを、無線送信する通信手段をさらに備えてヽるものが好まヽ。

[0018] なお、上述した記録判断の際のデータと重複するが、事故やヒヤリハットの内容を事後分析するために特に有効な状況データとしては、車両に作用する加速度を示す加速度データ、車両の位置を示す位置データ及び車両の外部映像を示す動画データを挙げることができる。

[0019] また、事故やヒヤリハットである力否かをより的確な判断するためには、状況データとして、車両の速度を示す速度データ、車両のブレーキが作用している力否かを示すブレーキデータ、ドアが開閉している力否かを示すドア開閉データ、車両側電源から電力が供給されているか否かを示す主電源状態データの少なくとも 1つ又は全部がさらに含まれていれば、好適である。

[0020] さらに、本発明に係る車両搭載型ドライビングレコーダは、車両の状況を検出する検知手段と、事故発生後に運転者が車両を操作することにより発生する選択信号の有無を判定するデータ管理部と、車両の状況データを格納する状況データ格納部とを備えており、前記データ管理部が前記選択信号が発生したと判定した場合に、前記状況データ格納部がその前後の車両の状況データを選択して格納するように構成してあることを特徴とする。ここで、事故発生後に運転者が車両を操作することにより発生する選択信号とは、例えば、ドアの開閉や、サイドブレーキを引くことや、イダ二ッシヨンスィッチを切ること等の運転者が事故の発生を認識した後にとりうる行動によつて発生する信号である。

[0021] 通常、事故の大小を問わず、車両事故が起こると運転者はドアを開けて車外へ出てその被害を確認しょうとする。従って、このような構成を有するドライビングレコーダであれば、この運転者の行動を利用して、車両のドアの開閉を状況データを取捨選択するための判定基準としているので、加速度の大小を判定基準とした場合には記録漏れが起こりやすい軽度の接触事故を高い精度で検出し、その状況データを記録することができる。

[0022] また、車両事故が起こった場合、運転者はドアを開ける前に通常サイドブレーキを引くものと考えられる。従って、ドアの開閉に代えて、又はドアの開閉と合わせて、サイドブレーキが引かれたことを状況データを選択するための判定基準としても、軽度の接触事故を高い精度で検出することができる。

[0023] また、車両事故の被害状況を確認した後で、事故処理に時間が力かると判断した場合は、運転者はイダ-ッシヨンスィッチを切るものと考えられる。従って、状況データを選択するための判定基準としてイダニッシヨンスィッチが切られたことを用いても、軽度の接触事故を高い精度で検出することができる。

[0024] し力しながら、単なる休憩や乗員交代のために、サイドブレーキを引き、イダ-ッションスィッチを切り、ドアを開けて、運転者が車外に出ることもある。このため、このような記録する必要性の低い場合は運転者の判断により状況データの保存を取り止めることができるように、車両の状況データの前記状況データ格納部への格納を取り止める場合に作動させることにより解除信号が発生する手動スィッチを備えていることが好ましい。

[0025] また、軽微な接触事故等があった場合にも、状況データの記録漏れを防ぐためには、運転者の判断により状況データの記録ができるように、状況データを格納するよう指示信号を出す手動スィッチと、前記手動スィッチのオンオフを判定するデータ管理部とを備え、前記データ管理部が前記手動スィッチがオンにされたと判定した場合に、前記状況データ格納部が車両の状況データを格納するように構成してもよ、。発明の効果

[0026] このように本発明によれば、状況データが記録時に自動分類されるため、事後分析が非常に容易かつ的確にできるようになる。また、メモリが仮に一杯になったとしても、より重要度の低、データを自動的に消去して書き換えるようにすれば、重要なデータを消してしまうことなぐメモリを有効に使用できる。また、事故が発生した場合に運転者が行う可能性の高い行動を状況データを取捨選択するための判定基準としているので、加速度の大小を判定基準とした場合には記録漏れが起こりやす、軽度の接触事故も高い精度で検出し、事故に関連する状況データを漏れなく記録することができる。

図面の簡単な説明

[0027] [図 1]本発明の第 1実施形態に係るドライビングレコーダを自動車に取り付けた場合を示す模式的正面図である。

[図 2]同実施形態におけるドライビングレコーダの車内側力見た場合の斜視図である。

[図 3]同実施形態におけるドライビングレコーダの車外側力見た場合の斜視図である。

[図 4]同実施形態におけるドライビングレコーダの模式的構成図である。

[図 5]同実施形態における情報処理手段の機能ブロック図である。

[図 6]本発明の第 2実施形態に係るドライビングレコーダの機能ブロック図である。

[図 7]同実施形態におけるドライビングレコーダの動作を示すフローチャートである。符号の説明

[0028] 1 · · ·ドライビングレコーダ

801 · · ·データ受信部

802· · 'テンポラリデータ格納部

803 · · ·状況データ格納部

804· · ·データ管理部

発明を実施するための最良の形態

[0029] <第 1実施形態 >

以下に本発明の第 1実施形態について図面を参照して説明する。

[0030] 本実施形態に係るドライビングレコーダ 1は、図 1等に示すように、事故発生時あるいはヒヤリハット時等の前後一定期間における自動車車両 Vの挙動や周囲状況等を記録するものであり、単一のケーシング 2と、そのケーシング 2に保持させた、検知手段 3、報知手段 4、入力手段 5、通信手段 6、着脱式記録手段 7、情報処理手段 8、補助電源 9等とを備えている。そして、車両フロントガラス Wにおける任意の場所に、所定の熱伝導性を有する粘着パッド 21を介して貼り付けて使用する。

[0031] 次に各部を説明する。

[0032] ケーシング 2は、図 2、図 3に示すように、ほぼ全部が金属（マグネシウム合金）で形成された概略卵形をなすものであり、その一部に、卵形の一部を平面で切断することにより形成される概略楕円形の平面部 2Aを設け、その平面部の外周縁部を、接着性および弾性を有した概略楕円帯状の粘着パッド 21を介して車両フロントガラス W に貼り付ける。

[0033] 検知手段 3は、図 4に示すように、車両の挙動や周囲状況、操作状況等をセンシングし、その内容を示す状況データを出力するものであり、ここでは、撮像手段である C CDカメラ 31、加速度センサ 32、位置センサである GPS受信機 33の 3種類を少なくとも用いている。

[0034] CCDカメラ 31は、車外状況を撮像し、その画像を示す状況データ（ここでは動画データである力もちろん静止画データでもよい）を出力するもので、フロントガラス Wに対向するケーシング平面部 2Aに受像面 31aが露出させてある。なお、この受像面 31 aは可動で、フロントガラス Wへの取付位置に応じて所望の撮像方向に設定できるように構成している。

[0035] 加速度センサ 32は、例えばピエゾ抵抗効果を利用して構成したもので、車両 Vに作用する 1〜3次元 (例えば 3次元であれば、前後、左右、上下）の加速度をセンシングし、その加速度を示す状況データ (加速度データ）を出力するものである。ここで加速度とは絶対値の場合もあり、減速度も含む。

[0036] GPS受信機 33は、例えば複数衛星 (人工衛星)力もの電波をキャッチして、

ドライビングレコーダ 1が搭載された自動車 Vの位置をセンシングし、その位置を示す状況データ (位置データ）を出力するものであり、例えば前記ケーシング平面部 2Aに一部露出させてある。

[0037] なお、状況データとしては、その他、自動車 Vの車速センサ（図示しない）から送信されてくる車速データや、ドアの開閉を示すドア開閉データ、ブレーキの ONZOFF を示すブレーキデータ等があって、これらは、コネクタ CNを介して受信される。

[0038] さらに、本ドライビングレコーダ 1は、通常、前記コネクタ CNを介して車両バッテリ（車両側電源、図示しない)から電力供給されて動作するが、その車両バッテリからの電力供給が何らかの原因で途絶えた場合 (衝突事故等により当該バッテリが損傷した場合)、補助電源 9に自動的に切り替わり、その補助電源 9が、最低でも、前記一定期間分動作できるだけの電力を供給する。これにより、車両の状況データを記録可能とする。しかして、車両バッテリから電力が供給されているか否かは、状況データの一つである主電源状態データとして、後述する情報処理手段 8に入力される。

[0039] 報知手段 4は、図 2に示すように、ケーシング平面部 2Aの反対側に露出させた発光体である LED41や、ケーシング 2に内蔵したブザーやスピーカ等の音声出力体（図示しない）等力もなる。そして、データ管理部 804から、例えば加速度センサ 33によって検出された加速度が所定の基準を超えているとの判定結果が伝達されると、そのことを光や音等で運転者に通知するものである。

[0040] 入力手段 5とは、ここでは、ケーシング平面部 2Aの反対側に露出させたボタンスィツチ（手動スィッチ）のことである。

[0041] 通信手段 6とは、ここではケーシング 2に内蔵され、配送センタに設けられたセンタコンピュータ（図示しな!、）と電波によって各種データを送受信する無線 LAN用のハ一ドウエアのことである。

[0042] 着脱式記録手段 7とは、ここでは、ケーシング 2の側方に開口するスロット 2bに抜脱可能に取り付けた CFメモリカードのことであり、状況データ格納部 803に格納されて V、る状況データを必要に応じて記録するものである。

[0043] 情報処理手段 8は、構造的には、図 4に示すように、 CPU81、内部メモリ 82 (例えば不揮発性メモリ）、 I/Oバッファ回路 (ADコンバータ等が含まれる場合もある） 83 等を有したいわゆるコンピュータ回路であり、ケーシング 2に内蔵されている。そして、図 5に示すように、前記 CPU81が、内部メモリ 82の所定領域に格納したプログラムに従って動作することで前記各手段の制御や情報処理を行!、、データ受信部 801、テンポラリデータ格納部 802、状況データ格納部 803、データ管理部 804、判定基準パラメータ格納部 805等としての機能を発揮する。

[0044] データ受信部 801は、車両 Vの挙動や周囲状況等に関するデータである前記状況データを一定のサンプリングタイムで時系列的に次々と受信するものであり、その受信した状況データを、内部メモリ 82内の所定領域に設定したテンポラリデータ格納部 802に次々書き込んでいく。なお、このテンポラリデータ格納部 802の容量が一杯になると、古いデータ力順次消されて、そこに新しい状況データが書き込まれる。

[0045] データ管理部 804は、前記テンポラリデータ格納部 802に格納されている状況データの内容が所定条件を満たす力どうかを判断し、その所定条件を満たす場合にのみ、その前後一定期間に亘る車両状況データを、前記テンポラリデータ格納部 802 から、内部メモリ 82又は Z及び着脱式記録手段 7の所定領域に設けられた状況データ格納部 803に移送するものである。

[0046] ここで、所定条件を満たすかどうかの判断には、各状況データに対応して設けられた判断基準パラメータが用いられる。この判断基準パラメータは、内部メモリの所定領域に設けた判定基準パラメータ格納部 805に予め格納されている。

[0047] そして、各状況データの値（内容）を、判断基準パラメータにしたがって、例えば 2値化する。具体的には、加速度 (減速度）が、所定の判断基準値を上回っているか否か、加速度が一定期間以上続いているか否か、ドアが開いているか否力、バッテリからの電力供給がなされている力否か、車速が所定上限速度以上か否か、車速が所定下限速度以下か否か、ブレーキの有無、などを全て 2値化する。

[0048] その後、それらに ANDZOR等の論理演算を施した結果から、所定条件を満たすか否かを判断するわけであるが、状況データの種類や内容によっては、他の状況データの内容を合わせて複合的に判断されるものと、単一の状況データの内容のみで所定条件かどうかを判断するものとがある。例えば、この実施形態では、ノッテリからの電力供給がなされていなければ、その単一の事象をもって直ちに所定条件を満たしていると判断するし、ドアが開いていても、同様にその単一の事象をもって直ちに所定条件を満たしていると判断する。一方、加速度について言えば、所定の判断基準値を上回り、かつそれが一定期間以上続くという 2つの事象が満たされて初めて所定条件を満たして!/ヽると判断する。

[0049] なお、この実施形態では、データ管理部 804は、所定条件を満たしたと判断した場合 (ヒヤリハットや事故等であつたと判断した場合）に、その旨を報知手段 4による光や音で運転者に報知し、その判断が正しいかどうかを、例えば前記ボタンスィッチ 5の O NZOFFによる運転者からの入力データ（これも状況データのひとつである）で確認するようにしている。運転者は報知手段 4による報知がないときでも、自主的にボタンスィッチ 5を押してヒヤリハットや事故等であると入力することもできる。

[0050] そして運転者力 Sヒヤリハットや事故等であると判断して、ボタンスィッチ 5を押し、その旨を示す入力データを受信した場合に初めて、テンポラリデータ格納部 802から状況データ格納部 803に一定期間の状況データを移送するようにしている。なお、テンポラリデータ格納部 802と状況データ格納部 803との違、を挙げておけば、前者が状況データの内容に拘わらず単にそれらを一時的に格納しているものであるのに対し、後者は状況データを基本的には書き換えず、登録的に格納しているものである点であり、書き換える場合は、他の記録手段 (例えば着脱式記録手段 7)に状況データを移した後ということになる。

[0051] また、この実施形態では、前記データ管理部 804が、所定条件の内容を学習して更新する学習機能や、状況データ格納部 803に格納されている状況データを、状況の種類や重要度に応じて分類する分類機能や、状況データを通信手段 6を介してセンタコンピュータ（図示しな、）に自動送信する自動送信機能を更に有して!/、る。

[0052] 学習機能とは、前記所定条件が満たされたと判断した場合と、運転者からの正否入力が食い違つていた場合に、これをフィードバックすることで、運転者の運転傾向を把握し、所定条件を更新する機能のことであり、具体的には、判断基準パラメータの値や ANDZOR等の論理演算式を更新する。例えば、急ブレーキがちな運転者であれば、この学習機能によって、加速度に係る判断基準パラメータの値力デフオルト値よりも徐々に高くなり、通常ならヒヤリハットと判断される状況が、通常運転とみなされるようになって、無駄なデータの蓄積が排除される。

[0053] データ分類機能とは、記録されるべき一定期間に亘る状況データを、その記録時の内容力重み付けし、状況データ格納部 803に設けた、例えば最重要、重要、普通といった記録重要度に応じたフォルダ（区分）に分類して整理格納する機能のことである。一例を挙げれば、ブレーキなく車両 Vが急停止した場合であれば、事故の蓋然性が極めて高いとして、その前後一定期間の状況データを、例えば最重要というフオルダに記録する。また運転者が自主的にボタンスィッチ 5による入力を行った場合も最重要というフォルダに記録する。その他、たとえば、一定以上の加速度が一定期間以上続き、その後、ドア等の開閉無く運転が再開されれば、ヒヤリハットの蓋然性があるとして、その前後の状況データを例えば重要フォルダに記録する。

[0054] なお、状況データ格納部 803の容量が一杯になった場合などでは、新たな状況データよりも重要度の低いものを自動的に削除して、その代わりに当該新たな状況データを記録するように構成して、る。

[0055] 自動送信機能は、例えばタクシーやバスなどで特に有効に用いられる。すなわち、配車センタなどの特定場所に車両 Vがあるときに、その配車センタにあるセンタコンビユータに対して、無線回線が自動または手動で開き、状況データ格納部 803にある状況データを、通信手段 6を介して、車両 V又は運転者の識別子と関連づけて送信する機能である。

[0056] このように構成した本実施形態に係るドライビングレコーダ 1によれば、状況データ力データ分類機能によって、重要度に応じて自動的に分類され、状況データ格納部 803に格納されるので、その分類された状態で状況データを例えばセンタコンピュータに送信して解析することにより、事後分析を極めて円滑に行うことができる。さらに、仮に状況データ格納部 803の容量が一杯になった場合でも、重要度の高い状況データから残るので、メモリを有効に使用できる。

[0057] また、事故やヒヤリハットと思われる場合を、各状況データが示す複数の内容から複合的に判断するようにして、そのときのみ、その前後一定期間に亘る一連の状況データを正式に格納 (記録とも言う）するようにして、るので、全ての状況データを格納するものや、状況データのうちの単一の内容のみ力判断するものに比べ、無駄な状況データを的確に省くことができ、メモリの効率的な利用が可能になる。また、無駄なデータが省かれて!/ヽるので、この点でも事後分析が容易になるとヽぅ効果を得られる。

[0058] さらに、事故やヒヤリハット時の運転傾向を、運転者の特性に応じて個別に学習し、それに応じて判断の基準となる所定条件データを更新していくため、この所定条件データを一律に設定したものと比べ、無駄な状況データを排除し、かつ事故やヒャリノ、ット時の状況データを取りこぼし無ぐ取得することができる。

[0059] カロえて、自動送信機能によって、特定場所に車両 Vがあるときに状況データ格納部 803内の状況データが、自動的に別のセンタコンピュータに送信され、保存されるので、着脱式記録手段 7の抜き忘れによる状況データの逸失を防止できるし、場合によつては着脱式記録手段 7そのものを不要にすることも可能になる。

[0060] <第 2実施形態 > 次に本発明の第 2実施形態について図面を参照して説明する。なお、前記実施形態の構成要素と同一又は対応する構成要素には同一の符号を付している。

[0061] 本実施形態に係るドライビングレコーダ 1は、前記第 1実施形態とその機器構成はほぼ同じであるが、本実施形態においては、データ管理部 804は、判定部 8041とデータ移送部 8042とを備えている。また、入力手段としての手動スィッチ 5は、手動スィツチ A51と手動スィッチ B52とからなる。

[0062] 本実施形態に係るドライビングレコーダ 1の構成要素は、詳細には図 6に示すように、車両の状況を検出する検知手段 3類、即ち、車両の周囲の状況を撮影する撮像手段 31、車両の位置を検出する GPS受信機 33、及び車両に加わった加速度を検出する加速度センサ 32と、これらの検知手段 3が検出したデータを受信するデータ受信部 801と、データ受信部 801から送られたデータを一時的に格納するテンポラリデータ格納部 802と、テンポラリデータ格納部 802に格納された状況データに、ドア 11 の開閉や、サイドブレーキ 12が引かれたことや、イダ二ッシヨンスィッチ 13が切られたことにより発生する選択信号が含まれている力否かを判定する判定部 8041と、判定部 8041における判定基準となる選択信号に関するパラメータのデータを格納する判定基準パラメータ格納部 805と、判定部 8041で状況データに選択信号が含まれていると判定された場合にそれを運転者に通報する報知手段 4と、報知手段 4から通報を受けた運転者が当該状況データの保存は不要であると判断した場合に作動する手動スィッチ A51と、報知手段 4からの通報は受けなかったものの運転者がその状況データを保存すべきであると判断した場合に作動する手動スィッチ B52と、テンポラリデータ格納部 802に格納された状況データを判定部 8041からの指示に従って移送するデータ移送部 8042と、データ移送部 8042より移送された状況データを格納する状況データ格納部 803と、状況データ格納部 803に格納された状況データを外部に送信する通信手段 6と、状況データ格納部 803に格納された状況データを記録する着脱式記録手段 7と、補助電源 9とを備えている。

[0063] 更にデータ受信部 801は車両に内蔵されている車速度計 10や、ドア 11や、サイドブレーキ 12や、イダ-ッシヨンスィッチ 13からもデータを受信するように構成されており、これらのデータは、コネクタ CNを介して受信される。また、このコネクタ CNは、電源用としても用いるようにして、る。

[0064] 各部を詳述する。撮像手段 31は、例えば動画の撮影が可能な CCDカメラ等を用いたものである。 GPS受信機 33は、人工衛星から送られた信号に基づき搭載された車両の位置を検出するものである。加速度センサ 32は、例えばピエゾ抵抗効果を利用して構成したもので、車両に作用する 1〜3次元 (例えば 3次元であれば、前後、左右、上下）の加速度を感知するものである。

[0065] テンポラリデータ格納部 802はドライビングレコーダ 1に内蔵された検知手段 3類で検出されたデータや、車速度計 10や、ドア 11や、サイドブレーキ 12や、イダ二ッションスィッチ 13から発せられたデータを順次時系列に従い格納するものであり、容量が満たされると次々に上書きしていくものである。

[0066] 判定部 8041は、テンポラリデータ格納部 802に格納された状況データに、ドア 11 の開閉や、サイドブレーキ 12が引かれたことや、イダ二ッシヨンスィッチ 13が切られたことにより発生する選択信号が含まれているか否かを判定し、選択信号が含まれていた場合は、その判定結果を報知手段 4に伝達するものである。

[0067] 報知手段 4は、判定部 8041より状況データに選択信号が含まれていることが伝達されると、そのことを光や音等で運転者に通知するものであり、ケーシング CAの表面に露出された発光体である LED171や、ケーシング CAに内蔵したブザーゃスピー力等の音声出力体 (図示しな、)等力もなる。

[0068] 手動スィッチ 5は、ケーシング CAの表面に設けたボタンスィッチであり、報知手段 4 から発せられた光や音等により、状況データに選択信号が含まれていることを通知された運転者が、その選択信号が単なる休憩や乗員交代に起因して発生したもので、その状況データを保存する必要はな、と判断した場合に、手動スィッチ A51をオンにすることにより、その状況データの状況データ格納部 803への格納を取り止めるよう指示する解除信号を判定部 8041に伝達するものである。

[0069] 判定基準パラメータ格納部 805は、状況データ中の、ドア 11の開閉や、サイドブレーキ 12が弓 Iかれたことや、イダニッシヨンスィッチ 13が切られたことにより発生する選択信号の有無を判定部 8041で判定する際の判定基準となるパラメータのデータを格納するものである。 [0070] データ移送部 8042は、判定部 8041からの指示に従い、テンポラリデータ格納部 8 02に格納されていた車両の状況データを、状況データ格納部 803に移送するものである。判定部 8041にお、て状況データに選択信号が含まれて!/、ると判定された場合、判定部 8041からデータ移送部 8042に向けて、テンポラリデータ格納部 802 に格納されていた車両の状況データを状況データ格納部 803に移送するよう指示する信号が出される。ただし、手動スィッチ A51から判定部 8041に向けて保存を取り止めることを指示する解除信号が送信された場合は、車両の状況データを状況データ格納部 803に移送するよう指示する信号は出されない。

[0071] 状況データ格納部 803は、データ移送部 8042を介して受信したテンポラリデータ格納部 802に格納されていた車両の状況データを格納するものである。

[0072] 着脱式記録手段 7は、例えばケーシング CAの側方に開口するスロット 2bに着脱可能に取り付けてある CFカードや、ハードディスク等を用いたものであり、状況データ格納部 803に格納されている状況データを必要に応じて記録するものである。

[0073] 通信手段 6は、無線 LAN等を用いたものであり、例えば本実施形態のドライビングレコーダ 1を搭載した車両がタクシー等の営業車両である場合、状況データ格納部 8 03に格納された状況データを事務所等に向けて送信するものである。

[0074] 補助電源 9は、通常ドライビングレコーダ 1は車両に搭載してあるバッテリから電力の供給を受けるが、衝突事故等により当該バッテリが損傷しても、ドライビングレコーダ 1に電力を供給し車両の状況データを記録可能とするものである。

[0075] 手動スィッチ B52は、何らかの原因により状況データから選択信号が検出されなかつた場合に、又は運転者が事故の発生を認識した直後に、運転者自らがオンにすることにより、判定部 8041に向けて状況データを状況データ格納部 803に格納するよう指示する信号を発信するものである。なお、手動スィッチ B52は、図 2には図示していない。

[0076] これら、データ受信部 801、テンポラリデータ格納部 802、データ移送部 8042、状況データ格納部 803、判定部 8041及び判定基準パラメータ格納部 805は、情報処理手段 8を用いて構成している。この情報処理手段 8は、 CPU81、内部メモリ 82、 A D変等を有する。そして、内部メモリ 82の所定領域に設定したプログラムに従つて CPU81やその周辺機器を作動させることにより、データ受信部 801、テンポラリデータ格納部 802、デー状況データ格納部 803、データ管理部 804 (判定部 8041 及びタ移送部 8042)及び判定基準パラメータ格納部 805として機能するように構成してある。力かる情報処理手段 8は、汎用のものであってもよく、専用のものであってちょい。

[0077] このように構成したドライビングレコーダ 1の動作について以下に説明する。

[0078] 連続して撮影されて!ヽる画像データ等の車両の状況データはまずテンポラリデータ格納部 802に格納されるが、新たな状況データがテンポラリデータ格納部 802に格納されると、図 7に示すように、判定部 8041はその状況データに選択信号が含まれる力否かを判定し (ステップ S1)、状況データに選択信号が含まれていると判定されると、判定部 8041は報知手段 4に運転者に通知するよう信号を発し、報知手段 4が光や音等で運転者に選択信号を検出したことを通報する (ステップ S 2)。通報を受けた運転者は、その選択信号が単なる休憩や乗員交代に起因して発生したものであると判断した場合は手動スィッチ A51をオンにし、一方、その選択信号が接触事故等に起因して発生したものである場合は手動スィッチ A51はオンにされない。判定部 8 041は、手動スィッチ A51がオンにされたか否かを判定して (ステップ S3)、手動スィツチ A51がオンにされな力つた (オフのままであった）と判定した場合は、例えば画像データについては、動画や 1秒間に 30フレーム等の静止画像として連続撮影された画像のうち選択信号が発生した時点の前後数十秒の画像データをデータ格納部 80 3へ移送して、状況データ格納部 803に格納する (ステップ S4)。状況データ格納部 803に格納する状況データの時間的な長さは任意に設定できる。

[0079] このような本実施形態によれば、事故が発生した場合に運転者が行う可能性の高 V、行動を状況データを取捨選択するための判定基準として!/、るので、加速度の大小を判定基準とした場合には記録漏れが起こりやす!ヽ軽度の接触事故を高ヽ精度で検出し、その状況データを記録することができる。また、単なる休憩や乗員交代により選択信号が発生した場合は、手動スィッチ A51をオンにすることにより解除できるので、不要なデータの保存は避けることができる。

[0080] なお、本発明は前記実施形態に限られるものではな、。例えば、ドライビングレコーダが取得する状況データには、ブレーキを踏んだ時間、長さ、回数等のブレーキ情報や、ウィンカーの作動情報等が含まれていてもよい。

[0081] また、状況データ格納部は、状況データを重要度に従い分類せずに、単純に時系列に従、状況データを格納するものでもよ、。

判定部 8041で判定されるのは選択信号の有無に限られず、加速度、速度、主電源 (バッテリ）力の電力供給の停止等を適宜組み合わせて、状況データを記録すベき力否かの判定基準として用いても良い。また、複数の事象に起因するパラメータを組み合わせて用いることにより、状況データを重要度に従い分類して、状況データ格納部 803の重要性の高、フォルダ (例えば最重要フォルダ (格納部 A) )や重要性の低、フォルダ (例えば普通フォルダ (格納部 B) )等に分けて格納してもよ!/、。

[0082] その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。

産業上の利用可能性

[0083] 本発明によって、事故時の状況データのみならず、ヒヤリハットのような、事故になりかけた状況データの事後分析を容易化でき、事故予防に寄与し得る車両搭載型ドラィビングレコーダを提供すること、又は精度良く事故に関連する状況データを選択して記録することができるドライビングレコーダを提供することが可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 車両の挙動や周囲状況、操作状況等を示すデータである状況データを受信するデータ受信部と、

受信した状況データの内容に基づいて、当該状況データを予め定めた複数の区分の 1つに分類し、メモリの所定領域に設定した状況データ格納部に格納するデータ管理部と、を備えて、る車両搭載型ドライビングレコーダ。

[2] 前記区分が、記録重要度に応じて設定されている請求項 1記載の車両搭載型ドラィビングレコーダ。

[3] 車両とは別の場所に設けられたセンタコンピュータに対し、車両が無線通信可能な特定場所にある時に、前記状況データ格納部内の状況データを、無線送信する通信手段をさらに備えている請求項 1記載の車両搭載型ドライビングレコーダ。

[4] 状況データとして、車両に作用する加速度を示す加速度データ、車両の位置を示す位置データ及び車両の外部映像を示す動画データを少なくとも含む請求項 1記載の車両搭載型ドライビングレコーダ。

[5] 状況データとして、車両の速度を示す速度データ、車両のブレーキが作用しているか否かを示すブレーキデータ、ドアが開閉している力否かを示すドア開閉データ、車両側電源カゝら電力が供給されているカゝ否かを示す主電源状態データの少なくとも 1 つ又は全部をさらに含む請求項 4記載の車両搭載型ドライビングレコーダ。

[6] 車両の状況を検出する検知手段と、

事故発生後に運転者が車両を操作することにより発生する選択信号の有無を判定するデータ管理部と、

車両の状況データを格納する状況データ格納部とを備えており、

前記データ管理部が前記選択信号が発生したと判定した場合に、前記状況データ格納部がその前後の車両の状況データを選択して格納するように構成してあることを特徴とするドライビングレコーダ。

[7] 前記選択信号が、ドアを開閉することにより発生するものである請求項 6記載のドラィビングレコーダ。

[8] 前記選択信号が、サイドブレーキを引くことにより発生するものである請求項 6記載のドライビングレコーダ。

[9] 前記選択信号が、イダニッシヨンスィッチを切ることにより発生するものである請求項

6記載のドライビングレコーダ。

[10] 車両の状況データの前記状況データ格納部への格納を取り止める場合に、作動させることにより解除信号が発生する手動スィッチを備えている請求項 6記載のドライビングレコーダ。

[11] 車両の状況を検出する検知手段と、

車両の状況データを格納するよう指示信号を出す手動スィッチと、

前記手動スィッチのオンオフを判定するデータ管理部と、

前記データ管理部が、前記手動スィッチがオンにされたと判定した場合に、前記状況データ格納部がその前後の車両の状況データを格納するように構成してあることを特徴とするドライビングレコーダ。