JP3555106B2 - 安全運転支援装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、安全運転支援装置に関し、詳細には、貨物輸送用トラック、タクシー等の車両に搭載され、前記車両の走行に応じた走行状態情報を記憶するためにセンサ等の走行状態情報出力手段から入力された前記走行状態情報に基づいて、運転者の安全運転を支援する安全運転支援装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
貨物輸送用トラック、タクシー等の車両の運行管理に用いられる車両運行情報記憶解析システムは、車両に搭載されて、その車両の走行距離、走行時間等の車両の走行に関する累積情報を生成させるとともに、荷積や荷卸に要した時間や休憩時間など各種の運行状況データを計測或いは手入力されて、その運行状況データに累積情報を付加させ、この1又は複数の運行状況データを運行情報としてICカードのような着脱可能な記憶媒体に収集し記憶させる車両運行情報収集装置と、前記ICカードが装着されると、それに記憶されている運行情報を読み出して、その運行情報を構成する各種の運用状況データに基づいて各種運行記憶の解析を行う車両運行情報収集装置とは別体として配置される車両運行情報記憶解析装置とから、その主要部が構成されるものである。
【0003】
また、特にトラックなどの運送業界にとっては運転者に安全運転をいかに徹底させるかが重要な問題であり、運転者の運転状況を把握するために、車両運行情報収集装置にて収集した運行状況データに付加されている走行距離、走行時間、速度オーバー回数などの車両の累積情報を解析することで、管理者は、その日の運転者の運行における運転者の運転状況を把握して、運転者に的確な安全運転の指導を行うことで、それぞれの運転者に対する安全管理が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した車両運行情報記憶解析システムにおいて、運転者の安全運転の指導は、車両運行情報収集装置で収集した運行情報を解析した後に会社にて行うしかなかったため、速やかに安全運転の指導を行うことが困難であった。特に、管理する運転者の人数が多くなると、車両運行情報収集装置で収集される運行情報も多くなり、それらの運行情報を解析するのに要する時間が増加するため、速やかに安全運転の指導を行うことがより一層困難にしていた。そのため、多忙な運転者に安全運転を徹底させることができる装置が望まれていた。
【0005】
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、運転中の運転者の安全運転を支援する安全運転支援装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の安全運転支援装置は、図1の基本構成図に示すように、車両に搭載され、前記車両の走行に応じた走行状態情報を記憶するために走行状態情報出力手段19から入力された前記走行状態情報に基づいて運転者の安全運転を支援する安全運転支援装置であって、前記走行状態情報出力手段19が出力する前記走行状態情報が安全運転状態であるか否かを判定するための安全運転閾値情報を記憶する安全運転閾値情報記憶手段13a1と、前記走行状態情報出力手段19が出力する走行状態情報を記憶する走行状態情報記憶手段14と、前記走行状態情報出力手段14が出力した走行状態情報と前記安全運転閾値情報記憶手段13a1が記憶している前記安全運転閾値情報とを比較し、その比較結果に基づいて前記安全運転か否かを判定する安全運転判定手段12aと、前記安全運転判定手段12aが前記安全運転ではないと判定したときに、運転者に警報するための警報情報を生成する警報情報生成手段12bと、前記警報情報生成手段12bが生成した前記警報情報に基づいて警報する警報手段16と、前記走行状態情報記憶手段14が記憶する前記走行状態情報に基づいて危険運転情報を生成する危険運転情報生成手段12gと、を備え、前記安全運転閾値情報は、前記危険運転情報生成手段12gが前記危険運転情報を生成するか否かを示す生成判定データを有しており、前記危険運転情報生成手段12gは、前記安全運転判定手段12aが安全運転ではないと判定したとき、かつ、前記危険運転情報を生成すると判定したときに、前記危険運転情報を生成し、前記走行状態情報記憶手段14は、前記安全運転判定手段12aが前記危険運転情報を生成すると判定した時点の前後所定時間の走行状態情報を記憶することを特徴とする。
【0007】
上記請求項1に記載した本発明の安全運転支援装置によれば、走行状態情報出力手段19が出力した走行状態情報は、安全運転判定手段12aによって前記安全運転閾値情報記憶手段13a1が記憶している安全運転閾値情報と比較される。そして、その判定結果が安全運転ではないときは、警報情報生成手段12bによって警報情報が生成される。そして、この警報情報に基づいた警報が警報手段によって行われる。よって、走行状態情報出力手段19が出力した走行状態情報に基づいて運転者の運転状況を解析し、その運転状況が安全運転ではないと判定したときに、警報手段16によって運転中の運転者に警報するので、速やかに安全運転を指導することが可能となり、運転者に安全運転を徹底させることができる。従って、運転者の運転の安全性を向上させることができる。
【0008】
また、安全運転判定手段12aによって安全運転ではない、かつ、危険運転情報を生成すると判定されると、走行状態情報記憶手段14が記憶している走行状態情報に基づいて危険運転情報が危険運転情報生成手段12gによって生成される。よって、安全運転判定手段12aによって安全運転ではない、かつ、危険運転情報を生成すると判定すると、走行状態情報記憶手段14が記憶している走行状態情報に基づいて危険運転情報を生成するので、この危険運転情報に基づいて安全運転ではないと判定した時点の運転者の運転状況を解析することができるため、この解析結果を安全運転閾値情報13a1へ反映することが可能となり、的確な安全運転の指導を可能とすることができる。
【0009】
さらに、走行状態情報記憶手段14には、安全運転判定手段12aが危険運転情報を生成すると判定した時点の前後所定時間の走行状態情報が記憶される。よって、危険運転情報生成手段12gが作成する危険運転情報には、安全運転ではないと判定した時点の前後所定時間の走行状態情報が含まれるので、この危険運転情報に基づいて運転者の運転状況を解析することで、より一層的確な安全運転の指導を可能とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る安全運転支援装置の一実施の形態を、図2〜図8の図面を参照して説明する。
【0017】
図2は本発明に係る安全運転支援装置の外観の一実施の形態を示す正面図であり、図3は本発明に係る安全運転支援装置の一実施の形態を示す構成図であり、図4は図3のEEPROMのメモリマップの一実施の形態を示す図であり、図5は図3のRAMのメモリマップの一実施の形態を示す図であり、図6は図3のCPUが行う本発明に係る処理概要の一部を示すフローチャートであり、図7は図3のCPUが行う本発明に係る処理概要の他の一部を示すフローチャートであり、図8は閾値変更を説明するための図である。
【0018】
図2において、10は安全運転支援装置を示し、この安全運転支援装置10は貨物輸送用トラック、タクシー、自動車教習所の教習車等の車両に搭載され、その正面パネルには、各種表示がなされる表示部16aと、各種操作が可能な操作部17が設けられている。この操作部17は、表示部16aの表示画面の切り替えを行うディスプレイキー(以下、DSPキーともいう)17aと、各種設定の修正時に使用されるファンクションキー(以下、FNCキーともいう)17bと、設定時の確定に使用される確定キー(以下、SETキーともいう)17cとを有して構成している。
【0019】
図3において、上述した安全運転支援装置10は、プログラムや固定データ等が格納されている読み出し専用のメモリ(ROM)11と、このROM11に予め格納された制御プログラムに従って動作中央演算処理装置(CPU)12と、電力供給が断たれた場合に、バックアップ電池(不図示)から供給される電力により所定時間に限って格納されているデータを保持する電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリ(EEPROM)13と、各種のデータを格納するとともにCPU12の処理作業に必要なエリアを有して構成する読み出し書き込み自在のメモリ(RAM)14と、「年」、「月」、「日」、「時」、「分」、「秒」を有するカレンダデータをCPU12に出力する時計IC15とを有して構成されている。
【0020】
また、安全運転支援装置10は、上述したLCD、液晶ディスプレイなどが用いられる表示部16aと、ブザー、警告灯などが用いられる警報部16bを有して構成されており、表示部16aと警報部16bが特許請求の範囲に記載の警報手段として機能している。そして、表示部16aはCPU12の要求に応じて表示を行い、警報部16bはCPU12の要求に応じて警報を行う。
【0021】
さらに、安全運転支援装置10は、上述した操作部17と、外部機器との接続を可能にし、RS−232Cなどが用いられる接続部18を有して構成している。そして、これらの操作部17と接続部18は、インタフェース回路(不図示)を介してCPU12に接続されている。
【0022】
また、安全運転支援装置10は、車両の前後方向、横方向などの加速度に応じた加速度信号をCPU12に出力する加速度センサ部19を有して構成している。なお、本実施の形態では、特許請求の範囲に記載の走行状態情報出力手段を、加速度センサ部19によって実現しているが、本発明はこれに限定するものではなく、車両の走行情報を認識することができれば、速度センサ、エンジン回転センサなど種々異なる部材を用いることができる。
【0023】
次に、図3に示すEEPROM13の本発明に係るメモリマップの一例を、図4を参照して以下に説明する。
【0024】
EEPROM13は、図4に示すように、設定項目エリア13aと、危険運転情報格納エリア13bとを有して構成している。そして、設定項目エリア13aは、車両が安全運転状態であるか否かを判定するための安全運転閾値情報13a1と、装置本体の管理者を識別するための識別情報であるパスワード情報13a2とを有して構成している。
【0025】
また、安全運転閾値情報13a1は、加速度の加速、減速、旋回が安全であるか否かを判定するための加速閾値データA1、減速閾値データA2、旋回閾値データA3と、加速度の加速、減速、旋回に基づいて後述する危険運転情報Wを生成するか否かを判定するための保存用加速閾値データB1、保存用減速閾値データB2、保存用旋回閾値データB3とを有している。なお、本実施の形態では、例えば、加速閾値データA1が0.3[G]、保存用加速閾値データB1が0.6[G]というように、加速閾値データA1、減速閾値データA2、旋回閾値データA3の閾値の方が、保存用よりも厳しく設定している。
【0026】
危険運転情報格納エリア13bは、所定件数(例えば、7件)分の危険運転情報Wの記憶を可能としている。そして、所定件数分を越えると、古い危険運転情報Wは新しい危険運転情報Wに順次上書きされる。そして、危険運転情報Wは、データの書き込みの際に用いられるデータ書込制御データd1と、危険運転情報Wのデータ番号である個数データd2と、安全運転状態でないと判定された時刻を示す発生時刻データd3と、加速度の加速が閾値を越えた回数を示す加速越え回数データd4と、加速度の減速が閾値を越えた回数を示す減速越え回数データd5と、加速度の旋回が閾値を越えた回数を示す旋回越え回数データd6と、安全運転状態でないと判定されたときの加速度値データd7とを有している。
【0027】
よって、EEPROM13が、安全運転閾値情報13a1に相当する加速閾値データA1、減速閾値データA2、旋回閾値データA3を記憶し、識別情報に相当するパスワード情報13a2を記憶していることから、EEPROM13が特許請求の範囲に記載の安全運転閾値情報記憶手段と識別情報記憶手段として機能している。
【0028】
次に、図3に示すRAM14の本発明に係るメモリマップの一例を、図5を参照して以下に説明する。
【0029】
RAM14は、図5に示すように、作業エリア14aと加速度情報格納エリア14bとを有している。この作業エリア14aは、生成した危険運転情報Wの個数をカウントする個数カウンタc1と、加速度の加速が閾値を越えた回数をカウントする加速越えカウンタc2と、加速度の減速が閾値を越えた回数をカウントする減速越えカウンタc3と、加速度の旋回が閾値を越えた回数をカウントする旋回越えカウンタc4とを格納する格納エリアを有している。そして、加速度情報格納エリア14bは、少なくとも安全運転ではないと判定した時点の前後の所定時間の間に、加速度センサ部19からの加速度信号に基づいてCPU12によって算出された加速度情報Dを記憶する格納エリアを有している。
【0030】
よって、ROM14の加速度情報格納エリア14bが、走行状態情報に相当する加速度情報を記憶していることから、RAM14が特許請求の範囲に記載の走行情報記憶手段として機能している。
【0031】
次に、上述した安全運転支援装置10のCPU12の本発明に係る動作概要の一例を、図6及び図7のフローチャートを参照して説明する。
【0032】
図6において、安全運転支援装置10の図示しない電源部の投入によって処理が開始されると、ステップS1において、初期処理が実行されることで、RAM14の作業エリア14aなどの各エリアに初期値が設定され、その後ステップS2に進む。そして、ステップS2において、タイマスタート処理が実行されることで、タイマ時間(例えば、5[ms])が経過するとタイムアウトするタイマがスタートされ、その後ステップS3に進む。
【0033】
ステップS3において、操作部17のSETキー17cを押圧しながらFNCキー17bが押圧されたか否かが判定されることで、所定のキー操作が行われたか否かが判定される。所定のキー操作が行われていないと判定された場合は(ステップS3でN)、ステップS7に進む。一方、所定のキー操作が行われたと判定された場合は(ステップS3でY)、ステップS4に進む。
【0034】
従って、このステップS3の判定処理によって、所定のキー操作が行われたことを検出していることから、このステップS3の判定処理が特許請求の範囲に記載のキー操作検出手段に相当する。
【0035】
ステップS4において、操作部17から入力された入力パスワード情報が、EEPROM13のパスワード情報13a2と等しいか否かが判定されることで、入力パスワードが正しいか否かが判定される。入力パスワードが正しくないと判定された場合は(ステップS4でN)、ステップS7に進む。一方、入力パスワードが正しいと判定された場合は(ステップS4でY)、ステップS5に進む。
【0036】
従って、このステップS4の判定処理によって、入力された入力パスワード情報が正しいか否かを判定していることから、このステップS4の判定処理が特許請求の範囲に記載の判定手段に相当する。
【0037】
ステップS5において、閾値変更処理が実行されることで、図7(a)の加速閾値設定例、図7(b)の減速閾値設定例、図7(c)の旋回閾値設定例に示す画面が順次に表示部16aに表示され、この表示された各画面に応じて操作部17から入力された変更情報に基づいて、EEPROM13の加速閾値データA1、減速閾値データA2、旋回閾値データA3が変更され、その後、ステップS6に進む。
【0038】
ステップS6において、保存用閾値変更処理が実行されることで、まず、図7(d)の保存用加速閾値設定例、図7(e)の保存用減速閾値設定例、図7(f)の保存用旋回閾値設定例に示す画面が順次に表示部16aに表示され、この表示された各画面に応じて操作部17から入力された保存用変更情報に基づいて、EEPROM13の保存用加速閾値データB1、保存用減速閾値データB2、保存用旋回閾値データB3が変更され、その後、ステップS7に進む。
【0039】
従って、上述したステップS5及びS6処理によって、安全運転閾値情報13a1が変更されることから、このステップS5及びS6の理が特許請求の範囲に記載の安全運転閾値情報変更手段に相当する。
【0040】
ステップS7において、タイマがタイムアウトしたか否かが判定される。タイマがタイムアウトしていないと判定された場合は(ステップS7でN)、このステップS7の判定処理を繰り返すことで、タイマがタイムアウトするのを待つ。一方、タイマがタイムアウトしていると判定された場合は(ステップS7でY)、ステップS8に進む。
【0041】
ステップS8において、加速度情報算出処理が実行されることで、加速度センサ部19からの加速度信号に基づいて加速度値が算出され、この加速度値は加速度情報DとしてRAM14に格納され、その後ステップS9に進む。
【0042】
ステップS9において、加速度情報DがEEPROM13の加速閾値データA1、減速閾値データA2、旋回閾値データA3の何れかの安全運転閾値情報13a1を越えたか否かが判定される。加速度情報Dが安全運転閾値情報13a1を越えていないと判定された場合は(ステップS9でN)、ステップS2に戻り、一連の処理を繰り返すこととなる。一方、加速度情報Dが安全運転閾値情報13a1を越えていると判定された場合は(ステップS9でY)、図7に示すステップS10に進む。
【0043】
従って、このステップS9の判定処理によって、加速度情報Dが安全運転状態であるか否かを判定していることから、このステップS9の判定処理が特許請求の範囲に記載の安全運転判定手段に相当する。
【0044】
図7に示すステップS10において、カウンタインクリメント処理が実行されることで、RAM14の加速越えカウンタc2、減速越えカウンタc3、旋回越えカウンタc4のうち、ステップS9の判定結果に応じたカウンタがインクリメントされ、その後ステップS11に進む。
【0045】
ステップS11において、警報情報生成処理が実行されることで、表示部16aに警報画面を表示するため表示用警報情報と、安全運転閾値情報13a1を越えた時間のみ警報部17に警報させるための警報情報がRAM14に生成され、その後ステップS12に進む。
【0046】
ステップS12において、警報処理が実行されることで、RAM14の表示用警報情報が表示部16aに出力され、警報情報が警報部16bに出力され、その後ステップS13に進む。そして、入力された表示用警報情報に基づいた警報画面が表示部16aに表示されるとともに、入力された警報情報に基づいた警報(例えば、ブザーの鳴動)が警報部16bによって行われる。
【0047】
ステップS13において、加速度情報DがEEPROM13の保存用加速閾値データB1、保存用減速閾値データB2、保存用旋回閾値データB3の何れかの生成判定データを越えたか否かが判定されることで、危険運転情報Wを生成し保存するか否かが判定される。加速度情報Dが判定データを越えていないと判定された場合は(ステップS13でN)、図6に示すステップS2に戻り、一連の処理を繰り返すこととなる。一方、加速度情報Dが生成判定データを越えていると判定された場合は(ステップS13でY)、ステップS14に進む。
【0048】
ステップS14において、加速度値サンプリング処理が実行されることで、安全運転ではないと判定した時点から所定時間(例えば、10[s])経過するまでの加速度情報DがRAM14bの加速度情報格納エリア14bにサンプリングされ、その後ステップS14に進む。なお、このステップS14の処理によって、RAM14bの加速度情報格納エリア14bには、安全運転ではないと判定した時点の前後の所定時間分の加速度情報Dが格納されることとなる。
【0049】
ステップS15において、危険運転情報生成処理が実行されることで、危険運転情報Wが加速度情報格納エリア14bの加速度情報Dに基づいてRAM14に生成され、この危険運転情報WがEEPROM13の危険運転情報格納エリア13bに格納され、その後図6に示すステップS2に戻り一連の処理を繰り返すこととなる。
【0050】
また、危険運転情報Wの生成の詳細は、予めROM11に定められた書込制御データがデータ書込制御データd1として設定され、RAM14の個数カウンタc1が個数データd2として設定され、時計IC15から取得したカレンダデータが発生時刻データd3として設定され、RAM14の加速越えカウンタc2が加速越え回数データd4として設定され、RAM14の減速越えカウンタc3が減速越え回数データd5として設定され、RAM14の旋回越えカウンタc4が旋回越え回数データd6として設定され、加速度情報Dに基づいて加速度値データd7が設定される。
【0051】
従って、このステップS15の処理によって、危険運転情報Wが生成されることから、このステップS15の処理が特許請求の範囲に記載の危険運転情報生成手段に相当する。
【0052】
以上の説明からも明らかなように、CPU12が特許請求の範囲に記載の安全運転判定手段、警報情報生成手段、キー操作検出手段、判定手段、安全運転閾値情報変更手段、危険運転情報生成手段として機能している。
【0053】
次に、上述した構成による本実施の形態の動作(作用)の一例を以下に説明する。
【0054】
安全運転支援装置10の図示しない電源部が投入されると、加速度センサ部19からの加速度信号に基づいて加速度情報Dがサンプリングされる(ステップS8)。そして、この加速度情報Dが安全運転状態であるか否かが、EEPROM13の安全運転閾値情報13a1の加速閾値データA1、減速閾値データA2、旋回閾値データA3に基づいて判定される。そして、加速度情報Dが安全運転状態であると判定された場合は(ステップS9でN)、次の加速度情報Dのサンプリングを行う。
【0055】
一方、加速度情報Dが安全運転状態ではないと判定された場合は(ステップS9でY)、生成された表示用警報情報が表示部16aに出力され、かつ、生成された警報情報が警報部16bに出力されることで、表示部16aと警報部16bによる運転者への警報が行われる。従って、安全運転状態ではないと判定したときに、運転中の運転者に警報するので、速やかに安全運転を指導することが可能となり、運転者の運転の安全性を向上させることができる。
【0056】
そして、この加速度情報Dが安全運転閾値情報13a1の保存用加速閾値データB1、保存用減速閾値データB2、保存用旋回閾値データB3の何れかの生成判定データを越えたか否かが判定されることで、危険運転情報Wを生成し保存するか否かが判定され、危険運転情報Wを生成すると判定されると(ステップS13でY)、安全運転状態ではないと判定した時点の前後の所定時間の加速度情報Dに基づいて危険運転情報Wが生成される(ステップS14〜S15)。
【0057】
また、操作部17のSETキー17cを押圧しながらFNCキー17bが押圧され(ステップS3でY)、正確な入力パスワード情報が入力されると(ステップS4でY)、安全運転状態を判定するための安全運転閾値情報13a1を変更すると認識され、表示部16aに図7に示す各種設定画面が表示される。そして、この設定画面に応じて入力された変更情報に基づいて、安全運転閾値情報13a1が変更される(ステップS5〜S6)。従って、簡単なキー操作によって、運転者毎の安全運転の個別指導に容易に対応することができる。
【0058】
以上説明したように、本発明の安全運転支援装置によれば、加速度センサ部(走行状態情報出力手段)19が出力した加速度情報(走行状態情報)Dは、EEPROM(安全運転閾値情報記憶手段)13の安全運転閾値情報13a1が有する加速閾値データA1、減速閾値データA2、旋回閾値データA3と比較される。そして、その判定結果が安全運転ではないときは、警報情報が生成される。そして、この警報情報に基づいた警報が表示部16aや警報部16bなどの警報手段によって行われる。
【0059】
よって、加速度センサ部(走行状態情報出力手段)19が出力した走行状態情報に基づいて運転者の運転状況を解析し、その運転状況が安全運転ではないと判定したときに、警報手段によって運転中の運転者に警報するので、速やかに安全運転を指導することが可能となり、運転者の運転の安全性を向上させることができる。
【0060】
また、安全運転状態であるか否かの閾値である安全運転閾値情報13a1を、簡単な操作部17のキー操作によって変更することができるので、設定値を変更するための設定器や設定用記憶媒体などを必要としないため、運転者毎の安全運転の個別指導に容易に対応することができる。また、正確な識別情報が入力されないと、安全運転閾値情報の変更は不可能となっているので、不当な変更を防止することができる。
【0061】
さらに、加速度情報Dが安全運転状態ではない、かつ、危険運転情報Wを生成すると判定すると、EEPROM(走行状態情報記憶手段)14の加速度情報格納エリア14bが記憶する加速度情報(走行状態情報)Dに基づいて危険運転情報Wを生成するので、この危険運転情報Wに基づいて安全運転ではないと判定した時点の運転者の運転状況を解析することができるため、この解析結果を安全運転閾値情報13a1へ反映することが可能となり、的確な安全運転の指導することができる。
【0062】
また、作成された危険運転情報Wには、安全運転ではないと判定した時点の前後の所定時間の加速度情報(走行状態情報)Dが含まれるので、この危険運転情報Wに基づいて運転者の運転状況を解析することで、より一層的確な安全運転の指導を可能とすることができる。
【0063】
なお、上述した本実施の形態では、安全運転閾値情報13a1をキー操作によって入力された変更情報に基づいて変更する安全運転支援装置について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、上述した従来の運行情報収集装置で実現することもできる。
【0064】
例えば、運行情報収集装置が用いているICカードなどの着脱自在の記憶媒体を用いて、その記憶媒体から変更情報を取り込む手段と、取り込んだ変更情報に基づいて安全運転閾値情報13a1を変更する手段と、警報手段とを運行情報収集装置に追加し、図6及び図7のフローチャートのステップS3〜S6を記憶媒体から取り込んだ変更情報に基づいて安全運転閾値情報13a1を変更する用に修正することで実現することができる。すると、管理する全ての装置の安全運転閾値情報を同一値に容易に変更することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した本発明の安全運転支援装置によれば、走行状態情報出力手段が出力した走行状態情報に基づいて運転者の運転状況を解析し、その運転状況が安全運転ではないと判定したときに、警報手段によって運転中の運転者に警報するので、速やかに安全運転を指導することが可能となり、運転者に安全運転を徹底させることができる。従って、運転者の運転の安全性を向上させることができるという効果を奏する。
【0066】
また、安全運転判定手段によって安全運転ではない、かつ、危険運転情報を生成すると判定すると、走行状態情報記憶手段が記憶している走行状態情報に基づいて危険運転情報を生成するので、この危険運転情報に基づいて安全運転ではないと判定した時点の運転者の運転状況を解析することができるため、この解析結果を安全運転閾値情報へ反映することが可能となり、的確な安全運転の指導を可能とすることができるという効果を奏する。
【0067】
さらに、危険運転情報生成手段が作成する危険運転情報には、安全運転ではないと判定した時点の前後所定時間の走行状態情報が含まれるので、この危険運転情報に基づいて運転者の運転状況を解析することで、より一層的確な安全運転の指導を可能とすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の安全運転支援装置の基本構成を示す図である。
【図2】本発明に係る安全運転支援装置の外観の一実施の形態を示す正面図である。
【図3】本発明に係る安全運転支援装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図4】図3のEEPROMのメモリマップの一実施の形態を示す図である。
【図5】図3のRAMのメモリマップの一実施の形態を示す図である。
【図6】図3のCPUが行う本発明に係る処理概要の一部を示すフローチャートである。
【図7】図3のCPUが行う本発明に係る処理概要の他の一部を示すフローチャートである。
【図8】閾値変更を説明するための図である。
【符号の説明】
12a 安全運転判定手段(CPU)
12b 警報情報生成手段(CPU)
12c キー操作検出手段(CPU)
12d 判定手段(CPU)
12e 安全運転閾値情報変更手段(CPU)
12f 変更情報取込手段(CPU)
12g 危険運転情報生成手段(CPU)
13a1 安全運転閾値情報記憶手段(EEPROM)
13a2 識別情報記憶手段(EEPROM)
14 走行状態情報記憶手段(RAM)
19 走行状態情報出力手段(加速度センサ部)
Claims (1)
- 車両に搭載され、前記車両の走行に応じた走行状態情報を記憶するために走行状態情報出力手段から入力された前記走行状態情報に基づいて運転者の安全運転を支援する安全運転支援装置であって、
前記走行状態情報出力手段が出力する前記走行状態情報が安全運転状態であるか否かを判定するための安全運転閾値情報を記憶する安全運転閾値情報記憶手段と、
前記走行状態情報出力手段が出力する走行状態情報を記憶する走行状態情報記憶手段と、
前記走行状態情報出力手段が出力した走行状態情報と前記安全運転閾値情報記憶手段が記憶している前記安全運転閾値情報とを比較し、その比較結果に基づいて前記安全運転か否かを判定する安全運転判定手段と、
前記安全運転判定手段が前記安全運転ではないと判定したときに、運転者に警報するための警報情報を生成する警報情報生成手段と、
前記警報情報生成手段が生成した前記警報情報に基づいて警報する警報手段と、
前記走行状態情報記憶手段が記憶する前記走行状態情報に基づいて危険運転情報を生成する危険運転情報生成手段と、
を備え、
前記安全運転閾値情報は、前記危険運転情報生成手段が前記危険運転情報を生成するか否かを示す生成判定データを有しており、
前記危険運転情報生成手段は、前記安全運転判定手段が安全運転ではないと判定したとき、かつ、前記危険運転情報を生成すると判定したときに、前記危険運転情報を生成し、
前記走行状態情報記憶手段は、前記安全運転判定手段が前記危険運転情報を生成すると判定した時点の前後所定時間の走行状態情報を記憶する
ことを特徴とする安全運転支援装置。
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