以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変及び/又は変更の付加による形態で実施することも可能である。
図1は、車両(トラック)1にドライブレコーダ2を搭載した例を示す図である。
車両1内にドライブレコーダ2が設置され、車両1の前方を撮像する第1カメラ3、車両1の乗務員を撮像する第2カメラ4及び車両1の荷台を撮像する第3カメラ5と接続されている。第1カメラ3〜第3カメラ5によって撮像された画像情報は、ドライブレコーダ2内の半導体記録部であるRAM6に循環的に記録される。また、ドライブレコーダ2は、表示部11及びさまざまな入力等を行うための複数のボタン等を含む操作部12を有する端末10と接続されている。
ドライブレコーダ2では、所定の記録条件が成立した場合に、RAM6に循環的に記録された画像情報がメモリカード7に記録することが可能である(記録条件成立による記録)。所定の記録条件の成立とは、事故等の発生により車両1へ衝撃が加わった場合等を言い、記録条件の成立による記録の詳細については後述する。また、ドライブレコーダ2は、定常的に、RAM6に記録された画像情報をメモリカード7に記録することが可能である(常時記録)。常時記録の詳細については後述する。さらに、ドライブレコーダ2では、画像情報の他に、車両1の速度情報などを含む車両の状態に関する状態情報を取得して、画像情報と対応付けてメモリカード7に記録することが可能である(状態情報の記録)。状態情報の記録の詳細については後述する。さらに、ドライブレコーダ2では、運行計画情報、及び端末10から入力等される荷積及び荷卸等の運行情報をメモリカード7に記録することが可能である(運行関連情報の記録)。運行関連情報の記録の詳細については後述する。さらに、ドライブレコーダ2では、マイクロフォン26によって取得される音声情報をメモリカード7に記録することも可能である(音声情報の記録)。音声情報の記録の詳細については後述する。さらに、ドライブレコーダ2では、エコ・安全運転診断に用いられる違反項目を判断して、項目毎にその回数を記録することが可能である(違反項目情報の記録)。違反項目情報の記録の詳細については後述する。
ドライブレコーダ2では、記録条件成立による記録、常時記録、状態情報の記録、運行関連情報の記録、音声情報の記録、及び違反項目情報の記録に関しては、それぞれ、どのような情報を、どのようなタイミングで、どのように記録するかを、初期設定又は動作中に設定変更することが可能である。ドライブレコーダ2の初期設定及び設定変更の具体的手順等については後述する。
図2は、ドライブレコーダ2の本体の斜視図である。
ドライブレコーダ2の本体外枠には、図2に示す様に、スロット24、ブザー26、マイクロフォン27、LED28、端末10とラインで接続するためのI/F29、電源スイッチ61、開閉ノブ70等が配置されている。
マイクロフォン27は車両1内の音声を集音する。ブザー26及びLED27は、発光や警告音等を発生させることによって、ドライブレコーダ2の状況をユーザに知らせる機能を有している。
開閉ノブ70は、メモリカード7がスロット24に挿入された後に、メモリカード7を保護するようにその上部にスライドされて位置決めされる(図2の状態)。メモリカード7を抜く場合には、開閉ノブ70を矢印Aの方向にスライドさせる。また、ドライブレコーダ2は、開閉ノブ70に連動した開閉センサ52を有しており、開閉ノブ70がメモリカード7の上部にスライドされている状態(図2の状態)で、閉状態を示すOFF信号を出力し、メモリカード7を抜き出せる状態で、開状態を示すON信号を出力するように構成されている。
図3は、再生装置の外観例を示す図である。
再生装置400は、ドライブレコーダ2が搭載される車両1を複数台管理するセンタ等に配置されており、メモリカード7に記録された画像情報を含む各種情報をメモリカード7から転送して保存する。再生装置400は、パーソナルコンピュータ等から構成され、保存された各種情報及び各種情報から求められた情報が表示可能に構成されている。再生装置400のオペレータは、表示再生された画像情報等を検証することによって、車両の運行管理、走行状態又は事故原因の究明等を行うことができる。
図4は、ドライブレコーダ2の電気的構成を示すブロック図である。
第1カメラ3、第2カメラ4及び第3カメラ5は、二次元イメージセンサとしてのCCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)から構成され、NTSC(National Television System Committee)規格の汎用画像信号用の周波数(59.94Hz)で画像を取り込み、取り込んだ画像に対応したアナログのビデオ信号を出力するよう構成されている。第1カメラ3は車両1の前方を撮像し、第2カメラ4は車両1の乗務員を撮像し、第3カメラ5は荷台を撮像するように配置されている。
図4の例では、3台のカメラをドライブレコーダ2と接続したが、これに限定されるものではなく、1台又は2台のみのカメラをドライブレコーダ2と接続しても良いし、4台以上のカメラを接続しても良い。また、図4の例では、CCDイメージセンサから構成され、NTSC規格のカメラを用いたが、CMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)から構成されるカメラや、PAL(Phase Alternating Line)規格の汎用画像信号用の周波数(50Hz)で画像を取り込むカメラを利用しても良い。さらに、LED式信号機を撮像した場合に、信号機の点滅周期と取り込み周期との関係で信号機の表示色を判別ができなくなるのを防止するためのカメラ(後で詳細に説明する)をドライブレコーダ2と接続するようにしても良い。
メモリカード7は、ドライブレコーダ2から取り外し可能な記録媒体であり、プログラム可能な不揮発性半導体メモリカードであるSDカード(Secure Digital Memory Card)で構成される。メモリカード7には、画像情報、状態情報、運行関連情報、音声情報、違反項目情報が記録される。また、メモリカード7には、メモリカード7の固有のID、メモリカード7を利用する利用者(例えば、トラックの乗務員等)のID又は氏名、車両ID、後述する設定条件等の諸情報が別途記録される。
なお、本実施の形態では取り外し可能な記憶媒体としてSDカードを用いているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、取り外し可能な他のメモリカード(例えば、CFカード(Compact Flash Card)又はメモリスティック等)、取り外し可能なハードディスク等を利用することもできる。
端末10は、薄型の液晶ディスプレイ等から構成される表示部11、運行情報等を入力するための各種ボタン等から構成される操作部12等を含んでおり、ドライブレコーダの専用インターフェイス(I/F)29を介してラインによってドライブレコーダ2と接続されている。なお、特に、タクシー等にドライブレコーダ2を搭載する場合等には、端末10の代わりに、操作されることによって操作信号を出力する撮影SW(スイッチ)をI/F29を介してドライブレコーダ2と接続するようにしても良い(図22参照)。
CPU(Central Processing Unit)20は、ドライブレコーダ2の制御装置として動作し、マイクロコンピュータ等により構成される。CPU20は、後述する制御プログラム41に基づき、ドライブレコーダ2及び端末10の各要素の制御や演算処理等を実行する。
ビデオ切替スイッチ(以下「ビデオSW」)21は、第1カメラ3〜第3カメラ5からのビデオ信号を切替えるためのスイッチである。CPU20からの選択信号により3つの内の1つのカメラからのビデオ信号が選択されて画像IC22へ入力されるように構成されている。第1カメラ3〜第3カメラ5からのビデオ信号の切替え方法については後述する。
画像IC22は、第1カメラ3〜第3カメラ5から出力されるビデオ信号の内、ビデオSW21で選択されたビデオ信号をデジタル信号に変換するJPEG−IC(Joint Photographic coding Experts Group−Integrated Circuit)から構成され、30fps(毎秒30フレーム)でJPEG形式の画像情報を作成して出力する。
RAM6は、画像IC22によって変換された画像情報及び画像情報と対応した状態情報を循環的に記録する半導体記録部として機能する。また、RAM6は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)によって構成され、CPU20内のDMA(Direct Memory Access)回路と接続され且つCPU20のクロックに同期して動作する。さらに、RAM6は、画像情報及び状態情報を、少なくとも40秒分循環的に記録することが可能な容量を有している。
スロット24は、ドライブレコーダ2に設けられたメモリカード7の差込口を構成する。スロット24は、RAM6に循環的に記録される画像情報及び状態情報等を、差し込まれたメモリカード7へ転送し、メモリカード7に予め記憶されている、諸情報をCPU20へ転送する。
RTC(Real Time Clock)25は、現在時刻に対応した信号を発生し、CPU20へ送信する。
マイクロフォン26は、CPU20と電気的に接続され、車両1の車室内または車外の音声を集音して音声データを作成し、CPU20へ送信するよう構成される。音声データはCPU20内のアナログ/デジタル変換器でデジタル信号に変換され、100ms毎に1ブロックとしてまとめられた音声情報として記録される。なお、道路上の騒音を不必要に集音しないように、マイクロフォン26は、その正面の感度が高い単一指向性マイクロフォンを用いることが好ましい。
ブザー27は、ドライブレコーダ2に異常が生じた場合等には、CPU20によって所定の警告音を発生し、異常の発生をユーザへ報知するよう構成されている。
LED28は、CPU20から電源が供給されることによるドライブレコーダ2の起動中は点灯し、ユーザへ起動中であることを報知する。また、ドライブレコーダ2に異常が生じた場合等には、CPU20によって所定の点滅を行い、異常の発生をユーザへ報知するよう構成されている。
I/F29は、端末10又は不図示の撮像SWと接続するためのプラグを含んで構成されている。
駆動周波数発生部30は、周波数切替部31、第1周波数発信器32及び第2周波数発信器33を含んで構成されている。第1周波数発信器32は、NTSC規格の汎用周波数(59.94Hz)の第1クロック周波数を出力し、周波数切替部31によって第1周波数発信器32から出力された第1クロック周波数が画像IC22へ入力された場合には、画像IC22は、NTSC規格の汎用周波数(59.94Hz)に基づいて動作を行う。第2周波数発信器33は、LED式信号機点滅の影響を受けない第2クロック周波数(59.5Hz)を出力し、周波数切替部31によって第2周波数発信器32から出力された第2クロック周波数が画像IC22へ入力された場合には、画像IC22は、LED式信号機点滅の影響を受けないクロック周波数(59.5Hz)に基づいて動作を行う。なお、第1周波数発信器32は、PAL規格の汎用周波数(50Hz)を出力するようにしても良い。
不揮発性ROM40は、ドライブレコーダ2を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための制御プログラム41等を記憶する。不揮発性ROM40には、マスクROMを用いてもよいが、プログラム可能な不揮発性半導体メモリであるフラッシュメモリ、EEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、強誘電体メモリ等を用いればプログラムの書き込みや消去が可能となる。
制御プログラム41は、不揮発性ROM40内に記憶され、ドライブレコーダ2の起動時にCPU20に読み出され、各部の制御やデータ演算処理のプログラムとして機能する。
加速度センサ50は、車両1に加わる衝撃の大きさを重力加速度として検出する、いわゆるGセンサ(Gravity Accelerative Sensor)で構成される。加速度センサ50は、互いに直行する3軸(x軸、y軸及びz軸)に応じた重力加速度の大きさを検出し、重力加速度情報として、CPU20へ出力する。なお、加速度センサ50は、互いに直行する2軸に応じた重力加速度の大きさを検出するものであっても良い。
GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)受信機51は、複数のGPS衛星から衛星の軌道と、衛星に搭載された原子時計からの時刻データを含む電波信号を受信し、受信した電波の時間差により各衛星との相対的距離差を算出して現在位置情報(緯度及び経度情報)を得る。GPS受信機51は、少なくとも3個の衛星の電波を捉えれば地球上の平面での位置が判別できる。GPS受信機51は、現在位置情報及び時刻情報からなるGPS情報をCPU20へ送信する。
開閉センサ52は、メモリカード7の抜き差しに伴う開閉ノブの移動に応じて、ON信号及びOFF信号をCPU20へ出力するように構成されている。
車速センサ53は、車両1の車輪軸に設けられたローターの回転を回転パルス信号として出力する磁気センサまたは光センサにより構成される。なお、CPU20は車速センサ53から受信するパルス信号から単位時間当たりの車輪回転数を算出することで車両1の速度情報を算出している。
扉開閉センサ54は、車両1の運転席側の扉に設けられたセンサであって、運転席側の扉の開閉に応じて、開信号又は閉信号をCPU20へ出力するように構成されている。
シートベルトセンサ55は、車両1の運転席側の座席のシートベルトに設けられたセンサであって、運転席側の座席のシートベルトの状態に応じて、装着信号又は非装着信号をCPU20へ出力するように構成されている。
着座センサ56は、車両1の運転席側の座席に設けられた圧力センサであって、運転席側の座席への運転者の着座状態に応じて、着座信号又は非着座信号をCPU20へ出力するように構成されている。
アクセサリスイッチ(ACCスイッチ)57は、車両1に備えられたエンジン始動用のキーシリンダと電気的に一体に構成されている。乗務員のキー操作によりACCスイッチ57がONとされるとON信号がCPU20及び電源回路60へ送信され、ACCスイッチ57がOFFされると、OFF信号がCPU20へ送信される。ドライブレコーダ2は、ON信号を受信すると、電源回路60から電源が供給され制御を開始する。
イグニッションスイッチ(IGスイッチ)58は、車両1に備えられたエンジン始動用のキーシリンダと電気的に一体に構成されている。ユーザのキー操作に応じて、IGスイッチ58は、ON/OFF信号をCPU20へ送信する。
電源回路60は、バッテリ62からの電力をCPU20及びドライブレコーダ2の各部へ供給する。
電源スイッチ(電源SW)61は、ユーザによりスイッチ操作がなされると、電源オン信号をドライブレコーダ2のCPU20及び電源回路60へ送信する。ACCスイッチ57をオンさせずにドライブレコーダ2を動作させたい場合に用いることができる。
バッテリ62は、車両1内に備えられ、電源回路60を介して、ドライブレコーダ2に電力を供給する。なお、バッテリ62は車両1に装備可能で12Vの起電力を発生できるものであればよい。
ドライブレコーダ2は、画像記録専用の装置として第1カメラ3、第2カメラ4、第3カメラ5、及び/又は端末10等と同一の筐体内に収容して一体的に構成してもよい。また、ドライブレコーダ2は、車載用ナビゲーション装置の一機能として構成することもできる。なお、扉開閉センサ54、シートベルトセンサ55及び着座センサ56は、後述するように、車両1の到着及び出発を検知するためのセンサであるので、必ずしも全てのセンサをドライブレコーダ2と接続しなくても良い。また、必ずしもACCスイッチ57及びIGスイッチ58の両者とドライブレコーダ2を接続しなくても良い。
図5は、再生装置400の電気的構成を示すブロック図である。
CPU401は、再生装置400の制御装置として動作し、マイクロコンピュータ等により構成される。CPU401は、アプリケーションプログラムを実行することにより、記録された画像情報等の表示、各種情報の演算処理等を行う。
ROM402には再生装置400を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための制御プログラム等が記録され、RAM403はCPU401がメモリカード7から転送された画像情報、状態情報、運行関連情報、音声情報及び違反項目情報等の処理を行う際に一時的にデータを記憶するため等に利用される。
スロット404は、再生装置400に設けられたメモリカード7の差込口であり、メモリカード7と接続して、その内部に記録された、画像情報、状態情報、運行関連情報、音声情報及び違反項目情報等を再生装置400側に転送する。
操作部405は、キーボード、マウス等から構成され、オペレータが再生装置400を操作する場合に、CPU401への操作入力を行うための手段として利用される。また、表示部406は、液晶表示装置等から構成され、メモリカード7に記録された画像情報、状態情報、運行関連情報、音声情報及び違反項目情報等を適宜表示するために利用される。
記録媒体407は、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)等から構成され、各種アプリケーションプログラムが予めインストールされている。また、地図情報記録部408は、HDD、DVD等の記録媒体によって構成され、道路情報及び制限速度情報等を含んだ地図情報が記録されている。カード情報記録部409は、HDD等によって構成され、メモリカード7に記録された画像情報及び運行情報等を、記録するために利用される。なお、記録媒体407、地図情報記録部408及びカード情報記録部409は、同じHDDとして構成されても良い。
図6は、ドライブレコーダ2の全体処理フローを示す図である。
図6に示す処理フローは、主にドライブレコーダ2のCPU20が、制御プログラム41に従って、ドライブレコーダ2の各構成要素と共同して実行する。なお、図6に示す処理フローが開始される時点で、メモリカード7がドライブレコーダ2のスロット24に挿入されており、ドライブレコーダ2へ定格電圧が供給されているものとする。
ACCスイッチ57(又はIGスイッチ58)のON又は電源スイッチ61のONによって電源が投入され、ドライブレコーダ2の動作開始が指示されると、CPU20は、メモリカード7の第1領域201(図7参照)に初期設定されている設定条件を読取り(S10)り、読取った設定条件をドライブレコーダ2内の所定の領域(CPUの内部メモリ等)に記録し、その設定内容に従って、ドライブレコーダ2の各種動作を実行する。
次に、CPU20は、第1カメラ3〜第3カメラ5で撮像した画像情報等を循環的にRAM6に記録する(S11)。
次に、CPU20は、記録条件が成立したか否かの判断を行う(S12)。記録条件が成立する場合とは、以下の3つの場合を言う。なお、記録条件が成立する場合は、下記の3つの全てではなく、その内の1つ又は2つであってもよく、また下記の3つ以外の他の条件を定めても良い。
1.G検出:加速度センサ50が、0.40G以上の重力加速度を検出した場合を言う。このような場合を記録条件の成立としたのは、車両1にこのような重力加速度がかかった場合には、事故の発生又は事故の急迫と認識できるからである。なお、上記の設定値(0.40G)は一例であって、他の値を採用することも可能であり、S10で読み込まれた設定条件に含まれるものである。
2.速度トリガ:車速センサ53から検出した車両1の所定の期間内の速度差が、閾値以上となった場合を言う。具体的には、60km/h以上で走行中に、1秒間の減速が、14km/h以上となった場合に、記録条件が成立したと判断する。このような場合を記録条件の成立としたのは、車両1がこのような速度変化を起こした場合には、事故の発生または事故の急迫と認識できるからである。なお、上記の設定値(60km/h以上で走行中に、1秒間の減速が、14km/h以上)は一例であって、他の値を採用することも可能であり、S10で読み込まれた設定条件に含まれるものである。
3.撮像SW:端末10の操作部12に含まれる、所定ボタン(撮像ボタン;不図示)が操作された場合を言う。乗務員の指示によって画像情報等の記録を行えるようにしたものである。
S12において記録条件が成立したと判断された場合には、CPU20は、例えば、記録条件の成立前12秒間と記録条件の成立後8秒間との合計20秒間分の画像情報と、画像情報に対応する状態情報を、1つのフォルダとしてメモリカード7へ記録する(S15)。なお、記録条件が成立した場合に記録される期間(記録条件の成立前12秒間と記録条件の成立後8秒間との合計20秒間分)は一例であって、他の期間を選択することも可能である。また、ドライブレコーダ2は、記録条件が成立した場合、例えば、記録条件の成立前12秒間と記録条件の成立後8秒間との合計20秒間分の音声情報を、上述した画像情報と合わせて1つのフォルダとしてメモリカード7へ記録するようにしても良い。
状態情報とは以下の情報を言う。
1.加速度センサ50が検出した重力加速度情報(G値)。
2.GPS受信機51から検出した車両1の現在位置情報(緯度及び経度情報)及び現在時刻情報。
3.車速センサ53から検出した車両1の速度情報。
4.ACCスイッチ57のON/OFF情報。なお、ACCスイッチ57からの情報の代わりに、IGスイッチ58のON/OFF情報を採用しても良い。
5.撮像されたカメラのID情報。
なお、状態情報の内容は、必ずしも上記の情報に限定されるものではなく、エンジンの回転状況に関する情報、アクセルの開度に関する情報、ドライブレコーダ2が搭載されてからの累積走行距離に関する情報等の他の情報を含めるようにしても良い。
S12において記録条件が成立しない判断された場合には、CPU20は、常時記録を行うことが、S10で読取った設定条件に設定されているか否かの判断を行う(S13)。
S13において常時記録を行うことが設定されていたと判断された場合には、CPU20は、常時記録を行う(S14)。常時記録では、記録条件の成立に拘らず、所定の時間毎に所定の枚数(例えば、1分間に1枚)の画像情報と、その画像情報に対応する状態情報をメモリカード7に記録する。
次に、CPU20は、設定条件の変更モードに移行したか否かの判断を行い(S16)、設定条件の変更モードに移行したと判断された場合には、設定条件の変更処理(S17)及び変更された設定条件の保存処理(S18)を行う。
CPU20は、保存処理(S18)において、変更された設定条件を、メモリカード7の第1領域201及びドライブレコーダ2内の所定の領域(CPUの内部メモリ等)に記録し、その後は、変更された設定条件に基づいて、ドライブレコーダ2の各種動作を実行する。
さらに、CPU20は、保存処理(S18)において、変更直前の設定条件をメモリカード7の第1領域201のへ別途記録する。この処理によって、ドライブレコーダ2では、過去の設定条件を後から参照することが可能となり、設定条件が途中で変更されたとしても、変更される前の画像情報等がどのような設定条件の下で記録されたかを明確に把握することが可能となった。これによって、画像情報等をどのような設定条件の下で記録することがもっとも効率的且つ有用であるのかを判断するためのノウハウを完全な形で蓄積することが可能となった。
次に、CPU20は、ACCスイッチ57のOFF信号又は電源スイッチ61のOFF信号による終了信号を受信したか否かの判断を行い(S20)、終了信号を受信した場合には、一連の処理を終了する。終了信号を受信していない場合には、S12〜S20を繰り返し実行する。
上述したように、ドライブレコーダ2は、画像情報及び状態情報等を循環的にRAM6に記録しながら、記録条件の成立時及び常時記録時(常時記録を行わない場合もあり)に、所定の画像情報及び状態情報等をメモリカード7の所定の領域に記録して行く。また、ドライブレコーダ2は、後述するように、エコ・安全運転診断に用いられる違反項目の判断条件が成立した場合にも、所定の情報をメモリカード7の所定の領域に記録することが可能である。さらに、ドライブレコーダ2は、後述するように、運行情報をメモリカード7の所定の領域に記録することが可能である。
図7は、メモリカード7の記録領域の利用例を示す図である。
メモリカード7の記録領域200には、乗務員の氏名及び設定条件等の諸情報が記録される第1領域201と、記録条件が成立した場合に画像情報及び状態情報等が記録される第2領域202と、常時記録による画像情報及び状態情報等が記録される第3領域203、及び運行関連情報及び違反項目情報が記録される第4領域204が割当られている。
運送会社等において、複数のトラックの運営及び管理を行うために、全ての車両にドライブレコーダ2を取り付ける場合には、トラックの運行状況を考慮して、第2領域202には、記録条件が成立した場合の画像情報及び状態情報等が少なくとも15イベント分記録できる記録容量を有することが好ましく、第3領域203には、少なくとも8時間分の常時記録による画像情報及び状態情報等を記録できる記録容量を有することが好ましい。
図8は、ビデオ画像取得方法を示す図である。図8(a)、図8(b)及び図8(c)はそれぞれ、3台のカメラからの画像の取得方法の一例を示している。
図8(a)では、時刻T0において第1カメラ3からの画像を取得し、時刻T1において第2カメラ4からの画像を取得し、時刻T2において第1カメラ3からの画像を取得し、時刻T3において第3カメラからの画像を取得し、以下同じ順序で各カメラからの画像を繰り返し取得する。ビデオ画像の切替は、CPU20からの制御信号によってビデオSW21により行われる。後述するように、画像IC22は、1秒間に30フレームの割合(30fps)で静止画像情報を出力するので、それに合わせて、1/30秒間隔でビデオSW21の切替を行えば良い。なお、常時記録では、図8(a)に示す順序にしたがって、1分間隔で、各カメラからの画像を繰り返し取得するようにしても良い。
図8(b)では、時刻T0において第1カメラ3からの画像を取得し、時刻T1において第2カメラ4からの画像を取得し、時刻T2において第3カメラ5からの画像を取得し、時刻T3において第1カメラからの画像を取得し、以下同じ順序で各カメラからの画像を繰り返し取得する。ビデオ画像の切替は、CPU20からの制御信号によってビデオSW21により行われる。後述するように、画像IC22は、1秒間に30フレームの割合(30fps)で静止画像情報を出力するので、それに合わせて、1/30秒間隔でビデオSW21の切替を行えば良い。なお、常時記録では、図8(b)に示す順序にしたがって、1分間隔で、各カメラからの画像を繰り返し取得するようにしても良い。
図8(c)は、各カメラからビデオ画像を取得する順序は図8(b)と同様であるが、その間隔を変更したものである。即ち、時刻T0から時刻T2までを1/30秒間隔とし、時刻T2〜時刻T3及び時刻T3〜時刻T4の間隔を1分間隔としたものである。
上述したように、ビデオSW21をCPU20からの制御信号により所定のタイミングで切替えることによって、3台のカメラからのビデオ画像を適切に取得することが可能となる。上述した3つの例では、車両1の正面前方を撮像する第1カメラ3からのビデオ画像を取得する割合が多くなるように(情報量が多くなるように)設定したが、配置されるカメラの位置や個数に応じて、適切な割合を設定条件で定めることが可能である。なお、いずれの撮影方式も第1カメラ3を他のカメラに比較して優先的に記録しているが、それは、第1カメラ3が車両前方を映すカメラであって他のカメラより重要だからである。
図9は、メモリカードへの記録方法の一例を示す図である。
画像IC22は、ビデオSW21によって切替えられたビデオ画像に基づいて、640×480ピクセル、30フレーム/秒で、画像情報をRAM6へ出力し、RAM6は画像IC22から入力される40秒間分の画像情報を循環的に保存している。例えば、図8(a)の順序でビデオSW21が切替られたとした場合、第1カメラ3の画像情報→第2カメラ4の画像情報→第1カメラ3の画像情報→第3カメラ5の画像情報→第1カメラ3の画像情報といった順序で画像情報をRAM6へ出力する。また、RAM6には、各画像情報と対応した状態情報も、合わせて記録されるように設定されている。記録条件が成立した場合及び常時記録の場合には、RAM6から、所定のタイミングで、画像情報及び状態情報がメモリカード7へ出力され、記録される。さらに、設定条件によっては、マイクロフォン26で取得した音声情報をRAM6に循環的に保存し、所定のタイミングで、メモリカード7に記録するようにしても良い。
図9では、時刻T10から時刻T14までの間のメモリカード7への記録の一例を示しており、時刻T12において、記録条件が成立したものとする。
時刻T12において記録条件が成立した場合、CPU20は、例えば、RAM6に循環的に記録されている画像情報等の内、記録条件の成立前12秒(時刻T11)から記録条件成立後8秒(時刻T13)までの20秒間分の画像情報及び状態情報等を、スロット24へ出力する。これによって、時刻T11〜T13までの30×20=600フレームの静止画像情報が1つのファイルとして、メモリカード7の第2領域101に記録される。
常時記録では、CPU20は、例えば、1秒間毎に、RAM6に循環的に記録されている画像情報等の内、1枚の画像情報及びそれに対応する状態情報をスロット24へ出力する。これによって、時刻T10〜時刻T14における静止画像情報がメモリカード7の第3領域203に記録される。
なお、常時記録の場合においても、音声記録を行うことが可能である。その場合、所定のタイミング及び所定のフレームレートで画像情報を取得する際に、所定期間毎の音声情報(例えば、1分間に1枚の画像情報を取得する際に、10秒間毎の音声情報)を取得して記録するようにする。
このように、ドライブレコーダ2では、長時間に渡って定常記録用の情報をメモリカード7に記録できるとともに、重大事故等の可能性がある重要な期間では詳細且つ鮮明な情報をメモリカード7に記録することが可能となった。なお、上述した記録条件成立時及び常時記録におけるにフレームレート、記録時間は一例であって、これらに限定されるものでは無く、設定条件を変更することによって様々な条件を設定することができる。
ところで、図9の例では、時刻T11〜T13において、記録条件の成立による記録と常時記録による記録が重複することとなる。したがって、メモリカード7の記録容量を効率的に利用するために、時刻T11〜T13、特に記録条件成立後の時刻T12〜時刻T13では、常時記録を行わないように設定することが好ましい。
上記の例では、記録条件の成立による記録及び常時記録において、画像情報と状態情報を取得し、同期してメモリカード7へ記録するように設定していた。しかしながら、メモリカード7への書き込み速度に対して画像情報の取得速度が速くなってしまった場合、メモリカード7の割り当て領域が一杯となってしまった場合等では、画像情報及び状態情報を同期させて記録することができない場合があった。しかしながら、そのような状態であっても、実際には、容量の小さい状態情報だけであれば、メモリカード7に記録できることがあった。そこで、メモリカード7へ画像情報及び状態情報を、別々タイミングで記録するように設定しても良い。このように、画像情報と状態情報を別々のタイミングで記録するように設定した場合には、全ての情報を欠落させずに、状態情報だけは記録できる場合があるので、車両1にどのような事態が発生したかを状態情報を利用して後から把握・推測することが可能となる。なお、画像情報及び状態情報を同期してメモリカード7へ記録するか、別々のタイミングでメモリカード7へ記録するかは、後述する設定条件によって設定できるようにすることが好ましい。
図10は、サムネイル画像の形成方法を示す図である。
図10(a)は、RAM6に循環的に記録される画像情報の内、図9と同様に、時刻T12において記録条件が成立し、記録条件の成立前12秒に対応する時刻T11から記録条件の成立後8秒に対応する時刻T13までの20秒間、600枚分(30fps×20s)の静止画像情報を示している。なお、図10(a)には明記していないが、各静止画像情報は、図8(a)で説明した順序で(第1→第2→第1→第3→第1→・・・)、第1カメラ3〜第3カメラ5で撮像したビデオ画像に対応する静止画像情報が順番に記録されているものとする。
前述したように、3つの記録条件の何れか一つが成立した場合、CPU20は、記録条件の成立前12秒に対応する時刻T11から記録条件の成立後8秒に対応する時刻T13までの20秒間、600枚分(30fps×20s)の静止画像情報を1つのフォルダとしてまとめて、メモリカード7に記録する(図6のS15参照)。
また、後述するように、再生装置400において、記録条件が成立した画像情報を再生する場合には、多くの記録画像の中から、特定の画像を区別するために、代表的な画像に基づくサムネイル画像(画像を縮小化した画像)を作成して表示し、各記録画像のインデックスとして利用する場合がある。なお、代表的な画像としては、記録条件が成立した時点の画像情報が好ましいことは言うまでもない。
しかしながら、図10(c)に示す様に、記録条件が成立した時点の画像情報は、フォルダのほぼ中央部分にあるため、再生装置400において、記録条件が成立した時点の画像情報をサーチするための時間が必要となり、多くの記録画像に対応したサムネイル画像を形成するために処理時間が多く必要となってしまうという問題があった。
そこで、ドライブレコーダ2では、図10(b)に示す様に、CPU20が、フォルダをメモリカード7に形成する際に、記録条件が成立した時点の静止画像情報210を特定し、サムネイル画像用に静止画像情報210をフォルダのヘッダ212の直後にコピーするように設定している。したがって、再生装置400において、第Nフォルダのインデックスとしてサムネイル画像を作成する場合に、ヘッダ212の直後の静止画像情報を利用すれば良く、図10(c)に示したサーチ時間を必要としない言う利点がある。なお、ヘッダ212には、ドライブレコーダ2が搭載された車両のID、運転手のID、記録条件が成立した日時、成立した記録条件の種類等のデータが記録されている。
サムネイル画像用の静止画像情報として、記録条件が成立した時点の静止画像情報を自動的に選択する代わりに、記録条件が成立した直後の特定のカメラ(例えば、第1カメラ3)で撮像されたビデオ画像に基づく静止画像情報を常に選択することが更に好ましい。複数のカメラで撮像された静止画像情報が交互に記録される場合、サムネイル画像が必ず特定のカメラで撮像された静止画像情報とされている方が、インデックスとしての利用価値が高いからである。
なお、サムネイル画像は、再生装置400において、記録画像を再生する場合だけでなく、端末10の表示部11において、記録画像を再生する場合のインデックスとしても利用することができる。
図11は、画像情報の再生方法の一例を示す図である。
図11(a)は、記録条件が成立した場合に、図8(a)の順序に従ってメモリカード7に記録された静止画像情報が含まれる第Nフォルダの一例を示す図である。図10(b)で説明したように、第Nフォルダには、ヘッダ212の直後にサムネイル画像用の静止画像情報211がコピーされ、その後、第1カメラ3〜第3カメラ5で撮像された合計600枚の静止画像情報が矢印Aの方向に沿って順番に含まれている。
このように、3台のカメラで撮像された画像情報が交互に含まれているため、そのまま画像情報を再生すると、複数の視点が早いタイミングで入れ替わり、非常に乗務員にとって見にくい動画となってしまう。そこで、特に、端末10の表示部11で再生する場合には、所定のカメラで撮像した静止画像のみを連続して再生するように制御することが好ましい。
図11(b)は、交互に記録されている静止画像情報の内、第2カメラ4で撮像された静止画像情報を、矢印Bの方向に沿って順番に再生する場合を示した図である。CPU20は、各静止画像情報に対応して記録されている状態情報に基づいてその静止画像情報が撮像されたカメラを特定し、予め設定されたカメラに対応する(例えば、第2カメラ4)、静止画像情報のみを選択して表示部11で再生するように制御する。再生する画像情報を撮像したカメラは、後述する方法によって予め設定する。このような制御によって、複数のカメラで撮像した画像情報を交互に記録した場合であって、乗務員に見やすく再生することが可能となる。
なお、再生装置400において、再生する場合には、後述するように、1画面上に複数画面を形成し、1度に3つのカメラで撮像した動画を再生することが可能である(図21参照)。
以下、設定条件(ドライブレコーダ2の動作条件)の設定及び設定の変更について説明する。
後述する設定条件は、メモリカード7に後述する運行計画情報を記録する時に(図13の処理フローS102参照)、同時にメモリカード7の第1領域201に記録される。この場合、記録される設定条件は、再生装置400の運行管理者側で予め決定されたものである。しかしながら、予め決定されている設定条件を変更したい場合には、後述する設定条件の変更フローに従って、ドライブレコーダ2と接続される端末10の操作部12を利用して変更することが可能である。
また、メモリカード7には複数の設定条件を予め記録しておき、メモリカード7をドライブレコーダ2に挿入後、端末10の操作部12を利用して、その中の一つの設定条件を選択するようにしても良い。例えば、設定条件Aは大型トラック用、設定条件Bは軽トラック用、設定条件Cはタクシー用、というように予め複数の設定条件を定めておくことが可能である。なお、設定条件を選択する手段は端末10の操作部12に限るものではなく、撮影SW等の他の操作手段を用いても良い。
さらに、乗務員ID又は車両ID等と設定条件との対応関係を予めメモリカード7に記録しておき、メモリカード7をドライブレコーダ2に挿入後、端末10の操作部12を利用して乗務員ID又は車両IDを入力すると、CPU20が、入力された乗務員ID又は車両IDに対応した設定条件を自動的に選択するように設定しても良い。
図12は、設定条件の変更フローの概略を示す図である。
図12に示す処理フローは、図6のS17及びS18の詳細を示すものであって、主にドライブレコーダ2のCPU20が、制御プログラム41に従って、主に端末10を利用して実行する。なお、図12に示す処理フローが開始される時点で、メモリカード7がドライブレコーダ2のスロット24に挿入されており、ドライブレコーダ2へ定格電圧が供給されているものとする。
最初に、端末10の操作部12を所定操作して、メンテナンスモードに入ると、予め設定されている設定条件を変更するための設定モード(S30)と、予め設定されている設定条件を閲覧する検査モード(S31)を選択することが可能となる。
設定モード(S31)において、実際に設定条件を変更する場合には、車両1の車両番号又は乗務員ID等をパスワードとして入力し、予め記録されている車両1の車両ID又は乗務員ID等と一致した場合のみ設定条件を変更できるようにすることが好ましい。
設定モード(S31)に入ると、図12に示すように、「基本項目(S40)」〜「音声録音項目(S49)」までの10項目についての設定を変更することが可能となる。なお、「基本項目(S40)」、「画像記録項目(S45)」、「常時記録項目(S46)」については更に複数の細設定項目を有している。乗務員は、端末10の操作部12を操作して、条件設定を変更したい項目を選択して、具体的な条件設定を変更する。以下、各項目について説明する。なお、メンテナンスモードへの移行や当該モードでの操作は、端末10の操作部12による操作に限るものではない。
1.「基本項目(S40)」について
基本項目を選択した場合には、更に「日時設定項目(S60)」、「機器設置方向項目(S61)」、及び「カメラ接続台数項目(S62)」を選択することが可能である。
日時設定項目を選択した場合には、日時、車両番号等の設定を変更することが可能である。機器設置方向項目を選択した場合には、ドライブレコーダ2の本体の設置方向の設定を変更することが可能である。ドライブレコーダ2の本体の設置方向を設定するのは、内蔵する加速センサ50が有する3軸の内のどの軸が車両1の前後方向に対応し、どの軸が車両1の左右方向に対応するかを決定するためである。カメラ接続台数項目を選択した場合には、ドライブレコーダ2と接続するカメラ台数、前述したカメラの規格(点滅の影響を受けない取り込み周波数を有する専用カメラ/NTSC規格のカメラの選択)等の設定を変更することが可能である。
2.「ブザーガイダンス項目(S41)」について
ブザーガイダンス項目を選択した場合には、ブザー27の音量の大小、ブザー27の音の高低、記録条件が成立した場合のブザー音のあり/なし等の設定を変更することが可能である。
3.「車速項目(S42)」について
車速項目を選択した場合には、ドライブレコーダ2と接続される車速センサ53から出力されるパルスの系統や、車速センサの種別等の設定を変更することが可能である。
4.「危険運転項目(S43)」について
危険運転項目を選択した場合には、エコ・安全運転診断に用いられる違反項目の判断条件の設定を変更することが可能である。以下に、エコ・安全運転診断に用いられる6つの違反項目例について説明する。しかしながら、以下に示すエコ・安全運転診断に用いられる6つの違反項目は一例であって、他の項目を採用することも可能である。
イ 速度超過:一般道において所定速度(例えば初期設定は80km/h)より速い速度で、所定時間(例えば初期設定、10秒)以上車両1を走行させた場合、及び、高速道路において所定速度(例えば初期設定は100km/h)より速い速度で、所定時間(例えば初期設定、10秒)以上車両を走行させた場合を言う。CPU20は、上記の条件が成立した場合には、「速度超過」が発生した事をメモリカード7の第1領域201に記録する。なお、車両1の走行中に複数回、上記速度超過の条件が成立した場合には、成立した回数も合わせてメモリカード7に記録される。
ロ 急加速:所定時間(例えば初期設定は1秒)の間に、所定増加値(例えば初期設定は13km/h)以上速度が増加した場合を言う。CPU20は、上記の条件が成立した場合には、「急加速」が発生した事をメモリカード7の第1領域201に記録する。なお、車両1の走行中に複数回、上記急加速の条件が成立した場合には、成立した回数も合わせてメモリカード7に記録される。なお、所定時間及び所定増加値と共に、判定加速度値(例えば、0.3G以上)を定めることもできる。
ハ 急減速:所定時間(例えば初期設定は1秒)の間に、所定減少値(例えば初期設定は13km/h)以上速度が減少した場合を言う。CPU20は、上記の条件が成立した場合には、「急減速」が発生した事をメモリカード7の第1領域201に記録する。なお、車両1の走行中に複数回、上記急減速の条件が成立した場合には、成立した回数も合わせてメモリカード7に記録される。なお、所定時間及び所定減少値と共に、判定加速度値(例えば、0.3G以上)を定めることもできる。
ニ 急ハンドル:所定時間(例えば初期設定は500ミリ秒)の間、車両1の左右方向の重力加速度が、所定検出値(例えば初期設定は0.45G)以上となった場合を言う。CPU20は、上記の条件が成立した場合には、「急ハンドル」が発生した事をメモリカード7の第1領域201に記録する。なお、車両1の走行中に複数回、上記急ハンドルの条件が成立した場合には、成立した回数も合わせてメモリカード7に記録される。
ホ アイドリング:ACCスイッチ57(又はIGスイッチ58)の出力がON且つ速度0km/hの状態が所定時間(例えば初期設定は5分)以上継続した場合を言う。CPU20は、上記の条件が成立した場合には、「アイドリング」が発生した事をメモリカード7の第1領域201に記録する。なお、車両1の走行中に複数回、上記アイドリングの条件が成立した場合には、成立した回数も合わせてメモリカード7に記録される。
ヘ 長時間運転:所定時間(例えば初期設定は2時間)以上、ACCスイッチ57(又はIGスイッチ58)の出力がOFFとならなかった場合を言う。CPU20は、上記の条件が成立した場合には、「長時間運転」が発生した事をメモリカード7の第1領域201に記録する。なお、車両1の走行中に複数回、上記長時間運転の条件が成立した場合には、成立した回数も合わせてメモリカード7に記録される。
5.「記録条件項目(S44)」について
記録条件項目を選択した場合には、前述した3つの記録条件の内の、G検知(例えば、初期設定は0.40G以上が100ミリ秒以上)、及び速度トリガ(例えば、初期設定は60km/h以上で走行中に、1秒間の減速が、14km/h以上)の設定を変更することが可能である。なお、上述した3つの記録条件の内、他の1つは撮像SWのON/OFFだけであるので、本例では設定変更ができないようにしたが、本項目を利用して、設定の変更が可能なように構成しても良い。さらに、上述した3つの記録条件以外の他の条件を定めた場合には、本項目を利用して設定の変更を行えるようにすることが好ましい。
6.「画像記録項目(S45)」について
画像記録項目を選択した場合には、更に、「フレームレート項目(S70)」、「記録回数項目(S71)」及び「記録時間項目(S72)」を選択することが可能である。
フレームレート項目を選択した場合には、ドライブレコーダ2と接続される各カメラ(本例では第1カメラ3〜第3カメラ5)の出力の設定(例えば、初期設定は、図8(a)に示す順序で、第1カメラ3が30×2/4fps、第2カメラ4が30/4fps、第3カメラ5が、30/4fps)を変更することが可能である。記録回数項目を選択した場合には、記録条件が成立した場合に、メモリカード7の第2領域202に記録するフォルダの個数(例えば、初期設定は15個)の設定を変更することが可能である。記録時間項目を選択した場合には、記録条件が成立した場合に、記録する記録時間(例えば、初期設定は、記録条件の成立前12秒〜記録条件の成立後8秒の合計20秒)の設定を変更することが可能である。
7.「常時記録項目(S46)」について
常時記録項目が選択された場合には、更に「常時記録のあり・なし項目(S80)」、「常時記録カメラ項目(S81)」、「フレームレート項目(S82)」、「常時記録上限項目(S83)」及び「音声録画項目(S84)」を選択することが可能である。
常時記録のあり・なし項目が選択された場合には、常時記録を行うか否かの設定(図6のS13参照)(例えば、初期設定は、常時記録あり)を変更することが可能である。常時記録カメラ項目を選択した場合には、常時記録を行う画像情報を撮像するカメラの指定(例えば、初期設定は、第1カメラ3)の設定を変更することができる。フレームレート項目を選択すれば、常時記録を行う場合のフレームレート(例えば、初期設定は、1fpm:1分間に1枚)の設定を変更することができる。常時記録上限項目を選択した場合には、常時記録を行うメモリカード7の第3領域203の容量の上限(例えば、初期設定は、512MB)の設定を変更することができる。音声録音項目を選択すれば、常時記録中の音声録音のあり・なし(例えば、初期設定は、音声録音なし)の設定を変更することが可能である。
8.「ビデオ出力項目(S47)」について
ビデオ出力項目を選択した場合には、端末10の表示部11で記録された画像情報を再生する場合に、再生する画像情報を撮像したカメラ(図11参照)の指定(例えば、初期設定は第1カメラ3)の設定を変更することが可能である。
9.「SW項目(S48)」について
SW項目を選択した場合には、記録条件成立の条件の1つとしての撮像SW(端末10の操作部12に含まれる撮像SW)を押圧した場合に、どのような情報を記録するのかの設定(例えば、初期設定は、画像情報+音声情報)、及び記録回数の設定(例えば、初期設定は、5回)を変更することが可能である。
10.「音声録音項目(S49)」について
記録条件成立の条件の1つとしての撮像SWを押圧した時に、音声録音をすることが設定されていた場合(「SW項目(S48)」参照)、1回の押圧による音声録音の録音時間(例えば、初期設定は10分)の設定等を変更することが可能である。
上述した設定項目の変更を終了すると、保存モード(S90)に移行し、変更した設定を保存するか(S91)、保存しないか(S92)を選択して、設定モード30を終了する。なお、保存モード(S90)は、図6のS18に相当し、設定の変更が保存される(S91)によって、以後、設定変更された条件でドライブレコーダ2の各種機能が実行され。さらに、設定変更される前の条件も記録され、最新の設定条件だけでなく、それ以前の設定条件も、メモリカード7に記録されることとなる。
上述したように、ドライブレコーダ2の設定条件を変更できるように構成したので、車両にドライブレコーダ2を取り付けてから、個別に設定を調整できることから、取り付け時の作業工数を低減させることが可能となった。また、設定条件(初期設定された設定条件及びその後設定変更された設定条件)は、メモリカード7に記録されているため、メモリカード7を再生装置400に挿入して記録された画像情報等をメモリカード7から再生装置400に移動する際に、メモリカード7に記録されている所定の車両に係る設定条件を再生装置400へ複写することが可能である。これによって、再生装置400は、複写された設定条件を他の車両に利用されるメモリカード7に記録し、同様の設定条件を他の車両に反映することが可能となる。さらに、設定条件(初期設定された設定条件及びその後設定変更された設定条件)が記録されたメモリカード7を、直接他の車両のドライブレコーダに挿入して、メモリカード7に記録される設定条件で、ドライブレコーダを制御することが可能である。これによって、再生装置400を介さずに、同様の設定条件を他の車両に簡単に反映させることが可能となる。
上述した例では、ドライブレコーダ2において、端末10の操作部12を利用して、設定されている条件を個々の項目について変更できるように構成した。しかしながら、車両の種類、機能又は用途毎に複数のパターン(Aパターン(トラック用)、Bパターン(タクシー用)、Cパターン(配達用)等)を予め用意しておき、一括して設定条件を変更するように構成しても良い。
また、前述したように、記録条件の成立における記録及び常時記録において、画像情報及び状態情報を、同期してメモリカード7へ記録するか、別々のタイミングでメモリカード7へ記録するかを、設定条件で定めることも可能である。
図13は、運行管理の処理フローの一例を示す図である。
運行管理とは、荷物の運送等を行う事業用自動車の管理を行うことを言う。本願では、ドライブレコーダ2を搭載した車両1(例えば、トラック)の運行管理を、ドライブレコーダ2で取得した各種情報を利用してより効果的且つ簡単に実行する方法について説明する。
図13に示した処理フローは、主に、再生装置400を利用した運行管理者(又はオペレータ)によって実行される。
最初に、運行管理者は、再生装置400の記録媒体407に予めインストールされた所定のアプリケーションプログラムを利用して、車両1の運行計画の立案を行う(S100)。
図14は、運行計画を行うための画面例を示す図である。
運行管理者は、初期画面から操作部405による所定操作によって図14に示す、運行計画を行うための画面410を表示部406に表示させる。画面410は、乗務員リスト420、車両リスト430、スケジュールカレンダー440、ルート・マスタ・リスト450、運行計画記入欄460、その他制御ボタン470〜475を含んでいる。なお、画面410は、一例であって、これに限定されるものではない。
運行管理者は、乗務員リスト420から所定の乗務員を選択し、車両リスト430から所定の車両を選択し、スケジュールカレンダー440から所定の月日を選択し、運行計画記入欄460に所定の運行計画を入力することによって、所定の乗務員(例えば、「乗務一郎」421)が、所定の車両(例えば、車両番号「10001」431)を利用して、所定の月日(例えば、「2009年1月9日」443)に、所定の運行(例えば、画面410の運行計画記入欄460参照)を行うという運行計画を、画面上で容易に設定することができる。画面上で設定した運行計画を登録したい場合には登録ボタン470を、画面上で設定した運行計画を削除したい場合には削除ボタン471を、編集したい場合には編集ボタン473を、地図表示したい場合には地図表示ボタン473を、画面410を印刷したい場合には印刷ボタン474を、初期画面に戻りたい場合には戻りボタン475を、操作部405を利用してクリックする。
画面410では、運行管理者が、運行計画記入欄460に運行計画を操作部405を用いて入力したが、ルート・マスタ・リスト450に、予め頻繁に利用するルートを記録しておき、そのルート(例えば、ルートA)を選択することによって、自動的に、運行計画記入欄460への記入が行われるようにすることが好ましい。
スケジュールカレンダー440では、既に、同じ乗務員(例えば、「乗務一郎」421)について運行計画が登録されている場合には、所定のマーク444〜447がスケジュールカレンダー440に表示されるようにすることが好ましい。なお、所定のマークは、日付の背景色、文字色等で表現しても良い。また、スケジュールカレンダー440は、前月表示ボタン441及び次月表示ボタン442等を利用して、表示月を切替えることで、過去の実績や将来の予定を確認することが可能である。なお、スケジュールカレンダー460は、日付の一覧が表示されているが、別途月毎の一覧表を設け、各月に予定が割付られているかが一目で分かるようにしても良い。さらに、日付に付加する所定のマークの色で、選択したルートマスタの種類を識別したり、ルートの方向(関東方面、関西方面等)を識別したりしても良い。さらに、運行計画作業実行中と、登録後とで、日付に付加する所定のマークの色や種類を変更するようにしても良い。
また、スケジュールカレンダー440の日付に付加された所定のマークをクリックすることで、既に実行済みの運行計画や、将来実行予定の運行計画が、画面410のように表示されるように構成されている。さらに、日付に付加された所定のマークをドラッグして、他の所定のマークが付加されていない日付にドロップすることによって、同じ内容の運行計画を他の日付の運行計画として登録することができるようにすることが好ましい。さらに、所定のマークが付加されていない日付をドラッグして、所定のマークが付加されている日付にドロップすることで、所定のマークが付加されている日付で登録された運行計画を解除できるようにすることが好ましい。なお、上記のドラッグ・アンド・ドロップ機能は、単日に限定されず、複数日(例えば、2009年1月9日〜2009年1月16日をドラッグして、2009年2月13日から2009年2月20日にドロップ)に適用できるようにすることが好ましい。
画面410では、スケジュールカレンダー440におけるスケジュール管理を、乗務員リスト420で選択された乗務員に基づいて行ったが、乗務員ではなく、選択された車両に基づいて行うようにしても良い。例えば、車両リスト430で選択された所定の車両に関して、登録された運行管理情報が、上述した方法によって、スケジュールカレンダー440に表示されるようにしても良い。
次に、運行管理者は、S100で立案された運行計画のルート確認を行う(S101)。ルート確認は、画面410の地図表示ボタン473をクリックすることによって行う。再生装置400は、地図表示ボタン473のクリックに対応して、運行計画記入欄460に入力された作業場所が表示される地図画面を地図情報記録部408を検索して取得し、取得した地図画面上に作業場所を表示したルート確認用の画面を作成して表示する。
図15は、ルート確認を行うための画面例を示す図である。
図15に示す画面480では、乗務員名及び運行予定日の表示領域481、立案された運行計画表示領域482、詳細表示領域483、印刷ボタン484及び画面410へ戻るボタン485、及び地図表示領域490を含んでいる。なお、画面480は一例であって、これに限定されるものではない。
地図表示領域490には、画面410において立案された運行計画における作業場所491〜494がバルーン01〜バルーン04として表示されている。なお、地図表示領域490に表示されているバルーンの番号01〜04は運行計画領域482に表示される作業NO1〜4に夫々対応している。図15では、バルーン01が選択された状態を示しており、バルーン01に対応する作業場所の詳細情報が、詳細表示領域483に表示されている。
運行管理者は、画面480を確認することによって、画面410において立案した運行計画における作業場所の位置関係に問題がないか等を視覚で確認することが可能となった。さらに、作業場所に誤りがある場合には、バルーンをドラッグ・アンド・ドロップして、適切な地図上の他の箇所に移動させることによって、作業場所の詳細情報が変更されるようにすることが好ましい。例えば、荷積場所として設定したバルーン02の位置と、荷卸場所として設定したバルーン03の位置が逆だった場合には、地図上で、バルーン02と03をドラッグ・アンド・ドロップにより交換することによって、画面410の運行計画記入欄460及び画面480の運行計画表示領域482がそれに応じて自動的に書き換わって表示されるようにすることが好ましい。これによって、運行計画の修正作業の効率化を図ることが可能となる。
なお、修正等を行った場合には、戻るボタン485を利用して画面410へ戻り、修正内容を確認することが好ましい。このように、画面410及び480を利用して、運行計画の立案、修正及び確認作業を効率よく行うことが可能となった。
次に、運行管理者は、S100及びS101で立案され且つ確認された運行計画を、対象となる乗務員が利用する車両1に搭載されたドライブレコーダ2に使用するメモリカード7に記録する(S102)。例えば、画面410(図14参照)又は画面480(図15参照)から、メモリカードへの記録画面へ移行し、立案され且つ確認された運行計画を直接メモリカード7へ記録しても良い。さらに、再生装置400は、運行計画情報の記録と同時に、図12等を利用して説明したドライブレコーダ2の設定条件をメモリカード7へ記録しても良い。特に、運行管理者側で、ドライブレコーダ2の設定を一括して変更しようとする場合に効果的である。
ところで、複数の運行計画が複数の乗務員に関して多数存在する場合には、運行管理の立案とメモリカード7への記録作業が個別に行うことが効率的である。そこで、以下に、運行管理の立案とメモリカード7への記録作業が個別に行う場合の処理フローについて説明する。
図16は、メモリカードへの運行計画の記録処理フローの一例を示す図である。
図16に示す処理フローは、再生装置400の記録媒体407に予め記録されたアプリケーションプログラムに従って、運行管理者(又はオペレータ)の操作部405の操作によって実行される。図16に示す処理フローが実行される時点で、所定のメモリカード7がスロット404へ挿入されているものとする。
最初に、再生装置400は、対象となる乗務員名を取得する(S110)。乗務員名は、運行管理者が、図14に示す乗務員リスト420のような部分から選択するようにしても良いし、乗務員名又はID番号を、操作部405を利用して再生装置400に入力するようにしても良い。
次に、再生装置400は、締め時情報を取得する(S111)。締め時情報とは、運行管理を行う会社又は団体が基準とする一日の終了時点を言う。タクシー業界では、深夜業務を考慮して、2009年1月9日の締め時は、2009年1月9日の24:00では無く、例えば、2009年1月10日のAM4:00とする場合がある。
次に、再生装置400は、メモリカード7に既に記録されている運行計画情報を、メモリカード7の第4領域204から取得し(S112)、S111で取得した締め時情報を考慮して、記録されている運行計画情報を消去するか否かの判断を行う(S113)。運行計画情報とは、運行計画の開始予定日の情報、図14の運行計画記入欄460に記載されている情報、各作業場所の位置情報(緯度及び経度情報)等を言う。
記録されている運行計画情報を消去するか否かの判断は、S111で取得した締め時情報を考慮して、記録されている運行計画情報に含まれる開始予定日と、現在日とを比較して行う。例えば、締め時情報が次の日のAM4:00であって、運行開始予定日が2009年1月9日、現在日時が2009年1月10日AM3:00の場合、運行計画はこれから実行される可能性があるものとして、メモリカード7に記録されていた運行計画情報をそのまま保存する(S114)。一方、締め時情報が次の日のAM4:00であって、運行開始予定日が2009年1月9日、現在日時が2009年1月11日AM3:00の場合、運行計画は既に実行されたものとして、メモリカード7に記録されていた運行計画情報を消去する(S115)。
なお、記録されている運行計画情報を消去するか否かの判断は、日基準ではなく、日時基準としても良い。その場合、各運行計画情報には、運行予定日だけではなく、運行開始予定時間に関する情報を入力する必要がある。また、日時基準で記録されている運行計画情報を消去するか否かの判断する場合には、運行開始予定時間が、現在時点の時間より前か否かで判断する。しかしながら、多少運行の開始が遅延する可能性もあることから、余裕時間(例えば、2時間)を見て、現在日時が、運行開始予定日時を過ぎていても、運行開始予定日時+余裕時間以内であれば、これから実行される可能性があると判断して消去しないように設定することが好ましい。さらに、余裕時間は、操作部405を利用して可変できるようにすることが好ましい。
次に、再生装置400は、S110で取得した乗務員名で、記録媒体407を検索し、S110で取得した乗務員に対応する全ての運行計画情報を全て抽出し(S116)、抽出された運行計画情報の内、メモリカード7に記録されていない運行計画情報が存在するか否かの判断を行う(S117)。S117において、メモリカード7に記録されていない運行計画情報が存在する場合には、直近の運行計画情報をメモリカード7の第4領域204に記録する(S118)。S117において、メモリカード7に記録されていない運行計画情報が存在しない場合には、その旨の警告表示を行って(S119)、一連の作業を終了する。
S113では、記録されている運行計画情報に含まれる開始予定日と現在日とを比較して、開始予定日を過ぎている場合には、既に運行計画が実行されたものと判断して、その運行計画情報を消去した。しかしながら、再生装置400は、後述する運転日報情報を検索して、運転計画情報に対応する運転日報情報が存在する場合には、既に運行計画が実行されたものと判断してその運行計画情報を消去するが、運転計画情報に対応する運転日報情報が存在しない場合には、運行計画が実行されなかったものと判断してその運行計画情報を消去するようにしても良い。運転計画情報に対応する運転日報情報が存在しない場合には、運転計画が実行されなかったものとして、運転計画情報に対応する(運行実績の無い)運転日報を作成するようにしても良い。
次に、乗務員は、運行計画情報及び設定条件が記録されたメモリカード7を車両1に搭載されているドライブレコーダ2に挿入して、運行計画に沿った運行を行う(S103)。運行に際しては、運行計画情報が、端末10の表示部11に表示されると共に、乗務員は、端末10の操作部12を利用して、各種の運行情報を入力する。ドライブレコーダ2のCPU20は、入力された運行情報をメモリカード7の第4領域204へ順次記録する。
入力される運行情報は、作業場所への到着、作業場所からの出発、作業、荷積、荷卸、休憩、給油、その他、高速道路の走行、一般道の走行等を言う。なお、各運行情報を入力し易い様に、各運行情報に対応した専用のボタンを端末10の操作部12に設けることが好ましい。
なお、ドライブレコーダ2は、運行情報の他に、更に画像情報、状態情報及び音声情報に基づく記録条件成立による記録及び/又は常時記録、及びエコ・安全運転診断に用いられる違反項目の検出を行い、メモリカード7の所定の領域に順次記録していく。
ところで、作業場所への到着及び作業場所からの出発は、乗務員が端末10の操作部12を用いてマニュアルで入力しても良いが、以下に示すように、ドライブレコーダ2の機能を利用して、自動的に判断して記録するようにしても良い。以下、作業場所への到着及び作業場所からの出発の自動判定について説明する。
図17は、出発及び到着の判定処理フローの一例を示す図である。
図17に示す処理フローは、主にドライブレコーダ2のCPU20が、制御プログラム41に従って、ドライブレコーダ2の各構成要素と共同して実行する。なお、図17に示す処理フローが開始される時点で、メモリカード7がドライブレコーダ2のスロット24に挿入されており、ドライブレコーダ2へ定格電圧が供給されているものとする。
最初に、CPU20は、ACCスイッチ57からのON/OFF信号を取得し(S120)、信号がOFFからONへ変更されたか否かの判断を行う(S121)。即ち、S121では乗務員がキーシリンダを操作してエンジンを始動したか否かの判断を行っている。
次に、CPU20は、ドライブレコーダ2が搭載されている車両1のエンジンが始動したら、GPS受信機51からGPS情報(現在位置情報)を取得し(S122)、現在位置情報に基づいて、車両1が第1領域外に移動したか否かの判断を行う(S123)。第1領域は、メモリカード7に記録されている運行計画情報の内、作業NO1として示された作業場所に対応した位置情報に基づき、その地点から半径が所定距離の領域と定めることができる。例えば、図14に示す例では、第1領域を、作業を行う作業NO1として示された「○○事業所」の位置情報による地点から、半径500m以内の領域というように定めることができる。
CPU20は、エンジンが始動され(S121)、第1領域外に車両1が移動した場合には、第1地点(例えば、 作業を行う「○○事業所」)を出発したと判断する(S124)。
次に、CPU20は、GPS受信機51からGPS情報(現在位置情報)を取得し(S125)、現在位置情報に基づいて、車両1が第2領域内に移動したか否かの判断を行う(S126)。第2領域は、メモリカード7に記録されている運行計画情報の内、作業NO2として示された作業場所に対応した位置情報に基づき、その地点から半径が所定距離の領域と定めることができる。例えば、図14に示す例では、第2領域を、次に荷積を行う作業NO2として示された「××株式会社」の位置情報による地点から、半径500m以内の領域というように定めることができる。
次に、CPU20は、車両1が第2領域内に移動したと判断した後、ACCスイッチ57からのON/OFF信号を取得し(S127)、信号がONからOFFへ変更されたか否かの判断を行う(S128)。即ち、S128では乗務員がキーシリンダを操作してエンジンを停止したか否かの判断を行っている。
CPU20は、第2領域内に車両1が移動し(S126)、エンジンが停止された場合には(S128)、車両1が、第2地点(荷積を行う「××株式会社」)に到着したと判断する(S129)。
図17の示す処理フローでは、ACCスイッチ57からのON/OFF信号とGPS受信機51からの現在位置情報に基づいて、車両1の出発及び到着の判断を行ったが、ACCスイッチ57からの信号の代わりに、IGスイッチ58からのON/OFF信号を利用しても良い。即ち、CPU20は、IGスイッチ58からのON信号を受信した後に、車両1が第1領域外に移動した場合に出発、車両1が第2領域内に移動した後に、IGスイッチ58からのOFFを受信した後に到着と判断するようにしても良い。
図17の示す処理フローでは、ACCスイッチ57からのON/OFF信号とGPS受信機51からの現在位置情報に基づいて、車両1の出発及び到着の判断を行ったが、ACCスイッチ57からの信号の代わりに、扉開閉センサ54からの開信号及び閉信号を利用しても良い。即ち、CPU20は、扉開閉センサ54からの閉信号を受信した後に、車両1が第1領域外に移動した場合に出発、車両1が第2領域内に移動した後に、扉開閉センサ54からの開信号を受信した後に到着と判断するようにしても良い。
図17の示す処理フローでは、ACCスイッチ57からのON/OFF信号とGPS受信機51からの現在位置情報に基づいて、車両1の出発及び到着の判断を行ったが、ACCスイッチ57からの信号の代わりに、シートベルトセンサ55からの装着信号及び非装着信号を利用しても良い。即ち、CPU20は、シートベルトセンサ55からの装着信号を受信した後に、車両1が第1領域外に移動した場合に出発、車両1が第2領域内に移動した後に、シートベルトセンサ55からの非装着信号を受信した後に到着と判断するようにしても良い。
図17の示す処理フローでは、ACCスイッチ57からのON/OFF信号とGPS受信機51からの現在位置情報に基づいて、車両1の出発及び到着の判断を行ったが、ACCスイッチ57からの信号の代わりに、着座センサ56からの着座信号及び非着座信号を利用しても良い。即ち、CPU20は、着座センサ56からの着座信号を受信した後に、車両1が第1領域外に移動した場合に出発、車両1が第2領域内に移動した後に、着座センサ56からの非着座信号を受信した後に到着と判断するようにしても良い。
上述した例では、ACCスイッチ57、IGスイッチ58、扉開閉センサ54、シートベルトセンサ55及び着座センサ56の何れか1つの信号と、GPS受信機からの現在位置情報とに基づいて、車両1の出発及び到着の判定を行ったが、ACCスイッチ57、IGスイッチ58、扉開閉センサ54、シートベルトセンサ55及び着座センサ56の何れか一つ又は複数の組み合わせのみによって、車両1の出発及び到着の判定を行っても良い。また、GPS受信機からの現在位置情報のみに基づいて車両1の出発及び到着の判定を行っても良い。
また、車速センサ53からの車速パルスに基づく車速を利用して、車両1の出発及び到着の判定を行っても良い。即ち、CPU20は、車速が0km/hから1km/hとなった場合に「出発」、車速が所定速度(例えば、10km/h)から0km/hとなった場合に「到着」と判断するようにしても良い。
上述したように、図17に示す処理フローに従って、車両1の出発及び到着を自動判定することによって、乗務員の操作負荷を低減させることが可能となる。なお、図17に示す処理フローは、運行計画情報にある全ての作業場所に対応して、所定間隔で繰り返し実行される。
次に、乗務員は、運行終了後、各種情報が記録されたメモリカード7を再生装置400のスロット404に挿入して各種情報をカード情報記録部409へ転送する。再生装置400は、収集した情報に基づいて、運転日報の自動作成を行う(S104)。
図18〜図20は、運転日報の表示例を示す図である。
図18〜図20は、再生装置400によって作成された、図14に示した運転計画情報に基づく運転日報を表示部406に表示した表示例である。構成上3画面に分割して示しているが、1画面に表示するようにしても良い。また、図18〜図20に示す運転日報は、一例であって、これに限定されるものではない。
図18に示す画面500には、基本事項表示領域510、運行状況表示領域511、記録条件成立及び常時記録に関する情報表示領域512、エコ・安全運転診断に用いられる違反項目表示領域513、エコ・安全運転診断表示領域514、印刷指示ボタン515、図19に示す画面520へ遷移する次ページ指示ボタン516、及び運転日報の表示前の状態に戻るためのボタン517等を含んでいる。
基本事項表示領域510には、乗務員名、車両ID及び車両番号が表示されている。これらの情報は、予めメモリカード7の第1領域201に記録されていた情報である。また、基本事項表示領域510には、運行開始日時情報、運行終了日時情報、操業時間、走行時間、走行距離、作業時間、及び休憩時間が表示されている。運行開始日時情報、運行終了日時情報、操業時間、走行時間、走行距離、作業時間、及び休憩時間は、乗務員によって端末10の操作部12から入力されて、メモリカード7の第4領域204に記録された、運行情報に基づいて演算された情報である。
運行状況表示領域511には、運行計画情報に対応し、乗務員によって端末10の操作部12から入力されて、メモリカード7の第4領域204に記録された運行情報に基づいた情報が整理されて表示されている。走行距離は、CPU20が車速パルスに基づいて演算により求めたものであるが、他の情報(例えば、GPS情報等)に基づいて求めても良い。
情報表示領域512には、今回の運行における、記録条件が成立する3つの条件のそれぞれについての件数及び常時記録あり・なしに関する情報が表示される。本例では、情報表示領域512において記録条件が成立した「速度トリガ」の部分518をクリックすることによって、記録条件の成立によって記録した画像情報を表示する表示画面に遷移するように設定されている。画像情報を表示する表示画面については後述する。
違反項目表示領域513には、今回の運行における、前述したエコ・安全運転診断に用いられる6つの違反項目の検出回数がそれぞれ表示される。図18の例では、「速度超過」及び「アイドリング」が2回ずつ検出され、他の項目の検出回数は0回という結果が表示される。
エコ・安全運転診断表示領域514には、エコ・安全運転診断結果が表示される。エコ・安全運転を診断するための評価点は、再生装置400が、今回の運行における、前述した6つの違反項目のそれぞれの検出回数に応じた得点を100点満点から減点するようにして求めたものである。図18の例では、「速度超過」及び「アイドリング」各1回について2.5点の減点として、トータル10点の減点で、評価点が90点とされている。ランクは、評価点に応じて、例えば「A」ランク〜「E」ランクとすることができる。なお、エコ・安全運転を診断するための違反項目は上記の6項目に限定されるものではなく、評価点を演算により求める方式も適宜定めることが可能である。
図19に示す画面520には、簡易基本事項表示領域521、走行実績表示領域522、作業実績表示領域523、印刷指示ボタン524、次ページ指示ボタン525、及び図18に示す表示画面500へ戻るためのボタン526等を含んでいる。
走行実績表示領域522には、運行開始から終了まで経過時間と、その間の車両1の車速との関係がグラフで表示されている。再生装置400は、メモリカード7に記録された状態情報に含まれる車速情報及び運行情報に基づいて、グラフを作成し、走行実績表示領域522に表示する。
走行実績表示領域522は、再生装置400が、運行情報に基づいて、作業、荷積、荷卸、休憩、給油、及びその他に分けて、作業時間のグラフを作成し、運行情報に基づいて、一般道路及び高速道路に分けて、走行時間のグラフを作成して、表示している。
図20に示す画面540には、簡易基本事項表示領域541、エコ・安全運転診断表示領域542、評価点の経緯表示領域543、印刷指示ボタン544、及び図19に示す表示画面520へ戻るためのボタン546等を含んでいる。
エコ・安全運転診断表示領域542では、前述した6つの違反項目を6角形のグラフとして表示し、各項目についての減点状態を示している。減点状態とは、例えば、「速度超過」については、何回検出しても最大10点減点と設定していた場合に、10点減点を100%として、何%分まで減点されたかを棒グラフによって示すものである。エコ・安全運転診断表示領域542は、再生装置400が、今回の運行における、運行情報に基づいてグラフを作成し、表示している。
評価点の経緯表示領域543は、5回前までの同じ乗務員についての評価点及びランクを折れ線グラフ状に表示したものであって、再生装置400が、今回の評価点及び過去の実績に基づいてグラフを作成し、表示する。
図21は、画像情報を表示するための画面例を示す図である。
図21は、図18における情報表示領域512において記録条件が成立した「速度トリガ」の部分518をクリックすることによって、表示部406に表示される画面例を示している。
図21に示す画面例560には、乗務員名561、車両ID562、成立した記録条件に関する情報表示領域563、状態情報表示領域570、画像情報の第1表示領域571、画像情報の第2表示領域572、画像情報の第3表示領域573、記録条件が成立したルート表示領域580、画面切替ボタン581、画面制御ボタン582、及び図18に示す画面例500へ遷移するためのボタン583を含んでいる。
成立した記録条件に関する情報表示領域563には、成立した記録条件が、「速度トリガ」であること、記録条件が成立した日時、及び「速度トリガ」の条件が表示されている。
画面例560は、再生装置400の表示部406の比較的大きな画面に表示できることから、第1カメラ3〜第3カメラ5で撮像した画像を、一度に表示できるように3つの表示領域571〜573を有している。図11を用いて説明した端末10の表示部11に表示する場合との差異を認識されたい。また、第1表示領域571、第2表示領域572及び第3表示領域573に表示される内容は、画面切替ボタン581の操作によって表示領域571内に示される矢印の順に入れ替わるように設定されている。即ち、画面例560では、第1表示領域571に第1カメラ3で撮像した画像情報、第2表示領域572に第2カメラ4で撮像した画像情報、第3表示領域573に第3カメラ5で撮像した画像情報がそれぞれ表示されている。そこで、一度、画面切替ボタン581を操作すると、第1表示領域571に第3カメラ5で撮像した画像情報、第2表示領域572に第1カメラ3で撮像した画像情報、第3表示領域573に第2カメラ4で撮像した画像情報がそれぞれ表示されるように切り替わる。
状態情報標示領域570には、第1表示領域571に表示される画像情報に対応して記録された状態情報が表示される。例えば、第1表示領域571に30×2/4fpsで画像情報が切り替わりながら表示された場合には、それに合わせて、状態情報も切り替わるように表示される。
記録条件が成立したルート表示領域580には、記録条件が成立した箇所が、図18の画面例500に示す運行情報に基づく「○○事業所」から「××株式会社」までの間の走行区間であることを示している。
図18〜図21を用いて説明したように、運転日報には、ドライブレコーダ2で記録した記録条件成立及び/又は常時記録、前述した6つの違反項目等が、運行情報と共に表示される。従来の運転日報では、運行情報のみが記載され、ドライブレコーダで記録された各種情報と合わせて表示(又は印刷)されることはなかった。本例では、前述したように、運行情報に加えて、ドライブレコーダ2で記録した情報を合わせて表示できるので、日々の動態の情報と画像情報等を同時に把握することが可能となった、即ち、各乗務員の一日の作業中にドライブレコーダによって記録された画像情報(図21の画面例560参照)を運転日報で把握することが可能となった。
さらに、図18〜図21を用いて説明したように、運転日報には、合わせてエコ・安全運転診断に関する指標(評価点及びランク)が表示されるので、運転指導、無理な運行計画が立案されたか否かの検証、無駄な運行計画が立案されたかの検証を合わせて行うことが可能となった。
図22は、他の車両にドライブレコーダを搭載した例を示す図である。
上述した例では、トラックにドライブレコーダ2を搭載した例に基づいて説明を行ったが(図1参照)、ドライブレコーダ2は例えば、他の車両であるタクシー用の車両1´に搭載することが可能である。その場合、車両1´内にドライブレコーダ2が設置され、車両1の前方を撮像する第1カメラ3、車両1´の乗務員を撮像する第2カメラ4及び車両1´の乗客用の後部座席を撮像する第3カメラ5と接続する。なお、タクシーにドライブレコーダ2を搭載する場合には、端末10を利用せず、その代わりに、記録条件成立の1つである撮像SWを実行するためのボタン15を車両1´内の適切な箇所に設けることが好ましい。