JP2008221902A - 運転状況記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軌道10を走行する列車や路面電車などの先頭車両であって運転席21と速度計22とを装備している車両20に搭載される運転状況記録装置30に、衛星航法システムによる測位を行うGPS受信機35と、速度計22から速度情報Vを取得してGPS受信機35の測位結果に反映させることで位置情報[X,Y]を得るデータ処理装置40と、前方軌道11を撮る撮像装置32と、運転席21を撮る撮像装置33と、位置情報[X,Y]と速度情報Vと前方軌道11の映像と運転席21の映像とを記録する記録手段44,36とを備える。
【選択図】 図1
Description
一方、軌道を走行する鉄道車両では、非常時のカメラ映像を運転情報と共にモニタ表示やデータ記録する車両監視用画像伝送装置が提案されているが(例えば特許文献1参照)、カメラで監視する対象は客室の中である。鉄道分野では、カメラをホームに設置して乗降客を監視することも行われている。
さらに、路面電車については、GPS受信機を搭載して衛星航法システム(Global Positioning System)による測位を行うとともに、速度発電機などの速度計から速度情報を取得してGPS受信機の測位結果に反映させることで位置情報を得るようになったものがある(例えば特許文献3参照)。
しかしながら、記録情報の質的増強に関しては、カメラの性能が向上して鮮明な画像が得られるようになったとしても、それだけで運転士の状態まで把握できるようになる訳ではない。
そこで、車両運転状況の解析に役立つ種々の情報を少ない装備で記録する運転状況記録装置を実現することが技術課題となる。
そして、速度計から取得した速度情報と、それをGPS受信機での測位結果に反映させて得た位置情報と、第1撮像装置で撮った前方軌道映像と、第2撮像装置で撮った運転席映像とが記録されるので、記録情報が豊富になって質的に増強される。
したがって、この発明によれば、車両運転状況の解析に役立つ種々の情報を少ない装備で記録する運転状況記録装置を実現することができる。
このように、上述の位置や映像といった常時取得情報に加えて、特異事象発生時のイベント情報も記録することにより、記録情報の更なる質的増強が達成される。
しかも、特異事象として停車位置超過を位置情報から検出することや(解決手段2)、特異事象として速度偏差過大を速度情報から検出することは(解決手段3)、位置等検出部の機能強化にて実現できるので、既存機器改造の負担増を回避することができる。
また、信号現示情報をATSや無線機などで取得できる場合、特異事象として信号冒進を検出することが(解決手段5)、既存機器改造に関しては僅かな負担で、具現化できる。
その車両20の中の前側部分には運転席21が設けられており(図1(a)参照)、そこには速度計22が装備されている(図1(b)参照)。
速度計22は、例えば台車部に設置された速度発電機などからなるが、信号出力部に改造が施されて、信号ケーブル等で運転状況記録装置30に接続され、速度情報Vを運転状況記録装置30へ随時送出するようになっている。
筐体31は、運転席21の下や脇などで空いているところに設置される。
撮像装置33は(図1(a),(b)参照)、例えばCCDカメラからなり、撮影方向を運転席21に向けた状態で(図1(a)の二点鎖線を参照)、車両20の中のうち前側の脇部分たとえば運転席21の右脇などに設置され、好ましくは運転士の手元に加えて計器類の表示もできるだけ多く且つ鮮明に撮れるところに設置されて、撮った運転席映像D2を映像信号ケーブルでデータ処理装置40へ随時送出するようになっている。
GPS受信機35は、衛星航法システム(Global Positioning System)による測位を行って、例えば緯度対応値Xと経度対応値Yとの組データである測位結果[X,Y]をデータ処理装置40へ随時送出するようになっている。
この映像処理部45は、前方軌道映像D1や運転席映像D2をそれぞれMPEG形式のうちでも圧縮度の高い例えばAVI(Audio Video Interleave)形式に変換して記録制御部44に引き渡すようになっている。
また、位置等検出部41は、位置情報[X,Y]に基づいて停車位置超過の特異事象を検出するとともに、速度情報Vに基づいて速度偏差過大の特異事象を検出するようにもなっている。
停車位置超過は、例えばマップデータ42に含まれている停車位置の許容範囲に位置情報[X,Y]が収まっているか否かを判別して、停車位置が許容範囲を逸脱したときに、特異事象として検出されるものであり、そのときの逸脱距離などを含む停車位置超過情報(Eb)がイベント情報Eとされる。
また、記録制御部44は、上記の停車位置超過情報(Eb)や速度偏差情報(Ec)に加えて、映像D1,D2の分割単位を記録したことを示す定時記録情報(Ea,Ed,…)も、イベント情報Eとして扱い、それらの情報をファイル「EVENNT.CSV」に追加で書き込むようにもなっている。
具体的には、イベント情報Eのファイル「EVENNT.CSV」には(図2(a)参照)、年月日時YMDHMSaと位置情報[X,Y]と速度情報Vと定時記録情報Eaとの組データや,年月日時YMDHMSdと位置情報[X,Y]と速度情報Vと定時記録情報Edとの組データが定期的に記録される他、特異事象の検出時には不定期に、年月日時YMDHMSbと位置情報[X,Y]と速度情報Vと停車位置超過情報Ebとの組データや,年月日時YMDHMScと位置情報[X,Y]と速度情報Vと速度偏差情報Ecとの組データが記録される。
さらに(図2(c)参照)、年月日時YMDHMSを名称に含んだファイル「D2_YMDHS1.AVI」やファイル「D2_YMDHS2.AVI」 等には、運転席映像D2の連続映像が、やはり上述の時間単位で分割されて、記録される。
これらの記録情報にあっては、組データの一部や分割ファイルの名称に事象発生時等の年月日時YMDHMSが含まれているので、それを利用して相互に対応させることができる。
そして、それらの数値情報と視覚情報とを併せて解析することで、従来より緻密な解析結果が得られる。
なお、上記実施形態では、イベント情報Eとして収集する特異事象が停車位置超過と速度偏差だけであったが、速度超過や信号冒進も特異事象として位置等検出部41にて検出し、それもイベント情報Eに含めて記録装置36に記録するのが望ましい。
速度超過は、速度情報Vを速度照査パターンに照らし合わせることで調べられ、速度情報Vが速度照査パターンから大きく逸脱したときに、特異事象として検出される。速度照査パターンは、例えばマップデータ42に付加する態様で内部に保持しても良く、ATS地上子からATS車上子へ送信されたものを流用しても良い。
無線設備が有れば、位置情報[X,Y]やイベント情報Eを車両20から無線で送信することにより、適宜なセンタ等でリアルタイムに監視することも可能になる。また、信号冒進の警報を無線で発信することで、信号冒進警報装置としての役目も果たすことができる。さらに、他の列車などの信号冒進警報装置から警報を無線で受け取って緊急停止するように改良することも可能である。
20…車両(列車)、21…運転席、22…速度計(速度発電機)、
30…運転状況記録装置、
31…筐体、32…第1撮像装置(前方軌道撮影用)、
33…第2撮像装置(運転席撮影用)、
34…GPSアンテナ、35…GPS受信機、36…記録装置、
40…データ処理装置、41…位置等検出部、42…マップデータ、
43…時計、44…記録制御部、45…映像処理部
Claims (5)
- 軌道を走行する列車や路面電車などの先頭車両であって運転席と速度計とを装備している車両に搭載される運転状況記録装置であって、衛星航法システムによる測位を行うGPS受信機と、前記速度計から速度情報を取得して前記GPS受信機の測位結果に反映させることで位置情報を得る位置等検出部と、前記車両の前方の軌道を撮る第1撮像装置と、前記運転席を撮る第2撮像装置と、前記位置情報と前記速度情報と前記第1撮像装置で撮った前方軌道映像と前記第2撮像装置で撮った運転席映像とを記録する記録手段とを備えたことを特徴とする運転状況記録装置。
- 前記位置等検出部が、前記位置情報に基づいて停車位置超過の特異事象を検出するものであり、前記記録手段が、前記位置等検出部にて検出した特異事象のイベント情報も記録するものであることを特徴とする請求項1記載の運転状況記録装置。
- 前記位置等検出部が、前記速度情報に基づいて速度偏差過大の特異事象を検出するものであることを特徴とする請求項2記載の運転状況記録装置。
- 前記位置等検出部が、速度照査パターンと前記速度情報とに基づいて速度超過の特異事象を検出するものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の運転状況記録装置。
- 前記軌道に付設された信号機の現示情報を取得する手段が設けられ、前記位置等検出部が、前記現示情報と前記位置情報とに基づいて信号冒進の特異事象を検出するものであることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載された運転状況記録装置。
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