JP2004326647A - 乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運行中の適時に乗務員を音声により指導することができる乗務員指導装置を提供する。
【解決手段】車両に搭載され、該車両の乗務員の運行中における指導を音声により行う乗務員指導装置10であって、運行中の乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するための音声データと、該音声データを出力する車両の運行計画に対応した時刻を示す時刻データと、を有する指導情報を装置外部から取り込む指導情報取込手段11aと、該取り込んだ指導情報の時刻データが示す時刻を検出する時刻検出手段11bと、該検出した時刻に対応し、指導情報取込手段11aが取り込んだ指導情報の音声データを、乗務員の指導のために出力する音声データ出力手段11cと、音声データ出力手段11cが出力した音声データに対応する音声を乗務員に対して出力する音声出力手段17と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】車両に搭載され、該車両の乗務員の運行中における指導を音声により行う乗務員指導装置10であって、運行中の乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するための音声データと、該音声データを出力する車両の運行計画に対応した時刻を示す時刻データと、を有する指導情報を装置外部から取り込む指導情報取込手段11aと、該取り込んだ指導情報の時刻データが示す時刻を検出する時刻検出手段11bと、該検出した時刻に対応し、指導情報取込手段11aが取り込んだ指導情報の音声データを、乗務員の指導のために出力する音声データ出力手段11cと、音声データ出力手段11cが出力した音声データに対応する音声を乗務員に対して出力する音声出力手段17と、を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置に関し、より詳細には、車両に搭載され、該車両の乗務員の運行中における指導を音声により行う乗務員指導装置、及び、該乗務員指導装置を備える車両運行情報収集装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
貨物輸送用トラック、タクシー等の営業用車両の運行管理に用いられる車両運行情報解析システムは、車両に搭載され、車両の出庫から入庫までの一運行において、その車両の走行距離、走行時間等の車両の走行状態に関する走行状態データを生成させるとともに、荷積や荷卸に要した時間や休憩時間など各種の運行状況データを計測或いは手入力されて、その運行状況データに走行状態データを付加させ、この1又は複数の運行状況データを運行情報としてメモリカード等の着脱可能な記憶媒体に収集し記憶させる車両運行情報収集装置と、記憶媒体が装着されると、それに記憶されている運行情報を読み出して、その運行情報を構成する各種の運用状況データに基づいて各種運行記憶の解析を行う車両運行情報収集装置とは別体として配置される車両運行情報解析装置とから、その主要部が構成されるものである。
【0003】
車両運行情報収集装置では、装置本体への記憶媒体の装着によって出庫処理が行われる。そして、この出庫処理後から運行状態の変化に応じて発生する運行状況データの収集が開始され、その後、終了スイッチ、書込スイッチ等の終了操作に応じて運行状況データの収集を終了し、入庫処理が行われることで、出庫から入庫までの一運行における運行情報が完成する。
【0004】
一方、車両運行情報解析装置では、運行情報を解析して義務づけられている運転日報(労働時間、総走行距離、労働時間、運搬内容又は運行経路等)を自動的に作成していた。また、特にトラックなどの運送業界にとっては運転者に安全運転をいかに徹底させるかが重要な問題であり、運転者の運転状況を把握するために、車両運行情報収集装置にて収集した運行状況データに付加されている走行距離、走行時間、速度オーバー、エンジン回転、急加速などの車両の走行状態データに基づいて安全運転を解析することで、管理者は、その日の運転者の運行における運転者の運転状況を把握して、運転者に的確な安全運転の指導を行うことでにより、運転者に対する安全管理が行われていた。
【0005】
しかしながら、上述した車両運行情報記憶解析システムにおいて、運転者の安全運転の指導は、車両運行情報収集装置で収集した運行情報を解析した後に会社にて行うしかなかったため、運行中の運転者に対して安全指導を行うことができなかった。
【0006】
このような問題を解決するために、運転者の運転状況に応じて適時に安全指導ができる自動車運行管理装置が従来提案されている。この装置では、安全運行を守る速度制限値、急加速制限値等の制限値及び各制限値に対応する安全運転指導点を音声情報としてメモリーカードに記憶しておき、各種センサの検出情報から換算される換算値と比較して、換算値が制限値を越えると、その制限値に対応する注意事項を音声出力するように構成し、危険に繋がる運転行為に対して音声通知することにより安全運転指導を適時に行うことで、危険な運転行為や事故の未然防止を図っていた(特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−188067号公報 (第2−3頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、危険な運転行為や事故の未然防止を図ることは、貨物輸送用トラック、タクシー、バス等の営業用車両により運送を行う運送業にとって重要な問題であり、上述したような自動車運行管理装置も提案されているが、例えば、車両の運転は個人差があり、車両の急加速、急発進、急減速などを事前に検出することは困難であり、それらを検出してから警報を発するのでは、危険な運転行為や事故の未然防止を図るという点では十分ではない。また、居眠り運転による事故が発生するとその損害が大きくなることから、運行中の運転者が如何に眠くならないように指導するかも運送業界では課題となっている。
【0009】
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、運行中の適時に乗務員を音声により指導することができる乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の乗務員指導装置は、図1の基本構成図に示すように、車両に搭載され、該車両の乗務員の運行中における指導を音声により行う乗務員指導装置10であって、前記運行中の前記乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するための音声データと、該音声データを出力する前記車両の運行計画に対応した時刻を示す時刻データと、を有する指導情報を装置外部から取り込む指導情報取込手段11aと、前記指導情報取込手段11aが取り込んだ指導情報の時刻データが示す時刻を検出する時刻検出手段11bと、前記時刻検出手段11bが検出した時刻に対応し、前記指導情報取込手段11aが取り込んだ指導情報の前記音声データを、前記乗務員の指導のために出力する音声データ出力手段11cと、前記音声データ出力手段11cが出力した音声データに対応する音声を前記乗務員に対して出力する音声出力手段17と、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記請求項1に記載した本発明の乗務員指導装置によれば、指導情報取込手段11aによって指導情報が装置外部から取り込まれると、この指導情報の時刻データの示す時刻が時刻検出手段11bによって検出される。そして、この検出された時刻に対応する音声データは、乗務員の指導のために音声データ出力手段11cによって音声出力手段17に出力され、音声出力手段17によって音声データに対応する音声が乗務員に対して出力される。よって、運行中の乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するため指導情報を装置内部に取り込み、この指導情報の時刻データが示す時刻を検出すると、該時刻に対応した音声データを乗務員の指導のために出力することから、乗務員に対応する過去の業務状況と車両の運行計画とに基づいて指導情報を生成し、この指導情報に基づいた乗務員に対する音声により、運行中の運転者に対する指導を適時に行うことができる。従って、運行中の適時に乗務員を音声により指導することで、危険な運転行為や事故の未然防止を図ることができる。
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1に記載の乗務員指導装置において、前記指導情報はさらに、前記音声データの優先順位を示す優先順位データを有し、前記音声データ出力手段11cは、前記時刻検出手段11bが検出した時刻に対応する前記音声データが複数存在すると、前記優先順位データに基づいて前記音声データの出力順番を定め、該出力順番に基づいて前記音声データを順次出力することを特徴とする。
【0013】
上記請求項2に記載した本発明の乗務員指導装置によれば、時刻検出手段11bによって検出された時刻に対応する音声データが複数存在すると、音声データ出力手段11cによってその音声データに対応する優先順位データに基づいた出力順番が定められ、その出力順番に基づいて音声データが出力される。よって、同一の時刻に出力すべき音声データが複数存在すると、音声データに関連付けられた優先順位データに基づいてその出力順番を定めていることから、その時刻に最も適した重要な音声を出力させることができるため、危険な運転行為や事故の未然防止をより一層確実に図ることができる。
【0014】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項3記載の車両運行情報収集装置は、図1の基本構成図に示すように、請求項1又は2に記載の乗務員指導装置を備え、前記車両の運行状況に応じて発生する運行状況データを、着脱自在の記憶媒体Cに運行情報として収集する車両運行情報収集装置であって、前記記憶媒体Cは、前記乗務員に対応する前記指導情報を記憶しており、前記乗務員指導装置10の指導情報取込手段11aは、前記記憶媒体Cから前記指導情報を取り込むことを特徴とする。
【0015】
上記請求項3に記載した本発明の車両運行情報収集装置によれば、運行情報を記憶するための記憶媒体Cが装着されると、この記憶媒体Cから乗務員に対応する指導情報が指導情報取込手段11aによって装置に取り込まれる。そして、この指導情報の時刻データが示す時刻が時刻検出手段11bによって検出されると、この時刻に対応する音声データは、乗務員の指導のために音声データ出力手段11cによって音声出力手段17に出力され、この音声出力手段17によって音声データに対応する音声を乗務員に対して出力する。よって、運行情報を記憶するための記憶媒体Cに、運行中の乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するため指導情報を記憶しておき、装着された記憶媒体Cからその指導情報を取り込み、この指導情報の時刻データが示す時刻を検出すると、該時刻に対応した音声データを乗務員の指導のために出力することから、乗務員に対応する過去の業務状況と車両の運行計画とに基づいて指導情報を生成し、この指導情報に基づいた乗務員に対する音声により、運行中の運転者に対する指導を適時に行うことができる。また、車両運行情報収集装置によって運行中の適時に乗務員を音声により指導することができるため、その指導のためだけに乗務員指導装置10を搭載する必要がなくなり、車両運行情報収集装置の有効利用を図ることもできる。従って、運行中の適時に乗務員を音声により指導することで、危険な運転行為や事故の未然防止を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る乗務員指導装置を車両運行情報収集装置(デジタル・タコグラフ)に組み込んだ一実施の形態を、図2〜図9の図面を参照して説明する。
【0017】
ここで、図2は本発明に係る乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置の有する車両運行情報解析システムのシステム構成の一例を示す構成図であり、図3は図2の居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置の概略構成を示す構成図であり、図4は指導情報のデータ構造の一例を示す図であり、図5は図4の時刻設定の一例を示す図であり、図6は図4の音声データの一例を示す図であり、図7は図3のCPUが実行する乗務員指導処理の一例を示すフローチャートであり、図8は図3のCPUが実行する音声出力制御処理の一例を示すフローチャートであり、図9は乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置の動作を説明するための図である。
【0018】
車両運行情報解析システムは、図2に示すように、貨物輸送用トラック、タクシー等の営業用車両に搭載される車両運行情報収集装置(乗務員指導装置)1、10と、前記営業用車両を所有する会社、営業所等に設けられて前記車両運行情報収集装置1、10が収集した運行情報に基づいて運転者の運行状況を解析する解析装置5と、を有して構成している。
【0019】
車両運行情報収集装置1、10は、図3に示すように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)11、CPU11のためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM12、装置本体がオフ状態の間も記憶内容の保持が可能な電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリ(EEPROM)13、各種のデータを格納するとともにCPU11の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM14等を有して構成している。
【0020】
車両運行情報収集装置1、10はさらに、操作部15、表示部16、音声出力部17、インタフェース部18、カード挿入部19等を備え、それらの各々をCPU11に接続している。
【0021】
操作部15は、装置本体の正面等に設けている複数の操作スイッチを備え、発生した警報、音声出力等を停止させる停止スイッチ、車両が走行している道路が高速道路であるか一般道路であるかを運転者に選択させる高速/一般スイッチ等を有し、各スイッチの状態をCPU11で検出することが可能な構成になっている。なお、操作部15を構成から削除して、インタフェース部18に接続する外部の操作装置として実現することもできる。
【0022】
表示部16は、LCD等の表示装置を備え、CPU11から出力に基づいて各種表示を行う。そして、音声出力部17は、CPU11が出力した音声データを音声信号に変換して装置外部に出力する。
【0023】
インタフェース部18は、外部機器を着脱自在に接続するための端子を備え、CPU11と外部機器との交信を可能としている。本実施の形態では、インタフェース部18に、車両の速度センサ21とブレーキセンサ22とを接続している。この速度センサ21は、車両の速度に応じた速度信号をCPU11に対して出力し、CPU11は入力された速度信号から速度を算出する。そして、ブレーキセンサ22は、車両のブレーキが運転者によって操作されたか否かの識別が可能なブレーキ信号をCPU11に対して出力し、CPU11はそのブレーキ信号に基づいて運転者がブレーキの操作状態を判定する。
【0024】
カード挿入部19は、装置本体正面のスロットから挿入されたメモリーカード等のカード状記憶媒体(以下、カードと称する)Cに対し、CPU11から指定されたデータの書き込み、読み込みを行うもので、カードCのカード挿入部19に対する挿入は手動で行い、カードCの排出は、排出キーの操作に応じてカード挿入部19内の排出機構(図示せず)が自動で行う。そして、カードCには、車両運行情報収集装置1、10で車両の運行状況の変化に応じて発生する運行状況データが運行情報として時系列的に記憶される。
【0025】
上述した構成の車両運行情報収集装置1、10では、カード挿入部19へのカードCの挿入によって出庫処理が行われる。そして、この出庫処理後から運行状態の変化に応じて発生する運行状況データの収集が開始され、その後、終了スイッチ、書込スイッチ等の終了操作に応じて運行状況データの収集を終了し、入庫処理が行われることで、出庫から入庫までの一運行における運行情報が完成して、カードCに記憶される。
【0026】
一方、解析装置5は、予め定めたプログラムに従って動作するパーソナルコンピュータ(パソコン)50を有する。このパソコン50には、入力装置51と表示装置52が接続されている。さらに、パソコン50には、車両運行情報収集装置1、10にてカードCに書き込まれた各種データを読み取るリーダライタ30と、パソコン50から出力された各種データなどを紙に出力するためのプリンタ60が接続されている。そして、パソコン50のハードディスク装置等の記憶媒体には、解析プログラムをインストールしており、この解析プログラムをパソコン50のCPUが実行することで、そのパソコン50が解析装置5として機能する。
【0027】
解析装置5は、カードCが記憶している運行情報を解析して義務づけられている運転日報(労働時間、総走行距離、労働時間、運搬内容又は運行経路等)を自動的に作成する。また、運行情報を構成する運行状況データは、走行距離、走行時間、速度オーバー、エンジン回転、急加速などの車両の走行状態を示すデータを有しているため、解析装置5はそれらのデータに基づいて運転者の運行中における運転を解析し、その解析結果を表示装置52に表示させることで、管理者に運転者の運転状況を把握させ、運転者に対して的確な安全運転を指導させることで、運転者の安全管理を支援している。
【0028】
次に、カードに記憶している本発明に係る指導情報の一例を、図4〜6の図面を参照して以下に説明する。
【0029】
予めカードCに記憶している指導情報は、図4に示すように、チェックコード、時刻設定、出力設定フラグ、音声データ等を有して構成している。チェックコードは、指導情報が正常であるか否かを判定するためのデータである。
【0030】
時刻設定は、乗務員を指導するための音声を出力する時刻を設定するためのデータである。そして、本実施の形態では、図5に示すように、任意に定められた時刻が設定される定時刻1〜定時刻3、任意に定められた間隔が設定される定間隔1〜定間隔6等の複数の時刻設定項目を有し、時刻と間隔の設定は、車両の出庫時間を基準として、1分単位の設定を可能としている。このような設定とすることで、運行計画に適した時刻、タイミングで指導用音声出力を行うことができる。
【0031】
なお、設定時刻は上述した構成に限定するものではなく、定時刻と定間隔の個数やその設定内容は、運用形態に応じて種々異なる構成とすることができる。例えば、配送車両の場合は、配送計画の配送時刻(予定時刻)等に基づいて音声出力時刻と音声内容とを定めるようにしても差し支えない。
【0032】
出力設定フラグは、上述した時刻設定項目に対し、条件を満たすときに音声を出力するか否かを設定するためのフラグデータであり、各時刻設定情報に対応するように設けている。例えば、本実施の形態では、条件を満たすときに音声を出力する場合は”1”、条件を満たしても音声を出力しない場合は”0”を設定している。
【0033】
音声データは、図6に示すように、上述した時刻設定項目等の項目に対応しており、各音声データにはその優先順位が関連付けられている。なお、項目に上述した時刻設定項目以外の項目を追加して構成することで、運行中における乗務員に対応した指導ができるようになっている。なお、本実施の形態では、安全運転、経済運転等を指導するための項目として、”連続走行時間オーバー”、”速度オーバー”、”回転オーバー”、”アイドリング”等の項目を設けている。
【0034】
例えば、各項目に対応する音声データとしては、連続走行時間オーバーには”連続走行時間をオーバーしています。”、速度オーバーには”制限速度をオーバーしています。”、回転オーバーには”エンジン回転がオーバーしています。”、アイドリングには”アイドリングが発生しています。”等の音声を出力するためのデータを設定している。
【0035】
また、定時刻1〜3及び定間隔1〜6について本実施の形態では、音声を出力する項目にのみ音声データを設定しているが、全ての項目に音声データを設定するようにしても差し支えない。なお、音声データについては、”制限速度を”を”0E”、”エンジン回転が”を”0F”、”異常です。”を”10”、”オーバーしています。”を”11”などというように、各分割音声データを音声コードとして定め、この音声コードを組み合わせて分割音声データを指定するように音声データを構成するようすれば、音声データのデータサイズを小さくすることができる。
【0036】
なお、本実施の形態では、冬場の深夜に運行する乗務員の指導を行う場合について説明する。例えば、車両運行情報収集装置1、10が過去に収集した運行情報に基づいて解析装置5が解析した乗務員の癖、傾向等の解析結果から、その乗務員が居眠りし易い傾向にある場合、乗務員を管理する運送会社側では、その乗務員が乗務する車両の運行計画に基づいて、音声にて指導する設定時刻とその内容を定め、本実施の形態では、指導情報の定時刻1に出庫時刻(0:00)、その音声データに”スリップに注意してください。”、定時刻2に出庫からの15分経過した時刻(0:15)、その音声データに”休憩してください。”、定間隔1に30分、その音声データに”居眠りに注意してください。”を設定して指導情報を生成し、乗務員に対応したカードCに記憶させる。そして、乗務員は、出庫する際に対応するカードCを車両運行情報収集装置1、10のカード挿入部19に装着する。
【0037】
なお、本実施の形態では、前記運行中の前記乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するための音声データと、該音声データを出力する前記車両の運行計画に対応した時刻を示す時刻設定(時刻データ)と、を有する指導情報を装置外部で生成されたカードCから、車両運行情報収集装置1、10が取り込む場合について説明するが、通信装置を用いた通信、設定装置を用いたデータ転送等によって指導情報を取り込むなど種々異なる実施の形態とすることができる。
【0038】
また、車両運行情報収集装置1、10のシステムに関するカードエラー、別カード挿入時のエラー、カード未挿入走行時のエラー、カードCの記憶容量に関するエラー等のシステムエラーを音声出力するための警報情報については、EEPROM13に予め記憶しており、上述したチェックコード、出力設定フラグ、音声データ等を有して構成している。
【0039】
次に、車両運行情報収集装置1,10のCPU11が実行する本発明に係る乗務員指導処理の一例を、図7のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0040】
車両運行情報収集装置1,10のCPU11が起動され、図7に示す乗務員指導処理が実行されると、ステップS10において、カード挿入部19にカードCが装着されたか否かが判定される。カードCが装着されていないと判定された場合は(ステップS10でN)、この判定処理を繰り返すことで、カードCが装着されるのを待つ。一方、カードCが装着されたと判定された場合は(ステップS10でY)、ステップS11に進む。
【0041】
ステップS11(指導情報取込手段)において、カード挿入部19に対してカードCから指導情報の読み出しが要求され、この要求に応じて読み出された指導情報がEEPROM13に取り込まれ、その後ステップS12において、指導情報の前記時刻設定項目に指定されている定時刻、定間隔に対応した時間が経過するとタイムアウトする各種タイマが既読され、その後ステップS13に進む。
【0042】
ステップS13(時刻検出手段)において、タイムアウトしているタイマがあるか否かが判定される。タイムアウトしたタイマは存在しないと判定された場合は(ステップS13でN)、ステップS16に進む。一方、タイムアウトしたタイマがあると判定された場合は(ステップS13でY)、ステップS14に進む。
【0043】
ステップS14において、タイムアウトしたタイマに対応する時刻設定項目がEEPROM13の指導情報から抽出され、この時刻設定項目に対応する音声データが指導情報から抽出され、その後ステップS15において、抽出された音声データとその優先順位を示す優先順位データとを有して音声出力を要求する音声出力要求がRAM14の所定エリアに生成され、その後ステップS16に進む。
【0044】
ステップS16において、終了要求を受けたか否かが判定される。終了要求を受けていないと判定された場合は(ステップS16でN)、ステップS13に戻り、一連の処理が繰り返される。一方、終了要求を受けたと判定された場合は(ステップS16でY)、処理が終了される。
【0045】
次に、車両運行情報収集装置1,10のCPU11が実行する本発明に係る音声出力制御処理の一例を、図8のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0046】
車両運行情報収集装置1,10のCPU11が起動され、図8に示す音声出力制御処理が実行されると、ステップS20において、新たな音声出力要求がRAM14の所定エリアに発生しているか否かが判定される。新たな音声出力要求が発生していると判定された場合は(ステップS20でY)、ステップS21に進む。
【0047】
ステップS21において、待機中の音声出力要求があるか否かが判定される。待機中の音声出力要求がないと判定された場合は(ステップS21でN)、ステップS23に進む。一方、待機中の音声出力要求があると判定された場合は(ステップS21でY)、ステップS22において、RAM14の所定エリアに格納している音声出力要求の優先順位データに基づいて、優先順位の高い順に音声出力要求がソートされ、その後ステップS23に進む。
【0048】
ステップS23において、前記所定エリアの先頭に格納されている音声出力要求が抽出され、その後ステップS24(音声データ出力手段)において、その音声出力要求の音声データが音声出力部17に出力される、その後ステップS28に進む。そして、音声出力部17は、入力された音声データに基づいた音声を出力する。
【0049】
また、ステップS20で新たな音声出力が発生していないと判定された場合は(ステップS20でN)、ステップS25において、次の音声出力要求があるか否かが判定される。次の音声出力要求はないと判定された場合は(ステップS25でN)、ステップS28に進む。一方、次の音声出力要求があると判定された場合は(ステップS25でY)、ステップS26に進む。
【0050】
ステップS26において、出力要求を行った先頭の音声出力要求の次の音声出力要求が前記所定エリアから抽出され、その後ステップS27(音声データ出力手段)において、その音声出力要求の音声データが音声出力部17に出力される、その後ステップS28に進む。そして、音声出力部17は、入力された音声データに基づいた音声を出力する。なお、次の音声出力要求を抽出した時点で、音声出力要求が解除されている場合は、その音声出力要求は削除される。
【0051】
ステップS28において、終了要求を受けたか否かが判定される。終了要求を受けていないと判定された場合は(ステップS28でN)、ステップS20に戻り、一連の処理が繰り返される。一方、終了要求を受けたと判定された場合は(ステップS28でY)、処理が終了される。
【0052】
よって、以上の説明からも明らかなように、車両運行情報収集装置1,10のCPU11が特許請求の範囲に記載の指導情報取込手段、時刻検出手段、並びに、音声データ出力手段として機能している。
【0053】
次に、上述した車両運行情報解析システムにおける車両運行情報収集装置(乗務員指導装置)1の動作の一例を、図9の音声出力例を参照して説明する。
【0054】
車両運行情報収集装置1で収集する運行情報は、運行中に収集された車両の走行状態を示す複数種類の走行状態データを有しており、解析装置5は、指導すべき乗務員に対する過去の運行情報に基づいて、乗務員の過去の安全運転、経済運転等の解析が行われ、この解析結果と車両の運行計画とに基づいて、上述した指導情報が生成され、この指導情報は乗務員に対応するカードCに記憶される。
【0055】
23:50の車両の出庫に応じて、乗務員によってカードCが車両運行情報収集装置1に装着されると、カードCから指導情報がEEPROM13に取り込まれる。そして、指導情報の時刻設定(時刻データ)に設定されている時刻を検出するために各種タイマが起動され、タイマのタイムアウトが監視される。
【0056】
まず、定時刻1に設定された時刻(出庫時)が検出され、定時刻1に対応する音声データが音声出力部17に出力されることで、音声出力部17は乗務員に対し、「スリップに注意してください。」という音声を出力する。この音声出力によって乗務員は、冬場などの路面が凍結しているような場合であっても、注意しながら車両を発進させるので、事故を防止することができる。
【0057】
その15分後には、定時刻2に設定された時刻が検出され、定時刻2に対応する音声データが音声出力部17に出力されることで、音声出力部17は乗務員に対し、「休憩してください。」という音声を出力する。この音声出力によって乗務員は、深夜で眠い場合は休憩するため、居眠り運転を予防することができる。
【0058】
そして、出庫から30分が経過する毎に、定間隔1に対応する音声データが音声出力部17に出力されることで、音声出力部17は乗務員に対し、「居眠りに注意してください。」という音声を出力する。この定期的に出力される音声によって乗務員は、居眠りを注意するようになるため、居眠り運転を予防することができる。
【0059】
以上説明したように、運行情報を記憶するための記憶媒体Cに、運行中の乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するため指導情報を記憶しておき、装着された記憶媒体Cからその指導情報を取り込み、この指導情報の時刻データが示す時刻を検出すると、該時刻に対応した音声データを乗務員の指導のために出力することから、乗務員に対応する過去の業務状況と車両の運行計画とに基づいて指導情報を生成し、この指導情報に基づいた乗務員に対する音声により、運行中の運転者に対する指導を適時に行うことができる。また、車両運行情報収集装置によって運行中の適時に乗務員を音声により指導することができるため、その指導のためだけに乗務員指導装置10を搭載する必要がなくなり、車両運行情報収集装置の有効利用を図ることもできる。従って、運行中の適時に乗務員を音声により指導することで、危険な運転行為や事故の未然防止を図ることができる。
【0060】
また、定間隔1により音声出力を行う時刻に、速度オーバーが検出されると、音声データに関連付けられた優先順位データは、速度オーバーが”22”、定間隔1が”34”であることから(図6参照)、速度オーバーに対応する音声データに基づいた音声出力が行われ、その後に定間隔1に対応する音声データに基づいた音声出力が行われる。よって、同一の時刻に出力すべき音声データが複数存在すると、音声データに関連付けられた優先順位データに基づいてその出力順番を定めていることから、その時刻に最も適した重要な音声を出力させることができるため、危険な運転行為や事故の未然防止をより一層確実に図ることができる。
【0061】
なお、上述した本実施の形態では、乗務員指導装置10を車両運行情報収集装置1に組み込んだ場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、乗務員指導装置10を専用の装置として車両に搭載するようにしても差し支えない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した本発明の乗務員指導装置によれば、運行中の乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するため指導情報を装置内部に取り込み、この指導情報の時刻データが示す時刻を検出すると、該時刻に対応した音声データを乗務員の指導のために出力することから、乗務員に対応する過去の業務状況と車両の運行計画とに基づいて指導情報を生成し、この指導情報に基づいた乗務員に対する音声により、運行中の運転者に対する指導を適時に行うことができる。従って、運行中の適時に乗務員を音声により指導することで、危険な運転行為や事故の未然防止をより一層確実に図ることができる。
【0063】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、同一の時刻に出力すべき音声データが複数存在すると、音声データに関連付けられた優先順位データに基づいてその出力順番を定めていることから、その時刻に最も適した重要な音声を出力させることができるため、危険な運転行為や事故の未然防止を図ることができる。
【0064】
以上説明したように請求項3に記載した本発明の車両運行情報収集装置によれば、運行情報を記憶するための記憶媒体に、運行中の乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するため指導情報を記憶しておき、装着された記憶媒体からその指導情報を取り込み、この指導情報の時刻データが示す時刻を検出すると、該時刻に対応した音声データを乗務員の指導のために出力することから、乗務員に対応する過去の業務状況と車両の運行計画とに基づいて指導情報を生成し、この指導情報に基づいた乗務員に対する音声により、運行中の運転者に対する指導を適時に行うことができる。また、車両運行情報収集装置によって運行中の適時に乗務員を音声により指導することができるため、その指導のためだけに乗務員指導装置を搭載する必要がなくなり、車両運行情報収集装置の有効利用を図ることもできる。従って、運行中の適時に乗務員を音声により指導することで、危険な運転行為や事故の未然防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乗務員指導装置を備える車両運行情報収集装置の基本構成を示す図である。
【図2】本発明に係る乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置の有する車両運行情報解析システムのシステム構成の一例を示す構成図である。
【図3】図2の乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置の概略構成を示す構成図である。
【図4】指導情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】図4の時刻設定の一例を示す図である。
【図6】図4の音声データの一例を示す図である。
【図7】図3のCPUが実行する乗務員指導処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】図3のCPUが実行する音声出力制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 車両運行情報収集装置
10 乗務員指導装置
11a 指導情報取込手段(CPU)
11b 時刻検出手段(CPU)
11c 音声データ出力手段(CPU)
17 音声出力手段(音声出力部)
C 記憶媒体(カード)
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置に関し、より詳細には、車両に搭載され、該車両の乗務員の運行中における指導を音声により行う乗務員指導装置、及び、該乗務員指導装置を備える車両運行情報収集装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
貨物輸送用トラック、タクシー等の営業用車両の運行管理に用いられる車両運行情報解析システムは、車両に搭載され、車両の出庫から入庫までの一運行において、その車両の走行距離、走行時間等の車両の走行状態に関する走行状態データを生成させるとともに、荷積や荷卸に要した時間や休憩時間など各種の運行状況データを計測或いは手入力されて、その運行状況データに走行状態データを付加させ、この1又は複数の運行状況データを運行情報としてメモリカード等の着脱可能な記憶媒体に収集し記憶させる車両運行情報収集装置と、記憶媒体が装着されると、それに記憶されている運行情報を読み出して、その運行情報を構成する各種の運用状況データに基づいて各種運行記憶の解析を行う車両運行情報収集装置とは別体として配置される車両運行情報解析装置とから、その主要部が構成されるものである。
【0003】
車両運行情報収集装置では、装置本体への記憶媒体の装着によって出庫処理が行われる。そして、この出庫処理後から運行状態の変化に応じて発生する運行状況データの収集が開始され、その後、終了スイッチ、書込スイッチ等の終了操作に応じて運行状況データの収集を終了し、入庫処理が行われることで、出庫から入庫までの一運行における運行情報が完成する。
【0004】
一方、車両運行情報解析装置では、運行情報を解析して義務づけられている運転日報(労働時間、総走行距離、労働時間、運搬内容又は運行経路等)を自動的に作成していた。また、特にトラックなどの運送業界にとっては運転者に安全運転をいかに徹底させるかが重要な問題であり、運転者の運転状況を把握するために、車両運行情報収集装置にて収集した運行状況データに付加されている走行距離、走行時間、速度オーバー、エンジン回転、急加速などの車両の走行状態データに基づいて安全運転を解析することで、管理者は、その日の運転者の運行における運転者の運転状況を把握して、運転者に的確な安全運転の指導を行うことでにより、運転者に対する安全管理が行われていた。
【0005】
しかしながら、上述した車両運行情報記憶解析システムにおいて、運転者の安全運転の指導は、車両運行情報収集装置で収集した運行情報を解析した後に会社にて行うしかなかったため、運行中の運転者に対して安全指導を行うことができなかった。
【0006】
このような問題を解決するために、運転者の運転状況に応じて適時に安全指導ができる自動車運行管理装置が従来提案されている。この装置では、安全運行を守る速度制限値、急加速制限値等の制限値及び各制限値に対応する安全運転指導点を音声情報としてメモリーカードに記憶しておき、各種センサの検出情報から換算される換算値と比較して、換算値が制限値を越えると、その制限値に対応する注意事項を音声出力するように構成し、危険に繋がる運転行為に対して音声通知することにより安全運転指導を適時に行うことで、危険な運転行為や事故の未然防止を図っていた(特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−188067号公報 (第2−3頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、危険な運転行為や事故の未然防止を図ることは、貨物輸送用トラック、タクシー、バス等の営業用車両により運送を行う運送業にとって重要な問題であり、上述したような自動車運行管理装置も提案されているが、例えば、車両の運転は個人差があり、車両の急加速、急発進、急減速などを事前に検出することは困難であり、それらを検出してから警報を発するのでは、危険な運転行為や事故の未然防止を図るという点では十分ではない。また、居眠り運転による事故が発生するとその損害が大きくなることから、運行中の運転者が如何に眠くならないように指導するかも運送業界では課題となっている。
【0009】
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、運行中の適時に乗務員を音声により指導することができる乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の乗務員指導装置は、図1の基本構成図に示すように、車両に搭載され、該車両の乗務員の運行中における指導を音声により行う乗務員指導装置10であって、前記運行中の前記乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するための音声データと、該音声データを出力する前記車両の運行計画に対応した時刻を示す時刻データと、を有する指導情報を装置外部から取り込む指導情報取込手段11aと、前記指導情報取込手段11aが取り込んだ指導情報の時刻データが示す時刻を検出する時刻検出手段11bと、前記時刻検出手段11bが検出した時刻に対応し、前記指導情報取込手段11aが取り込んだ指導情報の前記音声データを、前記乗務員の指導のために出力する音声データ出力手段11cと、前記音声データ出力手段11cが出力した音声データに対応する音声を前記乗務員に対して出力する音声出力手段17と、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記請求項1に記載した本発明の乗務員指導装置によれば、指導情報取込手段11aによって指導情報が装置外部から取り込まれると、この指導情報の時刻データの示す時刻が時刻検出手段11bによって検出される。そして、この検出された時刻に対応する音声データは、乗務員の指導のために音声データ出力手段11cによって音声出力手段17に出力され、音声出力手段17によって音声データに対応する音声が乗務員に対して出力される。よって、運行中の乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するため指導情報を装置内部に取り込み、この指導情報の時刻データが示す時刻を検出すると、該時刻に対応した音声データを乗務員の指導のために出力することから、乗務員に対応する過去の業務状況と車両の運行計画とに基づいて指導情報を生成し、この指導情報に基づいた乗務員に対する音声により、運行中の運転者に対する指導を適時に行うことができる。従って、運行中の適時に乗務員を音声により指導することで、危険な運転行為や事故の未然防止を図ることができる。
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1に記載の乗務員指導装置において、前記指導情報はさらに、前記音声データの優先順位を示す優先順位データを有し、前記音声データ出力手段11cは、前記時刻検出手段11bが検出した時刻に対応する前記音声データが複数存在すると、前記優先順位データに基づいて前記音声データの出力順番を定め、該出力順番に基づいて前記音声データを順次出力することを特徴とする。
【0013】
上記請求項2に記載した本発明の乗務員指導装置によれば、時刻検出手段11bによって検出された時刻に対応する音声データが複数存在すると、音声データ出力手段11cによってその音声データに対応する優先順位データに基づいた出力順番が定められ、その出力順番に基づいて音声データが出力される。よって、同一の時刻に出力すべき音声データが複数存在すると、音声データに関連付けられた優先順位データに基づいてその出力順番を定めていることから、その時刻に最も適した重要な音声を出力させることができるため、危険な運転行為や事故の未然防止をより一層確実に図ることができる。
【0014】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項3記載の車両運行情報収集装置は、図1の基本構成図に示すように、請求項1又は2に記載の乗務員指導装置を備え、前記車両の運行状況に応じて発生する運行状況データを、着脱自在の記憶媒体Cに運行情報として収集する車両運行情報収集装置であって、前記記憶媒体Cは、前記乗務員に対応する前記指導情報を記憶しており、前記乗務員指導装置10の指導情報取込手段11aは、前記記憶媒体Cから前記指導情報を取り込むことを特徴とする。
【0015】
上記請求項3に記載した本発明の車両運行情報収集装置によれば、運行情報を記憶するための記憶媒体Cが装着されると、この記憶媒体Cから乗務員に対応する指導情報が指導情報取込手段11aによって装置に取り込まれる。そして、この指導情報の時刻データが示す時刻が時刻検出手段11bによって検出されると、この時刻に対応する音声データは、乗務員の指導のために音声データ出力手段11cによって音声出力手段17に出力され、この音声出力手段17によって音声データに対応する音声を乗務員に対して出力する。よって、運行情報を記憶するための記憶媒体Cに、運行中の乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するため指導情報を記憶しておき、装着された記憶媒体Cからその指導情報を取り込み、この指導情報の時刻データが示す時刻を検出すると、該時刻に対応した音声データを乗務員の指導のために出力することから、乗務員に対応する過去の業務状況と車両の運行計画とに基づいて指導情報を生成し、この指導情報に基づいた乗務員に対する音声により、運行中の運転者に対する指導を適時に行うことができる。また、車両運行情報収集装置によって運行中の適時に乗務員を音声により指導することができるため、その指導のためだけに乗務員指導装置10を搭載する必要がなくなり、車両運行情報収集装置の有効利用を図ることもできる。従って、運行中の適時に乗務員を音声により指導することで、危険な運転行為や事故の未然防止を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る乗務員指導装置を車両運行情報収集装置(デジタル・タコグラフ)に組み込んだ一実施の形態を、図2〜図9の図面を参照して説明する。
【0017】
ここで、図2は本発明に係る乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置の有する車両運行情報解析システムのシステム構成の一例を示す構成図であり、図3は図2の居眠り運転防止装置及び車両運行情報収集装置の概略構成を示す構成図であり、図4は指導情報のデータ構造の一例を示す図であり、図5は図4の時刻設定の一例を示す図であり、図6は図4の音声データの一例を示す図であり、図7は図3のCPUが実行する乗務員指導処理の一例を示すフローチャートであり、図8は図3のCPUが実行する音声出力制御処理の一例を示すフローチャートであり、図9は乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置の動作を説明するための図である。
【0018】
車両運行情報解析システムは、図2に示すように、貨物輸送用トラック、タクシー等の営業用車両に搭載される車両運行情報収集装置(乗務員指導装置)1、10と、前記営業用車両を所有する会社、営業所等に設けられて前記車両運行情報収集装置1、10が収集した運行情報に基づいて運転者の運行状況を解析する解析装置5と、を有して構成している。
【0019】
車両運行情報収集装置1、10は、図3に示すように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)11、CPU11のためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM12、装置本体がオフ状態の間も記憶内容の保持が可能な電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリ(EEPROM)13、各種のデータを格納するとともにCPU11の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM14等を有して構成している。
【0020】
車両運行情報収集装置1、10はさらに、操作部15、表示部16、音声出力部17、インタフェース部18、カード挿入部19等を備え、それらの各々をCPU11に接続している。
【0021】
操作部15は、装置本体の正面等に設けている複数の操作スイッチを備え、発生した警報、音声出力等を停止させる停止スイッチ、車両が走行している道路が高速道路であるか一般道路であるかを運転者に選択させる高速/一般スイッチ等を有し、各スイッチの状態をCPU11で検出することが可能な構成になっている。なお、操作部15を構成から削除して、インタフェース部18に接続する外部の操作装置として実現することもできる。
【0022】
表示部16は、LCD等の表示装置を備え、CPU11から出力に基づいて各種表示を行う。そして、音声出力部17は、CPU11が出力した音声データを音声信号に変換して装置外部に出力する。
【0023】
インタフェース部18は、外部機器を着脱自在に接続するための端子を備え、CPU11と外部機器との交信を可能としている。本実施の形態では、インタフェース部18に、車両の速度センサ21とブレーキセンサ22とを接続している。この速度センサ21は、車両の速度に応じた速度信号をCPU11に対して出力し、CPU11は入力された速度信号から速度を算出する。そして、ブレーキセンサ22は、車両のブレーキが運転者によって操作されたか否かの識別が可能なブレーキ信号をCPU11に対して出力し、CPU11はそのブレーキ信号に基づいて運転者がブレーキの操作状態を判定する。
【0024】
カード挿入部19は、装置本体正面のスロットから挿入されたメモリーカード等のカード状記憶媒体(以下、カードと称する)Cに対し、CPU11から指定されたデータの書き込み、読み込みを行うもので、カードCのカード挿入部19に対する挿入は手動で行い、カードCの排出は、排出キーの操作に応じてカード挿入部19内の排出機構(図示せず)が自動で行う。そして、カードCには、車両運行情報収集装置1、10で車両の運行状況の変化に応じて発生する運行状況データが運行情報として時系列的に記憶される。
【0025】
上述した構成の車両運行情報収集装置1、10では、カード挿入部19へのカードCの挿入によって出庫処理が行われる。そして、この出庫処理後から運行状態の変化に応じて発生する運行状況データの収集が開始され、その後、終了スイッチ、書込スイッチ等の終了操作に応じて運行状況データの収集を終了し、入庫処理が行われることで、出庫から入庫までの一運行における運行情報が完成して、カードCに記憶される。
【0026】
一方、解析装置5は、予め定めたプログラムに従って動作するパーソナルコンピュータ(パソコン)50を有する。このパソコン50には、入力装置51と表示装置52が接続されている。さらに、パソコン50には、車両運行情報収集装置1、10にてカードCに書き込まれた各種データを読み取るリーダライタ30と、パソコン50から出力された各種データなどを紙に出力するためのプリンタ60が接続されている。そして、パソコン50のハードディスク装置等の記憶媒体には、解析プログラムをインストールしており、この解析プログラムをパソコン50のCPUが実行することで、そのパソコン50が解析装置5として機能する。
【0027】
解析装置5は、カードCが記憶している運行情報を解析して義務づけられている運転日報(労働時間、総走行距離、労働時間、運搬内容又は運行経路等)を自動的に作成する。また、運行情報を構成する運行状況データは、走行距離、走行時間、速度オーバー、エンジン回転、急加速などの車両の走行状態を示すデータを有しているため、解析装置5はそれらのデータに基づいて運転者の運行中における運転を解析し、その解析結果を表示装置52に表示させることで、管理者に運転者の運転状況を把握させ、運転者に対して的確な安全運転を指導させることで、運転者の安全管理を支援している。
【0028】
次に、カードに記憶している本発明に係る指導情報の一例を、図4〜6の図面を参照して以下に説明する。
【0029】
予めカードCに記憶している指導情報は、図4に示すように、チェックコード、時刻設定、出力設定フラグ、音声データ等を有して構成している。チェックコードは、指導情報が正常であるか否かを判定するためのデータである。
【0030】
時刻設定は、乗務員を指導するための音声を出力する時刻を設定するためのデータである。そして、本実施の形態では、図5に示すように、任意に定められた時刻が設定される定時刻1〜定時刻3、任意に定められた間隔が設定される定間隔1〜定間隔6等の複数の時刻設定項目を有し、時刻と間隔の設定は、車両の出庫時間を基準として、1分単位の設定を可能としている。このような設定とすることで、運行計画に適した時刻、タイミングで指導用音声出力を行うことができる。
【0031】
なお、設定時刻は上述した構成に限定するものではなく、定時刻と定間隔の個数やその設定内容は、運用形態に応じて種々異なる構成とすることができる。例えば、配送車両の場合は、配送計画の配送時刻(予定時刻)等に基づいて音声出力時刻と音声内容とを定めるようにしても差し支えない。
【0032】
出力設定フラグは、上述した時刻設定項目に対し、条件を満たすときに音声を出力するか否かを設定するためのフラグデータであり、各時刻設定情報に対応するように設けている。例えば、本実施の形態では、条件を満たすときに音声を出力する場合は”1”、条件を満たしても音声を出力しない場合は”0”を設定している。
【0033】
音声データは、図6に示すように、上述した時刻設定項目等の項目に対応しており、各音声データにはその優先順位が関連付けられている。なお、項目に上述した時刻設定項目以外の項目を追加して構成することで、運行中における乗務員に対応した指導ができるようになっている。なお、本実施の形態では、安全運転、経済運転等を指導するための項目として、”連続走行時間オーバー”、”速度オーバー”、”回転オーバー”、”アイドリング”等の項目を設けている。
【0034】
例えば、各項目に対応する音声データとしては、連続走行時間オーバーには”連続走行時間をオーバーしています。”、速度オーバーには”制限速度をオーバーしています。”、回転オーバーには”エンジン回転がオーバーしています。”、アイドリングには”アイドリングが発生しています。”等の音声を出力するためのデータを設定している。
【0035】
また、定時刻1〜3及び定間隔1〜6について本実施の形態では、音声を出力する項目にのみ音声データを設定しているが、全ての項目に音声データを設定するようにしても差し支えない。なお、音声データについては、”制限速度を”を”0E”、”エンジン回転が”を”0F”、”異常です。”を”10”、”オーバーしています。”を”11”などというように、各分割音声データを音声コードとして定め、この音声コードを組み合わせて分割音声データを指定するように音声データを構成するようすれば、音声データのデータサイズを小さくすることができる。
【0036】
なお、本実施の形態では、冬場の深夜に運行する乗務員の指導を行う場合について説明する。例えば、車両運行情報収集装置1、10が過去に収集した運行情報に基づいて解析装置5が解析した乗務員の癖、傾向等の解析結果から、その乗務員が居眠りし易い傾向にある場合、乗務員を管理する運送会社側では、その乗務員が乗務する車両の運行計画に基づいて、音声にて指導する設定時刻とその内容を定め、本実施の形態では、指導情報の定時刻1に出庫時刻(0:00)、その音声データに”スリップに注意してください。”、定時刻2に出庫からの15分経過した時刻(0:15)、その音声データに”休憩してください。”、定間隔1に30分、その音声データに”居眠りに注意してください。”を設定して指導情報を生成し、乗務員に対応したカードCに記憶させる。そして、乗務員は、出庫する際に対応するカードCを車両運行情報収集装置1、10のカード挿入部19に装着する。
【0037】
なお、本実施の形態では、前記運行中の前記乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するための音声データと、該音声データを出力する前記車両の運行計画に対応した時刻を示す時刻設定(時刻データ)と、を有する指導情報を装置外部で生成されたカードCから、車両運行情報収集装置1、10が取り込む場合について説明するが、通信装置を用いた通信、設定装置を用いたデータ転送等によって指導情報を取り込むなど種々異なる実施の形態とすることができる。
【0038】
また、車両運行情報収集装置1、10のシステムに関するカードエラー、別カード挿入時のエラー、カード未挿入走行時のエラー、カードCの記憶容量に関するエラー等のシステムエラーを音声出力するための警報情報については、EEPROM13に予め記憶しており、上述したチェックコード、出力設定フラグ、音声データ等を有して構成している。
【0039】
次に、車両運行情報収集装置1,10のCPU11が実行する本発明に係る乗務員指導処理の一例を、図7のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0040】
車両運行情報収集装置1,10のCPU11が起動され、図7に示す乗務員指導処理が実行されると、ステップS10において、カード挿入部19にカードCが装着されたか否かが判定される。カードCが装着されていないと判定された場合は(ステップS10でN)、この判定処理を繰り返すことで、カードCが装着されるのを待つ。一方、カードCが装着されたと判定された場合は(ステップS10でY)、ステップS11に進む。
【0041】
ステップS11(指導情報取込手段)において、カード挿入部19に対してカードCから指導情報の読み出しが要求され、この要求に応じて読み出された指導情報がEEPROM13に取り込まれ、その後ステップS12において、指導情報の前記時刻設定項目に指定されている定時刻、定間隔に対応した時間が経過するとタイムアウトする各種タイマが既読され、その後ステップS13に進む。
【0042】
ステップS13(時刻検出手段)において、タイムアウトしているタイマがあるか否かが判定される。タイムアウトしたタイマは存在しないと判定された場合は(ステップS13でN)、ステップS16に進む。一方、タイムアウトしたタイマがあると判定された場合は(ステップS13でY)、ステップS14に進む。
【0043】
ステップS14において、タイムアウトしたタイマに対応する時刻設定項目がEEPROM13の指導情報から抽出され、この時刻設定項目に対応する音声データが指導情報から抽出され、その後ステップS15において、抽出された音声データとその優先順位を示す優先順位データとを有して音声出力を要求する音声出力要求がRAM14の所定エリアに生成され、その後ステップS16に進む。
【0044】
ステップS16において、終了要求を受けたか否かが判定される。終了要求を受けていないと判定された場合は(ステップS16でN)、ステップS13に戻り、一連の処理が繰り返される。一方、終了要求を受けたと判定された場合は(ステップS16でY)、処理が終了される。
【0045】
次に、車両運行情報収集装置1,10のCPU11が実行する本発明に係る音声出力制御処理の一例を、図8のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0046】
車両運行情報収集装置1,10のCPU11が起動され、図8に示す音声出力制御処理が実行されると、ステップS20において、新たな音声出力要求がRAM14の所定エリアに発生しているか否かが判定される。新たな音声出力要求が発生していると判定された場合は(ステップS20でY)、ステップS21に進む。
【0047】
ステップS21において、待機中の音声出力要求があるか否かが判定される。待機中の音声出力要求がないと判定された場合は(ステップS21でN)、ステップS23に進む。一方、待機中の音声出力要求があると判定された場合は(ステップS21でY)、ステップS22において、RAM14の所定エリアに格納している音声出力要求の優先順位データに基づいて、優先順位の高い順に音声出力要求がソートされ、その後ステップS23に進む。
【0048】
ステップS23において、前記所定エリアの先頭に格納されている音声出力要求が抽出され、その後ステップS24(音声データ出力手段)において、その音声出力要求の音声データが音声出力部17に出力される、その後ステップS28に進む。そして、音声出力部17は、入力された音声データに基づいた音声を出力する。
【0049】
また、ステップS20で新たな音声出力が発生していないと判定された場合は(ステップS20でN)、ステップS25において、次の音声出力要求があるか否かが判定される。次の音声出力要求はないと判定された場合は(ステップS25でN)、ステップS28に進む。一方、次の音声出力要求があると判定された場合は(ステップS25でY)、ステップS26に進む。
【0050】
ステップS26において、出力要求を行った先頭の音声出力要求の次の音声出力要求が前記所定エリアから抽出され、その後ステップS27(音声データ出力手段)において、その音声出力要求の音声データが音声出力部17に出力される、その後ステップS28に進む。そして、音声出力部17は、入力された音声データに基づいた音声を出力する。なお、次の音声出力要求を抽出した時点で、音声出力要求が解除されている場合は、その音声出力要求は削除される。
【0051】
ステップS28において、終了要求を受けたか否かが判定される。終了要求を受けていないと判定された場合は(ステップS28でN)、ステップS20に戻り、一連の処理が繰り返される。一方、終了要求を受けたと判定された場合は(ステップS28でY)、処理が終了される。
【0052】
よって、以上の説明からも明らかなように、車両運行情報収集装置1,10のCPU11が特許請求の範囲に記載の指導情報取込手段、時刻検出手段、並びに、音声データ出力手段として機能している。
【0053】
次に、上述した車両運行情報解析システムにおける車両運行情報収集装置(乗務員指導装置)1の動作の一例を、図9の音声出力例を参照して説明する。
【0054】
車両運行情報収集装置1で収集する運行情報は、運行中に収集された車両の走行状態を示す複数種類の走行状態データを有しており、解析装置5は、指導すべき乗務員に対する過去の運行情報に基づいて、乗務員の過去の安全運転、経済運転等の解析が行われ、この解析結果と車両の運行計画とに基づいて、上述した指導情報が生成され、この指導情報は乗務員に対応するカードCに記憶される。
【0055】
23:50の車両の出庫に応じて、乗務員によってカードCが車両運行情報収集装置1に装着されると、カードCから指導情報がEEPROM13に取り込まれる。そして、指導情報の時刻設定(時刻データ)に設定されている時刻を検出するために各種タイマが起動され、タイマのタイムアウトが監視される。
【0056】
まず、定時刻1に設定された時刻(出庫時)が検出され、定時刻1に対応する音声データが音声出力部17に出力されることで、音声出力部17は乗務員に対し、「スリップに注意してください。」という音声を出力する。この音声出力によって乗務員は、冬場などの路面が凍結しているような場合であっても、注意しながら車両を発進させるので、事故を防止することができる。
【0057】
その15分後には、定時刻2に設定された時刻が検出され、定時刻2に対応する音声データが音声出力部17に出力されることで、音声出力部17は乗務員に対し、「休憩してください。」という音声を出力する。この音声出力によって乗務員は、深夜で眠い場合は休憩するため、居眠り運転を予防することができる。
【0058】
そして、出庫から30分が経過する毎に、定間隔1に対応する音声データが音声出力部17に出力されることで、音声出力部17は乗務員に対し、「居眠りに注意してください。」という音声を出力する。この定期的に出力される音声によって乗務員は、居眠りを注意するようになるため、居眠り運転を予防することができる。
【0059】
以上説明したように、運行情報を記憶するための記憶媒体Cに、運行中の乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するため指導情報を記憶しておき、装着された記憶媒体Cからその指導情報を取り込み、この指導情報の時刻データが示す時刻を検出すると、該時刻に対応した音声データを乗務員の指導のために出力することから、乗務員に対応する過去の業務状況と車両の運行計画とに基づいて指導情報を生成し、この指導情報に基づいた乗務員に対する音声により、運行中の運転者に対する指導を適時に行うことができる。また、車両運行情報収集装置によって運行中の適時に乗務員を音声により指導することができるため、その指導のためだけに乗務員指導装置10を搭載する必要がなくなり、車両運行情報収集装置の有効利用を図ることもできる。従って、運行中の適時に乗務員を音声により指導することで、危険な運転行為や事故の未然防止を図ることができる。
【0060】
また、定間隔1により音声出力を行う時刻に、速度オーバーが検出されると、音声データに関連付けられた優先順位データは、速度オーバーが”22”、定間隔1が”34”であることから(図6参照)、速度オーバーに対応する音声データに基づいた音声出力が行われ、その後に定間隔1に対応する音声データに基づいた音声出力が行われる。よって、同一の時刻に出力すべき音声データが複数存在すると、音声データに関連付けられた優先順位データに基づいてその出力順番を定めていることから、その時刻に最も適した重要な音声を出力させることができるため、危険な運転行為や事故の未然防止をより一層確実に図ることができる。
【0061】
なお、上述した本実施の形態では、乗務員指導装置10を車両運行情報収集装置1に組み込んだ場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、乗務員指導装置10を専用の装置として車両に搭載するようにしても差し支えない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した本発明の乗務員指導装置によれば、運行中の乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するため指導情報を装置内部に取り込み、この指導情報の時刻データが示す時刻を検出すると、該時刻に対応した音声データを乗務員の指導のために出力することから、乗務員に対応する過去の業務状況と車両の運行計画とに基づいて指導情報を生成し、この指導情報に基づいた乗務員に対する音声により、運行中の運転者に対する指導を適時に行うことができる。従って、運行中の適時に乗務員を音声により指導することで、危険な運転行為や事故の未然防止をより一層確実に図ることができる。
【0063】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、同一の時刻に出力すべき音声データが複数存在すると、音声データに関連付けられた優先順位データに基づいてその出力順番を定めていることから、その時刻に最も適した重要な音声を出力させることができるため、危険な運転行為や事故の未然防止を図ることができる。
【0064】
以上説明したように請求項3に記載した本発明の車両運行情報収集装置によれば、運行情報を記憶するための記憶媒体に、運行中の乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するため指導情報を記憶しておき、装着された記憶媒体からその指導情報を取り込み、この指導情報の時刻データが示す時刻を検出すると、該時刻に対応した音声データを乗務員の指導のために出力することから、乗務員に対応する過去の業務状況と車両の運行計画とに基づいて指導情報を生成し、この指導情報に基づいた乗務員に対する音声により、運行中の運転者に対する指導を適時に行うことができる。また、車両運行情報収集装置によって運行中の適時に乗務員を音声により指導することができるため、その指導のためだけに乗務員指導装置を搭載する必要がなくなり、車両運行情報収集装置の有効利用を図ることもできる。従って、運行中の適時に乗務員を音声により指導することで、危険な運転行為や事故の未然防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乗務員指導装置を備える車両運行情報収集装置の基本構成を示す図である。
【図2】本発明に係る乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置の有する車両運行情報解析システムのシステム構成の一例を示す構成図である。
【図3】図2の乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置の概略構成を示す構成図である。
【図4】指導情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】図4の時刻設定の一例を示す図である。
【図6】図4の音声データの一例を示す図である。
【図7】図3のCPUが実行する乗務員指導処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】図3のCPUが実行する音声出力制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】乗務員指導装置及び車両運行情報収集装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 車両運行情報収集装置
10 乗務員指導装置
11a 指導情報取込手段(CPU)
11b 時刻検出手段(CPU)
11c 音声データ出力手段(CPU)
17 音声出力手段(音声出力部)
C 記憶媒体(カード)
Claims (3)
- 車両に搭載され、該車両の乗務員の運行中における指導を音声により行う乗務員指導装置であって、
前記運行中の前記乗務員を指導すべき指導内容を音声により出力するための音声データと、該音声データを出力する前記車両の運行計画に対応した時刻を示す時刻データと、を有する指導情報を装置外部から取り込む指導情報取込手段と、
前記指導情報取込手段が取り込んだ指導情報の時刻データが示す時刻を検出する時刻検出手段と、
前記時刻検出手段が検出した時刻に対応し、前記指導情報取込手段が取り込んだ指導情報の前記音声データを、前記乗務員の指導のために出力する音声データ出力手段と、
前記音声データ出力手段が出力した音声データに対応する音声を前記乗務員に対して出力する音声出力手段と、
を備えることを特徴とする乗務員指導装置。 - 前記指導情報はさらに、前記音声データの優先順位を示す優先順位データを有し、
前記音声データ出力手段は、前記時刻検出手段が検出した時刻に対応する前記音声データが複数存在すると、前記優先順位データに基づいて前記音声データの出力順番を定め、該出力順番に基づいて前記音声データを順次出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の乗務員指導装置。 - 請求項1又は2に記載の乗務員指導装置を備え、前記車両の運行状況に応じて発生する運行状況データを、着脱自在の記憶媒体に運行情報として収集する車両運行情報収集装置であって、
前記記憶媒体は、前記乗務員に対応する前記指導情報を記憶しており、
前記乗務員指導装置の指導情報取込手段は、前記記憶媒体から前記指導情報を取り込む
ことを特徴とする車両運行情報収集装置。
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