以下、本発明に係る実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加した形態で実施することも可能である。
最初に、ドライブレコーダにおける情報の記録について説明する。
図1は、車両1にドライブレコーダ2を搭載した例を示す図である。
車両1内にドライブレコーダ2が設置され、車両1の前方を撮影するビデオカメラ3及び車両1の後方を撮影するビデオカメラ4と接続されている。ビデオカメラ3等による映像情報をドライブレコーダ2内の半導体記憶部に循環的に記憶を行う。所定の記録条件が成立すると、半導体記憶部に記憶された映像情報がメモリカード6に記録される。所定の記録条件とは、事故等の発生により車両1へ衝撃が加わった場合等を言い、詳細については後述する。
また、ドライブレコーダ2は、映像情報の他に、車両の速度情報などを含む運行情報を取得して、ドライブレコーダ2内の半導体記憶部に一時記憶する。運行情報は、前述した記録条件が成立した場合には、映像情報と供にメモリカード6に記録され、さらにこれとは別に所定の時間毎に半導体記憶部に記憶された運行情報がまとめられて、メモリカード6に記録される。運行情報の詳細については後述する。
図2は、ドライブレコーダ2を車両1に設置した例を示す図である。
ドライブレコーダ2は、カメラ3、マイクロフォン7、撮影スイッチ8と電気的に接続されている。カメラ3は車室内ミラーの裏側のフロントガラス面に取り付けられ、車両前方を撮影し、映像情報をドライブレコーダ2へ送信する。マイクロフォン7は助手席側足元付近に設置され車両1内の音声を集音する。撮影スイッチ8はハンドル付近に設置され、ユーザに操作されることにより、カメラ3(又はカメラ4)で撮影された映像情報をドライブレコーダ2に記録することができる。
図3は、ドライブレコーダ2の本体を車両1に設置した例を示す図である。
ドライブレコーダ2の本体は助手席側シート300の下側スペースに設置することができる。車両1に衝撃等が加わる際に映像情報等を記録制御するため、本体部は固定して設置される。
図4は、再生装置の外観例を示す図である。
メモリカード6に記録された映像情報及び運行情報等はパーソナルコンピュータ等から構成される再生装置400により再生される。メモリカード6はパーソナルコンピュータに接続されたI/Fに挿入され、映像情報及び運行情報等が読み取られる。ユーザは再生された映像情報及び運行情報等を検証することによって、車両の走行状態又は事故原因の究明等を行うことができる。
図5は、ドライブレコーダ2の機能的構成を示すブロック図である。
ドライブレコーダ2は、撮影手段500及び速度検出手段501と電気的に接続され、衝撃検知手段502、記録判断手段503及び記憶手段504とを備えて構成される。また、ドライブレコーダ2は車両1に搭載されている。
撮影手段500は、車両1に搭載され、車両周辺を撮影して映像情報505を記憶手段504へ送信する。
速度検出手段501は、車両1に搭載され、車両1の速度を検出して速度情報506を記憶手段504へ送信する。
衝撃検知手段502は、車両1に加わる衝撃を重力加速度として検知して、検知した重力加速度情報507を記録判断手段503へ送信する。
記録判断手段503は、衝撃検知手段502が検知した衝撃の大きさが車両事故等に相当する衝撃か否か判断する。車両事故等に相当すると判断した場合には、重力加速度情報507及び記憶手段504へ記録制御を実行させる記録信号508を送信する。
記憶手段504は、撮影手段500及び速度検出手段501から受信した映像情報505及び速度情報506を常時巡回的に記憶する。記憶容量が限界に達すると古い情報から順に上書き処理を行うことで常に新しい映像情報及び速度情報を記憶する。記録判断手段503から記録信号508を受信すると、映像情報505、速度情報506及び重力加速度情報508からなる衝撃検知時情報509を外部記録手段510へ送信する。
外部記録手段510は、記憶手段504から送信された衝撃検知時情報509を不揮発的に記録する。ドライブレコーダ2とは独立に構成された記録メディアとして構成されるため、衝撃検知時情報509をドライブレコーダ2の外部へ持ち出すことが可能となる。
映像表示手段511は、外部記録手段510に記録された衝撃検知時情報509が転送されて、かかる情報を映像として表示する。これにより、ドライブレコーダ2のユーザは、車両事故等における車両周辺の状況を映像にて検証することができる。
図6は、ドライブレコーダ2の電気的構成を示すブロック図である。
なお、ドライブレコーダ2は映像記録専用の装置としてカメラ3又はカメラ4と分離して構成することもできるが、カメラ3、カメラ4及びマイクロフォン7と同一の筐体内に収容して一体的に構成してもよい。また、車載用ナビゲーション装置の一機能として構成することもできる。
カメラ3は、車両1の前方を撮影してアナログのビデオ信号を映像情報600として出力するよう制御され、例えば二次元イメージセンサとしてCCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)から構成される。
カメラ4は、2台目のカメラとして車両1に設置され、車両後方や車室内等のカメラ3と異なる方向を撮影してアナログのビデオ信号を映像情報601として出力するよう制御される。なお、カメラを1台のみ必要とする場合にはカメラ4を接続する必要はない。
加速度センサ5は、車両1に加わる衝撃の大きさを重力加速度として検出する、いわゆるGセンサ(Gravity Accelerative Sensor)で構成される。衝撃を受けるとその重力加速度に基づいた電流を発生する半導体からなり、車両の前後方向及び左右方向の重力加速度の大きさを検出して重力加速度情報602をCPU24へ出力する。
メモリカード6は、ドライブレコーダ2から取り外し可能な記録媒体であり、プログラム可能な不揮発性半導体メモリカードであるCFカード(Compact Flash Card)、SDカード(Secure Digital Memory Card)やメモリスティック等から構成される。メモリカード6には、映像情報及び運行情報が記録される。
なお、本実施の形態では取り外し可能な記憶媒体としてメモリカードを用いているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、取り外し可能な他のメモリカード、ハードディスク等を利用することもできる。また、メモリカード6の替わりに、ドライブレコーダ2にハードディスクを内蔵して用いることも可能であり、この場合にはドライブレコーダ2に送信回路を設け無線通信によりハードディスクに記録した映像情報及び運行情報を再生装置400へ送信するよう構成すればよい。また、再生装置として同じ車両に搭載されたナビゲーション装置を利用することができる。その場合には、メモリカード6又はハードディスクに記録した映像情報および運行情報をハーネスを介してナビゲーション装置に送信すればよい。ナビゲーション装置を再生用ディスプレイとして利用する場合は映像情報のみをナビゲーション装置に送信し、そのディスプレイに表示させればよい。それにより、事故が発生した場合にその場で事故原因を検証することができる。
マイクロフォン7は、CPU24と電気的に接続され、車両1の車室内または車外の音声を集音して音声情報603としてCPU24へ送信するよう構成される。音声情報603はCPU24内のアナログ/デジタル変換器でデジタル信号に変換される。なお、道路上の騒音を不必要に集音しないように、マイクロフォンの正面の感度が高い単一指向性マイクロフォンを用いるとよい。
撮影スイッチ(撮影SW)8は、ユーザにより操作されることにより、電気的に接続されたCPU24へ信号を送信する。これにより、CPU24は第2RAM15に記憶された映像情報及び運行情報をメモリカード6に記録させるよう制御する。すなわち、撮影SW8の操作は記録条件の成立として作用する。なお、撮影SW8が操作された瞬間の映像情報のみをメモリカード6に記録するようにしてもよい。
GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)受信機9は、複数のGPS衛星から衛星の軌道と、衛星に搭載された原子時計からの時刻データを含む電波信号を受信し、受信した電波の時間差により各衛星との相対的距離差を算出して現在地情報を得る。3個の衛星の電波を捉えれば地球上の平面での位置が判別できる。GPS受信機9は、かかる現在地情報を検出すると、位置情報及び時刻情報からなるGPS情報604をCPU24へ送信する。
車速センサ10は、車両1の車輪軸に設けられたローターの回転を回転パルス信号605として出力し、磁気センサまたは光センサにより構成される。なお、CPU24は車速センサ10から受信するパルス信号から単位時間当たりの車輪回転数を算出することで車両1の速度情報を算出している。
インターフェイス(I/F)11は、ドライブレコーダ2に設けられたメモリカード6の差込口、いわゆるスロット部を構成する。I/F11は、ドライブレコーダ2から送信される映像情報及び運行情報を含む記録情報606を、差し込まれたメモリカード6へ転送する。
ビデオスイッチ(以下「ビデオSW」)12は、複数のカメラが設けられる場合に撮影するカメラを切り換えるためのスイッチである。本実施の形態では、カメラ3及びカメラ4が接続され、CPU24からの選択信号607により一方のカメラが選択されるよう構成されている。選択されたカメラからの映像情報を選択映像情報608として出力する。なお、ビデオSW12に計時機能を持たせ、一定の時間間隔で切り換えを行うように構成してもよい。
画像処理回路13は、カメラ3等からビデオSW12を介して入力される選択映像情報608をデジタル信号に変換し、画像データ609を作成して出力する。例えば、JPEG−IC(Joint Photographic coding Experts Group−Integrated Circuit)から構成され、JPEG形式のデータを作成する。この場合、JPEG−ICはアドレスを指定してデータを出力する機能を有さないため、毎秒30ファイルを第1RAM(Random Access Memory)14へ書込み、1ファイル毎に上書き処理を行う。
第1RAM14は、画像処理回路13によって変換された画像データ609を一時的に記憶する。なお、第1RAM14はCPU24内のDMA(Direct Memory Access)回路と接続されており、入力された映像のうち3枚に1枚、即ち、毎秒10ファイルがDMAの機能により第2RAM15へ転送されて循環的に記憶される。
第2RAM15は、画像処理回路13により画像データに変換された映像情報、及び運行情報を循環的に記憶する。
なお、第1RAM14及び第2RAM15には、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が用いられる。SDRAMはCPUのクロックに同期して動作するよう設計されているため、入出力の待ち時間が短く、従来のDRAM(Dynamic Random Access Memory)に比較してアクセスを高速に行うことができ、大容量の映像データを高速に処理する制御に適しているためである。
不揮発性ROM16は、ドライブレコーダ2を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための制御プログラム17等を記憶する。不揮発性ROM16には、マスクROMを用いてもよいが、プログラム可能な不揮発性半導体メモリであるフラッシュメモリ、EEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、強誘電体メモリ等を用いればプログラムの書き込みや消去が可能となる。
制御プログラム17は、不揮発性ROM16内に記憶されドライブレコーダ2の起動時にCPU24に読み出され、各部の制御やデータ演算処理のプログラムとして機能する。
表示灯18は、発光ダイオード等からなり、CPU24から電源が供給されることによりドライブレコーダ2の起動中は点灯し、ユーザへ起動中であることを報知する。また、ドライブレコーダ2に異常が生じた場合には、CPU23が表示灯18を点滅させることにより異常の発生をユーザへ報知するよう構成されている。
アクセサリスイッチ(ACCスイッチ)19は、車両1に備えられたエンジン始動用のキーシリンダと電気的に一体に構成されている。ユーザのキー操作によりスイッチがオンとされるとアクセサリオン信号610をドライブレコーダ2へ送信する。ドライブレコーダ2はACCスイッチ19のアクセサリオン信号610を受信することにより、制御を開始する。なお、ACCスイッチ19の出力信号に代わりに、イグニッションキー出力信号を利用することも可能である。
電源スイッチ(電源SW)20は、ユーザによりスイッチ操作がなされると、電源オン信号をドライブレコーダ2へ送信する。ACCスイッチ17をオンさせずにドライブレコーダ2を動作させたい場合に用いることができる。
バッテリ21は、車両1内に備えられ、ドライブレコーダ2の本体に電源を供給する。また、バッテリは、電源制御回路22及びバックアップバッテリ23へ電源を供給する。なお、バッテリ21は車両に装備可能で12Vの起電力を発生できるものであればよい。
電源制御回路22は、CPU24に接続されACCスイッチ19からのオン信号を受信することで、バッテリ21からの電源をCPU24及びドライブレコーダ2の各部へ供給する。また、電源SW20が操作されたことを検知すると、ACCスイッチ19の状態に関わらず電源の供給を開始する。さらに電源制御回路22はACCスイッチ19又は電源SW20のオフを検知することにより、終了信号をCPU24へ送信する。終了信号を受信したCPU24は、制御の終了処理として電源制御回路22にオフ信号を送信する。これにより、電源制御回路22が電源の供給を停止する。
バックアップバッテリ(B/Uバッテリ)23は、コンデンサ等から構成され、バッテリ21からの電源をCPU24及びドライブレコーダ2の各部へ供給するよう接続されている。衝突事故等により車両に衝撃が加わると、バッテリ21の破損やバッテリ19と電源制御回路22と接続線の断線が発生する恐れがある。この場合、B/Uバッテリ23は、蓄電された電源をCPU24等へ供給することで、ドライブレコーダ2の電源のバックアップを行う。
CPU(Central Processing Unit)24は、ドライブレコーダ2の制御装置として動作し、マイクロコンピュータ等により構成される。CPU24は、制御プログラム17に基づき、ドライブレコーダ2の各部の制御やデータ演算処理等を実行する。
図7は、再生装置400の電気的構成を示すブロック図である。
インターフェイス(I/F)411は、再生装置400に設けられたメモリカード6の差込口、いわゆるスロット部を構成する。I/F411は、メモリカード6に記録された、映像情報及び運行情報等を再生装置400側に転送する。
RAM414は、CPU424がメモリカード6から転送された映像情報の画像処理及び運行情報の情報処理等を行う際に一時的にデータを記憶するために利用される。RAM414には、例えばSDRAMが用いられる。
不揮発性ROM416は、再生装置400を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための制御プログラム417等を記憶する。不揮発性ROM16には、例えば、EEPROM、強誘電体メモリ等が用いられる。
制御プログラム417は、不揮発性ROM416内に記憶され、再生装置400の起動時にCPU424に読み出され、各部の制御やデータ演算処理のプログラムとして機能する。
CPU424は、再生装置400の制御装置として動作し、マイクロコンピュータ等により構成される。CPU424は、制御プログラム417に基づき、再生装置400の各部の制御やデータ演算処理等を実行する。
操作部430は、キーボード、マウス等から構成され、ユーザが再生装置400を操作する場合に、CPU424への操作入力を行うための手段として利用する。
表示部440は、液晶表示装置等から構成され、メモリカード6に記録された映像情報及び運行情報等を適宜表示するために利用される。
地図情報記録部450は、ハードディスク、DVD等の記録媒体によって構成され、道路情報及び制限速度情報等を含んだ地図情報が記録されている。
カード情報記録部460は、ハードディスク等の記録媒体によって構成され、メモリカード6に記録された映像情報及び運行情報等を、記録するために利用される。
次に、ドライブレコーダ2における映像情報及び運行情報等の記録手順について説明する。
CPU24は、1秒間に10枚の割合で、カメラ3及び4によって撮像された静止画データを交互に取得し(即ち、カメラ3からの静止画を0.2秒毎、カメラ4からの静止画を0.2秒毎というように交互に取得し)、第1RAM14を介して第2RAM15に循環的に記録する。また、CPU24は、カメラ3及び4による静止画データを取得する毎に、運行情報を取得し第2RAM15に循環的に記録する。さらに、CPU24は、静止画データの取得タイミングとは別に運行情報を定期的に第2RAM15に循環的に記憶する。なお、上述したCPU24が取得する静止画データの時間間隔や枚数は一例であって、これに限定されるものではない。
次に、CPU24は、後述する記録条件の成立を検出すると、記録条件成立前15秒間及び成立後15秒間の合計30秒間の映像情報(1回の記録条件成立毎に300枚分の静止画)及び運行情報を第2RAM15からメモリカード6に転送して記録する。メモリカード6に記録された映像情報及び運行情報等は、再生装置400にて表示することができるので、ドライブレコーダ2のユーザは、車両1の走行状態及び事故状況を検証することが可能となる。なお、上述したCPU24が、記録条件成立時に、メモリカード6に記録する期間(記録条件成立前15秒及び記録条件成立後15秒)は一例であって、これに限定されるものではない。
また、CPU24は、記録条件の成立とは独立に、第2RAM15に記憶された運行情報の内、1秒毎の運行情報を、10秒毎にまとめて第2RAM15からメモリカード6に転送して記録する。即ち、1秒毎の運行情報が、後述する記録条件の成立とは無関係に、10秒毎にメモリカード6に記録される。なお、上述したCPU24が記録する運行情報の間隔や、メモリカード6への記録タイミングは一例であって、これに限定されるものではない。10秒毎に、メモリカード6に運行情報を記録するのは、1秒毎に記録するようにすると、メモリカードへのアクセスが頻繁となって、オーバーヘッドが発生する可能性があるからである。更に、CPU24は、前記記録条件とは異なる危険運転を検出するための危険運転条件の成立を検出すると、検出時点の運行情報と、成立した危険運転条件の種類を示すイベントデータをメモリカード6に記録する。これら1秒毎の運行情報と危険運転を示す運行情報は後述する違反項目としても利用される。
記録条件が成立する場合とは、以下の3つ場合を言う。
1.G検知:加速度センサ5が、所定の閾値以上の重力加速度を検出した場合。具体的には、車両1の前後方向の重力加速度をGy及び車両1の左右方向の重力加速度をGxとすると、CPU24が、加速度センサ5からの出力の合成重力加速度の絶対値(Gx2+Gy2)0・5を10ミリ秒毎に検出し、閾値加速度以上の値が、閾値継続時間以上連続して検出された場合に、記録条件が成立したと判断する。なお、閾値加速度を0.40Gに、閾値継続時間を100ミリ秒設定することができる。このような場合を記録条件成立としたのは、車両1の衝突事故の発生と認識できるからである。なお、設定の詳細については後述する。
2.速度トリガ:車速センサ10から検出した車両1の所定の期間内の速度差が、閾値以上となった場合。具体的には、60km/h以上で走行中に、1秒間の減速が、14km/h以上となった場合に、記録条件が成立したと判断する。このような場合を記録条件成立としたのは、車両1がこのような速度変化を起こした場合には、事故の発生または事故の急迫と認識できるからである。なお、設定の詳細については後述する。
3.撮影SW:撮影SW8が操作された場合。
上記の記録条件の何れか1つが成立すると、CPU24は、記録条件成立前15秒間及び成立後15秒間の合計30秒間の映像情報及び運行情報を第2RAM15からメモリカード6に転送して記録することとなる。また、記録条件が成立した場合には、成立した記録条件を示すイベントデータ(上記の3つの内の何れかを示すデータ)を合わせてメモリカード6に記録する。なお、記録条件が成立した場合には、記録条件成立前15秒及び成立後15秒間の合計30秒間における、マイクロフォン7から取得した音声情報を、映像情報と供に、メモリカード6に記録するように構成しても良い。
運行情報とは、以下の情報を言う。
1.加速度センサ5から検出した重力加速度情報(Gy、Gx)。
2.GPS受信機9から検出した車両1の位置情報及び時刻情報。
3.車速センサ10から検出した速度情報。
4.ACCスイッチ19のON/OFF情報。
なお、運行情報の内容は、必ずしも上記の情報に限定されるものではなく、例えばウィンカー等の灯火類の点灯状態やハンドル操舵角のような車両1の運行や走行に関する情報を含めるようにしても良い。
また、メモリカード6には、記録条件、メモリカード6の固有のID、メモリカード6を利用してた利用者(例えば、タクシー乗務員等)のID又は氏名のデータが別途記録されているものとする。なお、前述したように画像記録を行う条件を「記録条件」といい、運行情報のみを記録する条件を「危険運転条件」といい、両条件を総称して「トリガ条件」ということとする。
次に、再生装置400における情報の表示について説明する。
図8は、再生装置400におけるメニュー画面例を示した図である。
再生装置400の電源をONすると、第1画面100が表示部440に表示され、5つのメニュー項目101〜105が表示される。第1画面100において、「記録条件の設定変更」項目104が操作部430によって選択されると、第2画面110に示す4つの項目が表示され、「エコ安全運転分析」項目105が操作部430によって選択されると、第3画面120に示す2つの項目が表示される。第3画面120において、「判定レベルの設定変更」項目123が選択されると、第4画面130に示す4つの項目が表示される。各項目の詳細にいては後述する。
図9は、メモリカード6の運用例のフローを示した図である。
最初に、ユーザは、再生装置400において図8に示す第1画面100の「メモリカード初期化」項目101を選択し、利用するメモリカード6を再生装置400のI/F411に挿入してカードの初期化を行う(S1)。カードの初期化では、CPU424によってそれまでにメモリカード6に記録されていたデータ等が削除され、後述する新たに設定された記録条件及び危険運転条件等のトリガ条件、及びメモリカード6を利用して運行を行う利用者(例えば、タクシー乗務員)のIDが、メモリカード6の所定のアドレスに書き込まれる。
次に、ユーザは、車両1の運行の開始時に(例えば、タクシー乗務員が、日勤勤務(7:45〜17:15)の開始時に)、初期化されたメモリカード6を車両1に配置されたドライブレコーダ2のI/F11に挿入して、データ記録を開始する(S2)。メモリカード6が、ドライブレコーダ2のI/F11に挿入されると、CPU24によりメモリカード6に記録されているトリガ条件が読み出されて、第2RAM15等に記録され、CPU24は、新たに設定されたトリガ条件に基づいて、記録条件が成立したか否かの判断を行う。前述したように、CPU24は、記録条件が成立した場合には、所定の期間(例えば、30秒間)の映像情報及び運行情報をメモリカード6に記録し、危険運転条件が成立した場合には成立時点の運行情報をメモリカード6に記録する。また、CPU24は、所定の期間(例えば、10秒)毎に、所定期間(例えば、1秒)毎の運行情報をメモリカード6に記録する。
次に、車両1の運行の終了時に(例えば、タクシー乗務員が、日勤勤務の終了時に)、データ記録を終えたメモリカード6をドライブレコーダ2のI/F11から取り出す。ユーザは、さらに、再生装置400において図8に示す第1画面100の「メモリカード読み込み」項目102を選択し、メモリカード6を再生装置400のI/F411に挿入して、メモリカード6に記録された映像情報、運行情報、トリガ条件、メモリカードのID、及び利用者のID等を再生装置400側に読み込む(S3)。
再生装置400側では、CPU424により1車両の1運行に対応してメモリカード6に記録された映像情報、運行情報、トリガ条件、メモリカードのID、及び利用者のIDを読み込む。再生装置400では、メモリカード毎のデータの解析を個別に行うことも可能であるし、複数の車両の複数の運行に対応したデータを複数のメモリカード6から読み込んだ後に、データの解析をまとめて行うことも可能である。更に、1枚のメモリカード6を、複数の車両に用いたり、複数の運行に兼用したりしても良い。
図10は、メモリカード6に記録された映像情報を表示するための画面例を示す図である。なお、図10を含め後述する全ての画面の表示処理及び画面上でのユーザの操作に基づく処理はCPU424により実行される。
図10に示す画面140は、ユーザが再生装置400において、図8に示す第1画面100の「画像表示」項目103を選択した時に表示され、CPU424が、制御プログラム417にしたがい、カード情報記憶部460に記憶されているデータに基づいて、表示部440に表示するものである。
図10に示すように、画面140には、メモリカード6のID番号データ141、運行情報に含まれる時刻情報142、成立した記録条件を示す種類情報143、位置情報の内の緯度データ144、位置情報の内の経度データ145、及び合成重力加速度の絶対値を示す検出G情報146、表示される画像が撮影されたときの記録条件情報147、カメラ3で撮像した静止画を順次表示する領域148−1、カメラ4で撮像した静止画を順次表示する領域148−2、カメラ3及び4で撮像した静止画の制御をするための操作ボタン149(巻き戻し、再生、停止、早送り)等が表示されている。なお、合成重力加速度の絶対値を示す検出G情報146は、CPU424が、領域148−1及び148−2に表示されている画像が撮影されたときに検出された運行情報に含まれる加速度センサ5から検出した重力加速度情報(Gy、Gx)に基づき、演算により求めて表示する。即ち、G検知による記録条件成立時の動加速度を示す。
図10に示す画面140では、ユーザが、操作ボタン149を制御することによって、カメラ3で撮像した15秒分の150枚の静止画及びカメラ4で撮像した15秒分の150枚の静止画が、表示領域148−1及び148−2に順次切換わりながら表示される。また、同時に、表示された静止画に対応した情報が、表示・入力領域141〜147に表示される。なお、図10に示す画面140は一例であって、他の画面構成を選択することができる。
本実施の形態では、図10に示すように、表示された静止画に対応した記録条件を静止画と同じ画面上に表示することで、画像を見ながら記録条件が適正であったか否かを容易に判断できる。そして、記録条件が不適正であると判断すれば、後述する記録条件の設定変更を行なえばよい。それにより適切な記録条件の設定変更を行なうことができる。
尚、図10では記録条件と画像を同じ画面上に表示するようにしたが、必ずしも両者を同じ画面上に表示する必要はなく、例えば記録条件を表示させるための操作ボタンを画像と同じ画面に表示させ、その操作ボタンを操作すると記録条件を別ウィンドとして表示させるようにしてもよい。このように構成すると、操作ボタンを操作するという操作が増えるものの、記録条件が適正であったか否かを容易に判断できることにはかわりがない。
次に、記録条件の設定変更について説明する。
前述した3つの記録条件の内、G検知及び速度トリガについては、閾値及び/又は設定値を変更することによって、どのような場合に記録条件が成立するかを状況に応じて最適化することができる。例えば、閾値レベルを高くすれば、重大な事故等のみが発生した場合に映像情報が記録されることとなるが、軽微な事故では映像情報が記録されない恐れがある。逆に、閾値レベルを低くすれば、事故には至らないような急加速・急減速等が発生しても映像情報を記録してしまい、不必要な映像情報ばかりが記録されてしまう恐れがある。そこで、本発明の実施の形態では、記録条件を適切に変更するための手順を設けた。
図10において、検出G146と共に記録条件147を示すのは、再生装置400側で、G検知の値等の記録条件の設定変更を行うタイミングと、メモリカードに初期設定されている検知G等の記録条件の設定値によって画像記録を行うタイミングとが異なる場合があるからである。
再生装置400は、複数のユーザに共有された場合、各ユーザが検知Gの設定値を変更可能となる。
例えば、あるユーザが、再生装置400において、検知Gの値を0.40Gから0.60Gへ引き上げたとする。この設定値の変更は変更操作以降、再生装置400側で保持される。
そして、設定値の変更操作以降にユーザが画像を参照した場合に、ユーザは参照している画像の全てが、0.60Gの設定値を基準に画像が記録されたものとして取り扱うこととなる。
しかしながら、変更操作以降の時点で、既に検知Gの値が0.40Gで画像を記録しており、検知Gが0.6Gに変更されていないメモリカード6の画像を再生装置400で読み取った場合、再生装置400側では記録条件の変更(0.60G)の操作を行っているにも関わらず、以前の検知G(0.40G)の画像を参照することで、ユーザに誤解が生じる恐れがある。そこで、例えば、図10に示す表示画面において、記録条件147を表示することによって、このような誤解が生じるのを解消することが可能となる。
言い換えれば、再生装置400側では、最後に記録条件が変更された条件で画像記録が実行されているつもりとなってしまうが、実際にはその間にも条件が変更される前の状態で画像記録が実行されている場合もあるので、その点の整合性を取るために、記録条件147を表示することに大きな意味がある。
図11は、記録条件の設定変更フローの一例を示す図である。
最初に、ユーザが、図8に示す第1画面において「画像表示」項目103を選択することで操作がCPU424により検出されて、CPU424が記録条件と共に映像情報を再生する(S4)。
重大な事故のみに関する映像情報が記録されている又は不必要な映像情報が多く記録されているとユーザが判断した場合には、その時の記録条件が不適切であったと判断し、図8に示す第1画面100において「記録条件の設定変更」項目104を選択する。すると、その操作がCPU424により検出されて、CPU424により図8に示す第2画面110が表示部440に表示される。さらに、ユーザが第2画面110に示す各項目111〜114を選択することによって、その操作がCPU424により検出されて、CPU424により後述する記録条件設定画面において、詳細な記録条件の設定値を表示する(S5)。なお、 第2画面110において、「G検知」項目111、「速度変更条件」項目112及び「横揺れ補正」項目113が、前述した記録条件のG検知に関する設定変更項目である。しかしながら、上記3つの設定変更を全て行う必要はない。また、「速度トリガ」項目114が、前述した記録条件の速度トリガに関する設定項目である。
記録条件の設定値を検討した結果、ユーザが設定値に変更の必要があると判断した場合には、記録条件設定画面において設定値を変更する操作を行う。CPU424は変更操作を検出すると(S6)、その操作に応じて、設定値を変更し(S7)、変更を保存(S8)することができる。
図12は、G検知設定画面例(1)を示す図である。
ユーザが、第2画面110において、「G検知」項目111を選択すると、図12に示す画面150が、表示部440に表示される。なお、表示部440にはG検知設定画面においてユーザーにより最後に設定された値が表示される。これは再生装置400がいわゆるラストメモリー機能を備えるためである。かかる機能は、G検知設定画面においてユーザーにより閾値等の値の設定変更が行われた場合に、再生装置400が設定された最後の値を不揮発性ROM416に記憶し、設定画面が再度表示され場合にかかる記憶した値を表示する機能である。
たとえば、ユーザーがG検知設定画面において検知Gの値を0.4Gから0.6Gに再設定して操作終了した場合には、検知G値に0.4Gが設定されたメモリーカード6を表示装置400に挿入してG検知設定画面を再度表示させても、設定画面には0.6Gの値が表示されることとなる。
画面150では、Y軸に閾値加速度(0.3〜0.6G)が示され、X軸に閾値継続時間(80〜200ミリ秒)が示されたグラフが表示されている。グラフには、現時点で設定されている違反Gトリガ151と事故衝撃Gトリガ152の2つの設定が表示されている。違反Gトリガ151の閾値加速度は表示・入力領域153に示され、閾値継続時間は表示・入力領域154に示されている。また、事故衝撃Gトリガ152の閾値加速度は表示・入力領域155に示され、閾値継続時間は表示・入力領域156に示されている。なお、事故衝突Gトリガ152の数値はグラフ上には存在しないので、グラフの左上端に仮に表示している。
画面150で示した違反Gトリガ151及び事故衝撃Gトリガ152が、前述した記録条件のG検知の具体的な設定値に該当する。なお、ここでは、車両1の大小や、加速度センサ5の検出条件等を考慮して、G検知に関する2種類の設定値を設けたが、設定値は一種類でも良い。
ユーザは、例えば、グラフ上に表示される違反Gトリガ151をマウスでクリックして、グラフ上の他の位置までホールドすることによって、簡単に違反Gトリガの設定を変更することができる。違反Gトリガ151のグラフ上の位置の変更に応じて、表示・入力領域153及び154の設定値が変化するように構成されている。なお、事故衝撃Gトリガ152についても同様である。また、表示・入力領域153〜156に直接設定値を入力して各Gトリガの設定を変更することも可能である。この場合、表示・入力領域153〜156に入力された値に応じてグラフ上のトリガ151,152の位置が自動的に変化する。
なお、図12では、違反Gトリガの検知レベルの指標を3段階に分けて、グラフに表示し、設定を行う場合の目安にしている。即ち、検知レベル低の場合を「△」50として、0.35G、100ミリ秒の箇所に表示し、検知レベル中の場合を「□」51として、0.4G、100ミリ秒の箇所に表示し、検知レベル高の場合を「×」52として、0.45G、100ミリ秒の箇所に表示している。これらの目安によって、ユーザは所望の検知レベルとなるように、設定の変更を行うことが可能となる。
図13は、G検知設定画面例(2)を示す図である。
図13に示す画面150´では、グラフ上の違反Gトリガ150をマウスで違反トリガ150´に移動した状態を示している。また、違反Gトリガ150´への移動に伴って、違反Gトリガの表示・入力領域153及び154の表示内容が変化している。
また、図12及び図13の画面上の「リセット」157を選択することにより設定されている数値が全てリセットされ、「設定を保存」158を選択することによって設定した記録条件が保存され、「閉じる」159を選択することによって、図8に示す第1画面100へ戻るように画面が切り替わる。
図12及び図13に示すように、2次元的且つ視覚的に、数値を決定できるので、容易且つ適切にG検知の具体的な設定の変更を行うことが可能となった。
図14は、速度変更条件画面例(1)を示す図である。
ユーザが、第2画面110において、「速度変更条件」項目112を選択すると、図14に示す画面160が、表示部440に表示される。
画面160では、Y軸に閾値加速度(0.0〜1.0G)が示され、X軸に車両の速度(0〜150km/h)が示されたグラフが表示されている。グラフには、車両の速度がV1km/hまでの第1の違反Gトリガ161、車両の速度がV1〜V2km/hまでの第2の違反Gトリガ162、及び車両の速度がV2km/h以上の第3の違反Gトリガ163が示されている。図12で示したG検知画面150において設定された違反Gトリガが、ここでは第1の違反Gトリガ16として設定されている。
即ち、画面160では、車両の速度の変化に応じて違反Gトリガの値を設定することが可能である。車両の速度の変化に応じて、違反Gトリガを設定するのは、車両の速度が高速になると、ブレーキ操作やハンドル操作で大きなGが車両にかかり、事故等ではないにも拘らず、記録条件を成立してしまう恐れがあるからである。
画面160では、V1を60km/h、V2を100km/hに設定し、第2の違反Gトリガを0.50G、第3の違反トリガを0.6Gに設定している。
車両の速度V1及びV2は、グラフ上の直線164及び165をマウスで図面中の左右方向に移動させても良いし、領域166及び168に所定の数値を入力するようにしても良い。なお、何れかが変化した場合には、変化に応じて他方が変化するように表示が変化する。
また、第2の違反Gトリガ及び第3の違反Gトリガは、グラフ上の直線162及び163をマウスで図面中の上下方向に移動させても良いし、領域167及び169に所定の数値を入力するようにして変更しても良い。なお、何れかが変化した場合には、変化に応じて他方が変化するように表示が変化する。もちろん、第1の違反Gトリガをこの画面で同様に変更できるようにしても良い。
図15は、速度変更条件設定画面例(2)を示す図である。
図15に示す画面160´では、グラフ上で、第2の違反Gトリガ162をマウスで違反トリガ162´に移動し、第3の違反Gトリガ163をマウスで違反トリガ163´に移動した状態を示している。また、違反Gトリガの移動に伴って、領域167及び169の表示内容が変化している。
また、図14及び図15の画面上の「リセット」、「設定を保存」及び「閉じる」の機能は、図12と同様であるので、説明を省略する。
図14及び図15に示すように、他段階的且つ視覚的に、数値を決定できるので、容易且つ適切にG検知の具体的な設定の変更を行うことが可能となった。
図16は、横揺れ補正設定画面例(1)を示す図である。
ユーザが、第2画面110において、「横揺れ補正」項目113を選択すると、図16に示す画面170が、表示部440に表示される。
画面170では、横揺れ感知レベル171、及び横揺れ感知レベルの表示・入力領域172が表示されている。横揺れ感知レベルの標準値は、0.10Gに設定されている。加速度センサ5は、前述したように、車両1の前後方向の重力加速度をGy及び車両1の左右方向の重力加速度をGxの検出を行う。しかしながら、体感的にGxは低く感じられるので、実際にはGxが大きく、乗務員には大きな加速度が車両にかかったとは感じられないにも拘らず、検知G等の記録条件が成立してしまうことがある。
そこで、予め、実際の検知結果から所定の数値分をマイナスにして、体感と実際の記録条件が成立する場合を一致させるようにしたものである。具体的には、画面170で設定された数値分だけ、測定値Gxからマイナスされたのちに、合成重力加速度が計算されることとなる。例えば、画面170では、0.10Gに設定されているため、Gxは、(Gx−0.01)に変換されて、以後処理されることとなる。
横揺れ感度レベルは、グラフ上の横揺れ感知レベル171をマウスで図面中の左右方向に移動させても良いし、領域172に所定の数値を入力するようにしても変更することができる。何れかが変化した場合には、変化に応じて他方が変化するように表示が変化する。
図17は、横揺れ補正設定画面例(2)を示す図である。
図17に示す画面170´では、グラフ上で、横揺れ感知レベル171をマウスで横揺れ感知レベル171´に移動した状態を示している。また、横揺れ感知レベルの移動に伴って、領域172の表示内容が変化している。
また、図16及び図17の画面上の「リセット」、「設定を保存」及び「閉じる」の機能は、図12と同様であるので、説明を省略する。
図16及び図17に示すように、視覚的に、数値を決定できるので、容易且つ適切にG検知の具体的な設定の変更を行うことが可能となった。
図18は、速度変化トリガ設定画面例(1)を示す図である。
ユーザが、第2画面110において、「速度変化トリガ」項目114を選択すると、図18に示す画面180が、表示部440に表示される。
画面180では、Y軸に車両の速度(0〜100km/h)が示され、X軸に時間経過が示されたグラフが表示されている。グラフには、設定速度181及び変化量182が示され、画面180には、さらに、及び設定速度の表示・入力領域183、変化量の表示・入力領域184が示されている。
即ち、画面180では、車両の速度が、設定速度60km/h以上の場合に、1秒間以内に、−14km/h以上の速度変化が起きた場合が、速度変化トリガとして設定されていることを示している。このような速度変化が発生した場合には、事故等が発生した可能性が高いと判断することができる。
設定速度及び変化量は、グラフ上の直線181及び182をマウスで図面中の上下方向に移動させても良いし、表示・入力領域183及び184に所定の数値を入力するようにしても良い。なお、何れかが変化した場合には、変化に応じて他方が変化するように表示が変化する。
なお、グラフ中には、検知レベルが低い場合の指標185、検知レベルが中くらいの場合の指標186及び検知レベルが高い場合の指標187も示されており、ユーザが設定の変更を行う場合の目安となるように構成されている。
図19は、速度変化トリガ設定画面例(2)を示す図である。
図19に示す画面180´では、グラフ上で、変化量182をマウスで変化量182´に移動した状態を示している。また、変化量182の移動に伴って、表示・入力領域184の表示内容が変化している。
また、図18及び図19の画面上の「リセット」、「設定を保存」及び「閉じる」の機能は、図12と同様であるので、説明を省略する。
図18及び図19に示すように、他段階的且つ視覚的に、数値を決定できるので、容易且つ確実に速度変化トリガの具体的な設定の変更を行うことが可能となった。
以上、図12〜図19を用いて説明したように、映像情報を確認して、記録条件が不適切だと思われる場合には、記録条件、即ち、前述したG検知と速度変化トリガについて、容易かつ適切な条件の設定を変更することが可能となった。
以上の実施の形態では、図10および図11のステップS4で示した再生画像と記録条件を併せて表示する形態、そして図12〜図19および図11のステップS5〜S8で示した記録条件をグラフ上で設定変更する形態を組み合わせたものにつき説明したが、本発明ではそれぞれの形態が独立した発明を構成するものである。
次に、運行情報を利用した、利用者のランキングと車両トレースについて説明する。
利用者のランキングとは、様々な利用者がメモリカード6に記録したイベントデータ又は運行情報から、その利用者の運転状況を以下の6つの違反項目によって判断し、順位付けを行うことを言う。また、車両トレースとは、利用者がメモリカード6に記録した運行情報から、その利用者の車両が移動した状況を地図上に時系列的に表示することを言う。
以下に、利用者の運転状況を判断する6つの違反項目を示す。
1.速度超過:所定速度(例えば、80km/h)より速い速度で、所定時間(例えば、10秒)以上車両を走行させた場合を言う。速度超過は、ドライブレコーダ2において、危険運転条件の1つとして設定された速度超過条件が成立したことが検出されたとき、イベントデータとして「速度超過」がメモリカード6に記録される。従って、速度超過か否かは、メモリカード6から読み取ったイベントデータに基づき判断される。
2.急加速:所定時間(例えば、1秒)の間に、所定増加値(例えば、13km/h)以上速度が増加した場合を言う。急加速は、ドライブレコーダ2において、危険運転条件の1つとして設定された急加速条件が成立したことが検出されたとき、イベントデータとして「急加速」がメモリカード6に記録される。従って、急加速か否かは、メモリカード6から読み取ったイベントデータに基づき判断される。
3.急減速:所定時間(例えば、1秒)の間に、所定減少値(例えば、13km/h)以上速度が減少した場合を言う。急減速は、ドライブレコーダ2において、危険運転条件の1つとして設定された急減速条件が成立したことが検出されたとき、イベントデータとして「急減速」がメモリカード6に記録される。従って、急減速か否かは、メモリカード6から読み取ったイベントデータに基づき判断される。
4.急ハンドル:所定時間(例えば、500ミリ秒)の間、車両1の左右方向の重力加速度Gxが、所定検出値(例えば、0.45G)以上となった場合を言う。急ハンドルは、ドライブレコーダ2において、危険運転条件の1つとして設定された急ハンドル条件が成立したことが検出されたとき、イベントデータとして「急ハンドル」がメモリカード6に記録される。従って、急ハンドルか否かは、メモリカード6から読み取ったイベントデータに基づき判断される。
5.アイドリング:ACCスイッチON且つ速度0km/hの状態が所定時間(例えば、5分)以上継続した場合を言う。アイドリングは、ACCスイッチ19の出力及び車速センサ10から検出した速度情報に基づき判断する。
6.長時間運転:所定時間(例えば、2時間)以上、ACCスイッチ19の出力がOFFとならなかった場合を言う。長時間運転は、ドライブレコーダ2において1秒毎に記録された運行情報の内、ACCスイッチ19の出力に基づき判断する。尚、速度超過、急加速、急減速、急ハンドルは1秒毎に記録された運行情報に基づき、判断してもよい。
上記の6つの違反項目に該当する状況は、危険走行状態であったり、(上記1〜4の違反項目)環境問題を悪化させる要因となったりする行為(上記5及び6の違反項目)である。そこで、利用者が車両を利用中(運転中)に、上記の6つの違反項目が発生したか否かを判断し、発生した場合には、各項目に応じた点数を100点満点から減点するようにして、再生装置400の表示装置440において、利用者のランキングを表示できるようにした。利用者のランキングの表示は、CPU424が、カード情報記録部460に記録されているデータに基づいて、制御プログラム417に従って、実行する。なお、ランキングを行う際に考慮する違反項目は、必ずしも上記の6つ全てである必要はなく、必要に応じて、6つの項目の中から選択できるように構成しても良い。
図20は、利用者のランキングから車両トレースを行うまでのフローを示す図である。
図20に示すフローは、CPU424が、制御プログラム417に基づいて、再生装置400に各要素と協働して実行する。図20に示すフローが開始される時点で、再生装置400には電源がONされ、各要素は動作可能な状態となり、カード情報記憶部460には、複数の利用者によって運行されたメモリカード6の情報が既に記録されているものとする。
最初に、ユーザは、操作部430を操作して、第1画面100において、「エコ安全運転分析」項目105を選択して、第3画面120を表示させ、さらに「ランキング」項目121を選択して、図21に示すランキング表示画面200を表示部440に表示させる。
次に、画面200の期日指定項目201の選択及び/又は対象日202の項目に適当な数値をいれて、「検索」項目203を選択する(S20)。
すると、図22の画面210のランキング表示欄212に、データが蓄積されている利用者が、S20で指定された期間の間の総合評価の高い順に表示される(S21)。総合評価は、前述したように、「速度超過」、「急加速」、「急減速」、「急ハンドル」、「急アイドリング」及び「長時間運転」に該当する運転を行っていたか否かを各利用者のイベントデータを含む運行情報に基づいて判断する。ランキング表示欄212には、総合評価、ランク、違反回数、走行距離、乗務時間、最高速度(一般道)、最高速度(高速道路)、平均速度、総走行距離、総乗務時間、運転傾向等が表示される。
次に、ランキング表示欄212に表示された利用者の中から、特定の利用者、例えば、利用者A(212)を選択する(S22)。
すると、S22で選択された利用者に関して、S21で指定した期間に行った違反明細が、図23に示す画面220の違反明細表示欄221に表示される(S23)。違反は、前述した、6つの評価項目の何れかを言い、違反を犯した日時及び、違反種別(即ち、6の評価項目の何れか1つ)が表示される。
次に、違反明細表示欄221において、所定の違反、例えば、違反222を選択すると(S24)、選択した違反発生の1時間前から、発生後1時間までの車両のトレース表示が、図24に示す画面230におけるトレース表示欄231に表示される(S25)。
図24に示す車両トレース画面230では、違反項目(速度超過、急加速、急減速、急ハンドル及びアイドリング)、記録条件(G検知、速度トリガ、操作SW)のマークを示す欄232、車両トレースの時系列で移動、巻き戻し、早送り、一時停止等を行うための制御ボタン233、「パラメータOFF」項目234、「速度チャート」表示項目235、「印刷」項目236、「閉じる」項目237等が表示される。
また、トレース表示欄231では、車両の移動経路240、車両位置プロット241〜246、及び違反項目マーク247〜249が表示されている。車両位置プロット241〜246は、進行方向矢印、車両の存在時刻(時、分、秒)、及び車両速度の情報を含んでいる。なお、車両位置プロットは、運行情報に含まれたGPS受信機9から検出した車両位置情報を元に、地図情報記録部450から抽出した地図上に配置されて表示されている。進行方向矢印は、1つ前の車両位置プロットに含まれる車両の位置情報と今回の車両位置プロットに含まれる車両の位置情報との関係から求められる。したがって、車両の移動経路240は、各車両位置プロットを結ぶように表示されることとなる。
図24のトレース表示欄231では、図23に示す違反明細表示欄221で選択された違反222(15時17分12秒の急加速)が、車両位置プロット246として示され、急加速を示すマーク249も併せて表示される。このように、欄232に示される、違反項目(速度超過、急加速、急減速、急ハンドル及びアイドリング)及び記録条件(G検知、速度トリガ、操作SW)が発生した車両位置プロットには、必ず、それに対応するマークが併せて表示されることとなる。このように、車両位置プロットと違反項目及び記録条件を示すマークが併せて表示されるので、経路のどこでどのような走行状態となったかが、容易且つ簡単に把握することが可能となった。
トレース表示欄231では、違反222の発生前の5つのポイントのみ、便宜上表示したが、実際には、違反222の発生前後1時間の車両位置プロットを表示することが可能である。なお、選択された違反を基準として表示される車両位置プロットの上記期間(違反発生前後1時間)は一例であって、他の値を選択することもできる。
図24において、「速度チャート」項目235を選択すると、トレース表示欄231に表示される車両の速度チャートを表示させることができる。
図25は、速度チャート表示画面例を示す図である。
画面250では、運行日データ251、利用者データ252、第1の速度チャート表示欄253、第2の速度チャート表示欄254、及び「閉じる」項目255等が表示されている。第1の速度チャート表示欄253には、縦軸に車両速度、横軸に時刻が配置され、運行情報に含まれる車速センサ10から検出した速度情報に基づいて、時刻毎の車両の速度がプロットされている。第2の速度チャート254には、縦軸に距離(5km)、横軸に時刻が配置され、時刻毎に、どのくらい車両が走行したかを表示している。即ち、第2の速度チャート254において、縦線の幅が短い程、単位時間当たりの走行距離が長いということとなる。なお、画面250では、PM14〜PM22までの8時間分の速度チャートを示しているが、これは一例であって、8時間分の表示に限定されるものではない。
以上図20〜図25を用いて説明したように、運行情報を利用した、利用者のランキングと車両トレース、さらには速度チャートに基づいて、メモリカード6の利用者の走行状況等を容易に把握することが可能となった。
次に、違反項目の条件、即ち、危険運転条件の設定変更について説明する。
本発明の実施の形態では、ランキングを行う際に利用した6つの違反項目のそれぞれの条件設定を変更できるように構成されている。即ち、図8に示す第3画面120において、「判定レベルの設定変更」項目122を選択すれば、第4画面130が表示され、各項目を選択することによって、6つの違反項目の内、4つについて設定を容易に変更することができる。なお、他の2つの違反項目についても、同様にその設定を変更できるように構成しても良い。
図26は、速度超過設定画面例(1)を示す図である。
ユーザが、第4画面130において、「速度超過」項目131を選択すると、図26に示す画面260が、表示部440に表示される。
画面260では、Y軸に車両の速度(0〜200km/h)が示されている。X軸に時間経過が示されたグラフが表示されている。グラフには、高速道路における制限速度262、一般道路における制限速度263、及び検出時間間隔261が示され、画面260には、さらに、高速道路における制限速度の表示・入力領域264、一般道路における制限速度の表示・入力領域265、検出時間の表示・入力領域266が示されている。また、画面260に示す「リセット」項目267を選択することにより設定されている数値が全てリセットされ、「設定を保存」項目268を選択することによって設定した違反項目の判定基準が保存され、「閉じる」項目269を選択することによって、図8に示す第3画面120へ戻るように画面が切り替わる。
即ち、画面260では、10秒間以上、高速道路において100km/h以上の速度を出した場合、又は、10秒以上、一般道路において80km/h以上の速度を出した場合に、速度超過の違反項目に該当したと判定される。
図27は、速度超過設定画面例(2)を示す図である。
図27に示す画面260´では、グラフ上で、検出時間261をマウスで検出時間261´に移動し、高速道路における制限速度262をマウスで高速道路における制限速度262´に移動し、一般道路における制限速度263をマウスで一般道路における制限速度263´に移動させた状態を示している。また、検出時間261、高速道路における制限速度262及び一般道路における制限速度263の移動に伴って、表示・入力領域264、265及び266の表示内容が変化する。
図26及び図27に示すように、他段階的且つ視覚的に、数値を決定できるので、容易且つ適切に速度超過の設定条件を変更することが可能となった。
図28は、急加速設定画面例(1)を示す図である。
ユーザが、第4画面130において、「急加速」項目132を選択すると、図28に示す画面270が、表示部440に表示される。
画面270では、Y軸に速度(0〜100km/h)が示され、X軸に時間経過が示されたグラフが表示されている。グラフには、検出時間271、及び急加速の速度増加値272が表示されている。即ち、1.0秒間の間に、13km/h以上の速度増加が発生した場合には、急加速の違反項目に該当すると判定される。また、画面270には、検出時間の表示・入力領域275及び速度増加値の表示・入力領域276が表示されている。
また、グラフ中には、判定レベルが低い場合の指標273及び判定レベルが高い場合の指標274も表示されており、ユーザが設定を変更する場合の目安となるように構成されている。なお、画面270では、急加速の設定が、判定レベルが中の場合と同じに設定されていることを示している。
図29は、急加速設定画面例(2)を示す図である。
図29に示す画面270´では、グラフ上で、速度増加値272をマウスで速度増加値272´にさせた状態を示している。また、検出時間271及び速度増加値272の移動に伴って、表示・入力領域275及び276の表示内容が変化する。
なお、図28及び図29における、「リセット」、「設定を保存」及び「閉じる」の機能については、図26と同様であるので、説明を省略する。
図28及び図29に示すように、他段階的且つ視覚的に、数値を決定できるので、容易且つ適切に急加速の設定条件を変更することが可能となった。
図30は、急減速設定画面例(1)を示す図である。
ユーザが、第4画面130において、「急減速」項目133を選択すると、図30に示す画面280が、表示部440に表示される。
画面280では、Y軸に速度(0〜100km/h)が示され、X軸に時間経過が示されたグラフが表示されている。グラフには、検出時間281、及び急減速の速度減少値282が表示されている。即ち、1.0秒間の間に、13km/h以上の速度減少が発生した場合には、急減速の違反項目に該当すると判定される。また、画面280には、検出時間の表示・入力領域285及び速度減少値の表示・入力領域286が表示されている。
また、グラフ中には、判定レベルが低い場合の指標283及び判定レベルが高い場合の指標284も表示されており、ユーザが設定を変更を行う場合の目安となるように構成されている。なお、画面280では、急減速の設定が、判定レベルが中の場合と同じに設定されていることを示している。
図31は、急減速設定画面例(2)を示す図である。
図31に示す画面280´では、グラフ上で、検出時間281をマウスで検出時間281´に移動し、速度減少値282をマウスで速度減少値282´にさせた状態を示している。また、検出時間281及び速度減少値282の移動に伴って、表示・入力領域285及び286の表示内容が変化する。
なお、図30及び図31における、「リセット」、「設定を保存」及び「閉じる」の機能については、図26と同様であるので、説明を省略する。
図30及び図31に示すように、他段階的且つ視覚的に、数値を決定できるので、容易且つ適切に急減速の設定条件を変更することが可能となった。
図32は、急ハンドル設定画面例(1)を示す図である。
ユーザが、第4画面130において、「急ハンドル」項目134を選択すると、図30に示す画面290が、表示部440に表示される。
画面290では、Y軸に加速度(0〜2.0G)が示され、X軸に時間経過が示されたグラフが表示されている。グラフには、検出時間291、及び急ハンドルの車両の左右方向の重力加速度Gx292が表示されている。即ち、500ミリ秒間の間に、0.45G以上のGxを検知した場合には、急ハンドルの違反項目に該当すると判定される。また、画面290には、検出時間の表示・入力領域295及び車両の左右方向の重力加速度Gxの表示・入力領域296が表示されている。
また、グラフ中には、判定レベルが低い場合の指標293及び判定レベルが高い場合の指標294も表示されており、ユーザが設定を変更する場合の目安となるように構成されている。なお、画面290では、急ハンドルの設定が、判定レベルが中の場合と同じに設定されていることを示している。
図33は、急ハンドル設定画面例(2)を示す図である。
図33に示す画面290´では、グラフ上で、検出時間291をマウスで検出時間291´に移動し、車両の左右方向の重力加速度Gx292をマウスで車両の左右方向の重力加速度Gx292´に移動させた状態を示している。また、検出時間291及び車両の左右方向の重力加速度Gx292の移動に伴って、表示・入力領域295及び296の表示内容が変化する。
なお、図32及び図33における、「リセット」、「設定を保存」及び「閉じる」の機能については、図26と同様であるので、説明を省略する。
図32及び図33に示すように、他段階的且つ視覚的に、数値を決定できるので、容易且つ適切に急ハンドルの設定条件を変更することが可能となった。
以上、図26〜図33を用いて説明したように、ランキングを行う際の違反項目について、容易かつ確実に条件の設定を変更することが可能となった。