JP2016058921A - 鉄道車両用カメラ装置、制御方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態の鉄道車両用カメラ装置のカメラは、列車を構成する先頭車両に設けられ、先頭車両の前方の撮影を行い映像データを出力する。一次記憶部は、映像データを逐次更新しつつ所定容量の映像データを記憶可能とされている。制御部は、所定のトリガ条件が満たされた場合に、一次記憶部に記憶されている映像データのうちから、トリガ条件に対応する映像データを抽出し、トリガ条件の種別を表す情報とともに、無線通信を考慮した所定容量以下の容量を有する保存用記憶データとして保存用記憶部に転送する。保存用記憶部は、転送された保存用記憶データを記憶し、無線通信部は、所定の転送タイミングにおいて、保存用記憶データを地上側に無線送信する。
【選択図】図1
Description
上記従来のカメラ映像記録システムでは、車両電源が入っている間中、映像を記録し続けていた。
また、映像データは、容量が大きくなるため、記録をとりだすために映像データを通信ネットワークを介して転送することが困難であり、リアルタイムで映像データを取得することは困難であった。すなわち、運行終了後に大容量の記憶装置(たとえば、ハードディスク)ごと交換するなどしていたため、リアルタイムで映像データを利用することはできなかった。
また、映像データを通信ネットワークを介して転送するためには、映像データの容量を下げる必要がある。このため、映像の解像度を下げたり、秒あたりの映像のコマ数を減らしたりして記録していたため、解析時に必要な情報が欠落する虞があった。
一次記憶部は、映像データを逐次更新しつつ所定容量の映像データを記憶可能とされている。
そして制御部は、所定のトリガ条件が満たされた場合に、一次記憶部に記憶されている映像データのうちから、トリガ条件に対応する映像データを抽出し、トリガ条件の種別を表す情報とともに、無線通信を考慮した所定容量以下の容量を有する保存用記憶データとして保存用記憶部に転送する。
この結果、保存用記憶部は、転送された保存用記憶データを記憶し、無線通信部は、所定の転送タイミングにおいて、保存用記憶データを地上側に無線送信する。
図1においては、説明の簡略化のため、3両編成の列車を例として説明する。
列車10は、1号車を構成している制御車11と、2号車を構成している付随車12と、3号車を構成している制御車13と、を備えている。
付随車12は、伝送端末装置23と、車両内ネットワーク27と、を備えている。
そして、伝送端末装置23は、マスコン24から入力された力行指示、ブレーキ指示、レバーサ指示、速度発電機26の速度パルス信号が入力され、列車10の速度、走行距離を算出する。
また伝送端末装置23は、GPS車載器28から自車両位置情報(緯度データ及び経度データ)及び時刻情報を取得する。
図2は、コントローラの概要構成ブロック図である。
コントローラ22は、コントローラ22全体を制御するCPU31と、リングバッファとして構成され、GPS測位データ、列車10の運行状況データ、マスコンの操作状態、ATS等の外部装置からの制御状態を表す外部制御データ等に対応づけて、カメラ21が出力した映像データ及び記録用マイク30から入力された音声信号に対応する音声データを更新しつつ連続的に後述する一次記憶データD1として記憶する一次記憶メモリ32と、を備えている。
図3は、一次記憶データのデータフォーマット例の説明図である。
一次記憶データD1は、列車10を特定するための編成番号、列車番号(列番)、運行番号等が格納された列車特定データD11と、GPS車載器28が出力したGPS(測位)データD12と、列車の現在位置に対応するキロ程、列車の現在速度に対応するキロ程・速度データD13と、マスコン24の操作状態(操作状態履歴)を表す操作履歴データD14と、ATC信号あるいはATS信号などの外部制御信号の入力状態を表す外部制御データD15と、カメラ21の出力した映像データD16と、記録用マイク30から入力された音声信号に対応する音声データD17と、を備えている。
図4は、実施形態の撮影処理タイミングチャートである。
各コントローラ22のCPU31は、電源がオンにされると(ステップS11)、カメラ21を制御して鉄道車両の前方の画像の撮影を行う(ステップS12)。この結果、カメラ21からは、映像データがコントローラ22に出力される。
上述した映像データの出力処理(ステップS12)、音声録音処理(ステップS13)、GPSデータ取得処理(ステップS14)及び一次記憶処理(ステップS15)と並行して、CPU31は、所定のトリガ条件が満たされた一次記憶データを保存記憶データとして記憶する処理を行っている。
ここで、トリガ条件について説明する。
トリガ条件としては、例えば、非常事態が検出された場合や、履歴情報などに基づいて事故等が発生する可能性が高い特定の場所に近づいた場合等である。
具体的には、運転士が非常ブレーキ(EB)を操作した場合等が挙げられる。すなわち、急停車を想定すると、力行あるいは一定速度以上の速度における走行において、非常ブレーキが操作される。
これにより、非常ブレーキが操作されたタイミング、すなわち、トリガ条件が満たされたタイミングを基準に、過去に第1の所定時間(例えば、2分)遡ったタイミング(記録開始タイミング)から、トリガ条件が満たされたタイミングを基準に第2の所定時間が経過したタイミング(記録終了タイミング)までの一次記憶データを保存用記憶データとして保存用高速メモリ35に転送することとなる。
図6は、特定の場所に近づいた場合のトリガ条件の説明図である。
具体的には、特定の場所としては、踏切、駅、急カーブの場所等の列車の先頭車両の通過地点あるいは停車地点のうち、事故発生が予測される場所が挙げられる。
ステップS21の判別において、所定のトリガ条件が満たされたと判別された場合には(ステップS21;Yes)、CPU31は、トリガ条件に対応する一次記憶データを抽出する(ステップS22)。
まず、CPU31は、非常ブレーキが操作されるとトリガ条件が満たされたと判別する(ステップS21;Yes)。
このとき、保存用記憶データは、無線通信を考慮し、無線通信帯域を圧迫しない所定容量以下の容量を有するように設定されている。
そして、CPU31は、転送が完了したか否かを判別する(ステップS24)。
ステップS24の判別において、転送が完了した場合には(ステップS24;Yes)、処理を再びステップS21に移行して以下同様の処理を行う。
そして、CPU31は、保存用記憶データとして抽出した一次記憶データを保存用高速メモリ35に転送する(ステップS23)。
すなわち、CPU31は、保存用記憶データとして転送した一次記憶データの記録タイミングが、トリガ条件が満たされたタイミングを基準に第2の所定時間が経過したタイミング(記録終了タイミング)に至ったか否かを判別することとなる。
ステップS24の判別において、転送が完了した場合には(ステップS24;Yes)、処理を再びステップS21に移行して以下同様の処理を行う。
まず、CPU31は、地上の管理システムSYS等への後述する保存用記憶データD2のデータ転送タイミングであるか否かを判別する(ステップS31)。
ステップS31の判別において、地上システム等へのデータ転送タイミングではないと判別された場合には(ステップS31;No)、CPU31は、待機状態となる。
そして、CPU31は、送信が完了したか否かを判別し(ステップS34)、送信が完了するまでは(ステップS34;No)、処理を再びステップS33に移行して転送処理を継続する。
図8は、転送データのデータフォーマットの一例の説明図である。
図8においては、転送データDTは、複数(n個)の保存用記憶データD2、すなわち、保存用記憶データD2−1〜D2−nを組み込んでいる場合を示している。
保存用記憶データD2−1は、当該保存用記憶データDの種別(トリガの種別)を表す(トリガ)種別データD21と、撮影開始時刻を表す撮影開始情報データD22と、撮影終了時刻を表す撮影終了情報データD23と、一次記憶データD1に対応する実データD24と、を備えている。
図9においては、実データD24の内容を視覚的に理解が容易となるように実データD24の一部示している。また、図9の例は、非常事態が検出された場合に相当するものであり、トリガとなるタイミングに非常ブレーキ(EB)操作がなされた場合のものである。
より詳細には、GPSデータD12に基づくGPS時刻12時34分56秒(12:34:56)〜12時34分57秒(12:34:57)の期間に非常ブレーキが操作されたことが、操作データD14から理解できる。
以上の説明のように、本実施形態によれば、地上側に列車10からの転送データDTの転送は、映像データの中で実際に解析に使用される可能性が高い何らかのトリガ条件に対応する映像データの一部を含む高解像度の小容量のものとできるため、必要な映像を鮮明に効率よくメモリに記録することができるとともに、無線通信帯域を圧迫することがなく転送可能であるため、リアルタイムで監視を行うことも可能となる。
さらにトリガ条件の種別毎に識別可能に記録しているので、多くの映像データの中から必要な映像に対応する映像データを容易に検索できる。
また、運転室内には、例えば、USB接続のカメラ21及び小型の記録用マイク30を配置するだけでよいので、設置スペースを小さくでき、在来線用の鉄道車両のように、設置スペースの制限が厳しい鉄道車両であっても容易に車両用カメラ撮影システムを構築することができる。
さらにまた、リアルタイムに映像データを転送することで、車掌側(例えば、制御車13側)や、地上側でも同時に映像データを共有することができ、的確な指示を乗務員に与えることができる。
11 制御車
12 付随車
13 制御車
16 映像データ
21 カメラ
22 コントローラ
23 伝送端末装置
24 マスコン
25 ディスプレイ
26 速度発電機
27 車両内ネットワーク
28 GPS車載器
29 無線装置
30 記録用マイク
31 CPU
32 一次記憶メモリ
33 音声入力部
34 LANコントローラ
35 保存用高速メモリ
36 電源部
51 踏切
52 ホーム
D1 一次記憶データ
D2、D2−1〜D2−n 保存用記憶データ
D11 列車特定データ
D12 GPSデータ
D13 キロ程・速度データ
D14 操作データ
D15 外部制御データ
D16 映像データ
D17 音声データ
D21 種別データ
D22 撮影開始情報データ
D23 撮影終了情報データ
D24 実データ
DT 転送データ
L1 距離(第1の所定距離)
L2 距離(第2の所定距離)
ST1、ST2 駅システム
SYS 管理システム
X 距離(第1の所定距離)
Y 距離(第2の所定距離)
Claims (10)
- 列車を構成する先頭車両に設けられ、前記先頭車両の前方の撮影を行い映像データを出力するカメラと、
前記映像データを逐次更新しつつ所定容量の前記映像データを記憶可能な一次記憶部と、
転送された保存用記憶データを記憶する保存用記憶部と、
所定のトリガ条件が満たされた場合に、前記一次記憶部に記憶されている前記映像データのうちから、前記トリガ条件に対応する前記映像データを抽出し、前記トリガ条件の種別を表す情報とともに、無線通信を考慮した所定容量以下の容量を有する保存用記憶データとして前記保存用記憶部に転送させる制御部と、
所定の転送タイミングにおいて、前記保存用記憶データを地上側に無線送信する無線通信部と、
を備えた鉄道車両用カメラ装置。 - 前記カメラ及び前記制御部は、列車の前後方向の先頭車両を構成しているそれぞれの鉄道車両に設けられ、
前記無線通信部は、前記先頭車両のいずれか一方に設けられている、
請求項1記載の鉄道車両用カメラ装置。 - 前記先頭車両にそれぞれ設けられた前記制御部同士は、車両内ネットワークを介して接続されている、
請求項2記載の鉄道車両用カメラ装置。 - 前記トリガ条件は、非常ブレーキの操作がなされた場合であり、
前記トリガ条件に対応する前記映像データは、前記非常ブレーキが操作されたタイミングから第1の所定時間遡った時刻から前記非常ブレーキが操作されたタイミングから第2の所定時間経過した時刻までに撮影された映像データである、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の鉄道車両用カメラ装置。 - 前記トリガ条件は、前記鉄道車両の走行速度が所定速度以上で有り、かつ、非常ブレーキの操作がなされた場合である、
請求項4記載の鉄道車両用カメラ装置。 - 前記トリガ条件は、運行経路上の所定の地点に至るまでの距離が第1の所定の距離となる第1地点に前記鉄道車両が到達した場合であり、
前記トリガ条件に対応する前記映像データは、前記第1地点に到達してから前記所定の地点までの距離が第2の所定の距離となる第2地点に到達するまでに撮影された映像データである、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の鉄道車両用カメラ装置。 - 前記所定の地点は、踏切、駅、カーブ等の前記先頭車両の通過地点あるいは停止地点に対応づけられて設定されている、
請求項6記載の鉄道車両用カメラ装置。 - 前記先頭車両には、設置場所周囲の音声記録を行うための記録用マイクが設けられており、
前記一次記憶部及び前記保存用記憶部は、記憶した前記映像データに対応する音声の音声データを記録可能とされている、
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の鉄道車両用カメラ装置。 - 列車を構成する先頭車両に設けられ、前記先頭車両の前方の撮影を行い映像データを出力するカメラと、前記映像データを逐次更新しつつ所定容量の前記映像データを記憶可能な一次記憶部と、転送された保存用記憶データを記憶する保存用記憶部と、無線通信部と、を備えた鉄道車両用カメラ装置で実行される制御方法であって、
所定のトリガ条件が満たされた場合に、前記一次記憶部に記憶されている前記映像データのうちから、前記トリガ条件に対応する前記映像データを抽出する過程と、
前記トリガ条件の種別を表す情報とともに、無線通信を考慮した所定容量以下の容量を有する保存用記憶データとして前記保存用記憶部に転送させる過程と、
所定の転送タイミングにおいて、前記無線通信部を介して前記保存用記憶データを地上側に無線送信する過程と、
を備えた制御方法。 - 列車を構成する先頭車両に設けられ、前記先頭車両の前方の撮影を行い映像データを出力するカメラと、前記映像データを逐次更新しつつ所定容量の前記映像データを記憶可能な一次記憶部と、転送された保存用記憶データを記憶する保存用記憶部と、無線通信部と、を備えた鉄道車両用カメラ装置をコンピュータにより制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
所定のトリガ条件が満たされた場合に、前記一次記憶部に記憶されている前記映像データのうちから、前記トリガ条件に対応する前記映像データを抽出する手段と、
前記トリガ条件の種別を表す情報とともに、無線通信を考慮した所定容量以下の容量を有する保存用記憶データとして前記保存用記憶部に転送させる手段と、
所定の転送タイミングにおいて、前記無線通信部を介して前記保存用記憶データを地上側に無線送信する手段と、
して機能させるプログラム。
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